米国トランプ政権が中国を為替操作国に認定

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     今日は「米国トランプ政権が中国を為替操作国に認定」と題して論説します。

     

     下記はブルームバーグの記事です。

    『ブルームバーグ 2019/08/05 22:57 米財務省、中国を為替操作国に認定−「通貨戦争」突入との見方も

     米財務省は5日、中国を為替操作国に認定したと発表、米中貿易戦争を一段と激化させた同省が外国を為替操作国に認定するのは1990年代以来で、その際も中国が認定の対象だった。中国人民銀行(中央銀行)は米国の新たな対中追加関税への対応として、2008年以来となる1ドル=7元台の人民元安を容認していた。

     中国人民銀は6日の声明で、最近の人民元安は市場によって決まっており、中国の操作によるものではないと主張した。

     為替操作国認定は、それによって制裁が行われた場合でもトランプ大統領が発動済みの措置ほど強力でなく、象徴的な意味合いが強いが、米中関係の急速な悪化が浮き彫りになった。これを受け市場には動揺が広がり、S&P500種株価指数先物はいったん2%近く下げた。ただ人民銀が6日、人民元の中心レートを予想よりも高めの水準に設定したことで、混乱は和らいだ。

     人民銀の易綱総裁は5日、中国は貿易問題に対処する手段として為替相場を利用することはないと表明した。易総裁は声明で、「人民元は外部の不確実性の下での最近の変動にもかかわらず強い通貨であり続けると私は確信している」と述べた。

     財務省は5日の声明で、ムニューシン財務長官は「中国の直近の措置が作り出した不公正な競争上の優位を是正するため国際通貨基金(IMF)と協力する」とした。

     トランプ大統領は同日これに先立ち、ツイッター投稿で、1ドル=7元という目安を超えた元急落を「為替操作」だと指摘。米金融当局が対抗することを望むと示唆していた。

     ムニューシン長官とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が先週、上海での貿易協議で成果を得られず帰国した後、米中貿易戦争はエスカレート。トランプ大統領は新たに中国からの輸入品約3000億ドル(約31兆7000億円)相当に9月1日から10%の関税を賦課すると表明した。

     

    「無益な」エスカレート

     

     中国は5日早くに反撃し、人民元の下落を容認するとともに、米国からの農産物輸入を停止すると発表した。

    (出典:みずほ証券のレポート)
     上記ブルームバーグの記事の通り、米国トランプ政権が中国に対して25年ぶりに為替操作国に認定しました。貿易、ハイテクと続き、米中の歯止めなき応酬がついに為替問題にまで発展した形です。
     米中の直近の出来事を時系列にすると、
    ●2019年7月末 米中の閣僚級の協議が不調に終わる
    ●2019年8月1日 トランプ政権が対中国関税の第4弾発動を表明
    ●2019年8月5日 人民元相場で7元台に下落 中国当局が人民元安を容認するとの見方が広がる
    ●2019年8月5日 中国が米国からの農産物輸入の停止を発表
    ●2019年8月6日 トランプ政権が中国に対して為替操作国認定
    となります。
     米中貿易戦争は、いつから起きたか?ご存知でしょうか?
     2018年の初頭に、ピーターナヴァロ氏が対中国に対して強硬な姿勢を打ち出したことがきっかけで、2018年4月頃から、日本のマスコミでも取り上げられました。トランプ大統領は、ホワイトハウス国家通商会議のトップにピーター・ナヴァロ氏を起用しました。

     

     ピーター・ナヴァロ氏は、米中が比較優位に基づいて自由に取引すれば、米中両国の生活が向上するはずなのですが、下記 銑┐砲茲辰董∨念彖蠎蟾颪砲魯哀蹇璽丱螢坤爐鰺弋瓩掘⊆国は非グローバリズム的な手法を推進してきたと述べています。

     

    |療財産権の侵害
    国内市場へのアクセスを交換条件とした外国企業に対する技術移転強要
    9發ご慇脳稱鼻蔽羚颪亮動車関税はアメリカの十倍)
    こ姐餞覿箸北餡陲併業免許要件や出資比率規制を課す
    ス駘企業や中国政府が資金支援する企業に土地や資本を助成
    国内企業に対する無数の輸出補助金や寛大な税制優遇措置
    О拌慍霪による人民元の為替レート調整
    ╂府系ファンドの活用

     

     中国は、上記 銑┐魍萢僂掘軍事先端につながる技術を盗み続けて、経済成長だけでなく軍事力が強化され、国際秩序を脅やかしかねない存在になっているとピーター・ナヴァロ氏は指摘しました。

     

     こうして始まった米中対立ですが、米国はGDPで世界第一位、中国は世界第二位。したがってこれを抑えようとすれば地球連邦軍しかないといえます。実際に国連では抑えきれません。

     

     例えば日韓の問題というのは、少なくても今まで収まっていたのは、米国大統領やホワイトハウスが抑えてきたため、ケンカは起きなかったのです。

     

     ところがトランプ大統領は「日本も韓国も勝手にやれば!俺は知らない!」という態度であるため、日韓問題が起きているという側面があります。

     

     米中は、そうした抑える国家がありません。そのため、最初から米中貿易戦争は終わらない話で、案の定継続しています。

     

     為替操作国認定は、トランプ政権が温存してきた強力の交渉カードの一つと考えられていたと思いますが、突如、為替操作国認定に踏み切ったのは、中国との貿易交渉が暗礁に乗り上げたことが背景にあるといえるでしょう。

     

     安全保障から貿易、ハイテクへと広がってきた米中対立が通貨分野にも本格的に波及し、もはや長期化は避けられそうにありません。

     

     となれば、GDP世界第一位の米国、世界第二位の中国という巨大経済大国が経済戦争をしているということなので、世界経済が冷え込んでいく圧力がかかるのは当然の帰結といえるでしょう。

     

     日本の経済にはどのような影響が出るでしょうか?

     

     当然、日本からの輸出は減少します。英国のブレグジットを待たずとも円高の圧力がかかり、円高となるとあらゆる国に対する輸出が減少するということで日本は損をします。米中貿易戦争が長引けば長引くほど日本は損をします。

     

     25年前、米国が為替操作国に認定したのが中国でした。

     

     当時は世界経済に与える影響は限られていて、今とは状況が異なります。世界第一位、世界第二位の経済大国が通貨安競争に対立を深めると、当然日本円は、他国通貨高になります。その結果、日本の景気は腰折れする可能性が大きいでしょう。

     

     

     というわけで今日は「米国トランプ政権が中国を為替操作国に認定」と題して論説しました。

     

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    トランプ大統領が指示するレアアースの米国国内での生産体制

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       今日は「トランプ大統領が指示するレアアースの米国国内での生産体制」と題して、国防政策とリンクさせた財政出動をやろうとしているトランプ大統領について論説します。

       

       ロイター通信の記事をご紹介します。

      『ロイター通信 2019/07/13 06:30 米国防総省、国内レアアース生産能力を調査 安定供給に向け

      [12日 ロイター] - 米国防総省がレアアース(希土類)の安定供給確保に向け、国内のレアアース生産能力を調査している。ロイターが政府文書を入手した。

       レアアースを巡っては、貿易問題で米国と対立する中国が交渉カードに使うのではないかとの思惑が広がっている。

       6月27日付けの文書によると、国防総省は鉱山業者に対し、レアアース鉱山や処理施設の開発計画について説明するよう要請。製造業者に対してはレアアース需要を問い合わせている。回答期限は7月31日。』

       

       

       米中貿易戦争で、世界的にスロートレード(貿易量の減少)が問題になっており、外需に頼る輸出国にとっては厳しい経済状況が続くことになるでしょう。

       

       そうした中、トランプ政権は、国防関連に関わる法律に基づき、レアアースの国内での生産体制を作るよう指示を出しています。

       

       上記記事は、それを裏付けるべく、鉱山業者に対してレアアース鉱山や処理施設の開発計画について説明するよう要請したというニュースです。

       

       米国は、レアアースを国防のために必須の戦略素材と位置づけ、輸入に頼るのではなく、自国で生産できる体制を作ろうとしています。

       

       レアアースは、名前が”レア”とついているだけあって、希少価値があるといわれていますが、実際には多く存在します。ところが採掘するのに多大な投資が必要となるため、採掘できたレアアースは確かに”レア”です。

       

       レアアースが何に使われているか?主な用途は下記のとおりです。

       

       ●軽希土●

       ランタン(La):光学レンズ、セラミックコンデンサー

       セリウム(Ce):ガラス研磨剤、自動車用助触媒、UVカットガラス、ガラス消色剤

       ネオジム(Nd):Nd磁石(焼結・ボンド)、セラミックコンデンサー

       

       ●重希土●

       ガドリニウム(Gd):光学ガラス、原子炉の中性子遮断材

       ジスプロジウム(Dy):Nd焼結磁石、超磁歪材

       ホルミウム(Ho):レーザー関係、磁性超伝導体

       エルビウム(Er):クリスタルガラス着色剤

       

       上記素材はPCのハードウェアから、軍隊の戦闘機のエンジンに至るまで、実に広範囲で使われています。

       

       実際に使われる要は少ないものの、最重要部分に使われるため、最重要部分の最も戦略的な素材としてレアアースは使われます。

       

       その非常に重要な品目であるレアアースは、過去数十年間、中国のほぼ独占市場になっており、世界の供給の8割が中国です。

       

       米国のある軍事産業では、中国からの輸入に完全に依存しており、米国の兵器の重要部分に使われるレアアースを、敵国からの輸入に頼っているのが現状です。

       

       中国の習近平政権は、レアアースの米国への輸出を削減し、米国に圧力をかけようとしてます。

       

       そこでトランプ大統領は、こうした習近平政権の動きに対抗しようとして、レアアースの米国国内での生産体制を作り、米国の国防総省が軍備のためにレアアースを必要としているのを、中国からの輸入ではなく、米国国内産業からレアアースを買うという形を作ろうとしているのです。

       

       米国では4月〜6月のGDPが2.1%増でしたが、個人消費こそ4.3%増と伸びているものの、輸出と設備投資が減少となりました。そのような状況で、2019/07/13に国内レアアースの生産体制の強化を打ち出すとなれば、鉱工業などの企業の設備投資を促すきっかけになります。

       

       個人消費が良くて、国内の設備投資がずっと悪いという状況であるため、低迷している企業への設備投資を刺激しようとしており、国防政策と経済政策の両方を備えた財政政策で素晴らしいといえます。米国は放っておけばだんだん不況に入っていく。トランプ大統領は、それを「黙って見てはいないぞ!」という姿勢を示しているのでしょう。

       

       それに比べて日本はどうか?輸入が大幅減少でGDPがプラスになったことを喜んでいる。まさに頭の中お花畑としかいいようがありません。

       

       日本の政治家に対して、少しはトランプ大統領の爪の垢でも煎じて飲んでいただきたいと思うのは私だけでしょうか?

       

       

       というわけで今日は「トランプ大統領が指示するレアアースの米国国内での生産体制」と題して論説しました。

       

       

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      パウエル議長のFRB利下げの失敗

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        JUGEMテーマ:国際金融情勢

         

         昨日に引き続き、米国経済について取り上げ、今日は「パウエル議長のFRB利下げの失敗」と題して論説します。

         

         米国のFRBは、7/30と7/31の2日間にわたり、FOMCを開き、金融政策について話し合い、10年ぶりの利下げを決定しました。その利下げ幅は、0.25%か0.50%か?という議論があったのですが、事前の予想通り0.25%となりました。

         

         ところが0.25%の利下げのニュースの後、ニューヨーク市場は株価が下落しました。下記は共同通信の記事です。

        『共同通信 2019/08/01 07:15 トランプ大統領、追加利下げ要求 FRB議長に「がっかり」

        【ワシントン共同】トランプ米大統領は7月31日、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が追加利下げに慎重な姿勢を示したのに対し、「パウエル氏はいつものようにわれわれをがっかりさせた」とツイッターで批判し、さらに利下げを要求した。
         FRBは同日、10年7カ月ぶりの利下げを決めたが、パウエル氏は記者会見で「長く続く利下げの始まりではない」と述べた。これを受けて市場の追加利下げ期待が後退し、米株価が急落した。
         これに対し、トランプ氏は「市場が聞きたかったのは、中国や欧州連合(EU)のような長くて攻撃的な利下げサイクルの始まりという言葉だ」と指摘した。

         

         

         6月の終わりころから、FRBが7月末のFOMCで利下げをするだろうという話がずっと続いていました。世界経済が不安定になる中、利下げをすることは確実で、0.25%か0.50%かどちらか?という議論があり、この中で利下げの材料が株式市場に織り込まれていったものと思われます。

         

         普通ながら利下げを好感して株価は上昇するのですが、0.25%は既に材料として読み込まれていて、むしろ材料出尽くしということで株価は下落しました。

         

         日経平均の方は、ニューヨークの株式市場の下落を受けて連れ安となりましたが、為替が円安に振れていたので、日本の株式市場の株価下落幅は、幾分縮まりました。

         

         もし、0.50%であればサプライズで株価は上昇していた可能性があります。

         

         事前の期待感で人々は株を買うのですが、これを材料を織り込むというもの。それで出てきた結果が期待通りだった場合、既にその材料は買われていて売られることが多く、出てきた結果が期待以上ならば株価は上昇します。

         

         パウエル議長は、0.25%の利下げの後、記者会見をしているのですが、ここでパウエル議長は失敗しました。その失敗とは記者会見で「断続的な利下げをするのではない。今回1回限りの利下げだ。」と発言したことです。

         

         利下げとは、金融緩和策の一つであり、長期的な取り組みであって短期的な取り組みではありません。

         

         にもかかわらず、パウエル議長は今回0.25%の利下げをするが、今後も禁輸緩和を続けて利下げをするか?金融引き締めするか?わからないと回答しました。

         

         トランプ大統領もいっていますが、マーケットが聞きたかったのは、FRBの次の一手を聞きたかったのであって、その次の一手がなかったということです。

         

         その証拠にパウエルの会見でニューヨークが下落し、それを見たトランプ大統領がツイートしました。

         

        『マーケットがパウエルから聞きたかったのは、長期的な利下げの始まりに過ぎないということ。さもないと中国、EUの金融緩和についていけない。相変わらずパウエルは私たちを失望させてくれる。ただ少なくても彼は量的金融緩和の引締めだけは辞めようとしている』

         

         FRBはジャネット・イエレンが議長だったとき、利上げをして量的金融引締めをやっていました。しかしながらインフレになっているわけではないため、このトランプ大統領の発言は正しいです。

         

         インフレになっていないにもかかわらず、量的引き締めと利上げをやってきたのがイエレン前議長。理由は株価が上昇して、賃金が上昇しているからというもの。しかしながらインフレになっていないにもかかわらず、インフレになるかもしれないという理由でインフレ懸念ということで4回も利上げをしたのですが、これは間違っていたといえます。

         

         さらにトランプ大統領は、「セントルイス連銀のブラード総裁は、2018年12月の利上げは間違いで、その訂正が遅すぎたと言っているではないか?」とツイートしています。

         

         トランプ大統領が求めているのは、0.25%の利下げではなく、0.50%の利下げ。もしくは0.25%の利下げだったとしても、その後、続けて利下げを続けるという方針をパウエル議長に語って欲しかったと思われますが、パウエル議長は、どちらもやりませんでした。

         

         

        <米国の政策金利の推移>

        (出典:外為ドットコム)

         

         

         

         本当に求めていた利下げ幅は、上記チャートの右下の通り、2018年に相次いで利上げをしたトータル1%分を、今年利下げして欲しいというのがトランプ大統領の要求です。

         

         トランプ大統領によれば、2018年の利上げがなければ、今頃、米国のGDPは4.5%上昇し、株価は5,000ドルほど高い水準であると語っています。株価はともかく、利上げがなければGDPが4%台になっていた可能性は高いです。

         

         トランプ大統領のツイッターなどの発言に対しては、いろんな見方があります。例えば、来年の自分の大統領選挙の再選のために株価をバブルにしておきたいという見立て。もしかしたら、それは当たっているかもしれません。

         

         しかしFRBのやり方に文句を言い続けているのは、あくまでも単に株価を上げたいというのではなく、中国、EU、日本との貿易赤字の削減が目的であり、そのためにもドル高を止めたいというだけのこと。

         

         これがトランプ大統領の本当の目的であって、大統領選挙のときから主張してきた公約でもあります。だからFRBのやり方に文句をいって利下げを促しているのは、その公約を実行しているにすぎないのです。

         

         

         

         というわけで今日は「パウエル議長のFRB利下げの失敗」と題して論説しました。 

        パウエル議長は、トランプ大統領の真意を理解せず、ただインフレを恐れるがあまり、市場へのメッセージの発し方を誤りました。今後のFRBの金融政策が転換され、引き続き断続的に利下げを実施するのか?注視したいと思います。

         

         

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        米国の実質GDP速報値、4月〜6月の2.1%増をどう考えるか?

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          JUGEMテーマ:経済成長

          JUGEMテーマ:公共事業の経済効果

           

           今日は「米国の実質GDP速報値、4月〜6月の2.1%増をどう考えるか?」と題して論説します。

           

           ロイター通信の記事をご紹介します。

          『ロイター通信 2019/07/26 23:54 米GDP速報値、4─6月期は2.1%増 設備投資が懸念材料

          [ワシントン 26日 ロイター] - 米商務省が26日発表した第2・四半期の実質国内総生産(GDP)の速報値(季節調整済み)は年率換算で前期比2.1%増と、予想ほど減速しなかった。

           市場予想が1.8%増、第1・四半期は3.1%増だった。個人消費が急増し、輸出減少や在庫投資の減速による影響を和らげた。

           比較的良い内容だったが、懸念材料もみられた。設備投資が2016年第1・四半期以来初めてマイナスに転じたほか、住宅建設投資は6四半期連続で落ち込んだ。

           米中貿易摩擦を中心に経済見通しのリスクが高まっていることを踏まえると、米連邦準備理事会(FRB)が31日に10年ぶりとなる利下げに踏み切ることには変わりないとみられる。

           ロヨラメリーマウント大学のSung Won Sohn教授(経済学)は「将来の経済成長の鍵を握るのが企業支出だ。企業が消費者の熱狂を分かち合うところまで明らかに進んでいない」と指摘。雇用が減るため景気には良い兆候と言えないとし、来週の利下げを予想した。

           トランプ大統領は、成長減速を重要視せず、勢いがなくなった責任をFRBに求めた。

           ツイッターに「FRBという非常に大きな重しの制約を受けている状況を考慮すれば、それほ悪くはない。インフレはほとんどみられない。米国は『急成長』する見通しだ」と投稿した。

           第2・四半期GDPの内訳は、米経済の3分の2以上を占める個人消費が4.3%増と、2017年第4・四半期以来の大幅な伸びだった。前期は1.1%増だった。年初めは35日間続いた政府機関の一部閉鎖が個人消費減速の一因だった。現在、失業率は約50年ぶりの低水準にあり、個人消費を下支えしている。

           輸出は5.2%減と、前期の大幅な伸びから反転した。貿易赤字が拡大し、貿易はGDPを0.65%ポイント押し下げる方向に働いた。前期は0.73%ポイント押し上げていた。

           個人消費の加速に伴い、過剰在庫が解消された。在庫投資は717億ドル増と、前期の1160億ドル増から減速した。在庫はGDPを0.86%ポイント押し下げる方向に働いた。在庫の第1・四半期GDPの寄与度はプラス0.53%ポイントだった。

          設備投資は0.6%減った。ガスや石油の立坑・油井を含む住宅以外のインフラ投資が10.6%減少し、全体を押し下げた。知的財産は増加。機器への投資は0.7%増と、前期の落ち込みから持ち直したが、米航空機大手ボーイング(BA.N)が737MAX型機の問題で生産を減らしていることが依然として抑制要因だ。』

           

           

           2019/07/26、米国の商務省が発表した4月〜6月の実質GDP速報について、事前の予想では1.8%成長という予想だったのですが、それよりも上に出まして、年率で前期比2.1%増となりました。記事でも指摘されていますが、1月〜3月が3.1%増だったので、それよりは減速したことになります。

           

           とはいえ、4月〜6月期の事前予想値1.8%よりも0.3%も上回っているので、米国経済は依然好調といえるでしょう。

           

           中身をみてみますと、良い点と悪い点が混在しているようにもみえます。

           

           例えば貿易でいえば、貿易摩擦による世界経済全体の低迷が米国経済にも影響していて、米国企業の設備投資が減少して、輸出も減少しています。

           

           よかったのは個人消費で、米国経済の2/3以上を占める個人消費が4.3%増と、2017年第4四半期以来の大幅な伸びであると報じられています。

           

           7/31にFRBが政策金利を0.25%引き下げましたが、景気全体がいいということであれば、FRBは利下げをする理由がありません。

           

           しかしながらFRBが0.25%引き下げたのは、現在の景気に対して対策をしたわけではなく、将来の景気に対して、景気後退とならないよう予防的に利下げをしたのがFRBの狙いです。

           

           今、米国の経済が好調だったとしても、世界経済がどこも悪いので、米国も悪くなるだろうという前提で予防的に利下げをしたのです。

           

           米国経済の最大の部分は2/3以上を占める個人消費であることを述べましたが、米国経済は何といっても個人消費で成り立っており、内需国です。

           

           内需国は外需国と異なり、他国の輸出で儲けるというのではなく、国内需要で儲けるということであって、その国内需要の相当部分を占めるのが個人消費です。

           

           その個人消費が4.3%増で、2017年第4四半期以来の大幅な伸び率であることから、米国経済は引き続き好調であるといえるでしょう。

           

           

           

           というわけで今日は「米国の実質GDP速報値、4月〜6月の2.1%増をどう考えるか?」と題して論説しました。

           米国と同様に日本もまたGDP500兆円のうち6割程度を個人消費が占めている内需国です。その国内需要を冷やす消費増税が10月に控えており、日本経済は成長する兆しが見えません。

           消費増税で内需が冷え込むなら、努力して海外に打って出ると外需に頼ると、他国との通商協議で不利になることもあります。外需はその国の都合で突然需要を失うということがあり得るため、不安定なのです。

           米国は1兆ドルのインフラ投資で財政出動を行い、メキシコの壁を作って移民の受け入れを拒否しようとして、結果的に米国国外に工場を出していた米国企業が、米国国内に戻ってきていることに加え、失業率は3.8%と過去50年間で最低と、景気が絶好調です。

           日本のように景気が悪いにもかかわらず、「景気はいざなぎ越え」と報じているマスコミどもがバカバカしく思えます。トランプ政権の政策をマネをするだけで、デフレ脱却と対中国強硬策で、日本は再び発展の道を歩むことができるようになるのではないか?と私は思うのです。

           

           

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             今日は「なぜトランプ大統領は対中国に対して強気に出ることができるのか?」と題して論説します。

             

             このところ、日経平均のみならず、海外の株式が下落となり、私のポートフォリオも傷が付きまくっています。私は、ヤフーファイナンスの掲示板をみることがあるのですが、よく「トランプ大統領が余計なことをするから株価が下がる!」とか「トランプのせいで・・・」といった言説を数多く拝見します。またマスコミの論調も、トランプ大統領に対して、関税引き上げは古い!などと大変ネガティブに報じます。

             

             しかしながらトランプ大統領は、ただ一点国益に叶うか叶わないか?ビジネスだけを見るのではなく、安全保障を重視するという点が好感をもてますし、むしろ日本の政治から、特にグローバリストらは学ぶべきことが多いはずです。

             

             現実は認知的不協和で、トランプの政策はどこかが間違っているはず・・・と、その正当性を認めることができないグローバリズムエリートたち。まったく哀れなことと私は思います。

             

             そもそも米国は内需国であり、国内需要即ち、国内設備投資と個人消費がGDPの大半を占める先進国です。そのため、本来ならば米中貿易戦争で関税をお互いに掛け合えば、個人消費がダメージを受けて経済成長に影響が出る可能性は否定できません。

             

             それでも強気に出るのはなぜでしょうか?

             

             一つの理由として、米国国内では中国に対して強い態度で挑むべきとする意見が、保守派、リベラル派の双方で強いということです。

             

             例えば米国の民主党はリベラル派なのですが、民主党の上院議員のトップ、チャック・シューマー氏は、ニューヨーク選出でトランプ大統領と同じ、ニューヨーク出身です。

             

             トランプ大統領のあらゆる政策に対して反対していて、いわばトランプ大統領の天敵のような人物ですなのですが、中国に対する政策だけは賛成しています。

             

             今年のGWの後半の5/5に、トランプ大統領が突然中国に対して関税25%に引き上げることを発表した際、チャック・シューマー氏は、「トランプ大統領よ!対中国強硬姿勢を貫け!一歩も引いてはならない!」とツイートしています。

             

             チャック・シューマー氏は、中国のことを”略奪者”と呼んだり、”不公正な競争相手”と強烈な批判をしていて、これだけを聞いていると民主党上院のトップが、トランプ大統領の熱烈な支持者にみえるくらいです。そのくらい米国の政界は対中国に対しては超党派で強硬に出ようと一致しています。

             

             そう考えれば、米中貿易戦争で一番ダメージが大きいのは日本かもしれません。

             

             なぜならば日本にとって米国と中国は貿易相手の1位と2位の国であり、その2か国が関税報復合戦をしているとなれば、影響をもろに受けてしまうのは明らかです。

             

             中国の景気が良ければ工場が増えて工場の設備投資が増え、工場の設備投資の注文が来るのは日本の製造業だったのですが、デフレを放置したことで、売上高のポートフォリオが内需依存から外需依存となり、企業の競争力が弱体化するのと同時に国力も弱体化しました。

             

             結果、外需が伸び悩むと日本企業の業績減速につながるという構図が鮮明になってしまっています。

             

             米国ではFRBが0.25%の利下げをしたため、円高になりやすい状況がある中で、今回の追加関税第4弾は、日本経済にダブルで悪影響をもたらすことになるでしょう。

             

             

             というわけで今日は「なぜトランプ大統領は対中国に対して強気に出ることができるのか?」と題して論説しました。

            世界経済が不透明感を増す中、消費増税10%と、オリンピック特需の足なし、残業規制と、景気が良くなる要素が全くなく、悪くなる要素だけがオンパレードで並んでいる状態です。

             少なくても消費増税はするべきではないですし、補正予算を10兆円クラスを10年間続けるくらいのメッセージが政府から出されなければ、この国は普通に発展途上国化し、安全保障も弱体化して中国に責められて蹂躙される未来が近づくことになります。

             それを回避するためにも、米国の通商戦略、安全保障政策について学び、日本でも取り入れることを真剣に考える必要があるものと私は思います。


            農産物の大量購入の約束を守らない中国に対して、トランプ大統領の関税第四弾の鉄槌が下る

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               今日は「農産物の大量購入の約束を守らない中国に対して、トランプ大統領の関税第四弾の鉄槌が下る」と題して論説します。

               

               ブルームバーグの記事をご紹介します。

              『ブルームバーグ 2019/08/02 02:52 トランプ大統領、中国製品3000億ドル相当に関税へ−9月1日から

               トランプ米大統領は1日、現時点で制裁関税の対象となっていない中国からの輸入品3000億ドル(約32兆2300億円)相当に10%の追加関税を課すと発表し、中国との貿易戦争をいきなりエスカレートさせた。この関税が発動されれば、米消費者はこれまでより直接的な影響を被る見込み。

               トランプ大統領はツイッターで、この新たな関税は9月1日から賦課されると説明した。また大統領はその後、スマートフォンやノート型パソコン、子供服などを対象とする追加関税について、税率は25%を「はるかに上回る」可能性があると述べた。2500億ドル程度の中国産品を対象とする25%の追加関税は継続することから、中国からの輸入のほぼ全てが制裁関税の対象となる見通し。

               今回の発表は対中通商関係を巡ってトランプ政権による最も強い緊張激化の動きとなる。そして米中首脳が6月の大阪での20カ国・地域(G20)首脳会議の際の会談で合意した「休戦」はあっけない幕切れとなった。

               中国の王毅外相は2日、米政権の関税方針に関する中国側の初めての正式な反応となるコメントを発表。同相は「新たな関税を賦課することは、貿易摩擦への正しい解決策では決してない」と、タイ・バンコクでの東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)に合わせて現地の中国テレビ局に語った。

               中国外務省の華春瑩報道官は2日の定例会見で、「米国が追加関税を実施するのであれば、中国として必要な対抗措置を講じなければならないだろう」と言明。どのような措置となるかは詳述しなかった。

               米株式市場は関税発表を受け反落、S&P500種株価指数とダウ工業株30種平均、ナスダック総合指数はいずれも下げて終わった。米国債相場が大幅に値上がりした一方、ニューヨーク原油先物相場は8%近く下落し、この4年余りで最大の下げとなった。

               トランプ大統領はオハイオ州シンシナティでの1日夜の政治集会でも中国に言及した。「彼らはわれわれとの取引を取りまとめたい考えだと思うが、はっきり分からない」と言明。「合意が成立する時まで、われわれは中国に徹底的に関税を課すことになるだろう」と述べた。

               上海での協議に詳しい関係者6人の話では、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表とムニューシン財務長官に対し、中国からの新たな提案は一切なかったという。

               トランプ大統領は新たな関税を巡る一連のツイートで、さらなる協議の扉は開いたままとする姿勢を示した。「包括的な通商合意に関して中国との前向きな対話を継続することをわれわれは期待する。両国の未来は非常に明るいと感じている!」と述べた。その後、オハイオ州の集会出席のためホワイトハウスを離れる際に記者団に、習近平国家主席の貿易戦争解決に向けた動きは「十分に迅速ではない」と語った。

               上海で今週行われた協議の後、米中は両国の交渉担当者が9月初めにワシントンで再び協議に臨む予定だとしている。トランプ政権に近い複数の関係者は、引き続き予定通り協議を行う方針だと話した。

               ただ関係者によると、2020年米大統領選後の政権交代の可能性を見越して、中国が協議を来年まで引き延ばそうとしているように見られるとして、トランプ大統領と側近らは懸念を強めているという。(後略)』

               

               

               ブルームバーグの記事の通り、トランプ大統領は突如、対中国の関税第4弾を発表しました。

               

               対中国の貿易交渉がついに決裂し、第4弾の関税措置として、3,000憶ドル相当(日本円で32兆円相当)に対して、10%の関税をかけることになりました。

               

               これにより、中国から米国へ輸出する品目ほとんどすべてに関税がかかることになります。具体的には、ノート型PC、タブレット型PC、衣料品、おもちゃなど、消費財が多く対象となっています。

               

               これを受けて米国の株式市場は大きく下落しましたが、株だけでなく10年物の債券が1.9%を割り込む水準で金利が推移しています。下記は米国国債10年物のチャートです。

               

              <米国国債10年物>

              (出典:ヤフーファイナンス)

               

               これはマーケット関係者の間で、中国経済がさらに悪化するだろうということを見越していると思われます。

               

               なぜトランプ大統領は第4弾の関税をかけてきたのか?ウォールストリート・ジャーナルの社説で、為替相場についての指摘がありました。

               

               どのような指摘か?といえば、トランプ大統領の目的は、人民元を急落させることが目的ではないか?ということです。人民元の対ドル相場は急落しています。いわゆる資本逃避(=キャピタルフライト)が発生していると思われます。

               

               中国国内にある資本が人民元から米ドルや日本円に逃げていくとなれば、中国共産党政府は人民元を買い支えなければなりません。

               

               トランプ大統領は、これが狙いではないか?と思われます。

               

               中国のお金というのは、人民元という通貨自体が中国人にも信用されていません。だからこそ中国人はビットコインなどの仮想通貨に換え、その仮想通貨を米ドルや日本円に交換したりするのです。

               

               平常時ではそうした動きはそれほど顕著とはならないものの、有事になれば日本円や米ドルに逃げていくいわゆるキャピタルフライトが発生します。これこそが中国共産党政府の最大の弱点です。

               

               まさにトランプ大統領は、その弱点を突き、中国に対して貿易交渉で譲歩を要求する戦略ではないか?というのがウォールストリート・ジャーナルの見立てです。

               

               ではなぜ、このタイミングでトランプ大統領が関税第4弾を放ったか?

