米国議会、トランプ政権の制裁よりも厳しい永世中立国スイスによる中国高官への金融制裁

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     皆さんは、スイスという国が永世中立国であるということをご存知でしょうか?

     非常に有名な話として、世界のマフィアや、麻薬やテロなど犯罪に絡むお金、日本ではもしかしたら振り込め詐欺でだまし取られたお金などの犯罪によって得たお金は、スイス銀行であれば預けることができます。このようなマネーロンダリング以外でも、違法すれすれの国際租税をすり抜けたお金持ちの人らが、自国で課税されないように資産を逃避させる場所としてもスイス銀行が使われます。

     ところがそのスイス銀行で、中国共産党政府の幹部、高官らの資産について、凍結しようとする動きがあります。

     

     そこで今日は「米国議会、トランプ政権の制裁よりも厳しい永世中立国スイスによる中国高官への金融制裁」と題して、スイス銀行の金融制裁について論説します。

     

     

     スイスという国は、第一次世界大戦、第二次世界大戦でどちら側にもつかず、米国側に立ったことがないという歴史的な事実があります。

     

     多くの国々は、世界の覇権国で基軸通貨国の米国とつながりを深く持とうとしますが、スイスは永世中立国を貫き通し、米国側に立ったことは米ソ冷戦を含めても一回もありません。

     

     例えば米国政府やFBIが、スイスに対して、スイス銀行の顧客情報を提供せよ!と要求しても、毎回拒否しています。日本の警視庁がスイス銀行へ同様の要求をしても拒否されるのと同様です。

     

     その結果、テロ資金や麻薬で得た資金、振り込め詐欺などで得た資金など、日本でいえば反社会的勢力らは、スイスの銀行であればお金を預けられるということで、マネーロンダリングした資金をスイスの銀行で安心してお金を預けることができるのです。

     

     もちろんウイグル人を捕まえ、生きたまま臓器を摘出するという臓器移植によってお金を儲けしている中国共産党幹部も、その臓器移植で稼いだお金を、スイスの銀行に預けて隠し持っています。

     

     ところがこの状況が変わってきました。

     

     下記はスイスのチューリッヒに本社があるFinews.comというサイトの記事です。

    (出典:Finews.com)

     

     上記は2020/08/06に「スイス銀行は最終的に香港におけるビジネスから離れようとしているのか?」という見出しで配信された記事です。

     

     赤線部分について和訳しますと、まず、2020年11月に行われるスイスの国民投票が行われます。その中で、スイス国内の企業が、海外事業によって人権侵害を引き起こしているか否か?責任を企業に負わせることについてを問う国民投票が行われるという趣旨のことが報じられています。

     

     その海外事業というのは香港での活動も含まれます。

     

     何が言いたいか?といえば、国家安全法制定によって香港でとんでもない人権弾圧が発生し、それはウイグルの人権弾圧も含みます。

     

     スイスは、スイスの国内企業に対して、そうした人権弾圧に加担しないことを義務付けることについて、2020年11月に行われる国民投票で問います。

     

     即ちスイス国内で、企業の社会的責任として人権弾圧について責任を負わせようという動きがあるのです。

     

     これに先立ち、スイスのカシス外務大臣が中国を批判しました。

     

     スイスが永世中立国であることをお伝えしましたが、スイスが永世中立国になったのは、1815年です。

     

     ナポレオン1世がエルバ島に流刑された後、フランス革命とナポレオンによって生じた混乱を収束させるべく、新たな国際秩序を確立するため、1814年からウィーン会議が開催されて、エルバ島から帰還したナポレオンがワーテルローの戦いで滅びる1815年にスイスは永世中立国に認定されました。

     

     それ以来、2回の世界大戦、米ソ冷戦、いずれもスイスは参加せず、介入せず、どちらの味方にもなりませんでした。海外の国々の政治にも口出しせず、批判もせず、永世中立国の立場を長年守り続けてきたスイスの外務大臣のカシスが、中国を批判したというのは、かなり異例なことです。

     

     カシス外務大臣は明らかに中国共産党によるウイグル人弾圧のほか、チベットや香港での弾圧について批判しているものであり、そうした人権弾圧に関与している中国高官と取引をしているスイスの国内銀行に対して、資産を凍結することを検討していると考えられます。

     

     実際にスイス民間銀行の大手、UBSには、中国共産党幹部や高官ら、7.8兆元(120兆円弱)相当もの預金があるとされており、もし2020年11月にスイスの国民投票で、「企業の社会的責任」がスイス企業に義務付けられることが可決した場合、UBSの中国共産党幹部の120兆円弱もの預金は凍結されることになるでしょう。

     

     この制裁は、国家安全法制定に関与した中国高官、香港高官らに対する米国の香港自治法による制裁よりも、かなり厳しい制裁で、中国共産党幹部は怯えているのではないか?と私は考えます。

     

     というのもスイスは金融業が中心の産業国で、他国のグローバル金融機関と同様に、銀行間取引SWIFT、CHIPSという国際決済ネットワークに加盟しています。

     

     米国の香港自治法という制裁法案は、香港の自由と民主主義を弾圧している中国高官、香港高官ら直接関与する人間に加え、その背後にいる中国人を個人的に制裁し、さらにそうした人と取引している銀行にも制裁します。

     

     銀行への制裁を具体的にいえば、国際決済システムのSWIFT、CHIPSから除外するということです。

     

     例えばUBSが、この国際決済システムからの除外されるとなれば、UBSは金融機関にとって死んだも同然となります。何しろ国際決済手段ができないため、貿易や証券投資の決済など、あらゆることができなくなってしまうのです。

     

     スイス政府は、スイスの銀行がSWIFT、CHIPSからの除外されてしまうことが死を意味し、どれほど重要か?を理解しており、今回は米中戦争で米国側に立つことを鮮明にしたといえるでしょう。

     

     このまま来たる2020年11月に投票予定の、企業の社会的責任を負わせる国民投票が可決された場合、中国共産党の高官らの120兆円弱の資産はスイスの銀行には置いておけなくなることになります。

     

     一部では120兆円弱の資産を没収して、新型コロナウイルスパンデミックでの賠償金として使われるなどの話もあるようですが、現時点ではメディアなどで報道の確認はできておりません。

     

     今、はっきりわかっていること、それは2020年11月に永世中立国のスイスで、中国の厳しい制裁につながるかもしれない大事な国民投票が行われる予定があるということです。

     

     

     

     というわけで今日は「米国議会、トランプ政権の制裁よりも厳しい永世中立国スイスによる中国高官への金融制裁」と題して論説しました。

     中国の国家安全法制定に対する報いが、米国の香港自治法ということになりますが、この香港自治法は、ものすごい威力がある法律であることがご理解いただけたのではないでしょうか?

     海外メディアの「Finews.com」の記事をご紹介しましたが、本件では香港の民主化運動をやっているジミー・ライ氏が経営するメディアのアップル・デイリー社も、永世中立国のカシス外務大臣の中国批判やスイス銀行の国民投票について報じています。

     日本のマスメディアでもいずれ報じられると思いますが、米国政府の香港自治法制定により、欧州各国もまた厳しい制裁で中国共産党に対して鉄槌を下そうとしていることを、改めて多くの日本人に知っていただきたいと私は思います。

     

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    補償をしっかりやったフランスは家計消費がV字回復

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       今日は「補償をしっかりやったフランスは家計消費がV字回復」と題して論説します。

       

       総務省が発表した7月の家計調査によれば、2人以上の世帯の消費支出は、26万6897円と、物価変動の影響を除いた実質値で、前年同月比▲7.6%となりました。

       

       4月〜5月の2桁減少から6月は▲1.2%減少に持ち直したものの、新型コロナウイルス感染が再び拡大した7月に、減少幅が拡大しました。

       

       下記は総務省の家計調査から引用して作成したグラフです。

      (出典:総務省)

       

       上記のグラフを補足しますと、消費実額は下記の通りです。

      2020年3月=292,214円(前年同月比▲17,060円 2019年3月=309.274円)

      2020年4月=267,922円(前年同月比▲33,214円 2019年4月=301,136円)

      2020年5月=252,017円(前年同月比▲48,884円 2019年5月=300,901円)

      2020年6月=273,699円(前年同月比▲ 3,183円 2019年6月=276,882円)

      2020年7月=266,897円(前年同月比▲21,129円 2019年7月=288,026円)

       

       ロックダウンの影響で、2020年4月と2020年5月の落ち込み幅は大きかったものの、ロックダウン解除後の2020年6月は前期比では持ち直しています。

       

       とはいえ、前年同月比では▲3.183円の▲1.2%。そして再び感染が拡大した2020年7月では▲21,129円の266,897円で▲7.6%と大きく落ち込みました。

       

       このようにグラフではV字回復せず、L字横ばいと予想通りの指標となった日本ですが、フランスの家計消費は、見事にV字回復しています。

       

       下記はフランスの国立経済統計研究所(INSEE)のサイトから引用したものです。

      (出典:フランス国立経済統計研究所)

       

       赤い丸を付したところをご覧いただきたいのですが、ロックダウン期間中、32.0という数値から、一気に47以上で、2019年末のコロナウイルス発見前と同じ水準に回復して、かつ前年同月比でみても同じ水準にまで回復しています。

       

       これぞ、”V字回復”です。グラフを見ればよく分かりますが、V字の幅がものすごく短い。

       

       これは何を物語っているのでしょうか?

       

       フランスはEUに加盟していまして、EUはマーストリヒト条約によって緊縮財政がルール化されています。政府の負債対GDP比率で103%以下となるよう定めがあり、デフレ脱却のために大胆な財政支出をしたくても、マーストリヒト条約によってそれができませんでしたが、コロナウイルスパンデミックの発生以後、EUは財政規律を放棄しました。

       

       日本でいえば、それは放漫財政ということなのかもしれません。

       

       確かにフランスは手厚い補償を行い、EUを離脱してマーストリヒト条約に縛られなくなった英国が手厚い補償を行ったのと同様に、給料の8割補償や、お店の売上減少分の補償もやっておりました。

       

       日本では労働基準法第26条に定める休業補償について政府が補填していますが、労働基準法第26条で定める休業補償は平均給料の6割であり、給料の8割補償ではありません。

       

       フランスでは財政規律を放棄して、日本的にいえば放漫財政をして、手厚い補償を結果、ロックダウンしても給料が減らず、一方で消費ができない状況が続きました。そしてロックダウンを解除して街が動き出したらすぐに消費が戻りました。

       

       補償さえやっておけば、賃金がしっかりと保護されて、ロックダウンが終われば普通の生活に、普通の経済活動に戻ることができるということで、やっぱり粗利益補償をしておくべきだったのではないか?とフランスの消費回復を見て私は思います。

       

       もちろん反動減ということもありますが、ロックダウンが解除したとたんにお金が貯まっても街で使うことができないでいたフランス人は、思いっきり消費したかったのを我慢していたせいか、めちゃくちゃ消費に回したとしか、このV字回復の説明がつかないと私は思います。

       

       日本はどうか?といえば、他国が消費を回復するのを横目に、”リベンジ消費”という言葉が躍っただけで、追加の財政出動は規模が小さすぎて、二階から目薬をチョロっと垂らすぐらいしか財政出動ができていません。しかも7月に再拡大したからといって再自粛をやったため、7月も思いっきり消費額が落ち込むことになりました。

       

       そして悲しいことに自殺者が増加というニュースをご紹介します。

      『毎日新聞 2020/09/11 18:37 8月の自殺者は1849人 今年の月別で最多に 新型コロナの影響分析

       8月の自殺者数が1849人(速報値)となり、前年同月比で246人増加したことが、厚生労働省と警察庁の集計で明らかになった。今年の累計では1万3112人(同)で前年比746人の減少。厚労省は今後、新型コロナウイルスの感染拡大が影響したのか分析する。

       厚労省によると、8月の自殺者数が増加するのは3年ぶりで、今年の月別でも最多だった。男女別では男性が1199人(前年同月比60人増)、女性は650人(同186人増)。

       都道府県別では東京が210人(同65人増)で最多。次いで、愛知119人(同46人増)▽神奈川109人(同27人増)▽千葉107人(同47人増)▽埼玉105人(同41人増)――などだった。

       自殺者の増加を受け、加藤勝信厚労相は「生きづらさを感じている方々へ」と題した緊急のメッセージを発表。11日の記者会見で「新型コロナウイルス感染症の影響で今後の生活に不安を感じている人も多い。独りで悩むことなく相談してほしい」と呼びかけた。【村田拓也】 』

       

       上記の通り、自殺者が前年同月比で1849人(プラス246人)という記事です。

       

       加藤厚労相は緊急メッセージを発表していますが、閣僚がやることは、今からでも遅くはありません。粗利益補償を遡及してやることだと私は思います。

       

       私は従来から、一社倒産させず、一人も失業者を出さない、そのためには粗利益補償こそが必要であると述べてきました。

       

       既に倒産してしまった分、自殺でお亡くなりになった労働力の分は、供給力として毀損したことになりますが、今からでも粗利益補償をすれば、倒産を防ぎ、自殺者を必ず減らすことができます。

       

       フランスのV字回復をみて、日本も遅まきながら補正予算を急いで組んで、速やかにフランスを真似ていただきたいと改めて私は思うのです。

       

       

       というわけで今日は「補償をしっかりやったフランスは家計消費がV字回復」と題して論説しました。

       

      〜関連記事〜

      粗利益補償こそがコロナ対策で一番優れている理由について


      ロックダウンを強行した欧州国の4月〜6月期のGDP

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         昨日、日本の4月〜6月期の実質GDPの1次速報が発表となり、▲7.8%(年率換算▲27.8%)という数値が発表となりました。日本のGDPについての分析は後日取り上げますが、今日は一足早く先月末発表された欧州のGDPをテーマとしてロックダウンを強行した欧州各国の4月〜6月期のGDP速報値を取り上げ、「ロックダウンを強行した欧州国の4月〜6月期のGDP」と題して論説します。

         

         日本経済新聞の記事をご紹介します。

        『日本経済新聞 2020/07/31 18:20 ユーロ圏GDP40%減、4〜6月年率 過去最悪

        【ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合(EU)統計局が31日発表した2020年4〜6月期のユーロ圏の域内総生産(GDP)速報値は物価変動を除いた実質で前期比12.1%減った。年率換算では40.3%減と、1〜3月期に続いて過去最悪を更新した。新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動が大きく鈍った。

         欧州各国は新型コロナの感染拡大を受けて、3月ごろから厳しい規制を導入した。店舗の営業停止や移動の制限の影響が統計の数値に表れた。国別ではスペインやイタリアなど南欧の落ち込みが大きい。新型コロナの打撃は製造業よりも、観光などサービス業の方が大きいからだ。

         コロナ死者数が多い南欧の2カ国をみると、イタリアのGDPは前期比12.4%減、スペインは同18.5%減だった。ユーロ圏2位の経済規模を持つフランスは同13.8%減。30日発表されたドイツの同10.1%減に比べると下げ幅が大きい。ユーロ圏全体だけでなく、31日までに発表したすべての加盟国で2四半期連続のマイナス成長となり、定義上の景気後退に入った。

         各国は外出などの制限を5月から徐々に緩和し、経済は再び動き始めている。IHSマークイットによると、ユーロ圏の総合購買担当者景気指数(PMI)は7月に約2年ぶりの高水準となり、景況感は感染拡大前の水準を取り戻した。製造業、サービス業ともに節目の50を超え、企業活動がおおむね順調に再開されていることを示唆した。財政出動や欧州中央銀行(ECB)の金融緩和の効果も景気を支える。

         オランダのING銀行の予測によると、7〜9月期は年率換算47%増となる。ただ4〜6月期の落ち込みの反動という面が大きく、前年同期と比べると7〜9月期は7.3%減となる。それでも景気の先行きには3つの不安材料がくすぶる。

         第1が感染再拡大だ。 スペインやドイツでは感染者数が増えつつあり、第2波への警戒感は強い。イタリアは感染拡大の懸念があるとして非常事態宣言を10月まで延長した。

         「状況をコントロールするために我々は再び行動する」。ベルギーのウィルメス首相は27日、公共イベントに参加できる人数の上限を半分にするなどの措置を発表した。同国の新型コロナ感染者数は7月26日までの1週間で2470人と6月下旬の週の約600人から急増しており、制限の再強化に動いた。ベルギーのように各国が制限措置を再強化すれば経済活動は冷え込む。

         第2の不安は雇用だ。6月のユーロ圏の失業率は7.8%。米国と比べて低いのは、雇用支援の政策効果が大きい。ただこうした支援策は時限措置だ。ドイツの時短勤務者への所得補償制度の拡充策は12月で期限が切れる。業績悪化が深刻な企業は採用に及び腰で、失業増加は社会不安にもつながりかねない。

         中長期では財政悪化が懸念材料だ。景気の下支えを目的に積極的な財政出動に打って出た結果、政府債務は膨張している。EU統計局によると、1〜3月のユーロ圏の公的債務はGDP比で9割近い。欧州委員会によると、20年通年では102.7%に膨らむ見通しだ。特に南欧は財政状況がもともと悪いところに新型コロナの感染が広がった。財政悪化を放置すれば再び債務危機を呼び起こしかねず、「どのタイミングで財政健全化に動くかが重要」(欧州証券)との声が多い。』

         

         上記記事の通り、厳しい規制を行った欧州の4月〜6月期の実質GDPが発表となりましたが、上記記事の通り欧州全体で▲12.1%で年率換算▲40.3%と、1月〜3月期に続き、過去最悪を更新しました。

         

         年率換算▲40.3%というのは、▲12.1%が1年間続いた場合の話で、▲40.3%都は実に欧州各国の所得が40.3%減ることを意味します。GDP3面等価の原則で考えれば、生産が▲40.3%=消費が▲40.3%=所得が▲40.3%です。

         

        <欧州19か国の第2四半期までの実質GDPの推移>

         

        <ドイツの第2四半期までの実質GDPの推移>

         

        <フランスの第2四半期までの実質GDPの推移>

         

        <イタリアの第2四半期までの実質GDPの推移>

         

        <スペインの第2四半期までの実質GDPの推移>

         

        <スウェーデンの第2四半期までの実質GDPの推移>

        (出典:EU統計局)

         

         

         上記は欧州19か国と、主要5か国(ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、スウェーデン)の実質GDPの推移のそれぞれのグラフです。

         

         欧州各国は新型コロナウイスる感染拡大を受け、厳しい規制を導入し、店頭の営業停止、移動制限の影響が統計数字にはっきりと表れた格好です。

         

         ドイツが▲10.1%だったのに比べて、フランス▲13.8%、イタリア▲12,4%、スペイン▲18.5%と厳しい状況になっています。

         

         新型コロナウイルスの経済への打撃は、製造業よりも観光などのサービス業への打撃が大きく、ロックダウンをした国のGDPの落ち込みが鮮明となっています。

         

         一番ロックダウンを厳しくやったスペインが▲18.5%で2割弱の所得を失ったことになります。欧州全体では▲12.1%ですが、最もロックダウンが緩かったスウェーデンは▲8.6%に留まりました。

         

         こうした指標を見る限り、”ロックダウン”即ち日本でいえば、緊急事態宣言をやればやるほど、経済のダメージが大きくなるということ。米国の第2四半期の実質GDPは▲9.5%(年率換算▲32.9%)で、欧州と比べるとややダメージが小さいようにみえますが、米国はニューヨーク州はロックダウンをしたものの、米国全体でロックダウンをやったわけではないため、その程度で収まったとみることができるでしょう。

         

         ということは当たり前のことですが、ロックダウン(=緊急事態宣言)をやれば、より激しく経済にダメージを与え、ロックダウンのレベルが低ければダメージは抑えられるということになります。

         

         欧州各国で経済が落ち込んでいるのは、外需に依存している点も影響を受けていると思われます。輸出に頼る国は、たとえ自国が経済を頑張って内需拡大しても、元々外需の割合が多いということであれば、貿易量の減少(スロートレード)の影響を受けます。

         

         これはリーマンショックの時に、有価証券が紙くずになるという直接的な被害はなかったものの、輸出が減少して経済が大打撃を受けたのと同じことです。

         

         リーマンショックで純粋に世界が恐慌になった時の悪影響は、輸出減少が主因でした。

         

         スウェーデンでも台湾でも、どこの国もスロートレードのダメージは受けます。

         

         リーマンショック級の被害といえるスロートレードのダメージの他に、ロックダウンによる内需縮小というダブルの需要減少によって、EU全体あるいはスペインなど、考えられないひどい経済状況になっているということが上述の経済指標でわかります。

         

         だから外需が凹んでいる場合、内需を支えるという意味で、ロックダウンのレベルを可能な限り軽減していた方が、経済へのダメージは少なく済みます。

         

         経済のダメージが小さくなれば、倒産が少なくなり、失業が少なくなり、貧困に陥ることを防ぎ、自殺者を減少させるということに確実につながります。

         

         自殺者の増加とは長いプロセスを歩みます。倒産が増えていくことから始まって徐々に半年とか1年とか経過して増えていきます。

         

         したがって今回の統計発表によって今後はっきりと悪影響が出てくると予想できます。

         

         今回、欧州や米国は何十兆、何百兆というオーダーで、真水の財政出動をしましたが、経済の落ち込みを支えきれませんでした。もし財政出動をやっていなければ、さらにもっとひどい状況になっていたことでしょう。

         

         

         というわけで今日は「ロックダウンを強行した欧州国の4月〜6月期のGDP」と題して論説しました。

         コロナウイルスを怖れすぎるあまりに、ロックダウンを強行した欧州国は、経済のダメージを大きく受けてしまいました。しかも、ロックダウンを強行して感染者数が抑制できたのか?といえば、そうでもありません。

         いたずらにコロナウイルスを怖れて、ロックダウン、緊急事態宣言を安易に発動してしまっては、国家の経済が崩壊するということが明らかであることが、欧州各国のGDP発表で分かったことだと改めて思います。

         ロックダウン、緊急事態宣言をやるならば、粗利益補償をするべきですし、医療崩壊を防ぐための医療機関へのICU室増設の補助金を出すことも合わせ技として有効です。

         とにかく財務省が緊縮財政を辞め、日本の国会議員らも緊縮財政は間違っていることに気付かない限り、間違った政策で日本も経済が崩壊してしまう可能性があると、改めて私は思うのです。


        5GでHuaweiの排除を決定した英国と、Huaweiから1兆円を受注する村田製作所

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           私は今年3月中旬、スマートフォンが故障したため、新しくシャープ製のAQUOSのSHV47という機種をビックカメラで8万円弱で購入しました。4月以降ですと5Gの機種を買うことになっていたのですが、スマートフォンが壊れたままでは不便であるため、5Gを待つことなく、4Gの最新鋭の機種を買いました。

           そこで今日は5Gについて世界情勢についてお伝えしたく、「5GでHuaweiを排除を決定した英国と、Huaweiから1兆円を受注する村田製作所」と題して論説します。

           

           ブルームバーグとロイター通信の記事をご紹介した後、下記の順で論説します。

           

          1.5GでHuawei排除を決定した英国

          2.Huawei問題でトランプ政権より危機感を持っている米国議会の超党派議員

          3.Huaweiの5Gを採用するか否か?お金儲けか?国益か?という選択に他ならない

           

           

           

          『ブルームバーグ 2020/07/15 01:00 英国、5G通信網からファーウェイを排除−2027年までに完全撤去

           英国は、第5世代(5G)移動通信網から中国の通信機器メーカー、華為技術(ファーウェイ)を排除する。これにより英国の5G開始は遅れ、多くの企業が巨額の追加経費を迫られることになる。

           ジョンソン首相が合意した政府計画によれば、英通信事業者は来年から5G向けにファーウェイ製品を購入できなくなるだけでなく、すでに導入済みのファーウェイ製品についても2027年までに5Gのインフラから撤去しなければならない。この内容について、ブルームバーグ・ニュースは13日報じていた。

           政府によると、ファーウェイ製品の排除に伴い英通信事業者が被るコストは最大で20億ポンド(約2680億円)に上るほか、5Gの開始は2−3年遅れる見通しだ。

           英通信網からのファーウェイ排除はジョンソン首相にとって大きな方向転換であり、非常に慎重さが求められるこの時期に英中間の対立を一段とあおる恐れがある。中国はジョンソン首相に対し、英国が中国を「敵対するパートナー」として扱うのであれば、「その報い」を受けることになると警告している。

           ジョンソン首相や閣僚、安全保障担当責任者らが、14日の国家安全保障会議(NSC)会合で同計画に署名した。ダウデン英デジタル・文化・メディア・スポーツ相は会合後に計画の詳細を説明し、5Gは英国にとって「変革をもたらす」一方で、「基盤となるインフラの安全性や耐性に対する信頼感」は重要だと指摘した。

           トランプ米政権は今年5月、米国の技術を使っていれば米国外で生産した半導体製品でもファーウェイへの販売を禁止すると決定。これにより英当局は、5G通信網で同社製品を利用する安全性と持続可能性を再評価せざるを得なくなった。

           

          『ロイター通信 2020/07/23 02:55 仏、5Gからファーウェイ事実上排除 免許更新せず=関係筋

           [パリ 22日 ロイター] - フランス当局が国内通信業者に対し、中国の通信機器最大手華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]から次世代通信規格「5G」に関連する機器を調達する場合、使用免許の更新はできないと非公式に通達したことが複数の関係筋の話で明らかになった。ファーウェイ製品の事実上の排除に当たるとみられる。

           英国は14日、2027年までに5Gからファーウェイ製品を排除することを決定。関係筋は「フランスも英国に類似した対応を取る。政府の伝達の仕方が異なるだけだ」と述べた。

           フランスの国家情報システムセキュリティー庁(ANSSI)は今月に入り国内通信業者に対し、ファーウェイ製を含めた機器について、免許を取得すれば3─8年間は使用できると通達。ただファーウェイ製品を現時点で使用していない通信業者には、ファーウェイ製品を新たに採用することは避けるよう呼び掛けた。

           関係筋によると、使用免許の期限はスウェーデンのエリクソン(ERICb.ST)やフィンランドのノキア(NOKIA.HE)など欧州メーカーの製品に対してはおおむね8年となっているのに対し、ファーウェイ製品は3─5年。ANSSIは通信業者に対し、ファーウェイ製品の免許期限が切れた後は更新されないと非公式に伝えたとしている。

           この件に関してANSSIはコメントを控えている。』

           

           

          1.5GでHuawei排除を決定した英国

           

           上記2つの記事の通り、5Gについて英国がHuawei排除を決定し、フランスがHuawei排除を追随することとなりました。

           

           実は英国は、本来英国国内の5GのネットワークはHuaweiを採用することを昨年2019年に正式に決めていたのですが、それが完全に排除という真逆の方針となりました。

           

           英国はHuaweiとの取引が長く、Huawei自体も欧州の中では特に英国に投資をしてきたため、5Gの前の4Gでは様々な設備が既にHuawei製の通信機器によって、インフラ整備が着々と進んでいました。

           

           そのため米国がHuawei排除、ZTE排除という状況下、英国は5Gに関して今さらHuaweiを排除することなどできないという事情だったのですが、急遽英国政府は5GでHuaweiを年内に排除すると発表したのです。

           

           ブルームバーグの記事にある通り、英国は5GではHuawei製以外のモノを他メーカーでインフラの再構築をしなければならず、20億ポンド(約2,680億円)のコスト高になるだけではなく、5Gのサービス開始が大幅に遅れ、2〜3年遅れると報じられています。

           

           本来Huawei製のインフラを使えば、今後2〜3年の間で、ダウンロード速度が今の10〜20倍となって、IoTや自動車の自動運転や建設機械の遠隔操作など、あらゆる場面で技術の進化が進むはずのものが、英国国内では2〜3年の間、すべて止まってしまうことになります。

           

           しかしながらなぜ20億ポンドもコストが新たに発生して社会の進化が遅れるという状況に陥るにもかかわらず、英国政府は5GでHuawei排除を決定したのでしょうか?

