トランプ大統領の国連の武器規制条約からの撤退の意味とは?

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     今日は「トランプ大統領の国連の武器規制条約からの撤退の意味とは?」と題して論説します。

     

     下記は日本経済新聞の記事です。

    『日本経済新聞 2019/04/27 04:34 トランプ氏、武器貿易条約の署名撤回 「主権渡さず」     

    【インディアナポリス=関根沙羅】トランプ米大統領は26日、通常兵器の取引を規制する国際枠組みである武器貿易条約(ATT)への署名撤回を発表した。米中西部のインディアナ州インディアナポリスで開催された全米ライフル協会(NRA)の年次総会で明らかにした。地球温暖化対策の「パリ協定」やイラン核合意などの国際的な枠組みからの離脱に続き、米国の主権を重視する姿勢を改めて示した。

     トランプ氏はNRAの基調講演で「私の政権下では米国の主権を誰にも引き渡さない」と宣言。壇上で、米議会に対してATTへの批准プロセスを直ちにやめるよう命じる文書に署名した。ATTは、通常兵器がテロリストの手に渡って使われる事態を防ぐため兵器の取引を規制する国際条約で2014年に発効した。米国は13年にオバマ政権が署名したが、米議会は批准していなかった。

     ホワイトハウスは、ATTは無責任な兵器移転の問題の解決策としては不十分な上、米国による他国への兵器販売を制限すると説明した。現時点で日本を含め約100カ国がATTに加盟しているが、武器輸出大国の中国やロシアなどは加盟していない。

    NRAは約500万人のメンバーを抱える全米最大規模の銃ロビー団体だ。NRAは16年の米大統領選でいち早くトランプ氏への支持を表明しており、銃保有者や銃業界はトランプ氏の重要な支持基盤だ。NRAはATTは合衆国憲法修正第2条によって保障される銃保有の権利を脅かすと批判していた。

     トランプ氏はATTの署名撤回を発表することで支持基盤にアピールする狙い。トランプ氏が「外国の官僚があなたたちの合衆国憲法修正第2条を踏みにじることは許さない」と述べると、会場からは歓声があがった。』

     

     

     上記日本経済新聞の記事の通り、2019/04/26に米国で、トランプ大統領がATTへの署名を撤回すると発表しました。ATTとは、"Arms Trade Treaty"の略で、国連の武器貿易条約のことです。この条約は、核兵器のような大量破壊兵器ではなく、手榴弾などの通常兵器の輸出や輸入を規制するための条約で、平和達成のために武器の貿易をコントロールすることが目的の条約です。

     

     トランプ大統領は、この武器貿易条約から脱退すると、2019/04/26に発表しました。この件では日本経済新聞の記事を紹介させていただきましたが、他紙も報道しているものの、ほとんどの人が「またトランプ大統領がおかしなことをいっている!」くらいにとらえている人が多いかと思います。

     

     そもそもこの武器貿易条約というのはどういう条約か?といいますと、2013年に国連で採択されたものです。米国もこれに賛成し、多くの国100か国以上の国々が賛成して成立した条約です。

     

     2013年のとき、米国大統領はオバマ大統領だったのですが、オバマ政権がこの条約に賛成し、当時の国務長官だったジョン・ケリー氏が署名しています。しかしながら米国議会の上院がこの条約の批准を拒否しました。

     

     米国というのは大統領が何でも好きにできるわけではありません。実は議会、特に上院と下院でも上院が強いのです。特に外交に関するものは上院が責任を持っているため、上院が批准しない限り、トランプ大統領がいくら署名したとしてもダメなのです。

     

     2013年の時もオバマ大統領は武器貿易条約を批准したかったので、これを認めて署名したのですが、米国の上院は拒否しました。

     

     少し話を戻しますが、この条約は何を規制しているのか?といえば、具体的には、戦車、軍用ヘリ、小型銃、手榴弾などの核兵器のような大量破壊兵器以外の武器の貿易を規制するものです。

     

     なぜトランプ大統領は、この条約からの撤退を決めたのでしょうか?

     

     理由は米国の国家主権を侵害するというのが、その理由です。

     

     この条約は一見、世界の武器を減らすということで、平和的で聞こえがいいように思えるのですが、実際は中国や北朝鮮やイランがやっている武器の密輸に対しては何も制限をしていません。そのため、普通の武器輸出入を規制する一方で、密輸はそのまま放置するというものでもあります。

     

     2019/04/26トランプ大統領は、武器貿易条約への署名撤回発表と同時に、ホワイトハウスが声明を出しています。ホワイトハウスの発表によれば、「トランプ大統領は国家主権を守るために、国連武器貿易条約を撤回する」と発表しているとのこと。ところが実際は、この武器貿易条約に参加した国はたくさんあり、例えば英国もその一つです。

     

     英国はこの条約に参加した後、同盟国のサウジアラビアに武器を輸出しようとしたのですが、CAAT(Campaign Against Arms Trade)、Avaaz、アムネスティなどの団体が反対運動を起こし、英国に対して裁判所に訴えてきた団体もあるとのこと。この訴えにより、英国はサウジアラビアに武器を輸出することを断念せざるを得なくなってしまいました。

     

     もし米国が英国と同様にこの条約に参加していた場合、米国が同盟国を守るために同盟国に武器を売るということができなくなるでしょう。具体的にいえば、中国共産党政権から台湾を守るために、台湾に武器を売るということも、おそらくこの条約によって規制されてできなくなってしまうことでしょう。

     

     TPPもそうですし、EUやシェンゲン協定も然りですが、国連の条約は国際法であり、国家の主権の上に位置されます。国連のグローバリズムルールは、国家主権の上にくるのです。

     

     トランプ大統領は「私たちは選挙で選ばれていない責任が伴わないグローバル官僚たちに国家主権を絶対に譲らない!」といっています。

     

     この発言の意味は、英国のブレグジットが分かりやすいでしょう。ブレグジットで考えれば、英国は今でもEUに属しており、そこから出ようとしている状況です。そしてそのEUを取り仕切っているのはEU委員会という組織であり、この組織は世界でいえば、国連に相当するグローバリズム的な組織です。

     

     そのEU委員会の委員は誰なのか?といえば、何の責任も負わないグローバル官僚たちです。

     

     そのグローバル官僚たちが、選挙で選ばれている人たちによって構成される各国の国家主権の上にくるというのが、グローバリズムの構図であり、国連とはまさにその構図です。

     

     だからトランプ大統領は「選挙で選ばれていないグローバル官僚なんかに、大事な国家主権を絶対に譲らないぞ!」といっているのです。もちろん武器輸出で儲かるならば何をやってもいいということではありません。米国の法律に基づいて責任をもって武器の輸出は行われるため、国連の武器貿易条約は不要というのがトランプ大統領の立場でもあり、上院の主張でもあります。

     

     記事では全米ライフル協会の年次総会の場で、トランプ大統領の発言があったことを報じていますが、この全米ライフル協会は、米国の中でも大きなロビー団体の一つであり、強大な力を持っています。

     

     全米ライフル協会は、銃を持つことの自由を訴えている団体で、日本人の人がそう聞くと危険な右翼団体と誤解しがちですが、実際は全く違います。象徴的に銃を持つ自由を訴えているものの、彼らが真に訴えたいのは、自由と国家主権の大切さです。

     

     トランプ大統領は来年2020年に大統領選挙の再選がかかっているため、リップサービスでライフル協会の場で発言したという見方もあるかもしれません。選挙に勝つためにはそうかもしれませんが、武器貿易条約の撤回の意味は、国家主権を守るということではないでしょうか?

     

     国家主権が国際法で規制され、肝心な時に国家が何もできなくなってしまったら、その国家は存続することが危うくなることさえあり得ます。

     

     そのため、国家主権を守るために国連の武器貿易条約から撤退するという判断をされたのは、ある意味で正しい判断であると私は思います。

     

     

     というわけで今日は「トランプ大統領の国連の武器規制条約からの撤退の意味とは?」と題して論説しました。 

     米国には国家主権を大切に思うアメリカ人がたくさんいるのだと改めて思います。その一方で私たちは国家主権を何よりも大切にするという考え方が欠けているような気がします。

     国家主権よりも自由、ナショナリズムよりもグローバリズムという発想は、世界的には周回遅れであり、多くの日本人もマスコミ報道に流されず、国家主権を大切にするという考え方を多くの人に持っていただきたいものと私は思うのです。


    トランプ大統領の中国製品の関税25%引き上げの真の狙いは何か?

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       先週の株式市場は、米中貿易戦争について報じられて日本の株式市場も大きく下落しました。そこで今日は日本の株式市場下落のきっかけとなった5/5に発したトランプ大統領のツイッターについて取り上げ、「トランプ大統領の中国製品の関税25%引き上げの真の狙いは何か?」と題して論説します。

       

       下記は日本経済新聞の記事です。

      『日本経済新聞 2019/05/06 01:26 トランプ氏、対中関税25%に上げ表明 最終盤で威嚇か

      【ワシントン=河浪武史】トランプ米大統領は5日、中国の知的財産権侵害などを理由に2000億ドル分の同国製品に課す関税を、10日から現在の10%から25%に引き上げると表明した。米中は2018年12月から貿易協議を開いて打開策を探ってきたが「交渉が遅すぎる」として制裁強化に転じる構えだ。最終協議を前にした威嚇との見方もあるが、米中の貿易戦争が一段と激化する懸念がある。

       トランプ氏はツイッターで「中国は2000億ドル分の製品に10%の関税を支払っているが、金曜日(10日)に25%に上がる。中国の協議は遅すぎる!」と表明した。関税を課していない3250億ドル分の中国製品にも「速やかに25%の関税を課す」と主張した。

       米中は18年12月以降、閣僚級協議を開いて関税引き下げなどの条件を交渉しており、8日から中国の劉鶴副首相がワシントン入りして再会談する予定になっている。トランプ氏が制裁強化を突如表明したのは、中国に一段の譲歩を求める「脅し」との見方がある。クドロー国家経済会議(NEC)委員長は5日のテレビ番組で、トランプ氏の表明を受けて「大統領は警告を発している」と述べた。ただ、中国が態度を硬化させて早期打開が遠のく可能性がある。

       トランプ氏はこれまで「対中交渉は順調に進展しており、素晴らしい合意ができる」と繰り返し主張してきた。そのため金融市場はダウ工業株30種平均が史上最高値に近づくなど、米中の貿易戦争が早期に打開に向かうとの期待を強めていた。トランプ氏の対中関税の引き上げ表明は、金融資本市場の世界的な失望を招く可能性がある。

       米中は18年12月の首脳会談で貿易協議の開始を決定し、19年3月1日を期限に打開策を探った。トランプ氏は2月末に「合意に近づいた」として関税引き上げの先延ばしを表明。両国は再び4月中の最終決着を目指して詰めの協議を続けてきた。

      中国は液化天然ガス(LNG)など米国製品の輸入拡大策をトランプ政権に示し、3月の全国人民代表大会(全人代)では外資の技術移転強要を禁じる「外商取引法」も成立させた。中国の産業政策の抜本転換を求めてきた米国も「大きな進展があった」(米通商代表部のライトハイザー代表)と評価してきた。

       ただ、トランプ氏は3月下旬に「関税をかなりの期間、据え置く」と述べ、計2500億ドル分の中国製品に課す制裁関税の全面解除を否定した。「中国は産業補助金の撤廃策を小出しにし始めた」(米経済団体幹部)ほか、中国が合意に違反したと判断すれば制裁関税を再発動する「罰則条項」などでも対立が残り、交渉は当初の期限から2カ月も延びていた。

       両国はトランプ氏と習近平(シー・ジンピン)国家主席との首脳会談を開いて最終決着を目指すとしてきた。早期打開のメドが立たなくなれば、国際的なサプライチェーン(供給網)や金融資本市場の混乱が強まり、世界景気の大きな下押し要因になる。』

       

       

       上記日本経済新聞の記事の通り、トランプ大統領が5/5にツイッターで「中国の関税を10%→25%に引き上げる」と表明しました。このニュースを受け、5/6のニューヨークダウが一時、最安値で前日終値比で470ドルほど暴落しました。

       

      【ニューヨークダウ】

      <2019/05/03(金)>

      終値:26,504.95ドル

       

      <2019/05/06(月)>

      始値:26,160.62ドル(▲344.33ドル)

      高値:26,476.27ドル(▲28.68ドル)

      安値:26,033.95ドル(▲471.00ドル)

      終値:26,438,48ドル(▲66.47ドル)

      ※カッコは前日の終値比

       

      【日経平均】

      <2019/04/26(金)>

      終値:22,258.73円

       

      <2019/05/07(火)>

      始値:22,184.40円(▲74.33円)

      高値:22,190.49円(▲68.24円)

      安値:21,875.11円(▲383.62円)

      終値:21,923.72円(▲335.01円)

      ※カッコは前日の終値比

       

       

       まず日本経済新聞の記事の見出しで違和感があるのは、”威嚇か?”という表現を使っていることです。確かに威嚇といえば威嚇かもしれませんが、一段の譲歩を求める脅しという見方があると報じており、明らかに日本経済新聞の記事は、トランプ大統領が中国を威嚇したり脅したりして、思い付きで突然関税の引き上げを表明した悪い奴!という印象操作にみえます。

       

       トランプ大統領こそが妥協しないから世界経済にとって大変な悪影響が出る!とか、トランプ大統領の関税引き上げは、今の不安定な世界経済にマイナス要因だ!とか、果たしてそれは本当に正しい見方なのでしょうか?

       

       事実として確かに5/6(火)の株式市場では、ニューヨークダウ、日経ダウの先物が大きく値下がりました。その後、引けにかけて戻し、終値では66.47ドル安で取引を終えています。

       一方で日本の5/7(火)の大型連休明けの株式市場は?といえば、日本株もかなり下げまして戻したものの、戻り幅は少ないです。

       

       米国の株式市場では、トランプの関税引き上げは交渉テクニックということで、日本のマスコミが報じるような思い付きのやり方でめちゃくちゃをやっているというのではなく、評価する方向に変わってきているのではないか?と考えられます。

       

       なぜトランプ大統領は関税引き上げをツイッターで言い始めたのでしょうか?

       

       米中貿易交渉は、長期間にわたっているものの秘密交渉で中がどうなっているのか?あまり報じられていません。しかしながら、5/6付の日本経済新聞の記事にも報じられていますが、トランプ大統領自身は、中国との交渉が非常にうまくいっていると言っていたようです。

       

       ところがそれを中国側が米国と合意した内容を突然ひっくり返したとされています。特に米国が問題視している「中国が知的財産権を盗んでいる」ことです。

       

       中国に進出する企業は、強制的に自国の技術、自社の技術や知的財産を中国に開示しなければならないという法律があります。その法律に従わなければならないため、米国企業は強制的に自ら技術を開示しなければならず、これが知的財産を盗むということに該当すると、トランプ大統領は主張しています。

       

       トランプ大統領は中国と長い交渉で、中国側が米国の言い分を受けて、強制的な技術移転(米国が技術を開示しなければならない義務)を辞めるため、法律改正をすることを合意していました。ところが中国は直前になって法改正を拒否し、法律改正はしないと言ってきたので問題になったのです。

       

       中国と交渉をしていた人は、米国のUSTR代表(通商代表)でライトハイザーという担当官でした。このライトハイザーが中国の法改正はしないという突然の変化をトランプ大統領に報告したところ、トランプ大統領が激怒して関税引き上げをツイートしたというのが真実でしょう。

       

       というのも5/7のブルームバーグの記事によれば、中国側の法改正約束の姿勢が変わったのは4/28〜5/4の週だったと、ライトハイザーUSTR代表とムニューシン長官が5/6に述べたと報じています。

       

       要は中国側が既に米国と合意した内容をひっくり返して再交渉を持ち込もうとしたので、米国側が切れたというのが事実だと考えられます。

       

       では、そもそもトランプ大統領が米中貿易戦争と呼ばれる関税引き上げをやる真の狙いは何なのでしょうか?

       

       もちろん米国の貿易赤字を削減したいという思いもあるかと思いますが、単にそれだけはないです。もともと米国は、中国を安全保障上の脅威ということで5G技術の最新技術を握られることを嫌い、中国勢を米国から駆逐しようとしています。2018年3月には、半導体メーカーのブロードコムが米国のクアルコムを買収しようとした際、大統領令で破談に追い込みました。そうしたことなどを踏まえますと、米国の明確な狙いは、主に2点あると考えられます。

       

      ●中国の軍事拡大を止めること

      ●中国に世界の技術覇権を取らせないこと

       

       中国は貿易で儲けた外貨を貯め込み、その外貨を使って軍事拡大をしてきました。中国の軍事的な脅威を止めようとするならば、「軍事拡大を辞めろ!」というだけでは強制的に辞めさせることはできません。

       

       そのため貿易黒字を貿易赤字にしようとするならば、関税を引き上げればいいということで、トランプ大統領が使ったカードは関税の引き上げです。

       

       この関税の引き上げは、当初から批判が多く、自由貿易の時代に保護貿易に戻るのか?という論説が大半を占めていました。トランプ大統領が関税を使う真の狙いは、こうした対中国対策で中国の軍事拡大を止めることにあるといえるでしょう。

       

       中国は一帯一路や中国製造2025などを通じて、技術覇権を取ろうとしてきたわけですが、すべてが軍事目的です。その糧となっている貿易黒字を関税引き上げによってぶっ飛ばすことができれば、年間20兆円ともいわれている膨大な軍事費を削減することができます。トランプ大統領はそれを狙っていると思われます。

       

       中国側としては、貿易黒字が吹っ飛ぶこともさることながら、米国の技術が盗めなくなるということを恐れています。そして米国が貿易交渉で中国を法改正させる方向で追い込んでいたわけですが、中国側がギリギリのところで拒否してきたのです。

       

       にもかかわらずマスコミの報道は、中国は話し合う姿勢があって、トランプ大統領が”威嚇”と”脅し”で中国を屈させようとしているというような言説を広めようとしています。果たしてこの言説は、正しいでしょうか?私は一連の動きをみていて、トランプ大統領の関税引き上げを”威嚇”とか”脅し”という言葉を使うのは、間違っていると思います。

       

       

       

       というわけで今日は「トランプ大統領の中国製品の関税25%引き上げの真の狙いは何か?」と題して論説しました。

       マスコミはトランプ大統領の関税引き上げについて、米中貿易戦争とか世界景気が冷え込むなど、経済分野を大きく取り上げて報じています。確かに経済の問題もあるのですが、より重要なのは世界の安全保障の問題です。

       世界の安全保障の問題で、世界的な脅威になっているのは中国の軍事拡大です。これを米国が止めようとしている、そのために関税という武器を使っている。この意味を私たち日本人も知る必要があるものと、私は思うのです。 

       

       

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      ネズミ一匹すら出なかったトランプ大統領のロシア疑惑

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         突然ですが、皆さんはトランプ大統領についてどのような印象をお持ちでしょうか?本ブログの読者の皆様は、ご承知と思いますが、私はポジティブにとらえています。米国ファーストで反グローバリストという点が、大変にわかりやすく経世済民(”世を経め、民を済う”で経済の語源)を果たせるものと思うからです。

         もちろん、我が国に対する通商政策では、私も日本の立場でトランプ大統領に反論したくなりますが、それは私が日本国民であるから日本の国益を考えて反論しているだけの話です。それは横に置いておき、日本のマスコミ、米国のマスコミのトランプ叩きが異常だ!思うのは私だけでしょうか?

         そこで今日は、ついこの間までマスコミが報じていたロシア疑惑報道の”異常さ”について取り上げ、

         

        1.ロシア疑惑とは何だったのか?

        2.オバマ政権とヒラリー・クリントンの方が重罪なのに一切口を噤む日米のマスコミ

        3.チャイナグローバリズムに口を噤む日本のマスコミ

         

        上記の表題の順で「ネズミ一匹すら出なかったトランプ大統領のロシア疑惑」と題し論説します。

         

         

         

         下記はCNNの記事です。

        『CNN 2019/05/04 10:42 トランプ大統領、プーチン氏と電話会談 ロシア疑惑捜査にも言及

         ワシントン(CNN) トランプ米大統領は3日、ロシアのプーチン大統領と電話で会談した。トランプ氏は会談後、モラー特別検察官による米大統領選へのロシア介入疑惑の捜査報告書について短時間協議したものの、次期大統領選へ介入しないようプーチン氏に警告することはなかったと述べた。

         トランプ氏はホワイトハウスで記者団に大統領選介入をやめるよう要請したかと聞かれ、「それについては話し合わなかった」と説明。これに先立ちツイッターでは、「ロシア絡みのでっち上げ」などについて協議したと明らかにした。

        トランプ氏によると、プーチン氏は笑い混じりに「大山鳴動してネズミ1匹」という趣旨の発言をした。「プーチン氏にはそれが分かっていた。共謀がないと知っていたからだ」としている。

         米ロ首脳の電話会談は、モラー氏の捜査報告書が公表されて以降初めて。報告書では、トランプ陣営関係者がロシアによる大統領選介入の試みが有利に働くとみていたことが判明したものの、共謀を認定するには至らなかった。

        トランプ氏はかねて、ロシアによる大統領選への影響力行使があったとする米情報機関の結論を否定。今週初めにはオバマ前大統領に触れ、ロシアの介入を止めるために「何もしなかった」と主張した。ただ実際には、オバマ氏はプーチン氏に介入をやめるよう警告している。

         ロシア大統領府によると、今回の電話会談はトランプ氏が提案した。声明ではモラー氏の捜査には触れず、「経済協力に重点を置いて2国関係の現状と展望を話し合った」とした。』

         

         

         上記のCNNの記事の通り、ロシア疑惑の捜査が終了しました。

         

         

         

        1.ロシア疑惑とは何だったのか?

         

         このロシア疑惑とはいったい何だったのか?トランプ大統領が”ネズミ一匹”という趣旨の発言があったと報じています。この「大山鳴動してネズミ一匹」とは、事前の騒ぎばかり大きくていろいろと調べたもののネズミ一匹しか出なかったというように、結果が非常に小さかったことをいうときに使う故事の一つです。

         

         私からいわせてみれば、ネズミ一匹すら出ていないのでは?と思えるほどで、なぜこのようなロシア疑惑なるものが、マスコミで報道されたのか?を考察したいと思います。

         

         直近のマスコミ報道によれば、2019/03/22に、ロシア疑惑に対する捜査が終了したとされています。担当していた元FBI捜査官のロバート・モラー氏が、正式に捜査を終了し、ウイリアム・バー司法長官に報告書を提出いたしました。そして、ウイリアム・バー司法長官は、米国議会に対して、モラー氏の捜査の概要をレターで報告したとされています。

         

         そのレターに書かれているモラー氏の捜査の概要は大きく分けて2点です。

         

        ●トランプ陣営が2016年の大統領選挙でロシアと共謀したという証拠はない

        ●トランプ大統領がロシア疑惑で捜査妨害したということは立証できない

         

         マスコミは、このロシア疑惑を徹底して報道してきましたが、結果は何も出てこなかったということです。トランプ大統領は、故事で「大山鳴動してネズミ一匹」の故事を出して、プーチン大統領に説明したと報じられていますが、私からいわせれば、”ネズミ一匹すら出てこなかった”わけで、マスコミ側の完全な敗北。というより完全にでっち上げレベルの話であり、トランプ大統領が名誉棄損で訴えてもいいくらいの話だと思うのです。

         

         ロシア疑惑というのは、2016年の大統領選挙では、ドナルド・トランプが有利に、ヒラリー・クリントンが不利になるように、ロシアが介入してきて、トランプ陣営が共謀していたのでは?というのが、疑惑でした。

         

         おそらくロシアが介入してきた可能性はあったと思いますが、捜査の焦点は、トランプ陣営が共謀していたか否か?ですが、結果は、トランプ大統領自身もトランプ陣営の要人にも、共謀の事実はありませんでした。

         

         

         

        2.オバマ政権とヒラリー・クリントンの方が重罪なのに一切口を噤む日米のマスコミ

         

         それに対して、ヒラリー陣営にもメール問題というのがありました。これはヒラリー氏がオバマ政権のときの国務長官だった際、国務省の業務を個人のプライベートのメールサーバーでやり取りし、そこにはもう一つ別のロシア疑惑が問題になりました。

         

         ところが日本のマスコミも、ドナルド・トランプの登場がどうしても気に入らなかったのでしょう。何しろマスコミはグローバリズム陣営の一員です。グローバルを礼賛するマスコミにとって、貿易で関税を引き上げるとか、メキシコに壁を作るとか、絶対に認めません。トランプ大統領の当選そのものが、未だに認めたくないというのが本心なのではないでしょうか?実際は、トランプ大統領のそうした政策により、米国経済は絶好調なわけですが・・・。

         

         2016年の大統領選挙期間中に、日本のマスコミも、「ロシア・ゲート問題」として大きく取り上げていました。2019/02/16にモラー特別検査官は、ロシア人13人とロシア企業3社を詐欺罪・不正送金罪などで起訴しています。そして記者会見の場で、モラー特別捜査官の捜査を監督する立場にあるロッド・ローゼンスタイン副司法長官が「ロシアに違法工作があったが、それに加担した米国国民は、いなかった!」と明言しています。この”米国国民”にはトランプ大統領自身やトランプ陣営の要人も含まれています。即ち、反トランプ色の強い司法省の責任者が、2年間にわたって操作したものの”ネズミ一匹すら出なかった”と言っているのに等しいのです。

         

         こうした単純明快な事実関係すら、日本のマスコミは報じません。

         

         何よりも問題なのは、日本のマスコミが全く報じていないこと、それはヒラリー・クリントンの法律違反問題です。産経新聞社発刊の月刊誌「正論」によれば、オバマ大統領を含むオバマ政権の要人や、司法省を中心とする官僚たちが、2016年の大統領選挙でトランプ候補に脅威を感じていたとのこと。そこでなんとしてもトランプ大統領の当選を阻止し、ヒラリー・クリントン候補を当選させるのが、彼らの共通使命だったと解説しています。

         

         そしてヒラリー・クリントンを当選させるため、2016年6月に既に大問題になっていた「e-mail問題」を隠蔽しなければ・・・と考えていました。本来、ヒラリー・クリントンの「e-mail問題」、即ち機密情報をプライベートのサーバーで扱うというのは、法律の規定通りに判断すれば重罪に値します。ところが当時の司法長官とFBI長官は、ヒラリー・クリントンを政治的に支持する立場から、ヒラリー・クリントンを起訴せず、”無罪放免”にしてしまったというのです。

         

         それだけにとどまりません。当選に向かって突き進むトランプ大統領の足を引っ張りました。「ロシア・ゲート問題」をでっちあげ、あたかもトランプ陣営とロシア政府が関係あるかのようなうわさを流し、当選を阻止しようとしたのです。それもヒラリー・クリントンや民主党がやったのではなく、司法省やFBIが行ったという点が最大の問題です。

         

         特定候補者の当選を阻むために、トランプ陣営を情報監視したり、FBIが直接トランプ陣営にスパイを送り込んでいたという事実も明らかになっています。これは、米国政府が選挙に直接介入したも同然であって、絶対にあってはならないことです。

         

         1972年にウォーターゲート事件というのがありましたが、1971年に金ドル本位制から管理通貨制度へ移行を果たしたニクソンが大統領です。ニクソン陣営が盗聴器を仕掛けたということで、当時のニューヨークタイムズを始めとするマスコミは「権力の犯罪」と糾弾し、ニクソン大統領は弾劾を待たず1974年8月9日に辞職しています。

         

         そう考えると、オバマ政権による2016年の大統領選挙における選挙干渉、権力犯罪は明らかであり、本来であればオバマ前大統領自身に対して、マスコミは声に上げるべきですし、ヒラリー・クリントンのメール問題も重罪であり、大きく報じるべきです。

         

         ところが実際はオバマ前大統領とヒラリー・クリントンの罪には沈黙し、それどころかネズミ一匹すら出ない「ロシア・ゲート事件」を長きにわたって大騒ぎしていました。

         

         もし日本の憲法でいえば、憲法21条によって、言論の自由・表現の自由・報道の自由で、何も罪に問われないかもしれませんが、特定の人を陥れようとする報道や権力犯罪を見過すというのは、憲法6条の法の下の平等に反するという話になります。(実際は、トランプは米国人なので日本国憲法は関係ありません。)

         

         

         

        3.チャイナグローバリズムに口を噤む日本のマスコミ

         

         ロシア疑惑は別にして、米国の政界にはロシアが嫌いな人が多いのですが、 トランプ大統領はプーチン大統領を認めています。プーチン大統領を評価して、新しい時代を作ろうとしているのですが、このように米ロが近づくことで何が起きるかといえば、中国が不利になります。中国といえば、完全にグローバリズムを推進している国家です。

         

         現実は米国やEUが推し進めるグローバリズムとは異なり、チャイナグローバリズムという異なるグローバリズムです。なぜならば、中国のグローバリズムは、自国は規制する一方で相手方にグローバリズムを強要するというやり方です。

         

         例えば日本人や日本企業が中国の土地を買うことはできません。中国では土地は中国共産党の持ち物であって、中国人民ですら買うことができない一方、中国人や中国共産党は日本の土地を買うことができます。

         

         本来、私は日本の土地の購入に規制をかけるべきであると思うのですが、日本が外国人の不動産取引に規制を敷いていないのは、WTOのGATS( サービス貿易にかかる一般協定)で、 160を超える国々と交わした「外国人等による土地取引に関し、 国籍を理由とした差別的規制を貸すことは認められない」という約束を遵守しなければならないとしているからです。

         

         日本はバカ正直に順守する一方、世界では多くの国々が国益を優先させるために外国人の土地の取得に規制をしています。その代表格が中国です。中国のグローバリズムは、欧米のグローバリズムと違う。だからこぞ米国が貿易戦争を仕掛け、つぶそうとしているのです。こうした背景も日本のマスコミは一切報じません。まるで日本のマスコミには、中国人のスパイがいるのでは?と思えるほどです。

         

         

         というわけで今日は「ネズミ一匹すら出なかったトランプ大統領のロシア疑惑」と題して論説しました。

         日本のマスコミは、例えばNHKにしろ民放にしろ、中国の真実を取り上げることはありません。なぜならば中国共産党政府は普通に情報操作し、中国共産党にとって都合の悪い情報を日本のマスコミが取り上げようとするならば、北京から追い出されてしまうからです。

         若干趣旨は異なるものの、米国のトランプ政権についても、トランプが暴走している旨の報道をして、あたかもトランプがとんでもないという印象操作の報道が多い。実際は、共和党の上院議員や、民主党の議員にですら対中国強硬論を論じる人がいるにもかかわらず、そうした事実はほとんど伝わっていないのではないでしょうか?テレビも新聞もトランプ大統領の暴走という報道の仕方で、それを真に受けたとしても、真実は全く違います。

         特にロシア疑惑は、ネズミ一匹すらでなかったわけであり、言論の自由を盾に印象操作によってトランプ大統領を貶めようとするマスコミには、腹立たしく思います。

         こうした印象操作まみれのマスコミは、日本も米国も同様であって、だからこそトランプ大統領は米国のマスコミに対して「フェイクニュース」と非難しているわけですが、その批判に異論はないと私は思うのです。


        次期米国大統領選挙でのトランプ大統領の再選を恐れているマスコミ

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           今日もスティーブン・ムーア氏のFRB候補辞任について取り上げ、「次期大統領選挙でのトランプ大統領の再選を恐れているマスコミ」と題して論説します。

           

           下記は日本経済新聞の記事です。

          『日本経済新聞 2019/05/03 04:53 トランプ氏、FRB人事再考へ 側近2人の起用断念

           【ワシントン=河浪武史】トランプ米大統領は2日、米連邦準備理事会(FRB)理事への起用を検討した経済評論家のスティーブン・ムーア氏が、指名を辞退したと発表した。ムーア氏は大統領選でトランプ陣営を支えた側近の一人で、トランプ氏に同調して利上げにも強く反対していた。トランプ氏は自身に近い元実業家の理事起用も断念したばかりで、FRB人事は再考が求められる。

           トランプ氏は2日、ツイッターで「経済成長を重視するエコノミストで、素晴らしい人物であるムーア氏が指名辞退を決めた」と明らかにした。ムーア氏は保守系の経済評論家だが、多額の税金未納が報じられたほか過去の女性蔑視発言なども問題視され、人事の承認権を持つ上院が資質を問題視していた。

