移民がどこの国に行くか?を決める要素は失業率である!

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     今日もブレグジット問題を取り上げ、この4月から始まった日本での外国人労働者受入がヤバイ話で、将来世代にツケを残す話になる旨をお話ししたく、「移民がどこの国に行くか?を決める要素は失業率である!」と題して論説します。

     

     昨日はブレグジット問題で、英国がEUを離脱したとして、ホンダが出て行こうがトヨタが出て行こうが、マクロ経済政策を打てばいいだけの話であることを申し上げました。日本企業や米国企業が英国から離れて、GDPが全体的に縮小して経済がマイナス成長が見込まれるというならば、金融政策で自国通貨のポンド債を発行し、財政政策をやって失業対策をやればいいだけなので、長期的にみれば英国にとって国力増強につながるという意味で、何ら問題がなく、むしろ望ましい話であるともいえます。

     

     日本にとっては、どうなのか?ホンダやトヨタなどの特定企業の経営動向よりも、もっと深刻な問題があります。なぜならば、英国は完全雇用に近いため、厄介な問題が生じうるのです。下記は2018年度の失業率です。

     

    <主要国の2018年度失業率(単位:%)>

    (出典:グローバルノート)

     

     上記グラフの通り、イギリスは相対的にEU主要国と比較して失業率は低く、完全雇用(失業率3.0%)に近い国です。そのため、厄介な問題があります。

     

     もし、ブレグジットとなれば、英国は間違いなく移民制限に入ることでしょう。EUとの合意があろうとなかろうと間違いなく移民受入を制限します。既に駆け込みで英国への移民流入が増加しているといわれています。

     

     なぜそのような事象が発生しているか?といえば、英国は完全雇用に近い一方、フランスは失業率が10%に近い状況です。そのため、フランスから英国に渡ろうと必死な人々が大勢いるのです。

     

     2016年にブレグジットを決めたため、英国の移民の流入数が減少して、日本が英国を抜くと思いきや、OECDの調査では直近の2016年の外国人移住者数(流入数)でみると下記のとおりです。

     

    英国:45万4000人(3位)

    日本:42万7000人(4位)

     

     日本は受入拡大しても、まだ英国を抜いていません。というより、こんな競争で追い抜く必要は全くないのですが・・・。

     

     2017年も2018年もおそらく日本は4位のままだと予想しますが、2019年度以降は確実に日本は英国を追い抜き、3位に上昇することは確実ではないでしょうか?

     

     なぜならば英国はブレグジットで移民制限する一方で、日本は外国人労働者受入を拡大するとやっているからです。この話の何が重大なポイントか?といえば、移民がどこの国に行くか?は、失業率であるということです。

     

     英国もフランスも移民に対しては寛容的で、人権意識も社会環境も同じくらいなのですが、それでも移民がフランスから英国に渡ろうとしているのです。

     

     理由は簡単で、フランスには職がないが、英国には色があるからというただそれだけです。フランスの失業率9.11と、英国の失業率4.08というのは、そういう意味があるのです。

     

     日本はどうでしょうか?生産年齢人口比率の低下を受け、人手不足という素晴らしい環境のおかげで、完全雇用に近づいており、直近の失業率は上記グラフの通り2.4%です。こんな国は主要国で世界に存在しません。実は人手不足を嘆くというのは贅沢な悩みなのです。

     

     この状況で移民受入を推進したらどうなるでしょうか?最近は韓国で日本企業に就職しようというキャンペーンをやっています。

     

    少し古い記事ですが、下記は産経新聞の記事です。

    『産経新聞 2018/09/07 07:00 韓国人の日本就職急増…2万人突破 雇用環境悪化で韓国政府も後押し、目標は「今後5年で1万人」

     外交面では日韓関係の改善が進まないなか、日本企業への就職を目指す韓国の若者が急増している。母国の雇用環境の悪化を背景に、韓国人留学生らの日本での就職者数は昨年、初めて計2万人を突破。韓国政府も後押しし、日本での就職者数の目標を新たに「今後5年で1万人」に設定する支援策を打ち出している。(インターン記者 門間圭祐)

     「韓国での就職活動は厳しい。(日本で就職をするために)日本語を学んでいる学生も多かった」。9月から早稲田大学で留学生活を始める娘(21)の渡航を控え、夫とともに同大を訪れていた李東教(イ・トンギョ)さん(55)は真剣な表情で語った。李さんは昨年まで韓国南部・全羅南道の国立大付近でカフェを営み、就職難について愚痴をこぼす学生らに接していた。

     法務省の統計によると、2017年末時点で、大学での専攻などを生かして日本で業務にあたる「技術・人文知識・国際業務」ビザ(査証)を取得した“ホワイトカラー”の韓国人は2万1603人。前年末(1万8936人)比で約14%増加した。

     日本留学を目指す若者も増えており、日本学生支援機構によると、外国人留学生が日本の大学受験の際に利用する「日本留学試験」(6月実施)で、韓国での受験者数は3669人に上った。過去5年間で3倍に増加し、国外受験者の約6割を占める。

     日本への進学熱が高まっている背景には、日韓両国の対照的な雇用環境がある。

     昨年の韓国教育省の発表によると、同国の大卒就職率は、67・7%にとどまった。一方、帝国データバンクの今年4月の調査によると、正社員が不足する日本企業は全体の49・2%(前年同期比5・5ポイント増)で、4月としては過去最高を記録。李さん夫婦は韓国人学生について「(これまでは)日韓の外交関係悪化で中国語を学習するのがブームとなっていたが、(今は)アベノミクスの影響で、再び日本語がブームになっている」と話す。

     若者の雇用問題が内政面での最重要課題の一つとなっている韓国政府も、日本での就職を積極的に支援する。日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、韓国の雇用労働省と外務省は6月、今後5年間で韓国の若者1万人が新たに日本で就職することを目指す「韓日つなぎプロジェクト」を進めると発表。外国人留学生を採用していない日本企業が77・9%(就職情報会社マイナビの16年調査)に上るなか、韓国人留学生の能力をアピールし、求人先の発掘を本格化させる。

     日韓社会保障制度や雇用政策に詳しいニッセイ基礎研究所の金明中(キム・ミョンジュン)准主任研究員は、両国の雇用環境の違いについて「少子高齢化で人手が不足する日本に比べ、韓国はいまだに人口が増加している」と強調。「大企業への就職を望む傾向が強いことも若者の韓国国内での就職を困難にしている」とし、韓国人学生にとって日本での就職が有力な選択肢になっているとみる。』

     

     

     上記産経新聞の記事の通り、韓国政府が雇用悪化を放置し、日本企業への就業を後押しするという腹立たしいニュースです。仮にも韓国が経済発展しているというならば、雇用は自国で確保できるはずなのですが、韓国もグローバル企業が巣くうグローバル国家です。代表的な企業であるサムスン電子もヒュンダイ自動車もグローバル企業。ただ日本と違うのは組み立てだけであるため、消費財の生産をやっても、資本財(工業燃料やシリコンウエハーやセミコンダクターなど)は日本からの輸入に頼っています。

     

     それでも消費財の生産をやるために、組み立てる工場があるわけで、にもかかわらず韓国が日本で就職しようキャンペーンをやっているのは、日本が人手不足で職があり、失業率が2.44%と完全雇用(=失業率3%)を達成しているからです。

     

     徴用工問題や従軍慰安婦やら、ただでさえ挑発的な韓国から来る若者ですら、私たち日本は受け入れなければならないのでしょうか?

     

     本来韓国人を受け入れなければ、普通に技術開発投資の需要が増え、一人当たり生産性向上の投資によって、日本国民が豊かになるのに、今年の4月からは外国人労働者を大量に受け入れるとなれば、技術開発投資の需要は減少します。なぜならば、目先安い人件費で外国人労働者を雇用する方が、利益を出すのに手っ取り早いからです。

     

     英国がブレグジットで移民制限に動き、米国はメキシコに壁を作って移民制限に動く一方で、グローバリゼーションを推し進める国の経済成長率は低迷する。そして英国や米国が移民制限する中、日本は移民受け入れを拡大しますというわけですから、移民がどんどん日本に押し寄せることになるのは明らかです。

     

     結果、安い外国人労働者の賃金に引きずられて、日本国民の賃金も伸び悩むこととなるでしょう。受け入れた外国人労働者も高齢になったら、社会保険で面倒をみますが、それも私たち日本国民が納める税金で面倒を見ることになります。いったん移民受け入れを拡大してしまったら、日本列島にいる日本国民が少数民族になっていくことすらあり得ます。そうなれば後戻りすることも難しくなるでしょう。将来世代に大きなツケを残すことになるでしょう。だからこそ、安倍政権が推進する外国人労働者受入拡大は、全くの愚策であり、私は支持ができないのです。

     

     

     というわけで今日は「移民がどこの国に行くか?を決める要素は失業率である!」と題して論説しました。 

     

     

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       英国は、先週4/12を期限としたEU離脱問題について、期限を10月末まで再延期することになりました。今日もブレグジット問題を取り上げ、「ブレグジットでホンダが出て行くことは、ユーロに加盟していない英国には関係のない話です!」と題して論説します。

       

       下記はロイター通信の記事です。

      『ロイター通信 2019/04/11 07:46 英離脱、10月31日まで延期 EU首脳会議     

      【ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合(EU)はブリュッセルで開いた臨時首脳会議で11日未明(日本時間同日午前)、英国のEU離脱期限を10月31日まで再延期することで合意した。6月に英国の離脱に向けた進展状況を検証する。経済・社会に混乱をもたらす「合意なき離脱」をひとまず回避し、秩序ある合意に向けた時間を確保する。

       これまでの期限は4月12日だったが、メイ英首相は首脳会議で離脱を6月30日まで延期するよう要請した。一方、トゥスクEU大統領は最大1年の長期延期案を提示、中間地点で落ち着いた。10月はユンケル欧州委員長ら欧州委執行部の任期期限で、それまでに英離脱問題にめどをつけたいとの思いがある。英議会が離脱協定案を承認すれば、10月を待たず速やかに離脱できる。

       1年延長案には、英国がEUの将来の政策決定に関わり続けることに難色を示すフランスのマクロン大統領が異論を唱えた。こうした不満に答えるため、合意文には「英国が建設的で責任ある形で行動する」ことを盛り込んだ。「英国がEUの政策決定を阻止しないことを期待する」(ユンケル氏)狙いがある。

       公表された合意文によると、焦点だった5月23〜26日に予定される欧州議会選の英国の参加について、その期間後もEUにとどまるならば英国は参加する。EU側が延期を認める最低条件として英側に迫り、メイ氏も受けいれた。離脱案を英議会で承認できないまま欧州議会選に参加しなければ、6月1日で「合意なき離脱」に陥るリスクは残る。

       メイ氏は欧州議会選の参加に慎重で、閉幕後の記者会見でも「できるだけ早く英国を離脱せねばならない。5月の前半に離脱案を承認できれば、欧州議会選に参加する必要はない」と語った。

       焦点は英議会が離脱協定案を承認できるかどうかに移る。先週から始めた最大野党・労働党との与野党協議は、双方の主張の溝が深い。首脳会議で「6月末までの延期」という英国の要望を通せず、メイ首相の求心力がいっそう低下するのは避けられない。

       EUは6月20〜21日に首脳会議を開き、英国の離脱案の承認状況やEU加盟国としての行動を検証する。トゥスク氏は閉幕後の記者会見で「英国はこの時間を無駄にしないでほしい」と呼びかけ、英側の事態打開に期待を示した。』

       

       

       上記の通り、EUは英国のEU離脱期限の再延期の是非を協議するため、特別首脳会議をベルギーのブリュッセルにて開催しました。記事の通り、再延期の期限を10月末までとすることで合意し、当面は合意無き離脱をEUも英国も回避した形となりました。

       

       とはいえ、英国国内ではハードブレグジットでもいいじゃないか!という声もあり、引き続き流動的であるといえます。何しろ、どのようなブレグジットなのか?どのようにEUから離脱するのか?というコンセンサスが十分でないのです。

       

       EUの始まりは、1991年11月のNATO首脳会談で採択された「平和と協力に関するローマ宣言(通称:ローマ宣言)」です。始まった当初は、西ドイツ、フランス、イタリアのほか、ベネルクス3国(オランダ、ルクセンブルク、ベルギー)を加えた6か国であり、英国は入っていませんでした。

       

       英国は大英帝国として一つの大きな存在だったのですが、植民地国が次々に独立していき、国力が弱くなったので欧州連合へ参加という話が出てきて、スムーズにいかなかったものの結果的にEUに加盟したという経緯があります。その際、EUには加盟してもユーロには参加せず、加盟しなかったのです。

       

       今となってはこの選択は大正解といえます。

       

       ユーロに加盟すると金融政策の自由が無くなります。具体的にどうなるか?といえば、中央銀行による国債買取ができなくなります。ユーロという通貨はどこかの国に属する通貨ではなく、ユーロ加盟国における共通通貨であり、通貨発行権は加盟国にはありません。ECB(欧州中央銀行)が通貨発行権を有します。したがって英国がユーロに加盟してしまうと、英国ポンドがユーロとなってしまうため、イングランド銀行はユーロ建て債務を買い取ることができず、英国はユーロから逃げられなかった可能性が極めて高かったといえるのです。

       

       また英国は国境でパスポートチェックをしないとするシェンゲン協定にも加盟していません。因みにアイルランドもシェンゲン協定に加盟しておりませんが、ユーロには加盟しています。

       

       こうした混乱を受けて、日本の自動車メーカーのホンダが英国工場を閉鎖するというニュースがありました。

       

       よくそういう話が出ますと、「それみたことか!EU離脱は間違っている!」という言説が飛び交います。そもそも英国経済は小さくありません。なんで特定企業の海外戦略の動向を、ブレグジットに絡めるのでしょうか?

       

       ホンダの連結営業利益は2018年3月期で、8,277億円なのですが、地域別にみますと下記のとおりです。

       

      <ホンダの2018年3月期の地域別売上高・営業利益とシェア>

      (出典:本田技研工業のIR情報から引用)

       

       欧州地区は下記のとおりです。

       

       売上高:9,172億円

       営業利益:158億円

       ※参考までにトヨタ自動車の営業利益は2兆5000億円

       

       日本のGDPが530兆円前後で、英国のGDPは300兆円です。欧州のホンダの営業利益の中に、英国の分がどれだけ入っているかは開示されていませんが、仮に100%英国で稼いでいるというあり得ない想定で考えた場合でも158億円程度であり、英国のGDPが300兆円規模であることを考えると、売上高で3%、営業利益で0.5%程度です。日本の場合もGDP500兆円として、トヨタの営業利益2兆5000億円は0.5%ですから、トヨタ自動車一社の営業利益がなくなるインパクトがあるといわれれば、その通りです。

       

       しかしながら、韓国で考えればGDP200兆円レベルに対して、75%に相当する150兆円規模が10大財閥の売上高で占めるという状況を考えれば、ホンダが英国から離れたところで、騒ぐほどの話ではありません。本邦の特定企業の動向であるため、勝手にすればいいだけの話です。

       

       仮にブレグジットでホンダがEUから出たとして、それで英国経済がおかしくなるというならば、マクロ経済政策を打てばいい!その程度の話です。

       

       英国は決して小国ではありません。GDP300兆円レベルの大国であり、医薬品大手のグラクソ・スミスクラインや、石油大手のロイヤル・ダッチ・シェルやインフラを手掛けるナショナル・グリッドといった大企業がたくさんあります。GDPが全体に縮小してマイナス成長するならば、英国はユーロに加盟していないので金融政策の自主権はあるわけですから、国債を発行して需要拡大をやればいいですし、失業対策をやればいいだけのこと。

       

       ホンダが出て行こうが、トヨタが出て行こうが、マクロ経済対策で、「通貨発行」と「財政出動」を組み合わせ、失業対策をやればいい、その程度の話です。

       

       

       というわけで今日は「ブレグジットでホンダが出て行くことは、ユーロに加盟していない英国には関係のない話です!」と題して論説しました。

       

       

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      EU加盟後に国民の所得が激減したイギリス

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         今日は「EU加盟後に国民の所得が激減したイギリス」と題して論説します。

         

         2016年に英国でEUからの離脱を問う国民投票を行い、結果はEUからの離脱ということになりました。これをブレグジットと呼んでいます。ブレグジット問題については、本ブログでも何回もテーマとして取り上げておりますが、ブレグジットという事象が起きた背景について、下記の順で論じたいと思います。

         

        1.EU加盟国間の所得格差の問題

        2.全く違う文化圏であるイスラム教徒・アフリカ人らの大量入国

        3.変な法律を押し付けられるデメリットも・・・

         

         

         

        1.EU加盟国間の所得格差の問題

         

         EUの最大の問題点であり、かつ英国がEU加盟のデメリットとして気付いたこと、その中で一番大きいデメリットとして考えられるのが「人の移動の自由」です。「人の移動の自由」を妨げてはならないとするルールに加え、そもそもEU加盟国間の所得格差が大きいという状況も問題です。

         

         その問題となっているEU加盟国間の所得格差を知っていただきたく、下記の一人当たりGDPの表・グラフをご参照ください。

         

        <2007年と2017年の一人当たり名目GDP(単位:USAドル>

        (出典:グローバルノート)

         

         上記はバルト三国(リトアニア、ラトビア、エストニア)などの東欧諸国が2004年〜2006年に順次EUに加盟し、東欧諸国のEU加盟が終了し終わった後の2007年のEU主要国の一人当たりGDPについて、10年後どうなったか?を示したグラフです。英国だけが一人当たりGDPが減少しています。

         

         2007年の数字で見ますと、英国は約50,000ドル、ブルガリアは約6,000ドル、ルーマニアは約8,000ドル、ポーランドは約11,000ドル、ハンガリーが約12,000ドルとなっておりまして、ポーランドと英国の一人当たりGDP(=国民の所得)の差は約5倍であり、ポーランドに至っては10倍近い差があります。

         

         この状況で英国に低賃金労働者が大量流入しないと思う方が間違っていると言えるのではないでしょうか?なぜならばEU加盟国間では国境の移動の自由があるからです。実際に2017年の数字で見ますと、英国以外の東欧諸国の一人当たりGDPが上昇する一方で、英国は激減しています。

         

         英国の場合はシェンゲン協定に加盟していないため、パスポートをチェックする国境審査はありますが、EU加盟国間の構成国の人々らは、ビザなしで入国し、そして働くことも可能です。そしてそれを妨げることができない(規制することができない)のがEUの移民の問題なのです。

         

         結果的に低賃金で働く労働者が大量流入した英国の実質賃金は抑制されます。そのことに対してイギリス国民が反発しても、どうしようもできません。なぜならば移民制限ができないからです。

         

         そして、このデメリットに気付いたということでブレグジット問題につながりました。

         

         皆さんは、「移民制限ができない」というデメリットがどれだけストレスがかかることか、想像できるでしょうか?

         

         例えば、日本の国民が従うべき法律が、東京の霞が関の国会議事堂ではなく、北京とかで決定されるというイメージです。実際にイギリス国民は、ブリュッセルの欧州議会で決定された法律に従い、それに合わせて自国の法律を変えるということをやっています。

         

         移民について様々な問題が発生したとしても止めることはできません。これがブレグジットの一番の問題なのです。

         

         メイ首相の前のキャメロン政権時代、欧州からのEU離脱の国民投票をやってもいいと言い放ち、ただ移民制限をするとも言っていたのですが、キャメロン政権は移民制限ができませんでした。というよりEUに加盟している以上、人の移動の自由を妨げてはならないため、移民制限をすることは不可能です。

         

         

         

        2.全く違う文化圏であるイスラム教徒・アフリカ人らの大量入国

         

         EUに加盟している限り移民制限は不可能であるという話に加えて、EUだけでなく欧州全域にイスラム教の移民大量に入国しているという問題があります。

         

         そもそもEU加盟国に移民が入ってくるルートとして主なものは、シリアからギリシャのルートで入国してくるアラブ人、リビアから地中海を渡ってイタリアに入国というルートで入ってくる北アフリカ人・サハラ以南のアフリカ人が多い状況です。

         

         本来ならばダブリン協定という国際協定があり、EU加盟国は、移民が入国した場合、最初に入国したそのダブリン協定国が面倒を見なければならないというルールがあります。

         

         ダブリン協定=EU加盟国で難民として庇護を求める者は、最初に到着したEU加盟国で申請を行い、審査が実施される

         

         地政学的に欧州の南に位置するイタリア、ギリシャらは、非常に不利です。というよりイタリアもギリシャもダブリン協定を守る気がなく、そのため次々にイスラム教徒やアフリカ人らが北上し、ドイツ、スウェーデン、英国に流れ込んでくるのです。

         

         言葉も文化も異なる国民が一緒に暮らすというのは、なかなかできないことであり、こうしたこともEUという制度の矛盾の一つといえます。

         

         

         

        3.変な法律を押し付けられるデメリットも・・・

         

         上述の2つに加え、3つ目として、変な法律をEUが押し付けるという問題です。

         

         例えば掃除機のワット数は何ワット以内にしなければならないとか、保険を販売する際に、男女の差をつけてはいけないなど・・・。保険の場合、本来は女性が長生きするということで、男女の保険は異なるはずです。例えば料率も異なるはずであり、リスクも変わるため、通常は保険料が異なります。

         にもかかわらず、同じにしなければならないとする法律があり、その法律に従わなければなりません。

         

         仮にも、そのルールを自国で決めているというならともかく、日本でいえば、東アジア共同体とか中国韓国と国境を自由にヒト・モノ・カネの往来が自由にできるとして、北京で決まった法律を、日本でも守らなければならないという状況なのです。

         

         そのような状況では、共同体から逃げたくなるに決まっているでしょう。共同体に加盟するというのは、共同体を構成する国々と仲良くなるということではなく、主権を失うということであり、主権を失うということは、自国のことを自国で決めることができないということなのです。

         

         EUでいえば法律が押し付けられ、自国で独自の規制がかけられないということになるわけですが、統一通貨ユーロについても同じことがいえます。ユーロに加盟した場合、通貨発行権を失い、財政政策や金融政策が自国でできません。事実ユーロ加盟国はECB(欧州中央銀行)によって、金融政策が実行されます。財政政策についても、デフレで赤字を増やさなければならなかったとしても、EUに加盟している限り、マーストリヒト条約によって財政赤字対GDP比率は3%以下にしなければならないとされており、十分な財政出動ができません。結果、デフレから脱却できないということがあり得ます。さらに関税もかけることもできないのです。

         

         このように、EUやユーロというのは、戦争を起こさないようにする仲良しクラブのように、融和的で平和的なイメージがあるかもしれませんが、現実は自国で自国のことを決められず、法律による規制も自国でできなければ、金融政策も自国でできないというのが実態です。

         

         読者の皆さんは、それでもEUは素晴らしい制度だと思うでしょうか?私は全くそう思えません。矛盾が多い制度ですし、EUは数年後崩壊していくものと思っています。

         

         

         というわけで今日は「EU加盟後に国民の所得が激減したイギリス」と題して論説しました。

         EUに加盟している限り、イギリス国民の所得は減少し続けていくことになるでしょう。それは貧困化が進むということと同じです。イギリス国民の所得が減少すれば、内需が低迷し、景気も低迷するということになります。

         英国がそうした状況から抜け出すためには、自国の法律で外国人の入国を規制することができるように、EUから抜け出すより方法がありません。EUとは、そうした矛盾の多い制度であるということを、私たち日本国民も認識し、日本国内で起きている人手不足の解消策として外国人労働者の受入れが本当に正しいことなのか?自国のこととしてブレグジット問題を考えるべきであると私は思います。

         

         

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        地球上の世界は、英国が歴史を動かしてきたという史実

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          JUGEMテーマ:英国に関するニュース

           

           2016年に英国では、EUからの離脱の是非を問う国民投票が行われ、EUから離脱することになりました。主権を取り戻すためにグローバリズムに反旗を翻し、その後、米国もトランプ大統領やバーニーサンダースといった政治家が登場し、世界は反グローバリズムの方向に動こうとしてきています。

           そこで今日は「地球上の世界は、英国が歴史を動かしてきたという史実」と題し、英国の歴史について取り上げたいと思います。

           

           まずは編年体で英国の主な歴史的史実を記載いたします。

          <英国が主にかかわる歴史的史実>

           

          1377年 イギリスとフランスの間に100年戦争が始まる(第一次100年戦争)

           

          1568年 オランダが独立するための80年戦争が始まる

           

          1618年 ドイツで30年戦争が始まる

           

          1688年 イギリス名誉革命 

          ※権利の章典が採用され「議会の同意を経ない法律の適用免除・執行停止の禁止」等が定められて議会制民主主義が始まる

           

          1689年 第二次100年戦争が始まる

           

          1695年 イングランド銀行が設立される

           

          1760年代 インド産キャラコに対抗するため、綿製品の生産性向上を目的とした産業革命がイギリスで始まる

           

          1816年 イギリスで貨幣法が成立する

          ※1929年の世界大恐慌発生時まで金本位制が続く

           

          1931年 英マクドナルド内閣が、世界に先駆けて金本位制を停止

           

          1945年 イギリス労働党のアトリー政権が医療費無料化、雇用保険、救貧制度、公営住宅建設などの福祉国家化を開始する

           

          1979年 サッチャー政権が新自由主義的構造改革を開始し、福祉国家を破壊する

           

          2016年6月23日 EUからの離脱の是非を問う国民投票で、離脱派が勝利する

           

           

           

           まず1688年のイギリス名誉革命ですが、このときに権利の章典が採択され、議会の同意を経ない法律の適用免除・執行停止の禁止などが定められ、議会制民主主義が始まりました。具体的には国王の上位に議会が立つという考え方がこの時から始まり、国王の王政権を制限し、選ばれた議員らが主権を執行するようになったということです。

           

