消費税10%で日本は発展途上国化がさらに加速する!

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     今日は「消費税10%で日本は発展途上国化が加速する!」と題して論説します。

     

     私は従来からデフレ状況での消費増税には反対の立場です。逆にインフレ状態であれば消費増税も政策の一つとして有効と考えます。例えば、消費者物価指数がコアコアCPI(生鮮食品とエネルギーの価格変動を除く消費者物価指数)でプラス7%程度、GDPデフレーターでプラス7%程度という状況であれば、むしろ消費増税したほうがいいです。諸外国をみても、負債を増やしながら経済成長し、例えば北欧のスウェーデン、デンマーク、ノルウェーが消費税率25%を筆頭に、イタリアが22%、ベルギー、オランダが21%と続きます。

     

     欧州の主要国で消費税が20%台なので、日本も消費増税は10%どころかもっと引き上げるべきという意見は、日本がデフレであるという点を見落としています。デフレで消費税率を引き上げた場合、間違いなく経済縮小で経済成長はおろか、日本の発展途上国化が加速します。

     

     2019年10月に予定されている10%への消費増税については、下記の3つを主な理由として私は反対の立場です。

    ●引き続き日本がデフレであること

    ●需要縮減策(働き方改革による残業規制、オリンピック特需の減少)の目白押しでタイミングが悪いこと

    ●内閣官房参与の藤井聡先生の指摘による10%という数値がもたらす心理的インパクト

     

     今に限らないかもしれませんが、日本には勢いがありません。中国にGDPで抜かれ、所得もどんどん減少しています。何しろ、中国のファーウェイは、昨年夏の日本国内事業における新卒募集で、初任給40万円で募集していることが話題になりました。

     

     私は1996年4月に社会人になったのですが、平均して初任給は20万円。銀行が174000円だったことを記憶しています。私が大卒で入社した損害保険会社も20万円台でしたが、家電製品の日立や東芝や富士通やNECなども20万円前後だったと思います。

     

     1997年に橋本政権による構造改革基本法制定以来、日本はデフレに突入するのですが、20年以上たった今、初任給は20万円ちょっとでほとんど変わらない水準です。これはこの20年間経済成長していなかったことそのものだといえるでしょう。

     

     今の若い人だけでなく、バブルを経験した世代にしても、「バブル時代はよかったな!」「高度経済成長時代はよかったな!」と思う人がいる一方、「でも2度と私たちは、あのような高度経済成長はできないだろうな!」と自虐的に考える人々は多いと思われます。

     

     こうした風潮は全て消費増税が原因と私は断定します。

     

     1997年の消費増税5%がまずかったのは、バブル崩壊後であったことと、消費増税以外に公共事業削減、医療費削減という需要削減をしたことが原因です。公共事業・医療介護費の削減は、いずれも需要削減のデフレ促進策でインフレ対策です。

     

     日本がバブル絶頂で経済成長率が高いときであれば、消費増税に加え、そうした需要削減策もありです。とはいえ、日本は災害大国であるため、地震対策による耐震化、津波高潮対策による防波堤防潮堤整備、火山噴火予知やゲリラ豪雨予測などの応用技術分野が広いスパコン事業、イージス艦建造や戦車製造などの防衛事業など、生産年齢人口の減少や総人口の減少があっても需要が減ることはありません。こうした事業に対しては、たとえ高インフレという環境を受け入れてでも、継続していく必要があるものと考えることもできます。

     

     日本は他国と比較して高貯蓄率と言われることがありますが、このルーツについてもいろんな説がありますが、とりわけ戦時中の経済を要因とするルーツについては、戦時中に貯蓄が奨励され、国民の購買力を抑えることを国家として推奨しました。

     

     戦争するとなれば、購買力の多くを軍事産業の製造業者に与え、限られた人・モノ・カネを集中する必要が出てきます。このとき個人が消費する商品もサービスも減少させなければなりません。

     もし、消費者が賃金が伸びていて、実質消費が増えていて、かつ平時の状態を続けていれば、軍事産業と競うこととなって物価がさらに上昇します。その結果、物資を調達するための戦費の高騰を招き、最悪は高インフレ率という形で国民の不満が高まる恐れがありました。その時の解決策とは何か?といえば、貯蓄奨励でした。

     

     1938年4月、貯蓄率をGDPの30%まで引き上げることを目的として、「全国貯蓄奨励運動」というものが始まりました。貯蓄奨励委員会や貯蓄組合が、全国の役所や民間企業、一般労働者や隣組などに続々と生まれたのです。国民貯蓄奨励員会は日本銀行内に作られ、貯蓄のほとんどは国債や郵便貯金や銀行預金となりました。こうして貯蓄が奨励されることで消費を抑制し、物価の上昇を抑えました。

     

     いざ戦争になれば、日本語をしゃべられる人は、「おいおい!フリーターとかニートとかやっている場合じゃないよ!戦おうよ!」ということになり、お金をもらって国のために働くことになります。徴兵とはそういうことです。若者はお金を貯めることができるのですが、それを旺盛に消費しようとなると、物価上昇に拍車がかかるため、貯蓄奨励をすすめられたのです。それはそれで、お金が貯められて、いい時代だったのかもしれません。

     

     少し話を戻しますが、今の日本ではGDP530兆円の6割が個人消費を占めます。この消費そのものを削減するというのが消費増税です。そのため消費増税すればするほど、GDPの半分以上である6割をも占める消費を、過去にわたって削減してきたということになります。

     

     逆に消費増税さえしなければ、現在の日本は、中国と対等どころか、中国に負けない経済大国になっていた可能性が高いといえます。ひょっとすれば米国と対等くらいの経済力を持っていた可能性ですら、あり得ます。

     

     米国製品のグーグルとかアップルなど、米国の舶来品をすごいと思っている人々は多いと思うのですが、仮に経済大国となって米国と対等の経済力があれば、グーグルやアップルに変わって日本のシャープやソニーが世界を支配していた可能性もあるのでは?と思っています。

     

     今はトヨタ自動車だけが世界を支配してシェアを取っている状況ですが、トヨタのみならずあらゆる分野で日本企業が世界を席巻していた可能性は十分にあり、20代〜30代の非正規社員や貧困女子などというものは、全く発生しなかった可能性も十分にあります。

     

     昨今、インバウンドでお金を稼ごう!という風潮があります。どちらかといえば私はインバウンドは嫌いです。もし、消費増税していなければ、経済成長を続けて物価が高い状況になるため、いろんなものが高くて立派な国となって、外国人は日本に来日できないでしょう。

     

     昔のバブルの頃、物価が高いために外国人は来日できませんでした。今、来日している外国人は、かつての日本人がフィリピンやタイに行ったら物価が安いということで東南アジアに行くのと同じような気持ちで来日しているだけです。

     

     消費増税さえしなければ、今の日本の状況は全然違っていたでしょうし、日本人がみんなお金をたくさん持っていたことになるでしょうから、子どもも一人だけではなく、二人目、三人目と産む人もたくさんいたことでしょう。となれば、少子化だって起きなかったに違いません。

     

     日本の消費増税によって、日本は、とてつもなくダメな国になり、発展途上国化してきました。今度の消費増税10%は、日本をさらにもう1ランク下の国に格下げしていく可能性があります。このまま消費増税した場合、2040年頃にはメキシコやインドネシア程度の貧困国に日本は落ちぶれていくことでしょう。

     

     

     というわけで今日は「消費税10%で日本は発展途上国化がさらに加速する!」と題して論説しました。

     日本国民は消費増税が日本を根本からダメにしているということを知らなすぎであると私は思います。読者の皆様にはぜひとも「消費増税は”ヤバイ”」ことを認識していただき、消費増税すべきという国会議員は落選させなければならないということを知っていただきたい。

     消費税を社会保障に充当するというのは、すべてデマであり、社会保障費は経済成長することでおつりが十分に出ます。なぜならば日本は税収弾性値が3〜4であり、名目GDPの伸びに対して税収は3倍〜4倍にもなるから。事実として、第二次安倍政権発足時、2013年度は国土強靭化で公共事業費を増やしたため、名目GDPで△1.9%となり、税収は△6.9%も増えました。ところが、その後、消費増税をはじめとする緊縮財政を始めたため、景気は失速しました。

     社会保障制度の維持という目的もまた、デフレ脱却で経済成長こそが解決策であるということなのです。だから消費増税をしなければ、昔のままの社会保障制度を、高齢化社会が進行していたとしても完全に維持することができたといえます。

     家計簿発想による緊縮財政・増税思考をもつ愚かな財務省職員らが、マスコミを使って巧みなプロパガンダで日本国民を陥れているともいえます。経済成長すれば税収弾性値によって経済成長率以上に税収は増えます。

     マスコミどもは財務省のプロパガンダにやられていますが、本当は消費増税は何も決まっていないということを今一度皆様にはご理解いただきたいと思うのです。


    東京オリンピック後の会場施設の利用について

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       今日は「東京オリンピック後の会場施設の利用について」と題して論説します。

       

       読売新聞の記事を紹介します。

      『読売新聞 2018/10/04 13:18 五輪施設「負の遺産化」防止へ早期に運営者決定

       2020年東京五輪・パラリンピック会場を「負の遺産」としないために、東京都は、五輪後に競技施設を運営する民間事業者について、新設6施設のうち5施設は早ければ今月中、1施設は来春に選定する方針を固めた。民間運営者が五輪前から施設活用の営業活動を始めることで、都は施設の利用予約が五輪後1年先まで埋まっている状況を目指す。都幹部は「開催の1年以上前に大会後の運営者が決まるのは異例」と説明している。

       都が新設するのは、水泳の「東京アクアティクスセンター」(江東区)やボートなどの「海の森水上競技場」(東京湾中央防波堤)、「カヌー・スラローム会場」(江戸川区)など6施設。

       うちバレーボールなどの「有明アリーナ」(江東区)は、コンサートなど様々な用途で利用でき、ノウハウのある民間に運営権を売却する「コンセッション方式」を採用する。黒字化も見込まれ、来春には売却先事業者を選定する。(後略)』

       

       上記記事の通り、民間運営者がオリンピック前から施設活用の営業を始めることで、東京都は施設の利用予約がオリンピック後の1年先まで埋まっている状態を目指すようです。

       

       よくオリンピック開催でいわれることは、オリンピックが終わった後に経済が悪くなるからオリンピック招致に反対するという論説があります。そのうえ会場施設が負の遺産になるから無駄だともいわれます。

       

       こうした負の遺産批判というのがオリンピック開催国では、どこの国でも起きるため、こうした早めに検討すること自体悪い話ではありません。

       

       とはいえ、オリンピックは世界的なお祭りでもあります。負の遺産批判に対する対応は不要とまでは言いませんが、それ以前にまずオリンピックの開催について、しっかりと盛り上げていくということが大事であると思うのです。

       

       確かにロンドンオリンピックのときは、会場施設をコンサートホールとして利用し、有効活用している事例もあります。だから日本でも同じようにやればいいだけのこと。

       

       だた利用する側からみれば、利用料金がどのくらいになるのか?という問題が出てきます。あまりに高い金額設定となれば、予算がなくて使えないということになるでしょう。

       

       要はデフレを放置した状態だと誰も使いません。デフレ脱却ができなければ閑古鳥が鳴くに決まっています。それはオリンピックが終わるからという話とは別の経済の話です。世の中がインフレになれば、猫の手も借りたいとなれば、高くても何でもいいから使いたいということになるため、この問題も解決できます。

       

       結局デフレ脱却が、こうした問題の解決策となるのです。

       

       

       というわけで今日は「東京オリンピック後の会場施設の利用について」と題して論説しました。

       東京オリンピックの後、1.0%程度はGDPが下がるでしょう。オリンピック後はそうなるのはある意味当然の成り行き。とはいえ経済政策次第ではGDPを下げないことは可能です。「国債増刷」「政府支出増」となればデフレ脱却していく過程で、民間の施設利用の名目需要も実質需要も伸ばしていくことは十二分に可能です。

       となるとデフレ脱却対策という意味で、消費増税の延期・凍結というのは非常に重要な意味を持ちますし、消費増税がどれだけマイナスインパクトを持つのか?逆に恐ろしい話になるともいえるのです。


      モンゴル帝国のフビライ・ハンの時代にインフレーションが発生したのはなぜか?

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         今日は「お金」をテーマに論説します。

         

         人類で初めて硬貨が使われたとされるのは、古代ギリシャ人の歴史家ヘロドトスによれば、アナトリア(今のトルコ)で使われていた「エレクトラム硬貨」と呼ばれるもので、紀元前610年頃の話です。

         では紙幣が使われるようになったのはいつか?モンゴル帝国における紙幣発行の歴史について触れ、「モンゴル帝国のフビライ・ハンの時代にインフレーションが発生したのはなぜか?」と題し、下記の順で論説したいと思います。

         

        1.唐の時代の「飛銭」と宋の時代の「交子」「会子」

        2.人類初の不換紙幣を発行したモンゴル帝国のフビライ・ハン

        3.国家の経済力や国力とは、どういうことなのか?

        4.フビライ・ハンの時代にインフレーションが発生した真の理由とは?

         

         

         今回のテーマを理解するために、少しだけ歴史を編年体で記載させていただきます。

         

        ●唐の後期 「飛銭」と呼ばれる銅との兌換紙幣が流通する

        ●宋の時代 「公子」「会子」と呼ばれる銅銭との兌換紙幣が流通する

        ●  970年 宋が貨幣を発行する「便銭部」を創設する

        ●1023年 宋が紙幣を発行する「交子務」を設立する 

        ●1206年 チンギス・ハンがモンゴルを統一し、モンゴル帝国を建国する

        ●1227年 モンゴル帝国がシルクロードの西夏(せいか)を征服する

        ●1231年 首都臨安で大火災が発生する

        (南宋政府は、臨安復興のために「会子」の発行量を増やした結果、インフレーションとなって通貨の価値が下落する)

        ●1234年 モンゴル帝国が中国北部の金を征服する

        ●1235年 モンゴル・南宋戦争が勃発する

        ●1260年 フビライ・ハンが「お金の統一」に成功し、銀を担保とした「中統元宝交鈔」を発行して流通させる

        ●1287年 フビライ・ハンが新通貨「至元通行宝鈔」を発行して従来の通貨を廃絶させ、インフレ抑制を図る

         

         

         

        1.唐の時代の「飛銭」と宋の時代の「交子」「会子」

         唐の時代、政府は約束手形を発行していました。これを「飛銭(ひせん)」と呼びます。当時の唐は、銅銭を中心とした貨幣経済が成立していました。ところが銅銭は重いため、大量の持ち運びには不便でした。そこで地域間の交易を容易にするために政府が「飛銭」と呼ばれる決済手形を発行し始めました。

         唐が亡び、宋の時代に入って、商人たちは「交子」「会子」と呼ばれる手形を使うようになりました。経済成長が著しく、交易を容易にするために「手形(お金)」を必要としたのです。

         その宋では970年に「便銭部」を創設しましたが、北宋時代では2600億枚以上の効果が鋳造されたとされています。

         

         宋は1023年「交子務」を設立し、本格的な紙幣の発行を始めました。なぜ、紙幣の発行を始めたか?理由は金属を材料に鋳造する硬貨よりも、製造コストが安い紙片を用いることで、著しい経済成長を背景とした貨幣の需要に応じられるようにするためです。

         宋が「交子務」を創設して紙幣の発行を始めて以来、紙幣の発行量は増やしやすくなります。南宋の時代では、経済成長率が低迷したにもかかわらず、紙幣発行量の増加は収まる気配を見せなかったといわれています。

         

         そして1231年に首都臨安で大火災が発生し、その復興のために南宋政府が「会子」の発行量を増やした結果、通貨の価値が下落し、インフレーションが発生しました。

         

         

         

        2.人類初の不換紙幣を発行したモンゴル帝国のフビライ・ハン

         モンゴル帝国のフビライ・ハンは南宋を滅ぼした後、「お金の統一」を図り、成功します。1260年に銀を担保にした「中統元宝交鈔」と呼ばれる紙幣を発行し、モンゴル政府がモンゴル国内で流通する唯一のお金であると宣言しました。その宣言以降、紙幣の偽造が発覚した場合は、死刑に処されるようになりました。

         

         モンゴル帝国は度重なるインフレーションに苦しめられます。なぜならば南宋を滅ぼした後、6000万人もの人口が増加したため、膨大なお金の需要が生まれたからです。

         

         ところが「中統元宝交鈔」の裏付けは「銀」という金属です。銀は、金と同様に産出量には限界があります。

         

         そのため、モンゴル帝国は「銀」を裏付けにしない銀と無関係な紙幣の発行を始めました。産出量に限界がある銀を裏付けとしない紙幣発行を始めることで、「中統元宝交鈔」の価値が暴落したとされています。

         

         フビライ・ハンは1287年に「至元通行宝鈔」を発行して、従来の通貨を廃絶し、インフレの抑制を図りました。この「至元通行宝鈔」は金や銀などの貴金属との兌換を認めなかったため、現在の現金紙幣と完全に同じの不換紙幣です。

         

         モンゴル帝国は「至元通行宝鈔」を普及させるため、商売や交易における金、銀の貴金属の使用を禁止しました。

         

         にもかかわらず、金・銀の使用禁止を受けた人々は、貴金属を集めて退蔵するようになり、裏で旧来の金貨・銀貨流通を続けました。そのため、新通貨「至元通行宝鈔」の価値は下がり続けました。

         

         

         

        3.国家の経済力や国力とは、どういうことなのか?

         国家の経済力とか国力という言い方をする際、皆さんはどうお考えになるでしょうか?

         

         金をたくさん保有していることでしょうか?紙幣がたくさん流通していることでしょうか?基軸通貨ドルをたくさん抱えていることでしょうか?

         

         国家の経済力、国力とは、国民が必要とするモノ・サービスを生産することができる力であり、貴金属をどれだけ保有しようが、基軸通貨ドル紙幣をたくさん保有していようが全く関係ありません。

         

         例えば無政府状態のリビアやサハラ砂漠のど真ん中で1億円持っていたとして、モノ・サービスを大量に生産できる工業先進国日本での1億円と、インフラがほとんど整備されておらずモノ・サービスの生産が自国でできない発展途上国での1億円では、生活レベルが全く異なるのは想像できるのでは?と思います。

         

         先進国は自国民の需要を自国の生産力で満たすことができる割合が高い国をいい、国内需要を満たすのに十分な生産能力を保持している国といえます。

         

         一方で発展途上国は、自国民の需要を自国の生産力で満たすことができる割合が低い国をいい、国内需要を満たすのに十分な生産能力を保持していない国といえます。

         

         発展途上国が貧しいのは、金の保有が少ない、米ドルなどの外貨準備が少ない、という話ではありません。自国でお金を流通させたいということであれば、政府が幾らでも自国紙幣を発行することは可能です。

         

         仮に金の保有がたくさんあり、米ドルなどの外貨準備が多かったとして、それらを裏付けに自国通貨を中央銀行に膨大に発行させて自国に流通させようとしても、その国民は貧しいことに変わりありません。何しろ、手元で紙幣がどれだけたくさん積まれても、その紙幣で買うことができるモノ・サービスが不足しているからです。

         

         モノ・サービスの需要に対して供給が不足する状態のことをインフレギャップといいます。(下図を参照)

         

        <インフレギャップのイメージ>

         

         インフレギャップに対して供給力増強で充足できない場合、どれだけたくさん紙幣を発行しても普通に物価上昇します。これがインフレーションです。

         

         

         

        4.フビライ・ハンの時代にインフレーションが発生した真の理由とは?

         モンゴル帝国の歴史を振り返りますと、領土拡大のたびに人口が増加するなどして、モノ・サービスの需要が増加していきました。しかしながら銀を裏付けにした兌換紙幣の「中統元宝交鈔」、貴金属を裏付けにしない不換紙幣の「至元通行宝鈔」といった通貨発行しながらも、インフレーションによる通貨の価値の下落を防ぐことはできず、衰退していきました。

         

         フビライ・ハンは1287年に「至元通行宝鈔」を発行してインフレーションの抑制を図ったにもかかわらず、なぜインフレーションによる通貨の価値の下落を防ぐことができなかったのでしょうか?

         

         銀を裏付けとした兌換紙幣の「中統元宝交鈔」、貴金属を裏付けにしない不換紙幣の「至元通行宝鈔」といった紙幣は、何を目的に使われるでしょうか?いうまでもなく、モノ・サービスの購入のためです。

         

         即ち、モンゴル人がモンゴル政府が発行する紙幣を使って買い物をしようとしたにもかかわらず、モンゴル国内で十分なモノ・サービスが存在していなかったからために物価が上昇していった。あるいはモンゴル国民の需要を満たすだけのモノ・サービスが生産されていなかったということが、インフレーションによる通貨価値の下落を防げなかった理由と言えるでしょう。

         

         インフレーションは「お金の発行量」が多いから発生するわけではありません。フビライ・ハンが銀を裏付けとしない「至元通行宝鈔」という不換紙幣を躊躇なく発行したとして、それでインフレーションになるわけがありません。

         

         インフレーションは、国民がモノ・サービスを買おうと需要があるにもかかわらず、供給を満たすだけの生産能力が不足しているときに、モノ・サービスの価格は上昇していくのです。

         

         もし、中世のフビライ・ハンの時代に、モンゴル帝国が現代の日本や米国を上回る驚異的な経済力を保有していた場合を想像してみてください。

         

         モンゴル帝国の人々の需要を、軽々と上回る生産能力を保有している状態で、モノ・サービスが有り余っているような場合、銀を裏付けとした「中統元宝交鈔」、銀を裏付けとしない「至元通行宝鈔」を大量発行したとして、インフレーションになるでしょうか?

         

         どちらの紙幣もおそらく価値を維持することができると予想できます。なぜならばモンゴル帝国の人々の需要を、十分に満たすだけの生産力を保有している先進国の環境であれば、紙幣を大量発行したとしてもインフレになりようがありません。

         

         逆に生産力を十分に保有しない発展途上国の環境であれば、政府がお金の発行を抑制したとしようが、大量にお金を発行しようが、インフレーションを止めることはできないでしょう。

         

         モンゴル帝国でインフレーションが発生した真の理由は、銀を裏付けにしない「至元通行宝鈔」を大量発行したからではなく、モノ・サービスの需要に対して、モンゴル国内での供給力が不足していたこと、これが真の理由です。

         

         

         

         というわけで今日は「モンゴル帝国のフビライ・ハンの時代にインフレーションが発生したのはなぜか?」と題して論説しましたが、 私が「国債増刷」「政府支出増」を主張している理由もご理解いただけるのではないでしょうか。

         アベノミクス第一の矢の金融緩和は、物価上昇率2%の目標を掲げ、2%に達成するまで金融緩和を継続実施するとしています。コアCPIではエネルギー価格の変動を含んでしまうため、本来はエネルギー価格の変動を含まないコアコアCPIで2%目標とすべきということを、私は従前から主張しています。

         一方で物価上昇率を引き上げるためには、金融緩和だけでは達成しえないということが、モンゴル帝国の紙幣の歴史を振り返ると理解ができると思います。

         日本を発展途上国にして物価上昇させた場合、貧困が進みます。何しろコメを食べたい、パンを食べたいという需要に対して、日本が十分な供給力を持たないという話ですから、日本円をどれだけ刷ってもインフレーション進むと当時に貧困化も進みます。

         とはいえ日本はモンゴル帝国と違って先進国です。その日本が先進国であり続ける(供給力を保持する)状況で物価上昇させた場合、”豊かさが続く”もしくは”より豊か”になれます。日本をインフレにするためには、どれだけたくさんの日本円を発行するか?ではありません。安倍政権が5年間経っても、物価上昇2%の達成ができていないことがその証左です。

         民間の需要が冷え込んでいる以上、政府が需要を創出すること。その財源は躊躇なく不換紙幣の自国通貨を発行すること。これらによって通貨を維持しながら供給力を保持・増強し続けることができます。これこそが経済成長であり、日本国民を豊かにすることができるのです。

         

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        消費増税を既成事実化しようとするマスコミ

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           消費増税は決まっていません。にもかかわらず、着々と既成事実化しようとする動きを、マスコミが中心になって推進しています。財務省のプロパガンダであることの証左である読売新聞の記事をご紹介し、マスコミ報道の問題点と合わせ論説したいと思います。

           

           下記は読売新聞の記事です。

          『2018/10/14 06:00 消費増税、予定通り来年10月実施…首相表明へ

           安倍首相は、消費税率を来年10月1日に現行の8%から10%へ予定通り引き上げる方針を固めた。社会保障制度を全世代型に転換する財源を確保するため、増税は不可避だと判断した。15日の臨時閣議で表明し、増税の影響を和らげる対策の検討を指示する。中小小売店での商品購入時にクレジットカードなどを使った消費者に対し、購入額の2%分をポイントで還元する案などが柱となる。

           政府は15日に臨時閣議を開き、2018年度第1次補正予算案を決定する。首相はこの席上、増税を実施する決意を示すとともに、具体的な増税対策について指示する方向だ。増税の最終判断時期を探っていた首相は、自身の経済政策「アベノミクス」の成果でデフレ脱却を実現しつつあり、様々な増税対策を総動員すれば個人消費の落ち込みは抑制できると判断した。(後略)』

           

           上記の記事の通り、消費増税対策ということでポイント還元について検討するという記事です。この新聞記事の後、世耕経産相がクレジットカード会社に手数料下げを要請するという報道がされました。

           

           こういう記事をみて、皆様はどう思ったでしょうか?

           

           「消費増税って、やっぱりやるんだなぁ」と思われる人がほとんどではないかと思うのです。しかしながら実際には消費増税は決定していません。

           

           このポイント還元の記事の真意は、早く総理指示を出さないと間に合わないということ以外に真意はありません。安倍総理は何があっても絶対に消費増税するという意思表示のために言ったわけではないのです。 

           

           この新聞記事自体、2018/10/14(日)のAM06:00です。朝刊一面トップで「安倍総理が2019年10月消費増税の意向を表明へ!」と報じました。とはいえ、閣議は翌日2018/10/15(月)です。月曜日も、火曜日も「増税は決定的!」的な言い回しで、増税は決まったと報道され続けています。その後で世耕大臣のポイント下げ要請の記事もありました。

           

           なんでこんなことになっているのでしょうか?

           

           実は、読売新聞は財務省の天下り先の一つといわれています。そのため、読売新聞も財務省の増税したい意向に乗っかって報していると思われるのです。その以降に乗っかり、意図的に既成事実化を強化しようとしているものと考えられます。

           

           今回の読売新聞の記事で指摘しておきたい点は2点あります。

           

           1つ目はとにかく消費増税が確定かどうかは現時点では不明であるということ。

           

           2つ目はポイント還元について、そもそも2%ポイント還元を、数カ月から1年に延ばすと報じています。消費税UPは2年目も3年目もずっと続きます。2%ポイント還元を数か月実施することによる消費の落ち込みの緩和効果がゼロとまで言うつもりはありません。

           

           とはいえ巨大な消費の落ち込みを大きく和らげる効果があるか?といわれれば、ほとんど期待できないでしょう。もちろん他の政策と合わせ技であるとしても、この程度の政策をどれだけ積み重ねたとしても、巨大な消費の落ち込みを和らげる効果はほとんどなといえます。実質賃金、実質消費の大幅な低下を抑えるのは不可能でしょう。

           

           実質賃金、実質消費は、額面の給料から物価変動分を調整します。仮に消費増税10%にすると、強制的に物価は2%上昇します。となれば100%間違いなく例外なく2%分の実質賃金、実質消費が減ります。仮に消費量が同じだったとしても、2%分減ります。

           

           賃金と消費の落ち込みを軽減するのは並大抵のことではなく、もしポイント還元するのであれば、消費税10%全額還元するというくらいでなければ、埋め合わせ効果は部分的にも期待できないでしょう。

           

           デフレ脱却していないのに、なぜ消費増税なの?という意見は言うまでもありませんが、消費税は消費を削減するための税制であることに、政治家は気付いていないのではないでしょうか?

