電力会社の社是は電力の安定供給

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     今週末は3連休となりますが、大型の台風が上陸するというニュースがあります。2019年度のついこの前、台風15号で千葉県全域で長期間停電となるなど、大きな爪痕を残しました。そこで今日は「電力会社の社是は電力の安定供給」と題して論説します。

     

     台風15号では、一時34万軒が停電しただけでなく、2万戸が断水。固定電話は10万回線、インターネットは7万回線が不通となりました。

     

     一部では中継基地の非常用電源が止まってしまった場所もあり、電波がダメになってスーパーやコンビニエンスストアなどが、営業できなくなってしまいました。

     

     私は改めてインフラの大切さを感じます。

     

     かつては電話だけでいえば、電話機がシンプルな機会だったため、停電になっても電話は通じていました。今は電気がないと電話機も携帯電話も動きません。

     

     21世紀になって電気に対する依存度はどんどん高くなっているため、電気が止まるとあらゆるものがマヒしてしまう傾向が強くなっていっているといえます。

     

     家電製品は当然のこと、水道、電話、医療、工場、交通、信号機などがすべて止まります。

     

     工場も稼働できず、いろんなビジネスが全部止まります。即ち千葉県の経済がすべて止まったということです。

     

     仮に1週間止まったとして、被害を受けていた1週間の前後は全く影響がなかったとしても、1年間で50週のうちの1週間、即ち50分の1のGDPが減ることになります。

     

     GDP3面等価の原則で、生産=消費=所得であるため、生産が1週間できないとなれば、GDPは50分の1即ち2%も下がってしまうということになるのです。

     

     GDPが2%減るとなれば、所得が2%減ることにもなり、その波及効果まで考えれば、2%以上の賃金が下がるということも普通にあり得る話であって、もし3%賃金が下がったとすれば、増税で3%引き上げられたことと同じです。

     

     したがって電力は災害時であっても安定供給されるということが一番大事であるということを、多くの日本人に知っていただきたいと私は思っています。

     

     因みに関西電力や東京電力といった電力会社の社是は「電力の安定供給」です。電力会社は、戦前から戦後一貫して電力を安定供給して社会を支えるという矜持・誇りという目的意識のもとで電力ビジネス、電力企業は運営されてきました。

     

     ところが近年はミルトン・フリードマン的な新自由主義が蔓延って、電力業界でも電力自由化や発送電分離など、政府が勝手に電力会社に金儲けしろと圧力をかけ、電力の安定供給という目的意識が減っているのではないでしょうか?

     

     意識が減るだけならまだしも、電力自由化で価格競争に陥り、原発を止められて利益が出せないこともあって、お金がなくて電力の安定供給ができなくなっているという側面もあると私は思っています。

     

    <電飾10社の設備投資金額の推移>

    (出典:東京電力のホームページ)

     

     上記グラフは、1985年以降のデータで、途中1986年〜1969年、1991年〜1994年と1996年を除き、電力10社の設備投資金額の推移を表したものです。

     

     グラフを見て一目でわかると思いますが、1995年に4兆4,420億円がピークで、1995年以降電力自由化が始まってからは、ほぼ右肩下がりとなり、2005年の1兆4,979憶円を底に少し増えて2兆円前後で推移しています。ピークから半分の投資額に留まっていることが明らかにわかります。

     

     もし、1995年の電力自由化をやっていなければ、電力会社10社は、社是である電力の安定供給を目的として、設備投資を増やしていたはずに違いありません。

     

     あらゆる想像力を働かせ、たとえ100年に1度の災害であったとしても、それに備える投資ができていたかもしれないのです。

     

     そうした投資をちゃんと継続していれば、電柱の地下埋設事業も進み、今年の台風15号で発生した千葉県の停電は回避できたかもしれません。

     

     

     というわけで今日は「電力会社の社是は電力の安定供給」と題して論説しました。

     ミルトン・フリードマン的、あるいは竹中平蔵的な自由主義が正しいとは私には到底思えません。特に電力はインフラの中のインフラであり、電力が止まれば停電だけでなく、断水もあればガスも電話も止まるということで、電力インフラの大切さというものを私たち日本人は改めて認識するべきであると私は思います。

     

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       皆さんは電力自由化についてどのようにお感じになるでしょうか?電力が安くなることはいいことだ!と思われる人も多いことでしょう。何しろデフレでモノ・サービスについて値段を下げなければ売れない状況ですので、電気料金をコストと考えれば、安くなった方がいいに越したことはないというになろうかと思います。

       来年の2020年4月からは、発送電分離が始まります。その一方で、つい先日の台風15号で千葉県で大規模な停電が発生するなど、電力サービスの弱体化も進んでいます。そこで今日は「1995年から始まった電力自由化は正しかったのか?」と題して論説します。

       

       今回の千葉県の大規模停電は、想像を絶する状況で、何しろ当初は9/11までに全面復旧させる見通しをしていたにもかかわらず、落雷や新たに見つかった不具合など、予想以上に被害が広がっていたということで、復旧作業が進まなかったとしています。

       

       その一方で暑い残暑の中、エアコンが使えないという家庭がたくさんあり、悲惨でした。

       

       原因は電柱が倒れたことにありますが、電柱というのは台風が来たら倒れるというのは過去の経験でも明らかだったはずです。本来ならば一早く電線の地中化を進めていく必要があったのですが、それができませんでした。

       

       私が思うところ、その理由は大きく2つあると考えます。

       

       一つ目の理由は1995年から始まった電力自由化であり、二つ目は原子力発電所の稼働を停止していることです。

       

       電力自由化は、これまで下記の経緯を辿りました。

       

      1995年 制度改革 電力卸売自由化

      1999年 PPS解禁 特別高圧小売り自由化

      2003年 制度改正 高圧部門小売り自由化

       

       この過程で電力会社10社全体の投資金額を比較すると、1995年の4.4兆円をピークに減少し、半分以下程度の2兆円にまで激減しています。

       

      <電力10社の設備投資(工事資金)の推移(単位:億円)>

      (出典:東京電力のホームページ)

       

       上表の通り、1995年の自由化ですら、4000億円近い投資金額の減少をもたらしました。2013年までしかデータはありませんが、一番ひどいときは2005年で1.5兆円弱にまで設備投資の金額が激減しています。

       

       現代は、もっと激しく自由化をしているため、大手電力会社は投資に回す資金がなくなっています。そうやって厳しい経営環境の中で、電柱を地中化するという投資ができなくなっている中で、原発まで止められているため、電力会社で何が起きているか?といえば、電力会社が投資できない状況になっているのです。

       

       当然、電力システムの老朽化が止められず、電力サービスの安定供給のための強靭化投資が全くできていません。

       

       原発を止め、電力を自由化するという政府の愚策によって、政府が意図的に行ったことによって、今回の台風15号での大規模停電に引き起こされたという側面が明確にあるのでは?と私は思います。

       

       また台風15号では、太陽光発電所で火災が発生し、国内最大の水上メガソーラーがある千葉県君津市内のダムで、湖面に整然と敷き詰められた太陽光パネルが強風でめくり上がり、無残な姿となっただけでなく、黒鉛も激しく立ち上がりました。

       

      <山倉水上メガソーラーの太陽光発電の火災>

      (出典:ASOBEYA@ユニオンリバーオフ&キャラフェスお疲れ様でした。 のツイッターから)

       

       再生可能エネルギーの普及は、電力の安定供給の阻害要因になる以外の何物でもありません。2018年の西日本豪雨でも、太陽光パネルが斜面部分で大きな被害を受けました。

       

       もともと斜面は雨が降れば雨が浸み込みます。ところが太陽光パネルは雨が浸み込むことはないため、シャーッと水が流れ、大量の水が太陽光パネルの下に落ちて、そこが急激に脆弱化してガサッと全部崩壊するのです。

       

       また2018年の台風被害では、マンションなどの家屋の屋上の太陽光パネルが損傷し、産業廃棄物処理ができるできないといった問題も露呈化しました。

       

       さらにいえば、曇っていようが、大雨であろうが、日本国民が同じ量の電気を使うことは普通にあり得る話であり、供給の増減にかかわらず、必要とする発電量は同じであるため、太陽光発電が稼働しない場合は、安定供給ができる火力発電所を中心に稼働させるということになります。本来ならば、原子力発電所が稼働されていれば、なお安価な電力の安定供給に資することが可能になるのです。

       

       こうした事実を総合的に考えると、電力の安定供給ができない太陽光発電が本当にいいことなのか?考えるべきであると私は思います。

       

       

       というわけで今日は「1995年から始まった電力自由化は正しかったのか?」と題して論説しました。

       

       

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         台風15号は、千葉県を中心に大きな傷跡を残しました。そこで今日は「台風15号による千葉県の停電を引き起こした電力会社の電柱問題」と題して論説します。

         

         発生当初、千葉県では40万弱の戸数が停電し、2万件以上もの家屋で断水が発生。市民生活へ大きな影響を与えました。東京電力によれば、台風15号による停電被害は、台風による被害としては、被害戸数、被害期間としては過去最大級で、他の電力会社から応援を受けて復旧に当たっているものの、現地で実際の被害を確認したところ、山間部の電柱で想定よりも激しい損傷が見つかり、復旧が進まなかったとのことでした。

         

         電柱というシステムが何をもたらしたか?といえば、電柱による電線というのが自然災害に対して脆弱であるということを私たちに教えてくれたということです。

         

         エネルギーシステムの強靭化という観点でいえば、電柱という存在そのものが問題で、本来ならば地中化すべきであって、諸外国、特に先進国では電柱が地中化されていることが半ばスタンダードになっています。

         

         フィリピンなどの発展途上国では電柱というシステムは未だ普通に存在していますが、そうした国は貧乏であるため、やむを得ないでしょう。

         

         日本は純資産大国という金持ち国家であるにも関わらず、なぜこんなにまで電柱が存在しているのでしょうか?

         

         その大きな理由は、東京電力にしろ、関西電力にしろ、電力会社が民間企業であるということに起因すると私は考えています。なぜならば、民間企業の株式会社となれば、経費削減の圧力をかけざるを得ないところがあり、諸外国のように経費を湯水のように使える状況にないからのです。

         

         そんな環境の中で、経費を浮かすために電柱システムを温存し、他に経費をかけていくというのが、民間会社としての悲哀だったともいえるでしょう。

         

         それでも日本国内では、電柱地中化という議論があるのですが、大変残念なことに、2018年の台風24号に続き、2019年も台風15号によって、こんなことになってしまいました。

         

         電柱というシステムを早くやめて、先進国レベルにしていく必要があるものと私は思います。

         

         今回の台風15号でいえば、東京電力が送電関連の設備投資を抑制したことで、電柱の老朽化が進み、電柱の倒壊を増やしたと言われても仕方がないといえるでしょう。何しろ、何十年に一回あるかないか?の災害のために設備投資をするということは、株式会社組織では難しい。中期経営計画ですらせいぜい3年〜5年で策定されるのであって、3年〜5年以内で必ず来るのか来ないのか?わからないことにお金を費やすというのは、民間会社では難しいです。

         

         100歩譲って株式会社化しても、株式を政府が100%保有するなどであれば別ですが、日本の電力会社は普通に東証1部に上場し、配当利回りが良い銘柄として多くの国内の投資家に保有されていたりもします。

         

         安定配当を求める投資家に応じて配当を出すために投資を抑制した結果、今回の2次災害をもたらしたといえるでしょう。

         

         台風15号で千葉県内で断水したのは、停電で浄水施設が可能できなくなったためですが、井戸水の家庭も電気ポンプなので水をくみ上げることができず、9/11は気温が30度を超え、その日はPM16:00までに48人もの方が熱中症の症状で搬送されるという状況でした。

         

         それだけにとどまりません。例えば養豚場や養鶏場では、大型ファンが止まり、熱に弱い豚や鶏が死にました。

         

         また鶏卵を運ぶベルトコンベアーが動かず、卵の値段が値上がりするなどの影響も出ました。

         

         氷を欲している人も多く、冷たいものを飲むというより子供が熱を出しているとか、老人が氷枕に入れたいというニーズで、氷のニーズが高まり、さらには水道が止まるということで、お風呂やトイレもままならないといった状況でした。

         

         私の知り合いが、千葉県の木更津市に住んでいますが、メールで状況を聞いたところ、停電と断水で窮状に喘いでいるようでした。何しろミネラルウォーターなどの水では全く足らず、お風呂やトイレや洗濯ができないとのことでした。

         

         その知り合いは、9/22には連絡があり、電気も水道も完全復旧したと連絡がありましたが、実に10日超もの間、インフラが使えなかったわけで、これは大変なことと思いますし、復旧にこれだけ時間がかかる日本は、もはや先進国ではないと実感します。

         

         近代国家、現代文明社会というのは、いろんなものがありますが、その一番の根底に、電力インフラシステムというのがあり、それが止まると全部止まってしまいます。

         

         だから電力の安定供給は、本当に大事であり、電力を安定供給できない再生可能エネルギーを推進する国家の政策に対して、疑問符をつけるべきではないかと、思います。

         

         電力の安定供給の大切さを、改めて日本国民が認識し、学習すべきであるとも私は思うのです。

         

         

         というわけで今日は「台風15号による千葉県の停電を引き起こした電力会社の電柱問題」と題して論説しました。

         

         

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           今日は「有志連合によるシーレーンの防衛について」と題して論説します。

           

           下記は日本経済新聞の記事です。

          『日本経済新聞 2019/08/06 07:31 米、有志連合へ「同盟国は参加を」 英国に追随期待

          【ワシントン=中村亮】米国防総省は5日、中東のホルムズ海峡で民間船舶の安全確保に向けた有志連合構想に英国が参加すると決めたことについて「歓迎する」との声明を発表した。英国との協力に加えて「民間船舶の航行の自由という共通の目標を持つ同盟国との連携に期待している」と強調し、他の関係各国にも参加を呼びかけた。

           英国の決定は有志連合への参加国を増やしたい米国にとって追い風になりそうだ。ポンペオ国務長官は4日、訪問先のオーストラリアでのインタビューで有志連合をめぐり「イランの行動を抑止するとともにホルムズ海峡の物流に依存する豪州や日本、韓国の経済を守るために包括的な計画が必要だ」と指摘し、参加を促した。

           エスパー国防長官も2日、訪問先の豪州に向かう機内で記者団に対して、7月25日に開いた有志連合の説明会に30カ国以上が参加したと説明。「さまざまなレベルでの約束があり、なんらかの発表を近くできるだろう」との見通しを示していた。

           ホルムズ海峡では5〜6月にタンカーを狙った攻撃が相次ぎ、米政権はイラン革命防衛隊の関与と断定した。イランは関与を否定している。一方で、イランは7月に英国などの石油タンカーを拿捕(だほ)しており、航行の自由に悪影響が出ている。』

           

           上記記事は、米国防総省がシーレーン防衛で、航行の自由の目標を持つ同盟国に対して連携をと呼びかけていて、英国が有志連合に参加すると決定したことを報じています。

           

           有志連合への参加は、日本も協力を要請されています。岩谷防衛大臣は、来日していた米国のエスパー国防長官と防衛省で会談し、原油の安定供給の確保、同盟国米国との関係、イランとのこれまでの友好関係など、様々な角度から検討すると述べました。

           

           ホルムズ海峡の航行の安全確保を巡っては、自衛隊の独自派遣を軸に検討しているという報道もあります。なぜならば米国が呼びかける有志連合の傘下に入ることは、日本の国内の法的ハードルが高いことに加え、イランとの関係悪化が懸念されているからです。

           

           自衛隊単独での警戒、監視、情報収集などを通じて日本の役割を果たすという考えもありますが、構想の全容が見えないため、日本としても他国の参加状況を見極めているというのが現状でしょう。

           

           私が思うところ、米国が呼びかける有志連合について、行っても行かなくてもどちらも選択肢としてあり得ると考えます。

           

           もし行くなら行くということで、シーレーン防衛も自衛隊の任務の一つであるため、わが国の独自の自衛権の発動のために行くという立て付けでOKです。日本国民に対しても、米国に要請されて圧力に屈して行くのではないことを国民に説明し、納得できれば行くということで問題ないでしょう。

           

           それができない場合は、行くべきではないですし、米国に対しては日本の法律があって行けない旨を回答すればいいだけの話です。

           

           一番ダメなのは、法律的には行けないが、米国から要請された以上、日本と米国の関係が悪くなっては困るので、特別措置法を国会で数の力で通して、とりあえず参加する方向でいくというのが、一番ダメな選択肢です。というより今の安倍政権の運営だと、きっとこのダメな選択肢を取ることになるでしょう。ずっと米国の妾のような存在で、自国の主権がないという点で、本当に情けない選択です。

           

           「自国を防衛する・シーレーンを防衛する」と同時に、「(他国の意向と無関係に)日本国家の主権を守る」という2つの問題を同時に説かなければならないのが、このシーレーン問題です。

           

           にもかかわらず、現実は「主権を放棄するなら参加する」「主権を放棄しないなら参加しない」、即ち「主権を守るなら有志連合に参加しない」「主権を放棄して米国の属国として行く」という選択肢になっている点が問題であるといえます。

           

           主権を守りながら、かつ防衛もするという体制にならなければならないのに、いずれの選択肢も「自国を防衛する・シーレーンを防衛する」と同時に、「(他国の意向と無関係に)日本国家の主権を守る」という2つの問題を解いていません。

           

           2つの問題を解くためには、自主防衛の日米同盟、安全保障条約と憲法9条と地位協定を改定し、本当に同盟国として参加すべきか?参加は見送るべきか?を決めればいいのですが、おそらく米国の属国(=妾)として特別措置法を制定していくことになるでしょう。

           

           

           というわけで今日は「有志連合によるシーレーンの防衛について」と題して論説しました。

           この有志連合構想は、参加国ができることをやるという話でもあります。そのため、イランが有志連合に参加するなら日本も参加するというなら、日本としても筋が通しやすい。あくまで海賊対策であるため、イランも一緒にシーレーンを防衛するということならば、筋が通る話です。

           米イランが戦争になり、日本がその片棒を担がされるような状況であれば、最悪は行かないということになるでしょうが、イランも海賊から守るということならば参加すると意思表示することは、一つの案であると私は思います。

           

           

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             今日は「安定電源に全く役にも立たない再生可能エネルギーが買取から入札へ!」と題して論説します。

             

             日本経済新聞の記事を紹介します。

            『日本経済新聞 2019/06/13 太陽光や風力発電、買い取りから入札へ   事業者に競争促す 弱い送電網、普及に壁

             経済産業省は太陽光や風力発電の事業者がつくった電気を大手電力があらかじめ決めた価格で買い取る制度を終了する。買い取り費用の増加で消費者の負担が高まっており、新たな競争入札制度を導入してコスト低減を進める。2020年にも関連法を改正する。政府は再生可能エネルギーを今後の主力電源として拡大する方針だが、遅れが目立つ送電網の整備などまだ課題も多い。

             経産省は12年に固定価格買い取り制度を導入した。再生エネの電気を国が決めた固定価格ですべて買い取る仕組みだ。費用は電気料金に上乗せされる。

             買い取り費用は19年度で約3.6兆円にのぼる。うち家庭や企業に転嫁する分は約2.4兆円まで膨らみ、見直しの必要性が指摘されていた。経産省は対策として、ドイツなど欧州各国がFITの替わりに導入を進めている方式を取り入れる。