           

           それは英国政府、ボリス・ジョンソン首相が、自国で5Gを採用することは後々に高いツケを払うことになろうことを悟ったからと考えられます。

           

           

           

          2.Huawei問題でトランプ政権より危機感を持っている米国議会の超党派議員

           

           Huaweiの問題に関して、一番危機感を持って問題視してきたのは、米国議会でした。

           

           日本のマスコミの報道を見ていると、Huawei問題はトランプ大統領が見当外れなめちゃくちゃをやっていると報じられ、全く真実が伝わっていません。

           

           Huawei問題は、トランプ政権よりも米国議会の方がより厳しく問題視して対応しています。その中心人物は、ピーター・ナヴァロ氏をはじめ、上院議員のマルコ・ルビオ氏で共和党の議員らが、反中国の先頭に立ち、Huaweiの問題について様々な角度から調べて問題を提起し続けてきました。

           

           政府関係者や与党共和党だけではありません。野党民主党には中国問題に甘いジョー・バイデンのような人もいますが、野党の民主党の議員の中には、トランプ大統領よりもHuawei問題に厳しい人がいます。

           

           例えばトランプ大統領と同じ、ニューヨーク選出の下院議員でチャック・シューマーという議員がいます。彼はトランプ大統領のやることなすことに反対ばかりしているのですが、対中国政策については、トランプを応援すると明言。むしろトランプの対中国政策は手緩いとまで批判しているくらいなのです。

           

           チャック・シューマーは野党議員の代表的な議員ですが、このように米国議会は、超党派で共和党も民主党も関係なく、反Huaweiで一致団結しており、トランプ政権よりもはるかに強固にHuaweiの5Gについても問題視し続けているのです。

           

           もちろん与党共和党には、テッド・クルーズ上院議員、トム・コットン上院議員ら、マルコ・ルビオ氏と同様に積極的に反Huaweiを推進しています。

           

           トム・コットン上院議員は、英国議会を説得しに行っていき、英国議会の委員会でHuawei問題について討論しました。

           

          <トム・コットン上院議員>

          (出典:英国メディアのガーディアン)

           

           

           上記はガーディアンという英国の保守系のメディアが報じているのですが、見出しに「5GでHuaweiを採用することは、西側諸国の潜水艦をソビエト連邦共和国に建造させるのに等しい!」と題して、トム・コットン氏の言説を紹介しています。

           

           トム・コットン氏は、5GでHuaweiを採用することについて、もし今が冷戦状態だったとして、敵国のソビエト連邦共和国に対して、西側諸国が潜水艦の建造を発注するのと同じであると、述べています。

           

           中国人民解放軍には約13万人とも言われるサイバー部隊がおり、その数は米国の20倍以上の人数です。

           

           なぜ彼らサイバー部隊が他国でハッキングできるのか?といえば、Huaweiが納品した企業の機器に、中国人民解放軍のサイバー部隊がアクセスできるようにしているからです。

           

           そのため、HuaweiやZTE(中興通訊)が採用されれば、サイバー部隊は好きなだけハッキングが可能になります。これは安全保障上、大変な脅威です。なぜならば、例えばHuaweiが5Gを通して、米国の戦闘機F35を監視することもできるようになるからです。

           

           トム・コットン氏は、Huawei製の5Gを使用している国に対して、F35を装備した部隊展開を禁止する法律を制定しようとしており、2021年国防権限法の修正案で、「5Gや6Gのネットワークにリスクのあるベンダーが進出している国の基地に新たな航空機の駐留を禁止する」ことを求めていますが、ここで指摘している”ベンダー”とは、具体的にはHuaweiを指しています。

           

           Huaweiを採用した国で、米国のF35を配備してしまった場合、米国のF35の空軍兵士らが危険にさらされる可能性があるため、トム・コットン氏は英国議会の議員らに、そうした議論を持ちかけているのです。

           

           

           

          3.Huaweiの5Gを採用するか否か?お金儲けか?国益か?という選択に他ならない

           

           ロイター通信の記事では、フランスもHuawei排除することに追随する旨を報じています。

           

           5GでHuawei製品を採用するか否か?という問題は、コストや中国ビジネスのことだけを見るとHuaweiを採用した方が遥かに中国ビジネスでお金を稼ぐことができるため、合理的です。

           

           しかしながら、HuaweiやZTE(中興通訊)などのハイテク企業は、ウイグルにある強制収容所の監視システムで使う機材を供給している企業であり、人権弾圧に加担している企業であって、経済的合理性はあっても、倫理的には存在を許してはいけない企業であると私は思います。

           

           「いや、お金が儲かるのならば別にいいのでは?仲良くやれば、お金が儲けられて中国企業も日本企業もお互いにWin-Win!」というこの発想こそ、グローバリズムの発想です。

           

           米国議会は、この発想こそ問題があるとして、Huaweiを問題視しているのです。

           

           Huaweiの問題は、本質的には中国のスパイ活動の問題であり、他国に納品された機器を通じて、中国共産党がハッキングし、技術や情報を盗みます。特に軍事技術や軍事情報を盗み、その国の安全保障を脅かしているのです。

           

           国家の安全保障などどうでもよく、それよりもお金を儲けることが大事だ!という発想こそ、これまでの各国の反応であり、企業の反応でした。特に日本の場合、経団連や政府がそうした反応でした。

           

           米国ではHuaweiについて2012年頃からスパイ行為を発見し、気付いていたのですが、当時のオバマ政権、バイデン副大統領が、この問題に対して消極的であったため、規制できずにいました。そこで2016年にトランプ政権が誕生し、やっと米国議会は厳しく規制をすることができるようになったのです。

           

           具体的には2020/03/12、トランプ大統領は5GのネットワークでHuaweiを排除する法律に署名しましたが、これはある意味でスパイを防止する法律に署名したことに他なりません。米国政府が中国と貿易交渉で妥協することも許されず、米国議会は米国政府に対して規制したともいえるのです。

           

           来月2020/08には、ZTE(中興通訊:世界4位の通信機器メーカー)、ハイテラ(海能達:世界最大の無線メーカー)、ハイクビジョン(海康威視:世界最大の防犯カメラメーカー)、ダーファ(大華:世界2位の防犯カメラメーカー)とHuawei(華為:世界最大の通信機器メーカー)を加えた5社と取引する外国企業は、米国政府と取引ができなくなります。

           

           Huaweiと取引があるような企業と、米国政府は取引しないということです。

           

           そうした状況下にあるにもかかわらず、2020/06/30付、ウォールストリートジャーナルが「日本企業のHuawei取引に目を光らせる米国政府」という表題で記事を出しており、村田製作所(証券コード:6981)の村田恒夫会長のコメントとして、「中国政府は5G網の拡張を積極的に後押ししており、 同社の部品にとっては極めて有望な市場だと話す。」というコメントを紹介しています。

           

           中国政府は自国内に5G網の基地局を作るために16兆円の投資をして、基地局をたくさん作ろうとしています。このときに米国企業はHuaweiに製品供給をしませんが、そのスキを突いて外国企業、具体的には村田製作所のような米国以外の企業が部品供給するとするならば、米国政府はその企業についても規制が必要と考えています。

           

           村田製作所といえば、ブルートゥースなどの技術に必要な通信モジュールやコンデンサーを製造していて、Huaweiと取引があります。

           

           Huaweiは村田製作所に対して、5Gの基地局設置で50%発注額を増加させて、約1兆円発注しました。

           

           日本政府が日本経済のデフレを放置して消費増税を強行し、その後コロナ禍の到来という不況の中で、2018年春から開始された米中貿易戦争激化のスロートレード(貿易量の減少)の継続も相まって、50%も受注が増加するというのは、大変喜ばしいニュースに聞こえます。このような世界的に不況下にあっても50%も発注額を増加してくれるとなれば、村田製作所にとってHuaweiはお得意様の存在といえるでしょう。

           

           これこそ、グローバリズムの象徴。儲かれば何でもいい、利益が出せるのであれば国益などどうでもよく、倫理とか考えず、自社の利益を優先するこの発想こそ、グローバリズムの正体です。

           

           Huaweiは、生きたままのウイグル人から臓器を摘出するというウイグル人の人権弾圧に加担し、そのウイグル人を強制収容所の監視システムの機器に製品を供給している代表的な企業の一つであることを、私たちは忘れてはいけないのではないでしょうか?

           

           

           

           というわけで今日は「5GでHuaweiを排除を決定した英国と、Huaweiから1兆円を受注する村田製作所」と題して論説しました。

           日本は米ソ冷戦時代から西側諸国の一員として経済発展をし続けてきましたが、1997年の橋本政権の構造改革基本法が施行されてから緊縮財政が継続し、デフレに苦しむ中で、倫理や国益を考える余裕がなくなってきてしまっているといえます。

           1997年以来の日本政府の無策ぶりに、私たちは気付かなければならないのは言うまでもありませんが、私たち一般国民ですら緊縮が正しいと思っている人が多いわけで、このままでは米英を始めとする西側諸国から見切りを付けられるのではないか?と私は危惧しております。

           速やかにデフレ脱却し、中国企業と取引しなくても企業が経営しやすい環境を日本政府には整えていただきたいものと私は思います。

           

           

          〜関連記事(米中覇権戦争)〜

          米国トランプ政権のHuaweiへの禁輸措置強化について

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          米国トランプ政権が中国を為替操作国に認定

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          米国による同盟国への中国ファーウェイ製品の使用中止要請について

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          米中貿易戦争の報復関税合戦の行き着くところは、新たなリーマンショックの予兆か?

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          〜関連記事(中国による人権弾圧)〜

          ブルームバーグ紙が報じる香港への人民解放軍動員の可能性

          国際社会は香港問題について、英国と約束した一国二制度を、中国に守らせるべき!

          香港で起きているデモの本当の狙いとは?

          中国ウイグル自治区の再教育キャンプで行われているウイグル人への拷問

          中国共産党によって人権と民主主義が脅かされている香港を支援する米国と何もしない日本

          ”逃亡犯条例改正案”に反対している香港のデモ活動は日本人にとって他人事ではない!

          トランプ大統領の国連の武器規制条約からの撤退の意味とは?

          「高度な能力や資質を有する外国人を受け入れる」の欺瞞と「中国による洗国(せんこく)」の恐怖

           

          〜関連記事(日本の対中政策)〜

          日中通貨スワップは誰のため?

          米国債残高1位の中国は米国債売却で反撃するという言説について

          中国の一帯一路の被害国を増やすことに手を貸す日本企業と、中国とのプロジェクトを決別宣言したマレーシア

          中国の公平でないグローバリズムに強硬な姿勢をとる米国と、製造2025をビジネスチャンスと考えるアホな国

          中国のAIIBと一帯一路に手を貸す銀行・企業は、中国の侵略に手を貸すのと同じです!

          血税3,500億円を突っ込んだジャパンディスプレイ社を800億円で中国企業に売ろうとしている日本の官民ファンド

           

          〜関連記事(戦闘機のスペック)〜

          F35戦闘機よりもF22戦闘機の性能は優れているのか?

          ”真珠湾攻撃で活躍したゼロ戦1万機”と”マレー沖海戦で活躍した隼5千機”を製造した日本の航空技術力

          敵味方識別装置と韓国軍の戦闘機

          軍事研究と民生技術

           


          ドイツの消費減税19%→16%へ

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            JUGEMテーマ:ドイツ

             

             あのケチケチのドイツが、財政規律条項を取っ払ったというのは既に報じられていますが、ついに消費税減税にまで手を伸ばしてきました。そこで今日はドイツの経済政策について論じたく、 「ドイツの消費減税19%→16%へ」と題して論説します。

             

             下記は毎日新聞の記事です。

            『毎日新聞 2020/06/13 10:22 ドイツ、新型コロナ対策で消費減税 経済への打撃を緩和 19%から16%に

             ドイツ政府は12日、新型コロナウイルスによる経済への打撃を緩和するため、日本の消費税にあたる付加価値税を7月から引き下げる方針を閣議決定した。

             減税は7月1日から年末までの限定措置となり、税率を現在の19%から16%、食料品など生活必需品に適用する軽減税率は7%から5%へと引き下げる。

             減税は、3月に合意した総額7500億ユーロ(約90.6兆円)の対策に続き、1300億ユーロ(約15.7兆円)の追加経済対策の一環。子供1人あたり300ユーロ(約3万6000円)の家族向け一時給付金や、再生可能エネルギー普及のための電気代への賦課金引き下げも盛り込んでいる。【ベルリン念佛明奈】』

             

             上記記事の通り、ドイツ政府は新型コロナウイルスの影響で打撃を受けた経済を立て直すため、日本の消費税にあたる付加価値税(VAT)減税を盛り込んだ総額1300億ユーロ(≒16兆円)規模に上る追加の経済対策を取りまとめました。

             

             具体的には消費税の減税で、2020年7月から半年に限り、税率を現在の19%→16%にするとし、食料品などの軽減税率も7%→5%に引き下げられます。

             

             今回の追加政策で消費を喚起し、景気回復につなげるのがメルケル首相の狙いといえるでしょう。メルケル首相は、この経済対策は新型コロナウイルスによる経済危機の脱却の土台になると強調しています。

             

             緊縮財政を国是としているドイツが、このご時世に減税をするという驚くべきニュースであると私は思っておりまして、安定財源の消費税は、緊縮財政派の財務省の立場とすれば、絶対に減税したくないのですが、あのドイツですら消費税を減税したということは何を意味するでしょうか?

             

             それは経済効果があるということが当たり前のように認知されているということに他なりません。だから日本も当然、消費税ゼロもしくは減税といった政策が視野に入るべきなのですが、西村担当大臣は、この報道が出た後、減税しないのか?というマスコミの問いに対して、2019年10月の消費増税は正しかったと主張しています。

             

             この主張は噴飯もので、2019年10月の消費増税が正しいと思っている人は、経済音痴の白痴者か、悪質なウソ吐きかのどちらかです。

             

             菅官房長官は、リーマンショック級の経済ショックが来たら、消費増税はしないと言っていたにもかかわらず、今リーマンショック以上のモノが到来したのに、ドイツですら減税した消費税について、日本政府は消費税減税を全く議論しないというのは、”いい加減にしろ!”と私は思います。

             

             新型コロナウイルス以前から、消費増税による景気の冷え込みは数字でも明らかです。

             

             上げ幅こそ8%→10%で2%だったものの、コロナが来て1月〜3月期の実質GDPが▲2.1%。消費増税2%の引き上げ直後でコロナの影響を全く受けていない10月〜12月期の実質GDPは▲7.1%です。

             

             コロナウイルス以上の経済ダメージを与えた消費増税をそのまま税率を据え置くなど、日本政府のやることは正気の沙汰とは思えません。

             

             ドイツの減税について、今回の対策は新型コロナウイルスの感染の第一波を凌ぎ切り、経済が底入れつつあることを受けた措置であって、消費と投資の活性化に力点を置き、力強さに欠ける経済の回復を下支えしたいという思惑がドイツ政府にはあります。

             

             となれば日本政府はなぜやらないの?という話です。

             

             経済を成長させる最大のエンジンは、インバウンドではなく、国内民間消費で、日本の場合はGDPの6割近くを占めます。もし消費税をゼロにすれば、10%の補助金を提供することと同じであり、消費が喚起されることは明々白々で、確実にGDPは上向きます。何しろ消費税は消費に対する罰則課税で、消費を抑制するための税金なのです。

             

             消費税をゼロにすれば、大幅に下落したマイナス成長のマイナス幅を大きく緩和してゼロに近づけ、場合によってはプラスに持って行けるだけの力があります。

             

             これだけ経済が落ち込んでいるので、消費税ゼロ以上に効果的なものはありません。予算の場合は、予算を成立させ、何に使うかを決め、プロジェクトを決め、政府が発注してようやくお金が回り始めるので、時間がかかります。

             

             10兆円〜20兆円の真水をマネーストックとして増やすには時間がかかるのです。

             

             ところが消費税は、仮にも明日からゼロにした場合、全ての消費に対して10%の補助金が出ることになるため、可及的で速い経済対策といえ、真水を10兆円とか20兆円入れるよりも効果はてきめんといえます。

             

             1日も早くしないと明日にも倒産するところが山ほどあるため、今こそ全員の経済活動を支える消費税減税が、これほど求められているときはないというのに、それが全く議論されないというのは異常です。

             

             ドイツは実施したのに、日本政府は明らかにカネカネカネで、カネは出さず自己責任という路線で、国民を甘やかしてはならず、”つぶれるべき企業はつぶれろ!”、”貧困で苦しむ人は自己責任で死んでください!”と言っているのと同じです。

             

             西村大臣は、消費税減税の声が与党の一部から出ていることについて、1人に一律10万円給付をしており、これは約13兆円の給付なので、消費税でいえば5%引き下げたのと同等の経済効果があり、1次補正予算、2次補正予算で生活を支えていく中で負担軽減につながっていくと述べていますが、この言説はいわば「国民1人に10万円配っているのだから、それでよいのでは?」ということです。

             

             10万円が振り込まれるという話と、全ての消費で一律10%の補助金が出されるのと、消費喚起は全く違います。10万円の振り込みはいわばワンショットの話。消費税は消費に対する罰則課税なので、ゼロにすれば、税率を再び引き上げるまで、罰則が未来に向かって無くなることを意味します。

             

             またワンショットの経済効果と継続的な経済的効果という違いを述べるまでもなく、10万円給付は最大で10万円しか消費喚起効果はありませんし、その10万円ですら全部使われないこともあるかもしれません。

             

             一方で消費税減税で、消費税率をゼロにすれば、100万円使う人は10万円が減税になり、50万円使う人は5万円が減税となり、しかもそれが1年限りではなく、税率が再び引き上げられるまで未来永劫続きます。

             

             明らかに10万円給付と比べ物にならないくらい超絶な経済効果が期待できるのです。もちろんドイツの減税は期間限定です。日本も未来永劫とまではいかなくても、期間限定の消費税ゼロとか、全然検討できる経済政策であって、日本国内でももっとまじめに議論すべき話ではないでしょうか?

             

             

             というわけで今日は「ドイツの消費減税19%→16%へ」と題して論説しました。

             黒川壮検事長の定年延長の法改正に対して、抗議ハッシュタグで芸能人が反対を表明して、一般人にもハッシュタグが拡大し、それに押されるように法改正の成立が延期になりました。

             消費税減税をするにあたり、今必要なのは、同じような動きなのかもしれません。消費喚起策として消費税の税率を引き下げるかもしくは思い切ってゼロにするという経済対策が打たれれば、我が国の貧困化は食い止められ、再び経済成長への軌道を歩むことができるものと私は思うのです。


            ビジネスの利益を優先して人権弾圧している中国と手を組むメルケル首相

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               中国が香港を弾圧するため、国家安全法を制定したことについて過去に取り上げさせていただきましたが、私は中国に対しては批判的な記事を書くことが多いです。なぜならば人権弾圧極まりないからです。

               ウイグル人、チベット人、そして今現在進行形で行われているのは香港に対する人権弾圧です。

               中国の人権弾圧は他国のみならず、同じ中国人でも法輪功学習者から臓器を収奪する行為を公然と行っており、そのために顔認証システムや監視カメラの技術を開発する為に欧米や日本から技術を不当に盗んでいます。

               そんな中国と、ドイツのメルケル首相が手を組むという大変残念な話がありまして、今日は「ビジネスの利益を優先して人権弾圧している中国と手を組むメルケル首相」と題して論説します。

               

               

               ドイツは、新型コロナウイルスのパンデミックに対する経済対策として、大型経済対策のパッケージの中に、VAT(付加価値税)減税を発表しました。

               

               具体的には、期間限定で2020/07/01〜2020/12/31で、19%→16%に減税します。VAT減税は、日本で言うところの消費税減税と同じですが、VAT減税以外にも子ども手当、中小企業向け融資なども盛り込まれています。

               

               財政規律がキツく、ケチケチのドイツが反緊縮財政で大きな経済対策を出してきました。そのドイツがVAT減税を出してきたため、他国でも同様の声が広まって、具体的には英国でもVAT減税を求める声が高まっています。

               

               反緊縮の大型経済対策がEU各国内で実施されようとする中で、中国の香港に対する国家安全法制定について、世界各国が中国批判をしている中、批判に加わらない国、それがドイツです。

               

               EUはドイツの中国政策を許さないということで、「Change.org」というサイトで、「Change through trade=貿易を通じて中国を変える」というドイツの対中国政策を変えさせなければならないとする署名を集める運動が起きています。

               

               ドイツは貿易を増やせば共産党国家の中国は変わると主張していますが、これはまさに経済発展すれば中国は民主化するという幻想そのもので、歴史を知らない白痴者の発想です。

               

               ドイツのメルケル首相は、歴史を知らないどころか、金に目がくらんだ典型的なグローバリストと言えるかもしれません。

               

               下記はロイター通信の記事です。

              『ロイター通信 2020/06/12 16:28 ドイツが選んだ対コロナ国際協調、米の内向き姿勢と一線

               [ベルリン 11日 ロイター] - ドイツのメルケル首相は中国の李克強首相とテレビ会議方式で会談を行い、中国は市場開放に取り組み、外国企業を公平に扱う必要があると強調した。ザイベルト報道官が11日、明らかにした。 

               ザイベルト報道官によると、メルケル首相は「市場アクセスと外国企業の公平な扱いに関する一段の取り組み」が必要と強調し、「欧州連合(EU)と中国の間の野心的な投資協定の締結はこの過程における重要な要素となる」と伝えた。

               EUと中国は6年にわたり投資協定の協議を続けており、年内に合意が得られるとみられている。

               この他、新型コロナウイルス感染拡大への対応や香港情勢のほか、政府調達を含むさまざまな投資・通商問題や世界的な経済問題を巡る協力についても意見を交換した。』

               

               上記記事の通り、ドイツは中国と手を組むべく、中国の李克強首相とテレビ会議方式の会談を行いました。ドイツは明らかに中国と手を組もうとしています。

               

               その背景としてはドイツ銀行の経済分析のレポートがあります。

               

              <ドイツの自動車メーカーが各国で生産する自動車の生産台数>

              (出典:ドイツ銀行)

               

               上記のグラフは、上段が2019年、下段は2018年で、ドイツの自動車メーカーの生産台数について、ドイツ国内の生産台数を、中国国内の生産台数が上回ったとする分析レポートに載っているグラフです。

               

               2019年度の生産台数順に国別記号が並んでいますが、国別記号は下記の通りです。

               

               CN=中国

               DE=ドイツ

               ES=スペイン

               CZ=チェコ

               US=米国

               MX=メキシコ

               BR=ブラジル

               SK=スロバキア

               HU=ハンガリー

               ZA=南アフリカ共和国

               

               一番上のCNは、中国におけるドイツの自動車生産台数を示しているのですがグラフの通り、2019年度にDE即ちドイツ国内の生産台数を中国国内における生産台数が上回りました。

               

               ドイツ政府は過去も現在も中国貿易を優先し、ドイツの国益よりも貿易の利益を最優先してきました。いわば人権や民主主義よりも中国貿易を優先してきたといっても過言ではありませんが、欧州各国はこの姿勢を改めるべきであって、許してはいけないという論調になっています。

               

               グローバリズムは、国益よりもビジネスの利益、私益(私利私欲)を優先するというもので、それに対して反グローバリズムはビジネスの利益よりも国益を大事にし、そこにあるのは普遍的、倫理的な価値観であるべきでは?と考えるのが反グローバリズムです。

               

               今の中国はウイグル人の人権弾圧、香港の民主化デモ弾圧、武漢ウイルスパンデミックで、そこには普遍的・倫理的な価値観は存在しません。にもかかわらず、メルケル首相は中国の責任を追及しようとしないのです。

               

               かつて欧州ではドイツに対して称賛の声がありました。理由はナチスドイツの過去の罪に対して、ドイツは国家として向き合ってきたというもの。ドイツの倫理的な外交政策の原理があり、欧州内でも一定の尊敬を得ていました。

               

               しかしながら、今のドイツ、メルケル首相は中国に対してなぜ黙っているのか?なぜ中国を支援し続けるのか?という疑問が出ています。

               

               今のドイツの中国寄りの政策というのは、ナチスと向き合ってきた倫理的な外交政策とは真逆のモノで、ナチスと同じこと、いやむしろそれ以上の人権弾圧を公然と行っている中国を支援する理由について、メルケル首相は明確に答えたことはありません。

               

               "Change.org”のサイトでは、EUとしては全体の立場として、貿易利益は重要であるものの、欧州的価値観はより重要であると主張し、メルケル首相に対して現在の対中国政策の放棄を求めるとしています。

               

               これに対して中国は欧州の動きをどう見ているのか?というと、中国のマスメディアのグローバルタイムズの記事では、「中国は世界の安定のためにドイツとEU共に歩む」とする習近平の言葉を載せています。

               

               そして先述のロイター通信の電話会談についても報じ、習近平がメルケル首相に感謝の意を示したと報じています。

               

               なぜならば米国のトランプ政権、米国の共和党系議員らは、このウイルスが中国の生物・化学兵器研究所から漏れたものだと主張していますが、習近平はこれを言いがかりとして、非科学的な立場の主張であるとしています。

               

               それに対してメルケル首相は科学的な立場を取っているのでありがたいとし、メルケル首相が今後共にWHOを支えていきましょう!と述べたことも含めて、習近平がメルケル首相に感謝したとされています。

               

               メルケル首相のこうした対応について米国も黙ってはいません。

               

               下記は日本経済新聞の記事です。

              『日本経済新聞 2020/06/06 04:57 米軍、ドイツ駐留を縮小か トランプ氏が指示

               【ワシントン=中村亮】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は5日、トランプ大統領がドイツ駐留米軍の規模を縮小するよう指示したと報じた。現在の3万4500人を9月までに2万5000人に減らすという。米国が一方的に縮小を決めていれば米欧同盟の亀裂が広がり、北大西洋条約機構(NATO)の分断を図るロシアを利する恐れがある。

               米国家安全保障会議(NSC)の報道官は5日の声明で現時点で発表することはないとしつつも「最高司令官であるトランプ大統領は米軍の最適な体制や海外駐留について精査している」と指摘した。ロイター通信によると、米軍の一部はポーランドなどの隣国に移る計画だという。

               ドイツのメルケル首相は6月下旬に米国で一時予定していた対面での主要7カ国首脳会議(G7サミット)に欠席する方針を示してトランプ氏が激高したとされ、駐留縮小はその報復の可能性がある。

               ただウォール・ストリート・ジャーナルによると、米政権関係者は昨年9月から駐留縮小を検討しており、G7サミットを巡るやり取りは決定と無関係だと説明している。エスパー国防長官はこれまでに中国への対抗を目的にインド太平洋地域に戦力を集中するため各地域の司令官に対し、軍の体制に関して精査するよう要請していた。

               米軍は新たな方針によって、ドイツに展開できる米兵の規模を駐留部隊を含めて最大2万5000人程度に限るという。ドイツで行われる軍事演習などでは駐留部隊とは別に他国から米兵が一時的にドイツに派遣されるケースが多くあるが、こうした人員配置の柔軟性が著しく下がる。これまでは最大5万2000人をドイツに展開できた。

               仮に米国がG7サミットをめぐる対立などをきっかけとして一方的に駐留縮小を決めていれば、米欧同盟軽視との批判が噴出する公算が大きい。トランプ氏はNATO加盟国の軍事支出目標にドイツが達していないと繰り返し批判し、ドイツとロシアの天然ガスのパイプライン建設にも反対してきた。

               米国の駐留縮小が事実であれば日米同盟の要である在日米軍を抱える日本にも衝撃が広がりかねず、東アジアの安全保障にも影響が及ぶ可能性がある。』

               

               上記記事の通り、トランプ政権はドイツ駐留の米軍を削減することを示唆し、その削減規模は34,500人から9,500人を撤退させるとしています。

               

               日本の在日米軍も同じくらいの規模の米軍がいますが、日本で9,500人撤退となれば、非常に大きなニュースになるでしょうが、それがドイツで今、起きようとしています。

               

               もともとドイツに米軍を置く理由は、ロシアの脅威に対してドイツに駐留させています。在日米軍が、対中国、対北朝鮮ということでいえば、ドイツに駐留させるのは対ロシア政策です。

               

               そのロシアはメルケル首相と仲がいいですが、上述の日本経済新聞の記事にも報じられている通り、米軍一部撤退の理由としては、米国のキャンプデービッドで開催予定だったG7の参加をメルケル首相が断ったからでは?とする見方があります。

               

               また、メルケル首相はロシアの天然ガスをドイツに送るためのパイプラインの”ノルドストリーム2”の建設を支持していますが、この”ノルドストリーム2”の建設に、米国と欧州各国が反対しています。何のためのNATOか?ということで反対しているのに、メルケル首相は支持しているのです。

               

               さらにEU中国サミットもあります。もともと今年9月に予定されていましたが、コロナウイルスの問題で延期となっていて、メルケル首相は年内にドイツでの開催を強く希望しているといわれています。

               

               これと似た話、それは日本の習近平国家主席の国賓来日問題です。これもウイルスで延期になりました。

               

               産経新聞の記事では年内実施もなく白紙になったと報じられているものの、自民党系の議員からは実施する意向であることを報じているマスメディア報道もあります。

               

               はっきり言えること、それはドイツ銀行の分析レポートにある通り、ドイツの自動車産業が中国での生産台数が一番多くなったことであり、ドイツが中国に力を入れるのは、そうしたことが背景にあるといえるでしょう。

               

               ドイツは自動車産業が基幹産業として国家を支えていますが、それと同じように自動車産業が基幹産業となっているのが日本です。

               

               日本の自動車産業もトヨタ自動車を中心に、中国での大量生産に力を入れようとして、2019年度からそういうトレンドになろうとしています。

               

               EUが対中国政策に対して、明確に距離を置くべきであることを主張していますが、私は日本の対中国政策も、ビジネス利益を横に置き、むしろデフレ脱却で消費税をゼロにするなどして内需主導による需要を作ることで、中国の需要に頼らず、中国のサプライチェーンに頼らないことが、経済の強靭化(レジリエンス)に資すると思います。

               

               また習近平国家主席の国賓来日については、断固として反対であることは言うまでもありません。

               

               

               というわけで今日は「ビジネスの利益を優先して人権弾圧している中国と手を組むメルケル首相」と題して論説しました。

               

               

              〜関連記事(ドイツ経済)〜

              財政規律を凍結したドイツの経済対策について

              ナチスドイツと高橋是清の経済政策

              ドイツ銀行の経営危機で、メルケル首相に強烈なブーメランが炸裂!

              CoCo債(偶発転換社債)という資金調達手法

               

              〜関連記事(中国という国の本質)〜

              ”タタールのくびき”と”従軍慰安婦””南京大虐殺”の虐殺性について

              中国はどれだけ経済発展したとしても民主化することは絶対にありません!

              権力のためなら平気で他人を裏切る人間が頻出するのが中国の歴史です!

              世界で最古の国が”日本”である事実を否定する歴史学者たち

              青森県の大平山元遺跡(おおだいやまもといせき)と司馬遼太郎の功罪

              「中国は経済成長すれば、やがて中国人民が豊かになって民主化する」という言説と「沖縄はもともと中国の領土だ」という言説の真偽

              なぜ日本国の先人らは男系の皇統を守り続けたのか?

              皇室は、日本のナショナリズムの中核です!

               

              〜関連記事(中国による人権弾圧)〜

              中国の習近平ではなく台湾の蔡英文総統を国賓として招聘すべきでは?

              中国は反日で、台湾が親日である理由とは?

              米国務省による台湾への大量の武器売却について

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              ”逃亡犯条例改正案”に反対している香港のデモ活動は日本人にとって他人事ではない!

              トランプ大統領の国連の武器規制条約からの撤退の意味とは?

              「高度な能力や資質を有する外国人を受け入れる」の欺瞞と「中国による洗国(せんこく)」の恐怖

               

              〜関連記事(日本の対中政策)〜

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              中国の一帯一路の被害国を増やすことに手を貸す日本企業と、中国とのプロジェクトを決別宣言したマレーシア

              中国の公平でないグローバリズムに強硬な姿勢をとる米国と、製造2025をビジネスチャンスと考えるアホな国

              中国のAIIBと一帯一路に手を貸す銀行・企業は、中国の侵略に手を貸すのと同じです!

              血税3,500億円を突っ込んだジャパンディスプレイ社を800億円で中国企業に売ろうとしている日本の官民ファンド


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                 今日は「財政規律を一時停止した後のドイツの経済対策について」と題して論説します。

                 

                 AFP通信の記事をご紹介します。

                『AFP通信 2020/04/23 20:02 ドイツ、1兆円超のコロナ追加対策を発表 労働者や飲食業界への支援拡充

                 【4月23日 AFP】ドイツ政府は23日、新型コロナウイルスの影響を受けている事業者や労働者への支援策として、100億ユーロ(約1兆1600億円)の追加経済対策を発表した。労働者向け給付金の拡充や、飲食業界向けの減税措置などを盛り込んでいる。

                 欧州最大の経済大国ドイツは、新型コロナの感染拡大について「制御下にある」と宣言し、1か月ぶりに一部店舗が営業を再開するなど経済活動の平常化へ向けて動き出している。

                 今回発表された追加対策では、ウイルスの感染拡大と政府の導入した拡散防止策のため自宅待機を余儀なくされた労働者に対し、4か月目から手取り給与額の70〜77%を補償する。これは、先に発表した補償額から10%引き上げとなる。

                 また、7か月目からは手取り給与額の80〜87%を給付。既に失業中の人については、失業手当の受給期間を3か月延長する。

                 さらに、感染対策の臨時休業で大きな損害を被っている飲食業界に対しては、7月1日から1年間、VAT(付加価値税)を19%から7%に引き下げる。

                 現在閉鎖中の学校は段階的に再開される見通しだが、オンライン授業のためパソコンを購入した家庭には政府が最大150ユーロ(約1万7000円)の支援を行う。

                 ドイツ政府は既に、事業者向けの資金繰り支援を中心とした約1兆1000億ユーロ(約130兆円)規模の緊急経済対策を発表しており、今回の追加支援はこれを拡充する内容となっている。』

                 

                 上記記事の通り、ドイツ政府は新型コロナウイルスの影響を受けている事業者・労働者への支援として、日本円で1兆1,600億円の追加経済対策を発表しました。

                 

                 労働者向けの給付金の拡充、飲食業界向けの減税措置を盛り込むとし、7/1から1年間VATを19%→7%に下げるという政策も打ち出しています。

                 

                 VATは付加価値税という名称になっていますが、日本の消費税と同じです。米国では国家として消費税というものはなく、州で消費税が課税される仕組みになっていますが、最終的に消費者にモノ・サービスが渡った時に払うという意味では、真に消費税といえますが、日本の場合は、最終的に消費者に渡る前から、BtoBで企業間の取引にも消費税がかかるため、欧州のVATである付加価値税に発想が近いです。

                 

                 何はともあれ、ドイツはVATを飲食業界に限定して19%→7%に減税することになりました。

                 

                 ドイツは憲法に財政均衡が条文として入っている緊縮財政国家で、プライマリーバランス黒字化をやってきた国です。そのドイツも、3/21にプライマリーバランス黒字化を辞めて財政規律を一時停止し、国民にとって必要なものを支出する財政拡大に方針転換しました。

                 

                 記事では、4か月目から給与額の70%を補償、7カ月目からは給与額の80%を給付するなど、労働者へ手厚い支援をしています。

                 

                 日本は10万円配って終わり。財政規律を守ろうとする人からすれば、「国民がガタガタ言うから、公明党が言うから、二階が言うから・・・」ということでとりあえず10万払って手打ちにしようということなのでしょうか?