               

               7/12に各紙が報じていますが、7/11トランプ氏はツイッターで「中国に失望した。米農産物を買うと言っておきながら買ってない。」と述べ、6月の米中首脳会談後の中国の対応を批判しました。

               

               もともと日本の大阪で開催されたG20で、米中首脳会談が行われ、中国が農産物の大量購入を約束したため、それをもってトランプ大統領は関税をかけることを留保し、交渉を継続することとなりました。

               

               2019/05/01レコードチャイナによれば、中国は米国からの大豆の輸入を大幅に減らし、ロシアやブラジルなどからの購入を増やしました。もちろん米中貿易戦争中なので、中国は中国なりにリスクヘッジしたということです。

               

               中国にとって大豆は直接食べる豆類加工品の原料になるだけではなく、家畜の飼料になるため、極めて重要な農産物です。

               

               中国国内の供給の増産に力を入れ始めているものの、国内だけでは十分な生産量が確保できず、国外に調達先を探さなければならない状況で、米中貿易戦争となったことで大豆の調達先を米国からロシア・ブラジルに変えました。

               

               その後、G20の米中首脳会談で米国の農産物を大量に買うと約束しておきながら、普通に反故にしたとすれば、トランプ大統領が怒る気持ちは十分に理解できます。そこで2019/07/31にムニューシン財務長官、ライト・ハザーUSTR代表が上海を往訪し、交渉を再開したもののわずか5時間で決裂。その後、トランプ大統領が「中国は農産物の大量購入の約束を全然守ってない」とツイートし、不満感・不信感がピークに達して、第4弾の関税発動に踏み切りました。

               

               最初は10%となっていますが、中国の態度によっては、おそらく25%に引き上げるでしょう。

               

               関税引き上げは、米中双方に痛みがあります。しかしながら米国は内需国、中国は外需で稼ぐ国ということで、米中間の貿易の輸出額を相対で見れば、2017年の数値で、輸出金額にして中国→米国の輸出額5,056憶米ドル、米国→中国の輸出額1,304億米ドルと、3倍以上も違います。

               

              <米中間における貿易構造(2017年)>

              (出典:三井住友銀行のアナリストレポートの中国国家統計局から作成した資料を引用) 

               

               

               

               外需に頼る国は、外交で弱いということを露呈していますが、まさに米中貿易戦争で中国に勝ち目がないと言われているのは、そいういうことです。

               

               事実、既に中国は米国から輸入するものに対して、すべて関税をかけてしまっているため、中国側には打つ手がありません。

               

               一方のトランプ大統領は中国の反応によっては、10%→25%に引き上げるというカードを残しています。

               

               それに対して中国は対抗しようにも何もできず、そこに人民元の急落となれば、さすがの中国も厳しいのでは?と考えます。

               

               

               というわけで今日は「農産物の大量購入の約束を守らない中国に対して、トランプ大統領の関税第四弾の鉄槌が下る」と題して論説しました。

               

               

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                 今日はフェイスブックが企画している仮想通貨のリブラを取り上げ、「トランプ大統領の仮想通貨批判」と題して論説します。

                 

                 まずはブルームバーグの記事をご紹介します。

                『ブルームバーグ 2019/07/12 11:41 トランプ大統領、フェイスブックの仮想通貨「信頼性得られない」

                 トランプ米大統領は11日夜、フェイスブックの仮想通貨「リブラ」計画に警告を発した。

                 トランプ大統領は一連のツイッター投稿で、「フェイスブックの『仮想通貨』は高い評価も信頼性もほとんど得られないだろう。フェイスブックや他の企業が銀行になりたいなら、新たに銀行設立許可を求める必要があり、他の銀行と同じように全ての銀行規制に従わなければならない」と指摘した。
                 同社は仮想通貨市場への参入計画を発表して以来、規制当局者や民主、共和両党議員から疑念を投げ掛けられてきた。

                 

                 上記記事の通り、トランプ大統領は先月7/11に、仮想通貨ビットコインやフェイスブックが導入を計画しているリブラなどの仮想通貨を批判する言説をツイートしました。トランプ大統領は、フェイスブックのような企業が仮想通貨を立ち上げたいというならば、そもそも銀行規制に従う必要があると主張しています。

                 

                 トランプ大統領のツイッターでは、「I am not fan of Bitcoin and other Cryptocurrencies」と述べ、私はビットコインや他のクリプトカレンシー(暗号通貨)は好きではないと述べ、4つの理由を挙げています。

                 

                _樵枋眠澆歪眠澆任呂覆

                価格変動が激しすぎる

                実体のないものに基づいている(based on thin air)

                ど塰,兵莪にいくらでも利用できる(麻薬取引やマネーロンダリングが簡単にできる)

                 

                 ,砲弔い討蓮仮想通貨は「通貨」ではないということでまさにその通り。あらゆる国家は、仮想通貨による納税を認めませんし、通貨発行権を持つ自国の通貨を管理通貨制度の下で管理しますが、仮想通貨にはそれがありません。

                 

                 △硫然癖册阿激しすぎるというのその通り。下記がビットコインのチャートです。

                 

                <ビットコインのチャート>

                 

                 

                 上記チャートの通り、ビットコインは2017年の年末の11月〜12月にかけて上昇しましたが、2017年12月の1ヶ月だけをみても、2017/12/08に1BTC=2,378,320円の最高値を付けたあと、その翌日2017/12/09に1BTC=1,465,000円の安値を付け、再び上昇に転じて2018/12/17に1BTC=2,278,190円まで上昇した後に、2019/01/01には、370,600円の安値を付けました。

                 直近では150万円ほどまで値を戻して、現在は110万円台の水準を維持しています。

                 

                 これだけ値動きが激しい相場ですと、値幅取りの短期取引で投機のお金が増えます。投機のお金が流入することでさらに値動きが激しくなります。

                 

                 は実体のないものに基づいているというのは、現在は管理通貨制度で中央銀行が金融政策を実施して通貨の安定の確保に努めるわけですが、ビットコインは管理通貨制度とは全く無縁で、むしろ国家が通貨の関与をしない自由な取引であるため、国力とは無関係という意味で実体がありません。現在の管理通貨制度では不換紙幣が流通しますが、兌換紙幣の場合は金本位制であれば金が裏付けとなり、銀本位制であれば銀が裏付けになります。仮想通貨にはそうした裏付けがないという意味で、実体がないものに基づいているといえるでしょう。

                 

                 い眩瓦トランプ大統領の主張は正しく、麻薬取引などの犯罪取引が普通にできてしまいます。世界の貧困層は銀行口座を持っておらず、そうした人らが麻薬取引などの犯罪に手を染めるのは普通にあり得るのですが、そうした人らも携帯電話さえ持っていて、インターネットの環境があれば、麻薬を売ってビットコインを手に入れるということが可能になります。

                 

                 上述のようにフェイスブックのリブラでさえも例外ではありません。そのためトランプ大統領は、フェイスブックのような企業が銀行をやりたいと思うのならば、「銀行法を守れ!」と主張しているのでしょう。

                 

                 米国にはリアルな通貨として、かつてないほど安心で信用できる通貨USAドルがあります。

                 

                 仮想通貨は不法取引に使われやすく、世界中がマネーロンダリングに対して血眼になっている中、新たな巨大なマネーロンダリングシステムがリブラという仮想通貨によってできあがるとなれば、これを見過すわけにはいかないでしょう。

                 

                 米国のFRB理事のパウエル議長も批判し、特にマネーロンダリングに対して懸念を示しています。

                 

                 仮想通貨業界では、2018年1月にコインチェック社で仮想通貨NEMが事件当時の終値で480億円相当、2018年9月にテックビューロ社(=ザイフ)で4種の仮想通貨が事件当時の終値で67億円相当が流出し、それぞれ仮想通貨不正流出事件として大きなニュースとなりました。

                 

                 この事件以来、金融庁が規制の強化に努めました。具体的には仮想通貨の交換業者に立ち入り調査を行い、業務改善命令や業務停止命令を相次いで出すなど、取引の安全性の強化の指導をしてきました。

                 

                 そんな中、先月7/11にビットポイントという交換所でハッキングによって35億円の仮想通貨が流出するという事件が発生しています。

                 

                 このビットポイントという交換所は、金融庁が業務改善命令が出ていた交換所だったのですが、2019年6月末に業務が改善されたとして改善命令を解除したばかりだったにもかかわらず、ハッキングで35億円流出とは、一体金融庁は何やっているのか?という話で、全く納得できません。

                 

                 トランプ大統領の7/11のツイッターの直後に、ビットポイントでの35億円流出事件の発生とは、偶然の出来事と思うものの、日本の仮想通貨市場はセキュリティが弱く狙われやすいということを証明してしまっているともいえます。

                 

                 このように仮想通貨はリスクが高いため、仮想通貨を投資対象としておられる方は、トランプ大統領を敵に回していることを意識し、仮想通貨の保有に注意した方がいいと私は考えます。

                 

                 

                 というわけで今日は「トランプ大統領の仮想通貨批判」と題して論説しました。

                 

                 

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                中国と欧州を為替操作ゲームを楽しんでいると皮肉ったトランプ大統領

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                   昨日は日銀の金融政策決定会合について、日銀の金融緩和策について述べましたが、今日は「中国と欧州を為替操作ゲームを楽しんでいると皮肉ったトランプ大統領」と題し、米国の金融政策について論じたいと思います。

                   

                   米国の4月〜6月におけるGDP速報値が発表となり、事前予想1.8%よりも高い2.1%で着地しました。そんな中で、今月末にFOMC連邦公開市場委員会が開かれます。

                   

                   すでに利下げすることは決定的といわれており、問題はその利下げ幅が0.25%か0.5%かが焦点になっています。

                   

                   ブルームバーグの記事を紹介します。

                  『ブルームバーグ 2019/07/25 18:00 来週のFOMC、25bp利下げの確率が最も大きい−エコノミスト調査

                   米金融当局は今月30、31両日の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利引き下げを決め、年内にもう1回利下げする。ただ、長期の緩和サイクルに入るわけではない。ブルームバーグが実施した最新のエコノミスト調査で、このような見方が示された。

                   KPMGのチーフエコノミスト、コンスタンス・ハンター氏は調査への回答で、「金融当局が成功を収めれば、将来の新たなリセッション(景気後退)の前に再度、利上げを実施するだろう」との考えを明らかにした。

                   今月19−23日実施の調査結果(中央値)では、来週のFOMCで25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げが決まる確率が80%と最も大きく、50bp利下げは10%、金利据え置きは5%とされた。

                   貿易摩擦が世界の経済見通しに影を落とし、低インフレが続く中で、エコノミストは6月の前回調査で12月と来年7月に1回ずつの計50bp利下げを予想。その後、米金融当局者が一層の景気減速に備える姿勢を強めたのを受け、今回の調査では利下げ時期の予想が7月と10月に前倒しされた。』

                   

                   

                   上記の通り、市場関係者の間では、0.25%の利下げを予想している人が多いです。

                   

                   ただ7/18にニューヨーク連邦準備銀行のウイリアムズ総裁が、経済状態の悪化に直面した場合は、速やかな利下げすべきである旨の発言をしたため、場合によっては0.5%の利下げもあるかもしれません。

                   

                   4月〜6月のGDP速報値が1%台であれば、0.5%の可能性は極めて高かったと思うのですが、2.1%というのは予想値よりは上回って米国経済が依然好調であることを示すとはいえ、1月〜3月は年率3.1%だったのをみると、世界経済が不調な状態が、米国にも影響を及ぼしているという見方もあります。

                   

                   ここで重要なのは、トランプ大統領がどう考えているか?です。

                   

                   トランプ大統領のツイッターを2つご紹介します。

                   

                  『AFP通信 2019/05/26

                  日米は貿易交渉で「大きく前進」しているが、交渉の「多く」は7月の参院選後まで待つことになる。』

                   

                  『ブルームバーグ 2019/07/04

                  中国と欧州は大きな為替操作ゲームに興じており、米国と競うためシステムにマネーを送り込んでいる。

                  われわれも同じ事をやるべきだ。そうでなければわれわれは、他国が何年も前からゲームを続けるのを座っておとなしく眺めている間抜けであり続けることになる!』

                   

                   なぜ、トランプ大統領のツイッターを取り上げたか?その理由は、トランプ大統領がドル売り円買いの為替介入の可能性に留意しなければならないと思うからです。

                   

                   参院選挙は終わり、その一方で中国と欧州は為替操作ゲームを派手に楽しんでいるとし、米国も対抗すべきであるとツイートしています。

                   

                   金融システムにお金をつぎ込む為替操作ゲームとは、国家が為替介入をするということで本当はやってはいけないことなのですが、トランプ大統領は、中国と欧州がそのような市場操作をやっているとして批判し、それならば米国も市場操作をやるという言い方をしています。

                   

                   このようにトランプ大統領は明らかにドル高に不満を持っているといえるでしょう。

                   

                   マーケットの一部では、大統領の再選がかかった大統領選挙で予想外に自分の支持率が民主党候補より低いということで、為替市場でドル買い介入を強行するのでは?という見方があります。

                   

                   ドル売り介入を強行し、ドル安他国通貨高にすることで、貿易交渉を有利に持って行こうと考えているのでは?といわれているのです。

                   

                   中国、欧州、そして日本と貿易戦争に勝つため、トランプ大統領は自らの票田の製造業に従事する人々に対してアピールする必要があり、そのためにも貿易赤字を食い止めようと為替市場におけるドル売り介入を強行するというシナリオは十分に考えられます。

                   

                   仮にもトランプ大統領がドル売り介入が強行されれば、間違いなく超円高になり、日本の株式市場は大暴落することでしょう。

                   

                   

                   というわけで今日は「中国と欧州を為替操作ゲームを楽しんでいると皮肉ったトランプ大統領」と題して論説しました。

                   本来ならば、消費増税などやっている場合ではないのですが、もはや10月の消費増税は、ほぼ確定してしまっています。世界経済や通商協議によっては超円高というシナリオがあるにもかかわらず、財政再建のために消費増税をするというのは、全くをもって白痴であると言わざるを得ません。

                   仮に消費増税をしたとして、最低でも10兆円規模の補正予算を10年間続け、その財源として国債を発行するということであれば、日本経済へのダメージは抑えられるかもしれません。しかしながら補正予算の規模もショボく、国債発行もせず、超円高と消費縮小となれば、日本経済へのダメージは破壊的なものになると私は思います。

                   

                   

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                  麻生財務大臣と財務省の言説の矛盾

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                    JUGEMテーマ:経済成長

                     

                     

                     今日は「麻生財務大臣と財務省の言説の矛盾」と題して論説します。

                     

                     今、世界経済が減速に向かっているわけですが、その理由として、米中貿易戦争と英国のブレグジットの2つをあげられることができるかと思います。

                     

                     トランプ大統領による米中貿易戦争は、安全保障でアメリカファーストを貫くため、保護主義に傾注しようとしている一方、英国のブレグジットは英国議会がEUとの合意案をまとめきれず、問題が長引いており、合意なき離脱になるのか否か?やきもきしているというのがこのブレグジット問題です。

                     

                     そして、上述の2つ以外に、もう一つ隠れたテーマがあるのでは?と私は思っておりまして、それが日本の消費増税です。

                     

                     消費増税は私たちの生活に関わるだけではなく、世界経済に関わる問題だと思うのですが、今のところ目立って何か起きているわけではありません。

                     

                     日本が議長国だった大阪開催のG20は終わりました。当初、財務省あるいは安倍政権の意向で「反保護主義」の文言を明記しようとしましたが、これは見送られました。

                     

                     トランプ政権は対中国の貿易赤字を減らしたい、対日の貿易赤字を減らしたいということに加え、安全保障上の脅威となるので輸出には関税をかけるという意向がある一方、日本の財務省は、対米で貿易黒字が続く方が都合がよいため、反グローバリズムの発想で「反保護主義」を明記しようとしたのだと考えられます。

                     

                     一方で日本のマスコミの論調は、米国のトランプ大統領が来年の大統領選挙の再選のためにFRBに利下げのプレッシャーをかけていると報道しています。何しろ来年の選挙の時に景気が悪いと困るからというのが日本のマスコミの見立てです。

                     

                     特に朝日新聞の論調は、ひどすぎます。トランプ大統領の行為が国際協調に逆行し、中央銀行の独立性を脅かして、世界経済の足を引っ張ろうとしているという論調だからです。その朝日新聞の記事をご紹介します。

                     

                    『朝日新聞 2019/06/16 10:21 FRB議長がトランプ氏に公然と反論「政治から独立」

                     米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は25日の講演で、「FRBは短期的な政治圧力から遮断されている」などと語り、中央銀行の独立性を説いた。FRBに対して連日、公然と大幅利下げを迫る米トランプ大統領に公の場で反論した形だ。

                     パウエル氏はニューヨーク市内での講演の冒頭、「議会がFRBに独立性を与えたのは、短期の政治的利益のために政策がねじ曲げられたときに、危害が生じてきたからだ」と指摘。世界の主な民主主義国家は、いずれも同様の独立性を得ていると述べた。

                     米中通商摩擦で世界経済に不透明感が強まっていることを受け、FRBは金融緩和の方向に転じている。パウエル氏は「成長を維持するために適切に行動する」と利下げの用意があることを引き続き示唆する一方、「いかなる個別指標や短期的な市場心理の揺れにも過剰反応すべきでない」とも指摘。7月の利下げを当然視している市場にもクギを刺した。

                     昨夏から露骨なFRB批判を繰り返してきたトランプ氏だが、最近はパウエル氏の解任までちらつかせるなど発言をエスカレートさせており、中央銀行の独立が危ぶまれている。(ニューヨーク=江渕崇)

                     

                     

                     このようにFRBのパウエル議長が、中央銀行の独立性を説いたとして、トランプ大統領の行為をネガティブに報じています。

                     

                     しかしながら、こうした論調には私は違和感を感じます。なぜならば、朝日新聞の論調で言えば、トランプ大統領がFRBに利下げを要求することが世界経済のリスクということになるからです。

                     

                     もし、今までの大統領のようにトランプ大統領がFRBに対して何も言わなかったら、FRBはどうしていたでしょうか?

                     

                     私は、間違いなくFRBは利上げをしていたと思います。ところがトランプ大統領はFRBに対して利下げを要求しています。これは異例中の異例で、それをやるのがトランプ大統領です。

                     

                     仮にもFRBが利上げしていたら、間違いなく米国経済は減速します。ただでさえ、日本中国欧州と世界中の先進国の経済が悪くなっている中で、最後に残っている好調な米国経済ですら減速するようなことになれば、世界経済全体が困ることになります。

                     

                     だからFRBが利下げを要求することが世界経済のリスクと考えている朝日新聞の論説は間違っています。

                     

                     そして麻生財務大臣は、消費増税を表明しました。麻生大臣は貿易問題について発言し、二国間交渉は間違っていて、多国間の枠組みで取り組むべきとし、TPPの内容以上の譲歩はしない旨を主張しました。

                     

                     これは誰に対して主張しているか?といえば、明らかにトランプ大統領に対する主張です。

                     

                     麻生大臣は、米国のトランプ大統領はモノの輸出の貿易収支に拘りすぎているので、貿易を経常収支で見るべきであると提案もしました。具体的には、モノだけでなく、サービスのやり取り、金融取引のやり取り、すべてを赤字か黒字か?で見るべきであると主張しています。

                     

                     例えば、モノの貿易だけで見ると、米国の対日赤字は8000億円あるのですが、金融取引で儲けているので、経常収支では4000億円の赤字にまで圧縮されます。約2000兆円の米国のGDPから見れば、4000億円は大したことがないだろうというのが、麻生大臣の主張で、だから米国は日本や中国に対して貿易収支だけをみて、赤字額を減らせ!=輸出額を減らせ!と言わないで欲しいということでもあります。

                     

                     しかしながら、この麻生大臣の考え方、貿易収支ではなく、経常収支で見るという考え方だと、経常収支が赤字の国は消費を控えて貯蓄をしてください!ということになります。

                     

                     そして経常収支の黒字国である中国、ドイツ、日本は「黒字がたっぷりあるから国内の消費を伸ばしてください!」ということになります。

                     

                     この考え方で問題がないか?といえば、大いに問題があります。今の米国が経常収支赤字国であるため、「消費が旺盛すぎるので消費を控えて貯蓄せよ!」となれば、米国の消費が止まってしまいます。そうなれば米国の旺盛な消費のおかげで米国経済が絶好調となり、何とか世界経済全体が保たれているのに、その米国の消費を止めてしまって困るのは、世界経済全体が困ることになります。

                     

                     と同時に、世界経済のリスクの中で、隠されたリスクは日本の消費増税です。日本は経常黒字国なので、経常黒字国がやるべきことは貯蓄ではなく消費です。トランプ大統領に対して「消費が旺盛すぎるので貯蓄せよ!」とはデフレを助長するだけですのでそのように主張することができるはずがありません。むしろ世界経済が復調となるまで、対米で貿易黒字を続ける方良いとする財務省にとっては「トランプさん!米国では旺盛な消費を継続もしくは、さらに拡大して欲しい!」ということになるのです。

                     

                     ところが日本は消費を減らす消費増税をやるというわけですから、こうした言説は明らかに矛盾しているのです。

                     

                     

                     というわけで今日は「麻生財務大臣と財務省の言説の矛盾」と題して論説しました。

                     麻生大臣が日本における10月の消費増税を明言しておきながら、米国に消費をするな!と主張することの矛盾に気付いているのか?私には不明です。グローバリズムで輸出を伸ばせば、人々に幸福が来るか?といえば、幸福はありません。

                     そのグローバリズムに対する怒りで、米国ではトランプ大統領が現れ、英国ではブレグジットとなりました。それだけではなくドイツやフランスでも反グローバリズム政党が台頭し、世界は反グローバリズムという流れが加速されようとしています。

                     かつて経済学者のジョンメイナードケインズは、輸出を伸ばせば戦争になるが、各国が自国で需要を創出することに注力すれば、やがて戦争はなくなると言っていました。

                     グローバリズムで輸出で稼ぐのではなく、内需拡大こそが自国民を幸せにして世界での戦争ですら無くなっていくことにつながることを、多くの人々に気付いていただきたいものと私は思うのです。

                     

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                       皆さんの中には、株式投資をされておられる方もおられると思います。そんな中、自動車株が割安になっておりまして、なぜ割安なのか?私見を述べたく、今日は「米国にとってトヨタ自動車は中国・北朝鮮・ロシア・アルカイダと同じ扱い」と題して、

                       

                      1.トヨタ株について

                      2.日本の自動車業界が安全保障上の脅威に位置付け

                      3.日本欧州の自動車メーカーよりも米国の自動車メーカーを守る方針を明確に打ち出すトランプ大統領

                       

                      の順で論説します。

                       

                       

                       

                      1.トヨタ株について

                       

                       トヨタ自動車の7/5(金)の終値は、下記の通り6,889円となっております。

                       

                      <トヨタ自動車の株価とチャート>

                      (出典:ヤフーファイナンス)

                       

                       

                       直近の国際情勢を考えますと、G20が終わり、日米貿易交渉が本番になるものと推察いたします。その争点として自動車が大きな争点の一つとなることは必須です。トランプ大統領が日本の自動車に関税をかけるのか否か?私は注目しています。

                       

                       7/2(火)、トヨタ自動車は北米の2019年1月〜6月の上期の販売実績を発表しています。その発表によれば、前年の2018年1月〜6月に比べて3.5%減となり、上期として10年ぶりに前年同期比でマイナスとなりました。

                       

                       とはいえ、2019年3月決算では日本の上場企業として初めて売上高が30兆円を超え、営業利益は2兆4,675億円(前期比2.8%増益)と、ライバル会社の欧米の自動車メーカーが軒並み大幅減益になっている中で、素晴らしい業績を出しています。

                       

                       にもかかわらず、トヨタ自動車株は割安なのです。

                       

                       下表は、自動車大手各社の指標で、トヨタ自動車とホンダと日産自動車について、注視していただきたい指標をピックアップして並べたものです。

                      銘柄

                      証券

                      コード

                      株価

                      7/5終値

                      売上高 営業利益

                      予想

                      PER

                      PBR

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                      当たり

                      配当

                      配当

                      利回り

                      トヨタ自動車 7203 6,889円 30兆円 2.5兆円 8.67倍 1.01倍 220 3.19%
                      ホンダ 7267 2,836.5円 15.9兆円 0.8兆円 7.51倍 0.60倍 112 3.95%
                      日産自動車 7201 773.4円 11.3兆円 0.2兆円 17.80倍 0.57倍 40 5.17%
                      三菱自動車 7211 523円 3.7兆円 0.1兆円 11.98倍 0.89倍 20 3.82%

                      (出典:ヤフーファイナンス、日興コーディアル証券)

                       

                       

                       株価の割高割安を示すPER(株価収益率)は、8.67倍と10倍を割れており、PBR(株価純資産倍率)は1.01倍と1倍をかろうじて超えているという状況で、トヨタ自動車の株価は、素晴らしい業績に対してとんでもなく安く、配当利回りは220円配当として3.19%です。

                       

                       同じくホンダはPERが7.51倍、PBRは0.60倍で、配当利回りは、なんと3.95%です。日産自動車や三菱自動車は、ゴーン逮捕の影響で営業利益が大きく落ち込むため、PERは10倍超となっていますが、それでもPBRは日産自動車で0.57倍、三菱自動車で0.89倍と1倍を大きく下回ります。

                       

                       この割安さは、リーマンショックの時にトヨタ自動車もホンダも赤字になり、その時はPBRは1倍を割り込みました。PBRが1倍を割り込むとはどういうことかというと、会社を解散したら、その株価以上に財産分配を受けられるということを意味し、会社を解散すれば、その差額が儲かるという状況です。実際は会社の資産に含み損益がそれぞれあったり、雇用を生んでいるということもあって、PBRが1倍割れたからといって「ハイ!会社を解散しましょう!」とはなりません。

                       

                       しかしながらトヨタ自動車でいえば、売上高が史上初の30兆円を達しているのに、リーマンショックで転落したときに近い評価しかされていないといえます。

                       

                       なぜトヨタ自動車やホンダの株式の買い手がいないのか?それは、日本の自動車メーカーの将来が暗いと思っているからに他なりません。

                       

                       

                       

                      2.日本の自動車業界が安全保障上の脅威に位置付け

                       

                       下記は、5月に報じられた時事通信の記事です。

                      『時事通信 2019/05/18 11:48 日欧に「半年合意」迫る=車輸入制限、判断は延期−トランプ米大統領

                      【ワシントン時事】トランプ米大統領は17日、安全保障を理由とした自動車・同部品の輸入制限措置について、追加関税の是非を判断する今月18日の期限を最長6カ月延長すると発表した。期間内に日本や欧州連合(EU)などと具体的な対応策で合意できなければ「追加の行動」を検討する。日米首脳会談を27日に控え、貿易交渉の期限を区切って歩み寄りを迫る姿勢を示した。
                       トランプ大統領は声明で、自動車の輸入増加が「米国の安全保障上の脅威」と訴えた。具体的な要求には言及していないが、関税・非関税障壁への対処、貿易量に上限を設ける「数量規制」が取り沙汰されている。日米両国は21日にワシントンで事務レベル協議、27日に東京で首脳会談を行う予定で、議題に上るとみられる。
                       米ブルームバーグ通信は、日欧への「数量規制」を視野に入れた大統領令が検討されていると報じていた。日本政府は米通商代表部(USTR)に「自由で公正な貿易をゆがめる措置だ」として反対の意向を改めて伝え、理解が得られたと説明している。
                       輸入車への追加関税は最大25%とも言われているが、米産業界や議会は追加関税自体に反発している。トランプ大統領は声明で、昨年改定した北米自由貿易協定(NAFTA)と米韓自由貿易協定(FTA)は「脅威に対処するのに役立つ」と指摘した。米国はNAFTA新協定で「数量規制」をのませた実績があり、カナダ、メキシコに対しては関税の適用を条件付きで免除する見通し。
                       自動車の輸入制限をめぐっては、商務省が通商拡大法232条(国防条項)に基づく影響調査書を2月17日に提出。大統領は原則90日以内に措置を決める規定だが、最長6カ月延ばせる。』

                       

                       上記時事通信の記事の通り、トランプ大統領の貿易戦争のターゲットになると思われているため、自動車株全体が割安になっているといえます。もし、貿易戦争のターゲットになれば、自動車関税の引上げと円高が待ち受けていることでしょう。そうなれば外需に頼る自動車業界の業績は将来悪化する可能性があります。

                       

                       日本の株式市場全体では、銀行株と自動車株が安く、買い手がいない状況となっています。

                       

                       銀行業界はマイナス金利が続いて、デフレが放置されていることもあってお金を借りてまでビジネスをしようとする人は極めて少なく、業績が悪いのでやむを得ませんが、自動車業界は業績が悪いわけではないのに株価は割安になっているのは、上述の貿易戦争のターゲットになるのでは?という思惑がその理由であると思われます。

                       

                       そして、ここに今、目の前にある日米貿易交渉の難しさが浮き彫りになっているといえます。

                       

                       米国のウォールストリートジャーナルの記事に、次のような記事が掲載されていました。

                      『ウォールストリートジャーナル 2019/05/21 16:47

                      中国、キューバ、ロシア、アルカイダ、イスラム国(IS)、トヨタ自動車、北朝鮮、ヒズボラ、イスラム革命防衛隊。この中で、米国の国家安全保障上の脅威と位置づけられていないのはどれか。 「トヨタ」と答えた人は、トランプ政権で働いてはいけない。同政権は先週、「米国資本」の自動車や自動車部品以外は国家安全保障の脅威になると宣言した。ホワイトハウスが声明の中で、日欧との貿易交渉中は自動車への追加関税を180日間猶予すると発表したことを受け、金融市場は安堵(あんど)感に包まれた。』

                       

                       

                       上記の記事の通り、トランプ政権にとってトヨタ自動車は、中国・北朝鮮・ロシア・アルカイダと同じ扱いで国家安全保障上の脅威と位置付けられています。トランプ政権は、米国資本の自動車会社以外は、国家安全保障上の脅威になると宣言しているのです。

                       

                       しかしながらなぜトヨタ自動車が中国・北朝鮮・ロシア・アルカイダと同じ扱いになるのでしょうか?