             50〜100キロワット超の中・大規模の太陽光や風力の事業者には、自ら販売先を見つけたり、電力卸市場で売ったりすることを求める。価格は取引先との交渉や市場の状況で変わることになる。

             固定買い取りのメリットをなくす替わりに、卸市場で電力価格が急落し基準価格を下回った場合は国がその分を補填する。この措置を受けられる事業者は基準価格に関する競争入札で選ぶ。

             入札に参加する事業者は自社の発電コストを考慮しながら基準価格の候補を出し、経産省はその価格が低い順に一定数の事業者を認定する。基準価格は落札した事業者ごとに違う価格になる見通しだ。入札は数カ月ごとなど定期的に実施する。

             落札した事業者は市場価格の急落時でも損失が膨らむリスクを回避でき、中長期的に投資を進めやすくなる。一方、高く売れる取引先を見つけるといった経営努力が必要なため、事業者間の競争が進んで電気料金が下がる効果が見込める。

             小規模の事業用太陽光や家庭用の太陽光では買い取り制度自体は残すが、買い取りは全量でなく自家消費で余った分だけにする。買い取りにかかっていたコストは大幅に削減できる見込みだ。

             月内に経産省の有識者会議で案を示し早ければ20年の通常国会に関連法の改正案を提出する。

            政府は再生エネの構成比を17年度の16%から30年度に22〜24%に高める目標を掲げる。ただ普及拡大には買い取り制度以外にも課題は多い。

             特に大きな障害は送電線の能力不足だ。九州地方では送電網や本州との連系線が足りず、発電の抑制を求められる事態が頻発する。東北地方では稼働していない原子力発電所用に送電線が確保され再生エネ事業者が使えない問題もある。電力を確実に届けるインフラの整備を急ぐ必要がある。』

             

             上記記事の通り、経産省は太陽光や風力発電事業者が作った電気を、大手電力があらかじめ決めた価格で買い取る制度を終了し、入札制度に移行すると報じています。理由は買取費用の増加で、消費者の負担が高まっているためで、新たな競争入札制度を導入してコストの低減を進めるとしています。

             

             この再生可能エネルギー固定価格買取制度の抜本的な見直しに至った背景は、国民負担を抑制しながら再生可能エネルギーを主力電力・電源に育てるためとしています。一方で記事にもありますが、地域を超えて電力を届ける送電網等の整備が欠かせないという課題も指摘されています。

             

             私は、この再生可能エネルギー固定価格買取制度は、もともと不条理な制度であると認識しています。誰でもいいから再生可能エネルギーを始めたら電力会社が買い取る義務があるという制度で、電力会社としては買取るが、そのコスト上昇分は利用者に補填させるという点が、極めて不条理です。政府が介在していないので税金ではないものの、一般消費者や企業にとっては電力税のようなものになっていたため、デフレ圧力にもなっていたといえます。

             その上、電力サービスの付加価値は安定電源であるため、天気や気候で安定的に電源を供給できず、しかも電気を作りすぎるとブラックアウト(停電)さえ引き起こすということで、安定電源に全く役に立たないエネルギー安全保障の弱体化に拍車をかける制度であると私は思っています。

             

             今回、入札になるとなれば、電力会社が買わなくなる可能性があります。関西電力や東京電力などが高いという理由で買わなかったとしても、それは仕方がない話です。そこに乗っかって甘い汁を吸っていた業者を切り捨てるという話でもあります。

             

             ただ財務省が認めたのか?真意が不明ですが、関西電力や東京電力が安く買い取ったとして、基準価格を下回った場合、その差額を政府が税金で補填をするということになっています。

             

             例えば100円で買っていた電力が、入札制度で80円で買うことになったとして、基準価格が90円だったら、その差額10円を政府が持ち出して補填する仕組みです。なので、利用者負担ではなく税金を使って再生可能エネルギーを普及するようにしたとみることもできます。

             

             とはいえ、プライマリーバランス黒字化目標があるので、そこに税金を使うとなれば、他の予算を削減することになるでしょう。

             

             再生可能エネルギーの普及のために税金を使うということ自体がバカバカしい話で、大容量の蓄電技術の開発を続ける日本ガイシ(証券コード:5333)などの投資を後押しするとか、科学技術支援に税金を使った方がいいのでは?と私は思います。

             

             何しろ大容量蓄電技術が確立されていない今、再生可能エネルギーを推進すればするほど、電力サービスが不安定になるということでエネルギー安全保障の弱体化が進むからです。

             

             

             というわけで今日は「安定電源に全く役にも立たない再生可能エネルギーが買取から入札へ!」と題して論説しました。

             

             

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            安倍首相のイラン訪問の成果について

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               今日は安倍首相のイラン訪問について意見したいと思います。

               

               下記は日本経済新聞の記事です。

              『日本経済新聞 2019/06/14 23:37 首相、タンカー攻撃「断固非難」 日米首脳が電話   トランプ氏、イラン訪問に謝意

               安倍晋三首相は14日夜、トランプ米大統領と約30分間電話した。トランプ氏は首相のイラン訪問について謝意を伝えた。中東ホルムズ海峡近くで日本などのタンカー2隻が攻撃を受けた事件に関して話し合った。首相は協議後、「いかなる者が攻撃したにせよ、船舶を危険にさらす行動に日本として断固非難する」と強調した。

               両首脳は中東地域の安定へ日米で連携する方針を申し合わせた。首相は「すべての関係国が緊張を高める行為は厳に慎むべきだ」と訴えた。「地域の平和と安定、世界の繁栄のために今後とも国際社会と緊密に連携しながら努力を重ねたい」と述べた。

               首相は12〜14日にイランを訪れ、最高指導者ハメネイ師やロウハニ大統領と会談した。「軍事衝突は誰も望んでおらず、現在の緊張の高まりを懸念している」として米国との対話を促した。ハメネイ師は「核兵器の製造も保有も使用もしない。その意図はないし、すべきではない」と語った。

               トランプ氏はイランとの話し合いに消極的だ。13日にはツイッターで「個人的には(イランと)取引するのは時期尚早だ」と記した。

               タンカー攻撃を巡ってポンペオ米国務長官は記者会見で「イランに責任がある」と語った。収集した情報や使用された武器を総合的に検証した結果と説明した。日本政府は証拠を示すよう米政府に求めた。イランは事件の関与を否定している。

               電話協議に先立ち首相は都内の会合で、イラン訪問について「緊張緩和に向けてできる限りのことをしたいとの思いで訪問した」と説明した。「様々な困難が伴うが、絶対に武力衝突があってはならない」と強調した。』

               

               

               上記は日本経済新聞の記事です。安倍首相は日本時間で6/12(水)にテヘランでロウハニ大統領と会談しました。その後、翌日の6/13(木)朝にオマーン湾で、日本の国華産業(株)が保有する石油タンカーと、台湾の台湾中油が保有する石油タンカーが攻撃を受けました。未だ犯人は特定できていませんが、日本の安倍首相、米国のトランプ大統領がともに非難したというニュースです。

               

               タンカー攻撃の前に、そもそも安倍首相のイラン訪問について意味があったのか?と私は思います。安倍首相がイランを訪問した理由は、米国とイランが対立しており、仲介役として今回イランを訪問したということになっています。

               

               もともと米国とイランがなぜ対立して緊張が高まってしまったのか?イランによれば、その理由は、米国がイランに仕掛けた経済戦争が原因であると主張しています。イランは、米国側がこの経済戦争をやめれば、地域と世界に前向きな進展が訪れるだろうと述べており、さらにイランとしては相手国が米国だろうがどこの国であろうと、いかなる戦争も始める側にはならないが、もし戦争を仕掛けられれば、断固たる措置を取るとして、米国をけん制していました。

               

               もちろんロウハニ大統領は米国との戦争は望んでいません。今回の会談でロウハニ大統領は、米国のトランプ政権に対して、特に原油禁輸制裁の停止を要求していることについて、安倍政権に対してトランプ大統領に伝達することを依頼したとされています。

               

               なぜ米国がイランに経済戦争を仕掛けたか?というと、2015年7月にオバマ政権のときに米国はイランと核合意をしました。ところがトランプ大統領は、オバマ政権が合意した内容が手ぬるいということで2018年5月に一方的に破棄しました。特にイランが悪いことをしたわけではなく、イランからみれば米国政府と2015年7月に合意した内容を守っているにもかかわらず、トランプ大統領が一方的に勝手に破棄したという状況であるため、どちらかといえばイランの主張の方に正当性があるものと私は思います。

               

               一方、日本とイラクの関係でいえば、『海賊と呼ばれた男』という小説にもなった物語にある通り、第二次大戦直後に、出光さんという人の日章丸というタンカーで、英米石油資本を敵に回したイランから、日本が石油を輸入したときから、日本とイラクの友好関係が始まっています。

               

               第二次大戦後、民主主義の高まりにより、イランが自国の石油は自国の裁量で売らせて欲しいと主張したところ、英国が激怒しました。そして英国はイランを封鎖して、イランから原油を出すタンカーは撃沈すると宣言しました。

               

               このように世界の石油資本を敵に回して四面楚歌だったイランを、日本の出光さんが日章丸というタンカーをイランに派遣し、イギリス海軍に撃沈されるかもしれないというリスクを背負って、原油の輸入に成功し、イランの原油輸出を助けたのです。

               

               その後、イラン革命が起きて、パフラディ―国王を米国がかくまったために米国とイランは戦争状態となり、イランは米国と仲が悪くなりましたが、日本だけは上述のような歴史的な経緯があって仲が良いのです。

               

               そこで今回、米国とイランの緊張が高まった状況を緩和するための仲介役を買って出たとされています。もちろん、これでうまく緊張が緩和できるような成果が出れば、大きな手柄になったといえるでしょう。

               

               実際は、今回の外交はどうだったか?といえば、成果は乏しいものだったのではないでしょうか?

               

               そもそも核合意を巡って対立を深めていた米国とイランですが、日本にとっては核合意は関係のない話です。そのため、安倍首相は米国から聞いた話をロウハニ大統領に伝言しただけに過ぎず、一方でイランからは米国に対して経済戦争を辞めるように伝えて欲しいと言われただけです。正直なところ「安倍首相のイラン訪問=”ガキ”の使い」と言われても仕方がないのでは?といえます。

               

               2015年7月に米国とイランで合意された核合意とは、オバマ政権が働きかけて歴史的にイランと和解し、イランのみならず国際社会で外交を良好に進めるということでイランも承諾して合意したものです。

               

               ところがトランプ大統領が勝手に反故にしました。一方で欧州各国は核合意を守っていると思って核合意に沿った対応をしているため、「なぜ急に反故にするのか?」というのがイラン側にあるのも無理はありません。

               

               トランプ大統領が勝手に反故にしたのも、トランプ大統領が嫌悪している前大統領のオバマ政権が決めたことだからというだけがその理由です。

               

               万一、この程度の安倍首相の外交でうまくいくとするならば、トランプ大統領が「ちょっとカッとなって冷静さを失ってしまった!ロウハニ大統領さん、申し訳ない!」と謝ることぐらいしかありえず、果たしてそんな話になるのか?といえば、案の定、そうはならなかったというのが今回のイラン外交だったと私は思うのです。

               

               

               というわけで今日は「安倍首相のイラン訪問の成果について」と題して論説しました。

               経済では、目立った成果が出ていない安倍首相が、外交で得点を稼ぎに行ったのでは?と思われても仕方がないかもしれません。

               米国とイランの緊張の高まりは、米国とイランの核合意の件の対立の問題であったため、イラン訪問で日本に何ができたのか?非常に不明だったといえます。

               例えば米国が「ロウハニ大統領さん、ゴメン!オバマ政権の合意でいいや!」となれば対立となる障害はなくなるものの、米国は「核開発を辞めろ!許さない!」といっているわけで、トランプ大統領が「ごめん!前のオバマ政権の合意のままでいいよ!」というはずがないのは、事前にわかっていたと考えれます。

               となれば、今回のイラン訪問に何か意味があったのか?私にはまったく理解できません。経済で成果を出せない安倍首相が得点稼ぎをしようと思ったものの、外交でも得点を稼げなかった。これが事実なのだろうと私は思います。


              北海道の泊原発が震度2の地震で外部電源が喪失したというウソ

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                 今日は、「北海道の泊原発が震度2の地震で外部電源が喪失したというウソ」と題して論説します。

                 

                 私は決して原発推進ではありませんが、現実の問題を考えますと、マクロ経済的にもエネルギー安全保障的にも原子力発電所は稼働させるべきという立場です。

                 そのため、今年の北海道地震でのブラックアウトをきっかけに、電力サービス強靭化のために泊原発再稼働の議論が盛り上がるのでは?と期待していました。

                 

                 ところが一向に盛り上がる気配がありません。それどころか、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーについてポジティブに発言する人が多いと思います。

                 

                 再生可能エネルギーが素晴らしくて原発は廃炉すべきという論説は、電力供給サービスがどういうものか?を知っている人からみれば、全く間違った考えです。

                 

                 下記はAERAというサイトの記事です。

                『AERAdot. 2018/09/06 14:16 震度2で電源喪失寸前だった北海道・泊原発「経産省と北電の災害対策はお粗末」地震学者

                (前略)

                 「今回は内陸で起きた地震で、規模としてはそれほど大きなものではなかった。ただ、震源が深く、石狩低地帯は地盤が弱いところが多いため、地盤災害が広がったと思われます。余震も想定されることから、土砂崩れが起きる地域に住む人は警戒を続けてほしい。また、捜索活動を続ける人も、二次災害に気をつけてほしい」(岡村氏)
                 さらに、被災地を混乱させているのは295万戸におよぶ道内全域の停電だ。道内の信号機はストップし、固定電話や携帯電話がつながらない地域も出ている。
                 「2003年のニューヨーク大停電のとき、日本では複数の系統から電源を確保しているから、1つの発電所のトラブルが原因で広範囲の停電は起こりにくいシステムになっていると言われてきた。なぜ、こんなことが起きたのか。訓練も行われていなかったのか。今後、徹底した調査による原因究明が必要です」(岡村氏)
                 なかでも驚かされたのが、北海道電力の泊原発(泊村)で外部電源がすべて失われたことだ。泊村の震度は2。にもかかわらず、現在は非常用ディーゼル発電機で、燃料プールにある使用済み核燃料1527体の冷却を続けている。幸いにも、3基の原子炉は運転停止中だった。

                 2011年の東京電力福島第一原発事故による大きな教訓は、大規模災害が起きても「絶対に電源を切らさないこと」だったはずだ。それがなぜ、わずか震度2で電源喪失寸前まで追い込まれたのか。
                 「泊原発には3系統から外部電源が供給されていますが、北電の中で3つの変電所を分けていただけと思われる。北電全体がダウンしてしまえばバックアップにならないことがわかった。今回の地震で、揺れが小さくても外部電源の喪失が起きることを実証してしまった。『お粗末』と言うしかありません」(岡村氏)
                 北電によると、地震発生直後に同社最大の火力発電所、苫東厚真発電所が緊急停止。電力供給の需要と供給のバランスが崩れたことで周波数の低下が起き、他の発電所も運転が止まった。苫東厚真発電所の復旧は、少なくとも1週間かかるという。泊原発の非常用ディーゼル発電は最低7日間稼働できるというが、「事故にならなくてよかった」ではすまされない。
                 「北電だけの問題だけではなく、監督官庁である経産省や原子力規制委員会にも責任がある。このような事態が起きることを想定して、原発施設の電源確保の仕組みをチェックしていなかったということ。これは大問題です。近づく南海トラフ地震でも、すべての火力発電のブラックアウトを想定しておくべきです」(岡村氏)
                 現在、発電所の再稼働に向けて作業が行われているが、電力復旧のめどは立っていない。もし、泊原発で非常用のディーゼル発電が故障などで使えなかった場合は、“最後の砦”であるガスタービン電源車に頼らざるをえなかったことになる。今回の地震は「原発への電源供給」という災害対応の“基本中の基本”に問題があったことを明らかにした。(AERA dot. 編集部・西岡千史)』

                 

                 

                 言葉尻を取るのは本意ではないのですが、上述記事の赤線部をお読みいただき、皆様はどう思いますでしょうか?

                 

                 この記事の内容は、どう考えても原発に対してネガティブな記事としか言いようがありません。とはいえ、その内容が事実ならば、まだやむを得ません。

                 

                 「震度2の地震で外部電源が喪失した」記事にありますが、北海道全域がブラックアウトしたわけですから、外部電源が喪失するに決まっています。震度2の地震は、泊原発と直接の理由ではありません。「震度7の地震が苫東火力発電所を襲い、北海道全域がブラックアウトして、道内にあった泊原発の外部電源も喪失した」というのが真実です。

                 

                 震度2の地震は全然関係ないのに、あたかも震度2の地震で外部電源喪失したと煽って、原発再稼働を許さないような誘導をしているのでは?との疑義が濃厚です。

                 

                 それだけではありません。非常用電源を動かさざるを得なかったとも報じていますが、そうした非常事態のために非常用電源を置いているため、非常用電源を動かすのは当たり前の話です。

                 

                 記事後半ではディーゼル発電が故障したら、最後の砦のガスタービン電源車に頼らざるを得ないという書き方をしています。しかしながらこのネガティブな論説もまた違和感があります。

                 

                 むしろ停電したとしても原発への電源供給停止に対して「ディーゼル発電機」「ガスタービン電源車」と、非常時の備えとして2重のバックアップ体制を取っていることで、万一非常事態が発生すれば、そのときこそ、ディーゼル発電機、ガスタービン電源車の出番というだけの話ではないでしょうか?

                 

                 

                <ガスタービン電源車>

                (出典:明電舎のホームページから引用)

                 

                 

                <図1:北海道胆振東部地震の震度>

                (出典:「北海道胆振東部地震における大規模停電の発生について」の資料から引用)

                 

                <図2:北海道地震発生震源地を中心に拡大したもの>

                (出典:エレクトリカルジャパンから引用)

                 

                 

                 

                 

                 というわけで今日は「北海道の泊原発が震度2の地震で外部電源が喪失したというウソ」と題して論説しました。

                 再生可能エネルギーを称賛する人は多いと思うのですが、太陽光や風力で無理やり発電させ、電力会社に無理やり電力を買わせているというのが、再生可能エネルギー固定価格買取制度です。無理やり買わせた余分なコストは、私たちが「再エネ賦課金」として電気料金に上乗せされてコスト負担をしています。

                 再生可能エネルギー固定価格買取制度は単なるビジネスであり、いわゆるショックドクトリンという火事場泥棒に近い話です。ソフトバンクの孫正義氏が、菅直人が反原であることをいいことに原発を止めさせて火事場泥棒のごとく導入しましたが、その結果はどうでしょうか?