                 

                 自民党の安藤裕衆議院議員は、10万円配布を追加で複数回行い、中小企業に対する「持続化給付金」の大幅な拡充や消費税ゼロとすることも検討するよう求めていますが、こうした政策を提言している国会議員は、本当にわずかな人であることが現状です。

                 

                 もっとも財務省は1回10万円を給付して財政支出拡大の幕引きを図ろうとするでしょう。

                 

                 下手すると2020年度の第2次補正予算で検討するとなれば、秋ぐらいから議論がされ、お金が給付されるのは2020年の年度末というスケジュールになります。

                 

                 10万を5月に払い、「あとは自己責任で頑張ってね!」というのが財務省であり、日本政府の方針です。

                 

                 あのケチケチのドイツですら、毎月お金を補填するとなれば、日本は対ドイツとの比較で、失業率・倒産率は圧倒的に高くなる可能性があります。

                 

                 ドイツやイタリアなど欧州各国は財政規律を凍結して財政政策を転換したから、そうした政策が可能なのですが、麻生大臣は日本においては財政規律を維持すると述べています。

                 

                 またフランスのマクロン大統領もまた典型的な新自由主義者のグローバリストでしたが、新型コロナウイルスの感染拡大をみてヤバイと思ったのでしょう。フランス国内の国民経済を回さないと全部輸入に頼っては生きていけず、保護主義に転換すべきと考え、モノの移動という輸出入を止め、国民の移動・出入国を停止するという方針に転換しました。

                 

                 いわばマクロン大統領からすれば「ゴメンナサイ!自由主義は非常時では国が滅びます。保護主義は必要でした。行き過ぎたグローバリズムは変えようと思います。」と主張しているのであって、日本のグローバリスト政治家らも、見習っていただきたいものと私は思います。

                 

                 とにかく欧州は反緊縮・反グローバリズムですが、その一方で日本は緊縮財政を礼賛し、平時になったらインバウンドで稼ぐという周回遅れのグローバリズムを礼賛する言説が蔓延しています。

                 

                 このままではコロナ終息後には、供給力がズタズタに毀損し、発展途上国化してしまうことを私は改めて危惧いたします。

                 

                 

                 というわけで今日は「財政規律を凍結したドイツの経済対策について」と題して論説しました。

                 各国が財政出動に政策転換をする中、日本は自粛要請を継続しています。自粛強要となれば財産権の侵害となって政府が補償する必要がありますが、自粛要請であれば補償する必要がなくなり、過大な財政支出を免れることになります。

                 非常時でも「カネカネカネ」とやって、倒産する企業があってもやむを得ない、ウイルス感染拡大防止のため、絆の力で皆さんで自粛に協力して乗り切りましょう!などという態度は、国民よりも財政規律が大事であるという価値観であって、その価値観ではコロナ感染拡大のようなパンデミックの非常時に限らず、平時であっても国民を幸せにすることはできません。

                 財政規律を守るといった思想は間違っており、100%円建ての国債しか保有せず、通貨発行権を持つ日本は財政破綻しないということを、改めて広めていかない限り、日本が再び発展することはできないと私は思います。

                 

                 

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                   今日は「EUの緊縮財政で新型コロナウイルスの感染が拡大してしまったイタリアについて」と題して論説します。

                   

                   下記は日本経済新聞の記事です。

                  『日本経済新聞 2020/03/10 21:52 イタリア、医療現場混乱で感染急増か 全土で移動制限

                   【ジュネーブ=細川倫太郎】イタリア政府は10日、新型コロナウイルスの感染の急速な広がりを受け、全土で個人の移動制限を発動した。9日の感染者数は9172人と中国に次いで2番目に多い。欧州で突出して感染者数が多い理由を探ると、医療現場の混乱などいくつかの可能性が浮かび上がってくる。

                   コンテ首相は9日「国民全員が協力して、厳格な規制に対応してほしい」と呼びかけた。外出を避けるよう求め、飲食店は夜間の営業を禁止した。ただし、仕事や健康上の理由での移動は認める。移動制限は4月3日まで続ける。

                   感染者が急増した理由に挙がるのが医療現場の混乱だ。イタリアは、これまでに新型コロナの検査を5万4千件以上してきた。感染者を確定させる狙いだったが、軽症の患者も徹底的に検査したため、病床が満杯に。医師や看護師の不足に拍車がかかり、感染が一気に広がった可能性がある。

                   米ブルームバーグ通信は世界保健機関(WHO)関係者の話として「検査をやり過ぎて害を及ぼしたようにみえる」と伝えた。無症状の人は自力で回復できた可能性があると指摘した。

                   イタリアは欧州連合(EU)が求めた財政緊縮策として医療費削減を進め、医療機関を減らしてきた。政府は引退した医療関係者の現場復帰を呼びかけ、軍事施設の活用など対策を急ぐ。

                   中国人観光客の多さも新型コロナのまん延のきっかけになったとの声もある。イタリアを訪れる中国人は年320万人を超え、国別では5番目に多い。イタリアは2019年3月、主要7カ国(G7)で初めて中国の広域経済圏構想「一帯一路」に参画する覚書を締結し、その後に中国人は一段と増加した。

                   感染症が専門のミラノ大学のガリ教授は伊メディアに対し「疫学のデータを分析すると、イタリアではウイルスは既に1月末ごろから出回り始めていた」と話している。

                   明るく友好的な国民性が関係している可能性もある。イタリア人は家族や友人との時間を重視し、週末などに食事やカフェを一緒に楽しむのは日常茶飯事だ。あいさつでも相手のほおに自分のほおを寄せるのが一般的で、人と人が身体的に近寄る機会が多い。伊市民保護局のボレッリ局長は「イタリア人の感情をあらわす気質がウイルスの拡大につながった可能性がある」と指摘する。

                   現在、ミラノなどイタリア各地は静まりかえっている。一時的とはいえ、全土での移動制限は経済へのマイナスの影響が大きい。外出の自粛や飲食店の時短営業で消費が低迷するのは確実だ。20年1〜3月期の実質経済成長率は2四半期連続でマイナスとなるとの見方が強まっている。ユーロ圏で3番目の経済規模を持つイタリアは景気後退に陥る可能性がある。』

                   

                   日本の緊急経済対策第2弾における財政出動は4,600億円であるのに対し、イタリアは3兆円つぎ込むというニュースもあるなかで、このイタリアの記事は、日本人が心に留めておくべきニュースであると私は考えます。

                   

                   記事にも記載の通り、EUが求めた緊縮財政策として医療費の削減を進め、医療機関を減らしてきました。EUに加盟すると、マーストリヒト条約により「政府の負債対GDP比率3%以下にする」というルールを守らなければなりません。そのイタリアは財政が厳しく、EUから緊縮財政を求められていました。

                   

                   その結果、医療費を削減し、医療機関即ち病院を減らしてきたのです。

                   

                   その結果として新型コロナウイルス感染拡大が続くイタリアの医療体制の脆弱さが浮き彫りになったといえるでしょう。

                   

                   緊縮財政の一環として医療費を削減したことの当然の帰結として、ウイルスの感染拡大という結果があるのです。

                   

                   イタリアは財政赤字縮小のため、EUのルールに基づいて政府予算を削減してきました。

                   

                   医療機関も予算削減の対象となっていて、フランスの経済紙によれば、過去5年間で病院など758か所を閉鎖して人員も削減。そのため、新型コロナウイルスの感染が拡大する前から、医師56,000人、看護師50,000人が不足し、医療体制の不備を問題視する声が上がっていました。

                   

                   だから緊縮財政をやってはいけないということなのです。

                   

                   安倍政権は2013年こそ、正しい政策をやっていました。何が正しいか?といえば、デフレ脱却には国債増刷と財政出動のセットによるポリシーミックス以外に有効な方法はありません。そして安倍政権は2013年度だけ、正しい政策をやっていました。金融緩和に加えて、国土強靭化でちゃんと財政出動をやって公共事業を増やしました。その結果、名目GDPで1.9%プラスとなり、税収も6.9%増収しました。

                   

                   ところが2014年の消費増税8%を皮切りに、当初予算と補正予算を加算した合計額が前年割れという緊縮財政を始め、今もなお緊縮財政を続けています。

                   

                   例えば民間議員と称するイカサマ連中らが集う経済財政諮問会議というのがありますが、この経済財政諮問会議が取り上げているテーマの一つで、医療問題があります。

                   

                   そこでは日本の地方では病院が余っているとして医療機関が多すぎるなどと主張しています。こんな地方に病院の数がたくさんあるのは不合理で、もっと削減すべきであると主張し、普通の民間経営になぞらえてこうした状況があり得ないなどとほざきます。

                   

                   日本政府は企業経営をしているわけではありません。お金儲けをやっているわけではありません。企業経営者が企業経営の発想を国家運営に持ち込むなど、迷惑千万以外の何物でもありません。

                   

                   国民の生命と財産を守るために、それぞれの地域に医療システムを整備し、民間の供給力を保持しておくことで、日本国民がどこに住んでいようといざという時に治療が受けられるようにするというのが日本政府の仕事です。

                   

                   安全保障の一つ、医療安全保障のシステムを構築するためには、平時においては暇なくらい医療機関が存在していいのです。その代わり、新型コロナウイルスのような騒動になったら、あらゆる医療機関が余裕あるキャパシティで患者を受けて入れていく。

                   

                   これはウイルスのパンデミックに限らず、大地震や大洪水、あるいは北朝鮮のミサイルが着弾したなどでも同じことです。

                   

                   ところが緊縮財政で医療費を削減し、医療機関の数が多いなどとして合併をすると、医療機関の数は当然減少し、病床数も医師も看護師も少なくなっていきます。離党で医者がいなくて困るというのは地方都市でも当てはまります。

                   

                   医療行政について効率化という基準で語ってしまっては、イタリアと同じは目に遭うでしょう。

                   

                   イタリアはEUに加盟しているからこそ、マーストリヒト条約に縛られ、財政出動ができずにいました。英国はこうした矛盾が分かったからこそ、ブレグジットでEUから離脱したのです。

                   

                   なぜ英国がEUから離脱したか?それは財政の主権を失ったことに気付いたからというのも大きな理由の一つです。

                   

                   日本は財政の主権があります。憲法第83条に明記されています。具体的には財政の処理は国会の決議で決め、支出することが可能です。

                   

                   そのため、憲法第13条の国民の幸福権を追求するために、コロナウイルス対策、消費増税で貧困化した日本国民を救うため、積極的な財政出動をすることは何ら問題がありません。

                   

                   

                   というわけで今日は「EUの緊縮財政で新型コロナウイルスの感染が拡大してしまったイタリアについて」と題して論説しました。

                   財政諮問会議の民間議員とやらが、「普通の民間経営だったら、こんな病院の数が多いなどあり得ない」とほざくその発想こそが間違っているのであって、その財政諮問会議の民間議員の意思決定で政策が決まるということが、大変腹立たしく思います。

                   意思決定する財政諮問会議の存在は、そもそも憲法第83条に違反するものであると私は思っていますし、日本国民の幸せではなく、健全な財政のために民間経営を導入するというのは、日本国民の生命・財産を蔑ろにするものであって、憲法13条の国民の幸福権の追及にも違反しているものと私は思うのです。

                   

                   

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                     2020/01/31は、英国がついにEUから離脱した記念とすべき日となりました。そこで今日は「英国がEUを離脱した理由」について考えたいと思います。

                     

                     下記は時事通信の記事です。

                    『時事通信 2020/02/04 07:34 「ブレグジット」封印? 英首相、迷走に決別か

                     【ロンドン時事】欧州連合(EU)を1月31日に離脱した英国のジョンソン首相が3日、ロンドン市内で行った演説で、これまで連呼するように使っていた「ブレグジット(英EU離脱)」という言葉を一度も口にせず、話題になっている。

                     約30分間に及んだ離脱後初の演説後、記者との質疑応答で「(ブレグジットという単語は)禁止になったのか」と問われたジョンソン氏は、「禁止ではない。もう終わったから。歴史になるのだ」などと述べた。
                    英メディアによると、首相の「ブレグジット封印」には、離脱の迷走に明け暮れた過去に別れを告げ、国を前に進める思いが込められているらしい。ただ、英国は経過措置の「移行期間」入りし、実質的にEUに残留した状態が年末まで続く。』

                     

                     上記記事にあるジョンソン首相の言葉にある通り、英国のブレグジットは終わりました。そもそも英国がブレグジットするに至った理由として、以前理由の一つにNHSサービスについて記事を書きました。( ブレグジットのきっかけとなった英国の医療保険制度NHSについて )

                     

                     NHSも理由の一つですが、根本の理由は、EUから国家の主権を取り戻すというのが一番の理由です。

                     

                     英国はEUに加盟したことで、2つの政府の下に入りました。英国政府はその一つになるのですが、英国政府の上に、もう一つEU政府の支配下に入ってしまったことに英国人は気付いたのです。

                     

                     EUに加盟した国は、ドイツであれフランスであれギリシャであれ、同じ構図になっています。

                     

                     そもそもEUとは何か?といえば、EUとはEU官僚がいる組織で、そのEU官僚らが、自分たちが住んでいない国の法律を作ることができる点が特徴であり、EUの正体といえます。そしてEUの官僚らが、いろんな国の法律を勝手に作れる、それがEU官僚です。

                     

                     例えば英国の漁業では、英国の領域で漁業がおこなわれていますが、EU官僚は共通漁業政策ということで、EU海域で漁獲制限がされています。漁獲枠で漁獲量を抑えられたことで、英国の漁業の雇用が失われただけではなく、具体的には英国の漁民はEUに割り当てられた漁獲枠(クオータ)に制限される一方、他国漁船が自国の領海で漁船が操業するのを指をくわえて見ているしかありませんでした。

                     

                    <英国の排他的経済水域(網掛け部分)と周辺国の排他的経済水域>

                    (出典:ジェトロ)

                     

                     英国は1964年に、欧州12か国とロンドン漁業条約を締結。自国の領海沿岸6〜12カイリ内の水域での外国漁船の操業を認めました。その後、英国自身が欧州共同体に1973年に加盟。共通漁業政策に自国の漁業管理を委ねることになりました。その後、欧州経済共同体水域に関する加盟国間のオープンで平等なアクセスを保証し、同水域における資源保護措置を決定する権限をEECに与えたことで、英国国民は自国領海での主権を喪失したのです。

                     

                     移民問題でいえば、例えば英国は年間○○人の移民を受け入れなければならないとEU官僚が決めます。するとそれによって英国に入ってきた移民たちは、英国人の雇用をどんどん奪っていきました。揚げ句の果てに移民らは、英国に住むことでNHSサービスを、税金を払わずして享受することができるようになりました。これに対して英国人は怒ったのです。

                     

                     EU官僚とは欧州の真の支配者である一方、選挙で選ばれたわけではありません。

                     

                     EU官僚は学歴が高く見識が高いと思われますが、そんな彼らがすべてを支配している結果、英国国民は主権を失っていることに気付いたのです。

                     

                     

                     というわけで今日は「英国がEUを離脱した理由」と題して論説しました。

                     主権とはその国の国民が幸せになるために極めて重要なものであって、これを政府の上にくる組織や法律によって侵害されてしまっては経世済民を果たすことができません。

                     主権を守るということがいかに大事か?EUに加盟するということは、その主権を失ってしまうことであるということを、私たち日本人も知る必要があると私は思います。

                     

                     

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                    英国が抱えることになるEUとの貿易協定と英米FTA

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                       英国はEU離脱となった後、貿易協定はどうなるのでしょうか?今日はこのことについて述べたく、「英国が抱えることになるEUとの貿易協定と英米FTA」と題して論説します。

                       

                       英国はEU離脱後、2つの貿易協定の問題を抱えます。具体的にはEUとの貿易協定と英米FTAです。

                       

                       EUに加盟していた英国がEUから離脱することで、英国にとってEUは貿易協定を締結しなければならない相手となります。2020年1月30日にEUを離脱した後、2020年12月31日までに、EU間で貿易協定を締結することになっていて、それまでの11カ月間は移行期間と呼ばれています。

                       

                       移行期間中は、今まで通り、EUとの貿易は自由貿易で関税はかかりませんが、2020年末までにEUとの貿易協定締結が間に合わない場合、WTOのルールが適用され、関税が発生することになります。

                       

                       実際のところ、英国もEUも双方ともに、関税回復は望んでいないと思われます。

                       

                      <2017年度 英国→EUへの輸出額・輸入額・純輸出額(単位「100万ポンド」)>

                      (出典:ジェトロ)

                       

                      <2018年度 英国→EUへの輸出額・輸入額・純輸出額(単位「100万ポンド」)>

                      (出典:ジェトロ)

                       

                      (出典:ジェトロ)

                       

                       上記グラフ・表のとおり、英国は、EU、ドイツ、オランダで、貿易赤字となっています。つまり、EU、ドイツ、オランダにとって、英国はお得意様なのです。

                       

                       仮に双方で関税をかけあうことになれば、EU、ドイツ、オランダの貿易赤字が減るため、EUは関税協定を締結しようとすることになるでしょう。

                       

                       とはいえ、通常、自由貿易協定は複雑な協定であるため、1年で締結するのは難しいのでは?と私は思います。そのため、結果的にWTOルールの適用になる可能性が高いのではと思うのです。

                       

                       一方で米国との貿易協定では、米国のトランプ政権は、英国の医療制度であるNHSを狙ってくる可能性が極めて高いでしょう。

                       

                       また農産物についても参入を狙っているものとみられます。

                       

                       米国は、英国に農産物を買って欲しく、英国に農産物を輸出したいのですが、そのとき、1つ問題があります。

                       

                       英国はEUから離脱するものの、今後EUのルールに縛られずに自由になれるのか?といえば、そうならないといわれています。

                       

                       例えば英米FTAでいえば、米国は農産物を英国に売りたいわけですが、米国の農産物の農薬基準は、EUの農薬基準よりも低く、小麦などは米国では大量に余っていて米国国内だけでは消費しきれず、海外に売るというのが米国の戦略です。

                       

                       日本も小麦のほとんどは米国から買わされています。その米国の農薬基準は非常に緩く、EUでは2018年度からそのことが問題視されています。EUではそれまで米国から小麦を輸入していたのですが、農薬基準が低く、緩いという理由で輸入が禁止になっているのです。

                       

                       EUが受け入れられない基準で作っているのが米国産の農産物なのですが、英国がEUから離脱したからといって、英国が果たしてそのまま米国の農産物を輸入できるのでしょうか?

                       

                       EUから離脱することで、英国は自国の主権で輸入の可否を決めることができるのですが、EUは英国経由で米国産の農産物が入ってくることを懸念しています。EUは英国との貿易交渉で、英国からEUに入ってくる農産物のチェックを厳しくしなければならないという項目が入ってきてしまうという非常に複雑な問題が発生することになるでしょう。

                       

                       英国は、EUと良好な関係を保ちつつ早く自由貿易協定をまとめたいと思われますが、そこに英米FTAを同時並行で考えなければならないものの、農産物の農薬基準の問題が顕在化することで、EUや米国との貿易協定を締結するのは容易ではないでしょう。

                       

                       結局、英国としてはEUの厳しい農産物の農薬基準を、米国に対して要求することになると思われるのですが、そうすると米国は英国に農産物を売ることができなくなります。

                       

                       英国はEU側につくのか?米国側につくのか?ジョンソン首相は難しい判断を迫られることになるでしょう。

                       

                       

                       というわけで今日は「英国が抱えることになるEUとの貿易協定と英米FTA」と題して論説しました。

                       ブレグジットが方付いた後も、ジョンソン首相には問題が山積しています。それでも英国は再び繁栄の道を歩むものと私は思います。

                       貿易協定で悩む英国に手を差し伸べる形で、かつての日英同盟と同様に、日本も日英FTAを検討してもよいのかもしれないとも私は思うのです。


                      EU離脱後、英国は香港支援でマグニツキー法の適用を検討か?

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                         今月は、2020年度の予算編成の作業のため、本業が激務につき、記事の投稿ができずにおりました。また、本日日本を出国してレバノンのベイルートへ出発の予定です。

                         そんな状況ではありますが、今日は前回のEU離脱関連で、「EU離脱後、英国は香港支援でマグニツキー法の適用を検討か?」と題して論説します。

                         

                         今年2019/12/11に、英国の総選挙で、ボリス・ジョンソン首相が率いる保守党が予想以上の大勝をしまして、保守党1党で単独過半数を確保しました。

                         

                         英国の下院議会でこれまで何度も決まらなかったEU離脱法案は、今回の選挙結果で、可決が決まったと言ってもよく、ブレグジットはほぼ決定的といえるでしょう。

                         

                         ボリス・ジョンソン氏は今年の7月に首相になりました。最初の議会のスピーチで、新たなゴールデンエイジを迎えると述べていまして、かつては英国は覇権国として謳歌してきた時代がありましたが、その後、英国病と呼ばれて衰退し、経済規模は、米国、中国、日本、ドイツの次に甘んじています。

                         

                         ジョンソン首相は、「英国は、改めてこれから”ゴールデンエイジを謳歌した”と未来の歴史が語ることになるだろう!」と述べました。ゴールデンエイジの始まりとなるのか否か?は、ブレグジットの成否がカギでしたが、今回の選挙でブレグジットのめどがようやくつきました。

                         

                         私は、英国の今後の課題は、「香港支援」と「英米FTA」ではないか?と思っています。

                         

                         その「香港支援」について考えてみれば、香港はかつて英国が宗主国でした。その英国は、人権問題を抱える香港問題に対して、香港支援を集中していくことになるでしょう。担当は、ドミニク・ラーブ氏という外務大臣が担当します。

                         

                         ドミニク・ラーブ外務大臣は、既に香港支援に熱心に取り組んでいます。香港では区議会選挙が11/24に行われ、民主派が圧倒的な勝利をおさめる形で選挙を終えました。ところが、この選挙、当初から中国共産党の妨害などが予想され、選挙そのものが正しく実施されるか微妙であるという言説もありました。

                         

                         実際に、香港の行政庁長官のキャリー・ラム氏は、この区議会選挙をやりたくなかったはずです。デモが収束せず、民主化運動が継続している以上、選挙をやれば親中派が負けることは容易に想像できたことでしょう。

                         

                         ところがこのドミニク・ラーブ氏は、キャリー・ラム氏に対して、この選挙は必ず実施すべきであると強く推してました。

                         

                        下記は大紀元時報というサイトの記事で、マグニツキー法について取り上げたものです。

                        『EPOCH TIMES 2019/10/02 19:10 法輪功学習者、米英など4カ国政府に迫害関与者リストを追加提出

                         米、加、英、豪に在住する法輪功学習者はこのほど、中国国内の学習者への迫害に加担した中国当局者のリストを作成し、4カ国の政府に提出した。学習者は各政府に対して、加担者への入国拒否と海外資産の凍結などの制裁を強化するよう呼び掛けた。

                         法輪功の迫害情報を伝える「明慧網」によると、昨年12月、カナダの学習者は、カナダ版「マグニツキー法」に基づき、各国の中で初めて迫害関与者リストを提出し、制裁を求めた。米の学習者も今年7月に、米政府の「グローバル・マグニツキー法」の基でリストを提示した。今回、英と豪州の学習者は同国政府に初めて提出した。

                         米国務省担当者は、現在28カ国の政府がグローバル・マグニツキー法に類似する法律を制定した、または制定する予定だと法輪功学習者に明かした。明慧網は、今後、米英4カ国のほかに、世界各国の法輪功学習者もそれぞれの政府に迫害関与者リストを提供していくと報じた。

                         法輪功は中国伝統気功で、1992年、李洪志氏によって公に伝えられた。健康促進と道徳心の向上に大きな効果をもたらしたため、中国市民の間で人気が高まった。中国当局の統計では、1998年時点で国内で約7000万人の市民が法輪功を修煉していた。しかし、1999年、江沢民政権は法輪功の学習者が共産党員より多いとの理由で弾圧政策を始めた。これ以降、国内では多くの学習者が投獄、拷問、性的虐待、薬物注射だけではなく、中国当局が主導する強制臓器摘出の主要対象になっている。明慧網によると、当局の迫害で4362人が死亡したと確認された。

                         

                         中国共産党政府による法輪功学習者の人権弾圧は、皆さんもお聞きになったことがあるのでは?と思います。何しろ、人権弾圧という言葉では生ぬるいくらいのひどいことが行われています。記事には、投獄、拷問、性的虐待、薬物注射、強制臓器摘出とありますが、この中の強制臓器摘出とは、麻酔をかけず、臓器のドナーにするというおぞましいものです。こうした非道を米国は把握しており、人権弾圧で非道であると非難しています。

                         

                         また台湾では2015年6月25日に、臓器移植のビジネス化防止のため、人体臓器移植条例の修正案を可決しました。この法律は、台湾で身元不明の臓器移植を受けた場合、最高5年の懲役刑と150万元の罰金の対象とし、これに違反した医師は医師免許を剥奪するというもので、中国の臓器狩りに対して、厳しい態度で法を整備しています。(因みに日本でもこうした臓器移植を中止する運動がありますが、国会議員らの動きは鈍く、法案のめどが立ったなどの情報はありません。)

                         

                         英国のドミニク・ラーブ外相は、香港支援の一つとして、マグニツキー法の適用を上げています。それ以外には、香港からの亡命者を受け入れたり、香港デモにおける逮捕者についての調査など、香港を支援する意向を表明しています。

                         

                         香港の事態が最悪の事態になった場合、元宗主国の英国が亡命者を受け入れることになりますが、既にその準備をやっています。

                         

                         米国では既にトランプ大統領が香港人権民主主義法案に署名しており、香港の民主化運動をして逮捕された人々に対して、米国へのビザを発給することを決めているのですが、英国でも同じことをやろうとしているのです。

                         

                         また逮捕者の捜査では、個別の調査を英国政府が香港政府に対して強力に要請することになるでしょう。

                         

                         その調査の過程で、ひどい人権弾圧が行われていることが判明した場合、マグニツキー法の適用を検討することになるでしょう。

                         

                         マグニツキー法とは、米国議会が人権を守る法律として作った法律です。人権侵害を行う政府に対して、その政府の担当者、人権侵害を行った責任者に対して経済制裁を行うというのが特徴で、米国の議会が成立させた香港人権法と、ほぼ同じ趣旨の法律です。

                         

                         このマグニツキー法は、米国だけではなく、上記記事の通り、カナダ政府なども中国に対して適用しようとしています。

                         

                         英国はブレグジット問題を抱えていたため、中国の人権問題や香港支援に注力ができなかったと思われますが、ブレグジットが片付くメドがついたことで、ドミニク・ラーブ外務大臣を中心に、英国政府は今後、香港の民主化運動をしている人々への支援を強めていくことができるようになることでしょう。

                         

                         

                         というわけで今日は「EU離脱後、英国は香港支援でマグニツキー法の適用を検討か?」と題して論説しました。

                         生きたまま臓器を摘出するなど、たとえ死刑囚だったとしても許すべきことではありません。そうした中国の真実について報道しない日本のマスメディア、口を噤む国会議員ら、すべて中国の犯罪を幇助していると言っても過言ではないのではないでしょうか?

                         私はボリス・ジョンソン首相が、トランプ大統領と同様に、香港や台湾を守ろうとする動きを加速させることを真に期待しているのと同時に、日本でも同様の動きが出てくることを期待します。

                         

                         

                        〜関連記事(中国による人権弾圧)〜

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                        米国債残高1位の中国は米国債売却で反撃するという言説について

                        米中貿易戦争で中国は勝てません!

                        中国Huawei・ZTE問題と、国家安全保障にかかわる次世代通信システム5Gサービスについて

                        米国による同盟国への中国ファーウェイ製品の使用中止要請について

                        覇権挑戦国に伸し上がろうとする中国をつぶそうとしている米国

                        米中貿易戦争の報復関税合戦の行き着くところは、新たなリーマンショックの予兆か?

                        米国の対中国貿易戦争は、トランプ大統領に勝算あり!


                        ブレグジットのきっかけとなった英国の医療保険制度NHSについて

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                          JUGEMテーマ:英国に関するニュース

                           

                           英国の議会選挙では、ボリス・ジョンソン首相が率いる与党保守党が圧勝しました。

                           

                           私は今年5月のGWに英国とフランスを往訪し、ロンドンとパリを訪れています。ロンドンは1694年に世界で初となる中央銀行のイングランド中央銀行が設立された場所であり、そのロンドンを都市に持つ英国の特徴の一つといえる国営の医療保険制度NHS(National Health Service)というのをご存知でしょうか?日本も国民皆保険が存在しますが、実は世界で初めて国民皆保険制度を発明したのが英国なのです。

                           そこで今日は「ブレグジットのきっかけとなった英国の医療保険制度NHSについて」と題して論説します。

                           

                           英国人は自国の国民皆保険制度のNHSについて誇りを持ち、重要視していました。そのNHSの制度がある英国に、EUから外国人移民が大量に入ってきました。

                           

                           外国人移民が英国に住み着くとなれば、当然病気をすることもあるでしょう。病気をすれば、その外国人移民はNHSを使うことができ、タダで治療を受けることができます。

                           

                           では、その治療費は誰が払っているのでしょうか?

