Huaweiへの半導体供給を封じるトランプ政権

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    今日は米国で2020/08/15に公布されたトランプ大統領令の内容について取り上げ、「Huaweiへの半導体供給を封じるトランプ政権」と題して論説します。

     

     一般財団法人の安全保障貿易情報センター(Center for Information on Security Trade Control)、通称”Cistec”事務局が、2020/08/19付で、「米国の中国企業製アプリ、通信企業への規制・制裁に関するQA風解説 −TikTok、テンセント/ファーウェイに係る規制・制裁について−」という文書を発信しています。

     

     そのQAの一部を抜粋してご紹介します。

     

    『米国の中国企業製アプリ、通信企業への規制・制裁に関するQA風解説

     

    Q

    ファーウェイに対する米国の厳しい姿勢は、トランプ政権になってからのように感じますが、米議会はどのような姿勢なのでしょうか?

     

    1 米国議会・政府は、この2年ほどでファーウェイに対して厳しい措置を講じてきていますが、もともとは、2012年10月に米下院情報委員会が、ファーウェイと ZTE を安全 保障上の脅威だとして、通信システムから排除や、米企業の買収阻止、米民間企業に対する取引の自粛等を求める報告書を公表し、両者に対する強い警戒を呼びかけたことに 遡ります。

     

    2 その後、5年近く経って、トランプ政権の時期になって厳しい措置が講じられるようになりましたが、トランプ政権よりも議会による措置が先行しています。17年末〜18年初めにかけて、国防総省、政府機関でのファ―ウェイ、ZTEのスマホ等の排除のための法案や公聴会を議会が主導しました。 18年4月にZTEに対して、その不正輸出による Entity List、更には DPL(Denied Persons List)への掲載による輸出禁止措置が、商務省 BISによって発動されましたが、 トランプ大統領は米国企業の ZTE 向け輸出への影響を念頭に、代替策を検討することを指示して解除させたため(同年7月)、議会が強く反発したという経緯があります。 議会はこのようなトランプ大統領のディール的姿勢を警戒し、国防権限法 2020(19年12月成立)では、ファーウェイに対する Entity List 掲載の解除・緩和について、議会 の承認を義務付ける条項を盛り込みました。例外的に輸出を認める一時的一般許可や安 保に影響がない輸出の許可等の執行状況についても報告を求めています。 このように、ファーウェイや ZTE 向け規制は議会主導の感がありましたが、2020年に入ってからは、議会、政府を問わず一致して強硬姿勢を示しています。』

     

     上記はあくまでも抜粋であり、20個以上あるうちの1つをご紹介しています。

     

     このQAでいえば、Huaweiに対する厳しい姿勢がトランプ政権になってからのように感じる・・・と頭出ししていますが、確かにオバマ政権は対中国政策に対して緩慢でした。

     

     とはいえ、Huaweiに対する厳しい姿勢は、回答の通り、トランプ政権というよりも米国議会の方が与党野党問わず、厳しい姿勢で臨んでいます。

     

     Huawei問題を理解するうえで、どうしても押さえておかなければならない事実は、米国議会がHuaweiを含め、中国系企業を安全保障上の脅威として問題視しているという事実です。

     

     そうした状況下で先月2020/08/15、トランプ大統領が大統領令を出しました。

     

     内容は米国政府の商務省の長官が、米国企業に対して、安全保障上の脅威とみなす通信技術を取引することを禁止するとしています。これは、通信技術分野において、国家安全保障上の脅威にあたるとみなした技術を米国企業は使用するということです。

     

     大統領令の文面にはHuaweiなどの企業の実名は出ていないものの、明らかにHuaweiを中心とした中国系企業をターゲットにした内容です。

     

     しかしながら今回の大統領令は、中国系企業に対する止めの鉄槌ともいえます。

     

     米国政府、トランプ政権は、中国企業の中でもとりわけHuaweiをターゲットにしていますが、根本的な理解として、中国政府から完全に独立している民間企業は中国国内には存在せず、仮に民間企業だったとしてもその背後には中国共産党が存在しているということを理解しなければなりません。

     

     中国共産党は、2017/06/27に「国家情報法」という法律を制定しました。

     

     この「国家情報法」の第7条では、中国国民は国家のインテリジェンス活動(諜報活動)を支援する義務があるとし、第14条では諜報活動を行う機関は、関係機関や組織・国民に対して、必要なサポートや支援、協力を要求することが許されると規定。この条文で明らかなことは、全ての中国人と中国の組織は、諜報活動に協力すべきと、情報収集活動が義務付けられています。

     

     そのため、HuaweiやZTEに限らず、TikTokのバイトダンスや、テンセント、アリババの他、ホテル業などの産業にも無制限の協力を命じていて、Huaweiのスパイ活動という構図と繋がります。

     