           1760年代、英国で決定的ともいえる経済的な動きが始まります。当時、英国国内の洋服市場は、インド産のキャラコ(綿製品)に席巻されていました。キャラコに席巻される前まで、羊から羊毛を取って羊毛製品を着ていたのですが、羊毛製品に比べてキャラコ製品は着心地がよく、インドから大量の綿製品が英国に輸入されることになったのです。その頃のインドは世界最大のキャラコ(以下「綿製品」)の製造大国であり、輸出大国でした。

           

           そこで英国は自国で綿製品を取り扱えるようにするための政策をやります。具体的にはインドに対して保護貿易を行い、最終的にはインド産の綿製品の輸入を禁止しました。

           

           英国以外に再輸出することは許されましたが、それ以外の目的で英国に輸入することは認めず、英国国内の市場にインド産綿製品を一切入れてはいけないとしたのです。

           

           とはいえ、英国には羊毛製品よりも着心地がよいというニーズがあって、英国国内に綿製品のマーケットは存在します。そのマーケットを英国の企業が獲得するため、様々な技術開発投資や設備投資が始まりました。これが産業革命です。

           

           産業革命というのは、英国の国内企業がインド産綿製品に対抗し、洋服の生産性を高めるために行われて始まったものなのです。

           

           その産業革命の技術開発の中から、汎用目的技術が生み出されます。汎用目的技術は英訳するとGPT(General Purpose Technology)といい、いろんな目的に使われる基幹技術のことをいいます。例えば蒸気機関なんかも、産業革命の技術開発から生み出された汎用目的技術です。

           

           最終的には英国は蒸気機関を使った綿製品をエドモンド・カートライト(1743〜1823)という発明家が、1787年に初めて蒸気機関を使った織機の製造に成功しました。

           

           蒸気機関の技術は、綿製品製造のための織機にとどまらず、蒸気機関車、蒸気船などの分野にも応用され、まさに世界が変わったのでした。

           

           この蒸気機関の技術は日本にも関わりがあります。江戸末期の1853年にペリーが黒船で来航します。黒船は全部で4隻あり、2隻は帆船で、残り2隻は蒸気船です。

           

           蒸気船がすごいのは帆船と異なり、風があろうとなかろうとガンガン進んでくるという点です。この鉄製の蒸気船の黒船によって、日本の歴史は大きく動くことになったのですが、この出来事も、元をたどれば英国の産業革命が発端であり、英国の綿製品の生産性向上の話から始まったものなのです。

           

           世界は意外と小さいことから動きます。英国国内での綿製品で儲けたいという欲望、インド市場を自分たちで席巻したいとする英国の資本家・起業家らによって生産性向上のための技術開発投資を行って綿製品製造の生産を高めていき、その過程で蒸気機関というものが生まれたのです。

           

           1816年に英国はすでに覇権国家でしたが、貨幣法という法律を成立させます。具体的には英国ポンドの発行に金を裏付けとするようにしました。これが世界で初めての金本位制の始まりなのですが、英国での1816年の貨幣法制定から始まったものです。

           

           当時の英国ポンドは現在の世界の基軸通貨の米ドルと同じ国際通貨でした。日本は日露戦争を戦うため、英国から「三笠(みかさ)」という軍艦を買い、良質な石炭も一緒に英国から買いました。軍艦「三笠」でいえば、英国の造船会社は、日本円を受け取ってはくれません。当時の日本の信用という問題もあったかもしれませんが、日本円は英国では使えないため、当時は国際通貨の英国ポンドで支払うしかありませんでした。

           

           日本が綿製品を製造して輸出して外貨である英国ポンドを稼ぐとか、英国に洋服を大量輸出して英国ポンドを受け取っていたとするならば、その英国ポンドで支払うことも可能だったのですが、当時の日本は貿易赤字国であったため、英国ポンドを持っていませんでした。

           

           そのため、英国ポンドの代わりに日本政府は金で支払ったのですが、そのあと金の流出ということが日本で問題になりました。

           

           1816年の英国における貨幣法により金本位制が始まり、これが世界で初めて始まった金本位制であると述べましたが、そのあとジョン・メイナード・ケインズが金本位制を批判します。理由は金を裏付けとしているため、非効率な制度だったのです。ただそれに基づいてグローバリズムが全世界を席巻しました。

           

           1914年に第一次世界大戦が発生して金本位制がいったん中断されるものの、その後、復活して1929年の世界大恐慌が発生するまで、金本位制に基づくグローバリズムが続きました。これを始めたのは1816年に貨幣法を定めた英国だったのです。

           

           ところが自ら始めた金本位制を真っ先に辞めたのは、なんと英国だったのです。自分で始めておきながら最初に辞めたのが英国なのです。理由はかつての製造大国から転落し、貿易赤字となって英国ポンドが流出したことが原因です。英国にとって英国ポンドの流出は、金本位制のもとでは金の流出と同じです。そのため、「ダメだ!こりゃ!」となって金本位制を抜けたのでした。

           

           

           

           というわけで今日は「地球上の世界は、英国が歴史を動かしてきたという史実」と題して論説しました。

           産業革命は英国で発生し、世界を変えました。金本位制も英国が1816年貨幣法制定により始まり、金本位制そのものを辞めたは英国でした。

           そして今回、主権を取り戻すことを目的に、グローバリズムに終止符を打とうとしているのが英国です。米国もまた英国に続いて、米国民ファーストと掲げるトランプ大統領がグローバリズムを見直そうとしています。

           日本はどうでしょうか?この4月からは外国人労働者が大量に入ってきます。外国人労働者が入ってくれば、絶対に日本人の賃金は伸び悩むこととなり、貧困化が進みます。英国のブレグジットも、米国のトランプ大統領のメキシコの壁建設も、自国民ファーストで考えるからこうした政策に出るのですが、それは間違っているのでしょうか?

           改めてグローバリズムという動きに対して、日本人も見直さなければならないのでは?と私は思うのです。

           

           

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          ”英国のEU離脱は間違っている”という言説と”日本人が知らないEU離脱の真相”について

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            JUGEMテーマ:英国に関するニュース

             

             世界の経済圏を大きく欧州、アジア中国韓国、米国、ロシアの4つの経済圏とした場合、欧州経済は大激動しています。

             そこで今日はブレグジットについて改めて取り上げたいと思いまして、「”英国のEU離脱は間違っている”という言説と”日本人が知らないEU離脱の真相”について」と題して論説します。

             

             

             2016年に英国では、欧州連合から離脱の是非を問う国民投票で離脱派が勝ち、今年に入ってメイ首相がEU離脱案を採決しようとしたものの、否決されてEU離脱がスムーズにできておりません。以前にもブレグジット問題について論説した際、この問題が英国の主権の問題に起因することを解説いたしました。英国は要するに、英国の主権を取り戻したいと思っているわけで、それがブレグジットの背景の本質です。

             

             では「英国国民には主権がないのか?」といわれれば、答えは「ない!」ということになります。

             

             にもかかわらず日本のマスコミに限らず、世界のマスコミが「英国のEU離脱が間違っている」と報じています。これはEUという組織が国際組織であり、英国という国家のみならず、フランスやドイツなどの国家の上に立つという国際法に縛られるということを理解していないマスコミ人が多いことに起因するものと思われます。またマスコミに従事する者自体がグローバリズム礼賛者であるため、その国の憲法よりも上に国際法が来るということで主権を失うということに気付きにくいのでは?とも考えられます。

             

             EUに加盟していると主権を失うというのはどういうことなのか?改めて申し上げれば、代表的な例とすれば、変な法律を押し付けられることがあげられます。

             

             例えば保険について、健康保険や生命保険や損害保険など、EUでは男女の差を設けてはいけないというルールがあります。自動車保険で考えれば、男性よりも女性の方が安全運転をします。当然、保険会社サイドとすれば、男性の方の保険料を高くし、女性の方の保険料を安くしたくなるはずですが、EUではそれができません。

             

             年金保険でいえば、平均寿命は女性の方が男性よりも高いにもかかわらず、男女の区別を設けてはいけないとなっています。そのため本来ならば男性の年金保険料を引き下げたいところだが、EUではそれは認められないのです。

             

             EUの官僚らは、EUで決めたことについて、EU加盟国に対して強圧的に従わせようとします。その上、超国家組織の欧州議会というのがありますが、言語がバラバラです。英国やドイツなどのEU加盟国各国から議員が欧州議会に来たとしても、言語がバラバラであるために意思統一ができておらず、コントロールが効きません。

             

             特に問題になっているのは移民の問題です。

             

             英国は移民を排除しろと主張しているわけではないのですが、制限したいと思っており、ビザ(査証)を制度化して移民を制限したいという意向があるのです。これはシリア難民ではありません。EU加盟国間内の移民について制限したいと思っているのです。

             

             なぜならば英国に大量の移民が入国してくる一方、制限したくてもEUに加盟している限り、人の移動の自由を制限してはいけないため、制限ができません。ローマ条約(1957年)で欧州連合内の加盟国は、「労働者の移動の自由を妨げてはならない」と書かれているのです。ローマ条約で謳っている人の移動の自由は、マーストリヒト条約、アムステルダム条約へと引き継がれており、英国は移民を制限したくてもできないのです。

             

             そのため国家主権を取り戻したいという理由で、英国国民の多くがEU離脱に投票したわけですが、これは間違っているのでしょうか?

             

             日本人は日本国民として日本の主権を持ちます。そのため、日本の制度・法律は、基本的には日本人が投票した国家議員が決めている一方で、英国には主権がありません。これは英国に限らず、フランス国民もドイツ国民も同様です。というよりも国家として自国の主権を放棄するがEUに加盟することに他なりません。

             

             英国が主権を取り戻したいということでEUから離脱するという話について、一方的に「EU離脱派はバカで短気で労働者階級の中でも低所得者層で・・・」とレッテルを貼って否定します。とはいえ、英国国民が何に対して反発をしているか?といえば、グローバリズムに反対したということです。なぜならばEUは国際協定によるグローバリズムの制度化ともいえるのです。

             

             グローバリズムの制度化によって、何が困っているか?というと、英国の法律の上にEUがあるため、変な法律を押し付けられても文句は言えず、逆に自国で規制を強化したくても、主権がないので英国が独自で規制強化の法律を作ることができないのです。

             

             大量の移民が流れ込んでくる状況で英国国民の賃金が下がり、英国国民の不満が溜まっていたわけですが、それを解決すべく、規制を強化したくても、EUに加盟しているために大量移民の流れ込みを防ぐ規制強化ができません。

             

             だからこそEU離脱(=ブレグジット)なのです。

             

             

             というわけで今日は「”英国のEU離脱は間違っている”という言説と”日本人が知らないEU離脱の真相”について」と題して論説しました。

             

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               今日は「EU離脱案が2度も否決された理由の一つである北アイルランドとアイルランドの国境のバックストップ問題」と題して論説します。

               

              1.北アイルランドとアイルランドの国境問題

              2.「バックストップ」について

              3.ブレグジット問題=国家主権を取り戻す問題

               

               上記の順に論説し、私たち日本人は、このニュースをどうとらえるべきか?論説いたします。

               

               

               

              1.北アイルランドとアイルランドの国境問題

               

               昨日もEU離脱問題について取り上げましたが、英国が主権を回復することを意味するということをお伝えしました。

               

               そのEU離脱案について、2019/01/15に下院議会で歴史的大差で否決されたメイ首相が取りまとめた離脱案を、メイ首相が修正したにもかかわらず、2019/03/12に再び下院議会で否決されてしまったのです。

               

               なぜ2度も否決されるのでしょうか?

               

               その象徴的といえるのが北アイルランド問題です。

               

              <アイルランドとイギリスの北アイルランドの位置>

              (出典:ヤフーの地図から)

               

               

               上記の地図をご覧いただきたいのですが、北アイルランドとアイルランドは国境線を挟んで同じ島になっています。北アイルランドは英国の領土ですが、もともと英国に所属すべきか?アイルランドに所属すべきか?武力で争ってきました。

               

               1960年代〜1990年代まで争われ、1998年にベルファストという和平合意が英国とアイルランドの間で締結されるまで争いは続きました。

               

               北アイルランド問題では、武装組織がロンドンでテロをやっていたのですが、そのテロによって、命を落としたり、手足を失った人も大勢いたのです。

               

               ベルファスト合意締結以降は、大きなテロというのはほとんどないようなのですが、現在、英国もアイルランドもEUに所属しているため、地図上では北アイルランドとアイルランドで国境線がありますが、実際には国境がありません。

               

               この地域の人々は国境がなく自由に往来できるのです。川などで隔てられているわけでもないため、日本でいえば、大阪府と京都府、東京都と山梨県のように自由に往来ができます。EUが「人の移動の自由」を謳っているうえに、国境審査をする施設がないので、当然そうなります。

               

               しかしながら2017年1月17日にメイ首相がEU離脱を表明し、英国はEUから離脱するという道を選ぶことを宣言しました。

               

               そうなると英国とアイルランドの間の上記の地図上の国境線で国境ができ、関税がかけられることになります。関税をかけるためには関税検閲所を作らなければならなくなります。

               

               とはいえ、英国もアイルランドも再びテロ多発を誘発するような国境線を引くことは本意ではありません。そのため、英国はアイルランドとの間で、目に見える国境は作らないようにしようとしているのです。

               

               実際に英国がEUから離脱した後、英国とEUがどのような関係になるのか?は、新たな協定を作る必要があるのですが、当然この協定を作るには大変な時間がかかります。そのため、英国とEUとの間で離脱移行期間が設けられました。

               

               2019/03/29がブレグジットの日ですが、3/29以降2020年末までの21か月間を離脱移行期間といい、この移行期間の間に、英国はEUとの間で新たな協定を作るということが決まっています。

               

               この新たな協定を作るということについて、現実的な見通しをいえば、2年弱で具体的な協定を策定することは困難でしょう。

               

               となれば離脱移行期間中に新たな協定が策定されずに離脱移行期間は終了することになります。

               

               「じゃぁ!やっぱり北アイルランドとアイルランドで国境を作るしかないのでは・・・?」となればテロ発生が懸念されるため、一時的な解決策として出てきたのが、この「バックストップ」と呼ばれるもので、北アイルランドとアイルランドの国境は自由に往来できるようにするという緊急一時避難策です。

               

               

               

              2.「バックストップ」について

               

               「バックストップ」とは、離脱移行期間の間に、英国がEUと新たな協定を結ぶまでの間、暫定的にアイルランドと北アイルランドの間に国境を設けず、国境の往来を自由にできるようにしておく緊急一時避難策であると申し上げました。

               

               私見をいえば「バックストップ」は、ないよりあった方がいいと思う一方、バックストップの問題点として、バックストップが継続する間、英国はEUにそのまま残留するということで、事実上EUに残る点が大問題です。

               

               このバックストップが継続する間、EUに残ってEUのルールに従うというのが、メイ首相とEUとの間で取り決めた離脱案であったため、英国の下院議員の多くが反対したというのが、2回否決された理由であるといえるでしょう。

               

               英国の下院議員が反対した理由として、「ちゃんとEUから離脱しろ!メイ首相の法案ではEUから離脱していないのと同じだ!」と主張していることについて、マスメディアが真実を正しく報じないため、多くの日本人は知らないと思われます。特にEU離脱派の保守党の議員が反対しているのです。

               

               バックストップは、英国がEUとの間で具体的な協定が締結されるまでは良いと思いますが、EUはそもそも本当に英国とそのような協定を結ぶ気があるでしょうか?

               

               EUからすれば英国の離脱を認めた場合、「こんな風に離脱ができるんだ!」となってEUに加盟する他国においても、主権を取り戻すべく、離脱のドミノ倒しになる可能性は十分にあるため、離脱を認めたくはありません。そのためEUとしては英国からの提案に物言いをつけ、具体的な合意をせずに、ズルズルと何年も続けていくことになるでしょう。

               

               となればバックスストップは継続し、英国は永遠にEUに留まり続けることになります。つまりブレグジットといっても、メイ首相の修正案では実質的にブレグジットは実現しないのです。そうした懸念がメイ首相のEUとの合意案には含まれているため、英国下院議会は2回も否決したのです。

               

               

               

              3.ブレグジット問題=国家主権を取り戻す問題

               

               ここで大きな問題として皆様にお考えいただきたいのですが、ブレグジット問題は国家主権を取り戻すという問題です。

               

               そして一度失った国家主権をEUから取り戻すことが、いかに大変なことか?ということ。国家主権がいかに大切か?という教訓をブレグジット問題が国際社会に教えているといえます。

               

               実は英国以外でEUに所属する国の中にも、国家主権を取り戻したいという国・政党はたくさんあります。もしブレグジットが成就した場合、多くの国がEUを離脱し、最終的にEUは解体されることになるでしょう。

               

               国家主権の大切さを、日本も英国から学ぶべきです。

               

               ところが日本は周回遅れでグローバリズム礼賛し、推進しています。今年4月からは外国人労働者が何十万人も入ってきます。

               

               確実にいえることは、日本人の賃金が下がるということ。自国民の賃金が下がるという問題こそ、グローバリズムの大きな弊害の一つといえるでしょう。

               

               逆に外国から入ってくる労働者を制限することによって米国人の賃金を引き上げることに成功したのは、トランプ大統領です。そして英国の下院議員らは、米国のトランプ大統領と同じことをやろうとしているともいえるのです。

               

               ところが日本は、といようり安倍政権でいえば、種子法廃止、水道法改正、電力自由化などなど、グローバリズム礼賛の政策しかやっていません。これでは日本は主権を失い、中国の属国になることですら普通にあり得ます。

               

               

               というわけで今日は「EU離脱案が2度も否決された理由の一つである北アイルランドとアイルランドの国境のバックストップ問題」と題して論説しました。

               

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                 今日はブレグジットをテーマに「EU加盟のデメリット(=主権を失うこと)に気付いたイギリス人」と題して論説します。

                 

                 まずはロイター通信の記事をご紹介します。

                『ロイター通信 2019/03/23 03:04 英首相、議会の支持獲得で厳しい舵取り 離脱に2週間の猶予獲得も

                [ブリュッセル 22日 ロイター] - メイ英首相は今週の欧州連合(EU)首相会議で、EU離脱(ブレグジット)期日を巡り2週間の猶予を確保した。ただ、離脱協定案を巡り英議会で来週予定される3回目の採決は難航することが予想され、メイ首相は支持獲得に向け厳しい舵取りを迫られる。議会での承認が得られなければ、英国は4月12日にも合意なき離脱を余儀なくされることになる。

                 EU首脳は英国のEU離脱を巡り、メイ英首相がEUと合意した離脱協定案が英議会で来週承認されない場合、4月12日まで離脱日を2週間延期し、それまでに新たな計画を示すか、合意なき離脱を選ぶか決断するよう求めた。また、英議会が離脱協定案を来週承認した場合には5月22日までの延期に応じることで合意した。

                 首脳会議から帰国したメイ首相は22日、議員らに対し「私は昨夜苛立ちを表明した。議員の苛立ちも理解しており、議員には厳しい仕事が待ち構えている。全員が合意できることを願っている。決断を下す時に至った」と語り、支持を訴えた。

                トゥスクEU大統領は「ブレグジットの運命は英国の手中にある。EUは最善のシナリオを願うと同時に最悪の事態に備える」とし、「希望は最後まで死なない」と述べた。

                 一方、英国が離脱案を批准できず、新たな計画も提示できなければ、4月12日に「合意なく」EUを離脱すると強硬な構えを示しているフランスのマクロン大統領は「ブレグジット主導者は離脱は容易と公言していた。お見事」とし、離脱派を揶揄(やゆ)した。

                 EU高官は、英国の合意なき離脱の確率が高まったとし、「EU側の準備は整っているが、延期された数週間の間に合意なき離脱シナリオに備えることになる」と語った。』

                 

                 

                 上記の通り、英国のEU離脱問題に関するニュースです。今月12日、日本時間の3/13未明、メイ首相が取りまとめた英国のEU離脱の修正案を提出したのですが、下院議員が否決しました。

                 

                 そこで記事にもありますが、EUと合意した離脱協定案が来週中に承認されない場合、離脱日を3/29→4/12に2週間延期するようEU首脳が求めたとしています。

                 

                 なぜメイ首相が提出したEU離脱案が否決されてしまったのか?日本からみていますと、何が起きているのか?わかりにくいかと思います。

                 

                 そこで今日は、そもそも何が問題なのか?原点に立って考えてみたいと思います。

                 

                 まず2019/03/12の出来事ですが、英国の下院議会が、メイ首相が取りまとめたEU離脱の修正案の提出したところ、それが否決されました。

                 3/12以前にも、すでにメイ首相がEUと取りまとめた案があったのですが、この合意案は1月に歴史的な大差で否決されました。 そこでメイ首相はEU離脱案を修正するに至りました。

                 しかしながら、その修正案が2019/03/11の夜に出されたものの、翌日2019/3/12に否決したというのが、2019/03/12の出来事なのです。

                 

                 そもそもEU離脱即ちブレグジットとは何なのでしょうか?

                 

                 ブレグジットというのは英国がEUに加盟していたことで困ったことが発生していました。それは何か?といいますと、外国人移民問題です。

                 外国人移民がEUの他国から、たくさん入ってくることにより、イギリス人の職業が奪われ、移民として受け入れられた外国人の賃金が安いために、英国人全体の平均賃金が下落しました。

                 大量の外国人移民が流入することで、イギリス人の平均賃金が下落したということがEU加盟のデメリットだったということに気付いたのです。

                 

                 即ちイギリス人にとってEUの問題とは、イギリス人の給料が下がってしまうということが問題だったのです。

                 

                 では、「英国は外国人移民の受入れを規制すればいいじゃん!」と思われる方も居られるでしょう。

                 

                 誠に残念なのですが、EUに加盟している限り、外国人移民の受入れを規制することはできません。なぜならば、「人の移動の自由」は、EUの前進ともいえるEEC各国(フランス、西ドイツ、イタリア、ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)が1957年に締結されたローマ条約で謳われ、EUになってからの1992年のマーストリヒト条約、1999年のアムステルダム条約を経ても「人の移動の自由」は継続されているのです。

                 

                 要は移民や人の移動をコントロールしているのは、英国がEUに加盟している限り、英国政府ではなくEUなのです。

                 

                 このことに英国そして英国国民が気付いたのです。自分のことを自分で決められなくなっているということに気付いたのです。

                 

                 英国国民は「英国がEUに加盟したことによって、国家主権を失っていた!」ということにようやく気付いたというより、今までそのデメリット(=国家主権を失っていること)に気付いていなかったともいえます。

                 

                 

                 

                 というわけで今日は「EU加盟のデメリット(主権を失うこと)に気付いたイギリス人」と題して論説しました。

                 今日の論説の通り、ブレグジットとは英国がEUに譲ってしまった国家主権を取り戻すということを意味します。国家主権という観点で見ると、EUはグローバリズム組織であり、グローバリズム組織とは独立した国家よりもさらに上に位置する組織となります。

                 そういう意味ではブレグジットとは、反グローバリズムであり、国家主権の奪還という見方もできます。そしてこれは他人事ではなく、日本も関係しています。日本も今、英国と同じ状況にあります。

                 改正入国管理法により、4/1から大量の外国人労働者が入ってきますが、日本人の賃金が抑制もしくは下落することはEUを見れば確実です。それだけにとどまらず、関税をお互いにかけるのをやめるモノの移動の自由を推進するTPP、また米国から圧力を受けて締結することになるであろう日米FTAなど、こうした国際条約は国家主権の上にくるものであり、主権が奪われていくことに他なりません。

                 英国と日本との違いは、日本人の多くがこうした国際条約によって主権を失うことに気付いておらず、周回遅れのグローバリズムを推進しているという事実です。

                 私たちがこうしたことに気付くためには、マスコミの情報を鵜呑みにしてはいけないということを改めて認識する必要があるものと思うのです。

                 

                 

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                   日本では緊縮財政を継続するあまり、統計までも予算をケチったため、統計分野で人材が育成されず毎月勤労統計で不正な調査が行われたニュースが賑わせています。一方で、英国では19世紀〜20世紀初頭にかけて流行した猩紅熱(しょうこうねつ)や栄養不良など、ディケンズ病という疾病が再燃し、患者数が急増しているようです。

                   

                   そこで今日は「緊縮財政の結果、撲滅したはずの昔の疫病が流行してしまった英国の現状」と題し、CNNニュースの記事をご紹介します。

                   

                  『CNNニュース 2019/02/04 13:19 19世紀の「ディケンズ病」が再燃、猩紅熱などの患者急増 英

                   ロンドン(CNN) 英国で19世紀から20世紀初頭にかけて流行した猩紅熱(しょうこうねつ)や栄養不良など「ディケンズ病」と呼ばれる疾病が再燃し、患者数が急増している。

                   専門家が英国民保健サービス(NHS)の統計をもとにまとめた調査によると、2010年以来、猩紅熱や栄養不良、百日咳、痛風のために病院を受診した患者は、年間3000人(52%)のペースで増加した。

                   1900年代初頭に乳幼児の死亡の筆頭原因だった猩紅熱については、2010〜11年にかけて429人だった患者数が、17〜18年にかけては1321人と208%増加した。

                   百日咳は、1950年代に英全土で予防接種を推進した結果、英国ではほぼ根絶されたはずだったが、患者数は2010〜18年にかけて59%増となった。

                   同じ期間に栄養不良の患者は54%、痛風の患者は38%、それぞれ増えている。

                   今回の調査結果を発表した野党労働党は、こうした疾患が増えているのは緊縮策が原因だとして政府を非難した。

                   労働党の影の内閣保健相、ジョナサン・アシュワース議員は、「緊縮策のために我々の社会が病んでいる」「これは貧者が若くして死亡するということだ」と強調する。

                   英看護協会の専門家ヘレン・ドノバン氏も、緊縮策の影響で検査や予防対策などの予算が削減されたと述べ、「過去のものと思われていた疾患は今後も見過ごされ、国民が危険にさらされる」と指摘。「我々は、健康の不平等拡大が国土を荒廃させる国家非常事態に直面している」と危機感を募らせている。

                   

                   上記CNNニュースの通り、19世紀〜20世紀初頭にかけて流行したディケンズ病に罹患する患者が増えており、急増しているというニュースです。

                   

                   ディケンズ病とは、作家のチャールズ・ディケンズ(1812年〜1870年)の名前に由来し、ディケンズ時代に猩紅熱(しょうこうねつ)や栄養不良や100日咳や痛風が流行ったということで、それらを総称してディケンズ病と呼ぶようです。

                   

                   CNNの記事にある通り、猩紅熱や100日咳で受診した患者が年間3000人ペースで増加していると報じられています。1900年代初頭に乳幼児の死亡の筆頭原因だった猩紅熱は、既に撲滅したはずなのに、2010年〜2018年にかけて59%増と、429人→1,321人へ2倍以上にもなりました。

                   

                   100日咳も根絶されたはずなのに1.6倍、栄養不良患者が1.5倍、痛風患者が1.4倍となっています。

                   

                   こうした一度根絶・撲滅したはずの昔の疫病に罹患する患者が英国国内で急増したのはなぜでしょうか?