                 今年の台風21号、台風24号で、太陽光パネルが吹き飛ぶ事件が日本の全国で発生しています。台風を想定していなかったため、耐震基準も対台風基準もない新しい建築物だったため、全国で太陽光パネルが吹き飛びました。

                 その吹っ飛んだ太陽光パネルに、もし太陽が当たると発電してしまう危険性があります。パネルは単体で発電するため、パネル自体が発電するので大変危険です。しかも産業廃棄物としての処理方法が決まっておらず、どうするのか?解決策のメドが未だ存在しません。

                 北海道はこれから寒くなります。今この瞬間もまた大地震が来ないとは言い切れません。冬に北海道でブラックアウトとなれば寒さで凍死する人も出ることが予想されます。北海道民を自然災害から守るためにも原発は稼働しておくべきであると、改めて思うのです。

                 

                 

                〜関連記事〜

                北海道電力にブラックアウトの責任を押し付ける北海道の高橋はるみ知事の無能さ!

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                   台風24号が日本列島を縦断中です。被害に遭われた方にはお見舞い申し上げます。現在は、関東・東北・北海道地方に向かっているため、台風21号や北海道地震で被害に遭われた方々は、くれぐれも今後の台風24号の動向にご注意いただきたいと思います。

                   

                   今日は「北海道電力にブラックアウトの責任を押し付ける北海道の高橋はるみ知事の無能さ!」と題して、論説します。

                   

                   下記はNHK政治マガジンの記事です。

                  『NHK政治マガジン 2018/09/20 停電「北電の責任は極めて重い」高橋知事

                   今月(9月)6日の地震で北海道内全域で停電が発生したことについて高橋知事は、20日開かれた道議会で「停電により道民の暮らしや産業活動は重大な影響を受けており、北海道電力の責任は極めて重い」と述べて再発防止の徹底を求める考えを示しました。

                  北海道議会は20日、定例の道議会が開かれ、今月6日に発生した地震以降初めてとなる代表質問が行われました。

                   この中で高橋知事は、地震のあと道内全域で停電が発生したことについて、「停電により道民の暮らしや産業活動は重大な影響を受けており、道民の生命、財産を預かる知事として極めて深刻な事態と受け止めている。電力会社としての北海道電力の責任は極めて重いものと考えている」と述べて、再発防止の徹底を求める考えを示しました。

                   また高橋知事は、地震からの復興に向け今週中にも「緊急経済対策官民連携協議会」を立ち上げるほか、今後の防災対策に生かすため、道の災害対応を検証する専門家らによる検証委員会を設置する考えを示しました。』

                   

                   

                   上記記事の通り、北海道の高橋はるみ知事は、北海道地震によって発生したブラックアウト(大規模停電)について、北海道電力についての責任について言及しました。

                   

                   私はこの発言は、極めて問題がある発言と言わざるを得ません。なぜならば泊原発が稼働していれば、そもそもブラックアウトは発生しなかった可能性が極めて高いからです。

                   

                   しかしながら、高橋知事も北海道議会も泊原発の再稼働に否定的でしたし、今もなお泊原発稼働については触れておらず、それでいて”北海道電力の責任は極めて重い”という発言は、泊原発稼働の代替案を説明したうえで発言すべきであると思います。

                   

                   現実的には泊原発稼働の代替案は存在しません。再生可能エネルギーは不安定電源であるため、クソの役にも立ちません。もし冬に地震が発生してブラックアウトして北海道民の多くの人々が凍え死んでしまうような惨事となった場合、それでも北海道電力の責任というのでしょうか?あまりにも無責任な発言としか言いようがありません。

                   

                   北海道電力は泊原発を停止していることで、数百億円の経常損失を計上し、東日本大震災後に経済産業省に電気事業法第36条に基づく渇水準備引当金の取り崩しを申請するなどして債務超過の回避をしてきました。北海道知事も北海道議会も、北海道電力の経営体力を奪う経営環境を作っておきながら「北海道電力の責任は重い」などと発言するのは無責任すぎます。

                   

                   電気事業連合会という団体が、2018/09/27に「北海道胆振東部地震における大規模停電の発生について」という報告書を出しています。その中の資料を抜粋し、図1〜図4をご紹介します。

                   

                   

                  <図1:北海道胆振東部地震の震度>

                  (出典:「北海道胆振東部地震における大規模停電の発生について」の資料から引用)

                   

                   

                  <図2:北海道内の発電所の設置場所・発電方式・発電量のイメージ図>

                   

                   

                  <図3:北海道地震発生震源地を中心に拡大したもの>

                  (出典:エレクトリカルジャパンから引用)

                   

                  <北海道内の発電所別の電力量シェア>

                  発電所名 電力量(Kw) シェア
                  苫東厚真火力発電所 1,650,000 21.1%
                  泊原子力発電所 2,070,000 26.5%
                  京極水力発電所 400,000 5.1%
                  その他 3,689,565 47.2%
                  合 計 7,809,565 100.0%

                   

                  (出典:北海道電力のホームページから引用)

                   

                   

                  <図4:地震発生からブラックアウトとなるまでの周波数>

                  (出典:「北海道胆振東部地震における大規模停電の発生について」の資料から引用)

                   

                   

                    まず、図1〜図3をご覧いただきたいのですが、苫東厚真火力発電所がある地域は震度6〜震度7となっている一方、泊原子力発電所がある地域は、震度2〜震度3です。

                   北海道の発電所別の電力量シェアをみますと、苫東厚真火力発電所が165万Kw(21.1%のシェア)、泊原子力発電所が207万Kw(26.5%のシェア)です。仮に泊原子力発電所が稼働していれば、苫東厚真火力発電所をはるかに上回る電力量ですので、普通に電力供給できていた可能性があるのです。

                   

                   

                   続いて報告書には、地震発生から大規模停電に至るまでの状況というのが記載されています。これを時系列に記載すると下記の通りです。下記の 銑は、図4の 銑と一致しますので見比べながらお読みいただきたく思います。

                   

                  |録免生直後(地震発生〜周波数回復)

                  1.苫東厚真2,4号機停止(発電:▲116万Kw:タービン振動検知)により周波数が急低下した

                    加えて苫東厚真1号機の出力が低下した(発電:▲5万Kw:推定)

                  2.北本連係設備から緊急的に電力を受電した

                  3.周波数の低下により負荷遮断を行なった(需要:▲130万Kw)

                  4.狩勝幹線、新得追分線、日高幹線の送電線故障により、道東エリア及び北見エリアが停電(需要:▲13万Kw)、水力が停止した(発電:水力▲43万Kw)

                  5.周波数の低下により風力が停止した(発電:風力▲17万Kw)

                  6.周波数の低下が46.13Hzで止まり、回復方向に切り替わった

                  7.中央給電指令所よりバランス停止中の水力・火力発電機に起動指令を行った

                  8.北本連係設備や水力のAFC機能により周波数が一時的に50Hzでバランスした

                   

                  地震発生直後(送配電線再送電〜負荷遮断2回目)

                  9.狩勝幹線、新得追分線、日高幹線のほかの事故復旧(自動)により道東エリアが復電した

                  10. 需要追加により徐々に周波数が低下した

                  11. 中央給電指令所の指令により火力の出力が増加した

                  12. 苫東厚真1号機の出力が低下した(発電:▲20万Kw推定)

                  13. 周波数の低下により負荷遮断を行った(需要:▲16万Kw)

                   

                  ブラックアウトまで

                  14. 苫東厚真1号機停止(発電:▲10万Kw推定)したため再び周波数が低下した

                  15. 周波数の低下により負荷遮断を行った(需要:▲6万Kw)

                  16. 知内1号機、伊達2号機、奈井江1号機が停止した(発電:▲34万Kw)

                  17. 周波数の低下により水力(主に46Hz以下)等が停止するとともに北本連係設備が運転不能となった

                  18. 北海道エリアがブラックアウトに至った

                   

                   図4の周波数の変動をみると、北海道電力が需要=供給となるように50Hzに合わせようと懸命に努力していたことがわかります。苫東厚真火力発電の2,4号機の停止後も、老体に鞭を打って懸命に50Hzに合わせようとしていたわけです。

                   

                   地震発生直後の,任脇囘豸真火力発電所の2,4号機が停止となって、116万Kwの電源が喪失していますが、仮に泊原子力発電所が稼働されていれば、その発電量は207万Kwであるため、震度2〜震度3ならば発電所は普通に発電を続けることができたでしょう。

                   

                   何が言いたいかと申しますと、泊原子力発電所が稼働していれば、今回の北海道地震でのブラックアウトは、ブラックアウトそのものが発生しなかったという疑義が極めて濃厚なのです。

                   

                   こういう状況であっても反原発派の人々は、泊原発が稼働していてもブラックアウトしたとか、冬に北海道民がブラックアウトしようがしなかろうが関係なく原発は稼働すべきでないなどと主張するのでしょうか?

                   

                   太陽光パネルをもっと推進すれば、原発を稼働しなくても今回のブラックアウトは防げたのでは?という人もいるかもしれません。ところが残念。太陽光パネルに雪が積もっていた場合、全く発電はできず、クソの役にも立たないのです。仮に雪が積もっていなかったとしても、夜は発電することができません。

                   

                   電力の大容量蓄電の技術がブレイクスルーしない限り、原子力発電所は稼働させておくしかないのです。電力の大容量蓄電ができないこと、電力サービスとは需要と供給を過不足なく一致させること、こうした電力サービスの基本を知っているのか?知らないのか?北海道電力の苦労も理解できない高橋はるみ知事や原発反対の政治家が考え方を改めない限り、北海道民を危険に晒すことになるでしょう。

                   

                   

                   というわけで今日は「北海道電力にブラックアウトの責任を押し付ける北海道の高橋はるみ知事の無能さ!」と題して論説しました。

                   

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                     今日は「脆弱な北海道のエネルギー供給体制について」と題して論説します。

                     

                     北海道内最大の火力発電所の苫東厚真火力発電所の完全復旧は11月以降になるとの見通しを発表しました。この発表の前までは、1週間程度で復旧するともいわれていたのですが、ボイラーが熱くて中が点検できないなど、思いのほか損傷が多かったというのがその理由です。

                     

                     北海道電力は泊原発の稼働を停止しています。かといって誤解のなきように申し上げますと、再生可能エネルギーで原発の代替をしていたわけではないのです。再生可能エネルギーで原発の代替が可能と思っている方は、電力について何もわかっていない人たちといえます。

                     

                     火力発電と原子力発電は安定電源ですが、再生可能エネルギーは不安定エネルギーです。水力発電所でさえ、大雨の状態では水を流すことができません。皆さんは大雨であっても夏場はエアコンで電気をつけっぱなしにされる方がほとんどかと思います。水力発電所でさえも、大雨では稼働できず、ダムに水が溜まらず枯渇しても稼働できません。風力発電にしても、風が吹かなければ発電できず、風が強すぎる場合は設備が破損するために稼働を停止します。風が強いときでも風が全く吹かなかったとしても、暑い夏場はエアコンを付けるでしょうし、寒い北海道は冬は暖房を使うことでしょう。

                     

                     したがって電力サービスは安定電源の割合が多ければ多いほど、付加価値が増します。何しろ停電になる確率は、安定電源の割合が増えれば増えるほど低くなるからです。

                     

                     

                     という電力サービスの基本を理解していただいたうえで、時事通信の記事をご紹介します。

                    『時事通信 2018/09/13 22:43 北海道電、揚水発電が再稼働=20万キロワット追加、供給なお綱渡り

                     北力は13日、北海道地震後の電力不足を補うため、京極揚水発電所1号機(京極町、出力20万キロワット)を再稼働させた。地震で損傷した道内最大の火力発電、苫東厚真発電所(厚真町、出力165万キロワット)の全面復旧は11月以降になる見通しで、電力供給はなお綱渡りの状態が続く。
                     1号機は水車の不具合で今月2日から運転を停止していた。定期点検で運転を停止している2号機(20万キロワット)も14日に運転を再開する予定。
                     経済産業省は、京極揚水発電所1、2号機が再稼働し40万キロワットの追加電源を確保できた場合、平日の昼間を対象とした2割の節電要請を14日午後にも見直すことを検討する。
                     13日夜の会見で同省担当者は、計電の実施について「相当リスクが低下した状況にあると理解している」との認識を示した。
                     ただ、道内の電力需要は10月以降、暖房の利用に伴い増加する見通し。再稼働させた老朽火力が故障する恐れもあり、道内の家庭や企業には引き続き節電が求められる。
                     経産省によると、13日の節電率(午前8時半〜午後8時半)は11.8〜19.6%。2割の節電目標に届いていないが、最低ラインと位置付ける1割を超えている。北海道電は同日、14日までと同様に15日も計電を見送ると発表した。』

                     

                     合わせて北海道電力の電力設備・発電所についてもみてみましょう。

                    発電設備 電力量(Kw) シェア
                    水力発電所 1,648,355 21.1%
                    火力発電所 4,065,210 52.1%
                    原子力発電所 2,070,000 26.5%
                    地熱発電所 25,000 0.3%
                    太陽光発電所 1,000 0.0%
                    合 計 7,809,565 100.0%

                     

                     

                     

                    発電所名 電力量(Kw) シェア
                    苫東厚真火力発電所 1,650,000 21.1%
                    泊原子力発電所 2,070,000 26.5%
                    京極水力発電所 400,000 5.1%
                    その他 3,689,565 47.2%
                    合 計 7,809,565 100.0%

                     

                    (出典:北海道電力のホームページから引用)

                     

                     

                     発電設備別にみていきますと、火力発電所のシェアが52.1%と大きく、次いで原子力発電所が26.5%となっています。ただし、原子力発電所は泊原子力発電所1か所のみで、しかも3.11の東日本大震災以降、泊原子力発電所は停止しています。稼働別のシェアで見た場合の火力発電所の割合は、さらに大きくなります。

                     

                     発電所別にみていきますと、電力量で1,000,000Kw以上の発電所は、苫東厚真火力発電所(1,650,000Kw)と泊原子力発電所(2,070,000Kw)の2か所です。この2か所以外は、すべて1,000,000Kw未満の発電所です。

                     

                     苫東厚真火力発電所は、1号機350,000Kw(昭和55年10月運転開始)、2号機600,000Kw(昭和60年10月運転開始)、4号機700,000Kw(平成14年6月運転開始)の3機です。

                     

                     泊原子力発電所は、1号機579,000Kw(平成元年6月運転開始)、2号機579,000Kw(平成3年4月運転開始)、3号機912,000Kw(平成21年12月運転開始)の3機で、原子炉型は全てPWRの加圧水型軽水炉です。PWRはBWR(沸騰水型軽水炉)よりも安全な原発といわれています。

                     

                     こうしてみますと、泊原子力発電所の発電能力は圧倒的で、泊原子力発電所を稼働すれば、節電などしなくても普通にカバーできると考えられるのです。

                     

                     また苫東火力発電所の1号機、2号機は、1980年代から稼働を開始していますが、老体に鞭を打って火力発電所を使い続けることで、故障した場合の代替はどうすべきか?という議論もあります。いうまでもなく再生可能エネルギーは代替になり得ません。

                     

                     世耕経済産業大臣は、北海道内の電力需給について、9/9〜9/15の週が特にヤマ場として、平常時よりも2割の節電要請への協力を求めてきました。9/13からは揚水発電が少しずつ稼働を始めました。その結果、9/14には2割の節電という数値目標はなくなったとはいえ、エネルギー供給体制の脆弱さを世耕大臣は指摘していました。

                     

                     もともと北海道電力は泊原発が動くことが前提で、全体の電力ネットワークが作られてきました。にもかかわらず、泊原発は止まっています。北海道電力としては、そのうち泊原発が動くだろうと考え、暫定的にどう対応するか?ということで、苫東厚真火力発電所の供給割合を集中的に上げ、全体の中で大きな割合を占めました。

                     

                     もし泊原発が普通に稼働していれば、苫東火力発電所の供給割合はかなり抑えられ、ブラックアウトは回避できた可能性があります。

                     

                     電気は使う需要側、生産する供給側、常に需給を一致させなければいけないサービスです。需給を柔軟に調整する発電設備は、火力発電と原子力発電以外にありません。今回のブラックアウトは、9月上旬で暖かかったからまだよかったのですが、これが真冬だったらと思うと、ぞっとします。おそらく1000人規模で人が死んだ可能性があると思うのです。

                     

                     

                     というわけで今日は「脆弱な北海道のエネルギー供給体制について」と題して論説しました。

                     地震は時期を選び、9月に発生したわけではありません。12月〜2月にかけての真冬に発生する可能性も十分に想定できます。今回はたまたま9月上旬で、サンマが食べられない、牛乳が飲めない、ジャガイモがダメになるというそれだけでも北海道経済への影響は大きいですが、真冬だったら暖房が使えず多くの北海道民が大変な状況になっていたことでしょう。

                     再生可能エネルギーで原発の代替をしているわけではありません。原発の代替として再生可能エネルギーを増やそうというのは、大変愚かなことであると同時に、泊原発を早く動かすことが北海道民の利益になり、日本国民の利益になるということを、多くの国民に気付いていただきたいです。

                     

                     

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                       今日は「無駄を省くために民営化という欺瞞が引き起こした北海道電力ブラックアウトと関西空港閉鎖」と題し、論説します。

                       

                       毎日新聞の記事をご紹介します。

                      『毎日新聞 東京朝刊 北海道地震 節電2割目標撤廃 需要削減要請は継続 経産相

                       世耕弘成経済産業相は14日、北海道地震後に家庭や企業に要請していた「平常時から2割節電」との数値目標を同日夜で撤廃すると明らかにした。京極水力発電所(北海道京極町)の稼働などで電力供給が上積みされたため。数値目標は撤廃するが、連休明けの18日以降も厳しい需給は続くとして、1割の需要削減努力を求める。

                       世耕氏は記者団に「一律2割の節電目標の設定はしない」と明言。計画停電も「当面実施する必要はない」との見通しを示した。

                       6日未明の大規模停電を受け、政府と北海道電力は8日から2割節電を要請。老朽火力発電所を急きょ稼働させたほか、本州からも電力融通を受けた。13日に京極水力発電所1号機(20万キロワット)を、14日に2号機(同)をそれぞれ動かして地震前のピーク需要(5日夜の383万キロワット)を上回る386万キロワットの供給力を確保した。京極水力発電所は、電力需要の少ない深夜などにくみ上げた水を、需要のピーク時に落として発電する「揚水式」で、効率的に電力を活用できる。

                       経産省は「生活に大きな制限がかからないような節電でも、需給のバランスが保てるレベルになった」と判断。北電や道と協議の上、負担感の強い数値目標は撤廃することにした。

                       10月以降は火力で道内最大出力(3基計165万キロワット)を持つ苫東厚真火力発電所や、定期検査などで停止中の他の火力発電所の復旧が順次見込まれる。このため寒さの本格化で電力需要が増えても需給は安定するとの見通しを示した。

                       一方、北電の真弓明彦社長は14日、札幌市内で記者会見し、「今後は一律の2割節電目標は設定しない。需要減1割に向け節電の協力を継続してほしい」と呼びかけた。【岡大介、日下部元美】』

                       

                       

                       北海道で発生した最大震度7の地震で、本州から北海道内に電力を送電することができず、送電の全面復旧に時間がかかり、多くの課題を浮き彫りにしました。

                       

                       北海道と本州では、電力が足りなくなった時に電力を融通しあう送電線がありましたが北海道と東北だけがつながっている状態で送電量も少ないことから、災害時の電力供給が不安視されていました。東日本大震災のときは、東日本と西日本で電力の周波数が異なるため、他の電力会社から十分な電力を得られなかったということもありました。

                       

                       北海道地震に限ったことではないのですが、電力の融通網が弱いのが、日本のエネルギー事情です。欧州と比べて考えられないほど弱いのですが、その理由は日本の場合は民間主導でやっているからです。日本のエネルギーはベースである電気・ガスはすべて民間企業で株式会社が独立して運営しています。

                       

                       そのため、JRでいえば、東北と東海道が切れてしまっています。本当は全部つながっていた方が利用者は楽なはず。しかもJR東日本は首都圏に多く人が集まることで山手線を中心にドル箱路線を持ち、JR東海は東海道新幹線というドル箱路線を持つ一方、JR北海道やJR四国では新幹線整備が遅れて、ドル箱路線を持ちません。そうしたインフラ格差があるにもかかわらず、地域で別々に民営化して株式会社組織で運営いるのが日本の鉄道網です。

                       

                       電力会社も北海道電力、東北電力、東京電力など、別々に運営しているため、その間の接続は空白になって融通網が弱いのが日本の電力サービスです。

                       

                       原発停止と再生可能エネルギー推進によって、日本全体の電力システムが極めて脆弱化しているのは明らかです。それだけにとどまらず、自由化・民営化すれば、そもそも電力サービスは脆弱化します。なぜならば、地震のことを考えるにしても、株式会社は短期的な利益を考えます。地震対策、リスク管理は長期的というより下手すれば超長期的に考えなければならず、経営でそんな先のことまで考えて投資するというのは、極めて難しいです。

                       

                       こうした問題を抱えているにもかかわらず、今でさえ日本は過剰に民営化を推進してきました。安倍政権は、さらに自由化させて、発送電分離をやると言っています。北海道電力のブラックアウトを経験しているにもかかわらず、なぜデメリットしかない発送電分離をやろうとしているのか私には全く理解ができません。

                       

                       もともと公務員がやると無駄が多く、無駄を省くためには民営化が必要という話があります。しかしながら、災害のことを考えると、その無駄が必要なのではないでしょうか?