           

           だから逆に日本が高インフレの状態であれば、消費を抑制し、景気の過熱を抑制してバブルの芽を摘むという意味で、消費増税を政策の選択の一つとして検討することは可能です。

           

           しかし今はインフレなのでしょうか?

           

           内閣府が9/10に発表した第2四半期(4月〜6月)のGDPデフレータは第二次速報値で前期比0.0%、総務省が10/19発表した9月のコアコアCPIは前年同月比で0.4%(6月は0.2%、7月は0.3%、8月は0.4%)。

           

           何が言いたいかといえば、2%とか3%とかいう数値からは程遠く、プラスマイナス0前後をウロチョロしている状況で、デフレ脱却したとはいえません。この状態で消費増税をすれば、より大きく消費が落ち込むことになるのは当然の帰結です。

           

           そもそも税金をかけると、消費行動は抑制されます。そのため、普通は抑制したい項目に税金をかけます。だから「消費増税すると消費が減退する恐れがある」という言い方をする人もいますが、”恐れ”があるとかないとかいうのではなく、消費を抑制させたいという意図に基づいてかけるのが消費税なのです。

           

           そういうコンセプトで消費税という税金をかける以上、消費が落ち込まないように努力するというのは、どう考えても普通に無理です。消費を増やすためには、消費減税しか道はありません。

           

           

           というわけで今日は「消費増税を既成事実化しようとするマスコミ」ということで論説しました。

            消費増税は法律で決まっている以上、消費増税する可能性はあるため、早く対策の指示を出さなければならないということから安倍総理が対策を指示しただけであり、まだ決まっていません。

           それを閣議の前日の朝刊で「消費増税の意向を固める!」といった報道は、日本国民に「増税は決まったんだ!」と思わせる財務省のプロパガンダそのものです。

           また記事で報じているポイント還元にしても、消費税による経済のダメージを補う政策として、2%程度を1年間続ける程度のことをどれだけ組み合わせたとしても、ほぼ絶望的に効果がないと考えられます。なぜならば、消費増税の影響はそれ以降も続くからです。

           V字回復せずL字であることは過去の消費増税でも実証済み。今こそマスコミ報道に騙されることなく、消費増税ではなく消費減税こそ、日本を救うということ多くの人々にご理解いただきたいと思うのです。

           

           

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             今日は「世耕経産相の”カード手数料下げ要請”にみるデフレ脳と泥縄状態の消費増税対策」と題し、世耕大臣によるカード手数料引き下げ要請のニュースを取り上げます。

             

            1.カード会社の手数料下げ要請の目的は何か?

            2.ポイント配布や商品券配布や現金配布の経済効果について

            3.増加する社会保障費のために税収を増やそうとするならば名目GDPを増やすことが必要

             

             上記の順で論説し、改めて消費増税に対して反対の旨を述べさせていただきます。

             

             

             まずはブルームバーグの記事を紹介いたします。

            『ブルームバーグ 2018/10/19 12:59 クレセゾンや丸井G株急落、経産相がカード手数料下げ要請検討と発言

             クレディセゾンや丸井グループなどクレジットカードを発行する企業の株価が急落している。世耕弘成経産相が19日午前の会見で、加盟店がクレジットカード会社に支払う手数料の引き下げを要請する考えを明らかにしたことが売りを誘った。

             エポスカードを手掛ける丸井G株は一時前日比11%安と2015年8月以来の日中下落率、クレディセゾン株は8.7%安と16年6月以来の下落率となった。このほか、楽天カードを持つ楽天株やイオンカードのイオンフィナンシャルサービス株も5%超の下落率だった。

             世耕氏は同日午前の閣議後会見で、キャッシュレスの対応では日本が世界の流れに遅れているとし、その背景には「手数料負担が重いことがあった」と指摘。消費税の引き上げに合わせキャッシュレス決済を活用すればポイントを還元したり、値引きしたりする景気対策の導入が検討されていることから、手数料の引き下げ措置を考えることが必要だとし「関係事業者に協力をお願いしないといけない」との考えを示した。

             みずほ証券の佐藤耕喜シニアアナリストは同日付のリポートで、クレジットカード業界にとってこれまでの競争条件に変化を及ぼす可能性のある話で「マージン悪化リスクがある」と指摘。しかし、手数料率が少々引き下げられたとしても、中小の小売店舗に導入を決断させるような水準までは下がりにくいと考えられることや、より手数料率の低いQRコード決済などが主流となる可能性があることなどから「実効性には疑問符」との認識を示した。

             SMBC日興証券の原貴之アナリストは、経産省が主導するキャッシュレス化推進と、消費増税に伴う経済対策は別の命題で、「これらを組み合わせる経済合理性や政策実現性は低い」との見方を示した。

             政府のカード手数料引き下げ要請については、産経新聞が19日付朝刊で報じていた。』

             

             

            1.カード会社の手数料下げ要請の目的は何か?

             

             カード会社への手数料引き下げとはいったい何のためにすることなのでしょうか?

             

             消費増税対策を推進するため、キャッシュレスで2%ポイント還元するための環境の整備が目的といえるでしょう。政府はクレジットカード決済をすることで2%ポイント還元するとして、「消費増税対策」と「キャッシュレス推進」の一石二鳥と言いたいのだと考えます。消費増税を実施した後、個人消費が落ち込むと思うから、こんなことをするとしか考えようがありません。既に消費税は泥縄の状態といえます。こんな泥縄の複雑になるくらいなら、消費が落ち込むことを予想するのであれば、最初から消費増税をしなければいいのです。

             

             カード会社の話に戻します。

             

             1つ目として、クレジットカード会社というのは、個人の信用を調査し、買い物の決済における集金代行をするサービスともいえるのですが、そのサービス料を加盟店から手数料として徴収します。それがクレジットカード会社の売上高になります。

             

             カード決済の金額が大きければ大きい(名目需要が高い)ほど、件数が増えれば増える(実質需要が多い)ほど、クレジットカード会社は儲かるというわけです。

             

             ブルームバーグの記事の中で経済産業省の世耕氏が、日本のキャッシュレス対応の遅れの原因は、”カード会社の手数料が高い”旨の発言をされています。マクロ経済的にいえば、これはデフレ脳に侵された発言です。

             

             みずほ証券のアナリストの声でも批判的な意見が掲載されていますが、私が思うに「料金が高いから安くしろ」というのは、名目需要を削減するインフレ対策です。 

             

             もちろんカード会社が加盟店手数料を引き下げることで、カード決済のシステムを持たない小売店などは、新たにカード決済のシステムを導入することはあるかもしれません。仮に手数料が高いことを嫌って高額商品を取り扱う小売店などが加盟する可能性もあります。

             

             とはいえ、加盟店手数料を下げるという名目需要の削減によって、逆に加盟店の店数が増加して決済金額と決済件数が増加することで名目需要・実質需要が増えたとして、加盟店手数料の減少分をそれらの増加分で埋め合わせることは可能なのでしょうか?

             

             その答えは、可能かもしれないし不可能かもしれないし、誰にもわかりません。消費増税をすれば、高額商品自体の消費は減少するでしょうし、決済件数も増加するとは限らないのではないでしょうか?

             

             これは「法人税を減税すれば投資が増える」とか「銀行が貸出金利を引き下げれば投資の需要が増える」という発想と似ていると思うのです。

             

             例えば法人税を減税したとしても、需要がなければ経営者は投資(設備投資・在庫投資)しません。減税した分効率よく内部留保を貯めていくだけです。

             

             また銀行の貸出金利を引き下げても投資の需要がないのは、値段を下げなければモノ・サービスが売れにくいデフレの状況であれば、銀行から借り入れをしてのビジネスはたとえ金利がどれだけ安くても儲からない環境であるがゆえに、経営者はお金を借りてまでして投資をしようとはしないのです。

             

             何が言いたいかといえば、カード会社の手数料を引き下げ要請するくらいならば、普通に消費減税して個人消費を喚起すれば「カード決済の金額も件数も増えていくのでは!」と思うのです。

             

             

            2.ポイント配布や商品券配布や現金配布の経済効果について

             

             2つ目として、ポイント還元することで、その分の消費が増えるでのは?という意見もあるかもしれません。しかしながらポイント還元した分が必ず消費が増えると言い切れるのでしょうか?

             

             この議論は、個人消費を活性化するために商品券を配布するという政策と同じことがいえます。例えば消費税対策として商品券を10万円配布するとしても、10万円分月収から現金で貯金をする人、住宅ローンなどの借金返済をする人っていないでしょうか?

             

             因みにこの10万円分貯金や住宅ローンの借金返済は、消費ではないため、誰の所得にもなりません。消費=支出=生産のどれにも該当しないため、貯金した分や借金返済した分はGDPは増えず経済成長は抑制されます。

             

             何が言いたいかといえば、還元されたポイントは有効期限があるから、必ず消費に回るという議論は、商品券配布の議論と同じで、その分毎月もらえる給与から貯金が増える、借金返済する人が絶対ないとは言い切れますか?ということ。政府が「ポイント分を貯金したり借金返済に回すのは禁止で、必ずモノ・サービスを買いなさい!」と個人の消費行動をコントロールすることは不可能です。

             

             大変残念ですが、リフレ派が主張するようなヘリコプターマネーにしろ、商品券配布にしろ、ポイント配布にしろ、その分が必ず消費に回ると考えている人の誤解は、政府が個人の消費行動の選択肢の中に、毎月もらえる給料からポイント分を預貯金する、借金返済の一部に充てるという選択肢があることを見落としていることに尽きます。

             

             ポイント還元や商品券配布の経済政策が個人消費に全く経済効果がないとまでは言いませんが、少なくとも政府支出による公共事業は、予算化されて年度内に必ずお金を費消しますので、必ず年度内に消費=生産=分配が発生するのと比べれば、経済効果は限定的といえるでしょう。

             

             カード会社への手数料引き下げは経済成長に必ず資するとは誰も言い切れず、公共事業を増やす方がはるかに経済成長効果があります。もとより消費増税によって消費が落ち込むことを心配するのであれば、最初から消費増税なんてしなければいいだけの話です。

             

             

            3.増加する社会保障費のために税収を増やそうとするならば名目GDPを増やすことが必要

             

             そもそも税収を増やすことが目的であるならば、名目GDPをどう増やすべきか?を考えるべきです。税収を増やしたいのであれば、名目GDPがどうやったら増えるのか?を理解しなければなりません。なぜならば税収は名目GDPと相関関係にあるからです。(下記グラフを参照)

             

            <日本におけるGDPと税収の推移>

            (出典:「財務省のホームページの一般会計税収」「世界のネタ帳の名目GDP」数値を引用)

             

             よく言う論説として「少子高齢化のために年々増加を続ける社会保障費に対応するためには増税以外に方法はない」という人がいます。この論説が正しいならば、確かに消費増税は正当化されるでしょう。

             

             そもそも社会保障費は、これからも「右肩上がり」で続いていきます。これについては疑う余地はありません。私は消費増税で経済不況にならないという考え方には全否定の立場ですが、仮にも消費増税で経済不況にならない、デフレ脱却が遠のかないという仮定の下、消費増税以外に道がないとするならば、消費税率を「右肩上がり」で増やし続けなければなりません。

             

             しかしながら消費税率を「右肩上がり」で増やし続けるというのは、あまりにも非現実的であり、「社会保障制度を維持するためには消費税率を上げざるを得ない」という論説そのものが論理的に破綻していないでしょうか?

             

             では、社会保障費が増えていくのを黙って見れいればいいのか?という意見もあろうかと思いますが、それは税収が名目GDPと各種の税率に依存するものであって、税率を変えなくても名目GDPを増やせば税収は増えるという事実を見落としています。

             

             上図のグラフがその証左です。税収の動きと名目GDPの動きは、相関関係にあることが理解できるのではないでしょうか?

             

             GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出(※)

             ※純輸出=輸出−輸入

             税収=GDP×税率×税収弾性値

             

             上記の式の通り、GDPが増えるということは、国民の消費や所得や企業の収益が増えるということを意味するため、税率が一定であったとしても、消費税、所得税、法人税が増えるのは、当たり前なのです。

             

             

             というわけで今日は「世耕経産相の”カード手数料下げ要請”にみるデフレ脳と泥縄状態の消費増税対策」と題して論説しました。

             既に消費増税対策は、泥縄状態と言えるでしょう。何しろコンビニ業界ではイートインを廃止するとか、自動車業界は代わりに自動車税を引き下げて欲しいとか、何のために消費増税をやるのか?意味が分かりません。

             こうした中で「カード手数料下げ要請」や「携帯電話料金が高い」といった話が出てくること自体、世耕経産相や菅官房長官をはじめ、自民党議員の多くがデフレ脳に汚染されていることの証左ではないでしょうか?最初から消費増税は意味がないことを知っていれば、こうした発言は出てこないものと思うのです。

             とにかく、政府が消費を喚起するために特定の業界が生産するモノ・サービスに対して値下げを強要するとか、少子高齢化なので増税は待ったなしというような論説には全く正当性がありません。本ブログをお読みいただく賢明な読者の皆様には、世間の流布された俗説に惑わされないようお願いしたいと思うのであります。

             

             

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               今日は、時事通信の「携帯電話会社が儲けすぎ」という記事について取り上げます。

               

               時事通信の記事を2つ紹介します。

              『時事通信 2018/08/27 携帯電話「OECDの倍」 菅長官

               菅義偉官房長官は27日午前の記者会見で、携帯電話料金の4割引き下げを提唱する理由について、「わが国の料金は経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の2倍程度で、高い水準だ」と指摘した。

               菅氏は、新規参入する楽天が既存事業者の半額程度に料金を設定する方針を公表していることに触れ、「競争をしっかり行えば下げられる余地がある」と強調。「利用者にとって分かりやすく、納得できる料金サービスの実現にしっかり取り組んでいく」との考えを重ねて示した。』

               

              『時事通信 2018/08/24 携帯料金下げ、取り組む余地=端末価格も「高い」−野田総務相

               野田聖子総務相は24日、情報通信審議会(総務相の諮問機関)で携帯電話料金の引き下げなどに関する議論が始まったことについて、「料金の低廉化はわれわれが命令することではないが、まだ取り組む余地はある」と述べ、値下げの実現に期待感を示した。盛岡市内で記者団の取材に応じた。

               総務相は「通信費は家計の中でも大きな部分を占めている」と指摘。その上で「専門家が知恵を絞り、企業が気づかなかったことをどんどん出していただきたい」と語り、審議会での活発な議論を求めた。また、携帯電話の端末価格も高いとの認識を示し、「中古市場の拡大などを通じ低廉化したい」と述べた。

               

               

               上記の通り、携帯電話料金が高い、携帯電話の端末機器が高い、ということで、携帯電話会社(NTTドコモ、AU、ソフトバンク)と、携帯電話を製造している会社に対して、批判している記事です。

               

               菅官房長官も野田総務相にしろ、当選回数が多い著名な国会議員ですが、こうした記事を見ると、「だから日本は、いつまで経ってもデフレ脱却ができないんだ!」と思わざるを得ません。

               

               「国債増刷」「財政支出増」で普通に需要創出すれば、「需要>供給」のインフレギャップを生じさせます。このインフレギャップを生産性向上で埋めるべく、民間企業が設備投資をすれば、一人当たり生産性向上によって実質賃金UPの原資が生み出されます。労働分配率の問題で、インフレギャップを埋めた分のすべてが労働者の賃金UPになるわけではないものの、実質賃金UPの原資が生み出されれば、企業は賃金UPすることができるのです。

               実質賃金がUPすれば消費が増え、その結果「需要>供給」のインフレギャップが生じます。これをまた生産性向上でギャップを埋めれば、また実質賃金UPの原資が生み出されます。こうして循環的に経済成長することが可能です。

               

               にもかかわらず、菅官房長官にしても、野田総務相にしても、携帯電話料金が高い、携帯端末機が高いと批判しています。デフレ脱却を標榜して登場した安倍政権ですが、結局、マクロ経済を理解していないため、料金を下げさせるとか、携帯端末機の中古市場を整備するなどという発言になるのです。

               

               携帯電話料金を下げれば、携帯電話会社の売上、利益が減少します。その結果、携帯電話会社の社員は賃金の上昇率が抑制され、消費を減らす可能性があるのです。携帯端末機の中古市場を拡大して携帯端末機そのものの値段も下げさせるというのも、携帯電話の端末機を製造している富士通や京セラなどの会社の売上、利益が減少します。

               

               ●GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出(※)

               ※純輸出=輸出−輸入

               ●税収=名目GDP×税率×税収弾性値

               

               何が言いたいかと言えば、携帯電話料金の引き下げ推奨、携帯端末機の価格引き下げ推奨、いずれもインフレ対策です。名目需要を削減する政策であるため、どちらも税収を減収させます。デフレを促進させます。

               

               なんでこんな発言が出るのか?溜息しか出ません。

               

               携帯電話の端末機が高いというのも余計なお世話です。私は通信業界で働いているわけではありません。ですが、マクロ経済的に間違っているこうした発言を見聞きすると、政治家の人々が経済を理解していなさすぎといわざるを得ないのです。

               

               以前も説明したことがありますが、下図は付加価値の積み上げイメージです。

               

              <スマートフォンが小売価格3000円で販売される場合の付加価値の積み上げイメージ>

               

               

              <付加価値の金額の積み上げイメージ>

               

               

               小売価格3000円のスマートフォンを消費者が3000円払った場合、輸入分の付加価値200円は控除されて、2800円がGDPとなります。

               

               ●GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出(※)

               ※純輸出=輸出−輸入

               ●税収=名目GDP×税率×税収弾性値

               

               野田総務相は、携帯電話の端末機が高いので、中古市場を拡大して端末機の価格を下げさせると述べています。中古品の流通市場を拡大して競争を激化させるということですが、これは「供給増」の政策であり、インフレ対策です。

               

               例えば、輸入はGDPにカウントされないため、原材料の輸入を引き下げる努力を求めるとか、レアアースなどの原料に変わる新素材の開発に期待するということであれば、まだ理解できます。

               野田総務相の発言は、そういうことではなく、単に3000円のスマートフォンを値下げしなさいといっているだけでしょう。

               

               であるならば、仮に3000円のスマートフォンが2000円になったとして、A社〜G社の付加価値2800円→1800円とすれば、生産金額が1000円減少することになります。

               

               生産金額が1000円減少した場合、GDP3面等価の原則で、生産金額=消費金額(支出)=分配金額(所得)ですから、A社〜G社で1000円分の所得が減るのです。

               

               結局、携帯端末機が高いとか、携帯電話料金が高いなどと批判して、引下げ努力を求めるというのは、デフレ促進化させることに気付いていないのではないでしょうか?

               

               デフレ脱却を標榜して誕生した安倍政権ですが、菅官房長官にしろ、野田総務相にしろ、マクロ経済の基本であるGDP3面等価の原則を理解していないから、こうした発言が出てくるのでしょう。

               

               いかにも家計にやさしいと思わせる発言ですが、携帯電話引下げの政策は、デフレ脱却とは真逆のインフレ対策です。家計簿の発想が抜けきれないので、コスト削減という発想しか出ないわけです。普通にインフラ整備のために国債を増刷して、政府支出拡大をすれば、デフレ脱却できるのに、大変残念な発言としかいえません。

               

               

               

               というわけで、今日は「GDP3面等価の原則を理解していない政治家の携帯電話料金・端末機価格批判!」と題して、論説しました。


              本当は経済成長していないのに実質GDPがプラスになってしまう現象について

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                JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                 

                 今日は、「本当は経済成長していないのに実質GDPがプラスになってしまう現象について」と題し、論説します。

                 

                 7/17(火)以降に、2018年度第2四半期のGDPの1次速報が発表されるでしょう。日本経済は経済成長しているのか否か?それを見極めるために、改めてGDPについて取り上げます。

                 

                 下記は、内閣府ホームページのGDP(実質・名目)成長率の直近(2017年第1四半期〜2018年第1四半期)における推移です。

                 

                <GDP成長率とGDPデフレーター(季節調整済み前期比)> 

                 

                (出典:内閣府ホームページの2018年度第1四半期GDP速報の資料から抜粋)

                 

                 

                 

                 上記の通りですが、2018年度第1四半期のGDPは実質、名目ともにマイナスでした。その一方で、2017年度は4四半期ともプラスです。特に実質GDPが4四半期プラスになっているので、日本経済は経済成長していると思われがちです。

                 

                 そもそも「経済成長」という言葉の定義ですが、私は「実質GDPがプラスになること」と定義して問題ないと考えます。なぜならばGDPは国内総生産を意味しますが、GDP3面等価の原則により、生産=支出=所得となるため、GDPの成長=所得の成長であるため、”豊かになっている”と考えられるからです。

                 

                 一方で、GDPデフレーターは、2017年度の第2四半期、第3四半期こそプラスですが、第1四半期、第4四半期はマイナスです。改めて「実質GDP」「名目GDP」「GDPデフレーター」について整理してみましょう。

                 

                 

                <ケーススタディ>

                ●1000円の物・サービスを提供している

                ●2017年度1000円の物・サービスが、1000円で10個(10回)買われた

                ●2018年度1000円の物・サービスが、1100円で10個(10回)買われた

                 

                 このケーススタディを統括しますと、

                1000円×10個=10000円(2017年度名目GDP)

                1100円×10個=11000円(2018年度名目GDP)

                生産単価が1000円→1100円と物価上昇し、名目GDP成長率は、11000円÷10000円=△10%となります。

                物価は上昇しましたが、生産量は10個で増えていません。

                 

                 実質GDPは、直接統計把握することができません。そのため、名目GDPから物価上昇率を差し引いて算出します。算出の際に使われる物価上昇率は、GDPデフレーターを使います。GDPデフレーターは、定点観測した物価の推移をみる方法で統計把握します。ケーススタディでは「1100円÷1000円」で、GDPデフレータ−=△10% となります。

                 

                 実際に差し引いて計算するとどうなるでしょうか?

                 

                 実質GDP成長率=△10%(名目GDP成長率)−△10%(物価上昇率)=0%

                 

                 ケーススタディでは、実質GDP成長率0%となります。

                 

                 

                 

                 では、上述の内閣府ホームページから引用した「2018年1〜3月期四半期別GDP速報(1次速報)」の数字を拾って、実際に計算してみると下記のとおりです。

                 

                 2017年1〜3月期 実質GDP成長率△0.7≒名目GDP成長率△0.1−GDPデフレーター▲0.5

                 2017年4〜6月期 実質GDP成長率△0.5≒名目GDP成長率△0.9−GDPデフレーター△0.4

                 2017年7〜9月期 実質GDP成長率△0.5≒名目GDP成長率△0.8−GDPデフレーター△0.2

                 2017年10〜12月期 実質GDP成長率△0.1≒名目GDP成長率△0.1−GDPデフレーター▲0.0

                 2018年1〜3月期 実質GDP成長率▲0.2≒名目GDP成長率▲0.4−GDPデフレーター▲0.2

                 

                 

                 物価が上昇しているか否か?みる指標としては、GDPデフレーター以外では、コアコアCPI(生鮮食品・エネルギーの価格変動を除いた物価指数)があります。GDPデフレーターでみた場合、2017年1〜3月期▲0.6、2018年1〜3月期▲0.2で、デフレ脱却ができていないということが一目でわかります。

                 

                 また、2017年10〜12月期のGDPデフレーターは、グラフでは0.0となっていますが、小数点四捨五入の影響で、▲0.0が正しいです。左辺と右辺の数値が一致しないのは、小数点四捨五入の影響とお考え下さい。

                 

                 

                 2017年10〜12月期の実質GDP成長率は△0.18で、8期連続経済成長達成とマスコミが報じました。ところが、2017年10〜12月期や、2017年1〜3月期をみてお分かりの通り、GDPデフレーターはマイナスです。GDPデフレーターがマイナスである以上、デフレ脱却とはいえません。

                 

                 2018年1〜3月期の数字は、特にひどいと思うのは、名目GDPもマイナス、GDPデフレーターもマイナスです。賃金も下がり、物価も上昇しているということですので、インフレになっているとは言えません。経済成長しているとはいえません。

                 

                 政府が最終的に目指すべきゴールは、実質GDPが成長し、物価上昇によって名目GDPが実質GDPよりも大きく拡大することです。2017年4〜6月期、7〜9月期は、そうなっています。この状況は、物価も上昇しているが、賃金はそれ以上に上昇しているということになるため、豊かになっていることが実感できるのです。

                 

                 

                 

                 というわけで、今日は改めて実質GDP、名目GDP、GDPデフレーターについて述べました。

                 実質GDPがプラスになっているからといって、デフレ脱却ができていると判断するのは早計です。例えば、「実質GDP成長率△0.2=名目GDP成長率▲0.1−GDPデフレーター▲0.3」という状況を考えてみてください。この場合は、賃金の下落以上に物価が下落しているということになります。これで実質GDP成長率△0.2だからといって、豊かさを実感できるか?といわれれば、賃金が下落しているのでそうは思わないでしょう。ところが、物価がそれ以上に下落しているため、物・サービスを多く買うことは可能です。

                 スーパーや百貨店の総菜売り場でいえば半額になる時間帯を狙って買う、家電製品も安くなったところを買う、こうしたことを消費者が続けていれば、「実質GDP成長率△0.2=名目GDP成長率▲0.1−GDPデフレーター▲0.3」という状況になります。この状況は、少なくても経済成長している、豊かさを実感しているということにはならないわけです。

                 経済指標の見方を私たち一般市民が知ることで、経済学者やアナリスト・エコノミスト、国会議員らがデタラメを論説しているということを見抜くことができるようになります。

                 ぜひ、GDPやGDPデフレーターについて、ご理解を深めていただきたく思います。

                 

                 

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                   今日は、2018/06/27にNHKのNewsUpで取り上げられた九州・西鉄バスの黒字路線減便について論説します。

                   

                   下記は、NHK News WEBからの抜粋です。

                  『NHK News WEB 2018/06/22 もう維持できません

                   「最近、バスの本数が減ったなぁ」と感じること、ありませんか。「何をいまさら…」と感じる方もいるかと思いますが、調べてみると、たしかに今、バス業界では大きな異変が起きていました。それも大都市部で。しかも、このままなにも手を打たないでいると、かなり深刻な事態になりそうなんです。
                  (宮崎放送局記者 牧野慎太朗・ネットワーク報道部記者 後藤岳彦・おはよう日本ディレクター 北條泰成)

                   

                   

                  乗っている人が多いのに…

                   

                   

                   ことし2月、福岡県民に衝撃が走りました。あの、日本最大規模のバス会社が大規模な減便を発表したのです。
                   その会社とは「西鉄」の愛称で福岡県民に親しまれている「西日本鉄道」。何に衝撃を受けたかというと、その対象路線でした。これまでバス路線の見直しと言えば地方の赤字路線が「定番」でしたが今回の対象は福岡市中心部。それも、屋台が立ち並ぶ「中洲」を中心に「天神」や「博多駅」などを結ぶ、1日平均8000人が利用する黒字路線でした。
                   会社はいわば“バスの山手線”のような「循環ルート」を縮小し、便数を大幅に減らしました。
                   さらに残業や飲み会で遅くなったサラリーマンなどの心強い味方だった「深夜バス」。会社にとっても、日中の2倍の料金を稼げ、いわば“ドル箱路線”でしたが、11路線すべてを廃止しました。
                   利用者への影響も大きく、「アテにしていたのに、仕事や飲み会で遅くなったとき、本当に困る」(会社員)、「バイトを早く切り上げないといけなくなった」(女子大学生)と悲鳴のような声があがっています。
                  しかし、会社はなぜ、利用者にとっても会社にとってもメリットの大きい、中心部の、しかも黒字路線で路線の見直しに踏みきったのでしょうか。
                  バス業界でも深刻・・・
                   そこで会社を訪ね、担当者にその理由を聞いてみました。取材に応じてくれたのは西日本鉄道の清水信彦自動車事業本部長。その答えは、「運転手不足」とのことでした。やはりここでも担い手不足が深刻なようです。
                  西鉄では、見直し前には1日20人の運転手が不足していて、慢性的な人手不足に陥っていました。