           ムーア氏の起用はトランプ氏が3月下旬に表明していた。ムーア氏は16年の大統領選時にトランプ陣営の経済政策顧問を務め、巨額減税を立案した側近の一人だ。FRBが2018年12月に利上げに踏み切った際に強い反対論を唱えたことでも知られる。トランプ氏は1%の利下げを要求し始めており、FRBに側近を送って金融政策への介入を強める狙いだった。

           トランプ氏は4月22日にも、自らに近い元実業家であるハーマン・ケイン氏をFRB理事に起用する人事案も断念したばかりだ。ケイン氏もトランプ氏に同調して利上げに反対していたが、過去のセクハラ疑惑や不倫疑惑が蒸し返され、上院の承認が難しくなった。

           上院は100議席のうち与党・共和党が過半数の53議席を占める。与党全体の同意を得れば人事案は通過するはずだが、共和党内からも反対論が出たのは、ムーア氏やケイン氏の資質だけでなく「トランプ氏のFRB人事は政治色が強すぎる」(ミット・ロムニー上院議員)ことがある。

           政治からの独立が求められるFRBの理事の任期は14年と大統領職(2期8年)よりも長く、歴代大統領は党派のバランスをとりながら人選してきた。オバマ大統領(当時)が12年に共和党系のパウエル現議長を理事に指名した例が典型だ。

           トランプ氏の人事案には経済学界からも異論が上がっていた。共和党の議会指導部に近いグレゴリー・マンキュー米ハーバード大教授は「ムーア氏には知的な威厳がなく、上院は承認すべきではない」と手厳しく批判。人事を検討する上院に強く影響を与えた。

          FRBは正副議長を含めて理事ポストが7席あるが2つは空席のままだ。トランプ氏は人事案の仕切り直しが求められるが、側近ら政治色の強い人選を続ければ、再び上院の承認が壁になる可能性がある。

           ただ、FRBにとっては、トランプ氏が異例の人事案を公表するだけでも強い圧力となる。市場では「パウエル議長の後任はトランプ氏側近のクドロー国家経済会議(NEC)委員長になるのでは」(主要中銀の元首脳)との見方まで浮上。政治からの独立は揺さぶられ続けている。

           パウエル議長は1日の記者会見で早期の利下げを否定したが、なお先物市場は5割の確率で「FRBは年内に利下げに転じる」と予測する。トランプ氏の利下げ圧力は金融資本市場に確実に効果をもたらしている。』

           

           

           上記は日本経済新聞の記事ですが、昨日も取り上げた通り、スティーブン・ムーア氏の辞任について報じています。

           

           もともとスティーブン・ムーア氏はトランプ大統領に同調してFRBの利上げに反対し、今年3/28には50ベーシスポイント(0.5%)の利下げをすべきであると主張していました。要はスティーブン・ムーア氏は、FRBの金融政策について疑問視し、金融政策の見直しを主張していたのです。

           

           また「今のFRB理事は間違ったエコノミストばかりで、まともなエコノミストに総入れ替えすべきだ!」などと過激な発言をしていたため、CNNやニューヨークタイムズなどは、その過激な発言をネガティブにとらえて、過去の女性差別発言を取り上げました。

           

           その女性差別発言とはどのようなものか?といいますと、米国軍隊で女性が差別しているということを民主党が主張していたのですが、そのことに対して批判していたことが一つ目。二つ目は女性の賃金上昇が男性の賃金下落を引き起こし、家庭の安定性が損なわれるという発言です。こうした女性差別発言に加え、ムーア氏の離婚のことも指摘されました。

           

           スティーブン・ムーア氏は、当然反論しています。離婚に関していえば10年前の話であり、取り上げられた記事についても25年も前のことであって、経済政策とは何の関係もないと反論したのです。

           

           ところがマスコミのバッシングが異常であまりにもひどく拡散し、米国の共和党の上院議員も腰が引けてしまい、記事にある通り上院での承認が難しくなってしまったのです。

           

           本来、上院は共和党議員が過半数を占めており、昨年の選挙で下院が過半数取られているものの、上院で共和党議員全員が賛成してくれれば、スティーブン・ムーア氏はFRBの理事になることが可能でした。

           

           しかしながら、マスコミの執拗なムーア氏のバッシングによって、共和党の上院議員の中に承認は難しいと言い出す議員が出てきたのです。

           

           こうしてスティーブン・ムーア氏は、自分自身に対する人格攻撃がひどく、自身も家族もそれに疲れ切ってしまい、トランプ大統領に書簡を送って、FRB理事候補の辞任を表明したのでした。

           

           私は、この出来事について、大変に異常だと考えております。

           

           なぜならば、トランプ大統領はFRBの金融政策を変えようとしていました。本来FRBは政府からも大統領からも独立した存在であるべきとする言説は、私は賛成とも反対ともいえない立場で、どちらかといえば反対です。日本でも日銀の総裁を国会が罷免できないようにした日銀法の改正は間違っていたと思っていて、政府のデフレ対策と同調しない人が日銀の総裁になった場合に、総裁を罷免できるように日銀法の再改正が必要という立場です。

           

           そういう意味で、今のFRBの金融政策は正しい政策をやっているのか?また過去にやってきたのか?という政策についての正誤の疑義があると思っています。

           

           例えば1929年の世界大恐慌の時、FRBは何をしたか?といえば何もしませんでした。当時はフーバー大統領が、レッセフェールという自由放任主義を貫いていました。アダムスミスの”見えざる手”で、市場のダイナミズムに任せれば、やがて経済は良くなるとして、FRBは何もしなかったのです。結果、多くの銀行や大企業が倒産するのを、ただ見ていただけでした。

           

           FRBはインフレに対しては政策を打ちますが、デフレに対しては何もしないのです。フランクリン・ルーズベルトが1933年に大統領になるまで、米国経済は悪化しました。フランクリン・ルーズベルトが大統領に就任し、レッセフェール(自由放任主義で何もしない)からニューディール政策に転換し、商業銀行と投資銀行を分離するグラス・スティーガル法を制定するなどして、再びこのような恐慌に遭遇しないように、恐慌が発生しても商業銀行が倒産しないようにと、政策を打ったことで、米国経済は復活しました。

           

           スティーブン・ムーア氏は、この世界大恐慌の教訓としてインフレよりもデフレの方がはるかに怖いという認識があるからこそ、FRBの利上げに反対をし、GDPが3%程度プラスになったからインフレ退治という考え方を持つFRBは、考え方を改めるべきだ!と主張したのでしょう。

           

           トランプ大統領も「FRBは大きく変わらなければならない!」と主張していました。トランプ大統領は、スティーブン・ムーア氏と親しいから、友人だからFRBの理事にしようとしたわけではありません。正しい経済政策の考え方を持っている人を、エコノミストとしてFRBに送り込もうとしたと思われます。

           

           そう考えますと、スティーブン・ムーア氏の若かりし頃の女性蔑視の発言が今頃取り上げられ、そのことが理由でFRB理事を辞任せざるを得なくなってしまったというのは、大変残念な話といえるでしょう。

           

           そしてこれは、マスコミどもが来年のトランプ大統領の再選を何としても阻もうとしているのでは?と考えているものと思われます。

           

           なぜならばFRBが変わることで、米国の経済が引き続き好調になれば、具体的にはGDP3%以上の経済成長が持続的に継続し、失業率も低下して賃金UPも続くとなれば、トランプ大統領の再選は間違いない方向になります。

           

           それを一番恐れているのは誰か?といえば、反グローバリストの対局にあるグローバリストたちであり、具体的にはマスコミ・大企業ではないでしょうか?

           

           

           

           というわけで今日は「次期大統領選挙でのトランプ大統領の再選を恐れているマスコミ」と題して論説しました。

           マスコミどもが恐れるトランプ大統領は、経済政策についてGDPが増える地に足の着いた王道政策しかやっていません。またFRBの利下げについても、トランプ大統領もスティーブン・ムーア氏も正しい。世界がマイルドなデフレに入ろうとしている中、せっかくの好調な経済に水を差すのが、従来のFRBの金融政策のやり方です。事実、オバマ氏が大統領の時に選任されたイエレン議長は、トランプ政権下で任期と同時に辞任しましたが、イエレン議長は、米国経済が好調だからといって利上げを続けました。これに対して猛烈に批判したのがトランプ大統領です。

           マスコミは、トランプ大統領の再選を恐れ、阻止しようとしているようにみえます。本来ならばロシア疑惑という切り札によって、トランプ大統領が弾劾されれば・・・と願って期待したのですが、ロシア疑惑では何も出てきませんでした。そのことでグローバリストらは、トランプ大統領を排除するために切り札が無くなったため、トランプ大統領の再選につながるFRB改革を阻止すべく、スティーブン・ムーア氏への執拗な個人攻撃をしたとしか私には思えないのです。

           

           

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            JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

             

             米国で5/2にスティーブン・ムーア氏がFRB理事を辞任するというニュースがありました。今日は、そのニュースを取り上げ、「絶好調の米国経済も、マイルドなデフレに突入か?」と題して論説します。

             

             下記はブルームバーグの記事です。

            『2019/05/03 03:53 ムーア氏、FRB理事候補を辞退−トランプ大統領

             トランプ大統領は2日、スティーブン・ムーア氏が連邦準備制度理事会(FRB)理事候補の辞退を決めたとツイートした。

             ムーア氏は現在空席が2つあるFRB理事のポストで候補に挙がっていた。上院の指名承認を受ける必要があったが、上院共和党議員の一部はムーア氏が女性蔑視の見解を過去に示したことを懸念し、支持しない意向を明白にしていた。

             トランプ大統領のツイート後、ムーア氏はFRB理事候補を辞退するのは「私自身に対する容赦ない攻撃が自分や家族に耐えられなくなり、これがあと3カ月続くのはつら過ぎる」ためだとする声明を発表。その上で、今後もトランプ氏の政策を「声高に」支持する姿勢を示した。

             ムーア氏はFRB理事候補辞退の数時間前、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、理事指名の獲得に向けて「私は一歩も引かない」と言明。ホワイトハウス側からは依然として指名されるとの示唆を受け取っていると話し、「私にとって最大の支持者は大統領だ。大統領はフルスピードで前進している」などと語っていた。  

             トランプ大統領が推すFRB理事候補を巡っては、約2週間前に元ピザチェーン経営者のハーマン・ケイン氏の指名断念が明らかになったばかり。ホワイトハウスは新たな候補を発表していないが、保守派エコノミストのジュディ・シェルトン氏や財務省でカウンセラー(顧問)を務めるクレイグ・フィリップス氏の名が挙がる可能性はある。両者ともFRB理事職に関心があると、事情に詳しい関係者は語っている。』
             
             上記ブルームバーグの記事の通り、トランプ大統領がFRBの新しい理事に指名していたスティーブン・ムーア氏が、理事の候補から辞退することを発表したというニュースです。
             FRB(The Federal Reserve Board)というのは日本における日銀と同じで、米国の中央銀行制度の最高意思決定機関で、日本語で「連邦準備理事会」とも呼ばれ、7名の理事から構成されます。
             そのFRBは2名ほど空席があり、トランプ大統領は2019/03/22にFRBの理事の候補として、スティーブン・ムーア氏を指名していました。ところが、スティーブン・ムーア氏が指名された後、スティーブン・ムーア氏が、米国のマスコミ・エコノミストらによって大変なバッシングを受けたのです。
             どのようなバッシングか?米国のマスコミ・エコノミストらは、スティーブン・ムーア氏はFRB理事には不適格と批判し、本来独立性を保つべき中央銀行の理事に、自分の友達を送り込んで支配しようとしているとして、トランプ大統領に対しても批判しました。
             スティーブン・ムーア氏は、もともとトランプ大統領の経済政策のブレーンの一人で、論説の特徴として、中央銀行が目指す物価の安定よりも、積極的な経済成長を目指そうとする論説が多い人です。
             例えば2018年の米国では、トランプ大統領の経済政策の成功によって、米国株式市場が史上最高値を付けている最中に、あろうことか?FRBは金利を引き上げました。
             なぜFRBが金利を引き上げたか?その理由は、インフレ懸念を除去するために手を打とうとして金利を引き上げたのです。スティーブン・ムーア氏は、このFRBの金利の引き上げは大きな間違いであると批判しました。
             スティーブン・ムーア氏がFRBの利上げを間違いであるとした大きな理由として株式市場ではなく商品市場について触れています。
             
            <商品相場指数GSCIインデックスの推移>
            (出典:Investing.com)
             上記チャートの通り、2018年の秋口の高値から年末にかけて商品市場が下落しているとのこと。グラフはGSCIインデックスなので、商品相場全体の価格になりますが、スティーブン・ムーア氏によれば、鉱物の銀・銅、農産物の大豆・チーズ、石油など、こうしたものが長期で下落を続けており、商品市場全体のインデックスでもピークから13%下落していると指摘。このような商品市場の長期的な下落からみて、米国経済は株式市場は堅調かもしれないがマイルドなデフレに入っているのでは?との認識を示していました。
             このスティーブン・ムーア氏の認識は非常に重要で、世界大恐慌の教訓としてインフレよりもデフレの方がはるかに怖いという教訓を認識しているものと思われます。
             つい最近の政府の発表で米国のGDPは3.2%の伸びと、先進国では格段に素晴らしい成績ですが、そもそもGDP3%〜4%の伸びは、FRBが恐れているインフレではありません。マイルドなインフレで望ましい状況です。デフレの方がはるかに怖く、GDP3.2%だからといって、インフレ懸念を心配する必要はありません。
             むしろ商品相場の動きからデフレ基調を心配すべきであるというのがムーア氏の見方であり、FRBの利上げは間違っているとの主張で、私もその見方・考え方には同調します。
             というわけで今日は「絶好調の米国経済も、マイルドなデフレに突入か?」と題して論説しました。
             スティーブン・ムーア氏の指摘の通り、恐れるべきはデフレであってインフレではありません。もちろんハイパーインフレは恐れていいのですが、米国や欧州や日本のような工業先進国において、ハイパーインフレなど起きようがありません。ハイパーインフレとは13000%のインフレであり、「1.5の12乗」即ち毎月50%の物価上昇が12カ月続いた場合であり、これは今100円の缶コーヒーが1年後13000円になることを意味します。
             このような極端なインフレは退治すべきですが、GDPが3%だからといってすぐ利上げをするのは、せっかくの経済成長に水を差すだけであり、FRBの利上げは間違っているというのはまさにその通りです。
             私はかつて、三菱商事に口座を作って金地金の現物取引をしたことがあります。1グラム=1,300ほどで買って、2013年に1グラム=5,200円で4倍になったところで売却しました。そういう意味では商品相場も稀にウォッチしますが、さすがに長期的な下落がデフレ突入の前兆であるというスティーブン・ムーア氏の指摘は、なるほどと納得できるものであると思うのです。

             


            逆イールドカーブの報道について

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               今日は「逆イールドカーブの報道について」と題して論説します。

               

               昨日の記事でも書きましたが、米国経済は絶好調です。ところが、マスコミはトランプ大統領の成果を認めたがらないようです。なぜならば、トランプ大統領は反グローバリズムだから。反グローバリズム的な政策が正しいにもかかわらず、それを受け入れることができないというのは、長年自らがよりどころにしてきた常識と、トランプ大統領の経済政策では真逆であるからということなのでしょう。ある意味で哀れな集団ともいえます。

               

               なぜならば、トランプ大統領の経済政策がうまくいっていることを受け入れられないため、逆イールドカーブになったことを取り上げて、米国経済も景気後退に入るという趣旨の報道が相次いだことがその証左です。

               

               実際に3/22に米国の債券市場において、米国の長期金利が下がり、短期金利よりも下がって逆イールドカーブになったことが米国のみならず日本でも大きく取り上げられました。

               

               この逆イールドカーブになったとはどういうことか?といえば、米国国債の3カ月物の短期国債金利と10年物の長期国債金利が逆転したというものです。普通は長期金利が高く、短期金利が低いのですが、それが逆転したということで、逆イールドカーブになったとし、景気後退のサインと報道されました。

               

               マスコミの報じ方は、「ついに米国経済が失速する!世界経済全体が悪くなる!大変だ!」という報道だったのですが、今はすでに順イールドカーブに戻っています。その証拠に4/5発表の労働統計では、米国経済は絶好調といってよいほど大変すばらしい状況で、これは決して誇張ではありません。

               

               改めてですが、イールドカーブについてご理解いただきたく、カンボジアのプノンペンコマーシャル銀行の金利表と、イールドカーブのイメージ図をご紹介します。

               

              <プノンペンコマーシャル銀行の金利表>

              (出典:プノンペンコマーシャル銀行のホームページから引用)

               

               上記はプノンペンコマーシャル銀行というカンボジアの銀行のホームページから引用したものです。杉っ子こと、私はプノンペンコマーシャル銀行に定期預金を預けていまして、米ドルで1000ドル(日本円で10万円ほど)を5年間の期間で預けています。

               上表の通り、5年間(60months)の金利は、年率6.50%であるのに対し、期間を短くすればするほど金利は下がっていって、一番期間が短い3か月物の定期預金の金利は、年率2.70%となっています。

               

               このように 普通は長期金利と短期金利で比べた場合、長期金利の方が高くなります。今の日本の定期預金は、1年も5年の0.01%で変わりませんが、海外の銀行の定期預金では、普通に長期金利の方が高いです。

               

               以前もご紹介しましたが、下図はイールドカーブのイメージ図です。

               

              <逆イールドカーブと順イールドカーブ>

              (出典:ピクテ投信投資顧問のホームページより引用)

               

               

               日本経済新聞では、逆イールドカーブになったことでトランプ大統領の再選が危うくなったと報じています。下記は2019/03/26に報じた日本経済新聞の記事です。

               

              『2019/03/26 09:50 逆イールド、トランプ氏再選に暗雲

               ドル金利下落に歯止めがかからない。市場の関心は、長短どちらの金利の下げペースが速いか、という点だ。

               米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が強まれば、相関が高い短期債の利回りが低下する。中国や欧州の経済指標が悪化すれば、安全性を求めるマネーが米長期債に流入してドル長期金利を押し下げる。

               25日のニューヨーク市場では、10年債利回りが一時2.4%の大台を割り込む局面もあった。株価も敏感に反応して、ダウ工業株30種平均も一時は100ドルを超す下げとなった。

               通常、金利が下がれば株価は上がるはず。しかし、逆イールドの呪縛に取りつかれた市場では、長期金利が急落すると長短金利逆転の深化が懸念され、株価が下がる。

               一方、短期債利回りが下落する局面もあった。シカゴ連銀のエバンズ総裁が1998年アジア経済危機時のFRB利下げを引き合いに出し、当時のグリーンスパンFRB議長の迅速な決断を評価する発言が伝わったときだ。引き締めから緩和への転換の状況が今回と似ているとしている。

               短期金利が下がれば、順イールドへの回帰が連想され、株式市場は安堵する。かくして、市場の一喜一憂が繰り返されそうだ。この逆イールドの長期化は必至である。

               FRBへの介入姿勢を露骨に強めるトランプ大統領にとっても悩ましい展開だ。過去の事例を見ても、逆イールド発生からタイムラグをおいて景気後退に突入しているので、大統領選のある2020年の米国経済が危うい。そこで、トランプ氏はFRBに「利下げ」圧力をかけることが予想される。

               しかし、現在の政策金利水準は2.25〜2.5%。利下げの余地は2.5%しかない。過去の景気後退期に実施された利下げは5%程度が必要だった。

               FRBの保有資産圧縮プログラム停止という緩和措置も9月にはカードを切ってしまう。そこで、FRBがマイナス金利を導入する可能性もウォール街では議論される。

               今や、世界のマイナス金利国債総額が10兆ドルに達するとの報道もあるが、FRBは伝統的に拒否反応が強かった。金融機関の収益悪化という副作用が強すぎるとの配慮であろう。イエレン前議長が議会証言で「米連邦公開市場委員会(FOMC)でも2010年ごろに(マイナス金利を)検討したが、金融市場への影響を懸念し採用しなかった」と語ったこともある。

               しかし、トランプ大統領の発想は、これまでの金融市場の常識を超える異次元にある。欧州中央銀行(ECB)と日銀がマイナス金利政策を維持しているのに、なぜFRBはこだわるのか、との疑問が発せられるかもしれない。

               今後、FOMC議事録でマイナス金利についての議論が出てくれば、株式市場にとっては買い材料とされよう。外国為替市場ではドル安要因となるので、日本にとっては円高リスクとなる。

               中央銀行の緩和比べが進行する中で、日銀の追加緩和も、欧米市場の注目点となってきた。円が通貨投機筋の標的となりやすい地合いである。

               なお、これまで中国の米国債売却傾向が市場では意識されてきたが、今後は中国が米国債購入を増やし、ドル長期金利を押し下げ、逆イールド現象を助長するシナリオも考えられよう。中国にとって米国債は米中貿易戦争の「武器」となる。

               

               

               この記事を見て皆さんはどう思うでしょうか?1カ月もたたず金利は順イールドに戻っており、逆イールドカーブをあれだけ大げさに報じておいて・・・と私は思います。

               

               特に記事の最後にある中国の米国債売却が米中貿易戦争の「武器」になるという言説は、米国に「IEEPA」と「USA Freedom Act」という法律の存在を知らないからこそ出てくる言説です。というより日本経済新聞社といえども、所詮その程度の理解としか言いようがないくらい、マスコミのレベルは低すぎます。(参照記事:米国債残高1位の中国は米国債売却で反撃するという言説について

               

               結局マスコミは米国が景気後退に入って世界経済全体が悪くなるということと、トランプ大統領がFRBの金融政策に介入することは、中央銀行の独立に反するからダメ!ということを言いたかったのでしょう。そしてその背景として反グローバリズムが受け入れられないという哀れな思考回路がこびりつき、こうした報道になったのだと私は思います。

               

               

               というわけで今日は「逆イールドカーブの報道について」と題して論説しました。

               一瞬だけ逆イールドカーブなったことにマスコミが乗っかって、米国経済が悪くなる→世界経済全体が悪くなるというシナリオを流し始めて、反グローバリズムが原因だとでも言いたかったのがマスコミです。

               確かに米国の短期金利は上昇していましたが、その逆イールドカーブを作った原因は、バリバリの女性グローバリストの前FRB議長ジャネット・イエレンです。トランプ大統領が当選してから株価が上昇し、経済が良くなってきた過程で、インフレにならないようにということで、短期金利を上昇させました。

               ジャネット・イエレンのこの発想は、1933年に就任したルーズベルト政権の時と同じです。ルーズベルト政権もまた不況から脱すべくニューディール政策で財政出動したのですが、景気が良くなったからといって3年後に景気引き締め策を行い、1936年以降、ルーズベルト不況が始まりました。

               まさに安倍政権も同じです。2013年こそ国土強靭化で財政出動をやったことで、名目GDPで△1.9%増となり、税収も△6.9%増となりました。ところが2014年4月の消費増税に始まった緊縮財政により、景気は失速してデフレが続いています。

               低失業率はアベノミクスの成果でも何でもなく、生産年齢人口減少という日本の人口構造による環境が原因であって安倍政権の経済政策の成果でも何でもありません。

               経済記事について、マスコミの報道がこの程度であるということも、改めて私たち国民は認識する必要があるものと私は思います。

               

               

              〜関連記事〜

              米国債残高1位の中国は米国債売却で反撃するという言説について


              トランプ大統領の保護貿易・移民排除がもたらすアメリカ国民の賃金UPと過去最低の失業率

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                JUGEMテーマ:移民

                 

                 今日は「トランプ大統領の保護貿易・移民排除でもたらされたアメリカ国民の賃金UPと過去最低の失業率」と題して論説します。

                 

                 ロイター通信の記事を2つ紹介します。

                『ロイター通信 2019/04/05 01:06 米ターゲット、最低時給13ドルに引き上げ 労働市場引き締まりに対応

                [ワシントン 4日 ロイター] - 米小売大手ターゲットは6月に米従業員の時間当たりの最低賃金を12ドルから13ドルに引き上げると発表した。米労働市場が引き締まる中、有能な人材を確保したい考え。競合のウォルマートへの圧力になる可能性がある。

                 ターゲットは米国内で1845の店舗を展開し、30万人を超える従業員を雇用。2017年に時間当たりの最低賃金を20年までに15ドルに引き上げる方針を表明し、18年3月に11ドルから12ドルに引き上げた。

                 米国の失業率が約50年ぶりの低水準で推移する中、小売業者の間では人材の確保が難しくなっている。最低賃金引き上げに向けた政治的な圧力も増大しており、アマゾン・ドット・コムは昨年10月、米国の従業員の時間当たり最低賃金を15ドルに引き上げた。

                 賃金引き上げの動きは他の企業にも広がり、会員制倉庫型ストアのコストコ・ホールセールも時間当たり最低賃金を1年間に2回引き上げ、今年3月から15ドルとしている。

                 ウォルマートの現在の時間当たりの最低賃金は11ドル。同社からコメントは得られていない。

                 ターゲットはすでに時間給が13ドルとなっている従業員の賃上げを実施するかについては明確に示さなかった。』

                 

                『ロイター通信 2019/04/05 23:53 米雇用統計、3月は19.6万人増に持ち直す 景気懸念後退か 

                [ワシントン 5日 ロイター] - 米労働省が5日発表した3月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が19万6000人増と、前月の17カ月ぶりの弱い伸びから加速した。温暖な気候を受け建設業などで雇用が増えた。米経済が第1・四半期に急減速したとの懸念が後退する可能性がある。市場予想は18万人増だった。

                 2月の数字は当初発表の2万人増から3万3000人増へ小幅に改定された。2月の増加数は17年9月以来の低水準だった。

                 今年の月間雇用増加ペースは平均で18万人と前年の22万3000人から鈍化したが、労働年齢人口の伸びを維持するのに必要な約10万人をなお上回った。

                 エコノミストらは19年の雇用の伸びが月々平均して15万人増となるとみている。

                 米国の求人数は約758万人。3月は22万4000人が労働市場から離脱したため、求人数は高止まりする可能性がある。労働力人口のうち就職している者もしくは求職中の者を表す割合、いわゆる労働参加率は3月に63.0%と2月の63.2%から低下した。2月は5年超ぶりの高水準だった。

                 時間当たり賃金は3月に前月比0.1%(4セント)増だった。前月は0.4%増加していた。3月の前年同月比は3.2%増。2月は3.4%増と、09年4月以来の大幅な伸びだった。3月は緩慢な伸びとなったことで、個人消費に関する不安が浮上するかもしれない。個人消費は1月に停滞した。

                 失業率は前月から横ばいの3.8%だった。連邦準備理事会(FRB)は年末までに3.7%になるとの見通しを示しているが、その水準に迫った。

                 平均週間労働時間は前月の34.4時間から34.5時間に増えた。

                 全米連邦信用組合協会(NAFCU)の首席エコノミストは「今回の統計は適温水準。雇用の伸びが持ち直して景気後退懸念が和らぎ、インフレ懸念を引き起こさない程度に十分堅調な形で賃金が増えた」と指摘。「金利据え置き姿勢を下支えする内容で、FRBには朗報」と話した。

                 ベレンベルク・キャピタル・マーケッツのエコノミストは「第1・四半期は困難に直面したが、第2・四半期のスタートに際し景気の勢いが増した」と語った。

                 3月の雇用の内訳は、建設業が1万6000人増と、前月の2万5000人減から持ち直した。レジャー・接客は3万3000人増。中でも外食が2万7300人増えた。

                 専門職・企業サービスは3万7000人増だった。政府は1万4000人増加した。ヘルスケアや運輸・倉庫、金融、公益、情報サービスもプラスだった。

                 一方、製造業は6000人減と、17年7月以来初めてマイナスとなった。前月は1000人増だった。製造業のうち自動車・同部品は6300人減だった。自動車メーカーは、売り上げが減速し在庫が膨れ上がる中で何千人もの人員削減に動いている。

                 小売は2カ月連続で落ち込んだ。

                 

                 上記の通り、米国経済が絶好調であることを示すニュース記事を2つ取り上げました。

                 

                 まず米国で4/5に政府の雇用統計の発表があり、3月の米国の新規雇用数は19万6000人増えたということで、この数字は素晴らしくよい数字です。さらには失業率がほぼ最低水準となっており、賃金は上がり続けているという総じて米国経済が絶好調ということで、2つの記事を紹介させていただきました。

                 

                <米国の雇用統計(2019年3月):単位は左軸、右軸いずれも(%)> 

                (出典:三井住友DSアセットマネジメントのマーケットデイリーから引用)

                 

                <米国の失業率の推移>

                (出典:グローバルノート)

                 

                 米国政府が発表の雇用統計のポイントは3つあります。

                 

                ●雇用者数が19.6万人増で雇用は安定しているということ

                ●失業率は横ばいの3.8%は、過去最低の水準で推移している状況であるということ

                ●賃金の上昇率が年率3.2%と高いこと

                 

                 

                 特に詳しくみてみますと、米国のアフリカ系米国人(=黒人)の失業率は、今までの失業率が下がり続けて史上最低だったのですが、さらに下がってよくなって過去最低を更新している水準で推移しています。さらに素晴らしいのが、女性の失業率が下がっていて、過去最低を更新しているということです。

                 

                 賃金についても上昇し続けているのがトランプ政権の経済政策の結果の特徴なのですが、賃金が年率3.2%の上昇率というのは、先進国の中では破格です。

                 

                 日本は賃金が下がり続け、欧州も下がり続けている状況ですので、それらと比較すれば、年率3.2%の賃金上昇率はすごい数字といえるでしょう。

                 

                 さらに別の雇用に関する数字の発表もあります。失業保険の申請数という指標なのですが、3/24〜3/30の1週間で、20万人という数字があるのですが、これはまた50年ぶりの低さという数字です。

                 

                 こうした雇用に関する経済指標の非常によい結果発表を受け、トランプ大統領がホワイトハウスで記者に囲まれてコメントしています。下記は日本経済新聞の記事です。

                 

                『日本経済新聞 2019/04/05 23:32 「FRBは利下げを」 トランプ氏、圧力強める     

                【ワシントン=河浪武史】トランプ米大統領は5日、ホワイトハウスで記者団に「個人的には米連邦準備理事会(FRB)は利下げをすべきだと思う。FRBは(利上げで)米景気を大きく減速させた」と主張した。FRBは2019年に入って利上げを一時停止する方針を表明しているが、トランプ氏は金融緩和への転換を求めて中央銀行に圧力を強めている。

                 メキシコ国境の視察へカリフォルニア州に向かう前に記者団の質問に答えた。

                 トランプ氏は「インフレはほとんどみられない。政策金利を引き下げて(保有資産を圧縮する)量的引き締めも取りやめるべきだ」と強調した。利下げだけでなく「量的緩和にも動くべきだ」とも主張するなど、FRBの金融政策に介入する姿勢を強めている

                 

                <ホワイトハウスの写真>

                (出典:2013年12月31日に杉っ子がワシントンで撮影)

                 

                 トランプ大統領のホワイトハウスでの記者団へのコメントの通り、トランプ大統領はFRBに対して利上げや金融引き締めを辞めさせようとしています。

                 

                 それもそのはず、雇用の数字が素晴らしく良く、米国の経済は多くの人が信じられないほどうまくいっていることが、指標面からみてもよくわかります。

                 

                 この状況が続けば、海外に工場を出していた米国企業は、工場を米国に戻すことになるかもしれません。今までグローバリズムの流れで、メキシコや中国に工場を出して、安い賃金で製造して利益を出していた企業が、米国に戻ってきており、さらにこうした動きが加速していく可能性が高いのです。

                 

                 ということは今後もこの雇用の好調は継続し、失業率は下がり続け、賃金UPも継続し続けることになっていくでしょう。

                 

                 トランプ大統領はFRBに対して利下げすべきと主張をしており、この好調な経済を持続させていこうとする意図がはっきりと理解できます。

                 

                 そもそもインフレが発生したとしても、工業先進国でハイパーインフレになることなどあり得ず、インフレ率が10%とかになるのもまだまだ遠い先の話。何がいいたいかといえば、インフレは発生せず、発生してもマイルドなインフレであって、それはインフレ退治すべきほどのインフレではないということでもあります。

                 

                 だからこそ「今は量的緩和をすべき!」という発言にもつながっています。今、利下げと量的緩和をすれば、米国経済は宇宙ロケットのように上昇するだろうとも述べておられているのですが、それは全く正しい見立てといえます。

                 

                 

                 というわけで今日は「トランプ大統領の保護貿易・移民排除がもたらすアメリカ国民の賃金UPと過去最低の失業率」と題し、1兆ドルインフラ投資、メキシコの壁建設、関税引き上げによる安い製品の締め出しの結果、米国経済が絶好調となっていることをお伝えしました。

                 株式投資をやるのであれば、米国株もしくは英国株ともいえるほど、地に足がついた経済成長をしているのが米国です。移民を排除し、国内産業を保護する政策の結果、賃金UPと失業率の低下をもたらすという素晴らしい成果を出しているのがトランプ大統領です。

                 それに比べて安倍政権のアベノミクスはどうでしょうか?2014年の消費増税8%以降、緊縮財政を推進し、実質賃金が下落しているにもかかわらず、統計数字を改ざんしてまでして実質賃金が上昇したとしてアベノミクスの成果を強弁する安倍首相が、かすれて見えるのは私だけでしょうか?