                       

                       無駄がないから北海道はブラックアウトしたともいえます。関西空港でいえば、もう1つくらい橋を架けるか、地下トンネル開通しておけば、空港閉鎖にはならなかったはずです。にもかかわらず、お金がないからという理由でそれをしなかった。そのため無駄がないから大損をしているのです。

                       

                       北陸や山陰での大雪被害でいえば、除雪車が十分に配備されていれば、道路が不通になるリスクは軽減できます。しかしながら、余分に配備するのは無駄として、配備車両を少なくすれば、道路が不通になるリスクは高くなります。

                       

                       想定される南海トラフ地震(土木学会による想定被害額1400兆円)では、広域にわたって発電所が運転停止するということもあり得ます。

                       

                       首都直下型地震(同750兆円)や南海トラフ地震に備え、全体的に電力不足が生じたときに生き残った地域の発電所が融通し合うシステムを作らないと、いつまで経っても非常時における電力供給システムの脆弱さは解消されないでしょう。

                       

                       

                       というわけで今日は「無駄を省くために民営化という欺瞞が引き起こした北海道電力ブラックアウトと関西空港閉鎖」と題し、論説しました。

                       国土強靭化ならぬエネルギー強靭化もまた、資源がない日本にとっては必須です。エネルギー強靭化のためには、発送電分離ではなく政府の力でネットワーク全体が融通し合うよう増強させる必要があるでしょう。地域ごとの株式会社がそれぞれ融通し合うとしても、いつ起きるかわからない地震に対して投資を継続するのは難しいですが、政府なら可能です。なぜならば政府は利益追求が不要の非営利団体組織(NPO法人)だからです。無駄であってもインフラを整備できるのは、営利組織の株式会社ではなく、政府しかできません。そうした無駄を私たち国民も認めるよう理解する必要があります。

                       また原発の稼働についても、国民の理解を得る必要があるでしょう。現状は老朽化した火力発電所で、綱渡りの運営をしています。いわば老体に鞭を打っているのが、今の日本のエネルギー事情です。再生可能エネルギーは何の役にも立ちません。

                       こうした電力サービスについての知見も、多くの国民が持つ必要があるものと私は思うのです。


                      サウジアラビアの政情不安と明日開催予定のOPEC会議

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                         今日はサウジアラビアの政情不安で原油相場が上昇していることについて取り上げます。下記は日本経済新聞の記事です。

                         

                        『日本経済新聞2017/11/7 NY原油先物 2年4か月ぶり高値 サウジ政情不安で

                        【ニューヨーク=山下晃】原油先物相場の指標となるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)期近物は6日、3日続伸し、前週末比1.71ドル高い1バレル57.35ドルで取引を終えた。約2年4カ月ぶりの高値。一時1バレル57.61ドルまで上昇する場面もあった。サウジアラビア政府が数十人の王族らを拘束したほか、隣国イエメンの反体制派との争いが激しくなっていると伝わり、政情不安が原油供給に影響するとの見方が浮上した。

                         アジア市場の原油も上昇し、こちらも約2年4カ月ぶりの水準をつけている。指標となる中東産ドバイ原油は7日午前、前日比1.40ドル高い1バレル62.00ドル前後で推移。東京商品取引所の原油先物も大幅に上昇し、未明の取引で一時1キロリットル4万3170円を付けた。

                         6日の米株式市場のダウ工業株30種平均も5営業日続伸し、過去最高値を更新した。終値は前週末比9ドル23セント(0.04%)高い2万3548ドル42セントだった。米原油先物相場の上昇に伴い、エネルギー株が買われた。』

                         

                         産油大国のサウジアラビアの政情不安により、原油高が2年4か月ぶりの高値水準まで上昇しているというニュースです。主要国による協調減産が延長される観測と、今年夏の米国のハリケーンの影響も及ぶとのことです。

                         

                         

                        <原油(WTI原油先物)5年週足チャート>

                         

                         上記チャートの通り、2015年の夏頃の水準、1バレル=60ドル近辺に接近しています。サウジアラビアの政情不安も手伝って、直近では右肩上がりに上昇して60ドルを突破しようという勢いです。

                         

                         原油価格が上昇する一方で、米国のシェールオイルの生産量は次第に回復する可能性があるとも言われており、上昇が続くか?見通しがしにくい面があるという指摘もあります。

                         

                         原油高は、日本にとっては好ましくありません。なぜならば、日本のエネルギー自給率は、原発を停止にしている影響もあり、自給率は6%というとんでもない状況になっているのです。

                         

                         海外から原油・天然ガスの供給を頼っているため、価格が応召すると貿易赤字に陥ります。貿易赤字になれば、日本にとっては需要の縮小。デフレで需要縮小となればデフレ促進になってしまうのです。

                         

                         また電力会社は電力料金を引き上げ、物流会社はサーチャージを引き上げるなどする一方で、デフレ圧力で価格を転嫁できない業種では、利益が減ることになります。そのため、原油高は日本にとっては悪いニュースです。

                         

                         もう一つ、このニュースで指摘しておかなければならないこと、それは物価上昇率です。日銀の物価上昇率の目標2%は、コアCPIを採用しています。コアCPIとは、生鮮食品の価格変動を除く、エネルギーの価格変動を含む物価上昇率です。

                         そのため、原油が高くなると、コアCPIは上昇するため、「2%の物価目標が達成した!」などとマスコミが報じる可能性があるのです。(参考ブログ記事「物価目標2%は、どの指数を使うべきか?消費者物価指数は3種類あります!」)

                         

                         日本は極度に資源を海外からの輸入に頼っていますので、本来は物価上昇率はコアコアCPIで見るべきところ、コアCPIで目標設定しているというおかしな目標設定がされているため、私は危惧しているのです。

                         

                         

                         というわけで、今日は直近の原油相場が上昇しているニュースについて取り上げました。


                        原子力発電所の核燃料のゴミとLNT仮説について

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                          JUGEMテーマ:放射能

                          JUGEMテーマ:原発

                           

                           今日は原発問題について述べます。

                           

                           私は原発推進でも何でもありませんが、電力サービスの付加価値とは、安定的な電源供給であると考えております。安定的な電源供給ができる発電所は?となれば、原子力発電所であり、火力発電所になります。

                           というわけで、「なんだ!杉っ子さんは、結局原発推進じゃん!」という方もおられるかもしれませんが、この問題について、核のゴミ問題に焦点を当てて意見します。

                           

                           見出しは以下の通り。

                          1.原子力発電所の核燃料のゴミについて

                          2.放射線を過度に恐れる原因を作ったLNT仮説

                          3.健康被害と認知的不協和

                           

                           

                           

                          1.原子力発電所の核燃料のゴミについて

                           

                           よく言われることですが、原発は核燃料のごみが出て、それが処理できないということで「トイレの無いマンション」と呼ばれることがあります。

                           これは正しくありません。核燃料のごみとは、使用済み核燃料を指すと思われます。この使用済み核燃料については、再処理して、高濃度放射線廃棄物を除去して、それはガラス固化体に入れて地層処分します。残ったプルトニウムやウランは、プルサーマルで燃やし、高速増殖炉で燃やすという核燃料サイクルというのがあって、研究開発もやっています。

                           その廃棄物は使用済み核燃料は、東京電力が持つ日本最大の柏崎刈羽原発で考えた場合、柏崎刈羽原発が1984年11月に運転開始してから現在まで出た使用済み核燃料の量は、およそ1,000㎥(=1,000立方メートル=10m×10m×10m)程度といわれています。

                           1,000㎥という数字は、皆さんどう思われるでしょうか?しかも、この廃棄物を再処理しますと、3分の1にまで圧縮されます。実際は燃料棒なので、ぴったり10m×10m×10mとはなりませんが、体積で考えればその程度の容量です。再処理すれば3分の1になり、それを地層処分します。

                           

                           一方で、石炭火力は灰が出ます。石炭火力は灰を大量に出します。その大量に出た灰を再処理後の廃棄物の量で、使用済み核燃料との体積比で見ますと、原発の1000倍です。

                           環境という観点でいえば、CO2を出す火力発電よりも原発の方が優れています。廃棄物の体積が多くてということであれば、やっぱり原発の方が優れています。

                           また火力発電の燃料で使う原油は、本来なら他の用途に使うことができます。例えば、ガソリン、アスファルト、航空燃料、ナイロンなどなど。それをただ燃やしているのです。

                           

                           こうした知識を持ったうえで議論をする必要があると思いまして、安定電源供給が可能な原発の代替があればいいのですが、現時点では火力発電しか存在せず、このまま火力発電だけを稼働するよりかは、原発も稼働していた方がベターだと考えています。

                           

                           何しろ日本には資源がありません。火力発電で必要な原油でさえ、ペルシャ湾やマラッカ海峡や南シナ海で自由な航行ができなくなれば、原油の供給が絶たれてしまいます。

                           エネルギー安全保障を強化するという目的を考えれば、原発も稼働していた方が、強化に資します。もちろん、原発もウランが必要になりますので、原発だけを稼働させて他を稼働する必要はないという考えではありません。

                           安全保障を強化するというのは、供給力の多様化が基本だから。それがゆえに原発も稼働させておいた方がいいというのが私の意見です。

                           

                           

                           

                          2.放射線を過度に恐れる原因を作ったLNT仮説

                           

                           そもそも、原発といえば、放射線を過度に恐れる人が多いと思います。そのきっかけは、1946年にノーベル生理学・医学賞を受賞したマラー(米国:ハーマン・ジョーセフ・マラー)博士の「ショウジョウバエ」の実験が原因です。細胞が修復しない「ショウジョウバエ」を使って、X線照射を継続したところ、突然変異が発生したということで、この業績によりノーベル賞を受賞しています。

                           「ショウジョウバエ」に放射線を照射して異常がないか?の実験をしたところ、二代目、三代目で異常が発生。マラーは実験に基づき、放射線の害は、その量に直線的に比例するという仮説を発表し、ICRP(国債放射線防護委員会)は、放射線は有害であるとしました。

                           上述の仮説が、以前本ブログでも取り上げたLNT仮説((Linear Non-Threshold:しきい値なし直線)と呼ばれるものです。人間はDNAの修復機能があり、1日に何万個という細胞が入れ替わります。そのため、細胞が修復しない「ショウジョウバエ」の実験結果を人間に当てはめるのは、無理がありました。放射線でいえば、ラッキー(米国:トーマス・ラッキー)博士が、放射線ホルミシス効果を提唱した生化学者が有名です。ラッキー博士は、放射線ホルミシス効果により、適度の放射線被ばくは「人体に恩恵をもたらす」可能性があると主張しました。ラッキー博士は1919年5月15日生まれで、2014年3月17日まで生きておられ、茂木弘道氏と共同著作で、『放射能を怖がるな』を出版し、年間100ミリシーベルトが人間の健康に最も良い線量レベルであると主張されています。

                           

                          <「しきい値なし直線仮説」の模式図>

                           

                          <「しきい値なし直線仮説」と「放射線ホルミシス効果」の模式図>

                           

                           

                           世界で医学的に健康に害があるとされているのは、瞬間100ミリシーベルト以上を浴びたときです。この場合、ガンの発生確率が1.08倍になるといわれています。因みに東日本大震災の時に菅直人政権が、福島原発の地域に避難を呼びかけた時の基準は、年間20ミリシーベルトでした。

                           

                           LNT仮説という言葉すら知らない人がほとんどでしょうし、なぜ”仮説”なのか?という背景も知らない人がほとんどです。そのような日本国民が多い中で、不安定電源の再生可能エネルギーを推進し、原発は止めたまま東芝が減損処理に追い込まれて経営危機となって東証2部に降格し、さらに東芝の半導体事業を売却という話。さらには、太陽光パネルに外資規制がないために、韓国や中国のメーカーがこぞって参入し、ビジネスチャンスとされているわけです。日本人は誰も得しません。太陽光に投資ができる一部の富裕層や事業者だけが金銭的メリットを享受します。その金銭的メリットの源泉は、再エネ賦課金で徴収した日本国民全員が払っているお金です。

                           富裕層の日本人だけが金銭的メリットを享受するならまだしも、ファンドを使ってファンドの出し手で、外国人勢らもまた金銭的メリットを受けることになります。

                           

                           様々な用途に使える有益な原油をただ無益に燃やし、火力発電に過度に頼ったこの状況は、どう見てもエネルギー安全保障を弱体化させ、国益を損ねるものと考えます。

                           

                           

                           

                          3.健康被害と認知的不協和

                           

                           国際連合広報センターが2014年4月2日に、国連科学委員会(UNSCEAR)が、「福島での被ばくによるがんの増加は予想されない」とするレポート報告書を出したとプレスリリースしました。

                           この後も、反原発や脱原発らを訴える人々の中に、「レポートは信用できない。」「いずれがん患者が増える。」「3年後にわかるさ!」などという論説者がいました。2014年となれば、2011年3月11日から見て、3年以上経過しています。そして今2017年で、レポートが出てから3年経過しています。

                           ところがどうでしょうか?がん患者が激増したという話は出ておりません。3.11の福島原発事故との因果関係はないとみていいのではないでしょうか?国連科学委員会(UNSCEAR)のレポート見解は正しいと思っていいのではないでしょうか?

                           

                           にもかかわらず、「そのうちわかる!」「10年後にそうなる!」などと適当に根拠のない風評被害を並べたてる人がおられたとすれば、その人は認知的不協和に陥っているといえましょう。マスコミの報道や誤った情報を信じ込み、反対論が出たとしても正論が間違っていると思い続ける。挙句には「福島県民にがん患者が大量に出て欲しい!」と願っているわけです。なんとも恐ろしいことか。人間は、自分が信じていることを間違っているといわれますと、「そんなはずはない!」ということで、それが正しいとするためのロジックを考えます。これが認知的不協和というやつです。

                           

                           認知的不協和に陥った人は、「福島県でがん患者が増えて欲しい、それは5年後か10年後か30年後かわからないけど・・・・」

                          と、ある意味がん患者が出てくる不幸を願っているわけです。

                           

                           

                           というわけで、今日は原発問題を改めて取り上げました。東日本大震災の当時は私も福島県いわき市に住んでいまして、こうした知識が全くなかったので大変怖かったです。ですがその後にこうした知見を得ることで、恐れる必要はなかったと思ったわけです。変な話ですが、東京電力から賠償金ももらいましたが、それですら不要だったと、今では思っております。


                          ドイツのFIT廃止と日本のFITの現状と発電税

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                            JUGEMテーマ:太陽光発電

                             

                             ちょうど一年前の2016年6月に、ドイツ政府が再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)を廃止したというニュースがマスコミ各社で報道されたのですが、皆さんはご存知でしょうか?日本でも今年の6月、再生可能エネルギー固定価格買取制度が岐路を迎えているということで、本ブログでも取り上げました。(5/29配信ブログ:「再生可能エネルギー固定価格買取制度」の終了!

                             今日は改めてこの問題について触れたいと思います。

                             

                             

                             

                            1.ドイツがFITを廃止した背景

                             

                             ドイツでFITが廃止になった理由は次の事情のようです。

                            “電設備が急増し、買取費用が電気料金に転嫁→その結果、電気代の高騰を招く

                            ∩電網の整備が遅れ、需要と供給のバランスが崩れる

                            E係によっては大量の余剰電力が生じる→近隣国へ売却しても、安くたたき売られ、売れば売るほど赤字が大きくなる

                             

                             FITは発電しただけ電力会社が固定価格で買い取るという制度です。需要に関係なく買取をしますので、市場価格よりも高額な買取価格が設定されていると、発電会社は発電が可能なだけ発電するという動機を与えることになります。

                             現在の科学技術において、一般家庭で必要とするだけの電力を貯めるという技術は存在しません。電力は貯めることができないのです。そのため、需要と供給を常に一致させる必要があるのですが、安定電源である原子力発電所や火力発電所と比べて、発電量をコントロールできない不安定電源の太陽光発電の比率が増えることで問題が発生します。

                             

                             例えば天気が悪い日は、必要とされる発電供給量の確保ができず、別の発電方法によるバックアップが必要となるため、火力発電をスタンバイさせています。

                             逆に天気が良い日は、必要とされる発電供給量を上回って発電供給されるため、余った電力をどうにかしなければならないという状況に強いられます。

                             

                             ドイツの場合、消費しきれない電力は、陸続きで国境が繋がっている隣国へ、送電網を通じて売電されます。とはいえ、需要がないのに発電されてしまった電力は、安くたたき売られることになります。何しろ「供給>需要」であれば、価格は下がるに決まっているからです。

                             

                             なぜ、余剰電力が叩き売られるのか?ドイツから見れば、価格が下がって、赤字が大きくなって叩き売られる程度なら、まだましです。需要が少ないのに無理やり供給された電力が厄介なのは、需要以上の電力が送電網に送り込まれると、送電網自体がパンクして、大規模停電(=ブラックアウト)を引き起こすリスクがあるのです。

                             もし、送電施設の重要設備が損傷することになれば、電力の復旧に多くの時間が必要となる可能性もあります。

                             

                             日本では海外と比べて大規模停電の発生頻度は極めて少ないですが、海外では普通に停電が発生します。このままFITを推進していけば、日本も大規模停電が発生する可能性が出てくるのです。

                             

                             

                             

                            2.再生可能エネルギー賦課金を負担しているのは誰?