                       

                       その理由は、米国の基幹産業である自動車メーカーが日本や欧州の自動車メーカーとの競争に負けた場合、技術開発が弱くなって、米国全体の技術のイノベーションが弱体化します。その結果、国家安全保障が損なわれます。だから日本や欧州からの輸入車を減らすというのがトランプ政権の方針です。

                       

                       この理論でいけば、トヨタ自動車のみならず、ホンダもフォルクスワーゲンもメルセデスベンツも米国にとっては脅威と位置付けられることになるでしょう。

                       

                       

                       

                      3.日本欧州の自動車メーカーよりも米国の自動車メーカーを守る方針を明確に打ち出すトランプ大統領

                       

                       一方、日本欧州の大手自動車メーカーは、米国国内に工場をたくさん作り、多くの米国人を雇用しています。

                       

                       トランプ大統領は米国人の雇用や賃金を大事にしようとします。そのため、日本欧州の大手自動車メーカーに対して、メキシコに工場を作って米国に逆輸入することは許さないということで、米国国内に工場を作ることは容認しているものと思いがちですが、そうではありませんでした。

                       

                       トランプ大統領は、たとえ日本欧州の大手自動車メーカーが米国国内に工場をたくさん作って、多くの米国人を雇用したとしても、米国の自動車メーカーのフォード、GM、テスラを守るということで、アメリカファーストを貫き、米国の会社を守るという方針をはっきりと打ち出しているのです。

                       

                       こうしたことから、トヨタ株を含め、日本の自動車業界の株価が割安水準に放置していると考えられます。

                       

                       

                       というわけで今日は「米国にとってトヨタ自動車は中国・北朝鮮・ロシア・アルカイダと同じ扱い」と題して論説しました。

                       トランプ大統領は自国の安全保障のためなら、なんだってやります。米国国民を守るという意思が強く見えます。それに比べて我が国はどうでしょうか?自由競争で関税を引き下げ、負けたら自己責任ということで、政府が関与せず、自由競争こそ日本国民が幸せになれるという勘違いも甚だしい政策が打たれ続けています。特に安倍政権は日本のインフラや日本人のために蓄積された技術・ノウハウや資本を、外国に売ることを推奨し、国家として日本国民が幸せになるためにお金を使うこともせず、競争に晒させて負けたら「自己責任で死ぬなりなんなりしてください!」と言わんばかりであって、日本国民が貧乏になっていくのを加速化させる政策が多く打たれているのが現状です。

                       米国のように自国民ファーストを考えられない政治家は、日本国民の迷惑になるので、与野党を問わず国会議員の職を辞していただきたいと私は思います。

                       

                       

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                      トランプ大統領による米韓FTAとNAFTAの見直し

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                        JUGEMテーマ:通商政策

                         

                         今日は「トランプ大統領による米韓FTAとNAFTAの見直し」と題して論説します。

                         

                         日米FTAとは、日本と米国の二国間自由貿易協定なのですが、現時点で日本は日米FTAを締結していません。しかしながら、韓国は一足先に早くから、米国と二国間自由貿易協定、通商「米韓FTA」を締結しています。時期は今からちょうど12年前の2007年6月30日に署名し、2012年3月15日に発効となっています。

                         

                         しかしながらトランプ大統領になってから米韓FTAは見直され、新米韓FTAとして既に発効され直しています。

                         

                         古い記事ですが、ブルームバーグの記事をご紹介します。

                        『ブルームバーグ 2018/09/25 07:44 米韓首脳がFTA見直し案に調印−国連総会に合わせ

                         トランプ米大統領と韓国の文在寅大統領は24日、見直し交渉後に合意していた米韓自由貿易協定(FTA)に調印した。国連総会に合わせ、トランプ大統領にとって就任後初の大型貿易協定の調印がニューヨークで行われた。

                         貿易アナリストらによれば、米韓FTAの改定は化粧品分野が中心だった。議会承認が必要になる米通商法の発動をトランプ大統領が拒否し、再交渉分野を制限したためだ。3月にホワイトハウスが公表した新協定内容では、関税と自動車輸出枠が修正されていた。

                         トランプ大統領は24日、米韓FTAは内容を若干修正したものというより「全く新しい協定」だと述べた。一方、文大統領は通訳を介して、米韓両国はFTAを「改定」したと語った。

                         トランプ大統領は、「われわれは韓国への製品輸出を開始する」とした上で、「最も素晴らしい米国製自動車や革新的医薬品、農作物の韓国市場へのアクセスは大幅に拡大する」と指摘した。

                         改定FTAにより、米自動車メーカー各社は従来の2倍の5万台まで、韓国国内の安全基準を満たさなくても輸出が可能になる。しかし現在、韓国国内での販売台数が年間1万台を大幅に上回る米メーカーはない。

                         韓国はまた、韓国製トラックへの25%の米関税について失効期限を従来予定の2021年から41年に先延ばしすることに同意。また韓国製鉄鋼の輸出枠設定も受け入れた。

                         韓国はFTA見直し案の来年1月1日発効を見込む。文大統領は、「米韓両国企業は、より安定的な環境の下でビジネスを行えるようになるだろう」と述べた。

                         ただ韓国の議員らは、米国が韓国製自動車に追加関税を発動させた場合はFTA見直し案を承認しないと述べている。米韓FTA見直し案の批准には韓国議会の承認が必要。』

                         

                         トランプ大統領は、この新米韓FTAが素晴らしい貿易協定になったとして、満足の意を表しています。

                         

                         もともと韓国の貿易は、厳しい状況となっていました。下記グラフの通り、米韓FTA発効後、2015年をピークに貿易黒字は減少傾向となっています。

                         

                        <韓国の対米輸出入・貿易収支の推移>

                        (出典:ジェトロのホームページから)

                         

                         

                         2018年1月発効の新米韓FTAのポイントは、自動車とISDS条項です。

                         

                         まず自動車については、米国が輸入する韓国製のピックアップトラックの関税25%の撤廃時期を20年延期して2041年からとした他、米国車を韓国が輸入するのに関して、米国の自動車メーカー別に年間5万台(現行は25,000台)まで、米国の安全基準を満たした車両を韓国の安全基準を満たしたものとみなすなど、米国が韓国に自動車を輸出するのに有利な改定になっています。

                         

                         米国の自動車メーカーのフォードやクライスラーといった企業にとっては、ありがたい話だといえるでしょうし、韓国のピックアップトラックを製造するメーカーにとっても、ありがたい話といえます。

                         

                         自動車の輸出入について、新米韓FTAは米韓が共にWIN−WINとなるような内容になっています。

                         

                         2つ目はISDS条項の乱訴に歯止めをかけるというもの。このISDS条項というのは、日本でもTPPへの加盟の是非の議論でよく取り上げられました。

                         

                         当時のTPPの議論では、TPPに加盟するとグローバル企業が海外に投資をするようになり、その投資先の国家が規制をしたことで企業が損失を被ったならば、その国家を訴えることができ、しかもグローバル企業に有利な判決が出るため、国家の主権が侵されるということで問題だという議論がありました。

                         

                         まさに、グローバル企業と国家間で発生した紛争を処理するルールを定めているのがISDS条項なのです。

                         

                         そしてそのISDS条項があるがゆえに、グローバル企業は安心して投資ができるのです。

                         

                         しかしながら、このISDS条項は、先述の通り企業に有利な判決が出やすいのです。企業の立場が国家よりも強いということで、グローバル企業による国家に対する訴訟が乱発され、国家主権がどんどん制限されていくという問題がありました。

                         

                         ISDS条項が問題だと思うのは、そもそも裁判所がどこの裁判所なのか?ということに尽きます。米国国内では、世界銀行のグループの一つ、国際投資紛争解決センターというグローバル組織です。そのため、グローバル裁判所であることから、グローバリズム有利で反国家の判例が出やすく、国家に対して厳しめの判決が出やすいのです。

                         

                         このようなISDS訴訟が乱発されると、国家主権が危うくなるというわけで、反グローバリズムからみれば、ISDS条項は大きな問題です。

                         

                         米国は、もともとISDS条項が入っていることを推進し、日本も推進していたため、日米共にTPPでISDS条項は、入っていた方がよいという論調でした。

                         

                         ところがトランプ大統領が登場してから米国は変わりました。トランプ大統領は、もともと反グローバリストであるため、ISDS条項を問題視していたのです。

                         

                         その証拠にトランプ氏は大統領になってからすぐにTPP加盟交渉から離脱。理由はISDS条項を問題視していたからで、すでに加盟していた旧米韓FTAやNAFTAでもISDS条項が入っていました。

                         

                         どちらかといえば、米国のグローバル企業にとっては、ISDS条項が入っていた方が有利だと考えられるのですが、トランプ大統領はISDS条項を問題視し、NAFTAからもISDS条項を外しています。

                         

                         こうした新米韓FTAを2018年1月から発効させた韓国ですが、先述のグラフの通り、韓国からみれば2017年と比べて2018年度は貿易黒字は減少しているものの、輸出も輸入も伸びているのです。

                         

                         

                         というわけで今日は「トランプ大統領による米韓FTAとNAFTAの見直し」について取り上げました。

                         G20が終わり、今後トランプ大統領はTPPではなく、日米FTAの締結を迫ろうとするでしょう。その際、日本の政治家が安易に農産品の関税を引き下げるといったことがないようにしていただきたいと私は思います。

                         そもそもトランプ大統領が、米国民ファーストのためにふっかけてくることは明らかです。日本もグローバル企業の保護ではなく、食料安全保障の強化の意味からも、農産品の関税引き下げについては断固として阻止することを意思表示し、かわりに消費減税をすることで米国製品が輸入しやすくなるような環境を作るというのが、一番ベターな話ではないかとも私は思っています。

                         しかしながら与党自民党は消費増税をする方向で参議院選挙を戦うということなので、今後米国との通商協議は大変厳しいものになっていくだろうと私は思います。

                         

                         

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                           一昨日6/7(金)に「経済よりも安全保障を重視するトランプのメキシコへの関税戦略」と題して、メキシコ関税について取り上げました。その直後、トランプ大統領が6/8(土)に対メキシコ関税を見送るという報道が出たため、今日は「マスコミが報じないメキシコ国境で繰り広げられる麻薬戦争・人身売買」と題し、この問題を取り上げたいと思います。

                           

                           まずは日本経済新聞の記事をご紹介します。

                          『日本経済新聞 2019/06/08 18:24 対メキシコ関税、土壇場で見送り 再燃リスクなお

                           【ワシントン=鳳山太成】トランプ米大統領は7日、メキシコからの全輸入品への関税発動を見送ると発表した。関税で脅すトランプ流「ディール」で譲歩を引き出し、自動車メーカーなどの供給網が寸断される事態は回避された。ただ米国への不法移民の流入が止まるかは不透明で、トランプ氏が再び関税を持ち出すリスクがある。産業育成など国家戦略に関わる中国との貿易戦争も激しく、世界経済の重荷は残ったままだ。

                           「メキシコが移民を食いとめる強硬な措置を取ることで合意した」。5%の関税を発動する10日の期限が迫るなか、欧州歴訪から帰国したトランプ氏はツイッターで宣言した。メキシコの提案を受け入れる代わりに関税発動を「無期限」で停止すると表明した。

                          両国の合意内容は(1)メキシコがグアテマラ国境付近に国家警備隊を配置し、メキシコ経由での不法入国を防ぐ(2)米国に不法入国して保護申請した移民をメキシコ側に戻して待機させる――などだ。トランプ氏は8日、「メキシコが大量の農産品を購入することで合意した」ともツイートした。

                           米国のメキシコからの輸入総額は2018年が3465億ドル(約38兆円)で、中国に次ぐ2番目の輸入相手国だ。メキシコにとって米国は輸出の8割弱を占め、関税がかかれば景気後退に入るとの懸念が浮上していた。

                           トランプ氏が5月30日に関税発動を表明すると、メキシコ政府は外相ら閣僚がワシントン入りし、米政権や議会幹部に譲歩案を持ち込んだ。7日に関税回避が決まると、「忍耐強く交渉したことが結果に結びついた」(メキシコの有力経済団体)と安堵のムードに包まれた。

                           米国も中国のみならず、メキシコとも貿易戦争に突入すれば副作用は免れない。対メキシコ輸入の4割弱を占める自動車など産業界や議会は反対に回った。米国とメキシコにまたがる供給網が寸断されれば、業績悪化は避けられない。米産業界は関税回避を歓迎するとともに、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定の早期批准を促す構えだ。

                           日本の自動車大手幹部は「ほっとした」としつつも、「関税を巡る突発的な動きが今後もあると思うと頭が痛い」との本音をもらす。

                           トランプ氏は関税カードを切ることで、メキシコ政府から移民対策を巡る譲歩を引き出した。20年の米大統領選の再選に向け、自らの成果として有権者にアピールするのは確実だ。

                           ただメキシコの対策が効果を上げるかは読めない。国家警備隊は創設されたばかりで、すぐにグアテマラ国境付近に6千人規模の部隊が送れるわけではない。共同声明には、期待した効果が得られなかった場合は追加措置を検討すると明記した。移民対策の実効性が伴わないと判断すれば、「タリフマン(関税男)」を自称するトランプ氏が再び強硬手段に打って出るリスクも捨てきれない。

                           

                           

                           上記記事の通り、6/10(月)から発動予定だった対メキシコ関税について、トランプ大統領が見送ることになりました。

                           もともとは明日6/10(月)にメキシコに対して関税5%をかけるということで、世界は大騒ぎすることになったのですが、トランプ大統領は現地日時6/7(金)、日本時間では6/8(土)の朝方、ツイッターで関税をかけることについて、無期限で中止すると発表しました。

                           

                           記事にも記載されていますが、メキシコ政府の外相などの閣僚がワシントンDCに来ており、彼らはペンス副大統領とポンペオ国務長官らと協議し、不法移民問題で合意したとされています。

                           

                           その合意内容の中身とは、メキシコ政府が不法移民を取り締まる警察官の数を増やし、米国の警察との連携するという内容で、6/4(火)から始まっていたようです。

                           

                           具体的には米国の警察が、不法移民の隠れ家を探す方法や、検問設置方法などのノウハウをメキシコ警察に教えるという内容が始まっているとのこと。

                           

                           もともとメキシコより南のグアテマラなどの国々から、アシュラム・シーカーズ(asylum-seekers)という不法移民の保護施設に収容されることを求める人々が大量にメキシコに流入しています。そうした人々らは、米国の設備が優れた保護施設に入ろうと国境を渡ってくるのですが、中には麻薬の運び屋が混ざっていて、大量に入ってくる不法移民の中から、麻薬の運び屋を見抜くのは至難の業といえるでしょう。

                           

                           そこで米国の警察がメキシコ警察にノウハウを教え、メキシコ政府も不法移民を取り締まる警察官を増やすということで、米国・メキシコの両政府が本気で不法移民について対策をやろうとしているとすれば、それは歓迎すべき方向だと私は考えます。

                           

                           何しろ、トランプ大統領の対メキシコ関税の狙いの一つとして、米国で麻薬を売ることで巨額の利益を上げている麻薬密売組織から、米国市民を守りたいということはあるでしょう。

                           

                           ところが、中南米のグアテマラなどから北上してメキシコに入国した移民が米国に入ってくるというの実態について、日本のマスコミは全く報じていません。少なくても日本経済新聞の記事からは、全く読み取れません。

                           

                           またもう一つ麻薬問題と別の大きな問題として、ペドファイリング(小児・幼児を対象とした性的愛好者)問題というのがあります。

                           

                           日本ではあまりなじみのない問題なのですが、米国国内にはペドファイリングという異常者が、富裕層を中心に多数いるようで、そうした富裕層ら向けに、メキシコの小さな子供たちを国境越えさせ、人身売買が行われているのです。

                           

                           このことはニューズウィークなど、米国のマスコミでは取り上げられていますが、日本のマスコミは一切報じていません。

                           

                           ドイツのメルケル首相がシリア難民を無制限に受け入れると宣言した2015年の年の大晦日に、ケルン事件という大量の婦女暴行事件が発生したことも報じておらず、私はマスコミに対して大変憤りを感じているのですが、このペドファイリング問題や麻薬問題を報じないこともまた怒りを感じます。

                           

                           トランプ大統領は、こうした麻薬問題、ペドファイリング問題を解決すべく、関税引き上げというものを武器を使って、メキシコ政府を動かしたともいえます。

                           

                           メキシコへの関税中止は、未来永劫続くか?不明です。

                           

                           しかしながら、不法移民に対する対策の実効性がなければ、経済よりも安全保障を重視するトランプ大統領は、容赦なく関税で脅すなり、実際に関税をかけていくことになるでしょう。そして結果的に米国経済にとっていい方向に向かうことになるでしょう。

                           

                           ところが日本経済新聞の記事もそうですが、トランプ大統領のやり方が強引すぎるなど、非難のコメントやネガティブな論説が多い。実際に中国やメキシコはルールを守らず、米国の国益を脅かし続けてきました。

                           

                           ルールを守らない相手に対して、トランプ大統領は容赦なく関税という武器を使い、結果的に米国の言うことを聞かせ、米国国民ファーストの結果を出しています。

                           

                           それと比べて日本の総理大臣安倍首相は、総理在任期間が歴史的な長さになりつつあるものの、それに見合った結果を出しているでしょうか?

                           

                           トランプ大統領は、失業率も3.8%と過去50年間で最低水準にまで引き下げ、実質賃金は年率2.8%の上昇と、経済でも成果を出していますが、マスコミは全く評価せず、報道しない。そして日本人は「トランプさん!勘弁してよ!」みたいな言説が蔓延っています。

                           

                           それどころか日本では実質賃金の数値を改ざんしたり、2019年1月〜3月のGDP速報も、プラスとなったものの、輸入激減で景気がめちゃくちゃ悪いという状況で、安倍政権の経済運営は全く成果が出ていないのですが、「いざなぎ越え景気」などと報じているのが日本です。

                           

                           そもそも今回のメキシコ問題について、移民対策を放置していたメキシコ政府について、マスコミが全く報じず、メキシコ国境では麻薬戦争やペドファイリング人身売買問題が絡む問題であることも日本のマスコミは全く報じていません。

                           

                           メキシコ以外の中南米の国から不法移民がメキシコに不法入国し、そしてメキシコ政府は簡単に許し、しかも米国を目指して北上する不法移民に対してメキシコ政府は何もしてこなかったのです。米国民ファーストを掲げるトランプ大統領にとっては、関税の措置は当然の帰結ともいえるでしょう。この件は、全面的にメキシコが悪いと思うのは私だけでしょうか?

                           

                           いずれにしても、中南米の麻薬戦争もペドファイリング問題も、ぜひ解決していただきたい大変な事案だと思いますし、メキシコへの関税引き上げをチラつかせて、結果的にメキシコ政府が動くならば、それはいい方向であると私は思います。

                           

                           

                           というわけで今日は「マスコミが報じないメキシコ国境で繰り広げられる麻薬戦争・人身売買」と題して論説しました。

                           日本経済新聞は読むに足らない新聞だと私は考えます。経済新聞という名前がついているものの、経済については全くの無知であって、トランプ大統領の経済の成果を正しく報じるべきです。

                           またメキシコの国境問題についても、麻薬問題・ペドファイリング問題も絡めて報じていただかないと、日本の国民のみならず、世界の人々らが、トランプ大統領は単に異常で頭がおかしいという印象を持つだけになってしまいます。

                           今一度、マスコミは真実を報道しなければ、その存在価値すらないものと、改めて思った次第です。

                           

                           

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                             今日は「経済よりも安全保障を重視するトランプのメキシコへの関税戦略」と題して論説します。

                             

                             2019/05/30朝方、トランプ大統領はメキシコに対する関税というツイッターを放ちました。中国に対する貿易戦争を吹っかけると思いきや、今度はメキシコです。具体的にはメキシコの輸入品に対して5%の関税をかけるとツイッターで発表しました。

                             

                             なぜトランプ大統領がメキシコの輸入品に対して関税をかけることにしたか?といえば、メキシコ国境からの不法移民問題です。

                             

                             トランプ大統領にとって、メキシコ国境問題は、自身がメキシコに壁を作るといって取り上げてきた大きな問題です。この問題に対してメキシコ政府が対処していないことに対する制裁として関税をかけることを表明したのです。さらにトランプ大統領は、メキシコ政府が不法移民問題に対応しなければ、段階的に関税を引き上げ、10月に関税を最高の25%に引き上げるとしています。

                             

                             米国とメキシコは、もともとカナダを含めた北米貿易自由協定のNAFTAというものがあります。NAFTAはEUに似てグローバリズムの象徴であり、大企業やグローバリズム官僚やマスコミにとっては大変都合がいいものです。

                             

                             しかしながら中小企業、労働者、庶民にとってはNAFTAはグローバリズムそのものであり、トランプ政権が誕生して以降、米国政府はNAFTAの見直しに着手していました。

                             

                             そして2018/10/02、新たな米国・メキシコ・カナダの3か国間におけるNAFTA新協定「USMCA」を合意しました。

                             

                             まだ合意の段階で批准されていないのですが、理由はトランプが関税を使い始めたからです。中国に対しての貿易戦争以前に、トランプ大統領が関税を使い始めた発端は、鉄鋼とアルミニウムに対する関税でした。

                             

                             メキシコとカナダの鉄鋼とアルミニウムに対して関税をかけていて、その関税がかかったまま「USMCA」の協議だったので、カナダ議会、メキシコ議会が「USMCA」への批准に消極的で、鉄鋼とアルミニウムに対する関税は大きな障害となっていました。

                             

                             そこでカナダをメキシコは報復関税ということで、米国から輸入していた農畜産物に対して関税をかけました。米国の農家は、一番近くて一番たくさん買ってくれていたメキシコとカナダに関税をかけられて、苦しい立場でした。

                             

                             関税報復合戦をこの3か国でやっていたのですが、少し前、トランプ大統領は鉄鋼とアルミニウムの関税を撤廃したため、カナダ、メキシコ、米国のUSMCAを批准するための障害がすべてなくなり、これでやっと北米で安定的な貿易ができるようになったと思ってすぐ直後に、5/31突然トランプ大統領はメキシコに対して関税をかけることにしたのです。

                             

                             下記はロイター通信の記事です。

                            『ロイター通信 2019/05/31 14:23 対メキシコ関税、トランプ米大統領の無謀な戦線拡大

                            [サンフランシスコ 31日 ロイター BREAKINGVIEWS] - トランプ米大統領が貿易戦争で無謀な戦線拡大に踏み出した。30日、メキシコ国境からの不法移民流入に同国が十分に対応していないとし、6月10日以降メキシコからの輸入品すべてに5%の関税を課すと表明。移民の流入が止まるまで関税率を段階的に引き上げるとしている。

                             だが、米国は中国との通商交渉が停滞しており、追加の関税引き上げが発動される可能性もある。他国・地域との通商交渉もほとんど進展していない。

                             トランプ大統領は、メキシコとの休戦を宣言したばかりだった。同氏は今月、カナダとメキシコに対する鉄鋼・アルミニウム関税を撤廃すると表明。これにより、カナダ・メキシコ両国では、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の批准に道が開かれたとの見方が浮上していた。

                             しかし、今回の対メキシコ関税表明で、米国3位の貿易相手国であるメキシコがUSMCAの批准に動くかどうか不透明になった。メキシコは、鉄鋼関税を課された際と同様、報復措置に出るかもしれない。

                             特にメキシコは、豚肉、リンゴ、各種チーズなど米国の農産品を報復関税の標的にしている。昨年の米国からの輸入額は2650億ドルに達する。

                             さらに悪いことに、トランプ政権は、中国をはじめ他国との通商交渉が行き詰まっている。米政府は今月、中国が約束を撤回したとして、2000億ドル相当の中国製品に対する関税を10%から25%に引き上げた。また、中国からの全輸入品に関税を課す手続きにも着手している。

                             欧州連合(EU)や日本との通商交渉も、ほとんど進展していない。

                             貿易戦争の戦線拡大で、米国はすでに痛みを感じ始めている。トランプ政権は先週、米中貿易戦争の長期化で打撃を受けている農家を支援する160億ドルの救済策を発表。

                             共和党が実現した減税の効果が薄れる中、米連邦準備理事会(FRB)は、今年の国内総生産(GDP)伸び率の予想中央値を年率2.1%に下方修正した。

                             こうした事態に対しては、身内の共和党からも批判が強まっている。同党のチャック・グラスリー上院議員は、今回の対メキシコ関税について、関税権限の乱用だとの見解を示した。

                             トランプ氏は2020年の大統領選を見据えているのだろうが、ここまで戦線を拡大すれば、同氏も米経済も、戦争の負担に耐え切れなくなる。(後略)』

                             

                             

                             上記の記事はロイター通信の記事ですが、今回のメキシコへの関税について、ロイター通信は”無謀”とネガティブに報じています。

                             

                             それもそのはず、USMCAを批准する障害がなくなった矢先に関税をかけるということであるため、「これはおかしい!」と多くの人が思ったはずです。

                             

                             トランプ大統領にとって関税とは何なのでしょうか?

                             

                             私が思うところ、経済政策としてやっているのではなく、安全保障の政策として関税を使っているということを、改めて思います。もし経済政策として関税を使うのであれば、むしろ鉄鋼やアルミニウムの関税を撤廃し、メキシコと経済的にいい関係に向かわせ、自由貿易を謳歌する方向を選ぶでしょう。にもかかわらず、このタイミングでメキシコに関税をかけたのはなぜか?

                             

                             経済政策を考えれば、一番やるべきではないタイミングで一番やるべきではないことをやっているともいえます。それでもなぜメキシコに対して関税を引き上げるか?といえば、経済政策よりももっと大事なもの、それは国家の安全保障を守るためにやっていると思われるのです。

                             

                             中国に対しても同様です。対中国の貿易赤字を減らしたいという思いもあるかもしれませんが、それよりも、もう1段階高いレベルで、中国によって米国の技術が盗まれ、国家機密・軍事技術が盗まれるということ、これは国家安全保障上の危機であるということ、これが最大の理由だからこそ、関税を使っていると思われます。

                             

                             ファーウェイ制裁も、ファーウェイという会社を経済的につぶしたいというよりも、ファーウェイの部品などが消費財に組み込まれると、様々な機密が漏れるということを懸念し、ファーウェイ製品に対して関税で制裁をしているということに他なりません。

                             

                             となると全く同じ位置付けにされている日本とEUの自動車の米国への輸入の数について、トランプ大統領は「日本車とEUから来る車の輸入数、この恐ろしく多い数は、国家安全保障上の危機であるとしています。理由はGMやフォードがつぶれてしまうからです。

                             

                             トランプ大統領は米国民ファーストの元、GMとフォードを本気で守ろうとしていることがうかがえます。

                             

                             こうしたことを踏まえ、これから始まる日本と米国の貿易協議について、これは単なる経済的な問題ではないということを、メキシコに対する関税で日本政府は考えなければならないし、私たち一般国民も認識する必要があるものと私は思います。

                             

                             日本では、つい最近もジャパンディスプレイが官民ファンドが誘導して中国・台湾企業のコンソーシアムへの売却をしました。半導体のエルピーダメモリも守ることはしませんでした。東芝ですら、政府は資金を出して救済するということをしません。米国はリーマンショック、サブプライムローンのとき、リーマンブラザーズ証券は救済しなかったものの、AIGグループやシティーグループといった金融大手、あるいはGMやフォードといった自動車製造大手の経営危機の時も政府が資金を出して救済に乗り出しましたが、日本は特定の企業だけを救出することが不公平なのか?政府の介入が自由競争に反するということなのか?そのまま放置プレーです。

                             

                             いかに安全保障や技術流出を危惧することよりも、今お金を出すのを躊躇し、お金を貯めることだけを考えて安全保障へのコストは極力引き下げようとしている。これでは日本はデフレ脱却もできず、発展途上国化が進み、技術開発もできず自然災害が発生しても多くの人が直接被害で命を落とし、物資が届かないなどの二次災害でさらに多くの日本国民の命が脅かされる。発展途上国とは、まさにそういうことです。

                             

                             トランプ大統領の政策は経世済民に適っている一方、日本の当局の政策は日本国民の安全保障や経世済民について真剣に考えているとは思えません。

                             

                             

                             というわけで今日は「経済よりも安全保障を重視するトランプのメキシコへの関税戦略」と題して論説しました。

                             経済よりも安全保障が大事というのは全くその通り。安全保障が確立されていないところに経済や経営は成り立ちません。お金をいくらたくさん持っていようが抱えていようが、無政府状態のリビアでビジネスをしたり、生活するのは極めて困難です。

                             日本の中枢にいるお偉方の人らも、目先の金儲けや目先のお金よりも、安全保障を重視していただきくということを、より政府が鮮明に打ち出していただきたいものと私は思うのです。


                            米国にとって安全保障上の脅威となっている日本とEUの米国への自動車輸出台数について

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                               今日は「米国にとって安全保障上の脅威となっている日本とEUの米国への自動車輸出台数について」と題して論説します。

                               

                               トランプ大統領が中国のファーウェイを排除するということで、米中貿易戦争が激しさを増す中、日本やEUの自動車と自動車部品への関税についても注目する必要があります。

                               

                               なぜならばトランプ大統領は、ファーウェイを排除する理由について国家安全保障を損なうという表現をしているのですが、全く同じ表現を日本とEUに対しても使っているのです。

                               

                               ブルームバーグの記事をご紹介します。

                              『ブルームバーグ 2019/05/21 17:02 豊田自工会会長:トランプ大統領の判断「大変残念」−輸入車脅威論

                               日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は21日、米国のトランプ大統領が輸入車や自動車部品を国家安全保障に対する脅威としたことについて「大変残念」に思うなどとする内容の声明を発表、日系自動車メーカーの米国での貢献が歓迎されないようなメッセージに業界として驚いていると表明した。

                               豊田会長は声明で、米通商拡大法232条調査への判断に関してトランプ大統領が米国への輸入車や部品が国家安全保障に関する脅威と位置づけたことについて遺憾の意を表明。自工会の会員企業は累計約510億ドル(約5兆6000億円)を米国に投資して28州に生産拠点を持ち9万3000人以上の直接雇用を創出するなど米国社会に貢献しているとし「日系自動車メーカーの長年にわたる米国での投資と雇用への貢献が歓迎されないかのようなメッセージには日本の自動車産業として大変驚いている」と述べた。