                   

                   もともとこうした病気(猩紅熱、100日咳)を根絶したのは、予防をしっかりやり、衛生対策・予防対策に英国政府がお金をたくさん使っていたからです。

                   

                   ところが、そうした予防対策を緊縮財政で削減しました。

                   

                   その結果、ジョナサン・アシュワーズ議員の指摘の通り、緊縮財政で英国社会が病み、貧しいものが若くして死亡するということを主張しています。これは緊縮財政が原因であることは明々白々で、予防対策の費用が削減されてしまったことが原因です。

                   

                   英国といえば、EU離脱を控え、3/19までにどうなるか?という状況もあるのですが、緊縮財政の影響が、ディケンズ病と関係があるのか?と言われれば、そこまで影響が及ぶものであるといえるでしょう。

                   

                   日本も緊縮財政で医療分野の予算を抑制しようとしているため、将来、結核や水疱瘡や麻疹といった疫病が増える可能性があるかもしれません。それほど緊縮財政は危険で国民を殺すということです。

                   

                   ところが日本に蔓延る緊縮思想はヤバイ状況にあると考えます。なぜならば安倍総理が毎月勤労統計の統計不正については、日本国民の大事な賃金の問題なので政府として追加給付対応をするが、その時の予算は増やすどころか、事務費を削減すると仰っていました。これは明確に緊縮思考です。

                   

                   追加給付で仕事が増えるならば、それに対応する予算を付けるのが当たり前なのに増やさないと仰っています。これは絶対に問題が発生するでしょう。統計不正問題も構造的な問題として、こうした緊縮財政を推進することにより予算を削減しまくった結果であるということに気付くべきです。

                   

                   このままだと英国と同様に、私たちの命に係わる保険の予算も削減されていくことでしょう。なぜならば家計簿発想、企業経営発想で国家の財政運営を考える人の頭の中には、国債増刷という手段が思い浮かばず、というより国債増刷は借金増加だから悪と考え、税収を確保してからという発想で国家の財政運営を考えるからです。

                   

                   だからこそ社会保障費の増加分が削減されても、費用が削減されたと喜ぶ。これはもう愚民としか言いようがありません。

                   

                   かつて社会保障費は1兆円ずつ増加していったのですが、今は5,000億円しか増えていません。財務省の人事評価制度からすれば、それは成果であったとしても、保健行政・社会保険医療行政は悪化しているということです。

                   

                   緊縮財政を続けている我が国日本でも、このまま緊縮財政をやめなければ、英国のディケンズ病のようなことが確実に起こるでしょう。英国で起きたディケンズ病の蔓延は、決して他人事ではありません。緊縮財政は人を殺すと同時に、人々を病からも人命を脅かします。

                   

                   英国では明確にこうした議論がされているので、日本も緊縮財政が本当にヤバイということに気付かないと、自分自身の身が危なくなるということを改めて認識する必要があるでしょう。

                   

                   

                   

                   というわけで今日は「緊縮財政の結果、撲滅したはずの昔の疫病が流行してしまった英国の現状」と題して論説しました。

                   緊縮や節約という言葉は、浪費や消費と比べてポジティブにとらえがちですが、マクロ経済の「GDP3面等価の原則」を知っている人であれば、経済成長を抑制するものであることが理解できるでしょう。

                   言葉を置き換えれば、緊縮と節約は「ケチ」ということであり、使うべきものに使わないのは不道徳ともいえます。最低限使わなければならないところをケチった結果、撲滅したはずの疫病が急増しだした英国の現状は、まさに緊縮財政を継続してきたことの当然の帰結であると思うのです。


                  否決されてしまった英国のEU離脱案

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                     今日は「否決されてしまった英国のEU離脱案」と題して論説します。

                     

                     下記は日本経済新聞の記事です。

                    『日本経済新聞 2019/01/17 英離脱 出口なき混迷 合意なしか延期か 議会否決 首相、指導力を喪失  

                    【ロンドン=中島裕介】3月末に迫る英国の欧州連合(EU)離脱の先行きが混迷してきた。英政府がまとめた離脱案は15日の英議会(総合2面きょうのことば)下院で与野党からの反対で大差で否決。代替案の展望は開けず、経済や社会が混乱する「合意なき離脱」か、離脱時期の数カ月延期かの選択を迫られる可能性が高まった。与党は野党提出の内閣不信任案を16日に否決する構えだが、指導力を失ったメイ首相に残された手立ては限られている。

                     前身の欧州共同体(EC)時代から約45年続いてきた関係を解消するための離脱案の英議会での採決は202対432だった。与党からも130人近い造反が出たためで、当初は200票以内との予測もあった票差は230票差となり、歴史的大敗となった。

                     離脱案の否決後、最大野党の労働党のコービン党首は15日、内閣不信任案を提出した。英議会は16日に不信任案を採決する予定で、可決なら首相の退陣や議会の解散・総選挙につながる。解散・総選挙を回避したい与党は不信任案の可決は阻止する構えだ。

                     次の焦点は21日にも議会に提示される見通しの離脱に関する代替案づくりだ。首相は離脱案否決後に「(EUとの)交渉が可能で、下院の支持が得られるアイデアに的を絞る」と述べ、超党派の合意が得られる代替案を目指す方針を示した。だが与党が大量造反し、野党も退陣を求める中では現実味は薄い。

                     そもそも反対票を投じた保守党内の造反組の中には経済の混乱を伴う無秩序離脱も辞さない強硬離脱派や、離脱の是非を問う国民投票の再実施を求める残留派など立場の異なる議員が混在する。与党内でさえ落としどころを見いだすのは容易ではない。

                    首相が超党派の代替案をまとめられるメドが立たない段階ではEU側も首相に譲歩案を示せない。フランスのマクロン大統領は「我々はすでに最大限のことをした」と指摘、大幅な修正には応じられないとの立場をにじませた。

                     3月末までに代替案がまとまらない状況になれば「合意なき離脱」回避のために唯一残された選択肢は離脱時期の先送りとなる。首相は16日の議会で「合意が得られる見通しがたってはじめてEUは離脱時期を延期する」と、離脱案の合意を前提にした離脱時期の延期の可能性を排除しなかった。

                     ロイター通信によると、ハモンド財務相らが離脱案の否決直後、英企業幹部と電話会議し「離脱延期の準備が行われている」と伝えた。ただEUでは離脱時期を延期する場合にも欧州議会が5月の選挙を経て新体制を発足させる「7月はじめまで」(EU外交筋)との見方が大勢だ。延期には英を除くEU27加盟国の全会一致の承認が必要で、ハードルは低くはない。

                     政治の混乱が続く中、経済界のいら立ちは頂点に達している。英産業連盟は「英国の経済を守るための行動を即座に取るべきだ」と議会を批判。企業は物流網の見直しなど、最悪の事態に備えを急ぐ。』

                     

                     

                     上記記事の通り、3月末に迫る英国のEU離脱の先行きが混迷してきました。英国政府がまとめた離脱案は、2019/01/15の議会下院で与野党の反対で大差で否決されてしまったのです。

                     

                     保守党から想像以上の造反が130人近くも出たため、202対432の大差で否決されてしまいました。EU離脱は、もともと難易度が高い話だったため、こうしたことは想像できたかもしれません。

                     

                     なぜ難易度が高いか?その象徴は、北アイルランド問題です。北アイルランドがEUを離脱する場合は、EUに加盟しているアイルランド共和国と、UK(英国)に属している北アイルランドで、明確に国境を引く必要があります。

                     

                    <アイルランドとイギリスの北アイルランドの位置>

                    (出典:ヤフーの地図から)

                     

                     

                     英国がEUから離脱する場合、UKとアイルランドとEUの3つを同時に立てることができません。即ちUKとアイルランドとEUは同時に成立しえないトリレンマになっています。北アイルランドとアイルランドに国境を引くことができればいいのですが、地図にある通り、同じ島の中で普通に陸続きとなっているのです。

                     

                     この北アイルランドとアイルランドに国境を引くという作業は、たとえ話として、いわば東京都と埼玉県で国境を引くという作業に等しいのです。

                     

                     まさかUKが北アイルランドを切り離すこともできないでしょうし、EUを完全破棄するか?UKを破棄するか?アイルランドの歴史を破棄するか?どれも難易度が高いのです。

                     

                     そうした状況の中で作られたのが、今回のEU離脱案だったのですが、初めから玉虫色にならざるを得ず、中途半端な離脱案となってしまい、議会からすれば「こんな中途半端な離脱案は、離脱案といえない!」という反対論が大勢を占めたのです。

                     

                     フランスのマクロン大統領は、一切譲歩はしないとしています。そうであるならば、考え方として長期的に考えれば英国にとってEU離脱する方が絶対にプラスであるため、EUとの合意なき離脱もありなのでは?とも考えられます。

                     

                     もちろんその場合は、EUとの貿易を完全に止めてしまうということになるのですが、そんなことができるのか?という問題もあります。

                     

                     全く妙案がなく先行きがどうなるか?本当に不透明になってきました。ですが、反グローバルでトランプ大統領よりも早く狼煙を上げたメイ首相を、私は応援したい。なぜならば英国国民にとってもその方が幸せになれるはずですし、他国もグローバリズムの思想が欺瞞であることに気付き、一気に反グローバルの流れが加速することは日本にとってもいいことからです。

                     

                     

                     というわけで今日は「否決されてしまった英国のEU離脱案」と題して論説しました。

                     マスコミ報道では、再び国民投票をやるという声もあるようですが、メイ首相は民主主義の破壊につながるとして、これを否定しています。だいたい一度国民投票で決めたものを、もう一回やるというのは、意味不明です。じゃんけんで勝つまでやるというのと同じことであり、民主主義発祥の国では、絶対にありえないことでしょう。

                     日本でも大阪維新の会が、市民投票で一度否決された大阪都構想について、もう一回市民投票をやると主張しています。一度否決されたものを、僅差だったからといって決議されるまで国民投票をやるというのでしょうか?これではもはや「じゃんけんで勝つまでじゃんけんやるの?」という民主主義として到底容認できない話です。

                     英国でそのような愚かなことは無いと思いますが、今後も事態を注視し、無事EUから離脱できるようにと見守りたいと思います。 

                     

                     

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                    フランスで発生しているデモ活動について

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                       今日はフランスで発生しているデモ活動について論じたいと思います。

                       

                       下記はロイター通信の記事です。

                      『ロイター通信 2018/12/11 09:53 マクロン仏大統領、賞与非課税など新たな歳出策発表−抗議デモに対応

                       フランスのマクロン大統領は10日夜、1カ月にわたる「黄色いベスト運動」と呼ばれる政権への抗議デモに区切りを付けることを目指し、国民の懸念への配慮が欠けていたと認め、新たな歳出策を約束した。

                       マクロン大統領は同国のテレビ・ラジオを通じた演説で、企業に年末ボーナスの支給を呼び掛け、残業代などとともに非課税にすることを約束。最低賃金を1カ月当たり100ユーロ(約1万2850円)引き上げるための対策や、年金が月額2000ユーロを下回る年金生活者向けの物議を醸している税金の廃止を打ち出した。

                       同大統領は1週間余りぶりの公式発言で「黄色いベスト運動の怒りは妥当だと私は多くの点で感じている」と述べ、フランスは「社会・経済的な緊急事態」に直面していると付け加えた。

                       大統領演説を受けた活動家の最初の反応は、政府による一連の取り組みでも抗議デモが継続する見通しを示唆している。黄色いベスト運動幹部のジェレミー・クレマン氏は大統領の発表内容が「前向きで、大きな前進だ」と述べた上で、必要とされる一層の改革に取り組むものではないと指摘した。ストラスブールやトゥールーズ、オルレアン周辺道路を封鎖しているデモ隊は仏メディアの記者団に対し、封鎖を解かない考えを示した。

                       マクロン大統領は対策の総額に言及しなかったが、最低賃金の引き上げ対象は160万人に達する。残業代の非課税措置とともに来年早々実施されるが、1月1日とは限らない。フランスの来年の財政赤字は燃料税引き上げ計画の撤回前の時点で既に、国内総生産(GDP)比2.8%に到達すると予想されていた。欧州連合(EU)当局者がイタリアに対しGDP比2%未満に財政赤字を抑制させようとしている状況下で、フランスが歳出拡大に動けば厄介な状況になりかねない。

                       

                       上記の通り、燃料税引き上げへの反発から始まったフランスの抗議デモについて、マクロン大統領はテレビ演説で、ボーナスと残業代の非課税に加え、最低賃金の引き上げや低年金生活者向けの税金廃止を打ち出しました。

                       

                       黄色いベスト運動とも呼ばれる今回のフランスのデモは、車の燃料税増税に反対するトラック運転手らが、ドライバーの安全確保用の黄色いベストを着て抗議したことをきっかけに全土に広がりました。

                       

                       このデモはこれまでのデモと違う点があります。それは庶民がグローバリストのマクロンに抗議しているという点です。

                       

                       フランスは共和主義国であり、デモは一般的であり、日本ではデモ参加といえば普通でないイメージがありますが、フランスでは普通のことです。何がこれまでと違うか?といえば、左派や右派といった政策論争による闘争ではなく、階級闘争に似ています。高額所得者の税金を減らす一方で、庶民の課税はガソリン税・燃料税を引き上げるといっていました。

                       

                       そうした新自由主義・グローバリズム的な政策をずっと推進してきたのがマクロン大統領です。燃料税引上げ表明をきっかけに庶民が多国籍企業、大企業優遇政治に対してマクロン大統領に抗議するというデモが全国に広がったのです。

                       

                       ちょうど日本で消費増税をやっている政府、法人税減税をやっている政府、高額所得者の累進課税を緩和している政府、まさに日本とも重なる部分があります。安倍内閣のみならず民主党もTPP参加表明や復興税創設もグローバリズムです。

                       

                       政府がお金を使うのではなく、被災地からも幅広く集めて復興を助けるなどというのは、復興という目的を掲げておきながら、被災地からも容赦なく税金を徴収するという点で、欺瞞としか言いようがありません。要は庶民からも取ったほうがいいだろう!という話です。

                       

                       この復興税を創設したのは菅直人政権ですが、3.11の東日本大震災の発生がきっかけで、罹災した東北地方からも税金を取るという考えられないことを日本は普通にやってきました。復興税は明らかに増税でインフレ対策です。

                       

                       普通に「建設国債増刷」で公共事業強化の「政府支出増」で復興すればいいのに、なぜか庶民からも税金を徴収するということを今もなお続けています。被災地からも容赦なく税金を掠め取ります。

                       

                       カネカネカネという考えがいかに間違っているか?虎の子の供給力を維持強化して国力増強を図ることこそ、国益につながります。お金をどれだけ政府が貯めたところで、政府の黒字=民間企業の赤字となり、供給力の毀損で国力は弱体化することに気付いていないのです。東北地方の供給力の維持強化に努めるために東北地方は非課税にするという政治家は日本には存在しないのでしょうか?

                       

                       フランスのマクロン大統領の場合は、グローバリズム礼讃でありかつEUに残留してEUにすり寄ることが国益になると考えておられる人です。そのEUではマーストリヒト条約によって、政府の負債対GDP比率で103%以下となるよう定めがあり、デフレ脱却のために大胆な財政支出をしたくても、マーストリヒト条約によってそれができません。

                       

                       イタリアもそれで苦労しましたし、英国の場合はEU離脱にまで発展しようとしています。

                       

                       ブルームバーグの記事では、フランスの政府の負債対GDP比率が102.8%と報じていますが、これが何か問題なのでしょうか?イタリアは102%以内抑制しようとしているとしてポジティブな言い回しをして、フランスの102.8%はネガティブに報じています。

                       

                       だからイタリアもフランスも景気が良くならないのです。景気が悪くデフレから抜け出せないときは、デフレ脱却できるようになるまで政府が負債を増やさなければなりません。

                       

                       たとえマクロン大統領が、庶民デモ活動者の懐柔を狙って低所得者の年金やらボーナスやら非課税にしたところで、財政出動しない限り、経済成長は低迷することとなり、豊かになることはできないでしょう。お金持ちの資産家の人々らだけが、グローバリズムで低賃金の外国人労働者を使って稼ぐという状況を改善することにはならないでしょう。

                       

                       マクロン大統領は、もともと過半数の得票を得て当選した大統領ではありません。フランスではグローバリズムに疲れたフランス国民が溢れる一方、親庶民で排他的なマリーヌ・ルペンと、親庶民で多様化主義のジャンリュック・メランションという政治家らが台頭しました。ルペンは右派的で過激、メランションは左派的で過激などと、日本のマスコミでも報じられていました。

                       

                       ルペンもメランションも過激でも何でもありません。日本のマスコミのこうした報道に私は違和感を覚えます。むしろフランスのデモがこれまでと違う点を、きちんと正しく論じていただきたいものと私は思うのです。

                       

                       

                       というわけで今日は「フランスで発生しているデモ活動について」と題して論説しました。

                       日本では法人税が引き下げられ、その分消費税が増税されて続けてきました。3%→5%、5%→8%と2019年10月の10%消費増税もすべて社会保障のためなどとの名目で消費増税を受け入れてきました。その結果、社会保障費を捻出できたのでしょうか?残念ながらGDPが500兆円で増えていないということですので、社会保障費を捻出できたとは言えません。消費税は一般会計であり、社会保障費に充当するというのも全くのウソです。

                       こうしたウソがまかり通っていることに、私たち日本人も早く気付き、声を上げていかなければ、やがて日本は中国の属国となる日が来ることになるでしょう。

                       そうならないためにも、海外のこうしたニュースについて、現在の日本と照らし合わせ、私たちはどうすべきなのか?考えなければならないと思うのです。

                       

                       

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                      ”ちゃんとEUから離脱しろ!”との与党保守党の声とメイ首相の苦悩

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                         今日は「”ちゃんとEUから離脱しろ!”との与党保守党の声とメイ首相の苦悩」と題して論説します。

                         

                         下記はブルームバーグの記事です。

                        『ブルームバーグ 2018/12/13 06:06 メイ英首相続投へ、与党信任−党首として次期総選挙は戦わず

                         英与党保守党が12日夜実施した下院議員による信任投票の結果、メイ党首(首相)が信任された。勝利したとはいえ、かなりの数の議員が不信任を表明しており、欧州連合(EU)離脱を控えた重大局面で、首相の立場への打撃は避けられない。

                         無記名で行われた信任投票ではメイ首相への支持が200票、不支持は117票だった。首相が今回勝利したことで、反対派は少なくとも今後1年は信任投票によってメイ氏の追い落としを目指すことができなくなる。だが同時に3分の1を上回る議員が、メイ氏に首相であってほしくないと考えている状況が浮き彫りになった。ポンド相場は投票を控えて上昇していたが、予想よりも不支持の票数が大きかったと受け止められたことで、上げ幅を縮小した。

                         信任投票の実施に伴い、メイ首相もかなりの犠牲を強いられた。首相は自分に批判的な保守党メンバーとの内々の会合で、2022年までに行われる次期総選挙に党首として臨まないと明言したと同席した複数の関係者が明らかにした。このような譲歩は、EU離脱が実現する過程で、メイ氏が引き続き英国のかじ取りを担うことを目指すものといえる。

                         メイ首相は首相官邸の前でテレビカメラに向かい、「支持を感謝するが、かなりの数の同僚が私に不信任票を投じた。彼らの主張に私は耳を傾けている」と述べた。

                         ハンコック保健・社会福祉相はスカイニューズとのインタビューで、「本心では次期総選挙を戦いたいと望んでいるが、それができないことは承知していると首相は話した。それについて彼女はかなり感情的だった」と発言。メイ政権がいつまでも続かないと批判勢力を安心させるためには必要な譲歩だったと別の閣僚も匿名を条件に語った。

                         一方、メイ首相が当面どうなるかという問題が決着したとしても、一時的な猶予で終わる可能性が高い。EUが決定した英国との離脱合意案は議会の厳しい反対に直面し、EUからより良い条件を引き出す試みもこれまでのところ成功していない。

                         保守党で離脱推進派のマーカス・フィッシュ下院議員は「首相が勝っても大きな違いはない」と主張。メイ政権を閣外協力で支える北アイルランドのプロテスタント強硬派、民主統一党(DUP)に言及し、「彼女はDUPを制御できず、それは政権に対する信任投票や近い将来の総選挙につながる。われわれは首相の離脱案を支持するつもりはなく、実際問題として彼女は続けることができない」との見方を示した。

                         最大野党・労働党は、メイ政権の信任投票を議会で求め、解散・総選挙に追い込むことを目指すかどうか検討しているもようだ。与党保守党内の批判勢力に首相が勝利したことで、逆に野党の攻勢にさらされやすくなるとすれば、皮肉な結果といえよう。』

                         

                         

                         上記の通り、ブレグジット関連の記事なのですが、英国がEUからちゃんと離脱できるのか?注目されている状況下での信任投票でした。

                         信任投票は日本時間の午前03:00から投票が始まり、過半数の200票となって続投が決まりましたが、投票前にメイ首相は、英国の将来にリスクと不安定を招く党首選となれば、国益のために離脱に向けて仕事をやり遂げると強気の発言をしていました。そうした中での続投結果ということになります。

                         

                         ただ今後の流れは、メイ首相がEUと打開策を協議し、2019年1月21日までにイギリス議会でEU離脱を採決しなければならず、その後に、3/29離脱というスケジュールですが、それまでどうなるか?まだ予断を許しません。

                         

                         なぜメイ首相が不信任といわれているのか?

                         

                         メイ首相は与党保守党のリーダーであり、普通に考えれば日本でいえば内閣総理大臣が不信任案で否決されるのと同じです。にもかかわらず、不信任が成立するかもしれないという状況になっているという理由は、与党の保守党の中でもメイ首相が間違っているのでは?と思っている人が多いということに他なりません。

                         

                         その間違いとは、EU離脱することが間違いということではなく「ちゃんと離脱しろ!中途半端な離脱には反対!」という指摘です。

                         

                         北アイルランドとアイルランドの国境問題が、EUのちゃんとした離脱を困難にしている一番の象徴なのですが、EU離脱という体裁はとったとしても、関税については実質的には現状と変わらない状況になろうとしています。

                         

                         関税の仕組みは今のままとなるであろうという案をメイ首相は主張しているのですが、それに対して「ちゃんと離脱して、EU諸国からの輸入について英国として関税がかけれるようにしろ!中途半端なEU離脱ではダメだ!」というのが不信任の理由です。

                         

                         なかなか解決策が難しいのですが、どう難しいのか?

                         

                         共同体が3つあります。EUという共同体、ユナイテッドキングダム(英国)という共同体、アイルランドという共同体です。

                         

                         解決策が困難なのは、この3つの共同体のうち、どれを絶てるか?ということであるため、これはメイ首相にとって超難問といえます。

                         

                         アイルランドと北アイルランドの国境は、普通につながっています。

                         

                        <アイルランドとイギリスの北アイルランドの位置>

                        (出典:ヤフーの地図から)

                         

                         

                         

                         アイルランドと英国の北アイルランドとの間は、国境線はなく往来は自由であるといわれています。これはコモントラベルエリア(CTA)と呼ばれていて、英国とアイルランドの移動では出入国審査を行わないとしているからです。いわば、アイルランドと英国の北アイルランド間の移動は、日本でいえば東京都と神奈川県を移動するのと同じといえるでしょう。

                         

                         ユナイテッドキングダムとしてはEUからちゃんと離脱するための方策として考えられるのは、アイルランドを分断することです。即ち上記地図上のアイルランドと北アイルランドに国境線を引くということです。

                         

                         これをアイルランドの人が許すか?という問題がありますが、ユナイテッドキングダムとしては、北アイルランドのみを特別な地区にするなどの工夫が必要です。

                         

                         

                         というわけで今日は「”ちゃんとEUから離脱しろ!”との与党保守党の声とメイ首相の苦悩」と題して論説しました。

                         アイルランドといえば、ユーロ加盟国であるために通貨はユーロですが、英国はユーロ加盟国ではないので通貨はポンドです。かつてはサブプライムローンショックで財政破綻もしました。そのため、英国の北アイルランドとアイルランドの間で国境線を引けるのか?具体的には現在実施していない出入国審査を行うようにするというのが可能なのか?大変難しい問題です。日本でも東京都と神奈川県とで国境線を引くとなれば、簡単なことではありません。

                         とはいえ、EUに加盟していれば、自分たちで規制したい法律を制定することはできず、EUで作られた法律は押し付けられ、自主権がないという状況が続きます。

                         困難かもしれませんが、英国がEUからの独立をちゃんと保つためには、北アイルランドとアイルランドの間に、国境線を引く以外に方法はないものと、私は思うのです。

                         

                         

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                        ゴーン容疑者を告発した日本国がフランスからクーデターと言われる筋合いはありません!