                           

                           それは英国人の税金です。

                           

                           英国人の税金が、昨日今日、海外から入ってきたばかりの外国人にどんどん使われているというのがEUに加盟している英国の現在の状況。と同時に、外国人移民を英国に送り込んできたのがEUという制度といえます。

                           

                           そのEU本部に対して、英国はEU負担金として多額のお金を払い続けなければなりません。

                           

                          <2014年度のEU予算への国別純拠出額>

                          (出典:みずほ総合研究所)

                           

                           

                           上記は2014年度のEU予算への国別純拠出額ですが、2014年度の数字で英国はドイツ、フランスに次いで3番目に多く拠出しています。

                           

                           EUのせいで外国人が入ってくることを、英国政府は止めることができず、EUに従わざるを得ず、外国人が入ってきて英国国民のために積み立てられてきたNHSの財源がどんどん蝕まれ、しかも多額のEU負担金を支払わなければならない。

                           

                           しかもそれが全部、英国国民の税金で負担しているということで、そんなバカなことがあるのか?ということ。これがブレグジットが始まった要因の一つで、グローバリズムの問題点を露わにしたものといえます。

                           

                           EUというグローバリズムによって自分たちの主権がなくなる象徴といえるでしょう。そもそも英国国内で、なぜブレグジットという話が出てきたのか?といえば、国民皆保険のNHSを守るためであったといえるでしょう。

                           

                           今回の英国議会選挙は、ブレグジットが決まるか否か?を問う選挙だったか?といえば、EU離脱を問う選挙になっていませんでした。

                           

                           その理由は、与党保守党はEU離脱賛成、野党第二党の自由民主党はEU離脱反対で、野党第一党の労働党がEU離脱賛成を明言しなかったからです。

                           

                           選挙の公約をマニフェストというのは英国が起源なのですが、マニフェストで労働党はEU離脱賛成を明確に言いませんでした。

                           

                           なぜならば本来は労働党はEU離脱に反対の立場です。ところが反対を明確にしすぎてしまうと、労働党支持者の中に、EU離脱賛成の人がたくさんいて、そうした人の票を失うことを恐れ、コービン党首はEU離脱反対を明確にしなかったのです。

                           

                           いずれにしても、与党保守党が勝ったことでEU離脱は明確に決まり、英国はついにEU離脱となります。

                           

                           今後英国政府は、EU本部と貿易協定の交渉に入ることになるでしょう。

                           

                           自由貿易協定を結ぶことになろうかと思われますが、最低1年はかかると言われています。しかもその交渉をしている間に他国とも自由貿易協定の交渉に入らなければなりません。

                           

                           これまではEUが代表して他国と貿易交渉をしていましたが、今度は英国が単独で他国と貿易協定を締結しなければならなくなります。

                           

                           その中でも特に重要なのが米国との貿易自由協定で、米国が狙っているのは、英国の医療保険制度であるNHSです。

                           

                           国民皆保険は英国政府が拠出する無料の医療保険制度で、関連するマーケットは、医薬品、医療機器、保険などありとあらゆる医療関係のマーケットが存在するため、米国は参入したがっているのです。

                           

                           今まではEUの中に入っていたことで、英国の国営医療制度としてEUの中でも聖域となっていました。

                           

                           EU離脱後は、自由貿易となるため、米国としては英国から自由貿易でいろんなものを買う代わりに、その見返りとしてNHSの市場を開放しろ!と要求されることが予想されます。

                           

                           これは英国にとって大きな問題で、おそらく英国議会でも、この問題が大きく取り上げられて紆余曲折するでしょう。

                           

                           そこで時間をかけて交渉し、最終的には米英でFTAが締結されると予想されますが、EU離脱後に起きる最大のテーマともいえます。

                           

                           

                           

                           というわけで今日は「ブレグジットのきっかけとなった英国の医療保険制度NHS」と題して論説しました。

                           私がジョンソン首相の立場だとするならば、EU離脱は賛成しますが、NHS参入については、何としても死守します。なぜならば英国の雇用にも影響しますし、米国の参入を許せば、米国のビジネスとして制度が運営されることとなって、英国政府国営とは異なり、利益追求の運営によって英国国民に不利益がもたらされることになるからです。

                           トランプ大統領のことをポジティブに思う私であっても、自国民ファーストの観点からは、是々非々で賛成・反対の意見を持っているわけで、ジョンソン首相には、ぜひとも米国の圧力に負けることなく、英国の聖域である国民皆保険を守って欲しいと私は思います。

                           

                           

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                             ここのところ、ドイツ経済について連日記事を書いている一方、ブレグジットについても動きが出始めました。そこで今日は「ブレグジットがドイツ経済に与える影響について」と題して論説します。

                             

                             前回、ユーロ加盟国は、国際金融のトリレンマで、「為替レートの安定」「資本移動の自由」「自由な金融政策」のうち、「自由な金融政策」を放棄してユーロに加盟していると述べました。

                             

                             ところが「自由な金融政策」を放棄するデメリットはたくさんあるというより、日本でいえば憲法第83条の財政民主主義に基づき、自国民の意思で財政政策を行うことは可能なのですが、ユーロ加盟国は「自由な金融政策」を放棄しているため、財政民主主義が存在しません。これは致命的なデメリットといえるでしょう。

                             

                             その予備知識を持ったうえで、ブレグジットについてはどう考えるべきか?読者の皆様はどう思われるでしょうか?

                             

                             ブレグジットの最大の問題は、アイルランドと北アイルランドの国境問題です。

                             

                             そこに一気に検問所を2カ月弱で作る必要があり、その数は250か所にも上るといわれています。

                             

                             そしてブレグジット後は、いきなりそこに国境が生まれるのです。

                             

                             もし、国境を作らない場合、バックストップ条項によって、北アイルランドをアイルランド共和国および欧州連合の関税同盟に残すこととなり、国境がない代わりに、国境線がアイルランド島とブリテン島の間に移動することになります。

                             

                            <国境線がアイルランド島とブリテン島にひかれた場合のイメージ図(オレンジ色の点線)>

                             

                             

                             今は黄色の点線が国境線です。アイルランドはユーロ加盟国かつEU加盟国で、北アイルランドは英国に属し、ユーロには加盟しておらず、EUには加盟していますが、今度ブレグジットでどうなるか?というところ。

                             

                             仮にも国境線を黄色で引くことができず、バックストップ条項が発動されるとなれば、北アイルランドは欧州の関税同盟に残るため、国境線はオレンジ色の線に移動します。

                             

                             これは日本でいえば、北海道と本州の津軽海峡に国境線ができたようなものです。

                             

                             本州と北海道が別の関税同盟です!というのと同じこの状況を、さすがに英国の保守派やEU離脱派が許すとは思えません。

                             

                             そこで何が何でも急遽国境に検問所を作る必要があります。もちろん、これには英国経済や英国国民にとって短期的に混乱を生じますが、将来的に英国国民にとっては、いいことです。

                             

                             ドイツは、その英国に対して、猛烈な貿易黒字になっています。

                             

                            <英国からユーロ圏への輸出額・輸入額・純輸出額>

                            (出典:ジェトロ)

                             

                             この状況で英国がEUを離脱し、関税同盟から外れて、お互いに関税を元に戻して、関税を双方で掛け合った場合、損をするのは間違いなくドイツになります。

                             

                             なぜならば貿易黒字を失うのはドイツだからです。ドイツにとって英国は大得意様なのです。

                             

                             本来は、「英国さん!関税同盟を維持したまま、EUから離脱してくださいね!」とやっていればよかったのですが、この場合、英国は何の負担もなくEUを離脱できたことになります。

                             

                             そうすると欧州から離脱したい他の欧州国がたくさん出てくる可能性が高く、本来ならば関税の税率を維持したままブレグジットの容認をすべきところ、それができないのです。

                             

                             今でも欧州連合側は、「合意なき離脱の場合、5兆円の違約金を払え!」といっていますが、そんなことをいっても英国のブレグジット派が反発するだけでしょう。

                             

                             いずれにしても短期的に混乱しても、長期的には英国側に利があります。

                             

                             英国がEUを離脱後、欧州連合側が対英国に対して関税を引き上げれば、当然英国も関税を引き上げます。一方的に英国だけが関税を引き上げしないということはあり得ません。結果的にドイツが困ることになるでしょう。

                             

                             

                             というわけで今日は「ブレグジットがドイツ経済に与える影響について」と題して論説しました。

                             英国との貿易黒字が減少するドイツが、この苦境から脱するには、EUから離脱し、ユーロからも離脱する以外に道がありません。

                             結局ユーロやEUは、自国民を豊かにできず、自国民を豊かにしようにも政策が国民主権でできない点で矛盾を抱えており、やがて崩壊するしかないものと私は予測しています。

                             引き続きブレグジットと合わせて欧州経済、特にドイツ経済には日本の市場関係者も注目しておいた方がいいと私は思います。

                             

                             

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                               今日は「租税貨幣論を参考にユーロ加盟国がユーロから離脱する方法を考える」と題して論説します。

                               

                               租税貨幣論とは何か?といえば、端的に言えば、通貨を通貨たらしめるための理論であり、具体的には、税金という債務を弁済するために日本国内では日本円を使わざるを得ない、日本円が流通せざるを得ないとされています。

                               

                               何しろ、政府は日本円以外での納税を認めてくれません。世界の基軸通貨ドルをたくさん持っていたとしても、日本国民である限り、税金は日本円で支払わなければならないのです。

                               

                               ではドイツのようなユーロ加盟国というのは、どう考えるべきなのでしょうか?

                               

                               ドイツのような共通通貨ユーロは、あくまでも利用者ということになります。自国の意思で金融政策はできないため、通貨発行も公定歩合の上げ下げも何もできません。その代わりドイツ以外のユーロ加盟国で個人間や企業間の取引で決済することができます。

                               

                               ところが最大のデメリットは自国の意思で金融政策ができないということ。

                               

                               国際金融のトリレンマというのがあるのですが、「為替の安定」「資本移動の自由」「自由な金融政策」の3つは同時に手に入れることはできないとされるものなのですが、ユーロ加盟国は「自由な金融政策」を放棄して、ユーロに加盟していることになります。

                               

                               即ち、ドイツは米中貿易戦争で外需が伸び悩むからといって、内需拡大の政策をやることができません。ユーロに加盟しているがゆえに金融政策で国債の発行ができず、財政政策はEUのマーストリヒト条約で政府支出の拡大すらできないのです。

                               

                               ユーロ加盟国のドイツが助かるためには、ユーロ離脱か、ユーロそのものが解体する以外にありません。

                               

                               例えば財政危機になったギリシャが、財政出動したいと思っても、ユーロから離脱するしかありません。景気後退に陥ったドイツがユーロに加盟していると、MMTができないので離脱したいと思っても、やはりユーロから離脱するしかありません。

                               

                               では、具体的にユーロから離脱する方法というのはあるのでしょうか?

                               

                               例えばドイツの場合、マルク紙幣をドイツ政府が発行し、ドイツ政府が「税金はマルク以外では受取らない。ユーロは受け取らない。」と宣言すればいいだけです。

                               

                               そうすればドイツ国内で流通する通貨は、ユーロではなく、あっという間にマルクに変わることでしょう。

                               

                               これはMMTでいう租税貨幣論と呼ばれるもので、実際にそうなるはずです。

                               

                               なぜならば我々がなぜ日本円を使っているのか?といえば、日本政府が税金を日本円でしか受け取ってくれないからです。

                               

                               Tポイントやナナコポイントやビットコインでの支払いは受け付けてくれませんし、日本円の税金を払わない場合は逮捕されます。

                               

                               ギリシャも同じで、ドラクマを発行して公務員などの年金支払いに充当すれば解決します。

                               

                               そもそもそんなドラクマなどという通貨に信用があるのかと思われるかもしれませんが、ギリシャ政府が税金をドラクマ以外では受取らないと宣言すればいいだけの話です。

                               

                               ユーロ加盟国は、上述の方法でなければ、ユーロが解体する以外に助かる道がありません。

                               

                              <世界主要国のGDPの伸び率>

                              (出典:世界経済のネタ帳)

                               

                               

                               上記は1996年〜2016年にかけてGDPの伸び率を高い順に並べたものです。

                               

                               日本は過去10年間、GDPの伸び率が1.0%となっていて、全く伸びていません。

                               ドイツもイタリアと同じでブービー賞を競っていて1.4%となっています。

                               

                               こうした国々はユーロに加盟しているため、金融政策も財政政策も自国の意思で自由にできないのですが、日本は違います。共通通貨ではなく自国通貨であり、財政政策についても縛りはありません。

                               

                               自民党の議員の中には、憲法草案に財政規律条項を入れようとしている連中がいますが、私はこれには猛烈に反対です。間違いなく後世にツケを残すことになるからです。何しろデフレで財政出動したい、あるいはスロートレードで貿易も悪いので内需拡大で財政出動したいという局面になった際に、憲法に財政規律条項があるから、財政出動ができないということになってしまうからです。

                               

                               日本はデフレや不況から助かる道があるのですが、ドイツにはデフレや不況から助かる道がない、これが現実です。

                               

                               ドイツが助かるには、ユーロから離脱するしかないでしょう。

                               

                               その意味で、最近躍進が続くAfD(ドイツのための選択肢)は、ユーロからの離脱を掲げていまして、ドイツ国民ファースト真剣に考えている政党であると私は思っています。

                               

                               

                               というわけで今日は「租税貨幣論を参考にユーロ加盟国がユーロから離脱する方法を考える」と題して論説しました。

                               

                               

                              〜関連記事(ドイツ経済)〜

                              首の皮一枚で景気後退を回避したドイツ経済

                              ナチスドイツと高橋是清の経済政策

                              EUの優等生ドイツ国内の反グローバル旋風とドイツメルケル首相率いる与党の大敗北

                              ドイツをはじめとしたユーロ圏の経済失速と、ドイツよりバカであることが確定した我が国

                              ドイツ銀行の経営危機で、メルケル首相に強烈なブーメランが炸裂!

                              CoCo債(偶発転換社債)という資金調達手法

                              トランプ大統領が検討するグラススティーガル法(銀行法の通称)の復活について

                              ドイツで起きている2つの問題

                              男の子の溺死写真がきっかけで、メルケル首相が難民受け入れを推進したことによるドイツ国民の不幸

                              「規制は悪」で「自由が正しい」という人は、リビアに行きましょう!(ドイツとリビアのグローバリズム)

                              ドイツのメルケル首相の移民受入無制限宣言の結果、発生してしまったケルン事件

                               

                               

                              〜関連記事(ドイツ以外の欧州関連)〜

                              ケチケチのフランス、マクロン大統領が緊縮財政を転換して大減税へ!

                              財政赤字を増やそうとしたイタリア政府

                              決して他人事ではないイタリアで発生した高架橋崩落事故について

                              デフレ脱却のためには財政赤字の拡大が必要です!

                              EUは、このままだと解体か?

                              「自国で通貨発行・政府支出ができる日本」と「EUに加盟しているためにできないフランス」どっちが愚かなのか?

                              「政府の債務残高対GDP比率3%以下」という”3%”に根拠なし!

                              フランスでも始まるか?日本で猛威を振るうデフレ長期化をもたらした緊縮財政!

                              イギリスのメイ首相のEU離脱宣言について!


                              首の皮一枚で景気後退を回避したドイツ経済

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                                 ドイツの第3四半期のGDP速報値が発表され、前期比+0.1%と辛うじてプラスを維持できました。第2四半期が輸出の落ち込みなどで前期比▲0.1%だったため、景気後退に突入か?と危惧されていたのですが、辛うじて首の皮一枚で景気後退にはならず、ドイツの市場関係者はホッと胸をなでおろしたことでしょう。

                                 そこで今日は「首の皮一枚で景気後退を回避したドイツ経済」と題し、ドイツ経済について論説します。

                                 

                                 下記はロイター通信の記事です。

                                『ロイター通信 2019/11/14 17:42 第3四半期の独GDP速報値、前期比+0.1% 景気後退回避

                                [ベルリン 14日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)速報値は前期比0.1%増となり、景気後退(リセッション)を回避した。市場予想の0.1%減を上回った。

                                 第3・四半期のGDPは前年同期比(季節調整後)では0.5%増。第2・四半期は0.3%増だった。

                                 第3・四半期は、家計消費が前期比で増加。政府支出も拡大した。建設業も経済成長を支えた。

                                アルトマイヤー経済相は「景気後退には陥っていないが、経済成長率はまだ低すぎる」と指摘。ただ、米国との通商問題や英国の欧州連合(EU)離脱などに関連する「暗雲」はやや解消したとの見方を示した。

                                ショルツ財務相は、来年の独経済は勢いを取り戻すとの見方を表明。経済は減速しているが、危機に陥っているわけではないとし、「慎重ながらも楽観的な見方を持っている。来年の成長率は上向く」と述べた。

                                輸出は小幅に増加したが、輸入は前四半期とほぼ同水準。純輸出は経済成長に寄与したとみられる。』

                                 

                                <ドイツのGDP>

                                (出典:株式会社フジトミのホームページのコラムから引用)

                                 

                                 

                                 

                                1.ドイツの第3四半期GDPは辛うじてプラス成長

                                 

                                 ドイツ経済について冒頭でもご説明の通り、景気後退が危惧されていたのですが、何とか0.1%のプラス成長ということで景気後退は回避できました。

                                 

                                 内需国の日本と異なり、ドイツは輸出依存国です。輸出依存度というのは下記式で算出されます。

                                 

                                 輸出依存度(%)=財の輸出÷GDP

                                 

                                 ドイツは40%弱で、日本は約14%程度です。よくある言説で、”日本は輸出で稼いでいる”という言説がありますが、これは果たして本当にそう言えるのか?少なくても、ドイツと日本で相対的なことをいえば日本は内需国であり、輸出国ではないといえるでしょう。

                                 

                                 日本がかつて輸出依存国だったことはありません。輸出依存国という言葉に定義がないため、絶対的な依存か否か?は断定できないものの、日本は他国と比べて相対的に輸出依存国ではないといえます。

                                 

                                 一方でドイツはバリバリの輸出依存国であり、ドイツの輸出先は欧州と中国になります。

                                 

                                 ところが米中貿易戦争の影響で、中国の景気は明らかに輸出を中心に失速しています。特に中国からの米国への輸出は激減していますが、これは関税を引き上げられているから当然の帰結といえるでしょう。

                                 

                                 それを受けてドイツの中国向け輸出が減少し、ユーロ全体が景気失速しています。ユーロで今起きているのは、””デフレ真っただ中の日本化”です。

                                 

                                 全体的に支出を削減し、需要が落ち込むので、結果的に資金需要が落ち込み、お金を借りる人がいなくなります。その当然の帰結として国債金利が急低下して、金利がゼロに近い状況になっているのです。

                                 

                                 

                                 

                                2.悲惨な状態になっているドイツの自動車産業とドイツ銀行問題

                                 

                                 

                                 特にドイツでは、自動車産業が悲惨な状態になっています。

                                 

                                 皆さんもご存知でしょうか?フォルクスワーゲン車の排ガス規制検査を不正に届出していたことを見抜いた機械を作成していたのは、日本企業の衙拆貔什扈蝓幣攘凜魁璽鼻6856)です。

                                 

                                 この排ガス問題は訴訟にまで発展して、フォルクスワーゲン社の経営に地味に効いています。

                                 

                                 理由は金額が大きいからです。

                                 

                                 ディーゼル車の排ガス規制を無理やり超えるために書類をねつ造し、事実を捻じ曲げたというもので、これは絶対に許されないこと。既に300億ユーロ(日本円で約4兆円弱)も費用が発生していますが、今のところ倒産せずにいます。

                                 

                                 ダイムラーベンツについてもディーゼルの問題でリコールをドイツ政府から始動されているため、ドイツ国内における自動車産業は軒並み失速しています。

                                 

                                 この自動車産業が失速しているところに加えて、ドイツ銀行問題があります。

                                 

                                 銀行という業態は、MMT理論でも散々取り上げていますが、お金を貸すことでお金を生み出すことができます。

                                 

                                 そして銀行のバランスシート上では、預金は負債勘定であり、預金の反対には借用証書として貸付金という資産があります。

                                 

                                 この貸付金について与信審査が誤っていて返してもらえなくなるのが不良債権です。

                                 

                                 不良債権が増加すれば普通に銀行は倒産します。

                                 

                                 どこの国の銀行も、多少の不良債権は抱えていますが、ドイツ銀行が問題なのは中国にお金を多額に貸し付けていることです。

                                 

                                 中国に貸し付けているお金は、相当傷んでいるのでは?と私は思っていまして、ドイツ銀行問題というのは、中国の経済問題とリンクするものと考えています。

                                 

                                 今まで中国市場は常に永遠に順調に拡大発展するという感覚で与信を行い、自動車など輸出拡大をしてきました。

                                 

                                 そしてその幻想の中国の経済拡大の恩恵を受けてきたのがドイツといえるでしょう。

                                 

                                 

                                 

                                3.米中貿易戦争が与える影響について

                                 

                                 中国共産党政府は、共産党支配が凋落して崩壊すると考えたことはないと考えられます。

                                 

                                 もし中国共産党政府が推し進める中国製造2025に対抗して、米国が半導体の製造装置を中国に売却するのを辞めるとなった場合、中国側はどう出てくるでしょうか?

                                 

                                 私は中国は自国で開発できるようにするものと予想します。期間は1年でできると思いませんが、数年間かけてでも、半導体製造に必要な工作機械や資材を自分たちで開発するでしょう。

                                 

                                 中国共産党政府はMMTを理解していると思われ、兆円単位で政府支出をします。その上、他国から技術を盗みます。

                                 

                                 そのため、米国が供給させまいとしても、中国は自国で本当の意味での自国での供給力を持つ可能性も私は否定できないと思っています。

                                 

                                 米中貿易戦争でトランプ大統領が「習近平政権をやっつけてくれる!」みたいな考えは辞めて、もっと日本国民はリアルに物事を考えるべきです。

                                 

                                 具体的には日本はデフレ脱却を急ぎ、中国以上に政府支出を拡大して、技術力を高めて供給力を高めていかなければなりません。

                                 

                                 その上で米国と対等になって、パートナーシップを強化し、日米安保を改定して、日米共に太平洋とアジアを守るという方向性で行かなければ、人類の文明が中国共産党政府によって侵されると私は危惧します。

                                 

                                 ”デフレ真っただ中の日本化”は、プラスの側面もあります。それは金利が低くてインフレ率が低いということは、その分だけ財政出動ができるということでもある点です。インフレにならないため、自国通貨をガンガン発行して、軍事分野の供給力を強化したり、生産性向上のための投資や、安全保障強化のための支出など、需要に応えることができるのです。

                                 

                                 ところがドイツの場合、ユーロに加盟しているため、自国民の意思で財政出動することができません。さらにEUに加盟しているため、マーストリヒト条約によって、政府の負債対GDP比率を3%以下にするという縛りがあるため、ユーロ建ての債務を発行して財政出動するということもできません。

                                 

                                 即ち、ユーロ加盟国のような共通通貨加盟国では、MMTが通用しないのです。

                                 

                                 となれば米中貿易戦争でトランプ大統領に歯向かうか?トランプ大統領やバーニーサンダースのような自国民ファーストの反グローバリズムの政治家がいなくなるか?ですが、反グローバリズムは米国のみならず、欧州でもその動きは加速していくことでしょう。

                                 

                                 ドイツでもAfD(ドイツのための選択肢)という政党が躍進し、反グローバリズムの政党の躍進は、日本を除き、世界の潮流になっています。

                                 

                                 ドイツも反グローバリズムの潮流に乗り、ユーロを解体するか?ユーロから離脱するか?しか助かる道はないかもしれません。

                                 

                                 

                                 というわけで今日は「首の皮一枚で景気後退を回避したドイツ経済」と題して論説しました。

                                 

                                 

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                                   10/27にドイツのチューリンゲン州で行われた地方選挙で、メルケル首相が率いる与党のCDUが大敗しました。

                                   今日はそのチューリンゲン州の選挙結果を取り上げて、「EUの優等生ドイツ国内の反グローバル旋風とドイツメルケル首相率いる与党の大敗北」と題し、下記の順で論説します。

                                   

                                  1.ドイツで行われたチューリンゲン州の議会選挙の結果

                                  2.なぜAfDが躍進したのか?

                                  3.負けに負けを重ねて負け続けるメルケル首相率いるCDUと対照的に得票率を伸ばすAFD

                                   

                                   

                                   

                                  1.ドイツで行われたチューリンゲン州の議会選挙の結果

                                   

                                   私はEUは数年後に崩壊するとみています。なぜならばEUは矛盾が多い制度だからです。そしてそのEUのニュースといえば、英国のブレグジットの再延期のニュースが続いていました。

                                   

                                   今回取り上げるドイツは、どちらかといえば、EUの優等生。しかも首相は女性のメルケル首相です。先日、ウクライナのゼレンスキーはEUは何もしてくれないとし、トランプ大統領は、ドイツのメルケル首相についてもウクライナの支援について、口だけで何もしない、即ち軍事支援もお金も出さないと酷評していました。

                                   

                                   まさにドイツこそ、今の日本と同じでカネカネカネとやって、EUを礼賛しているダメ国家でして、そのドイツでも遂に反グローバル旋風が吹こうしています。

                                   

                                   下記はNHKNEWSWEBの記事です。

                                  『NHKNESWEB 2019/10/28 08:20 ドイツ州議会選 メルケル首相の政党 第3党に転落

                                   ドイツではチューリンゲン州の議会選挙が行われ、メルケル首相の政党が東西ドイツ統一以降維持してきた第1党の座を奪われ、第3党に転落しました。一方で難民の受け入れに反対する右派政党が第2党となり今後、国政での政権運営にどのような影響が及ぶのかに注目が集まっています。

                                   ドイツでは旧東ドイツのチューリンゲン州で27日、州議会選挙が行われ、暫定の開票結果によりますと、メルケル首相の「キリスト教民主同盟」の得票率は21.8%と前回をおよそ12ポイント下回り、東西ドイツ統一以降維持してきた第1党の座を奪われて、第3党に転落しました。

                                   一方、難民の受け入れに反対する右派政党「ドイツのための選択肢」は前回の選挙の2倍を超える23.4%を獲得し、連立与党を担う左派党に続いて、第2党に躍進しました。
                                   「ドイツのための選択肢」は先月、旧東ドイツの2つの州で行われた議会選挙でも第2党に躍進していて、旧西ドイツとの経済格差がいまだに解消されない現状や、難民の受け入れをめぐるメルケル政権の政策への不満を受け皿に支持を広げているとみられます。
                                   メルケル政権としては得票率の下落に歯止めがかからない状況が続いていて今後、国政での政権運営にどのような影響が及ぶのかに注目が集まっています。

                                   

                                   上記記事の通り、チューリンゲン州の議会選挙で、第1党でメルケル首相の政党のCDU(ドイツキリスト教民主同盟)が第1党の座を奪われ、第3党に転落しました。

                                   

                                   その一方で、反EU政党のAFD(ドイツのための選択肢)が第2党となったと報じています。ドイツの政党でAFDは、米国ではトランプ大統領、英国ではジョンソン首相、フランスではマリーヌルペン氏、日本では山本太郎氏、マレーシアではマハティール首相らと同じ、反グローバリズムを掲げています。

                                   

                                   今回の選挙結果は、地方選挙とはいえ、非常に重要な結果であると思っています。

                                   チューリンゲン州は、もともと左翼が強く、第1党は左翼党というのが第1党です。今回の選挙結果を受け、下記の通りとなりました。

                                   

                                  第1党:左翼党

                                  第2党:AfD

                                  第3党:CDU

                                  第4号:SPD

                                   

                                   チューリンゲン州で3位CDUと、4位SPDになってしまった2党が連立を組んで与党になっているのですが、この2党の政党は地方選挙で負け続けている一方、躍進しているのがAfDです。

                                   

                                   

                                   

                                  2.なぜAfDが躍進したのか?

                                   

                                   なぜ、AfDは躍進を続けているのでしょうか?

                                   

                                   AfDは2013年に反EU政党として発足し、当初からドイツはEUから離脱すべきと主張していました。

                                   

                                   英国はEUに加盟したもののユーロには加盟せず、通貨は自国通貨の英国ポンドが流通するものの、ドイツはEUに加盟してかつユーロにも加盟しているため、ドイツ国内で流通する通貨は、欧州共通通貨のユーロです。

                                   

                                   AfDは、ドイツがEUのみならずユーロからも抜けるべきであると主張していました。その後、大きな方針転換で反移民を主張しています。

                                   

                                   2015年、過激派組織「イスラム国」が支配するシリア北部から逃れてくるシリア難民を中心としたイスラム教徒がたくさん流入しました。このことを欧州移民危機と呼んでいますが、メルケル首相は、オバマ政権の「Yes we can!」を真似て「政治難民受入に上限はない。私たちはできる!」と、スローガンを連呼して難民受入路線を突き進みました。

                                   

                                   下記は、そのメルケルが大量の移民受入の決断をした1枚の写真です。

                                   

                                   

                                   上記の写真は大変ショッキングな記事ですが、当時は世界中のマスメディアが取り上げ、難民の無制限受入を表明したメルケル首相を称賛したのです。

                                   

                                   その後、メルケル首相は2016/09/19に記者会見を行い、難民政策は誤っていたとし、時計の針を戻したいと言いました。

                                   

                                   難民の無制限受入を始める前と後で、2015年に11万4238件だったのが、2016年に17万4438件(前年比52.7%増)と、犯罪件数が急増したのです。

                                   

                                   ウォールストリートジャーナルなどの海外メディア各紙は、ドイツで移民による犯罪の急増を報じ、犯罪の種類は、窃盗犯、財産犯罪・文書偽造、身体危害・強盗・違法監禁に加え、麻薬関連や性的犯罪も増えていると報じました。

                                   

                                   メルケル首相の記者会見の3か月前には、ドイツの大量移民受入の混乱がきっかけとなり、英国ではブレグジット(=EU離脱)が決議されましたが、ドイツでも同じことが起きていたのです。

                                   

                                   その政党が反移民でドイツ人の支持を受けたAfDでした。

                                   

                                   

                                   

                                  3.負けに負けを重ねて負け続けるメルケル首相率いるCDUと対照的に得票率を伸ばすAFD

                                   

                                   ドイツ人の支持を受けたとはいえ、AfDの得票率は5%程度でしたが、チューリンゲン州の議会選挙はチューリンゲン州に限定されているとはいえ、得票率は21.8%です。

                                   

                                   AfDは反エスタブリッシュメントの政党で、いわば米国でいえばトランプ大統領に近い。2017年の国政選挙でも、12.6%の得票で、ドイツの連邦議会の議席を獲得しています。

                                   

                                   今回のチューリンゲン州に留まらず、9/1にはザクセン州、ブランデンブルグ州でも議会選挙が行われていまして、ザクセン州では前回選挙の2014年に比べて3倍増の27.5%の得票率、ブランデンブルグ州でも前回選挙の2014年と比べて11.3%増の23.5%と倍以上に得票率を伸ばしています。

                                   

                                   AfDの政党イメージカラーは青なのですが、チューリンゲン州の代表を務めるビョルン・フッケ氏は、「ドイツ東部を青で染めた。あと数年もすれば、私たちドイツ国民のすべての政党になるだろう!」と述べていまして、まさにその勢いで勢力を伸ばしています。

                                   

                                   一方で、負けに負け続けているのがメルケル首相率いるCDU。どこの選挙でも負け続け、負けに負けを重ねています。次の総選挙では政権交代されかねない勢いで負け続けています。

                                   

                                   メルケル首相は、選挙の敗北の責任を取って党首から辞任し、現在CDUの党首はアンネグレート・クランプ=カレンバウアーという女性が党首です。

                                   

                                   メルケル首相は党首を降りたものの首相に居座っていますが、2021年にメルケル首相は、首相を辞任すると公言しているため、このままいけばアンネグレート・クランプ=カレンバウアー氏が次の首相になるということなのですが、そもそもCDUが第1党を維持できるのか?と疑問視されている状況です。

                                   

                                   実際に地方選挙で負け続けている状況で、次の総選挙をアンネグレート・クランプ=カレンバウアー氏に任せていいのか?という声が出ており、今後の行方に注視したいと私は思っています。

                                   

                                   

                                   というわけで今日は「EUの優等生ドイツ国内の反グローバル旋風とドイツメルケル首相率いる与党の大敗北」と題して論説しました。

                                   

                                   

                                   

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                                  ドイツ銀行の経営危機で、メルケル首相に強烈なブーメランが炸裂!