                               米商務省は自動車・同部品の米国への輸入を調査した結果、1980年代以降、米国の地場の自動車メーカーの市場シェアが低下し、安全保障が損なわれていると結論付けた。トランプ大統領はこれに同意すると言明。日本や欧州連合(EU)などから輸入する自動車・同部品への追加関税発動を180日延期し、合意に向けて交渉を進めるよう通商代表部(USTR)に指示した。

                               これに対してトヨタは17日の米国での発表で、トランプ大統領の主張に反論。「われわれの投資が歓迎されていないとのメッセージをトヨタに送るものだ」と異例の強い表現で指摘していた。

                               豊田会長は声明で、輸入車や部品が米国の安保上の脅威になることはないと確信しているとし、トランプ大統領にトヨタの思いを理解してもらい、日米両政府間の協議が両国の自動車産業や経済の発展につながる結果になることを強く願っているとした。

                               

                               

                               上記記事はトヨタ自動車の豊田章男社長が、トランプ大統領の考えに対して遺憾の意を表明したというニュースです。

                               

                               私は別に「輸出で稼いではいけない!」というつもりはありませんが、輸出は他国の雇用を奪うということが起こり得ます。例え、豊田章男社長が、米国で雇用を創出して米国国内の経済に貢献しているとしたとしても、米国にはクライスラーやフォードといった米国発の自動車産業が存在します。クライスラーやフォードにとっては、技術力が高くかつ生産性が高いということで、価格競争もある日本の自動車は脅威に映るに決まっています。

                               

                               何が言いたいか?といえば、自国産業で自動車が作れない国ならば、トヨタ自動車の投資は歓迎されるでしょう。自国産業で品質は日本車並みとはならないものの、結果的にクライスラーやフォードといった米国の自国産の自動車産業がつぶれそうになるとなれば、米国ファーストを掲げるトランプ政権にとってはトヨタ自動車もファーウェイと同じに映るということは十分に考えられます。

                               

                               自動車産業における日米の関係は、1600年代のキャラコ産業における英国インドの関係を似ています。英国では産業革命による生産性向上も相まって、インド産のキャラコ産業と対抗する形で綿製品をインドに輸出しました。その際、軍事力を背景に関税をゼロにさせて輸出しました。

                               

                               結果、インドのキャラコ産業は大打撃を受け、ダッカ(今のバングラディッシュの首都)、スラート、ムルシダバードといった綿産業で栄えた都市は、綿布産業が壊滅状態となりました。そしてインド国民は貧困にあえぐこととなり、餓死者が多発して白骨死体の山ができたとのこと。英国のインド総督府が着任の際、高原に白骨が広がっている風景を見て嘆いたという話があるほど、インドは没落しました。

                               

                               輸出というのは、そういうものです。もし米国に自動車を作る技術がなければ、投資は歓迎されるでしょうが、それでもいずれ自国で作られるようになりたいと人は思うようになります。

                               

                               技術支援といえばそれまでですが、輸出を伸ばし続けるというのは、結果的に通商政策でその国と絶対に摩擦が生じます。最悪は、武力行使による戦争ということも普通にあり得るのです。

                               

                               記事の話に戻りますが、トランプ大統領は日本とEUの自動車と自動車部品の輸入への追加関税について、実施の判断を6カ月延長すると表明しました。とはいえ、日本とEUからの自動車の輸入台数は、米国の安全保障を損なうほど多いと述べています。

                               

                               米国政府が表現として用いている「国家安全保障を損なう!」という表現は、ファーウェイに対しても使っていますが、日本とEUに対しても同じ表現を使っています。

                               

                               オーストラリアやカナダやニュージーランドがファーウェイ排除に追随する一方、EUがファーウェイ排除に同調しないのは、この自動車問題があるからといえます。

                               

                               トランプ大統領がなぜ5月に来日したか?といえば、この自動車問題を交渉するために来たわけです。

                               

                               令和になって新しくなった天皇陛下に会うために来日したわけでもなく、大相撲で優勝力士に優勝カップを渡すことが目的で来日したわけでもありません。

                               

                               一番の目的は国家の安全保障を損なうほど、日本から米国への自動車の輸入台数は多すぎることについて、「何とかしろ!」と言うために来日したのです。

                               

                               

                               というわけで今日は「米国にとって安全保障上の脅威となっている日本とEUの米国への自動車輸出台数について」と題して論説しました。

                               米国のトランプ政権、そして米国議会は、ファーウェイ問題のみならず、日本とEUの自動車問題に対しても、自国の国家安全保障問題ということで言い寄ってきます。

                               これは米国が本当に変わったということであり、従来のグローバリズムの発想で「一緒に儲かればいいじゃん!」という時代が終わったことを意味するものと私は思います。と同時にこれからは「反グローバリズム」「自国民ファースト」という厳しい時代になったといえますし、そのことを私たち日本人も自覚する必要があるものと私は思うのです。 


                              ファーウェイつぶしの目的は5G技術の覇権を取らせないためか?

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                                 トランプ大統領は5/10(金)00:00に、中国から米国への輸入品2000億ドル分(日本円で約22兆円分)に対して、関税25%をかけたという記事を、5/18の記事(日本はトランプ大統領の関税カードの使い方を学ぶべきです!)で取り上げました。

                                 

                                 それを第一弾とするならば、第二弾としてファーウェイつぶしという”もう一つの手”を打ってきました。これはトランプ政権が思い付きでやっているのではありません。とりわけ米国政権が2018年に入ってから、ファーウェイとZTE(中興通訊)排除をしてきたわけですが、孟晩舟CFOのカナダでの逮捕など、目の敵にされてきたファーウェイ。なぜ米国がファーウェイをそこまでしてつぶそうとしているのか?を論じたく、今日は「ファーウェイつぶしの目的は5G技術の覇権を取らせないためか?」と題して論説します。

                                 

                                 2019/05/16、米国の商務省は、米国の企業に対して政府の許可なく安全保障のリスクがある外国の通信機器を使ってはならないという発表をしましたが、これはファーウェイを指していました。

                                 

                                 下記はロイター通信の記事です。

                                『ロイター通信 2019/05/17 07:18 米商務省、ファーウェイを規制リストに正式に追加 即日発効

                                [ワシントン 16日 ロイター] - 米商務省は16日、米政府の許可なく米企業から部品などを購入することを禁止する「エンティティーリスト」に中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]と関連68社を正式に追加した。

                                 商務省報道官は、措置は直ちに発効するとし、日本やカナダ、ブラジル、英国、シンガポールなど20カ国以上にあるファーウェイ関連企業が含まれると述べた。

                                 商務省は、取引許可を求める申請は「推定却下」の方針に基づいて審査されるとした。

                                 貿易を専門とする弁護士ダグラス・ジェイコブソン氏は、商務省が取引を許可する可能性は極めて低いとの見方を示した。

                                 トランプ米大統領は前日、米企業が安全保障上のリスクがある企業から通信機器を調達することを禁じる大統領令に署名した。

                                 米国は、ファーウェイのスマートフォンや通信機器が中国政府のスパイ活動に使われていると主張している。

                                 米議会議員や政権当局者は、ファーウェイが米国のサプライヤーに依存していることを踏まえると、今後同社の製品販売に影響が及ぶと指摘している。

                                 前出のジェイコブソン氏は、ファーウェイに製品を販売している米企業にも影響が波及するとし、「ファーウェイへの締め付けを意図した措置だが、最終的には米企業も不利益を被る」と述べた。

                                 アナリストは、ザイリンクス(XLNX.O)など複数の半導体銘柄の目標株価を引き下げた。ザイリンクスは7.3%安で取引を終えた。クアルコム(QCOM.O)も4%下落した。』

                                 

                                 

                                 米国は2018年8月に、米国防権限法によって、米国政府や関係機関においてファーウェイとZTEの機器の使用を禁じましたが、上記のロイター通信の記事の通り、米国の企業にまで広げました。

                                 

                                 ファーウェイについては、様々な情報がありますが、東洋経済新聞社が2011年12月1日寄稿で、企業戦略という特集記事でファーウェイについて取り上げています。

                                 

                                 創業者は任正非(レン・ツェンフェイ)CEOですが、1944年に生まれ、建築関連の学校を卒業後、人民解放軍の工兵団(土木・通信を専門とする技術者部隊)に入団。最終的には副連隊長に相当する階級まで昇進しました。1987年に工兵団が解散され、解放軍の将校仲間とともに資本金2500ドルを元手にファーウェイを設立したとのこと。わずか30年で中国最大、世界有数の通信機器メーカーにのし上げたという点で、任正非は非常に立派な経営者であることは間違いないでしょう。

                                 

                                 その任正非の娘の孟晩舟(モウ・ワンシュウ)氏が昨年カナダで、イランとの制裁違反ということで逮捕され、今もなおバンクーバー近くで拘留されています。

                                 

                                 孟晩舟はファーウェイの副会長でCFOになっています。年間売上高は1,050億ドルと、日本円で11兆円もあります。しかも170か国に展開して社員は18万人います。

                                 

                                 日本でも2018年度の大卒を募集し、初任給40万円ということで大変な話題になりました。(「日本人が中国人を安い賃金で雇う」ではなく「中国人が日本人を安い賃金で雇う」時代へ!

                                 

                                 特にスマホは人気があります。例えば新宿のビックカメラとユニクロが合体化したビックロに行きますと、ファーウェイ製品がたくさん宣伝されているだけに留まらず、上りのエスカレーターでは、ステップにファーウェイの広告が掲載されているなど、ビックカメラはファーウェイ専門店か?と突っ込みたくなるほど、人気があります。(私は絶対に中国製品は使いませんが・・・。)

                                 

                                 人気がある理由の一つに、カメラの性能が良いという声があります。にもかかわらず、なぜこの会社が問題になっているか?といえば、民間企業である株式会社であるものの中国政府との関係が強いというのが、その批判の第一の理由です。

                                 

                                 先述の通り任正非自身、人民解放軍出身ということもあり、中国共産党のハッカーのためにこの会社を創設したのでは?という疑惑もあり、この会社自身が海外におけるビジネスを通じて、米国や日本の企業の知的財産権を盗んできたと言われています。

                                 

                                 日本でも名だたる企業が今もなお提携会社としてアニュアルレポートに掲載されています。具体的な企業名でいえば、京セラ、ジャパンディスプレイ、パナソニック、住友電工、村田製作所が挙げられます。「WIN−WINな関係で世界へ!」というスローガンのもと、こうした名だたる企業の技術を盗んできたのでは?という疑義があり、今もなお、盗み続けているのでは?ということも考えられます。

                                 

                                 しかもファーウェイは、中国共産党政府から巨額の補助金を受けています。

                                 

                                 巨額の補助金を受けているため、ファーウェイ製品は品質が良く低廉な価格で提供するわけですが、そこが批判されているのです。

                                 

                                 一方で会社の経営形態は、中国共産党のように閉鎖的ではなく、むしろ開放的で米国に近いとされ、従業員持ち株制度によって株主のほとんどが従業員であり、かつわざと非上場にしていることもあって、株主の顔色をうかがうことなく、利益のほとんどをR&Dにつぎ込むことができます。

                                 

                                <ファーウェイの研究開発に関する指標>

                                2016年度研究開発費:764億人民元(約1兆2,789億円)

                                研究開発従事者数:約80,000人(全従業員の45%以上)

                                研究開発拠点:15か所

                                 

                                 

                                 上記の研究開発費2016年の約1兆2,789億円は、日本でいえばトヨタ自動車の研究開発費に匹敵します。トヨタ自動車の2018年3月期における研究開発費は、1兆642億円でファーウェイよりも低いです。

                                 

                                 2018年3月期の数値ですが、下記を参考にしてください。

                                 

                                トヨタ自動車:1兆642億円

                                NTTドコモ:917億円

                                KDDI:201億円

                                武田薬品:3,254億円

                                京セラ:582億円

                                信越化学:517億円

                                 

                                 いかがでしょうか?1兆2,789億円という研究開発費は突出しています。これは株主に配当する必要がなく、その分を投資につぎ込めるということで、非上場にしていることは、その一因といえるでしょう。

                                 

                                 ファーウェイは写真のスペックで人気があると述べましたが、一番の売りは次世代通信規格5Gです。そして、2012年米国の下院議会の情報委員会が1年かけて、ファーウェイとZTEの2社を調査しました。

                                 

                                 その結果、2社が米国の技術を盗み、中国政府から補助金を得てアンフェアな競争をしていると指摘。この2社は米国の安全保障上の脅威であると断定したのです。

                                 

                                 今回、トランプ大統領はファーウェイ排除の理由に、国家安全保障上の脅威であるという言い回しをしていますが、それと全く同じ言い回しを2012年に米国議会が使っているのです。

                                 

                                 米治安当局筋によれば、2012年前後、ファーウェイは米国内施設に電子装置による盗聴が不可能な機密保持の部屋が儲けられていることが発覚。世界の情報当局の施設にある設備と似通ったものであり、米国が警戒感を強める一因となりました。

                                 

                                 そうした過去の事件は、直近でもウォールストリートジャーナルが2018年12月24日報じています。それによれば、アメリカのフットボールチームのレッドスキンズが、TwiiterでファーウェイとフリーWi-Fiの供給契約を結んだと発表。対中経済安全保障検討委員会のメンバー、マイケル・ウェッセル氏は、別の委員会メンバーと協議し、中国メーカーによる供給をストップさせました。

                                 

                                 何しろNFLのVIP観戦のスイートルームには、著名人や政府関係の要人も利用します。フリーWi-Fi契約をファーウェイと結べば、そうした人らの会話などの情報が洩れる可能性は極めて高い。米国政府の要請で、レッドスキンズはフリーWi-Fi設備の供給メーカーを他の企業に変更しましたが、適切な判断といえるでしょう。

                                 

                                 このように米国側はファーウェイに対してかなり前から直近までずっと警戒をしていたのです。そして今回正式にトランプ大統領がファーウェイを締め出し、排除するという決定を下しました。

                                 

                                 しかも米国のみならず、米国の友好国に対しても同じ対応を求めるということを始めました。既にオーストラリアやカナダやニュージーランドが同じ対応をする旨を決定している一方、欧州は従っていません。理由は欧州とアフリカは4G機器が相当普及していて、他社と互換性がないために既にファーウェイの4Gを選んでいる欧州とアフリカは5Gにおいてもファーウェイしか選べなくなってしまうというのが、その理由のようです。

                                 

                                 なぜファーウェイの機器がそれだけ広がっているのかといえば、政府の補助金が入って安くなっているからです。グローバリストらが好きな自由貿易といっても、中国のように政府の補助金が入った状態で自由貿易となれば、たちまち価格競争で日本のメーカーは勝てないでしょう。

                                 

                                 といって日本の電子部品メーカーは、消費財メーカーに供給せず、京セラや村田製作所のようにファーウェイに供給し、しかもその技術が盗まれ続けていて、日本人が気付いていないとしたら、我が国は相当安全保障に対して鈍感といえます。

                                 

                                 当局が本来、規制すべきところ、「自由貿易が正しい」と馬鹿の一つ覚えで、そうした規制をかけるという声も出さない。「中国と仲良くやれば利益が稼げる」という発想で、日本の安全保障など二の次という思考回路になっているとしか私には思えません。

                                 

                                 5Gは私たちの日常では、3時間の動画が3分で早くダウンロードができるくらいに思っている日本人が多いと思いますが、それ以上に軍事分野において、5Gの覇権を制すものは軍事を制すという実態があり、米国は安全保障上の危機感を感じて、今回のファーウェイ締め出しの判断を下したものと思います。

                                 

                                 

                                 というわけで今日は「ファーウェイつぶしの目的は5G技術の覇権を取らせないためか?」と題して論説しました。

                                 

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                                   今日は「トランプ大統領の国連の武器規制条約からの撤退の意味とは?」と題して論説します。

                                   

                                   下記は日本経済新聞の記事です。

                                  『日本経済新聞 2019/04/27 04:34 トランプ氏、武器貿易条約の署名撤回 「主権渡さず」     

                                  【インディアナポリス=関根沙羅】トランプ米大統領は26日、通常兵器の取引を規制する国際枠組みである武器貿易条約(ATT)への署名撤回を発表した。米中西部のインディアナ州インディアナポリスで開催された全米ライフル協会(NRA)の年次総会で明らかにした。地球温暖化対策の「パリ協定」やイラン核合意などの国際的な枠組みからの離脱に続き、米国の主権を重視する姿勢を改めて示した。

                                   トランプ氏はNRAの基調講演で「私の政権下では米国の主権を誰にも引き渡さない」と宣言。壇上で、米議会に対してATTへの批准プロセスを直ちにやめるよう命じる文書に署名した。ATTは、通常兵器がテロリストの手に渡って使われる事態を防ぐため兵器の取引を規制する国際条約で2014年に発効した。米国は13年にオバマ政権が署名したが、米議会は批准していなかった。

                                   ホワイトハウスは、ATTは無責任な兵器移転の問題の解決策としては不十分な上、米国による他国への兵器販売を制限すると説明した。現時点で日本を含め約100カ国がATTに加盟しているが、武器輸出大国の中国やロシアなどは加盟していない。

                                  NRAは約500万人のメンバーを抱える全米最大規模の銃ロビー団体だ。NRAは16年の米大統領選でいち早くトランプ氏への支持を表明しており、銃保有者や銃業界はトランプ氏の重要な支持基盤だ。NRAはATTは合衆国憲法修正第2条によって保障される銃保有の権利を脅かすと批判していた。

                                   トランプ氏はATTの署名撤回を発表することで支持基盤にアピールする狙い。トランプ氏が「外国の官僚があなたたちの合衆国憲法修正第2条を踏みにじることは許さない」と述べると、会場からは歓声があがった。』

                                   

                                   

                                   上記日本経済新聞の記事の通り、2019/04/26に米国で、トランプ大統領がATTへの署名を撤回すると発表しました。ATTとは、"Arms Trade Treaty"の略で、国連の武器貿易条約のことです。この条約は、核兵器のような大量破壊兵器ではなく、手榴弾などの通常兵器の輸出や輸入を規制するための条約で、平和達成のために武器の貿易をコントロールすることが目的の条約です。

                                   

                                   トランプ大統領は、この武器貿易条約から脱退すると、2019/04/26に発表しました。この件では日本経済新聞の記事を紹介させていただきましたが、他紙も報道しているものの、ほとんどの人が「またトランプ大統領がおかしなことをいっている!」くらいにとらえている人が多いかと思います。

                                   

                                   そもそもこの武器貿易条約というのはどういう条約か?といいますと、2013年に国連で採択されたものです。米国もこれに賛成し、多くの国100か国以上の国々が賛成して成立した条約です。

                                   

                                   2013年のとき、米国大統領はオバマ大統領だったのですが、オバマ政権がこの条約に賛成し、当時の国務長官だったジョン・ケリー氏が署名しています。しかしながら米国議会の上院がこの条約の批准を拒否しました。

                                   

                                   米国というのは大統領が何でも好きにできるわけではありません。実は議会、特に上院と下院でも上院が強いのです。特に外交に関するものは上院が責任を持っているため、上院が批准しない限り、トランプ大統領がいくら署名したとしてもダメなのです。

                                   

                                   2013年の時もオバマ大統領は武器貿易条約を批准したかったので、これを認めて署名したのですが、米国の上院は拒否しました。

                                   

                                   少し話を戻しますが、この条約は何を規制しているのか?といえば、具体的には、戦車、軍用ヘリ、小型銃、手榴弾などの核兵器のような大量破壊兵器以外の武器の貿易を規制するものです。

                                   

                                   なぜトランプ大統領は、この条約からの撤退を決めたのでしょうか?

                                   

                                   理由は米国の国家主権を侵害するというのが、その理由です。

                                   

                                   この条約は一見、世界の武器を減らすということで、平和的で聞こえがいいように思えるのですが、実際は中国や北朝鮮やイランがやっている武器の密輸に対しては何も制限をしていません。そのため、普通の武器輸出入を規制する一方で、密輸はそのまま放置するというものでもあります。

                                   

                                   2019/04/26トランプ大統領は、武器貿易条約への署名撤回発表と同時に、ホワイトハウスが声明を出しています。ホワイトハウスの発表によれば、「トランプ大統領は国家主権を守るために、国連武器貿易条約を撤回する」と発表しているとのこと。ところが実際は、この武器貿易条約に参加した国はたくさんあり、例えば英国もその一つです。

                                   

                                   英国はこの条約に参加した後、同盟国のサウジアラビアに武器を輸出しようとしたのですが、CAAT(Campaign Against Arms Trade)、Avaaz、アムネスティなどの団体が反対運動を起こし、英国に対して裁判所に訴えてきた団体もあるとのこと。この訴えにより、英国はサウジアラビアに武器を輸出することを断念せざるを得なくなってしまいました。

                                   

                                   もし米国が英国と同様にこの条約に参加していた場合、米国が同盟国を守るために同盟国に武器を売るということができなくなるでしょう。具体的にいえば、中国共産党政権から台湾を守るために、台湾に武器を売るということも、おそらくこの条約によって規制されてできなくなってしまうことでしょう。

                                   

                                   TPPもそうですし、EUやシェンゲン協定も然りですが、国連の条約は国際法であり、国家の主権の上に位置されます。国連のグローバリズムルールは、国家主権の上にくるのです。

                                   

                                   トランプ大統領は「私たちは選挙で選ばれていない責任が伴わないグローバル官僚たちに国家主権を絶対に譲らない!」といっています。

                                   

                                   この発言の意味は、英国のブレグジットが分かりやすいでしょう。ブレグジットで考えれば、英国は今でもEUに属しており、そこから出ようとしている状況です。そしてそのEUを取り仕切っているのはEU委員会という組織であり、この組織は世界でいえば、国連に相当するグローバリズム的な組織です。

                                   

                                   そのEU委員会の委員は誰なのか?といえば、何の責任も負わないグローバル官僚たちです。

                                   

                                   そのグローバル官僚たちが、選挙で選ばれている人たちによって構成される各国の国家主権の上にくるというのが、グローバリズムの構図であり、国連とはまさにその構図です。

                                   

                                   だからトランプ大統領は「選挙で選ばれていないグローバル官僚なんかに、大事な国家主権を絶対に譲らないぞ!」といっているのです。もちろん武器輸出で儲かるならば何をやってもいいということではありません。米国の法律に基づいて責任をもって武器の輸出は行われるため、国連の武器貿易条約は不要というのがトランプ大統領の立場でもあり、上院の主張でもあります。

                                   

                                   記事では全米ライフル協会の年次総会の場で、トランプ大統領の発言があったことを報じていますが、この全米ライフル協会は、米国の中でも大きなロビー団体の一つであり、強大な力を持っています。

                                   

                                   全米ライフル協会は、銃を持つことの自由を訴えている団体で、日本人の人がそう聞くと危険な右翼団体と誤解しがちですが、実際は全く違います。象徴的に銃を持つ自由を訴えているものの、彼らが真に訴えたいのは、自由と国家主権の大切さです。

                                   

                                   トランプ大統領は来年2020年に大統領選挙の再選がかかっているため、リップサービスでライフル協会の場で発言したという見方もあるかもしれません。選挙に勝つためにはそうかもしれませんが、武器貿易条約の撤回の意味は、国家主権を守るということではないでしょうか?

                                   

                                   国家主権が国際法で規制され、肝心な時に国家が何もできなくなってしまったら、その国家は存続することが危うくなることさえあり得ます。

                                   

                                   そのため、国家主権を守るために国連の武器貿易条約から撤退するという判断をされたのは、ある意味で正しい判断であると私は思います。

                                   

                                   

                                   というわけで今日は「トランプ大統領の国連の武器規制条約からの撤退の意味とは?」と題して論説しました。 

                                   米国には国家主権を大切に思うアメリカ人がたくさんいるのだと改めて思います。その一方で私たちは国家主権を何よりも大切にするという考え方が欠けているような気がします。

                                   国家主権よりも自由、ナショナリズムよりもグローバリズムという発想は、世界的には周回遅れであり、多くの日本人もマスコミ報道に流されず、国家主権を大切にするという考え方を多くの人に持っていただきたいものと私は思うのです。


                                  トランプ大統領の中国製品の関税25%引き上げの真の狙いは何か?

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                                     先週の株式市場は、米中貿易戦争について報じられて日本の株式市場も大きく下落しました。そこで今日は日本の株式市場下落のきっかけとなった5/5に発したトランプ大統領のツイッターについて取り上げ、「トランプ大統領の中国製品の関税25%引き上げの真の狙いは何か?」と題して論説します。

                                     

                                     下記は日本経済新聞の記事です。

                                    『日本経済新聞 2019/05/06 01:26 トランプ氏、対中関税25%に上げ表明 最終盤で威嚇か

                                    【ワシントン=河浪武史】トランプ米大統領は5日、中国の知的財産権侵害などを理由に2000億ドル分の同国製品に課す関税を、10日から現在の10%から25%に引き上げると表明した。米中は2018年12月から貿易協議を開いて打開策を探ってきたが「交渉が遅すぎる」として制裁強化に転じる構えだ。最終協議を前にした威嚇との見方もあるが、米中の貿易戦争が一段と激化する懸念がある。

                                     トランプ氏はツイッターで「中国は2000億ドル分の製品に10%の関税を支払っているが、金曜日(10日)に25%に上がる。中国の協議は遅すぎる!」と表明した。関税を課していない3250億ドル分の中国製品にも「速やかに25%の関税を課す」と主張した。

                                     米中は18年12月以降、閣僚級協議を開いて関税引き下げなどの条件を交渉しており、8日から中国の劉鶴副首相がワシントン入りして再会談する予定になっている。トランプ氏が制裁強化を突如表明したのは、中国に一段の譲歩を求める「脅し」との見方がある。クドロー国家経済会議(NEC)委員長は5日のテレビ番組で、トランプ氏の表明を受けて「大統領は警告を発している」と述べた。ただ、中国が態度を硬化させて早期打開が遠のく可能性がある。

                                     トランプ氏はこれまで「対中交渉は順調に進展しており、素晴らしい合意ができる」と繰り返し主張してきた。そのため金融市場はダウ工業株30種平均が史上最高値に近づくなど、米中の貿易戦争が早期に打開に向かうとの期待を強めていた。トランプ氏の対中関税の引き上げ表明は、金融資本市場の世界的な失望を招く可能性がある。

                                     米中は18年12月の首脳会談で貿易協議の開始を決定し、19年3月1日を期限に打開策を探った。トランプ氏は2月末に「合意に近づいた」として関税引き上げの先延ばしを表明。両国は再び4月中の最終決着を目指して詰めの協議を続けてきた。

                                    中国は液化天然ガス(LNG)など米国製品の輸入拡大策をトランプ政権に示し、3月の全国人民代表大会(全人代)では外資の技術移転強要を禁じる「外商取引法」も成立させた。中国の産業政策の抜本転換を求めてきた米国も「大きな進展があった」(米通商代表部のライトハイザー代表)と評価してきた。

                                     ただ、トランプ氏は3月下旬に「関税をかなりの期間、据え置く」と述べ、計2500億ドル分の中国製品に課す制裁関税の全面解除を否定した。「中国は産業補助金の撤廃策を小出しにし始めた」(米経済団体幹部)ほか、中国が合意に違反したと判断すれば制裁関税を再発動する「罰則条項」などでも対立が残り、交渉は当初の期限から2カ月も延びていた。

                                     両国はトランプ氏と習近平(シー・ジンピン)国家主席との首脳会談を開いて最終決着を目指すとしてきた。早期打開のメドが立たなくなれば、国際的なサプライチェーン(供給網)や金融資本市場の混乱が強まり、世界景気の大きな下押し要因になる。』

                                     

                                     

                                     上記日本経済新聞の記事の通り、トランプ大統領が5/5にツイッターで「中国の関税を10%→25%に引き上げる」と表明しました。このニュースを受け、5/6のニューヨークダウが一時、最安値で前日終値比で470ドルほど暴落しました。

                                     

                                    【ニューヨークダウ】

                                    <2019/05/03(金)>

                                    終値:26,504.95ドル

                                     

                                    <2019/05/06(月)>

                                    始値:26,160.62ドル(▲344.33ドル)

                                    高値:26,476.27ドル(▲28.68ドル)

                                    安値:26,033.95ドル(▲471.00ドル)

                                    終値:26,438,48ドル(▲66.47ドル)

                                    ※カッコは前日の終値比

                                     

                                    【日経平均】

                                    <2019/04/26(金)>

                                    終値:22,258.73円

                                     

                                    <2019/05/07(火)>

                                    始値:22,184.40円(▲74.33円)

                                    高値:22,190.49円(▲68.24円)

                                    安値:21,875.11円(▲383.62円)

                                    終値:21,923.72円(▲335.01円)

                                    ※カッコは前日の終値比

                                     

                                     

                                     まず日本経済新聞の記事の見出しで違和感があるのは、”威嚇か?”という表現を使っていることです。確かに威嚇といえば威嚇かもしれませんが、一段の譲歩を求める脅しという見方があると報じており、明らかに日本経済新聞の記事は、トランプ大統領が中国を威嚇したり脅したりして、思い付きで突然関税の引き上げを表明した悪い奴!という印象操作にみえます。

                                     

                                     トランプ大統領こそが妥協しないから世界経済にとって大変な悪影響が出る!とか、トランプ大統領の関税引き上げは、今の不安定な世界経済にマイナス要因だ!とか、果たしてそれは本当に正しい見方なのでしょうか?

                                     

                                     事実として確かに5/6(火)の株式市場では、ニューヨークダウ、日経ダウの先物が大きく値下がりました。その後、引けにかけて戻し、終値では66.47ドル安で取引を終えています。

                                     一方で日本の5/7(火)の大型連休明けの株式市場は?といえば、日本株もかなり下げまして戻したものの、戻り幅は少ないです。

                                     

                                     米国の株式市場では、トランプの関税引き上げは交渉テクニックということで、日本のマスコミが報じるような思い付きのやり方でめちゃくちゃをやっているというのではなく、評価する方向に変わってきているのではないか?と考えられます。

                                     

                                     なぜトランプ大統領は関税引き上げをツイッターで言い始めたのでしょうか?