                             

                             FITというのは再生可能エネルギーを、需要の大小に関係なく、あらかじめ「〇〇円で電力会社に買い取らせますよ!」として、これをどんどん増やして、再生可能エネルギーによる発電を、どんどん発展させようとした制度です。

                             

                             太陽光とか風力とかバイオマスとか潮力とか、いろいろありますが、これ、全部おかしな制度です。私はずっと以前から猛反対の立場です。

                             

                             電気料金の領収証を見ていただきたいのですが、再エネ賦課金というのがあります。

                             

                             投資家が太陽光パネルを並べてメガソーラー発電を始めたとして、その発電供給した電力について、需要がめちゃくちゃ少なかったとしても、電力会社に固定料金、当初は1kw当り42円という極端に高い価格で最長20年間、電力会社に買い取らせているのです。

                             

                             その高くついた代金は、電力会社が負担しているのではなく、私たち国民が負担しています。家計も企業も負担しているのです。何のためにこんなことやらなければならないのでしょうか?

                             

                             日本に真に必要なのは安定電源です。東日本大震災時の福島原発事故をきっかけに、原発を停止しているため、安定的に発電できる電源が必要です。原発が担ってた安定電源を、不安定な供給をする太陽光で賄えるはずがなく、多くの歪みを生じているのです。

                             

                             例えば、どんなビジネスでも市場がなければ売れません。要は需要がなければ売れないか価格を下げて売るしかありません。しかしながら、FITという制度によって、発電した電力を、需要と無関係に20年間高価格で電力会社に買い取らせるという制度であり、負担は私たち国民なのです。

                             

                             東日本大震災と福島第一原発事故というショックを利用して、ササっと菅直人政権の時に成立させられた再生可能エネルギー特別措置法という法律、まさにショックドクトリン(ショックを利用しておかしな制度を取り入れる)の典型です。

                             

                             当初は1kw当り42円で、今は半分の21円になりました。とはいえ、再エネ賦課金を負担しているのは私たち国民で、しかも電力は不安定になります。

                             

                             太陽光発電はいつどのくらい発電できるのか?天候に左右されるため、わかりません。発電ができないときのために、火力発電をスタンバイさせているというのが現状であり、エコでの何でもないのです。

                             

                             なぜ火力発電所をスタンバイさせるかと言えば、火力発電所も原子力発電所と同様、私たちが家で使う電気と同じようにスイッチ一つでピッと発電ができるものではないのです。だからスタンバイしておく必要があり、エコではないのです。

                             

                             

                             

                            3.外資規制がないことも大問題

                             

                             田舎の光景で、太陽光パネルがずらっと並ぶのを皆さんはどう思いますでしょうか?

                             太陽光パネルで景観が破壊され、日本の田園の風景が壊されるのは、いかがなものか?と私は思います。

                             

                             このような問題があるFITですが、そもそも太陽光発電って儲かるのでしょうか?

                             結論から言えば、最初に始めた人は、めちゃくちゃ儲かっています。何しろ発電するだけで1kw42円、電力会社が買い取ってくれます。需要に関係なく高く買わされた電力会社は、再エネ賦課金として電力利用者である国民と企業から料金を徴収します。

                             しかも、20年間は1kw42円の所得補償というかビジネス保証というか、その金額は莫大でして、ついに私たち国民が負担している再エネ賦課金は2兆円を超えています。

                             

                             この2兆円という金額、日本のGDP500兆円とすれば、0.4%に相当し、半端ない金額です。豊洲市場の新設費用が6000億円で、築地市場の売却益見込みは4500億円。この金額でガタガタとマスコミが騒ぐのですから、FITで国民から徴収された累計2兆円についても、もっとマスコミが取り上げるべきだと思います。マスコミは、再生可能エネルギー固定価格買取制度の問題点をほとんど正確に理解していないから、ビジネスの規制となり得るこうした論説は、ほとんど報道しないのでしょう。

                             

                             しかも問題として、外国資本の規制がありません。そのため、韓国とか中国とかドイツとか米国とか、外国企業がどんどん参入しています。私たち国民が支払っている再エネ賦課金は、彼らに吸い上げられているのです。そういうビジネスモデルです。

                             

                             ある意味、これは一種の増税です。マクロ経済的に見れば、2兆円の所得が国民から奪われているので、明らかに使えるお金が少なくなることとなり、デフレ効果を促進します。

                             

                             100歩譲って、高い電力を払っても電力供給が安定するならば、日本のエネルギー安全保障が強化されるのであれば、日本国民の負担が増えても価値はあります。ところが実際は、再生可能エネルギー固定価格買取制度は、電力供給の安定化という観点で、むしろ弱体化します。エネルギー安全保障の弱体化を促進するのです。

                             

                             

                             

                            4.解決策は発電税

                             

                             さらに問題点を挙げるとすれば、この再生可能エネルギー固定価格買取制度は、一度投資したら市場競争がなく儲かる仕組みのため、技術開発の発展が止まります。何しろ1kw42円やら21円やら、必ず買い取るという仕組みであるため、市場競争がありません。結果、技術開発の発展が止まります。技術開発投資なんて成功するかわからないところに投資するくらいであれば、太陽光発電に投資しようみたいな、ことになるためです。

                             

                             これだけ問題があって国益を損なう再生可能エネルギー固定価格買取制度について、廃止することは可能でしょうか?

                             廃止できなくても42円やら21円やらの買取価格をもっと下げさせることとか、可能でしょうか?

                             読者の皆さんはどう思われますでしょうか?

                             

                             結論から申し上げますと、廃止や価格の引き下げは不可能です。行政訴訟の対象になります。既に契約している事業者からは、最長20年間買い取り続けなければならず、途中で止めることはできないのです。

                             

                             では解決策は全くないのか?といいますと、一つだけあります。それが「発電税」です。

                             この「発電税」を太陽光発電事業者に課し、実質的に買い取り価格を下げていくしかありません。

                             

                             実際にスペインで、発電税を導入して、既存の事業者の買取価格を引き下げています。

                             

                             

                             というわけで、今日は昨年度報道されたドイツのFIT廃止と合わせ、改めてFITの問題点を指摘しました。解決策としては「発電税」で、私たち日本国民の所得を取り戻すということしかないですし、デフレ脱却のためにも、それをやる必要があると私は思うのです。


                            カタールの独自外交を警戒するアラブ諸国と日本が考えるべきこと

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                              JUGEMテーマ:中東

                               

                               今日は、複数のアラブ諸国がカタールと国交を断絶する措置を取っている中東情勢について意見します。

                               私がこのゴールデンウィークに往訪した際のトランジットでカタールを往訪し、航空機の発着遅延のトラブルで、カタール入国も経験しました。(参照ブログ:「 ヨルダン訪問記(カタールのドーハ訪問のオマケ付き) 」)

                               

                               そのカタールがイスラム原理主義への支援、具体的にはイランへの傾斜をしているということで、これに反発する形でサウジアラビアを中心にエジプトやモーリシャスなど中東の7か国が国交を断絶したのです。

                               イランへの傾斜で独自路線を進むカタールに対して、サウジアラビアの不満が限界に達し、エジプトなどと包囲網を形成したとの見方が有力との声があります。

                               この対立が長引けば、対テロ戦やIS対応や市民生活に影響が出る可能性があります。

                               

                               同じスンニ派ですが、カタール政府はイランと手を結ぼうとしています。一方でイランとサウジアラビアは国交を断行したままです。

                               そういう状況の中で、今回はインド洋の島国のモーリシャスも加わることになりました。

                               

                              <中東など7か国がカタールと国交断絶>

                               

                               今回のモーリシャスの国交断絶への参加は、モーリシャスからみて、サウジアラビアからの経済支援拡大を狙った決定ともみられています。サウジアラビアは中東の兄貴分ですので、サウジに従ったのでは?という見方もあります。

                               

                               ただ、サウジアラビア自体、原油安のためにそれほどかつてほど影響力が大きいわけではなく、焦っている様子も伺えます。経済成長で言えば、イランの方が経済成長しているのです。

                               

                               ところで、こうしたニュースについて、日本人は他人事のように思っていませんでしょうか?

                               下記の表の通り、カタールからは相当の天然ガスや原油を買っているという現実を知っているでしょうか?

                               

                              <2016年度の日本のLNG(天然ガス)と原油の輸入元シェア>

                              (出典:財務省の貿易統計)

                               

                               最終的にペルシャ湾で戦争となれば、天然ガスや原油の輸入がストップします。南シナ海や東シナ海が中国の手に落ちなくても、ペルシャ湾が戦争状態になるだけで、天然ガスと原油がストップしてしまう現実を、自分事として考えていかなければならないと思うのです。

                               

                               そんな中で原油価格が再び下落しています。サウジアラビアなどのOPEC加盟国がカタールとの国交断絶に踏み切ったことも懸念材料として影響があると言われています。原油価格の下落だけを見れば、日本経済にとっては福音です。

                               とはいえ、このままサウジとイラン・カタールが対立する路線が続けば、最終的にペルシャ湾で戦争になる可能性があることを私たち日本人は意識し、その時にどうするか?ということを考えておかなければなりません。

                               

                               ちょっと前にトランプ大統領が中東を訪問しましたが、トランプ大統領は中東をまとめようとしたと思われます。にもかかわらず、こうした状況を見ていると、米国の影響力が本当に弱くなったと言えます。

                               

                               この問題、今後どう解決するかと言えば、イランとサウジアラビアのおおもとの問題が解決しない限り、解決の見込みはないでしょう。

                               

                               日本経済にとって目先の今、原油が安くなるのは好影響です。

                               とはいえ、中東へのLNGガスや原油の輸入の依存度をもっと下げる必要があります。今までは米国が中東を抑えることができましたが、もう無理ということが今回の件で分かったことではないでしょうか?

                               米国は自国でシェールガスを売りたいということもありますので、中東の状態がそのような状況になっても問題ないかもしれませんが、日本にとっては大変な問題です。

                               

                               

                               というわけで、今日はサウジアラビアがカタールとの国交断絶していることについて、新たにモーリシャスがサウジアラビア側に加わったことを取り上げ、日本がどうすべきか?私見を述べさせていただきました。

                               先日、房総半島でレアメタルが見つかったという報道がありましたが、残念なことに原油はありません。

                               日本がすべき具体策としては、原発再稼働やプルサーマルの研究を急ぐ必要もあるかと思います。尖閣や日本海で原油があるという噂もありますので、尖閣のボーリング調査を始めるべきだと思うのです。安定電源として、原子力発電所と火力発電所の稼働ができるように、上述の具体策を進めていって欲しいと思います。


                              「再生可能エネルギー固定価格買取制度」の終了!

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                                JUGEMテーマ:メガソーラービジネス

                                 

                                今日はメガソーラービジネスの問題点について意見します。

                                 

                                 FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)について、東日本大震災をきっかけに太陽光発電が急速に拡大しました。これが岐路を迎えていると各紙が報じました。

                                 

                                 FITは様々な問題がありますが、決定的な問題を指摘するとすれば、

                                ・電気を一定価格で売る

                                ・発電したら、とにかく電力会社は買わなければならない

                                ・その負担は再生可能エネルギー賦課金という形で消費者が負担する

                                ・その価格の決定は、発電を始めた時ではなく認定を受けた時の価格

                                ・しかも認定を受けた価格で、最大20年間売り続けられる

                                というこの一連の流れです。

                                 

                                 この結果、みんな権利だけ取って太陽光パネルの価格が下がるのを待つというビジネスモデルが流行しました。ですが、必ずそうなるに決まっています。なぜならば、とにかく認定を受けて太陽光パネルの価格が下がるのを待ってから始めれば、絶対に儲かるからです。

                                 利益最大化を考えるのであれば、発電を始めた時から20年ですので、太陽光パネルの価格が下がったときから始めればよいということになります。

                                 

                                 というわけで、みんながこんなことをやって、権利だけ取って発電をしない!「これはさすがに問題でしょ?」ということで、やっと法律が改正され、2800万キロワットの発電計画の認定が取り消されました。

                                 

                                 この2800万キロワットという数字、一般家庭で言えば560万世帯で使う電力であり、日本の全世帯が約5000万世帯なので、およそ10%強の認定が取り消されたことになります。

                                 

                                 この事態、「FITがうまくいかなかった!」ということではなく、「なんで、もともとこんな制度にしたの?」という話です。

                                 私は元々、再生可能エネルギー固定価格買取制度に大反対でした。

                                 理由はいくつかあります。

                                 

                                 大体、太陽光パネルとかメガソーラーに投資できる人は、比較的余裕がある人に限られます。

                                 そこがメガソーラーを作って、太陽光で発電したのを電力会社に売電して、その負担が消費者に再生可能エネルギー賦課金ということで請求されます。

                                 つまり、一般の人々から投資家や事業者に所得を移転するという仕組みになってしまうのです。しかもこれ、外資規制がありません。そのため、中国や韓国やドイツ企業が入ってきて、ぼろもうけしています。当然GDPで損をしており、国益を損ねているのです。

                                 

                                 さらに言えば、そもそも再生可能エネルギーの固定価格の買取価格が、すさまじく高く、太陽光は1キロワット当たり当初42円でしたが、21円に下がりました。今は21円で半分になりましたが、もともとは42円です。42円の時に権利を取って、太陽光パネルの価格が下がるのを待っているという事業者が実に多かったのです。しかも一度決定した価格は変わらず、42円で権利を取っておけば、20年間ずっと42円が入ってくる。

                                 

                                 また、国内を旅行していて目につくことがありますが、地方へ行きますと美しい山や畑がパネルだらけのことがあります。明らかに完全に景観をぶち壊している挙句、太陽光発電は安定電源ではありません。電力サービスにとって、安定電源こそが付加価値が高いサービスであり、太陽によって発電量が変わるなんてのは、日本には不要なわけです。

                                 なんでこんなことやっているんだ!という話になったのは、ある意味必然と言えます。

                                 

                                 ここで、敢えて読者の皆さんにも問いたいのですが、FITって何かメリットありますでしょうか?

                                 

                                 私はデメリット以外に何もないと言いたい。例えば、太陽光はクリーンだという人もいるかもしれません。ですが、電力会社にとって太陽光電力は扱いにくいわけです。

                                 なぜならば、太陽によって発電量が変わるから、需要と供給を過不足なくというのが電力サービスであることを理解している人はお分かりになることでしょう。(参照ブログ:電力サービスとは、需要に対して過不足なく供給するサービスである!

                                 日差しがかかったときや雨が降ったときに太陽光から送電がない時に備えて、火力発電をスタンバイさせています。火力発電をスタンバイしている間、当然CO2を出しますので、環境にも悪いです。

                                 

                                 当初は電力の確保という側面があったかもしれません。しかしながら、太陽光発電は最大電力量を増やしますが安定電源にはなり得ません。

                                 電力サービスを理解していれば、電力量のMAX(=最大電力量)を稼いでも、クソの役にも立たず、はっきり言って太陽光発電は不要です。

                                 

                                ぜひ、電気料金の領収証を見てください。

                                 

                                 上記写真の赤枠で囲った再エネ発電賦課金こそ、私たちから吸い上げられている所得=電気代金なのです。

                                 (上記の写真で言えば、1,019円が該当します。)

                                 この再エネ発電賦課金の総額、実はとんでもない金額になっていまして2030年には4兆7000億円になる予定です。

                                 今大体平均的な家庭で、毎月675円の負担で、年間8,000円強の負担ですが、2030年時点では倍になる予定です。

                                 年間16,000円の所得を全世帯が献上するという状況になります。こんなのは、さっさと廃止すべきです。

                                 

                                 ところで、途中で政府が今の値段を改訂するとかできないか?と思われる読者の皆さんもいるかと思います。

                                 残念ながら、それは不可能です。行政訴訟の対象になります。もし、可能性があるとすれば、発電税で課税する方法くらいしか思い当たりません。仮に発電税を導入して過剰に所得を取っている人たちから税金をかけることで回収していくということであれば、行政訴訟にならないでしょう。それ以外に今決まっている固定価格は変えられないということも、厄介な問題です。

                                 

                                 

                                というわけで、今日は岐路を迎えた「再生可能エネルギー買取価格制度」の問題点をお伝えしました。


                                放射線の1ミリシーベルト規制に根拠なし!

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                                  JUGEMテーマ:放射能

                                   

                                  4/29〜5/1で四国(高知県と愛媛県)に来ています。


                                  また、明日からはヨルダンのアンマンに行きます。帰国するまで暫く記事の掲載ができなくなるかもしれないこと、ご承知ください。



                                   今日は、放射線・放射能について、正しい知識を広めたく、「放射線の1ミリシーベルト規制に根拠なし!」と題し、改めて放射能をテーマに意見したいと思います。

                                   

                                   直近では今井復興相が失言で大臣を辞任しました。後任は福島県いわき市出身の吉野正芳氏が就任とのこと。今井復興相の発言は、災害安全保障や真の地方創生を全く理解していない発言です。

                                   

                                   世界的に見て、地震・噴火・津波・台風・水災・洪水・雪害など、あらゆる災害がオンパレードの日本において、非常時には助け合えるということは災害時に被害額を抑える、復興を早める等々、重要なポイントです。


                                    助け合いたくても、地方の経済が疲弊していて助けられる余裕がない、デフレ長期化で供給力が毀損して運送会社や地場の建設会社が人手が足らなくロジスティクスの普及ができない、結果物資が届かない、公務員を削減した結果、公務員が不足して市民サービスができない。


                                   この状態は、すべて発展途上国化です。助け合うためには真に地方創生していただきたく、インフラ整備を整える、公務員を増やす、公共工事を増やすべきですが、安倍政権は緊縮財政で公共工事は無駄であるとして増やすどころか、減らしています。


                                   また医療費・介護費は人口構造上しかたなく増加していますが、これも削減の緊縮財政。安倍政権はマクロ経済を理解していないのでは?と思わざるを得ません。


                                   それどころか外国人様に観光に来ていただくという外需依存を推進している!日本は発展途上国なのでしょうか?