                                  CoCo債(偶発転換社債)という資金調達手法

                                  トランプ大統領が検討するグラススティーガル法(銀行法の通称)の復活について

                                  EUは、このままだと解体か?

                                  ドイツで起きている2つの問題

                                  男の子の溺死写真がきっかけで、メルケル首相が難民受け入れを推進したことによるドイツ国民の不幸

                                  「規制は悪」で「自由が正しい」という人は、リビアに行きましょう!(ドイツとリビアのグローバリズム)

                                  ドイツのメルケル首相の移民受入無制限宣言の結果、発生してしまったケルン事件

                                   

                                   

                                  〜関連記事(他の欧州の記事)〜

                                  注目される英国のEU離脱の行方について

                                  ケチケチのフランス、マクロン大統領が緊縮財政を転換して大減税へ!

                                  ブレグジットが英国国民の雇用創出・賃金UPによる内需拡大をもたらすことに気付かず、マスコミに騙された日本企業

                                  ブレグジットでホンダが出て行くことは、ユーロに加盟していない英国には関係のない話です!

                                  メイ首相辞任と英国ポンドの相場の行方について

                                  本質的に全く同じ現象の”英国のブレグジット問題”と”トランプ大統領のロシア疑惑”

                                  EU加盟後に国民の所得が激減したイギリス

                                  地球上の世界は、英国が歴史を動かしてきたという史実

                                  EU離脱案が2度も否決された理由の一つである北アイルランドとアイルランドの国境のバックストップ問題

                                  財政赤字を増やそうとしたイタリア政府

                                  EU加盟のデメリット(主権を失うこと)に気付いたイギリス人

                                  否決されてしまった英国のEU離脱案

                                  ”ちゃんとEUから離脱しろ!”との与党保守党の声とメイ首相の苦悩


                                  注目される英国のEU離脱の行方について

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                                    JUGEMテーマ:経済成長

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                                     今日は「注目される英国のEU離脱の行方について」と題して論説します。

                                     

                                     下記はAFP通信の記事です。

                                    『AFP通信 2019/10/23 05:20 英議会、首相の日程案を否決 EU離脱の延期濃厚に

                                    【10月23日 AFP】英下院は22日、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)に関する採決を行い、ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相がまとめた離脱協定案を実行するための法案を大筋で承認したものの、同法案の早期議会通過を目指した首相の日程案を否決した。これにより、離脱日がまたしても延期される可能性が高まった。

                                     下院は、ジョンソン首相の離脱協定案を実施する法案を賛成329、反対299で大筋で承認。首相にとって大きな勝利となった。

                                     だが下院はその直後、10月31日のEU離脱期限を守るための措置として同法案を3日以内に議会を通過させることを求めた首相の動議を賛成308、反対322で否決した。

                                     ジョンソン氏はこれを受け、自身の離脱協定案承認に向けた取り組みを中断すると表明。離脱のさらなる延期についてEU指導部と協議するとしたが、一方で離脱はそれでも予定通り今月末に実施すべきだとも主張した。(c)AFP』

                                     

                                     上記はブレグジット関連の記事ですが、記事にある通り10/22(火)英国でジョンソン首相の合意案の大筋が承認されました。一方で、合意案に関連して英国の国内法の整備が必要なのでは?ということで、関連法の整備に関して議会の合意を取れたものの、スケジュールについては否決されました。

                                     

                                     ジョンソン首相としては、合意案を3日以内でスピード審議しようとしたのですが、反対多数で否決された形です。日本のマスメディアですと、何か英国は合意を求めて離脱しようとしているとか、改めて国民投票をするとか、相変わらず英国のEU離脱について懐疑的であるように報じていますが、海外のメディアを見る限りにおいていえることとして、スピード離脱することについて反対だったというだけのことであるように思えます。

                                     

                                     なぜならばAFP通信の記事を見る限り、合意案大筋の承認を得るのには、賛成329対反対299で賛成多数。ただ3日間でスピード審議するには、賛成308対反対322で否決ということで、肉薄していました。

                                     

                                     この投票結果を見る限りにおいていえるのは、法案の趣旨そのものには賛同しているものの、審議にはもう少し時間が欲しいという微妙な判断が議会で下されたということでしょう。

                                     

                                     ということで合意案は議会の合意が取れたものの、後はスケジュールの問題です。

                                     

                                     何しろ合意案の吟味するのに、百何十ページもある法案であるため、吟味して修正すべき箇所を修正するには、それなりの時間がかかることでしょう。

                                     

                                     一方ジョンソン首相は、10月31日離脱を公約していたため、スピード審議しようとしたのかもしれません。

                                     

                                     それに対してEU側は、大半の国がやむなしとする一方で、フランスは延期に対して疑問を呈するとしています。一応、EUのトゥスク大統領は、加盟国に延期を受け入れるよう働きかけをしています。

                                     

                                     とはいえ27か国が一致して延期を受け入れなければ、EUとして延期を認めることはできないということになります。具体的にはフランスが強烈に反対するとなれば、EU側が延期離脱を拒否するということになります。そうなれば合意なき離脱となる可能性は十分に残っています。

                                     

                                     EUが延期をOKした場合、ジョンソン首相は2020年1月末まで延期したいと主張しているようなので、そこまで延長するかもしれません。いずれにしても、ジョンソン首相は公約で10月末離脱を掲げていたため、フランスが反対してEUとして延期を認めなかったとしても、「別に!いいですよ!」ということかもしれません。

                                     

                                     なぜならば合意なき離脱をされると困るのはEU側です。下記はジェトロのサイトから引用したもので、英国の2017年と2018年の輸出入額を一覧にし、2018年については輸出額・輸入額・純輸出額をグラフにしてみたものです。

                                    (出典:ジェトロ)

                                     

                                     上表・グラフの通り、英国とEUで貿易量をみた場合、EU側が英国に対して貿易黒字の状況です。

                                     

                                     英国がEUに対して輸出するよりも、英国がEUから輸入するものが多くなっています。2017年と2018年の資料を掲載していますが、トレンドは変わっていません。

                                     

                                     となれば、合意なき離脱となって、関税が発生して困るのはEU側、特にドイツが困ることになるでしょう。

                                     

                                     ドイツにとって英国は超お得意様であり、ただですら経済が悪いドイツにとって、ここで合意なき離脱をされると間違いなく困ることになります。

                                     

                                     なのでドイツはEU離脱の延期を認めることになるのでは?と考えられます。

                                     

                                     いずれにしましても、今週以降、どのようになるのか?状況を見守りたいと思います。

                                     

                                     

                                     というわけで今日は「注目される英国のEU離脱の行方について」と題して論説しました。

                                     ジョンソン首相は10月末離脱を公約しているため、強行突破で合意なき離脱もあり得るでしょう。貿易量をみると輸出が多いドイツは弱みを握られているということになっています。

                                     日本では、内需を拡大せず、外需で経済成長をしなければならない的な論説が多いですが、輸出を増やせば増やすほど、外交や通商政策では弱くなるということがよくわかるのではないでしょうか?

                                     ドイツの事例をみれば、国力を強化するならば、内需を拡大して輸入超過にした方が、経済は力強くなり、外交も通商政策も強気でいけるということを改めて実感できるものと、私は思うのです。

                                     

                                    〜関連記事(EU離脱関連)〜

                                    ブレグジットが英国国民の雇用創出・賃金UPによる内需拡大をもたらすことに気付かず、マスコミに騙された日本企業

                                    ブレグジットでホンダが出て行くことは、ユーロに加盟していない英国には関係のない話です!

                                    メイ首相辞任と英国ポンドの相場の行方について

                                    本質的に全く同じ現象の”英国のブレグジット問題”と”トランプ大統領のロシア疑惑”

                                    EU加盟後に国民の所得が激減したイギリス

                                    地球上の世界は、英国が歴史を動かしてきたという史実

                                    EU離脱案が2度も否決された理由の一つである北アイルランドとアイルランドの国境のバックストップ問題

                                    EU加盟のデメリット(主権を失うこと)に気付いたイギリス人

                                    否決されてしまった英国のEU離脱案

                                    ”ちゃんとEUから離脱しろ!”との与党保守党の声とメイ首相の苦悩

                                     

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                                    ケチケチのフランス、マクロン大統領が緊縮財政を転換して大減税へ!

                                    ドイツをはじめとしたユーロ圏の経済失速と、ドイツよりバカであることが確定した我が国

                                    ドイツ銀行の経営危機で、メルケル首相に強烈なブーメランが炸裂!

                                    CoCo債(偶発転換社債)という資金調達手法

                                    財政赤字を増やそうとしたイタリア政府


                                    台湾を国家承認する運動が起きているドイツを、日本も学ぶべきでは?

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                                      JUGEMテーマ:ドイツ

                                      JUGEMテーマ:台湾

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                                       表題の台湾とは全く異なりますが、香港のデモについて、その映像を世界中の人が見ています。世界は今、香港のために何ができるのか?大きなテーマといえるでしょう。

                                       そんな中、ドイツで起きている台湾を国家承認する運動を取り上げ、「台湾を国家承認する運動が起きているドイツを、日本も学ぶべきでは?」と題して論説します。

                                       

                                       中国共産党政府を止める力といえば、米国の政治力しかないように思えます。特に米国の議会はすごい。ワシントンの議会では、香港人権民主主義法という法案の審議で、香港市民のリーダーを招き、中国の人権弾圧を証言してもらって、米国議会が香港を支援する新しい法案の制定を急ピッチで進めています。

                                       

                                       その米国議会は、もう一つ進めているのが、台湾支援の法案です。

                                       

                                       中国共産党政府は、ソロモン諸島のキリバスに対して、台湾との国交を断絶させて、中国と国交を結ばせる戦略をとっています。

                                       

                                       しかしながら中国国内でやっていること、例えばウイグル人の強制収容所、香港の状況を見て、ソロモンもキリバスも中国が人権無視をやっていることを知らないはずがありません。にもかかわらず、それらに目を瞑り、お金をばら撒いてくれるという理由で、このタイミングで中国と国交を結ぼうとする国家が世界には存在します。

                                       

                                       そうした国々に対して、米国政府は断固制裁すべきであるとし、中国共産党政府によるお金による侵略を止めるというのが、この台湾支援のための法案といえるでしょう。

                                       

                                       台湾支援の法律は、台湾のためでもあり、中国共産党政府の侵略と阻止するためのものでもあります。

                                       

                                       そのような流れの中で、新たな流れが発生しました。それがドイツです。

                                       

                                       大紀天EPOCH TIMESというサイトの記事をご紹介します。

                                      『EPOCH TIMES 2019/09/20 15:09 「台湾と国交を」ドイツで請願活動 1万人超が署名

                                       ドイツ国民が5月、連邦議会に「民主国家の台湾と国交を結ぼう」を求める請願書を提出した。南太平洋のソロモン諸島政府が台湾との断交を発表したのを受け、台湾で同署名活動が注目を集めた。9月18日時点で、1万人以上のドイツ市民が請願書に署名した。

                                       台湾メディア「自由時報」15日付などによると、台湾との国交締結を呼びかける「第95643請願書」は現在、独連邦議会のウェブサイトに掲載されている。

                                       同請願書は、「今年は天安門事件発生から30周年にあたる。この虐殺を行った中国はいまも国連の一員で、各国に承認されている。しかし、中国当局は新疆ウィグル自治区で強制収容所を設立し、世界最大の監視システムを作り上げた。南シナ海での蛮行など、中国当局は国際法を無視し続けている」と批判した。

                                       また、「中華民国(台湾)は民主主義の国家である。ドイツが中華民国を承認しないのは理解しがたい。政府に対して中華民国と正式な外交関係を樹立するよう呼び掛けたい」とした。

                                       台湾メディアによれば、今月11日以降、ネット上でドイツ国内外から署名が集まっている。外国人も署名できる。10月9日までに、署名者数が5万人を上回れば、連邦議会が審議に入るという。

                                       9月16日、ソロモン諸島政府は台湾と断交する方針を決定した。米ラジオ・フリー・アジア(RFA)18日付は、中国当局の圧力強化で友邦国を次々と失った台湾の立法院(国会)議員はドイツの陳情活動に励まされ、感謝の意を示したと伝えた。

                                       

                                       上記の記事の通り、ドイツでは今、台湾に対して国家承認を求める運動が起きています。

                                       

                                       ドイツ国内では、台湾との国交樹立を求める請願書が一般市民からドイツ政府に提出されました。1万人以上のドイツ市民の署名が集まっていると報じられています。

                                       

                                       この懇願書では、天安門事件に加え、新疆ウイグル自治区の強制収容所における監視システム、南シナ海での蛮行などの人権弾圧に対して、中国共産党政府を批判しています。

                                       

                                       今年2019年で天安門事件から30年が経過し、その大虐殺の責任を取るべき中国が、未だ国連に加盟し、かつ安全保障常任理事国になっています。

                                       

                                       そのような中国を認めて、世界中の各国が中国を国家承認し、ドイツ政府もこのような中国を認めています。

                                       

                                       その一方で、民主主義国家である中華民国を承認しないということは、理解ができないと、運動で訴えています。

                                       

                                       中国は人権を守ることを規定している国際法を完全に違反しているとも主張しています。

                                       

                                       懇願所の趣旨は2つあって、1つ目は人権反の中国を許してはいけないということです。

                                       

                                       世界が人権を無視しすぎている中国について、30年前の天安門事件から始まって、現在も続いています。

                                       

                                       現在のウイグル新疆自治区でウイグル人が強制収容され、拷問・虐殺され、内臓が取られて臓器移植に使われています。このようなひどい人権弾圧が普通に行われています。

                                       

                                       2つ目は、香港の状況、中国全体で国民を監視するシステムで覆っていますが、こういう状況は全て国際法違反といえます。これ以上、国際法をこれだけ違反している中国を許し、民主主義を守っている台湾を無視し続けていいのか?ということ。その他、懇願書で著書が主張している主な論点は下記の通りです。

                                      ●国連は台湾加盟を認めるべきであると謳っている。国連は現在、韓国と北朝鮮の2つの朝鮮を認めている。であるならば、共産主義の中国と同じように、民主主義の台湾の加盟を認めるべきである。

                                      ●罪もない人々を大虐殺して国際法違反を犯し続けている中国を、ドイツ政府が国家承認して、外交関係を持つことは理解できない。

                                      ●この運動によって、ドイツの議会も動かざるを得ず、ドイツ政府は台湾を認めて国家承認し、台湾との国交を樹立すべきである。

                                       

                                       

                                       こうしたドイツ国内での運動に比べて日本はどうでしょうか?少なくても日本政府、日本の国会は何もしていません。台湾は地政学的にも日本にとって重要でありますし、歴史的にも台湾を統治していた時代にインフラを整備し、今日の台湾の礎を築いた一面もあり、台湾の日本に対する期待も高く、日台関係は日中関係よりも大切にするべきなのでは?と私は思っています。

                                       

                                       2015年9月、私は台湾の嘉義という場所へ行き、鳥山頭ダムや灌漑施設を作った日本人の八田與一のことを知っている台湾人のガイドさんに取材させていただきました。そのガイドさんからは、「日本が台湾を統治してから、日本は台湾に病院を作ってくれたので、赤ちゃんが死ななくなった。台湾人は日本に感謝している。」という話を聞きました。

                                       

                                       また皆さんはご存じでしょうか?東日本大震災では義援金29億円と、米国と順位で1位、2位に並ぶ多く義援金を出してくれたのです。

                                       

                                       その台湾を守ろうとする国会議員が存在するのか否か?私にはわかりませんが、国会で議論にもなっていないというのは、大変残念なことと私は思います。

                                       

                                       

                                       というわけで今日は「台湾を国家承認する運動が起きているドイツを、日本も学ぶべきでは?」と題して論説しました。

                                       

                                       

                                      〜関連記事(米国の対中政策)〜

                                      米国務省による台湾への大量の武器売却について

                                      トランプ政権が米国証券取引所に上場する中国株の上場廃止を検討!

                                      台湾の地政学上の重要性を理解している米国と、カネ儲け優先で理解しない愚かな日本

                                      米国トランプ政権が中国を為替操作国に認定

                                      中国と欧州を為替操作ゲームを楽しんでいると皮肉ったトランプ大統領

                                      農産物の大量購入の約束を守らない中国に対して、トランプ大統領の関税第四弾の鉄槌が下る

                                      なぜトランプ大統領は対中国に対して強気に出ることができるのか?

                                      トランプ大統領が指示するレアアースの米国国内での生産体制

                                      日本はトランプ大統領の関税カードの使い方を学ぶべきです!

                                      トランプ大統領の中国製品の関税25%引き上げの真の狙いは何か?

                                      米国債残高1位の中国は米国債売却で反撃するという言説について

                                      米中貿易戦争で中国は勝てません!

                                      中国Huawei・ZTE問題と、国家安全保障にかかわる次世代通信システム5Gサービスについて

                                      米国による同盟国への中国ファーウェイ製品の使用中止要請について

                                      覇権挑戦国に伸し上がろうとする中国をつぶそうとしている米国

                                      米中貿易戦争の報復関税合戦の行き着くところは、新たなリーマンショックの予兆か?

                                      米国の対中国貿易戦争は、トランプ大統領に勝算あり!

                                       

                                      〜関連記事(中国による人権弾圧)〜

                                      ブルームバーグ紙が報じる香港への人民解放軍動員の可能性

                                      国際社会は香港問題について、英国と約束した一国二制度を、中国に守らせるべき!

                                      香港で起きているデモの本当の狙いとは?

                                      中国ウイグル自治区の再教育キャンプで行われているウイグル人への拷問

                                      中国共産党によって人権と民主主義が脅かされている香港を支援する米国と何もしない日本

                                      ”逃亡犯条例改正案”に反対している香港のデモ活動は日本人にとって他人事ではない!

                                      トランプ大統領の国連の武器規制条約からの撤退の意味とは?

                                      「高度な能力や資質を有する外国人を受け入れる」の欺瞞と「中国による洗国(せんこく)」の恐怖

                                       

                                      〜関連記事(日本の対中政策)〜

                                      日中通貨スワップは誰のため?

                                      中国の一帯一路の被害国を増やすことに手を貸す日本企業と、中国とのプロジェクトを決別宣言したマレーシア

                                      中国の公平でないグローバリズムに強硬な姿勢をとる米国と、製造2025をビジネスチャンスと考えるアホな国

                                      中国のAIIBと一帯一路に手を貸す銀行・企業は、中国の侵略に手を貸すのと同じです!

                                      血税3,500億円を突っ込んだジャパンディスプレイ社を800億円で中国企業に売ろうとしている日本の官民ファンド

                                       

                                      〜関連記事(シーレーン)〜

                                      有志連合によるシーレーンの防衛について

                                      安倍外交で”日米同盟が盤石”という評価について

                                      日本として対応が難しいイラン沖の民間船舶の護衛について

                                      参議院選挙の争点に”改憲議論を進めることの是非”

                                      安倍首相のイラン訪問の成果について 

                                       

                                      〜関連記事(戦闘機のスペック関連)〜

                                      F35戦闘機よりもF22戦闘機の性能は優れているのか?

                                      ”真珠湾攻撃で活躍したゼロ戦1万機”と”マレー沖海戦で活躍した隼5千機”を製造した日本の航空技術力

                                      敵味方識別装置と韓国軍の戦闘機

                                      軍事研究と民生技術


                                      ケチケチのフランス、マクロン大統領が緊縮財政を転換して大減税へ!

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                                         10/1明日、日本では消費税がついに8%→10%となります。日本以外では、カネカネカネで緊縮財政をやっている国といえば、ドイツであり、フランスでした。

                                         ところがそのフランスが、緊縮財政を転換して大減税することになりました。これは非常に大きなニュースであると私は思っています。

                                         そこで、このニュースを取り上げ、今日は「ケチケチのフランス、マクロン大統領が緊縮財政を転換して大減税へ!」と題して、下記の順で論説します。

                                         

                                        1.マクロン大統領が大減税に踏み切った経緯

                                        2.ドイツ経済は製造業を中心にひどい落ち込みで景気後退か?

                                        3.マイナス金利の債券市場を利用すると主張するマクロン大統領

                                         

                                         

                                          まず新聞記事を2つご紹介します。一つ目は日本経済新聞の記事です。

                                        『日本経済新聞 2019/09/27 16:43 仏の20年予算、1兆円減税と財政ルール両立  

                                        【パリ=白石透冴】フランスのマクロン政権は27日、2020年度予算案を公表した。反政権デモに配慮し、93億ユーロ(約1兆950億円)の家計向け大型減税に踏み切る。超低金利による国債の負担減もあり、財政赤字は2年ぶりに欧州連合(EU)ルールである「国内総生産(GDP)比3%内」の水準に抑えた。ただ、公務員数削減などの目玉改革は後退した。

                                         「この予算で、人々が政治の恩恵、労働の恩恵を受けられるようになってきている」。ルメール経済・財務相は26日、記者会見で語った。20年度予算案は27日の閣議で承認を受け、議会に提出される。

                                        今回の予算案の一番の特徴は、93億ユーロの大減税だ。内訳は低所得者層を中心にした所得減税が50億ユーロ分。他に住民税の段階的な廃止などが柱だ。

                                         税収が減るなかでも減税措置に踏み切れた背景には、現在の超低金利がある。仏経済・財務省によると、国債の利息支払いが軽減されたことなどで、20年は50億ユーロの歳出抑制につながる。

                                         この結果、GDP比の財政赤字を2.2%に抑えた。19年は最低賃金増などの生活支援策をとった結果、赤字幅が3.1%となっていた。

                                         ただ、市民の反発を受けた歳出削減策は後退している。例えばマクロン氏は任期中に国家公務員ポスト5万人分を削減して政府の効率化を進めるとしてきたが、このほど目標を1万人に下げた。

                                         財政再建も遅れ気味だ。累積債務はGDPの99%に相当する額まで積み上がっている。欧州全体でも各国の累積債務は上昇傾向にあり、次の経済危機の際に財政出動がしにくくなっているとの指摘が出ている。

                                         

                                         二つ目はロイター通信の記事です。

                                        『ロイター通信 2019/09/27 12:59 仏、100億ユーロ超の減税を来年実施へ 独も景気刺激策を=財務相

                                        [パリ 26日 ロイター] - フランスのルメール財務相は26日、100億ユーロ(109億ドル)超の減税を含む来年度予算案を公表した。その上で、ドイツに対し、フランスと同様の財政刺激策を打ち出すよう求めた。

                                         ルメール氏は記者会見で、欧州中央銀行(ECB)が最近決定した金融緩和策に触れ、財政余力のある国が公的投資を増やす好機が生まれたと指摘。

                                         「低金利が欧州に再び繁栄をもたらすことはない。金融政策は必要だが、十分ではない」と強調。

                                         「ドイツは投資する必要があり、早期の投資が望ましい。状況が悪化するのを待つべきではない」と語った。仏政府はこのところ、独政府に財政出動を繰り返し要請している。

                                         ルメール氏によると、フランスでは来年、家計の税負担が93億ユーロ減る見通し。このうち50億ユーロは所得税減税によるもの。ダルマナン公会計相は全世帯の95%が所得減税の恩恵を受けると説明した。

                                         企業の税負担は10億ユーロ近く軽減される見通し。法人税率を33.3%から5年かけて段階的に引き下げ、25%とする計画の一環。

                                         予算案は来年の経済成長率が1.3%と、今年の推定1.4%から若干鈍化するとの見通しを前提にしている。これについて、独立監視機関の財政高等評議会は政府の見通しは妥当で、20年の公的部門財政赤字のGDP(国内総生産)比率が2.2%とする政府予想も「信ぴょう性がある」と評価したことが、ロイターが入手した草案で明らかになった。

                                         ダルマナン氏によると、政府は来年、低金利による国債利払いなど費用削減効果が60億ユーロに上ると見込んでいる。』

                                         

                                         

                                         

                                        1.マクロン大統領が大減税に踏み切った経緯

                                         

                                         日本のマスコミの記事、海外のマスコミの記事ということで2つの記事をご紹介しましたが、マクロン大統領が大減税に踏み切りました。

                                         

                                         今回のフランスの大減税について、事の発端は今年2019年8月に、フランスでG7サミットが行われました。このとき、主催国のマクロン大統領は、米中貿易戦争による世界景気の減速に対して、これまでECBの金融緩和政策だけに頼っていたと述べ、G7サミットで経済を再起動させるには、何か新しい手段しかないと主張し、それには減税であると明言していました。

                                         

                                         まさに日本やってきたアベノミクスと同じで、日本も2014年以降、財政出動を全くやらず、それどころか景気失速のきっかけとなった消費増税8%や、政府支出削減に加えて、明日から消費増税10%と、日本では緊縮財政が推進されており、金融緩和だけでデフレ脱却しようとして無駄な年月を費やしました。

                                         

                                         案の定、何年経過しても、物価上昇率は目標2%に到達せず、GDPデフレーターなどの指標も弱いまま続き、実質賃金も当たり前のように伸び悩んでいます。

                                         

                                         そんな中で2019/09/26、フランス政府は2020年の予算で新たな減税をします。規模は総額100億ユーロ≒110億ドルの所得税減税で、かつてない大減税を行うと同時に「イエローベスト運動※(デモ活動)に対する答えだ!(※フランスで発生しているデモ活動について)」としています。

                                         

                                         マクロン大統領は、2018年末からフランスの低所得者層によるイエローベスト運動によって追い込まれていました。理由は大企業中心の政策をやってきたことがその理由で、それに対する反発と大運動がイエローベスト運動です。

                                         

                                         既に2019年4月に、マクロン大統領は減税を一度発表し、50億ユーロ相当の所得税減税を発表していましたが、50億ユーロでは足りないのでは?という指摘がありました。

                                         

                                         そこで今回50億ユーロを追加減税し、合計で100億ユーロの大減税に踏み切ることにしたのです。

                                         

                                         

                                         

                                        2.ドイツ経済は製造業を中心にひどい落ち込みで景気後退か?

                                         

                                         これまでマクロン大統領は、その逆をやってきました。ドイツや日本と同じ、ケチケチでカネカネカネと緊縮財政にこだわってきたのがマクロン大統領です。

                                         

                                         2019/09/22、ECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁が、ドイツ政府に対して財政支出拡大をやって欲しいと述べ、低迷するEU経済の後押しをお願いしたいと依頼したのですが、ドイツ政府は反応しませんでした。

                                         

                                         ECBのドラギ総裁の財政出動要請に対して、全く聞く耳を持たなかったのです。

                                         

                                        <ドイツの四半期GDPの推移>

                                        (出典:ニッセイアセットマネジメメント)

                                         

                                        <ユーロ圏諸国の製造業PMI(年月)の推移>

                                        (出典:ニッセイアセットマネジメメント)

                                         

                                         

                                         しかしながら、上記グラフの通り、ドイツ経済は非常に悪いです。何しろ2019年4月〜6月期のGDPは速報値ですが、前期比▲0.1%と、3四半期ぶりのマイナス成長です。ドイツ経済で特徴的なのは、鉱工業生産が非常に悪く、特に基幹産業の自動車の落ち込みが激しいです。

                                         ドイツは日本とは比べ物にならない輸出依存国であるため、米中貿易戦争のあおりを受け、輸出・生産で、もろにあおりを受けた格好です。

                                         そのため、7月〜9月期のGDPもマイナス予想となっており、2四半期GDPがマイナスということですと、景気後退(リセッション)ということになります。

                                         

                                         このようにドイツ国内はほぼ確実にリセッションが確実であるにもかかわらず、ドイツ政府は緊縮財政を辞めません。緊縮財政をずっとやってきたことで、ドイツ政府は財政黒字であり、税金は高く、ドイツ政府はそれを誇っています。そして今もなお財政黒字に固執し、しがみついています。

                                         

                                         カネカネカネとやっているドイツ政府に対して、ECBのドラギ総裁は財政支出をやって欲しい、緊縮財政を辞めて欲しい、今こそドイツが財政出動してくれれば、欧州経済に効果があると述べているにもかかわらず、ドイツ政府は動きそうにありません。

                                         

                                         そのドイツと同じように緊縮財政をやってきたフランスのマクロン政権は、大減税に転換するということで、これは非常に大きな出来事であると私は思うのです。

                                         

                                         

                                         

                                        3.マイナス金利の債券市場を利用すると主張するマクロン大統領

                                         

                                         マクロン大統領は、財源についても興味深いことを主張しています。具体的にはマイナス金利の債券市場を利用すると述べています。

                                         

                                         マイナス金利は日本だけではなく、欧州もマイナス金利になっていて、欧州では個人口座に手数料を負担させることが検討されるなど、日本以上にひどい状況になっています。

                                         

                                         マイナス金利でなければ、フランス政府が国債を発行した場合、利息を払うのが普通です。国債の買い手は、機関投資家が多いのですが、マイナス金利ですとマイナス金利分フランス政府が儲かり、機関投資家は損をします。

                                         

                                         それでもなぜ機関投資家は国債を買うのでしょうか?

                                         

                                         理由はECBが機関投資家が買った国債を、さらに高い値段で買うからです。マクロン政権は、これを利用すると述べています。

                                         

                                         さらに大減税の財源として税金の抜け穴を防ぐべく、トランプ政権が大減税を実施した時と同じように、抜け穴を徹底的にふさぐとし、特に税制控除を失くすと主張しています。

                                         

                                         日本経済新聞の記事では、超低金利の恩恵で利払いが軽減されているとし、2019年度最低賃金増によってGDP対財政赤字比率が3.1%となってしまっていたのが、大減税によって景気を刺激して税収が増えることによって、GDP対財政赤字比率は2.2%になると予想。これはフランスにとっては2001年以来の最低水準になるそうです。

                                         

                                         このようにマイナス金利を利用して、低コストで政府が財政出動し、結果GDP対財政赤字比率を引き下げるというのは、全くをもって普通の経済政策です。

                                         

                                         カネカネカネにしがみつき、虎の子の供給力を毀損してまで、お金が優先ですという政策に固執する日本とドイツは異常であり、他国と比較して相対的にも絶対的にも国力弱体化に拍車がかかっていくことでしょう。

                                         

                                         

                                         というわけで今日は「ケチケチのフランス、マクロン大統領が緊縮財政を転換して大減税へ!」と題して論説しました。

                                         私は別にお金は大切ではないと言いたいわけではありません。私自身、お金が好きか嫌いか?でいえば、皆様と同様にお金は好きです。

                                         しかしながら、それは個人の資産形成でやってもらえればいいだけであって、国家の財政運営にまで当てはめることが私は間違いであると言いたいだけです。

                                         デフレ期に緊縮財政を推進する日本がダメダメなのは言うまでもありませんが、ドイツのダメダメさも際立っているといえます。何しろリセッション入りが確実視されているのに、緊縮財政を辞めない。ドイツがそうやってモタモタしている間に、フランスはドイツよりも先に減税に転換し、フランス経済はドイツ経済の上を行くことになるかもしれません。

                                         これは日本が緊縮財政を20年も続けてきた結果、中国に経済が抜かれたこと同じであり、カネカネカネにしがみつくドイツと日本は、全く愚かな国です。

                                         その一方、世界全体が米中貿易戦争で大きく揺らぐ中、大減税に踏み切ったマクロン大統領の経済政策の大転換は大変素晴らしいことだと、私は改めて思います。

                                         

                                         

                                        〜関連記事(MMT理論・銀行のビジネスモデルについて)〜

                                        エリートと呼ばれる人が正しい経済・MMT理論を理解できない理由

                                        ”MMT理論よ!お願いだから、引っ込んでくれ!”と恐れる構造改革論者と緊縮財政論者

                                        政府支出を拡大すればインフレ率が抑制できなくなるという言説に対する反論

                                        公共事業などの政府支出は銀行預金で借りているわけではありません!