                   通常の運行でさえ運転手の確保が大変なのに、日常的にプロ野球や有名アーティストのコンサートなどで臨時バスの運行業務が発生。運転手たちに残業や休日出勤をお願いして、なんとか運転手のやりくりをしていましたが、こうした勤務を理由に離職する人が増加傾向になったといいます。

                   そこで路線の見直しに踏みきることにしましたが、会社は公共交通機関として便数が少ない郊外の赤字路線を減らすと、さすがに利用者への影響が大きいのではないかと考えたそうです。そこで、中心部の黒字路線を減らす「苦渋の決断」をしたと言います。

                   「状況を改善しないと、さらに大規模な路線の見直しが必要になりバス事業全体が壊れてしまうという危機感を持っていた」(西日本鉄道 清水自動車事業本部長)(後略)』
                     
                   上述の通り、西鉄の愛称で福岡県民に親しまれている西日本鉄道が、黒字路線を減便したという記事です。従来は、バス路線の見直しというと、地方の赤字路線だったのですが、西日本鉄道は黒字路線を減便しました。
                   人手不足のため、儲かる場所でも路線を廃止するということで、西日本鉄道としてみれば儲けが無くなることになりますが、それ以前の問題として、こうしたバス路線というのは公共サービスです。公共性が強いため、その路線の沿線の足が無くなるという状況になります。結果、仕方なく自家用車を使わざるを得なくなり、渋滞が増えてCO2排出量も増え、地球環境負荷が高くなるというロクでもない話です。
                   そもそも、なんでこんなことになっているのか?といえば、賃金が安いからです。
                   もともとバスの運転手というのは、残業時間が長く、他の業界に比べて残業時間は3倍にもなると言われています。にもかかわらず、残業が3倍なのに平均賃金(=年収)は1割ほど少ないのが実情。だから他の業界より苦しい業界で、しかも免許が必要です。バス運転するために特殊な技術が必要です。
                   賃金が安いうえに、残業が他業界よりも3倍多く、特殊な技能がいるとなれば、学校卒業した新卒者らがバス運転手という職業を選ぶ必要はありません。人が集まらないのは、ある意味で当たり前といえるでしょう。
                   下記は国交省が実施したバス会社とバス運転手を対象にしたアンケートで、バス運転手の労働時間等についてのアンケート結果の概要です。
                  (出典:国交省実施のアンケート)
                   バス運転手からは下記の意見があるようです。
                  ・通勤時間、食事や入浴にかかる時間を考慮すると睡眠時間が短くなる
                  ・通勤時間を除いた在宅時間が10時間程度あるとよい
                  ・運行スケジュールの改善を行ってほしい(現状ではスケジュールから遅れる場合がある)
                  ・法令上は問題がなくても休息時間が短く疲れがたまる
                  ・昼夜混在勤務は疲れる(昼なら昼だけ、夜なら夜だけの運行のみがよい)
                   上述のバス運転手の意見については、いろいろな考え方があると思いますが、1日当たりの拘束時間13時間以上は、労働基準法32条の1日8時間以上労働させてはいけないということで、残業代が払われることになります。とはいえ、残業代以外の賃金が他の業界よりも安ければ、即ち年収ベースで他の業界よりも賃金が安いとするならば、他の業界に転職しようと考えるバス運転手がいてもおかしくないでしょう。
                   もちろん他の業界に転職してすぐにその人材がパフォーマンスを発揮できるわけではありません。トラックドライバーにしろ、タクシードライバーにしろ、他の業界より賃金は安い。なぜならば、トラック業界は運賃自由化、参入規制緩和によって賃金が下がり続けましたし、タクシー業界についても許可制から事前届出制、最低保持台数60台→10台、営業所の車庫・所有→リースOK、導入車両が新車→中古車でOKと、規制緩和を続けました。この規制緩和は2002年に行われたものですが、折しも1997年の構造改革基本法制定以来、デフレ下に行われた規制緩和です。デフレとは、「需要<供給」という状態であるため、規制緩和で供給量を増やせば、デフレは一層深刻になります。結果、タクシードライバーの賃金も伸び悩むもしくは低下していくことになるわけです。 
                   バス業界に少し話を戻しまして、もし、普通に賃金を高くすれば、普通に人が集まります。賃金をUPさせず、人が集まらないために結果、地域の公共交通の足が無くなるということは、とんでもなくアホな話です。
                   また、国交省の全国のバス会社に行ったアンケートによれば、80%のバス会社が運転手のドライバーが不足していると回答しているとのこと。そのため、自動運転技術を活用して路線維持と収益化(収益維持)を狙う計画が各地で立てられているようです。とはいえ、自動運転技術を活用したバス普及自体、否定するつもりはありませんが、バスは乗客が乗る乗り物である以上、すぐに実用化するわけではありません。
                   自動運転技術はトラックがまず最初です。なぜならば、トラックの場合、事故が起こさないようにすることは言うまでもありませんが、荷物を運ぶだけで乗客が死ぬわけではありません。バスの場合は乗客が死ぬため、なかなか進まないでしょう。
                   そんな時間軸が不明な未来の話をするよりも、普通に賃金を上げればいいだけの話です。
                   なぜ賃金が上げられないのか?といえば、赤字路線があってバス会社の経営が厳しいからです。赤字路線があって、バス会社の経営が厳しいから、経営戦略上賃金下げてコストカットをやっているという状態。それならば本来は黒字路線の廃止をしなければいいのです。
                   賃金が上げられない状況ではなく、賃金を上げれば解決ができる話であり、賃金を上げればドライバーが集まって黒字路線も供給を継続でき、会社の収益も上がって経営戦略としては拡大しているということになります。
                   近年は外国人観光客が増えたこともあり、バスの需要は年々高まっているとみられます。東京オリンピック・パラリンピックで、バスが選手や観客を会場まで運ぶ主要な交通手段ともなるでしょう。そう考えると、今後ますますドライバーの争奪戦が激しくなるものと考えられる一方、運送業界もドライバー不足に悩んでいました。
                   運送業界は対応策として、リーディングカンパニーのヤマト運輸が値上げをし、これに他社も追随しました。その結果、運送業界は業績が急回復しました。
                   こうした直近の運送業界の業績回復基調を考えれば、バス業界においても、賃金を上げれば黒字路線を維持すれば儲かり、業績回復する可能性は十分にあり得ます。
                   そもそもバス会社が純然たる民間企業だけで運営されているという国家は、先進国では日本しかありません。鉄道も同様です。本来ならば、バスや鉄道のような公共交通は全部政府がやってもいいくらいの話です。民間の活力も一部入れるというくらいでもいいくらいです。
                   先進国の中で日本だけが歪に完全に民間企業だけでやっているため、日本では経営戦略上賃金が上げられないという組織が多いわけですが、バス事業は公共性が極めて高いため、賃金に関しても公共的な機関の関与があってしかるべきと思うのです。
                   今回、西鉄が黒字路線の減便という経営判断は、民間企業としては仕方ないかもしれません。とはいえ、賃金が上がってドライバーが集まるように政府が関与・手配をするべきです。また国交省もしっかりと関与すべきです。
                   そういう意味で今回の西鉄の黒字路線減便のニュースは、国交省が守るべき地域のモビリティーサービスを確保するための対策を怠っていると言われても仕方がないと思うのです。
                   というわけで、今日は西鉄の黒字路線減便について論説しました。
                  〜関連記事〜

                  プライマリーバランス黒字化目標導入という罪とは別のもう一つの罪

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                     今日は「プライマリーバランス黒字化目標導入という罪とは別のもう一つの罪」と題して意見します。

                     

                    1.プライマリーバランス黒字化目標導入は、いつ?誰なのか?

                    2.「最大概念」から「平均概念」に定義変更された潜在GDP

                    3.デフレギャップが小さく見えるように細工されてしまった日本

                     

                    上記の順でご説明し、潜在GDPの定義変更についてお話いたします。

                     

                     

                    1.プライマリーバランス黒字化目標導入は、いつ?誰なのか?

                     

                     私はプライマリーバランス黒字化目標に対して批判的な立場です。デフレ脱却のためには、「国債増刷」と「財政出動」のセットの政策以外に、有効な方法がありません。

                     

                     もし、国家の財政運営を家計簿や企業経営と同じように考えて、「政府の政策は税収の範囲内で行うべき!」という人が居られれば、それはGDP3面等価の原則を知らない人でしょう。知っていても理解していない人でしょう。

                     なぜならば、支出=生産=所得であって、支出するのは、家計(個人)でなくても企業(法人)でなくてもよく、政府が支出するでも全く問題がないからです。実際、内閣府のホームページで公表されるGDPの1次速報、2次速報、確報値では、政府最終消費支出という項目があります。個人消費や企業設備投資の他に、公務員(警察官・消防官・救急隊・自衛隊・学校の先生・役所省庁職員など)の給料や公共事業投資もまた支出であることに変わりありません。

                     

                     国債を増刷してその財源を元に公務員を増やした結果、公務員に払う給料が増えた場合、政府支出増=政府サービス(医療・介護・防衛・防犯・災害救助・教育などなど)の生産増加=公務員の所得増加となりまして、経済成長(GDP拡大)に貢献するのです。

                     

                     さて、そもそもこのプライマリーバランス黒字化を導入されたのはいつか?そしてそれは誰が主導したのか?2001年に竹中平蔵氏がプライマリーバランス黒字化を言い出しました。その結果、日本は景気が悪くなって財政出動をしなければならない状況に陥ったとしても、財政出動ができなくなってしまったのです。

                     

                     「いや財政出動はできるでのは!」と思われる方、例えば介護や医療に財政出動することは可能です。現実は医療介護費は報酬削減されています。とはいえ、高齢化の進行によって医療費は増え続けており、医療介護費への財政出動は続いています。

                     また2018年度の一般会計予算では、朝鮮半島情勢も影響して、防衛費は5兆1,911億円で1.3%増えています。とはいえ、1.3%の増額というのは実額にして500億程度です。

                     最新鋭の戦闘機F35を1機購入するのに150億といわれています。従来の防衛費に加えてF35戦闘機を20機買おうとすれば、3000億円は必要という計算になります。

                     

                     財務省職員の発想は、伸びゆくものは抑制し、他の分野の支出を削減して、収入の範囲内に抑える。これこそ、家計簿の発想、企業経営の発想です。

                     

                     このようにプライマリーバランス黒字化が導入によって、政府支出増という需要を抑制され続けてしまった結果、経済成長がストップしてしまったのです。

                     

                     例えば、小泉政権のとき、徹底的に削られたのは公共事業です。インフラ整備に留まらず科学技術費予算を含め、小泉純一郎政権下では、毎年7000億円ずつ削減しました。これは毎年7000億円ずつ需要を削減してきたことを意味します。

                     

                     1997年、橋本政権時に制定された構造改革基本法が制定されず、小泉政権での7000億円ずつの財政支出削減がされなかった場合、経済成長率が5%程度は成長できていたでしょう。その場合、5%成長が20年続いたとして、1997年時の一人当たりGDP42000ドルを起点として、1.05を20乗しますと、約12万ドルになります。これは日本人一人当たりの年収が直近のドル円為替レートに換算して約1300万円にまでなっていたことを意味します。

                     

                     橋本政権時の1997年の構造改革基本法制定と、2001年小泉政権のプライマリーバランス黒字化目標導入によって、いかに日本経済を低迷させてきたか?国益を損ね続けてきたか?よく理解ができるのではないでしょうか。

                     

                     もし日本がインフレ環境で、需要を削減する必要がある場合、プライマリーバランス黒字化も1手段としてあり得ます。「何が何でもプライマリーバランス黒字化していかなければ財政破綻が免れない」という論説は、家計簿の発想そのもので、国家の財政運営を考える場合は、明らかに間違っています。

                     

                     このようにプライマリーバランス黒字化目標を導入した竹中平蔵氏は罪深いと思うわけですが、彼が犯したもう1つの罪について指摘しておきたいと思います。

                     

                     

                     

                    2.「最大概念」から「平均概念」に定義変更された潜在GDP

                     

                     竹中平蔵氏が犯したもう一つの罪とは、デフレの主因であるデフレギャップ(「供給>需要」の状態)を算出するための潜在GDPが「最大概念」から「平均概念」に変えたことです。この変更により、デフレギャップが現実よりも小さく見えるようになってしまったのです。

                     

                     そしてこの変更によって、日本の需給ギャップが「インフレギャップが計算できる」という現実的にあり得ない状況になっています。

                     

                     2018/03/09の産経新聞の記事を紹介します。

                    『産経新聞 2018/03/09 29年の需給ギャップ、9年ぶりプラス デフレ脱却判断に環境整う

                    日本経済の需給の差を示す平成29年の需給ギャップが0.4%となり、リーマン・ショックの起きた20年以来9年ぶりに、需要が供給を上回る「プラス」に転じたことが18日、分かった。安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」を追い風に、消費や設備投資といった需要の回復が進んだためだ。政府によるデフレ脱却判断の環境が整いつつあり、市場の期待も高まる。

                     試算は、今月8日に29年10〜12月期の国内総生産(GDP)改定値が発表され、全4四半期のデータが出そろったことを踏まえて内閣府が行った。29年の実質GDPは531兆4042億円で、供給力を示す潜在GDPは529兆円程度と推計した。この結果、需給ギャップは28年のマイナス0.3%からプラスに転じた。

                     需給ギャップは、リーマン・ショックの影響による景気後退で21年にマイナス5.1%と大きく落ち込んだ。その後もマイナスが続いたが、24年12月に第2次安倍政権が発足すると、日銀の大規模な金融緩和策で円安、株高がもたらされて輸出が増加、企業業績が改善し設備投資や個人消費が回復に向かった。25年以降は、マイナス幅が1%未満に縮小していた。(後略)』

                     

                     

                     上記記事は、需給ギャップが9年ぶりにプラスになったということで、デフレ脱却を宣言するか?判断の環境が整ったとされる記事です。需給ギャップという言葉は聞きなれないかもしれませんが、需給ギャップ=デフレギャップとご理解ください。

                     

                     デフレギャップとは、「需要<供給」の状態における「供給−需要」の大きさです。一方でインフレギャップとは、「需要>供給」の状態における「需要−供給」の大きさです。

                     

                     デフレギャップ、インフレギャップは、いずれも概念図で説明することは可能なのですが、論理的にインフレギャップを計算することは不可能です。

                     

                     下記は内閣府の試算を元に作成された産経新聞の記事から抜粋したものです。

                     

                    <需給ギャップの推移>

                    (出典:産経新聞の記事から引用)

                     

                     

                     デフレ・インフレを判断する指標としては、

                    ●GDPデフレーターがプラス2%以上を継続的に推移していること

                    ●コアコアCPI(生鮮食品・エネルギーの価格変動を除く消費者物価指数)が2%以上を継続的に推移していること

                    ●実質GDPの年換算成長率が2%以上を継続に推移していること

                     というように、上述が複数組み合わさった場合に、デフレから脱却しているという目安になります。

                     

                     もう一つ、デフレ・インフレを判断する指標の中に、需給ギャップと呼ばれるものがあります。本ブログでもインフレギャップ、デフレギャップという概念をご説明することがありますが、あくまでも概念図として説明しています。

                     

                     何が言いたいか?といえば、インフレギャップというのは、本来概念でしか説明ができず、論理的に計算して数値を公表することはできないということです。

                     

                     インフレギャップ、デフレギャップは、いずれも概念図で説明することは可能です。

                     

                    <デフレギャップの概念図>

                     

                    <インフレギャップの概念図>

                     

                     

                     上記の図の通り、デフレギャップは「潜在GDP>名目GDP」の状態におけるギャップを指します。インフレギャップは「名目GDP>潜在GDP」の状態におけるギャップを指します。

                     

                     インフレギャップがプラスになったという産経新聞の記事は、「インフレギャップが計算された」ということになります。

                     

                     この「インフレギャップが計算される」というのは、実はあり得ない話です。その理由が、「潜在GDP=本来の供給能力」の定義にあるのです。

                     

                     

                     

                    3.デフレギャップが小さく見えるように細工されてしまった日本

                     

                     従来の潜在GDPの定義は、失業者が「完全雇用」状態で、国内の全ての設備がフル稼働した際に生産可能なGDPとされていました。即ち、「最大概念の潜在GDP」だったのです。国内の全ての工場や人員などのリソースが稼働した時点のGDPと、現実に統計された名目GDPとの差がデフレギャップだったのです。

                     

                     ところが、竹中平蔵氏が「潜在GDP」定義を、「過去の長期トレンドで生産可能なGDP」という「平均概念」のGDPに変更されてしまいました。

                     即ち「平均概念」という定義変更によって、「完全雇用」状態ではなく、「過去の失業者の平均」時点でのGDPに変更されてしまったのです。

                     

                    <従来の「最大概念」の潜在GDPと名目GDPを元にしたデフレギャップのイメージ>

                     

                    <「平均概念」に変えられた潜在GDPと名目GDPを元にしたデフレギャップのイメージ>

                     

                     

                     産経新聞の記事では、デフレギャップがプラスになったと報じられており、内閣府の資料が元になっています。即ち内閣府もまた潜在GDPを過去の長期トレンドで生産可能なGDPという定義で、指標発表しているのです。

                     

                     ここからは、ぜひ頭を柔らかくしてお読みいただきたいのですが、繰り返し申し上げる通り、デフレギャップ、インフレギャップいずれも概念を説明することは可能です。

                     

                     数値としてインフレギャップが計算されるということは、何を意味するのか?総需要が本来の供給能力を上回ったという話になってしまうのです。

                     

                     これはよくよく考えれば、計算できるはずがありません。何しろ総需要が供給能力を上回るということは、「生産することが不可能な物・サービスに対して、消費・投資として支出された」ということになるのです。

                     

                     この世の中、「生産されない」製品・サービスを購入することは物理的に不可能な話です。

                     

                     内閣府は潜在GDPについて「経済の過去のトレンドからみて平均的な水準で生産要素を投入したときに実現可能なGDP」と定義しています。これは平均概念の潜在GDPそのものです。

                     即ち、内閣府の潜在GDPは、現実の日本国の「本来の供給能力(最大概念の供給能力)」でもなんでもないことを表していることになります。

                     

                     結果として、日本はデフレギャップではなくインフレギャップが計算されてしまい、デフレ脱却か?などと新聞の見出しに出てしまうことになるのです。

                     

                     

                     というわけで、今日は竹中平蔵氏の罪ということで、プライマリーバランス黒字化導入以外にもう一つ、潜在GDPの定義変更ということを指摘させていただきました。

                     現時点でも日銀や内閣府が潜在GDPについて「平均概念」を使い続けている以上、デフレギャップが小さく見え、デフレという需要不足の経済現象が「軽く見える」という結果を招いています。それどころか、デフレギャップがプラスという生産することが不可能な物・サービスまで買ったことになっているという現実的にあり得ない状態を、何ら疑問もなく報じられているのが今の日本です。多くの人が思考停止に陥り、漫然とテレビ新聞の報道を目にして耳にしていますと、騙されてしまう国民が増えます。

                     竹中平蔵氏が犯した罪に対して、私たちは何をすべきでしょうか?私は、経世済民を目的とした政策が施行されるよう、多くの日本国民が経済の正しい知識を知り、知見を高めていただくことで世論を形成していくしかないものと考えます。

                     少しでも本ブログの読者の皆さまには、テレビ新聞の記事と実際は異なるという現実を知っていただきたいと思うのであります。


                    クールビズについて

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                       本ブログの更新ができず、楽しみにしてくださっていた読者の皆さまには申し訳ありません。

                       「杉っ子の独り言」は、GMOペパボ社のブログサービスのJUGEMによるサブドメイン「toshiaki4386.jugem.jp」と独自ドメイン「chiba-jp.work」でアクセスができるようにしていたのですが、独自ドメインが不安定な状態となり、アクセスができなくなっています。

                       

                       未だ独自ドメインについては復旧のめどが立たず、現在GMOペパボ社、GMOインターネット社に対して、解決策をメールで照会です。復旧しましたら改めて皆様にお伝えいたします。

                       なお、サブドメイン「toshiaki4386.jugemu.jp」はアクセス可能となっております。

                       

                       さて、今日は「クールビズ」について、経済的な影響と、そもそも必要があったのか?

                       

                      1.需要が激減したネクタイ

                      2.人材における技能・ノウハウの蓄積を無視する経済学者たち

                      3.堀場製作所の堀場社長が語る仕事の装い

                       

                       上記の順で、世界のビジネスマナーという観点からも意見したいと思います。

                       

                       

                       下記は、ヤフーニュースです。

                      『ヤフーニュース 2018/05/03(木)20:10 投信1 ネクタイ業界の窮地〜クールビズ本格導入から13年目の夏が来る

                       

                      早くも5月1日からクールビズがスタート!

                       現在真っ只中のゴールデンウィークが終わると新緑の季節となり、ここから初夏に向かうまでの数週間が1年で一番過ごしやすい季節と言われています。しかし、今年は桜の開花も例年になく早く、4月後半は全国各地で連日のように夏日となるなど、(4月としては)記録的な“暑さ”になったようです。
                       そして、5月1日からは環境省を中心に早くもクールビズがスタートしました。6月1日から導入する企業も少なくないようですが、そこから10月末までクールビズが続くことになります。
                       クールビズが始まると、あの暑苦しい真夏を思い起こす人も多いのではないでしょうか。

                       

                      クールビズの正式な定義・内容はあるのか?

                       ところで、クールビズって何のことでしょうか? 
                       実は、クールビズにはガチガチに決められた定義はありません。一応、夏期に行われる環境対策などを目的とした衣服の軽装化キャンペーンを意味しているようですが、実態としては“ノーネクタイ、ノージャケットのカジュアルなビジネスウェア”と考えていいでしょう。そして、実質的には男性のみが対象になっていると思われます。
                      10数年前は真夏でもネクタイをキチッと締めるのが当然だった
                       男性サラリーマンの中には、“クールビズのおかげで、昔に比べれば夏の暑さもしのぎやすくなった”と感じている方も多いと推察されます。
                       今から10数年前までは、どんな酷暑でも社内・社外を問わず、男性会社員はネクタイ着用が当然でした。誰一人、少なくとも表立っては愚痴一つこぼさずにネクタイを着用していたのです。
                       真夏に喉元を締め付けるネクタイのあの苦しさは、女性に理解してもらうのは難しいかもしれません。あの苦しさから解放されるだけで、少なくとも気分的には涼しくなるのは確かでしょう。
                      クールビズの本格導入は小泉政権が旗振り役となって2005年から
                       さて、今では当たり前となった夏季期間のクールビズですが、本格導入されたのは2005年(平成17年)からです。当時の小泉政権が旗振り役となり、多くの国会議員や地方議員にも“奨励”したことで、日本社会に根付くきっかけとなりました。
                       しかし、この新しいドレスコード(服装基準)が認知されようとした2005年6月、日本ネクタイ組合連合会が当時の小泉首相、および各閣僚に抗議声明文を提出しています。
                       ご記憶にある方もいらっしゃるでしょう。声明内容は正確に覚えていませんが、“クールビズの影響でネクタイの売上が減少する”というものだったと記憶しています。すると、小泉首相は“これをビジネスチャンスに変えてほしい”という内容の返答をしたと、筆者は鮮明に覚えています。
                       いずれにせよ、日本ネクタイ組合連合会が、クールビズの浸透に深刻な危機感を持ったことは確かです。あれから12年強が経過していますが、実際にネクタイの需要はどうなったのでしょうか。
                       クールビズ導入後、ネクタイ需要は恐ろしいほど激減
                       結論から言うと、ネクタイ需要は恐ろしいほどに激減しています。
                       日本ネクタイ組合連合会を構成する大組織の東京ネクタイ協同組合によれば、ネクタイの国内生産本数は、平成17年の約1,164万本から平成27年には約470万本へと▲60%減っています。また、輸入品を含めた本数で見ても、同じく4,026万本から2,205万本へ▲45%以上の減少です。
                       平成27年を最後にデータ更新はありませんが、平成28年以降に急回復しているとは考え難い状況です。
                       これだけ需要が激減して、何の影響もないはずがありません。しかも、国産ネクタイの需要激減が著しいことを勘案すると、ネクタイ業界では廃業に追い込まれた業者も少なくないと推察されます。
                       結果として社会ニーズの変化に対応できなかったネクタイ業界
                       実は、民主党政権が本格始動した2010年、日本ネクタイ組合連合会は当時の環境大臣にクールビズの廃止を陳情しています。自民党が無理でも、民主党なら理解してもらえると考えたのでしょうか。
                       心情的には理解できないことはありません。しかし、クールビズ導入から5年も経過してなお、新たな一手を打てなかったところに、ネクタイ業界の限界を感じます。
                      結果として、ネクタイ業界は社会ニーズの変化に対応できなったと言えるかもしれません。
                       今後も、こうした些細なことで始まる社会ニーズの変化により、消滅する業界、淘汰される業界、そして、新たに興隆してくる業界があるでしょう。それをじっと注目してきたいと思います。』

                       

                       

                      1.需要が激減したネクタイ

                       

                       ご承知の通り、クールビズが始まりました。私は、どちらかと言いますと上着を脱がず、どれだけ暑くてもネクタイも締めていたいと思うため、クールビズは自分で勝手に遅くしています。ネクタイをしないとだらしなく思うからです。

                       

                       今回のこのニュースでは、「ネクタイ業界が社会ニーズの変化に対応できなかったネクタイ業界」ということで、ネクタイ業界が時代の流れに対応できなかった旨の論説となっています。

                       

                       社会ニーズとは何でしょうか?暑い夏にネクタイをする必要がないということでしょうか?小泉純一郎政権のときに始まったクールビズについて、私の考え方は古臭いかもしれませんが、ネクタイは必要であると思うのです。

                       

                       もともとクールビズは、小池百合子(現在の東京都知事)が環境大臣のときに、小泉純一郎氏から「夏場の軽装による冷房の節約」をキャッチフレーズにしたらどうか?というアドバイスを受けたことがきっかけとされています。

                       

                       ネクタイをしなくてもだらしなく見えないワイシャツの開発など、新たな需要を生み出しましたが、ネクタイは間違いなく需要が激減しました。

                       

                      <ネクタイの日本国内での生産本数と海外からの輸入本数(左縦軸)の推移と2006年を1とした場合の指数(右縦軸)の推移>

                      (出典:東京ネクタイ協同組合)

                       

                       ネクタイの需要激減幅が、ワイシャツの需要増加で補えたか?までは不明なのですが、はっきり言えることは、ネクタイの販売本数は激減しています。2006年時の生産本数・輸入本数で、2015年は2006年当時にくらべ、国産で60%減少、海外輸入で40%の減少です。

                       

                       これだけの需要減少となれば、廃業するネクタイ生産業者がたくさんいても不思議ではありません。デフレで賃金が伸び悩む状態で、ネクタイ生産でノウハウを積み上げた個人・業者が、いきなり別の事業を営んだとしても、成功するとは限らず、酷なこととしか言いようがありません。

                       

                       小泉純一郎氏に陳情をお願いするも、冷酷に「ビジネスチャンスに変えて欲しい!」と答えるだけでは、ネクタイ業者の人々には大変酷なことだったに違いありません。

                       

                       マクロ経済的に雇用問題を考えれば、インフレギャップの状態でGDPが伸びている状況であるならば、すぐに他の業種で仕事が見つかったかもしれません。

                       

                       1997年の構造改革基本法以降、小泉純一郎政権では公共事業を毎年7000億円レベルで削減していた他、プライマリーバランス黒字化によって医療費の抑制やら、科学技術振興予算についても抑制していました。

                       

                       こうしたデフレの状態に加え、デフレを深刻化させる経済政策の下では、高賃金の職業に就けるとは限らず、小泉政権後の民主党政権に陳情するというのも理解できます。

                       

                       

                       

                      2.人材における技能・ノウハウの蓄積を無視する経済学者たち

                       

                       経済学者やアナリスト・エコノミストが誤解していることが2つあります。

                       

                       1つ目は、特定の財・サービスの生産に従事している労働者、今回のケースでいえばネクタイの生産に従事している労働者が、クールビズの影響で失業したとしても、「次の瞬間」には別の職に就けるという前提で物事を考えていることです。

                       

                       専門的な言葉を使いますと、労働という生産要素が日本国内の産業間とりわけ、衣料・アパレル業界を自由に移動でき、そのための調整費用もかからないと考えていることです。

                       

                       ある日突然ネクタイ業者が倒産したとして、その労働者は次の日から別の産業の工場で働き、生産力を発揮できるという前提で物事を考えているのです。

                       

                       当たり前の話として、いかなる職業であっても、ここの「生産者」が生産性を発揮するためには、ある程度のノウハウの蓄積が必要になります。どんな財・サービスを生産するとしても、生産者各人が働き続け、自身に様々なノウハウ、技術・技能、スキル等を蓄積する必要があるのです。


                       2つ目は自発的失業者の存在を無視していることです。もちろん、衣料・アパレル業界に限定すれば、自由に移動できるのかもしれませんが、十分な賃金を得られるか?