                 米国とは異なり、我が国は生産年齢人口の減少で何もしなくても失業率は低下する環境にあるわけで、低失業率はアベノミクスの成果でも何でもありません。こうした欺瞞の言説を、一つ一つロジカルにつぶしていき、正しい政策を理解していただかなければ、日本は滅びていくしかないと私は思うのです。

                 

                 

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                   今日は「元FRB議長のイエレンよ!経済が分かっていないのはトランプ大統領ではなく、お前だ!」と題して論説します。

                   

                   イエレンはジャネット・イエレンが本名で元FRB議長だった人で女性の方です。一方、今のFRB議長はジェローム・パウエルという男性です。イエレンはオバマ政権が指名した人なのですが、トランプ大統領になってから、任期が切れて辞めさせられてパウエルが指名されました。

                   

                   今から遡ること2年半前の2016年11月にトランプが、米国の大統領選挙で当選して2017年1月に大統領に就任しましたが、トランプ大統領が米国の大統領選挙で勝って以降、米国の株価はずっと上昇を続けています。

                   

                  <ニューヨークダウの株価推移>

                  (出典:ヤフーファイナンス)

                   

                   この株価の上昇が始まったとき、FRB議長はイエレンでした。オバマ政権の時、米国経済は良くなかったため、イエレンは

                  短期金利を0.2%として、今の日本のゼロ金利政策やマイナス金利政策と同様に、ほぼ0%としていました。

                   

                   ところがトランプが大統領選挙で当選し、株価が上昇し始めたことで、景気が良くなってインフレ懸念ということで、短期金利を数カ月という短い期間で2%以上引き上げました。

                   

                  <米国の政策金利の推移>

                  (出典:外為ドットコム)

                   

                   

                   上記グラフは、米国の政策金利の推移なのですが、2016年11月以降、金利が急速に引き上げられて2%以上になっていることがわかるかと思います。

                   

                   なぜイエレンが金利を急速に引き上げたか?といえば、インフレを懸念したためです。その後、2018年2月にトランプ大統領がパウエル氏をFRB議長に任命しました。

                   

                   イエレンは、トランプ大統領になる直前から短期金利を上げ続け、上がり続けた短期金利が高い状態のままとしたことで、トランプ大統領の政策で景気が良くなったのに、高い短期金利が株価や景気の足を引っ張っていました。

                   

                   これが3月に逆イールドカーブとなった原因でもあるのです。逆イールドカーブというのは聞きなれないと思いますが、下記のイールド・カーブの形状をいうイメージ図をご覧ください。

                   

                  <逆イールドカーブと順イールドカーブ>

                  (出典:ピクテ投信投資顧問のホームページより引用)

                   

                   

                   通常、金利というものは、長期金利の方が高く、短期金利が低いです。一般的には返済までの期間が長いほど、貸し倒れリスクが相対的に大きいということで長期金利の方が短期金利よりも高くなります。その金利の高低を縦軸とし、返済期間を横軸にして、金利を線でつないだものがイールドカーブなのですが、通常は順イールドといって、短期金利<長期金利となります。

                   

                   しかしながら稀に短期金利>長期金利となることがありまして、これを逆イールドと呼んでいます。そしてこの逆イールドカーブは不況の兆しと呼ばれていまして、米国のマスコミのみならず、日本のマスコミも大騒ぎしました。

                   

                   どうやら日本のマスコミは、トランプ大統領の反グローバル思想が気に入らないのでしょう。下記は日本経済新聞の記事ですが、見出しにトランプ氏の”勇み足”として、逆イールドカーブになった原因があたかもトランプ大統領にあるかの如く報じています。

                   

                  『日本経済新聞 2019/03/25 08:52 トランプ氏の勇み足、逆イールドはいつまで     

                   トランプ米大統領は最新の人事案で、空席になっている米連邦準備理事会(FRB)の理事ポストに保守系の経済評論家、スティーブン・ムーア氏を指名すると明らかにした。ムーア氏は2016年の大統領選でトランプ陣営の経済顧問を務めた、トランプ氏に極めて近い人物。人事をテコに金融政策への関与を強め、執拗にFRBに低金利圧力をかけ続ける狙いが透ける。

                   そんなトランプ氏にも、ひとつの誤算があった。

                   利上げをせず政策金利を低位に据え置き、一方でFRBが長期経済観測を低めに出すと長短金利が接近し、さらには逆転のリスクがある。この長短金利逆転の「逆イールド」現象は過去の事例では不況の兆しとされるので、トランプ氏が政権の成績表と位置づける株価には下げ要因となる。

                   そのシナリオが22日のニューヨーク株式市場で現実のものとなった。

                   振り返れば20日にすでに兆しが見られ、ウォール街の一部で話題になっていた。米1年物国債の利回りが2.52%だったのに対し、2年物が2.46%、3年物が2.40%と短期国債の間で逆イールド現象が生じる局面があったのだ。

                   さらに21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文と同時に発表されたFRBの最新経済見通しでは21年の実質国内総生産(GDP)の成長率が1.8%、失業率が3.9%、インフレ率(コアPCE)が2.0%と低成長・低インフレを予告するかのごとき数字が並んだ。その結果、10年債利回りには下げ圧力が強まっていた。この流れのなかで22日には長短金利の逆転現象が生じ、ダウ工業株30種平均は急反落。前日比460ドル安の安値圏で取引を終えた。

                   ただし22日の取引終了前に下げが加速した理由は、16年の米大統領選にロシアが介入したとされる「ロシア疑惑」の捜査報告書をバー米司法長官が発表するという報道が一因とされていた。日本時間の25日早朝に伝わった、「ロシア疑惑の共謀を立証できず」の報道で、この分の下げ幅は相殺されよう。(中略)

                   「2%クラブ」という言葉があるが、アンクルサム(米国のニックネーム)におカネを貸すにあたって期限が1カ月でも30年でも2%台ということだ。異常としかいいようがない。

                   前日比の下げ幅は3カ月物から1年物が0.01〜0.02%程度に対して、2年物から10年物は0.1%前後になっている。債券市場で0.1%(10ベーシスポイント)はかなりの下げ幅だ。

                   逆イールドが議論されるときは通常、10年債と2年債の利回り格差が指標として使われる。22日時点で、この長短金利は逆転していない。1年以下の短期債利回りと10年債利回りが逆イールドになっている。

                   市場の関心は、この不吉な異常現象がいつまで続くかということだ。結論からいうと、場合によっては1年以上の長期にわたる可能性がある。筆者が10年債と2年債のスプレッド(利回りの差)を日次データで検証したところ、前回の逆イールド現象は05年12月17日の0.01%に始まり、07年6月5日の0.01%で終わっている。その間、マイナス幅が0.19%まで拡大した時期もある。そして、08年秋にリーマン・ショックが起こった。

                   今回も構造的な低インフレが長期化する過程で、構造的な過大債務に悩む中国・欧州経済の不安などから安全資産とされる米国債への資金流入が誘発された結果だ。長短金利逆転現象は長引きそうだ。

                   一時的にスプレッドがプラス圏に戻しても、再びマイナス圏に突入する可能性を覚悟せねばなるまい。

                   株価は厄介なお荷物を抱え込んだ感がある。ドル金利の低下はドル安・円高をも誘発するので、特に日本株にとってはボディーブローのように効いてきそうだ。』

                   

                   その後、ブルームバーグでは、3/26と4/20に次のような見出しで、逆イールドカーブは脅威でないと報じています。

                   

                   ブルームバーグ 2019/03/26 16:15 ゴールドマンも仲間入り−逆イールドの脅威、深刻視せず

                   ブルームバーグ 2019/04/20 12:47 米国債逆イールド、リセッション先行指標としての力弱まる−バンク・オブ・アメリカ

                   

                   

                   これらを整理しますと私がいいたいことは2点あります。

                   

                   一つ目は逆イールドカーブの原因を作ったのは、トランプが大統領選挙に当選して以降、短期金利を引き上げ続け、米国経済の足を引っ張る原因を作ったイエレン前FRB議長の金融政策であるということです。

                   

                   二つ目は逆イールドカーブで日本と米国のマスコミは大騒ぎしたが、すでに逆イールドカーブとはなっておらず、現在は順イールドカーブになっているということです。

                   

                   この2点からいえることは、マスコミはトランプ大統領の経済政策が失敗して欲しいと願っているとしか思えません。何しろ、反グローバリズムという思想そのものが受け入れられないのでしょう。実際には反グローバリズムを推し進めた結果、米国の経済は大変良くなっているという事実があるにもかかわらず…です。

                   

                   時事通信は、トランプ大統領を批判するイエレン前議長のコメントを2019/02/26に報じています。

                  ●トランプ大統領はFRBの金融政策を理解していない!

                  ●トランプ大統領は経済そのものをわかっていないのでは?

                  ●FRBの仕事とはアメリカ国民の雇用を伸ばして物価を安定させることである

                  などとコメントし、トランプ大統領は経済を全く理解していないと批判していました。さらに、トランプ大統領はFRBに金利を下げさせることによってドル高に誘導することにFRBを使おうとしているとして、このこと自体がトランプ大統領は正しい金融政策をわかってないともコメントしました。

                   

                   確かに、イエレンのトランプ大統領批判は、これまでの常識から考えればその通りなのでしょう。しかしこれまでのFRBのやり方が正しかったのか?成功していたか?といわれれば、全然成功していません。その証拠にオバマ政権の8年間、経済はずっと悪くイエレンが主張する”アメリカ国民の雇用を伸ばす”というのも、雇用は全然伸びていませんでした。

                   

                   ところがトランプ大統領になってから、すでに雇用は550万人にまで増加し、失業率に至っては下記グラフの通り、2018年度は過去最低の3.89%です。

                   

                  <米国の失業率の推移>

                  (出典:グローバルノート)

                   

                   

                   上記のグラフをみて、イエレンはどう思うでしょうか?それでも従来のFRBのやり方が正しいといえるのでしょうか? トランプ大統領は、FRBの理事にスティーブン・ムーア氏、ハーマン・ケイン氏を指名していますが、この二人も従来のFRBの金融政策を疑い、金利を下げる方向の人々であり、その意味でトランプ大統領は、従来の間違ったFRBの金融政策を転換させようと懸命になっていることがうかがい知れます。

                   

                   と同時にイエレン氏の言説は全くをもってデタラメであり、国民の雇用を増やして失業率を過去最低にまで引き下げることができたトランプ大統領のマクロ経済政策が間違っているというイエレン氏こそ、厚顔無恥の経済を何もわかっていない人と私は断定します。

                   

                   

                   

                   というわけで今日は「元FRB議長のイエレンよ!経済が分かっていないのはトランプ大統領ではなく、お前だ!」と題して論説しました。

                   イエレン氏は、MMT(現代金融理論)にも反論しています。そういう輩は日本にも多数を占めます。そういう意味で今までのFRBの常識外れをやるのがトランプ大統領だったとして、今までのFRBの常識通りにやっていたら、米国経済は良くなるのでしょうか?

                   私は決して少数派だから正しいとは思いません。その言説の賛成反対が、少数だろうが多数だろうが、正しいものは正しい、間違っているものは間違っていると言いたいだけです。

                   日本のマスコミもトランプ大統領の政策に批判的ですが、仮にもトランプ大統領がFRBの金融政策に口出ししなければ、普通に金利を上げていたことでしょう。なぜならば雇用が増えて株価が上昇しているということで「はい!インフレになる見込みです!」として自動的に金利を引き上げてきたのは、イエレン氏だったわけです。そうなれば米国経済が悪くなり、日本も欧州も中国も経済が悪くなろうとしているので、世界経済全体が本当に悪くなって世界大恐慌に向かっていくかもしれないのですが、それを食い止めようとしているのがトランプ大統領なのでは?と私は思うのです。

                   

                   

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                     今日は「グリーン・ニューディール政策と現代金融理論」と題し、米国の民主党議員が提唱する「グリーン・ニューディール政策」に絡めて、昨日もテーマとさせていただいた現代金融理論について論説します。

                     

                     グリーン・ニューディール政策というのは、オバマ政権のときにも打ち出された経済政策の一つで、ニューディール政策というのが、財政政策・財政拡大によって経済を活性化させるという政策で、端的にいえば、政府の財政出動によって経済成長率を高めていきましょう!ということです。

                     

                     では、グリーン・ニューディール政策というのは何なのか?というと、財政拡大の投資項目の中に、地球温暖化対策を中心に据えて財政出動していきましょう!という政策です。

                     

                     例えば再生可能エネルギーやスマートグリッド(次世代送電網)や公共交通システムに加え、ゼロ排気車を導入するなど、そういうことを徹底的に推進して経済を活性化させようという話です。

                     

                     このグリーン・ニューディール政策について、今年2月に米国の女性議員のオカシオ・コルテス下院議員が、気候変動問題に対して包括的に取り組むということでグリーン・ニューディール法案を発表いたしました。ところが残念なことに、下記ロイター通信の記事の通り、グリーン・ニューディール法案は廃案になってしまいました。

                     

                    『ロイター通信 2019/03/27 11:44 米上院、「グリーン・ニューディール」を否決

                    [ワシントン 26日 ロイター] - 米上院は26日、野党・民主党が提出した温暖化対策に関する決議案「グリーン・ニューディール」の採決を行い、反対多数で否決した。

                     共和党議員が反対票を投じたほか、民主党から2人が造反し、通常は民主党と歩みを合わせる無所属議員1人も反対に回ったため、反対は57票に上った。民主党側は、43人の議員が賛成でも反対でもない「出席」の票を入れた。

                     決議案は風力や太陽光を含む再生可能エネルギーや環境インフラへの政府主導の投資を実行することで、化石燃料に依存し、温室効果ガスを排出する経済構造の転換を目指す内容。

                     民主党は2020年大統領選に向けて、温暖化対策と経済成長促進の両立について議論を喚起する狙いがあるとしてきた。このため、早期採決は望まない姿勢を示してきた。

                     一方、共和党のマコネル上院院内総務は国民的な議論となる前に、議会公聴会を経ずに採決を強行した。共和党側は、グリーン・ニューディールを民主党の左傾化の表れだと断じ、民主党内で足並みの乱れを誘うことを狙った。』

                     

                     上記の記事の通り廃案となったグリーン・ニューディール法案ですが、記事の内容が正しいとするならば、共和党が政治的に民主党をつぶすために早期採決をしたということで残念です。民主党は温暖化対策と経済成長促進の両立についての議論を喚起する狙いがあったと報じられています。

                     

                     ニューディール政策自体、ドイツ・フランスを中心としたEUや日本がやっている緊縮財政とは真逆の発想です。米国の場合は、オカシオ・コルテス議員の提唱の通り、「グリーン・ニューディール」として地球温暖化を中心に財政出動をやろうというものです。

                     

                     日本でいえば、防災減災ニューディールが必要といえます。2014年の消費増税以降、公共事業も増やしていない安倍政権が当初提唱したアベノミクスの第二の矢の国土強靭化は、まさに防災減災ニューディールといえますが、予算を増やすどころか減らしており、実行に移されていません。

                     

                     その防災減災ニューディールといえる国土強靭化と、オカシオ・コルテス議員の提唱するグリーン・ニューディール政策は、経済的にも同じ発想の話であるといえます。グリーン・ニューディール政策で提唱されている投資例として、再生可能エネルギー促進、次世代送電網の敷設、技術的に実現可能な限り米国の交通システムの抜本的見直し、高速鉄道投資の増大、技術的に実現可能な限り環境汚染や温暖化ガス・排ガスがないクリーンな製造業の促進などがあげられています。

                     

                     ではなぜ今、国土強靭化の必要性が米国で叫ばれているのでしょうか?

                     

                     米国では景気がいいといわれていますが、労働者の賃金がほとんど上昇していません。実質賃金が上昇していない問題を解決するためには、大企業が活性化すればいいということではなく、労働者の賃金が上昇していかなければならないと私は思います。

                     

                     そのためには、キャッシュをマーケットに供給していく必要があるわけですが、このとき裏付けとなるキャッシュは?ということで、オカシオ・コルテス議員が主張しているのは、昨日も本ブログで取り上げた現代金融理論(=モダン・マネタリー・セオリーで以下「MMT」)です。

                     

                     もともとリフレ派の議論に、マネタリーセオリーという理論があるのですが、これは中央銀行が金融緩和をやれば経済が活性化するという理論で、日本でも日銀が通貨を供給すれば経済が活性化してデフレ脱却ができるとした言説にも利用されています。

                     

                     しかしながら、それをさらに発展させたのがMMTで、日銀が通貨を供給するだけでは日銀当座預金に積まれるだけで、マネタリーベースは増加させるだけで、自動的に貸し出しが増加する・企業に資金需要が増える、即ち”マネーストックが増える”わけではありません。

                     

                     MMTのポイントは、政府が国債を大量に発行して、それを実際に政府支出として使っていく。そうしないとマネーストックは増えないという考え方であり、至極真っ当な考えで正しいです。

                     

                     内閣官房参与の一人である浜田宏一氏らは金融政策だけでお金が回りだして景気が良くなるという主張でしたが、私は金融政策でお金を供給するだけでは景気は良くならず、実際に政府がそのお金を使わない限り、お金が回りだすことはないと主張を続けてきましたが、MMTの考え方はまさに私の主張そのものであり、オカシオ・コルテス議員も、この考え方を踏襲しています。

                     

                     米国の場合はグリーンなシステムが技術的に立ち遅れ、CO2をたくさん出しているという現状があります。トランプ大統領は、温暖化対策にはネガティブな発言がある一方、オカシオ・コルテス議員は環境対策を世界のスタンダードに合わせて主張したということになります。

                     

                     要するにオカシオ・コルテス議員が提唱するグリーン・ニューディール政策は、「環境対策を米国としても世界のスタンダードに合わせましょう!」ということと、それに伴う財源について「MMT理論にもとづけば、自国通貨建ての国債を発行して借金を増やすことで何ら問題がないですよ!」という2つの意味があります。

                     

                     日本のような環境先進国になりましょうという主張は、米国では毎回つぶされてきました。しかしながら自国の経済成長のためにも財政出動によって、環境先進国を目指すというこの発想は、環境分野の技術革新を伴って経済成長もできるということであり、オカシオ・コルテス議員の主張は、素晴らしいと私は思うのです。

                     

                     

                     というわけで今日は「グリーン・ニューディール政策と現代金融理論」と題して論説しました。


                    メキシコの壁の建設により減少した不法入国者

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                      JUGEMテーマ:難民受け入れ

                      JUGEMテーマ:労働問題

                      JUGEMテーマ:グローバル化

                       

                       今日は「メキシコの壁の建設により減少した不法入国者」と題して論説します。

                       

                       下記はBCCの記事です。

                      『BCC 2019/02/16 「壁は効く」 トランプ氏、非常事態宣言の正当性主張

                       ドナルド・トランプ米大統領は15日、メキシコとの国境に壁を建設する費用を議会承認を得ずに確保するため、国家非常事態を宣言すると発表した。壁の建設はトランプ氏の主要選挙公約だが、野党・民主党は「権力の甚だしい乱用」だと非難している。

                      しかし、アメリカとメキシコの約3200キロに及ぶ国境沿いに壁を建設するには、推定230億ドルが必要と試算されている。

                       

                       

                       トランプ大統領のメキシコの壁建設を巡って、様々なニュースが飛び交っていますが、私はトランプ大統領に対して「がんばれ!」とエールを送りたい立場です。

                       

                       理由は、メキシコの壁がアンチ移民の象徴であると考えるからです。

                       

                       トランプ大統領は2/5に行った一般教書演説で、メキシコの国境の壁を建設する公約に強い意欲を示しました。選挙で共和党が下院で民主党に敗れてねじれ状態になっている下院において、多数を握る民主党へ融和を呼び掛けながらも、壁の建設の予算確保については一切の譲歩を拒む姿勢を鮮明にしています。

                       トランプ大統領は「私は壁を建設する。壁が作られたところでは不法移民は激減する。壁は人命を救う。」と述べ、議場では国境の危機を強調するため、不法移民に殺害された家族が招かれました。

                       

                       移民はグローバリズムの3つのトリニティである「ヒトの自由」「モノの自由」「カネの自由」で、ヒト・モノ・カネの移動を自由に国境を越えさせようとする圧力を高めようとする3要素の一つです。

                       

                       私は、特に「ヒトの自由」「モノの自由」「カネの自由」のうち「ヒトの自由」は一番破壊力があるものと思っています。それに対してトランプ大統領が強烈な反対主張をしているという点で、「私は不法移民の入国を止める壁を作る!グローバリズムの流れを止める!そして自国を豊かにする!」という主張を応援したいと思うのです。

                       

                       ただ現実的に壁を作るのと、他のアンチグローバリズム対策とどちらが大切なのか?

                       

                       実はトランプ大統領自身がグローバリストな部分があったりする可能性もあります。ご自身が大富豪であるため、ウォール街ともそれなりに関係があるでしょう。

                       

                       とはいえ、アンチグローバリズム、反グローバリズムの象徴的な事案が、メイ首相のブレグジットに次ぐトランプ大統領のメキシコの壁であるため、私は「がんばれ!」とエールを送りたいと思うのです。

                       

                       

                       というわけで今日は「メキシコの壁の建設により減少した不法入国者」と題して論説しました。


                      米国政府機関の閉鎖について

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                         今日は「米国政府機関の閉鎖について」と題して論説します。

                         

                         下記はブルームバーグの記事です。

                        『ブルームバーグ 2019/01/26 04:46 トランプ米大統領が3週間の政府閉鎖解除で合意、民主党に屈する

                         トランプ米大統領は25日、35日間続いた政府機関の一部閉鎖を解除する法案に署名した。政府機関の運営を3週間再開することで議会側と合意した大統領だが、求めていた国境の壁建設費用は合意に含まれず、大統領がペロシ下院議長に屈した格好だ。

                         上下両院は来月15日までの期限付きで連邦政府機関を再開する法案を25日に可決。トランプ大統領は連邦職員に未払いの給与が速やかに支払われるようにするため直ちに署名すると約束していたが、ホワイトハウスが同日夜に大統領の署名を発表した。

                         今回の合意はトランプ大統領にとって劇的な方針転換だ。大統領は国境の壁建設費用が確保されない限り、政府閉鎖の再開は認めないと過去5週間にわたって主張していた。自身の支持率が急低下したほか、空の交通に混乱が生じ、税還付の円滑なプロセスが脅かされたことが方針転換の背景にある。

                         トランプ大統領はホワイトハウスで記者団に対し、新たな政府機関の閉鎖あるいは国家非常事態の宣言によって壁建設費用の要求は続けると表明した。

                         「強力な壁ないしは鉄柵を建設する以外に選択肢はない」と発言。「議会と公平な取引ができない場合、政府は2月15日に再び閉鎖するか、あるいはこの緊急事態に対応するため、私は法律と米国憲法で与えられた権力を行使する」と述べた。

                         ペロシ下院議長は記者団に対し、両院の合同委員会が「わが国の国境警備で何が最善の措置かについて、各人の見解を聞き出す」とコメント。シューマー上院院内総務は「双方に納得がいく」合意に向け取り組むと語った。』

                         

                         

                         上記の記事は、トランプ大統領が公約に掲げていたメキシコ国境に壁を作る建設費を巡る対立で、連邦予算が一部失効したことに伴い、米国政府機関の一部が閉鎖に追い込まれていたニュースの続報です。

                         

                         クリントン政権のときにも政府機関の閉鎖という出来事はありましたが、当時の記録は21日間です。トランプ大統領の政府機関閉鎖は2018年12月22日からですので、それを塗り替えて過去最長となりました。

                         

                         閉鎖対象となったのは、政府の経常的経費のうち、議会の承認が得られていない1/4に相当する業務が対象で、12/22以降約80万人の職員が自宅待機もしくは給料なしで無給で働かざるを得ない状況となっていました。

                         

                         今回のニュースのとおり、民主党に屈する形で閉鎖解除になりますが、トランプ大統領の態度はすごいとしか言いようがありません。歴史上最長で政府を動かない状態にして、「何があっても予算を通して壁を作るぞ!」という意気込みは私には十分に伝わりました。大統領になったときの公約だからとはいえ、トランプ大統領の決意の表れであるともいえます。

                         

                         その一方で、政府機関閉鎖によって、職員が無給勤務を強いられ、行政サービスの手続きができなくなっている状況が続いていました。これがいつまでも続けば、影響は大きく、米国の国家が一部麻痺していたという状況でした。

                         

                         米国内の政府機能がいつまでも動かない状態が続けば、新たな金融危機を誘発するリスクがあると言われていたため、とりあえずはホッとした金融関係者も多いでしょう。

                         

                         特に米国の財務省が、債務条件を引き上げられないとデフォルトを引き起こしてしまいます。米国政府がお金を借りられないとなれば、債務不履行となって新たな金融危機を誘発することは間違いないとみられていました。

                         

                         オバマ政権のときにも財政の壁というのがありましたが、その頃よりも米国の財政は悪化しており、こうしたニュースも金融危機の火種の一つとなっていたのです。

                         

                         そもそもトランプ大統領の迷走そのものが、世界経済のリスクになると言われていたりもするわけで、2018年度の年末の時点で、メキシコ国境の壁を巡って、トランプ大統領がここまで引き延ばすとは、誰も予想できなかったのではないでしょうか?

                         

                         2019年度に入り、今年は日米通商交渉の協議の開始も控えています。貿易協議の開始は、当初よりも遅れるとの見方があるようですが、トランプ政権の迷走は続いているといえるかもしれません。

                         

                         これまで米国経済は、ずっと好調と伝えられてきましたが、米国国内のものがうまくいかないとなれば、世界的な影響も大きいでしょう。

                         

                         特に日米通商交渉では、日本の自動車の関税を引き上げを主張してくることが予想されます。なぜならば中国も関税を引き上げているから、同じように日本の自動車の関税も引き上げるということになるからです。

                         

                         米国と中国の間で関税が低いのはけしからんということで関税を引き上げているわけですから、引き上げた関税の税率に合わせてくることは容易に予想されます。その力学で日本の関税も引き上げられるとすれば、輸出産業は大きな打撃を受けることになるでしょう。

                         

                         だからといって別のものを差し出す形で、関税の引き上げを止めたとなれば、日本の立場は、ますます弱くなります。輸出産業が打撃を受けるか?差し出した国内産業が打撃を受けるか?前も後ろも打撃を受ける形です。

                         

                         こうしたことを考えれば、消費増税はあり得ないという答えが当然の話になるはずです。

                         

                         日本にとって、このニュースは全くいいことはありません。トランプ大統領にしてみれば、自分は強いということを海外に求めてくるでしょう。対日貿易赤字は、日本が米国に対して日本のデフレ不況を輸出し、米国にしてみれば、日本が米国からお金を盗んでいるということでもあるため、対日貿易赤字削減のために、あらゆる手段を使って強硬に迫ってくることが予想されるのです。

                         

                         これに対抗するためにはどうすべきか?といえば、内需拡大です。「国債増刷」+「内需拡大」で日本の景気が良くなれば、米国製品を買うだけの購買力も増加します。そのことによって米国からの輸入が増えていけば、対日貿易赤字は減少していきますので、通商政策で強硬に迫られるリスクも軽減されるのでは?と考えます。

                         

                         

                         というわけで今日は「米国政府機関の閉鎖について」と題して論説しました。

                         日本は人口減少するから輸出で稼がなければならないという言説も、よくある言説ですがこれは間違い。輸出は本来は自国の不況を輸出することと同じです。なぜならば日本の自動車輸出で米国の関税が低いままだと、日本の自動車輸出によって、米国国内の自動車メーカーが打撃を受けるからです。これは絶対に貿易摩擦に発展し、場合によっては戦争にまで発展します。

                         日本が米国への自動車輸出をたくさん増やせば、米国の雇用を奪い、米国の賃金下落を招きます。日本の国内需要の買換えだけでも本来ならば、数千億円規模であるため、安い軽自動車ではなく乗用車が買えるように、デフレ脱却を急ぐことに加え、燃料電池自動車推進のために、政府支出で購入費用の補てんや、JXホールディングス、岩谷産業など、水素ステーションの設置費用を補助するなどすれば、政府支出需要によって経済成長できます。

                         貿易摩擦問題を解消するためにも、安倍政権には一刻も早く内需主導の経済政策に転換していただきたいと私は思うのです。

                         

                         

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                        グローバル輸出で稼ぐというのは、自国の繁栄を他国の犠牲の上に作るエゴむき出し政策です!

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                        覇権挑戦国に伸し上がろうとする中国をつぶそうとしている米国

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                           今日は「覇権挑戦国に伸し上がろうとする中国をつぶそうとしている米国」と題して論説します。

                           

                           2018年3月に、トランプ政権が米国に輸入される鉄鋼に一律25%、アルミニウムに一律10%の関税を課すという輸入制限を発動させてから、米中貿易戦争が一気に注目を集めるようになりました。

                           

                           この段階では、日本製品を含めて一律に関税を課すということでしたが、4/16には中国通信機器大手のZTEがイラン、北朝鮮へ通信機器を違法に輸出していたとして、米国企業による製品販売を7年間禁止すると発表し、明らかに中国を狙い撃ちした経済制裁が始まって、貿易戦争が一気に加速しました。

                           

                           日本のマスコミも「米中貿易戦争」と題して、こうした米中激突の状況を経済戦争と捉えて連日報道しています。

                           

                           そうした報道の中で、中国に勝ち目があるか否か?あるいは米国の貿易戦争は意味がないであるなど、様々な論説が飛び交っていますが、米国がやろうとしていることは、そうした単なる貿易問題の話ではなく、もっと大きなパラダイムシフトが起きようとしていると考えるべきです。

                           

                           いわば第二次世界大戦が終わり、米ソ間で鉄のカーテンが轢かれて冷戦が始まった時点であるとか、東西ドイツのベルリンの壁崩壊であるとか、1991年末のソビエト連邦崩壊であるなど、そのくらいのインパクトのパラダイムシフトが起きようとしていると考えられるのです。

                           

                           そうした意味では、貿易の問題だけではないため、「米中貿易戦争」という表現は、誤解を招くといえます。

                           

                           今年の10月に米国のミサイル駆逐艦「ディケーター」が南シナ海を航行中、中国の軍艦が接近するという事件も発生しております。

                           

                           ブルームバーグの記事をご紹介します。

                          『ブルームバーグ 2018/10/02 13:59 中国、南シナ海航行の米駆逐艦追い出す−米中の緊張浮き彫りに

                           中国が南シナ海で実効支配する人工島に接近した米駆逐艦を中国側が追い出した。中国国防省が2日発表した。貿易摩擦が激しさを増す中で、米中両国の緊張が浮き彫りとなっている。

                           同省は声明で「米海軍のミサイル駆逐艦『ディケーター』が南シナ海の人工礁近くの海域に入ってきた」と説明。警告を発した上で、米駆逐艦を追い出したという。

                           米太平洋艦隊のティム・ゴーマン報道官は電子メールで、ディケーターが9月30日午前に南シナ海のガベン礁の近くを航行中に、中国の駆逐艦が「危険かつプロフェッショナルではない操縦で接近してきた」ことを明らかにした。

                           中国の駆逐艦はディケーターに海域から出るよう警告するたびに操縦が攻撃的になったと同報道官は説明。「ディケーターの艦首まで45ヤード(約41メートル)以内まで近づいてきたため、ディケーターは衝突を避けるための行動を取った」と記した。

                           中国政府は先月、米軍艦の香港寄港要請を拒否。中国の海軍幹部も米国側とのハイレベル協議を取りやめていた。』

                           

                          <米国のミサイル駆逐艦”ディケーター”>

                          (出典:ブルームバーグ紙)

                           

                           米国には国是としてFON(Free of navigeter:航行の自由)という極めて重要な概念があります。

                           

                           このブルームバーグの記事は、南シナ海で勝手に基地を作り、航行の自由を妨げる中国に対して、FONをかざす米国が駆逐艦で就航しているところ、中国の艦船が急接近したという事件です。

                           

                           こうした記事をみても理解できると思いますが、米国は中国との間で、事実上の戦争が始まっている状態と認識していることの証左といえるでしょう。

                           

                           南シナ海で中国が埋め立てた上に基地を作ったいわゆるスプラットリー諸島問題は、そもそも国連海洋法条約121条1項に定められる島の定義に該当しません。日本の沖ノ鳥島は国際法上の島の定義に該当しますが、スプラットリー諸島は島ではありません。そのためEEZ(排他的経済水域)ですら、中国は主張することができません。

                           

                           米国のFONは国是であるため、今後はこうした艦船の接近事件という白黒ではなくグレーな事件は多発するかもしれません。そして、方向的にはグレーが白に戻ることはなく、必ず黒に向かっていくのが過去の歴史です。

                           

                           この背景には2つ理由があると考えられます。

                           

                           一つ目は1992年にソ連が崩壊して以降、米国が覇権国として主導してきたグローバリズムによって、覇権国に対する挑戦国を新たに生み出すという歴史です。

                           

                           第一次グローバリズムは英国が覇権国で、英国が自由貿易を推進する反対側で、自国市場は保護して技術開発・設備投資を行って経済力を強化し、急激に経済力が伸びて英国の挑戦国になったのがドイツです。経済力が拮抗もしくはドイツが経済力を上回った瞬間に1914年の第一次世界大戦が勃発しました。

                           

                           これを米中に照らし合わせてみるとどうでしょうか?