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                           今日は「ゴーン容疑者を告発した日本国がフランスからクーデターと言われる筋合いはありません!」と題して論説します。

                           

                           下記は朝日新聞の記事です。

                          『朝日新聞 2018/11/22 11:09 ゴーン容疑者の姉に年10万ドル 日産、業務の実態なし

                           日産自動車が、会長職を解任するカルロス・ゴーン容疑者(64)の姉に対して、2002年から、年10万ドル(約1130万円)前後を支出してきたことが日産関係者の話でわかった。アドバイザー業務の契約に基づく支出だが、社内調査によると、姉に業務の実態はなかった。日産は会社経費の不正支出にあたるとみている。

                          02年は、ゴーン容疑者が日産の社長に加えて最高経営責任者(CEO)も兼ねるようになった翌年にあたる。

                           関係者によると、日産は02年に結んだ契約に基づき給与などとして年に10万ドル前後を支出してきた。累計すると170万ドル近くにのぼるもようだ。

                           ゴーン容疑者に関する内部通報を受けて日産が社内調査を進めたところ、ゴーン容疑者の姉にアドバイザー業務の実績がないことが分かった。

                           日産の幹部は22日午前、「確かに払っていたのに、そういう実態はなかったと聞いている」と報道陣に述べた。

                           日産の西川(さいかわ)広人社長は19日の記者会見で、ゴーン容疑者の不正行為を三つ挙げた。〔魄報酬の過少記載投資資金の私的支出7佝颪良埓技拿个澄今回明らかになった姉への支出は、7佝颪良埓技拿个乏催するとみられる。』

                           

                           

                           上記は日産自動車の代表取締役会長のゴーン容疑者の役員報酬を巡る有価証券報告書虚偽記載関連の記事ですが、記載の通り日産自動車が2002年以降、ゴーン容疑者の姉とアドバイザー契約を結び、毎年現在のレートでおよそ1,130万円を払っていたとの記事です。

                           

                           東京地検特捜部は、姉に業務実態がなく、ゴーン容疑者が会社の経費を私的な目的で不正支出していた疑いで捜査しています。姉はブラジルに住んでいるとのことですが、ブラジルで年収1,130万円というのは、日本でもそこそこの生活ができるでしょうから、ブラジルでは相当のお金持ち富裕層として居住しているものと想像できます。

                           

                           コストカッターの異名を持つカルロス・ゴーン容疑者が、裏では会社を私物化していたという事実が明確になったといえるでしょう。まさにコストカッターと呼ばれたゴーン自身がコストの塊だったというわけです。

                           

                           かつていつ頃か記憶が定かではないのですが、株主総会シーズンを取り上げていたTVのニュース番組で、カルロス・ゴーン氏の高報酬について、株主にインタビューをし、インタビューを受けた株主がカルロス・ゴーンの高報酬を肯定的に発言していたのを見たことがありました。私は有価証券報告書でトヨタ自動車の豊田社長ですら3億円程度なのに、なぜこんな外国人に10億も払うのか?と、反発と疑問が交錯した記憶があります。

                           

                           それでも当時は経営手腕が立派ということで、カルロス・ゴーンは名経営者と言われ続けました。日産自動車は経営が厳しかったため、仕方がないという思いで受け入れていた人もいるでしょうが、今回の事件で少し気持ちが変わったのではないでしょうか?

                           

                           日産自動車は11/22に臨時取締役会を開き、ゴーン容疑者の代表取締役と会長の解任を提案し、提案内容が決裁されました。その一方でフランスのルノーは、会長兼最高経営責任者をと務めるゴーンの解任を見送っています。フランス側とルノー側は、ゴーン氏が今までやってきた日産の経営に対して、どういう容疑をかけられているのか、情報を全部欲しいと要望しているようです。

                           

                           逮捕前、ルノーは日産との経営統合を考えていたということで、これにはフランス政府が非常に前のめりになっていたとされています。ルノーの筆頭株主がフランス政府でもあることから、今回の事件は、もはや企業問題ではなくなってきました。

                           

                           フランス紙では、この事件を日本側のクーデターと報じています。クーデターでも何でもいいですが、100億円の収入を50億に虚偽申告していたということであれば、税金が30億円前後、日本政府の国庫から盗んでいたことに等しいわけであり、税金を過少申告するということは、日本国民からお金を盗んでいるという認識で、東京地検特捜部はゴーン容疑者を取り調べようとしているのです。

                           

                           犯罪者を告発するだけで、たとえそれが何か意図があったとしても、30億円前後も盗まれている日本人から、盗んでいるゴーン容疑者を告発するだけでクーデターと言われる筋合いはありません。

                           

                           日本が過少申告をでっち上げたというならば、クーデターかもしれません。しかし虚偽申告して盗んでいたという事実がある以上、逮捕せざるを得ません。姉は業務実態がないのに、今のレートで1,130万円も毎年送金していたことなど、言語道断です。

                           

                           さらには、レバノン、ブラジル、フランスにも家があり、その費用は日産自動車が払っていたということで、これほど舐めた話はないといえるでしょう。多くの日本人から怒りを買って当たり前です。

                           

                           もともと日産自動車は日本人で経営したかったのですが、日本人が無能で、外国人が有能だからという理由で、仕方なく外国人を不承不承雇っていたわけで、そんな奴に多額のお金をむしり取られていたとすれば、誠に腹立たしい限りです。

                           

                           

                           というわけで今日は「ゴーン容疑者を告発した我が国に、フランスからクーデターと言われる筋合いはありません!」と題して論説しました。

                           

                           

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                             今日はブレグジット(=Brexit イギリスのEU離脱)問題について取り上げたいと思います。

                             

                            下記は日本経済新聞の記事です。

                            『日本経済新聞 2018/11/25 05:49 英・EU、離脱合意を正式決定へ  緊急首脳会議 「合意なし」回避を最優先、懸案は先送り

                             【ブリュッセル=森本学】欧州連合(EU)と英政府は25日、英国のEU離脱交渉の合意案を正式決定する。2019年3月の英離脱まで残り約4カ月。交渉決裂で「合意なし」のまま離脱に向かう最悪の事態はひとまず回避できる見通しだ。しかし、今後の英・EUの通商関係など離脱の核心部分は不透明なまま。英議会が合意案を否決するリスクは消えておらず、企業活動や国民生活が大混乱する無秩序な離脱の懸念も依然くすぶっている。 

                             メイ英首相は24日夜、ブリュッセルのEU本部を訪ね、EUのユンケル欧州委員長、トゥスク大統領と相次いで会談。25日に開くEU緊急首脳会議を前に、最後の調整を進めた。英・EUは25日の首脳会議で(1)英離脱の条件などを定めた「離脱協定案」(2)離脱後の通商など将来関係の大枠を示す「政治宣言」――を二本柱とする離脱交渉合意案を正式決定する。

                             協定案を巡っては、英領ジブラルタルの扱いを巡って領有権を主張しているスペインが不満を表明。正式合意へ最後の懸念材料となっていたが、同国のサンチェス首相が24日に「合意に達した」とし、協定案に賛成する考えを示した。懸案が解消したことを受け、EUのトゥスク大統領は24日夜、首脳会議を正式招集した。

                             合意案は、交渉が決裂して「合意なし」で離脱する事態を回避するのを最優先し、難題を軒並み先送りした。離脱協定案では離脱後も20年末まで英国をEUの単一市場・関税同盟に残留させる「移行期間」を導入。さらに必要ならば最長2年、一回限りで延長を認めることも盛り込んだ。

                             実質的な離脱を先送りした格好で、離脱でEUから国家の主権を取り戻すと訴えてきた英国の強硬離脱派からは「約束違反だ」と反発の声が広がる。移行期間中の英国はEUの法律やルールに従わなければならず、EUへの財政負担も求められる一方、EUの政策決定には口出しできない。

                             英国とEUの離脱後の通商関係など「本丸」の交渉でも、本格的な議論は19年3月の離脱後に先送りした。「政治宣言」案は「包括的な自由貿易圏」を目指すとするなど、あいまいな表現に終始。自由貿易協定(FTA)を軸とする関係をめざすEUと、FTAより深い関係を築きたい英国の溝は開いたままだ。将来の通商関係は依然不透明で、英国では「目隠し離脱だ」との批判も根強い。

                            離脱交渉が難航したアイルランド国境問題も決着を先送りした。英・EUは離脱後も英領北アイルランドとEU加盟国アイルランドの間で「厳しい国境管理」を避けることで一致。移行期間が終わるまでに具体策が見つからなければ、英国全体をEU関税同盟に事実上残し、税関の復活などを避けることで合意した。

                             関税同盟に残れば現状に近い形で物流が確保でき、厳しい国境管理をしなくて済む。しかし英国では、関税同盟への残留が長期化すれば、EU離脱が「名ばかり」になるとの反発が広がる。

                             最長2年の延長を認めた移行期間が、22年に総選挙を控えた英国にとって新たな火種となる可能性もある。もともと与党・保守党の強硬離脱派はEUから早く離脱したいのが本音。2年間の延長になれば、次の総選挙でも英国はまだEUを完全離脱できていない状態になる。離脱を約束してきた強硬派らが選挙で逆風を受けるのは必至だ。

                             英・EUが離脱合意案を正式決定すれば、次の焦点は英国議会での承認手続きに移る。EUとまとめた合意案か、それとも協定なしでの無秩序な離脱か。二者択一を迫るメイ英首相と強硬離脱派らとの攻防が本格化する。』

                             

                             

                             上記記事は、イギリスのEU離脱暫定合意についてのニュースです。EUヨーロッパ連合からイギリスのEU離脱を巡って、イギリスとEU離脱条件に関する協定案が交渉実務者レベルで合意しました。

                             

                             直前にスペインが英領ジブラルタルの扱いを巡って強硬に反発するなど、EU側で足並みが乱れているなどとも報じられましたが、何とか協定案に署名しました。

                             

                             今後、EU離脱に向けて、イギリス議会での承認作業を行い、2019年3月末にはEU離脱。2020年12月末までに自由貿易協定などを交渉する流れとなります。

                             

                             イギリスのメイ首相が2017/01/17にEU離脱を表明してから、2年が経過しようとするところですが、離脱に向けて順調にこぎ付けたといえるでしょう。

                             

                             何しろ、頓挫する可能性もあったため、私はずっと注視していました。なぜならば、EU離脱ができなかった場合、EUの未来は全く変わってきます。今回、イギリスがEUから離脱したことによって、「あぁー!こうやればEUって離脱できるんだ!」と、EUから離脱したがっている他国の見本となるのです。

                             

                             もしイギリスが土壇場でEUから離脱できない場合、そうはならなかったでしょう。きちんと離脱するには、まだ時間がかかりますが、暫定合意でも何でも一旦離脱するという形が取れれば、一歩前進です。

                             

                             イギリスが本当に離脱できるか?について、私たち日本人は十分に見ておく必要があります。もし離脱できなかった場合、結局歴史を戻すことはできないということになり、EUは歴史的必然で、グローバルも同様に歴史的必然となってしまい、流れを変えられないということになってしまいます。

                             

                             ところがしっかり離脱ができるとなれば、EUは確立したものではないということで、グローバリズムも逆流することがあるということが実証されたこととなり、反グローバリズムが一気に加速する可能性があるものとみています。

                             

                             米国の中間選挙では、上院が共和党、下院が民主党となってねじれ状態になり、反グローバリズムの流れが、少しスローダウンした形となったわけですが、イギリスのEU離脱は、欧州で反グローバリズムの動きが加速する可能性が出るといえるでしょう。

                             

                             今回のイギリスが離脱する理由は、いろいろあるのですが、EUに加盟していると、法律を押し付けられ、自分たちが規制したい法律が自分たちで作れないことがあげられます。例えばギリシャ人がギリシャで取得した自動車運転免許で、イギリス国内で自動車を運転できます。これを規制したくても規制できません。

                             

                             いわば中国人が中国国内で取得した免許で、日本の道路を運転するということが可能ということです。日本は国際免許証取得制度がありますが、有効期間は1年と決まっています。EU管内では、自国でそうした規制をかけることができないのです。

                             

                             人の移動の自由では、現時点でイギリス国内で働くEU出身者が国外に強制送還されることはないと予想され、継続雇用にあたっては就労ビザ取得が必要となっていくことでしょう。さらにイギリス国外からのアクセスが自由でなくなることに加え、イギリス国内におけるイギリス以外の国々の企業は、リスボン条約第50条で各国各企業が定めた不測の事態に備える緊急対応プランによって、イギリス国内の雇用者を引き上げる動きも出てくるでしょう。

                             

                             この結果、人材市場において人手不足が発生することとなり、イギリス国内ではインフレギャップが発生することが確実です。

                             

                            <インフレギャップのイメージ>

                             

                             

                             財政政策についても、EUに加盟している限り、マーストリヒト条約によって、財政赤字対GDP比率で3%以内と定められています。財政政策において、赤字額とGDPの比率が3%以内という3%に、学術的な根拠はありません。

                             

                             デフレで苦しんでいれば、3%なんて関係なく、「国債増刷」「財政出動」が必要であり、プライマリーバランスの赤字化の赤字額に、上限を設ける意味は全くありません。デフレ脱却できるまで赤字額を増やし、インフレになったら赤字額を削減もしくは黒字化させればいいだけの話。3%に学術的な根拠はないのです。

                             

                             

                             というわけで今日はブレグジット(=Brexit イギリスのEU離脱)問題について取り上げました。

                             私はEUは欠陥が多い制度であると認識しています。と同時に世界人類が豊かになるための方法として、グローバリズムは抑制されるべきであるということが、EUという仕組みの欠陥をみていると、よく理解ができるかと思います。

                             そしてEUは歴史的必然でも何でもないことを実証していただきたく、イギリスがちゃんとEUから離脱できるのか?今後の推移を見守っていきたいと思います。


                            財政赤字を増やそうとしたイタリア政府

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                               今日は「財政赤字を増やそうとしたイタリア政府」と題して論説します。

                               

                               財政赤字という言葉を聞いて、皆さんはどんな印象を持つでしょうか?財政赤字というキーワードの赤字という言葉をネガティブにとらえる人は多いと思います。

                               

                               日本ではプライマリーバランス黒字化目標というものがあります。基礎的財政収支を黒字にするというもので、国家予算の支出を税収の範囲内で収まるようにするというのがコンセプトです。

                               

                               私はプライマリーバランスを黒字化にすること自体を目標にすることは反対です。なぜならば、プライマリーバランスは常に黒字であることが正しいとか、常に赤字であることが正しいという発想自体がそもそも誤りです。

                               

                               これは消費増税も当てはまります。デフレの時は消費増税をする必要がなく、むしろ消費税をゼロにすることもあり得ます。一方でGDPデフレーターが10%とか、コアコアCPI(生鮮食品とエネルギーの価格変動を除いた消費者物価指数)が10%とか、インフレ率が高いときは、景気の過熱を抑制することを目的に消費税を実施して税率を引き上げることも政策の一つとしてあり得ます。

                               

                               経済政策の議論で思うのは、家計簿の発想を国家の財政政策に持ち込み、黒字でなければならないと考えることが一番の大きな過ちです。

                               

                               日本では相変わらず家計簿発想で「自然災害で出費が増えて”財政ガー”破綻するー!」とか「自然災害に備えるための出費で”財政ガー”破綻するー!」という論説が多いです。そんな中、イタリア政府が財政赤字を増やそうと試みました。下記はブルームバーグの記事です。

                               

                              『ブルームバーグ 2018年10月4日 04:34 イタリア:2020、21年の財政赤字目標引き下げ−EUに一定の譲歩

                               イタリア政府は3日、2019年の財政赤字目標を対国内総生産(GDP)比2.4%とし、20年と21年には同比率を引き下げる方針を表明した。欧州連合(EU)に一部譲歩する形となった。EUはイタリアのトリア財務相に対し、連立与党が要求する歳出予算を抑制するよう圧力をかけていた。

                               イタリアは先週、19−21年の財政赤字目標をいずれもGDP比2.4%とする方針を示していた。
                               財政赤字目標の当初の発表予定日から5日経過しても、イタリア政府はまだ財政計画の根拠となる経済成長見通しを示していない。政府報道官は、こうした詳細の発表は4日になると述べた。

                               コンテ首相は、「われわれは自分たちの約束を尊重する」とした上で、「これは真剣で責任が重く、勇気ある予算だ。イタリアは力強い成長が必要だ」と語った。

                               コンテ首相率いるポピュリスト政権の19年の財政赤字目標は、前政権が掲げたGDP比0.8%の3倍に当たる。トリア財務相は0.8%はもはや達成不可能になったと繰り返し述べていた。現政権は20年に同比率を2.1%、21年に1.8%に引き下げることを目指す。

                               連立政権はまた、債務残高の対GDP比率を21年に126.5%まで引き下げることも約束した。

                               EUの行政執行機関、欧州委員会のモスコビシ委員(経済・財務・税制担当)は、イタリアの財政赤字予測が修正される可能性があるのは「良い兆し」としながらも、19年の目標が修正されなければEU規則に反する恐れがあると指摘した。

                               イタリア連立政権の財政政策を巡る同国とEUの争いは、イタリア国債相場を欧州債務危機のピーク時以来の低水準に押し下げていた。イタリア10年債利回りは2日、14年以来の高水準で取引を終了した。その後、イタリア政府のEUへの譲歩が漏れ伝わったことから、14ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下した。』
                               イタリア政府は先週財政赤字を拡大しようとして、2019年〜2021年の3年間で0.8%の3倍にあたる2.4%にする旨を表明していました。上述のニュースは、EUとしてはイタリア政府の今後3年間の財政赤字目標をー2.4%にすることを許さないと圧力をかけ、2019年度の財政支出対GDP比率ー2.4%の後は、2020年はー2.1%、2021年度はー1.8%にする方針と、イタリア政府が譲歩したというニュースです。

                               

                               下図はイタリアのインフレ率の推移とイタリアの10年物国債の金利の推移です。

                              (出典:世界経済のネタ帳から引用)

                               

                              (出典:Investing.comから引用)

                               

                               2014年度から2016年度にかけて低成長で、2016年度はマイナス0.05%にまで落ち込みました。その後、2017年に1.33%まで上昇しましたが、直近の2018年は1.09%となっています。2017年の1.33%では、まだまだデフレ脱却したとはいえず、しかも2018年度も前年比で落ち込もうとしている状況から、デフレ脱却できていないといえるでしょう。したがって、現在のイタリアは財政出動を拡大すべき局面です。

                               2000年からリーマンショックが発生した2009年を除いて2012年まではインフレ率は2%〜3%台を推移していましたが、インフレ率の推移からみて、明らかにイタリアはデフレ化が始まっていると思われます。

                               

                               日本と異なるのは、金利がやや上昇傾向にあることです。日本ではマイナス金利で国債の増刷の余地が十二分にあるのですが、イタリアの場合は国債の金利が上昇している点が日本と異なります。

                               

                               イタリアはEUに加盟しているため、金融政策の自主権がありません。もし、イタリアがEUに加盟せず、ユーロに参加していなければ状況が変わります。

                               イタリアの中央銀行が国債を買い取って金利を抑制しつつ国債を増刷し、イタリア政府の財政支出増でインフレ率を押し上げるということが可能になるのです。

                               

                               しかしながらそれができず、しかも今回のブルームバーグのニュースのように、EUに財政赤字幅の抑制を求められてイタリア政府は譲歩してしまいました。

                               

                               イタリアは共通通貨ユーロに参加している以上、金融政策に自主権はありません。そのため日本のアベノミクス第一の矢のように金融緩和で国債金利をコントロールすることができません。またEUに加盟しているために、マーストリヒト条約で財政赤字対GDP比率を3%にしなければならないとするルールがあるのです。

                               

                               マーストリヒト条約はEU加盟国に対して、インフレ率の抑制や為替の安定のほか、財政均衡主義を要求しているのです。これらの縛りは、マーストリヒト条約という国際法によって定められているため、イタリア国内の法律よりも優先されます。これは日本でいえば、憲法よりも優先されるという話です。

                               

                               ブルームバーグの記事では、EUの行政執行機関である欧州委員会のモスコビシ委員が、イタリア政府が2020年と2021年の財政赤字対GDP比率をー2.4%からー2.1%、-1.8%へと引き下げて譲歩したことについて「良い兆し」などといいながら、2019年のー2.4%も引き下げるように求めています。

                               

                               モスコビシ委員は、明らかにイタリア政府に緊縮財政を迫っているわけですが、露骨な内政干渉です。とはいえ、イタリア政府はEUに加盟しているため、モスコビシ委員の露骨な内政干渉は許されてしまいます。

                               

                               本来ならばイタリア政府は2021年までー2.4%を継続するべきですし、経済状況によってはさらに赤字を増やしてもいいのですが、イタリアはEUに加盟している以上、財政赤字の額ですら国家主権に基づいて決めることができない状況にあるのが、イタリア政府の置かれている立場です。

                               

                               

                               というわけで今日は「財政赤字を増やそうとしたイタリア政府」と題して論説しました。

                               今日の記事をお読みになった読者の皆様は、なぜイギリス国民が国民投票でEUから離脱をしたのか?理解ができるのではないでしょうか?

                               イタリア政府が財政赤字対GDP比率を十分に拡大しなければ、イタリアは日本と同様に本格的なデフレーションに突っ込む可能性があります。ユーロやEUという仕組みがイタリア経済を縛り付けていることは明白ですが、イタリア政府だけで解決策することは難しい。EUの中の勝ち組のドイツが、日本の地方交付税交付金のように負け組のイタリアに資金を配るくらいが真の解決策かもしれません。

                               ただ日本の地方交付税交付金は日本人同士の助け合い、同胞の助け合いですが、イタリアとドイツは明らかに別々の国民であるため、それは難しいでしょう。となれば、イタリアもイギリスと同じようにEUを離脱するしか方法がないのでは?と私は思うのです。

                               

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                                 トルコリラが急落しましたが、今日はトルコの米国に対する報復関税について取り上げます。

                                 

                                 下記はロイター通信の記事です。

                                『ロイター通信 2018/08/16 04:48 米政府、トルコの報復関税を批判 米国人牧師解放でも関税緩和せず

                                 [ワシントン 15日 ロイター] - 米ホワイトハウスは15日、トルコ政府が米輸入品に報復関税を課す方針を打ち出したことについて「誤った方向に向けた措置」として批判した。トルコによる米国人牧師拘束やその他の外交問題を背景に、両国の関係は悪化。

                                 トルコ政府はこの日、乗用車やアルコール、たばこなど一部の米国製品に対する関税を2倍に引き上げた。トランプ大統領が前週、トルコから輸入するアルミニウムと鉄鋼の関税を引き上げることを承認したと発表したことを受けた動き。

                                 サンダース報道官は記者団に対し「トルコが関税措置を導入したことは実に遺憾であり、間違った方向に向けたステップだ。米国がトルコに課した関税は国家安全保障上の利益を踏まえた決定だったが、トルコの措置は報復に過ぎない」と語った。

                                 その上で、米政府はトルコの経済情勢とリラ相場の動向を注視しているとした。また、トルコが直面する問題は長期トレンドの一環であり、米国の講じた措置によるものではないと強調した。

                                 サンダース報道官はまた、トルコが身柄を拘束している米国人牧師のアンドリュー・ブランソン氏を解放したとしても、米国の関税措置の緩和にはつながらないと言明。ただ制裁措置の緩和にはつながる可能性があるとの認識を示した。

                                 同報道官は「ブランソン氏が解放されても関税措置は解除されない。関税措置は国家安全保障に絡んでいる。ただ制裁措置はブランソン氏を含む、米国が不当に身柄を拘束されていると認識する人々の解放に関連して導入されており、(解放された時点で)解除を検討する」と述べた。』

                                 

                                 

                                 上記の通り、トルコ政府が乗用車やアルコール類などの米国産品に追加関税を課すと発表しました。

                                 

                                 トランプ大統領がトルコから輸入するアルミニウム・鉄鋼の関税を倍に引き上げ、トルコの通貨のリラ急落の一因となりましたが、トルコ政府の米国産品追加関税を課す動きは、このトランプ政権の対応に対する報復措置です。

                                 

                                 また、米国ホワイトハウスの当局者は、トルコ国内で軟禁状態にある米国人牧師について、一週間以内に何らかの対応を取らない場合は、米国はさらなる行動に出るとして、牧師を解放するまで圧力をかけ続けることを示しています。

                                 

                                 もともと今回の米国の対応は、トルコ産のアルミニウム・鉄鋼の関税引き上げは、トルコで軟禁状態にある米国人牧師のアンドリュー・ブランソン氏が拘束されているというのがきっかけの一つとされています。

                                 

                                 トルコの通貨リラの急落で世界経済に混乱を引き起こした両国関係が一段と悪化して、対立が泥沼化していく可能性もあるでしょう。

                                 

                                 米国はトルコ産のアルミニウム・鉄鋼の関税引き上げに対し、トルコ政府は、乗用車120%、アルコール類140%、タバコ60%などなど、様々なものを追加関税の対象にしています。

                                 

                                 こうした両国の動きは、必然的ともいえます。

                                 

                                 大きな背景として、グローバリズムが世界中を席巻していたからです。

                                 

                                 もし、グローバリズムの進み具合が弱ければ、報復するとかしないとか、貿易戦争などと言われていますが、何されても関係がありません。したがって、報復関税が大きく影響をもたらすということは、米国とトルコの関係が深く結びすぎているからに他なりません。

                                 

                                 もともと国家のガバナンス、即ち政治的なコントロール内にグローバリズムを進めていく分には、安定的にグローバリズムの環境が保たれることもあり得ます。

                                 

                                 ところが、政治的なコントロール以上に自由貿易を進めてしまった場合、こうした格好で急に引き締めるということが起きて、リスクが大きくなるのです。

                                 

                                 グローバリズムで関税を引き下げ、他国と関係を深くしていくと、政権が代わって方針が変わるなど、このようなリスクは普通に存在します。その意味で、今回の両国の対応は、政府の政治的なコントロール以上に自由貿易を進めてしまったことによる当然の結果といえるでしょう。

                                 

                                 

                                 

                                 というわけで、今日は「米国とトルコの貿易戦争」と題し、ロイター通信の記事を紹介しました。今回の米国とトルコ間のお互いに関税強化する動きは、ある意味で第一次世界大戦や第二次世界大戦が引き起こされた状況と似ています。

                                 グローバリズムは自国で考えた場合、輸出は射撃であり、相手国に失業増という傷を残す一方、輸入は味方の損害です。グローバリズムは、結果は自己責任としていますが、自己責任となった業種の供給力が崩壊すれば、その業種について他国依存となります。これが何かをきっかけに関税引き上げという形で、外交カードになってしまうのです。外交カードを持たれると、その分言いたいこと、やりたいことができなくなります。即ち国力の弱体化、安全保障の弱体化です。

                                 この米国とトルコのやり取りを見ていますと、グローバリズムが戦争や紛争を導くきっかけになっていることの一例であり、グローバリズムを過度に推進することは危険であるということが、よく理解できるのでは?と考えます。


                                EUは、このままだと解体か?