                       

                       例えば介護業界は年収が一般産業と比較して月給ベースで10万円程度低いとされています。ネクタイ業界に従事していた人が、クールビズの影響で職を失ったとして、介護業界に就業しようとするでしょうか?

                       

                       極端な例をいえば、空き缶拾いという仕事があったとしても、その仕事で食べていくことは不可能です。食べていくことができない職業など、最初から選択する人はほとんどいないでしょう。結果、日本では自発的失業者というのが大勢います。

                       

                       特に建設業界で顕著で、公共事業削減によって建設業界は1999年をピーク時の60万社から47万社へと、20%近くの業者が自主廃業などで減少し、建設業従事者数では685万人→500万人と、30%近くの業界従事者が建設業界を去りました。

                       

                       こうした人々がコンビニのバイトをやったり、生活に困窮して生活保護者になっているという人もいます。小泉純一郎氏は、そうした供給力を毀損することが国力を低下させるということを理解していなかったのではないでしょうか?

                       

                       もともとグローバリズム推進政策で、業界の変化に対応できない人は自己責任という発想自体、インフレならまだしも、デフレ環境下において、デフレを促進させ、社会を不安にさせるだけだったのでは?と思うのです。

                       

                       クールビズ導入においても、その後、雇用がどうなるのか?など、十分な政府の支援があったとは、私には思えません。経済学では、当人が職業を選んでいるということで、自発的失業者は存在しないことになっていまして、小泉氏の「ビジネスチャンスに変えてください!」という発言の通り、特段の配慮があったとは考えられないのです。

                       

                       十分なインフレ環境にあるならまだしも、自ら率先して無駄削減・公共事業削減をしてきたわけですから、このクールビズによって需要削減で、よりデフレが深刻化したのでは?と考えられます。

                       

                       

                       

                      3.堀場製作所の堀場社長が語る仕事の装い

                       

                       堀場製作所という会社をご存知でしょうか?

                       

                       堀場製作所は、ドイツの自動車メーカーのフォルクスワーゲンの排ガス不正を見抜いた装置を作っている会社で、東京証券取引所第一部に上場している測量器メーカーです。

                       

                       堀場製作所の堀場社長が日経スタイルというライフスタイルコンテンツにて、クールビズについてコメントしています。

                       

                      『日経スタイル 2017/08/20 堀場製作所会長兼社長 堀場厚氏

                      ◆◆スーツにノータイ? 世界ではあまり見かけませんね◆◆

                      分析・計測機器大手の堀場製作所は、エンジン排ガス計測システムや半導体製造装置用のガス制御機器で世界トップのシェアを誇る。創業者である父、故堀場雅夫氏から会社を受け継いだ2代目、堀場厚会長兼社長は「おもしろおかしく」を社是とする個性的な企業風土を守りながら、積極的な買収戦略を展開、グローバル化を進めてきた。若いころから海外勢と競ってきた堀場氏に、世界を相手にする際の「装い」について聞いた。

                      ――スーツに強いこだわりを持たれているとうかがいました。

                       「スーツはビジネスの世界のいわば戦闘服のようなものですね。提携や買収、顧客訪問などで海外出張の機会が多いのですが、やはり相手が着ているスーツは気になりますね。海外のエグゼクティブ、特に欧州の方は身だしなみをきちんとしています。ネクタイひとつとってもそうです。だから逆にいうと日本のクールビズは、少し違和感があります」

                       「その省エネという精神自体は良いのですが、『それならネクタイを外す前に上着を脱ぐべきではないか』と思います。スーツを着てノーネクタイというのはグローバルではだらしない印象を与える恐れがあります。少なくとも欧州ではビジネスの世界でそのようにネクタイを外している人はあまり見かけません。米国のカリフォルニアでは、上着やネクタイはせず本当のクールビズを実施しています」

                       「ネクタイを外して、上着は着用しなさいという。やはり日本人というのは、何か教科書的なルールに安心したり、言葉に踊らされるところがあって、実質的な意味を考えるところで弱いと感じますよね」

                      「プロトコルというのが分かっていない。例えば、暑い時期に着物を着るために、腰紐(ひも)だけ結んで、『帯をしたら汗をかくからしません』と言っているのとほぼ一緒ですよね。それならまず、それらしい夏物の着物を着るか、浴衣にするでしょう、という話ですね」

                       「人と会うときには、やはり言葉遣いや服装など、TPO(時・場所・場合)に応じてのマナーというものがありますよね。それをルーズな方向に、真のマナーの意味を分かっていない人たちがスタンドプレー的にルール化を進めているという感じがしますね」

                      「だから京都に本社を置き、グローバル展開する当社では基本的にクールビズはしていません。ただし、郷に入れば郷に従えで東京地区の拠点の社員は東京ではあたり前になった、クールビズスタイルにしたらいいと言っていますが。社内を見ていただいたらお分かりになるかと思いますが、ネクタイをしなくもいい夏用の制服を作り、単にノーネクタイではない着こなしを奨励しています」

                      (中略)

                      「この前、顧客であるイタリアの有名なスポーツカーのメーカーに行ってきましたが、工場見学でも幹部は全員きちんとネクタイをしていました。こっちは暑いし、『上着、脱がせてくれないかな』と思ったくらいですが、我々のお客さんがスーツを着て案内してくれるのですから、脱げなかったですよ。このような人たちが日本式のクールビズを見たら、どう感じるでしょうか。『文化のないやつらだ』と思われるかもしれません。まあ、洋服文化は西洋ですから、もともと日本にないのは事実ですけども」

                       

                      ◆◆服装もマネージできずに、人をマネージできますか?◆◆

                      (前略)

                      「父(堀場製作所創業者の故堀場雅夫氏)はすごくお洒落でした。私はむしろ疎い方でしたね。でもだんだん、歳を重ねるごとに、また海外のいろいろな人と接していくうちに、負けないな、と感じるんですよ。いま我々のグループの従業員約7000人のうち海外の社員が約4200人、日本人の割合は4割を切っています。でも海外の人たちをマネージしていくには、仕事だけではオペレートできないんですね。服装も彼らに見劣りしてはいけない。特に衆目されるトップはそうですね。だから弊社の幹部はみんな服装もきちんとしていると思います」

                       「というのも、幹部の彼らも子会社の社長を務めたりするなどの海外経験で、自然と肌で感じているんだと思います。何もお金をかけるとか、ブランド物でそろえることではなくて、身だしなみを整えていないと結局、会社のトップや、きちんとした相手に会ったときに、軽く見られたり、あるいは相手にしてもらえないということを何度も経験をしているんだと思います」(後略)』

                       

                       

                       堀場製作所は、私も株式投資で有望な企業とみて、ウォッチしている企業の1つです。その堀場製作所の社長は、身だしなみとし世界基準で日本のクールビズに対してネガティブに感じておられるようです。

                       

                       価値観の問題はあると思いますが、私もどちらかといえばネクタイなしで上着を着るのは違和感を感じることが多い。暑い夏であっても上着を着る、それもネクタイを締めてということで、確かに暑いのですが・・・。

                       

                       室内温度を高く設定してクールビズを推奨するというのが当たり前になった日本ですが、マクロ経済的には電力需要を削減し、ネクタイ業者の生産供給力を破壊したといえます。

                       

                       ネクタイ業者に従事する人々が、従来と同等の賃金がもらえる職に就ければいいですが、就けなかった場合は賃金DOWNした分、普通に消費を削減するでしょう。

                       

                       クールビズが始まった2006年以降は、輸出は増えていますが、個人消費は増えていません。「努力して輸出で稼げばいい!輸出できるものを努力して創作するべきだ!」といっても、デフレ環境で、物・サービスの値段を下げないと売れにくい状況では厳しいでしょう。

                       需要が大きい介護業界に転職するとしても、介護報酬を引き下げているようでは、実質の需要が増えても名目需要が不足しているという状況なので、忙しいけど稼げないということになってしまいます。

                       

                       

                       

                       というわけで、クールビズについて意見しました。クールビズの是非については価値観の問題もあるので、一概には言えませんが、私は堀場製作所の堀場社長の意見に近いです。またマクロ経済的にいえば、デフレ化の状況でネクタイの需要と電力の需要を削減する必要があったのか?という論点もあります。

                       需要削減した分、他の需要を日本国内で創出したか?と言われれば、もともと公共事業を7000億円も削減していた状況です。その上、プライマリーバランス黒字化のために、医療・介護費も抑制方向となれば、クールビズはデフレを促進するだけの政策だったのでは?と思えるのです。

                       冷房をガンガンつければ電力業界が潤います。ネクタイとワイシャツでいえば、ワイシャツ業界は需要が増えますが、ネクタイ業界は需要減少です。もっともGDP500兆円で経済成長していないため、ネクタイ業界の需要減少を有り余ってワイシャツ業界の需要で埋めたとは言い切れないでしょう。

                       マクロ経済を理解しますと、クールビズについても本当に正しかったのか?と疑問を持つ人も増えるのでは?と思うのです。


                      デフレギャップが埋まらないと税収は減るという事実を知らない財務官僚!

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                         今日は「デフレギャップが埋まらないと税収は減るという事実を知らない財務官僚!」と題し、名目GDPと税収の関係について述べます。

                         

                         GDPには名目GDPと実質GDPの2種類があります。名目GDPとは金額で見たGDPです。また、単なる物価上昇分を控除して、実質的に豊かになったか?を示すことができるのが実質GDPです。

                         

                         例えば、給料が2倍になっても、物価が2倍になってしまっていては、物を買う個数、サービスを買う回数は増えません。この場合、豊かになっているとは言えないでしょう。単に物価の目方が変わっただけであるため、実質的に数を多く買ったわけではないために豊かさを実感できません。

                         

                         とはいえ、仮に給料が2倍になって物価が2倍になった場合は、税収は2倍以上増えます。なぜならば、税金は所得の金額額面によって左右されるからです。

                         

                         そのため、名目GDPは税収と相関関係があります。一方で実質GDPは雇用に影響します。物の個数が実質的に売れる、サービスの回数が実質的に増えるという状況の場合、忙しくなります。そのため、人を解雇しにくくなり、むしろ人を採用しようとするでしょう。

                         

                         こうしてみますと、名目GDPは所得と税収に関係し、実質GDPは雇用の影響に直結するといえるでしょう。

                         

                         医療介護費が増えるという場合、お年寄りの数が増えて実質的な需要が増加する反面、薬価基準引き下げ、医療報酬・介護報酬引き下げをすれば、名目GDPは減少していきます。名目GDPが減少しても、お年寄りの数は増えるでしょうから、忙しくなって賃金が伸び悩むということになってしまいます。

                         

                         逆に医療報酬・介護報酬を引き上げれば、賃金UPの原資になることから、忙しくても医療介護従事者の賃金が上がります。さらに医療法人、介護福祉法人が設備投資をすれば、生産性が高まり、ラクラクな職場環境となって、しかも一人当たりの生産性向上により賃金UPするという状況が生まれます。

                         

                         インフレギャップ幅が拡大する状態であれば、もっと稼げるということで、忙しさは変わらないかもしれません。とはいえ、それに見合った以上の賃金を得ることができる可能性があるわけです。

                         

                         賃金が増えれば、当然税収は増えます。私たちは所得から税金を払うからです。

                         

                         ところが財務官僚は、こうしたことを理解していないのでは?という疑義を私は持っております。即ち、「誰かの支出=誰かの所得になる」ということを財務官僚は理解していないのでは?と思うのです。誰かの支出とは、何も個人である必要がありません。「富裕層にお金を使ってもらわなければ・・・・」という発想自体、GDP3面等価の原則を理解していない人の発想です。

                         

                         支出は個人でなくても、企業でも政府でもいいのです。企業は個人と同様、通貨発行ができませんが、政府は通貨発行ができます。政府は基本的には経世済民を達成するためであれば、政府の負債をどれだけ増やしたとしても、何ら問題がないのです。

                         

                         もちろん、政府の負債がドル建てなどの外貨だった場合は、外貨で返さなければならないため、将来世代にツケを残す形になりますが、円建で通貨発行する場合は、何ら問題がありません。

                         

                         ところがこうしたことを理解していないために、年金・医療・介護の費用が増えるから、その分、他を削減するか、増税しなければ!と財務官僚は考えます。

                         

                         こうして法律で制定されたのが、財政構造改革基本法という1997年に橋本政権のときに成立した法律です。そのあと、竹中平蔵氏がプライマリーバランス黒字化目標というものを持ち込み、閣議決定されてしまいました。

                         

                         その結果、医療費は抑制しようとするし、何か増やすのであれば他を削減するという家計簿の発想を国家の財政運営に持ち込むことになってしまいました。

                         

                         小泉純一郎政権のときは、公共事業を毎年7000億規模で削減してきました。

                         

                         日本は災害大国です。地震だけではなく、国土の2分の1が豪雪地帯という大雪の被害に加え、台風や水害や土砂崩れなど、あらゆる災害のオンパレード国です。

                         

                         もし、1996年度分くらいの公共投資を維持し続けていれば、日本のGDPは今頃1500兆円程度にはなっていたことでしょう。平均年収は1500万程度にはなっていたことでしょう。

                         

                         誰もが普通に家を購入し、高い生産性で仕事をして高い賃金をもらうということが普通にできていたことでしょう。

                         

                         結果的に軍事費にもお金をたくさん使うことができて、仮想敵国中国に対する防衛費も確保できて、尖閣諸島にちょっかいを出されずに済んだかもしれません。

                         

                         ところが実際は、1997年に財政構造改革基本法が制定されて以来、1998年に消費増税3%→5%をはじめ、防衛費、教育費など、すべて削減してきました。科学技術予算は減少とまでいかなくても、増やしていません。結果、世界の被引用度の高い論文数のシェアで、日本は減少の一途を辿ってきました。

                         

                         

                         下記は少し古い新聞記事ですが、日本経済新聞の記事をご紹介します。

                        『2017/06/02 09:05 被引用多い論文数、国別10位に後退 科技白書で指摘

                        政府は2日、2017年版の科学技術白書を閣議決定した。研究価値が高いとされる被引用件数の多い論文の国別順位で日本は10位まで下がり、基礎研究力の低下が著しいと指摘。若手研究者の雇用安定や企業の資金を大学などに呼び込む施策などを進め、研究力向上につなげる必要があると訴えた。

                         研究の各分野で被引用件数が上位10%に入る論文数から、各国のシェアを分析した文部科学省傘下の科学技術・学術政策研究所のデータを引用した。

                         12〜14年の平均でみると日本のシェアは5%。トップは米国の39.5%で中国、英国、ドイツ、フランスが続いた。日本はカナダ、イタリア、オーストラリア、スペインより下の10位だった。

                         日本は02〜04年にシェア7.2%で米英独に次ぐ4位だった。その後、順位を徐々に下げ、調査可能な1980年以降で初めて2桁台に落ち込んだ。

                         白書では研究力が低下した原因として、雇用が不安定な若手研究者の増加や海外の研究者との連携が少ない点などを挙げた。政府の研究開発投資が伸び悩む中で、企業など外部の経営資源を活用して成果を生む「オープンイノベーション」などを大学や公的研究機関も推進する必要があると強調した。』

                         

                         

                         上記の記事の通り、引用論文数で世界シェアが低下し、順位で上位から10位と二ケタ台にまで落ち込んだとしています。科学技術予算を増やさない緊縮財政の発想が悪いのはもちろんですが、規制緩和で非正規雇用の若手研究者が増加したということも凋落の一因です。何しろ、非正規社員なんてのは限られた業種でしかなかったのですが、今は普通に非正規雇用の若者が大勢います。科学・化学においても、非正規雇用の研究者が増大しているのです。

                         

                         京都大学の山中教授のSTAP細胞の研究チームも、多くが非正規雇用で、そうした非正規雇用の職員が、研究成果を短期で出さなければならないとするプレッシャーから、不正してしまうという問題も発生しました。

                         

                         もちろん許される行為ではないとはいえ、短期的に研究成果を求めるという仕組み自体に問題があるというのが、真の問題ではないでしょうか?

                         

                         こうして発展途上国化するだけではなく、非正規雇用で賃金が抑制されれば、当然税収も減ります。名目GDPは給与額面に近いため、税収は減るのです。その結果、赤字国債を発行せざるを得ません。

                         

                         「赤字国債を発行すると借金が増えて大変だぁー!将来世代にツケを残すぅー!緊縮財政だぁー!」となって公共事業を削減すれば、需要削減となってデフレギャップが生じます。

                         

                         デフレギャップが生じると、所得が伸び悩み、非正規雇用が増え、消費が伸び悩み、名目GDPが伸び悩みます。すると税収が減少するため、赤字国債を発行せざるを得なくなります。

                         

                         すると「赤字国債をまた発行したから借金が増えて大変だぁー!将来世代にツケを残すぅー!緊縮財政だぁー!」となって公共事業を削減すれば、需要削減となってデフレギャップが生じます。

                         

                         デフレギャップが生じると、所得が伸び悩み、非正規雇用が増え、消費が伸び悩み、名目GDPが伸び悩みます。すると税収が減少するため、赤字国債を発行せざるを得なくなります。

                         

                         すると「赤字国債をまたまた発行したから借金が増えて大変だぁー!将来世代にツケを残すぅー!緊縮財政だぁー!」となって公共事業を削減すれば、需要削減となってデフレギャップが生じます。

                         

                         デフレギャップが生じると、所得が伸び悩み、非正規雇用が増え、消費が伸び悩み、名目GDPが伸び悩みます。すると税収が減少するため、赤字国債を発行せざるを得なくなります。

                         

                         すると「赤字国債をまたまたまた発行したから借金が増えて大変だぁー!将来世代にツケを残すぅー!緊縮財政だぁー!」となって公共事業を削減すれば、需要削減となってデフレギャップが・・・・・・・

                         

                         こうして負のスパイラルが止められないわけです。

                         

                         

                         財務官僚がプライマリーバランス黒字化が正しいと思い込んでいる以上、日本はデフレ脱却できないでしょう。

                         プライマリーバランス黒字化目標を破棄しない限り、日本は発展途上国と化していくことも止められないでしょう。

                         

                         プライマリーバランス黒字化目標というのが、いつから出てきたのか?それは小泉政権のときに竹中平蔵氏が持ち込み、閣議決定されてしまったのです。その時以来、我が国の財政は常にプライマリーバランス黒字化目標に縛られ、足枷となってしまったのです。

                         

                         プライマリーバランス黒字化目標が是とする発想の言論人には、名目GDPと税収が相関関係があるという真実を知らないでしょう。だから家計簿と同じように、何かを増やせば何かを削る。結果、GDPが成長せず、経済成長できず、税収が伸び悩むということも知らないわけです。

                         

                         

                         というわけで、今日は財務省職員が、名目GDPと税収に相関関係があることを知らないのでは?と推察し、論説しました。1997年に制定された橋本内閣における構造改革基本法が施行されたから、日本のデフレが始まりました。1995年村山内閣のとき、武村正義元大蔵大臣が「財政破綻」を宣言しているのですが、この宣言も意味不明です。その後、1997年に構造改革基本法が制定され、基礎的財政収支の赤字は毎年3%未満にすること、社会保障費はできる限り抑制すること、公共投資は前年比で93%以下とすること、科学技術予算は1997年度予算の105%を上回ってはいけないなどなど。

                         このようなことをやっていくうちに、他国は経済成長し、日本だけ立ち遅れるどころか発展途上国化していきます。特に中国が経済成長すれば、たいへん厄介なことに領土侵犯やら軍事攻撃ですらあり得るわけです。

                         まだ見ぬ私たちの子供・孫の世代にツケを残すというのは、このような日本を引き継いでしまうことこそがツケを残すということにならないでしょうか?その崖っぷちにいるのが今の日本であり、凋落がさらに進むか否か?は、今年6月の財政骨太方針でプライマリーバランス黒字化目標が破棄されること、この1点に尽きるのです。


                        「純資産大国=国力が高い」ではありません!

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                           今日は「純資産大国=国力が高い」ということではない旨を論説します。

                           

                           日本は純資産大国で世界一のお金持ちであるということは、本ブログでたびたび述べております。先日もご紹介した次のグラフを見ていただきたいと思います。

                           

                          (出典:財務省のホームページの「参考3,4 主要国の対外純資産、為替相場の推移」から引用)

                           

                           純資産残高が大きいということは、「資産ー負債」の値が大きいということです。これは個人の比較で、資産1億円・借入金5000万のAさんと、資産1億円・借入金1億5000万のBさんで、二人を比べた場合、Aさんは純資産5000万円、Bさんは純負債5000万となり、Aさんの方がお金持ちであると考えるのと、全く同様です。

                           そのため、数値の上でいえば、日本は世界一のお金持ちであり、米国は世界一のお金がない国となります。

                           

                           とはいえ、皆さんに問いたいのですが、これの純資産額というものは、国力を表していると思うでしょうか?具体的にいえば、純資産残高が多い日本は国力が強く、米国は最も弱いということになってしまうのですが、どう思われるでしょうか?

                           

                           そんなことあるわけがありませんね!

                           

                           個人の場合は、お金を稼いだ結果、お金が積み上がって資産を形成していきます。国家の経済力というのは、それとは異なります。

                           

                           経済力というのはお金をたくさん持っている=純資産大国であるということではありません。私たち日本国民が必要としている需要(物・サービス)をどれだけ自国でできるか?が経済力です。

                           

                           ご飯を食べなければならない・・・農家

                           仮想敵国中国からの軍事攻撃に備える、北朝鮮のミサイルに迎撃できるようにして日本の国土に着弾させない・・・自衛隊・軍隊

                           病気になったので治療を受けたい・・・医者

                           教育を受けたい・・・学校の先生

                           などなどを供給する人々が、私たちが必要としている物・サービスの供給力そのものです。

                           

                           純負債国の米国は、お金がないから経済力がないのか?というと、そんなことはなく世界最大の経済大国になります。例えば、米国は食料・防衛・エネルギーは、ほとんど自給自足できます。

                           

                           食料は余剰作物があるがゆえに、日本に穀物を輸出したりしています。日本以外にも輸出しています。

                           

                           防衛でいえば、ロッキード社がF22ラプター戦闘機やら、F35ライトニング戦闘機(日本はこれを買っています。)やら。ミサイルでいえば、巡航ミサイルトマホーク、迎撃ミサイルパトリオット、敵の地下基地を破壊するバンカースバスター、一瞬で広範囲の敵基地を破壊するクラスター爆弾、サーモバリック爆弾など、いろんな兵器を米国は作っています。

                           一部の部品は日本から頼っているので、自力でできるわけではありませんが、組立(アセンブル)やシステムインテグレーションは、全て米国が自国でできます。

                           

                           エネルギーもシェールガスが出たことで、石油を中東諸国からの輸入に依存しないようにしようとしています。

                           

                           このように米国は、いざ何かあっても食料・防衛・エネルギーの3分野については何ら問題がありません。

                           

                           下記は、1961年から2013年にかけての食料自給率の推移です。

                           

                           

                          <食料自給率の推移:1961年→2013年>

                          (出典:農水省のホームページ)

                           

                           

                           

                           上表・グラフの通り、穀物ベースの自給率は、米国が127%で100%超となっているのに加え、日本は28%です。

                           

                           コメこそ100%超ですが、カロリーベースで42%で、小麦、大豆、トウモロコシは米国からの輸入に依存しています。いざ何か発生して、米国と仲が悪くなったとして、米国が輸出を止めますよ!と言われると、終わりです。

                           

                           エネルギーも同様に原発を止めているため、エネルギー自給率は6%程度で、しかも原油の中東依存度は80%です。

                           

                           もちろん高品質な自動車が生産できる、高品質な家電の生産ができる、資本財(半導体、セラミック、セミコンダクターなど)のほとんどを生産できて、米国より突出している分野があったとしても、全体的に米国より低いです。

                           

                           例えば教育について、その国の教育の供給能力が不足しているとなれば、子どもたちは他国へ留学するしかありません。

                           主要国で留学生が最も少ない国といえば、日本も少ないですが、日本よりはるかに少ないのは米国です。

                           

                           米国の教育という供給能力は米国人の需要を満たせるレベルの高さで、教育サービスを供給することが可能です。また日本から海外に行く留学生は、デフレの影響で減ったかもしれません。米国のハーバード大学の授業料は3000万円ともいわれており、富裕層の子供を米国に留学させてハーバード大学を卒業させるというのは、デフレの日本では減ることはあっても増えることはないでしょう。

                           

                           要は自国の国民が求める物・サービスを自国で供給できるか?ということが、経済力であり、純資産残高の大きさではないということが理解できたのではないでしょうか?