                                   

                                   仮に東北地方が東京などの大都市と比べてGDP規模が小さいとするならば、大都市に人口が1極集中しないようインフラ整備をして東北地方のGDPを増やすことを念頭に置くべきです。


                                   「大震災がGDPが小さい東北でよかった」などという発言は、人々が分散して住んだほうが安全保障が強化されるということを知らないアホな発言で、今井氏は安全保障を全く理解していない議員と言わざるを得ません。

                                   

                                   とはいえ、今井復興相の失言は批判されるべきですが、批判する人々の論説は感傷的な論説(東北の人々がかわいそう、人の気持ちがわからない今井復興相は大臣の資質なしなど)が多く、マクロ経済的・安全保障の観点で間違っているという主旨の論説を見たことがありません。


                                   韓国のように感傷によって感情的に動く政治、すなわち衆愚政治(衆愚政治の定義)に陥らないか?私は懸念をしています。

                                   

                                   

                                   前置き長くなりましたが、お題の1ミリシーベルト規制について、少し前のことになりますが丸川珠代という自民党の国会議員で元環境担当大臣が、福島事故の原発で避難生活している人々が、科学的な根拠がない1ミリシーベルトの除染目標によって故郷に帰れない状況になっているという旨を発言し、大バッシングを浴びて発言を撤回しました。ですが、大臣の発言は全くその通りで、何が問題なのか?私には理解ができません。

                                   

                                   医学的・免疫学的には、瞬間100ミリシーベルトの放射線を浴びると、ガンになる確率が1.08倍になりますが、低量放射線による人体の影響は、放射線ホルミシス効果もあり、むしろ老化防止効果などの身体に好影響を及ぼす事例もあります。


                                   また、がん治療の陽子線・重粒子線治療は、放射線を使った医療技術です。(参照ブログ:「「放射線と子供のいじめ問題」LNT仮説は日本国を滅ぼす!」「低線量放射線は百薬の長です。(「放射線ホルミシス効果」「玉川温泉のラドン」について)」)

                                   

                                   このように放射線について正しい知識がなく、ただ危険とおびえ、LNT仮説を信じ込んで花粉症と同じかのごとく、放射線を浴び続ければ、ガンになるというこの論説には、思考停止と厳しく反論したいと思います。

                                   

                                   福島で甲状腺が見つかったなど、甲状腺がんと診断された患者が増加しているとの報道があります。

                                   

                                  『朝日新聞 奥村輝 2017年2月20日20時38分 福島県の子ども甲状腺がん 疑い例が185人に

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                                   福島県は20日、東京電力福島第一原発事故当時18歳以下だった約38万人を対象にした甲状腺検査で、昨年10〜12月に新たに1人ががんの疑いとされ、計185人になったと発表した。手術を受けてがんが確定したのは計145人で、昨年12月末時点と変わらなかった。県の検討委員会は「これまでのところ被曝(ひばく)の影響は考えにくい」との立場を変えていない。

                                   甲状腺検査は、2011年秋から13年度までの1巡目(先行検査)、14〜15年度の2巡目(本格検査)が終わり、今年度からは3巡目(本格検査の2回目)に入っている。2巡目の結果がほぼ出そろったことから、検討委は、被曝の影響を含め、1巡目と2巡目の結果をより専門的に検討する評価部会を5〜6月ごろに再開することを決めた。

                                   県は約3カ月おきに最新の検査結果を発表している。がんかがんの疑いがあるとされた185人の内訳は、1巡目が116人、2巡目が前回発表より1人増えて69人で、3巡目ではまだ報告されていない。1巡目では、102人が手術を受け101人ががんと確定、1人は良性腫(しゅよう)だった。2巡目では、手術を受けた44人でがんが確定した。(後略)』

                                   

                                   

                                   専門家の意見をご紹介します。

                                  「100ミリシーベルト以上被爆しない限り、甲状腺がんのリスクが高まることはない」

                                  「甲状腺がんは非常に進行が緩やかな病気で『潜在ガン』の代表である」

                                  「交通事故で亡くなった60歳以上の人の臓器を顕微鏡で精査すると、全員から甲状腺がんが見つかった」

                                   

                                   要は、福島県で甲状腺がんが増えている原因は、放射線によってがん患者が増えているのではなく、元々潜在的に甲状腺がんだった人がいて、それが原発事故後、みんなが検診する過剰検診によって見つかった!ただそれだけのことなのです。

                                   検診をしなかったら、甲状腺がん患者は増えなかったわけです。これは福島原発の放射線の影響とは関係ないのです。日本以外の国でも甲状腺がんの患者は急増していますが、理由は検査し始めたからです。

                                   甲状腺がんの中には、極端に悪性のものもありますが、進行は非常に緩やかで転移することはなく、早期発見・早期治療でほとんど治る結果、死亡率は極めて低いです。

                                   

                                   恐怖プロパガンダ、正しくは「恐怖に訴える論証」は、相手に恐怖を先入観を植え付けることで自身の考えを支持させようとするプロパガンダ手法です。2013年4月2日、国連は「東京電力福島第一原発事故に関するUNSCEAR報告について」という報告書において、次のようにレポートされています。

                                   

                                  「<公衆の健康影響>

                                  心理的・健康的な影響が最も重要だと考えられる。甲状腺がん、白血病ならびに乳がんの発生率が、自然発生率と識別可能なレベルで今後増加することは予想されない。また、がん以外の健康影響(妊娠中の被爆による流産、周産期死亡率、先天的な影響、または認知障害)についても、今後検出可能なレベルで増加することは予想されない。」


                                   

                                    その少し後に、ある評論家の方が、TV収録で上記の「UNSCEAR報告」が話題になった際、原発反対派の人々に向かって「福島第一原発の事故では放射線で死んだ人いませんよね?UNSCEAR報告でも、がん発生率は自然発生率と認識可能なレベルで増加することは予想されないとあります。」と発言したところ、「あと、三年もすれば、分かりますよ!」と薄ら笑いを浮かべて答えたのを見て、ゾッとしたとの感想を述べていました。

                                   

                                   福島第一原発の事故で「将来の健康被害」を煽った連中は、福島の皆さんのガン

                                  の発生率が上がって欲しいのではないでしょうか?


                                    何しろ、彼らは散々「恐怖」を与える言説をまき散らしたのに、実際は福島第一原発事故で健康被害が発生していないことが許せないという認知的不協和に陥っているのです。(参照ブログ:認知的不協和に陥る人々


                                   恐怖プロパガンダに染められた一般人も同様です。そうした一般人も自分が感じた恐怖は「正しいはずだ」という強迫観念にかられ、認知的不協和に陥って実際に起きていない健康被害が起きているという論説を探し始めるのです。


                                    彼らは同じ国民の日本人である福島県民の「不幸」を願っているわけで、不気味としか言えません。

                                   

                                   正しい知識・見分を持たず、LNT仮説を支持しているということに気付かず、認知的不協和に陥って、本音では「福島は危ない!」「福島は放射線で汚染されている!」という間違った認識を持った人々。


                                    私は、このような人々を、認知的不協和に陥った思考停止人間であると厳しく非難します。そうした人は、子供たちの世界で福島県出身の子供がいじめを受けているという事象の加害者と同じです。

                                   

                                   こうした人々を増やさないように、少しでも減らすようにするためには、放射線・放射能について正しい知識を持つ必要があるものと思い、今日も放射線・放射能をテーマに意見いたしました。


                                  「放射線と子供のいじめ問題」LNT仮説は日本国を滅ぼす!

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                                    JUGEMテーマ:放射能

                                     

                                     前回「放射線ホルミシス効果」についてご紹介しましたが、多くの人々が誤解していること、それはLNT仮説と呼ばれるものがあります。この仮説により、小さい子供ですら福島県出身の子供に対してのイジメに繋がっていると思われます。この仮説は全く根拠がないことを改めてお伝えしたく、今日はLNT仮説を取り上げます。

                                     

                                     

                                     

                                    1.LNT仮説とはどんな仮設なのか?

                                     

                                     LNT仮説とは、Linear Non-Threshold の頭文字を取ったもので、和訳すると「しきい値なし直線仮説」と呼ばれるものです。IR電力中央研究所などによれば、放射線の人体への影響は「確定的影響」「確率的影響」の2つに分けられるとのことです。

                                     

                                    <「しきい値なし直線仮説」の模式図>

                                     

                                    <「しきい値なし直線仮説」と「放射線ホルミシス効果」の模式図>

                                     

                                     「確定的影響」とは主に高線量被爆時に見られる障害で、脱毛を含む皮膚の障害や骨髄障害や白内障などが含まれます。それ以下では障害が起こらない線量、その数値をしきい値と言います。「しきい値なし直線仮説」と「放射線ホルミシス効果」の模式図で言えば、100ミリシーベルトがしきい値としています。

                                     しきい値を超えると人体への悪影響が起こるが、しきい値よりも少ない場合は、放射線ホルミシス効果により老化防止効果等があるというものです。

                                     

                                     そして多くの人々が誤解してるのは、「放射線ホルミシス効果」ではなく、LNT仮説を信じている論説を正しいと理解しているためです。

                                     LNT仮説は、しきい値から原点に向かって直線的に一次関数のように比例するとする考え方で、放射線を少なく浴びたとしてもその悪影響は蓄積されていくものとする考え方です。即ち放射線ホルミシス効果に関係なく、放射線を継続的に浴びていけば、浴びた量の累計が、やがてしきい値を超えて人体に悪影響が出る(ガンになる)などとする考え方です。

                                     多くの人々は、「放射線を浴び続けるとがんになる!」ことを信じて疑わないでしょう。それはまるで花粉症の症状のごとく。花粉症の症状のメカニズムについて、私は知見を持ちませんが、少なくても花粉症のように継続的に少しずつ放射線を浴びたからと言って、累積された結果しきい値を超えるとガンになるという考え方は、間違っていると言わざるを得ないのです。

                                     瞬間的に100ミリシーベルトを浴びた場合、ガンになる確率は1.08倍になるということは学術的に証明されています。(1倍→1.08倍というのが、どのくらい危険か?私に言わせれば喫煙者の方が遥かにがんになる確率が高いと思います。)

                                    とはいえ、低線量の被ばくについては、人体に悪影響を及ぼすどころか、放射線ホルミシス効果によって老化防止などの人体への好影響が証明されているのです。

                                     

                                     

                                     

                                    2.なぜ「仮説」なのか?LNT仮説の問題点について

                                     

                                     上述のように確たる情報が少ない低線量放射線の人体の影響について、放射線防護の安全策の立場からリスクを推定するために導入されたのが、LNT仮説です。

                                     要するに低線量放射線の影響については不明確でわからないことが多いから、影響があると考えておいた方が安全であるという考え方に基づくものであり、科学的に解明されたものでないので「仮説」と呼ばれているのです。

                                     線量限度等を勧告する国際放射線防護委員会では、このLNT仮説の取扱について、放射線管理の目的のためのみに利用されるべきであるとして、低線量の被ばくについてリスク評価するために用いるのは適切でないとしています。

                                     にもかかわらず、線量の被ばくに対してLNT仮説を用いてリスクが評価され、識者と呼ばれる人々でさえ多くの人が花粉症と同様に放射線を浴び続けると、LNT仮説という語彙を知ってか知らずか、直線的に照射線量の浴びた累積でしきい値を超えると身体に悪影響を及ぼすというのです。

                                     そもそも人間の細胞は、生きている限り何万個の細胞が入れ替わります。浴びた照射線量は累積しないのです。

                                     浴びた放射線量が累積すると思っていること自体が、LNT仮説を支持していることになるのです。

                                     こうして花粉症の症状と同じように放射線の身体への影響が語られ、結果として福島県民は放射線量を浴びている量が蓄積されていて他の日本人と比べて健康を害しているとして子ども同士でもイジメが起きているとするならば、私は大変にやりきれない気持ちでいっぱいになるのです。本来放射線や放射能について正しい知識を持っていれば、福島県民が他の日本人と比べて放射線量が累積されて危ないなどと言う発想はあり得ません。真実を知らない人々の無知が原因で、そうした悲しいことが起きていると言っても過言ではないのです。

                                     

                                     

                                     

                                    3.LNT仮説を起因として失っている国益

                                     

                                     私は一刻も早く、科学者技術者、国会議員、官僚などが、LNT仮説が正しかろう安全に立ったらそうあるべきだろう!という誤った放射線への認識を正していく必要があると思います。

                                     

                                     読者の中には次のような考えを持っている人は、いないでしょうか?

                                    ●電力会社は原発に電源を頼るなんてとんでもない

                                    ●原発を作っている東芝なんて時代遅れで、つぶれて当たり前!

                                     

                                     原発を動かさないことで、カタールなどの中東諸国が日本の足元を見て、高値で原油やLNGガスを売っている事実があります。カタールでいえば、日本のGDPで3兆円(日本のGDP500兆円の0.6%)が流出しています。いわば国益を損ねています。

                                     火力発電に頼れば当然鉱物性資源を使わざるを得ず、日本には資源がないため輸入となってマクロ経済的に言えば、GDPでマイナスに寄与いたします。

                                     また、東芝の経営が危機に陥ったのも、原発が稼働しないからウエスチングハウスの資産を減損するしかなかった。これは東芝が原発という放射線を取り扱う危ないプラントに投資をしていた自己責任ですなどと言って本当にいいのでしょうか?

                                     福島県出身の子供が放射線を浴びているなどとしてイジメをする側は、そもそも「放射線と放射能の違い」でさえよくわからないで発言していないでしょうか?

                                     国益を失うだけでなく、凄惨ないじめ事件も発生しているということであれば、政府は放射線、放射能への正しい知識の普及に努めるべきではないか?と私は思うのであります。

                                     

                                     皆様に誤解のなきよう申し上げますが、私は原発を推進すべきであるとは思っておりません。現実的に原発を稼働させておいた方がマクロ経済的にプラスになることが大きく、多くの国民が豊かになれると言いたいだけです。結果的に原発は稼働しておいた方がよい。とはいえ、原発も濃縮ウランという資源が必要です。そのため、CO2を出さないなどのメリットがあるから原発を推進すべきだったとしても、今後その果てには濃縮ウランの奪い合いということになると思います。結局、資源の種類が、原油からウランに変わっただけということになってしまいます。

                                     

                                     そんなわけで、今日は低線量放射線被ばく、具体的に言えば瞬間100ミリシーベルト浴びることがなければ、健康への影響は科学的に証明されていないということを改めて主張させていただき、LNT仮説は仮説であって身体の影響について論じるには相応しくないことを述べさせていただきました。

                                     

                                     

                                     

                                     

                                     

                                     


                                    低線量放射線は百薬の長です。(「放射線ホルミシス効果」「玉川温泉のラドン」について)

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                                      JUGEMテーマ:放射能

                                       

                                       3.11以降、福島県出身の子供がいじめを受けるなどというニュースをよく見ます。本件、全く悲しいことであるというのは言うまでもありませんが、そもそも国民の多くが放射能・放射線について正しい知識を持っていないことが原因です。

                                       

                                       特に低線量での被ばくは、発がんリスクの上昇は、医学的にも免疫学的にも認められていません。にもかかわらず、多くの人が誤解する理由、それはLNT仮説(下記グラフのA:しきい値なしの直線モデル)という仮説が原因です。LNT仮説については次回取り上げますが、今日は低線量の放射線を浴びると健康被害が起こるのか?について検証するとともに、低線量放射線が「放射線ホルミシス効果」をもたらすことをご紹介します。

                                       

                                      <資料:ラジウムで有名な秋田県仙北市の玉川温泉> 

                                       

                                      <資料:放射線ホルミシスモデル>

                                       

                                      秋田県仙北郡の玉川温泉の説明にも記載されている「放射線ホルミシス効果」とは、上記グラフのBのことを言います。端的に言えば、低線量の放射線を浴びた場合、健康にいい影響があるというものです。上記のグラフで言えば、線量で8cGyあたりが一番いい効果を出しますが、10cGyを超えると効果は逓減し、60cGyを超えるあたりから逆に健康に被害が出るということになります。

                                       

                                       

                                       

                                       

                                      1.放射線ホルミシス効果という語彙を知ったきっかけ

                                       

                                       私がこの「放射線ホルミシス効果」という語彙を知ったのは、3.11の大混乱が収まった半年後くらいだったと記憶していますが、福島県郡山市にある南東北病院のがん治療の専門医師のセミナーに出席したときです。

                                       

                                       私は、3.11のとき、福島県いわき市に在住しておりました。当時は保険会社に勤務しておりまして、いわき支社に所属していたのです。忘れもしない3.11の夜、福島原発の燃料棒が津波で冷却できなったとの報道で「いわき市から逃げなければ危ない!」と思ったものでした。

                                       いわき市は震度6弱の揺れで、道路のいたる所でマンホールが飛び出し、ひどい地割れと段差で、車を運転するとしても「タイヤがバーストするのでは?」「飛び出たマンホールで車が損傷するのでは?」と思えるほどで、慎重に運転しなければ立ち往生するかもしれないと思えるほど危険でした。

                                       当時の私は新聞TVやありきたりの「放射能は目に見えないから危ない!」という認識でして、おそらく多くの人もそう思われていることでしょうが、その程度の知識だったために「逃げなければ被ばくする!」と思っていました。

                                       

                                       3.11の夕方、福島原発の異変のニュースで、いわき市を出ようと常磐自動車道のいわき中央ICに行きましたが、通行止めになっていたため、結局引き返していわき市内に戻りました。

                                       

                                       翌日、福島県の母店がある郡山市に避難することとなり、以降4月初旬にいわき支社が再開するまでの間、郡山市内のホテルに滞在して、郡山市の福島支店のビルの中でいわき支社の業務を行っていました。

                                       

                                       その年の秋口と記憶していますが、いわき市のあるホールで、南東北病院のがん治療の専門医師によるセミナーに出席し、その先生の講演で「放射線ホルミシス効果」というものを知りました。

                                       講師の医師によれば、今回の福島原発事故で、放射能ホルミシス効果の好影響ですら発生しえないほど、微々たるものである旨の説明でした。3.11の福島原発事故で騒いだ放射線汚染だの何なのというニュースは、いったい何だったのでしょうか?

                                       

                                       よく福島原発事故と比較される事故で、チェルノブイリ原発事故を引き合いに出す人がいます。チェルノブイリ原発事故は、格納容器が爆発したものですが、福島原発は格納容器は爆発していません。格納容器を覆った建屋が水素爆発して崩壊したものであり、比較にならないほど、チェルノブイリ原発事故の方が危険です。何しろ放射性物質がまき散らされるからです。

                                       

                                       こうしてみると、チェルノブイリ原発と同じであるような論説を唱える人はデタラメであることがわかると同時に、福島原発の建屋水素爆発事故とは、放射線ホルミシス効果が出ないくらい軽い事故であると言えるのです。

                                       なぜ水素爆発を起こしたか?それは核燃料棒を冷やすための電源が津波で損傷を受けたため、核燃料棒が空焚きの状態になって水素が貯まっていったのです。格納容器が地震で損傷を受けたわけではありません。チェルノブイリ原発は格納容器が爆発しているので甚大な被害なのです。

                                       

                                       

                                       

                                      2.放射線治療の最先端の陽子線治療について

                                       

                                       先述の南東北病院というのは、がん治療における陽子線治療ができる病院の一つで、福島県郡山市にあります。

                                       陽子線治療は、がん治療の最先端技術を使った治療です。通常の放射線治療ですと、例えば肺の裏にガンができた場合、放射線をガンの部位に当てることで、他の正常な細胞にまで放射線を当てることになり、結果副作用が起きて、頭の髪の毛が剥げる、心不全を引き起こすなどの症状が出たりします。

                                       ところが陽子線治療は、陽子線という放射線により、正常な細胞には一切触れず、がん細胞のみを照射できるというもので、副作用は極めて少なく、体への負担が少ないという治療です。例えば、前日に入院し、翌日陽子線治療を行った後、そのまま退院したとして、翌日には普通にゴルフができるというくらい身体への負担は軽いと言われています。

                                       

                                       この陽子線治療は、どこの病院でもできるというものではありません。厚生労働省が病院に対して認可を下した病院(下表)だけが認められています。

                                       

                                       上記は2016年9月時点のもので、陽子線治療は11か所の病院が認可を受けていますが、2011年の3.11のときは6か所程度だったと記憶しています。

                                       

                                       

                                       

                                      3.放射線ホルミシス効果もあり、低線量の放射線は怖くない!