                                     

                                     米中貿易交渉は、長期間にわたっているものの秘密交渉で中がどうなっているのか?あまり報じられていません。しかしながら、5/6付の日本経済新聞の記事にも報じられていますが、トランプ大統領自身は、中国との交渉が非常にうまくいっていると言っていたようです。

                                     

                                     ところがそれを中国側が米国と合意した内容を突然ひっくり返したとされています。特に米国が問題視している「中国が知的財産権を盗んでいる」ことです。

                                     

                                     中国に進出する企業は、強制的に自国の技術、自社の技術や知的財産を中国に開示しなければならないという法律があります。その法律に従わなければならないため、米国企業は強制的に自ら技術を開示しなければならず、これが知的財産を盗むということに該当すると、トランプ大統領は主張しています。

                                     

                                     トランプ大統領は中国と長い交渉で、中国側が米国の言い分を受けて、強制的な技術移転(米国が技術を開示しなければならない義務)を辞めるため、法律改正をすることを合意していました。ところが中国は直前になって法改正を拒否し、法律改正はしないと言ってきたので問題になったのです。

                                     

                                     中国と交渉をしていた人は、米国のUSTR代表(通商代表)でライトハイザーという担当官でした。このライトハイザーが中国の法改正はしないという突然の変化をトランプ大統領に報告したところ、トランプ大統領が激怒して関税引き上げをツイートしたというのが真実でしょう。

                                     

                                     というのも5/7のブルームバーグの記事によれば、中国側の法改正約束の姿勢が変わったのは4/28〜5/4の週だったと、ライトハイザーUSTR代表とムニューシン長官が5/6に述べたと報じています。

                                     

                                     要は中国側が既に米国と合意した内容をひっくり返して再交渉を持ち込もうとしたので、米国側が切れたというのが事実だと考えられます。

                                     

                                     では、そもそもトランプ大統領が米中貿易戦争と呼ばれる関税引き上げをやる真の狙いは何なのでしょうか?

                                     

                                     もちろん米国の貿易赤字を削減したいという思いもあるかと思いますが、単にそれだけはないです。もともと米国は、中国を安全保障上の脅威ということで5G技術の最新技術を握られることを嫌い、中国勢を米国から駆逐しようとしています。2018年3月には、半導体メーカーのブロードコムが米国のクアルコムを買収しようとした際、大統領令で破談に追い込みました。そうしたことなどを踏まえますと、米国の明確な狙いは、主に2点あると考えられます。

                                     

                                    ●中国の軍事拡大を止めること

                                    ●中国に世界の技術覇権を取らせないこと

                                     

                                     中国は貿易で儲けた外貨を貯め込み、その外貨を使って軍事拡大をしてきました。中国の軍事的な脅威を止めようとするならば、「軍事拡大を辞めろ!」というだけでは強制的に辞めさせることはできません。

                                     

                                     そのため貿易黒字を貿易赤字にしようとするならば、関税を引き上げればいいということで、トランプ大統領が使ったカードは関税の引き上げです。

                                     

                                     この関税の引き上げは、当初から批判が多く、自由貿易の時代に保護貿易に戻るのか?という論説が大半を占めていました。トランプ大統領が関税を使う真の狙いは、こうした対中国対策で中国の軍事拡大を止めることにあるといえるでしょう。

                                     

                                     中国は一帯一路や中国製造2025などを通じて、技術覇権を取ろうとしてきたわけですが、すべてが軍事目的です。その糧となっている貿易黒字を関税引き上げによってぶっ飛ばすことができれば、年間20兆円ともいわれている膨大な軍事費を削減することができます。トランプ大統領はそれを狙っていると思われます。

                                     

                                     中国側としては、貿易黒字が吹っ飛ぶこともさることながら、米国の技術が盗めなくなるということを恐れています。そして米国が貿易交渉で中国を法改正させる方向で追い込んでいたわけですが、中国側がギリギリのところで拒否してきたのです。

                                     

                                     にもかかわらずマスコミの報道は、中国は話し合う姿勢があって、トランプ大統領が”威嚇”と”脅し”で中国を屈させようとしているというような言説を広めようとしています。果たしてこの言説は、正しいでしょうか?私は一連の動きをみていて、トランプ大統領の関税引き上げを”威嚇”とか”脅し”という言葉を使うのは、間違っていると思います。

                                     

                                     

                                     

                                     というわけで今日は「トランプ大統領の中国製品の関税25%引き上げの真の狙いは何か?」と題して論説しました。

                                     マスコミはトランプ大統領の関税引き上げについて、米中貿易戦争とか世界景気が冷え込むなど、経済分野を大きく取り上げて報じています。確かに経済の問題もあるのですが、より重要なのは世界の安全保障の問題です。

                                     世界の安全保障の問題で、世界的な脅威になっているのは中国の軍事拡大です。これを米国が止めようとしている、そのために関税という武器を使っている。この意味を私たち日本人も知る必要があるものと、私は思うのです。 

                                     

                                     

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                                    0

                                      JUGEMテーマ:ドナルド・トランプ

                                       

                                       突然ですが、皆さんはトランプ大統領についてどのような印象をお持ちでしょうか?本ブログの読者の皆様は、ご承知と思いますが、私はポジティブにとらえています。米国ファーストで反グローバリストという点が、大変にわかりやすく経世済民(”世を経め、民を済う”で経済の語源)を果たせるものと思うからです。

                                       もちろん、我が国に対する通商政策では、私も日本の立場でトランプ大統領に反論したくなりますが、それは私が日本国民であるから日本の国益を考えて反論しているだけの話です。それは横に置いておき、日本のマスコミ、米国のマスコミのトランプ叩きが異常だ!思うのは私だけでしょうか?

                                       そこで今日は、ついこの間までマスコミが報じていたロシア疑惑報道の”異常さ”について取り上げ、

                                       

                                      1.ロシア疑惑とは何だったのか?

                                      2.オバマ政権とヒラリー・クリントンの方が重罪なのに一切口を噤む日米のマスコミ

                                      3.チャイナグローバリズムに口を噤む日本のマスコミ

                                       

                                      上記の表題の順で「ネズミ一匹すら出なかったトランプ大統領のロシア疑惑」と題し論説します。

                                       

                                       

                                       

                                       下記はCNNの記事です。

                                      『CNN 2019/05/04 10:42 トランプ大統領、プーチン氏と電話会談 ロシア疑惑捜査にも言及

                                       ワシントン(CNN) トランプ米大統領は3日、ロシアのプーチン大統領と電話で会談した。トランプ氏は会談後、モラー特別検察官による米大統領選へのロシア介入疑惑の捜査報告書について短時間協議したものの、次期大統領選へ介入しないようプーチン氏に警告することはなかったと述べた。

                                       トランプ氏はホワイトハウスで記者団に大統領選介入をやめるよう要請したかと聞かれ、「それについては話し合わなかった」と説明。これに先立ちツイッターでは、「ロシア絡みのでっち上げ」などについて協議したと明らかにした。

                                      トランプ氏によると、プーチン氏は笑い混じりに「大山鳴動してネズミ1匹」という趣旨の発言をした。「プーチン氏にはそれが分かっていた。共謀がないと知っていたからだ」としている。

                                       米ロ首脳の電話会談は、モラー氏の捜査報告書が公表されて以降初めて。報告書では、トランプ陣営関係者がロシアによる大統領選介入の試みが有利に働くとみていたことが判明したものの、共謀を認定するには至らなかった。

                                      トランプ氏はかねて、ロシアによる大統領選への影響力行使があったとする米情報機関の結論を否定。今週初めにはオバマ前大統領に触れ、ロシアの介入を止めるために「何もしなかった」と主張した。ただ実際には、オバマ氏はプーチン氏に介入をやめるよう警告している。

                                       ロシア大統領府によると、今回の電話会談はトランプ氏が提案した。声明ではモラー氏の捜査には触れず、「経済協力に重点を置いて2国関係の現状と展望を話し合った」とした。』

                                       

                                       

                                       上記のCNNの記事の通り、ロシア疑惑の捜査が終了しました。

                                       

                                       

                                       

                                      1.ロシア疑惑とは何だったのか?

                                       

                                       このロシア疑惑とはいったい何だったのか?トランプ大統領が”ネズミ一匹”という趣旨の発言があったと報じています。この「大山鳴動してネズミ一匹」とは、事前の騒ぎばかり大きくていろいろと調べたもののネズミ一匹しか出なかったというように、結果が非常に小さかったことをいうときに使う故事の一つです。

                                       

                                       私からいわせてみれば、ネズミ一匹すら出ていないのでは?と思えるほどで、なぜこのようなロシア疑惑なるものが、マスコミで報道されたのか?を考察したいと思います。

                                       

                                       直近のマスコミ報道によれば、2019/03/22に、ロシア疑惑に対する捜査が終了したとされています。担当していた元FBI捜査官のロバート・モラー氏が、正式に捜査を終了し、ウイリアム・バー司法長官に報告書を提出いたしました。そして、ウイリアム・バー司法長官は、米国議会に対して、モラー氏の捜査の概要をレターで報告したとされています。

                                       

                                       そのレターに書かれているモラー氏の捜査の概要は大きく分けて2点です。

                                       

                                      ●トランプ陣営が2016年の大統領選挙でロシアと共謀したという証拠はない

                                      ●トランプ大統領がロシア疑惑で捜査妨害したということは立証できない

                                       

                                       マスコミは、このロシア疑惑を徹底して報道してきましたが、結果は何も出てこなかったということです。トランプ大統領は、故事で「大山鳴動してネズミ一匹」の故事を出して、プーチン大統領に説明したと報じられていますが、私からいわせれば、”ネズミ一匹すら出てこなかった”わけで、マスコミ側の完全な敗北。というより完全にでっち上げレベルの話であり、トランプ大統領が名誉棄損で訴えてもいいくらいの話だと思うのです。

                                       

                                       ロシア疑惑というのは、2016年の大統領選挙では、ドナルド・トランプが有利に、ヒラリー・クリントンが不利になるように、ロシアが介入してきて、トランプ陣営が共謀していたのでは?というのが、疑惑でした。

                                       

                                       おそらくロシアが介入してきた可能性はあったと思いますが、捜査の焦点は、トランプ陣営が共謀していたか否か?ですが、結果は、トランプ大統領自身もトランプ陣営の要人にも、共謀の事実はありませんでした。

                                       

                                       

                                       

                                      2.オバマ政権とヒラリー・クリントンの方が重罪なのに一切口を噤む日米のマスコミ

                                       

                                       それに対して、ヒラリー陣営にもメール問題というのがありました。これはヒラリー氏がオバマ政権のときの国務長官だった際、国務省の業務を個人のプライベートのメールサーバーでやり取りし、そこにはもう一つ別のロシア疑惑が問題になりました。

                                       

                                       ところが日本のマスコミも、ドナルド・トランプの登場がどうしても気に入らなかったのでしょう。何しろマスコミはグローバリズム陣営の一員です。グローバルを礼賛するマスコミにとって、貿易で関税を引き上げるとか、メキシコに壁を作るとか、絶対に認めません。トランプ大統領の当選そのものが、未だに認めたくないというのが本心なのではないでしょうか?実際は、トランプ大統領のそうした政策により、米国経済は絶好調なわけですが・・・。

                                       

                                       2016年の大統領選挙期間中に、日本のマスコミも、「ロシア・ゲート問題」として大きく取り上げていました。2019/02/16にモラー特別検査官は、ロシア人13人とロシア企業3社を詐欺罪・不正送金罪などで起訴しています。そして記者会見の場で、モラー特別捜査官の捜査を監督する立場にあるロッド・ローゼンスタイン副司法長官が「ロシアに違法工作があったが、それに加担した米国国民は、いなかった!」と明言しています。この”米国国民”にはトランプ大統領自身やトランプ陣営の要人も含まれています。即ち、反トランプ色の強い司法省の責任者が、2年間にわたって操作したものの”ネズミ一匹すら出なかった”と言っているのに等しいのです。

                                       

                                       こうした単純明快な事実関係すら、日本のマスコミは報じません。

                                       

                                       何よりも問題なのは、日本のマスコミが全く報じていないこと、それはヒラリー・クリントンの法律違反問題です。産経新聞社発刊の月刊誌「正論」によれば、オバマ大統領を含むオバマ政権の要人や、司法省を中心とする官僚たちが、2016年の大統領選挙でトランプ候補に脅威を感じていたとのこと。そこでなんとしてもトランプ大統領の当選を阻止し、ヒラリー・クリントン候補を当選させるのが、彼らの共通使命だったと解説しています。

                                       

                                       そしてヒラリー・クリントンを当選させるため、2016年6月に既に大問題になっていた「e-mail問題」を隠蔽しなければ・・・と考えていました。本来、ヒラリー・クリントンの「e-mail問題」、即ち機密情報をプライベートのサーバーで扱うというのは、法律の規定通りに判断すれば重罪に値します。ところが当時の司法長官とFBI長官は、ヒラリー・クリントンを政治的に支持する立場から、ヒラリー・クリントンを起訴せず、”無罪放免”にしてしまったというのです。

                                       

                                       それだけにとどまりません。当選に向かって突き進むトランプ大統領の足を引っ張りました。「ロシア・ゲート問題」をでっちあげ、あたかもトランプ陣営とロシア政府が関係あるかのようなうわさを流し、当選を阻止しようとしたのです。それもヒラリー・クリントンや民主党がやったのではなく、司法省やFBIが行ったという点が最大の問題です。

                                       

                                       特定候補者の当選を阻むために、トランプ陣営を情報監視したり、FBIが直接トランプ陣営にスパイを送り込んでいたという事実も明らかになっています。これは、米国政府が選挙に直接介入したも同然であって、絶対にあってはならないことです。

                                       

                                       1972年にウォーターゲート事件というのがありましたが、1971年に金ドル本位制から管理通貨制度へ移行を果たしたニクソンが大統領です。ニクソン陣営が盗聴器を仕掛けたということで、当時のニューヨークタイムズを始めとするマスコミは「権力の犯罪」と糾弾し、ニクソン大統領は弾劾を待たず1974年8月9日に辞職しています。

                                       

                                       そう考えると、オバマ政権による2016年の大統領選挙における選挙干渉、権力犯罪は明らかであり、本来であればオバマ前大統領自身に対して、マスコミは声に上げるべきですし、ヒラリー・クリントンのメール問題も重罪であり、大きく報じるべきです。

                                       

                                       ところが実際はオバマ前大統領とヒラリー・クリントンの罪には沈黙し、それどころかネズミ一匹すら出ない「ロシア・ゲート事件」を長きにわたって大騒ぎしていました。

                                       

                                       もし日本の憲法でいえば、憲法21条によって、言論の自由・表現の自由・報道の自由で、何も罪に問われないかもしれませんが、特定の人を陥れようとする報道や権力犯罪を見過すというのは、憲法6条の法の下の平等に反するという話になります。(実際は、トランプは米国人なので日本国憲法は関係ありません。)

                                       

                                       

                                       

                                      3.チャイナグローバリズムに口を噤む日本のマスコミ

                                       

                                       ロシア疑惑は別にして、米国の政界にはロシアが嫌いな人が多いのですが、 トランプ大統領はプーチン大統領を認めています。プーチン大統領を評価して、新しい時代を作ろうとしているのですが、このように米ロが近づくことで何が起きるかといえば、中国が不利になります。中国といえば、完全にグローバリズムを推進している国家です。

                                       

                                       現実は米国やEUが推し進めるグローバリズムとは異なり、チャイナグローバリズムという異なるグローバリズムです。なぜならば、中国のグローバリズムは、自国は規制する一方で相手方にグローバリズムを強要するというやり方です。

                                       

                                       例えば日本人や日本企業が中国の土地を買うことはできません。中国では土地は中国共産党の持ち物であって、中国人民ですら買うことができない一方、中国人や中国共産党は日本の土地を買うことができます。

                                       

                                       本来、私は日本の土地の購入に規制をかけるべきであると思うのですが、日本が外国人の不動産取引に規制を敷いていないのは、WTOのGATS( サービス貿易にかかる一般協定)で、 160を超える国々と交わした「外国人等による土地取引に関し、 国籍を理由とした差別的規制を貸すことは認められない」という約束を遵守しなければならないとしているからです。

                                       

                                       日本はバカ正直に順守する一方、世界では多くの国々が国益を優先させるために外国人の土地の取得に規制をしています。その代表格が中国です。中国のグローバリズムは、欧米のグローバリズムと違う。だからこぞ米国が貿易戦争を仕掛け、つぶそうとしているのです。こうした背景も日本のマスコミは一切報じません。まるで日本のマスコミには、中国人のスパイがいるのでは?と思えるほどです。

                                       

                                       

                                       というわけで今日は「ネズミ一匹すら出なかったトランプ大統領のロシア疑惑」と題して論説しました。

                                       日本のマスコミは、例えばNHKにしろ民放にしろ、中国の真実を取り上げることはありません。なぜならば中国共産党政府は普通に情報操作し、中国共産党にとって都合の悪い情報を日本のマスコミが取り上げようとするならば、北京から追い出されてしまうからです。

                                       若干趣旨は異なるものの、米国のトランプ政権についても、トランプが暴走している旨の報道をして、あたかもトランプがとんでもないという印象操作の報道が多い。実際は、共和党の上院議員や、民主党の議員にですら対中国強硬論を論じる人がいるにもかかわらず、そうした事実はほとんど伝わっていないのではないでしょうか?テレビも新聞もトランプ大統領の暴走という報道の仕方で、それを真に受けたとしても、真実は全く違います。

                                       特にロシア疑惑は、ネズミ一匹すらでなかったわけであり、言論の自由を盾に印象操作によってトランプ大統領を貶めようとするマスコミには、腹立たしく思います。

                                       こうした印象操作まみれのマスコミは、日本も米国も同様であって、だからこそトランプ大統領は米国のマスコミに対して「フェイクニュース」と非難しているわけですが、その批判に異論はないと私は思うのです。


                                      次期米国大統領選挙でのトランプ大統領の再選を恐れているマスコミ

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                                        JUGEMテーマ:マスコミ・報道

                                        JUGEMテーマ:グローバル化

                                         

                                         今日もスティーブン・ムーア氏のFRB候補辞任について取り上げ、「次期大統領選挙でのトランプ大統領の再選を恐れているマスコミ」と題して論説します。

                                         

                                         下記は日本経済新聞の記事です。

                                        『日本経済新聞 2019/05/03 04:53 トランプ氏、FRB人事再考へ 側近2人の起用断念

                                         【ワシントン=河浪武史】トランプ米大統領は2日、米連邦準備理事会(FRB)理事への起用を検討した経済評論家のスティーブン・ムーア氏が、指名を辞退したと発表した。ムーア氏は大統領選でトランプ陣営を支えた側近の一人で、トランプ氏に同調して利上げにも強く反対していた。トランプ氏は自身に近い元実業家の理事起用も断念したばかりで、FRB人事は再考が求められる。

                                         トランプ氏は2日、ツイッターで「経済成長を重視するエコノミストで、素晴らしい人物であるムーア氏が指名辞退を決めた」と明らかにした。ムーア氏は保守系の経済評論家だが、多額の税金未納が報じられたほか過去の女性蔑視発言なども問題視され、人事の承認権を持つ上院が資質を問題視していた。

                                         ムーア氏の起用はトランプ氏が3月下旬に表明していた。ムーア氏は16年の大統領選時にトランプ陣営の経済政策顧問を務め、巨額減税を立案した側近の一人だ。FRBが2018年12月に利上げに踏み切った際に強い反対論を唱えたことでも知られる。トランプ氏は1%の利下げを要求し始めており、FRBに側近を送って金融政策への介入を強める狙いだった。

                                         トランプ氏は4月22日にも、自らに近い元実業家であるハーマン・ケイン氏をFRB理事に起用する人事案も断念したばかりだ。ケイン氏もトランプ氏に同調して利上げに反対していたが、過去のセクハラ疑惑や不倫疑惑が蒸し返され、上院の承認が難しくなった。

                                         上院は100議席のうち与党・共和党が過半数の53議席を占める。与党全体の同意を得れば人事案は通過するはずだが、共和党内からも反対論が出たのは、ムーア氏やケイン氏の資質だけでなく「トランプ氏のFRB人事は政治色が強すぎる」(ミット・ロムニー上院議員)ことがある。

                                         政治からの独立が求められるFRBの理事の任期は14年と大統領職(2期8年)よりも長く、歴代大統領は党派のバランスをとりながら人選してきた。オバマ大統領(当時)が12年に共和党系のパウエル現議長を理事に指名した例が典型だ。

                                         トランプ氏の人事案には経済学界からも異論が上がっていた。共和党の議会指導部に近いグレゴリー・マンキュー米ハーバード大教授は「ムーア氏には知的な威厳がなく、上院は承認すべきではない」と手厳しく批判。人事を検討する上院に強く影響を与えた。

                                        FRBは正副議長を含めて理事ポストが7席あるが2つは空席のままだ。トランプ氏は人事案の仕切り直しが求められるが、側近ら政治色の強い人選を続ければ、再び上院の承認が壁になる可能性がある。

                                         ただ、FRBにとっては、トランプ氏が異例の人事案を公表するだけでも強い圧力となる。市場では「パウエル議長の後任はトランプ氏側近のクドロー国家経済会議(NEC)委員長になるのでは」(主要中銀の元首脳)との見方まで浮上。政治からの独立は揺さぶられ続けている。

                                         パウエル議長は1日の記者会見で早期の利下げを否定したが、なお先物市場は5割の確率で「FRBは年内に利下げに転じる」と予測する。トランプ氏の利下げ圧力は金融資本市場に確実に効果をもたらしている。』

                                         

                                         

                                         上記は日本経済新聞の記事ですが、昨日も取り上げた通り、スティーブン・ムーア氏の辞任について報じています。

                                         

                                         もともとスティーブン・ムーア氏はトランプ大統領に同調してFRBの利上げに反対し、今年3/28には50ベーシスポイント(0.5%)の利下げをすべきであると主張していました。要はスティーブン・ムーア氏は、FRBの金融政策について疑問視し、金融政策の見直しを主張していたのです。

                                         

                                         また「今のFRB理事は間違ったエコノミストばかりで、まともなエコノミストに総入れ替えすべきだ!」などと過激な発言をしていたため、CNNやニューヨークタイムズなどは、その過激な発言をネガティブにとらえて、過去の女性差別発言を取り上げました。

                                         

                                         その女性差別発言とはどのようなものか?といいますと、米国軍隊で女性が差別しているということを民主党が主張していたのですが、そのことに対して批判していたことが一つ目。二つ目は女性の賃金上昇が男性の賃金下落を引き起こし、家庭の安定性が損なわれるという発言です。こうした女性差別発言に加え、ムーア氏の離婚のことも指摘されました。

                                         

                                         スティーブン・ムーア氏は、当然反論しています。離婚に関していえば10年前の話であり、取り上げられた記事についても25年も前のことであって、経済政策とは何の関係もないと反論したのです。

                                         

                                         ところがマスコミのバッシングが異常であまりにもひどく拡散し、米国の共和党の上院議員も腰が引けてしまい、記事にある通り上院での承認が難しくなってしまったのです。

                                         

                                         本来、上院は共和党議員が過半数を占めており、昨年の選挙で下院が過半数取られているものの、上院で共和党議員全員が賛成してくれれば、スティーブン・ムーア氏はFRBの理事になることが可能でした。

                                         

                                         しかしながら、マスコミの執拗なムーア氏のバッシングによって、共和党の上院議員の中に承認は難しいと言い出す議員が出てきたのです。

                                         

                                         こうしてスティーブン・ムーア氏は、自分自身に対する人格攻撃がひどく、自身も家族もそれに疲れ切ってしまい、トランプ大統領に書簡を送って、FRB理事候補の辞任を表明したのでした。

                                         

                                         私は、この出来事について、大変に異常だと考えております。

                                         

                                         なぜならば、トランプ大統領はFRBの金融政策を変えようとしていました。本来FRBは政府からも大統領からも独立した存在であるべきとする言説は、私は賛成とも反対ともいえない立場で、どちらかといえば反対です。日本でも日銀の総裁を国会が罷免できないようにした日銀法の改正は間違っていたと思っていて、政府のデフレ対策と同調しない人が日銀の総裁になった場合に、総裁を罷免できるように日銀法の再改正が必要という立場です。

                                         

                                         そういう意味で、今のFRBの金融政策は正しい政策をやっているのか?また過去にやってきたのか?という政策についての正誤の疑義があると思っています。

                                         

                                         例えば1929年の世界大恐慌の時、FRBは何をしたか?といえば何もしませんでした。当時はフーバー大統領が、レッセフェールという自由放任主義を貫いていました。アダムスミスの”見えざる手”で、市場のダイナミズムに任せれば、やがて経済は良くなるとして、FRBは何もしなかったのです。結果、多くの銀行や大企業が倒産するのを、ただ見ていただけでした。

                                         

                                         FRBはインフレに対しては政策を打ちますが、デフレに対しては何もしないのです。フランクリン・ルーズベルトが1933年に大統領になるまで、米国経済は悪化しました。フランクリン・ルーズベルトが大統領に就任し、レッセフェール(自由放任主義で何もしない)からニューディール政策に転換し、商業銀行と投資銀行を分離するグラス・スティーガル法を制定するなどして、再びこのような恐慌に遭遇しないように、恐慌が発生しても商業銀行が倒産しないようにと、政策を打ったことで、米国経済は復活しました。

                                         

                                         スティーブン・ムーア氏は、この世界大恐慌の教訓としてインフレよりもデフレの方がはるかに怖いという認識があるからこそ、FRBの利上げに反対をし、GDPが3%程度プラスになったからインフレ退治という考え方を持つFRBは、考え方を改めるべきだ!と主張したのでしょう。

                                         

                                         トランプ大統領も「FRBは大きく変わらなければならない!」と主張していました。トランプ大統領は、スティーブン・ムーア氏と親しいから、友人だからFRBの理事にしようとしたわけではありません。正しい経済政策の考え方を持っている人を、エコノミストとしてFRBに送り込もうとしたと思われます。

                                         

                                         そう考えますと、スティーブン・ムーア氏の若かりし頃の女性蔑視の発言が今頃取り上げられ、そのことが理由でFRB理事を辞任せざるを得なくなってしまったというのは、大変残念な話といえるでしょう。

                                         

                                         そしてこれは、マスコミどもが来年のトランプ大統領の再選を何としても阻もうとしているのでは?と考えているものと思われます。

                                         

                                         なぜならばFRBが変わることで、米国の経済が引き続き好調になれば、具体的にはGDP3%以上の経済成長が持続的に継続し、失業率も低下して賃金UPも続くとなれば、トランプ大統領の再選は間違いない方向になります。

                                         

                                         それを一番恐れているのは誰か?といえば、反グローバリストの対局にあるグローバリストたちであり、具体的にはマスコミ・大企業ではないでしょうか?