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                                   今日は、「EUは、このままだと解体か?」と題して、論説します。

                                   

                                   EUといえば、2017年1月17日の英国メイ首相によるEU離脱宣言、スペインカタルーニャ独立問題、フランスにおけるマリーヌ・ルペン氏の台頭、イタリアの南アフリカ難民受入問題、ドイツのドイツ銀行危機とメルケル首相の支持率低下など、EUという体制を維持するにはネガティブなニュースが続いております。

                                   

                                   EUは、もともとフランス・ドイツ・イギリスという超大国に加え、イタリア・スペインといった周辺国が集合体となったという構造ですが、この構造そのものが弱体化しているというのが、現在のEUの状況であるといえます。

                                   

                                   例えば、ドイツ銀行の経営危機に関していえば、経営危機に陥っているドイツ銀行を、メルケル首相は救済する意思表示をすればいいのですが、かつて自らが他国の銀行の経営危機に対して、国家による救済は許さないとしてきたことから、簡単にドイツ銀行の救済ができない状況です。

                                   

                                   ドイツの危機がさらに表面化して、ドイツの危機が深まり、ドイツが瓦解すると、EUも瓦解せざるを得ないでしょう。

                                   

                                   また、メルケル政権が崩壊すれば、EUの指導力を持つ大国が消えることになります。短期的にはメルケル首相のような頑固な人がいなくなったほうが、銀行の救済をしやすくし、EU各国にとっては経済政策をやりやすくなってEUとしてまとまる可能性ががあります。

                                   

                                   とはいえ、中長期的には指導力を持つ国がいなくなることで、バラバラになっていくこともあり得ます。

                                   

                                   どちらに進むにせよ、EUは解体に向かう可能性が高いのでは?と思うのです。

                                   

                                   ドイツはEU内では大国であり、GDP的にも人口的にも一番の大国です。もう1つの大国であるイギリスがブレグジットで出ていくことで、EUは組織力・まとめる力が一気に小さくなります。

                                   

                                   最近ではトランプ大統領が、フランスのマクロン大統領に対して、「EUを離脱したらどうか?」と提案したことが話題になっています。マクロン大統領はEUと緊密に連携をとるとして、フランスの主権回復を訴えてEU離脱を主張するマリーヌ・ルペン氏と大統領選挙を争って当選しました。マクロン大統領としては、トランプ大統領にEU離脱の提案を受けたとしても、そう簡単に受け入れることはできないでしょう。

                                   

                                   ドイツ銀行の株価が下落して、それを買いざさえたのは、中国の海南航空を事業ベースとしている海航集団でした。そして、フォルクスワーゲンの不正排ガス問題でみた場合、フォルクスワーゲンのメインバンクはドイツ銀行です。

                                   

                                   ドイツ銀行がおかしくなった場合、フォルクスワーゲンの経営もおかしくなり、世界最大の部品企業であるボッシュの経営もおかしくなって、結果的に中国の製造業の基盤も壊れるというリンク構造があります。

                                   

                                   世界経済を考えれば、リーマンショックのような事件が起きる兆候ともいえる事象が既に目の前にあり、メルケル首相はドイツ銀行の救済を急ぐべきなのですが、メルケル首相に救済の意思表示がないため、ドイツ銀行株が株式市場で売られているという状況が

                                  続いています。

                                   

                                   救済しない場合は、中国の経済まで壊れるという波及リスクもあるため、救済以外はどうしようもないのです。

                                   

                                   ドイツ銀行の2017年12月末での総資産は、世界金融機関ランキングで17位です。

                                   

                                  <世界の金融機関の総資産ランキング(2017年12月末時点)>

                                   

                                   上表の通り、17位に位置するドイツ銀行の総資産額は1兆7,668億ドルです。

                                   

                                   これは、ゆうちょ銀行1兆8,735億ドル(13位)、みずほフィナンシャルグループ1兆8,501億ドル(14位)、三井住友フィナンシャルグループ1兆8,474億ドル(15位)といった日本の金融機関1行に匹敵します。日本における有力な金融機関1行が経営破綻となれば、これは大変なことで世界経済へ大きな影響があるレベルの規模です。

                                   

                                   そして、ドイツ銀行に資金を貸しているアメリカの銀行や、日本の銀行もあります。

                                   

                                   こうした構造を踏まえますと、国際金融的に怖いのは、システミックリスクとカウンターパーティーリスクの2つのリスクです。

                                   例えばドイツ銀行の取引相手、取引銀行のリスクであり、それが連鎖するシステムのリスクです。

                                   

                                   このリスクをどうやって排除していくべきか?これをやらないとリーマンショックのような金融危機の発生が現実のものとなる可能性があります。

                                   

                                   米国のトランプ大統領のグラス・スティーガル法復活は、商業銀行業務と投資銀行業務の併用を規制することを目的にしていますが、米国の銀行の経営リスクを未然に防ぐという意味で、理に適っています。

                                   

                                   米国に限らず、他国もこうしたリスクを認識しながら対策をとる必要があります。なぜならば、放置した場合、実際に金融危機が発生したときのダメージが大きくなるからです。

                                   

                                   

                                   

                                   というわけで、「EUは、このままだと解体か?」と題して論説しました。日本の場合、需要削減の消費増税8%→10%がスケジュール化されていますが、リーマンショッククラスの問題が発生したら、消費増税しない可能性があります。

                                   とはいえ、そうなったとしても、それは付け焼刃的な発想であり、もともとのプライマリーバランス黒字化目標が残っている限り、常に消費増税しなければならないという発想から抜けきることはできないでしょう。

                                   インフレで物価上昇を抑制する必要があるのであれば、消費増税も選択肢の一つとしてあり得ますが、日本はデフレですのでインフレ対策ではなく、デフレ対策が必要です。

                                   具体的にいえば、「国債増刷」と「政府支出増」の2つの組み合わせなのですが、いつからこの組み合わせに舵を切るのか?EU解体や中国の台頭といった世界情勢を踏まえれば、早く日本を外需依存を引き下げ、国内需要主導の経済にしていく必要があると、私は思うのです。

                                   


                                  ドイツ銀行の経営危機で、メルケル首相に強烈なブーメランが炸裂!

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                                    JUGEMテーマ:グローバル化

                                     

                                     前回は「ドイツで起きている2つの問題」ということで論説しましたが、今日は2つの問題の中でもドイツ銀行の経営危機に焦点を絞って、CoCo債という仕組み債を発行したことで、経営が深刻な状況になっていることをお伝えしたいと思います。

                                     

                                     少し古い記事ですが、ブルームバーグが2018年3月27日に取り上げたドイツ銀行のCoCo債リスクについての記事をご紹介します。

                                     

                                    『ブルームバーグ 2018年3月27日 15:35 JST ドイツ連銀がCoCoのリスク警告−トリガー発動なら投資家動揺も

                                     欧州を中心に発行されてきた偶発転換社債(通称CoCo)は、金融機関が苦境に置かれた際に損失吸収に充当し、公的資金による救済を回避する目的で金融危機後に考案された。銀行の健全性の向上に寄与するはずだったが、新たな危機を引き起こす結果となる恐れがある。

                                     市場規模が1786億ユーロ(約23兆5000億円)相当に上るCoCoは、ほぼ試練に遭うことのない状態がこれまで続いてきた。ドイツ連邦銀行の3月の月報によれば、規模が拡大する場合は特にそうだが、一定の条件の下で株式に転換されることなどを定めたトリガー条項が実際に発動されれば、投資家を動揺させ、他の金融機関の安定を損なうこともあり得る。

                                     2016年にはドイツ銀行によるCoCoのクーポン支払い能力を一部のアナリストが疑問視し、投資家は似たような状況を少し経験した。クーポンの支払いは行われたが、不安に駆られた顧客がビジネスを他の取引先に移し、ドイツ銀の収入減少につながった。

                                     CoCoは発行体の自己資本比率があらかじめ定められた水準を下回った場合、株式への転換や元本の削減が行われるほか、発行体の裁量でクーポンの支払いを停止することもできる。自己資本トリガーの発動基準は現在、CET1(普通株式等ティア1)比率で5.125%に設定されているが、発動を容易にするために欧州の監督当局は引き上げを検討すべきだとドイツ連銀は主張した。』

                                     

                                     

                                     上述のブルームバーグの記事ですが、欧州の金融機関を中心に発行されたCoCo債についてリスクが大きいと警告しているニュースです。

                                     

                                     リーマンショック、サブプライムローンショックが発生した際、米国の金融機関は倒産を防ぐために、保有資産の売却を推進しました。ついでに投資銀行業務も縮小させていきました。日本では銀行業務、証券業務は、本体で併営することができません。即ち銀証ファイアーウォールというものがありますが、米国は銀行が証券業務を併用することができます。

                                     

                                     投資銀行業務とは証券業務といい、商業銀行業務のことを銀行業務といいます。日本では、みずほ銀行が証券業務を行うことはできないため、みずほ証券という証券会社があります。三井住友銀行でいえば、日興コーディアル証券が証券業務をやっており、日興コーディアル証券は、SMBCグループの一員です。三菱UFJ銀行の場合は、三菱UFJモルガンスタンレー証券が証券業務をやっています。このように日本では商業銀行が投資銀行業務を行うことができないのですが、米国では可能となっています。

                                     

                                     銀証ファイアーウォールというのは、銀行が集めた預金で証券業務と行えるとなると、リスクの高い金融商品を買うことがあり得ます。そうしたリスクの高い金融商品に手を出すことで、万一その金融商品が紙くずとなった場合に、預金が戻らなくなる可能性が

                                    あるため、規制しているものです。

                                     

                                     米国国内では、かつてグラス・スティーガル法という法律によって、銀証ファイアーウォールがあったのですが、クリントン大統領が1999年に廃止法案に署名し、商業銀行が投資銀行業務を併営できるようになっているのです。これは日本でいえば、三菱UFJ銀行や三井住友銀行、みずほ銀行などの銀行が直接証券業務ができるようになったことを意味します。預金をリスクの高い有価証券に投資することが可能になり、銀行のリスクが高まることから日本では銀証分離を基本としていましたが、業務分野の規制緩和により、子会社方式での相互参入が認められています。(子会社方式での相互参入の例:みずほ銀行とみずほ証券、三菱東京銀行と三菱UFJモルガンスタンレー証券など)

                                     

                                     トランプ大統領は、グラス・スティーガル法を復活させて規制すべきであると主張していますが、米国では今後どうなるか?私は注目しています。

                                     

                                     ドイツ銀行の話に戻しましょう。

                                     

                                     リーマンショック、サブプライムローンショック発生時に、米国の金融機関は資産売却を進める一方、その資産を逆に買い向かったのがドイツ銀行です。

                                     

                                     米国の銀行が規模縮小する中で、逆にドイツ銀行は規模拡大を図りました。今、この時の規模拡大の方法に、大きな問題があったと言われているのです。

                                     

                                     米国とは異なり、欧州ではリーマンショック発生時に、資産の時価評価を放棄するという手法を取り入れました。時価評価を放棄するとは、本来であれば保有資産が価格下落で毀損しているにもかかわらず、その評価損を表に出さないで簿価などで評価することを意味します。

                                     

                                     欧州の金融機関は、この手法で損失を表面化させることはなかったものの、不良債権を資産内に抱えたまま業務を拡大していきました。

                                     

                                     特にドイツ銀行の場合は、米国が売った資産をどんどん買収していきました。本来、必要な資本増強もCoCo債を発行して、ごまかしてきたのですが、この時の本質的な問題解決をしなかったすべての問題が、今表面化してきているという状況なのです。

                                     

                                     CoCo債発行の問題自体は、2016年に指摘されており、2年前にドイツ銀行の株価は暴落しました。この暴落したドイツ銀行の株式を買い支えるために出資したのは、中国の海航集団で、HNAインフラストラクチャー(香港株で証券コード:0357)という企業のグループです。海航集団は、海南航空というエアライン事業がベースですが、その海航集団がドイツ銀行を買収したのでした。

                                     

                                     今、ドイツ銀行の筆頭株主は、その海航集団です。ところが海航集団もまた11兆円もの巨大な有利子負債を抱え、2018/07/04にはナンバー2がフランスで事故死するなどの混乱もあって国有化の危機になっています。つまりドイツ銀行の筆頭株主が新たな出資ができる状況ではないのです。

                                     

                                     この状況であれば、本来ドイツ銀行は規模縮小をするべきですが、保有資産を売却や、融資の貸し剥がしをした場合、高値掴みしたものを投げ売る必要があって、損失が表面化します。

                                     

                                     その際、資本増強することも可能なのですが、過去にCoCo債というリスクの高い資金調達をしてきたため、増資で一株当たり利益希薄化によって株価が下がると、どんどん暴落してしまう可能性があるのです。

                                     

                                     本来ならば、ドイツ政府やEUが救済に走るべき状況です。ところが、ドイツのメルケル首相は、かつてリーマンショック、サブプライムローンショックのとき、EU域内のドイツ国外の他国の経営に陥った銀行に対して、「国による救済は許されない!まかりならん!」と言っていました。

                                     

                                     そのため、メルケル首相としても、ドイツ銀行が瀕死の経営危機に陥ったとしても、手出しができる状態ではありません。他国の銀行に対して「政府の救済は許さない!まかりならん!」と言ってきたメルケルにとって、まさにブーメランとなってメルケル首相を襲ってきたと言えるでしょう。

                                     

                                     

                                     というわけで、今日はドイツ銀行の経営危機についてお伝えしました。EUと経済連携協定を交わした安倍総理ですが、EU発のリーマンショックのようなものが発生する可能性があるため、外需に頼るのではなく、内需に頼る政策をとるべきであると考えます。具体的には、日本国内のインフラ整備をはじめとする内需拡大であり、政府支出増です。

                                     ドイツ銀行の危機は、中国の海航集団も絡み、解決は難しいでしょう。やがてEUは解体するかもしれません。となれば、7/17にEUとEPA(経済連携協定)に署名した安倍首相ではありますが、そもそもEUと経済の振興を今以上に深めていくこと自体、先行き日本にリスクとなってくるのではないか?と、私は思うのです。

                                     

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                                    ドイツで起きている2つの問題

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                                       今日は「ドイツで起きている2つの問題」と題し、ドイツについて取り上げます。

                                       

                                       今、ドイツでは2つの問題が起きていると言われています。

                                       

                                       1つ目は、メルケル政権分裂の危機です。

                                       

                                       移民問題をめぐる議論で、ドイツのメルケル首相と、ホルスト・ゼーホーファー内相との間で対立が生じています。特に南部のバイエルン州は、難民が入ってくる入り口にあたるのですが、バイエルン州は難民を受け入れたくありません。

                                       

                                       一方でメルケル首相は、無制限に移民を受け入れると表明した張本人であり、この移民問題で大きな対立が生じています。

                                       

                                       2018/07/06〜2018/07/07にかけてEU首脳会談が行われ、EU圏内で難民に対してどのような解決策があるのか?議論が行われました。一応、議論はまとまったものの、中身的にはあいまいでいい加減なものが多い内容となっています。地政学的に難民受け入れの玄関となっているイタリアは「イタリアだけが多くの移民を受け入れているのは不公平」として、難民受け入れの分担を提案して、なんとか合意したという状況です。

                                       

                                       その上、トルコに難民を追い返すという政策をとっていますが、トルコとEUとの関係もおかしくなってきており、トルコがいつまで難民を受け入れ続けられるか?不明な状況です。

                                       

                                       このように難民によってヨーロッパがおかしくなってきている中で、ドイツ政権もCDU(ドイツキリスト教民主同盟)、CSU(キリスト教社会同盟)の連立政権となっています。

                                       

                                       もし、メルケル首相とゼーホーファー内相との間が完全に決裂すると、連立崩壊となります。

                                       

                                       2つ目は、ドイツ銀行の問題です。ドイツ銀行が米国のストレステストと呼ばれる銀行のテストで、重大な脆弱性があるということで、不合格になりました。

                                       

                                       FRBによるストレステストでは、資本的な問題と内部の監査状況、具体的にはマネーロンダリングが行われていないか?と、資金が健全に運用されているか?の2つをチェックします。

                                       

                                       ドイツ銀行はこの2つが不合格でした。

                                       

                                       米国のストレステスト自身は、罰則規定もなければ強制権もありませんが、ストレステストに落ちたということ自体、銀行としてリスクがあるとみなされます。

                                       

                                       下記のチャートの通り、現在ドイツ銀行の株価は一時の高値と比べて3分の1以下と、リーマンショック時の株価水準で低迷しています。

                                       

                                       

                                       ドイツ銀行がこのままちゃんと運営できるのか?新たなリーマンショックのような金融危機が発生する可能性もあり、ドイツ銀行の今後の行方を注視したいと思っております。

                                       

                                       

                                       というわけで、今日は「ドイツで起きている2つの問題」をご紹介しました。

                                       

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                                         随分とご無沙汰にしてしまいました。実は東京都杉並区のアパートから東京都世田谷区のマンションに引っ越しして、PCを買い替えるなどしたため、1か月ほどお休みしました。杉っ子という名前を使うのもどうか悩みまして、ドメインも新たなものも取得しましたが、ドメインも変えず、ほぼ1か月半ぶりに記事を書きます。

                                         

                                         今日は掲題の通り、フランスのニュースについて論説します。

                                         

                                         下記は産経新聞のニュースです。

                                        『産経新聞 2018/06/28 19:11 仏政府 大統領公約の「徴兵制」、16歳国民に一カ月の義務奉仕 軍事側面は後退 民間奉仕に軸足

                                        徴兵制復活はマクロン氏が昨年春の大統領選で公約。大統領就任後の今年1月、軍幹部を前に実施の決意を示した。背景には2015年以降、国内で相次いだイスラム過激派テロで、実行犯の大半がフランス生まれの移民2世だったことがある。社会で疎外されがちな2世と白人の若者が共同生活を送り、連帯感や国民意識を高めることを狙った。マクロン氏は「国民結束の機会」と述べ、海外派兵や戦力育成が目的ではないと強調していた。

                                         しかし今月初め、大学生や青年団体など約10組織が日曜紙で、一方的な徴兵制導入に抗議する共同書簡を発表し、「押しつけには反対。奉仕活動は国民が選択できる制度にすべきだ」と訴えた。国会では「軍の負担増大につながる」との懸念も出て、政府は方針修正を迫られたとみられる。

                                         制度は年間60万〜80万人の参加を見込んでおり、年30億ユーロ(約4千億円)かかるとの試算がある。(後略)』

                                         

                                         

                                         上記記事の通り、フランス政府は2018年6月27日に閣議で、16歳前後の男女に、最低一か月の普遍的国民奉仕を義務付ける計画案を発表しました。

                                         

                                         理由は相次ぐテロ、移民大量流入で危機感が高まる中、若い国民の結束を図るのが狙いとされています。フランス政府は近く、学生団体などとの協議で、実施策を詰め、来年から段階的に導入したい方針としています。

                                         

                                         マクロン大統領は、2017年の大統領選挙において、徴兵制の復活を公約に掲げていましたが、軍事的な側面は大きく後退したと言えるでしょう。

                                         

                                         もともとマクロンは、極右とレッテル貼りされた国民戦線のマリーヌ・ルペン党首と異なり、右翼ではない候補者として立候補した大統領です。

                                         そのマクロンですら、徴兵制復活を主張しているというのは、これがフランスにとっていかに切実な問題であるか?ということを意味しているといえます。

                                         

                                         各国にとってナショナリズムとは、国家を強くしていくうえで重要な資産であり、必要不可欠なものです。ナショナリズム(=Nationalism)は”国家主義”と訳されますが、国民全体の結束の強さを示します。国民全体の結束が強ければ、国家的な様々な問題を乗り越えていくことができるのです。

                                         

                                         例えばデフレ脱却、人手不足、憲法問題、地政学的な問題などなど。

                                         

                                         国家的問題を乗り越えていくには、国民が一丸となるナショナリズムが必要不可欠なのです。

                                         

                                         ところが、昨今はすべての国家で、グローバリズム思想が広がったため、その弊害がありとあらゆるところで出てきています。ナショナリズムは、絶対に必要であり、国家としての資産であるということを私たち国民は、あらためて認識する必要があるでしょう。

                                         

                                         フランスでいえば、そのために一番手っ取り早い方法の一つとして、マクロンは徴兵制の復活を公約に掲げていました。

                                         

                                         今回の産経新聞の記事をみますと、残念ながら難しい。ナショナリズムを高めるのは、大変難しいのです。なぜならば、急に仲良くしろ!といわれてもできないからです。

                                         

                                         結局、今回のこの問題では、マクロン大統領は若者から大きな反発を強烈に浴びています。マクロン大統領の徴兵制復活が、フランスの国益的には正しい考えだったとしても、今これを無理に実施すると、いびつな形で行われたりして、結束するどころか、分裂することになりかねません。

                                         

                                         ナショナリズムを高める対策の難しさを示している記事といえるでしょう。

                                         

                                         記事によれば、国民奉仕というのは、最初の1か月は義務方式で共同生活を行い、2段階目では任意参加で16歳〜25歳の若者が3か月〜1年間任意で参加するとされていますが、先行きどうなっていくのか?注目です。

                                         

                                         

                                         というわけで、今日はフランスのマクロン大統領が公約に掲げていた徴兵制復活が大きく後退してしまった旨の記事を取り上げさせていただきました。

                                         


                                        EU離脱決定以降賃金が上昇しているイギリス

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                                          JUGEMテーマ:外国人労働者問題

                                          JUGEMテーマ:経済成長

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                                           今日は「EU離脱決定以降賃金が上昇していイギリス」と題し、イギリス国内で人手不足が深刻化して、賃金が上昇していると報じている新聞記事をご紹介します。

                                           

                                           下記は日本経済新聞の記事です。

                                          『日本経済新聞 2018/01/26 英で移民流出加速 企業は頭を抱える

                                          1年のうち、病気欠勤が一番多いのが1月だといわれている。寒い日は、働くよりも暖かい布団にくるまって過ごしたいと思うのは、多くの労働者の心情である。

                                          だが、クリスマス休暇明けに労働者が本当に戻ってこなかった、という会社もある。欧州連合(EU)諸国から英国に働きに来ている労働者が故郷で1週間を過ごし、英国に戻る気を失うケースがあるのだ。

                                          彼らにしてみれば、英国の気候の悪さに加えて為替はポンド安と、この国で働く魅力は薄れている。そしてもちろん、英国にEU離脱が迫っていることも理由の一つだ。

                                          EU離脱を決めた2016年の国民投票以降、英国を出ていく欧州大陸からの移民の数は急増した。投票後、17年6月までの1年間に12万3000人が荷物をまとめた。その前の1年間と比べると、2万8000人も出国者が増えている。EU市民の中で、英国に移り住む純移民の数は43%減った。「A8」と呼ばれる東欧8カ国の市民に限定すると、減少の割合は81%にまで上る。

                                          英国の労働市場はただでさえ逼迫している。それゆえ、移民の減少で求人がさらに難しくなる恐れがある。失業率は4.3%で、1975年以来の低い水準だ。既に一部の産業では、企業が退職者の穴埋めにきゅうきゅうとし始めた。

                                           熟練を要する職種の中でも特に不足しているのが調理師だ。建設業界が2016年に行ったある調査の報告書によると、英国の労働力人口は、10年以内に20〜25%減少する可能性があるという。

                                           労働力の減少は、英国に良い効果をもたらすとの主張もある。近年、外国人労働者であふれてしまったことが、低賃金の職種において賃上げの抑制要因になっていたと考えられるからだ。移民労働者が減れば、企業も地元の低熟練労働者を訓練すべく、技術投資を増やさざるを得ないだろう。そうなれば、現在低水準にある英国の労働生産性も改善すると考えられる。

                                          ■農業労働者は実質賃金が上昇

                                           この議論は実際に、1月に発表された統計によって裏打ちされた。17年7〜9月期の英国の労働生産性が、前期比で1%近く上昇したというのだ。これは、11年以来となる大幅な上昇だ(もっとも、17年上半期の数値は悪いものだったが)。

                                           しかし指標を見る限り、労働力の枯渇に対する企業の対応は鈍い。

                                           地元の労働者を確保し、EU国籍の従業員を引き留めるには、まず賃上げに対応する必要がある。既に賃上げに動いた雇用者もある。移民労働者の減少の影響を特に受けやすい農業分野では、17年10月までの3カ月で年間の実質賃金が3%以上上昇した。この上昇率は、ほかのどの業種よりも大きい。

                                           だが、移民労働者を多く抱えるほかの分野では、むしろ逆の動きが見られる。同じ3カ月間に食品製造業の賃金は1%、建設業の賃金は0.2%減少した。

                                           労働力を確保するもう一つの方法は、労働条件の改善だ。英国の調理師労働組合クラフト・ギルド・オブ・シェフスの委員長を務めるアンドリュー・グリーン氏は、賃金の低さと同じくらい、厨房でのいじめの文化がこの職業から新人を遠ざけていると指摘する。同氏自身、数十年前にオーブンで肉などを焼く際に使用するトレイやポットを投げつけられた時のことは忘れられない。当時と状況はさほど変わっていないことを同氏は認めている。

                                           調理師の労働時間は時に週70時間に上る。この問題の改善に取り組む飲食店も出始めた。ロンドンのル・ガヴローシュやノッティンガムのサット・ベインズなど、ミシュランの星が付くレストランでさえ、従業員を確保するために営業時間を短縮した。(後略)』

                                           

                                           

                                           移民を受入れると生産性は低下し、逆に移民を受入れなければ生産性が向上する。それを示しているのが今のイギリスです。2016年6月23日にイギリスはEU離脱を国民投票で決めました。その後、イギリスから移民が大流出し、2017年6月までの1年間で12万人以上がイギリスを去ったとされています。

                                           

                                           EU市民の中でイギリスに移り住む純移民数は43%減少し、中でもチェコ、エストニア、ラトビア、リトアニア、ハンガリー、ポーランド、スロベニア、スロベキアという2004年にEU加盟した中東欧8か国に限定すれば、8割超もの移民がイギリスを去ったと記事では報じられています。

                                           

                                           結果的に、現在イギリスは人手不足が深刻化しています。移民労働者減少の影響を受けやすい農業分野では実質賃金が3%も上昇したとも報じられています。

                                           

                                           イギリスはグローバリズムに背を向け、事実上移民制ををし結果、人手不足が起き、その人手不足問題を「技術投資」などの生産性向上で乗り切ろうとしたことで、イギリス国民の生産性が向上しました。生産性の向上とは、一人当たりGDPの上昇であり、実質賃金上昇をもたらします。

                                           

                                           イギリス国内のマスコミも「労働力の減少は、英国に良い効果をもたらすとの主張もある。近年、外国人労働者であふれてしまったことが、低賃金の職種において賃上げの抑制要因になっていたと考えられるからだ。移民労働者が減れば、企業も地元の低熟練労働者を訓練すべく、技術投資を増やさざるを得ないだろう。そうなれば、現在低水準にある英国の労働生産性も改善すると考えられる」と書かざるを得ないくらい、イギリス国内は、生産性向上に向けた投資が高まる気運が盛り上がっています。

                                           

                                           日本は逆の発想。イギリスに限らず、アメリカもそうですが、イギリス、アメリカは自国民ファーストの政策を推し進めている一方、日本は移民を受け入れ、しかもデフレを放置している状況なので、企業は生産性向上のための投資をせず、移民受入を推し進めようとしているのです。

                                           

                                           イギリスのEU離脱について、日本のマスコミはネガティブな報道をしてきました。竹中平蔵氏はパソナの取締役をやっておりますが、彼は楽天証券主催の基調講演で当時、イギリスで起きているEU離脱の動きについて、「過激なナショナリズム」と称し、ネガティブに論説をしていました。グローバリズムで自由が正しいと思い込んでいる、もしくは自分の論説が誤っていたとしても過去から主張し続けてきたために覆せないのか?やがて竹中平蔵氏はダンマリになるのではないでしょうか?