     私は過去、2018/12/09の記事で「中国Huawei・ZTE問題と、国家安全保障にかかわる次世代通信システム5Gサービスについて」と題して、Huaweiの財務最高責任者の孟晩舟がカナダの空港で逮捕され、孟晩舟の父で、Huaweiの創業者である任正非(れん・つぇいふぇい)について触れたことがあります。

     

     米国政府、米国議会の主張によれば、任正非は人民解放軍の技術者として働いた後、人民解放軍を辞めてHuaweiを起業しましたが、人民解放軍に強いコネクションを持ち、情報を盗むためのスパイ活動のための会社として、短期間に急激に大きくした裏がある会社であるとしています。

     

     その理由は2003年にシスコシステムズが技術を盗んだという理由でHuaweiを提訴していて、米国企業が初めて中国企業のHuaweiに対して訴訟を起こしました。

     

     この訴訟によってHuaweiの名前が知られたHuaweiは、裁判に持ち込ませず和解しました。

     

     ところがその後もHuaweiの技術・情報を盗む行為が続き、2010年には米国政府の情報機関がHuaweiに対して警告を発し、2012年にも米国議会、下院議会の情報委員会が報告書を出しています。

     

     しかしながらこの時はオバマ政権であり、オバマ政権は何もせず、一切手を打たなかったため、Huaweiはその後もどんどん拡大していくことになりました。

     

     2017年、トランプ政権になって米国政府、米国議会がようやくHuaweiという企業の実態がスパイ企業である疑義を持つようになり、ピーター・ナヴァロらが対中国強硬論を述べてようやく規制強化に動き出しました。

     

     米国からみれば、オバマ政権の間に手を打てたはずなのに、何もしていなかったことで相当の時間をロスしてしまったといえるでしょう。

     

     またこのHuawei問題の難しい点として、Huaweiを本当に禁止する証拠があるのか?ということで、これは欧州各国からも米国が言われ続けてきたことで、5G導入ではHuaweiは一番コストが安いため、Huaweiを使いたい国は多く、本当に禁止すべきなのか?という対立が米国国内にありました。

     

     情報機関とすれば、Huaweiのスパイ活動の証拠を出してしまった場合、中国共産党に対して、どんなものが米国の情報機関に情報収取されたか?という実力、いわば手の内がバレてしまいます。

     

     これは軍事情報も同様で、軍事情報を出すことは、自分たちの軍事能力を出すことに他ならず、情報機関としてもHuaweiのスパイ活動疑惑について、公に晒すのは難しかったと思われます。

     

     ところがウイグルの問題、2019年の香港のデモ弾圧といった事件によって、やっと世界各国が中国共産党がどれだけヤバいか?どれだけひどい組織なのか?理解をし、米国政府、米国議会の主張を理解し始めました。

     

     普通米国商務省の立場からすれば、Huaweiのスパイ活動の真偽が不明な状況で、通商政策を規制することになるHuaweiの使用禁止というのは、なかなかできないことなのですが、トランプ政権になってから商務省も立場が明確になりました。

     

     具体的には2020/05/15、米国製の装置を使ったHuawei向けの半導体について供給を禁止する禁輸措置強化に踏み切りました。

     

    <参考>2020/05/29の記事:◆米国トランプ政権のHuaweiへの禁輸措置強化について

     

     Huaweiは通信機器製造メーカーですが、半導体が供給されなければ何も作ることができません。

     

     米国製の半導体を台湾などの海外企業がHuaweiに販売していましたが、2020/05/15に禁輸措置強化によって、これを禁止しました。

     

     それでも抜け穴があったことが判明したトランプ政権は、先月2020/08/17に、禁輸対象リストの対象となる半導体の種類を拡大して、Huaweiへの半導体供給のサプライチェーンを徹底的につぶそうとしています。

     

     半導体が供給されなければHuaweiは通信機器の製造ができず、トランプ政権は徹底的にHuaweiの半導体供給を絶つ方針を続けるといえるでしょう。

     

     

     というわけで今日は「Huaweiへの半導体供給を封じるトランプ政権」と題して論説しました。

     トランプ政権はHuaweiのほか、TikTokを含めた中国系アプリの使用禁止や、アリババ、テンセントなどの中国企業の米国国内での事業禁止まで検討しています。

     米中貿易戦争が開始したのが、2018年1月からで、日本のマスメディアでも米中貿易戦争という文字が踊り始めたのは、2018年4月頃と認識していますが、このときに、ここまでの進展を予想する人は少なかったことでしょう。

     決して後出しじゃんけんではありませんが、私はこの米中貿易戦争という言葉に違和感を持ち、貿易という通商政策に限定している点が事実を矮小化していると思っておりまして、最終的にはどちらかがつぶれるまでやり合うだろうと予測していました。

     昨今のトランプ政権の対中国政策を見ていると、まさに中国共産党をつぶすために、ありとあらゆる手段を講じるだろうと、私は改めて思います。

     

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