                           

                           米国が自由貿易を推進する反対側で、中国は自国市場を保護して技術供与を強要し、中国人労働者を受け入れろ!とやる一方で中国は労働者を受け入れず、中国人に日本や米国の土地を買わせろ!とやる一方で、中国の土地は日本や米国には買わせないという保護主義を取りながら経済成長して伸し上がってきました。いわば中国が米国の覇権国になったこということが1点目です。

                           

                           二つ目として、世界には2種類の国しかないということです。

                          <封建領主国(封建制度を経験している国)>

                           封建制度を経験し、議会制民主主義と資本主義を発展させた西洋と日本とその後継国が該当します。米国は英国の後継国であり、カナダもオーストラリアも同様です。西側先進諸国は100%封建制度を経験しています。

                           米国は封建制度の経験はありませんが、英国内で進化した議会制民主主義を受け入れた人々が米国に渡りました。そういう意味で米国は英国の後継国といえます。

                           欧州では中世において封建制度を経験しています。

                           

                          <独裁帝国(封建制度を経験していない国)>

                           言論統制し、多民族、多言語、多宗教国家であることが特徴的です。それを皇帝という絶対権力者がいて、その皇帝が独裁政治をやります。

                           そうしないと国家としてまとめられないからなのですが、そうした歴史を積み重ねてきた国が独裁帝国です。

                           

                           前者の封建領主国とは、封建制度を経験して議会制民主主義と資本主義を発展させた西洋と日本とその後継国が該当します。米国は封建制度を経験していませんが、英国の進化した議会制民主主義を受け入れた人々が米国に渡ったため、英国の後継国といえます。

                           

                           後者の独裁帝国は、言論統制し、多民族・多言語・多宗教国家で、そこに皇帝という絶対権力者が存在し、その皇帝が独裁政治を行うというのが独裁帝国です。良くも悪くも独裁国家とは皇帝がいないと国がまとまりません。

                           

                           中国VS米国&欧州&日本という独裁帝国VS民主国家という構図であり、これは数年で終わるはずがありません。貿易戦争というのは、そうした意味で矮小し過ぎといえます。

                           

                           そして中国という国の最大の問題は、今まで民主主義を経験できなかったことに尽きます。

                           

                           なぜ中国が民主主義を経験できなかったか?理由は、封建制度で権力が分散しますと国王が持っていた絶対権力が各封建領主国に分散してしまい、国家としてまとまらなくなってしまうからです。

                           

                           第一次世界大戦の構図の英国VSドイツでは、ドイツについてナチスのことを独裁国家と呼ぶことが多いです。とはいえナチスドイツはドイツ民族とナチス党が一体化しており、ナチスが一党独裁であっても、中国のように国家の上に中国共産党が存在するという形ではなく、あくまでもナチスは同一民族の一体化という位置づけでした。

                           

                           中国共産党は中華人民共和国の上に立つため、一帯一路政策などを通じて他国を中国共産党の支配下に置くことができてしまうのです。

                           

                           そうした意味で、これまでの覇権国VS覇権挑戦国という構図でも、民主国家VS独裁帝国という新しい構図で激突しているという点で、大きなパラダイムシフトが起きようとしていると捉えることができるでしょう。

                           

                           

                           というわけで今日は「覇権挑戦国に伸し上がろうとする中国をつぶそうとしている米国」と題して論説しました。

                           

                           

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                          「中国は経済成長すれば、やがて中国人民が豊かになって民主化する」という言説と「沖縄はもともと中国の領土だ」という言説の真偽

                          中国Huawei・ZTE問題と、国家安全保障にかかわる次世代通信システム5Gサービスについて

                          米国による同盟国への中国ファーウェイ製品の使用中止要請について

                          中国の一帯一路の被害国を増やすことに手を貸す日本企業と、中国とのプロジェクトを決別宣言したマレーシア

                          中国の公平でないグローバリズムに強硬な姿勢をとる米国と、製造2025をビジネスチャンスと考えるアホな国

                          中国のAIIBと一帯一路に手を貸す銀行・企業は、中国の侵略に手を貸すのと同じです! 


                          米国債残高1位の中国は米国債売却で反撃するという言説について

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                             米中貿易戦争について、有識者と呼ばれる人の中には、米国が中国に勝てるわけがないと主張する人がいます。なぜならば、いざとなれば米国債残高の保有が1位の中国が、大量の米国債を売ってくるからだと。

                             この言説は本当でしょうか?というよりも明らかに馬鹿げた話であることをご説明したく、今日は「米国債残高1位の中国は米国債売却で反撃するという言説について」と題し、金融面から米中貿易戦争を論じたいと思います。

                             

                             下記は今年秋口の2018/09/19のロイター通信の記事です。

                            『ロイター通信 2018/09/19 10:42 中国の米国債売却はあるか、貿易摩擦激化で再び注目

                             [ロンドン 18日 ロイター] - 米中両国が過去15年間築いてきた経済・金融関係において確固として変わらなかった要素が1つある。それは中国が保有する膨大な米国債を決して売らないという想定だ。

                             米国債の売却は、両国にとって金銭的な打撃をもたらし、金融面以外でも非常に深刻な影響を受けるとみられるため、単純に発生しないという理屈になる。これを無視すれば、冷戦期の軍事理論「相互確証破壊(核戦争をすれば共倒れになること)」に経済的な超大国同士が踏み込んでしまう。

                             だが米中の貿易摩擦が激化していることから、全く現実味がないとは言い切れないのではないか。

                             近年、とりわけ中国経済の落ち込みが国際金融市場を動揺させ、結局人民元の約2.5%切り下げにつながった2015年8月以降は、中国による米国債売却は一度な米国でグーグルのニュース検索における「中国 米国債」というワード、あるいはウェブ検索での「中国 売却 米国債」というワードは今や、15年8月以降で順位が最も高くなっている。 らず市場に浮上してきたシナリオだ。

                             米国でグーグルのニュース検索における「中国 米国債」というワード、あるいはウェブ検索での「中国 売却 米国債」というワードは今や、15年8月以降で順位が最も高くなっている。

                             少なくとも米国の一般社会では、中国の米国債売却が再び視野に入ってきている。そしてもし貿易摩擦がさらにエスカレートすれば、米国債市場のレーダーに投影される日も遠くないだろう。

                             トランプ政権は24日から、新たに2000億ドル相当の中国製品に10%の追加関税をかけると表明。中国もすぐに600億ドルの米製品に報復関税を課した。

                             しかし中国側が標的にできる米製品の範囲は相対的に小さい。だから為替レートを対抗手段として利用し、3月以降で10%下がってきた人民元の対ドル相場がさらに大きく下落するのを容認するかもしれない。

                             もっとも人民元安が進んだのは米中が関税をかけ合う前で、中国政府はその後、貿易面の痛手を相殺するために通貨切り下げはしないと約束している。つまり中国が今後人民元の下げ圧力に抵抗したいと望むなら、ともかく保有米国債の一部を売らざるを得ないだろう。

                             そこで登場するのは3兆1100億ドルに上る外貨準備資産で、このうち1兆1800億ドルを米国債が占める。中国とすれば、米国債の購入を縮小ないし停止するか、一層踏み込んで売り切ることができる。 』

                             

                             米国が仕掛ける貿易戦争に対して、中国が米国債を大量に売り込んでくるリスクについてロイター通信が報じています。日本のマスメディアもそうですが、海外のマスメディアでさえ、この程度のレベルと言わざるを得ません。

                             

                             そもそも米国債を大量に売却してきたら、FRBが買い取ればいいだけの話です。これは日本における政府の借金問題と同じです。

                             

                             日本の国債の場合、1000兆円のうち数%を海外の投資家が保有しています。とはいえ、海外投資家が保有する国債は100%円建てであるため、何ら問題ありません。

                             

                             仮に海外の投資家が日本国債を売却したとして、日本円は日本国内でしか使えないため、ドルやユーロなどの他のハードカレンシーに交換します。その交換する先は銀行です。邦銀あるいは日本で免許を持つ銀行が投資家が日本の円建て国債売却代金の日本円を例えば米ドルに交換したとしましょう。

                             

                             邦銀や日本で免許を持つ銀行は円を手に入れることになります。円は日本国内でしか使えないため、インフレで企業の設備投資需要があれば貸付金になるでしょうが、デフレで資金需要が乏しい場合は、結局日本の円建て国債を買わざるを得ません。なぜならば銀行にとって預金は負債勘定だからです。日本円を借りてくれる人がいないから、民間の資金需要がないから、銀行は日本国債を買わざるを得ず、債券価格は上昇し、金利はゼロに限りなく近づくという状況が発生します。

                             

                             もしインフレになって資金需要が増え、銀行が国債売却して国債価格が下落して金利が上昇した場合は、日銀が買い取れば国債暴落・金利急騰は防げるため、日本国債については大量売却とか、大量の空売りとか、何ら心配は不要です。

                             

                             では米国債を中国が大量に売ってくるというのは、どう考えるべきでしょうか?

                             

                             米国債も同様で、中国が大量に売ってくることがあれば、FRBが買い取ればいいだけの話。それだけにと止まらず米国政府は2つの権利を持っています。

                             

                             一つはIEEPAと呼ばれる法律で「INTERNATIONAL EMERGENCY ECONOMIC POWERS ACT」の略です。この法律は、国際緊急経済権限法といって、安全保障上、重大な脅威がある場合、大統領の権限で金融制裁できるという法律です。

                             

                             二つ目は「USA Patriot Act」と呼ばれる法律で、米国愛国者法と呼ばれ、2001年10月26日に制定されました。2015年に「USA Freedom Act」に名称変更されましたが、この法律は、安全保障上の脅威に対して、資産を凍結・没収できるという法律で米国債も対象になります。

                             

                             米国には、この2つの法律があるため、ボタンを押すだけで中国が保有する米国債を没収することができます。米国債は券面で交付しているのではなく、電子登録でデジタルに米国が管理しているだけですので、一瞬にして簡単に没収することができるのです。

                             

                             日本には、国債保有者が安全保障上の脅威という理由で日本政府や日本銀行などが帳消しにするという法律は存在しませんが、米国には上述の法律が存在します。

                             

                             もし米国がこれを行使すれば、中国の信用は一気になくなり、中国経済は崩壊するでしょう。

                             

                             仮に米国の2つの権利が行使されなかったとしても、米国債の大量売却で、FRBが買い取らずそのまま価格が下落したとして、大量の評価損を抱えることになる米国債を保有している中国は大損します。

                             

                             結局、中国が大量に米国債を売却すれば、損するのは中国です。

                             

                             米中貿易戦争では、中国側に金融面で報復する武器があり得るようにみえます。米国債残高を大量保有する中国が有利に見えます。何しろ大量に米国に貸しつけているのと同じだからということなわけですが、そもそも米国には「IEEPA」と「USA Freedom Act」という法律があることを、そうした言説を放言する人らは知らないのでしょうか?

                             

                             はっきり申し上げますが、端から中国には勝ち目がないのです。

                             

                             ではなぜ「中国は大量に国債売却してくる!」という言説が出てくるのでしょうか?

                             

                             私が思うところ「中国は経済大国日本をあっという間に抜くほどの大国である!」と持ち上げたい人が、「中国は大国だから米国も手こずるに違いない!米国が関税を引き上げても無駄だ!」という結論があり、その結論を後押しするために米国債大量保有の話を持ち出しているのではないか?ということです。

                             

                             こういう明らかに間違っている結論に対して、間違いと気付かずその結論の後押しとなることを付け加えて正当化しようとするのは、心理学でいう認知的不協和と呼ばれるものなのですが、歯に衣を着せずにいえば、頭が悪いとしか言いようがありません。

                             

                             認知的不協和に陥った中国礼讃の間抜けな有識者が、こうしたばかばかしいシナリオをテレビなどで論じているのです。

                             

                             

                             というわけで今日は「米国債残高1位の中国は米国債売却で反撃するという言説について」と題して論説しました。 


                            米中貿易戦争で中国は勝てません!

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                               今日は日本政府が通信機器で中国製品(Huawei・ZTEなど)の排除を要請したニュースを取り上げ、米中貿易戦争について論じたいと思います。

                               

                              1.日本政府が締め出しの対象とした14分野について

                              2.安全保障上の問題と米国が仕掛けた覇権挑戦国中国つぶし

                              3.圧倒的な内需国の米国と輸出依存国中国

                               

                               日本経済新聞の記事を取り上げた後、上記の順で論説します。

                               

                               

                               まずは日本経済新聞の記事を紹介します。 

                              『日本経済新聞 2018/12/13 通信機器調達、情報漏洩防止へ14分野に要請 政府、ファーウェイなど排除念頭  

                               政府は情報漏洩や機能停止の懸念がある情報通信機器を調達しないよう重要インフラを担う民間企業・団体に要請する。電力や水道、金融、情報通信、鉄道など14分野が対象。悪意のあるプログラムで社会機能が麻痺(まひ)するなど安全保障上の懸念があるためだ。米国が取引を禁じる中国通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)などが念頭にある。

                               政府は既に中央省庁の情報通信機器の調達に関して指針をまとめている。通信回線装置やサーバー、端末など9項目が対象。価格をもとに選んでいた調達先に関し、安全保障上の危険性を一段と考慮し、2019年4月以降の調達に適用する。これを踏まえ、19年1月から民間事業者にも調達しないよう求める。

                               ファーウェイのほか、中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)の通信機器などが事実上、排除される見通しだ。

                              米政府はファーウェイ製品などを経由して軍事情報が盗み出されていると分析し、8月に成立した19年度国防権限法(NDAA2019)で政府機関での製品使用などを禁じる方針。日本側が新指針を策定したのも、こうした米国の動きを踏まえたものだ。

                               今回、政府がこうした通信機器のリスク排除を民間にも広げるのは重要インフラ業者のシステムが脅威にさらされたときの被害規模が大きいため。電力会社のシステムが悪意のあるプログラムにより停止すれば電力供給が滞り経済活動が止まりかねない。鉄道や航空といった交通網や医療機関が混乱すれば国民生活に甚大な影響を与える。

                               政府は来年1月にサイバーセキュリティ戦略本部(本部長・菅義偉官房長官)のもとで民間の重要インフラ業者らを集めた「重要インフラ専門調査会」を開く。電気事業連合会や日本水道協会、銀行、証券、保険各業界などの代表者に新指針の内容を説明し、安保上の危険性がある通信機器を調達しないよう求める。

                               ただ、政府が民間企業の調達先を指示したりすれば、過剰な民間介入と指摘されかねない。政府は重要インフラに対してあくまでも協力の要請や注意喚起という形式をとることで、取引停止などを強制するものではないとの立場をとる。

                               企業側も動き出している。ファーウェイなど中国製をサービスや業務で利用している日本企業は他社製品への交換を検討し始めた。

                               ソフトバンクは現行の通信規格「4G」の基地局にファーウェイとZTEを採用している。17年度に調達したファーウェイの基地局は6割近いものの、次世代規格「5G」の基地局には中国製を採用しない方針だ。顧客離れを防ぐため4Gについても抜本的な見直しを迫られる可能性がある。

                               ある物流企業では外勤の営業職などにファーウェイとZTEのモバイルルーターを貸与している。他社製品への切り替えも視野に入れ、レンタル元の大手通信キャリアと議論を始めた。

                               大手化学メーカーもファーウェイ製のモバイルルーターを使っている。ファーウェイ幹部の逮捕(その後、保釈)を受け、供給元であるプロバイダーの担当者から安全対策上の問題がないとの説明があったという。

                               重要インフラ業者にはより高水準の安全対策が必要だ。電力卸売大手のJパワーは発電所の運用状況をやりとりする通信設備を備えるが、ファーウェイやZTEの製品・サービスは使用していないという。』

                               

                               

                               

                              1.日本政府が締め出しの対象とした14分野について

                               

                               上記の記事の通り、日本政府がついにHuaweiとZTEの締め出しに動き出しました。日本政府が掲げた14分野と対象のシステム例は下表の通りです。

                               

                              <重要インフラ14分野の対象のシステム例>

                              情報通信 ネットワーク、編成・運行
                              金融 勘定系システム、資金証券系システム、国際系システム
                              航空 運行、予約・搭乗、整備
                              空港 警戒警備・監視
                              鉄道 列車運行管理、電力管理
                              電力 電力制御、スマートメーター
                              ガス プラント制御、遠隔監視・制御
                              行政 地方自治体の情報
                              医療 診療記録などの管理
                              水道 水道施設や水道水の監視
                              物流 集配管理、貨物追跡、倉庫管理
                              化学 プラント制御
                              クレジット クレジットカード決済
                              石油 受発注、生産管理、生産出荷

                               

                               政府は上記14分野の重要インフラを担う民間企業・団体に対して、情報漏洩や機能停止懸念がある情報通信機器を調達しないよう要請しました。

                               

                               悪意あるプログラムで社会機能がマヒするなど、安全保障上の懸念があるため、米国が取引を禁ずる通信機器大手のHuaweiが念頭にあるほか、ZTE(中興通訊)も事実上排除されることになります。

                               

                               記事にもありますが、政府が民間企業に調達先を指示すれば、過剰な民間介入と指摘されかねないという見方を報じています。米国ではHuaweiとZTEの排除の動きを、同盟国中心に世界的に広げてきました。

                               

                               今回の中国製品排除について、Huaweiが中国共産党と結びつきが強い点からも、日本政府の対応は適切であると考えます。疑わしきは罰せずというのならば、排除には議論の余地があるかもしれません。とはいえ、今の状況は目の前の饅頭の中に毒が入っているかもしれないというやつを食べる奴はバカという話であり、同様にHuaweiの機器を使わなければならない必然的な理由がなければ、危ないものは使わない方が得策であるに決まっています。

                               

                               以前、韓国のサムスン電子製のギャラクシーノートPCのリコール問題で、国交省が機内持ち込み全面禁止としていますが、これも米国運輸省に追随する形で禁止しました。

                               

                               危ないものは、どれだけ安くても使わないのは当たり前です。安い部品を調達したい動機があるとすれば、原価を抑えて低価格にすることで、高価格製品と価格競争力でシェアを奪っていくというだけの話。そうした業者は当然規制すべきであり、規制をしないで自由市場に任せれば淘汰される的な、いわばレッセフェール(自由放任主義)を礼讃するような言説は、咎められるべきです。

                               

                               私からみれば「見えざる手」でダイナミックな自由市場に任せれば、自然淘汰されていくなどというのは寝言に等しいです。デフレ脱却ができずにいるのは、こうしたコピー紛いの粗悪な製品を安く輸入することを放置しているからです。

                               

                               

                               

                              2.安全保障上の問題と米国が仕掛けた覇権挑戦国中国つぶし

                               

                               マクロ経済への影響もさることながら、安全保障面においても、今回の政府の対応はポジティブに考えるべきです。何しろHuawei自身は中国共産党と資本関係があります。にもかかわらず、原価を安くすれば自社が儲かるからという理由で、日本製の電子部品を使わず、HuaweiやZTEが製造する通信機器を唯々諾々と使い続けるのは、国家として問題があるといえます。

                               

                               100%黒であることを証明しなければ規制すべきでないという意見もあるかもしれません。しかしながら中国が製造2025を打ち出し、半導体製造など中国国内で国産化するために不当に技術移転を行い、軍事力を増強しつつ経済で金融も含めて発展途上国を中心に高利でお金を貸し込んで返せなくなると長期間租借の契約を締結するという由々しき事件を引き起こしています。

                               

                               スリランカのハンバントタ港にしろ、ギリシャのピリウス港にしろ、港を整備するのに中国がスリランカやギリシャにお金を高利で貸し込み、返せなくなると長期間租借契約して中国軍が拠点にするなど、軍事目的・軍事拡大を狙って、その一環で通信機器を世界中に販売しているのです。

                               

                               米国のピーターナヴァロ氏がこれを指摘し、トランプ大統領も賛同して中国製品排除の動きに乗り出しました。

                               

                               これをマスコミは米中貿易戦争といってますが、上述の安全保障上の問題のみならず、覇権国米国の挑戦国として伸し上がろうとする中国つぶしの動きともいえます。米中貿易戦争とやらは、単なる貿易問題ではなく、大きなパラダイムシフトが起きている中での一つの事件とみるべきです。

                               

                               

                               

                              3.圧倒的な内需国の米国と輸出依存国中国

                               

                               一部の評論家の間では、米国は中国に勝てないなどと論説する人がいますが、果たしてそうでしょうか?

                               

                              <米中間における貿易構造(2017年)>

                              (出典:三井住友銀行のアナリストレポートの中国国家統計局から作成した資料を引用) 

                               

                               

                               上記は、米中間の貿易構造を示した資料なのですが、米国側から見た場合、米国から中国への輸出額は1,304億ドルであるのに対し、米国の中国からの輸入額は5,056億ドルです。

                               

                               米国が中国から輸入する品目上位には、電気機器や機械類関連といった品目がありますが、これらは別に中国の部品を使わなければならないというわけではありません。おそらく企業がコストの安い中国製品(HuaweiやZTEなど)を単に輸入しているだけです。上位品目は‥典さヾ1,470億ドル、機械類1,096億ドルと、両品目それぞれで米国→中国の輸出額1,304億ドル近くに匹敵します。

                               

                               関税を引き上げ合う貿易戦争となった場合、外需依存国は弱い一方、内需国は関税引き上げがあっても影響が小さい。こうしたグラフをみれば、米国は相対的に中国の需要に依存しておらず、中国は米国の需要に依存しているということは明らかです。

                               

                               米国が中国から輸入している品目上位についていえば、‥典さヽ1,470億ドルも、機械類1,096億ドルも、コストが安いということで米国企業が調達先を中国にしているだけです。中国製品でなければいけないという理由は、ほとんどないでしょう。何しろ米国は先進国です。いざとなれば自分たちで作ることは可能でしょう。

                               

                               こうした資料をみれば、輸出依存・外需依存国がいかにみじめなことになるか?ご理解いただけるのではないでしょうか?米国は完全に中国をつぶしにきたといえます。米国の同盟国の日本でさえ、中国へ輸出ができなくなったというわけです。

                               

                               よく日本では、国内が経済成長できないからこそ海外で稼がなければ・・・という言説があるわけですが、海外輸出に依存するということは、その輸出先の国の主権一つで需要がシャットされてしまうリスクがあるということが、反面教師で理解できるのではないでしょうか?

                               

                               

                               というわけで今日は「米中貿易戦争で中国は勝てません!」と題して論説しました。

                               米国の同盟国以外のイランなどに輸出を続ければ、米国はさらなる制裁を強めることでしょう。米中貿易戦争の勝ち負けは目に見えて明らかで、中国が苦しくなるわけですが、そこで日本に擦り寄ってきたところに、経団連を中心とする日本企業は「ビジネスチャンス!」といって飛びついているわけで、空気が読めていないことの証左です。

                               私はアンフェアなチャイナグローバリズムは認めることができませんし、何しろ中国共産党が利する状況は日本の国益にならないだけでなく、他の発展途上国が中国に騙されて掠め取られる被害を回避する意味でも、今回の日本政府の中国製品排除は大いに評価したいと思うのであります。

                               

                               

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                                 皆様はHuawei(華為=ファーウェイ:以下「ファーウェイ」)という会社をご存知でしょうか?

                                 

                                 日本でも新宿東口のビックロ(ビックカメラとユニクロの融合店)などでは、エスカレーターにファーウェイの広告があったり、タブレットでいえば、富士通のArrowsなど日本勢よりもはるかに価格で格安なタブレットを販売。長期にわたってデフレが放置されていることもあって、消費者が安いものを求めて中国製のファーウェイを買うという日本の縮図が、そこにはあります。

                                 

                                 そのファーウェイのCFO(最高財務責任者)兼副会長の孟晩舟(モンワンジョウ)が、カナダで逮捕されました。今日はこのニュースについて論説します。

                                 

                                 下記はブルームバーグの記事です。

                                『ブルームバーグ 2018/12/06 16:34 華為CFOをカナダで逮捕、米国が引き渡し求める−中国は抗議

                                 中国のスマートフォンメーカー、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)の孟晩舟最高財務責任者(CFO)兼副会長が米国の対イラン制裁に違反した疑いでカナダで逮捕された。中国側は激しく反発しており、重要な局面に入ったばかりの米中通商協議が一段と複雑になる可能性がある。

                                 華為創業者の娘である孟CFOは12月1日にバンクーバーで逮捕され、米国から身柄の引き渡しを求められている。カナダ司法省のイアン・マクラウド報道官が5日の声明で発表した。米司法省は4月、対イラン輸出に対する米国の制裁にもかかわらず、華為がイランに製品を販売したかどうかについて捜査に着手していた。

                                 孟CFOの逮捕後、在カナダ中国大使館は直ちに抗議し、米国とカナダが「不正行為を是正」し、同CFOを釈放するよう求めた。米中は数日前に貿易戦争の「休戦」で合意したばかりで、今回の逮捕は両国間の緊張を高める公算が大きい。同CFOの逮捕についてはカナダ紙グローブ・アンド・メールが先に報じていた。

                                 米司法省は逮捕についてコメントを控えた。カナダ政府へも問い合わせたが、トルドー首相の報道官は同国司法省に質問をするよう求めた。

                                 華為は文書で、逮捕は米国の要請に基づくもので孟CFOは米国に送還され「詳細不明」の罪状で訴追される可能性があると説明。その上で、孟CFOの容疑に関してほとんど情報を提供されておらず、同CFOによる不正行為を認識していないとし、華為は「カナダと米国の法律制度が最終的に正しい結論に達すると考えている」と主張した。

                                 米商務省は今年、イランと北朝鮮への不正輸出を巡る以前の制裁措置に絡んだ合意条件に違反したとし、中国の中興通訊(ZTE)に制裁を発動。罰金支払いや経営陣刷新などの米国が示した条件をZTEが受け入れ制裁は解除されたが、同社は事業停止の瀬戸際に追い込まれた。

                                 米上院のクリス・バンホーレン議員(民主、メリーランド州)は5日夜、華為とZTEは「米国の国家安全保障に対する根本的なリスクとなり得る中国の通信機器会社という同じコインの裏表」だとの声明を発表。「今回のニュースは商務省がZTEに焦点を絞っている間、華為も米国の法律に抵触していたことを裏付けている」とコメントした。』

                                 

                                 なぜファーウェイの幹部の孟CFOが逮捕されたか?理由はイラン制裁違反といわれています。イランはオバマ政権時の2015年に米国政府が欧州・ロシア、中国とともにまとめた核合意を締結していました。

                                 

                                 米国は核開発だけでなく、弾道ミサイル開発の中止を含む合意をイランに受け入れようとして、トランプ大統領は今年11月にイラン核合意から離脱し、経済制裁を全面再開しました。この制裁の内容は、原油や金融取引を制限する厳しい内容なのですが、当時の核合意だけでは、弾道ミサイル開発を黙認しているということで、トランプ大統領は合意破棄に至ったとされています。

                                 

                                 ファーウェイの話に戻しまして、孟容疑者はどんな人なのか?といえば、ファーウェイの創業者の娘で、ファーウェイの創業者の任正非(レンツェンフェイ)は中国人民軍の出身です。

                                 

                                 任正非は、中国人民軍からお金を集めてファーウェイを設立したといわれており、ファーウェイは中国人民軍に実質的に支配され、イランへの製品供給を指揮していたのでは?という疑義があるのです。

                                 

                                 米下院の情報特別会員は2012年10月8日、中国通信大手のファーウェイ、ZTE(中興通訊)の通信インフラ向け機器やサービスは、安全保障上のリスクがあるとして、米国政府に対して両製品を排除するよう求める報告書を提出しました。このときの報告書では、米国政府だけでなく米国企業に対しても、両社製品を使わないよう推奨し、両社による米国企業の合併・買収を阻止するよう求めていました。

                                 

                                 米国企業から企業秘密などの極秘データを積極的に盗むことで知られる米国政府と密接な関係にある企業の製品で通信ネットワークを構築することは、スパイ活動や米国の通信ネットワークの破壊の恐れを高めるとし、徹底した排除を求めたのです。

                                 

                                 米国の商務省は2016年、シリアやイランや北朝鮮などの国々に米国の技術を流していないか?情報提供を求める行政召喚状というものを送付していました。

                                 

                                 こうした状況下で、2018年4月にZTEに対して、イランに通信機器を売っていたということで、イラン制裁破りを理由に強い規制をかけました。

                                 

                                 その規制の内容は、米国企業が作る製品・技術をZTEに売ってはいけないという規制で、この規制によってZTEは生産が2カ月以上も止まり、当時は米中貿易戦争の一環としてマスコミでも大きく報道されました。

                                 

                                 2018年7月に習近平国家主席とトランプ大統領で合意がなされ、ZTEへの制裁は解除されたのですが、解除の条件は相当に厳しい条件でした。

                                 

                                 その条件とは、取締役全員を解雇して入れ替えたうえで、リスク管理責任者をZTE社内に置き、10億ドルの罰金支払いと、4億ドルのエスクロー(預託金)を払うことで制裁解除するというものだったのです。

                                 

                                 この状況下にありながらの今回のファーウェイ幹部の孟CFOの逮捕ということで、2016年以降イランに対して技術流出をしないよう要請していたにもかかわらず、2018年4月以降もこうした行為が継続していたことが米国政府に認定されれば、ファーウェイに対して米国はさらに厳しい措置を下す可能性があるでしょう。

                                 

                                 

                                 ここでもう一つ朝日新聞の記事を紹介します。

                                『朝日新聞 2018/08/14 12:59 トランプ氏、国防権限法に署名 対中国強硬姿勢を鮮明に

                                 トランプ米大統領は13日、2019会計年度(18年10月〜19年9月)の国防予算の枠組みを決める総額約7160億ドル(約80兆円)の国防権限法に署名し、同法が成立した。同法は、米政府機関とその取引企業に対し、中国情報通信大手の華為技術(ファーウェイ)や中興通訊(ZTE)の機器を使うことを禁止するなど、対中強硬姿勢を鮮明にした。

