ロックダウンを強行した欧州国の4月〜6月期のGDP

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     昨日、日本の4月〜6月期の実質GDPの1次速報が発表となり、▲7.8%(年率換算▲27.8%)という数値が発表となりました。日本のGDPについての分析は後日取り上げますが、今日は一足早く先月末発表された欧州のGDPをテーマとしてロックダウンを強行した欧州各国の4月〜6月期のGDP速報値を取り上げ、「ロックダウンを強行した欧州国の4月〜6月期のGDP」と題して論説します。

     

     日本経済新聞の記事をご紹介します。

    『日本経済新聞 2020/07/31 18:20 ユーロ圏GDP40%減、4〜6月年率 過去最悪

    【ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合(EU)統計局が31日発表した2020年4〜6月期のユーロ圏の域内総生産(GDP)速報値は物価変動を除いた実質で前期比12.1%減った。年率換算では40.3%減と、1〜3月期に続いて過去最悪を更新した。新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動が大きく鈍った。

     欧州各国は新型コロナの感染拡大を受けて、3月ごろから厳しい規制を導入した。店舗の営業停止や移動の制限の影響が統計の数値に表れた。国別ではスペインやイタリアなど南欧の落ち込みが大きい。新型コロナの打撃は製造業よりも、観光などサービス業の方が大きいからだ。

     コロナ死者数が多い南欧の2カ国をみると、イタリアのGDPは前期比12.4%減、スペインは同18.5%減だった。ユーロ圏2位の経済規模を持つフランスは同13.8%減。30日発表されたドイツの同10.1%減に比べると下げ幅が大きい。ユーロ圏全体だけでなく、31日までに発表したすべての加盟国で2四半期連続のマイナス成長となり、定義上の景気後退に入った。

     各国は外出などの制限を5月から徐々に緩和し、経済は再び動き始めている。IHSマークイットによると、ユーロ圏の総合購買担当者景気指数(PMI)は7月に約2年ぶりの高水準となり、景況感は感染拡大前の水準を取り戻した。製造業、サービス業ともに節目の50を超え、企業活動がおおむね順調に再開されていることを示唆した。財政出動や欧州中央銀行(ECB)の金融緩和の効果も景気を支える。

     オランダのING銀行の予測によると、7〜9月期は年率換算47%増となる。ただ4〜6月期の落ち込みの反動という面が大きく、前年同期と比べると7〜9月期は7.3%減となる。それでも景気の先行きには3つの不安材料がくすぶる。

     第1が感染再拡大だ。 スペインやドイツでは感染者数が増えつつあり、第2波への警戒感は強い。イタリアは感染拡大の懸念があるとして非常事態宣言を10月まで延長した。

     「状況をコントロールするために我々は再び行動する」。ベルギーのウィルメス首相は27日、公共イベントに参加できる人数の上限を半分にするなどの措置を発表した。同国の新型コロナ感染者数は7月26日までの1週間で2470人と6月下旬の週の約600人から急増しており、制限の再強化に動いた。ベルギーのように各国が制限措置を再強化すれば経済活動は冷え込む。

     第2の不安は雇用だ。6月のユーロ圏の失業率は7.8%。米国と比べて低いのは、雇用支援の政策効果が大きい。ただこうした支援策は時限措置だ。ドイツの時短勤務者への所得補償制度の拡充策は12月で期限が切れる。業績悪化が深刻な企業は採用に及び腰で、失業増加は社会不安にもつながりかねない。

     中長期では財政悪化が懸念材料だ。景気の下支えを目的に積極的な財政出動に打って出た結果、政府債務は膨張している。EU統計局によると、1〜3月のユーロ圏の公的債務はGDP比で9割近い。欧州委員会によると、20年通年では102.7%に膨らむ見通しだ。特に南欧は財政状況がもともと悪いところに新型コロナの感染が広がった。財政悪化を放置すれば再び債務危機を呼び起こしかねず、「どのタイミングで財政健全化に動くかが重要」(欧州証券)との声が多い。』

     

     上記記事の通り、厳しい規制を行った欧州の4月〜6月期の実質GDPが発表となりましたが、上記記事の通り欧州全体で▲12.1%で年率換算▲40.3%と、1月〜3月期に続き、過去最悪を更新しました。

     

     年率換算▲40.3%というのは、▲12.1%が1年間続いた場合の話で、▲40.3%都は実に欧州各国の所得が40.3%減ることを意味します。GDP3面等価の原則で考えれば、生産が▲40.3%=消費が▲40.3%=所得が▲40.3%です。

     

    <欧州19か国の第2四半期までの実質GDPの推移>

     