                           

                           例えば、アフリカの砂漠のど真ん中で100億円のスーツケースを持って一人でポツンといたとして、水や食料がなければ生きていくことは不可能です。純資産大国であっても供給力がないということであれば、お金をどれだけたくさん持っていても何の役にも立ちません。

                           

                           日本は1997年の橋本内閣の構造改革基本法を制定し、1998年に消費増税をしてからずっとデフレが続いています。デフレが続くと大変な問題が今もなお進行しているのです。

                           

                           デフレは貨幣現象ではなく、需要の過不足現象であり、需要<供給という状態のことを意味します。この場合、政府支出増によって需要↑として需要=供給となればいいのですが、日本政府は政府支出増をせず放置してきました。需要<供給を放置すると企業業績は悪化しますので、結果的に供給能力を削減するしかなくなります。

                           

                           具体的には、従業員をリストラしましょう!工場を閉鎖しましょう!となり、供給↓として需要=供給となる方向に突き進みます。これをそのまま継続していくと、供給力が削がれることとなり、物・サービスを供給できなくなってしまうのです。

                           

                           外食産業が24時間営業を辞める、牛丼屋チェーン店が24時間営業を辞める、コンビニが閉店するなどなど、これらは発展途上国に逆戻りしているということなのです。

                           

                           また、需要<供給となっているのを、供給↓として需要=供給にしようとすると、売上減少で賃金が伸び悩み、結果的にまた需要<供給となります。これがデフレスパイラルであり、発展途上国化していくというプロセスです。

                           

                           

                           というわけで、純資産残高が世界一だったとしても、イコール国力が強いとは限りません。カネカネカネとやることは、個人はやってもイイのですが、国家は違います。場合によっては企業も違います。企業も労働単位コストという概念を考えた場合、損益分岐点が高いことは悪いことではありません。何しろ、設備投資や能力開発にかけるお金が多ければ、それだけ人材は育ちます。技術ノウハウの向上と将来世代への継承もされ、永続的な成長の礎となります。

                           もちろんデフレで売り上げが伸び悩む場合、高い損益分岐点ですと損益計算書ですぐ赤字になってしまうため、設備投資はできず、人材育成にもお金がかけにくくなります。それを放置すると人材は育たず、技術ノウハウは継承されず、品質は低下していく。企業の競争力も低下するということになるでしょう。これを国家全体でみた場合、国力の低下、発展途上国化ということになるわけです。

                           今、求められているのは国民が知見を持ち、こうしたことを理解する政治家が台頭すること。それがイギリスではメイ首相であり、米国ではトランプ大統領だったと思うのですが、日本にもそうした政治家が早く登場しないと、日本の良さが全部壊され、中国の属国になってしまうのでは?と危惧せざるを得ないのです。


                          財務省が正当化する緊縮財政とデフレの真因(自組織防衛のために偽装公文書作成する財務省)

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                             今日は森友学園の偽装公文書作成について、改めて思うこととを書きたいと思います。

                             

                             この問題を考えますと、改めてですが「なるほど!だから日本はデフレなんだ!」ということです。森友学園の近畿理財局による偽装公文書作成の事件が明るみになることで、デフレの真因、日本の根幹にあるものが見えたと思うのです。

                             

                             なぜならば報道が正しいとすれば、財務省は自組織防衛のために平気でウソをつく、しかも組織的に嘘をつく、それも法律違反してまでウソをつくということ。即ち情報操作体質があるということ。それが今回の事件で含意していることです。

                             

                             2017年10月22日投票の衆議院議員選挙後、いきなり所得税増税が出てきたり、出国税やたばこ税の引き上げに加え、300人体制で政治家、経団連の経営者らに、消費増税8%→10%は必要と説いて回っているようです。

                             

                             日本国民を豊かにすることを忘れ、緊縮財政が目的になっているといえます。緊縮財政をすれば出世できるという財務省の人事評価制度が根幹にある限り、財務省の空気は緊縮財政一色。おそらく私のような積極財政を主張する財務省職員というのは左遷させられるでしょう。

                             

                             緊縮財政が是と思う限り、徹底的に組織的に嘘をつき、マスコミを使って情報操作するなどして、緊縮財政に反対する者を抹殺したりもします。かつての麻生太郎政権は、プライマリーバランス黒字化を棚上げにしました。何しろリーマンショックという大変な経済状況だったので、麻生太郎政権の判断は正しい。とはいえ、財務省からすれば麻生太郎の緊縮財政と逆行するプライマリーバランス黒字化棚上げに対して、敵視したり疎ましく思ったに違いありません。

                             

                             だからこそ、世論誘導として「漢字が読めない!」「高いバーでお酒を飲んでいる!」というようなことをマスコミにリークして、抹殺しようとしたのでは?と疑っています。

                             

                             「漢字が読めない!」「高いバーでお酒を飲んでいる!」というのが事実だったとしても、緊縮財政を是とするために麻生太郎を潰すためにマスコミにリークするという情報操作をした可能性は高く、このような組織が徹底的に組織的に嘘をついたとしても、財務省という組織内では、それが許されるというような組織である疑義が濃厚です。

                             

                             財政再建ではたくさんのウソをつかれています。公共事業とか積極投資をやればデフレ脱却できるのに、それは全部ウソだ!と財務省はいいます。経済学的なことについて組織的に嘘をついているから、積極財政ができず、日本はデフレが継続しているのです。税収弾性値は1強などと主張し、積極財政をしても税収は増えないと主張しています。

                             

                             このように嘘をつく組織風土が財務省にあるからこそ、日本がデフレになっていると思うのです。

                             

                             本来は頭がいい人たちばかりなはずなのですが、それを日本国民を豊かにする為ではなく、財務省という組織のために使っているといえます。目的の転移現象といって、国民を豊かにすることが目的なのではなく、緊縮財政そのものが目的になっていて、それを推奨する人、実績を出した人が財務省という組織の中で出世する。そういう組織であるという疑義が濃厚です。

                             

                             

                             というわけで、森友学園問題から見える日本の真のガンといえる財務省の体質について、私見を述べました。今の日本は、この財務省によるプロパガンダが功を奏しており、緊縮財政が正しいと思う日本国民が多い。財政問題なんて存在しないし、デフレ脱却するためには政府支出増しかないし、その財源は日本国債を発行するで普通に問題がないのに、マスコミらによる借金報道で、多くの人々が財政問題があるものと思っているわけです。これを放置するとデフレが継続してGDPが減少し、供給力が削がれて、発展途上国化する結果、中国の支配下になるということが、真に起こり得ると思うのです。

                             これを回避するためには、私たちが経済について知見を高めることで、そうした政治家が出現する。その政治家が、デフレ環境下における正しい政策、国債増刷、政府支出増を行い続けることで、日本のの中国属国化を回避できるものと思っております。


                            「トラック・バスなどの運送業界」「ホテル・旅館業」とデフレ対策

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                               今日は、「トラックやバスなどの運送業界とデフレ対策」と称し、意見します。

                               

                               日本がデフレ脱却をするための対策としては、マクロ的にみれば財政出動が一番時間軸も確実性も高い経済対策です。財政出動によって、公共工事や科学技術振興やら、お金を支出するということが最も効果があります。財源は、デフレでゼロ金利で借り手が居ない状況で困っている状況ですので、普通に国債発行で問題ありません。

                               

                               また政府部門を黒字にすればするほど、デフレになるため、政府部門を赤字にするために、プライマリーバランス黒字化目標を破棄することも重要です。

                               

                               このようにマクロ経済対策については、私がよく主張する論説なのですが、デフレ脱却のための対策として、産業ごとにミクロの対策が必要な場面もあります。

                               

                               一番やらなければならないことは、例えば民泊を辞めるとかも、ミクロの経済対策として有効です。民泊は現在、経済特区でしかできませんが、民泊ができるようになった結果、ホテルの宿泊料金の上昇幅は抑制されます。ホテルの労働者の賃金が下がってデフレになります。

                               

                               もし民泊を辞めれば、もしくはやっていなければ、ホテルの宿泊料金の上昇によって、名目GDPが上昇。即ちホテルの売上高が増加し、ホテル業界の労働者の賃金UPも可能になります。売り上げが上昇するという名目需要が十分にある状況で、さらに稼働率が高まるとなれば、そのホテルは増床の設備投資をすることもやりやすくなるでしょう。増床した部分についても、高稼働で料金も下がらなければ、ホテル業界の従業員の賃金UPの原資が大きくなります。

                               

                               実際は、民泊を始めたため、ホテルの料金の上昇幅が抑制され、ホテルの労働者の賃金も上昇幅が抑制されます。GDP3面等価の原則でいえば、生産=支出=分配ですので、安く提供されれば消費者の支出額は抑えられますが、同時に生産額も抑えられ、分配としてもらえる売上高(賃金)も抑えられます。

                               

                               これはタクシー業界で考えても同じです。白タクなんてやろうとすれば、タクシーの運賃が下がってデフレが加速します。昔は、パス、タクシー、トラックで需給調整をしていましたが、需給調整を辞めて自由に参入できるようにしたことで、台数が増えて料金が下がりました。料金が下がる=デフレです。

                               

                               また昔は大型ショッピングセンターを作るには、許認可が必要でしたが、今は事後届出制となっています。結果、ジャスコやイオンといった大手スーパーが好き勝手に店舗施設を作れるようになったため、商店街に客が来なくなって、商店街で事業を営む人の賃金が下がり、廃業する商店が増えたりして、シャッター商店街と化していくのです。

                               

                               雇用関係でいえば、昔は時間雇用が規制されていたため、アルバイトは少なかったのですが、アルバイトが雇い放題になったことで、賃金が下がってデフレが加速します。

                               

                               経済を語る人は、このようにアホみたいに規制緩和をやり続けるとデフレ化するということを、常識として理解すべきです。とにかく規制緩和すれば経済が筋肉質になるなどと、「規制緩和は自由だから進めるべきもの!」として、規制緩和をやりまくっため、20年間デフレ化してきたということを理解すべきです。

                               

                               規制という言葉を聞くと、「がんじがらめ」なので、緩和をすることはイイことなのでは?と思われる方がいるかもしれません。稀にいわれることなのですが、ハンドブレーキを掛けたまま経済成長することはできない。ハンドブレーキを下げるために規制緩和すべき!と主張する人は実に多いです。

                               

                               ところが実際は規制緩和をやることで、先述のメカニズムで賃金が下がってきました。デフレ脱却のためにも、今から規制を強化もしくは規制を適正化せざるを得ないのです。ルールを失くしていくのが規制緩和だったのですが、デフレ脱却に向けて今後は、いったん緩和したルールを再びルール構築していく必要があるでしょう。

                               

                               例えばタクシー業界でいえば、過剰に台数が増えてデフレは進行していきます。台数をみんなで話し合いながら、少しずつ台数を削減していった場合、タクシー1台当たりの売上高が上昇して、賃金は上昇します。

                               

                               実際は、2009年のタクシー特別措置法が施行されるまで、規制緩和でタクシーの台数が増加していきました。2014年1月に施行された改正タクシー特別措置法は、具体的に減車させる措置です。もともとタクシーは非常に事故が多く、他のタクシーに客を奪われまいと無理な割り込みをするなど、台数増加がさらなる事故の増加につながりやすくなっていましたが、2009年のタクシー特別措置法の施行から規制強化を始めました。

                               

                               バスも規制緩和したことで安いバスがたくさん増えてデフレ化が促進され、デフレ化するだけでなく事故も発生して人が死にました。だから規制を強化していくという方向性になりました。

                               

                               トラック業界もタクシー業界、バス業界と同様に、規制を強化していこうとしています。既に適正運賃料金検討会というのが設置され、内閣府官房参与の藤井聡氏が座長になって取り組みをされています。

                               

                               もともとトラック業界の産業規模は12兆円程度といわれ、ドライバーや労働者も多く、ここのデフレ化を止めることは、日本のデフレ脱却のために大きい極めて重要な業界だといえます。なぜドライバーの賃金が下がってきたか?といえば、マクロ経済で期にはデフレが原因であり、ミクロでいえば台数に関しての需給調整をやらなくなってしまったことが原因です。

                               

                               また、許認可制を届出制にして規制緩和したこともデフレ化促進の原因です。一気に運送業者が増えました。信じられないかもしれませんが、3PL(サードパーティーロジスティクス)などで、7次下請けまであると言われているのです。

                               

                               普通は、二次下請け、三次下請けまでならあると思いますが、規制緩和推進の結果、6次下請け、7次下請けというのが存在するというひどい状況で、これでは当然デフレ化します。これを止めるためには、許認可行政を再強化する必要があるのですが、公正取引委員会との調整も必要です。

                               

                               そこで、まず第一歩として料金適正化を図るため、適正運賃料金検討会という委員会を作りました。トラックの運賃というのは普通はガソリン代、高速料金、最低労働賃金、保険料の他、一般管理費があり、これだけの料金がかかるので、それは荷主さん払ってください!ということで荷主が応じてくれれば、デフレ化しません。

                               

                               ところが実際は、そういう積上げコストを一切無視して、単なるマーケットメカニズムで自由に料金が決まるようになっています。例えば、運送業者Aが500円、Bが400円、Cが300円だったら、当社は100円でやるから仕事をやらせて欲しい!というD社が現れるということになります。これが最低運賃の規制を一切しない自由競争の世界です。

                               

                               そのような状況のため、自動車保険未加入、ボロボロの車両を使い、労働者の賃金は下限を支給するというような、とんでもない業者が次々と仕事を取っていくということが繰り返されてきました。そのため、真面目な業者が仕事を獲れなくなって次々と廃業・倒産していきました。結果、廃業・倒産したくないからということで、仕方なくダンピングし、適正価格を完全下回って不良不適正な超安い値段に引きずられ、普通のトラック業者も荷主からもらえる運賃が下がり、ドライバーも経営者も泣いている状況です。

                               

                               実際のところ、過去数年はトラック業界は平均収益がマイナスで、トラック業界全体として赤字です。デフレのため、日本人の賃金自体は一世帯当たり100万くらい減少していますが、その低下率をさらに下回る形で、トラックドライバーの運賃がどんどん下がっていきました。労働者も貧乏で経営者も赤字になっているというこの状況。マーケットメカニズムで決めていることが原因です。

                               

                               そこでトラック業界のデフレ対策としては委員会を作り、少なくてもガソリン代、高速道路料金だけは払ってもらうという方向性で、最低限払うべきものは払ってもらう仕組みにしましょうという取り組みを始めました。この取り組みをしない場合、例えば真面目にやっているラーメン屋が100円でラーメンを作っているのに、他では80円で販売しているとして、100円で売っている真面目なラーメン屋も80円で販売せざるを得ません。結果、みんな損しているわけです。

                               

                               

                               というわけで、今日は”「トラック・バスなどの運送業界」「ホテル・旅館業」デフレ対策”と題して意見しました。上述の構造はトラック業界以外の業界でも日本中で蔓延しています。公正取引委員会という組織もまた、談合やカルテルは一切認めず、「企業努力でなんとかなるはずだ!」という組織です。デフレ化の環境で企業努力を促進する競争を強いれば、定価割れして実際に価格は下がってしまうということを、公正取引委員会の人にも理解して欲しいと思うのであります。

                               また、デフレを放置して自由競争を続けると、貧すれば鈍するとなって、運送業界でいえば、トラックは安全に荷物を運べず、バス・タクシーでも事故が増え、飛行機でいえば最悪墜落事故、電車でも停電などの事故が増えるというような状況になります。それ以外にも廃業も増え、結果的に供給力を毀損していくのです。

                               一度失った供給力を再び取り戻すためには、技術ノウハウの蓄積をやり直すため、困難です。具体的にいえば時間がかかります。供給力はまさに虎の子。その虎の子の供給力がデフレ放置で毀損されていると思った時に、国力が弱体化して発展途上国化していくのが、私には耐えられないのです。

                               

                               

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                                 今日は、新幹線のぞみ号の台車亀裂問題について論説します。下記は日本経済新聞の記事です。

                                 

                                『日本経済新聞 2018/03/02 のぞみ台車亀裂問題 川重が図面指図よりも薄く研削

                                川崎重工業は、新幹線で初めての重大インシデント(事故が発生する恐れが認められる事態)となった新幹線の台車の亀裂問題について、2018年2月28日に会見を開いた。台車の側面を支える「側バリ」と呼ぶ構造部品で、板厚が図面寸法よりも薄い箇所があったことが判明。これが亀裂の進展を速めた可能性がある。

                                 亀裂が発生したのは、JR西日本が保有する「N700系」新幹線の台車。具体的には、断面が高さ170×幅160×板厚8ミリメートルの箱形(「口」の字形)構造になっている側バリに、長さ140ミリメートルの亀裂が高さ方向に走っていた。(後略)』

                                 

                                 

                                 上記は昨年度2017年12月に新幹線のぞみ号の台車の枠で破裂寸前の亀裂が見つかった問題についての続報です。JR西日本は、2/28に会見を開き、2007年の製造時に川崎重工業が台車枠の底の面を削ったために、鋼材の厚さが最小4.7ミリと基準の7ミリよりも大幅に薄くなっていたことを明らかにしました。

                                 

                                 強度が保てず、大きな亀裂につながったとみていて、川崎重工は社内規定に外れた作業だったとしています。この台車を含めて同様に鋼材が削られた台車というのは、JR西日本とJR東海への納入分で、合わせて174台にも上ることが明らかになりました。

                                 

                                 JR西日本は小さな傷が見つかるなどした12台は既に交換済みで、残りについても月1回超音波を使った細かな検査で安全性を確認しながら取替をすすめていくとしています。

                                 

                                 台車を作った川崎重工業では、組立作業を担当した班長が、台車枠と別の部分の接合部分を調整するよう部下に指示していたようです。班長は鋼材を削ってはいけないことを理解していましたが、作業する部下に指示することを忘れたか、指示しなかったとされ、かつ作業後に確認もしなかったため、今回の事件につながったとされています。

                                 

                                 数々の”はず”が積み重なった結果のミスといえます。普通はその原因を突き止めなければなりません。

                                 

                                 工場で働いている人は技術者の人であり、鋼材を削ってはいけないということは常識の範囲内の話です。普通は班長が常識と思っていることは、部下の人も常識と思っているはずです。それがモノづくりの日本の強みでした。マニュアルでやるわけではなく、技術・ノウハウを次世代に継承して伝えていく。マニュアルではなく労働者としてではなく、職人として人材育成していくのが日本の強みでした。

                                 

                                 職人性が失われ、時間給で働いている非正規のアルバイト的な人がマニュアルに基づいてモノづくりをしてきたという傾向が強くなってきたというように思えます。これはデフレ放置がなせる業であるともいえます。

                                 

                                 デフレ放置とともに増加した非正規社員は、もはや職人ではなく労働者になってしまったということでしょうか?職人と労働者は全く違います。ある意味、労働者は奴隷のように働いてその分のお金をもらうという話。日本の物づくりの現場は、労働者ではなく職人としてのプライドで生産してきたはずなのですが、こうした背景がこの事件に関与しているとすれば事態は深刻であり、事態の究明が必要だと思うのです。

                                 

                                 ところで、記事では、川崎重工業のこの問題が、日本企業の信頼が揺らぐこととなり、官民でインフラ輸出について2015年比で2020年までに1.5倍に当たる約30兆円のインフラ受注を目指していますが、日本企業の信頼が揺らげば、この目標が遠くなると報じています。

                                 

                                 この問題でいえば、2つ申し上げたいことがあります。

                                 

                                 一つ目は、影響が出るということについて、それほど心配する必要はないのでは?ということです。日本の安全性は世界基準でみて過剰であると諸外国からはみられており、過剰な基準から少々外れていたからといって、それが大きな問題になるのか?ということは、事態の推移をみていく必要があります。影響が出るかもしれないし、出ないかもしれません。

                                 

                                 二つ目は、インフラ輸出しなければならないのは、国内でインフラを作っていないからです。それが日本のインフラの老朽化を助長したり、地方創生をダメにしたりして、デフレ脱却を阻害しています。インフラ輸出を1.5倍増やすという目標もいいですが、もっと国内におけるインフラ整備を重視するという方針に変えて欲しいと思うのです。

                                 

                                 

                                 というわけで、今日は川崎重工業によるミスが発覚した新幹線のぞみ号の台車亀裂問題について取り上げました。


                                仮想通貨の暴落で理解できる「バブルの崩壊→デフレ化」へのプロセスとGDP

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                                   今日は、仮想通貨暴落について取り上げ、バブル崩壊→デフレ化のプロセスに触れ、デフレ・インフレという物価現象やGDPとの関係について論説したいと思います。

                                   

                                   私は、仕組みのわからない投資対象には投資しません。ところが、法貨でない仮想通貨が基軸通貨を駆逐するというような論説が蔓延り、私の周りでも直接ではありませんが、私の会社の同僚の友人がビットコインで数百万儲かったという話も間接的に接しておりました。

                                   

                                   そのビットコインも12月に、1BTCが200万超を超える値段を付けて以来、価格が下がり、100万水準まで値下がりました。今年に入り、韓国などで規制強化のニュース、中国ではビットコインを採掘するマイニング業者への規制など、仮想通貨市場においてネガティブなニュースとして報道され、ビットコインも値下がりしました。

                                   

                                   そして1/26のNHKニュースです。

                                  『NHK 1月26日 23時46分 仮想通貨取引所コインチェック 不正アクセスで580億円相当流出

                                   インターネット上の仮想通貨を取り扱う国内の大手取引所「コインチェック」は、26日未明に外部からの不正なアクセスによって580億円相当の仮想通貨が流出したことを明らかにしました。流出したのは顧客が預けていた資産で、会社は金融庁や警視庁に報告するとともに補償などを検討するとしています。

                                   

                                   因みに、ビットコインの売買は、「資産の購入」に該当します。そのため、1ビットコインを10万円で購入した人が、20倍の200万円で売れたとしても、GDPは増えません。厳密には取引所の手数料は所得になります。

                                   これは株式購入も同じです。例えば、トヨタ自動車の株を5000円で100株買った人が、8000円で100株売却して、30万円儲かったとしても、GDPは増えないのです。

                                   GDPは、物・サービスがお金を対価として交換されたときに初めてカウントされます。株式購入でいえば、証券会社の手数料が、証券仲介サービスとして所得になります。とはいえ、5000円の100株買い対しての手数料は、最も手数料が高い野村證券で6,500円。8000円の100株売りに対する手数料は、同じ野村證券で10,400円です。

                                   これが、ネット証券の楽天証券などを使いますと、買い・売り手数料は往復で1000円ちょっとです。

                                   

                                   2017年1月に10万円前後で売買されていたビットコインが、なぜ1年足らずの2017年12月に200万円まで急激に上昇したか?「もっと価格が上昇するはず!」と思い込んだ人々が、預金を取り崩したり、信用取引(借り入れたお金で取引をすること)を使って、「資産」の値上がり益を目的に買い込んだからです。

                                   先述した通り、仮想通貨の実需は、海外送金以外には、保有する実需はないでしょう。それ以外に買う目的があるとすれば、キャピタルゲイン狙い以外ありません。

                                   

                                   ビットコインを信用取引で買って大きく値下がりした人は、既に追証が発生している人もいるでしょう。その追証を払って損失確定できればまだいいです。信用取引ではなく借入で調達して買った場合は、信用取引と異なるため、追証などの強制決済とならず、売れないでそのまま保有し続けるという人もいるかもしれません。この場合、何が起きるか?家計をバランスシートになぞらえた場合、ビットコインという資産の現在価値が暴落しているにもかかわらず、反対側でビットコインを買うために借り入れた負債は減らないのです。

                                   

                                   借り入れたお金で、値上がり目的に資産を購入した後、何らかの原因でバブルが崩壊すると、購入した資産が値下がりする。この場合、借入した人々は「借金返済」をし始めるため、消費を減らします。

                                   

                                   このときの借金の返済は、GDPにカウントされません。また消費を減らすとなれば、GDP3面等価の原則により、消費=生産=所得なので、借金の返済という行為は、GDPの伸びを抑制する要因となるのです。

                                   

                                   「借金の返済」と「支出の削減」の組み合わせ、これはGDPのカウントに貢献しない、即ち経済成長に全く貢献しないのです。家計や企業が、借入を返済して経費削減をする中で、政府までもが緊縮財政をするということになりますと、GDPは増えるどころか、減るしかないのです。

                                   

                                   「あれ?杉っ子さんはGDPが減るというけど、GDPは500兆円で横ばいになっているのでは?減っていないのでは?」と思われる方がいると思います。そう、確かにGDPは500兆円で横ばいです。

                                   

                                   輸出関連企業が頑張っているから?というのも違います。日本は、韓国やドイツやスイスと異なり、米国と同様の国内需要国です。輸出でGDPが伸びるといっても、せいぜい1%〜2%程度です。もともと純輸出で見た場合で15%前後しかありません。圧倒的に多いのは国内の消費です。

                                   

                                   国内の消費には、政府消費最終支出というのがあり、いわゆる医療費・介護費の財政補てんなども含まれます。日本は少子高齢化社会で、高齢化の進行によって医療費・介護費が増大しており、その消費が日本の経済を支えているのです。

                                   

                                   ところが、この伸び率を抑制しようとしています。伸び率を抑制させるということは、支出を抑えるということですが、GDP3面等価の原則で、「支出(=消費)」=「生産」=「分配(=所得)」となり、GDPの伸びを抑制・削減するということになるのです。

                                   

                                   今回のビットコインの暴落で、バランスシートの毀損(資産が減少・滅失しても負債は減少しない)→借金返済の激増→消費の減少(=需要の縮小)というデフレに至るプロセスが理解できるのでは?と考えます。

                                   

                                   また、デフレやインフレという物価変動現象が、「貨幣現象」だといっているアナリスト・エコノミスト・経済学者がいかに無知か?日銀の岩田規久男総裁でさえ、デフレは貨幣現象といっていました。具体的には物価目標2%を日銀が強くコミットメントすることで、フィッシャー方程式「実質金利=名目金利ー期待インフレ率」で、実質金利が下がり、投資と消費が増えると、学者の立場で主張していたのです。

                                   

                                   

                                   というわけで、今日は巷で騒がれている仮想通貨について取り上げ、GDPとの関係やデフレ化のプロセスについてご説明いたしました。デフレとは総需要(個人消費+設備投資+政府支出+純輸出)の不足という経済現象であることを理解すれば、おのずといま日本に必要なのは政府支出増であることが理解できると思うのです。

                                   純輸出を増やすという考え方もありますが、この場合は外需依存となります。外需は他国が法律や規制で一気に需要がなくなることがあり得るため、好ましくありません。具体的には関税の引上げだったり、中国が中国共産党の一声で、台湾や韓国への旅行を規制するなど、海外需要に頼るということはそういうことです。

                                   自国の需要は自国で法整備や予算化すれば需要を作れます。とはいえ、バブル崩壊→デフレ化というプロセスを経た場合、個人が消費を増やす、企業が設備投資を増やすということは、難しい。それは1997年以降の橋本政権の緊縮財政以降の失われた20年が何よりも物語っています。

                                   家計分野はローンを繰り上げ返済しながら買い物も節約して貯蓄に励み、企業は銀行借入を返済して内部留保の蓄積に励む。こうした行為は、誰の所得にもならず、GDPが増えません。結果、GDPが増えない以上、税収も増えません。デフレ環境において、GDPを増やす、経済成長させる、税収を増やす、そのために日本に必要なのは政府支出増、これ以外に方法は存在しないのです。

                                   

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                                  実質消費が減る中での高級ブランド品の値上げについて

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                                    JUGEMテーマ:経済全般

                                     

                                     今日は、2017/12/13掲載の「高級ブランド 値上げの波 TASAKIやグラフなど株高・訪日顧客増で強気」という日経新聞の記事を取り上げ、実質消費が減る中での高級ブランド品の値上げが意味について論じます。

                                     

                                     下記が日経新聞の記事の概要です。

                                    『日本経済新聞 2017/12/13 高級ブランド 値上げの波 TASAKIやグラフなど株高・訪日顧客増で強気

                                    国内外の高級ブランド品が値上げに踏み切る。宝飾品では英グラフが12月に一部商品を約8%値上げする。TASAKIも2018年1月に値上げを実施する。円安や訪日客の増加、株高など資産価値の上昇が背景にある。自動車業界でも高級輸入車が値上げに動いており、高級品の値上げが一段と広がってきた。(後略)』

                                     

                                     TASAKIのホームページでオンラインショップのサイトを見ますと、近年の原材料価格の上昇、為替相場の変動により商品改定する旨が掲載されています。円安・ユーロ高で、英国のグラフも約8%値上げとのこと。

                                     プラチナやダイヤモンドなどの原材料輸入価格の上昇による値上げの場合、GDPでは輸入はマイナス項目ですので、日本人の所得が増えません。

                                     

                                     ”株高・訪日顧客増で強気”という書き方ですと、要は金持ち訪日顧客が円安なので来日して高級ブランド品を買っていくということです。TASAKIからしても、日本人の実質消費が増えなくても、訪日顧客というインバウンド需要があるから、原材料費の為替による価格上昇を、販売価格に転嫁してもイイだろうという判断なのでは?と考えます。

                                     

                                     この場合、仕入価格上昇分が価格に反映されただけでは、TASAKIの従業員の給料は、ほどんど増えません。海外からの輸入価格の増加は、GDP上は日本の付加価値ではなく、海外の付加価値としてカウントされるからです。

                                     

                                    GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出(※)

                                    ※純輸出=輸出−輸入

                                     

                                     この記事で取り上げたTASAKIや英グランの他、イブサンローランやバーバリーも2017年の秋に値上げをしています。もし、これが日本国民の所得が増えていて、日本国民の購買力が高まって需要が増えているため、高級品の値上げをするという、原材料価格の仕入れ高上昇でないマージン引き上げならば、TASAKIや海外のブランド品取扱業者らにも恩恵があります。

                                     

                                     ところが、現実はそうではなく、実質消費が増えていない中、為替の影響などを受けての高級品の値上げです。

                                     

                                    <家計調査 2017年11月速報>

                                    (出典:総務省統計局)

                                     

                                     月次では11月はプラスに転じていますが、年次でみますと、2014年から3年連続で2人以上の世帯の消費支出はマイナスです。上記家計調査は2017年8月から4か月しか記載されていませんが、2013年9月と2017年9月で、実質消費を比べますと▲11%です。

                                     

                                     この状況であるにもかかわらず、円安と訪日外国人の影響で値上げをするというのは、正直歪んでいます。株高で日本人が儲かって資産効果の影響で高級品需要が増えているというならまだマシですが、実際は株式市場の売買主体の60%を占める外国人が株高で儲かっているのであり、対象は日本人ではありません。

                                     

                                     このままですと実質賃金の低迷で実質消費が減少し続け、貧困化する一方、反対側で国内の高級品を外国人が買っていく。日本人たちが買えるから値上げをするのではなく、外国人が株高で儲かっているはず、円安だから買い物しやすいはず、ってことで値上げをしているのが実態です。

                                     

                                     これ、皆さん!なんていうか知っていますか?「発展途上国」です。かつての日本がGDPが成長し続け、海外旅行に行く人が増え、しかも円高で海外で高級ブランドを買いまくっていたわけです。

                                     

                                     

                                     というわけで、今日は実質消費が減少する中での高級ブランド品値上げの動きについて意見させていただきました。日本は着実に発展途上国化しています。プライマリーバランス黒字化という毒矢が突き刺さり、GDP拡大のための政府支出増ができない以上、インフラがボロボロになり、文化は廃れ、災害があっても直接損害から国民を守ることができず、インフラ復旧がままならないことから間接被害からも国民を守ることができない。まさに、これこそ発展途上国です。

                                     発展途上国化していく日本を、まだ見ぬ子供や孫の世帯に引き継ぐことこそ、大きなツケを残すことにならないでしょうか?一刻も私たちが経済や財政に正しい知見を持ち、世論を形成して正しい政策が打てるようにする必要があるものと私は考えます。


                                    労働需給の引き締まりに比べて、なぜ賃金の改善が緩やかなのか?