                                           

                                           

                                           というわけで、今日は日本経済新聞の「EU離脱を決めたイギリスで賃金上昇が起きている」という記事をご紹介しました。コンビニや居酒屋では何かと外国人が多くなった日本ですが、これではコンビニ、居酒屋で働く日本人の賃金は抑制されます。移民の定義は、国連人口部によれば、12か月以上その国にいること、であり、日本のコンビニ、居酒屋で働く外国人労働者は文句なく移民です。「移民受け入れる」というと日本人もさすがにアレルギーがあるでしょうから、あえて「移民」という言葉を使わず、外国人実習生などと語彙を変えて、日本に移民を受入れを推進しているというのが現在の日本です。

                                           デフレ脱却に拍車をかける外国人労働者の流入は、断固として阻止しなければならないと思うのは、私だけでしょうか?外国人労働者の受入を規制すれば、コンビニ業界はレジロボや塗布半導体を使ったRFIC電子タグを使った自動コンビニ化のための投資をせざるを得ません。居酒屋業界でも生産性向上のための投資をせざるを得ません。マクロ経済を理解すれば、誰もが移民受入が自国のためにならないということを理解できるものと私は思っております。


                                          2017年は穀物生産が過去最高のロシア、輸出拡大を狙うもインフラ整備が足かせに!

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                                             今日は、日本経済新聞の記事の見出しをそのまま表題にしました。「2017年は穀物生産が過去最高のロシア、輸出拡大を狙うもインフラ整備が足枷に!」と題し、インフラがどれだけ重要であるかを、ロシアの事例で改めて論じたいと思います。

                                             

                                             下記は2016/12/26に報道されたロシアの穀物生産が過去最高になったとする日本経済新聞の記事です。

                                            『2017/12/26 22:30 ロシア穀物生産、過去最高 輸出拡大狙うも、インフラ整備が足かせに

                                            【モスクワ=小川知世】ロシアの2017年の穀物生産が1億3000万トンに達し、過去最高を記録した。小麦などの収穫増を受けてプーチン政権は輸出拡大を急ぐが、港湾や内陸輸送網の整備が追いつかずに足かせとなっている。輸出できない余剰穀物が国内で積み上がり、18年以降は生産量も減少に転じる見通し。世界の穀物市場で存在感が増すなか、穀物輸出の拡大がロシア経済の浮沈の鍵を握る。

                                            「歴史的収穫量だった。輝かしい実績だ」。プーチン大統領は12月中旬の年次記者会見で、農業分野の成長をこう自賛した。ロシア連邦統計局によると、同国の17年の穀物生産は16年比11%増の1億3410万トン(速報値)に達し、過去最高だった1978年の1億2700万トンを上回った。好天が続いたことや、生産技術の向上が寄与したとみられる。

                                             国連食糧農業機関(FAO)によると、16年の穀物生産でロシアは中国、米国、インドに次ぐ世界4位。世界の穀物市場で存在感を増す。今穀物年度(17年7月〜18年6月)の輸出量は前年同期比3割増の4500万トンを見込む。国内の余剰穀物を輸出に向け始めた00年代初期に比べて数十倍に拡大。輸出先もアフリカやアジアなど100カ国超と急速に広がっている。

                                             政府は輸出拡大に向けたインフラ整備を急いでいる。既存の港に穀物輸送用エレベーターを設置するなど輸出能力の増強を支援。輸出促進のため、10月には一部地域向けに国内港湾から輸出する穀物の鉄道輸送料金を1割引き下げた。極東や中国との国境地域では、国営企業などが穀物用ターミナルを建設中だ。

                                             ただ、こうした取り組みは生産拡大に追いついていない。建設中のターミナルの本格稼働は20年以降になる見通し。農業調査会社「ソブエコン」のアンドレイ・シゾフ氏は「輸出能力はほぼ限界。インフラ面の制約がなければ、年6000万〜7000万トン規模の輸出が可能だった」とみる。

                                             輸出面の制約は国内市場にも悪影響を及ぼしている。「輸出に回せない余剰穀物が増え、国内価格はさらに下落している」(ロシア穀物連盟)。収益悪化により、一部地域で採算が取れない生産者も出ている。減産に動く生産者も多く、農業省によると、18年の穀物生産量は1億1000万トンと3年ぶりに減少に転じる見込みだ。(後略)』

                                             

                                             

                                             ロシアの穀物生産について、2017年は天候に恵まれ、1億3000万トンに達して過去最高だったとするニュースです。1億3000万トンというのは、日本のコメの生産の15倍くらいに相当します。生産量でみれば、確かにすごいことですが、日本の国土面積と比べれば、ロシアは圧倒的に広いので比較は難しいかもしれません。

                                             

                                             異常気象や干ばつがなかったことが幸いし、小麦など穀物の収穫増を受けて、プーチン政権は輸出拡大を急ごうとしていますが、港湾と内陸輸送網の整備が追い付かず、足かせになっていると記事では論じています。

                                             輸出できない余剰穀物が国内に積み上がり、ロシア国内では穀物の国内価格が下がってしまっているとの指摘もされています。結果、減産に動く生産者もいるということで、2018年度の穀物生産量は3年ぶりに減少に転じる見込みとのこと。

                                             

                                             この話、笑い事ではありませんが、インフラがどれだけ大事か?がわかる事例です。消費される商圏までインフラが整備されないと、せっかく作ってもこうなってしまいます。たいへんもったいない話です。もちろん、政府が値段を下げない状態で買い上げ、生産量を維持するという政策もありますが、余ってもイイから農家に作っていただき、値下がりしないよう政府が高い値段で買い上げて、他国に輸出するのがベストです。ロシア国内の食料安全保障と防衛安全保障の強化に資するものです。

                                             

                                             日本は島国で周辺が港ですが、ロシアは広大な大陸があり、日本よりも内陸輸送網の整備は広大となるでしょう。また輸出しようとするならば、港湾を整備し、貯蓄施設や穀物エレベーターなどのインフラ整備も必要です。

                                             

                                            <いるま野 農業協同組合のカントリーエレベーターの外観と仕組み>

                                            (出典:NHK「カントリーエレベーターのしくみ」から)

                                             

                                             

                                             というわけで、食料安全保障や国力で考えた場合、ロシアのニュースのように、穀物がたくさん作ることができるという供給力は大事なのですが、どれだけ供給力があったとしても、インフラがなければ消費地に運ぶことができません。

                                             日本とロシアでは面積が違うとはいえ、日本国内では太平洋側と日本海側では、新幹線や高速道路の整備状況や港湾整備が遅れており、そうしたインフラが遅れている日本海側では、消費地に農産物を届けるにも太平洋側と比べて時間がかかってしまうのです。

                                             九州でも東九州エリアは、インフラが不十分なため、宮崎産のマンゴーとか痛むのが早い農産物など、高速道路網の整備されていれば、博多の市場に届けることができます。宮崎空港から空輸で築地に運ぶとしても、航空貨物は輸送量も限られます。

                                             ロシアの日本経済新聞の記事は、インフラがどれだけ大事か?国力と関わるか?がよくわかるニュースだと思い、皆様にご紹介しました。


                                            プチデモン前カタルーニャ州首相がやったことは国家反逆罪です!

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                                              JUGEMテーマ:スペイン

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                                               今日は、「プチデモン前カタルーニャ州首相がやったことは国家反逆罪です!」と題し、混乱が続いているスペインのカタルーニャ独立問題について意見します。

                                               

                                               下記は産経新聞の記事です。

                                              『産経新聞 2017.11.9 00:56更新 「これがあなた方がつくりたい欧州か」 プチデモン前州首相がEU批判、保釈後初めて公の場に

                                              スペイン北東部カタルーニャ自治州の独立問題で、スペイン政府の要請を受けてベルギー当局が拘束した後、保釈されたプチデモン前州首相は7日、ブリュッセルで独立支持集会に姿を見せ、独立派に冷淡な欧州連合(EU)に対し「これが、あなた方がつくりたい欧州か。ある『国』では指導者たちが投獄されているではないか」と批判した。

                                               プチデモン氏が5日に保釈された後、公の場に現れたのは初めて。州の自治権を停止するなどしたスペイン政府の措置を「クーデター」と呼んで非難した。

                                               一方、スペインの憲法裁判所は8日、自治州議会が10月27日に採択した「独立宣言」について違憲で無効とする判決を下した。(後略)』

                                               

                                               

                                               スペインの上院は、10/27に独立問題が長引く北東部のカタルーニャ州の自治権停止を承認しました。解任されたプチデモン氏はベルギーに逃れましたが、11/5にベルギー警察に出頭し、他の元幹部4人が拘束され、11/7に保釈されました。

                                               

                                               プチデモン氏のやっていることは、スペインという国家からみれば、明らかに国家反逆罪です。

                                               もともと、カタルーニャ州の独立を問う住民投票での投票率は40%強くらいでした。即ち、住民投票で反独立派が投票をボイコットしたということであり、その状況で90%の賛成があったとして独立宣言というのは、相当無理があります。法的根拠も不明です。

                                               

                                               カタルーニャ独立問題で、「日本人は独立を認めればいいじゃん!」くらいに簡単に考えている人がいるかもしれません。ところが、これはかなりヤバイ話です。例えば、日本国内において、「沖縄県が独立宣言します!」なんてやれば、明らかに国家反逆罪です。

                                               

                                               スペイン中央政府は、10/27にはカタルーニャ州の自治を停止し、ラホイ首相に権限を付与しています。スペイン中央政府のこうした措置は憲法で認められていて適法です。今後は、ラホリー首相を解任し、カタルーニャ州議会を解散し、その上で再選挙することになる見込みです。

                                               

                                               そもそもこの独立の住民投票は、選挙管理委員も監視委員もおらず、同じ人が何回も投票していたというケースがあったと指摘されています。それで賛成が90%だ!それで独立宣言だ!といのは、非常に問題があると言わざるを得ません。

                                               

                                              <2017/10/2(金)NHKの報道記事の抜粋>

                                              (出典:BS1ワールドウォッチング)

                                               

                                               上記はNHKのBS1からの抜粋なのですが、投票率40%で90%が賛成で、90%という数字が独り歩きしました。賛成90%とはいえ、何人が賛成票を投じたのか?同じ人が何回も投票しているという状況で、この住民投票の結果にどれだけの意味があるのか?そうした疑問を呈する報道は日本ではされなかったと思うのです。

                                               

                                               また、今回のカタルーニャについて、過激なナショナリズムの結果と見る人もいるでしょうが、私にはスペインのナショナリズムの崩壊と見えます。

                                               

                                               もともとカタルーニャ市は、18世紀初めにスペイン王位の後継者を巡ってヨーロッパ諸国間で行われたスペイン継承戦争で、独立運動をやって戦い、最後バルセロナが陥落してスペイン継承が完了します。それが9/11でカタルーニャの日と名付けるという歴史があります。とはいえ、スペインから独立するのを、住民投票という直接民主主義で実施するのはいかがなものか?と私は思うのです。

                                               

                                               なぜならば、例えば今後、スペインで大震災が発生したり、他国と戦争になった場合、一致団結して戦えるでしょうか?助け合うことができるのでしょうか?という疑問を持たざるを得ません。そういう意味で、スペインはナショナリズムが崩壊したとみるのが正しいと思うのです。

                                               

                                               カタルーニャは歴史的なものもありますし、第二の都市で自分たちはスペイン国内でも稼げる都市であり、経済的には順調で税金もたくさん納めているのに、見返りが少ないという不満があります。

                                               

                                              独立の機運が高まったのは2008年のリーマンショックのあとのこと。
                                              厳しい経済状況の中、国に納める税金に対してその恩恵を十分に受けていないなどの不満が背景にあったとされています。

                                              「スペインは我々から搾取している。独立しかない。」

                                               

                                               この意見、理解できなくもありませんが、国家とは助け合いのナショナリズムがあってのこと。経済が順調なエリアと、そうでないエリアがあったとして、自分たちは順調だから独立したいというのは、日本でいえば東京はインフラが優れていて地方交付税交付金をもらわない唯一の地方自治体で、自分たちは地方に分け与え、地方からもらっているものがないから独立したいと言っているようなもんです。

                                               

                                               東京都が独立しないまでも、東京だけが繁栄して、他の地方は錆びれてもいいはずがありません。だから地方交付税交付金という仕組みがあるのです。東京都民で文句言う人いるかもしれませんが、地方都市が繁栄してくれれば、いざ首都直下型地震が発生した際に、東京都民は地方都市の同じ日本人に助けてもらうことができます。こうした国民が助け合うというのがナショナリズムです。

                                               

                                               カタルーニャは独立したら、EUに加盟し、ユーロにも参加したいとしています。これはグローバリズムの発想。負け組と一緒にはやってられないから、自分たちだけでやっていきたいという発想です。

                                               この発想の特徴は、自分たちが金銭的に得をするからというのが特徴で、いざという時の国民同士の支えあいという発想はなく、まさにグローバリズムの発想です。とはいえ、国家とはこういう物でしょうか?

                                               

                                               

                                               というわけで、今日はカタルーニャ州独立問題について触れ、ナショナリズムやグローバリズムの考え方について説明しました。このスペインの事件は、日本においてもとりわけ東京都民の人はナショナリズムについて学び直すいいきっかけになるのでは?と思います。スペインとは違い、日本は災害大国ですし、仮想敵国として中国やロシア、友好国ではあるものの太平洋を挟んで米国といった超大国に囲まれています。

                                               北朝鮮の核ミサイルにしても、東京都が独立したとして、東京都民は北朝鮮の核ミサイルから身を守ることができるでしょうか?中国の侵略から身を守ることができるでしょうか?首都直下型地震が起きたとき、私たちは同じ日本国民の助け合いなしに、救われることがあるでしょうか?

                                               大災害においては、どれだけ大金を積んでも、医療サービスは受けられなくなる、物流網が崩壊して救援物資が届かない、貧富の差に関係なく発生します。スペインだって同じように考えられると私は思うのです。


                                              カタルーニャ独立問題と企業の流出

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                                                JUGEMテーマ:バルセロナ

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                                                 今日は、スペイン北東部のカタルーニャ独立問題について取り上げます。この関連では、10/18にも安全保障をテーマとして「スペインのカタルーニャの独立問題について」ということで触れています。

                                                 

                                                 今回は、カタルーニャ州から、700社もの企業が移転流出しているという状況について触れたいと思います。

                                                 

                                                 きっかけは、カタルーニャ州の独立問題を契機に、スペイン中央政府との対立で経営に悪影響が出るとみられ、カタルーニャ州外への移転を決めた企業が700社を越えたとのこと。既に691社が本社の移転登記をしたとのこと。もともとカタルーニャ州は、分厚い企業集積が強みだったのですが、独立を目指す動きが原因で、逆風が一段と強まっている状況です。

                                                 

                                                 地元メディアによりますと、独立を問う住民投票が実施された10/9以降でおよそ700社が州外移転を決め、逆に州内に本社を移転するという企業は39社にとどまっています。

                                                 

                                                 このままカタルーニャ州が独立したとしても、経済的に立ち行かなくなる可能性が出てきたのです。

                                                 

                                                 考えてみたら、カタルーニャ州のスペインからの独立は、安全保障上の問題抜きにしても簡単ではありません。例えばEUとの関係はどうなるでしょうか?そもそもEUに残れるのか?EU圏内に居られるのか?

                                                 

                                                 カタルーニャ州の独立賛成派の人たちは、経済的に強い国で自分たちだけで何でもできるものと、異常に楽観視していたのではないでしょうか?

                                                 

                                                 確かにスペイン国内で2番目の都市で、企業の集積もあって製造業も多く強い。とはいえ、700社弱の企業が本社を州外に移転し、しかもカタルーニャ州への投資を先送りする企業も出ている状況です。

                                                 

                                                 スペイン中央政府は2018年のGDP成長予測を下方修正しており、この問題がスペイン国内経済に影を落としていることは明白です。

                                                 

                                                 結局、企業が投資するときに、まず最低限国家が安定していることが最低条件です。例えば、今のシリアに誰が投資するでしょうか?そういう混乱を招くようなことは基本的にはよくないということなのです。

                                                 

                                                 だからシリアの問題でいえば、ISが壊滅状態になったとしても、シリア国内では未だにアサド派と反アサド派の内戦が続いています。内戦が行われている状況で、企業活動などできるはずがありません。

                                                 

                                                 

                                                 というわけで、今日はスペインのカタルーニャ州独立問題を取り上げました。安全保障を考えれば、カタルーニャ州独立は簡単な話ではありません。とはいえ、歴史的に単一民族国家ではなく、イザベル女王とフェルナンド国王が結婚して、カスティーラ王国とアラゴン王国が併合された際に、カタルーニャが併合されたという歴史を持ちます。

                                                 だから日本国内における日本人同士のように、同朋意識を持つという発想がない人々もいるかもしれません。また同朋意識があったとしても、自由主義で自分たちの努力で経済成長したのだから、負け組の他の州を支援したくない、こんな気持ちの人々もいるかもしれません。

                                                 いずれにしても同朋意識でお互い助け合うというナショナリズムが確立していなければ、このような事態が起こりえ、それは企業活動にとってもマイナスとなって結果国益を損なうということが、この事件でよく理解できるものと思うのです。


                                                メルケル首相の移民無制限受入宣言から方針転換へ!

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                                                  JUGEMテーマ:テロリズム

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                                                   今日は、「メルケル首相の移民無制限受入宣言から方針転換へ」と題し、メルケル首相が難民受入人数を20万人以下に抑制する方針を固めたことについて触れたいと思います。

                                                   

                                                   メルケル首相は2015年9月、大見得を切って「政治難民受入に上限はありません!」と宣言しました。このとき、多くのマスコミがメルケル首相の宣言を称賛していました。世界から多くの拍手喝さいを浴びたのです。日本国内でも、政治家や評論家などが、日本も積極的に移民・難民を受け入れるべきだとする論説をしていました。

                                                   

                                                   世界が拍手喝さいを浴びせて称賛したメルケル首相の移民受入無制限宣言ですが、現実的のドイツはどうなったでしょうか?

                                                   メルケル首相の宣言後、2015年9月以降、たくさんの移民・難民が入ってきて、ドイツ人の生活を脅かしてきたという現実があります。

                                                   

                                                   2017年9月24日に、ドイツで総選挙が行われ、Afd(ドイツのための選択肢)という移民無制限受入に反対する政党が、総選挙で第三党に躍進し、94議席を獲得しました。その一方でドイツ与党のCSDは得票率も議席も減らしたのです。

                                                   

                                                   これまでドイツは2015年に90万人近くの難民が流入し、2016年でも30万人くらい流入しました。今回メルケル首相が移民無制限受入から方針を転換し、20万人以下とする数値目標を定めたのです。

                                                   

                                                   2015年〜2016年で、ドイツ国内で当時の世論のメディアの論調はドイツは人手不足だから、難民・移民は歓迎しますと言ってきました。

                                                   

                                                   2年くらい経って今年の6月、ドイツ当局が難民の75%が長期失業で生活保護になることを認めました。なぜ彼らが長期失業になってしまうのか?理由は簡単で言葉がしゃべられないからです。

                                                   難民移民の方々には働く気があるかどうか?は不明ですが、現実問題として言葉が話せない以上働けません。コミュニケーションが取れなければ、仕事に就くことは不可能です。

                                                   

                                                   ドイツ連邦政府のアイナン移民難民統合長官によれば、今後5年間で移民難民の1/4か1/3程度しか労働市場には参加できないと表明しています。移民難民のほとんどは成年男子なのですが、そのうち75%前後がずっと失業で、生活保護となり、ドイツ国民の税金で養っていくということが確定しているのです。

                                                   

                                                   ドイツの労働連邦省の統計によれば、難民の就業率(働いている人の割合)は、17%程度とのこと。これだけ時間が経過してたったの17%です。マスコミなどメルケル首相の移民受入推進者らは、移民受入は労働力の補完につながるということではなかったでしょうか?実際は難民・移民は労働力にはなっていないのです。

                                                   

                                                   私は最初からこうした悪い数値になることは予想していました。なぜならばドイツをはじめとする欧州は多文化主義で言葉を強制しないから。言葉を無理に覚えないとなれば、就職活動で就職できる確率は格段に少なくなります。

                                                   結果、難民移民は仕事に就きません。生活保護が下りれば生きていけるので、言葉を無理に覚える必要もありません。ドイツ国民だって、ドイツ国民が生活に窮して生活保護を受給するのであれば、反対する人は少ないでしょう。ところが実際は、ドイツ国内では200万人の外国人が失業保険を受給し、結局、難民移民は労働力にはならず、失業手当や生活保護をタダ乗りするいわゆるフリーライダーになってしまっているのです。

                                                   

                                                   当初の人手不足解消と言っていた人たちは、この状況をどう考えるのでしょう?先日のマスコミの報道の在り方と同様に、こうした事実に目を反らし、過去の発言について口を噤んだまま、過ちを認めようとさえしない人、多いと思うのです。

                                                   

                                                   私は移民難民の積極的な受け入れには反対の立場をずっと主張しています。特に経済移民の受け入れには反対です。安倍政権は着実に経済移民の受け入れを推進しており、その点も私が安倍政権を批判している一つです。

                                                   

                                                   外国人労働者について私は2つの問題があると思います。フリーライダーという問題と実質賃金を引き下げるという問題です。本来、人手不足だったら生産性向上によって生産性を高めていけば、人々は豊かになれます。GDP3面等価の原則により、生産=支出=分配であり、賃金UPとなります。そして、それこそが経済成長です。ところが、移民難民の受け入れは、その経済成長のチャンスを奪います。生産性向上のための投資をせず、目先安い人件費で雇ってしまえば、目先の利益が出るため、企業が投資を躊躇してしまうのです。

                                                   

                                                   当然、フリーライダーの問題もあります。同じ同胞意識を持つ日本語を話す日本人が困窮している場合、その日本人が生活保護を受給することは誰も反論しないでしょう。反論する人は安全保障が理解できないグローバリストの人くらいです。

                                                   

                                                   ではフリーライダーでなければいいのか?といえば、そうでもありません。彼ら彼女らが喜んで安く働くとなった場合も、日本人の給料が下がることとなり、日本人が貧困化します。トランプ大統領が支持されたのは、メキシコ人労働者の流入、メキシコ国内で作られた安い製品の米国国内での流入を食い止めるということを主張してきたから。それはいずれも米国人の給料の引き下げを食い止め、雇用も賃金もUPする政策だからです。

                                                   

                                                   最大の問題は先の2つの問題と別に、勤勉な労働者ばかりが日本国内に入ってきて、国民の賃金が下がらなかったとしても、犯罪暴動テロが起きる可能性は高まります。フリーライダーは犯罪を犯さなければまだましかもしれません。実際はそうした移民・難民に紛れて、犯罪暴動テロは起こる確率は高くなります。そうした悪意の移民・難民がまぎれなくても、フリーライド化した移民難民が、疎外感からテロ暴動化するというホームグランドテロ土壌の発生につながるということも、あり得ます。

                                                   

                                                   