    <ドイツの第2四半期までの実質GDPの推移>

     

    <フランスの第2四半期までの実質GDPの推移>

     

    <イタリアの第2四半期までの実質GDPの推移>

     

    <スペインの第2四半期までの実質GDPの推移>

     

    <スウェーデンの第2四半期までの実質GDPの推移>

    (出典:EU統計局)

     

     

     上記は欧州19か国と、主要5か国(ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、スウェーデン)の実質GDPの推移のそれぞれのグラフです。

     

     欧州各国は新型コロナウイスる感染拡大を受け、厳しい規制を導入し、店頭の営業停止、移動制限の影響が統計数字にはっきりと表れた格好です。

     

     ドイツが▲10.1%だったのに比べて、フランス▲13.8%、イタリア▲12,4%、スペイン▲18.5%と厳しい状況になっています。

     

     新型コロナウイルスの経済への打撃は、製造業よりも観光などのサービス業への打撃が大きく、ロックダウンをした国のGDPの落ち込みが鮮明となっています。

     

     一番ロックダウンを厳しくやったスペインが▲18.5%で2割弱の所得を失ったことになります。欧州全体では▲12.1%ですが、最もロックダウンが緩かったスウェーデンは▲8.6%に留まりました。

     

     こうした指標を見る限り、”ロックダウン”即ち日本でいえば、緊急事態宣言をやればやるほど、経済のダメージが大きくなるということ。米国の第2四半期の実質GDPは▲9.5%(年率換算▲32.9%)で、欧州と比べるとややダメージが小さいようにみえますが、米国はニューヨーク州はロックダウンをしたものの、米国全体でロックダウンをやったわけではないため、その程度で収まったとみることができるでしょう。

     

     ということは当たり前のことですが、ロックダウン(=緊急事態宣言)をやれば、より激しく経済にダメージを与え、ロックダウンのレベルが低ければダメージは抑えられるということになります。

     

     欧州各国で経済が落ち込んでいるのは、外需に依存している点も影響を受けていると思われます。輸出に頼る国は、たとえ自国が経済を頑張って内需拡大しても、元々外需の割合が多いということであれば、貿易量の減少(スロートレード)の影響を受けます。

     

     これはリーマンショックの時に、有価証券が紙くずになるという直接的な被害はなかったものの、輸出が減少して経済が大打撃を受けたのと同じことです。

     

     リーマンショックで純粋に世界が恐慌になった時の悪影響は、輸出減少が主因でした。

     

     スウェーデンでも台湾でも、どこの国もスロートレードのダメージは受けます。

     

     リーマンショック級の被害といえるスロートレードのダメージの他に、ロックダウンによる内需縮小というダブルの需要減少によって、EU全体あるいはスペインなど、考えられないひどい経済状況になっているということが上述の経済指標でわかります。

     

     だから外需が凹んでいる場合、内需を支えるという意味で、ロックダウンのレベルを可能な限り軽減していた方が、経済へのダメージは少なく済みます。

     

     経済のダメージが小さくなれば、倒産が少なくなり、失業が少なくなり、貧困に陥ることを防ぎ、自殺者を減少させるということに確実につながります。

     

     自殺者の増加とは長いプロセスを歩みます。倒産が増えていくことから始まって徐々に半年とか1年とか経過して増えていきます。

     

     したがって今回の統計発表によって今後はっきりと悪影響が出てくると予想できます。

     

     今回、欧州や米国は何十兆、何百兆というオーダーで、真水の財政出動をしましたが、経済の落ち込みを支えきれませんでした。もし財政出動をやっていなければ、さらにもっとひどい状況になっていたことでしょう。

     

     

     というわけで今日は「ロックダウンを強行した欧州国の4月〜6月期のGDP」と題して論説しました。

     コロナウイルスを怖れすぎるあまりに、ロックダウンを強行した欧州国は、経済のダメージを大きく受けてしまいました。しかも、ロックダウンを強行して感染者数が抑制できたのか?といえば、そうでもありません。

     いたずらにコロナウイルスを怖れて、ロックダウン、緊急事態宣言を安易に発動してしまっては、国家の経済が崩壊するということが明らかであることが、欧州各国のGDP発表で分かったことだと改めて思います。

     ロックダウン、緊急事態宣言をやるならば、粗利益補償をするべきですし、医療崩壊を防ぐための医療機関へのICU室増設の補助金を出すことも合わせ技として有効です。

     とにかく財務省が緊縮財政を辞め、日本の国会議員らも緊縮財政は間違っていることに気付かない限り、間違った政策で日本も経済が崩壊してしまう可能性があると、改めて私は思うのです。


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