                                 トランプ氏は13日、訪問先の米ニューヨーク州で演説し、「(オバマ前政権では)ひどい削減が続いたが、我々は今こそ米軍を再建する」と述べた。トランプ政権下の国防費は18会計年度の約7千億ドルに続き、増額となった。

                                 トランプ政権は17年12月に中国を「競争国」と規定する国家安全保障戦略を策定しており、今回の国防権限法でも貿易問題や南シナ海問題で中国への厳しい姿勢を際立たせた。中国情報通信大手の機器使用を禁じたほか、中国などへの技術流出を食い止めるため、海外企業の投資を審査する「対米外国投資委員会」(CFIUS)の権限を強める規定も盛り込んだ。多国間軍事演習である「環太平洋合同演習」(リムパック)については、中国が南シナ海の軍事拠点化をやめない限り、参加を禁じると明記した。

                                 一方、中国と対照的に、台湾との防衛協力を強化する方針を打ち出し、軍事演習の促進を盛り込んだ。3月に成立した台湾旅行法に基づき、米・台湾防衛当局者の相互訪問も明記した。

                                 中国外務省の陸慷報道局長は14日、国防権限法に「強烈な不満」を表明、「冷戦思考とゼロサムゲームの理念を捨て、正確かつ客観的に両国関係を扱うよう米国側に促す」とコメントを発表した。

                                 同法は中国と同じ「競争国」であるロシアにも厳しい姿勢を示した。16年の米大統領選干渉を念頭に、ロシアの「悪意のある作戦」への対抗戦略を構築する方針を明記した。また、トルコに対してはロシアから地対空ミサイル「S400」を輸入することを理由に、最新鋭戦闘機F35の納入を停止することを盛り込んだ。(ワシントン=園田耕司、青山直篤、北京=西村大輔)』

                                 

                                 上記記事にもあるように、今年2018年8月に、国防権限法という法律にトランプ大統領が署名しています。

                                 

                                 マスコミ報道では、トランプ大統領への言説が、批判的で米中貿易戦争も単なる貿易の話だけでないのですが、ことさら貿易の話だけを強調し、事実が歪曲されている感があります。とりわけ朝日新聞の記事の国防権限法とは、米上院のマルコルビオ氏ら無党派議員連合が作った法律とされています。

                                 

                                 即ちトランプ大統領のZTEへの米国企業への供給規制解除に対して、上院の無党派議員連合はもっと強固な対応をすべきと反対したわけです。

                                 

                                 さらに時事通信が2018/11/23に報じたのを本ブログでも取り上げておりますが、米国の同盟国に対して、ファーウェイとZTEを使用しないよう強く要請していました。今回の逮捕劇は、そのような状況下での逮捕です。

                                 

                                 同盟国でいえば、英国も秘密情報部のアレックス・ヤンガー長官が、次世代通信システムの5G導入にあたり、ファーウェイの参入は排除すべきであるとの考えを表明しています。

                                 

                                 ファーウェイはオーストラリアでも使用禁止になっており、ファーウェイの包囲網は米国の同盟国を中心に着実に進んでいるという状況です。

                                 

                                 同盟国らは次世代携帯電話規格の5Gに関して、携帯端末というより、通信機器の設備部分(基地局など)では、ファーウェイ、ZTEの製品は使わないと決めています。

                                 

                                 日本でも公的入札では、ファーウェイ、ZTE製品の排除をすることにしていますが、入札以外の部分で導入を予定している企業があり、今後そのことが大きな問題につながる可能性があります。

                                 

                                 現時点では、NTTドコモ、AUの2社は、ファーウェイ、ZTE以外のメーカーで、2019年から5Gサービスが開始できるよう実証実験を始めています。その一方でソフトバンクは、ファーウェイ、ZTEの端末で実証実験を行っており、2社のサービスを使わないと2019年に5Gサービスの開始が間に合わないとされています。

                                 

                                 

                                 というわけで今日は「中国Huawei・ZTE問題と、国家安全保障にかかわる次世代通信システム5Gサービスについて」と題し、ファーウェイの孟CFO兼副会長がカナダで逮捕されたニュースを紹介し、論説しました。

                                 ファーウェイ・ZTE包囲網は、トランプ大統領が暴走しているという日本のマスコミの論調が多いと思われるのですが、国防安全保障上の問題で、技術流出を企む中国に対する警告であり、米国の議会が率先してやっていることを私たちは理解する必要があります。

                                 仮に上述の背景を知らずに、ファーウェイ、ZTEの製品を使った携帯電話端末、タブレットを日本国内でビックカメラなどの量販店が販売していたとすれば、米国から厳しく通商問題で指摘されるかもしれません。

                                 仮想敵国の中国から部品供給をしなくてもいいようにするためには、日本製の電子部品会社から継続供給できるようにすればいいだけの話。そのためには日本の電子部品会社が存続しやすいようにデフレ脱却が急務。そしてそのデフレ脱却の手法は、輸出を増やすのではなく、国内需要シフトで十二分にできることであることを、改めて私たちは知る必要があるものと思うのです。

                                 

                                 

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                                緊縮財政ではなく積極財政の方向に進む米国とカナダ

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                                   今日は「緊縮財政ではなく積極財政の方向に進む米国とカナダ」と題して論説します。

                                   

                                   米国の中間選挙が終わり、上院は与党共和党が多数議席となり、下院は野党民主党が多数議席となりました。これでいわゆる”ねじれ状態”になったことになります。

                                   

                                   トランプ大統領は今後、議会を通さない通商政策を中心に先鋭化した対応をすることが予想されますが、そもそもトランプ大統領は、保守本流の共和党から大統領選挙に立候補した人物です。

                                   

                                   共和党は伝統的に緊縮財政なのですが、それに背を向け、財政赤字にこだわらないインフラ投資による財政支出拡大を目指していく一方、安倍政権は財務省の影響力が根強く、緊縮財政路線を廃棄できないでいます。

                                   

                                   米国であの共和党が、反緊縮に転換して1兆ドル(当時の為替換算で100兆円)のインフラ投資をやるとし、積極財政をやるだけでなく、減税もやるという方向に舵を切りました。

                                   

                                   EUでも反緊縮路線が広がってきています。

                                   

                                   1980年代からネオリベラリズム(=新自由主義)という潮流が始まりました。経済学者のミルトン・フリードマンが1976年にノーベル経済学賞を受賞します。私は個人的にミルトン・フリードマンを評価しません。なぜならば、彼は小さな政府を推奨したり、公的部門の民間開放を推奨したり、マネタリズムと呼ばれるマネーストックを操作するのにはマネタリーベースを増やすべきという考えを持ち込んだ人だからです。

                                   

                                   小さな政府、公的部門の民間開放といった政策は、米国レーガン大統領のレーガノミクス、英国サッチャー大統領のサッチャーリズム、行政改革を目的とするデビット・ロンギ政権のロジャーノミクスなど、1980年代に推奨・実行されてきた経済政策の一つです。いずれも公的部門の需要削減するという点が共通しています。公的部門でやっていたことを民間開放し、市場原理に委ねてインフレ率を抑制することが目的です。

                                   

                                   1976年にノーベル経済学賞を受賞したミルトン・フリードマンは、1973年にオイルショックが発生し、インフレ率上昇と失業率上昇が同時進行した時期に活動されていた人でした。インフレ率の指標と失業率の指標をマッピングすると、普通はインフレ率が高いと失業率は低下し、インフレ率が低いと失業率は上昇します。

                                   ところが1973年のオイルショック時は、インフレ率と失業率の両方が上昇するという事象が発生したため、インフレ率を抑えるという意味で消費削減となる小さな政府を目指すという考えが支持され、各国首脳は小さな政府を目指すべくレーガノミクス、サッチャーリズム、ロージャーノミクスを始めたのです。

                                   

                                   そういう意味では、20年くらい遅れて米国・英国の流行が日本に本格上陸します。例えば”小さな政府”の推進は、日本では2000年代に竹中平蔵・小泉純一路線で始まりました。それが今もなお継続しています。

                                   

                                   今は、米国も英国も明確に反緊縮であり、積極財政をやることが必要であると主張しています。

                                   

                                   下記は少し古い記事ですが、カナダのトルドー首相は今から2年以上前に、トランプ大統領が誕生する前から、既に積極財政を表明していました。

                                  『ロイター通信 2016/05/20 10:43 財政赤字目標にこだわらず、経済成長を重視=カナダ首相

                                   [オタワ 19日 ロイター] - カナダのトルドー首相は19日、予算で300億カナダドルの財政赤字を想定していることについて、この数字が上限というわけではないと説明、政府は経済成長の促進をより重視すべきとの認識を明らかにした。 』

                                   

                                   上記の通りカナダのトルドー大統領は財政赤字路線で、面白いことに300億カナダドルの財政赤字を想定しているものの、その数字は上限でないとしています。

                                   

                                   一方、EUはマーストリヒト条約で「財政赤字対GDP比3%以下」もしくは「政府対GDP比率60%以下」を満たさない場合、報告書を作成して是正するというルールがあります。ここで出てくる”3%以下”や”60%以下”という数値目標に学術的な根拠はありません。デフレ脱却で需要が不足するならば、3%以上となっても仕方ありませんし、60%以下にならなくても仕方がありません。

                                   

                                   そもそも政府が赤字を拡大するということは、民間が黒字になるということを意味します。例えば米国政府が100兆円のインフラ投資をやれば、100兆円の財政赤字が拡大する一方、民間の黒字が100兆円拡大することになります。だから需要が不足して景気が良くなるために、需要の不足額以上に政府が支出をするというのが支出額を決める根拠であって、学術的根拠のない入ってくる税収の103%いないでなければいけないなどというのは、全く不毛なのです。

                                   

                                   不景気は民間が儲からない以上、儲からなければ所得も投資も減ってますます儲からなくなるため、この不景気から脱却するためには、民間全体のお金の巡りをよくする必要があるため、政府支出の拡大や減税を通じて、政府の財政赤字を拡大させる必要があるわけです。

                                   そうしたことを踏まえますと、カナダのトルドー大統領は、300億カナダドルを上限とは考えていないという点で、素晴らしいです。マクロ経済を理解している大統領の一人といえます。

                                   

                                   

                                   というわけで今日は「緊縮財政ではなく積極財政の方向に進む米国とカナダ」と題して論説しました。

                                   積極財政についても、その潮流は20年後に日本に来るかもしれません。とはいえ、20年以上もデフレが続くのは日本だけであり、バブル崩壊後に緊縮財政をやった国、それを体験した国は、日本だけです。

                                   その日本が経済を痛めつけられ、合併などで供給数が減るという意味で供給力を毀損し、20年間このまま供給力、国力を保持できるのか?心配です。供給力の毀損を続ければ、発展途上国化し、国際的地位も低下して2流、3流の小国に落ちぶれるでしょう。

                                   逆にプライマリーバランス黒字化目標を破棄して、速やかに反緊縮トレンドが日本国民の風潮となるよう醸成し、カナダのトルドー大統領のように、プライマリーバランス赤字化を目指す。さらには財務省の人事制度を増税できた人・緊縮財政ができた人を評価するのではなく、名目GDPを増やせた人を評価するというように変えるところまで持っていければ、日本は世界の覇権国になることも十分に可能であると私は思うのです。

                                   

                                   

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                                  トランプ大統領のFRB批判と世界同時株安について

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                                     先週は、世界同時株安となりました。2018/10/10に株式市場が大幅に下落し、ニューヨークダウ平均株は830ドル以上も値を下げ、史上3番目の下落幅ということで取引を終了しました。その翌日の2018/10/11も前日比で545ドル以上値下がりして続落。

                                     2018/10/12は284ドル16セント値上がりしたものの、この3日間で1000ドルの値下がりです。

                                     

                                     米国株が下がった要因としては、「FRBの金利引き上げ」「米中貿易摩擦への警戒」「南欧イタリアの財政危機」などがあげられています。

                                     

                                     そしてトランプ大統領のFRB批判というニュースがありました。ロイター通信の記事を2つ紹介します。

                                     

                                    『ロイター通信 2018/10/12 00:21 トランプ米大統領、連日のFRB批判 利上げ「ばかげている」

                                     [ワシントン 11日 ロイター] - トランプ米大統領は11日、連邦準備理事会(FRB)の利上げは利払い負担を重くしているため「ばかげている」と一蹴、前日に続きFRBの政策を批判した。

                                     トランプ大統領はフォックス&フレンズとのインタビューで「FRBのせいで、高い金利を支払っている。FRBは大きな過ちを犯しており、これほどまでに積極的でないことを望む」と述べた。

                                     トランプ氏がFRBを重ねて批判する背景には連日の米株価急落がある。FRBの利上げ戦略が株安の一因となっており、特に安全資産とされる米国債の利回り上昇を招いていることが嫌気されている。

                                     国家経済会議(NEC)のカドロー委員長は米CNBCに対し、FRBの利上げは「経済が健全であることの証しで、恐れるよりも歓迎すべきことだ」と強調。「大統領はFRBに政策を指南することはしていない。FRBは独立しており、やりたいようにやるだろう」と述べてトランプ氏の発言を補足した。

                                     トランプ氏はその後、パウエルFRB議長について、解任する意向はなく、単に失望しているだけだと発言した。

                                     

                                    『ロイター通信 2018/10/12 23:00 トランプ大統領は低金利を志向、FRBの独立性は尊重=米財務長官

                                     [ワシントン 12日 ロイター] - ムニューシン米財務長官は12日、トランプ大統領は米連邦準備理事会(FRB)を攻撃する必要性を感じておらず、FRBの独立性を尊重していると述べた。
                                     ムニューシン長官はCNBCとのインタビューで「大統領は低金利が好ましいとしている、大統領は、FRBが行き過ぎた利上げをして景気を減速させることを懸念している。そのような懸念は明らかに自然だ」と語った
                                     パウエルFRB議長について、良い仕事をしていると評価。トランプ大統領の発言はFRBに打撃を与えていないと述べた。
                                     また、米経済のファンダメンタルズは強固と主張し、市場は調整局面との認識を示した。利回り曲線は正常化しており、米国債への需要は依然旺盛と述べた。』

                                     

                                     

                                     上述の通り、FRBの利上げで米国の株価が下がり、トランプ大統領がFRBの利上げを批判しました。FRBが予想よりも早いペースで利上げをしていくため、ビジネスがしにくくなっていると述べています。

                                     

                                     なぜ利上げをするのか?利上げするのは景気がいいから利上げするということかもしれません。一方で世界的にスロートレードといわれ、貿易量が減少している状況にもあります。もちろん引き金を引いたトランプ大統領がしかける米中貿易摩擦もスロートレードにつながることはあるかもしれません。ある意味でブーメランともいえます。

                                     

                                     とはいえ、少し景気が良くなったからといってすぐ利上げをしてしまえば、経済成長を抑制してしまいます。アクセルを踏んでせっかく加速したのに、加速したと思ったらその直後にブレーキを踏むようなものに近い。景気の過熱抑制という目的であれば、もう少しインフレ率が高くなるまで待ってもよいのでは?という意味では、トランプ大統領の指摘はごもっともと思います。

                                     

                                     しかしながら私はトランプ大統領が、一貫してブレていないと思うことがありまして、それはアメリカンファーストです。

                                     

                                     FRBの利上げの批判についていえば、大統領就任後に1兆ドルのインフラ投資を表明し、関税を引き上げて米国国民の雇用と賃金を守り、自国での産業育成をするというのは、極めて米国の国益にかなう政策です。

                                     

                                     米中貿易摩擦は、中国がルールを守らないから。チャイナグローバリズムで覇権を取ろうとするから。具体的にはハイテク技術の獲得を目指そうとする中国に、安全保障面から対抗しようとして中国を封じようとすることが狙いでしょう。ハイテク技術以外に、遺伝子のヒトゲノムについても、情報をどう扱うか?2国間の覇権争いが苛酷になっているといえます。

                                     

                                     仮にもトランプ大統領がグローバリズムを是とするならば、輸出相手国に自由貿易を求めておきながら自国市場は関税や補助金や規制で保護し、投資相手国の土地や企業や技術を自由に買うことを求めておきながら、自国内では外国人の土地購入を認めず進出してきた外資には技術移転を強要するという中国の姿勢は、絶対に認められないでしょう。

                                     

                                     その他の通商政策では、NAFTAの見直しにしても、メキシコからの不法移民が米国国民の雇用と賃金から守るためのものですし、日米FTA(二国間協定)も、米国の製品をもっと日本に買ってもらおうとする話です。いずれも米国国民の雇用の創出、賃金UPにつながる政策です。

                                     

                                     上述の「FRBの金利引き上げ」「米中貿易摩擦への警戒」のほかにもう1つ米国株の下落の背景として「南欧イタリアの財政危機」を指摘する人がいます。

                                     

                                     欧州ではイタリアの財政の先行きに対する懸念が強まって売り注文が相次ぎ、欧州の株価も下落しました。2018/10/15までにイタリア政府が提出予定の2019年度予算案について、巨額の財政赤字を前提とした予算案になっているということで、モスコビシ委員長が向こう3か年の財政支出対GDP比率を-2.4%、-2.1%、-1.8%とする計画に対して、-2.4%、-2.1%を見直す旨を要請しました。ところがイタリア政府は、内容の見直しをしない方針を示しました。

                                     

                                     その方針をきっかけにイタリアの財政に対する懸念が強まって幅広い銘柄に売り注文が出て欧州の株価が下落。その日のニューヨーク市場でも取引後半には、その影響でさらにダウ平均が下がりました。

                                     

                                     南欧を中心に欧州諸国の財政危機が問題になっていますが、欧州の経済成長率は低迷しているわけで、その結果、税収が不足します。イタリアのようなことは、南欧諸国を中心に今後も同じ問題が表面化する可能性は十分にあり得ます。

                                     

                                     米国の株価は確かに高い水準で推移してきました。長い目で見れば、多少の下落もあっても地に足の着いた経済成長であれば、問題がありません。米国の政策はアメリカンファーストを徹底しており、他国の輸入に頼らないように自国で産業を育成することができるようになれば、たとえ中国の経済が崩壊したとしても、欧州諸国でリーマンショックのようなことが発生したとしても、株式市場を含めて米国経済への影響は限定的といえるでしょう。

                                     

                                     日本も米国に見習い、ジャパニーズファーストとなるような政策をやっていただきたい。それは内需主導の経済政策です。

                                     

                                     ところが実際は内需を縮小する消費増税をやるというのです。一部では消費増税の延期の声も出始めていますが、まだまだ少数派です。その一方でマスコミの報道は既成事実化する報道が相次いでおり、本当にこのまま消費増税をやるのか?と思うところもあります。

                                     

                                     私は消費増税そのものが反対です。先月の2018/09/21に日本自動車工業会で、豊田章男氏が平成31年の税制改正の要望書を出しました。その中で10%への消費増税による新車市場への影響について、「30万台程度の減少となり、経済効果は2兆円のマイナス、さらに雇用は9万人が減少する」との試算を示し、自工会としてネガティブな意思表示をしました。

                                     

                                     また国内自動車市場は消費増税引き上げのたびに市場規模が縮小し、次の引き上げで国内自動車市場がさらに縮小するだけでなく、厳しさを増す通商環境という新しい不安要素が加わり、このままだと自動車産業の空洞化・衰退の危機に晒されることになるだろうとの見通しを述べています。

                                     

                                     自工会は従来から消費税に賛成してきました。2013/09の段階では自工会では消費税が必要といっていました。そういう意味では自工会は明らかに今度の消費増税にネガティブになっているといえるでしょう。

                                     

                                     なぜか?といえば日米通商交渉とかかわっているのです。USTR(米国通商代表部)と話し合いの前の段階で、日本の消費税は米国にとっては関税と同じとみています。米国製品にも消費税はかかるからです。消費増税をすれば米国製品も売れにくくなります。このまま消費税を10%に増税するならば、米国としては日本の関税率10%への引き上げとみなし、対抗手段として日本の自動車と部品に25%の関税をかけると圧力をかけられているのです。

                                     

                                     日本の自動車業界としては25%の関税をかけられたら大変なこと。米国でいくら生産拠点を置いても、輸出が伸びやなむのは当然の帰結。そのためには日本政府が消費税は上げないと明確な意思表示をしておくことが対米通商政策でも交渉の妥協点を見い出しやすいということなのだと考えます。

                                     

                                     

                                     というわけで今日は「トランプ大統領のFRB批判と世界同時株安について」と題して論説しました。

                                     私が日本の株式市場に対して思うことは、「トランプ大統領が大統領を辞める」「日本の第二次補正予算の金額が2兆円〜3兆円程度としょぼい」「消費増税は安藤提言なしにそのまま10%増税する」の3つがすべて覆されなければ、株式への投資金額は減らしてキャッシュポジションを引き上げたほうがいいと考えています。上述3つがすべて該当した場合は株式市場からの資金の引き上げも検討すべきです。

                                     逆に「トランプ大統領が大統領のままで居続ける」「日本の第二次補正予算の金額が10兆円レベルとなる」「消費増税は凍結もしくは安藤提言を受け入れる」「2019年度にプライマリーバランス黒字化が外れる」となった場合、日本はオリンピック不況をはるかに吹き飛ばして好景気になるような気がしまして、地に足が付いた株価の上昇も期待でき、株式を継続保有して問題ないと思っています。


                                    トランプ大統領が米国証券取引委員会(SEC)に対して、企業の四半期決算を半期へ変更提案!

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                                       今日は、トランプ大統領が企業の決算について、現状四半期決算を義務付けているものを、半期へ変更提案したというニュースを取り上げ、日本における株式市場に与える影響や上場企業の決算業務について、私見を述べさせていただきます。

                                       

                                       下記はロイター通信の記事です。

                                       

                                      『ロイター通信 2018/08/18(土)00:02配信 米大統領、四半期決算の半期への変更提案 SECに調査要請

                                       [ワシントン/ニューヨーク 17日 ロイター] - トランプ米大統領は17日、 米証券取引委員会(SEC)に対し企業に決算を四半期ごとでなく半期に一度発表することを許容した場合の影響を調査するよう要請したことを明らかにした。米企業幹部との話し合いを経てこうした要請を行ったとした。
                                       米国では現在、公開企業は3カ月ごとに年4回決算を発表しているが、トランプ大統領の提案では決算発表は年2回に軽減され、欧州連合(EU)、および英国と歩調を合わせることになる。
                                       トランプ大統領はツイッターで「これにより柔軟性が増し、資金の節約もできる」との考えを示した。そのうえで、多くの財界首脳との協議を経てSECに変更について検討するよう要請したと表明。ある企業幹部は決算発表を半期に一度とすることはビジネス強化に向けた1つの方策となると語ったとした。ただ具体的にどの企業の幹部がこうした見解を示したかについては明らかにしなかった。
                                       トランプ氏はこのほど、休暇先のニュージャージー州のゴルフクラブに多くの大手企業の幹部を招いている。
                                       トランプ大統領はその後、記者団に対し「(企業決算発表を)年2回とすることを望んでいるが、どうなるか見たい」と述べ、退任が決まっているペプシコ<PEP.O>のヌーイ最高経営責任者(CEO)からこの件を提起されたと明らかにした。
                                       これについてヌーイCEOは、ロイター宛ての電子メールで「市場参加者の多くやわれわれビジネス・ラウンドテーブル(財界ロビー)会員は、より長期的な視点に立った企業のあり方について議論を重ねている。わたしの発言にはこうしたより広範な事情が背景としてあるほか、米国と欧州で異なる決算方式の調和を目指そうという意図も含まれている」と述べた。
                                       四半期ごとの決算発表を廃止するにはSEC委員による採決が必要となり、独立機関であるSECに大統領が変更を命じることはできない。また、SECはトランプ氏が任命したクレイトン委員長の下で規制緩和に向けた措置を取ってきたが、公表された資料によると、四半期決算発表の廃止は現在は議題に挙がっていない。
                                       SECのクレイトン委員長は午後に入り発表した声明で、決算発表の頻度について検討し続けるとの立場を表明。トランプ大統領は「米企業を巡る主要な検討事項」にあらためて焦点を当てたとした。
                                       マサチューセッツ工科大(MIT)のスローン・スクール・オブ・マネジメントの上級講師、ロバート・ポーゼン氏は「企業決算の発表が四半期ごとから半期ごとに変更されれば、投資家はタイムリーな情報を得ることができなくなり、インサイダー取引が行なわれる恐れが著しく高まる」と指摘。企業が短期的に市場に監査されることを避けたいなら、次四半期の業績見通し公表をやめることで解決できるとの考えを示した。
                                       また、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏とJPモルガン<JPM.N>のダイモンCEOは今年6月、米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙への寄稿で、採用、投資、研究・開発に向けた支出が抑制されているため、四半期ごとのガイダンス公表をやめるよう呼び掛けた。ただ四半期決算発表の廃止は提案していない。

                                       

                                       

                                       上記記事の通り、トランプ大統領が、企業に義務付けている四半期決算について、半期決算への変更を提案したというニュースです。このニュースは米国のニュースではありますが、日本の上場企業の決算開示ルールについても影響が出るかもしれません。

                                       

                                       米国における四半期開示の状況は下表のとおりです。

                                      (出典:金融庁の「金融審議会金融分科会第一部会」の資料の「諸外国における四半期開示の状況」から抜粋)

                                       

                                       

                                       上表の通り、米国の四半期開示の状況は1934年から開始され、現在の四半期報告書制度は1970年から導入されていました。

                                       一方で、日本では遅れて2000年代に入ってから整備され、日本の企業の決算開示ルールについては、次のような流れで今日に至っています。

                                       

                                      <2003年4月:証券取引所が上場企業に四半期開示を義務付け>

                                      四半期業績の概況として、売上高の開示を義務付ける

                                       

                                      <2004年4月:証券取引所が四半期開示の拡充>

                                      四半期財務・業績の概況として、連結決算ベース(連結財務諸表を作成していない場合は個別決算ベース)の「売上高」「営業利益」「経常利益」「四半期(当期)純利益、純資産」及び「株主資本の額」のほか、要約された「貸借対照表」「損益計算書」を開示することを義務付ける

                                       

                                      <2009年11月:金融商品取引法上の制度として義務付け>

                                      金融商品取引法上の制度として、上場企業などを対象に「四半期報告書制度」の導入する

                                       

                                       

                                       上記の流れで注視すべきは2009年11月の金融商品取引法上の制度としての義務付けです。もともと2003年4月から始まった四半期開示義務は、証券取引所の自主ルールという位置づけであり、いいかえれば法律(有価証券取引法、金融商品取引法などの法律)によってオーソライズされたものではありませんでした。

                                       

                                       そのため、2003年4月以降の開示義務付けが始まったものの、仮に開示情報に虚偽記載があっても、証券取引法などの法律に基づくものではないため、罰則の対象になりませんでした。結果、投資家が虚偽記載された情報を信じて株式を買って損害を被ったとしても、証券取引法に基づく民事責任を求めることはできなかったのです。

                                       

                                       法律にお詳しい方であれば、民法の不法行為責任709条で損害賠償請求ができるのでは?とお思いの方もおられるかと思います。とはいえ、一般的な話でいえば、民法の不法行為責任709条で、投資家が経営者に虚偽記載の過失責任を問うのを立証することは、極めて難しいということも想像できるでしょう。

                                       

                                       そのため、投資家保護という観点から、四半期決算の開示ルールについて金融商品取引法上の制度とすれば罰則の対象にできるということで、2009年11月から制度改定したのです。

                                       

                                       記事では、米国の著名投資家のウォーレン・バフェットらが、採用、投資、研究開発の支出が抑制されるので、四半期ガイダンス公表をやめるよう呼びかけたが、廃止までは提案していないとしてトランプ大統領の提案に対して、完全に賛同したわけではないとしています。

                                       

                                       私はウォーレン・バフェットの四半期ガイダンス公表の中止については賛成ですし、トランプ大統領の提案の通りさらに踏み込んで半期決算に変更するというのは、大賛成の立場です。

                                       

                                       ネガティブな意見として、もし四半期決算を半期決算に変更されると、企業の負担が減る一方で、投資家にとっては年4回決算状況の把握できたのが年2回となる点の悪影響を指摘する意見もあります。

                                       

                                       しかしながら、私は、企業の負担で将来のためにねん出すべき投資・研究開発費が、決算業務で費消される、もしくは十分な投資・研究開発費が費やせないというのであれば、トランプ大統領の提案は最適解であると考えます。

                                       

                                       企業の負担もさることながら、株式市場も年4回の決算で株価が右往左往することによるボラティリティ(=価格変動)も抑制できる効果があると思います。

                                       

                                       株価のボラティリティ抑制効果は横に置き、投資・研究開発費が十分に捻出できるということは、GDP拡大に寄与します。

                                       

                                       GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出(※)

                                       ※純輸出=輸出−輸入

                                       

                                       ウォーレン・バフェットが指摘する投資・研究開発費の捻出抑制が、半期決算によって払しょくされるならば、上記式の設備投資が増えやすくなり、GDPが拡大しやすくなるということになります。GDP3面等価の原則により、設備投資が増えれば、投資(=消費)=生産=所得 ですので、米国国民の所得が増えるということになるわけです。

                                       

                                       つまり四半期決算を半期決算に変えることで、米国経済は、より力強く経済成長できるというわけです。

                                       

                                       もし、日本も半期決算になれば同じ経済効果が期待できるでしょう。

                                       

                                       

                                       

                                       というわけで、今日はロイター通信の「トランプ大統領が米国証券取引委員会(SEC)に対して、企業の四半期決算を半期へ変更提案!」を取り上げて論説しました。

                                       米国は言うまでもなく日本のマスコミにも不人気なトランプ大統領ですが、1兆ドル(≒110兆円)のインフラ投資、NAFTA見直しによる関税強化、他国との関税の見直しなど、米国民ファーストを着実に実行に移しています。

                                       また金融危機の引き金になりかねない銀証ファイアーウォール撤廃を見直すためのグラス・スティーガル法の復活なども注目すべき経済政策です。

                                       上述の政策は、いずれも米国経済を強化し、米国国民の所得を増やし、国力強化につながる政策ばかりであり、日本もトランプ大統領の政策を見習うべきであると思います。


                                      トランプ大統領がアマゾン・ドットコムを攻撃!