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                                       今日は、「労働需給の引き締まりに比べて、なぜ賃金の改善が緩やかなのか?」と題し、雇用と賃金について意見したいと思います。

                                       

                                       日銀の岩田副総裁は、日銀が物価目標2%を達成すると市場に強くコミットメントすれば、フィッシャー方程式「実質金利=名目金利−期待インフレ率」で実質金利が下がり、投資や消費が増えて物価が上昇すると、学者の立場で主張されていました。

                                       

                                       ところが340兆円もの日銀当座預金を積み上げ、マネタリーベースを増やしましたが、マネーストックは一向に伸びない。当たり前ですが、需要不足というデフレ環境の下では、どれだけ金利が下がろうとも、消費や投資を増やす人は少ないのです。

                                       

                                       日銀の黒田総裁は、物価が上がらない理由について、「労働需給の引き締まりに比べて、賃金の改善が緩やかであること、特にパート雇用者に対して、正規雇用者の賃金上昇が鈍い点が目立つ。」と指摘されました。

                                       

                                       労働需給の引き締まりというのは人手不足です。日本は少子高齢化で、生産年齢人口が減少しているため、人手不足になって当たり前です。人手不足に対して、企業は何をやっているのか?

                                       高い給料を払ってフルタイムの正規社員を雇用しているのか?というとそうではなく、賃金が増えたのは、アルバイトとパートタイマーです。これが過去4〜5年間のトレンドです。

                                       正社員については可能な限り賃金を抑制して、パートタイムは人材不足だから賃金を高くても雇用しようとするため、時給は上がっているのです。

                                       正規雇用者とパート雇用者で、このような違いが生じるのはなぜか?理由は簡単で、パートタイマーやアルバイトは簡単に解雇ができるからです。正規社員は解雇することは容易ではありません。

                                       つまり長期で雇用する正規社員についての雇用や賃金UPは、一度引き上げた賃金を下げることがなかなかできないため、及び腰なのです。

                                       

                                       黒田総裁は、賃金には上方硬直性があるという面白い指摘をしています。かつては賃金は下方硬直性があると言われていました。即ち、一回正規社員の賃金をUPしたら、下げられないというのが下方硬直性です。今は逆で、デフレが余りにも続きすぎ、長期的な将来の需要(実質需用・名目需要)に自信がないため、上方硬直性があるという説明で、黒田総裁の上方硬直性があるという指摘は、まさにその通りです。

                                       

                                       正規社員は賃金UPできないが、パートタイマー、アルバイトは引き上げます!と。今は人が必要だから。でも不要になったら解雇しますよ!とういわけです。つまりパートタイマー、アルバイトは必要な人数を確保するため、時給を引き上げているのです。逆に正規社員の賃金UPには大変怯えています。

                                       

                                       この件について、ポイントは2つあります。

                                       

                                       一つ目は資本の問題です。グローバル株主資本主義が横行し、グローバル株主の声の影響を受け、大企業は人件費にお金を使えないのです。逆に短期利益が重視され、むしろ人件費を削減した経営者が評価されるようになっています。

                                       

                                       二つ目は需要に対する自信の問題です。

                                      ●2019年10月に消費増税8%→10%への引上げ

                                      ●働き方改革といって残業規制をして残業代が出せなくなること

                                      ●東京オリンピックのインフラ整備が2019年に終わる

                                      ●社会保険の引上げの実施

                                      このように、このまま上記の政策を実行すると、20兆円〜30兆円、最低20兆円程度のダメージが2019年に襲い掛かります。補正予算は毎年減額されて、2017年度は2兆7000億程度ですが、その10倍以上の30兆円程度の補正予算が組まれなければ、2019年度からすさまじいデフレに突入するでしょう。

                                       

                                       その状況で正社員の給料を上げられるか?と言われると、経営者としては上げられません。だから安倍政権は、経営者に賃金を上げるよう働きかけを行っています。とはいえ、安倍政権がやるべきことは、財政拡大を通じて企業が自信をもって賃金UPして人材を確保できる環境を作ることが本来の仕事です。

                                       

                                       そこに立ちはだかるのが、プライマリーバランス黒字化目標。このプライマリーバランス黒字化を何とか破棄させなければなりません。本来だったら、今この瞬間に閣議決定すれば、国会の決議も国民投票も不要なのですが、できない。

                                       やるとすれば、今年2018年6月の骨太方針のタイミングで、こっそり抜くか骨抜きにするより、方法がありません。

                                       

                                       仮に2018年6月の骨太方針のタイミングでそれができたとして、予算に影響を与えるのは来年度2019年度予算からです。2018年度は補正予算で逃げるしかありません。具体的には補正予算を増額することです。

                                       

                                       第二次安倍政権発足時の2013年度は補正予算が10兆円を超えていました。2017年は先述しましたが2兆7000億円と、補正予算はプライマリーバランス目標のために緊縮財政をして、年々小さくなってきているのです。

                                       もし、2013年度の10兆円を超えるペースで補正予算を組み続けていれば、日本はとっくにデフレ脱却できていたかもしれません。実際は、消費増税をやって緊縮財政(補正予算減額をはじめとする政府支出削減)をやって、またまたデフレに戻ってしまったのです。

                                       

                                       ある意味で、黒田日銀総裁には同情します。

                                       なぜならば、政府が緊縮財政をやって消費や投資を減らしている状況で、デフレ脱却しろと言われても、これは無理です。神様が日銀総裁をやっても、私杉っ子が日銀総裁をやってもデフレ脱却はできないでしょう。

                                       

                                       市中の銀行から国債を買い取って通貨発行を継続していますが、銀行の国債が尽きる日が近づいてきています。

                                       

                                      <国債所有シェア 2017年9月末速報>

                                       

                                      <国債所有シェア 2016年9月末速報>

                                      (出典:日銀ホームページ 資金統計循環)

                                       

                                       上記円グラフで注目していただきたいのは下記です。

                                       

                                      ●日銀(中央銀行)の国債所有シェア

                                      37.9%(2016年9月末)→40.9%(2017年9月末)

                                       

                                      ●銀行(預金取扱機関)の国債所有シェア

                                      20.0%(2016年9月末)→16.8%(2017年9月末)

                                       

                                       銀行の国債が尽きる日が近づいているのです。預金取扱機関の所有シェア減少が物語っています。もし、銀行の国債が尽きてしまったら何が起きるか?量的緩和強制終了です。この場合、一気に急激な円高となって、株式市場で日本株が大きく売られ、日本発の金融危機勃発となるでしょう。(関連ブログ記事:「国債増刷」「政府支出増」が必要な理由 )

                                       

                                       これを回避するためにはどうすればよいか?政府が国債をたくさん発行して財政拡大をすればいいのです。しかも財政拡大を長期的に政府が示すこと、これが重要です。将来の生産性向上のためのインフラ拡充投資・科学技術投資、防衛安全保障への投資、災害防災安全保障の投資、食料安全保障のための支出増などなど、長期プロジェクトで支出すべき需要項目は、たくさん存在します。こうした分野は、短期的に成果が出にくい。だからこそ、政府が財政拡大出動して、民間投資を誘発しやすい環境を作るのです。

                                       

                                       

                                       というわけで、「労働需給の引き締まりに比べて、なぜ賃金の改善が緩やかなのか?」と題し、長期需要を政府が作り出さない限り、非正規雇用者の雇用者数増と賃金UPに留まり、消費が増えることはない旨を論説しました。

                                       政府が需要を作る、しかも短期的に成果が出にくいが国力増強・安全保障を強化するために重要と思われる分野こそ、政府が率先して投資しなければなりません。今はデフレです。インフレならば政府支出削減は有効な政策。ところがしつこいですが、今はデフレです。

                                       政府支出増をすべきところでっても、プライマリーバランス黒字化目標が立ちはだかる、これが今の日本。だからこそ、2018年骨太方針で、プライマリーバランス黒字化目標を破棄できるか?は極めて重要なイベントです。安倍総理の忖度は不要で、プライマリーバランス黒字化→政府支出増の結果が出るまで、正当な批判を続けることが重要であると私は思うのであります。


                                      運送業界各社が宅配のみならず企業間物流でも値上げ実施!

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                                        JUGEMテーマ:運送業界について

                                         

                                         今日は運送業界の値上げについて触れます。

                                         

                                         下記は日本経済新聞の記事です。

                                        『日本経済新聞 2017/12/27 2:00 企業間物流も値上げ 福山通運10% 西濃運輸2%

                                        トラック運転手不足を受けた値上げが企業間物流にも広がっている。福山通運は2018年に法人向け運賃の16年度比1割引き上げを目指す。西濃運輸は17年度下期に前年同期比約2%の値上げを見込む。値上げ分で運転手の待遇を改善し、人材確保につなげる。荷主企業は物流費の高騰を最終製品の価格に転嫁しており、一般消費者にも影響が出そうだ。(後略)』

                                         

                                         

                                         以前、宅配大手のヤマト運輸が、アマゾンの配送業務から手を引くというニュースがありました。ドライバーの人手不足という供給不足にもかかわらず、ネット通販による物流需要の増加という背景があり、再配達問題も絡んで、供給側のヤマト運輸がサービスを提供できないと手を引こうとしたのです。

                                         その後もヤマト運輸は、残業削減のために取扱荷物を減らすことを目的に値上げをしましたが、取扱荷物は減りませんでした。

                                         

                                         こうした動きに追随するかのように、企業間物流でも値上げの動きが出てきました。

                                         記事では、福山通運が運賃を10%引上げ、西濃運輸は2%の値上げを見込むとしています。値上げ分で待遇を改善して人材確保につなげるとのこと。

                                         

                                         運送業界は、人手不足を外国人ドライバーで補うということができない業界である一方で、「需要>供給」の超インフレギャップが発生している状況なので、方向性としては値上げは正しいです。ただし、値上げして人材確保すると同時に、生産性向上への投資をしない場合、再来年ぐらいから全く人材確保ができなくなる可能性があります。

                                         

                                         西濃運輸のような大手運送業者は、人材確保できるかもしれません。とはいえ中小の運送業者は、人材確保ができなくなるでしょう。となれば解決策は生産性向上のみです。

                                         

                                         今年の1月からは隊列走行の実験が始まります。隊列走行とは、AIなどを活用して、1台のトラックを運転するドライバーが、2台、3台、4台と電子的に連結して輸送するという走行方法です。仮に4台を連ねて運送サービスが出来るようになった場合、人手不足を解消するだけでなく、GDP3面等価の原則で「運送サービスという生産」=「運送サービスを使う企業の支出」=「運送会社の収入」となります。極端な話で労働分配率が100%だとすれば、人件費は4倍にすることができます。即ちトラックドライバーの賃金UPにつながるのです。

                                         

                                        <トラックの隊列走行>

                                        (出典:国土交通省ホームページ)

                                         

                                         それ以外に、自動運転の技術、自動運転サポートシステムもまた運転技術の進歩で、交通事故を減らす切り札になるでしょう。長距離運転ドライバーの大変さといえば、体力の問題です。自動運転サポートシステムがあれば、体力の消耗を抑えることに繋がり、女性ドライバーが活躍しやすくなるでしょう。男性ドライバーにとっても楽なはずです。

                                         

                                         もともと運送会社は交通事故で大事故を1回起こしたら会社が大変なことになってしまいます。国土交通省がやってきて、罰則や規制をかけるのです。そのペナルティを考えれば、安全性への投資は絶対に必要であり、その投資額を確保するためにも、値上げで運賃をUPさせるというのは正しいのです。

                                         

                                         

                                         というわけで、今日は運送会社の値上げが企業間物流でも広がってきたことをお伝えしました。

                                         

                                        〜運送業界の関連記事〜

                                        運送業界における生産性向上と宅配BOX

                                        運送業界の生産性向上について(運転手不足で物流効率化)


                                        デフレを放置すると文化が廃れます!(成人式の着物について)

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                                          JUGEMテーマ:経済全般

                                          JUGEMテーマ:経済成長

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                                           一昨日の1/8は成人式でした。私の成人式の思い出といいますと、スーツを着て街中を歩くのですが、老けていたせいもあるのか、大学生であったにもかかわらず、銀行マンとか証券マンとか言われていました。女性の場合は着物を着るわけですが、今日はこの着物に関する話題に触れながら、デフレと文化について意見したいと思います。

                                           

                                           成人式で二十歳の女性が着付ける振袖、これは既に大半が「インクジェットプリンタ」によって模様が印刷されたものであることを皆さんはご存知でしょうか?

                                           

                                           通常、着物というと、高いものというイメージがあるかと思います。なぜ高いか?それは伝統的な手作業による工程で、手描きで模様を描くからです。

                                           逆にインクジェットは、手間を省き、ある意味で生産性を上げているという見方もできますが、日本文化独特の加賀友禅などの手作業・手描きの模様とは、全く異なるものです。

                                           

                                           今年の成人式では神奈川県横浜市のレンタル業者「はれのひ」がトンズラするという多くの新成人を傷つける悲しいニュースもありました。こうしたレンタル業者から貸し出される振袖は、ほとんどがインクジェットプリンタによる模様が印刷されたものです。

                                           そして、レンタル業者に納品される振袖が、手描きではなくインクジェットプリンタである理由は、もちろん「安いから」です。

                                           

                                           もはや消費者側が、一生に一度しか着ない振袖に、高いお金をかけることができなくなりつつあるのです。レンタル業者側は、需要に応える形でインクジェットの安い着物を貸し出します。

                                           美しい着物や帯は、間違いなく日本の「伝統文化」の一つです。実質賃金が下がり続けると品質はひたすら劣化していく。やがては、すべての日本国民から「良い着物」を見極める目が失われ、文化としては死に絶えることになるのです。

                                           

                                           一度失われた「着物・振袖」という文化を取り戻すことは簡単ではありません。そして文化というものは利益で測りにくい分野です。特に伝統芸能は、「わかる人」にしかわからない傾向が強く、日本はとにかく歴史だけは世界最長であるため、伝統芸能の種類は多岐にわたるのです。

                                           

                                           歌舞伎、能楽、狂言、神楽、田楽、文楽、猿楽、浄瑠璃、長唄、民謡などなど、日本には多種多様な伝統芸能が受け継がれています。これほどまでに過去からの「文化遺産」が残されているのは、間違いなく日本だけです。

                                           

                                           日本は水田技術の発展で、農業生産性が高い。結果、余剰作物があったからこそ、飢えに怯えることがなく、素人にわかりにくい伝統芸能に「カネ」を払う人々がいたという点も重要です。周りが海に囲まれる島国のため、多民族からの侵略もほとんどない。農業の生産性が高ければ、それだけ余裕ができ、文化芸能を醸成しやすくなります。考えてみれば、伝統文化が発展するのに、これほどまで理想的な土地は、世界中のどこにもないかもしれません。

                                           

                                           もちろん、伝統芸能は経済性(儲かるという意味の経済性)がなかったとしても、国家として維持発展させるべき文化であると考えます。同じ文化を共有することで、国民に健全なナショナリズムを醸成し、国民国家としては強化されると思うからです。

                                           

                                           とはいえ、政府がそれらを支援すると同時に、伝統芸能を楽しみ、お金を払ってくれる国民が多く存在しなければ、文化は立ち消えざるを得ないでしょう。公共事業などと比べて大幅に削減されていない分、まだマシなのですが、日本の文化関係の予算は、21世紀以降、1000億円で微増の横ばいです。(下方参照)

                                           

                                          (出典:文化庁ホームページの「我が国の文化政策」平成29年度より抜粋)

                                           

                                           日本政府・財務省は、自国の文化の維持、発展のために予算を増やそうなんて、これっぽっちも考えていません。プライマリーバランス黒字化目標があるから、利益の出にくい文化なんて、積極的に支出を増やそうなんて発想はないのです。

                                           

                                           また昨年2017年4月17日には、自民党の国会議員元地方創生相の山本幸三議員は、観光を活かした地方創生に関する質疑の中で、「一番のガンは文化芸能員と呼ばれる人たちだ!観光マインドが全くない!一掃しなければダメだ!」と述べました。(参照ブログ:「学芸員と地方創生(ビジネスにしていい分野といけない分野) 」)

                                           

                                           日本の文化・学問・技術の貴重さ、これを理解せずに「利益にならないから不要」として切り捨てる発想の国会議員こそ、日本の真のガンです。

                                           こうした政治家の存在に加え、国民の実質賃金が落ち続けており、所得が減る国民が真っ先にカットするのは、当たり前ですけど「短期的な利益」になりにくい伝統文化です。

                                           このような状況が半永久的に続けば、最終的には日本の誇り高き伝統芸能は維持できなくなるでしょう。伝統芸能に従事する人々は、霞を食べて生きているわけではありません。余裕がある国民が払ってくれる「お金」で生きているのです。

                                           

                                           デフレの影響は現代コンテンツにも及んでいます。例えばマンガとかアニメとかゲームとか、世界中にファンが多い現代日本の大衆文化も、日本国民に余裕がなくなってコンテンツが買えなくなると、衰退していくしかないでしょう。

                                           

                                           

                                           というわけで、デフレを放置すると文化が廃れるということで、着物をはじめ、様々な文化が衰退するということを述べさせていただきました。無論、日本のこうした文化が、明日から突然なくなるというのではありません。デフレを放置することで、真綿で首を絞められるように、品質から低下していき、やがて廃れて消滅していくのです。

                                           私たち先祖がこの世に残してくれた数多くの文化について、将来世代に引き継ぐ義務があると思います。カネカネカネとやって、お金を貯め込んでも、供給力が弱体化すれば貨幣価値は下がり、国力は低下します。即ちお金をどれだけため込んでも、国力強化にはなりません。企業経営や家計とは違うのです。デフレ環境下では、企業経営と家計が無駄削減するのはやむを得ません。通貨発行権を持つ政府は無駄削減する必要はなく、むしろ積極的に財政出動することで供給力を保持させることができ、国力強化と日本文化の保持・発展させることができるものと、私は思うのです。


                                          ジンバブエのハイパーインフレについて

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                                            JUGEMテーマ:経済全般

                                             

                                             アフリカ南部のジンバブエという国のムガベ大統領が11/21に辞任しました。今日は「ジンバブエのハイパーインフレについて」と称し、ジンバブエについて意見したいと思います。

                                             

                                             下記は毎日新聞の記事です。

                                            『2017/11/22 毎日新聞 ジンバブエ ムガベ大統領辞任

                                            【ハラレ小泉大士】アフリカ南部ジンバブエのムガベ大統領(93)は21日、辞任した。ムガベ氏は1980年の独立以来、37年間にわたって実権を握り続けてきた世界最高齢の首脳。「独立の英雄」として評価される一方、政権維持のために野党を激しく弾圧し、欧米諸国から独裁的と批判されてきた。ムナンガグワ前第1副大統領を中心とした暫定政権が発足する見通し。 (後略)』

                                             

                                            <南アフリカのジンバブエの位置>

                                            (出典:ヤフー地図)

                                             

                                             記事に記載の通り、ムガベ大統領は37年間にわたり大統領として実権を握り続けてきました。93歳です。ジンバブエといえば、2008年にハイパーインフレが起きました。私は国債を増刷して政府支出すべきという立場で意見していますが、国債増刷で通貨発行などといえば、ハイパーインフレになると意見される方がいます。

                                             

                                             ジンバブエは現在の国内経済も破綻している状態が続いています。兵隊や公務員にも給料が払えない末期的症状になっているのですが、この原因はムガベ大統領が身内びいきを鮮明にしたことが国軍のクーデターにつながったとしています。

                                             

                                             ジンバブエという国は、典型的な革命をやってしまった国家といえます。なぜならば、もともとジンバブエは農業大国でした。食料は過剰に生産できていた国だったのです。理由は白人の農場主が資本・ノウハウを持っていて、その白人たちが農業生産をしていたからです。

                                             

                                             ムガベ大統領は、その白人農場主たちを追い出しました。その結果、一気に農業の生産力(供給力)がなくなってしまい、経済のパイが小さくなってしまったのです。経済のパイに見合わない通貨発行は、ハイパーインフレの原因になります。そしてハイパーインフレになって、経済が崩壊した後、今はデフレになっているのです。

                                             

                                             経済というものを考えた場合、何が一番大切なのか?ジンバブエの事例を見ればよく理解できます。一番大切なのはお金ではなく、生産能力という供給力です。それをわざわざ白人を追い出すことで潰したという点で、歴史上最高に愚かな大統領ともいえるのです。

                                             

                                             白人から黒人へという黒人を優遇する考え方も理解できなくはありません。何しろ植民地政策では、欧米列強国は現地人を奴隷のようにこき使ってきたわけですから、革命で感情的に白人を追い出したくなる気持ちも理解できなくはないです。とはいえ、現実の経済は、農業生産について資本もノウハウもないど素人の黒人が経営を握っても何もできません。白人は追放され、まさに革命だったわけですが、結果的にわざわざ供給力を毀損し、国力を低下させたのです。

                                             

                                             そういう状態で、通貨発行すれば、物価上昇が急激になることは目に見えます。何しろ、需要>供給 で、しかも需要−供給=需要増の幅が極めて大きいという超インフレギャップ状態です。この状態で供給力を増強することをせずに通貨発行すれば、たちまち高インフレになるに決まっています。お金をたくさん払ってでも食料を買い付けに走る。飢えて死ぬのであればお金をいくらでも出しますということになるわけです。

                                             

                                             

                                             というわけで、今日はジンバブエについて意見しました。因みにですが、ハイパーインフレとは13000%のインフレを指します。13000%というインフレは、1.5×1.5×・・・・×1.5で、1.5を12乗すると、13000になります。これは1.5の12乗とは、毎月50%の物価上昇が12か月連続で続くものと思ってください。そうすると、今100円の缶コーヒーが、1年後13000円になるということになります。

                                             通常、工業先進国では、物・サービスの供給力が極めて高いため、ハイパーインフレになることはまずありません。第二次大戦後、戦争に負けた日本で高インフレが発生したと言われていますが、率にして300%程度。なぜならば東京大空襲など、本土爆撃を受けて焼け野原になった場所があちこちで発生したためです。供給力が毀損されていますので、物価上昇があったことは間違いないです。

                                             とはいえ、日本は先進国でゼロ戦が作れるなど、国力が高かったため、すぐに供給力を復活させることができました。その後も経済成長を続け、供給力を増強させて、先進国を維持することができたのです。

                                             国力とは、お金ではありません。財政黒字化とかプライマリーバランス黒字化とか、全く意味がありません。供給力こそ国力に直結するということを考えた時、ムガベ大統領の白人追放の愚かさ、国家とはお金ではないということを、私たちは学ぶことができるのです。

                                             

                                             

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                                               以前、本ブログにおいて、「経済成長は永遠です!(経済成長否定論を論破する!)」と称し、人口減少する日本が経済成長しないという論説の誤りを指摘いたしました。

                                               

                                               今日は、日本が経済成長していないこと、即ちGDPが伸び悩んで経済成長できていことと、人口増減の相関関係について改めてご説明いたします。

                                               下記は、2000年〜2015年の主要国のうち、人口減少国の人口減少率と平均経済成長率のグラフです。

                                              (出典:IMF)

                                               

                                               左側から順に、人口減少率の高い国を右側へ並べています。

                                               青い棒グラフに注目していただきたいのですが、ジョージア(旧グルジア共和国)、ラトビア、リトアニア、ウクライナ、ブルガリア、ルーマニアといった2000年比で10%超の減少している国々と比べれば、日本の0.2%という数値は、はっきり言って誤差レベルです。

                                               

                                               赤いグラフでみれば、ジョージア、ラトビアでいえば、2000年比の平均経済成長率は、それぞれ5.7%、4.3%です。なぜ人口減少国が経済成長できているのに、日本は経済成長できないのでしょうか?

                                               

                                               インフレ期にはインフレ期の政策、デフレ期にはデフレ期の政策という、正しい政策が行われていれば、人口減少国も普通に経済成長できます。

                                               

                                               例えば、今政府が、将来の生産性向上を目的に、交通インフラに投資したとしても、効果が出るまでには10年、20年の歳月が必要です。そういう意味で、デフレ期の投資は、政府の公共投資拡大が最も効果的な政策といえます。しかも、生産性向上効果がすぐに出ないということは、失業者を増やす危険性もないわけです。

                                               

                                               また政府による技術投資も効果的です。新素材や資源や農業や軍事といった国家の安全保障と密接に関係がある分野の技術に、政府が投資を拡大すれば、将来の生産性向上と安全保障強化が担保され、かつ現在の需要不足を埋めます。しかも、これまた生産性向上効果は短期では起きないため、失業者の上昇もありません。

                                               

                                               政府支出による交通インフラや技術投資は、デフレ期における最適解といえます。こうした最適解といえる政府支出による交通インフラや技術投資は、人口の増減とはまったく関係がありません。交通インフラを整備できる国力(建造できる技術力・供給力)、技術開発できる国力(基礎科学などの知見と技術力・研究力)で、実際にインフラを建造できたり、技術開発が実現したりします。

                                               もちろん政府支出増加=生産の増加=分配の増加で、GDP3面等価の原則で考えれば理解しやすいと思いますが、経済成長(GDP成長)するのです。

                                               政府支出増による交通インフラ投資や、技術開発投資は、デフレ対策なのです。

                                               

                                               こうして考えてきますと、経済成長しない理由が、人口減少とすることは、他国の事例、マクロ経済的に不可能といえます。これでも反論する人々がいるとすれば、「ジョージアやラトビアは発展途上国だから人口減少しても経済成長できるが、日本は成熟国だから経済成長しないのです。」という反論をされるかもしれません。

                                               

                                               このような反論はアホらしい限りです。なぜならば日本が経済成長していないのは、投資を拡大していないからです。政府部門は存在しない財政問題を理由に緊縮財政をして投資を削減し、民間部門はデフレで儲かりにくい環境(物・サービスを生産しても値段を下げないと売れない、個数・回数が少なく買われるデフレ環境)であるために投資を先送り・中止・削減しているのが実態です。

                                               

                                               資本主義経済において、投資を減らして経済成長することなどあり得ません。日本が低成長に苦しんでいる間、欧米諸国の先進国は普通に経済成長を続けてきました。20年もデフレに苦しんでいるのは日本だけなのです。

                                               

                                               日本は欧米諸国よりも「成熟」しているから経済成長できないのでしょうか?「成熟」という抽象的な表現を使う人は、基本的に経済成長とは何なのか?言葉の定義の方法やGDP3面等価の原則の理論を、何一つ理解していないと断言します。何も理解していないからこそ、「成熟」といった抽象表現に逃げ、他国との定量数値の比較も一切していません。

                                               

                                               それっぽいことを言って現実を説明しようとすると、説明自体が抽象的になり、誤解を与えます。日本が経済成長していない理由は、成熟しているか否か?ではなく、単に投資が不足している、ただそれだけのことです。

                                               

                                               日本で民間企業が投資を縮小しているのは、デフレで儲からないからです。サービス業の24時間営業見直しも、24時間営業のために経営資源を投資しても、儲からないから維持投資を縮小するということ。需要減少にあわせて供給を削減するという動きそのものです。

                                               

                                               さらに「日本は成熟しているから経済成長しない」などという人々が多いと、「政府の公共投資は無駄だ!」「もっと無駄を削減しろ!」「構造改革しろ!」「民営化しろ!」といった論説が蔓延り、政府が実際に投資を削減すれば、絶対に経済成長率は低迷します。当たり前です。

                                               

                                               

                                               というわけで、今日は「日本が成熟しているから経済成長しない」という論説に反論するとともに、経済成長するか否か?は、人口増減と関係がないことをお伝えいたしました。デフレ脱却のために投資が必要なのですが、儲かりにくい環境では民間企業は投資実行に踏み切れません。そのため、通貨発行券を持ち、破綻することがない日本政府が、率先して投資していただく。そのことで民間企業の投資を誘発して、デフレ脱却を果たせるのです。


                                              ビジネスの成否は、法人税率でも銀行貸出金利でもなく、まず需要ありき!です。

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                                                JUGEMテーマ:経済全般

                                                JUGEMテーマ:ビジネス

                                                 

                                                 東北新幹線でWi−Fiのサービスが使えるようになります。今日は、「ビジネスの成否は、法人税率でも銀行貸出金利でもなく、まず需要ありき!です。」と称し、投資するか否か?は、まず需要が必須である旨をお伝えしたく、論説いたします。

                                                 

                                                 下記は日本経済新聞の記事です。

                                                『日本経済新聞 2017/11/07 18:15 JR東、来夏から東北新幹線でWi−Fi

                                                 JR東日本は7日、東北新幹線を走る「E5系」などの車両で、2018年の夏から順次、乗客がWi-Fi(無線LAN)のサービスを利用できるようにする発表した。訪日外国人客から利用需要が高まっていた。新幹線でWi―Fiサービスが利用できるようになるのは同社初。

                                                 上越新幹線と北陸新幹線を走る「E7系」、秋田新幹線の「E6系」でも使えるようにする。対象車両は全体の約8割にあたる958両。(後略)』

                                                 

                                                 

                                                 この記事は、JR東日本管内の東北新幹線の記事です。日本を訪問する外国人観光客の利用需要が高まっていることが背景で、観光庁の調査で、訪日外国人から無線LANが使えない場所が多くて不便を感じているという回答が多かったとの結果を受けたことが主な理由です。

                                                 日本人でもメールアドレスを登録すると使えます。しかし、なぜ外国人からの需要には応じ、日本人の需要には応じないのでしょうか?