                                        反論になっていない財務省の”増税不要論”への反論

                                        MMT理論の批判論に対する反論!

                                        ゼロからお金を生み出すことができるのが銀行です!

                                        借入金の否定=資本主義の否定(信用創造機能とは何か?)

                                        日本には財政問題は存在せず、金融緩和だけでは景気が良くなるわけがありません!

                                        国債は何兆円まで発行できるのか?(管理通貨制度について学ぼう!)

                                        ”政府は借金し放題”という”現代金融理論”について

                                        グリーン・ニューディール政策と現代金融理論

                                         

                                         

                                        〜関連記事(税金やお金や財政破綻について)〜

                                        3種類の負債

                                        政府の税収が安定している必要は全くありません!

                                        税金の役割とは何なのか?

                                        2018年度の税制改正の主要テーマに取り上げられた所得税の改革について

                                        「所得税を減税しないと富裕層が逃げていく!」は本当か?

                                        お金の本質を理解していた江戸時代の勘定奉行”荻原重秀”

                                        モンゴル帝国のフビライ・ハンの時代にインフレーションが発生したのはなぜか?

                                        ジンバブエのハイパーインフレについて

                                        ”政府は借金し放題”という”現代金融理論”について

                                        親日家の投資家ジム・ロジャーズ氏が指摘する日本の財政破綻に反論する!

                                        ”国債増刷+財政出動で税金を増せる”という言説は無責任なのか?

                                        国債は何兆円まで発行できるのか?(管理通貨制度について学ぼう!)

                                        ミクロ経済学の「予算制約式」について(「政府の負債は税金で返済しなければならない」のウソ)

                                        憲法改正で財政規律条項を入れる動きに反対!

                                        日銀が保有する国債は、地球が崩壊して滅亡するまで放置でOK!


                                        ドイツをはじめとしたユーロ圏の経済失速と、ドイツよりバカであることが確定した我が国

                                        0

                                          JUGEMテーマ:グローバル化

                                          JUGEMテーマ:ドイツ

                                          JUGEMテーマ:経済成長

                                           

                                           今日は、ドイツが2019年4月〜6月期の第2四半期GDPで、輸出が6年ぶりに大幅減少したことなどでマイナス成長になったことを取り上げ、「ドイツをはじめとしたユーロ圏の経済失速と、ドイツよりバカであることが確定した我が国」と題して論説します。

                                           

                                           ブルームバーグの記事を2つご紹介します。

                                          『ブルームバーグ 2019/08/27 17:43 ドイツ、輸出が足かせでマイナス成長−米国の圧力増す公算も

                                           ドイツ経済は輸出の落ち込みが響き、4−6月(第2四半期)がマイナス成長となった。

                                           27日の発表によると、第2四半期の輸出は前期比1.3%減と6年余りで最大の落ち込みとなった。国内総生産(GDP)は0.1%減と、過去1年で2回目のマイナス成長。純貿易はGDPに0.5ポイントのマイナス寄与となった。

                                           米国が仕掛ける貿易戦争の影響は近く悪化する可能性がある。トランプ米大統領は欧州からの輸入車に関税を課すことを検討しており、今月には欧州連合(EU)が「中国より悪い」と発言した。緊張緩和を図るメルケル首相は26日、EUと米国の貿易協議開始を望むと述べた。』
                                          『ブルームバーグ 2019/08/19 12:18 「EUは中国より悪い」とトランプ氏−欧州への不満も忘れていない

                                           

                                           上記の通り、ドイツの2019年4月〜6月期の第2四半期のGDPがマイナスになったというニュースです。
                                           ドイツ経済の落ち込みは顕著であり、記事の通りGDPは▲0.1%と、下記グラフの通り水面下に沈みました。

                                          <ユーロ圏の2016年3月〜2019年6月の四半期毎のGDPの推移>

                                          (出典:ブルームバーグの記事から引用)

                                           

                                           ドイツは昨年度、2018年7月〜9月期も前期比で▲0.1%と14四半期ぶりのマイナス成長とであり、続く2018年10月〜12月期はゼロ成長でした。そのため、直近1年間のユーロ圏の経済は、このドイツの不調に引きずられる格好で経済成長の勢いを失っているともいわれています。

                                           

                                           このドイツのマイナス成長の要因としては、長期的な要因としてリーマンショック以降、長期停滞が続いていることがあげられます。

                                           

                                           日本ほどではないものの、欧州各国は供給力があるものの需要が伸びず、デフレ気味で低成長率が続いていました。中でも特にドイツの経済成長率は低いです。

                                           

                                          <世界主要国のGDPの伸び率>

                                          (出典:世界経済のネタ帳)

                                           

                                           上記グラフの通り、ドイツの過去20年間の経済成長率は、OECD加盟国の中では、下から数えて2番目です。

                                           

                                           〇で囲った国とGDPの伸び率を拾うと下記のとおりです。

                                           

                                           中国:13.0倍

                                           米国:2.3倍

                                           英国:1.9倍

                                           ドイツ:1.4倍

                                           日本:1.0倍

                                           

                                           ドイツの経済成長率は20年間で40%しか成長していません。米国の経済成長率は130%の成長率、英国の経済成長率は90%の経済成長率となっているにもかかわらず、欧州の国々は経済成長率が相対的に低く、中でもドイツはイタリアと同率で経済成長率が低いです。

                                           

                                           数値は2016年の数値ですが、イタリアは2018年から財政赤字にしようとしているため、日本と同様に財政赤字は悪と考えるドイツがイタリアよりも経済成長率が低くなるのは間違いないと私は思います。

                                           

                                           となれば過去20年間の経済成長率でワーストが日本、2番目に悪いのがドイツになるでしょう。この2か国に共通するのは緊縮財政が大好きということ。とにかく税収の範囲内でお金を使うという思考が大好きなアホな国家であることが共通点です。

                                           

                                           本来ならば、経済成長を見通しながら、国債を増刷して(政府が負債を増やして)政府支出の拡大をすべきであり、他国は普通にそれをやっています。

                                           

                                           特に中国は国債増刷と政府支出拡大をして、過去20年間の経済成長率は1200%という天文学的な数字をたたき出しています。にもかかわらず、政府支出で国債を増やすことをやらないのが日本とドイツの共通点。そしてそれがドイツ経済が低迷している背景の主因であるといえます。

                                           

                                           そんな中、ドイツは経済成長するために、ユーロという仕組みを作り、欧州の中で関税を失くして、関税がかけられない欧州の他国の雇用・賃金を奪う形で、ドイツ製品を売り飛ばし、徹底的な外需拡大によって、辛うじて40%成長したというのが、過去20年間のドイツの経済の実態です。

                                           

                                           ブルームバーグの記事では、米国のトランプ大統領が、欧州各国の関税や通商政策に対して不満を表明しており、中国だけでなく欧州から米国への輸出品に対しても関税を引き上げるかもしれません。

                                           

                                           そもそも世界経済は米中貿易戦争を通して、スロートレード(貿易量の減少)が鮮明となり、それが直撃して外需は減少しています。しかもドイツは輸出立国で、ドイツのGDPに占める輸出の割合は40%超と日本の3倍近く外需に依存しています。(日本の外需依存度は14%程度)

                                           

                                           こうした中、欧州の他国に次ぐドイツの貿易相手国の中国も経済が不調となり、中国の購買力が減少することで、中国への輸出で稼ぐことすらできなくなっているのです。

                                           

                                           日本とやっていることは全く同じです。アホな緊縮財政で経済成長できず、外需依存で経済成長してきたものの、中国がダメになってドイツの2019年第2四半期(4月〜6月)GDPがマイナスに沈んだということで、日本の第1四半期1月〜3月と同じ状況になっているといえるでしょう。

                                           

                                           ブルームバーグの記事では、ドイツに限らずイタリアが2019年第2四半期(4月〜6月)GDPでゼロ成長、フランスも低成長に甘んじており、欧州の主要国が揃って精彩を欠いているというのが欧州経済の実態です。

                                           

                                           中国の購買力低下によって中国が外国から物が買えなくなり、中国への輸出依存度が高い欧州のドイツ、フランス、イタリアの3大経済大国が軒並み総崩れになったというのが私の分析です。

                                           

                                           ドイツの財務大臣は、将来の経済危機に総力を挙げて対処する健全な財政があるとの見方を示し、最大で500億ユーロ(≒5.9兆円)の追加支出が可能である旨を示唆し、具体的には赤字国債の発行を検討しているとのこと。ドイツの財務大臣は、国家とは経済が好調な局面で健全な財政運営を行う必要があると強調しましたが、リセッションに突入しないようにするために財政支出を拡大するということは、緊縮が大好きなドイツですらマクロ経済を理解しているとみることもできます。

                                           

                                           日本を除けば、世界で一番バカなのは、間違いなくドイツです。そのバカごときドイツですら追加支出をやろうとしているのに、日本は消費増税で6兆円徴収しようとしています。日本がどれだけダメ国家なのか?皆さんもご理解いただけるのではないでしょうか?

                                           

                                           

                                           というわけで今日は「ドイツをはじめとしたユーロ圏の経済失速と、ドイツよりバカであることが確定した我が国」と題して論説しました。

                                           緊縮財政が経済成長を抑制してきたことは、過去20年間の経済成長の伸び率を見れば、一目瞭然です。そのドイツですら財政支出をしようとしているのに、日本は増税と支出削減に励むという家計簿発想の国家財政運営を継続しています。

                                           このままでは日本は発展途上国に落ちぶれ、中国に蹂躙されてしまうものと、私は本当に危惧するばかりです。

                                           私にできることは、ここで情報発信することしかできませんが、脱緊縮財政、脱家計簿発想の国家財政運営を、引き続き訴えていきたいと思います。

                                           

                                           

                                          〜関連記事(ドイツ関連)〜

                                          ドイツ銀行の経営危機で、メルケル首相に強烈なブーメランが炸裂!

                                          CoCo債(偶発転換社債)という資金調達手法

                                          トランプ大統領が検討するグラススティーガル法(銀行法の通称)の復活について

                                          EUは、このままだと解体か?

                                          ドイツで起きている2つの問題

                                          男の子の溺死写真がきっかけで、メルケル首相が難民受け入れを推進したことによるドイツ国民の不幸

                                          「規制は悪」で「自由が正しい」という人は、リビアに行きましょう!(ドイツとリビアのグローバリズム)

                                          ドイツのメルケル首相の移民受入無制限宣言の結果、発生してしまったケルン事件

                                           

                                          〜関連記事(その他欧州)〜

                                          財政赤字を増やそうとしたイタリア政府

                                          決して他人事ではないイタリアで発生した高架橋崩落事故について

                                          デフレ脱却のためには財政赤字の拡大が必要です!

                                          「自国で通貨発行・政府支出ができる日本」と「EUに加盟しているためにできないフランス」どっちが愚かなのか?

                                          「政府の債務残高対GDP比率3%以下」という”3%”に根拠なし!

                                          フランスでも始まるか?日本で猛威を振るうデフレ長期化をもたらした緊縮財政!

                                          イギリスのメイ首相のEU離脱宣言について!


                                          ブレグジットが英国国民の雇用創出・賃金UPによる内需拡大をもたらすことに気付かず、マスコミに騙された日本企業

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                                            JUGEMテーマ:経済成長

                                             

                                             英国の首相がボリス・ジョンソン氏に決まりました。そこで今日はブレグジットを取り上げ、「ブレグジットが英国国民の雇用創出・賃金UPによる内需拡大をもたらすことに気付かず、マスコミに騙された日本企業」と題して論説します。

                                             

                                             下記はAFP通信の記事です。

                                            『AFP通信 2019/07/25 06:36 ジョンソン新首相、EU離脱に向け新内閣 閣僚の大半入れ替え

                                            【7月25日 AFP】新英首相に就任したボリス・ジョンソン(Boris Johnson)氏は24日、閣僚の大半を入れ替え、主要ポストに英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)強硬派を置く新内閣を発表した。

                                             ジョンソン氏は、ブレグジットを10月31日までに実現させるため、EU側との新たな合意を取り付けるか、それが不可能ならば合意なしで離脱すると宣言。その直後に主要閣僚の交代を発表し、ブレグジットをめぐる新たな方向性を示した。

                                             ジョンソン氏はまず、財務相にパキスタン移民の両親を持つサジド・ジャビド(Sajid Javid)内相を指名。前任のフィリップ・ハモンド(Philip Hammond)氏は、「合意なき離脱」も辞さないとするジョンソン氏の方針を繰り返し批判し、合意なき離脱は経済に深刻な打撃をもたらすと警告。ジョンソン首相就任の数時間前に辞任していた。

                                             外相には、ジェレミー・ハント(Jeremy Hunt)氏に代わりブレグジット強硬派のドミニク・ラーブ(Dominic Raab)氏が指名された。ラーブ氏はテリーザ・メイ(Theresa May)政権でジョンソン氏と共に閣僚を務めていたが、両者はいずれもメイ氏のブレグジット方針をめぐり辞任していた。

                                             内相はブレグジット賛成派の急先鋒(せんぽう)であるプリティ・パテル(Priti Patel)氏が指名された。同氏は国際開発相を務めていた2017年、休暇でイスラエルを訪れた際に同国高官らと非公式の会談を行い、辞任に追い込まれていた。』

                                             

                                             

                                             上記記事の通り、新英国首相に就任したボリス・ジョンソン氏が閣僚の大半を入れ替え、ブレグジット強硬派で固める新内閣を発表しました。

                                             

                                             そもそもブレグジットとは、英国のEU離脱のことで、ブリティッシュエグジット=ブレグジットです。

                                             

                                             今から3年前の2016/06/23に英国でEU離脱の国民投票が行われ、その結果、EU離脱=ブレグジットが決まりました。

                                             

                                             マスコミの事前調査では、EU残留派が圧倒的に勝利するという予想だったのですが、ふたを開けてみたら、まさかのまさか、EU離脱派の勝利となったため、世界中がショックを受けました。

                                             

                                             当時の世界中のマスコミは、ブレグジットについて経済の観点から、英国経済がどれだけ悪くなるか?ひどくなるか?という論調で占めていました。何しろ当時の世界中の常識では、ブレグジットなど選択肢としてあり得ず、英国の自殺行為であるという論調でした。ところがEU離脱派の勝利という国民投票の結果を受け、英国のメディアが狼狽し、英国経済を崩壊させると大宣伝を始めました。

                                             

                                             私が思うに、英国にとってブレグジット決定は大変いい結果であり、むしろ英国はEUからもっと早く抜け出すべきだったと思っています。ブレグジットが決定されて、すでに3年以上が経過しましたが、英国経済はどうなったか?といえば、未来に対する不安感は残っていると思われますが、実際にはマイナスの影響はありません。

                                             

                                             むしろEU残留派の予想とは全く逆で、英国経済は他の先進国よりも調子がいいです。主要国の直近のGDP伸び率と失業率の推移を見てみましょう。

                                             

                                            <2018年度実質GDPの前年比伸び率>

                                            英国 1.40%
                                            日本 0.81%
                                            イタリア 0.88%
                                            フランス 1.52%
                                            ドイツ 1.45%
                                            米国 2.86%

                                             

                                            <直近3か年の失業率の推移>

                                            (出典:グローバルノート)

                                             

                                             数字で見ると、英国のGDP成長率は1.4%です。

                                             

                                             この1.4%という数字は、それほど良い数字に見えないかもしれません。米国の2.86%という数字はフランスやドイツのおよそ2倍であって格別でとてつもなくいい数字であることがわかりますし、日本は0.81%とダメダメです。いずれにしても英国経済に悪影響があったとは思えず、フランスやドイツ並みの経済成長率となっていることがわかります。

                                             

                                             一方で、失業率でいえば、2018年度の失業率は4.08%で、イタリア10.63%、フランス9.11%に比べれば、圧倒的に調子が良いといえますし、3か年の推移でみても下落傾向のトレンドになっています。

                                             

                                             このように英国はボリス・ジョンソン氏が新首相となり、合意なきEU離脱に突き進むと予想されますが、すでに国民投票以来、ブレグジットによる経済的効果が悪くなると想定していたよりも逆に出ていて、経済は崩壊に向かっていません。

                                             

                                             雇用者数も見てみましょう。

                                             

                                            <英国とドイツの就業者数の推移>

                                            (出典:世界経済のネタ帳)

                                             

                                             上記グラフの通り、就業者数も英国は2016年から2018年にかけてドイツと同じくらいで約70万人の就業者が増加となっています。

                                             

                                             当初、英国政府財務省の予想では、ブレグジットになれば英国から50万人近い雇用が失われると警鐘を鳴らしていました。その一番の理由が外資系企業が英国から離れるということで、それを恐れて50万人近い雇用が失われると予想していたのですが、雇用が減少するどころか、逆に70万人も就業者数は増加しています。

                                             

                                             ブレグジットが決定されるまで、外資系企業が英国から逃げ出すといっていたにもかかわらず、この3年間で現実はどうだったか?といえば、事前の予想と異なり、外資系企業の投資は逆に増加しています。投資が減るどころか次々に増え、特に米国企業による英国への投資は6%ほど増加しています。

                                             

                                             欧州全体でみても、海外からの投資額は欧州全体の中で英国が最も多いのですが、日本の企業は、マスコミの話を鵜呑みにして英国進出企業は引き揚げてしまいました。

                                             

                                             この判断は果たして正しかったのでしょうか?

                                             

                                             海外から英国への投資の増加で既に5万人以上の外資系企業による雇用が増加していますが、同じ3年間でもドイツは、わずか19,000人で、ドイツの倍以上の雇用数が増えているのです。

                                             

                                             海外企業は英国経済が良くなると思って投資を増やしており、日本以外の企業はマスコミに騙されていないということがいえるでしょう。

                                             

                                             

                                             

                                             というわけで今日は「ブレグジットが英国国民の雇用創出・賃金UPによる内需拡大をもたらすことに気付かず、マスコミに騙された日本企業」と題して論説しました。

                                             世界中が反グローバルに転換し、経済成長による雇用増加と賃金UPを勝ち取っている一方、日本は周回遅れのグローバリズムの推進で負け組のフランス、ドイツに追随しようとしています。その上、2019年10月に消費増税10%を実施しようとしているのですから、絶望的に日本経済は悪くなり、発展途上国への転落は決定的となるでしょう。

                                             読者の皆様におかれましても、世界経済がどうなっているのか?マスコミの情報に鵜呑みにされず、ビジネスや投資についてお考えいただきたいものと思います。

                                             

                                             

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                                            メイ首相辞任と英国ポンドの相場の行方について

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                                              JUGEMテーマ:英国に関するニュース

                                              JUGEMテーマ:グローバル化

                                               

                                               ついに英国のメイ首相が5/24付で辞任を発表しました。まさにブレグジットは最終局面を迎えようとしているのでは?と思っております。そこで今日は「メイ首相辞任と英国ポンドの相場の行方について」と題して論説します。

                                               

                                               下記はロイター通信の記事です。

                                              『ロイター通信 2019/05/24 18:27 メイ英首相、6月7日に党首辞任 EU離脱巡る混迷深まる可能性

                                              [ロンドン 24日 ロイター] - メイ英首相は24日、6月7日に保守党党首を辞任すると表明した。欧州連合(EU)離脱を巡る混迷の責任を取った形だが、7月末までに就任するとみられる次期首相はEU離脱に対しメイ氏より強硬な路線をとる公算が大きいため、EUとのあつれきが増すと同時に、政治的な混迷が一段と深まる可能性がある。 

                                               保守党はメイ氏の辞任を受け、通常7月下旬に始まる夏季休暇前に新党首を選出すると表明。メイ氏辞任の翌週に新党首の選出に着手する。

                                               党首選への立候補をすでに表明し、メイ氏の有力な後任候補と目されているボリス・ジョンソン前外相は訪問先のスイスで、英国は条件などで合意がないままEUから離脱する用意を整えておく必要があるとの考えを示した。

                                               ハント外相もメイ首相の辞任表明から数時間後に党首選への出馬を表明。このほか英BBC放送によると、英与党・保守党の議員で構成する「1922委員会」のグラハム・ブレイディ委員長も、党首選への出馬を準備するために委員長を辞任した。

                                               最大野党・労働党のジェレミー・コービン党首は、「国民に英国の将来を決定する選択肢を提供する」ために次期首相は総選挙を実施する必要があるとの立場を表明。メイ氏の辞任が早期解散総選挙につながる可能性もある。

                                               メイ氏は首相官邸前で「新たな首相がEU離脱に向けた取り組みを率いることが、この国の最善の利益だということが私にははっきりした。そのため、私は本日、保守党党首を6月7日金曜日に辞任することを表明する」と述べた。

                                               同氏は涙をこらえながら「私は、自分の人生で名誉だと感じていた職を近く辞任する。2人目の女性首相だが、絶対に私が最後ではないはずだ」と発言。「辞任はするが恨みはない。自分が愛する国に仕える機会を持てたことを心からいつまでも感謝している」とし、「EU離脱を実現できなかったことは非常に心残りであり、これからもずっとそう感じるだろう」と述べた。

                                               自身の後任は、2016年の国民投票の結果を尊重するためコンセンサスを見いだす必要があるとも語った。

                                               英ポンドは、メイ首相の辞任表明後に一時上昇したが、その後下げに転じた。

                                               英国のEU離脱の期日は現在は10月31日。スペインは、英国が条件などで合意しないままEUを離脱する「ハードブレクジット」はほとんど回避できないとの見方を示した。』

                                               

                                               

                                               すでにご承知の通り、そして上記記事の通り、5/24に英国のメイ首相が辞任を表明しました。なぜメイ首相が辞任に追い込まれたのか?そして、次の首相は誰になるのか?注目されています。

                                               

                                               TVの報道では、メイ首相がダウニングストリート(首相官邸)の前で、涙をこらえながらコメントし、踝を返して背中を向けて首相官邸に入っていく様子が報道されました。

                                               

                                               もともとメイ首相はブレグジットの日を、3月末から10月末までに延期した後、何をやっていたか?と、野党労働党と妥協するための案を作る協議をやっていました。

                                               

                                               メイ首相は妥協案について労働党のコービン首相が賛成すると思ったようなのですが、メイ首相の辞任をわかっていたコービン首相は、メイ首相の次の首相がそれを反故にする可能性が高いと思って賛成しませんでした。

                                               

                                               保守党は保守党でメイ首相に対する怒りが鬱積し、メイ首相の不信任動議案を出す動きが活発化していました。

                                               

                                               結果的にメイ首相は、労働党との交渉が決裂。その間に英国国内では大変なことが起きていて、具体的には与党保守党の支持者がメイ首相にあきれ返って、新しくできたブレグジット党を支持するようになりました。テレビでは、与党保守党の支持者のイギリス国民がインタビューで「もう二度と保守党は支持しない。だまされた!」と発言していたのを私も見ました。

                                               

                                               そしてこのブレグジット党は多くの支持を集め、5/26に開票だった欧州議会選挙において、英国ではEUから離脱を掲げるブレグジット党が最多議席を獲得するにまで至るという大躍進を遂げました。一方で保守党と労働党は大きく議席を減らしました。

                                               

                                               この一連の動き、特にメイ首相の辞任とブレグジット党の大躍進は、グローバリズムと反グローバリズムの戦いにおいて、英国国内における反グローバリズム側の勝利がほぼ確定しようとしている私は思っています。

                                               

                                               今後展開が予想されることとしては2つあると考えます。

                                               

                                               一つは英国議会の中ではEU離脱したとしても、関税同盟には残るべきということで、関税同盟に残りつつEU離脱するというものです。二つ目は合意なき離脱です。

                                               

                                               株式市場などのマーケット関係者は合意無き離脱を恐れていますが、私は個人的には合意無き離脱になる可能性が高いと思っています。

                                               

                                               なぜならば合意なき離脱というのは、米国のトランプ政権と組むということを意味します。トランプ大統領はメイ首相にこの案を推奨し、EUと何も約束しない形で米国と協定を結ぼうと提案していました。

                                               

                                               ところがメイ首相はトランプ大統領のおすすめ案の逆をやってしまいました。メイ首相の妥協案とは、一見するとEU離脱の形なのですが、実際はその後もEUに縛られる案で、実質的にブレグジットを骨抜きにする案だったのです。

                                               

                                               そういう意味では「ちゃんとEUを離脱する」という形をメイ首相が選んでいたら、状況は変わっていた可能性があったのですが、そうはならなかった。それが保守党やイギリス国民からの反発を呼び、結果的に辞任に追い込まれてしまったというわけです。

                                               

                                               EU離脱については、上述の通り2つの可能性を申し上げましたが、英国ポンドの相場はどうなるか?下記は英国ポンドのチャートです。

                                               

                                              <英国ポンドのチャート>

                                              (出典:ヤフーファイナンス)

                                               

                                               英国ポンドは、今年5月に入ってから、2.5%ほど下落し、今もなお下落を続けています。3年前の2016/06/23に国民投票でEU離脱が決まった時の暴落時に付けた安値まで入っていませんが、それに近い水準まで下がってきました。

                                               

                                               マーケットではメイ首相の辞任がほぼ織り込まれ、次は合意なき離脱を織り込もうとしているのでは?と私は推測します。そう考えますと、ここからさらに英国ポンドが下落することは考えにくいものと予想してます。

                                               

                                               日本株は消費増税が延期・凍結される、もしくは消費減税でもない限り、買うべきではないと思いますが、経済が絶好調でまだまだいける米国株と同様に、英国の為替相場や株式市場においても、反グローバリズム側の勝利の確定がはっきりするにつれ、結果的に内需主導で国力が強化され、経済成長が加速が予想されることから堅調に推移していくのでは?と私は思います。

                                               

                                               

                                               というわけで今日は「メイ首相辞任と英国ポンドの相場の行方について」と題して論説しました。

                                               

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                                              本質的に全く同じ現象の”英国のブレグジット問題”と”トランプ大統領のロシア疑惑”

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                                                JUGEMテーマ:英国に関するニュース

                                                JUGEMテーマ:グローバル化

                                                 

                                                 前回、前々回とトランプ大統領のロシア疑惑を中心に論説しましたが、今日は英国のブレグジット問題を取り上げ、「本質的に全く同じ現象の”英国のブレグジット問題”と”トランプ大統領のロシア疑惑”」と題して論説します。

                                                 

                                                 2016年11月に米国の大統領選挙で、ドナルド・トランプが勝利することが確実となり、米国でトランプ大統領の大旋風が吹き荒れる中、欧州では英国のブレグジット問題が大騒動になっていたわけですが、トランプ大統領のロシア疑惑、英国のブレグジット問題は、全く同じ現象であるといえます。

                                                 

                                                 英国のブレグジットが問題となったのは、英国の国民投票で投票者の51.9%がEUからの離脱を求めたとする結果が出た2016年6月で、ドナルド・トランプが大統領選挙で勝利が確実とされたのは、2016年11月です。

                                                 

                                                 グローバル礼賛のマスコミにとっては、いずれも予想外の出来事で、どちらも共通するのは反グローバリズムという現象です。

                                                 

                                                 2016年という年は、ブレグジットとトランプ現象という反グローバリズムが起きた年という意味で、象徴的な年でした。

                                                 

                                                 しかしその後になってグローバリズム陣営の逆襲が始まりました。それが英国でブレグジットさせないという罠で、2年間続きました。

                                                 

                                                 未だにEUと英国の合意ができず、延期に次ぐ延期となっていますが、メイ首相がEU側と合意した合意案に、英国議会が認めればEUからスムーズに離脱できるというのが、その合意案です。

                                                 

                                                 ところがその合意案は罠です。なぜならば形だけEUから離脱する一方、英国はEUに実質的にずっと居残ることになるからです。EUにすれば、英国に抜けられて何が一番困るか?それは英国に負担金を払ってもらえなくなることです。

                                                 

                                                 

                                                <2014年度のEU予算への国別純拠出額>

                                                (出典:みずほ総合研究所)

                                                 

                                                 EU予算への国別純拠出額において、英国は2014年度の数値で、ドイツ、フランスに次いで3位に位置しています。そのため、EU側とすれば、ブレグジットを骨抜きにして英国に分担金を払い続けてもらう形にしたいのです。

                                                 

                                                 英国にとっては、メイ首相の合意案では実質的にEU離脱になっておらず、ちゃんとEUから離脱するため、合意無き離脱の方向に向かっているのですが、合意無き離脱になったら大変だと騒いでいるのは英国のマスコミです。

                                                 

                                                 英国のマスコミは、ある日突然、国境がなかったところに国境ができて、ヒトモノカネの移動の自由がなくなり、英国経済が大混乱になって、英国のGDPは10%以上下がるなどの言説を振りまいてきました。

                                                 

                                                 「合意なき離脱は危険!」という言説は、グローバリストらが放つ罠です。

                                                 

                                                 逆にグローバリストの放った罠である「合意がある離脱」の場合、負担金を払うという点で中途半端な離脱になってしまうわけで、その罠にハマらず、さっさとEUから離脱するのが、英国が主権を取り戻すという観点からもベストシナリオであると私は思います。

                                                 

                                                 そしてこの英国のブレグジット問題と同じで、トランプ大統領の当選を未だ納得しないグローバリスト側が仕掛けた罠がロシア疑惑でした。

                                                 

                                                 ロシア疑惑という何もないところに疑惑を作り、とにかくトランプ大統領の評判を落とし、あわよくば、ロシア疑惑によって米国議会で大統領弾劾にもっていく、これがグローバリスト側の真の狙いであるに違いありません。ロシア疑惑は、そのための罠にすぎなかったのです。

                                                 

                                                 しかしながら懸命なことに、トランプ大統領は、グローバリスト側が仕掛けた罠にかからず、ネズミ一匹すら出ないで終了しました。そしてブレグジットもメイ首相がEUと合意したとされる怪しい合意案は葬られようとしています。

                                                 

                                                 結局、英国のブレグジット問題も、米国のロシア疑惑も、マスコミどもがグローバリズム陣営の一員であり、反グローバリズムの台頭を言論・報道でつぶそうとしているといえるでしょう。

                                                 

                                                 日本でも報道の自由、言論の自由、表現の自由が憲法21条で定められているため、日本を貶める言論をしようとも、嘘八百を並べた本を書いてそれで印税を稼ごうとも、処罰されることはありません。私こと杉っ子もまた、このブログを通じて言論活動をしているのは、憲法21条の言論の自由に守られているからこそ、できることともいえます。

                                                 

                                                 とはいえ、マスコミどもは、特にテレビでいえば、限られた公共電波を使って放映しているわけで、その効果は新聞や本などと比べると比較にならないくらい影響が強いです。そしてマスコミのスポンサーといえば、これまたグローバリズム陣営の一角である大企業がスポンサーになっており、こうした構造は世界共通であるといえるでしょう。

                                                 

                                                 だからといって、憲法で守られているからといって、事実が歪曲され、正しい真実を国民が知らされず、国益を失い続けてしまうことになるとしたら、それこそ将来世代にツケを残すといえます。

                                                 

                                                 