                                       

                                       陽子線治療の他に、重粒子線治療というのもあります。いずれも、放射線を使った最先端治療でして、現在は健康保険適用されていないために、全額自己負担となっており、その治療費は300万円弱と言われています。

                                       がん細胞だけに放射線を照射するという技術は、まさに最先端。とはいえ、放射線を使った治療であることに間違いありません。放射線が危険と思われる方、ぜひ右記のYoutube「Medical Technology 121202 y01(無痛で無傷!最先端がん治療)」をご参照ください。「放射線は目に見えず、被ばくすると怖い!」と思っている方には、放射線のイメージがきっと変わると思います。

                                       

                                       さて、やっと本題の「放射線ホルミシス効果」について述べますが、「放射線ホルミシス効果」端的に言えば、微量放射線を浴びた場合、死亡率は低下するという説です。

                                       3.11の福島原発事故のとき、当時の菅直人内閣は年間20ミリシーベルトを超える地域の人々に対し、避難をするよう指示いたしました。

                                       医学的免疫学的な話を言えば、放射線を人体に影響を及ぼすのは「瞬間的に」100ミリシーベルト以上浴びた時です。国立がんセンターによれば、瞬間的に100〜200ミリシーベルトの放射線を浴びた場合、がんになる確率は1.08倍に上がるという数値を出しています。これを高いというべきか?低いのか?判断はお任せしますが、瞬間的に100〜200ミリシーベルトの放射線を浴びたら、がんになる確率が上がるということは科学的証明しています。

                                       ところが、菅直人内閣は年間に浴びる放射線量が20ミリシーベルトに達する地域に住んでいる人々に対し、避難を呼びかけたのです。もう一度言いますが、年間20ミリシーベルトですよ?低線量の放射線を少しずつ長期に浴びて累計で年間20ミリシーベルトに達するエリアは健康被害が出ると判断したのだと考えます。

                                       とはいえ、先述の通り科学的に証明されているのは瞬間的に100〜200ミリシーベルトを浴びた時に、がんになる確率が1.08倍になるというものです。低線量の放射線を少しずつ浴びて年間20ミリシーベルト浴びたとしても、健康被害は全くないのです。

                                       

                                       例えば、秋田県仙北郡田沢湖町玉川の北投石で有名な温泉で、玉川温泉というのがあります。この温泉はラジウム放射線が出ている温泉で有名です。ラジウム放射線を浴びるので健康に良い難病が治るとされています。この玉川温泉のラジウム放射線は、毎時0.32マイクロシーベルト(0.32μSv/h)程度とのこと。1000マイクロシーベルト=1ミリシーベルト、1000ミリシーベルト=1シーベルトという単位と、瞬間的に100ミリシーベルト浴びてがんの発生確率が1.08倍になるという科学的証明を知っている人であれば、1時間0.32マイクロシーベルトという数字は、全く問題がなく大したことないというのは理解できるのではないでしょうか?

                                       

                                       一時期、首都圏でもホットスポットがあると言われ、都内で年間2.8ミリシーベルト計測された場所があるなどと報道されました。そして福島第一原発で菅直人内閣が避難指示を出したのは、年間20ミリシーベルト超になる地域でした。

                                       

                                       ●瞬間的に100ミリシーベルト浴びるとがんになる確率が1.08倍になる

                                       ●低線量の放射線は放射能ホルミシス効果により健康にいい影響がある

                                       

                                       この2つを知ったとき、福島原発事故における政府の対応と、その後のマスコミ(TV新聞)報道のデタラメさに、怒りを覚えるのです。こうしたデタラメ報道がきっかけで、福島県の子供たちがイジメを受けるとすれば、やりきれない思いでいっぱいになります。

                                       

                                       そんなわけで、今日は放射線ホルミシス効果を取り上げ、放射線が怖くないこと、特に低線量の放射線を浴びることは健康にもよく、がん治療の最先端治療でも放射線を使ってがん細胞だけをやっつける技術についても紹介しました。

                                       

                                       次回は、放射線について誤解を生んでいる元でもあるLNT仮説について取り上げます。

                                       

                                       


                                      電力サービスとは、需要に対して過不足なく供給するサービスである!

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                                        JUGEMテーマ:エネルギー

                                         

                                        2日間連続で、原子力発電所を中心とした問題を取り上げましたが、今日は改めて電力サービスについて述べさせていただきます。

                                         

                                         例えば、「中東の広大な土地に、太陽光パネルを広大に敷き詰めれば、世界の電力需要のほとんどを賄うことができる」というのは本当でしょうか?これは、自民党の国会議員の河野太郎氏(神奈川県選出)が言っていたことですが、これはデタラメです。

                                         

                                         そもそも電力サービスは、需要に対して過不足なく供給しなければ停電してしまうサービスです。

                                         「電力を多めに作る分には大丈夫じゃないの?」と思われる人が多いかと思います。

                                        電力は、需要以上に供給すると、送電網が不安定になり、ブラックアウト(停電)を引き起こすのです。

                                        送電量が少ない場合は停電するというのは、自転車のライトのペダル漕ぎなんかでイメージできると思いますが、多く電力を供給した場合も停電してしまうという事実を、多くの国民は知らないと思います。

                                         

                                         例えば、今あなたが手にしているスマートフォーンも、家で充電する場合、充電した瞬間即ちコンセントを差した瞬間からXワット需要が発生し、電力会社はXワット供給します。Xワットより多くの電力を供給すれば、ブラックアウトしてしまう可能性があるのです。

                                         また、充電が終わり、コンセントを抜けば、今度はコンセントを抜いた瞬間にXワット供給を停止しなければなりません。需要がゼロワットなのに電力を送れば、これまたブラックアウトしてしまうからです。

                                         

                                         あなたが会社から家に帰ってきたとします。電気をつけるでしょう。その場合、電気のスイッチをオンにした瞬間から、Yワットの需要が発生し、電力会社はYワット供給します。Yワットより多くの電力を供給することはできず、Yワット電力を供給するのです。

                                         また、就寝時間で電気を消した場合、電気を消した瞬間からYワットの電力供給を停止します。

                                         

                                         このように製造業のように多めに作って余った製品を倉庫に収納し、発注が出たら出庫するということができません。即ち在庫ができないサービスなのです。

                                         

                                         また、太陽光パネルの話で言えば、例えば10m×10m=100屬離宗璽蕁璽僖優襪あったとして、夏の昼間、暑くてクーラーが必要なのに、入道雲が発生して、ソーラーパネルの50%が影に隠れてしまいました。この場合、出力能力はどうなるでしょうか?

                                         

                                         影が掛かった場合、発電量が低下する度合いは、影の面積に比例するものではありません。たとえばパネルの半分に影がかかった場合、出力50%低下することではないのです。理由は、太陽光発電システムのパネルは、複数の系統が直列によって接続されています。それによって、パネル一枚に影がかかると電流全体の流れを妨げることになり、それがたとえ一部の影であっても、太陽光発電システムの全体に影響を及ぼし、大きく電力供給力を損なってしまうのです。

                                         

                                         電力会社の社員は、稼働している発電所を把握したうえで、電力の需要の増減の変化に、供給を合わせるという作業をします。この供給を合わせるというのは、どういうことか?と言いますと、例えば5キロワット必要だとなれば、5キロワット過不足なく供給する分のタービンを回します。この際、タービンを回すのを自由自在に行えるのは、火力発電所と原子力発電所です。5キロワットの電力が不要となれば、タービンを回すのを瞬時に停止する。こうしたことが自由自在に行えるのが火力発電所と原子力発電所です。

                                         

                                         一方で太陽光発電・風力発電は、そうはいきません。太陽光発電で言えば、部屋を暗くしていた家に昼間に帰ってきて部屋の電気を付けようとして5キロワットの電源が必要となった際に、ソーラーパネルの上に影が掛かっただけで、電気が付かないということになります。タービンを回したくても回せないのです。

                                         風力発電も同様です。風がなければ発電ができず、風が強すぎてもプロペラが損傷するリスクがあるために風力発電を止めます。

                                         結局、太陽光発電・風力発電は、需要に応じた供給ができないのです。当たり前ですね、考えてみれば天候に左右されるのですから。

                                         

                                         それでは水力発電はいかがでしょうか?例えば、真夏の暑い日で雨がものすごく降っているときでも、部屋でエアコン付けたりしていませんでしょうか?水力発電は大雨の時は水を放流できません。なぜならば下流が洪水になってしまうからです。

                                         この場合も、火力発電と原子力発電は、自由自在に稼働させることが可能です。

                                         というわけで、火力発電と原子力発電は、安定電源であるということがお分かりいただけましたでしょうか?

                                         

                                         お題の「中東の広大な土地に、太陽光パネルを広大に敷き詰めれば、世界の電力需要のほとんどを賄うことができる」は、中東で太陽光パネルを敷いたとして、かつ蓄電技術の向上により在庫として貯めることができるようになったとして、米国や日本など、海をまたぐ国に対しては、どうやって電力供給するのでしょうか?海底ケーブルを敷くのでしょうか?上述の主張をされる方には、その辺のことも聞いてみたいです。とはいえ、現時点では中東に太陽光パネルを敷いて日本に電力を送電させるというのは、相当無理があるお花畑なお話であることがご理解いただけると思います。

                                         

                                         というわけで、今日は電力サービスについて述べました。私は国会の前で反原発活動をしている団体がテレビで放映されているニュースを見たことがあります。この人たちは、地下鉄に乗らないのでしょうか?携帯電話やスマートフォーンは使わないのでしょうか?もし、彼らが電気を使わず、暗がりではろうそくを使い、移動手段は馬車や馬を使って国会に来て、スピーカーを使わず自分の肉声で活動しているならまだしも、地下鉄を使い、充電された携帯電話を使い、スピーカーを使って、反原発活動をしているのを見ていると、思わず笑いたくなってしまいます。「この人たち、電力サービスのこと何もわかっていないな!」と。 

                                         電力会社叩きをするマスコミ(TV新聞)の人たちも同じです。電力サービスを使って報道番組したりニュースしたりしているのに、電力が不安定になって海外のように停電が頻発するようになったらとか想像できないんだろうなと。なぜならば電力サービスのことを知らないから、真実を知らないから。

                                         その一方で、電力会社の社員の皆様には頭が下がります。電力会社の社員は立派だと思うのです。原発で稼ぐ電力会社なんてつぶれろとか給料もらい過ぎだとかいう批判に対しては、私は的外れで無知の極みであると厳しく反論したくなるのです。


                                        北海道電力(株)について(電気事業法第36条に基づく渇水準備引当金)

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                                          JUGEMテーマ:原発

                                           

                                          今日は、北海道電力(株)(証券コード:9509)が泊原発が停止していることによる経営への影響について意見したいと思います。

                                           

                                          まず、北海道電力(株)の四季報を見てみましょう。

                                           

                                          1.北海道電力(株)の概要(四季報)

                                           

                                           

                                           

                                           

                                           

                                           

                                           3.11の東日本大震災が起きる前の電力株は、ほとんどが50円配当を安定的に出していて、リスクが低い安定した株であるという評価でした。四季報が2014年以前の記載がないので、配当が記載されていませんが、私もかつて電力株の購入を検討したことがあり、1社東京電力か沖縄電力かいずれかが60円だったと記憶していますが、それ以外の電力株は全て年間50円配当であったと記憶しています。

                                           

                                           

                                           

                                          .泊原発3基停止による収益悪化と、2015年3月期におけるエクイティファイナンス実施

                                           

                                          さて、泊原発3基停止により、北海道電力(株)は、経営危機を迎えます。

                                          下表は、2012年3月期から過去5か年の経営指標の推移です。

                                          (出典:有価証券報告書)

                                           

                                          2011年3月11日に東日本大震災が発生しましたが、その翌年の2012年3月期決算から、経常損失が3か年続いています。

                                          ここで、注目いただきたい数値は、下記の通りです。

                                           

                                          (1)純資産額

                                          2012年3月期:279,741百万円

                                          2013年3月期:155,292百万円

                                          2014年3月期:  92,926百万円

                                          2015年3月期:147,501百万円

                                          2016年3月期:160,864百万円

                                           

                                          (2)経常損益

                                          2012年3月期:  ▲14,691百万円

                                          2013年3月期:▲118,670百万円

                                          2014年3月期:  ▲98,824百万円

                                          2015年3月期:    ▲8,758百万円

                                          2016年3月期:     21,238百万円

                                           

                                          (3)当期純損益

                                          2012年3月期:  ▲74,544百万円

                                          2013年3月期:▲120,083百万円

                                          2014年3月期:  ▲64,207百万円

                                          2015年3月期:       4,230百万円

                                          2016年3月期:     17,099百万円

                                           

                                          (4)自己資本比率

                                          2010年3月期:24.55%(※過去の有価証券報告書から抜粋)

                                          2011年3月期:23.22%(※過去の有価証券報告書から抜粋)

                                          2012年3月期:18.01%

                                          2013年3月期:  9.66%

                                          2014年3月期:  5.40%

                                          2015年3月期:  8.43%

                                          2016年3月期:  9.11%

                                           

                                           

                                           まず、泊原発が稼働するか否か?で、経常損益で約900億円の数字が動きます。未稼働の場合900億円収益悪化し、稼働すれば900億円収益計上されるというイメージです。

                                           上記の指標でいえば、純資産の額が、3.11の震災後の2012年3月期決算以降、すさまじい勢いで減少しています。これは3.11で泊原発の運転を停止し、損益が急激に悪化したことによるものです。

                                           

                                           純資産額の推移で言えば、2013年3月期からわずか3年で、279,741百万円が92,926百万円にまで減少しています。泊原発未稼働による収益悪化影響で毎年900億円の経常損失を出し、自己資本を削っていったのです。

                                           

                                           2015年3月期に、自己資本は147,501百万円に増加に転じています。この理由は、日本政策投資銀行に第三者割当増資で500億円を引き受けてもらったためです。A種優先株500株が2015年3月期決算から記載されているのは、このためです。

                                           

                                           上述を統括すると下記の通りです。

                                          ・原発停止以降、特に2013年3月期決算から、毎年約1,000億円前後の収益減少と大幅悪化した

                                          ・それに伴い、自己資本を約900億円ずつ失っていった

                                          ・2012年3月期時点の自己資本は、約2,800億円だった

                                          ・2013年3月期、2014年3月期、2015年3月期と3年間連続して900億円の経常損失を計上すれば、自己資本約2,800億円がほぼ無くなる計算であった

                                          ・万一、2015年3月期(2014年度)に日本政策投資銀行を引き受け手とする第三者割当増資によるA種優先株500億円のエクイティファイナンスを実施しない場合は、2015年3月期時点で債務超過になる可能性があった

                                          ・実際は、2015年3月期決算を迎える前に日本政策投資銀行が第三者割当増資を引き受けてくれたおかげで債務超過を回避できた

                                          ・泊原発が停止のままだが、経常損益がプラスになり、自己資本比率も上昇に転じていった

                                           

                                           上記の通り、2015年3月期決算は、薄氷を踏む決算だったことがよくわかります。日本政策投資銀行が第三者割当増資を引き受けてくれたからこそ、債務超過にならず済んだのです。北海道電力が債務超過になったら、日本経済はシャレにならないくらい大変なことになっていたと思います。

                                           

                                           例えば、電力会社の社債は、A格付けであり、証券会社のMMFやMRFといった元本割れを基本起こさないとされる公社債投信にも組み入れられていました。もし、北海道電力が債務超過になっていたら、MMFやMRFで元本割れになっていたファンドが発生したかもしれません。

                                           

                                           

                                           

                                          3.渇水準備引当金の取り崩しについて

                                           

                                           上記の通り、2014年度(2014年4月〜2015年3月)に実施したエクイティファイナンス実施により、債務超過を免れましたが、泊原発は引き続き停止状態のままです。この状況で、2015年3月期の決算で、経常損益が好転しています。2013年3月期、2014年3月期と、約1,000億近い経常損失を2年連続計上していましたが、2015年3月期は約87億円経常損失と、大幅に好転しています。

                                           

                                           この理由について、北海道電力のIRの資料を調べたところ、詳細が分かりました。

                                          主に経常損失を押し上げた効果としては下記の通りです。

                                          ・火力発電の原料である原油安によるコスト低下:211億円

                                          ・電気料金の値上げ:503億円

                                          ・人件費、修繕費、諸経費などのコスト削減:312億円

                                          ・渇水準備引当金の取り崩し:220億円

                                           

                                           こうしてみると、2015年3月期は、コスト削減もそうですが、「原油安でたまたま運がよかった」「電気料金の値上げによりカバーできた」「渇水準備引当金を取り崩した」ということが、北海道電力を救ったと言えます。

                                           

                                           この渇水準備引当金とは、電気事業法第36条に基づいて、電力会社は水力発電で得た利益の一部を引当金として費用化することを義務付けた費用の勘定科目で、目的は電力会社の経営を安定化させることです。

                                           

                                           もともと水力発電は、電力会社として供給コストが安いのですが、雨が降らなければ、ダムに水が貯まらず、稼働できません。

                                           雨が長期間降らないで、ダムに水が貯まらず水力発電所が稼働できない場合、火力発電やら原子力発電などの稼働率を上げます。特に火力発電は鉱物性資源を原料とするため、原油価格によってコスト変動のブレが大きく、赤字になった際に、過去水力発電で儲けた利益の一部を、その赤字に充当できるよう引き当てを義務付けているのです。

                                           渇水準備引当金は義務付けられているものですので、取り崩す場合は経済産業省の許可が必要です。北海道電力は債務超過を回避するため、渇水準備引当金の取り崩しを経済産業省に申請いたしました。

                                           

                                           というわけで、今日は北海道電力について、3.11以降泊原発停止による経営悪化を、あらゆる方法を使って債務超過を回避してきたことをご紹介いたしました。とはいえ、中国バブル崩壊をきっかけとする資源バブル崩壊により、原油高トレンドから原油安トレンドに原油相場が推移し始めたことも大きく影響しています。また、北海道電力の値上げの効果も大きい。ただし電力の値上げは、企業の損益に悪影響を与え、家計を圧迫して北海道内の消費がさらに落ち込むといった事象も発生します。

                                           私は、原発推進ではありませんが、電力は安いに越したことはないと思っておりまして、原発再稼働には大賛成です。今後は原発問題についても取り上げていきたいと思っています。


                                          原発再稼働と電力株(関西電力の高浜原発、四国電力の伊方原発、再稼働へ!)