                                                 

                                                 JR東海はWi−Fiサービスを有料でやっています。一方で東北新幹線の場合はトンネルが多く、LTEだと繋がらないエリアがあります。そのため、東北新幹線でWi−Fiサービスは日本人乗客からも需要があったはずです。

                                                 にもかかわらず、外国人の需要が高まってきたから需要を決めたという点が大変重要で、投資の成果の可否は、まず需要ありきというところがポイントです。

                                                 

                                                 例えば、レストランでお客様が満席になるとなれば、さらにお客様が増える見込みがあるとなり、だから建物を改築する、生産性向上のための投資をするということになります。

                                                 

                                                 ビジネスの成否は「まず需要ありき!」なのですが、本ブログ読者の方には「まず規制緩和ありき!」と考える人はいませんでしょうか?特に構造改革が好きな人は、「まず規制緩和ありき!」と考えると思うのです。

                                                 

                                                 ところが実際は違います。ビジネスの成否は「まず需要ありき!」です。

                                                 

                                                 私はイデオロギー的に規制緩和には反対しません。例えば、ドローンや自動運転などの先進的技術の場合は、安全管理上の規制が厳しく、それが制約となってしまうと企業が投資できないことがあります。そういう場合の規制緩和には反対しません。

                                                 

                                                 日本の経営者は大企業であれ、中小企業であれ、需要があるから投資に踏み出すというケースは多いです。ただ、最近のトレンドとして、目の前に需要があったとしても、その需要がずっと続くのか?ということを考えます。よく考えれば、20年もデフレが続き、物・サービスを値下げしないと買われず、新製品も発売当初は販売価格を維持できても、その後は値下げしなければならない、数量も少なく買われる(サービス業の場合はサービスを買う回数が減る)という状況が続いており、経営者の気持ちも理解できなくはないです。

                                                 そうなると需要があっても投資できないということになってしまい、結果、物・サービスの供給ができず、便利なサービスの利用もできなくなってしまうのです。

                                                 

                                                 安倍政権は「生産性革命」と称し、本来は生産性向上のための投資を呼び起こそうとしています。真に「生産性革命」を起こしたいのであれば、安定的に需要が続く環境を作るのが政府の仕事です。

                                                 

                                                 いま目の前に需要があっても、その先に需要が縮むのでは?という思いが、投資への足枷になっています。20年もデフレが続けば当たり前です。

                                                 

                                                 東京オリンピックという巨大な需要イベントがあっても、その先無くなってしまうのでは?というのが投資の足枷になってしまっては、経済成長できません。

                                                 

                                                 少し前に、都心でも中国人の爆買いを狙って、売り場面積を広げる投資をしましたが、みんな痛い目を見て懲りています。私はマスコミが騒ぐほど、爆買いを当てにしてはいけないと思っていたので、絶対に投資してはダメとわかっていました。

                                                 

                                                 中国人の需要拡大について勝手に妄信し、日本人の需要に自信がないというのが今の日本の状況です。国内の需要、即ち日本国民の需要を拡大させる方が絶対に長期的に儲かります。何しろ中国の爆買いなんて、中国共産党の意向次第で、意地悪に中国人韓国客の来日を止めることができます。実際に韓国や台湾は、それをやられているのです。

                                                 

                                                 だから、長期的な巨大な需要プロジェクトを、東京オリンピック以外にも政府が打ち出すことをすればよいわけですが、政府はそれをやっていません。プライマリーバランス黒字化目標という壁があるから、財政支出増ができずにいるのです。

                                                 

                                                 そして人手不足という環境が来るにもかかわらず、「生産性革命です!」と民間企業主導でやらせようとするわけですが、「経営者に投資してください!」というのであれば、まず政府に投資してください!という話です。

                                                 

                                                 それには、プライマリーバランス黒字化目標の破棄しなければなりません。とはいえプライマリーバランス黒字化の破棄は、閣議決定するだけでできます。

                                                 

                                                 そのとき、国民がそれを望む声を上げないと、政治家は動けません。「なんで政府はそんな無駄遣いするのか?」「もっと規制緩和をやって無駄を削減しなさい!」という声ばかりですと、政治家は動けないのです。

                                                 

                                                 

                                                 というわけで、ビジネスの成否は、まず需要ありきであることがご理解いただけたでしょうか?法人税率をどれだけ下げても、金利がゼロに限りなくへばり付く環境を用意したとしても、需要がない限り、企業は投資せず、内部留保を積み上げるのです。

                                                 東京オリンピックという巨大需要がなくても、日本は災害大国ですし、朝鮮半島問題もありますし、食料自給率も低くなっていますし、お金を使う場所はいくらでもあります。災害対策、朝鮮半島問題、食料問題、いずれも儲かる分野ではないので政府が積極的に、今この瞬間からでも着手すべき問題です。

                                                 政府支出増したくても、プライマリーバランス黒字化、その背景に、存在しえない財政問題を振りかざされると、これまた政府支出増ができなくなります。

                                                 早く政府支出増に転じていただくよう、私たち国民がデフレインフレという経済現象や経済指標や財政問題の正しい知識など、知見を高めていく必要があると思うのです。


                                                外食・小売り産業の24時間営業見直し=日本の発展途上国化です!(ファミマよりローソンの経営戦略を応援します!)

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                                                  JUGEMテーマ:経済成長

                                                  JUGEMテーマ:経済全般

                                                   

                                                   今日は、「外食・小売り産業の24時間営業見直し=日本の発展途上国化です!」と称し、外食産業のロイヤルホストや牛丼チェーン店のすき家に続き、コンビニ大手のファミリマートが24時間営業の見直しに着手していることについて取り上げたいと思います。

                                                   

                                                   下記は日経ビジネスプレスに掲載された記事です。

                                                  『日経BPプレス 2017/10/30 ファミマ、24時間営業の見直し着手

                                                  ファミリーマートが24時間営業の見直しに着手したことがわかった。

                                                  このほど一部店舗で深夜営業をやめた。売り上げはどれだけ減るのか、一方で人件費や光熱費などの経費はどれほど浮くのかなど、経営への影響を検証する。

                                                  人手不足や出店競争で激化する客の奪い合いにより、コンビニ加盟店の経営状況が苦しさを増していることに対応する。「いつでも開いている」ことを他業態にない利便性として訴えてきた業界のなかでは、極めて異例の試みといえる。(後略)』

                                                   

                                                   コンビニエンスストアは昔から24時間営業だったわけではありません。私が初めてコンビニエンスストアというものを知ったのは、小学校5年生のとき、商店街にあるお菓子屋が、セブンイレブンになったのがきっかけです。小学校5年生の時に、夏はスラーピーフロートという冷たいドリンクや、ブリトーのハムチーズなどをよく食べていたのを覚えています。その頃から営業時間が24時間だったかどうか定かではありませんが、もともとセブンイレブンの名前の由来は、朝7時〜夜11時までお店が開いていることだったと記憶しています。

                                                   

                                                   昔の商店街といえば、肉屋や八百屋や魚屋さんといえば、朝10時から開店して、夜8時くらいには店が閉まっていました。銭湯や豆腐屋さんは朝6時くらいから開店していましたが、ほとんどのお店は朝10時開店で夜8時にはお店が閉まっていたわけです。

                                                   そういう意味でお店の営業時間が朝10時〜夜8時というのが当たり前だった当時から見れば、朝7時〜夜11時までの営業時間というのは、画期的だったわけです。

                                                   

                                                   今では24時間営業が当たり前となり、銀行のATMもあれば、航空券などのチケットの購入もできるという意味で、単に食品などの小売に限らず、インフラ機能を果たす役割を担っています。

                                                   

                                                   スーパーでも西友などは24時間営業をやっています。その結果、例えば水着を買いたいと思えば、夜水着を買いに行って手に入れることもできます。別に水着をわざわざ夜に買いに行く必要はないのでは?という意見もあるかもしれませんが、必要な物をいつでも手に入れられるということ自体、高い供給力を担っているといえるわけであり、便利になっている=国力が強い証拠、といえるのです。

                                                   

                                                   牛丼チェーン店のすき家にしても同じです。24時間牛丼が食べられれば、飲み屋で飲み過ぎてなお小腹が空いたとなっても、牛丼店で深夜いつでも牛丼が食べられるわけです。

                                                   

                                                   ところが、最近は24時間営業を見直す動きが各方面で出ています。これは単に人手不足だけが原因なのでしょうか?私はそうは思いません。端的にいえばデフレで実質賃金が伸び悩む結果、みんなが物を買わなくなってきているからといえます。

                                                   

                                                   仮に夜でもお客さんがたくさん来て、たくさんのものを高い値段で買っていただけるということになれば、夜お店を開店していた方がいいに決まっています。高い値段で買う=名目GDPの拡大、たくさんの量を買う=実質GDPの拡大、ですので、高い値段で多くの数量が買われるのであれば、24時間営業した方が儲かるのです。

                                                   

                                                   ところが、高い値段で変われない(100円おにぎりキャンペーンや麺類30円引きとか中華まん100円セールなど)、数は少なく買われる(今までおにぎりを3個買っていたのを2個にする、中華まんを2個買っていたのを1個にする)というように、安い値段で物が買われる、数量が少なく買われる、このような状態の場合は、わざわざ深夜高い人件費まで払って、店を開けている必要がないとなるわけです。

                                                   

                                                   要は需要(名目需要・実質需要)がない状態で、高いバイト代を払ったりオーナー自らが深夜勤務して店を開けているくらいならば、昼間だけ開店していればいいでしょ!というわけであり、それは合理的で正しい経営判断ともいえます。

                                                   

                                                   こうした理由で、ファミリーマート以外のコンビニが24時間営業を見直して、吉野家や松屋や他の牛丼店も24時間営業を見直しし、西友などの駅前スーパーも24時間営業を見直しということになれば、夜間に飲食したり買い物をすることができなくなり、便利さ快適さが失われていきます。

                                                   

                                                   24時間営業を見直したとして、それでも国民が「値段が安いものを買う」「数量を今までよりも少なく買う」を継続していきますと、その店舗が経営が悪化して閉店に追い込まれるということになります。デフレを放置して、このようなことを続けていきますと、小売店で生き残るのは駅前のスーパーくらいしかなくなってしまうこともあるのです。

                                                   

                                                   皆さんの街の近くにあるコンビニがなくなれば、遠くの駅まで歩かなければ物が買えないということになります。先進国というのは、供給力が極めて高く、欲しいものが好きな時に買えるだけのインフラが整っている国ともいえます。なぜならば、供給力とは物やサービスを製造する力であり、インフラが充実していなければ供給する物・サービスが消費者の手元に届かず、消費されず、不便だからです。先進国≒国力が強い国ともいえます。災害に遭ったとき、近くにコンビニがあれば、コンビニを拠点に食料を供給することもできます。コンビニがないエリアでは、遠くの駅まで行かなければ食料を入手することができないという事態も起こり得ます。

                                                   

                                                   このように便利だったものが不便になるというのは、ある意味で発展途上国化といえます。

                                                   

                                                   とはいえ、安全保障は国家の問題で、コンビニの24時間営業は企業の経営の問題ですので、災害安全保障のために、コンビニに24時間営業を強いるということはできません。

                                                   

                                                   国家の安全保障のため、政府ができることは何か?といえば、デフレ脱却し、国民が物・サービスを数多く値段が高く買えるようにすることに尽きます。即ち、国債の増刷と財政出動によって政府が私たち国民が生産する物・サービスを数多く高い値段で買っていただくことです。

                                                   

                                                   もっとも高齢化が進むため、夜間にお年寄りが出歩くということは少なくなるかもしれません。それでも夜間にスーパーやコンビニの宅配サービスなど、お年寄りの方が薬を買うとか飲料を買うために電話やインターネットで注文して、それをドローンを使って届けるというサービスができるようになるかもしれません。これは、生産性向上によってドローンを購入するという投資により供給力を増強する一例です。

                                                   

                                                   

                                                   というわけで、今回はファミリーマートが24時間営業を見直すという報道について意見しました。ファミリーマートは24時間営業を見直すという経営戦略ですが、ローソンは逆に深夜時間帯に無人店を導入するという経世戦略です。午前0時から午前5時は従業員が接客せず、「無人」で決済できる店舗を2018年払うから導入すると発表されています。

                                                   人手不足解消のために、ローソンはレジロボやRFIC電子タグを活用し、自動化することで24時間営業を維持しようとしています。国家の安全保障のためにも、結果すべての国民が便益を受けるという点で考えても、私はローソンの経営戦略を応援したい。と同時に、こうした投資が報われるような環境を、政府は後押しするべきであると、私は思うのです。

                                                   

                                                  〜関連記事(コンビニの自動レジなどの関連記事)〜

                                                  RFID電子タグとレジロボを使った「完全自動精算」のコンビニ

                                                  人手不足の解消につながるRFID電子タグ

                                                  事業仕分けや緊縮財政は愚策(産業技術総合研究所が開発したカーボンナノチューブと塗布半導体)


                                                  年末配送業務のバイトの時給が高騰する運送業界

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                                                    JUGEMテーマ:人手不足

                                                    JUGEMテーマ:外国人労働者問題

                                                    JUGEMテーマ:運送業界について

                                                     

                                                     今日は、人手不足について関連し、2017/11/14の日本経済新聞の記事を取り上げます。

                                                     

                                                    『2017/11/14 18:00 情報元日本経済新聞 電子版 ヤマト、年末の時給2000円 物流人材争奪戦

                                                    インターネット通販の繁忙期の12月を控え、物流関連のアルバイトなどの時給が高騰している。宅配最大手のヤマト運輸は一部の地域で2000円で運転手の募集を始めた。アマゾンジャパン(東京・目黒)も倉庫作業で1850円を提示している。人手不足の飲食や小売りも含めて業種を超えて人材の争奪が過熱し、宅配や外食などのサービスの維持に支障が出る可能性がある。(後略)』

                                                     

                                                     上記の記事に記載の通り、運送業界だけではなく、飲食業・小売業を含め、人手不足を背景に業界を越えて人材争奪戦が過熱しています。宅配や外食などのサービスの維持に影響を与える可能性があると記事では伝えています。

                                                     

                                                     これは率直に申し上げて、大変イイことです。人が余っているというより人手不足の方がはるかに良い環境であるといえます。人手=サービスを供給している人口です。これは生産年齢人口と近似値です。もはや日本は老人の手を借りてでも、という状況になっているといえます。健康で働ける老人は言うまでもなく、日本語を話せる人で自動車の運転免許があれば、時給2000円で働けるのです。

                                                     

                                                     私は学生時代、都内のコンビニエンスストアのセブンイレブンで深夜バイトをしていたことがありました。それでも時給は1,000円ちょっと超える程度だったと記憶しています。それは凡そ23年前の話です。GDPが伸び悩むのと同じで、バイトの時給は20年間ほぼ横ばい。大卒の初任給もほぼ横ばい。いかに日本がGDPが成長していなかったか?実感します。その意味で、バイトの時給が上がるということは、大変イイことだと思うわけです。

                                                     

                                                     本件でいえば業界最大手のヤマト運輸が値上げするとなれば、中小企業の運送業者も値上げに追随することが可能です。もともと

                                                     

                                                    <トラック事業に関する事業規制の推移>

                                                    (出典:国土交通省の資料「トラック運送業の適正運賃・料金検討会」から抜粋)

                                                     

                                                     上記の通り、運送業界は2003年4月に、最低運賃の引き下げの引き金となる「運賃事後届け出制」加え、各地域により最低5台〜15台となっていた最低車両台数の「全国一律5台」への引き下げという規制緩和が行われました。

                                                     1997年の橋本政権の緊縮財政からデフレに突入したといわれておりまして、運送業界でも運賃の値下がりに伴ってドライバーの運賃は下がり続けました。にもかかわらず、2003年4月に規制緩和しているのです。その結果、ドライバーの成り手は減り、運送事業は、介護事業、タクシー事業、小売り事業、外食産業などと同様に、生産年齢人口減少の影響をまともに受けている業界の一つといえるのです。

                                                     

                                                     業界最大手のヤマト運輸は、ブラック企業の温床となる無理な業務を強いるアマゾンの配送業務を断ったり、今回は人材確保のための高時給の提示といい、サービス料金値上げの方向に動いています。前者は、「無理な業務を強いるのであれば値上げを飲んでください。嫌なら契約を辞めます。」ということであり、インフレギャップ(需要>供給)だからこそできる経営戦略です。後者もまた、需要>供給だからこそ、供給力を増強するために人手確保する動きと考えられます。

                                                     

                                                     いずれにしても、中小の運送業者は荷主の購買力が強く、ほとんど値上げできず、増収減益という業者が多かったのですが、業界最大手のヤマト運輸が値上げするとなれば、追随しやすくなります。ヤマト運輸に合わせて中小運送業者が便乗値上げすれば、物流サービスの維持ができるようになります。

                                                     

                                                     もともと運送業界は荷主の力が強く、ひどいダンピングに強いられ、運送業者サイドは値上げすれば、他社に仕事を取られてしまうことを恐れ、値上げできずにいました。結果、ダンピングを飲まざるを得ず、経営状況が悪化していったのです。本来は、独占禁止法の適用を緩和して、カルテルを認めるべきであると、私は思っておりまして、運送業界はそのくらいの窮状におかれているのです。

                                                     

                                                     デフレというのは人の価値が下がります。人が安く叩き売られる状況になります。なぜならば実質賃金が下がるからです。こうした動きは、実質賃金が下がるトレンドと逆行することになりますので、これは大変イイことなのです。

                                                     

                                                     荷主で考えた場合、イトーヨーカドーやイオンなどの大手流通業者もまた、消費者が値下げを求めるため、安売りになりがちです。デフレは、みんなが貧乏になっていくのですが、だからといって一斉にみんなが値上げすると、カルテルとなって独占禁止法違反になってしまいます。私はデフレ脱却のために、独占禁止法の適用を緩和し、カルテルを認め、談合を認めるということをやってもイイのでは?と思っているわけですが、その理由は、大手流通業者の所得が上がれば、巡り巡って私たちの所得も上がるからと考えているからです。

                                                     

                                                     外食産業でも年末年始に過去最高の時給を提示する企業が相次いでいます。昨年までは年末年始の繁忙期、学生が休みになるために他の月と比べて時給が下がるケースもあったようですが、今年の年末年始は人手不足が深刻で、過去最高の更新を続けてきた時給をさらに引き上げざるを得ない状況になっているようです。

                                                     

                                                     忘年会や新年会を抱える居酒屋チェーン店では、平均時給1000円と、前月比で2%ちょっとの上昇なのですが、これはヤマト運輸の時給2000円と比べると上昇率は小さい。なぜならば、外食産業は、外国人留学生を使うことができるからです。もし外国人留学生を、労働者として受け入れることができなければ、居酒屋のバイトの時給も1500円とかにせざるを得なかったでしょう。

                                                     

                                                     

                                                     というわけで、今日は人手不足をテーマに、運送業界の時給が高騰しているという記事について取り上げ、意見させていただきました。


                                                    企業の内部留保への課税は、私有財産権の侵害であり、反対します!

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                                                      JUGEMテーマ:経済全般

                                                       

                                                       今日は日本経済新聞の記事「内部留保 活用探る 金融庁、説明責任など指針策定へ」について触れます。記事の概要は以下の通りです。

                                                      『2017/10/18付 日本経済新聞 朝刊 内部留保 活用探る 金融庁、説明責任など指針策定へ

                                                      日本企業は内部留保をもっと活用すべきか否か。「ため込みすぎ」との批判がくすぶるなか、政界からは内部留保への課税論が浮上している。金融庁は投資家の立場から成長投資へ活用するための指針作りに乗り出す。ただ、400兆円に上る内部留保のすべてがすぐに使えるわけではない。様々な問題をはらんでいるだけに、冷静な議論が必要になる。(後略)』

                                                       

                                                       

                                                       日本の企業が獲得した利益のうち、企業外へ分配することなく、企業内に貯め込んだお金、いわゆる内部留保についての記事です。今回の衆議院議員選挙で、希望の党の小池代表が「内部留保課税」を公約に掲げていました。

                                                       

                                                       皆さんは、内部留保という言葉を聞いて、どのように語れるでしょうか?内部留保=現金・預金ではありません。内部留保の一部は株式などの投資に回っており、すぐに使えないものもあります。内部留保の貯め込みという朝日新聞などの批判に対して、経団連の榊原会長が反論していましたが、まさにその通りです。

                                                       

                                                       むしろ、内部留保を問題とするのではなく、現金預金とりわけ預金についてクローズアップすべきです。企業の現預金は250兆円にまで膨れ上がっています。(下図のグラフを参照)

                                                       

                                                      <非金融法人の現預金額の推移>

                                                      (出典:日銀の資金統計循環)

                                                       

                                                       

                                                       要は問題は現預金なのです。上記のグラフを見れば、一目瞭然ですが、第二次安倍政権の2012年末までは200兆円前後を推移していました。それが2016年には250兆円にまで膨れ上がっているのです。これは異常な増え方といえます。

                                                       

                                                       では、内部留保の増え方が異常だったとして、そこに課税するというのは、どうでしょうか?これは私有財産に課税することと同じであり、私有財産権の侵害です。これがまかり通るとなれば日本は共産主義国家と同じになってしまうといえます。

                                                       

                                                       私有財産を認めるのであれば、税金は所得にかけるべきであり、資産(ストック)にかけてはいけません。本来は固定資産税というのもおかしいのですが、いずれにしても「内部留保に課税しろ!」と平気でいえる神経が理解できません。

                                                       

                                                       この問題は、結局のところ、企業側に投資先がなく、人件費をあげる自信がないということの表れです。なぜならば、需要の拡大に自信がもてないからです。

                                                       

                                                       本来だったら需要不足なので、政府が普通に財政拡大し、需要を増やし続ければ、勝手に内部留保や積上げられた現預金は減っていきます。なぜならば、需要が拡大してインフレギャップの状態となれば、投資した方が儲かるからです。

                                                       

                                                       株主に対しては、増配や自社株買いで十分に報いており、それを目的に法人税減税もやってきました。それでもなお余ってしまった現預金が企業の内部留保の一部として50兆円も増加したのです。

                                                       

                                                       本来、その増えた50兆円は、日本のGDPを500兆円とすれば10%に相当します。1年で全部投資に使っていれば、その1年は10%の経済成長をしていたことになるわけです。本来は人材投資や設備投資を増やしていただきたいと思いますが、政府がそうしやすい環境を作り出すのが本来の仕事なのに、それをやらずしてなんで内部留保の課税なのでしょうか?