                                                 というわけで今日は「本質的に全く同じ現象の”英国のブレグジット問題”と”トランプ大統領のロシア疑惑”」と題して論説しました。

                                                 世界の覇権国経験国の英国と、現在の覇権国の米国が、ともに反グローバリズムに動こうとしてから2年以上が経過しようとしています。

                                                 その間も、フランスではマクロン大統領が勝ったとはいえ、マリーヌ・ルペンの台頭や、ドイツでもグローバリストのメルケル首相が人気を落とし、AfD(=ドイツのための選択肢)が台頭しました。また直近ではスペインの総選挙において、VOXという反グローバリズムを掲げた政党が議席を伸ばして躍進したというニュースがありました。

                                                 日本はどうでしょうか?どう考えても周回遅れのグローバリズム推進で、国力の弱体化が続き、今もなお弱体化しているというのが現状でしょう。

                                                 グローバリズムの行く先は、経済理論的にも国民の幸せにつながらないということに、多くの人々に理解していただき、政策立案や施行される立場の方には、いち早く政策転換していただきたいですし、これからより一層、世界は反グローバリストの方向に進むであろうと、私は思うのです。

                                                 

                                                 

                                                〜関連記事〜

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                                                ”ちゃんとEUから離脱しろ!”との与党保守党の声とメイ首相の苦悩


                                                ノートルダム大聖堂火災について

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                                                  JUGEMテーマ:フランスに関するニュース

                                                   

                                                   今日は「ノートルダム大聖堂火災について」と題して論説したく、2つの新聞記事をご紹介します。

                                                   

                                                   まずは一つ目で朝日新聞の記事です。

                                                  『朝日新聞 2019/04/16 02:57 ノートルダム大聖堂で火災 96mの塔が焼け落ちる

                                                   フランスのパリ中心部にある世界的な観光名所、ノートルダム大聖堂で15日午後7時ごろ(現地時間)、火災が発生し、教会の尖塔(せんとう)などが燃え落ちるなどの甚大な被害が出た。仏メディアによると、当時は大規模な改修工事が行われており、その足場付近から出火した可能性があるという。

                                                   AFP通信によると、消防当局は火災は午後6時50分ごろに発生したと説明。現場では、大気汚染で汚れた聖堂をきれいにするための改修工事が数カ月前から行われており、屋根に取り付けられた足場部分から燃え広がった可能性があるという。火は屋根付近を中心に瞬く間に燃え広がり、大聖堂は炎と煙に包まれ、出火から1時間後には、高さ96メートルの尖塔も焼け落ちた。出火から4時間たった午後11時も燃え続けている。同日夜、現場で記者会見したローラン・ヌニェス内務副大臣は、「ノートルダムを救えるのか、現時点では見通しが立たない」と語った。消防士数人が負傷したという。

                                                   セーヌ川に挟まれたシテ島に立つノートルダム大聖堂は、12世紀に建造が始まり、改修や増築を繰り返した。1991年には周辺の歴史的建築物などとともにユネスコの世界文化遺産に登録された。年間1200万人が訪れるパリ屈指の観光名所として知られ、日本人観光客も多く訪れる。(パリ=疋田多揚)』

                                                   

                                                   

                                                   次に二つ目で東京新聞の記事です。

                                                  『東京新聞 2019/04/17 ノートルダム大聖堂 尖塔の風見鶏 奇跡の生還

                                                  【パリ=竹田佳彦】フランス・パリのノートルダム寺院(大聖堂)で十六日、大火災で焼け落ちた尖塔(せんとう)の先を飾る風見鶏が原形をとどめた状態で見つかった。内部にキリスト受難の聖遺物などを納めていた雄鶏(おんどり)で、関係者は「奇跡だ」と喜びを語った。 

                                                   風見鶏は青銅製で一九三五年、当時の大司教が信者を守る精神的な避雷針として設置。内部には磔刑(たっけい)にされたキリストの頭にかけられた「イバラの冠」のトゲ一本と、パリの守護聖人、聖ドニと聖ジュヌビエーブゆかりの品物が納められた。

                                                   高さ九十三メートルの尖塔は出火から約一時間後、激しい炎に包まれ崩落。その衝撃と高温で、風見鶏と聖遺物も破壊されたと思われていた。

                                                   風見鶏は仏建設連盟のチャヌ代表が大聖堂内で見つけた。チャヌ氏は十六日、ツイッターで「信じられない。火災の残骸の中で雄鶏を見つけた」と喜びをはじけさせた。

                                                   仏文化省関係者は仏紙パリジャンで「雄鶏は救われた。形はゆがんだが、恐らく修復可能だ」と発言。ただ「聖遺物の状態はまだ、はっきりとは言えない」と慎重な姿勢を示した。

                                                   大聖堂内に保存されていたイバラの冠は消防隊員が運び出して無事だった。』

                                                   

                                                   

                                                   上記2つの記事は、4/15(水)に発生したノートルダム大聖堂の火災事故についての記事です。この火災事故は、4/15(水)PM19:00頃に火災が発生し、みるみる火が広がって大聖堂の屋根を破壊しました。この建物の象徴の先の尖った風見鶏も破壊されたと思われたのですが、無事見つかったとのこと。そしてこの大火災の直後、フランスのマクロン大統領が国際的な募金キャンペーンを始めるということで、それが大変な話題になりました。

                                                   

                                                   その後、4/19(日)には日本経済新聞や毎日新聞など、日本のマスコミが、消防士の活躍について報じています。

                                                   

                                                   この火災は、大変な大規模の火災であって、発生した当初から教会関係者や専門家が、この火災によって全焼すると発表していたのですが、そうならなかったのです。なぜならば、パリ市の消防士の大活躍によって全焼を免れることができたからとのことです。

                                                   

                                                   確かに被害は甚大でノートルダム大聖堂の屋根の2/3ほどが破壊されました。

                                                   

                                                  <ノートルダム大寺院>

                                                  (出典:ロイター通信)

                                                   

                                                  <火災の被害にあったノートルダム大聖堂>

                                                  (出典:2019/05/01 杉っ子が撮影)

                                                   

                                                  <火災で崩壊したノートルダム大聖堂の屋根>

                                                  (出典:2019/05/01 杉っ子が撮影)

                                                   

                                                   

                                                   上記写真の通り、屋根の崩壊被害は、かなりひどい状況ですが、それでも全焼すると予想されていた建物は完全に残っています。

                                                   

                                                   実は、パリ市の消防士は限られた時間で大変な任務を背負わされていました。それはノートルダム大聖堂の建物を守るということと同時に、大聖堂の建物の中にある大変貴重な文化財を救出するということです。この2つの任務は、ほぼ不可能と思われていたとのことでした。

                                                   

                                                   当日、4/15(月)PM19:00少し前に火災が発生し、ものすごい速さで火が燃え広がりました。PM19:00前に発生した火が、PM19:40には尖塔に燃え移ってPM20:00には尖塔が崩壊し、その直後に天井が崩落しました。この時点で、ロイター通信などメディア各社は、天井がすべて破壊されたと報じ、その報道によってノートルダム寺院の広報担当者も、全て焼き尽くされて何も残らないだろうと発表したのです。

                                                   

                                                   このとき、大火災と戦っていた消防士らは、大変危険な作業を短い時間でやらなければならず、それでもパリの消防署はツイッターで、翌日4/16(火)AM03:30頃にはほぼ消し止めたと発表しています。つまり9時間以上の時間を経て、ほぼ消し止めたということになります。

                                                   

                                                   それだけではなく、マスコミが報じている通り、貴重な文化財が無事だったことも報じられています。例えば、有名な18世紀の巨大なオルガンや、イエス・キリストが被っていたとされる「いばらの冠」や、十字架、ピエタ像も奇跡的に残りました。

                                                   

                                                   このピエタ像というのは、イエス・キリストが十字架上で亡くなった後、聖母マリアがイエス・キリストの遺体を膝に受け、イエス・キリストの苦難を偲んでいるのを表した像で、まさにノートルダム大聖堂の象徴的な文化財なのですが、これも奇跡的に救出できました。

                                                   

                                                   火災発生後、パリ市民は讃美歌を謳っていたとも報じられていますが、まさにパリ市民にとってノートルダム大聖堂は象徴であって、その象徴が燃えているとき、パリ市民はただ見ているのではなく、賛美歌を歌っていました。

                                                   

                                                   私も大型連休の4/30にノートルダム大聖堂を訪れましたが、ノートルダム大聖堂は毎年1200万人という世界でも多くの人々が訪れ、人気がある教会です。

                                                   

                                                   そんなノートルダム大聖堂は古いという歴史だけでなく、美しい場所でもあって、そのような大聖堂が火災で燃えてしまうというのは、フランス人にとって国家的な悲劇だったといえるでしょう。

                                                   

                                                   それでも幸いに犠牲者は一人もいませんでした。とはいえ、全焼を免れたもののこれだけの被害を受けたというのは、フランス人にとっては大変な悲しみだと思います。日本でいえば、2016年4月に発生した熊本地震の時に、熊本城が崩壊してしまったのと同じなのでは?と思うからです。

                                                   

                                                   そして、多くのフランス人や世界中の多くのリーダーが口にしているのは「連帯」という言葉で、米国のトランプ大統領も、英国のメイ首相も「私たちは連帯している」という旨のメッセージを発しました。

                                                   

                                                   私はキリスト教信者ではないのですが、大学がキリスト教系の大学だったので、少しだけキリスト教について触れさせていただきますと、火災が発生した4/15はキリスト教の教会歴の中で、最も重要な四旬節の日とされています。

                                                   

                                                   クリスマスやハロウィンのイベントは日本でも有名ですが、4月はイースターというイベントがあることはあまり知られていません。イースターは、復活祭と呼ばれ、イエス・キリストの復活を祝うお祭りです。キリストが復活したのが日曜日ということで、イースターの日は春分の日以降の最初の日曜日と定められ、具体的な日は決まっていません。2019年は4/21がイースターの日で、2020年は4/12がイースターの日になります。

                                                   

                                                   今年でいえば2019/04/12のイースターの前の46日前にイエス・キリストが十字架上で亡くなり、その受難を聖母マリアが偲んで祈り、悔い改めて慈善活動を行うということで、キリストの暦の中では大変重要な時期だったのですが、その時期にこのような大規模な火災が発生してしまったということで、多くの人々が「連帯」を口にして祈っていたのです。

                                                   

                                                   

                                                   というわけで今日は「ノートルダム大聖堂火災について」について論説しました。

                                                   このノートルダム大聖堂が全焼せず奇跡的に残ったのは、言うまでもなくパリ市の消防士らの活躍です。とはいえ、それにプラスしてフランス市民のほか、トランプ大統領やメイ首相ら、世界の人々の祈りも、奇跡に通じたのではないか?と思うのです。

                                                   

                                                   


                                                  移民がどこの国に行くか?を決める要素は失業率である!

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                                                    JUGEMテーマ:英国に関するニュース

                                                    JUGEMテーマ:グローバル化

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                                                     今日もブレグジット問題を取り上げ、この4月から始まった日本での外国人労働者受入がヤバイ話で、将来世代にツケを残す話になる旨をお話ししたく、「移民がどこの国に行くか?を決める要素は失業率である!」と題して論説します。

                                                     

                                                     昨日はブレグジット問題で、英国がEUを離脱したとして、ホンダが出て行こうがトヨタが出て行こうが、マクロ経済政策を打てばいいだけの話であることを申し上げました。日本企業や米国企業が英国から離れて、GDPが全体的に縮小して経済がマイナス成長が見込まれるというならば、金融政策で自国通貨のポンド債を発行し、財政政策をやって失業対策をやればいいだけなので、長期的にみれば英国にとって国力増強につながるという意味で、何ら問題がなく、むしろ望ましい話であるともいえます。

                                                     

                                                     日本にとっては、どうなのか?ホンダやトヨタなどの特定企業の経営動向よりも、もっと深刻な問題があります。なぜならば、英国は完全雇用に近いため、厄介な問題が生じうるのです。下記は2018年度の失業率です。

                                                     

                                                    <主要国の2018年度失業率(単位:%)>

                                                    (出典:グローバルノート)

                                                     

                                                     上記グラフの通り、イギリスは相対的にEU主要国と比較して失業率は低く、完全雇用(失業率3.0%)に近い国です。そのため、厄介な問題があります。

                                                     

                                                     もし、ブレグジットとなれば、英国は間違いなく移民制限に入ることでしょう。EUとの合意があろうとなかろうと間違いなく移民受入を制限します。既に駆け込みで英国への移民流入が増加しているといわれています。

                                                     

                                                     なぜそのような事象が発生しているか?といえば、英国は完全雇用に近い一方、フランスは失業率が10%に近い状況です。そのため、フランスから英国に渡ろうと必死な人々が大勢いるのです。

                                                     

                                                     2016年にブレグジットを決めたため、英国の移民の流入数が減少して、日本が英国を抜くと思いきや、OECDの調査では直近の2016年の外国人移住者数(流入数)でみると下記のとおりです。

                                                     

                                                    英国:45万4000人(3位)

                                                    日本:42万7000人(4位)

                                                     

                                                     日本は受入拡大しても、まだ英国を抜いていません。というより、こんな競争で追い抜く必要は全くないのですが・・・。

                                                     

                                                     2017年も2018年もおそらく日本は4位のままだと予想しますが、2019年度以降は確実に日本は英国を追い抜き、3位に上昇することは確実ではないでしょうか?

                                                     

                                                     なぜならば英国はブレグジットで移民制限する一方で、日本は外国人労働者受入を拡大するとやっているからです。この話の何が重大なポイントか?といえば、移民がどこの国に行くか?は、失業率であるということです。

                                                     

                                                     英国もフランスも移民に対しては寛容的で、人権意識も社会環境も同じくらいなのですが、それでも移民がフランスから英国に渡ろうとしているのです。

                                                     

                                                     理由は簡単で、フランスには職がないが、英国には色があるからというただそれだけです。フランスの失業率9.11と、英国の失業率4.08というのは、そういう意味があるのです。

                                                     

                                                     日本はどうでしょうか?生産年齢人口比率の低下を受け、人手不足という素晴らしい環境のおかげで、完全雇用に近づいており、直近の失業率は上記グラフの通り2.4%です。こんな国は主要国で世界に存在しません。実は人手不足を嘆くというのは贅沢な悩みなのです。

                                                     

                                                     この状況で移民受入を推進したらどうなるでしょうか?最近は韓国で日本企業に就職しようというキャンペーンをやっています。

                                                     

                                                    少し古い記事ですが、下記は産経新聞の記事です。

                                                    『産経新聞 2018/09/07 07:00 韓国人の日本就職急増…2万人突破 雇用環境悪化で韓国政府も後押し、目標は「今後5年で1万人」

                                                     外交面では日韓関係の改善が進まないなか、日本企業への就職を目指す韓国の若者が急増している。母国の雇用環境の悪化を背景に、韓国人留学生らの日本での就職者数は昨年、初めて計2万人を突破。韓国政府も後押しし、日本での就職者数の目標を新たに「今後5年で1万人」に設定する支援策を打ち出している。(インターン記者 門間圭祐)

                                                     「韓国での就職活動は厳しい。(日本で就職をするために)日本語を学んでいる学生も多かった」。9月から早稲田大学で留学生活を始める娘(21)の渡航を控え、夫とともに同大を訪れていた李東教(イ・トンギョ)さん(55)は真剣な表情で語った。李さんは昨年まで韓国南部・全羅南道の国立大付近でカフェを営み、就職難について愚痴をこぼす学生らに接していた。

                                                     法務省の統計によると、2017年末時点で、大学での専攻などを生かして日本で業務にあたる「技術・人文知識・国際業務」ビザ(査証)を取得した“ホワイトカラー”の韓国人は2万1603人。前年末(1万8936人)比で約14%増加した。

                                                     日本留学を目指す若者も増えており、日本学生支援機構によると、外国人留学生が日本の大学受験の際に利用する「日本留学試験」(6月実施)で、韓国での受験者数は3669人に上った。過去5年間で3倍に増加し、国外受験者の約6割を占める。

                                                     日本への進学熱が高まっている背景には、日韓両国の対照的な雇用環境がある。

                                                     昨年の韓国教育省の発表によると、同国の大卒就職率は、67・7%にとどまった。一方、帝国データバンクの今年4月の調査によると、正社員が不足する日本企業は全体の49・2%(前年同期比5・5ポイント増)で、4月としては過去最高を記録。李さん夫婦は韓国人学生について「(これまでは)日韓の外交関係悪化で中国語を学習するのがブームとなっていたが、(今は)アベノミクスの影響で、再び日本語がブームになっている」と話す。

                                                     若者の雇用問題が内政面での最重要課題の一つとなっている韓国政府も、日本での就職を積極的に支援する。日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、韓国の雇用労働省と外務省は6月、今後5年間で韓国の若者1万人が新たに日本で就職することを目指す「韓日つなぎプロジェクト」を進めると発表。外国人留学生を採用していない日本企業が77・9%(就職情報会社マイナビの16年調査)に上るなか、韓国人留学生の能力をアピールし、求人先の発掘を本格化させる。

                                                     日韓社会保障制度や雇用政策に詳しいニッセイ基礎研究所の金明中(キム・ミョンジュン)准主任研究員は、両国の雇用環境の違いについて「少子高齢化で人手が不足する日本に比べ、韓国はいまだに人口が増加している」と強調。「大企業への就職を望む傾向が強いことも若者の韓国国内での就職を困難にしている」とし、韓国人学生にとって日本での就職が有力な選択肢になっているとみる。』

                                                     

                                                     

                                                     上記産経新聞の記事の通り、韓国政府が雇用悪化を放置し、日本企業への就業を後押しするという腹立たしいニュースです。仮にも韓国が経済発展しているというならば、雇用は自国で確保できるはずなのですが、韓国もグローバル企業が巣くうグローバル国家です。代表的な企業であるサムスン電子もヒュンダイ自動車もグローバル企業。ただ日本と違うのは組み立てだけであるため、消費財の生産をやっても、資本財(工業燃料やシリコンウエハーやセミコンダクターなど)は日本からの輸入に頼っています。

                                                     

                                                     それでも消費財の生産をやるために、組み立てる工場があるわけで、にもかかわらず韓国が日本で就職しようキャンペーンをやっているのは、日本が人手不足で職があり、失業率が2.44%と完全雇用(=失業率3%)を達成しているからです。

                                                     

                                                     徴用工問題や従軍慰安婦やら、ただでさえ挑発的な韓国から来る若者ですら、私たち日本は受け入れなければならないのでしょうか?

                                                     

                                                     本来韓国人を受け入れなければ、普通に技術開発投資の需要が増え、一人当たり生産性向上の投資によって、日本国民が豊かになるのに、今年の4月からは外国人労働者を大量に受け入れるとなれば、技術開発投資の需要は減少します。なぜならば、目先安い人件費で外国人労働者を雇用する方が、利益を出すのに手っ取り早いからです。

                                                     

                                                     英国がブレグジットで移民制限に動き、米国はメキシコに壁を作って移民制限に動く一方で、グローバリゼーションを推し進める国の経済成長率は低迷する。そして英国や米国が移民制限する中、日本は移民受け入れを拡大しますというわけですから、移民がどんどん日本に押し寄せることになるのは明らかです。

                                                     

                                                     結果、安い外国人労働者の賃金に引きずられて、日本国民の賃金も伸び悩むこととなるでしょう。受け入れた外国人労働者も高齢になったら、社会保険で面倒をみますが、それも私たち日本国民が納める税金で面倒を見ることになります。いったん移民受け入れを拡大してしまったら、日本列島にいる日本国民が少数民族になっていくことすらあり得ます。そうなれば後戻りすることも難しくなるでしょう。将来世代に大きなツケを残すことになるでしょう。だからこそ、安倍政権が推進する外国人労働者受入拡大は、全くの愚策であり、私は支持ができないのです。

                                                     

                                                     

                                                     というわけで今日は「移民がどこの国に行くか?を決める要素は失業率である!」と題して論説しました。 

                                                     

                                                     

                                                    〜関連記事〜

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                                                    将来ツケを残すであろう安倍政権が推進する外国人受入拡大問題

                                                    経済移民を受け入れてしまった欧米諸国の苦悩

                                                    外国人労働者受入拡大の発想は、今後自分たちは低所得で生きていくことを宣言しているのと同じです!

                                                    武力行使でなく民族洗浄による中国の日本に対する侵攻を助長する移民政策推進

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                                                    英国メイ政権が関税同盟維持をEUに提案

                                                    教科書で語られない16世紀の日本人奴隷(豊臣秀吉の「伴天連追放令」の理由)

                                                    イギリスとフランスの選挙を振り返る

                                                    フランス・韓国の大統領選挙結果と反グローバリズム

                                                    男の子の溺死写真がきっかけで、メルケル首相が難民受け入れを推進したことによるドイツ国民の不幸

                                                    英国がEU離脱で支払う金額7兆円!

                                                    イギリスのメイ首相のEU離脱宣言について!

                                                    フランスでも始まるか?日本で猛威を振るうデフレ長期化をもたらした緊縮財政!


                                                    ブレグジットでホンダが出て行くことは、ユーロに加盟していない英国には関係のない話です!

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                                                      JUGEMテーマ:英国に関するニュース

                                                      JUGEMテーマ:経営

                                                       

                                                       英国は、先週4/12を期限としたEU離脱問題について、期限を10月末まで再延期することになりました。今日もブレグジット問題を取り上げ、「ブレグジットでホンダが出て行くことは、ユーロに加盟していない英国には関係のない話です!」と題して論説します。

                                                       

                                                       下記はロイター通信の記事です。

                                                      『ロイター通信 2019/04/11 07:46 英離脱、10月31日まで延期 EU首脳会議     

                                                      【ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合(EU)はブリュッセルで開いた臨時首脳会議で11日未明(日本時間同日午前)、英国のEU離脱期限を10月31日まで再延期することで合意した。6月に英国の離脱に向けた進展状況を検証する。経済・社会に混乱をもたらす「合意なき離脱」をひとまず回避し、秩序ある合意に向けた時間を確保する。

                                                       これまでの期限は4月12日だったが、メイ英首相は首脳会議で離脱を6月30日まで延期するよう要請した。一方、トゥスクEU大統領は最大1年の長期延期案を提示、中間地点で落ち着いた。10月はユンケル欧州委員長ら欧州委執行部の任期期限で、それまでに英離脱問題にめどをつけたいとの思いがある。英議会が離脱協定案を承認すれば、10月を待たず速やかに離脱できる。

                                                       1年延長案には、英国がEUの将来の政策決定に関わり続けることに難色を示すフランスのマクロン大統領が異論を唱えた。こうした不満に答えるため、合意文には「英国が建設的で責任ある形で行動する」ことを盛り込んだ。「英国がEUの政策決定を阻止しないことを期待する」(ユンケル氏)狙いがある。

                                                       公表された合意文によると、焦点だった5月23〜26日に予定される欧州議会選の英国の参加について、その期間後もEUにとどまるならば英国は参加する。EU側が延期を認める最低条件として英側に迫り、メイ氏も受けいれた。離脱案を英議会で承認できないまま欧州議会選に参加しなければ、6月1日で「合意なき離脱」に陥るリスクは残る。

                                                       メイ氏は欧州議会選の参加に慎重で、閉幕後の記者会見でも「できるだけ早く英国を離脱せねばならない。5月の前半に離脱案を承認できれば、欧州議会選に参加する必要はない」と語った。

                                                       焦点は英議会が離脱協定案を承認できるかどうかに移る。先週から始めた最大野党・労働党との与野党協議は、双方の主張の溝が深い。首脳会議で「6月末までの延期」という英国の要望を通せず、メイ首相の求心力がいっそう低下するのは避けられない。

                                                       EUは6月20〜21日に首脳会議を開き、英国の離脱案の承認状況やEU加盟国としての行動を検証する。トゥスク氏は閉幕後の記者会見で「英国はこの時間を無駄にしないでほしい」と呼びかけ、英側の事態打開に期待を示した。』

                                                       

                                                       

                                                       上記の通り、EUは英国のEU離脱期限の再延期の是非を協議するため、特別首脳会議をベルギーのブリュッセルにて開催しました。記事の通り、再延期の期限を10月末までとすることで合意し、当面は合意無き離脱をEUも英国も回避した形となりました。

                                                       

                                                       とはいえ、英国国内ではハードブレグジットでもいいじゃないか!という声もあり、引き続き流動的であるといえます。何しろ、どのようなブレグジットなのか?どのようにEUから離脱するのか?というコンセンサスが十分でないのです。

                                                       

                                                       EUの始まりは、1991年11月のNATO首脳会談で採択された「平和と協力に関するローマ宣言(通称:ローマ宣言)」です。始まった当初は、西ドイツ、フランス、イタリアのほか、ベネルクス3国(オランダ、ルクセンブルク、ベルギー)を加えた6か国であり、英国は入っていませんでした。

                                                       

                                                       英国は大英帝国として一つの大きな存在だったのですが、植民地国が次々に独立していき、国力が弱くなったので欧州連合へ参加という話が出てきて、スムーズにいかなかったものの結果的にEUに加盟したという経緯があります。その際、EUには加盟してもユーロには参加せず、加盟しなかったのです。

                                                       

                                                       今となってはこの選択は大正解といえます。

                                                       

                                                       ユーロに加盟すると金融政策の自由が無くなります。具体的にどうなるか?といえば、中央銀行による国債買取ができなくなります。ユーロという通貨はどこかの国に属する通貨ではなく、ユーロ加盟国における共通通貨であり、通貨発行権は加盟国にはありません。ECB(欧州中央銀行)が通貨発行権を有します。したがって英国がユーロに加盟してしまうと、英国ポンドがユーロとなってしまうため、イングランド銀行はユーロ建て債務を買い取ることができず、英国はユーロから逃げられなかった可能性が極めて高かったといえるのです。

                                                       

                                                       また英国は国境でパスポートチェックをしないとするシェンゲン協定にも加盟していません。因みにアイルランドもシェンゲン協定に加盟しておりませんが、ユーロには加盟しています。

                                                       

                                                       こうした混乱を受けて、日本の自動車メーカーのホンダが英国工場を閉鎖するというニュースがありました。

                                                       

                                                       よくそういう話が出ますと、「それみたことか!EU離脱は間違っている!」という言説が飛び交います。そもそも英国経済は小さくありません。なんで特定企業の海外戦略の動向を、ブレグジットに絡めるのでしょうか?

                                                       

                                                       ホンダの連結営業利益は2018年3月期で、8,277億円なのですが、地域別にみますと下記のとおりです。

                                                       

                                                      <ホンダの2018年3月期の地域別売上高・営業利益とシェア>

                                                      (出典:本田技研工業のIR情報から引用)

                                                       

                                                       欧州地区は下記のとおりです。

                                                       

                                                       売上高:9,172億円

                                                       営業利益:158億円

                                                       ※参考までにトヨタ自動車の営業利益は2兆5000億円

                                                       

                                                       日本のGDPが530兆円前後で、英国のGDPは300兆円です。欧州のホンダの営業利益の中に、英国の分がどれだけ入っているかは開示されていませんが、仮に100%英国で稼いでいるというあり得ない想定で考えた場合でも158億円程度であり、英国のGDPが300兆円規模であることを考えると、売上高で3%、営業利益で0.5%程度です。日本の場合もGDP500兆円として、トヨタの営業利益2兆5000億円は0.5%ですから、トヨタ自動車一社の営業利益がなくなるインパクトがあるといわれれば、その通りです。

                                                       

                                                       しかしながら、韓国で考えればGDP200兆円レベルに対して、75%に相当する150兆円規模が10大財閥の売上高で占めるという状況を考えれば、ホンダが英国から離れたところで、騒ぐほどの話ではありません。本邦の特定企業の動向であるため、勝手にすればいいだけの話です。

                                                       

                                                       仮にブレグジットでホンダがEUから出たとして、それで英国経済がおかしくなるというならば、マクロ経済政策を打てばいい!その程度の話です。

                                                       

                                                       英国は決して小国ではありません。GDP300兆円レベルの大国であり、医薬品大手のグラクソ・スミスクラインや、石油大手のロイヤル・ダッチ・シェルやインフラを手掛けるナショナル・グリッドといった大企業がたくさんあります。GDPが全体に縮小してマイナス成長するならば、英国はユーロに加盟していないので金融政策の自主権はあるわけですから、国債を発行して需要拡大をやればいいですし、失業対策をやればいいだけのこと。

                                                       

                                                       ホンダが出て行こうが、トヨタが出て行こうが、マクロ経済対策で、「通貨発行」と「財政出動」を組み合わせ、失業対策をやればいい、その程度の話です。

                                                       

                                                       

                                                       というわけで今日は「ブレグジットでホンダが出て行くことは、ユーロに加盟していない英国には関係のない話です!」と題して論説しました。

                                                       

                                                       

                                                      〜関連記事〜

                                                      EU加盟後に国民の所得が激減したイギリス

                                                      地球上の世界は、英国が歴史を動かしてきたという史実

                                                      EU離脱案が2度も否決された理由の一つである北アイルランドとアイルランドの国境のバックストップ問題

                                                      EU加盟のデメリット(主権を失うこと)に気付いたイギリス人

                                                      メキシコの壁の建設により減少した不法入国者

                                                      否決されてしまった英国のEU離脱案

                                                      ”ちゃんとEUから離脱しろ!”との与党保守党の声とメイ首相の苦悩

                                                      将来ツケを残すであろう安倍政権が推進する外国人受入拡大問題

                                                      経済移民を受け入れてしまった欧米諸国の苦悩

                                                      外国人労働者受入拡大の発想は、今後自分たちは低所得で生きていくことを宣言しているのと同じです!

                                                      武力行使でなく民族洗浄による中国の日本に対する侵攻を助長する移民政策推進

                                                      入管難民法改正で、移民大国へ加速化する日本とその問題点

                                                      生徒の9割が中国人で占める日章学園九州国際高校(宮崎県えびの市)について

                                                      EUは、このままだと解体か?

                                                      ドイツ銀行の経営危機で、メルケル首相に強烈なブーメランが炸裂!

                                                      ドイツで起きている2つの問題

                                                      財政赤字を増やそうとしたイタリア政府

                                                      安倍政権の移民受入推進により、中国人らの食い物にされている国民健康保険について

                                                      外国人フリーライド(日本の社会保険制度のタダ乗り)問題

                                                      「規制は悪」で「自由が正しい」という人は、リビアに行きましょう!(ドイツとリビアのグローバリズム)

                                                      メルケル首相の移民無制限受入宣言から方針転換へ!

                                                      ドイツのメルケル首相の移民受入無制限宣言の結果、発生してしまったケルン事件

                                                      英国メイ政権が関税同盟維持をEUに提案

                                                      教科書で語られない16世紀の日本人奴隷(豊臣秀吉の「伴天連追放令」の理由)

                                                      イギリスとフランスの選挙を振り返る

                                                      フランス・韓国の大統領選挙結果と反グローバリズム

                                                      男の子の溺死写真がきっかけで、メルケル首相が難民受け入れを推進したことによるドイツ国民の不幸

                                                      英国がEU離脱で支払う金額7兆円!

                                                      イギリスのメイ首相のEU離脱宣言について!

                                                      フランスでも始まるか?日本で猛威を振るうデフレ長期化をもたらした緊縮財政!