                                         

                                         

                                         

                                         というわけで今日は「次期大統領選挙でのトランプ大統領の再選を恐れているマスコミ」と題して論説しました。

                                         マスコミどもが恐れるトランプ大統領は、経済政策についてGDPが増える地に足の着いた王道政策しかやっていません。またFRBの利下げについても、トランプ大統領もスティーブン・ムーア氏も正しい。世界がマイルドなデフレに入ろうとしている中、せっかくの好調な経済に水を差すのが、従来のFRBの金融政策のやり方です。事実、オバマ氏が大統領の時に選任されたイエレン議長は、トランプ政権下で任期と同時に辞任しましたが、イエレン議長は、米国経済が好調だからといって利上げを続けました。これに対して猛烈に批判したのがトランプ大統領です。

                                         マスコミは、トランプ大統領の再選を恐れ、阻止しようとしているようにみえます。本来ならばロシア疑惑という切り札によって、トランプ大統領が弾劾されれば・・・と願って期待したのですが、ロシア疑惑では何も出てきませんでした。そのことでグローバリストらは、トランプ大統領を排除するために切り札が無くなったため、トランプ大統領の再選につながるFRB改革を阻止すべく、スティーブン・ムーア氏への執拗な個人攻撃をしたとしか私には思えないのです。

                                         

                                         

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                                           米国で5/2にスティーブン・ムーア氏がFRB理事を辞任するというニュースがありました。今日は、そのニュースを取り上げ、「絶好調の米国経済も、マイルドなデフレに突入か?」と題して論説します。

                                           

                                           下記はブルームバーグの記事です。

                                          『2019/05/03 03:53 ムーア氏、FRB理事候補を辞退−トランプ大統領

                                           トランプ大統領は2日、スティーブン・ムーア氏が連邦準備制度理事会(FRB)理事候補の辞退を決めたとツイートした。

                                           ムーア氏は現在空席が2つあるFRB理事のポストで候補に挙がっていた。上院の指名承認を受ける必要があったが、上院共和党議員の一部はムーア氏が女性蔑視の見解を過去に示したことを懸念し、支持しない意向を明白にしていた。

                                           トランプ大統領のツイート後、ムーア氏はFRB理事候補を辞退するのは「私自身に対する容赦ない攻撃が自分や家族に耐えられなくなり、これがあと3カ月続くのはつら過ぎる」ためだとする声明を発表。その上で、今後もトランプ氏の政策を「声高に」支持する姿勢を示した。

                                           ムーア氏はFRB理事候補辞退の数時間前、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、理事指名の獲得に向けて「私は一歩も引かない」と言明。ホワイトハウス側からは依然として指名されるとの示唆を受け取っていると話し、「私にとって最大の支持者は大統領だ。大統領はフルスピードで前進している」などと語っていた。  

                                           トランプ大統領が推すFRB理事候補を巡っては、約2週間前に元ピザチェーン経営者のハーマン・ケイン氏の指名断念が明らかになったばかり。ホワイトハウスは新たな候補を発表していないが、保守派エコノミストのジュディ・シェルトン氏や財務省でカウンセラー(顧問)を務めるクレイグ・フィリップス氏の名が挙がる可能性はある。両者ともFRB理事職に関心があると、事情に詳しい関係者は語っている。』
                                           
                                           上記ブルームバーグの記事の通り、トランプ大統領がFRBの新しい理事に指名していたスティーブン・ムーア氏が、理事の候補から辞退することを発表したというニュースです。
                                           FRB(The Federal Reserve Board)というのは日本における日銀と同じで、米国の中央銀行制度の最高意思決定機関で、日本語で「連邦準備理事会」とも呼ばれ、7名の理事から構成されます。
                                           そのFRBは2名ほど空席があり、トランプ大統領は2019/03/22にFRBの理事の候補として、スティーブン・ムーア氏を指名していました。ところが、スティーブン・ムーア氏が指名された後、スティーブン・ムーア氏が、米国のマスコミ・エコノミストらによって大変なバッシングを受けたのです。
                                           どのようなバッシングか?米国のマスコミ・エコノミストらは、スティーブン・ムーア氏はFRB理事には不適格と批判し、本来独立性を保つべき中央銀行の理事に、自分の友達を送り込んで支配しようとしているとして、トランプ大統領に対しても批判しました。
                                           スティーブン・ムーア氏は、もともとトランプ大統領の経済政策のブレーンの一人で、論説の特徴として、中央銀行が目指す物価の安定よりも、積極的な経済成長を目指そうとする論説が多い人です。
                                           例えば2018年の米国では、トランプ大統領の経済政策の成功によって、米国株式市場が史上最高値を付けている最中に、あろうことか?FRBは金利を引き上げました。
                                           なぜFRBが金利を引き上げたか?その理由は、インフレ懸念を除去するために手を打とうとして金利を引き上げたのです。スティーブン・ムーア氏は、このFRBの金利の引き上げは大きな間違いであると批判しました。
                                           スティーブン・ムーア氏がFRBの利上げを間違いであるとした大きな理由として株式市場ではなく商品市場について触れています。
                                           
                                          <商品相場指数GSCIインデックスの推移>
                                          (出典:Investing.com)
                                           上記チャートの通り、2018年の秋口の高値から年末にかけて商品市場が下落しているとのこと。グラフはGSCIインデックスなので、商品相場全体の価格になりますが、スティーブン・ムーア氏によれば、鉱物の銀・銅、農産物の大豆・チーズ、石油など、こうしたものが長期で下落を続けており、商品市場全体のインデックスでもピークから13%下落していると指摘。このような商品市場の長期的な下落からみて、米国経済は株式市場は堅調かもしれないがマイルドなデフレに入っているのでは?との認識を示していました。
                                           このスティーブン・ムーア氏の認識は非常に重要で、世界大恐慌の教訓としてインフレよりもデフレの方がはるかに怖いという教訓を認識しているものと思われます。
                                           つい最近の政府の発表で米国のGDPは3.2%の伸びと、先進国では格段に素晴らしい成績ですが、そもそもGDP3%〜4%の伸びは、FRBが恐れているインフレではありません。マイルドなインフレで望ましい状況です。デフレの方がはるかに怖く、GDP3.2%だからといって、インフレ懸念を心配する必要はありません。
                                           むしろ商品相場の動きからデフレ基調を心配すべきであるというのがムーア氏の見方であり、FRBの利上げは間違っているとの主張で、私もその見方・考え方には同調します。
                                           というわけで今日は「絶好調の米国経済も、マイルドなデフレに突入か?」と題して論説しました。
                                           スティーブン・ムーア氏の指摘の通り、恐れるべきはデフレであってインフレではありません。もちろんハイパーインフレは恐れていいのですが、米国や欧州や日本のような工業先進国において、ハイパーインフレなど起きようがありません。ハイパーインフレとは13000%のインフレであり、「1.5の12乗」即ち毎月50%の物価上昇が12カ月続いた場合であり、これは今100円の缶コーヒーが1年後13000円になることを意味します。
                                           このような極端なインフレは退治すべきですが、GDPが3%だからといってすぐ利上げをするのは、せっかくの経済成長に水を差すだけであり、FRBの利上げは間違っているというのはまさにその通りです。
                                           私はかつて、三菱商事に口座を作って金地金の現物取引をしたことがあります。1グラム=1,300ほどで買って、2013年に1グラム=5,200円で4倍になったところで売却しました。そういう意味では商品相場も稀にウォッチしますが、さすがに長期的な下落がデフレ突入の前兆であるというスティーブン・ムーア氏の指摘は、なるほどと納得できるものであると思うのです。

                                           


                                          逆イールドカーブの報道について

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                                             今日は「逆イールドカーブの報道について」と題して論説します。

                                             

                                             昨日の記事でも書きましたが、米国経済は絶好調です。ところが、マスコミはトランプ大統領の成果を認めたがらないようです。なぜならば、トランプ大統領は反グローバリズムだから。反グローバリズム的な政策が正しいにもかかわらず、それを受け入れることができないというのは、長年自らがよりどころにしてきた常識と、トランプ大統領の経済政策では真逆であるからということなのでしょう。ある意味で哀れな集団ともいえます。

                                             

                                             なぜならば、トランプ大統領の経済政策がうまくいっていることを受け入れられないため、逆イールドカーブになったことを取り上げて、米国経済も景気後退に入るという趣旨の報道が相次いだことがその証左です。

                                             

                                             実際に3/22に米国の債券市場において、米国の長期金利が下がり、短期金利よりも下がって逆イールドカーブになったことが米国のみならず日本でも大きく取り上げられました。

                                             

                                             この逆イールドカーブになったとはどういうことか?といえば、米国国債の3カ月物の短期国債金利と10年物の長期国債金利が逆転したというものです。普通は長期金利が高く、短期金利が低いのですが、それが逆転したということで、逆イールドカーブになったとし、景気後退のサインと報道されました。

                                             

                                             マスコミの報じ方は、「ついに米国経済が失速する!世界経済全体が悪くなる!大変だ!」という報道だったのですが、今はすでに順イールドカーブに戻っています。その証拠に4/5発表の労働統計では、米国経済は絶好調といってよいほど大変すばらしい状況で、これは決して誇張ではありません。

                                             

                                             改めてですが、イールドカーブについてご理解いただきたく、カンボジアのプノンペンコマーシャル銀行の金利表と、イールドカーブのイメージ図をご紹介します。

                                             

                                            <プノンペンコマーシャル銀行の金利表>

                                            (出典:プノンペンコマーシャル銀行のホームページから引用)

                                             

                                             上記はプノンペンコマーシャル銀行というカンボジアの銀行のホームページから引用したものです。杉っ子こと、私はプノンペンコマーシャル銀行に定期預金を預けていまして、米ドルで1000ドル(日本円で10万円ほど)を5年間の期間で預けています。

                                             上表の通り、5年間(60months)の金利は、年率6.50%であるのに対し、期間を短くすればするほど金利は下がっていって、一番期間が短い3か月物の定期預金の金利は、年率2.70%となっています。

                                             

                                             このように 普通は長期金利と短期金利で比べた場合、長期金利の方が高くなります。今の日本の定期預金は、1年も5年の0.01%で変わりませんが、海外の銀行の定期預金では、普通に長期金利の方が高いです。

                                             

                                             以前もご紹介しましたが、下図はイールドカーブのイメージ図です。

                                             

                                            <逆イールドカーブと順イールドカーブ>

                                            (出典:ピクテ投信投資顧問のホームページより引用)

                                             

                                             

                                             日本経済新聞では、逆イールドカーブになったことでトランプ大統領の再選が危うくなったと報じています。下記は2019/03/26に報じた日本経済新聞の記事です。

                                             

                                            『2019/03/26 09:50 逆イールド、トランプ氏再選に暗雲

                                             ドル金利下落に歯止めがかからない。市場の関心は、長短どちらの金利の下げペースが速いか、という点だ。

                                             米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が強まれば、相関が高い短期債の利回りが低下する。中国や欧州の経済指標が悪化すれば、安全性を求めるマネーが米長期債に流入してドル長期金利を押し下げる。

                                             25日のニューヨーク市場では、10年債利回りが一時2.4%の大台を割り込む局面もあった。株価も敏感に反応して、ダウ工業株30種平均も一時は100ドルを超す下げとなった。

                                             通常、金利が下がれば株価は上がるはず。しかし、逆イールドの呪縛に取りつかれた市場では、長期金利が急落すると長短金利逆転の深化が懸念され、株価が下がる。

                                             一方、短期債利回りが下落する局面もあった。シカゴ連銀のエバンズ総裁が1998年アジア経済危機時のFRB利下げを引き合いに出し、当時のグリーンスパンFRB議長の迅速な決断を評価する発言が伝わったときだ。引き締めから緩和への転換の状況が今回と似ているとしている。

                                             短期金利が下がれば、順イールドへの回帰が連想され、株式市場は安堵する。かくして、市場の一喜一憂が繰り返されそうだ。この逆イールドの長期化は必至である。

                                             FRBへの介入姿勢を露骨に強めるトランプ大統領にとっても悩ましい展開だ。過去の事例を見ても、逆イールド発生からタイムラグをおいて景気後退に突入しているので、大統領選のある2020年の米国経済が危うい。そこで、トランプ氏はFRBに「利下げ」圧力をかけることが予想される。

                                             しかし、現在の政策金利水準は2.25〜2.5%。利下げの余地は2.5%しかない。過去の景気後退期に実施された利下げは5%程度が必要だった。

                                             FRBの保有資産圧縮プログラム停止という緩和措置も9月にはカードを切ってしまう。そこで、FRBがマイナス金利を導入する可能性もウォール街では議論される。

                                             今や、世界のマイナス金利国債総額が10兆ドルに達するとの報道もあるが、FRBは伝統的に拒否反応が強かった。金融機関の収益悪化という副作用が強すぎるとの配慮であろう。イエレン前議長が議会証言で「米連邦公開市場委員会(FOMC)でも2010年ごろに(マイナス金利を)検討したが、金融市場への影響を懸念し採用しなかった」と語ったこともある。

                                             しかし、トランプ大統領の発想は、これまでの金融市場の常識を超える異次元にある。欧州中央銀行(ECB)と日銀がマイナス金利政策を維持しているのに、なぜFRBはこだわるのか、との疑問が発せられるかもしれない。

                                             今後、FOMC議事録でマイナス金利についての議論が出てくれば、株式市場にとっては買い材料とされよう。外国為替市場ではドル安要因となるので、日本にとっては円高リスクとなる。

                                             中央銀行の緩和比べが進行する中で、日銀の追加緩和も、欧米市場の注目点となってきた。円が通貨投機筋の標的となりやすい地合いである。

                                             なお、これまで中国の米国債売却傾向が市場では意識されてきたが、今後は中国が米国債購入を増やし、ドル長期金利を押し下げ、逆イールド現象を助長するシナリオも考えられよう。中国にとって米国債は米中貿易戦争の「武器」となる。

                                             

                                             

                                             この記事を見て皆さんはどう思うでしょうか?1カ月もたたず金利は順イールドに戻っており、逆イールドカーブをあれだけ大げさに報じておいて・・・と私は思います。

                                             

                                             特に記事の最後にある中国の米国債売却が米中貿易戦争の「武器」になるという言説は、米国に「IEEPA」と「USA Freedom Act」という法律の存在を知らないからこそ出てくる言説です。というより日本経済新聞社といえども、所詮その程度の理解としか言いようがないくらい、マスコミのレベルは低すぎます。(参照記事:米国債残高1位の中国は米国債売却で反撃するという言説について

                                             

                                             結局マスコミは米国が景気後退に入って世界経済全体が悪くなるということと、トランプ大統領がFRBの金融政策に介入することは、中央銀行の独立に反するからダメ!ということを言いたかったのでしょう。そしてその背景として反グローバリズムが受け入れられないという哀れな思考回路がこびりつき、こうした報道になったのだと私は思います。

                                             

                                             

                                             というわけで今日は「逆イールドカーブの報道について」と題して論説しました。

                                             一瞬だけ逆イールドカーブなったことにマスコミが乗っかって、米国経済が悪くなる→世界経済全体が悪くなるというシナリオを流し始めて、反グローバリズムが原因だとでも言いたかったのがマスコミです。

                                             確かに米国の短期金利は上昇していましたが、その逆イールドカーブを作った原因は、バリバリの女性グローバリストの前FRB議長ジャネット・イエレンです。トランプ大統領が当選してから株価が上昇し、経済が良くなってきた過程で、インフレにならないようにということで、短期金利を上昇させました。

                                             ジャネット・イエレンのこの発想は、1933年に就任したルーズベルト政権の時と同じです。ルーズベルト政権もまた不況から脱すべくニューディール政策で財政出動したのですが、景気が良くなったからといって3年後に景気引き締め策を行い、1936年以降、ルーズベルト不況が始まりました。

                                             まさに安倍政権も同じです。2013年こそ国土強靭化で財政出動をやったことで、名目GDPで△1.9%増となり、税収も△6.9%増となりました。ところが2014年4月の消費増税に始まった緊縮財政により、景気は失速してデフレが続いています。

                                             低失業率はアベノミクスの成果でも何でもなく、生産年齢人口減少という日本の人口構造による環境が原因であって安倍政権の経済政策の成果でも何でもありません。

                                             経済記事について、マスコミの報道がこの程度であるということも、改めて私たち国民は認識する必要があるものと私は思います。

                                             

                                             

                                            〜関連記事〜

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                                            トランプ大統領の保護貿易・移民排除がもたらすアメリカ国民の賃金UPと過去最低の失業率

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                                               今日は「トランプ大統領の保護貿易・移民排除でもたらされたアメリカ国民の賃金UPと過去最低の失業率」と題して論説します。

                                               

                                               ロイター通信の記事を2つ紹介します。

                                              『ロイター通信 2019/04/05 01:06 米ターゲット、最低時給13ドルに引き上げ 労働市場引き締まりに対応

                                              [ワシントン 4日 ロイター] - 米小売大手ターゲットは6月に米従業員の時間当たりの最低賃金を12ドルから13ドルに引き上げると発表した。米労働市場が引き締まる中、有能な人材を確保したい考え。競合のウォルマートへの圧力になる可能性がある。

                                               ターゲットは米国内で1845の店舗を展開し、30万人を超える従業員を雇用。2017年に時間当たりの最低賃金を20年までに15ドルに引き上げる方針を表明し、18年3月に11ドルから12ドルに引き上げた。

                                               米国の失業率が約50年ぶりの低水準で推移する中、小売業者の間では人材の確保が難しくなっている。最低賃金引き上げに向けた政治的な圧力も増大しており、アマゾン・ドット・コムは昨年10月、米国の従業員の時間当たり最低賃金を15ドルに引き上げた。

                                               賃金引き上げの動きは他の企業にも広がり、会員制倉庫型ストアのコストコ・ホールセールも時間当たり最低賃金を1年間に2回引き上げ、今年3月から15ドルとしている。

                                               ウォルマートの現在の時間当たりの最低賃金は11ドル。同社からコメントは得られていない。

                                               ターゲットはすでに時間給が13ドルとなっている従業員の賃上げを実施するかについては明確に示さなかった。』

                                               

                                              『ロイター通信 2019/04/05 23:53 米雇用統計、3月は19.6万人増に持ち直す 景気懸念後退か 

                                              [ワシントン 5日 ロイター] - 米労働省が5日発表した3月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が19万6000人増と、前月の17カ月ぶりの弱い伸びから加速した。温暖な気候を受け建設業などで雇用が増えた。米経済が第1・四半期に急減速したとの懸念が後退する可能性がある。市場予想は18万人増だった。

                                               2月の数字は当初発表の2万人増から3万3000人増へ小幅に改定された。2月の増加数は17年9月以来の低水準だった。

                                               今年の月間雇用増加ペースは平均で18万人と前年の22万3000人から鈍化したが、労働年齢人口の伸びを維持するのに必要な約10万人をなお上回った。

                                               エコノミストらは19年の雇用の伸びが月々平均して15万人増となるとみている。

                                               米国の求人数は約758万人。3月は22万4000人が労働市場から離脱したため、求人数は高止まりする可能性がある。労働力人口のうち就職している者もしくは求職中の者を表す割合、いわゆる労働参加率は3月に63.0%と2月の63.2%から低下した。2月は5年超ぶりの高水準だった。

                                               時間当たり賃金は3月に前月比0.1%(4セント)増だった。前月は0.4%増加していた。3月の前年同月比は3.2%増。2月は3.4%増と、09年4月以来の大幅な伸びだった。3月は緩慢な伸びとなったことで、個人消費に関する不安が浮上するかもしれない。個人消費は1月に停滞した。

                                               失業率は前月から横ばいの3.8%だった。連邦準備理事会(FRB)は年末までに3.7%になるとの見通しを示しているが、その水準に迫った。

                                               平均週間労働時間は前月の34.4時間から34.5時間に増えた。

                                               全米連邦信用組合協会(NAFCU)の首席エコノミストは「今回の統計は適温水準。雇用の伸びが持ち直して景気後退懸念が和らぎ、インフレ懸念を引き起こさない程度に十分堅調な形で賃金が増えた」と指摘。「金利据え置き姿勢を下支えする内容で、FRBには朗報」と話した。

                                               ベレンベルク・キャピタル・マーケッツのエコノミストは「第1・四半期は困難に直面したが、第2・四半期のスタートに際し景気の勢いが増した」と語った。

                                               3月の雇用の内訳は、建設業が1万6000人増と、前月の2万5000人減から持ち直した。レジャー・接客は3万3000人増。中でも外食が2万7300人増えた。

                                               専門職・企業サービスは3万7000人増だった。政府は1万4000人増加した。ヘルスケアや運輸・倉庫、金融、公益、情報サービスもプラスだった。

                                               一方、製造業は6000人減と、17年7月以来初めてマイナスとなった。前月は1000人増だった。製造業のうち自動車・同部品は6300人減だった。自動車メーカーは、売り上げが減速し在庫が膨れ上がる中で何千人もの人員削減に動いている。

                                               小売は2カ月連続で落ち込んだ。

                                               

                                               上記の通り、米国経済が絶好調であることを示すニュース記事を2つ取り上げました。

                                               

                                               まず米国で4/5に政府の雇用統計の発表があり、3月の米国の新規雇用数は19万6000人増えたということで、この数字は素晴らしくよい数字です。さらには失業率がほぼ最低水準となっており、賃金は上がり続けているという総じて米国経済が絶好調ということで、2つの記事を紹介させていただきました。

                                               

                                              <米国の雇用統計(2019年3月):単位は左軸、右軸いずれも(%)> 

                                              (出典:三井住友DSアセットマネジメントのマーケットデイリーから引用)

                                               

                                              <米国の失業率の推移>

                                              (出典:グローバルノート)

                                               

                                               米国政府が発表の雇用統計のポイントは3つあります。

                                               

                                              ●雇用者数が19.6万人増で雇用は安定しているということ

                                              ●失業率は横ばいの3.8%は、過去最低の水準で推移している状況であるということ

                                              ●賃金の上昇率が年率3.2%と高いこと

                                               

                                               

                                               特に詳しくみてみますと、米国のアフリカ系米国人(=黒人)の失業率は、今までの失業率が下がり続けて史上最低だったのですが、さらに下がってよくなって過去最低を更新している水準で推移しています。さらに素晴らしいのが、女性の失業率が下がっていて、過去最低を更新しているということです。

                                               

                                               賃金についても上昇し続けているのがトランプ政権の経済政策の結果の特徴なのですが、賃金が年率3.2%の上昇率というのは、先進国の中では破格です。

                                               

                                               日本は賃金が下がり続け、欧州も下がり続けている状況ですので、それらと比較すれば、年率3.2%の賃金上昇率はすごい数字といえるでしょう。

                                               

                                               さらに別の雇用に関する数字の発表もあります。失業保険の申請数という指標なのですが、3/24〜3/30の1週間で、20万人という数字があるのですが、これはまた50年ぶりの低さという数字です。

                                               

                                               こうした雇用に関する経済指標の非常によい結果発表を受け、トランプ大統領がホワイトハウスで記者に囲まれてコメントしています。下記は日本経済新聞の記事です。

                                               

                                              『日本経済新聞 2019/04/05 23:32 「FRBは利下げを」 トランプ氏、圧力強める     

                                              【ワシントン=河浪武史】トランプ米大統領は5日、ホワイトハウスで記者団に「個人的には米連邦準備理事会(FRB)は利下げをすべきだと思う。FRBは(利上げで)米景気を大きく減速させた」と主張した。FRBは2019年に入って利上げを一時停止する方針を表明しているが、トランプ氏は金融緩和への転換を求めて中央銀行に圧力を強めている。

                                               メキシコ国境の視察へカリフォルニア州に向かう前に記者団の質問に答えた。

                                               トランプ氏は「インフレはほとんどみられない。政策金利を引き下げて(保有資産を圧縮する)量的引き締めも取りやめるべきだ」と強調した。利下げだけでなく「量的緩和にも動くべきだ」とも主張するなど、FRBの金融政策に介入する姿勢を強めている

                                               

                                              <ホワイトハウスの写真>

                                              (出典:2013年12月31日に杉っ子がワシントンで撮影)

                                               

                                               トランプ大統領のホワイトハウスでの記者団へのコメントの通り、トランプ大統領はFRBに対して利上げや金融引き締めを辞めさせようとしています。

                                               

                                               それもそのはず、雇用の数字が素晴らしく良く、米国の経済は多くの人が信じられないほどうまくいっていることが、指標面からみてもよくわかります。

                                               

                                               この状況が続けば、海外に工場を出していた米国企業は、工場を米国に戻すことになるかもしれません。今までグローバリズムの流れで、メキシコや中国に工場を出して、安い賃金で製造して利益を出していた企業が、米国に戻ってきており、さらにこうした動きが加速していく可能性が高いのです。

                                               

                                               ということは今後もこの雇用の好調は継続し、失業率は下がり続け、賃金UPも継続し続けることになっていくでしょう。

                                               

                                               トランプ大統領はFRBに対して利下げすべきと主張をしており、この好調な経済を持続させていこうとする意図がはっきりと理解できます。

                                               

                                               そもそもインフレが発生したとしても、工業先進国でハイパーインフレになることなどあり得ず、インフレ率が10%とかになるのもまだまだ遠い先の話。何がいいたいかといえば、インフレは発生せず、発生してもマイルドなインフレであって、それはインフレ退治すべきほどのインフレではないということでもあります。

                                               

                                               だからこそ「今は量的緩和をすべき!」という発言にもつながっています。今、利下げと量的緩和をすれば、米国経済は宇宙ロケットのように上昇するだろうとも述べておられているのですが、それは全く正しい見立てといえます。

                                               

                                               

                                               というわけで今日は「トランプ大統領の保護貿易・移民排除がもたらすアメリカ国民の賃金UPと過去最低の失業率」と題し、1兆ドルインフラ投資、メキシコの壁建設、関税引き上げによる安い製品の締め出しの結果、米国経済が絶好調となっていることをお伝えしました。

                                               株式投資をやるのであれば、米国株もしくは英国株ともいえるほど、地に足がついた経済成長をしているのが米国です。移民を排除し、国内産業を保護する政策の結果、賃金UPと失業率の低下をもたらすという素晴らしい成果を出しているのがトランプ大統領です。

                                               それに比べて安倍政権のアベノミクスはどうでしょうか?2014年の消費増税8%以降、緊縮財政を推進し、実質賃金が下落しているにもかかわらず、統計数字を改ざんしてまでして実質賃金が上昇したとしてアベノミクスの成果を強弁する安倍首相が、かすれて見えるのは私だけでしょうか?

                                               米国とは異なり、我が国は生産年齢人口の減少で何もしなくても失業率は低下する環境にあるわけで、低失業率はアベノミクスの成果でも何でもありません。こうした欺瞞の言説を、一つ一つロジカルにつぶしていき、正しい政策を理解していただかなければ、日本は滅びていくしかないと私は思うのです。

                                               

                                               

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                                                 今日は「元FRB議長のイエレンよ!経済が分かっていないのはトランプ大統領ではなく、お前だ!」と題して論説します。

                                                 

                                                 イエレンはジャネット・イエレンが本名で元FRB議長だった人で女性の方です。一方、今のFRB議長はジェローム・パウエルという男性です。イエレンはオバマ政権が指名した人なのですが、トランプ大統領になってから、任期が切れて辞めさせられてパウエルが指名されました。

                                                 

                                                 今から遡ること2年半前の2016年11月にトランプが、米国の大統領選挙で当選して2017年1月に大統領に就任しましたが、トランプ大統領が米国の大統領選挙で勝って以降、米国の株価はずっと上昇を続けています。

                                                 

                                                <ニューヨークダウの株価推移>

                                                (出典:ヤフーファイナンス)

                                                 

                                                 この株価の上昇が始まったとき、FRB議長はイエレンでした。オバマ政権の時、米国経済は良くなかったため、イエレンは

                                                短期金利を0.2%として、今の日本のゼロ金利政策やマイナス金利政策と同様に、ほぼ0%としていました。

                                                 

                                                 ところがトランプが大統領選挙で当選し、株価が上昇し始めたことで、景気が良くなってインフレ懸念ということで、短期金利を数カ月という短い期間で2%以上引き上げました。

                                                 

                                                <米国の政策金利の推移>

                                                (出典:外為ドットコム)

                                                 

                                                 

                                                 上記グラフは、米国の政策金利の推移なのですが、2016年11月以降、金利が急速に引き上げられて2%以上になっていることがわかるかと思います。

                                                 

                                                 なぜイエレンが金利を急速に引き上げたか?といえば、インフレを懸念したためです。その後、2018年2月にトランプ大統領がパウエル氏をFRB議長に任命しました。

                                                 

                                                 イエレンは、トランプ大統領になる直前から短期金利を上げ続け、上がり続けた短期金利が高い状態のままとしたことで、トランプ大統領の政策で景気が良くなったのに、高い短期金利が株価や景気の足を引っ張っていました。

                                                 

                                                 これが3月に逆イールドカーブとなった原因でもあるのです。逆イールドカーブというのは聞きなれないと思いますが、下記のイールド・カーブの形状をいうイメージ図をご覧ください。

                                                 

                                                <逆イールドカーブと順イールドカーブ>

                                                (出典:ピクテ投信投資顧問のホームページより引用)

                                                 

                                                 

                                                 通常、金利というものは、長期金利の方が高く、短期金利が低いです。一般的には返済までの期間が長いほど、貸し倒れリスクが相対的に大きいということで長期金利の方が短期金利よりも高くなります。その金利の高低を縦軸とし、返済期間を横軸にして、金利を線でつないだものがイールドカーブなのですが、通常は順イールドといって、短期金利<長期金利となります。

                                                 

                                                 しかしながら稀に短期金利>長期金利となることがありまして、これを逆イールドと呼んでいます。そしてこの逆イールドカーブは不況の兆しと呼ばれていまして、米国のマスコミのみならず、日本のマスコミも大騒ぎしました。

                                                 

                                                 どうやら日本のマスコミは、トランプ大統領の反グローバル思想が気に入らないのでしょう。下記は日本経済新聞の記事ですが、見出しにトランプ氏の”勇み足”として、逆イールドカーブになった原因があたかもトランプ大統領にあるかの如く報じています。

                                                 

                                                『日本経済新聞 2019/03/25 08:52 トランプ氏の勇み足、逆イールドはいつまで     

                                                 トランプ米大統領は最新の人事案で、空席になっている米連邦準備理事会(FRB)の理事ポストに保守系の経済評論家、スティーブン・ムーア氏を指名すると明らかにした。ムーア氏は2016年の大統領選でトランプ陣営の経済顧問を務めた、トランプ氏に極めて近い人物。人事をテコに金融政策への関与を強め、執拗にFRBに低金利圧力をかけ続ける狙いが透ける。

                                                 そんなトランプ氏にも、ひとつの誤算があった。

                                                 利上げをせず政策金利を低位に据え置き、一方でFRBが長期経済観測を低めに出すと長短金利が接近し、さらには逆転のリスクがある。この長短金利逆転の「逆イールド」現象は過去の事例では不況の兆しとされるので、トランプ氏が政権の成績表と位置づける株価には下げ要因となる。

                                                 そのシナリオが22日のニューヨーク株式市場で現実のものとなった。

                                                 振り返れば20日にすでに兆しが見られ、ウォール街の一部で話題になっていた。米1年物国債の利回りが2.52%だったのに対し、2年物が2.46%、3年物が2.40%と短期国債の間で逆イールド現象が生じる局面があったのだ。

                                                 さらに21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文と同時に発表されたFRBの最新経済見通しでは21年の実質国内総生産(GDP)の成長率が1.8%、失業率が3.9%、インフレ率(コアPCE)が2.0%と低成長・低インフレを予告するかのごとき数字が並んだ。その結果、10年債利回りには下げ圧力が強まっていた。この流れのなかで22日には長短金利の逆転現象が生じ、ダウ工業株30種平均は急反落。前日比460ドル安の安値圏で取引を終えた。

                                                 ただし22日の取引終了前に下げが加速した理由は、16年の米大統領選にロシアが介入したとされる「ロシア疑惑」の捜査報告書をバー米司法長官が発表するという報道が一因とされていた。日本時間の25日早朝に伝わった、「ロシア疑惑の共謀を立証できず」の報道で、この分の下げ幅は相殺されよう。(中略)

                                                 「2%クラブ」という言葉があるが、アンクルサム(米国のニックネーム)におカネを貸すにあたって期限が1カ月でも30年でも2%台ということだ。異常としかいいようがない。

                                                 前日比の下げ幅は3カ月物から1年物が0.01〜0.02%程度に対して、2年物から10年物は0.1%前後になっている。債券市場で0.1%(10ベーシスポイント)はかなりの下げ幅だ。

                                                 逆イールドが議論されるときは通常、10年債と2年債の利回り格差が指標として使われる。22日時点で、この長短金利は逆転していない。1年以下の短期債利回りと10年債利回りが逆イールドになっている。

                                                 市場の関心は、この不吉な異常現象がいつまで続くかということだ。結論からいうと、場合によっては1年以上の長期にわたる可能性がある。筆者が10年債と2年債のスプレッド(利回りの差)を日次データで検証したところ、前回の逆イールド現象は05年12月17日の0.01%に始まり、07年6月5日の0.01%で終わっている。その間、マイナス幅が0.19%まで拡大した時期もある。そして、08年秋にリーマン・ショックが起こった。

                                                 今回も構造的な低インフレが長期化する過程で、構造的な過大債務に悩む中国・欧州経済の不安などから安全資産とされる米国債への資金流入が誘発された結果だ。長短金利逆転現象は長引きそうだ。

                                                 一時的にスプレッドがプラス圏に戻しても、再びマイナス圏に突入する可能性を覚悟せねばなるまい。

                                                 株価は厄介なお荷物を抱え込んだ感がある。ドル金利の低下はドル安・円高をも誘発するので、特に日本株にとってはボディーブローのように効いてきそうだ。』

                                                 

                                                 その後、ブルームバーグでは、3/26と4/20に次のような見出しで、逆イールドカーブは脅威でないと報じています。

                                                 

                                                 ブルームバーグ 2019/03/26 16:15 ゴールドマンも仲間入り−逆イールドの脅威、深刻視せず

                                                 ブルームバーグ 2019/04/20 12:47 米国債逆イールド、リセッション先行指標としての力弱まる−バンク・オブ・アメリカ

                                                 

                                                 

                                                 これらを整理しますと私がいいたいことは2点あります。

                                                 

                                                 一つ目は逆イールドカーブの原因を作ったのは、トランプが大統領選挙に当選して以降、短期金利を引き上げ続け、米国経済の足を引っ張る原因を作ったイエレン前FRB議長の金融政策であるということです。

                                                 

                                                 二つ目は逆イールドカーブで日本と米国のマスコミは大騒ぎしたが、すでに逆イールドカーブとはなっておらず、現在は順イールドカーブになっているということです。

                                                 

                                                 この2点からいえることは、マスコミはトランプ大統領の経済政策が失敗して欲しいと願っているとしか思えません。何しろ、反グローバリズムという思想そのものが受け入れられないのでしょう。実際には反グローバリズムを推し進めた結果、米国の経済は大変良くなっているという事実があるにもかかわらず…です。

                                                 

                                                 時事通信は、トランプ大統領を批判するイエレン前議長のコメントを2019/02/26に報じています。

                                                ●トランプ大統領はFRBの金融政策を理解していない!

                                                ●トランプ大統領は経済そのものをわかっていないのでは?