                                                       

                                                       

                                                       というわけで、今日は内部留保課税の意見への反対論を述べさせていただきました。「内部留保の活用」という言葉は私は好きではありません。企業経営でいうならまだしも、国家運営のために企業の内部留保の活用だの課税だのというのは、私有財産の侵害です。資本主義は、内部留保を現預金を貯めてはいけないとか、投資しなければならないという義務はありません。要はお金を借りてでも投資できる儲かる環境になれば、企業は投資をするのです。

                                                       ぜひ、その方向で頭を切り替えていただき、正しい政策を立案していただきたいと思うのであります。


                                                      日産自動車の無資格従業員の新車検査問題と神戸製鋼の品質データ改ざん問題

                                                      0

                                                        JUGEMテーマ:経済全般

                                                        JUGEMテーマ:品質保証

                                                        JUGEMテーマ:自動車産業

                                                         

                                                         今日は日産自動車の無資格者審査問題と、神戸製鋼の品質データ改ざん問題について、取り上げます。

                                                         

                                                         

                                                        1.日産自動車の無資格者審査問題

                                                         日産自動車は、無資格の従業員に新車検査をさせていたとして、9月に国が問題を指摘した後も、一部の工場で10/11まで、新車の検査に無資格者が関わっていたことが判明したと報じられました。西川(さいかわ)社長は、9/2の会見で、9/2以降は認定検査員が100%行うようになったと謝罪をしておりました。

                                                         

                                                         本件の発覚経緯は、もしかすると内部告発かもしれません。とはいえ、西川社長が謝罪した後も、そこからしばらく無資格者が対応していたとすれば、それはどのような理由なのか?が私には気になります。

                                                         

                                                         コストカットをやりすぎて、現場が人手不足となって「仕方ない!無資格者だけど○○が審査をやってくれ!」ということなのか?9/2に謝罪した後も不正をしていたというのは、徹底して解明すべきであると思います。

                                                         

                                                         

                                                         

                                                        2.神戸製鋼の品質データ改ざん事件

                                                         神戸製鋼の子会社が米国の顧客向けに販売した製品の品質データについて、米国司法省から神戸製鋼に対して、品質データが改ざんされた製品に関する書類の提出を求められました。

                                                         

                                                         こちらは、JR東海の新幹線など国内に留まらず、米国ではゼネラルモーターズ社や航空大手ボーイング社の製品でも、問題の製品が使われていることが明らかになっています。

                                                         

                                                         アルミや銅製部材では、長期に渡って偽装されていたことが常態化されていたと認識されており、米国の司法省が本格的な捜査に乗り出すか?が焦点となっています。

                                                         

                                                         毎日新聞の記事によりますと、神戸製鋼の不正は40年も前から行われていたとのこと。神戸製鋼はデフレとは関係なく、品質を守ろうとしていなかったといえます。

                                                         

                                                         神戸製鋼の製品は、自動車や飛行機や鉄道など、かなりシビアなところに使われています。日本が品質を守ていたというのは、デフレ突入する前から実は迷信だったのか?と思えるほどの事件でして、私は大変残念に思っています。

                                                         

                                                         

                                                         

                                                        3.日産自動車と神戸製鋼の事件を受けて

                                                         同じようなタイミングで両方の事件が明るみに出ましたが、日産自動車は、お金お金とやってきて内部留保で預金を増やしたり、カルロス・ゴーンへの高報酬や配当を増やしたりといったことが原因ではないかと、私は思っています。もちろん、日産自動車はリーマンショック後に、経営が苦しかった時もありました。それはデフレ放置によって、物・サービスが安く買われるという環境の中で、自動車が高く売れないという経営環境もあったと思われます。

                                                         

                                                         神戸製鋼の事件は、40年も前から不正だったということなので、デフレ・インフレ以前の問題かもしれません。

                                                         

                                                         だからもう日本はダメなんだ!ということではなく、自動車・飛行機などシビアな部分に使われている以上、品質データの確認をすべて実施すべきだと考えます。もちろん、その費用は神戸製鋼が出すとして、経営がおかしくなるようなことがあれば、救済する必要があると考えます。

                                                         

                                                         いずれにしても、政府支出が必要。政府支出増と国債増刷で、政府が名目需要と実質需要を創出し、具体的には政府が率先して、EV車(電気自動車)や燃料電池自動車を高い値段で購入して、ガソリン車を買い替え、さらに水素ステーションの拡充を推進するために、JXホールディングスや岩谷産業が水素ステーションの設置がしやすいように、政府が投資を支援するといった方法があります。

                                                         

                                                        <神戸製鋼の貸借対照表(2017年3月期)>

                                                        (出典:ロイター通信)

                                                         

                                                        <神戸製鋼の過去4か年の貸借対照表の資産の部の推移>

                                                         

                                                        (出典:ロイター通信)

                                                         

                                                         

                                                         神戸製鋼についていえば、品質データの確認作業を経済産業省などが資金支援することもありです。上記の神戸製鋼の決算資料を見ますと、現金預金で約1,557億円、売掛金手形で約2,953億円、当座有価証券で約455億円あります。

                                                         この中から、確認作業など費用を含め、事態収拾に向けて対応すると思いますが、万一資金がショートするようなことがあれば、銀行が緊急融資するか、銀行が融資しない場合は、政府が資金支援してもよいと思います。

                                                         政府が資金支援するのはハードルが高く、場合によっては減資して現在の株主に責任を取ってもらった後、資本注入するという方法もありです。

                                                         同業の新日鉄やJFEホールディングスからは不満が出るかもしれません。そのために株主に責任を取らせるための減資、あるいは厳しく対応するのであれば、会社更生法や民事再生法を申請して、その後資本注入するしかないでしょう。

                                                         もちろん、資金ショートも起きず、銀行が融資してくれるなどの救済があれば、その必要はありません。

                                                         

                                                         ですが品質の回復に、国家が支援してもよいと考えています。しかも、今はデフレです。こういうときこそ、政府支出増はデフレ脱却に資しますので、政府の関与も含めた解決策を検討してよいのでは?と思うわけです。

                                                         

                                                         

                                                         というわけで、今日は日産自動車と神戸製鋼の事件について触れました。事件の背景で考えますと、神戸製鋼の事件の方がショックが大きい。ですが、だからといって「つぶれてしまえ!」という発想では、却ってデフレを深刻化させます。品質への信頼回復という意味で、政府がもっと支援をしてもよいと思います。

                                                         現時点で、神戸製鋼には、貸借対照表上、剰余金が3,571.54億円あります。当面は自己資金の範囲で事態収拾に向けた対応がされるでしょう。

                                                         何しろ神戸製鋼は規模が大きいです。神戸製鋼がこのまま破たんすれば、日本経済に悪影響を及ぼします。賛否両論あると思いますが、インフレで仕事が十分にある状況であれば、「つぶれてしまえ!」という意見があってもやむなしと思います。ところが、日本は今デフレに苦しんでいますので、破綻させるようなことは、絶対にあってはならないのです。

                                                         東芝問題、シャープ問題、いろいろとありましたが、外国資本が注入されて技術流出される、もしくは供給力を毀損してしまう、こうしたことこそ国益を失う事態であり、回避しなければならないものと私は思っております。


                                                        発展途上国化する日本!その日本の軍事予算の20倍を使う中国共産党に対して、我が国は如何にして立ち向かえるか?

                                                        0

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                                                           今日は、「発展途上国化する日本!その日本の軍事予算の20倍を使う中国共産党に対して、我が国は如何にして立ち向かえるか?」と題し、デフレを放置して間違った政策が継続する結果、日中のGDPの世界シェアの格差が大きくなっていることについて触れたいと思います。

                                                           

                                                           テレビや新聞では、日経平均株価が22,000円を超えたとか、GDPデフレーターがマイナスであるにもかかわらず実質GDPがプラスに転じた、百貨店の決算が増収増益になったとして、デフレ脱却したという論説が賑わっているように思います。

                                                           実際は、GDPデフレーターがマイナス、実質賃金の低下の継続、消費者物価指数でコアコアCPIでも0%近辺を這っている状況、こうした指標の状況を見る限りにおいて、日本は国内需要が低迷して、デフレが継続しているといえます。

                                                           

                                                          <日中のGDPの世界に占める割合(ドル換算)>

                                                          (出典:IMF)

                                                           

                                                           上記は、日本と中国のGDPが世界に占める割合をグラフにしたものです。バブル崩壊後の1995年までは、日本のGDPは全世界の17%を占めておりました。1996年から就職氷河期というのが始まり、以降GDPが占める割合は、1998年〜2000年を除き、ほぼ一貫してシェアが低下し続けています。

                                                           

                                                           一方で中国は、経済成長を続け、2009年にはシェアが日中で逆転し、2015年では日本の2倍以上のシェアを占めるにまで経済成長をしています。当たり前ですが、日本は1998年の橋本内閣の財政構造改革法の制定・施行以来、緊縮財政をしてきました。

                                                           

                                                          <日本の財政構造改革法>

                                                          ●2003年度までに、国と地方を合わせた財政赤字をGDP比3%(1997年は5.4%)以下に抑え、赤字国債の発行をゼロにする

                                                          ●公共事業や社会保障を含む主要経費の削減目標値を定める

                                                           

                                                           このようなことをやっているのは、世界では日本とEUくらいしかありません。ヨーロッパ諸国がEUに加盟する際、ユーロ参加の条件として財政赤字を対GDP比で3%以内、債務残高が対GDP比で60%を超えないことがマーストリヒト条約の条文にあるのです。

                                                           

                                                           面白いことに、日本の財政構造改革法とEUのマーストリヒト条約、いずれも財政赤字をGDP比3%以内という定めがあります。この3%に理論的な根拠は一切ありません。(参照ブログ:「政府の債務残高対GDP比率3%以下」という”3%”に根拠なし!

                                                           

                                                           怖いのは、このまま日本が、無駄削減!公務員削減しろ!借金減らせ!などといって緊縮財政を続けた場合、もう一度グラフを見ていただきたいと思いますが、日本のシェア低下トレンド、中国のシェア上昇トレンドのカーブから見て、2040年後には10倍以上の差が付くことが容易に予想できませんでしょうか?

                                                           

                                                           この場合、軍事費は20倍程度広がるものとみられます。いくら今この時点の軍事バランスが、日本の軍事力が圧倒的に優位だったとしても、さすがに軍事費で20倍も開きがある状態で、しかも民主主義国家ではなく、死刑囚や政治犯の臓器売買を公然と認める中国共産党国家を相手に、どうやって戦うのでしょうか?

                                                           

                                                           日米安全保障条約で米国に守ってもらうのでしょうか?その場合は、米国から経済分野で関税引下げなどが要求され、日本の供給力が少しずつ破壊されていくことになるでしょう。供給力が破壊する=国力が低下する です。

                                                           

                                                           こうして国力の低下を放置すれば、日本は発展途上国になっていくのです。既にインフラがボロボロで日本国民を生命から守れなくなっています。地震の被害や、台風の被害、火山噴火の被害が多く発生する日本。「私たちは、あのような危険な地方に住んでいなくてよかった。都会でよかった。」なんて考えている都会人がいたとすれば、首都直下型地震が起きた場合、地方の人々が首都圏の人々を救うことができなくなるでしょう。

                                                           

                                                           それは地方の人々が感情的に都会人を助けないというよりも、経済がボロボロで供給力がなければ、即ちトラックがない、除雪車がない、救援する人がいない、となれば物理的に助けることができなくなるのです。首都直下型地震が発生した後に、都会人がお金をどれだけたくさん積んでも、いきなり物流がスムーズに流れるわけではありません。道路の復旧工事、電気の復旧工事、いずれも供給力が毀損してしまっていては、すぐに復旧することはできないのです。

                                                           また、デフレ放置の結果、品質が劣化し、トラックやダンプカーが故障してみたり、道路がデコボコで走りにくくなっていたり、そうした状況がすぐに復旧できないということもあります。

                                                           

                                                           この状況をなんというか?ご存知でしょうか?

                                                           そうです。発展途上国です。日本はデフレを放置した結果、日産自動車や神戸製鋼やスバルの問題のように、品質が劣化が横行。インフラでいえば、橋やトンネルは通行止めになっている箇所が全国でたくさんあるのです。

                                                           

                                                           2016年12月31日に読売新聞で、”老朽化「通れない橋」続々、住民なんとかして”」という記事が記載されました。記事によれば、国や自治体などが2年前に始めた道路橋の一斉点検で、深刻な老朽化の実態が明らかになっているというのです。

                                                           

                                                           

                                                           

                                                           2016年3月までに点検を終えた20万4,533基のうち、早急に補修が必要と判定された橋が12%の2万4,351基とのこと。高度経済成長期に作られた多くの橋が、補修や架け替えの時期を迎えているにもかかわらず、緊縮財政のために予算が付かずに放置され、「通行止」の表示板がかけられた道路やトンネルなどが多数あるのです。

                                                           

                                                           東京などの都会に住んでいる人は、そうした地方が大変な状況になっていることをほとんど知らないのではないかと思います。博多では大規模な道路陥没事故も発生しましたが、東京都内も上下水道の更新が必要な状況です。

                                                           

                                                           実はこれらの復旧作業は、すべて需要であり、GDP3面等価の原則で、その需要は、支出=生産=所得となるわけです。ところがやらない。借金=悪という家計簿の発想、企業経営の発想で、政府支出を拡大することをやらない。むしろ、人口が減少するのだから、政府を小さくすべきなどという理解不能な論説でさえ蔓延る。

                                                           

                                                           このままで日本の経済成長率が中国を抜き返すとは、私には思えません。借金=悪として国債増刷をせず、緊縮財政を継続して政府支出を拒み続け、デフレを放置すれば、2040年後にGDPのシェアは、中国と10倍以上の開きが出ることになるでしょう。そのとき、軍事費は10倍〜20倍程度開きが出るでしょう。そうなったとき、日本の軍事費の20倍も予算が使える中国共産党を相手に、我が国はどうやって立ち向かうことができるのでしょうか?

                                                           

                                                           

                                                           というわけで、今日は日中のGDPが10倍差が付いた場合、軍事費は10倍〜20倍差が開き、日本の10倍〜20倍も軍事費の予算が使える中国共産党に対していかに対抗できるか?という問いかけをさせていただきました。私はこのままだと普通に中国の属国になるしかないと思います。中国の属国=中華人民共和国日本省となり、日本国が中国共産党の手に落ちるということです。

                                                           それは、日本人として生まれた私の価値観からすれば、私たち日本人の先祖に対する冒とくであり、将来世代に大きなツケを残す愚かな結果としか言えません。

                                                           これを回避するため、言論活動を通じ、デフレ脱却を急ぐべく、国債増刷と政府支出拡大を訴え続けていきたいと私は思うのです。


                                                          物価目標2%は、どの指数を使うべきか?消費者物価指数は3種類あります!

                                                          0

                                                            JUGEMテーマ:経済全般

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                                                             今日は「物価目標2%は、どの指数を使うべきか?消費者物価指数は3種類あります!」と称し、日銀の物価目標2%の物価目標について意見します。

                                                             

                                                             私がデフレ脱却と判断できるとする場合の判断材料は何か?といえば、下記の通りです。

                                                             

                                                            デフレ脱却の「定義」:「国内需要が拡大し、供給能力不足することで物価が上昇すること」=インフレギャップの状態

                                                             

                                                            私は上記を定義とします。そして具体的に定量数値は下記 銑の状態になっているか?を注目します。

                                                             

                                                            。韮庁丱妊侫譟璽拭爾プラス2%以上が継続して続いている状態であること

                                                            ¬礁棕韮庁弌⊆村腺韮庁个いずれも上昇した形でGDPデフレーターがプラスになっていること

                                                            (消費税を引き上げた結果、名目GDPの減少幅<実質GDPの減少幅となって、プラスになっている状態はデフレ脱却とはいわない)

                                                            コアコアCPIで2%以上の達成が継続的にできていること

                                                             

                                                             

                                                             消費者物価指数は、CPIと称されます。これは、Consumer Price Index の略称です。CPI(=消費者物価指数)には、3種類あります。

                                                             

                                                             CPI(総合):消費者物価指数

                                                             コアCPI:生鮮食品を除く消費者物価指数

                                                             コアコアCPI:除く生鮮食品・エネルギー価格の消費者物価指数

                                                             

                                                             CPIは総務省統計局が毎月発表していまして、日本経済新聞でもCPIについての記事が出ますが、皆さんは日銀の物価目標2%が、上記3種類のどのCPIを使っているか?ご存知でしょうか?

                                                             

                                                             2013年に安倍政権が誕生し、いわゆるアベノミクス第一の矢の金融緩和政策について、日銀の黒田総裁は、デフレ脱却のため、物価上昇率2%を目標として金融緩和を実施するということでしたが、このとき表明した2%の目標は、コアCPIでした。3年後の2016年1月に日銀は、物価上昇率目標について日銀版消費者物価というものを検討するとし、エネルギー価格の変動を除外する方向性の検討を行い、コアコアCPIに変えました。

                                                             

                                                             この変更、方向性的には正しいです。グローバルには、インフレ・デフレの最終的な判断は、「コアCPI」で測られますが、日本は鉱物性資源(原油・天然ガス)の大部分を輸入に頼っているため、海外の戦乱によって原油価格が高騰してしまった場合、エネルギー価格を含んでいる「コアCPI」が上昇してしまうのです。

                                                             逆に原油価格が下落すれば「コアCPI」は下落します。

                                                             

                                                             デフレ脱却を目的として標榜するのであれば、物価上昇率目標2%は、生鮮食品の価格変動のみならず、エネルギーの価格変動を取り除いた消費者物価指数、即ち「コアコアCPI」で測られるべきです。

                                                             

                                                            <CPI3種類の推移:1990年〜2016年>

                                                            (出典:総務省統計局)

                                                             

                                                             日本の場合、CPI(総合)とコアCPI(生鮮食品を除く)は、ほぼ同じ動きをします。(青と赤の折れ線グラフを参照)2008年を見ていただきたいのですが、コアコアCPIが0%近辺であるのに、CPIとコアCPIは1%となっています。グラフで見れば、2008年度にCPIとコアCPIが跳ね上がっているように見えます。理由は資源バブルの影響で、原油価格が高騰していた時期です。

                                                             

                                                             逆に2016年度は、コアコアCPIが、CPI,コアCPIを上回って推移するようになりました。なぜならば、資源バブルが崩壊して原油価格が下落基調となったからです。

                                                             

                                                             2016年度に物価上昇率目標2%について、コアCPI→コアコアCPIに変えたというのは、日銀が金融緩和政策が成功して2%達成したと見せるために、コアコアCPIに変更したのでは?との見方があります。

                                                             

                                                             この場合、今後エネルギー価格が上昇したら、今度はコアコアCPI→コアCPIへ変更するかもしれません。何しろ、安倍政権はGDPが成長しているかの如く、2016年12月にGDPの統計方法を変更しました。結果日本のGDPは500兆円→530兆円に増えたと主張しています。

                                                             

                                                             統計方法変更前と変更後で何が違うかといえば、研究開発費についてGDPに含めたという点です。GDPは物・サービスとお金が対価で交換されたときにカウントされるものなので、研究開発費をGDPに含めるという方向性は正しい。とはいえ、統計方法変更後でGDP推移を見れば、研究開発費が増えたわけではなく、統計方法を変えただけなので、30兆円GDPが増えたという表現は明らかに国民を騙しているわけです。端的に言えば、「アベノミクスの成果で30%GDPが増えた」という表現はイカサマです。

                                                             

                                                             同様にCPIについても、「コアCPIが2%に達しました。インフレ目標達成です。デフレ脱却したので増税です。」なんてやられたら、たまったものではありません。また、エネルギー価格が上昇したからといって再度、コアコアCPI→コアCPIへ戻し、「コアCPIが2%達成しました。インフレ目標達成です。だから金融引締めです。デフレ脱却したので増税です。」というのも間違っているわけです。

                                                             

                                                              またグラフを見れば一目瞭然ですが、コアコアCPIは2008年時点でさえ辛うじて横ばいであり、物価は全く上昇していなかった事実が確認できます。小泉政権のときをみても、コアコアCPIは0%を下回って0%近辺這っている状態であり、物価が上昇していませんでした。

                                                             

                                                             

                                                             というわけで、今日は消費者物価指数について取り上げ、指標の見方、考え方についてご説明しました。デフレに苦しむ日本では、インフレ率目標は、コアコアCPIで設定するのが正しいです。しかも短期間ではなく、継続的にコアコアCPIが2%前後で推移するようになって、「初めてデフレ脱却した!」といえると私は考えます。

                                                             また、将来原油価格が上昇した場合に、日銀が再度インフレ率の定義を変える可能性についても述べましたが、こうしたイカサマを防ぐためには、消費者物価指数の種類に関する知識を持ち、国民と政治家が共有する必要があるとも思っております。


                                                            教育現場の荒廃を給食の実態から見てみる!

                                                            0

                                                              JUGEMテーマ:経済全般

                                                               

                                                               今日は読売新聞の記事、「まずい給食」業者との契約解除へ!という記事を取り上げ、デフレで予算を付けないことによって教育現場が荒廃していくなかで、学校給食にまで起きていることを取り上げたいと思います。

                                                               

                                                               下記は読売新聞の記事です。

                                                              『読売新聞 10/7(土) 15:02配信 「まずい給食」業者との契約解除へ…批判受け

                                                               神奈川県大磯町立中学校の給食から異物が相次いで見つかり、大量の食べ残しが出ていた問題で、町は委託業者との契約を解除する方針を決めた。
                                                               批判を受けての対応だが、給食が始まった当初から1年以上続いた事態に、専門家からは町の業者任せの対応や危機管理の甘さを問う声が上がっている。
                                                              ◆コスト優先
                                                               町が給食を始めたのは昨年1月。共働き世帯の増加などを背景に、保護者も約8割が給食に賛成していた。多くの保護者は校内で調理する「自校型」を希望したが、施設整備などに約4億5000万円かかると試算され断念。早期導入を目指した町は、製造や配送を業者に委ねることで初期費用が約1500万円で済む「配達弁当型」を採用した。
                                                               コスト削減を優先した給食は、20キロ以上離れた製造工場から配送されるため、料理を適温で提供できなかった。カロリーや栄養バランスに配慮した献立も、生徒から「味が薄い」「見た目が悪い」と不評。髪の毛が見つかるなどのトラブルも相次ぎ、多い時には半分以上が食べ残された。』

                                                               

                                                               

                                                               この記事みて大変残念でがっかりしました。

                                                               私が小学生時代だった頃の給食といえば、給食のおばさんが作り、メニューでまずい(=おいしくない)と思ったもの、嫌いな物は無かったです。カレーライスやおでんのちくわぶ、朝鮮風雑煮といって餅が入ったスープなど、好きだったメニューの思い出は数多くあります。給食のおばさんは、栄養士らと一緒になって給食を作る公務員だった。即ち公立小学校でいえば地方公務員という身分だったわけです。この記事は神奈川県での出来事であるとはいえ、給食について、今の子供たちがこんなひどい状況になっているとは?と改めて思いました。

                                                               

                                                               ポイントは2つあると思います。

                                                              ●多くの保護者は校内で調理する「自校型」を希望したが、施設整備に4億5000万かかると試算されて断念した

                                                              ●製造と配送を業者に委ねることで初期費用が1500万円で済む「配達弁当型」を採用した

                                                              という点から、

                                                              〇楡濱瀏の需要が4億5000万円あったにもかかわらず、予算がない?という理由で施設整備をしなかった

                                                              公務員採用せず、値段が安い業者に委ねた

                                                              という点です。

                                                               

                                                               

                                                               ここでもう一つヤフーの知恵袋に掲載されているQ&Aを記載させていただきます。

                                                              『給食調理員(公務員)の年収850万円は高いか?

                                                               

                                                              Q.給食調理員(公務員)の年収850万円は高いか安いか

                                                              小学校の給食費=実質900円が高いか安いかは以前お伺いしたことがあります。
                                                              「給食、実は1食あたり900円 人件・設備費…パパより豪華!?」
                                                              900円でも子どもたちが美味しい給食が食べられるのなら気になりません。
                                                              では、給食調理職員(地方公務員)の年収851万円(都内O区)は
                                                              高いのでしょうか安いのでしょうか。一日一食、単一メニュー、実働180日の勤務です。
                                                              お昼前後だけの仕事なら、全員が全員フルタイムの公務員でなくても、
                                                              パートタイムの方を雇えば人件費=税金も8分の1以下に抑えられるような気も致します。
                                                              週刊文春 公務員の生活おいしすぎる特集」を参考に質問致しました。

                                                               

                                                              A.記事の詳細がわかりませんが、平均賃金でしょうか、もらっている人もいるというのでしょうか。
                                                              東京都自体の公務員給与がいいので、単純には比較できないと思います。
                                                              年齢もありますので・・・
                                                              設備費・減価償却・水道光熱費を考えるとこちらは、設備の回転率に限界があるので
                                                              固定費は低減できませんので、1/8への減少は難しいでしょうが、
                                                              人件費自体は半分くらいに減らせるでしょうね。
                                                              うまくすれば、総額的には概算で1/4程度は減少できるかもしれませんね。
                                                              なお、現在多くの自治体で調理員は、正規雇用ではないようです。
                                                              ただし、昔雇った人は解雇できないので、公務員で残っていますのでここの給与が
                                                              非常に高くなっています。
                                                              団塊の世代が抜けると、一気に平均賃金も急落すると思います。
                                                              公務員自体は若い層の給与は、昔と異なりずいぶんと下がっています。
                                                              ちなみに、公務員が作るから美味しい給食が担保できるわけではないのは事実です。
                                                              調理員に民間が入ったところの方が、美味しい給食を作る場合があります
                                                              ただ、単純な入札にすると、必ず業者は利益を目的にするため、食材費を削ります。
                                                              その意味で、管理栄養士は正規雇用で、調理員は派遣かパートというので良い気もします。
                                                              (もっとも、現在はほとんどその流れのようですね)
                                                              給食の質を維持したまま、費用を減少させ、かつうまい入札制度を導入できるように
                                                              制度を考える必要がありますね。』

                                                               

                                                               

                                                               Q&Aで指摘しておきたいことは、ベストアンサーの回答者の回答内容がコスト削減しても品質が変わらず、おいしい給食を作る場合があるとしている点です。

                                                               例えばおいしい給食の定義って何でしょうか?食べ残しの割合でも調査した数字があるのでしょうか?カロリー計算で、他の弁当よりも数値が異なるといったトレンドがあるのでしょうか?うまみ成分の割合でも調査した数値があるのでしょうか?

                                                               このような抽象的な言い回しで言われると、「あぁそうなのかなぁ!公務員でなくてもいいのかぁ!だったら民間にすればコスト削減につながるし、それがベター!」なんて考える国民が大多数なわけです。

                                                               

                                                               少なくても、美味しい給食の定義を明確にしていただくことに加え、調理員に民間が入った場合においしい給食を作る場合があるケースについて、波及課程を示していただきたいものと思います。

                                                               

                                                               そして、回答の全体の印象として受けるのが、公務員ではなく民間に委託した方がいいというスタンスであること。もちろん表現の自由がありますので、それ自体が悪いということではありませんが、少なくてもマクロ経済的な話をすれば、デフレ環境下において、公務員削減して人件費が半分の安い民間業者に委託したとなれば、間違いなくコスト削減=名目需要削減で、経済が縮小します。

                                                               

                                                               私は学校給食の調理員の給料が850万円であったとして、それでいいと思います。雇用が安定して850万円の年収がもらえていれば、その人は普通に家を建てることができるでしょうし、車も持てるでしょうし、多くの消費をすることも可能です。

                                                               少なくても、今の介護の現場で、若い人が年収250万とかで働かされているのと比べれば、消費購買力の大きさという意味でも、デフレ脱却という意味でも850万円で全く問題ないわけです。

                                                               

                                                               施設整備4億5000万を投じて、公務員を採用して調理員と栄養士を採用すれば、おそらく継続的な施設のメンテナンス整備も必要です。

                                                               また初期費用について、「自校型」をやめて「弁当配送型」にしたということは、企業経営でいえば、コスト4億5000万を1500万まで削減できたということになりますが、マクロ経済でみれば需要4億5000万→需要1500万と、需要が4億3500万削減されたということになります。本来、もっと経済成長するはずだったのに、経済成長する伸び幅が激減したと言えるわけです。

                                                               

                                                               規制緩和推進論者からすれば、民間業者が新規に1500万円の初期費用と、継続的な取引で弁当を製造して届ける仕事が作れたということになります。コスト削減できたうえに、民間事業者の新しく仕事が増えた、雇用が増えた、弁当業者にとってマーケット開拓したとなるわけです。

                                                               ですがマクロ経済でみれば、仕事について民間業者がやっても公務員がやっても支出=需要=分配は同じであり、分配が民間業者か、地方公務員かの違いだけです。初期費用1500万と設備整備4億5000万でいえば、支出を削減した分、需要も削減し、業者のもらい分の分配も減ったということになるわけです。

                                                               

                                                               それよりも何よりも、私は公務員として働く給食のおばさんというのは、素敵だと思います。民間業者を全否定するわけではありませんが、公務員で850万の給料を得てそういう人たちばかりがいる日本と、安い給料で働かされてしかも雇用が不安定な人たちばかりがいる日本と、どっちが魅力的か?といわれれば、前者に決まっているからです。

                                                               

                                                               大体、予算がないという理由で「校内型」にしないのもおかしい。確かに大磯町にも神奈川県に通貨発行権はありません。それこそ、その地域を代表する国会議員や県会議員を使って、大磯町と神奈川県が一体となって、給食を管轄する所管庁の文科省に予算を付けるよう働きかけをするというのが、その地域を代表する議員の仕事だと考えます。そうした地元民に「利益誘導」もできない議員が、「私は皆さんの声を国政に届けます!」なんて演説していたとしたら、「なに寝言(ねごと)言ってんだよ!」という話です。

                                                               

                                                               もちろん文科省を動かすとなれば、その上の財務省がいます。ここでプライマリーバランス黒字化というのがあると、「じゃぁその代り、他のものを削ってね!」となるわけです。その意見が出た時には「日本は財政破綻するはずないだろ!デフレだから需要創出が必要。大磯町の地域経済の発展にもつながるわけだから、財政破綻とかウソデタラメ言わないでさっさと予算を付けやがれ!」とでも言ってやればいいのです。(実際は、所轄官庁のキーパーソンを抑えて外堀埋める形で交渉を進めていくことになるでしょう。感情的になってはうまくいかないでしょう。あくまでも考え方をわかりやすくするために、汚い言葉を使っています。)

                                                               

                                                               

                                                               というわけで、今日は教育の現場の荒廃ということで、その中で給食について取り上げさせていただきました。ヤフーのQ&Aのベストアンサー回答者にしても、完全にデフレ脳になっています。デフレ化においては、公務員のままで問題がないのに、コスト削減の話ばかり。こうして政府や地方自治体にまでコスト削減を求めようとしているのが、今の日本の縮図であり、本当のガンだと私は思うのであります。


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