                                      0

                                        JUGEMテーマ:アマゾン

                                        JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                                         

                                         今年になってから、ビットコインの急落、NEM流出事件、米中貿易紛争など、いろんな理由で株価が不安定になっています。直近では、米国株式市場でナスダック相場の下落が日米株式相場に影響し、弱い相場となっています。

                                         フェイスブックの顧客情報漏洩事件、ウーバーの自動運転車事故、テスラの電気自動車リコール問題などが重なったところで、トランプ大統領がアマゾン批判を続けるということで、ナスダック相場に影響を与えています。

                                         今日は、トランプ大統領がアマゾン・ドットコムを攻撃している理由・背景について、意見したいと思います。

                                         

                                         下記はロイター通信の記事です。

                                        『ロイター通信 2018/04/05

                                        [大統領専用機 5日 ロイター] - トランプ米大統領は5日、ネット通販大手アマゾン・ドット・コム<AMZN.O>を巡り真剣に政策を検討する考えを示した。大統領は、同社が米郵政公社(USPS)に非常に安い料金で商品を配送させているうえに、税金を十分に支払っていないとして、同社への攻撃を繰り返している。
                                        トランプ氏は大統領専用機上で記者団に対し、アマゾンは公平な環境で事業を行っていないと述べた。
                                        同社を巡り政策の見直しを望むかとの質問に対しては「非常に真剣に検討する」と答えた。
                                        大統領はこれより先、アマゾンのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)が所有する米紙ワシントン・ポストはアマゾンの「親玉ロビイスト」との批判をツイッターに投稿した。
                                        連日のようにアマゾン攻撃を続けているトランプ大統領だが、この日は攻撃の矛先をワシントン・ポストに向け、「アマゾンの『親玉ロビイスト』であるフェイク(偽)ニュースのワシントン・ポストは、また(多くの)でっち上げ見出しを立てている」とつぶやいた。
                                        アマゾンとワシントン・ポストからコメントは得られていない。
                                        アマゾンの株価は2.9%高で取引を終えたが、政策検討に関する大統領のコメントを受けて引け後の時間外取引でやや下落した。(後略)』

                                         

                                         

                                         本件は、上記のロイター通信の記事に記載の通り、トランプ大統領はアマゾン社が郵政公社に非常に安い料金で配送させているうえに、税金を十分に払っていないと指摘しています。

                                         

                                         

                                         

                                        1.日本における運送業界の規制緩和の流れと3PLの台頭

                                         

                                         「アマゾン社が郵政公社に非常に安い料金で配送」という件は、「アマゾン社がヤマト運輸に非常に安い料金で配送」という日本国内で起きた問題とも似ています。日本ではヤマト運輸(証券コード:9064)がアマゾンの仕事を断り、代わりに丸和運輸機関(証券コード:9090)という会社が受注したというニュースがありました。その後、ヤマト運輸の値上げをアマゾンが飲む形で、ヤマト運輸はアマゾンと取引を続けています。

                                         

                                         両社について四季報で企業概要を見てみましょう。

                                         

                                        <ヤマト・ホールディングス(証券コード:9064)の会社概要>

                                         

                                        <丸和運輸機関(証券コード:9090)の会社概要>

                                         

                                         

                                         上記の通り、ヤマト運輸と丸和運輸機関は、いずれも東証1部上場の会社ですが、陸運業界のリーディングカンパニーであるヤマト運輸、新興企業で3PLを武器に売り上げを伸ばしてきた丸和運輸機関という2社ですが、特に丸和運輸機関は、3PLという運送委託をメインにやってきた会社です。

                                         

                                         平均年収をみますと、ヤマト運輸が866万円に対して、丸和運輸機関は460万円となっています。従業員の年齢分布などをみないと一概に言えませんが、この2社でこれだけの年収差があります。 

                                         

                                         丸和運輸機関が得意とする3PLは、サードパーティーロジスティクスの略称で、端的にいえば、自社で極力運搬車両を保有せず、ドライバーを保有せず、運送委託契約で下請けの運送会社に委託するというビジネスモデルです。

                                         

                                         ところで、運送業界の規制緩和の流れについて簡単に触れますと、下記が時系列の流れです。

                                         

                                        ●1990年12月

                                         参入規制が「免許制」から「届出制」に緩和

                                         運賃も届出制に規制緩和

                                         

                                        ●1996年4月

                                         最低車両台数基準の引き下げ

                                         営業区域の拡大

                                         

                                        ●2003年4月

                                         営業区域制の廃止

                                         運賃・料金のさらなる緩和(原価計算書などの添付廃止)

                                         運賃事後届出制

                                         

                                         運送業界は1990年に規制緩和が始まり、運賃・料金事前届出制や営業区域規制が廃止されました。運賃を事前に届け出なくても自由に設定できるという規制の緩和は、運送料金の価格は下がりました。しかしながら運賃は上昇を続けます。理由はバブルの余波で実需が十分にあったために、価格下落が所得縮小に直接結びつかなかったのです。

                                         

                                         そこに1997年に財政構造改革法が制定され、1998年に消費増税3%→5%が実施され、日本はデフレに突入していきます。本来ならば、デフレ突入後に規制を強化すべきだったのですが、規制緩和をやりっぱなしにするどころか、2003年にさらなる規制緩和をします。

                                         

                                         名目需要と実質需要の両方が十分にあればいいのですが、規制緩和の影響で名目需要は伸び悩み、仕事の数は増えますが価格は下落するという状況が続きました。これが長期にわたって継続した結果、多くの運送事業者が、仕事の数があっても、働けども働けども運賃が安くて稼げないというブラック企業化してしまっているのです。

                                         

                                         

                                         

                                         

                                        2.3PLの問題点

                                         

                                         大手運送事業者が車両運搬具、ドライバーを抱える中、3PLというビジネスモデルが流行し、車両運搬具、ドライバーを抱えないようになりました。車両運搬具、ドライバーを抱えない代わりに、下請けの運送業者にしわ寄せが来ます。6次下請けくらいにまでなりますと、個人事業主だったりします。この個人事業主は、仕事があれば運転の仕事に従事するということで、生活が不安定になります。

                                         

                                         その上、労働者としての保護もされず、厳しい環境で仕事に従事することが多いうえ、1次下請け、2次下請け・・・と利益が中抜きされるため、利益も少なくなりがちです。

                                         

                                         このように、アマゾン・ドットコムに限らず、大手スーパーやドラッグストアも含め、バイイングパワーが強すぎて、運送事業者にとっては、泣く泣く仕事を安値で引き受けざるを得なくなっていきました。

                                         

                                         こうした安値で運送サービスの仕事を引き受けるというデフレ環境であっても、辛うじて3PL事業者らは利益が出しやすいかもしれません。何しろ、仕事があるかないか不明な状況で、車両運搬具、正社員ドライバーを抱えないので、3PL事業者は利益を確保しやすい。

                                         

                                         一方で3PLの下請け中小零細運送業者は悲惨の一言と言っていいでしょう。ある意味、3PLというビジネスモデルは、デフレ放置に加え、運送業界における一連の規制緩和による産物であるともいえます。

                                         

                                         デフレ化の中での安値受注競争でも、資金力のある3PL事業者は生き抜きますが、その下請けの業者にしわ寄せが行き、体力消耗戦となっていくことになります。

                                         

                                         安値受注が続いても、高齢化でネット販売の仕事は増えていくため、仕事はあれど、競争で安く引き受けるというのが、運送業界のトレンドでした。

                                         

                                         そのトレンドを転換させたのが、ヤマト運輸です。ヤマト運輸がアマゾン・ドットコム業務からの撤退表明です。ヤマト運輸としては、「割に合わない仕事はやりません!値上げを飲んでください!」ということです。

                                         

                                         

                                         

                                        3.納税を回避してきたアマゾン・ドットコムが追従課税を受ける!

                                         

                                         話をアマゾン・ドットコムに戻しますが、アマゾン・ドットコムは、つい最近まで日本で法人税を払っておりませんでした。脱税とみるか、税法の解釈についての相違とみるか、きわどいのですが、日本では、Amazonジャパン(株)が販売業務を行い、Amazonジャパン・ロジスティクス(株)が物流業務を行っておりまして、親会社のアマゾン・ドットコムは、この2社に手数料を払い、担当業務以外の主要機能は米国に集中させているのです。

                                         

                                         Amazonジャパン(株)にせよ、Amazonジャパン・ロジスティクス(株)にせよ、販売業務を行っていないということで、子会社機能がある会社ではないということで、恒久的施設ではないからとの理由で、日本で売り上げた収益を米国の本国で計上していました。即ち日本には法人税を納めていませんでした。

                                         

                                         結果、日本の子会社の利益は大半が米国に持っていかれて、日本の会社には利益がほとんど残りません。結果、法人税もかかりません。

                                         

                                         恒久的施設ではないという言い分は、そもそも合理性があるのでしょうか?

                                         

                                         千葉県市川市に、「アマゾン市川FC(フルフィルメントセンター)」という巨大な施設があります。施設の概要は下記の通り。

                                         

                                        名称:アマゾン市川FC(フルフィルメントセンター)

                                        所在地:千葉県市川市塩浜

                                        延べ床面積:18,800坪(62,300屐

                                        稼働日:2005年11月1日

                                        供給エリア:国内外

                                         

                                         18,800坪もある物流センターが恒久的施設ではないという主張は、果たしてどうなのか。仕入れた商品が置かれ、米国関連会社のPCや機器類が、上記物流センター内で持ち込まれて使用され、物流センター内の配置換えは、米国本社の許可が必要だったとされています。

                                         

                                         その上、物流センターと同じ場所に置く、Amazonジャパン・ロジスティクス(株)の職員が米国側から指示をメールで受け、物流業務以外の委託されていない業務の一部を担っていたとされています。

                                         

                                         そのため、国税庁は、物流センターは恒久的施設であると主張し、追徴課税するに至ったのです。そして、2016年4月にアマゾン・ドットコムは、日本に法人の実体があることを認めました。

                                         

                                         これにより、アマゾン・ドットコムの法人税についての主張が通用しなくなり、日本以外にもEUなどで追徴課税の動きが出るようになりました。

                                         

                                         

                                         

                                         というわけで、今日はアマゾン・ドットコムを取り上げ、トランプ大統領が批判している旨の報道を紹介しました。私もかつてAmazonを使っていましたが、今は使っていません。日本国内の産業にダメージを与え、供給力を毀損することに手を貸すことになり、国益を損ねると考えるからです。

                                         トランプ大統領は、米国屈指の不動産王であり、商業用不動産オーナーに支持者が多いとされています。アマゾンが事業拡大すればするほど、店舗型小売店が廃業を強いられ、商業用不動産のテナントが激減したとのこと。また玩具店の大手、トイザラスが2017年10月1日に米国連邦破産法第11条を申請して、経営破たんしています。それは、アマゾンをはじめとするネット産業が原因と言われています。

                                         こうしてみますと、一見アマゾンは日本でも雇用を作っているように思えますが、他方で地方のリアル店舗を経営している小売店は苦境に立たされてしまいます。トランプ大統領は、この事象を「アマゾンが生み出す雇用よりも、アマゾンによって失った雇用数の方が多い!」と問題視していますが、これが真実だとすれば、国益を損ねるデフレ促進企業であり、米国の経済をデフレ化させるという点で問題があると言わざるを得ないと思うのです。


                                        トランプ大統領の関税強化とEUの報復措置

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                                           トランプ大統領の関税強化について論説したいと思います。

                                           

                                          『毎日新聞

                                          【ロンドン三沢耕平、ブリュッセル八田浩輔】トランプ米大統領が「安全保障上の脅威」を理由に鉄鋼製品などの輸入制限を表明したのを受け、欧州連合(EU)が報復措置の準備を急いでいる。ハーレーダビッドソンやリーバイスなど米国を象徴する製品に高関税を検討。7日には改めて報復姿勢を鮮明にし、世界の2大経済圏による「貿易戦争」に発展する可能性が一段と強まってきた。

                                           「バイクを売ることができなくなってしまうのか」。ロンドン中心部のオートバイショップ。ハーレーを販売する男性店員(38)が困惑した様子で語った。報復関税の「標的」とされたハーレーは「販売や供給網、顧客に重大な影響を及ぼす」との声明を発表。リーバイスも声明で「我々は自由貿易を支持している」と表明した。

                                           EUは総額28億ユーロ(約3700億円)に上る米製品に関税をかけるよう検討中。マルムストローム欧州委員(通商担当)は7日、鉄鋼、工業品、農産品の3分野を柱に米製品に高関税を課す方針を示した。

                                           英BBCによると、EUはオートバイやジーンズ、靴、化粧品、バーボンなど計100点近い対象品目をリストアップ。28億ユーロのうち食料品や消費者向けの製品が約20億ユーロ(約2600億円)を占める。米与党・共和党が地盤とする地域の名産品を標的にすることで、トランプ氏の「自国第一」主義に徹底抗戦する意思を明確にする。さらに米国の輸入制限で欧州への輸入品が急増する事態を防ぐため、緊急輸入制限(セーフガード)の発動や、世界貿易機関(WTO)への提訴も準備している。

                                           トランプ氏は「貿易赤字に苦しむ国にとって貿易戦争は良いものだ。EUが報復に来るなら欧州車に関税を課す」と対決姿勢をにじませ、独BMWや独フォルクスワーゲン(VW)などの関税を引き上げる可能性を示唆。これに対し、トゥスク欧州理事会常任議長(EU大統領)は7日の記者会見で、「貿易戦争は悪いもので、容易に(双方が)負ける」と反論。「必要となれば相応の対応を取る」と明言し、米製品への報復課税に出る姿勢を改めて示した。

                                           トランプ氏が輸入制限を打ち出した背景には、中国による鉄鋼の過剰供給問題があるが、欧州も早くから同じ問題意識を持っていた。昨年5月にイタリアで開いた主要7カ国(G7)首脳会議や7月にドイツで開いた主要20カ国・地域(G20)首脳会議では、首脳宣言で「問題解消に向けた協力関係の強化」を明記している。このためマルムストローム氏は「貿易戦争に勝者はいない」とも指摘し、対立回避を模索する姿勢も示した。欧州鉄鋼協会のエッゲルト会長も地元メディアのインタビューに「我々(米国と欧州)は協力する必要がある」と述べた。』

                                           

                                           

                                           米国のトランプ大統領が安全保障上の脅威を理由に、鉄鋼製品など輸入制限を表明したのを受け、EUが報復措置の準備を急いでいるというニュースです。

                                           

                                           EUがアメリカの象徴であるハーレーダビットソン(バイク)、リーバイス(ジーンズ)などの製品に高い関税をかけることを検討し、2018/3/7(水)には改めて報復姿勢を鮮明にし、世界2大経済圏による貿易戦争に発展する可能性が一段を強まってきたと報じています。

                                           

                                           EUとしては、総額およそ3700億円にのぼる米国製品に関税をかけることを検討し、オートバイ、ジーンズ、靴、化粧品、バーボンなど、100点近い対象項目をリストアップしているとのこと。総額3700億円のうち食料品や消費者向けの製品が2600億円を占めるとも報じています。

                                           

                                           EUが米国の有名な製品を標的にすることで、トランプ大統領の米国民ファーストに徹底抗戦する意思を明確にしているわけですが、みなさんは、このニュースを聞いてどう思われるでしょうか?

                                           

                                           よくある論説としては、グローバリゼーションは、今や後戻りができない趨勢で、情報通信技術の発達により、企業の生産ネットワークは国境を越えて拡大する傾向であり、その現実に背を向けることは現実的ではなく、国境の壁を高くしても経済は悪くなると思っていませんでしょうか?

                                           

                                           あるいは、海外の安い製品が豊かな消費生活を支えている現実があって、輸入を制限すれば打撃を受けるのは貧困層の家計ではないか?などなど。

                                           

                                           こうした論説を正しいと思われる方からすれば、イギリスのメイ首相のEU離脱、トランプ大統領の関税強化といった政策は、全く理解できず、竹中平蔵氏が表現するように「危険なポピュリズム」「過激なナショナリズム」などと表現するでしょう。

                                           

                                           私は米国トランプ大統領の関税強化、EUの報復関税、いずれも完全に普通の話で、双方がとった行動は評価してよいことだと思っています。なぜならば、自由貿易化というのが第二次大戦後、ほぼ一貫して不可逆的に進んできて、そのトレンドの下、関税はどんどん下がってきました。

                                           

                                           1947年10月 GATT発足

                                           1948年 GATT発効

                                           1964年 ケネディ・ラウンド

                                           1973年 東京ラウンド

                                           1993年 ウルグアイラウンド

                                           1995年 WTO(World Trade Organaization)発足

                                           

                                           たとえ国内産業が犠牲になっても自由貿易が正しいということで、関税引き下げの通商政策が行われ続けました。そこで犠牲になった産業を担う人々らは、自己責任や時代の流れなどと片づけられ、貧困層に陥ったとしても、努力不足などといわれて、自由貿易を遵守することが正しいというのが趨勢でした。

                                           

                                           国家としては、当然ながら自由貿易と国内産業の保護育成(保護主義)というのは、バランスを取ってしかるべきです。自由貿易がすべて正しいということはありませんし、保護主義がすべて正しいということでもない。国家として、国民の幸福を願うのであれば、自由貿易と保護主義のバランスが取れたポジションがどこか?模索していくというのがあるべき姿だと思うのです。

                                           

                                           今までは自由貿易一本やりで、グローバリズムが称賛され、推進されてきましたが、ここにきて行き過ぎたグローバリズムへの反動として、イギリスのEU離脱やら、トランプ大統領の登場という事象が発生していると考えられるのです。

                                           

                                           自由貿易が完全に進んで、「保護なんてする必要ないんじゃない?」「保護なんてなくてもいいのでは?」ということで、グローバリズムが推し進められると、世界中で自国の産業が衰退していきます。自由貿易が過剰に行き過ぎると、理論的に必然性として確実に世界の生産性は低下していくのです。

                                           

                                           だから何かのタイミングで関税を引き上げるという局面があったり、関税を撤廃していくという局面があったり、保護主義と自由主義が上下してある種の均衡を取っていくというのは適切であるといえます。

                                           

                                          「保護主義は”がんじがらめ”だからダメ、自由化が正しい」というイデオロギーが強く、そういう状況で自由化が進んできてしまったという現実があるため、トランプ大統領の関税引き上げや、EUの報復関税というのは、極めて健全な状況といえます。

                                           

                                           今回のEUの措置は、元をただせば、米国のトランプ大統領が安全保障上の問題だとして、鉄鋼製品、アルミニウム製品に対して25%とか10%の関税を課すことに対する報復措置です。

                                           

                                           一方のトランプ大統領は、貿易赤字に苦しむ国家としては貿易戦争は悪くないとメッセージを発した通り、自国の国内産業育成、国力強化、実質賃金UPに繋がっていくことで、米国の経済成長を強力に後押ししていくことになるでしょう。

                                           

                                           経済政策の司令塔を務めてきたコーン氏の辞任が発表され、米国株式市場が不安定になっていますが、コーン氏は今回のトランプ大統領の鉄鋼製品に高い関税を課すことに反対したそうです。意見が合わないので辞めますということで辞任劇につながった模様。

                                           

                                           トランプ大統領の保護主義志向を抑える歯止め役のコーン氏が去ってしまったということで、株価が不安定になって、輸入制限に突き進む可能性も高まったということなのですが、米国の企業業績は時間の経過とともにトランプ大統領の政策効果が現れ、地に足が着いた成長の結果が出てくるでしょう。そうして時間の経過とともに米国株式市場は次第に安定化していくものと思われます。

                                           

                                           トランプ大統領の米国民ファーストの公約を考えれば、EU製品に高関税をかけるのは必然的な政策であり、防衛と輸入制限を合わせて考えるというのも米国の国益を考えれば当たり前の話です。

                                           

                                           

                                           というわけで、今日はトランプ大統領のEU製品への関税引き上げに対抗して、EUが報復関税をかける意向であるニュースをご紹介し、私見を述べさせていただきました。こうしたニュースをみますと、行き過ぎたグローバリズムが修正されつつあると思いまして、これはイイことだと思います。自国で需要を創出することで、戦争などしなくても経済的に豊かになれるからです。

                                           必要なのは国民の幸福、人類の幸福であり、自由がすべて正しいというイデオロギー染みた論説は不要です。適切な自由と保護のバランスこそ、いま世界に求められているのではないか?と私は思っております。


                                          トランプ大統領、バーニーサンダース氏らの台頭(兵士として戦場で戦う大学を出た高学歴なアメリカの若者たち!)

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                                             今日は「共和党のトランプ大統領と、民主党のバーニーサンダース氏らの台頭」と題し、意見します。

                                             

                                             皆さんは、アメリカで大学を出た高学歴な若い人たちが、兵士となって戦場に駆り出されているということをご存知でしょうか?米国国内で発生した同時多発テロが発生した2002年9月11日の翌年、2003年にブッシュ大統領は、イラク戦争を仕掛けます。そのイラク戦争では、そうした若い人たちが戦場に向かっていました。

                                             

                                             なぜ時間をかけて勉強をして頑張った若い人々が戦場に駆り出される状態になったのでしょうか?

                                             

                                             実は大学に通うのに背負った莫大な借金が原因です。米国では学費ローンの総額が2016年度の数値で130兆円前後にまで膨らんでいます。「米国経済は何かが間違っている!」と、JPモルガン・チェースの社長が株主への書簡で指摘し、米国経済に潜む問題点として巨額な「学生ローン」について触れています。

                                             

                                             日本も米国も変わらないと思われるのが、人々がなぜ大学に入学するのか?それは将来的な高収入の職に就くことへの期待です。ところが、米国では、そのために学生ローンで借入をしてでも大学に進学するのです。

                                             

                                             その米国では、私大生の75%が平均400万円もの学生ローンを抱え、2000万円以上の人も41万円を超えるとされ、米国の成人人口のうち4人に1人もの人々が学生ローンを抱えているといわれています。

                                             

                                             この学生ローンは他の借入金と異なり、大半は連邦政府から資金が拠出されます。厄介なのは自己破産宣言しても返済義務が消滅しないということです。

                                             

                                             例えば、ハーバード大学を卒業するとなれば、3000万円ほど必要になるといわれているのですが、これだけの額を一般庶民が払うことが果たして可能なのでしょうか?

                                             

                                             一人当たりGDPでいえば、日本は約4万5000千ドル前後であるのに対して、米国は約4万7000千ドル〜4万8000千ドルです。一人当たりGDPでみた場合で2倍の差はついていませんが、日本で大学で1500万も学費が必要になるとすれば、慶応大学や順天堂大学や慈恵医科大学などが6年間の在学で2000万円程度といわれるくらいです。 

                                             

                                             日本では奨学金制度というのがありますが、米国でも奨学金制度があります。とはいえ、奨学金を借りてなんとかハーバード大学を卒業したとして、卒業後に残っているのは多額の借金返済が待ち受けます。返済額には利子も含まれ、3000万円がさらに膨れ上がるのです。

                                             

                                             就職して借金返済生活を送ろうとしても、働ける年代で実際に働いている人の割合を示す労働参加率は、トランプ政権誕生前の2015年12月時点で62.6%と歴史的に低いレベルでした。さらにその時点での若年層失業率は14%と高く、日本が4.8%程度であることと比べて、大変な状況であったことがわかるかと思います。

                                             

                                             そんな労働市場では、大学を卒業した学生にとって、条件の良い職が簡単に見つかるとは限らず、結果借金が返済できないということになります。利子を支払うこともできません。自己破産するしかないか?と思いきや、連邦政府の資金から拠出された資金は免除されません。

                                             

                                             こうした将来を憂いて絶望の淵に立たされた若者に、「借金をちゃんと返済する方法がありますよ!軍隊に入りましょう!」と米国政府が声を掛けるのです。こうして奨学金の返済不能になった米国の若者たちが、続々と軍隊に入っています。

                                             

                                             このように、米国では教育の場ですら、ビジネスとして庶民から搾取する仕組みが出来上がっています。グローバリズムに侵された米国では、あらゆるものがビジネスに形を変え、一部の既得権益層が利益を得ているのが実態です。

                                             

                                             教育だけではありません。食品もそう。米国では庶民が日常的に口にする食料品も、モンサントの遺伝子組み換え作物と、そうでない作物とを選ぶ権利すらありません。

                                             

                                             モンサントといえば米国では大企業。そうした大企業が政治献金を献上して、法律を自分たちの都合の良いように、利益が出やすいように変えていく、それが米国では当たり前となっていました。

                                             

                                             何しろ政治が金融ウォール街や大企業に完全に握られてしまい、健全な民主主義とはいえないような状況になってしまったのです。2009年にノーベル平和賞を受賞したバラク・オバマ大統領は、米国初の黒人大統領としてもてはやされていましたが、そのオバマ大統領でさえ、スーパーPAC(Politikal Action Committee=政治資金管理団体)から献金をもらっていました。

                                             

                                             なぜ米国にスーパーPACという制度があるかといえば、企業や団体などが直接政治献金を行うことは禁止されており、米国の政治家は、政治献金の受け皿となるPACを設立して資金を集めるのです。そのスーパーPACは、大金持ちの大企業経営者らが出資し、献金しつつ候補者の選挙を手伝い、政策に自らの意思を反映させていきます。

                                             

                                             ある意味で民主主義といえば民主主義なのですが、米国の国益を損ねても構わず自社の利益追求だけを考える大企業らが、スーパーPACを設立して、選挙で候補者を支援して当選し、自社の利益追求となるような政策を遂行していくとすれば、どうなるか?

                                             

                                             間違いなく保護主義は疎まれて、グローバリズムが推進されていくことになるでしょう。事実上、スーパーPACへの政治献金は無制限であるため、カネの力で投資家や大企業が政治を動かし、多くの米国国民が貧困化していくことになるのです。

                                             

                                             結果、医療ビジネス、奨学金ビジネス、教育ビジネスとなって、白人階級のドラッグによる死亡や自殺が米国全体の死亡率を押し上げるに至りました。

                                             

                                             その閉塞感という状況の中で、台頭してきたのが、共和党のドナルド・トランプ、民主党のバーニー・サンダースです。

                                             

                                             前回トランプ大統領が誕生した米国大統領選挙の候補者といえば、上述2人に加え、クリントンやルビオという有力候補者がいました。例えば、クリントンを支持していたスーパーPACは、米国の有名投資家のジョージ・ソロス氏らが700万ドル(日本円で約7億3500万)を献上されています。ルビオを指示していたスーパーPACは、テキサス州を中心にシェールガス開発で富を得た一族も1500万ドル(約15億7000万円)を献上しています。

                                             

                                             ところが、バーニー・サンダース氏は「ビリオネア階級による選挙の買収」と痛烈に批判し、ドナルド・トランプは、「スーパーPACは腐敗の象徴」として、自己資金のみで選挙を運営すると豪語して大統領選挙を戦っていたのです。

                                             

                                             当時のロイター通信の記事をご紹介します。

                                            『ロイター通信 2016年10月21日(金)18時29分 トランプ、大富豪のはずなのに選挙資金の少ない大統領選候補者

                                             米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏は、近年の大統領選で最も選挙資金が少ない候補となる可能性がある。ライバルの民主党ヒラリー・クリントン候補を支えるスタッフや広告に対抗するだけの資金がないまま、選挙戦の最終盤に突入した。

                                             11月8日の投票日まで3週間を切り、選挙戦の流れを変えるような大規模な作戦を放つために必要な多額の資金を集めるには、あまりに遅すぎる。9月末までに、トランプ氏が集めた資金は計1億6300万ドルで、クリントン氏の4億4900万ドルからは程遠い。

                                             ニューヨークの不動産開発業者で、自分の富を誇りにするトランプ氏は、選挙活動に数百万ドルの自己資金を投入すると明言。集めた1億6300万ドルに加え、予備選で4750万ドル、その後860万ドルの自己資金を費やした。

                                             トランプ氏の資金不足は、選挙活動中の一連の問題から富裕層が資金提供を渋っているのが原因。また、トランプ氏が資金調達活動や、大口の資金提供者への呼びかけに積極的でないことも反映している。

                                            選挙活動で最も出費の多いカテゴリーは、スタッフの人件費とテレビコマーシャルだ。

                                             人件費にトランプ氏は500万ドル、クリントン氏は3800万ドルを費やした。

                                             トランプ氏は9月、168人のスタッフを雇い、7月の82人から倍増させたほか、コンサルタントや臨時スタッフに500万ドルを支払った。クリントン氏の9月のスタッフ数は815人だった。

                                             広告への出費は、トランプ氏が4870万ドルで、クリントン氏が2億0400万ドル。豊富な資金力から、クリントン陣営は激戦州に資金を追加で投入。今週初め、200万ドルをアリゾナ州で費やすことを明らかにした。

                                             9月末までの総計では、トランプ氏は約1億9000万ドル、クリントン氏は4億0100万ドルを費やした。』

                                             

                                             

                                             トランプは自身のツイッターで、「すべての大統領候補者は、スーパーPACを即座に拒否すべきだ!」としてスーパーPACを猛烈に批判。カネで政治が動く現実にうんざいしていた米国国民にとって、ウォール街からのスーパーPACの献金を拒否するドナルド・トランプは眩しく見えたでしょう。

                                             

                                             グローバル化によって職を失った人々、実質賃金の低迷に苦しんだ人々にとって、トランプの「反グローバリズム」の訴えは、ダイレクトに響いたことでしょう。

                                             

                                             また、民主党から立候補したバーニー・サンダース氏は、クリントンに負けたものの、「公立大学の授業料無償化」「全員が最適なヘルスケア(日本の国民皆保険制度の導入を構想)」「女性差別撤廃」「大企業に支配されない社会」「気候変動対策を推進」を掲げ、ウォール街の課税や富裕層の課税を強化して、大学授業料無料化や国民皆保険無料化に充当するという考え方を示していました。まさに、グローバリズムや自己責任との決別で、教育のビジネス化や、医療のビジネス化とは逆行する社会主義的な考えです。

                                             

                                             

                                             というわけで、今日はドナルド・トランプ、バーニー・サンダースらが、なぜ台頭してきたのか?について論説しました。トランプ大統領は今もなお日米両国国内のマスコミに嘲笑されています。グローバリズムが正しいと思い込んで認知的不協和に陥った彼らには、なぜドナルド・トランプ、バーニー・サンダースが台頭してきたのか?トランプ大統領が誕生したのか?理解できないでしょう。

                                             結果、トランプが「メキシコに壁を作る」「NAFTA(北米貿易自由協定)を見直す」といった政策についても理解しがたいでしょうし、イギリスのメイ首相のEU離脱についても「過激なナショナリズム」とネガティブな報道をします。トランプもおそらく知見のないマスコミ人からは「過激なナショナリズム」としか映らず、嘲笑を続けるのでしょう。

                                             関税強化をするトランプに対して貿易戦争などと報道するマスコミをみていますと、「あぁー、未だにマスコミはトランプをバカにしている。そのトランプ大統領のおかげで米国は経済指標がよくなってきていて、公約通りアメリカンファーストを実行しているということを理解できないんだろうな!」と、逆に私は日本のマスコミを嘲笑したくなるのです。

                                             

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                                            トランプ大統領の一般教書演説の内容(経済政策と北朝鮮問題)について

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                                               先日、トランプ大統領の163兆円インフラ投資について触れましたが、今日は改めてトランプ大統領の一般教書演説の内容について取り上げ、経済政策と北朝鮮問題について意見します。

                                               

                                               以下はブルームバーグの記事です。

                                              『ブルームバーグ 2018年1月31日 14:46 JST  トランプ大統領が一般教書演説、富と好機の「新時代」と実績誇示

                                               トランプ米大統領は1月30日夜、上下両院合同本会議での初の一般教書演説で、富と好機に恵まれた「米国新時代」が到来したと述べ、自分が大統領として米国に繁栄をもたらしたとこれまでの実績をアピールした。

                                                大統領は共和、民主両党の協力を得るため、演説でいつものような敵対的な文言を控え、自らの政権は「安全で強く、誇り高い米国」建設に向け取り組んでいると訴えた。また、自分は米国を「一つのチーム、一つの国民、一つの米国の家族として」団結させると表明した。

                                               トランプ大統領はインフラストラクチャーや貿易などの政策課題で「経歴、人種、信条を問わず、全ての米国市民を守るため、今晩、私は民主、共和両党メンバーに協力を呼び掛ける」と訴えた。演説は約1時間20分間に及んだ。
                                               ホワイトハウスは同演説を経済の成功をアピールすると同時に、国民を勇気づけ、超党派の結束を呼び掛ける場として位置付けた。

                                               トランプ大統領は「税制改革法が成立して以来、約300万人の米労働者が既に賞与を受け取っており、その多くは一人当たり数千ドルを手にした」と成果をアピール。「つまり、これはわれわれの新米国時代だ」と語った。

                                               民主党は大統領が統合と平等という共有目標の概念を破壊したと批判。トランプ氏の大統領当選に貢献した労働者らを犠牲にして、強者の利益を優先していると指摘した。

                                              民主党は批判

                                               故ロバート・ケネディ元司法長官の孫である民主党のジョー・ケネディ下院議員は民主党の公式コメントで、「現政権はわれわれを守る法律だけでなく、われわれ全員が保護される価値があるという考えもターゲットにしている」と述べた。

                                               シューマー民主党上院院内総務は、「分裂を促す長い1年の後、多くの米国民は国が結束するビジョンを大統領が示すことを切望していた。残念ながら、大統領の今晩の演説はわれわれを団結させるどころか、分裂の火種となった」と指摘した。

                                               トランプ大統領はまた、「米国民もドリーマーだ」と述べ、幼少期に親に連れられ米国に入国した不法移民の若者「ドリーマー」をやゆした。さらに、犠牲になった米軍兵士に言及し、それが国歌斉唱時に誇りを持って起立する理由だと主張。試合前の国歌斉唱時に人種差別への抗議を表すため、手を組んでひざまずいたり、拳を上げたりしている米ナショナル・フットボールリーグ(NFL)の選手を暗に批判した。

                                               大統領は一般教書演説で処方薬批判も展開。「不当に高い薬価の是正をわれわれの最優先課題の一つ」にすると明言した。

                                               トランプ大統領は2016年大統領選挙でのロシアとトランプ陣営との共謀疑惑や、連邦捜査局(FBI)トップによるトランプ大統領捜査を批判した下院共和党の文書などの問題については言及しなかった。

                                               その代わり、経済の改善が米国民全員の助けになっているというテーマを展開。中心になったのは減税礼賛と、トランプ大統領が「不公正」だと主張する貿易協定を是正するという公約だった。(後略)』