                                                ●FRBの仕事とはアメリカ国民の雇用を伸ばして物価を安定させることである

                                                などとコメントし、トランプ大統領は経済を全く理解していないと批判していました。さらに、トランプ大統領はFRBに金利を下げさせることによってドル高に誘導することにFRBを使おうとしているとして、このこと自体がトランプ大統領は正しい金融政策をわかってないともコメントしました。

                                                 

                                                 確かに、イエレンのトランプ大統領批判は、これまでの常識から考えればその通りなのでしょう。しかしこれまでのFRBのやり方が正しかったのか?成功していたか?といわれれば、全然成功していません。その証拠にオバマ政権の8年間、経済はずっと悪くイエレンが主張する”アメリカ国民の雇用を伸ばす”というのも、雇用は全然伸びていませんでした。

                                                 

                                                 ところがトランプ大統領になってから、すでに雇用は550万人にまで増加し、失業率に至っては下記グラフの通り、2018年度は過去最低の3.89%です。

                                                 

                                                <米国の失業率の推移>

                                                (出典:グローバルノート)

                                                 

                                                 

                                                 上記のグラフをみて、イエレンはどう思うでしょうか?それでも従来のFRBのやり方が正しいといえるのでしょうか? トランプ大統領は、FRBの理事にスティーブン・ムーア氏、ハーマン・ケイン氏を指名していますが、この二人も従来のFRBの金融政策を疑い、金利を下げる方向の人々であり、その意味でトランプ大統領は、従来の間違ったFRBの金融政策を転換させようと懸命になっていることがうかがい知れます。

                                                 

                                                 と同時にイエレン氏の言説は全くをもってデタラメであり、国民の雇用を増やして失業率を過去最低にまで引き下げることができたトランプ大統領のマクロ経済政策が間違っているというイエレン氏こそ、厚顔無恥の経済を何もわかっていない人と私は断定します。

                                                 

                                                 

                                                 

                                                 というわけで今日は「元FRB議長のイエレンよ!経済が分かっていないのはトランプ大統領ではなく、お前だ!」と題して論説しました。

                                                 イエレン氏は、MMT(現代金融理論)にも反論しています。そういう輩は日本にも多数を占めます。そういう意味で今までのFRBの常識外れをやるのがトランプ大統領だったとして、今までのFRBの常識通りにやっていたら、米国経済は良くなるのでしょうか?

                                                 私は決して少数派だから正しいとは思いません。その言説の賛成反対が、少数だろうが多数だろうが、正しいものは正しい、間違っているものは間違っていると言いたいだけです。

                                                 日本のマスコミもトランプ大統領の政策に批判的ですが、仮にもトランプ大統領がFRBの金融政策に口出ししなければ、普通に金利を上げていたことでしょう。なぜならば雇用が増えて株価が上昇しているということで「はい!インフレになる見込みです!」として自動的に金利を引き上げてきたのは、イエレン氏だったわけです。そうなれば米国経済が悪くなり、日本も欧州も中国も経済が悪くなろうとしているので、世界経済全体が本当に悪くなって世界大恐慌に向かっていくかもしれないのですが、それを食い止めようとしているのがトランプ大統領なのでは?と私は思うのです。

                                                 

                                                 

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                                                   今日は「グリーン・ニューディール政策と現代金融理論」と題し、米国の民主党議員が提唱する「グリーン・ニューディール政策」に絡めて、昨日もテーマとさせていただいた現代金融理論について論説します。

                                                   

                                                   グリーン・ニューディール政策というのは、オバマ政権のときにも打ち出された経済政策の一つで、ニューディール政策というのが、財政政策・財政拡大によって経済を活性化させるという政策で、端的にいえば、政府の財政出動によって経済成長率を高めていきましょう!ということです。

                                                   

                                                   では、グリーン・ニューディール政策というのは何なのか?というと、財政拡大の投資項目の中に、地球温暖化対策を中心に据えて財政出動していきましょう!という政策です。

                                                   

                                                   例えば再生可能エネルギーやスマートグリッド(次世代送電網)や公共交通システムに加え、ゼロ排気車を導入するなど、そういうことを徹底的に推進して経済を活性化させようという話です。

                                                   

                                                   このグリーン・ニューディール政策について、今年2月に米国の女性議員のオカシオ・コルテス下院議員が、気候変動問題に対して包括的に取り組むということでグリーン・ニューディール法案を発表いたしました。ところが残念なことに、下記ロイター通信の記事の通り、グリーン・ニューディール法案は廃案になってしまいました。

                                                   

                                                  『ロイター通信 2019/03/27 11:44 米上院、「グリーン・ニューディール」を否決

                                                  [ワシントン 26日 ロイター] - 米上院は26日、野党・民主党が提出した温暖化対策に関する決議案「グリーン・ニューディール」の採決を行い、反対多数で否決した。

                                                   共和党議員が反対票を投じたほか、民主党から2人が造反し、通常は民主党と歩みを合わせる無所属議員1人も反対に回ったため、反対は57票に上った。民主党側は、43人の議員が賛成でも反対でもない「出席」の票を入れた。

                                                   決議案は風力や太陽光を含む再生可能エネルギーや環境インフラへの政府主導の投資を実行することで、化石燃料に依存し、温室効果ガスを排出する経済構造の転換を目指す内容。

                                                   民主党は2020年大統領選に向けて、温暖化対策と経済成長促進の両立について議論を喚起する狙いがあるとしてきた。このため、早期採決は望まない姿勢を示してきた。

                                                   一方、共和党のマコネル上院院内総務は国民的な議論となる前に、議会公聴会を経ずに採決を強行した。共和党側は、グリーン・ニューディールを民主党の左傾化の表れだと断じ、民主党内で足並みの乱れを誘うことを狙った。』

                                                   

                                                   上記の記事の通り廃案となったグリーン・ニューディール法案ですが、記事の内容が正しいとするならば、共和党が政治的に民主党をつぶすために早期採決をしたということで残念です。民主党は温暖化対策と経済成長促進の両立についての議論を喚起する狙いがあったと報じられています。

                                                   

                                                   ニューディール政策自体、ドイツ・フランスを中心としたEUや日本がやっている緊縮財政とは真逆の発想です。米国の場合は、オカシオ・コルテス議員の提唱の通り、「グリーン・ニューディール」として地球温暖化を中心に財政出動をやろうというものです。

                                                   

                                                   日本でいえば、防災減災ニューディールが必要といえます。2014年の消費増税以降、公共事業も増やしていない安倍政権が当初提唱したアベノミクスの第二の矢の国土強靭化は、まさに防災減災ニューディールといえますが、予算を増やすどころか減らしており、実行に移されていません。

                                                   

                                                   その防災減災ニューディールといえる国土強靭化と、オカシオ・コルテス議員の提唱するグリーン・ニューディール政策は、経済的にも同じ発想の話であるといえます。グリーン・ニューディール政策で提唱されている投資例として、再生可能エネルギー促進、次世代送電網の敷設、技術的に実現可能な限り米国の交通システムの抜本的見直し、高速鉄道投資の増大、技術的に実現可能な限り環境汚染や温暖化ガス・排ガスがないクリーンな製造業の促進などがあげられています。

                                                   

                                                   ではなぜ今、国土強靭化の必要性が米国で叫ばれているのでしょうか?

                                                   

                                                   米国では景気がいいといわれていますが、労働者の賃金がほとんど上昇していません。実質賃金が上昇していない問題を解決するためには、大企業が活性化すればいいということではなく、労働者の賃金が上昇していかなければならないと私は思います。

                                                   

                                                   そのためには、キャッシュをマーケットに供給していく必要があるわけですが、このとき裏付けとなるキャッシュは?ということで、オカシオ・コルテス議員が主張しているのは、昨日も本ブログで取り上げた現代金融理論(=モダン・マネタリー・セオリーで以下「MMT」)です。

                                                   

                                                   もともとリフレ派の議論に、マネタリーセオリーという理論があるのですが、これは中央銀行が金融緩和をやれば経済が活性化するという理論で、日本でも日銀が通貨を供給すれば経済が活性化してデフレ脱却ができるとした言説にも利用されています。

                                                   

                                                   しかしながら、それをさらに発展させたのがMMTで、日銀が通貨を供給するだけでは日銀当座預金に積まれるだけで、マネタリーベースは増加させるだけで、自動的に貸し出しが増加する・企業に資金需要が増える、即ち”マネーストックが増える”わけではありません。

                                                   

                                                   MMTのポイントは、政府が国債を大量に発行して、それを実際に政府支出として使っていく。そうしないとマネーストックは増えないという考え方であり、至極真っ当な考えで正しいです。

                                                   

                                                   内閣官房参与の一人である浜田宏一氏らは金融政策だけでお金が回りだして景気が良くなるという主張でしたが、私は金融政策でお金を供給するだけでは景気は良くならず、実際に政府がそのお金を使わない限り、お金が回りだすことはないと主張を続けてきましたが、MMTの考え方はまさに私の主張そのものであり、オカシオ・コルテス議員も、この考え方を踏襲しています。

                                                   

                                                   米国の場合はグリーンなシステムが技術的に立ち遅れ、CO2をたくさん出しているという現状があります。トランプ大統領は、温暖化対策にはネガティブな発言がある一方、オカシオ・コルテス議員は環境対策を世界のスタンダードに合わせて主張したということになります。

                                                   

                                                   要するにオカシオ・コルテス議員が提唱するグリーン・ニューディール政策は、「環境対策を米国としても世界のスタンダードに合わせましょう!」ということと、それに伴う財源について「MMT理論にもとづけば、自国通貨建ての国債を発行して借金を増やすことで何ら問題がないですよ!」という2つの意味があります。

                                                   

                                                   日本のような環境先進国になりましょうという主張は、米国では毎回つぶされてきました。しかしながら自国の経済成長のためにも財政出動によって、環境先進国を目指すというこの発想は、環境分野の技術革新を伴って経済成長もできるということであり、オカシオ・コルテス議員の主張は、素晴らしいと私は思うのです。

                                                   

                                                   

                                                   というわけで今日は「グリーン・ニューディール政策と現代金融理論」と題して論説しました。


                                                  メキシコの壁の建設により減少した不法入国者

                                                  0

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                                                     今日は「メキシコの壁の建設により減少した不法入国者」と題して論説します。

                                                     

                                                     下記はBCCの記事です。

                                                    『BCC 2019/02/16 「壁は効く」 トランプ氏、非常事態宣言の正当性主張

                                                     ドナルド・トランプ米大統領は15日、メキシコとの国境に壁を建設する費用を議会承認を得ずに確保するため、国家非常事態を宣言すると発表した。壁の建設はトランプ氏の主要選挙公約だが、野党・民主党は「権力の甚だしい乱用」だと非難している。

                                                    しかし、アメリカとメキシコの約3200キロに及ぶ国境沿いに壁を建設するには、推定230億ドルが必要と試算されている。

                                                     

                                                     

                                                     トランプ大統領のメキシコの壁建設を巡って、様々なニュースが飛び交っていますが、私はトランプ大統領に対して「がんばれ!」とエールを送りたい立場です。

                                                     

                                                     理由は、メキシコの壁がアンチ移民の象徴であると考えるからです。

                                                     

                                                     トランプ大統領は2/5に行った一般教書演説で、メキシコの国境の壁を建設する公約に強い意欲を示しました。選挙で共和党が下院で民主党に敗れてねじれ状態になっている下院において、多数を握る民主党へ融和を呼び掛けながらも、壁の建設の予算確保については一切の譲歩を拒む姿勢を鮮明にしています。

                                                     トランプ大統領は「私は壁を建設する。壁が作られたところでは不法移民は激減する。壁は人命を救う。」と述べ、議場では国境の危機を強調するため、不法移民に殺害された家族が招かれました。

                                                     

                                                     移民はグローバリズムの3つのトリニティである「ヒトの自由」「モノの自由」「カネの自由」で、ヒト・モノ・カネの移動を自由に国境を越えさせようとする圧力を高めようとする3要素の一つです。

                                                     

                                                     私は、特に「ヒトの自由」「モノの自由」「カネの自由」のうち「ヒトの自由」は一番破壊力があるものと思っています。それに対してトランプ大統領が強烈な反対主張をしているという点で、「私は不法移民の入国を止める壁を作る!グローバリズムの流れを止める!そして自国を豊かにする!」という主張を応援したいと思うのです。

                                                     

                                                     ただ現実的に壁を作るのと、他のアンチグローバリズム対策とどちらが大切なのか?

                                                     

                                                     実はトランプ大統領自身がグローバリストな部分があったりする可能性もあります。ご自身が大富豪であるため、ウォール街ともそれなりに関係があるでしょう。

                                                     

                                                     とはいえ、アンチグローバリズム、反グローバリズムの象徴的な事案が、メイ首相のブレグジットに次ぐトランプ大統領のメキシコの壁であるため、私は「がんばれ!」とエールを送りたいと思うのです。

                                                     

                                                     

                                                     というわけで今日は「メキシコの壁の建設により減少した不法入国者」と題して論説しました。


                                                    米国政府機関の閉鎖について

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                                                       今日は「米国政府機関の閉鎖について」と題して論説します。

                                                       

                                                       下記はブルームバーグの記事です。

                                                      『ブルームバーグ 2019/01/26 04:46 トランプ米大統領が3週間の政府閉鎖解除で合意、民主党に屈する

                                                       トランプ米大統領は25日、35日間続いた政府機関の一部閉鎖を解除する法案に署名した。政府機関の運営を3週間再開することで議会側と合意した大統領だが、求めていた国境の壁建設費用は合意に含まれず、大統領がペロシ下院議長に屈した格好だ。

                                                       上下両院は来月15日までの期限付きで連邦政府機関を再開する法案を25日に可決。トランプ大統領は連邦職員に未払いの給与が速やかに支払われるようにするため直ちに署名すると約束していたが、ホワイトハウスが同日夜に大統領の署名を発表した。

                                                       今回の合意はトランプ大統領にとって劇的な方針転換だ。大統領は国境の壁建設費用が確保されない限り、政府閉鎖の再開は認めないと過去5週間にわたって主張していた。自身の支持率が急低下したほか、空の交通に混乱が生じ、税還付の円滑なプロセスが脅かされたことが方針転換の背景にある。

                                                       トランプ大統領はホワイトハウスで記者団に対し、新たな政府機関の閉鎖あるいは国家非常事態の宣言によって壁建設費用の要求は続けると表明した。

                                                       「強力な壁ないしは鉄柵を建設する以外に選択肢はない」と発言。「議会と公平な取引ができない場合、政府は2月15日に再び閉鎖するか、あるいはこの緊急事態に対応するため、私は法律と米国憲法で与えられた権力を行使する」と述べた。

                                                       ペロシ下院議長は記者団に対し、両院の合同委員会が「わが国の国境警備で何が最善の措置かについて、各人の見解を聞き出す」とコメント。シューマー上院院内総務は「双方に納得がいく」合意に向け取り組むと語った。』

                                                       

                                                       

                                                       上記の記事は、トランプ大統領が公約に掲げていたメキシコ国境に壁を作る建設費を巡る対立で、連邦予算が一部失効したことに伴い、米国政府機関の一部が閉鎖に追い込まれていたニュースの続報です。

                                                       

                                                       クリントン政権のときにも政府機関の閉鎖という出来事はありましたが、当時の記録は21日間です。トランプ大統領の政府機関閉鎖は2018年12月22日からですので、それを塗り替えて過去最長となりました。

                                                       

                                                       閉鎖対象となったのは、政府の経常的経費のうち、議会の承認が得られていない1/4に相当する業務が対象で、12/22以降約80万人の職員が自宅待機もしくは給料なしで無給で働かざるを得ない状況となっていました。

                                                       

                                                       今回のニュースのとおり、民主党に屈する形で閉鎖解除になりますが、トランプ大統領の態度はすごいとしか言いようがありません。歴史上最長で政府を動かない状態にして、「何があっても予算を通して壁を作るぞ!」という意気込みは私には十分に伝わりました。大統領になったときの公約だからとはいえ、トランプ大統領の決意の表れであるともいえます。

                                                       

                                                       その一方で、政府機関閉鎖によって、職員が無給勤務を強いられ、行政サービスの手続きができなくなっている状況が続いていました。これがいつまでも続けば、影響は大きく、米国の国家が一部麻痺していたという状況でした。

                                                       

                                                       米国内の政府機能がいつまでも動かない状態が続けば、新たな金融危機を誘発するリスクがあると言われていたため、とりあえずはホッとした金融関係者も多いでしょう。

                                                       

                                                       特に米国の財務省が、債務条件を引き上げられないとデフォルトを引き起こしてしまいます。米国政府がお金を借りられないとなれば、債務不履行となって新たな金融危機を誘発することは間違いないとみられていました。

                                                       

                                                       オバマ政権のときにも財政の壁というのがありましたが、その頃よりも米国の財政は悪化しており、こうしたニュースも金融危機の火種の一つとなっていたのです。

                                                       

                                                       そもそもトランプ大統領の迷走そのものが、世界経済のリスクになると言われていたりもするわけで、2018年度の年末の時点で、メキシコ国境の壁を巡って、トランプ大統領がここまで引き延ばすとは、誰も予想できなかったのではないでしょうか?

                                                       

                                                       2019年度に入り、今年は日米通商交渉の協議の開始も控えています。貿易協議の開始は、当初よりも遅れるとの見方があるようですが、トランプ政権の迷走は続いているといえるかもしれません。

                                                       

                                                       これまで米国経済は、ずっと好調と伝えられてきましたが、米国国内のものがうまくいかないとなれば、世界的な影響も大きいでしょう。

                                                       

                                                       特に日米通商交渉では、日本の自動車の関税を引き上げを主張してくることが予想されます。なぜならば中国も関税を引き上げているから、同じように日本の自動車の関税も引き上げるということになるからです。

                                                       

                                                       米国と中国の間で関税が低いのはけしからんということで関税を引き上げているわけですから、引き上げた関税の税率に合わせてくることは容易に予想されます。その力学で日本の関税も引き上げられるとすれば、輸出産業は大きな打撃を受けることになるでしょう。

                                                       

                                                       だからといって別のものを差し出す形で、関税の引き上げを止めたとなれば、日本の立場は、ますます弱くなります。輸出産業が打撃を受けるか?差し出した国内産業が打撃を受けるか?前も後ろも打撃を受ける形です。

                                                       

                                                       こうしたことを考えれば、消費増税はあり得ないという答えが当然の話になるはずです。

                                                       

                                                       日本にとって、このニュースは全くいいことはありません。トランプ大統領にしてみれば、自分は強いということを海外に求めてくるでしょう。対日貿易赤字は、日本が米国に対して日本のデフレ不況を輸出し、米国にしてみれば、日本が米国からお金を盗んでいるということでもあるため、対日貿易赤字削減のために、あらゆる手段を使って強硬に迫ってくることが予想されるのです。

                                                       

                                                       これに対抗するためにはどうすべきか?といえば、内需拡大です。「国債増刷」+「内需拡大」で日本の景気が良くなれば、米国製品を買うだけの購買力も増加します。そのことによって米国からの輸入が増えていけば、対日貿易赤字は減少していきますので、通商政策で強硬に迫られるリスクも軽減されるのでは?と考えます。

                                                       

                                                       

                                                       というわけで今日は「米国政府機関の閉鎖について」と題して論説しました。

                                                       日本は人口減少するから輸出で稼がなければならないという言説も、よくある言説ですがこれは間違い。輸出は本来は自国の不況を輸出することと同じです。なぜならば日本の自動車輸出で米国の関税が低いままだと、日本の自動車輸出によって、米国国内の自動車メーカーが打撃を受けるからです。これは絶対に貿易摩擦に発展し、場合によっては戦争にまで発展します。

                                                       日本が米国への自動車輸出をたくさん増やせば、米国の雇用を奪い、米国の賃金下落を招きます。日本の国内需要の買換えだけでも本来ならば、数千億円規模であるため、安い軽自動車ではなく乗用車が買えるように、デフレ脱却を急ぐことに加え、燃料電池自動車推進のために、政府支出で購入費用の補てんや、JXホールディングス、岩谷産業など、水素ステーションの設置費用を補助するなどすれば、政府支出需要によって経済成長できます。

                                                       貿易摩擦問題を解消するためにも、安倍政権には一刻も早く内需主導の経済政策に転換していただきたいと私は思うのです。

                                                       

                                                       

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                                                         今日は「覇権挑戦国に伸し上がろうとする中国をつぶそうとしている米国」と題して論説します。

                                                         

                                                         2018年3月に、トランプ政権が米国に輸入される鉄鋼に一律25%、アルミニウムに一律10%の関税を課すという輸入制限を発動させてから、米中貿易戦争が一気に注目を集めるようになりました。

                                                         

                                                         この段階では、日本製品を含めて一律に関税を課すということでしたが、4/16には中国通信機器大手のZTEがイラン、北朝鮮へ通信機器を違法に輸出していたとして、米国企業による製品販売を7年間禁止すると発表し、明らかに中国を狙い撃ちした経済制裁が始まって、貿易戦争が一気に加速しました。

                                                         

                                                         日本のマスコミも「米中貿易戦争」と題して、こうした米中激突の状況を経済戦争と捉えて連日報道しています。

                                                         

                                                         そうした報道の中で、中国に勝ち目があるか否か?あるいは米国の貿易戦争は意味がないであるなど、様々な論説が飛び交っていますが、米国がやろうとしていることは、そうした単なる貿易問題の話ではなく、もっと大きなパラダイムシフトが起きようとしていると考えるべきです。

                                                         

                                                         いわば第二次世界大戦が終わり、米ソ間で鉄のカーテンが轢かれて冷戦が始まった時点であるとか、東西ドイツのベルリンの壁崩壊であるとか、1991年末のソビエト連邦崩壊であるなど、そのくらいのインパクトのパラダイムシフトが起きようとしていると考えられるのです。

                                                         

                                                         そうした意味では、貿易の問題だけではないため、「米中貿易戦争」という表現は、誤解を招くといえます。

                                                         

                                                         今年の10月に米国のミサイル駆逐艦「ディケーター」が南シナ海を航行中、中国の軍艦が接近するという事件も発生しております。

                                                         

                                                         ブルームバーグの記事をご紹介します。

                                                        『ブルームバーグ 2018/10/02 13:59 中国、南シナ海航行の米駆逐艦追い出す−米中の緊張浮き彫りに

                                                         中国が南シナ海で実効支配する人工島に接近した米駆逐艦を中国側が追い出した。中国国防省が2日発表した。貿易摩擦が激しさを増す中で、米中両国の緊張が浮き彫りとなっている。

                                                         同省は声明で「米海軍のミサイル駆逐艦『ディケーター』が南シナ海の人工礁近くの海域に入ってきた」と説明。警告を発した上で、米駆逐艦を追い出したという。

                                                         米太平洋艦隊のティム・ゴーマン報道官は電子メールで、ディケーターが9月30日午前に南シナ海のガベン礁の近くを航行中に、中国の駆逐艦が「危険かつプロフェッショナルではない操縦で接近してきた」ことを明らかにした。

                                                         中国の駆逐艦はディケーターに海域から出るよう警告するたびに操縦が攻撃的になったと同報道官は説明。「ディケーターの艦首まで45ヤード(約41メートル)以内まで近づいてきたため、ディケーターは衝突を避けるための行動を取った」と記した。

                                                         中国政府は先月、米軍艦の香港寄港要請を拒否。中国の海軍幹部も米国側とのハイレベル協議を取りやめていた。』

                                                         

                                                        <米国のミサイル駆逐艦”ディケーター”>

                                                        (出典:ブルームバーグ紙)

                                                         

                                                         米国には国是としてFON(Free of navigeter:航行の自由)という極めて重要な概念があります。

                                                         

                                                         このブルームバーグの記事は、南シナ海で勝手に基地を作り、航行の自由を妨げる中国に対して、FONをかざす米国が駆逐艦で就航しているところ、中国の艦船が急接近したという事件です。

                                                         

                                                         こうした記事をみても理解できると思いますが、米国は中国との間で、事実上の戦争が始まっている状態と認識していることの証左といえるでしょう。

                                                         

                                                         南シナ海で中国が埋め立てた上に基地を作ったいわゆるスプラットリー諸島問題は、そもそも国連海洋法条約121条1項に定められる島の定義に該当しません。日本の沖ノ鳥島は国際法上の島の定義に該当しますが、スプラットリー諸島は島ではありません。そのためEEZ(排他的経済水域)ですら、中国は主張することができません。

                                                         

                                                         米国のFONは国是であるため、今後はこうした艦船の接近事件という白黒ではなくグレーな事件は多発するかもしれません。そして、方向的にはグレーが白に戻ることはなく、必ず黒に向かっていくのが過去の歴史です。

                                                         

                                                         この背景には2つ理由があると考えられます。

                                                         

                                                         一つ目は1992年にソ連が崩壊して以降、米国が覇権国として主導してきたグローバリズムによって、覇権国に対する挑戦国を新たに生み出すという歴史です。

                                                         

                                                         第一次グローバリズムは英国が覇権国で、英国が自由貿易を推進する反対側で、自国市場は保護して技術開発・設備投資を行って経済力を強化し、急激に経済力が伸びて英国の挑戦国になったのがドイツです。経済力が拮抗もしくはドイツが経済力を上回った瞬間に1914年の第一次世界大戦が勃発しました。

                                                         

                                                         これを米中に照らし合わせてみるとどうでしょうか?

                                                         

                                                         米国が自由貿易を推進する反対側で、中国は自国市場を保護して技術供与を強要し、中国人労働者を受け入れろ!とやる一方で中国は労働者を受け入れず、中国人に日本や米国の土地を買わせろ!とやる一方で、中国の土地は日本や米国には買わせないという保護主義を取りながら経済成長して伸し上がってきました。いわば中国が米国の覇権国になったこということが1点目です。

                                                         

                                                         二つ目として、世界には2種類の国しかないということです。

                                                        <封建領主国(封建制度を経験している国)>

                                                         封建制度を経験し、議会制民主主義と資本主義を発展させた西洋と日本とその後継国が該当します。米国は英国の後継国であり、カナダもオーストラリアも同様です。西側先進諸国は100%封建制度を経験しています。

                                                         米国は封建制度の経験はありませんが、英国内で進化した議会制民主主義を受け入れた人々が米国に渡りました。そういう意味で米国は英国の後継国といえます。

                                                         欧州では中世において封建制度を経験しています。

                                                         

                                                        <独裁帝国(封建制度を経験していない国)>

                                                         言論統制し、多民族、多言語、多宗教国家であることが特徴的です。それを皇帝という絶対権力者がいて、その皇帝が独裁政治をやります。

                                                         そうしないと国家としてまとめられないからなのですが、そうした歴史を積み重ねてきた国が独裁帝国です。

                                                         

                                                         前者の封建領主国とは、封建制度を経験して議会制民主主義と資本主義を発展させた西洋と日本とその後継国が該当します。米国は封建制度を経験していませんが、英国の進化した議会制民主主義を受け入れた人々が米国に渡ったため、英国の後継国といえます。

                                                         

                                                         後者の独裁帝国は、言論統制し、多民族・多言語・多宗教国家で、そこに皇帝という絶対権力者が存在し、その皇帝が独裁政治を行うというのが独裁帝国です。良くも悪くも独裁国家とは皇帝がいないと国がまとまりません。

                                                         

                                                         中国VS米国&欧州&日本という独裁帝国VS民主国家という構図であり、これは数年で終わるはずがありません。貿易戦争というのは、そうした意味で矮小し過ぎといえます。

                                                         

                                                         そして中国という国の最大の問題は、今まで民主主義を経験できなかったことに尽きます。

                                                         

                                                         なぜ中国が民主主義を経験できなかったか?理由は、封建制度で権力が分散しますと国王が持っていた絶対権力が各封建領主国に分散してしまい、国家としてまとまらなくなってしまうからです。

                                                         

                                                         第一次世界大戦の構図の英国VSドイツでは、ドイツについてナチスのことを独裁国家と呼ぶことが多いです。とはいえナチスドイツはドイツ民族とナチス党が一体化しており、ナチスが一党独裁であっても、中国のように国家の上に中国共産党が存在するという形ではなく、あくまでもナチスは同一民族の一体化という位置づけでした。

                                                         

                                                         中国共産党は中華人民共和国の上に立つため、一帯一路政策などを通じて他国を中国共産党の支配下に置くことができてしまうのです。

                                                         

                                                         そうした意味で、これまでの覇権国VS覇権挑戦国という構図でも、民主国家VS独裁帝国という新しい構図で激突しているという点で、大きなパラダイムシフトが起きようとしていると捉えることができるでしょう。

                                                         

                                                         

                                                         というわけで今日は「覇権挑戦国に伸し上がろうとする中国をつぶそうとしている米国」と題して論説しました。

                                                         

                                                         

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                                                           米中貿易戦争について、有識者と呼ばれる人の中には、米国が中国に勝てるわけがないと主張する人がいます。なぜならば、いざとなれば米国債残高の保有が1位の中国が、大量の米国債を売ってくるからだと。

                                                           この言説は本当でしょうか?というよりも明らかに馬鹿げた話であることをご説明したく、今日は「米国債残高1位の中国は米国債売却で反撃するという言説について」と題し、金融面から米中貿易戦争を論じたいと思います。

                                                           

                                                           下記は今年秋口の2018/09/19のロイター通信の記事です。

                                                          『ロイター通信 2018/09/19 10:42 中国の米国債売却はあるか、貿易摩擦激化で再び注目

                                                           [ロンドン 18日 ロイター] - 米中両国が過去15年間築いてきた経済・金融関係において確固として変わらなかった要素が1つある。それは中国が保有する膨大な米国債を決して売らないという想定だ。

                                                           米国債の売却は、両国にとって金銭的な打撃をもたらし、金融面以外でも非常に深刻な影響を受けるとみられるため、単純に発生しないという理屈になる。これを無視すれば、冷戦期の軍事理論「相互確証破壊(核戦争をすれば共倒れになること)」に経済的な超大国同士が踏み込んでしまう。

                                                           だが米中の貿易摩擦が激化していることから、全く現実味がないとは言い切れないのではないか。

                                                           近年、とりわけ中国経済の落ち込みが国際金融市場を動揺させ、結局人民元の約2.5%切り下げにつながった2015年8月以降は、中国による米国債売却は一度な米国でグーグルのニュース検索における「中国 米国債」というワード、あるいはウェブ検索での「中国 売却 米国債」というワードは今や、15年8月以降で順位が最も高くなっている。 らず市場に浮上してきたシナリオだ。

                                                           米国でグーグルのニュース検索における「中国 米国債」というワード、あるいはウェブ検索での「中国 売却 米国債」というワードは今や、15年8月以降で順位が最も高くなっている。

                                                           少なくとも米国の一般社会では、中国の米国債売却が再び視野に入ってきている。そしてもし貿易摩擦がさらにエスカレートすれば、米国債市場のレーダーに投影される日も遠くないだろう。

                                                           トランプ政権は24日から、新たに2000億ドル相当の中国製品に10%の追加関税をかけると表明。中国もすぐに600億ドルの米製品に報復関税を課した。

                                                           しかし中国側が標的にできる米製品の範囲は相対的に小さい。だから為替レートを対抗手段として利用し、3月以降で10%下がってきた人民元の対ドル相場がさらに大きく下落するのを容認するかもしれない。

                                                           もっとも人民元安が進んだのは米中が関税をかけ合う前で、中国政府はその後、貿易面の痛手を相殺するために通貨切り下げはしないと約束している。つまり中国が今後人民元の下げ圧力に抵抗したいと望むなら、ともかく保有米国債の一部を売らざるを得ないだろう。

                                                           そこで登場するのは3兆1100億ドルに上る外貨準備資産で、このうち1兆1800億ドルを米国債が占める。中国とすれば、米国債の購入を縮小ないし停止するか、一層踏み込んで売り切ることができる。 』

                                                           

                                                           米国が仕掛ける貿易戦争に対して、中国が米国債を大量に売り込んでくるリスクについてロイター通信が報じています。日本のマスメディアもそうですが、海外のマスメディアでさえ、この程度のレベルと言わざるを得ません。

                                                           

                                                           そもそも米国債を大量に売却してきたら、FRBが買い取ればいいだけの話です。これは日本における政府の借金問題と同じです。

                                                           

                                                           日本の国債の場合、1000兆円のうち数%を海外の投資家が保有しています。とはいえ、海外投資家が保有する国債は100%円建てであるため、何ら問題ありません。

                                                           

                                                           仮に海外の投資家が日本国債を売却したとして、日本円は日本国内でしか使えないため、ドルやユーロなどの他のハードカレンシーに交換します。その交換する先は銀行です。邦銀あるいは日本で免許を持つ銀行が投資家が日本の円建て国債売却代金の日本円を例えば米ドルに交換したとしましょう。

                                                           

                                                           邦銀や日本で免許を持つ銀行は円を手に入れることになります。円は日本国内でしか使えないため、インフレで企業の設備投資需要があれば貸付金になるでしょうが、デフレで資金需要が乏しい場合は、結局日本の円建て国債を買わざるを得ません。なぜならば銀行にとって預金は負債勘定だからです。日本円を借りてくれる人がいないから、民間の資金需要がないから、銀行は日本国債を買わざるを得ず、債券価格は上昇し、金利はゼロに限りなく近づくという状況が発生します。

                                                           

                                                           もしインフレになって資金需要が増え、銀行が国債売却して国債価格が下落して金利が上昇した場合は、日銀が買い取れば国債暴落・金利急騰は防げるため、日本国債については大量売却とか、大量の空売りとか、何ら心配は不要です。

                                                           

                                                           では米国債を中国が大量に売ってくるというのは、どう考えるべきでしょうか?