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                                            JUGEMテーマ:原発

                                             

                                            今日は、掲題の通り、福井県関西電力の高浜原発3号機・4号機、愛媛県四国電力の伊方原発3号機の再稼働について意見します。

                                             

                                            ◆.ロイター通信の記事とテレビ朝日の記事の概要

                                             

                                            ロイター通信とテレビ朝日の記事をご紹介します。

                                             

                                            『(ロイター通信 2017年 03月 28日 20:57 JST配信)

                                             関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転を差し止めた昨年3月の大津地裁の仮処分について、大阪高裁は28日、関電の抗告を認めて取り消す決定をした。2基が法的に再び運転可能となり、稼働中の原発を止めた全国初の司法判断は約1年で覆った。

                                             関電の岩根茂樹社長は「地元の理解を得ながら、再稼働に向け安全最優先で準備を進める」と述べた。時期は未定としたが、早ければ4月下旬ごろにも運転を再開する見通し。早期の電気料金値下げを目指す(後略)』

                                             

                                            『(テレビ朝日系(ANN)3/30(木)17:22配信)

                                            伊方原発3号機の運転停止を求めた裁判で、住民側の申し立てが却下されました。広島県の被爆者らが、伊方原発で事故が起きると健康被害など人格権を侵害するとして、再稼働している3号機の運転停止の仮処分を求めていたもので、地震や津波への対策などが争点となっていました。広島地裁は30日、伊方原発が新規制基準に適合するとした判断に不合理はないなどとして申し立てを却下しました。今後、原告団らは不服を申し立てる方針です。伊方原発については、松山地裁など合わせて4カ所で運転停止が申し立てられています。(後略)』

                                             

                                             大阪高裁は、福井県の関西電力高浜原発3号機・4号機の運転差し止めをした大津地裁の仮処分を取り消しました。運転差し止め効果は直ちになくなり、3号機・4号機は早ければ5月上旬に再稼働する見通しです。

                                             大阪高裁の山下裁判長は、福島原発事故の後に原子力規制委員会が定めた新しい規制基準について、科学的技術的知見に基づいているとして合理性があると認定しました。

                                             

                                             今回の裁判結果について、どう考えるべきでしょうか?

                                             

                                             私が怖いと思ったのは、高浜原発の運転差し止めを要求したのは30人以下の20数人です。その結果、どのくらい影響を受けたか? 高浜原発を止めたことで関西電力は電気料金を2回値上げをしなければなりませんでした。その影響は2000万人以上に上ります。

                                             

                                             その運転差し止めを求めている住民側は、2016年4月の熊本地震の例を挙げ、最大規模の揺れが連続発生する可能性が考慮されていないと主張しましたが、山下裁判長は、3号機・4号機は硬い岩盤の上に設置されており、最大規模の揺れが短時間続けて発生することは、ほぼ考えられず、連続して揺れに襲われても安全性は確保されているとしてこの主張を退けました。

                                             

                                             これ、そもそも何で止まったか?理由は、滋賀県の地裁の裁判官が反原発の考えをお持ちの方でした。人為的に止められてしまったことは明らかで非常に問題です。技術的科学的知見を根拠に止めたわけではないからです。

                                             

                                             当時、滋賀県の共産党が背後にあり、反原発の裁判官だから通せると睨んで原告団を組み、訴訟を起こしたのでは?とも憶測されています。

                                             

                                             

                                             

                                            ◆.経済へ好影響を期待!

                                             

                                             このニュースと関連して、株価と日本経済への影響について考察いたします。

                                             

                                             株価についていえば、20000円を目前に一進一退を繰り返しています。上値をブレークする力強さはありません。

                                             理由は簡単、為替が円高に振れているから。トランプ大統領は、米国国内需要を拡大する政策に加え、貿易不均衡の是正を主張し、NAFTAなどの貿易自由協定を見直すとしています。保護主義といえばネガティブな言い方ですが、アメリカンファーストを標榜して当選してきた背景を考えれば、至極全うな主張です。関税を引き上げ、逆輸入を阻止し、メキシコなどの海外工場を米国国内に引き寄せ、アメリカ国民の雇用を生み出して所得を引き上げる政策ですので、米国経済は世界経済が不景気なっても関係なく順調に経済成長していくでしょう。

                                             

                                             オバマケア廃止法案が通らなかったことをきっかけに、トランプ大統領の政策手腕に疑問とかいって、米国の株価が一時下げ、それに引きずられて日経平均も下げましたが、米国の雇用統計などの数字が良かったことを受け、ダウ平均、NASDAQは反転しています。

                                             確かにオバマケア撤廃法案は通りませんでしたが、トランプ大統領のNAFTA見直しや米国国内への工場誘致は、数字が良くならざるを得なくなる効果があるのです。

                                             

                                             日本国内に目を向ければ、

                                            ●日銀の国債買取による銀行保有国債残高の減少で、金融緩和ができなくなる日本発金融危機までのタイムリミットの進行

                                            ●緊縮財政

                                            ・特に公共工事について真水での政府支出額減少(単年度の政府支出額を抑える財政政策)

                                            ・医療介護費削減

                                            ●消費税増税以降、2015年1月、2016年1月、2017年1月と3年連続で個人消費減少(3年間で約9%の消費減少)

                                            という、マクロ経済的に言えば、経済成長できるわけがない事象政策が目白押しです。

                                             

                                             2014年4月の消費税増税以降、1月時の実質消費の減少を見れば、本来消費減税の議論をするべき非常事態です。にもかかわらず、議論すら起きない。

                                            「消費増税による消費の落ち込みは一時的です!」と言っていた、当時東京大学教授の伊藤元重氏、大和総研チーフエコノミストの熊谷高丸氏らは、この数字をどう思っているのでしょうか?

                                             しかもこの二人、財政諮問会議のメンバーで、財政破綻(起こりえないウソデタタメ)を回避するために緊縮財政を推進しているのです。

                                             

                                             ウソデタラメのエコノミスト、アナリストらはさておき、私は「国債増刷」「公共工事拡大」「消費減税」という新たな三本の矢が必要であると思っています。すべて出揃えば、日本経済はデフレ脱却を果たし、実体経済の成長を伴った株価上昇になると思っています。それらが実施される議論され始めるまで日経平均株価は、たとえ20000円突破しても長続きしないでしょう。

                                             このブログで、「バフェット指数について(「トランプ相場に乗り切れぬ日本の“なぜ”」を考える)」を取り上げたことがあります。GDPが伸び悩めば、株価の時価総額も伸び悩むのです。GDPが伸びる=実体経済の成長=GDP成長ですので、GDPが増える施策が出ない限り、株価は20000円突破して上昇を続けるというシナリオにならないのです。

                                             

                                             では、GDPが増えるためにはどうすればよいか?

                                             

                                             税収=名目GDP×税率×税収弾性値
                                             GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出
                                              ※純輸出=輸出−輸入

                                             

                                             上記の式を見れば、理解できます

                                            ・個人消費を増やす⇒消費税減税

                                            ・政府支出を増やす⇒公共工事拡大、医療費介護費拡大

                                            ・設備投資を増やす⇒デフレを脱却し、物サービスが高く買われる儲かりやすい環境を創出する

                                            (法人税をどれだけ下げても、物サービスが安く買われる製造しても儲かりにくい環境では、企業は設備投資を控えます。)

                                            ・輸出を伸ばす←輸出を伸ばすのは外需依存。外需は中国の爆買い規制のように国内でコントロールできない

                                            ・輸入を減らす

                                             

                                             このうち、純輸出の輸入が原発と関連します。日本は原発を止めているため、中東諸国が原油を高値で売り付けています。カタールだけで3兆円ものGDPが流出しているのです。もし、原発を動かし始めれば、カタールは原油を高値で売ることができなくなります。コストが低廉な原発が稼働を始めれば、日本の電力会社は原油の輸入量を減らせる(需要を減らせる)からです。結果、輸入量が減れば、カタールで言えば3兆円のGDPの流出額が減少、即ち日本のGDP成長に資するのです。

                                             

                                             また、原発再稼働をすることで、電力会社は発電コストを下げ、適切にメンテナンスが行えるようになり、日本国内における電力の安定供給につながるため、国内企業のほとんどすべてが恩恵を受けることができます。

                                             例えば、電気料金が下がった場合、物・サービスの値段をそのまま据え置けば、電気料金の支払いが減ることで、各企業の営業利益が増加し、売上高営業利益率の改善につながるのです。

                                             

                                             

                                             というわけで、原発再稼働は日本にとってデフレ脱却の環境が整うための1つであり、同時にエネルギー安全保障が強化されるので、いいニュースであると思っております。今後、このブログでも電力サービスについても積極的に取り上げていきたいと思います。


                                            原子力発電所の炉型の違い(BWRとPWR)と東芝問題

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                                              JUGEMテーマ:経済全般

                                               

                                              今日は、東芝のウェスチングハウスの米国連邦破産法11条の適用申請に関連して、東芝問題を取り上げます。

                                               

                                              下記は3月29日配信の産経新聞の記事です。

                                              『(2017年3月29日 16:21 産経新聞)東芝の米原発子会社ウェスチングハウス・エレクトリック(以下「WH」)が連邦破産法11条の適用を申請した。(後略)』

                                               

                                              原発工事の大幅な遅れにより、WH買収に伴う損失が拡大し、1兆円程度になる見込みとの報道でした。3月29日に取締役会を開き、米国破産法申請について承認されました。この結果、裁判所の許可が得られれば、WHは裁判所の下で経営再建を進めていくことになります。東芝にとっては連結子会社から切り離すことで損失を確定することを意味します。

                                               

                                              本件、「東芝の決算発表延期の影響について」と「東芝がウェスチングハウスの株式の過半を売却へ!」の記事でも取り上げましたが、東芝がWHを買う時に経済産業省やエネルギー庁の後押しがありました。その背中を押したエネルギー庁が、東芝に全責任を押し付ける点で、大変問題であると思っています。

                                               

                                              原発のインフラ輸出とか国家戦略もあるのに、いざ厳しい状況になったからと言って、東芝に全責任を押し付ける。

                                              原発の技術は軍事技術に転用される可能性もありますし、原発はこれからも必要です。

                                              米国が自動車メーカーのGMが危機のときに米国政府が資本注入したときと同じように、日本政府が資本注入するべき事案であると思っています。

                                               

                                              そもそも東芝がWHを買うに至った理由の一つとして、

                                              ・WHがPWR(Pressurized Water Reactor=加圧水型原子炉)に関する特許の40%を保有していること

                                              ・東芝はBWR(Boiling Water Reactor=沸騰水型原子炉)が主流であった

                                              ということで、東芝がPWR関連の特許を大量に持っているWHを購入し、ウランの購入からPWRでの原発ビジネスの川上から川下までの技術の全てを手に入れようとしていたと思われます。

                                               

                                              ここで、PWRとBWRという言葉が出てきたので、解説したいと思います。

                                               

                                              【図1】BWR=沸騰水型原子炉のイメージ。

                                               

                                               

                                              【図2】PWR=加圧水型原子炉のイメージ

                                              PressurizedWaterReactor.gif

                                               

                                              BWRもPWRも蒸気でタービンを回す点では同じですが、主な相違点は下記の通りです。

                                              BWR(沸騰水型)原子力発電プラントは、原子炉の中で蒸気を発生させ、その蒸気を直接タービンへ送り込みます。

                                              PWR(加圧水型)原子力発電プラントは、原子炉の中で発生した高温高圧水を蒸気発生器に送り、別の系統を流れている水を蒸気に換えて、その蒸気をタービンに送り込みます。

                                               

                                               BWR(沸騰水型)原子力発電プラントの特徴としては、原子炉容器の中で発生した蒸気をそのまま発電に利用する(タービンを回す)ということです。この結果、放射能を帯びた蒸気の取扱には最新の注意が必要です。具体的に言えば、蒸気を回収して再び原子炉の中を循環させるだけでなく、関係する設備を全て遮断し、放射能が外部に漏れることを防いでいるのです。

                                               一方でPWR(加圧水型)原子力発電プラントは、原子炉容器の中の水(一次冷却水)は沸騰しないように加圧させ、ウラン燃料から発生する熱エネルギーによって、約320度の高温水を作り、その高温水を蒸気発生器に送って二次冷却水を沸騰させ、その二次冷却水で作られた蒸気を発電に利用します(タービンを回します)。

                                               PWRの加圧水(一次冷却水)はウラン燃料で熱せられますが、液体状態であるため、放射能を含む蒸気が発生するBWRを比べれば、PWRの方が再循環が簡単です。またPWRの二次冷却水は、図の通り放射能を含みません。そのため外部への放射能漏れを防ぎやすいというメリットがあります。ただし、PWRは、BWRと比べて保守・回収の手間がかかる上に、コストが高いというデメリットがあります。

                                               

                                              BWRとPWRのプラントの違いということで改めて図を引用させていただきますので、ご参照ください。

                                               

                                              【BWR発電プラント】

                                               

                                              【PWR発電プラント】

                                               

                                               

                                              日本国内で原発のメーカーと言えば、東芝以外に、日立、三菱重工の2社が挙げられます。

                                              この3社における原発プラントの取扱は下記の通りです。

                                               

                                              ●東芝グループ(東芝がウエスチングハウスを買収して子会社化)

                                              企業名:東芝

                                              協力会社:Westinghouse Electric(米)

                                              保有技術:BWR PWR

                                               

                                              ●日立グループ(日立製作所とGeneral Electricの合弁)

                                              企業名:日立GEニュークリア・エナジー

                                              協力会社:General Electric(米)

                                              保有技術:BWR

                                               

                                              ●三菱重工グループ(アレバと協調)

                                              企業名:三菱重工業

                                              協力会社:アレバ(仏)

                                              保有技術:PWR

                                               

                                               東芝は従来、BWRが主流の技術メーカーでした。Westinghouse Electric(=略称「WH」)はPWRが主流で、PWR関連の特許の40%を保有していたとのこと。そのため、東芝は欧州などのPWR原発のリプレース需要を睨み、エネルギー庁の後押しを得て、WHを買収し、連結子会社としたのでした。

                                               また、3.11で事故が発生した福島原発は、第一原子力発電所、第二原子力発電所、すべてBWRです。BWRは東日本に多く、西日本はPWRが多いです。現在稼働中の原発は下表の通りです(停止中原発を除いています。)。

                                               

                                               東芝が絡んだ原発で言えば、3.11の福島原子力発電所は、東芝グループが主流とするBWRでした。PWRを主流とするWHを買ったのは東芝としては正しかったと思うのです。しかも経済産業省所管のエネルギー庁の後押し付きとなれば、なお買収しやすかったものと思っています。

                                               こうしてみると、背中を押した東芝に全責任を押し付けるのはいかがなものか?「自己責任です!」では済まされないものと思うのです。技術流出リスクもあります。中国に技術流出したら、それこそ軍事転用されて、防衛安全保障の脅威にもなります。そうしたことを考えますと、シャープ問題と同様、日本が国家として東芝も守らなければならない会社。にもかかわらず、そうした声が全く出ないことに私は違和感を覚えるのです。

                                               

                                               今日は原子力発電所の違いということで、BWRとPWRの炉型の相違点についてご説明し、東芝の大損失のきっかけとなったWH買収の経緯について論説しました。


                                              東芝がウェスチングハウスの株式の過半を売却へ!

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                                                JUGEMテーマ:経済全般

                                                 

                                                 東芝が巨額損失の原因となった米国原子力原発の子会社のウェスチングハウスの株式の過半以上を売却する方針であると発表しました。この件で、私見を述べさせていただきます。

                                                 

                                                 報道によれば、海外の原発事業から撤退する方向で、半導体メモリー事業を分社化し、二大事業を切り離した社会インフラ主体企業として再出発するとしています。社会インフラとは、エレベーターや空調や鉄道システムなどを指すようです。

                                                 

                                                2016年度(2017年3月期)決算で、4月11日まで再び決算発表を延期という報道もあり、株式市場でも株価は昨年暮れに不正会計問題が発生して大幅下落しておりましたが、直近でも乱高下している状況です。

                                                 

                                                 

                                                 

                                                 東芝は原子力ビジネスをやっていますが、これは経済産業省肝いりで、エネルギー庁が後押ししたものでした。日本の原発を海外に輸出を推進するという目的があったことが理由の一部です。

                                                 東芝の不正会計事件は政府にも責任があります。変なルサンチマンで、「東芝なんか潰してしまえ!」という発想が日本国中に蔓延しますと、本当に技術が流出してしまいます。救済しなければ東芝はシャープの二の舞です。デフレで不満で「東芝!ざまぁみろ!」という人が多いかもしれませんが、日本国家として大損失であることを、ぜひご認識いただき、理解をするべきであると考えます。

                                                 

                                                 日本から技術が無くなるとすれば、どこかに取られてしまうわけですが、中国に技術を取られます。シャープの例で言えば、鴻海は台湾国籍ですが、実態は中国系企業です。ディスプレイ技術は中国に取られてしまうでしょう。それは日本の安全保障上も極めて問題であり、大きな国益の損失です。

                                                 

                                                 さて、東芝株は、3月15日付で管理銘柄に指定されました。東芝は、2017年3月末時点で、自己資本1500億円のマイナス。同月末時点での債務超過が確実となるため、東証一部から東証二部へ鞍替えになる見込みで、財務改善を急ぐとしています。

                                                 

                                                 社会インフラ企業を目指すとして、利益の出ないウエスチングハウス株の過半を売却し、半導体事業を分社化するなどして、資金調達の環境を整えようと生き残りをかけて東芝自身が単独で再建を目指そうとしていますが、本来は政府が資本注入するべきだと思うのです。

                                                 

                                                 かつて米国政府が、自動車メーカーのGMに対して資本注入したように、日本政府が東芝にお金を入れ、債務超過を解消して再建するべきです。債権がうまくいけば、政府が保有株を売却すればよい。東芝の原発の技術や半導体技術が流出して、中国に取られ、軍事転用されれば、日本の安全保障の脅威になります。

                                                 

                                                 またデフレが続く日本で東芝クラスの企業が経営破たんすれば、労働市場にも個人消費にも、ネガティブな方向に行くことは確実。具体的に言えば、先行き不安から個人消費を減らす方向にいくでしょう。これがインフレならばまだしもと言いたいですが、国家の安全保障とりわけ、エネルギー安全保障にかかわる企業ですので、マクロ経済の影響を無視してでも救済した方がよい。しかしながら、そういう声が一切上がらず、原発を政府が止めておいて、東芝がみすみす経営悪化するのを横目で見て、グローバリズムの競争の敗者であるかのごとく論じて、安全保障の問題が全く議論されない日本は、本当に愚者愚民の集まりになってしまったからなのでしょうか?と厳しく論じざるを得ません。

                                                 

                                                 グローバリズムが盲目的に正しいと思う輩、中国韓国の脅威についての問題意識を持たない輩、財政問題が存在しない日本で緊縮財政をするべきであると盲目的に思っている輩、こうした人たちが日本の言論の大多数を占めるようでは、我が国は間違いなく亡国に少しずつ進んでいくことになると思うのです。

                                                 

                                                 今一度、東芝の再建へのニュースを注視し、政府には資本注入の決断をしていただきたいと思います。もし資本注入が決断されれば、ぜひ投資家の皆様におかれましても、1単元でもいいので東芝を救済したいと思います。

                                                 

                                                 今日は、東芝問題についてシャープの二の舞になって欲しくないという思いで、私見を述べさせていただきました。


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