                                               

                                               

                                               すでにご承知の通り、トランプ大統領は、この一般教書演説で、戦後最大となる日本円で163兆円を投じる官民インフラ計画を表明しています。トータル1時間20分程度の演説なのですが、通商政策は1分10秒ほどと短く、北朝鮮問題について7分ほどしゃべっています。一方でTPP復帰の可能性には触れられていません。一方で、北米貿易自由協定(NAFTA)や米韓二国間貿易協定(米韓FTA)を是正することについて触れ、通商政策についても米国国民の国益となるために是正するとしています。

                                               

                                               経済政策についていえば、一般的に大きく2種類に分けられます。

                                               

                                               一つ目は、株主や経営者など、資本家に利益をもたらす構造改革・グローバル化の経済政策。二つ目は普通の国民・労働者といった方々の賃金が上がる、中小企業の利益が上がる、ブルーカラーの賃金が上がるなど、暮らし向きが上がって大都会だけでなく地方経済もよくなる、即ち国民経済を良くするという政策です。

                                               

                                               TPPやNAFTAや米韓FTAは資本家を大事にする話。ついでにいえば米韓FTAは韓国の国民も疲弊しました。何しろラチェット規定とISD条項で、新たな規制ができず、農業分野が崩壊して大変なことになってしまったのです。( 米韓FTAの悲惨な実態を報道しない日本経済新聞 )

                                               

                                               一方でインフラ投資は国民経済を良くする話です。トランプ大統領の一般教書演説は、経済分野でいえば二つ目の国民経済をよくしていこうとする経済政策の発言といえます。これは米国国民にとっては歓迎すべき発言であり、非常にいい一般教書演説といえます。

                                               

                                               日本もそういう方向性の経済政策をして欲しいのですが、財務省が原因で竹中平蔵が持ち込んだプライマリーバランス黒字化目標というものがあるため、国民経済を良くするための財政出動はできません。仮にインフラに投資するとすれば、その支出分を増税する、もしくは他の教育予算や科学技術予算を削るという話になるでしょう。

                                               

                                               欧州諸国もまたEUに加盟しているため、マーストリヒト条約によって、財政赤字対GDP比率は3%以下にしなければならないと定められています。( 「政府の債務残高対GDP比率3%以下」という”3%”に根拠なし! )マーストリヒト条約で縛る財政運営について、財政赤字対GDP比率3%以下とは、政府の収入が100に対して、103超の支出は認めないということです。

                                               そもそもなぜ3%以下なのか?3%という数値に学術的な論証はありません。デフレに苦しんでいるのであれば、政府の収入100に対して、普通に103超の支出が必要な局面もあるはずです。にもかかわらず、マーストリヒト条約は財政赤字対GDP比率で3%以下という制限をしています。

                                               

                                               普通に考えてこれは内政干渉なのでは?と思う人もいるかもしれませんが、EUに加盟している国々は、EU間で定めた国際協定になるため、EUに加盟している限り内政干渉とはなりません。

                                               

                                               本来ならばEU加盟国もマーストリヒト条約を是正し、トランプ大統領を見習うべきだと思うのです。英国がなぜEU離脱したか?EUに加盟している限り、自国のための政策が打てず、しかも自国に合わない制度や仕組みや法律を押し付けられます。しかもドイツというインフラが整った超技術経済大国と関税なしの自由貿易で競争するわけですから、ドイツ以外の自国民が絶対に貧困化するに決まっています。

                                               

                                               英国のメイ首相の判断は英国国民の国益を考えますと、正しいと言わざるを得ません。欧州諸国もトランプ大統領を見習うべきですし、英国のようにEU離脱を考えるべきだと思います。

                                               

                                               また北朝鮮問題に対しては多くの時間を割いていまして、外交安全保障の専門家の間では、平昌オリンピック後に、米朝開戦のリスクが高まっているという声があります。米国国民に理解を求めるような演説になっており、米朝開戦が現実となる可能性が極めて高いと言わざるを得ません。

                                               米朝開戦が始まった場合、日本が北朝鮮から直接攻撃を受ける可能性が極めて高く、核弾頭を乗せたミサイルを飛ばしてくる可能性も高いのです。

                                               日本はまたもや被爆国にならないといけないのか?本来であれば敵基地先制攻撃を、憲法第9条2項の交戦権に該当しないと認めるべきです。それは憲法を改正せずとも閣議決定でできます。閣議決定されれば、予算を付けることが可能です。

                                               

                                               ただし、この北朝鮮問題についても、プライマリーバランス黒字化目標があるため、さすがに予算を付けないということはないでしょうが、予算を付ける代わりにインフラ投資を削減する、科学技術予算を削減する、といったバカな話になってしまいます。

                                               

                                               

                                               というわけで今日はトランプ大統領の一般教書演説について取り上げました。いずれにしても、日本はプライマリーバランス黒字化を破棄しない限り、真綿で首を絞められるようにして少しずつ日本がダメになっていくことでしょう。そうしたことに絶望感を覚えます。この状況を打開するためには、財務省の出世ルールを変える必要があります。緊縮財政を推進した人が出世するのではなく、GDPを増やした人が出世するような仕組み、そんな風に変えた時に初めて財務省は日本国民の敵ではなくなるでしょう。

                                               それが変わらない限り、財務省は日本国民の真の敵ともいえます。国民経済を良くするという考え方が、彼らの頭にはないからです。そのため、財務省の出世ルールを変える必要性について、多くの日本人に理解していただきたいと思うのであります。


                                              トランプ大統領が1.5兆ドル(日本円換算約163兆円規模)のインフラ投資を表明

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                                                 今日は、トランプ大統領が2017/01/31、一般教書演説の中で、1.5兆円ものインフラ投資を行うことを表明したことについて触れたいと思います。

                                                 

                                                 下記は産経新聞の記事です。

                                                『産経新聞 2018.1.31 13:31 トランプ大統領、初の一般教書演説 経済実績を誇示 1・5兆ドルインフラ投資、超党派の協力呼びかけ

                                                【ワシントン=塩原永久】トランプ米大統領は30日夜(日本時間31日午前)、上下両院合同会議で初の一般教書演説を行った。力強い景気拡大を実現した就任1年目の実績を誇示。インフラ整備に1兆5000億ドル(約164兆円)を投じる計画を表明し、新たな移民政策とともに、議会の超党派の協力を呼びかけた。北朝鮮の核ミサイル開発では「過去の政権が犯した過ちを繰り返さない」と述べ、最大限の対北圧力をかけ続ける方針を強調した。

                                                 トランプ氏は演説で、就任後に「240万人の雇用が生まれた」と成果をアピール。税制改革で法人税率を35%から21%に引き下げたことで「米企業はどのような相手とも競い、勝つ」と述べ、景気の先行きにも自信を示した。

                                                 また、「安全で速く、かつ近代的なインフラ」の必要性を指摘し、老朽化した道路や橋などの再整備を進める方針を表明。10年間で投じる1兆5千億ドルについては、財政負担を考慮して連邦政府や州、官民が連携して実施するとした。(後略)』

                                                 

                                                 

                                                 上記の通り、米国のトランプ大統領は、1/31に連邦議会の上下両議院の合同会議で、内政外交の施政方針を示す初めての一般教書演説を実施し、就任2年目に取り組む目玉政策として老朽化した高速道路の補修など、今後10年間で1.5兆ドル(日本円で約163兆円)規模のインフラ投資を行うと表明しました。その他、180万人の不法移民の救済制度の策定に意欲を示しています。

                                                 米国は今年11月に、政府・政権に対する信任投票である中間選挙が行われます。トランプ氏は税制改革法の成立と、株価上昇の実績を示し、米国の新時代と称して、アメリカンドリームには最高のタイミングとのも述べています。

                                                 

                                                 いずれにしても10年で163兆円のインフラ投資というのは、極めて合理的な支出であるといえます。なぜならば、インフラが老朽化してきているので、放置すれば使えなくなって通行止めになる道路がどんどん出てくるでしょう。通行止めとなる道路が増えれば、生産性が落ちます。

                                                 

                                                 1980年頃、アメリカ国内で全国の橋が一気に劣化して、都市のあちこちで大きな橋が落ち、多くの人命が失われるだけでなく、大きな経済損失が発生しました。

                                                 橋が落ちれば、都市と都市が寸断され、ロジスティクスが崩壊します。橋が落ちることによる人命が失われるということも大変なことですが、生産性が落ちる、経済成長ができなくなるということもまた重要なことであります。

                                                 

                                                 下記は1980年頃起きたインフラ崩落事故です。

                                                 

                                                 1983年 コネチカット洲マイアナス橋崩落

                                                 1973年 マンハッタン・ウエストサイドハイウェイ部分崩落

                                                 1981年 マンハッタン・ブルックリン橋ケーブル破断(日本人が死亡)

                                                 

                                                <マンハッタンのブルックリン橋>

                                                 

                                                (2014年12月31日に杉っ子がニューヨークを訪問した際、ハドソン川クルージングに参加したときに撮影したもの)

                                                 

                                                 上記写真は、私が2014年12月31日の大晦日にブルックリン橋を撮影した写真です。ニューヨーク市内のインフラは老朽化しており、このブルックリン橋についても例外とはいえません。

                                                 

                                                 何しろニューヨーク市内は地下鉄網も含め、大量のインフラがあり、163兆円という投資は当然に必要といえるのです。マクロ経済的にいえば163兆円の需要を創出したといえます。163兆円分の仕事があるといえます。163兆円分賃金UPできるといえます。

                                                 

                                                 これをやることで、米国本土全国各地の建設業や関係業者のキャッシュが回り出し、典型的なニューディール効果、ケインズ効果によって地域経済が良くなっていくことでしょう。

                                                 ウォール街での金融や資本家といった一部の米国人が金融所得で儲けを拡大するというのではなく、庶民の暮らしをよくするための政策であるといえるのです。

                                                 大量インフラの老朽化対策というのは地道な対策なのですが、ここに163兆円もの大量の資金を投入することは、庶民の暮らし、しかも地方の庶民の暮らしが良くなっていくということで、米国国民は豊かになっていくことが予想されます。

                                                 

                                                 トランプ大統領に対する評価は、日米いずれもマスコミの印象操作がひどく、批判がいろいろあることは私も承知しています。とはいえ、この163兆円のインフラ投資は極めて適切な経済政策であると思うのです。

                                                 

                                                 日本経済新聞の論説では、「これで所得が上がっていくということでこんなにお金をたくさん使えば財政赤字になるのでは?」という批判があるのですが、大きな間違いです。庶民の所得が増加すれば、所得税が増えます。消費が増えれば間接税も増えます。財政に対してもプラスになるのです。

                                                 

                                                 新聞社の記者らは、国家財政を家計簿と同じように考えていること、米国は800兆円の純負債国だが米ドル建ての債務なので財政問題が存在しないことを知らないこと、この2つの誤認により、財政赤字が拡大するなどと報じているのでしょう。愚かしい限りです。頭が悪すぎです。

                                                 

                                                 

                                                 というわけで今日はトランプ大統領の163兆円インフラ投資について取り上げました。10年で163兆円ということは、年間平均で16.3兆円です。日本の補正予算は2兆8900億円と前年実績を下回ります。米国は典型的なニューディール政策で財政出動します。絶対に米国は豊かになるでしょう。それに加え、日本は補正予算を減額して緊縮財政を維持している。日本に限りませんが、フランスやドイツなど、緊縮財政を是とするフィロソフィーが、各国国民の貧困化を招いているということを、有識者と呼ばれる人々は早く気付くべきであると私は思うのです。

                                                 そこに気付いたとき、トランプ大統領に対する正しい評価がなされるのでは?と思っております。


                                                日米FTA(二国間貿易協定)の交渉は、絶対に×です!

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                                                  JUGEMテーマ:経済全般

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                                                   今日は毎日新聞の記事「<日米経済対話>日本、FTAに警戒感 主張は平行線」について取り上げます。

                                                   

                                                  記事の概要は以下の通りです。

                                                  『毎日新聞 10/17(火) 21:48配信 <日米経済対話>日本、FTAに警戒感 主張は平行線

                                                   【ワシントン清水憲司、小川祐希】日米両政府は16日、米ワシントンで日米経済対話の第2回会合を開いた。日本政府同行筋によると、ペンス米副大統領は日米2国間の自由貿易協定(FTA)に強い意欲を表明。11月6日の日米首脳会談でトランプ大統領が正式提案に踏み込む可能性に日本政府は警戒を強めている。
                                                   経済対話は麻生太郎副総理兼財務相が出席し、米国はペンス氏のほか、ムニューシン財務長官やロス商務長官、ライトハイザー通商代表が同席。4月の初会合でペンス氏は会議の席上、日米FTAに触れなかったが、今回は会議で強い意欲を表明しており、事実上の交渉要請と言えそうだ。これに対し、日本は環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への米国復帰を期待する従来の方針を説明。両国の主張は平行線で、「FTAを巡る両国の認識は一致していない」(日本政府筋)まま会議は終わった。
                                                   ただ、トランプ政権が2国間交渉を求めるのは「時間の問題」とみられている。米農業界がTPP離脱で失った輸出増のチャンスを取り戻そうと早期の交渉入りを求めるのに加え、議会内でもFTA締結を通じたアジア太平洋地域での影響力保持を主張する声があるからだ。
                                                   日本が2国間交渉に応じない姿勢を示したとしても、トランプ氏は交渉入りを強く要求する可能性がある。米通商代表部(USTR)の元幹部は「首脳間の関係が良くても、それは率直な意見交換ができるということにすぎず、トランプ氏は最終的に『米国第一』の立場から判断するはず」と予想する。(後略)』

                                                   

                                                   上記の通り、麻生太郎財務大臣と、米国ペンス副大統領が日米経済対話を行われたというニュースです。米国側は、日米FTAに強い関心を示し、事実上の交渉入りを探った格好と報じられています。

                                                   

                                                   米国が狙うのは、農産物の対日輸出拡大です。米国の農畜産業界は、日本との通商協議を熱望しておりましたが、米国のTPP離脱で、関税が下がる恩恵が受けられず、日本向け輸出の旧肉価格が高止まり、オーストラリアとの競争が激化しているという状況です。

                                                   

                                                   このような状況で、日本は絶対に交渉入りしてはいけません。

                                                   現時点で、日本の穀物自給率は20%で、この数値は先進国で下から2番目です。

                                                   

                                                  <諸外国の穀物自給率の一覧 1961年と2013年>

                                                  (出典:農水省ホームページ)

                                                   

                                                  <諸外国の穀物自給率の推移 1961年と2013年(単位:「%」)>

                                                  (出典:農水省ホームページ)

                                                   

                                                   日本が先進国の中で、オランダに次いで穀物自給率が低いという状況です。このランキングを見て、皆さんはどう思われるでしょうか?

                                                   穀物は、人間の主食になるだけではなく、家畜などの資料としても利用される大切な食糧です。100%以上の数値を叩きだしている米国などの国々は、自国に必要な以上に穀物が生産できているということを意味するのです。

                                                   

                                                   日本は金はあるけど食べ物がない国。金があっても食糧を輸入に頼っている国なのです。穀物自給率で28%とは4人に一人程度しか足りていないという状況です。

                                                   供給力を自国で賄えない国は、いずれ高い値段で買わされる、外交で不利益な条項を飲まされる、ということが普通にあり得る話です。

                                                   

                                                   米国がやりたいことは何か?現時点で日本の穀物自給率は20%台で、先進国では下から2番目です。コメこそ自給率100%ですが、小麦、トウモロコシ、大豆といった穀物は、半分以上米国からの輸入です。米国側からすれば、畜産物はまだ半分以上になっていないから、次は畜産物を50%以上にして、最後はコメまで狙っているというのが米国の農業通商政策です。

                                                   

                                                   今は北朝鮮の問題で、日本は米国に頼らないとどうにもなりません。何しろ核兵器を持っておりませんし、敵基地を先制攻撃できるように法整備も整っていません。こんな状態で交渉入りしたら、絶対に米国の言い分をそのまま飲まざるを得なくなるに決まっています。

                                                   

                                                   先日、横田めぐみさんのご両親について、米国の議会で北朝鮮拉致問題について触れました。これも取引に使われ、通商政策で関税引下げを求めるということもあり得ます。今後、例えばトランプ大統領が訪日して、日本政府と取引します。そしてふと気が付くとFTA交渉が始まっているなんてことになることを私は危惧しています。

                                                   

                                                   FTA交渉に絶対に入ってはいけません。TPPと同じです。TPPのとき、交渉で勝ち取るなどと勇ましく交渉しましたが、甘利さんは何を勝ち取ったのでしょうか?何も勝ち取っていません。

                                                   

                                                   麻生大臣がペンス副大統領から交渉入りの要請があったとして、麻生大臣は拒むことができるでしょうか?麻生大臣は、かんぽ生命ががん保険を独自に販売しようとしていたところ、アフラックからクレームが入り、かんぽ生命がアフラックの代理店になるということを認めた張本人です。

                                                   

                                                   かんぽ生命ががん保険を独自に販売するのと、かんぽ生命がアフラックのがん保険を販売するのと、どちらが日本経済に貢献するか?といえば、前者に決まっているわけです。にもかかわらず、簡単に米国の要求を呑んでしまう。麻生大臣といえども、その程度の政治家です。

                                                   

                                                   

                                                   というわけで、今日は「日米FTA(二国間貿易協定)の交渉は、絶対に×です!」と題し、日本の穀物自給率を考えれば、国益を考えれば、FTAは絶対に交渉してはいけないと述べさせていただきました。左翼が日本を亡国に導くとすれば、新自由主義のグローバリストは売国によって日本を亡国に導く輩といえます。

                                                   今の日本には、国益とは何か?を真剣に考えることができる政治家がほとんどいないということが不幸です。このままでは、日本は供給力の低下で発展途上国化が避けられないと私は大変に危惧しているのです。


                                                  銃社会の米国と、自然災害国家の日本

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                                                    JUGEMテーマ:安全保障

                                                     

                                                     今日はラスベガスで起きた銃乱射事件について取り上げ、以下の3構成で、米国と日本の違いについて意見いたします。

                                                     

                                                    1.米国の銃社会の背景

                                                    2.米国とは異なる日本は皇統をいただいている最古の国家

                                                    3.安倍総理のいう国難とは意味が違う!

                                                     

                                                     

                                                    下記はニューズウィークの記事です。

                                                    『2017年10月3日(火)12時44分 ニューズウィーク日本版 ラスベガス銃乱射で59人死亡・数百人負傷、米史上最悪の惨事

                                                     米ラスベガスの音楽フェスティバル会場で、現地時間の1日午後10時(日本時間2日午後2時)過ぎに銃乱射事件が発生、少なくとも59人が死亡し、525人以上がけがを負った。近年の米国史上最悪の銃撃事件となった。

                                                     警察は、犯行に及んだのはネバダ州内の高齢者居住地区に住むスティーブン・パドック容疑者(64)と特定、単独で行ったとの見方を示した。

                                                     過激派組織「イスラム国」(IS)が関与を認めたが、米当局者らは犯行声明を裏付ける証拠はないとした。

                                                    米当局によると、同容疑者はマンダレイ・ベイホテルの32階の部屋から、来場者ら2万2000人に向けて数分間発砲した。

                                                    警察が部屋に突入する前、同容疑者は自殺した。郡保安官によると、部屋からライフル10丁以上や複数のマシンガンなどがみつかったという。

                                                     ISと関連のあるAMAQ通信は「ラスベガスの攻撃はISの兵士が実行した」とし、この人物は「数カ月前にイスラム教に改宗していた」としている。

                                                     一方、郡保安官は同容疑者の信仰は分かっていないと説明した。

                                                     米政府高官2人はロイターの取材に、同容疑者はテロリストと疑われる人物のデータベースで見つからなかったと指摘。当局者の1人は、精神的な問題の既往歴があったと信じる根拠があると語った。

                                                    トランプ大統領は「悪の権化による仕業」と非難した。4日にラスベガス入りし、被害者や家族、救助隊員らと会う考えを示した。(後略)』

                                                     

                                                     米国ラスベガスで、59人が死亡した銃乱射事件ですが、容疑者はホテルで自殺したと言われています。この事件で、スティーブン・パドック容疑者が、銃に特殊な装置を付けて連続発射できるようにして人への殺傷能力を高めていたとされています。

                                                     テレビ映像でも高級ホテルの32階の部屋のガラス2箇所が割られ、400m離れた場所に向けて機関銃のような銃を乱射の後が報道されていました。

                                                     

                                                     

                                                     

                                                    1.米国の銃社会の背景

                                                     

                                                     米国は、よく銃社会といわれています。事件の背景はISの関与という噂もありますが、はっきりと判明していません。一方でラスベガスがあるネバダ州は、銃の保有が認められています。銃を買う時に身元調査をするものの、個人間売買が認められているため、売買で譲渡される結果、誰が銃を所有しているかはわからないのです。

                                                     

                                                     では、なぜ米国は銃の規制をしないのでしょうか?私たち日本人は、米国国内における銃の保持は米国の建国の理念に根差した重大なテーマであるということを知るべきであると考えます。

                                                     

                                                     もともと米国は神の名のもとが想像主の国家であり、神様の名の下で国家政府国王に抵抗する権利を人間が持っているというジョン・ロックの思想に基づいて成立した国です。ジョン・ロックの独立宣言において、そう書かれています。

                                                     

                                                     アメリカ独立宣言は、大きく3つの部分からなっているとされており、最初の部分がジョン・ロックの社会契約説を論拠とした独立の正当性の主張でした。イギリス国王の植民地に対する悪政を列挙して批判して、イギリス国王への忠誠の拒絶と独立を宣言しているのです。

                                                     

                                                     例えば、米国政府が人民の福祉に反するようなことをした場合、人々は政府を改造または廃止して新しい政府を樹立すると独立宣言に書いてあり、つまり人民は革命権=抵抗権を持っているという前提で米国は成立しているのです。そして抵抗するためには武器が必要ということで銃を持っているのであります。

                                                     

                                                     この考え方、何か文句があるならば、みんなで銃を持って立ち上がらなければならないという発想、こういう発想は日本にはありません。今回のラスベガスの銃乱射事件を受け、米国国内では銃器メーカーの株価が上昇したと言われています。こういうことは日本では起こりえないのです。

                                                     

                                                     米国は日本以上に本当の意味で個人主義のグローバリズムの発想です。隣の人同士、同朋意識(ナショナリズム)を持って助け合いましょうという発想はほとんどないといえます。自分の身は自分で守りなさいという発想なのです。家族は仲間かもしれませんが、外には敵がいるかもしれないというのが米国なのです。

                                                     

                                                     

                                                     

                                                    2.米国とは異なる日本は皇統をいただいている最古の国家

                                                     

                                                     日本は災害大国であり、もともと同朋意識を持って一致団結して助け合うという発想が根付いていました。「いました」としたのは、最近はグローバリズムが蔓延して、そういう風潮が壊されてきたと思うフシがあるのです。

                                                     

                                                     例えば、日本政府と日本国民を対立させるような考え方をしている人、少なくないのではないでしょうか?変な話、日本共産党の人たちは、「日本国憲法は日本国民を日本政府から守るためにある」という言い方をします。なぜ、日本国民と日本政府を分けるのでしょうか?日本政府は日本国民の主権に基づいたNPO法人であり、日本政府も日本国民も同じです。にもかかわらず、日本政府と日本国民を対立させようとするわけです。

                                                     

                                                     米国の場合は、人々が抵抗権を持っているという点で、政府と人々を分けるという発想があったとしても、まだ理解できます。とはいえ、日本は世界最古の皇統(天皇陛下)をいただいている自然国家であり、日本国の始まりは、果たしていつなのか?古すぎて誰にもわかりません。大体、いつから日本と呼ばれているのか?もわからない、そういう国家です。その上、世界屈指の自然災害大国です。

                                                     

                                                     世界最古の皇統をいただき、世界屈指の自然災害大国である以上、国民と政府が一致団結して、次なる災害に常に備えなければいけない国であるにもかかわらず、なんで国民と政府を対立させるようなことをやるのでしょうか?という話です。

                                                     

                                                     日本の国民がお互い助け合うという思想は、健全なナショナリズムで普通のことと考えます。むしろ、ナショナリズムを持たない方がおかしいです。

                                                     

                                                     しかしながら、日本は大東亜戦争後に負けた後、思想をコントロールされてしまい、政府と国民を敵対させようとする勢力、代表的な勢力は共産党です。

                                                     

                                                     もう一つはお金を至上最高の価値観として考えるグローバリズムの発想。この発想もまた日本のナショナリズムを破壊していると言えます。

                                                     

                                                     結果、今の日本では、右派も左派も国民意識を否定する政治家で溢れかえっているのです。左翼系の政治家でいえば日本政府を敵視します。だから憲法が我々の防波堤だという言い方をします。右派は安倍総理や小池都知事のようにバリバリのグローバリズムの発想で、お金という価値観を至上のものとして、規制緩和を推し進めていきます。

                                                     

                                                     どちらも国家の安全保障を崩壊させ、国民を不幸にする点では変わりません。そういう意味で日本は国難といえると私は思います。

                                                     

                                                     

                                                     

                                                    3.安倍総理のいう国難とは意味が違う!

                                                     

                                                     安倍総理が選挙戦で、少子高齢化と北朝鮮問題を指して国難と言っています。確かに国難ではありますが、解決策はあります。少子高齢化でいえば、一人当たりの生産性向上のための投資を、政府が率先垂範して政府支出増で行えばいいわけです。北朝鮮問題にしても、憲法9条を改正しなくても、敵基地攻撃能力を保持することが交戦権に該当しないと閣議決定して法律を制定すれば、予算を付けて政府支出で国防安全保障を強化することが可能です。

                                                     

                                                     とはいえ、ナショナリズムを喪失していくのを止められない場合、安全保障自体が成り立ちません。自分はお金があるから自分の身は自分の身で守るという価値観があったとして、北朝鮮の核ミサイルからどうやって自分で身を守るのでしょうか?大災害からどうやって身を守るのでしょうか?

                                                     起業で成功した方であったとしても日本のインフラを使い、購買力のある分厚い中間層が大勢いる日本人を対象にビジネスをしてきたからこそ、成功できたわけです。日本のインフラという意味で言えば、防衛力があればこそ、他国からの侵略を防ぎ、防波堤

                                                    ・防潮堤・砂防ダムなどがあればこそ、大災害から財産・生命を守ることができるのです。

                                                     

                                                     安全保障とは、いざという時に助け合うといういわばお金とは関係なしの問題です。東日本大震災のとき、全国からトラック運転手たちが、トラックに救援物資を満載にして東北に徹夜で走りました。そのトラック運転手は、給料はほぼ出なかったと言われており、ガソリン代ですら出なかったと言われています。

                                                     

                                                     では、なぜみんな東北に行ったのでしょうか?それは同じ日本国民を助けるためだからに決まっています。これがナショナリズムです。このようなナショナリズムを持たないで、安全保障を成立させることは不可能です。

                                                     

                                                     もともとグローバリズム路線と安全保障強化は、端から不整合であり、グローバリズム路線を突き進むと安全保障は弱体化していきます。

                                                     

                                                     北朝鮮問題でいれば、北朝鮮のICBMから日本国民を守るのは誰でしょうか?それは同じ日本国民です。米国やトランプ大統領ではありません。

                                                     

                                                     そう考えたとき、日本国民同士を対立させるような状況が増えている日本は、本当にヤバイといえます。今年の東京都議会議員選挙の秋葉原で行われた安倍首相の応援演説の際、ヤジを言われ、「このような人たちに負けられない!」と安倍首相は言い放ちました。この発言は、まさに国民を分断させる発言です。本来であれば、「あなたたちのような人々を守るのも私の仕事です!」というべきだったのです。

                                                     

                                                     現実は、日本は完全に壊れて敵対し、真っ二つに分かれてしまっているように思えてほかなりません。敢えて暴言を吐いて注目を集める劇場型政治が流行るというのも、そうした背景です。

                                                     例えば、郵政を敵視する。農協を敵視する。大阪市役所職員を敵視する。東京都庁職員を敵視する。それらを攻撃することで、自分の支持率を上げるという手法、小泉親子(小泉純一郎、小泉進次郎)や小池都知事や橋下徹氏らが該当します。彼らは安全保障を全く理解せず、既得権とレッテル貼して、日本のインフラの基盤となるべきものを壊してきた(壊している)といえるのです。

                                                     

                                                     

                                                     というわけで、今日は「銃社会の米国と、自然災害国家の日本」と称し、米国における銃社会の背景と、日本が異なることを説明しました。一方で、グローバリズムによってナショナリズムが破壊されている現状を含め、日本では健全なナショナリズムが必要であるという私見を述べました。

                                                     ナショナリズムとは助け合いです。大震災や北朝鮮のミサイルについて、皆さんは個人で立ち向かうことができるでしょうか?是非考えていただきたく思います。できるわけがないですね。だから国家という共同体、利益追求しないNPO法人があって、お互いに助け合うというナショナリズムがなければならないのです。

                                                     それをグローバリズムの発想や、政府と国民を対立させるような考え方で、壊していくというは問題であると、私は考えております。


                                                    米国のガソリン税引き上げと共和党の医療保険制度改革

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                                                      JUGEMテーマ:経済全般

                                                       

                                                       今日はブルームバーグの記事で、トランプ大統領が、「インフラ建設の原資として、連邦ガソリン税を引き上げること、これを排除しない」と発言したことと、共和党の医療保険制度改革について取り上げます。

                                                       

                                                       下記はロイター通信の記事です。

                                                      『ロイター通信 ワシントン 2017/05/01 トランプ米大統領、インフラ原資確保へガソリン税増税

                                                      トランプ米大統領は1日、インフラ開発の原資を手当てするため、連邦ガソリン税の引き上げを検討するとの考えを明らかにした。ブルームバーグ通信とのインタビューで述べた。

                                                      大統領は「高速道路向け資金を確保できれば、私に何らかの行動を望むと運送業者は話している」とし、ガソリン税増税は「もちろん検討事項だ」と述べた。

                                                      ガソリン税を引き上げれば家計への影響も大きく、トランプ政権が先週公表した税制改革案では、ガソリン税に関する言及はなかった。

                                                      トランプ大統領は、税制改革案は議論を開始するための出発点に過ぎないとし、詳細は明言しなかったが、譲歩する用意があるとの立場を示した。(後略)』

                                                       

                                                       私は今まで、どちらかと言えば、トランプ大統領の政策が、米国民にとって国益につながる政策を取られていると思っておりまして、マクロ経済的には正しい政策をやってきていると思ってきていましたが、ガソリン税の引上げの発言、これは大きい話です。

                                                       

                                                       なぜながらば、米国は日本と比べ物にならないほど車社会なので、支持率を間違いなく下げるでしょう。

                                                       本来ならば「普通に国債を発行すればいいのに」と思うわけであります。

                                                       

                                                       日本に財政問題がないことは、このブログでよく取り上げますが、米国もまた純負債800兆円であるにもかかわらず、財政問題は存在しません。通貨発行権を持つ自国通貨の負債だからです。だからガソリン税の引き上げなどしなくても、普通に国債発行でOKなわけです。

                                                       

                                                       なぜ、支持を下げるような発言をするのか?

                                                       一般国民は、日本もそうですが、米国民もまた「政府が負債を増やしてインフラ投資する」と言われてもピンとこないのでしょう。国民の声として「また借金を増やすのか!」と言われれば、「じゃぁ、ガソリン税を!」となってしまうのではないでしょうか?