                                                           

                                                           米国債も同様で、中国が大量に売ってくることがあれば、FRBが買い取ればいいだけの話。それだけにと止まらず米国政府は2つの権利を持っています。

                                                           

                                                           一つはIEEPAと呼ばれる法律で「INTERNATIONAL EMERGENCY ECONOMIC POWERS ACT」の略です。この法律は、国際緊急経済権限法といって、安全保障上、重大な脅威がある場合、大統領の権限で金融制裁できるという法律です。

                                                           

                                                           二つ目は「USA Patriot Act」と呼ばれる法律で、米国愛国者法と呼ばれ、2001年10月26日に制定されました。2015年に「USA Freedom Act」に名称変更されましたが、この法律は、安全保障上の脅威に対して、資産を凍結・没収できるという法律で米国債も対象になります。

                                                           

                                                           米国には、この2つの法律があるため、ボタンを押すだけで中国が保有する米国債を没収することができます。米国債は券面で交付しているのではなく、電子登録でデジタルに米国が管理しているだけですので、一瞬にして簡単に没収することができるのです。

                                                           

                                                           日本には、国債保有者が安全保障上の脅威という理由で日本政府や日本銀行などが帳消しにするという法律は存在しませんが、米国には上述の法律が存在します。

                                                           

                                                           もし米国がこれを行使すれば、中国の信用は一気になくなり、中国経済は崩壊するでしょう。

                                                           

                                                           仮に米国の2つの権利が行使されなかったとしても、米国債の大量売却で、FRBが買い取らずそのまま価格が下落したとして、大量の評価損を抱えることになる米国債を保有している中国は大損します。

                                                           

                                                           結局、中国が大量に米国債を売却すれば、損するのは中国です。

                                                           

                                                           米中貿易戦争では、中国側に金融面で報復する武器があり得るようにみえます。米国債残高を大量保有する中国が有利に見えます。何しろ大量に米国に貸しつけているのと同じだからということなわけですが、そもそも米国には「IEEPA」と「USA Freedom Act」という法律があることを、そうした言説を放言する人らは知らないのでしょうか?

                                                           

                                                           はっきり申し上げますが、端から中国には勝ち目がないのです。

                                                           

                                                           ではなぜ「中国は大量に国債売却してくる!」という言説が出てくるのでしょうか?

                                                           

                                                           私が思うところ「中国は経済大国日本をあっという間に抜くほどの大国である!」と持ち上げたい人が、「中国は大国だから米国も手こずるに違いない!米国が関税を引き上げても無駄だ!」という結論があり、その結論を後押しするために米国債大量保有の話を持ち出しているのではないか?ということです。

                                                           

                                                           こういう明らかに間違っている結論に対して、間違いと気付かずその結論の後押しとなることを付け加えて正当化しようとするのは、心理学でいう認知的不協和と呼ばれるものなのですが、歯に衣を着せずにいえば、頭が悪いとしか言いようがありません。

                                                           

                                                           認知的不協和に陥った中国礼讃の間抜けな有識者が、こうしたばかばかしいシナリオをテレビなどで論じているのです。

                                                           

                                                           

                                                           というわけで今日は「米国債残高1位の中国は米国債売却で反撃するという言説について」と題して論説しました。 


                                                          米中貿易戦争で中国は勝てません!

                                                          0

                                                            JUGEMテーマ:国防・軍事

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                                                             今日は日本政府が通信機器で中国製品(Huawei・ZTEなど)の排除を要請したニュースを取り上げ、米中貿易戦争について論じたいと思います。

                                                             

                                                            1.日本政府が締め出しの対象とした14分野について

                                                            2.安全保障上の問題と米国が仕掛けた覇権挑戦国中国つぶし

                                                            3.圧倒的な内需国の米国と輸出依存国中国

                                                             

                                                             日本経済新聞の記事を取り上げた後、上記の順で論説します。

                                                             

                                                             

                                                             まずは日本経済新聞の記事を紹介します。 

                                                            『日本経済新聞 2018/12/13 通信機器調達、情報漏洩防止へ14分野に要請 政府、ファーウェイなど排除念頭  

                                                             政府は情報漏洩や機能停止の懸念がある情報通信機器を調達しないよう重要インフラを担う民間企業・団体に要請する。電力や水道、金融、情報通信、鉄道など14分野が対象。悪意のあるプログラムで社会機能が麻痺(まひ)するなど安全保障上の懸念があるためだ。米国が取引を禁じる中国通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)などが念頭にある。

                                                             政府は既に中央省庁の情報通信機器の調達に関して指針をまとめている。通信回線装置やサーバー、端末など9項目が対象。価格をもとに選んでいた調達先に関し、安全保障上の危険性を一段と考慮し、2019年4月以降の調達に適用する。これを踏まえ、19年1月から民間事業者にも調達しないよう求める。

                                                             ファーウェイのほか、中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)の通信機器などが事実上、排除される見通しだ。

                                                            米政府はファーウェイ製品などを経由して軍事情報が盗み出されていると分析し、8月に成立した19年度国防権限法(NDAA2019)で政府機関での製品使用などを禁じる方針。日本側が新指針を策定したのも、こうした米国の動きを踏まえたものだ。

                                                             今回、政府がこうした通信機器のリスク排除を民間にも広げるのは重要インフラ業者のシステムが脅威にさらされたときの被害規模が大きいため。電力会社のシステムが悪意のあるプログラムにより停止すれば電力供給が滞り経済活動が止まりかねない。鉄道や航空といった交通網や医療機関が混乱すれば国民生活に甚大な影響を与える。

                                                             政府は来年1月にサイバーセキュリティ戦略本部(本部長・菅義偉官房長官)のもとで民間の重要インフラ業者らを集めた「重要インフラ専門調査会」を開く。電気事業連合会や日本水道協会、銀行、証券、保険各業界などの代表者に新指針の内容を説明し、安保上の危険性がある通信機器を調達しないよう求める。

                                                             ただ、政府が民間企業の調達先を指示したりすれば、過剰な民間介入と指摘されかねない。政府は重要インフラに対してあくまでも協力の要請や注意喚起という形式をとることで、取引停止などを強制するものではないとの立場をとる。

                                                             企業側も動き出している。ファーウェイなど中国製をサービスや業務で利用している日本企業は他社製品への交換を検討し始めた。

                                                             ソフトバンクは現行の通信規格「4G」の基地局にファーウェイとZTEを採用している。17年度に調達したファーウェイの基地局は6割近いものの、次世代規格「5G」の基地局には中国製を採用しない方針だ。顧客離れを防ぐため4Gについても抜本的な見直しを迫られる可能性がある。

                                                             ある物流企業では外勤の営業職などにファーウェイとZTEのモバイルルーターを貸与している。他社製品への切り替えも視野に入れ、レンタル元の大手通信キャリアと議論を始めた。

                                                             大手化学メーカーもファーウェイ製のモバイルルーターを使っている。ファーウェイ幹部の逮捕(その後、保釈)を受け、供給元であるプロバイダーの担当者から安全対策上の問題がないとの説明があったという。

                                                             重要インフラ業者にはより高水準の安全対策が必要だ。電力卸売大手のJパワーは発電所の運用状況をやりとりする通信設備を備えるが、ファーウェイやZTEの製品・サービスは使用していないという。』

                                                             

                                                             

                                                             

                                                            1.日本政府が締め出しの対象とした14分野について

                                                             

                                                             上記の記事の通り、日本政府がついにHuaweiとZTEの締め出しに動き出しました。日本政府が掲げた14分野と対象のシステム例は下表の通りです。

                                                             

                                                            <重要インフラ14分野の対象のシステム例>

                                                            情報通信 ネットワーク、編成・運行
                                                            金融 勘定系システム、資金証券系システム、国際系システム
                                                            航空 運行、予約・搭乗、整備
                                                            空港 警戒警備・監視
                                                            鉄道 列車運行管理、電力管理
                                                            電力 電力制御、スマートメーター
                                                            ガス プラント制御、遠隔監視・制御
                                                            行政 地方自治体の情報
                                                            医療 診療記録などの管理
                                                            水道 水道施設や水道水の監視
                                                            物流 集配管理、貨物追跡、倉庫管理
                                                            化学 プラント制御
                                                            クレジット クレジットカード決済
                                                            石油 受発注、生産管理、生産出荷

                                                             

                                                             政府は上記14分野の重要インフラを担う民間企業・団体に対して、情報漏洩や機能停止懸念がある情報通信機器を調達しないよう要請しました。

                                                             

                                                             悪意あるプログラムで社会機能がマヒするなど、安全保障上の懸念があるため、米国が取引を禁ずる通信機器大手のHuaweiが念頭にあるほか、ZTE(中興通訊)も事実上排除されることになります。

                                                             

                                                             記事にもありますが、政府が民間企業に調達先を指示すれば、過剰な民間介入と指摘されかねないという見方を報じています。米国ではHuaweiとZTEの排除の動きを、同盟国中心に世界的に広げてきました。

                                                             

                                                             今回の中国製品排除について、Huaweiが中国共産党と結びつきが強い点からも、日本政府の対応は適切であると考えます。疑わしきは罰せずというのならば、排除には議論の余地があるかもしれません。とはいえ、今の状況は目の前の饅頭の中に毒が入っているかもしれないというやつを食べる奴はバカという話であり、同様にHuaweiの機器を使わなければならない必然的な理由がなければ、危ないものは使わない方が得策であるに決まっています。

                                                             

                                                             以前、韓国のサムスン電子製のギャラクシーノートPCのリコール問題で、国交省が機内持ち込み全面禁止としていますが、これも米国運輸省に追随する形で禁止しました。

                                                             

                                                             危ないものは、どれだけ安くても使わないのは当たり前です。安い部品を調達したい動機があるとすれば、原価を抑えて低価格にすることで、高価格製品と価格競争力でシェアを奪っていくというだけの話。そうした業者は当然規制すべきであり、規制をしないで自由市場に任せれば淘汰される的な、いわばレッセフェール(自由放任主義)を礼讃するような言説は、咎められるべきです。

                                                             

                                                             私からみれば「見えざる手」でダイナミックな自由市場に任せれば、自然淘汰されていくなどというのは寝言に等しいです。デフレ脱却ができずにいるのは、こうしたコピー紛いの粗悪な製品を安く輸入することを放置しているからです。

                                                             

                                                             

                                                             

                                                            2.安全保障上の問題と米国が仕掛けた覇権挑戦国中国つぶし

                                                             

                                                             マクロ経済への影響もさることながら、安全保障面においても、今回の政府の対応はポジティブに考えるべきです。何しろHuawei自身は中国共産党と資本関係があります。にもかかわらず、原価を安くすれば自社が儲かるからという理由で、日本製の電子部品を使わず、HuaweiやZTEが製造する通信機器を唯々諾々と使い続けるのは、国家として問題があるといえます。

                                                             

                                                             100%黒であることを証明しなければ規制すべきでないという意見もあるかもしれません。しかしながら中国が製造2025を打ち出し、半導体製造など中国国内で国産化するために不当に技術移転を行い、軍事力を増強しつつ経済で金融も含めて発展途上国を中心に高利でお金を貸し込んで返せなくなると長期間租借の契約を締結するという由々しき事件を引き起こしています。

                                                             

                                                             スリランカのハンバントタ港にしろ、ギリシャのピリウス港にしろ、港を整備するのに中国がスリランカやギリシャにお金を高利で貸し込み、返せなくなると長期間租借契約して中国軍が拠点にするなど、軍事目的・軍事拡大を狙って、その一環で通信機器を世界中に販売しているのです。

                                                             

                                                             米国のピーターナヴァロ氏がこれを指摘し、トランプ大統領も賛同して中国製品排除の動きに乗り出しました。

                                                             

                                                             これをマスコミは米中貿易戦争といってますが、上述の安全保障上の問題のみならず、覇権国米国の挑戦国として伸し上がろうとする中国つぶしの動きともいえます。米中貿易戦争とやらは、単なる貿易問題ではなく、大きなパラダイムシフトが起きている中での一つの事件とみるべきです。

                                                             

                                                             

                                                             

                                                            3.圧倒的な内需国の米国と輸出依存国中国

                                                             

                                                             一部の評論家の間では、米国は中国に勝てないなどと論説する人がいますが、果たしてそうでしょうか?

                                                             

                                                            <米中間における貿易構造(2017年)>

                                                            (出典:三井住友銀行のアナリストレポートの中国国家統計局から作成した資料を引用) 

                                                             

                                                             

                                                             上記は、米中間の貿易構造を示した資料なのですが、米国側から見た場合、米国から中国への輸出額は1,304億ドルであるのに対し、米国の中国からの輸入額は5,056億ドルです。

                                                             

                                                             米国が中国から輸入する品目上位には、電気機器や機械類関連といった品目がありますが、これらは別に中国の部品を使わなければならないというわけではありません。おそらく企業がコストの安い中国製品(HuaweiやZTEなど)を単に輸入しているだけです。上位品目は‥典さヾ1,470億ドル、機械類1,096億ドルと、両品目それぞれで米国→中国の輸出額1,304億ドル近くに匹敵します。

                                                             

                                                             関税を引き上げ合う貿易戦争となった場合、外需依存国は弱い一方、内需国は関税引き上げがあっても影響が小さい。こうしたグラフをみれば、米国は相対的に中国の需要に依存しておらず、中国は米国の需要に依存しているということは明らかです。

                                                             

                                                             米国が中国から輸入している品目上位についていえば、‥典さヽ1,470億ドルも、機械類1,096億ドルも、コストが安いということで米国企業が調達先を中国にしているだけです。中国製品でなければいけないという理由は、ほとんどないでしょう。何しろ米国は先進国です。いざとなれば自分たちで作ることは可能でしょう。

                                                             

                                                             こうした資料をみれば、輸出依存・外需依存国がいかにみじめなことになるか?ご理解いただけるのではないでしょうか?米国は完全に中国をつぶしにきたといえます。米国の同盟国の日本でさえ、中国へ輸出ができなくなったというわけです。

                                                             

                                                             よく日本では、国内が経済成長できないからこそ海外で稼がなければ・・・という言説があるわけですが、海外輸出に依存するということは、その輸出先の国の主権一つで需要がシャットされてしまうリスクがあるということが、反面教師で理解できるのではないでしょうか?

                                                             

                                                             

                                                             というわけで今日は「米中貿易戦争で中国は勝てません!」と題して論説しました。

                                                             米国の同盟国以外のイランなどに輸出を続ければ、米国はさらなる制裁を強めることでしょう。米中貿易戦争の勝ち負けは目に見えて明らかで、中国が苦しくなるわけですが、そこで日本に擦り寄ってきたところに、経団連を中心とする日本企業は「ビジネスチャンス!」といって飛びついているわけで、空気が読めていないことの証左です。

                                                             私はアンフェアなチャイナグローバリズムは認めることができませんし、何しろ中国共産党が利する状況は日本の国益にならないだけでなく、他の発展途上国が中国に騙されて掠め取られる被害を回避する意味でも、今回の日本政府の中国製品排除は大いに評価したいと思うのであります。

                                                             

                                                             

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                                                               皆様はHuawei(華為=ファーウェイ:以下「ファーウェイ」)という会社をご存知でしょうか?

                                                               

                                                               日本でも新宿東口のビックロ(ビックカメラとユニクロの融合店)などでは、エスカレーターにファーウェイの広告があったり、タブレットでいえば、富士通のArrowsなど日本勢よりもはるかに価格で格安なタブレットを販売。長期にわたってデフレが放置されていることもあって、消費者が安いものを求めて中国製のファーウェイを買うという日本の縮図が、そこにはあります。

                                                               

                                                               そのファーウェイのCFO(最高財務責任者)兼副会長の孟晩舟(モンワンジョウ)が、カナダで逮捕されました。今日はこのニュースについて論説します。

                                                               

                                                               下記はブルームバーグの記事です。

                                                              『ブルームバーグ 2018/12/06 16:34 華為CFOをカナダで逮捕、米国が引き渡し求める−中国は抗議

                                                               中国のスマートフォンメーカー、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)の孟晩舟最高財務責任者(CFO)兼副会長が米国の対イラン制裁に違反した疑いでカナダで逮捕された。中国側は激しく反発しており、重要な局面に入ったばかりの米中通商協議が一段と複雑になる可能性がある。

                                                               華為創業者の娘である孟CFOは12月1日にバンクーバーで逮捕され、米国から身柄の引き渡しを求められている。カナダ司法省のイアン・マクラウド報道官が5日の声明で発表した。米司法省は4月、対イラン輸出に対する米国の制裁にもかかわらず、華為がイランに製品を販売したかどうかについて捜査に着手していた。

                                                               孟CFOの逮捕後、在カナダ中国大使館は直ちに抗議し、米国とカナダが「不正行為を是正」し、同CFOを釈放するよう求めた。米中は数日前に貿易戦争の「休戦」で合意したばかりで、今回の逮捕は両国間の緊張を高める公算が大きい。同CFOの逮捕についてはカナダ紙グローブ・アンド・メールが先に報じていた。

                                                               米司法省は逮捕についてコメントを控えた。カナダ政府へも問い合わせたが、トルドー首相の報道官は同国司法省に質問をするよう求めた。

                                                               華為は文書で、逮捕は米国の要請に基づくもので孟CFOは米国に送還され「詳細不明」の罪状で訴追される可能性があると説明。その上で、孟CFOの容疑に関してほとんど情報を提供されておらず、同CFOによる不正行為を認識していないとし、華為は「カナダと米国の法律制度が最終的に正しい結論に達すると考えている」と主張した。

                                                               米商務省は今年、イランと北朝鮮への不正輸出を巡る以前の制裁措置に絡んだ合意条件に違反したとし、中国の中興通訊(ZTE)に制裁を発動。罰金支払いや経営陣刷新などの米国が示した条件をZTEが受け入れ制裁は解除されたが、同社は事業停止の瀬戸際に追い込まれた。

                                                               米上院のクリス・バンホーレン議員(民主、メリーランド州)は5日夜、華為とZTEは「米国の国家安全保障に対する根本的なリスクとなり得る中国の通信機器会社という同じコインの裏表」だとの声明を発表。「今回のニュースは商務省がZTEに焦点を絞っている間、華為も米国の法律に抵触していたことを裏付けている」とコメントした。』

                                                               

                                                               なぜファーウェイの幹部の孟CFOが逮捕されたか?理由はイラン制裁違反といわれています。イランはオバマ政権時の2015年に米国政府が欧州・ロシア、中国とともにまとめた核合意を締結していました。

                                                               

                                                               米国は核開発だけでなく、弾道ミサイル開発の中止を含む合意をイランに受け入れようとして、トランプ大統領は今年11月にイラン核合意から離脱し、経済制裁を全面再開しました。この制裁の内容は、原油や金融取引を制限する厳しい内容なのですが、当時の核合意だけでは、弾道ミサイル開発を黙認しているということで、トランプ大統領は合意破棄に至ったとされています。

                                                               

                                                               ファーウェイの話に戻しまして、孟容疑者はどんな人なのか?といえば、ファーウェイの創業者の娘で、ファーウェイの創業者の任正非(レンツェンフェイ)は中国人民軍の出身です。

                                                               

                                                               任正非は、中国人民軍からお金を集めてファーウェイを設立したといわれており、ファーウェイは中国人民軍に実質的に支配され、イランへの製品供給を指揮していたのでは?という疑義があるのです。

                                                               

                                                               米下院の情報特別会員は2012年10月8日、中国通信大手のファーウェイ、ZTE(中興通訊)の通信インフラ向け機器やサービスは、安全保障上のリスクがあるとして、米国政府に対して両製品を排除するよう求める報告書を提出しました。このときの報告書では、米国政府だけでなく米国企業に対しても、両社製品を使わないよう推奨し、両社による米国企業の合併・買収を阻止するよう求めていました。

                                                               

                                                               米国企業から企業秘密などの極秘データを積極的に盗むことで知られる米国政府と密接な関係にある企業の製品で通信ネットワークを構築することは、スパイ活動や米国の通信ネットワークの破壊の恐れを高めるとし、徹底した排除を求めたのです。

                                                               

                                                               米国の商務省は2016年、シリアやイランや北朝鮮などの国々に米国の技術を流していないか?情報提供を求める行政召喚状というものを送付していました。

                                                               

                                                               こうした状況下で、2018年4月にZTEに対して、イランに通信機器を売っていたということで、イラン制裁破りを理由に強い規制をかけました。

                                                               

                                                               その規制の内容は、米国企業が作る製品・技術をZTEに売ってはいけないという規制で、この規制によってZTEは生産が2カ月以上も止まり、当時は米中貿易戦争の一環としてマスコミでも大きく報道されました。

                                                               

                                                               2018年7月に習近平国家主席とトランプ大統領で合意がなされ、ZTEへの制裁は解除されたのですが、解除の条件は相当に厳しい条件でした。

                                                               

                                                               その条件とは、取締役全員を解雇して入れ替えたうえで、リスク管理責任者をZTE社内に置き、10億ドルの罰金支払いと、4億ドルのエスクロー(預託金)を払うことで制裁解除するというものだったのです。

                                                               

                                                               この状況下にありながらの今回のファーウェイ幹部の孟CFOの逮捕ということで、2016年以降イランに対して技術流出をしないよう要請していたにもかかわらず、2018年4月以降もこうした行為が継続していたことが米国政府に認定されれば、ファーウェイに対して米国はさらに厳しい措置を下す可能性があるでしょう。

                                                               

                                                               

                                                               ここでもう一つ朝日新聞の記事を紹介します。

                                                              『朝日新聞 2018/08/14 12:59 トランプ氏、国防権限法に署名 対中国強硬姿勢を鮮明に

                                                               トランプ米大統領は13日、2019会計年度(18年10月〜19年9月)の国防予算の枠組みを決める総額約7160億ドル(約80兆円)の国防権限法に署名し、同法が成立した。同法は、米政府機関とその取引企業に対し、中国情報通信大手の華為技術(ファーウェイ)や中興通訊(ZTE)の機器を使うことを禁止するなど、対中強硬姿勢を鮮明にした。

                                                               トランプ氏は13日、訪問先の米ニューヨーク州で演説し、「(オバマ前政権では)ひどい削減が続いたが、我々は今こそ米軍を再建する」と述べた。トランプ政権下の国防費は18会計年度の約7千億ドルに続き、増額となった。

                                                               トランプ政権は17年12月に中国を「競争国」と規定する国家安全保障戦略を策定しており、今回の国防権限法でも貿易問題や南シナ海問題で中国への厳しい姿勢を際立たせた。中国情報通信大手の機器使用を禁じたほか、中国などへの技術流出を食い止めるため、海外企業の投資を審査する「対米外国投資委員会」(CFIUS)の権限を強める規定も盛り込んだ。多国間軍事演習である「環太平洋合同演習」(リムパック)については、中国が南シナ海の軍事拠点化をやめない限り、参加を禁じると明記した。

                                                               一方、中国と対照的に、台湾との防衛協力を強化する方針を打ち出し、軍事演習の促進を盛り込んだ。3月に成立した台湾旅行法に基づき、米・台湾防衛当局者の相互訪問も明記した。

                                                               中国外務省の陸慷報道局長は14日、国防権限法に「強烈な不満」を表明、「冷戦思考とゼロサムゲームの理念を捨て、正確かつ客観的に両国関係を扱うよう米国側に促す」とコメントを発表した。

                                                               同法は中国と同じ「競争国」であるロシアにも厳しい姿勢を示した。16年の米大統領選干渉を念頭に、ロシアの「悪意のある作戦」への対抗戦略を構築する方針を明記した。また、トルコに対してはロシアから地対空ミサイル「S400」を輸入することを理由に、最新鋭戦闘機F35の納入を停止することを盛り込んだ。(ワシントン=園田耕司、青山直篤、北京=西村大輔)』

                                                               

                                                               上記記事にもあるように、今年2018年8月に、国防権限法という法律にトランプ大統領が署名しています。

                                                               

                                                               マスコミ報道では、トランプ大統領への言説が、批判的で米中貿易戦争も単なる貿易の話だけでないのですが、ことさら貿易の話だけを強調し、事実が歪曲されている感があります。とりわけ朝日新聞の記事の国防権限法とは、米上院のマルコルビオ氏ら無党派議員連合が作った法律とされています。

                                                               

                                                               即ちトランプ大統領のZTEへの米国企業への供給規制解除に対して、上院の無党派議員連合はもっと強固な対応をすべきと反対したわけです。

                                                               

                                                               さらに時事通信が2018/11/23に報じたのを本ブログでも取り上げておりますが、米国の同盟国に対して、ファーウェイとZTEを使用しないよう強く要請していました。今回の逮捕劇は、そのような状況下での逮捕です。

                                                               

                                                               同盟国でいえば、英国も秘密情報部のアレックス・ヤンガー長官が、次世代通信システムの5G導入にあたり、ファーウェイの参入は排除すべきであるとの考えを表明しています。

                                                               

                                                               ファーウェイはオーストラリアでも使用禁止になっており、ファーウェイの包囲網は米国の同盟国を中心に着実に進んでいるという状況です。

                                                               

                                                               同盟国らは次世代携帯電話規格の5Gに関して、携帯端末というより、通信機器の設備部分(基地局など)では、ファーウェイ、ZTEの製品は使わないと決めています。

                                                               

                                                               日本でも公的入札では、ファーウェイ、ZTE製品の排除をすることにしていますが、入札以外の部分で導入を予定している企業があり、今後そのことが大きな問題につながる可能性があります。

                                                               

                                                               現時点では、NTTドコモ、AUの2社は、ファーウェイ、ZTE以外のメーカーで、2019年から5Gサービスが開始できるよう実証実験を始めています。その一方でソフトバンクは、ファーウェイ、ZTEの端末で実証実験を行っており、2社のサービスを使わないと2019年に5Gサービスの開始が間に合わないとされています。

                                                               

                                                               

                                                               というわけで今日は「中国Huawei・ZTE問題と、国家安全保障にかかわる次世代通信システム5Gサービスについて」と題し、ファーウェイの孟CFO兼副会長がカナダで逮捕されたニュースを紹介し、論説しました。

                                                               ファーウェイ・ZTE包囲網は、トランプ大統領が暴走しているという日本のマスコミの論調が多いと思われるのですが、国防安全保障上の問題で、技術流出を企む中国に対する警告であり、米国の議会が率先してやっていることを私たちは理解する必要があります。

                                                               仮に上述の背景を知らずに、ファーウェイ、ZTEの製品を使った携帯電話端末、タブレットを日本国内でビックカメラなどの量販店が販売していたとすれば、米国から厳しく通商問題で指摘されるかもしれません。

                                                               仮想敵国の中国から部品供給をしなくてもいいようにするためには、日本製の電子部品会社から継続供給できるようにすればいいだけの話。そのためには日本の電子部品会社が存続しやすいようにデフレ脱却が急務。そしてそのデフレ脱却の手法は、輸出を増やすのではなく、国内需要シフトで十二分にできることであることを、改めて私たちは知る必要があるものと思うのです。

                                                               

                                                               

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                                                                正論太郎01 (07/01)
                                                              • 大阪W選挙で維新圧勝の影響について
                                                                島道譲 (04/16)
                                                              • 英語教育について(トランプ大統領の演説を誤訳したNHK)
                                                                永井津記夫 (12/07)
                                                              • ハロウィーンは日本のお祭りとは違います!
                                                                ユーロン (11/12)
                                                              • オプジーボが医療財政の大きな負担であるため保険の適用外にしたいと思っている財務省
                                                                SSST. (10/13)
                                                              • サムスン電子について
                                                                故人凍死家 (09/26)
                                                              • 財務省の役人は、なぜ緊縮財政なのか?
                                                                吉住公洋 (09/26)
                                                              • 生乳流通改革という欺瞞と、イギリスのミルク・マーケティング・ボード
                                                                富山の大学生 (06/05)
                                                              • オランダ人の物理学者、ヘイケ・カメルリング・オネス
                                                                師子乃 (10/02)
                                                              • オランダ人の物理学者、ヘイケ・カメルリング・オネス
                                                                mikky (12/01)

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