                                                   というわけで、今日はメルケル首相が移民無制限受入宣言から、方針転換せざるを得ない状況になったことをお伝えし、その上で移民・難民の受入が国益を損ねるという論説を述べさせていただきました。メルケルは9月24日の総選挙で与党議席減、移民受入反対派政党第3党躍進の結果を踏まえ、20万人以下とする数値目標を入れざるを得なくなってしまいました。人道主義とやらダイバーシティといったものが、いかに甘い考えであり、ドイツの事例は、人道主義、多文化主義、ダイバーシティーの結果、自国民が不幸になってしまったという典型例であると思います。こうした失敗事例を研究すれば、安倍政権の外国人研修生という名の移民受入が、いかに愚かな政策であるか?ということも理解できるものと思うわけです。

                                                   


                                                  スペインのカタルーニャの独立問題について

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                                                    JUGEMテーマ:スペイン

                                                    JUGEMテーマ:バルセロナ

                                                    JUGEMテーマ:安全保障

                                                     

                                                     今日はスペインのカタルーニャ州で起きた独立の是非を問う住民投票問題について取り上げ、安全保障問題について述べたいと思います。

                                                     

                                                    <カタルーニャ自治州>

                                                     

                                                     カタルーニャ州といえば、かつてオリンピックが開催された都市でもあるバルセロナがあるところです。そのスペインの一部の州であるカタルーニャ州が独立の是非を問う住民投票を実施。この投票について、多くの住民が独立に賛成し、90%の賛成をしたとされています。

                                                     ですが、投票率は40%くらいで、何回も複数回投票をした人がいるとされており、90%の賛成というのが本当に正しいのか?不明です。

                                                     

                                                     カタルーニャの独立は、あくまでもスペインの問題であり、私たちが論評することは内政干渉にあたります。イギリスのスコットランドの独立も同様で、イギリス国内の問題です。

                                                     

                                                     この問題について、賛否を意見するつもりはないのですが、一つ気になる点として、ナショナリズムに基づいた独立とは違うのではないかという点です。むしろ、スコットランドとカタルーニャは、ナショナリズムが崩壊してしまった結果、起きている事象のように見えます。

                                                     

                                                     カタルーニャ州は、なぜ独立派の人が多いのかといいますと、もともとカタルーニャは民族的にも特色があります。スペインができたのは、イザベル女王とフェルナンド国王が結婚して、カスティーラ王国とアラゴン王国が併合されたときにカタルーニャも併合されました。

                                                     

                                                    <カスティーラ王国とアラゴン王国>

                                                     

                                                     カタルーニャ州は、スペインの中心都市であり、バルセロナがあるだけでなく、製造業も盛んです。スペインのGDPの20%をカタルーニャで生産しているのです。

                                                     

                                                     今回、カタルーニャの人々が独立運動を起こしたきっかけというのが、スペインの中央政府に税金を払っているが交付金が少ないという主張によるものです。結果、カタルーニャの人々は損をしているというのです。

                                                     

                                                     この発想をもし日本でいうとすれば、東京都民で同じような考えを持っている人がいないでしょうか?私たち東京都民はたくさんの税金を払っていて、地方交付税交付金は東京都には配分されません。地方交付税交付金は、地方に分配されます。その原資は、東京都民が納める税金です。

                                                     

                                                     損得だけで考えれば、東京都民は損をしているという話になりますが、「じゃぁ!東京都は独立すべきだ!」となるでしょうか?橋下徹氏の維新八策とやらも、「大阪府は財政で独立しなければならない!でないと無駄な公共事業で大阪府のお金がボッタクられる」という主張でした。

                                                     

                                                     落ち着いて考えていただきたいと思うのですが、ナショナリズムがなければ国家は成立しません。ナショナリズムとは、朝日新聞がいうような「軍隊の足音ガー!」という話ではなく、国民同士の助け合いです。

                                                     

                                                     なぜ、東京都の税金が地方交付税交付金として地方に分配されるか?といえば、非常事態が発生したときに、日本の地方の各庁がそれなりに経済力(ここでいう経済力はお金というより復興に必要な供給力)を保持していなければ、助け合うことができません。

                                                     

                                                     だから「これだけ払っているのに見返りが少ない」というお金の問題ではないのです。もし、価値観から安全保障を排除して、お金を至上主義として考えれば、東京都民から税金を吸い上げて地方に回すなんてけしからんという話になります。ところが、それが今のカタルーニャの人々の発想なのです。

                                                     

                                                     私たち日本でいえば、自然災害大国の日本において、首都直下型地震は必ず起きるでしょう。その時、助けるのは誰でしょうか?地方の同じ日本国民の皆さんに決まっています。米国人でもなければ、中国人でも韓国人でもありません。いざという時にお互いに助け合うということを考えれば、みんなが同朋意識を持ち、かつ経済力を身に着けていなければ、助け合うことはできません。

                                                     

                                                     いざという時に助け合うと思えば、「東京都民の税金を吸い上げることはけしからん。だから独立すべきだ!」なんて話はあり得ないのです。

                                                     

                                                     ですが、この考えを皆さん当たり前って思っていただけるでしょうか?最近の日本はデフレが長期間続いていることもあり、お金を至上主義に考えている人も多いと思われます。お金だけで考えれば東京都民は損をしています。とはいえ、保険料と同じで、万一の時に助けてもらえるという風に考えることができますでしょうか?

                                                     

                                                     首都直下型地震は、いつ起きるか誰にも予想できません。地方都市の人々に助けてもらわなければなりません。いざという時に助け合うという当たり前の感覚を取り戻す必要があるのです。

                                                     

                                                     カタルーニャの独立問題は、お金の問題の話です。またイギリスのスコットランドの独立もまた、北海油田の権益を持ち、北アイルランド、イングランドはお荷物だということで、お金の問題です。

                                                     カタルーニャでいえば、独立した後、いざ戦争や大地震が発生した際に、カタルーニャの人々だけで、助かるでしょうか?グローバリズムの究極は、こうして自分たちの身は自分たちで守るとして、お金が至上主義となって安全保障が崩壊してしまうのです。

                                                     

                                                     

                                                     というわけで、今日はスペインのカタルーニャ独立問題を取り上げました。首都直下型地震では、中国や韓国が助けるはずはないと述べました。3.11のとき、日本の新聞では、米国のトモダチ作戦は報道されました。一方で、米国よりも早く人を派遣し、お金もまた200億円という世界で一番多く寄付した国はどこだったか?それは台湾です。

                                                     台湾は日本が統治して以来、インフラ整備に力を入れ、文化的にも日本の文化を取り入れた国でした。今でも台湾の年配の方々は、親日の人々が多い。そんな日本が苦しんでいるときに、人をいち早く派遣し、多額のお金を寄付した台湾というのは、例外中の例外。それは、かつての日本が同化政策で、天皇のもと台湾人も日本人と同じように扱ってきたという歴史を歩んだからだといえると思うのです。

                                                     とはいえ、私たち日本人の安全保障は、台湾人によって成立するものではなく、あくまで私たち日本人でしか成立しようがありません。こうしたことも選挙戦を通じて議論していただきたいとものと、私は思っております。


                                                    欧州4か国と北アフリカ各国が不法移民に新対策へ

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                                                      JUGEMテーマ:移民

                                                       

                                                       今日は、2017/8/29に報じられた「北アフリカ各国と不要移民に新対策」という記事を取り上げ、北アフリカから地中海を渡って入ってくる不法移民について意見します。

                                                       下記はNHKの記事です。

                                                      『NHK NEWS WEB 2017年8月29日 09:07 欧州4か国 北アフリカ各国と不法移民に新対策

                                                       フランスやドイツなど、ヨーロッパの4か国の首脳は北アフリカから地中海を渡り流入する不法移民を阻止するため、不法移民を出身国に送り返すなど、新たな対策を目指すことで北アフリカの国々と合意しました。

                                                      フランスのマクロン大統領とドイツのメルケル首相、スペインのラホイ首相、それにイタリアのジェンティローニ首相は28日、フランスのパリで首脳会議を行い、ヨーロッパで相次ぐテロ対策や難民・移民問題について意見を交わしました。
                                                       このうち、リビアなど、北アフリカからヨーロッパを目指して地中海を渡ってくる難民や移民について、リビアや、隣接するニジェールとチャドの首脳も交えて協議が行われました。この中で、各国が連携して密航対策を強化することや、国連の支援も得ながらアフリカで難民申請の手続きを行い、不法移民は出身国に送り返すなど、新たな対策を目指すことで合意しました。
                                                       会議のあとの記者会見でメルケル首相は「われわれは経済的な理由からヨーロッパへ渡ってくる人々を明確に区別しなければならない」と述べて、アフリカの国々との協力に期待を示しました。これに対してチャドの大統領が「何年もの間、われわれのパートナーからは同じような声明が出されてきたが、具体的な答えが必要だ」と述べ、ヨーロッパの国々に対して、資金援助を増やすことを求めるなど、ヨーロッパとアフリカの首脳の間で温度差も見られました。』

                                                       皆さんに誤解しないでいただきたいのは、今のヨーロッパに渡ってきている移民は、シリアやイラクの移民ではありません。北アフリカとサハラ砂漠以南のブラックアフリカからの移民です。チャド共和国などの中央アフリカからサハラ砂漠を越えてリビアに入り、地中海中央ルートでイタリアに入ってきます。地中海で亡くなる人もいますが、サハラ砂漠でも相当の人々が亡くなっているといわれています。それが万、10万の単位で来ているのです。

                                                       

                                                       なぜそこまでして移動してくるのでしょうか?理由は人口爆発が原因です。日本の内閣府の2030年の展望と改革のタスクフォース報告書によれば、2030年までにアフリカの人口は約5億人増えるとのこと。プラス5億人です。日本の人口は1億3000万人ですから、この数字の大きさがどれだけか?お分かりいただけるかと思います。

                                                       人口が増えてそれだけを養うことができる経済力があればいいのですが、残念ながらアフリカの国々にはそうした経済力がありません。

                                                       

                                                       現代で考えれば、かつてアジア諸国に対して行ってきた日本の援助があります。日本の政府がお金を貸し付け、日本の企業が受注してインフラ整備するということをやってきました。政府開発援助というもので、ひも付き援助と批判されたことがありましたが、そのおかげでアジア諸国は、経済基盤ができたのです。もちろん、日本企業の競争相手をたくさん作ったという見方もありますが、アジア諸国が自立して経済力を強化できるよう、日本は援助してきたのです。

                                                       

                                                       日本のアジア諸国に対する政府開発援助と比べれば、アフリカは全く異なります。アフリカ諸国へはヨーロッパ諸国が援助していましたが、お金を渡していただけでした。そのお金で独裁者が武器を購入し、国民弾圧などやっていたため、国内の供給力強化は言うに及ばず、経済成長する基盤ができるわけがなかったのです。そこに人口爆発が発生。そのため、食べられない若者がどんどん北を目指すという状況になっているのです。

                                                       

                                                       これ、はっきり言って解決策わかりません。どう解決するのでしょうか?これからさらに北を目指すアフリカの若者が増えていくことが予想されているのですが、どうするのでしょうか?

                                                       

                                                       日本の少子高齢化問題は、若年層失業率の低下をもたらします。嫌味ではなく若者にとって楽な国になっていくでしょう。私はこれはイイことだと思います。なぜならばほとんどの他国は逆だからです。

                                                       特に最大の問題はアフリカの若者の人口が増えているにもかかわらず、彼らを養うことができず、結果そうした若者がヨーロッパを目指すという状況。もし、本当にイタリアやスペインやギリシャが自国の国家・国民を守りたいならば、大変言いにくいですが、敢えて批判されても構いませんが、難民を乗せた船を撃沈するしかありません。難民を乗せた船を撃沈して世界に晒せば、さすがにヨーロッパに来なくなるはずです。とはいえ、ヨーロッパでも人道的な問題と騒ぐ連中がいまして、絶対に撃沈することはできないでしょう。

                                                       だとすれば、ヨーロッパに移民が入ってくるのは仕方がないかもしれません。そのとき、「我が国の言葉を話せ!」とアフリカ移民に強制できるでしょうか?イタリアに入国したら「イタリア語を話せ!イタリア国民になれ!」のような昔の米国の移民政策ができるでしょうか?

                                                       それもできません。なぜならば、ヨーロッパは多文化主義というのがあり、出身国の習慣や文化は維持したままでよいとして、言語も入国した国の言語を話せなくてもいいという考え方があるのです。少しニュアンス異なりますが、私たちの職場でもダイバーシティなんて言葉がよく使われます。グローバリズムを良しとする人からすれば、なんで言語を強制しなければならないの?という考え方があっても不思議ではありません。

                                                       

                                                       とはいえ、言語を強制しなければ、国民国家を維持することは困難です。移民から見れば、優しい国と考えることもできるかもしれませんが、むしろ残酷で余計に不幸にしているということに気付くべきです。自国の言語を話せない人が雇用されるはずがありません。本来ならば、ダイバーシティとか多文化主義など甘っちょろいことをいうのではなく、文化や言語を強制した方が、絶対に移民のためになります。

                                                       ところが、言語や文化の強制は人道的に問題があるとして、多文化主義を推し進めてきたわけですから収拾がつかなくなっているのです。

                                                       

                                                       このままでいけば、欧州は普通に国民国家が壊れてくるということが予想されます。例えば、イタリアはイタリア人の国ではなくなったり、スウェーデンがスウェーデン人の国でなくなったり、ドイツがドイツ人国家でなくなったりしていくということです。移民受入を止められないとすれば、欧州は普通に崩壊していくということが予想できるのです。

                                                       

                                                       その点、日本は対処の方法があります。ヨーロッパのように対処方法が無いわけではありません。日本は絶対に外国人労働者を受け入れてはいけないのです。国連の人口部の定義では、「移民=外国に1年以上住んでいる人」と定義されています。日本にいる外国人研修生とやらは、グローバルな定義で見て、全て移民という扱いになります。

                                                       ドイツは元々は「外国人労働者を受け入れます!」から始まって、元に戻れなくなっています。ドイツ以外の欧州のダブリン協定やシェンゲン協定締結国についても、移民(=外国人労働者)を受け入れざるを得ず、そうした国々は、自国民のサービスの量・質を削って、移民への援助に資金があてがわれるのです。

                                                       しかしながらEU加盟国はマーストリヒト条約で、政府の負債対GDP比率3%以下にしなければならないとする財政の縛りがあります。移民で安い労働者が入ってきてデフレ化してしまい、財政出動が必要だとしても、自国で財政出動することすらできないのです。

                                                       

                                                       

                                                       というわけで、今日はドイツ、フランス、イタリア、スペインの4か国のアフリカ移民対策について取り上げました。アフリカ諸国へただお金を援助してきた欧州諸国と、アジア諸国に対してインフラ基盤の整備を含めた援助をしてきた日本と、どちらが発展途上国に対する支援が優れているのでしょうか?言うまでもなく、ひも付き援助と揶揄された日本の政府開発援助の方が優れています。これは、自国民が自国民の手で経済力強化できるようにするという、かつての第二次世界大戦までの同化政策と同じ発想であると私は思います。欧米列強国の植民地支配と日本の同化政策とは、全く異なることは言うまでもなく、近現代の発展途上国への援助の在り方に対しても、日本のひも付き援助の方が優れていると思うのです。

                                                       とはいえ、アフリカの人口爆発のスピードは早く、これまで列強欧米諸国が資金援助しかしてこなかったことのツケが来ているといえます。と同時に経済力はお金ではなく、物・サービスを生産できる供給力であるということも、こうした世界を通じて理解ができるのではないでしょうか?供給力は一朝一夕には築くことはできません。いくらお金を投じても発展途上国にはほとんど意味がありません。インフラ基盤の整備の援助こそ、その国の雇用を直接生み出し、その国の人々が自分の手で豊かになれるという意味で、真の発展途上国の援助につながるものと私は思うのであります。


                                                      英国メイ政権が関税同盟維持をEUに提案

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                                                        JUGEMテーマ:通商政策

                                                         

                                                         今日は、掲題について意見したく、8/15のブルームバーグ記事「英がEUとの関税協定提案−離脱後に移行期間、通商協定締結を準備も」について意見します。

                                                         

                                                         記事の概要は以下の通りです。

                                                        『Bloomberg News 2017年8月16日 11:06 JST 英がEUとの関税協定提案−離脱後に移行期間、通商協定締結を準備も

                                                        メイ政権はEUとの離脱交渉が近く再開されるのに先立ち、2019年3月に予定する離脱後の移行期間を通じて、関税同盟のメンバーに近いEUとの関係を維持したい意向を表明。輸出業者のために関税がなく、官僚主義的な手続きの負担の少ないEUとの通商を確保する今回の提案について、業界ロビー団体は歓迎の意を示した。

                                                          英国のEU離脱担当省はまた、移行期間を他の諸国との通商協定締結の準備に充てたい意向を明らかにした。関税同盟に正式に加入すればできない動きであり、EU当局は英国による「いいとこ取り」をけん制している。(後略)』

                                                         

                                                         イギリス政府がEU離脱を決めたことを報道されてから、日時が経過しました。来る2019年3月末の離脱後を見据えて、EU諸国との貿易関係についての交渉指針を発表したというニュースです。

                                                         

                                                         2019年3月末に離脱後、一時的にEUの関税同盟を新たに緊密な関係を築くとして、実質的に関税同盟を維持して利益を得て、自分のものにする移行期間を設ける考えです。

                                                         

                                                         この実質的にEU諸国と関税同盟を維持したいというイギリスの意向は、EU側に通じるのでしょうか?

                                                         ドイツとフランスは、イギリスに対して貿易黒字であるため、関税を設けるよりも、関税条件を今と同じルールを維持した方が、得です。

                                                         

                                                         イギリスは、シェンゲン協定締結国ではありませんが、移民の入国を制限したり、EUで余計な法律を押し付けられる状況を打開して、イギリス国民のための国家になるためにはEUを離脱するのが一番ということで、ブレグジットを強行しました。この動き自体は、法律は自国民で制定し、他国に法律を押し付けるいわれはないとする意味で、主権を取り戻したといえます。

                                                         

                                                         ただ、イギリスは経済についてはEUと連携を取りたいとしており、ドイツ・フランスとは、今のところ関税協定は維持した方が得策と考えていると思われます。

                                                         

                                                         とはいえ、このやり方をドイツ・フランスは認めないかもしれません。なぜならば、シェンゲン協定締結国の他の欧州国で、ポーランドやブルガリアなど、ダブリン協定と合わせて移民・難民が押し寄せてくる現状を良く思っておらず、ポーランドでいえば、国境警備を強化するなどしています。

                                                         

                                                         ベルリンの壁が崩壊して、東欧諸国はEU諸国内で相対的に安い人件費の自国民が、ドイツやフランスやイギリスに出稼ぎに行くということで、メリットが多かったのですが、シリアやイラクの難民は、さすがに想定外だったと思うのです。

                                                         

                                                         そうした東欧諸国から見れば、イギリスと同様に移民・難民の受入義務やら、法律を押し付けられるといった不満を抱えている可能性があり、イギリスのEU離脱の立ち回りを見て、「こんな風にやれば、EUから離脱できるんだ!」と、イギリスを離脱の前例として真似しようとする可能性があるのです。

                                                         

                                                         

                                                         というわけで、今日は英国メイ首相の今後のEU諸国との関係で、関税同盟維持を提案したニュースを取り上げました。EUは、やがて崩壊に向かうのでは?と私は思います。多文化主義を認めている以上、言語が同一化できず、難民・移民が押し寄せて、自国が自国でなくなってしまうということになるからです。回避するためには、EU離脱しか選択肢はなく、時間の経過とともにそうした問題が噴出して、やがてEUは崩壊すると私は予測しています。


                                                        「自国で通貨発行・政府支出ができる日本」と「EUに加盟しているためにできないフランス」どっちが愚かなのか?

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                                                          JUGEMテーマ:年金/財政

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                                                           今日は、フランスのマクロン大統領の政策について、特にフランスの失業率改善のための方策を論じたいと思います。

                                                           マクロン大統領の支持率が就任後わずか3か月で急落し、36%にまで下がったと報じられました。政策面では、政府の負債をGDP比で3%以内に抑えるとするマーストリヒト条約が足かせになっています。

                                                           

                                                           労働市場の状況は、どうなっているのか?

                                                           下記は、欧州主要国と日本の失業率の推移の示したグラフです。

                                                          (出典:IMF)

                                                           

                                                           

                                                           このように、フランスは失業率で10%前後を推移しています。2000年〜2008年頃までは、ドイツよりもフランスの方が失業率が低いです。ドイツは、2004年前後は、失業率が10%を越えていました。

                                                           

                                                           さて、そのフランスについていえば、失業率は10%超で、ドイツが失業率5%を切っているのを見れば、普通にフランスは積極財政をするべきです。

                                                           フランスは、インフレ率1%を下回り、長期国債金利も1%を下回っている状況。これ、日本と似ていますね。日本もインフレ率が1%以下で、長期国債金利マイナス金利に突入という状況。そして、ドイツも同じような状況です。

                                                           

                                                           ドイツが日本と決定的に違うのは、EUとユーロの仕組みを利用して、関税を掛けさせないようにして、ドイツで作った製品をユーロ加盟国に対して、関税ゼロで輸出できるという点です。

                                                           しかも、ドイツは2004年前後の失業率10%超の際、不景気であったため、金融政策において公定歩合引き下げの金融緩和を実施しています。そして、ドイツの経済は回復基調となりました。ユーロ加盟国がドイツの輸出攻勢に対して、関税がかけられない以上、ドイツ以外の欧州諸国は着実に対ドイツに対しての貿易赤字が積み上がっていきます。だから、ドイツは、あっという間に景気回復することができました。

                                                           そうした外需に頼らなくても、本来なら国内需要を創出することもできたはずですが、そうしなかった。財政支出増による内需拡大ではなく、金融政策で公定歩合引き下げを行い、あとはユーロ圏内の他国への輸出攻勢を強めていったというわけです。

                                                           なぜ、ドイツが政府支出増をしないか?理由はマーストリヒト条約があるからです。

                                                           

                                                           では、フランスもドイツと同じように輸出攻勢を掛ければいいのでは?と思われる方もいるでしょう。とはいえ、フランスとドイツでは、インフラの充実度が違うこと、工業製品の品質でもドイツの方が上である品目が多いこと、結果、フランスとドイツの製品では、価格も品質も競争力はドイツの方が高い。

                                                           そのため、フランスとドイツの貿易において、フランスは対ドイツ貿易赤字が積み上がっています。

                                                           では、貿易赤字解消のために、フランスは、ドイツ以外の欧州他国に輸出攻勢をすればいいでしょうか?

                                                           もし、それをやられると、その国(ドイツ以外の欧州他国)が困ります。

                                                           

                                                           本来なら、フランスが輸出に頼らずとも自国の需要を創出すれば、欧州の他国の雇用を奪うなどの摩擦を生じることなく経済成長できます。もちろん、自国に技術力がない分野については、自国で供給できませんから、フランスからの輸入に頼ったとしても、関税によって輸入製品の分野について、自国の産業で賄えるよう自国産業育成のために、その税収が使えます。

                                                           フランスでいえば、失業率10%でドイツの倍以上、物価上昇率も1%下回って、長期国債金利も1%下回って低迷している状況であれば、間違いなくフランスはデフレですので、普通に国債を発行して政府支出増にすれば、輸出に頼らなくても、雇用は改善して景気回復することが可能です。

                                                           

                                                           でもフランスは自国の需要創出ができない。なぜならば、EUに加盟しているから、マーストリヒト条約に縛られて財政赤字拡大ができず、国債発行もできません。自国の創出という無駄(私は無駄とは思いません。)を削減しなければ・・・という発想で緊縮財政をせざるを得ません。

                                                           その上、ユーロ加盟国は金融政策の独立を認めていません。だからECB(欧州中央銀行)が国債を買い取ってユーロ建てのフランス政府の負債を買い取ることもできません。

                                                           つまり失業率が高いのに、政府支出ができないので雇用情勢の改善(失業率の改善)することができないのです。

                                                           

                                                           そうすると、どうなるか?失業率が高いのは、「フランスの労働規制が強固だからダメなんだ!岩盤規制である雇用規制を取っ払わなければ国際競争力が弱くなる!」というレトリックが使われます。

                                                           

                                                          ●パートタイムの労働者割合

                                                           ドイツ:26.7%

                                                           イギリス:25.2%

                                                           フランス:18.2%

                                                           

                                                          ●最低賃金

                                                           ドイツ:8.8€

                                                           イギリス:8.6€

                                                           フランス:9.7€

                                                           ※€=ユーロ

                                                           

                                                           このように、フランスの労働環境は、ドイツとイギリスと比較して、パートタイムの労働者割合が少なく、最低賃金も高く設定されています。グローバリストの方から見れば、フランスは労働者が保護されすぎていると見えるかもしれません。だから規制緩和をしなければいけないという発想、この考え方は竹中平蔵らの主張・論説と全く同じです。

                                                           

                                                           私の想像ですが、マクロン大統領は、最低賃金は下げなければならない、パートタイマーをもっと増やしていかねばならない、こう思っていると思われます。とはいえ、インフレ率1%を切ってデフレであること、長期国債金利も1%を下回っている状況は資金需要が不足していること、すなわちデフレ状況なわけですから、普通に政府が需要創出すればいいのです。

                                                           でも、EUに加盟しているから、ユーロに加盟しているから、政府の需要創出ができません。そこで政府は労働規制の緩和、構造改革を進めていくべきだ!という話になっていくのです。

                                                           

                                                           最低賃金を引き下げ、企業が労働者を解雇しにくい規制を外し、いつでも従業員を解雇できるようにする、そうすれば国際競争力が上がり、失業率が改善するという話です。

                                                           ここでいう国際競争力は、国益と直結しません。単なる価格競争力です。とはいえ、賃金を下げなくても設備投資によって生産性の向上が図られれば、単位労働コストの低下によって国際競争力を高められます。

                                                           

                                                           日本国内でも、日本人の実質賃金が下がっているのであれば、規制を強化すればいいのです。もしくは韓国の文在寅大統領のように、公務員を増やすでもいいです。例えば介護職員を全員公務員にするとかやればいいわけです。

                                                           

                                                           そこで立ちはだかるのが、「”いわゆる”国の借金」問題です。財政問題を無理やりクローズアップさせて緊縮財政を強要すれば、企業が競争力を高めるためには、労働者の賃金カット・処遇悪化しかありません。

                                                           実際に労働者の賃金カット・処遇悪化を実行した場合、誰が喜ぶでしょうか?それは、グローバル投資家です。

                                                           

                                                           フランスは、EU・ユーロに縛られ、フランス国民のための政策はできません。何ができるかといえば、グローバル投資家のために利益拡大・配当増額するための政策しかできないのです。

                                                           イギリスはEU離脱しますが、フランスも将来EUを離脱しない限り、フランス国民のための政策が打たれることはありません。

                                                           

                                                           何よりも大事なのは、人々の生活と暮らしです。「その生活と暮らしを壊さないと、国際競争力が回復しない!」という論説は、皆さん納得されるでしょうか?わざわざ生活・暮らしを壊さなくても、もしくは国民が生活・暮らしが壊されるのを我慢しなくても、普通に国債発行して財政出動すれば、経済復活できます。

                                                           

                                                           日本でいえば、財政拡大をすれば日本国民を豊かにできるのにやらない。財政拡大をすれば「国の借金で破たんする!」と言い出します。それと並行して、派遣労働者を拡大し、法人税減税をやり、企業の純利益を拡大させてグローバル株主を喜ばせるという、日本国民のための政策ではないことが、どんどん実行されています。

                                                           とはいえ、日本はEU・ユーロという縛りがないので、本来は「国債増刷」と「政府支出増」が自国ですぐに実行できます。フランスはEU離脱しないとできません。

                                                           

                                                           この現在の状況、日本とフランスどっちが愚かなのでしょうか?