                                                       

                                                       自国通貨建ての負債ではデフォルトを起こし得ないということについて、世界中ワールドワイドに理解していない人々が多いのです。だからドイツが、ギリシャに対して緊縮財政を要求したり、フランスのマクロン大統領もフランス経済において財政出動が必要なのに公務員大幅削減などと緊縮財政をしようとする。デフレで経済が傷んでいるというのは、需要が不足しているということ。にもかかわらず、公務員大幅削減=需要削減なわけです。

                                                       

                                                       ワールドワイドで国民もリーダーも、自国通貨建ての負債で破たんすることはあり得ないことを知らないのに人がほとんどであることに加え、多くの人々がデフレ・インフレについても正しく理解していないのです。

                                                       

                                                       

                                                       さて、共和党の医療保険制度改革に話を移しますが、オバマケアの代替法案とされています。

                                                       少なくても、オバマケアと同程度。持病がある米国民を守る内容になっているとも言われています。とはいえ、その発言は微妙です。メディケア法という低所得者層向けの公的保険がありますが、それを小さくしていく、補助金を減らしていく、というのが入っていまして、どちらかと言えば、米国民を守るというコンセプトから逆行しています。

                                                       

                                                       一つだけいいところがあります。それは、オバマケアの問題として、強制保険であるがゆえに、保険に入っていないと罰金を取られます。本来、公的保険=国民健康保険は、米国民全員が入りなさいというのが正しいと思いますが、「入らなければ罰金」を撤廃するというのは、いいところだと思います。

                                                       

                                                       上述はトランプ大統領の案ですが、共和党は「これでは生ぬるい!」と言っており、もっと元に戻して政府の関与を減らしてというバイアスを掛けています。かといって、保険に入らないと罰金という発想自体そのようなオバマ大統領的なものは、共和党の議員、米国民にとって、絶対に納得ができないということなのだと思います。だから罰金というのをちょっと緩めましょうという話です。

                                                       とはいえ、共和党としては、より小さな政府にしていこうとしています。だからトランプ大統領がやろうとしている案も生ぬるいと、甘いということになってしまうのでしょう。

                                                       

                                                       「小さな政府」とは、日本でも口にする政治家がいます。「政府を小さくする=需要を小さくする=需要を削減する」です。インフレギャプならまだしも、世界的にスロートレードが継続してさらに深刻化し、デフレになろうとしている状況で「小さな政府」にして緊縮財政をやれば、景気がさらに悪くなるのに、です。

                                                       デフレ・インフレを理解していない政治家や国民は、何も日本だけではないのです。

                                                       

                                                       

                                                       そんなわけで、今日は米国の経済政策で、ガソリン税引き上げ発言と医療保険制度改革について触れさせていただきました。


                                                      トランプ大統領が検討するグラススティーガル法(銀行法の通称)の復活について

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                                                        JUGEMテーマ:経済全般

                                                         

                                                         今日は、掲題のテーマを取り上げたいと思います。

                                                         

                                                         グラススティーガル法とは、グラス議員とスティーガル議員の名前を取った法律です。

                                                         

                                                        <左がヘンリースティーガル議員、右はカーターグラス議員>

                                                         

                                                         

                                                         米国はこうした議員の名前を取った法律があります。例えば、日本における企業の内部統制を定めた法律のJ−SOX法は、もともと米国企業改革法で、サーベンス議員とオックスリー議員の名前の頭文字を取り、SOX法となりました。それを日本に持ち込んで、J−SOXと言っています。

                                                         

                                                        ◆グラススティーガル法の概要と成立の背景

                                                         

                                                         グラススティーガル法という法律は、どのような法律か?端的に言えば金融業務に対する規制する法律で、1933年に米国国内で成立した銀行法の通称名です。

                                                         

                                                         2017年5月1日に、トランプ大統領が、ウォール街の銀行の分割を積極的に検討しているとの報道がありました。

                                                         その中で、消費者向け融資と投資銀行業務を分けることを定めた大恐慌時代の金融業務規制の法律、グラススティーガル法の復活を後押ししたいとの意向を示しました。

                                                         

                                                         この法律、1929年ニューヨーク株式大暴落をきっかけに起きた大恐慌が制定のきっかけです。大恐慌前、米国の銀行は一般預金者のために銀行(商業銀行)も証券を取り扱っていまして、銀行自ら投資売買目的で株を買っていました。

                                                         そのため、株価の急落で損害を被った銀行が続々倒産して、1万行あまりの銀行が倒産したと言われています。

                                                         

                                                         証券取引はボラティリティ(価格変動)が多く、高収益を生む可能性もありますが、大損もします。だから個人の預金を預かって間接金融を担う商業銀行は参入すべきではないという考え、これが、カーターグラス、ヘンリースティーガル両氏の考えでした。

                                                         

                                                         投資銀行業務=証券業務、普通の預金融資業務=銀行業務、これを一つの銀行ができるようになって、バブルを煽ってしまったという見方があります。そうした反省を踏まえて、規制しましょう!ということになりました。

                                                         そこで1933年に投資銀行業務と普通銀行業務を分離しましょう!という形で規制するということで、当時のグラス議員とスティーガル議員が立法したのです。

                                                         

                                                         

                                                         

                                                        ◆トランプ大統領がグラススティーガル法の復活を主張する理由について

                                                         

                                                         トランプ大統領は選挙期間中に、このグラススティーガル法の21世紀バージョンの施行が必要と訴えていました。

                                                         

                                                         銀行の投資銀行業務(=証券業務)を規制したグラススティーガル法は、だんだん規制緩和され、クリントン政権の時に廃法となりました。結果的に銀行が証券業務をできるようになって、リーマンショックも発生しました。経済学者のジョセフ・スティーグリッツ(2001年ノーベル経済学賞の受賞者)は、「リスクを顧みない投資銀行(証券業務)の文化が商業銀行に伝わったのは問題だった」と述べています。

                                                         トランプ大統領は候補の時代の時から、リーマンショックのような金融パニックが起きたので、規制すべきではないか?と、グラススティーガル法を復活させるべきと主張していました。

                                                         

                                                         証券業務と銀行業務を分けましょう!というこの考え方、日本でも銀証ファイアーウォールとして、銀行本体が証券業務、証券本体が銀行業務を行うことは許されていません。子会社を作って双方に参入することは可能です。例えば、みずほ銀行がみずほ証券、野村證券が野村信託銀行、と言ったのは、子会社を作って双方に参入した名残です。

                                                         

                                                         というわけで、日本では銀行業務と証券業務は分けていますが、米国の場合は、グラススティーガル法が廃法となってから、例えばシティバンクは子会社のSPC(特別目的会社)を作るなどして、リーマンショックまでやりたい放題やっていました。

                                                         

                                                         グラススティーガル法が廃法になるまで、逆にシティバンクは融資だけをやっていなさい!ということで、1946年以降は、米国の銀行業は、つまらない職業になってしまったとされ、金融界では不人気でした。

                                                         

                                                         銀行と証券、保険を分離することは、高い利益を上げるためには障壁であり、規制緩和するべきだということになって、1999年の金融制度改革法で完全に撤廃されました。

                                                         

                                                         結果、グラススティーガル法が廃法。その後、銀行・証券・保険という業態を超えた金融機関の吸収・合併が続き、投資銀行(証券業務)と商業銀行(普通の銀行業務)を兼営する総合金融機関がたくさんできました。その後、総合大手金融機関は、住宅ローン担保証券(MBS)や債務担保証券(CDO)など、積極的に複雑な金融商品の売買や保有を推進してきました。

                                                         

                                                         そこに、リーマンショックが発生。銀行はシティーバンク、証券はリーマン・ブラザーズ、保険はAIGグループと、大手金融機関が保有していた住宅ローン担保証券(MBS)や債務担保証券(CDO)などで、大きな損失を抱え、経営危機に陥ったのです。

                                                         

                                                         そうした反省を踏まえて元に戻すべきでは?というのがトランプ大統領の考えです。

                                                         

                                                         

                                                         というわけで、今日はグラススティーガル法について取り上げました。私はマスコミの報道の在り方は非常に問題があると思うのです。なぜならば、大統領選挙期間中に、金融業界の行き過ぎた規制緩和を元に戻すべきであると訴えていたことについて、日本のマスコミはほとんど取り上げていません。日本のTVやニュースでは、トランプは異端児として取り上げられ、こうした選挙期間中に訴えていた政策が、ほとんど報道されていないマスコミの報道姿勢は大変問題であると私は思うのです。

                                                         いずれにしても、自由に行き過ぎた分、規制を掛ける、保護していく、フランスのマクロン大統領は違いますが、トランプ大統領やメイ首相やオーストラリアのターンブル首相を見ていると、この流れ、しばらく続くのでは?と思っています。


                                                        トランプ大統領、誕生の真意

                                                        0

                                                          今日も、ヨルダンのアンマンから投稿します。テーマと関係ないですが、今日は日中、アンマン市内を散策しまして、その時撮影した写真を二枚掲載します。




                                                          CNNニュースで、トランプ大統領がロシアと組んで、インターネットをハッキングし、クリントン候補が不利になる内容を流した疑いで、クリントンサイドの関係者らが徹底調査する旨の報道がされていました。


                                                          日本のマスコミも取り上げているか?確認したら、やっぱり報道していました。私が確認したところ、NHKと朝日新聞社がネットで取り上げているのを確認済です。


                                                          相変わらず、マスコミどもは、なぜトランプ大統領が誕生したのか?経緯を理解せず、トランプが不正に大統領になったとでも言わんばかりの偏向報道です。


                                                          これでは、トランプ大統領がCNNを偽ニュースと、言いたくなる気持ちが私には理解できます。


                                                          朝日新聞社は論外として、私はNHKを偽ニュースと言いたい。「クリントン陣営でメール調査」のニュースを見て、そう思いました。


                                                          なぜアメリカ国民は、悪評まみれのドナルド・トランプに投票したのでしょうか?今日は改めて、トランプ大統領誕生の経緯を考察したいと思います。


                                                          今もなお、貧しい人々がトランプを支援したという報道を信じて居られる人もいるようですが、貧しい人の定義って何でしょう?富裕層の定義って何でしょう?富裕層でない人=貧しい人というイメージだけで考えていますと、マスコミどもの思考回路と同じで、真実を見失ってしまうのです。


                                                          答えは簡単で、トランプが大統領になる前に台頭したイギリスのメイ首相、トランプが大統領になった後で台頭したフランスのルペン氏、全てに共通している「グローバリズムへの反発」が答えです。


                                                          トランプは、「ポリティカル・コレクトネス」のもとで発言を封じられていた白人層に呼びかけ、アメリカのナショナリズムを堂々と貫くことで支持を得ていきました。


                                                          ポリティカル・コレクトネスとは、人間は政治的に公正、公平、中立でなければならず、差別・偏見が含まれる発言をしてはならないという、なかなか堅苦しい考え方です。


                                                          アメリカはグローバリズムに基づく「構造改革」において、日本より遥かに先行しています。


                                                          結果、アメリカでは国民が、少数の高所得者層と、圧倒的多数の低所得者層に分断されてしまいました。


                                                          ジョセフ・スティグリッツ教授(2001年ノーベル経済学賞の受賞者)が言う「1%対99%」が、アメリカでは露骨なまでに実現してしまったのです。


                                                          本来なら民主主義により、富裕層や大企業といった勝ち組に有利な「構造改革」が是正されるはずですが、アメリカの政治はウォール街に象徴される「マネー」に支配されるようになっています。


                                                          そのため、アメリカの政治が「献金力」で動くようになり、「1%対99%」の問題が永久化しようとしていたのです。


                                                          ドナルド・トランプは、スーパーPAC(アメリカの政治資金管理団体)への献金を明確に拒否。何しろ、トランプは大富豪であり、政治献金なしでも大統領選挙を戦えたのです。


                                                          トランプは自身のツイッターで「全ての大統領候補は、スーパーPACを即座に拒否すべきだ!」と、スーパーPACを猛烈に批判していました。


                                                          カネで政治が動く現実にうんざりしていたアメリカ国民にとって、ウォール街からのスーパーPACの献金を拒否するトランプが、眩しく見えたと思います。


                                                          また、トランプの勝因の一つに、アメリカ政治で「サイレントマジェリティ(声なき大衆)」と化していた白人労働者に訴えたことが挙げられます。


                                                          特にグローバル化によって職を失った、あるいは実質賃金の低迷に苦しんでいる労働者に、トランプの「反グローバリズム」の訴えは、ダイレクトに響いたのです。


                                                          「私は、あなたたちの声だ!」と、トランプはオハイオ州で開催された共和党大会で、白人労働者層に直接的に語りかけています。


                                                          過去長期間、アメリカの政界は、共和党も民主党も揃って白人労働者階級の取り込みには慎重でした。


                                                          理由は、白人労働者階級にアピールすることで、アメリカ国内で増えているマイノリティの有権者が離反することを恐れたからです。


                                                          2016年11月8日の本選で、選挙人29人を数えるフロリダ州をトランプが獲得しましたが、フロリダ州は、ヒスパニック系の住民の割合が多く、トランプは勝てないと言われていました。


                                                          ところがフロリダ州北部の白人階層が、一斉にトランプに票を投じたため、予想が覆ったのです。


                                                          トランプの声は常日頃、グローバリズムに対する不満を抱いていたにもかかわらず、発言を封じられていた白人階層に響いたからでしょう。


                                                          トランプは選挙期間中「アメリカ政府の通商政策がグローバル化を促進させ、アメリカの製造業の雇用を失わせた。」と主張し、2016年6月にペンシルベニア州で演説した際もグローバル化を批判すると同時に次のように発言しています。


                                                          「われわれの政治家は積極的にグローバル化の政策を追求し、われわれの雇用や工場をメキシコと海外に移転させている。」

                                                          「グローバル化が金融エリートを作り出し、その寄付によって政治家はものすごく裕福になった。私もかつてはその一人だった。」


                                                          グローバル化を猛批判攻撃するトランプを、白人労働者階級は熱狂的に支持したのです。


                                                          その結果、グローバル化で主要産業の製造業が衰退した州において選挙人を獲得し、ヒラリー・クリントンに対する勝利を決定的にしたのです。


                                                          アメリカの中西部と大西洋岸中部地域の一部にまたがるラストベルト地帯は、かつては重工業や製造業が集中し、労働者の支持率が高い民主党の牙城でした。


                                                          ところが、トランプが反グローバリズムの姿勢を明確化し、グローバル化を繰り返し批判したことで、その多くの労働者がひっくり返ってトランプを支援するようになったのです


                                                          ペンシルベニア州やミシガン州など、事前の世論調査ではヒラリーが有利となっていたにもかかわらず、本選ではトランプが勝利しました。


                                                          今にして思えば、出馬宣言した時点では単なる泡沫候補に過ぎなかったトランプが、共和党の予備選挙を勝ち抜き、最終的には「初の女性大統領」を目指したヒラリー・クリントンを破るに至ったのです。


                                                          イギリスのメイ首相、フランスのルペン氏、共通して「自国民ファースト」「反グローバリズム」という主張に、国民が賛同したというのが真相です。


                                                          アメリカの大統領選挙において、マスコミの報道は酷かった。本質を伝えることなく、トランプの悪評を垂れ流し、多くの国民が、トランプをこき下ろし、トランプ支持者を貶めていました。安部首相でさえ、報道を信じたため、トランプ当選の結果について、外交関係者に事前の情報不足を厳しく叱責したと言われています。


                                                          マスコミの報道では真実・真相は見えず、今もなお、その報道姿勢を反省しているように思えません。



                                                          そんなわけで今日は、なせアメリカ国民がトランプ大統領に投票したか?相変わらず、トランプ大統領の誕生の真相を理解していない報道姿勢に批判したく、改めてトランプ当選の結果について考察した内容を披露させていただきました。



                                                          米財務省が中国の為替操作国認定見送り!日本の監視は継続!

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                                                            JUGEMテーマ:経済全般

                                                             

                                                            今日は4月15日のブルームバーグの記事、「米財務省:中国の為替操作国認定見送り、日本の監視継続−為替報告書」という記事について意見いたします。記事の概要は以下の通りです。

                                                             

                                                            『ブルームバーグ 2017年4月15日 10:07 JST

                                                            米財務省は14日公表した半期に一度の外国為替報告書で、中国を為替操作国として認定することを見送ったが、同国に対して人民元が市場原理に従って上昇することを容認するよう求めたほか、貿易のさらなる開放も要請した。

                                                             為替操作国として認定した主要貿易相手国・地域はなかったが、同省は「監視リスト」に前回と同じく中国と韓国、日本、台湾、ドイツ、スイスの6カ国・地域を指定した。為替報告書の発表はトランプ政権下で初めて。

                                                             報告書は「中国の現在の対米貿易黒字は極めて多額かつ持続的」であるとし、これは中国が米国の財・サービスに対して経済を一段と開放し、家計消費押し上げのため改革を加速する必要があることを浮き彫りにしていると指摘した。

                                                             トランプ米大統領は12日、中国を為替操作国に認定しないことを明らかにし、選挙公約の一つを後退させていた。トランプ大統領は米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューで、中国がここ何カ月は人民元を操作していないと発言する一方で、他国が自国通貨を切り下げていると非難し、ドルが強過ぎると述べた。

                                                             昨年10月公表のオバマ政権最後の報告書と同様、中国は為替操作の判断のために財務省が使う3項目の基準のうち、多額の対米貿易黒字という1項目のみに抵触した。報告書によると、中国の昨年の米国に対する貿易黒字は3470億ドル(約37兆7700億円)と、主要貿易相手国で最大だった。台湾も1項目に抵触したが、それ以外の4カ国は2項目に抵触した。

                                                             財務省は台湾と日本、韓国に対しては、介入を最小限にとどめ、柔軟で透明性のある為替政策を目指すよう求めた。

                                                             米国は1994年以降、どの国も為替操作国として認定していない。財務省は為替操作の判断基準について、対米貿易黒字が200億ドル超、経常黒字が自国国内総生産(GDP)の3%超、GDPの2%規模の海外資産購入による継続的な通貨安誘導という3項目を維持した。(後略)』

                                                             

                                                             トランプ大統領が中国に為替操作国認定しなかったのは賢明です。2015年8月までは人民元売りドル買いをやっていましたが、2015年8月からは人民元買いドル売りで、むしろドル安になる為替介入を行っています。つまり中国の状況、環境が変わったのです。

                                                             

                                                             

                                                             

                                                            1.トランプ大統領は、中国が人民元安になっていることに困っていることを知らなかったのでは?

                                                             

                                                             ウォールストリート・ジャーナルのインタビューで、トランプ大統領が中国がこの数か月は人民元を為替操作していないと発言しているとの記載がありますが、トランプ大統領は2015年8月の人民元を下げるための為替介入に至った経緯を、よく理解していないのかもしれません。

                                                             

                                                             2015年8月の人民元急落までは、確かに為替介入をしていました。その証拠は外貨準備高の増加に表れています。人民元高ドル安となると輸出が伸び悩む一方、世界の投資家らが人口が圧倒的に増加する中国の需要は無限であるとして中国への投資を深めたいという意向とが、ぶつかり合っている状況でした。

                                                             

                                                            ●2015年8月までの中国人民中央銀行の動き(人民元売りドル買いのトレンド)

                                                            輸出を伸ばすために「人民元↓ドル↑」とするために「人民元売りドル買い」を行った結果、ドル資産が増えて外貨準備高残高が増加していった

                                                            ●2015年8月までの世界の投資家の動き(人民元買いドル売りのトレンド)

                                                            中国への投資をするために「ドル売り人民元買い」をすすめて「ドル↓人民元↑」となった

                                                             

                                                             世界の投資家の動きである後者のトレンドが衰えないため、中国人民中央銀行は前者のトレンドを維持するため、「人民元売りドル買い」をしていたのです。なぜ世界の投資家の人民元高のトレンドに対し、中国人民中央銀行が人民元売りで立ち向かったか?その理由は、中国の経済構造に問題があります。中国は日米と異なる外需依存国です。日本は内需国であり、輸出依存度はGDP500兆円のうち14%程度で70兆円です。中国は純輸出はGDPの50%を超えます。そのため、中国共産党政府は輸出を伸ばして経済成長させるため、人民元を下げる政策を取っていたのです。

                                                             

                                                             そのトレンドの潮目は、2015年8月でした。中国は株式バブル崩壊で景気が悪くなったために、人民元の為替水準を従来水準より引き下げるための為替介入を行いました。これまでは輸出が伸び悩まないようにということで人民元高を抑え込むためにトレンド維持することが目的で為替介入をしていたのですが、2015年8月は景気が悪いことを理由に、従来のトレンドよりも一段の人民元安に為替を誘導しようとして人民元売りドル買いの為替介入を行ったのです。

                                                             

                                                             結果、これまで人民元が逓増的に上昇していたトレンドが崩れ、「あ、人民元って下がることもあるんだ!」ということになって、外国人投資家らが一斉に人民元売りドル買いに転じたのです。即ちキャピタルフライト(資産逃避)が始まったのです。

                                                             キャピタルフライトが始まった2015年8月以降、中国人民中央銀行は一転して、人民元安に苦しむようになりました。人民元安が止まらない状態を、400兆円もある外貨準備高を使って買い支えてきているのが今の中国です。

                                                             そしてついに買い支えも空しく、400兆を超えて貯め込んでいた中国の外貨準備高は330兆円(3兆ドル)を割り込んでしまっているのです。(中国の外貨準備高3兆ドル割れ

                                                             

                                                             今、中国は人民元安に悩んでいるのであり、「輸出を増やすために自国通貨を切り下げる」との指摘は間違っています。とはいえ、人民元安ドル高誘導して米国を困らせていないだけであり、外貨準備高を使って為替操作をしていることには変わりません。

                                                             

                                                             

                                                             

                                                            2.日本の金融緩和は為替介入ではなく、為替操作をしていません!

                                                             

                                                             米国財務省は、中国の為替操作国認定を見送る一方、日本への監視は継続するとしています。日本は為替介入をしていません。日本がやっていることは、市中(預金取扱金融機関)から国債を買い上げ、日銀当座預金を増やす通貨発行をしている金融緩和政策であり、為替介入をしているわけではないのです。

                                                             なぜ、日銀当座預金を増やす通貨発行をしているか?といえば、デフレ脱却のため、物価インフレ率の目標2%達成を果たすために通貨発行をしているのです。

                                                             ですが、今の日本のスタンス、正確に言えば安倍政権の政策「金融緩和だけやって財政出動はしない」というスタンスですと、トランプ大統領から誤解を受ける可能性があります。なぜならば、財政出動をせず、緊縮財政ばかりやっていれば、「お前らジャップはアメリカに輸出を増やすつもりなんだろう?」とトランプ大統領に疑われても仕方がないわけです。

                                                             積極財政に転じ、公共投資を増やせば、日本国内の供給力は、米国輸出でなく日本国内の需要に向かいます。結果、国内の景気が活況になれば、日本国内が米国からの輸入が増える可能性が出てきます。しかしながら現状は、安倍政権は公共投資を増やすどころか緊縮財政(消費税増税、補正予算+本予算での公共投資減少、医療介護費削減など)をやっていますので、「お前ら内需拡大するつもりないだろう!米国への輸出を増やそうという企みで、金融緩和をやっているんだろう!」と言われ、為替操作国認定されるリスクは極めて高いと私は考えております。

                                                             デフレ・インフレについて正しい知識を持たず、金融緩和をすればデフレ脱却するなどと間違った考えを正さない限り、物価上昇率2%目標の達成は、何年経っても困難でしょう。

                                                             

                                                             

                                                             

                                                            3.トランプ大統領から為替操作国認定の指摘を受ける前にデフレ脱却が必要!

                                                             

                                                             解決策はとにかくデフレ脱却を果たすことです。そのために積極的な財政出動が必要です。第二次安倍政権発足後、アベノミクスの第一の矢の金融緩和、第二の矢の国土強靭化計画による財政出動で、名目GDPは1.9%増加し、税収も6.9%増加しました。

                                                             金融政策と財政政策をパッケージにすることによって、デフレ脱却して経済成長するというシナリオは正しかったのです。ところが、2014年から消費税増税で緊縮財政に転じ、個人消費を3年連続で減少させ、公共投資も民主党政権時代よりも削減することで、デフレ脱却が遠のいてしまいました。

                                                             日本は財政破綻するはずがないのに、プライマリーバランス目標という呪縛により、緊縮財政に傾いてしまったのです。2016年度も、補正予算を組みましたが、4兆円強しか組んでいません。本来デフレギャップは10兆円以上と言われているのに、4兆円程度ではデフレ脱却するはずがありません。

                                                             

                                                             私はプライマリーバランス目標という意味のない目標を廃棄すべきだと思います。以前にこのブログでもプライマリーバランス目標を廃棄すべきとする記事を掲載いたしました。(「プライマリーバランスの黒字化」を破棄せよ!(アイスランドのデフォルトについて))アイルランド、アイスランドの事例を見れば、プライマリーバランス黒字化なんて全く意味なし。この両国のケーススタディは、プライマリーバランス黒字化でも国家が破たんするという事例として、プライマリーバランス目標がいかに意味がないか?理解できるケーススタディです。

                                                             

                                                             そもそもこのプライマリーバランス目標、いつから導入されたか?小泉政権の時の竹中平蔵氏が導入したものです。そして竹中平蔵は、安倍内閣で規制改革推進会議のメンバーであり、外国人労働者受入など、国家特別戦略特区と設置して、アリの一穴を開けて、少しずつ日本を壊しているメンバーの一人であります。

                                                             

                                                             規制緩和をイデオロギー的に反対するつもりはありません。デフレ脱却に必要な規制緩和もあります。例えば、トラックの隊列走行が認められれば、運送業界で一人当たり生産性の向上が見込まれます。ドローン使用のための規制緩和を行えば、宅配業や警備業や測量業界などで、一人当たり生産性の向上が図られます。いずれも生産年齢人口減少に悩む日本では有効な規制緩和です。

                                                             

                                                             とはいえ、外国人労働者増加や電力・ガス自由化、輸入を増やすための規制緩和はデフレ促進策のインフレ対策です。

                                                             また、新たな付加価値が増えるわけではないしかも国家の安全保障上利益追求の必要がない国や地方自治体が行うべき事業の民営化(コンセッション方式やPFI事業の活用)は、基本的に国がコスト高く行っている事業なわけですが、利益追求が不要な国がやっているからこそ、安全保障という利益が出ない分野にお金をかけてコストが高くつくわけです。無論、GDP上、このコスト高は、政府最終消費支出ですので、コスト高=悪ではなく、安全保障強化維持のために必要な費用であり、経済成長に資するというのがマクロ経済での見方になるわけです。

                                                             

                                                             さらに言えば、高いコストの公務員と、民間企業に雇われ安いコストの従業員、どちらが個人消費を増やしてくれるかと言えば前者になるでしょう。雇用が安定している前者が個人消費額が多いというのは、GDP3面等価の原則(「GDP3面等価の原則」を完全攻略しよう!)(GDP3面等価の原則について(「スマートフォン製造」のシミュレーション))(トランプ誕生の経緯とトランプリスクに備えて日本がすべきことは?)を理解する本ブログの読者だったら容易に想像ができるでしょう。

                                                             

                                                             PFIコンセッション方式の推進を主張する連中は、結局は国家運営を家計・企業経営と同様に考え、コスト削減はインフレの時には有効ですが、マクロ経済的に言えば経済成長と逆行してデフレを促進するという事実を知らないのです。

                                                             

                                                             こうしたことを知らずしてか、金融緩和だけで日銀に丸投げし、あとは緊縮財政ということをやっている限り、トランプ大統領から為替操作国認定を受けるリスクは続くことでしょう。

                                                             

                                                             ですが、この金融緩和策も日銀の国債所有シェアが増え続け、結果市中の国債が尽きようとしています。あと2年も経てば市中の銀行が保有する国債が無くなってしまいます。国債増刷を刷れば解決するのに、借金が増えるのは嫌だ!とこれまた間違った認識により、国債増刷をしないという状況が続いています。

                                                             

                                                             こうしてみますと、デフレインフレについての正しい知識を持たない人々、財政破綻は起こりえない日本において家計や企業経営と同様に信用創造による経済のパイの拡大=資本主義であることを知らない人々、こうした人々が意味もないプライマリーバランスの黒字化が必要と唱え、デフレ脱却に必要な財政出動に反対して、日本をダメにしているとつくづく思わざるを得ません。

                                                             

                                                             

                                                             そんなわけで、今日は4月15日のブルームバーグの記事「米財務省:中国の為替操作国認定見送り、日本の監視継続−為替報告書」という記事を取り上げ、我が国の解決策を述べさせていただきました。


                                                            米国商務省発表の2月の貿易収支統計、米国の対日貿易赤字が15%減少

                                                            0

                                                              JUGEMテーマ:経済全般

                                                               

                                                              今日は、4月4日付のブルームバーグの記事、「米国貿易赤字:2月は436億ドルに縮小、4か月ぶり低水準」というニュースについて触れたいと思います。記事の概要は以下の通りです。

                                                               

                                                              『ブルームバーグ 2017年4月4日 23:15 JST

                                                              米商務省が4日発表した2月の貿易収支統計によると、財とサービスを合わせた貿易赤字(国際収支ベース、季節調整済み)は前月比9.6%減の436億ドル。前月は482億ドルだった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想では2月は446億ドルだった。

                                                              2月は財の貿易赤字が650億ドルと前月の695億ドルから縮小。先週発表された速報値では648億ドルだった。2月の輸入はほぼ1年ぶりの大幅減。消費財や自動車の需要が低迷した。輸入額は1.8%減少して2364億ドル。輸出は0.2%増の1929億ドルと、2014年12月以来の高水準だった。国別貿易収支(季節調整前)は対中国が230億ドルの赤字で、記録上で最大となる86億ドルの縮小。国内総生産(GDP)の算出に使用されるインフレの影響を除いた実質財収支の赤字は597億ドルと、前月の651億ドルから縮小した。(後略)』

                                                               

                                                               記事によれば、米国の対日本貿易赤字は、46.7億ドルで5,100億円の赤字。

                                                               1月の54.7億ドルに比べて15%程度減少しました。この数字は前年同月と比べて10%以上の減少幅です。

                                                               

                                                               また、日本は前月の1月は赤字額で2位でしたが、2月は中国、メキシコに次いで3位と順位を下げました。とはいえ、ブルームバーグの記事の記載の通り、消費財と自動車の需要が低迷となっていますので、特に自動車貿易についてトランプ大統領が厳しい要求を突き付けてくる可能性があります。

                                                               

                                                               日米関係としてこのニュースを見た場合、問題は米国の対日貿易赤字というよりは、米国から日本への輸出額が圧倒的に少なすぎる点です。日本から米国への輸出は5,000億規模ですが、米国から日本への輸出は180億円程度と、桁が違い過ぎているのです。

                                                               

                                                               米国は本当に日本に売るものがない。どっちに責任があるかと言えば、米国の問題で米国の責任です。例えばGMが軽自動車とかハイブリッド車とか出せばいいのに出さない。日本のように環境規制が厳しく、道が細く小回りが利く車が好まれる環境では、米国の自動車メーカーがもう少し経営努力をしていただかなければ、日本でアメ車を買う人は増えないと思います。

                                                               

                                                               もし、日本が米国から買うものがあるとすれば、家電製品や自動車と言った消費財ではなく、兵器や資源であれば日本には需要があります。もちろん自動車産業は裾野が広い産業ですので雇用にも大きく影響しますが、日本国内の自動車メーカーとの競争でGMやクライスラーが勝てるとは思えません。ですがF35戦闘機などの兵器や原油・LNGガスであれば、これは日本の需要は極めて大きい。だからトランプ大統領に「F35戦闘機買います!」「シェールオイル買います!」で調整していくべきです。

                                                               

                                                               そのためには、日本の国内需要を拡大しなければ、日本の景気が活況でなければ買えません。トランプ大統領から不条理な市場開放要求に対しては断固として反論し、良好な通商関係の構築ができるようデフレ脱却を急ぐ必要があると思うのです。

                                                               デフレ脱却すれば、国内の供給力は、米国へ輸出を増やそうとするよりも国内需要に向きます。さらに需要が増えれば米国からの資源などの輸入も増えていくことになるでしょう。さっさとデフレを脱却すれば、日本から見て外需依存することが無くなるので、貿易摩擦の心配も少なくなるのです。

                                                               

                                                               そんなわけで、今日はブルームバーグのニュース記事を取り上げ、米国の対日貿易赤字減少のニュースについて触れました。日本は未だデフレを脱却しておらず、国内の供給力は外需依存に目が向いています。国内需要を拡大させるためには、競争激化で名目GDPを押し下げる規制緩和ではなく、政府支出増が一番手っ取り早いということを改めてお伝えいたしました。

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                         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                                                              • 英語教育について(トランプ大統領の演説を誤訳したNHK)
                                                                永井津記夫 (12/07)
                                                              • ハロウィーンは日本のお祭りとは違います!
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                                                                mikky (12/01)

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