                                                      EU加盟後に国民の所得が激減したイギリス

                                                      0

                                                         

                                                         今日は「EU加盟後に国民の所得が激減したイギリス」と題して論説します。

                                                         

                                                         2016年に英国でEUからの離脱を問う国民投票を行い、結果はEUからの離脱ということになりました。これをブレグジットと呼んでいます。ブレグジット問題については、本ブログでも何回もテーマとして取り上げておりますが、ブレグジットという事象が起きた背景について、下記の順で論じたいと思います。

                                                         

                                                        1.EU加盟国間の所得格差の問題

                                                        2.全く違う文化圏であるイスラム教徒・アフリカ人らの大量入国

                                                        3.変な法律を押し付けられるデメリットも・・・

                                                         

                                                         

                                                         

                                                        1.EU加盟国間の所得格差の問題

                                                         

                                                         EUの最大の問題点であり、かつ英国がEU加盟のデメリットとして気付いたこと、その中で一番大きいデメリットとして考えられるのが「人の移動の自由」です。「人の移動の自由」を妨げてはならないとするルールに加え、そもそもEU加盟国間の所得格差が大きいという状況も問題です。

                                                         

                                                         その問題となっているEU加盟国間の所得格差を知っていただきたく、下記の一人当たりGDPの表・グラフをご参照ください。

                                                         

                                                        <2007年と2017年の一人当たり名目GDP(単位:USAドル>

                                                        (出典:グローバルノート)

                                                         

                                                         上記はバルト三国(リトアニア、ラトビア、エストニア)などの東欧諸国が2004年〜2006年に順次EUに加盟し、東欧諸国のEU加盟が終了し終わった後の2007年のEU主要国の一人当たりGDPについて、10年後どうなったか?を示したグラフです。英国だけが一人当たりGDPが減少しています。

                                                         

                                                         2007年の数字で見ますと、英国は約50,000ドル、ブルガリアは約6,000ドル、ルーマニアは約8,000ドル、ポーランドは約11,000ドル、ハンガリーが約12,000ドルとなっておりまして、ポーランドと英国の一人当たりGDP(=国民の所得)の差は約5倍であり、ポーランドに至っては10倍近い差があります。

                                                         

                                                         この状況で英国に低賃金労働者が大量流入しないと思う方が間違っていると言えるのではないでしょうか?なぜならばEU加盟国間では国境の移動の自由があるからです。実際に2017年の数字で見ますと、英国以外の東欧諸国の一人当たりGDPが上昇する一方で、英国は激減しています。

                                                         

                                                         英国の場合はシェンゲン協定に加盟していないため、パスポートをチェックする国境審査はありますが、EU加盟国間の構成国の人々らは、ビザなしで入国し、そして働くことも可能です。そしてそれを妨げることができない(規制することができない)のがEUの移民の問題なのです。

                                                         

                                                         結果的に低賃金で働く労働者が大量流入した英国の実質賃金は抑制されます。そのことに対してイギリス国民が反発しても、どうしようもできません。なぜならば移民制限ができないからです。

                                                         

                                                         そして、このデメリットに気付いたということでブレグジット問題につながりました。

                                                         

                                                         皆さんは、「移民制限ができない」というデメリットがどれだけストレスがかかることか、想像できるでしょうか?

                                                         

                                                         例えば、日本の国民が従うべき法律が、東京の霞が関の国会議事堂ではなく、北京とかで決定されるというイメージです。実際にイギリス国民は、ブリュッセルの欧州議会で決定された法律に従い、それに合わせて自国の法律を変えるということをやっています。

                                                         

                                                         移民について様々な問題が発生したとしても止めることはできません。これがブレグジットの一番の問題なのです。

                                                         

                                                         メイ首相の前のキャメロン政権時代、欧州からのEU離脱の国民投票をやってもいいと言い放ち、ただ移民制限をするとも言っていたのですが、キャメロン政権は移民制限ができませんでした。というよりEUに加盟している以上、人の移動の自由を妨げてはならないため、移民制限をすることは不可能です。

                                                         

                                                         

                                                         

                                                        2.全く違う文化圏であるイスラム教徒・アフリカ人らの大量入国

                                                         

                                                         EUに加盟している限り移民制限は不可能であるという話に加えて、EUだけでなく欧州全域にイスラム教の移民大量に入国しているという問題があります。

                                                         

                                                         そもそもEU加盟国に移民が入ってくるルートとして主なものは、シリアからギリシャのルートで入国してくるアラブ人、リビアから地中海を渡ってイタリアに入国というルートで入ってくる北アフリカ人・サハラ以南のアフリカ人が多い状況です。

                                                         

                                                         本来ならばダブリン協定という国際協定があり、EU加盟国は、移民が入国した場合、最初に入国したそのダブリン協定国が面倒を見なければならないというルールがあります。

                                                         

                                                         ダブリン協定=EU加盟国で難民として庇護を求める者は、最初に到着したEU加盟国で申請を行い、審査が実施される

                                                         

                                                         地政学的に欧州の南に位置するイタリア、ギリシャらは、非常に不利です。というよりイタリアもギリシャもダブリン協定を守る気がなく、そのため次々にイスラム教徒やアフリカ人らが北上し、ドイツ、スウェーデン、英国に流れ込んでくるのです。

                                                         

                                                         言葉も文化も異なる国民が一緒に暮らすというのは、なかなかできないことであり、こうしたこともEUという制度の矛盾の一つといえます。

                                                         

                                                         

                                                         

                                                        3.変な法律を押し付けられるデメリットも・・・

                                                         

                                                         上述の2つに加え、3つ目として、変な法律をEUが押し付けるという問題です。

                                                         

                                                         例えば掃除機のワット数は何ワット以内にしなければならないとか、保険を販売する際に、男女の差をつけてはいけないなど・・・。保険の場合、本来は女性が長生きするということで、男女の保険は異なるはずです。例えば料率も異なるはずであり、リスクも変わるため、通常は保険料が異なります。

                                                         にもかかわらず、同じにしなければならないとする法律があり、その法律に従わなければなりません。

                                                         

                                                         仮にも、そのルールを自国で決めているというならともかく、日本でいえば、東アジア共同体とか中国韓国と国境を自由にヒト・モノ・カネの往来が自由にできるとして、北京で決まった法律を、日本でも守らなければならないという状況なのです。

                                                         

                                                         そのような状況では、共同体から逃げたくなるに決まっているでしょう。共同体に加盟するというのは、共同体を構成する国々と仲良くなるということではなく、主権を失うということであり、主権を失うということは、自国のことを自国で決めることができないということなのです。

                                                         

                                                         EUでいえば法律が押し付けられ、自国で独自の規制がかけられないということになるわけですが、統一通貨ユーロについても同じことがいえます。ユーロに加盟した場合、通貨発行権を失い、財政政策や金融政策が自国でできません。事実ユーロ加盟国はECB(欧州中央銀行)によって、金融政策が実行されます。財政政策についても、デフレで赤字を増やさなければならなかったとしても、EUに加盟している限り、マーストリヒト条約によって財政赤字対GDP比率は3%以下にしなければならないとされており、十分な財政出動ができません。結果、デフレから脱却できないということがあり得ます。さらに関税もかけることもできないのです。

                                                         

                                                         このように、EUやユーロというのは、戦争を起こさないようにする仲良しクラブのように、融和的で平和的なイメージがあるかもしれませんが、現実は自国で自国のことを決められず、法律による規制も自国でできなければ、金融政策も自国でできないというのが実態です。

                                                         

                                                         読者の皆さんは、それでもEUは素晴らしい制度だと思うでしょうか?私は全くそう思えません。矛盾が多い制度ですし、EUは数年後崩壊していくものと思っています。

                                                         

                                                         

                                                         というわけで今日は「EU加盟後に国民の所得が激減したイギリス」と題して論説しました。

                                                         EUに加盟している限り、イギリス国民の所得は減少し続けていくことになるでしょう。それは貧困化が進むということと同じです。イギリス国民の所得が減少すれば、内需が低迷し、景気も低迷するということになります。

                                                         英国がそうした状況から抜け出すためには、自国の法律で外国人の入国を規制することができるように、EUから抜け出すより方法がありません。EUとは、そうした矛盾の多い制度であるということを、私たち日本国民も認識し、日本国内で起きている人手不足の解消策として外国人労働者の受入れが本当に正しいことなのか?自国のこととしてブレグジット問題を考えるべきであると私は思います。

                                                         

                                                         

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                                                        フランスでも始まるか?日本で猛威を振るうデフレ長期化をもたらした緊縮財政!


                                                        地球上の世界は、英国が歴史を動かしてきたという史実

                                                        0

                                                          JUGEMテーマ:英国に関するニュース

                                                           

                                                           2016年に英国では、EUからの離脱の是非を問う国民投票が行われ、EUから離脱することになりました。主権を取り戻すためにグローバリズムに反旗を翻し、その後、米国もトランプ大統領やバーニーサンダースといった政治家が登場し、世界は反グローバリズムの方向に動こうとしてきています。

                                                           そこで今日は「地球上の世界は、英国が歴史を動かしてきたという史実」と題し、英国の歴史について取り上げたいと思います。

                                                           

                                                           まずは編年体で英国の主な歴史的史実を記載いたします。

                                                          <英国が主にかかわる歴史的史実>

                                                           

                                                          1377年 イギリスとフランスの間に100年戦争が始まる(第一次100年戦争)

                                                           

                                                          1568年 オランダが独立するための80年戦争が始まる

                                                           

                                                          1618年 ドイツで30年戦争が始まる

                                                           

                                                          1688年 イギリス名誉革命 

                                                          ※権利の章典が採用され「議会の同意を経ない法律の適用免除・執行停止の禁止」等が定められて議会制民主主義が始まる

                                                           

                                                          1689年 第二次100年戦争が始まる

                                                           

                                                          1695年 イングランド銀行が設立される

                                                           

                                                          1760年代 インド産キャラコに対抗するため、綿製品の生産性向上を目的とした産業革命がイギリスで始まる

                                                           

                                                          1816年 イギリスで貨幣法が成立する

                                                          ※1929年の世界大恐慌発生時まで金本位制が続く

                                                           

                                                          1931年 英マクドナルド内閣が、世界に先駆けて金本位制を停止

                                                           

                                                          1945年 イギリス労働党のアトリー政権が医療費無料化、雇用保険、救貧制度、公営住宅建設などの福祉国家化を開始する

                                                           

                                                          1979年 サッチャー政権が新自由主義的構造改革を開始し、福祉国家を破壊する

                                                           

                                                          2016年6月23日 EUからの離脱の是非を問う国民投票で、離脱派が勝利する

                                                           

                                                           

                                                           

                                                           まず1688年のイギリス名誉革命ですが、このときに権利の章典が採択され、議会の同意を経ない法律の適用免除・執行停止の禁止などが定められ、議会制民主主義が始まりました。具体的には国王の上位に議会が立つという考え方がこの時から始まり、国王の王政権を制限し、選ばれた議員らが主権を執行するようになったということです。

                                                           

                                                           1760年代、英国で決定的ともいえる経済的な動きが始まります。当時、英国国内の洋服市場は、インド産のキャラコ(綿製品)に席巻されていました。キャラコに席巻される前まで、羊から羊毛を取って羊毛製品を着ていたのですが、羊毛製品に比べてキャラコ製品は着心地がよく、インドから大量の綿製品が英国に輸入されることになったのです。その頃のインドは世界最大のキャラコ(以下「綿製品」)の製造大国であり、輸出大国でした。

                                                           

                                                           そこで英国は自国で綿製品を取り扱えるようにするための政策をやります。具体的にはインドに対して保護貿易を行い、最終的にはインド産の綿製品の輸入を禁止しました。

                                                           

                                                           英国以外に再輸出することは許されましたが、それ以外の目的で英国に輸入することは認めず、英国国内の市場にインド産綿製品を一切入れてはいけないとしたのです。

                                                           

                                                           とはいえ、英国には羊毛製品よりも着心地がよいというニーズがあって、英国国内に綿製品のマーケットは存在します。そのマーケットを英国の企業が獲得するため、様々な技術開発投資や設備投資が始まりました。これが産業革命です。

                                                           

                                                           産業革命というのは、英国の国内企業がインド産綿製品に対抗し、洋服の生産性を高めるために行われて始まったものなのです。

                                                           

                                                           その産業革命の技術開発の中から、汎用目的技術が生み出されます。汎用目的技術は英訳するとGPT(General Purpose Technology)といい、いろんな目的に使われる基幹技術のことをいいます。例えば蒸気機関なんかも、産業革命の技術開発から生み出された汎用目的技術です。

                                                           

                                                           最終的には英国は蒸気機関を使った綿製品をエドモンド・カートライト(1743〜1823)という発明家が、1787年に初めて蒸気機関を使った織機の製造に成功しました。

                                                           

                                                           蒸気機関の技術は、綿製品製造のための織機にとどまらず、蒸気機関車、蒸気船などの分野にも応用され、まさに世界が変わったのでした。

                                                           

                                                           この蒸気機関の技術は日本にも関わりがあります。江戸末期の1853年にペリーが黒船で来航します。黒船は全部で4隻あり、2隻は帆船で、残り2隻は蒸気船です。

                                                           

                                                           蒸気船がすごいのは帆船と異なり、風があろうとなかろうとガンガン進んでくるという点です。この鉄製の蒸気船の黒船によって、日本の歴史は大きく動くことになったのですが、この出来事も、元をたどれば英国の産業革命が発端であり、英国の綿製品の生産性向上の話から始まったものなのです。

                                                           

                                                           世界は意外と小さいことから動きます。英国国内での綿製品で儲けたいという欲望、インド市場を自分たちで席巻したいとする英国の資本家・起業家らによって生産性向上のための技術開発投資を行って綿製品製造の生産を高めていき、その過程で蒸気機関というものが生まれたのです。

                                                           

                                                           1816年に英国はすでに覇権国家でしたが、貨幣法という法律を成立させます。具体的には英国ポンドの発行に金を裏付けとするようにしました。これが世界で初めての金本位制の始まりなのですが、英国での1816年の貨幣法制定から始まったものです。

                                                           

                                                           当時の英国ポンドは現在の世界の基軸通貨の米ドルと同じ国際通貨でした。日本は日露戦争を戦うため、英国から「三笠(みかさ)」という軍艦を買い、良質な石炭も一緒に英国から買いました。軍艦「三笠」でいえば、英国の造船会社は、日本円を受け取ってはくれません。当時の日本の信用という問題もあったかもしれませんが、日本円は英国では使えないため、当時は国際通貨の英国ポンドで支払うしかありませんでした。

                                                           

                                                           日本が綿製品を製造して輸出して外貨である英国ポンドを稼ぐとか、英国に洋服を大量輸出して英国ポンドを受け取っていたとするならば、その英国ポンドで支払うことも可能だったのですが、当時の日本は貿易赤字国であったため、英国ポンドを持っていませんでした。

                                                           

                                                           そのため、英国ポンドの代わりに日本政府は金で支払ったのですが、そのあと金の流出ということが日本で問題になりました。

                                                           

                                                           1816年の英国における貨幣法により金本位制が始まり、これが世界で初めて始まった金本位制であると述べましたが、そのあとジョン・メイナード・ケインズが金本位制を批判します。理由は金を裏付けとしているため、非効率な制度だったのです。ただそれに基づいてグローバリズムが全世界を席巻しました。

                                                           

                                                           1914年に第一次世界大戦が発生して金本位制がいったん中断されるものの、その後、復活して1929年の世界大恐慌が発生するまで、金本位制に基づくグローバリズムが続きました。これを始めたのは1816年に貨幣法を定めた英国だったのです。

                                                           

                                                           ところが自ら始めた金本位制を真っ先に辞めたのは、なんと英国だったのです。自分で始めておきながら最初に辞めたのが英国なのです。理由はかつての製造大国から転落し、貿易赤字となって英国ポンドが流出したことが原因です。英国にとって英国ポンドの流出は、金本位制のもとでは金の流出と同じです。そのため、「ダメだ!こりゃ!」となって金本位制を抜けたのでした。

                                                           

                                                           

                                                           

                                                           というわけで今日は「地球上の世界は、英国が歴史を動かしてきたという史実」と題して論説しました。

                                                           産業革命は英国で発生し、世界を変えました。金本位制も英国が1816年貨幣法制定により始まり、金本位制そのものを辞めたは英国でした。

                                                           そして今回、主権を取り戻すことを目的に、グローバリズムに終止符を打とうとしているのが英国です。米国もまた英国に続いて、米国民ファーストと掲げるトランプ大統領がグローバリズムを見直そうとしています。

                                                           日本はどうでしょうか?この4月からは外国人労働者が大量に入ってきます。外国人労働者が入ってくれば、絶対に日本人の賃金は伸び悩むこととなり、貧困化が進みます。英国のブレグジットも、米国のトランプ大統領のメキシコの壁建設も、自国民ファーストで考えるからこうした政策に出るのですが、それは間違っているのでしょうか?

                                                           改めてグローバリズムという動きに対して、日本人も見直さなければならないのでは?と私は思うのです。

                                                           

                                                           

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                                                          ”英国のEU離脱は間違っている”という言説と”日本人が知らないEU離脱の真相”について

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                                                            JUGEMテーマ:グローバル化

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                                                             世界の経済圏を大きく欧州、アジア中国韓国、米国、ロシアの4つの経済圏とした場合、欧州経済は大激動しています。

                                                             そこで今日はブレグジットについて改めて取り上げたいと思いまして、「”英国のEU離脱は間違っている”という言説と”日本人が知らないEU離脱の真相”について」と題して論説します。

                                                             

                                                             

                                                             2016年に英国では、欧州連合から離脱の是非を問う国民投票で離脱派が勝ち、今年に入ってメイ首相がEU離脱案を採決しようとしたものの、否決されてEU離脱がスムーズにできておりません。以前にもブレグジット問題について論説した際、この問題が英国の主権の問題に起因することを解説いたしました。英国は要するに、英国の主権を取り戻したいと思っているわけで、それがブレグジットの背景の本質です。

                                                             

                                                             では「英国国民には主権がないのか?」といわれれば、答えは「ない!」ということになります。

                                                             

                                                             にもかかわらず日本のマスコミに限らず、世界のマスコミが「英国のEU離脱が間違っている」と報じています。これはEUという組織が国際組織であり、英国という国家のみならず、フランスやドイツなどの国家の上に立つという国際法に縛られるということを理解していないマスコミ人が多いことに起因するものと思われます。またマスコミに従事する者自体がグローバリズム礼賛者であるため、その国の憲法よりも上に国際法が来るということで主権を失うということに気付きにくいのでは?とも考えられます。

                                                             

                                                             EUに加盟していると主権を失うというのはどういうことなのか?改めて申し上げれば、代表的な例とすれば、変な法律を押し付けられることがあげられます。

                                                             

                                                             例えば保険について、健康保険や生命保険や損害保険など、EUでは男女の差を設けてはいけないというルールがあります。自動車保険で考えれば、男性よりも女性の方が安全運転をします。当然、保険会社サイドとすれば、男性の方の保険料を高くし、女性の方の保険料を安くしたくなるはずですが、EUではそれができません。

                                                             

                                                             年金保険でいえば、平均寿命は女性の方が男性よりも高いにもかかわらず、男女の区別を設けてはいけないとなっています。そのため本来ならば男性の年金保険料を引き下げたいところだが、EUではそれは認められないのです。

                                                             

                                                             EUの官僚らは、EUで決めたことについて、EU加盟国に対して強圧的に従わせようとします。その上、超国家組織の欧州議会というのがありますが、言語がバラバラです。英国やドイツなどのEU加盟国各国から議員が欧州議会に来たとしても、言語がバラバラであるために意思統一ができておらず、コントロールが効きません。

                                                             

                                                             特に問題になっているのは移民の問題です。

                                                             

                                                             英国は移民を排除しろと主張しているわけではないのですが、制限したいと思っており、ビザ(査証)を制度化して移民を制限したいという意向があるのです。これはシリア難民ではありません。EU加盟国間内の移民について制限したいと思っているのです。

                                                             

                                                             なぜならば英国に大量の移民が入国してくる一方、制限したくてもEUに加盟している限り、人の移動の自由を制限してはいけないため、制限ができません。ローマ条約(1957年)で欧州連合内の加盟国は、「労働者の移動の自由を妨げてはならない」と書かれているのです。ローマ条約で謳っている人の移動の自由は、マーストリヒト条約、アムステルダム条約へと引き継がれており、英国は移民を制限したくてもできないのです。

                                                             

                                                             そのため国家主権を取り戻したいという理由で、英国国民の多くがEU離脱に投票したわけですが、これは間違っているのでしょうか?

                                                             

                                                             日本人は日本国民として日本の主権を持ちます。そのため、日本の制度・法律は、基本的には日本人が投票した国家議員が決めている一方で、英国には主権がありません。これは英国に限らず、フランス国民もドイツ国民も同様です。というよりも国家として自国の主権を放棄するがEUに加盟することに他なりません。

                                                             

                                                             英国が主権を取り戻したいということでEUから離脱するという話について、一方的に「EU離脱派はバカで短気で労働者階級の中でも低所得者層で・・・」とレッテルを貼って否定します。とはいえ、英国国民が何に対して反発をしているか?といえば、グローバリズムに反対したということです。なぜならばEUは国際協定によるグローバリズムの制度化ともいえるのです。

                                                             

                                                             グローバリズムの制度化によって、何が困っているか?というと、英国の法律の上にEUがあるため、変な法律を押し付けられても文句は言えず、逆に自国で規制を強化したくても、主権がないので英国が独自で規制強化の法律を作ることができないのです。

                                                             

                                                             大量の移民が流れ込んでくる状況で英国国民の賃金が下がり、英国国民の不満が溜まっていたわけですが、それを解決すべく、規制を強化したくても、EUに加盟しているために大量移民の流れ込みを防ぐ規制強化ができません。

                                                             

                                                             だからこそEU離脱(=ブレグジット)なのです。

                                                             

                                                             

                                                             というわけで今日は「”英国のEU離脱は間違っている”という言説と”日本人が知らないEU離脱の真相”について」と題して論説しました。

                                                             

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                                                            武力行使でなく民族洗浄による中国の日本に対する侵攻を助長する移民政策推進

                                                            入管難民法改正で、移民大国へ加速化する日本とその問題点

                                                            生徒の9割が中国人で占める日章学園九州国際高校(宮崎県えびの市)について

                                                            EUは、このままだと解体か?

                                                            ドイツ銀行の経営危機で、メルケル首相に強烈なブーメランが炸裂!

                                                            ドイツで起きている2つの問題

                                                            安倍政権の移民受入推進により、中国人らの食い物にされている国民健康保険について

                                                            外国人フリーライド(日本の社会保険制度のタダ乗り)問題

                                                            「規制は悪」で「自由が正しい」という人は、リビアに行きましょう!(ドイツとリビアのグローバリズム)

                                                            メルケル首相の移民無制限受入宣言から方針転換へ!

                                                            ドイツのメルケル首相の移民受入無制限宣言の結果、発生してしまったケルン事件

                                                            英国メイ政権が関税同盟維持をEUに提案

                                                            教科書で語られない16世紀の日本人奴隷(豊臣秀吉の「伴天連追放令」の理由)

                                                            イギリスとフランスの選挙を振り返る

                                                            フランス・韓国の大統領選挙結果と反グローバリズム

                                                            男の子の溺死写真がきっかけで、メルケル首相が難民受け入れを推進したことによるドイツ国民の不幸

                                                            英国がEU離脱で支払う金額7兆円!

                                                            イギリスのメイ首相のEU離脱宣言について!


                                                            EU離脱案が2度も否決された理由の一つである北アイルランドとアイルランドの国境のバックストップ問題

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                                                              JUGEMテーマ:グローバル化

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                                                               今日は「EU離脱案が2度も否決された理由の一つである北アイルランドとアイルランドの国境のバックストップ問題」と題して論説します。

                                                               

                                                              1.北アイルランドとアイルランドの国境問題

                                                              2.「バックストップ」について

                                                              3.ブレグジット問題=国家主権を取り戻す問題

                                                               

                                                               上記の順に論説し、私たち日本人は、このニュースをどうとらえるべきか?論説いたします。

                                                               

                                                               

                                                               

                                                              1.北アイルランドとアイルランドの国境問題

                                                               

                                                               昨日もEU離脱問題について取り上げましたが、英国が主権を回復することを意味するということをお伝えしました。

                                                               

                                                               そのEU離脱案について、2019/01/15に下院議会で歴史的大差で否決されたメイ首相が取りまとめた離脱案を、メイ首相が修正したにもかかわらず、2019/03/12に再び下院議会で否決されてしまったのです。

                                                               

                                                               なぜ2度も否決されるのでしょうか?

                                                               

                                                               その象徴的といえるのが北アイルランド問題です。

                                                               

                                                              <アイルランドとイギリスの北アイルランドの位置>

                                                              (出典:ヤフーの地図から)

                                                               

                                                               

                                                               上記の地図をご覧いただきたいのですが、北アイルランドとアイルランドは国境線を挟んで同じ島になっています。北アイルランドは英国の領土ですが、もともと英国に所属すべきか?アイルランドに所属すべきか?武力で争ってきました。

                                                               

                                                               1960年代〜1990年代まで争われ、1998年にベルファストという和平合意が英国とアイルランドの間で締結されるまで争いは続きました。

                                                               

                                                               北アイルランド問題では、武装組織がロンドンでテロをやっていたのですが、そのテロによって、命を落としたり、手足を失った人も大勢いたのです。

                                                               

                                                               ベルファスト合意締結以降は、大きなテロというのはほとんどないようなのですが、現在、英国もアイルランドもEUに所属しているため、地図上では北アイルランドとアイルランドで国境線がありますが、実際には国境がありません。

                                                               

                                                               この地域の人々は国境がなく自由に往来できるのです。川などで隔てられているわけでもないため、日本でいえば、大阪府と京都府、東京都と山梨県のように自由に往来ができます。EUが「人の移動の自由」を謳っているうえに、国境審査をする施設がないので、当然そうなります。

                                                               

                                                               しかしながら2017年1月17日にメイ首相がEU離脱を表明し、英国はEUから離脱するという道を選ぶことを宣言しました。

                                                               

                                                               そうなると英国とアイルランドの間の上記の地図上の国境線で国境ができ、関税がかけられることになります。関税をかけるためには関税検閲所を作らなければならなくなります。

                                                               

                                                               とはいえ、英国もアイルランドも再びテロ多発を誘発するような国境線を引くことは本意ではありません。そのため、英国はアイルランドとの間で、目に見える国境は作らないようにしようとしているのです。

                                                               

                                                               実際に英国がEUから離脱した後、英国とEUがどのような関係になるのか?は、新たな協定を作る必要があるのですが、当然この協定を作るには大変な時間がかかります。そのため、英国とEUとの間で離脱移行期間が設けられました。

                                                               

                                                               2019/03/29がブレグジットの日ですが、3/29以降2020年末までの21か月間を離脱移行期間といい、この移行期間の間に、英国はEUとの間で新たな協定を作るということが決まっています。

                                                               

                                                               この新たな協定を作るということについて、現実的な見通しをいえば、2年弱で具体的な協定を策定することは困難でしょう。

                                                               

                                                               となれば離脱移行期間中に新たな協定が策定されずに離脱移行期間は終了することになります。

                                                               

                                                               「じゃぁ!やっぱり北アイルランドとアイルランドで国境を作るしかないのでは・・・?」となればテロ発生が懸念されるため、一時的な解決策として出てきたのが、この「バックストップ」と呼ばれるもので、北アイルランドとアイルランドの国境は自由に往来できるようにするという緊急一時避難策です。

                                                               

                                                               

                                                               

                                                              2.「バックストップ」について

                                                               

                                                               「バックストップ」とは、離脱移行期間の間に、英国がEUと新たな協定を結ぶまでの間、暫定的にアイルランドと北アイルランドの間に国境を設けず、国境の往来を自由にできるようにしておく緊急一時避難策であると申し上げました。

                                                               

                                                               私見をいえば「バックストップ」は、ないよりあった方がいいと思う一方、バックストップの問題点として、バックストップが継続する間、英国はEUにそのまま残留するということで、事実上EUに残る点が大問題です。

                                                               

                                                               このバックストップが継続する間、EUに残ってEUのルールに従うというのが、メイ首相とEUとの間で取り決めた離脱案であったため、英国の下院議員の多くが反対したというのが、2回否決された理由であるといえるでしょう。

                                                               

                                                               英国の下院議員が反対した理由として、「ちゃんとEUから離脱しろ!メイ首相の法案ではEUから離脱していないのと同じだ!」と主張していることについて、マスメディアが真実を正しく報じないため、多くの日本人は知らないと思われます。特にEU離脱派の保守党の議員が反対しているのです。

                                                               

                                                               バックストップは、英国がEUとの間で具体的な協定が締結されるまでは良いと思いますが、EUはそもそも本当に英国とそのような協定を結ぶ気があるでしょうか?

                                                               

                                                               EUからすれば英国の離脱を認めた場合、「こんな風に離脱ができるんだ!」となってEUに加盟する他国においても、主権を取り戻すべく、離脱のドミノ倒しになる可能性は十分にあるため、離脱を認めたくはありません。そのためEUとしては英国からの提案に物言いをつけ、具体的な合意をせずに、ズルズルと何年も続けていくことになるでしょう。

                                                               

                                                               となればバックスストップは継続し、英国は永遠にEUに留まり続けることになります。つまりブレグジットといっても、メイ首相の修正案では実質的にブレグジットは実現しないのです。そうした懸念がメイ首相のEUとの合意案には含まれているため、英国下院議会は2回も否決したのです。

                                                               

                                                               

                                                               

                                                              3.ブレグジット問題=国家主権を取り戻す問題

                                                               

                                                               ここで大きな問題として皆様にお考えいただきたいのですが、ブレグジット問題は国家主権を取り戻すという問題です。

                                                               

                                                               そして一度失った国家主権をEUから取り戻すことが、いかに大変なことか?ということ。国家主権がいかに大切か?という教訓をブレグジット問題が国際社会に教えているといえます。

                                                               

                                                               実は英国以外でEUに所属する国の中にも、国家主権を取り戻したいという国・政党はたくさんあります。もしブレグジットが成就した場合、多くの国がEUを離脱し、最終的にEUは解体されることになるでしょう。

                                                               

                                                               国家主権の大切さを、日本も英国から学ぶべきです。

                                                               

                                                               ところが日本は周回遅れでグローバリズム礼賛し、推進しています。今年4月からは外国人労働者が何十万人も入ってきます。

                                                               

                                                               確実にいえることは、日本人の賃金が下がるということ。自国民の賃金が下がるという問題こそ、グローバリズムの大きな弊害の一つといえるでしょう。

                                                               

                                                               逆に外国から入ってくる労働者を制限することによって米国人の賃金を引き上げることに成功したのは、トランプ大統領です。そして英国の下院議員らは、米国のトランプ大統領と同じことをやろうとしているともいえるのです。

                                                               

                                                               ところが日本は、といようり安倍政権でいえば、種子法廃止、水道法改正、電力自由化などなど、グローバリズム礼賛の政策しかやっていません。これでは日本は主権を失い、中国の属国になることですら普通にあり得ます。

                                                               

                                                               

                                                               というわけで今日は「EU離脱案が2度も否決された理由の一つである北アイルランドとアイルランドの国境のバックストップ問題」と題して論説しました。

                                                               

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