                                                           

                                                           

                                                           というわけで、今日はフランスの雇用情勢に触れ、雇用情勢(失業率)の改善策について、意見させていただきました。

                                                           日本は「国債増刷」と「政府支出増」のパッケージでデフレ脱却するという方策が、普通に自国の意思で可能、即ち自国で解決することが可能です。一方、フランスはEUに加盟しているため、財政政策・金融政策の独立は認められておらず、政府の負債対GDP比率3%以内に収めるというマーストリヒト条約に縛られて、自国で解決することができません。

                                                           解決するためには、イギリスと同様にEUから離脱するしかないと考えます。フランスは、EUから離脱した方が、幸せになるでしょう。ギリシャも同様です。

                                                           結局、勝ち組のドイツが積み上げた貿易黒字を、国境を越えて負け組を救う制度、日本の地方交付税交付金制度がないため、こうした問題が起きているのです。とはいえ、ナショナリズムを同じにしない国同士が、地方交付税交付金のように、インフラが充実しているドイツ国民が貯めた黒字を、インフラが充実していないフランスに所得移転(勝ち組の国から負け組の国への所得移転)するということは可能でしょうか?

                                                           私は不可能と思います。地方交付税交付金は、日本国内の同朋意識を持つ日本人同士の所得移転だから、インフラが充実している東京から法人税・住民税を徴収し、インフラが充実していない都道府県に対して、税の再分配ができると思うわけです。

                                                           前大阪市長の橋下徹氏は、「維新八策」の中で、道州制を導入すべきなんて言っていますが、それは自己責任のもと、国に頼らないで地方自治体単位で、歳入と支出を運営するということなのですが、私は大反対です。

                                                           EUの問題、ユーロの問題が何なのか?が理解できれば、皆さんも日本の地方交付税交付金の意味、そして優れた制度であることが理解できると思うのです。


                                                          「政府の債務残高対GDP比率3%以下」という”3%”に根拠なし!

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                                                            JUGEMテーマ:グローバル化

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                                                             今日は、今年5月に就任したフランスのマクロン大統領が3か月経過して、支持率が急落していることについて触れ、EU加盟していることで、プライマリーバランス黒字化、政府の負債残高のGDP比率3%に収めなければならないとする”3%”に根拠があるのか?日本で1997年11月に施行された財政構造改革法と、欧州のマーストリヒト条約について合わせて触れていきたいと思います。

                                                             

                                                             

                                                             下記は毎日新聞の記事です。

                                                            『毎日新聞 2017/8/20(日)11:00配信 <マクロン仏政権>緊縮策で支持率急落 外交舞台では存在感

                                                            【バルセロナ(スペイン北東部)賀有勇】

                                                             フランスのマクロン大統領(39)が5月に史上最年少で就任してから、21日で100日を迎える。就任直後から、外交舞台で存在感を示すことに成功した一方、国内政策では財政立て直しのために歳出削減方針を打ち出したことなどが反発を招き、支持率は40%を切るまで急落。今後も、公約の労働市場改革を進めるが、反発が予想されており難局が続く。
                                                             マクロン氏は就任後、オランド前政権で関係が冷え込んでいたロシアのプーチン大統領と会談をこなした。米国のトランプ大統領には、地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」にとどまるよう説得を続け、大国のリーダーと渡り合う姿を印象付けた。さらに、7月には、国家分裂状態が続くリビアの暫定首相と武装組織の指導者の会談を仲介し、停戦合意にこぎ着けた。
                                                             しかし、外交舞台で存在感を示したマクロン氏の勢いは、内政への対応でそがれた。
                                                             マクロン政権は、財政赤字を国内総生産(GDP)の3%以下に抑えるよう加盟国に求めている欧州連合(EU)の財政基準を満たすことを目指す。このため、7月に学生や低所得者が受給する住宅手当や地方助成金を減額する緊縮策を発表。痛みを伴う改革に反発が広がった。
                                                             国防予算の削減方針も打ち出し、異論を唱えた仏軍の制服組トップのドビリエ統合参謀総長に対し、「私がボスだ」とクギをさし、ドビリエ氏の抗議の辞任に発展する事態となった。
                                                             また、治安政策でも不評を買った。マクロン氏は、パリ同時多発テロ(2015年11月)後に出された非常事態宣言を解除する代わりに、平時でも治安当局の権限を強化するテロ対策法の制定の方針を示し、「市民生活の制限になる」との反発を招いている。
                                                             こうしたマクロン氏の姿勢や政策は「支配欲の強い人間」(仏紙リベラシオン)と、国民の目に映っているとも指摘される。
                                                             調査会社IFOPが8月上旬に実施した世論調査では、就任後64%に達した支持率は36%まで下落。オランド前大統領の就任後の同時期(46%)を10ポイントも下回った。(後略)』

                                                             

                                                             上記記事のほかに、毎日新聞からの引用でグラフを掲載します。

                                                             

                                                             この通り、早くも大統領支持率が下がっているのです。

                                                             日本のワイドショー番組では、マクロン大統領のことを若いとかハンサムとか持ち上げていました。とはいえ、就任当時60%だった支持率は、36%にまで落ち込み、不支持が60%を越えています。この数値、安倍政権に匹敵するといえます。

                                                             

                                                             あっという間にたったの3か月でここまで下がってしまったわけですが、この数値は、支持者が3人に一人しかいないということであり、半数の支持を得ていないのです。

                                                             

                                                             もともとフランス大統領選挙において、第1回目の投票で反グローバリズムのルペンとメランションの2人に投票した人が40%いました。メランションに入れた人は、マクロンには投票できない一方、ルペンにも投票できないという人が多かったと言われています。もちろん、ルペンに投票した人がマクロンに入れるはずがありません。結果、大統領選挙の本選挙において棄権した人が多かったのです。

                                                             その後に行われた国民議会選挙(日本でいえば総選挙)でも、マクロン率いる共和国前進が圧勝しましたが、ここでも棄権した人が多く、投票率は44%でした。要は2人のうち1人、半数は投票したい人がいないということで、棄権してしまったのです。

                                                             

                                                             そんなわけで、国民から圧倒的な支持を得たわけではないにもかかわらず、マクロン大統領は、緊縮財政をすすめました。

                                                            特に国防費の削減を断固としてやるとして、軍のトップのドビリエ統合参謀総長に反感を買い、辞任されてしまったのです。

                                                             

                                                             毎日新聞の記事にも掲載されていますが、オランド氏も支持率が低いことに悩まされました。大統領就任後3か月後の数値で比較する場合、マクロンは36%オランドの46%よりも低いと報道されています。

                                                             

                                                             マクロンの基本は親EUであり、それがフランス国民のためになると思っているわけです。EUの基本はマーストリヒト条約に基づく、財政黒字化、プライマリーバランス黒字化であり、基本は無駄削減の緊縮財政です。

                                                             

                                                             マクロン政権は、財政赤字額について対GDP比率で3%以内に収めるとし、5900億円の歳出削減を宣言しています。

                                                             具体的には、公共事業、防衛費、住宅補助などを削減するとしています。

                                                             

                                                             この発想自体、日本と似ていませんでしょうか?

                                                             思想・発想が、日本の緊縮財政の発想と全く同じです。日本は橋本政権の時の1997年11月に、財政構造改革法が施行され、緊縮財政を法律で定めました。その法律の中で、次のように具体策が盛り込まれています。

                                                             

                                                            <日本の財政構造改革法>

                                                            ●2003年度までに、国と地方を合わせた財政赤字をGDP比3%(1997年は5.4%)以下に抑え、赤字国債の発行をゼロにする

                                                            ●公共事業や社会保障を含む主要経費の削減目標値を定める

                                                             

                                                            <EUのマーストリヒト条約>

                                                            ●ユーロ参加の条件として財政赤字を対GDP比で3%以内、債務残高が対GDP比で60%を超えないこと

                                                             

                                                             いかがでしょうか?日本の財政構造改革法の発想と同じです。しかも定量数値目標で3%の記載があります。この3%という数字、なんか根拠あるのでしょうか?

                                                             おそらく、この3%という数字がいかなる意味を持つのか?論理的に説明できる人っていないのではないでしょうか?経済学部の大学教授、エコノミスト、アナリスト、たぶん誰も答えられないのではないかと私は思います。

                                                             

                                                             はっきり言います。私は、3%以内に収めなければならないとする経済統計的な根拠は全くないので、誰も答えられないと考えます。なぜならば、デフレの場合は、政府が国債を発行して需要を創出し、プライマリーバランスを赤字にして財政赤字を拡大しなければなりません。インフレの場合は、逆に無駄を削減し、プライマリーバランスを黒字にしなければなりません。とはいえ、3%という数字が、社会情勢やら雇用情勢やら金融情勢やら、世界情勢によって何か3%以下でなければならないとする理由なんてのは、無いと思うのです。

                                                             

                                                             国家は通貨発行権を持たないユーロ加盟国は別にして、本来通貨発行権を持つ国は、自国通貨を発行できるため、インフレの場合は無駄削減でプライマリーバランス黒字化を目標にし、デフレの場合は無駄でも需要創出してプライマリーバランス赤字化を目標にするというように、臨機応変に対応しなければなりません。にもかかわらず3%と決まっているのです。

                                                             

                                                             この3%という数字目標について、どなたか?ロジカルになぜ3%なのか?教えていただきたいものです。

                                                             

                                                             

                                                             というわけで、日本にしてもフランスにしても、政府の負債残高を減らさなければならないという発想が、国民をどれだけ不幸にしているのか?その根源は、プライマリーバランス黒字化という思考に呪縛された結果なのです。3%には根拠はありません。

                                                             プライマリーバランスという指標は、それはそれで意味を持ちますが、経世済民という国内の国民が豊かになることを目指すのが政府の役割だとすれば、”プライマリーバランスは黒字でなければならない”という家計簿的な発想は間違っていると言わざるを得ないのです。ましてや3%に根拠もありません。こうしたことに早く気づき、国債増刷+政府支出増へと政策の転換を早く実行していただきたい。

                                                             日本は可能ですが、フランスの場合はEUから離脱しない限りできません。ナショナリズムを否定する発想が根底理念にあるEUは、やがて崩壊せざるを得ないでしょう。

                                                             日本は国際協定に縛られず、自国の主権で政策が実行できます。早くこの間違いに気づき、デフレからさっさと脱却するための政策を打っていただきたいと思うのであります。


                                                            教科書で語られない16世紀の日本人奴隷(豊臣秀吉の「伴天連追放令」の理由)

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                                                              JUGEMテーマ:グローバル化

                                                               

                                                               今日は、『教科書で語られない16世紀の日本人奴隷(豊臣秀吉の「伴天連追放令」の理由)』と称し、1500年代に日本人奴隷がいたという史実に触れ、「伴天連追放令」を豊臣秀吉が出した背景などを考察しながら、現代におけるグローバリズム、特に「人の移動の自由」についての論説を述べたいと思います。

                                                               

                                                               

                                                               

                                                              1.「南蛮貿易」と「朱印船貿易」

                                                               

                                                               私たちは、歴史の教科書で島原の乱をどのように教わるでしょうか?その前に、2つの貿易について知る必要があります。その2つの貿易とは、「南蛮貿易」と「朱印船貿易」です。

                                                               

                                                               南蛮貿易とは、16世紀半ばで行われた、来日ポルトガル人と来日スペイン人との間で行われた貿易で、長崎県の長崎、平戸を中心に交易がおこなわれていました。日本からは銀が輸出され、鉄砲、火薬、時計、ガラス、中国産の生糸・絹織物などが輸入されていました。

                                                               

                                                               朱印船貿易とは、江戸幕府から与えられた朱印状を持った西国の大名や京都・堺(大阪府)・長崎などの商人が、東南アジアなどへ船を出して行った貿易です。日本からは、銀・硫黄・銅・刀が輸出され、中国産の生糸・絹織物、武具用のサメ皮、鹿皮、砂糖などが輸入されました。

                                                               

                                                               この「南蛮貿易」は「朱印船貿易」と共に、いずれも江戸幕府が鎖国体制を取られる中で終了しています。1635年には、日本人の海外渡航・帰国の禁止により、朱印船貿易の終了、1639年には、ポルトガル船の来航禁止により、南蛮貿易の終了となりました。

                                                               

                                                               ところで、この「南蛮貿易」「朱印船貿易」が始まってから、鎖国令が出るまでの間に、日本人奴隷が存在し、キリシタン大名が世界に売り飛ばしていたという事実を知っている人は少ないのではないでしょうか? 

                                                               ポルトガルといえば、スパイスロード(香辛料の道)において、香辛料以外の商品の交易も盛んにおこなわれていたことで有名です。ところが、スパイスロードにおいて、アジア人奴隷も運んでいました。16世紀〜17世紀の「南蛮貿易」では、ポルトガル人は日本で日本人を奴隷として買い付け、マカオやポルトガルなど、様々な場所で売り付ける大規模な奴隷交易(=人身売買)が発展していたのです。

                                                               島原の乱といえば、キリシタン大名の殉職者の悲劇と、豊臣秀吉が排他主義者であることを伝えることはあっても、豊臣秀吉が、日本人が奴隷として売られている事実を知り、激怒したことがきっかけという上述の背景を、日本の歴史教科書には記載していません。

                                                               

                                                               

                                                               

                                                              2.なぜ「伴天連追放令」が実施されたか?

                                                               

                                                               「伴天連追放令」について、なぜ実施されたのか?について、日本の歴史教育では教えません。

                                                               実際は、「伴天連追放令」について、織田信長や豊臣秀吉と会見したルイス・フロイスが詳細な記録を残しています。人身売買の事実を知って怒り狂った豊臣秀吉は、1587年7月24日に、イエズス会の副管区長のガスパール・コエリョに対して使者を出し、次の太閤の言葉を伝えています。

                                                               

                                                              その第一、汝らは何ゆえに日本の地において、今まであのように振舞ってきたのか。…仏僧たちは、その屋敷や寺院の中で教えを説くだけであり…汝らのように宗徒を作ろうとして、一地方の者をもって他地方の者をいとも熱烈に扇動するようなことはしない。よって爾後、汝らはすべて当下九州に留まるように命ずる。…もし、それが不服ならば、汝らは全員シナ(マカオ)へ帰還せよ。…」
                                                              第二の伝言は、汝らは何ゆえに馬や牛を食べるのか。…馬は、道中、人間の労苦を和らげ、荷物を運び、戦場で仕えるために飼育されたものであり、耕作用の牛は、百姓の道具として存在する。しかるにもし汝らがそれを食するならば、日本の諸国は、人々にとってはなはだ大切な二つの助力を奪われることとなる。…」
                                                              第三は、予は商用のために当地方(九州)に渡来するポルトガル人、シャム人、カンボジア人らが、多数の日本人を購入し、彼らからその祖国、両親、子供、友人を剥奪し、奴隷として彼らの諸国へ連行していることも知っている。それらは許すべからざる行為である。よって、汝、伴天連は、現在までにインド、その他遠隔の地に売られていったすべての日本人をふたたび日本に連れ戻すように取り計られよ。もしそれが遠隔の地のゆえに不可能であるならば、少なくとも現在ポルトガル人らが購入している人々を放免せよ。予はそれに費やした銀子を支払うであろう。」

                                                               

                                                               上記の豊臣秀吉の言葉に対し、ガスパール・コエリョは、「奴隷売買を廃止しようと努力しているが、取り締まらない日本が悪い」と返答しました。

                                                               この言葉に対し、豊臣秀吉は、更に激しく怒ったとされ、「キリシタンは、いかなる理由に基づき、神や仏の寺院を破壊し、その像を焼き、その他これに類した冒涜を働くのか?」との伝言を持たせて、再びガスパール・コエリョに使者を出しています。

                                                               

                                                               ガスパール・コエリョは、上述の伝言に対し、「キリシタン大名らが、キリストの教え以外に救いがないと悟り、自ら決断して、それら神仏の像を時として破壊したり毀滅したのである。」と答えました。

                                                               このガスパール・コエリョの回答は、いわば自分たちは悪くなく、キリシタンとなった大名たちが勝手にしたことと責任逃れをする内容なのです。

                                                               

                                                               豊臣秀吉が激怒した理由は、「太閤検地・刀狩り政策」を徹底するにあたり、神社寺院仏閣の破壊を通じた農村秩序の崩壊は、何より脅威だったと思われ、単に人身売買で哀れみで同情したというより、九州の勢力が兵器を大量に保持して、動乱を起こされるのを危惧したのでは?との見方もあります。

                                                               もちろん、「南蛮貿易」によって輸入された珍奇な物産や新しい知識に魅惑されることもあったかもしれません。とはいえ、実際の南蛮貿易が日本人の大量の奴隷化をもらたしているという事実を目の当たりにして青天霹靂のごとく、恐れと怒りを抱いたとみることもできるでしょう。それは、「大綱の言葉」の”第三”について人身売買について触れ、”許すべからざる行為”という言葉に表れていると考えることもできます。

                                                               

                                                               実際、16世紀後半では、ポルトガル本国や南米アルゼンチンにまで日本人が奴隷として送られました。この日本人を奴隷として輸出する動きは、ポルトガル人が種子島に漂着した1540年代終わりころから始まったと考えられています。

                                                               奴隷とはいっても、宣教師が夜中に民家に押し入り、誘拐したわけではありません。キリシタン大名や日本人仲介人がそれを幇助していたとされています。キリシタン大名らは、密貿易と若い女性の身体と引き換えに、火薬や武器の輸入していたのです。

                                                              現代の倫理観も、グローバリズムで崩壊していると思えるのですが、こうして奴隷となった日本人は、自己責任なんでしょうか?当時の倫理観でいえば、キリシタン大名は、人を家畜のように売っても罪悪感を感じなかった可能性もあります。

                                                               

                                                               1582年(天正10年)に、ローマに派遣された有名な少年使節団の一行が、世界各地で多数の日本人が奴隷の身分に置かれているのを目撃し、驚愕しているという記録があります。

                                                               

                                                               その中の人物に千々石ミゲルという人物がいます。天正遣欧少年使節(てんしょうけんおうしょうねんしせつ)の一人です。肥前国に生まれた安土桃山時代から江戸時代初期の武士です。

                                                               キリシタンとなって、天正遣欧少年使節の4人のうちの1人で、唯一キリスト教を棄教した人物として知られています。千々石ミゲルは、旅行先でこう述べています。

                                                              「(前略)このたびの旅行の先々で、売られて奴隷の境涯に落ちた日本人を親しく見たときには、道義をいっさい忘れて、血と言語を同じうする同国人をさながら家畜か野獣かのように、こんな安い値で手放す我が民族への激しい怒りに燃え立たざるを得なかった。」

                                                               このように千々石ミゲルもまた、豊臣秀吉と同様に、奴隷貿易について悪しきものと捉えていたのです。

                                                               

                                                               

                                                               

                                                              3.「ドイツNGOとイタリア政府」と「ポルトガル人・キリシタン大名と豊臣秀吉」

                                                               

                                                              下記は2017年8月4日に放映されたNHKニュースです。

                                                              『2017年8月4日 NHK 難民援助の船を密航ほう助容疑で拿捕 イタリア

                                                              アフリカからヨーロッパを目指して地中海を渡る難民や移民を送り出している密航業者と連絡を取り合い、密航を助けたとして、イタリアの検察は難民や移民の救助を行うNGOの船を拿捕(だほ)したことを明らかにしました。
                                                               地中海ではアフリカからヨーロッパを目指す難民や移民を乗せたボートが沈むなどして死亡したり行方不明になったりする人が相次ぎ、複数のNGOが船で救助活動を行っています。
                                                               こうした中、イタリア・シチリア島にある都市、トラパニの検察は2日、密航を助けたとして、救助活動にあたってきたドイツのNGOの船を拿捕し、船内を捜索して乗組員に事情を聴いたことを明らかにしました。
                                                               検察官は会見で、この船の乗組員が難民や移民を送り出している密航業者と去年、3回にわたって連絡を取った証拠があるとして「不法移民を助ける犯罪行為だ」と非難しました。その一方で、検察官個人としてはNGOが連絡をとった理由は難民や移民の命を救うための人道的なものだと確信しているとしています。
                                                               拿捕された船を所有するドイツのNGOは、インターネット上に出した声明で船が捜索を受けていることを認め「命を救うことが最優先であり、現在活動ができないことをとても残念に感じている」とコメントしています。』

                                                               

                                                               このニュースで出てくるドイツのNGOの手法は、公海上で難民を待ち受け、イタリアに輸送するという手法です。拿捕されたドイツのNGOの手法は悪質です。なぜならば、欧州はダブリン協定という国際協定で、難民が最初に到着した国で申請して受け入れることが義務付けられているからです。その結果、イタリア政府の財政が圧迫され、イタリア人の行政サービスが削られます。

                                                               イタリアは、EUに加盟していますので、マーストリヒト条約によって、政府の負債対GDP比率3%以下を義務付けられています。自国以外の難民受け入れを義務付けられ、難民に対して財政支出する一方、政府の負債対GDP比率3%以下という制約がある以上、イタリア市民の行政サービスを削らなければなりません。

                                                               ドイツのメルケル首相や、フランスのマクロン大統領は、イタリアに対して「もっと努力しろ!」とでもいうのでしょうか?グローバリズムの発想とは、シュンゲン協定、ダブリン協定を前提として、技術力の高いかつインフラが進んだドイツらと関税という盾なしで競争し、EUに加盟することで自国で法律も作れず、結果は自己責任ですというのがグローバリズムの発想。

                                                               「人の移動の自由」が正当化され、難民と言えども、自由に欧州に受け入れるべきだとする発想です。その結果、自国民が行政サービスを削られる、低賃金労働者として採用される難民の人々と、賃金競争に晒される。こういう結果も、「自己責任です!」ということでグローバリズムでは善とされるのです。

                                                               

                                                               もっともドイツのNGOは、上述を隠します。表面的には「密航してくる移民の生命を助けるという人道的な観点から、密航業者と連携している」と主張するでしょう。とはいえ、そうした動きはリビアの密航業者のビジネスに加担していることに変わりなく、「ビジネスで利益が出ればよいのでは?」と密航業者の「利益」を膨らませる手助けをしていることになるのです。

                                                               

                                                               ドイツのNGOという偽善者(敢えてこう言わせていただきます!)に対して、「待った!」をかけたのは、イタリア政府という国家権力でした。

                                                               15世紀〜16世紀にかけて、世界では奴隷貿易が普通に行われる中、来日してきたポルトガル人のキリスト教の普及活動の陰で、密貿易が行われ、日本人を奴隷として海外に売り飛ばす習慣を、罪悪感を持たないキリシタン大名らが加担して、そうした文化を持ち込んだことに「待った!」をかけたのが、豊臣秀吉でした。

                                                               

                                                               密航者たちの生命の安全に配慮して人道主義に基づいて密航業者と連絡を取ったドイツNGOと、国家権力を用いてグローバリズムのアフリカ人密航を人道主義に基づいて助けようとしてNGO船を拿捕したイタリア政府、どちらが正しいのでしょうか?

                                                               

                                                               また、長崎を中心に、ポルトガル人から大量の武器・火薬や、当時では珍しい文化をもたらす一方、人身売買を公然と行っていることを何とも思わなかったキリシタン大名やその日本人仲介人らと、日本人の人身売買に怒り狂ってキリシタンを激しく弾圧した豊臣秀吉、どちらが正しいのでしょうか?

                                                               

                                                               「南蛮貿易」の話でいえば、自由に貿易をしていれば、西洋の文化や物資や知識などが日本に入ってくることで、日本を豊かにした面もあるでしょう。一方で、「ヒト」の国境を越えた商売の推進を規制するためには、豊臣秀吉による国家権力による規制が必要だったとも言えるわけです。

                                                               欧州の場合は、ダブリン協定、シェンゲン協定という国際協定に加え、「多文化主義」「人道主義」という思想を盾にして、「人の移動の自由」が肯定されて、リビアの密航業者の利益に加担しているのです。

                                                               

                                                               

                                                               というわけで、今日は「16世紀の日本人奴隷」について取り上げ、豊臣秀吉がなぜキリシタンを弾圧したか?について触れました。最終的には「価値観」の問題になるとはいえ、「グローバリズムは自由であり、自由であるから善なのです!」という竹中平蔵らが、もっともらしくTVマスコミで発言することに、違和感を覚えます。「グローバリズムが自由だから正しく、規制は悪!」とする論説が、欺瞞に満ちているということも、こうした歴史から学べると思うのであります。


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