自分たちの業界が消費増税から助かりたいとする愚かな考え

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     今日は「自分たちの業界が消費増税から助かりたいとする愚かな考え」と題して論説します。

     

     下記は産経新聞の記事です。

    『2018/10/03 19:32 コンビニ業界が全食品を軽減税率対象で調整 消費増税で イートインは「休憩施設」

     来年10月の消費税率引き上げと同時に導入される軽減税率をめぐって、コンビニエンスストア業界が、酒類を除き取り扱う飲食料品全てを、客が持ち帰り、税率が8%となる軽減税率の対象品とすることで、政府と調整に入っていることが3日、分かった。店内のイートインコーナーでの飲食を「外食」扱いとすれば税率は10%となるが、コンビニ業界は同コーナーを「休憩施設」と位置づけ、「飲食禁止」を明示することで、外食としてのサービス提供でないことを明確にする方針だ。

     コンビニ業界は既に、財務省などに対して、この方針を伝えている。関係者によれば、財務省や国税庁からも一定の理解を得ており、調整を経て、今後、国税庁のガイドラインなどで運用ルールの具体化を進めるとしている。ただ、外食産業からは、税率差が生じるため、反発が強まりそうだ。

     コンビニ大手は軽減税率に対応した新型レジシステムの導入を済ませている。だが、レジで客に購入する飲食料品について、「持ち帰りか、イートインで飲食するか」と、いちいち確認することは難しいとみている。コンビニは飲食料品だけでなく日用品など幅広い商品を扱い、レジでは短時間に大量の接客をこなさざるを得ないからだ。

     外食は「テーブルやイスなどの設備がある場所で飲食サービスを提供する」と定義される。コンビニ業界は、イートインを、飲食のサービスを提供するのではなく、単に休憩施設として場所を提供するものとして位置づける。

     購入した飲食料品がトレーに載せられて座席に運ばれたり、返却が必要な食器に盛られて提供されたりすると、外食と判断される。このため、そうしたサービスはできないようにして、全ての飲食料品を持ち帰りができる状態で販売するよう徹底する。コンビニ業界は、こうした施策で、取り扱う飲食料品は持ち帰りと定義でき、客がイートインで飲食したとしても税率は8%になるとみている。

     しかし、持ち帰りと店内飲食ができるファストフードなどの外食産業などからは、コンビニの対応に対して批判が強まる可能性がある。あるファストフードの首脳は「同じ昼食でも、外食は10%、コンビニ弁当は8%と、税率差が生じることは不公平だ」と警戒感を示している。(後略)』

     

     上記の記事の通りコンビニ業界が、2019年10月の消費増税に伴って導入される軽減税率で、コンビニで取り扱う飲食料品すべてについて、税率8%の軽減税率の対象品とするよう政府と調整しているとのことです。

     

     コンビニ業界として、かなり細かい点を工夫しているようにみえます。大手のコンビニは、軽減税率に対応した新型レジシステムを既に導入済みのようで、レジで購入する飲食料品について、テイクアウトか?イートインか?を都度確認するのは難しいとしています。

     

     当然、持ち帰りと店内飲食ができるファーストフード店などの外食産業からは、コンビニ業界の対応に対する批判が強まる可能性があるでしょう。

     

     とはいえ、こんなことになるのであれば消費税を上げるのを止めればいいのではないでしょうか?

     

     私は軽減税率を導入しても、運用上きれいに線引きすることが難しいと考えます。結果、軽減税率の対象に認めるか認めないか?が財務省の権限を強めるという見方もあるでしょう。

     

     新聞社は軽減税率が適用されるため、新聞各社は消費増税の反対をしなくなっているのでは?という疑義・批判があります。

     

     つい先日は自動車業界が自動車税の軽減という話もありましたが、消費増税ありきの議論でした。今回のコンビニ業界の軽減税率導入も、消費増税ありきの議論です。

     

     自動車業界でいえば消費増税しても自動車税を軽減させる、コンビニ業界の場合は飲食料品を他のファーストフード店よりも消費税を軽減させるといった具合に、消費増税しても自分たちの業界だけは助かりたいとする動きが顕著です。

     

     そもそも軽減税率を導入するということは、消費が冷え込むのを心配しているということです。消費増税をしても消費が落ち込むのは一時的という話は間違っているのでは?と疑問を持っていることと同じです。

     

     だったら消費増税を上げるのを止めればいい。

     

     京都選出の衆議院議員の安藤裕氏が安藤提言というものを安倍政権に提言しています。

     

     その中で、1取引当たり100万円以下は消費減税5%にし、住宅や自動車など個人が買う場合も消費税5%にするとしています。この安藤提言であれば、多くの業界で消費税の軽減税率の対象となることでしょう。

     

     私は安藤提言に賛成の立場なのですが、もし普通に消費増税が敢行され、コンビニ業界だけがうまく軽減税率を導入したとしても、多くの業界で消費増税となるため、消費が落ち込んでコンビニでも売り上げが落ち込むことでしょう。

     

     自分たちの業界だけが助かりたいと思っても、他の業界が不景気になってしまっては、結局自分たちの物・サービスを買ってもらう購買力が増えません。

     

     その点、安藤提言では、1取引当たり100万以下は消費税5%に減税し、しかも個人が購入する住宅や自動車も消費税5%と、軽減税率の対象を大幅に増やす内容で、これなら逆に消費を刺激して多くの業界で売り上げが伸びることになると考えられます。

     

     

     というわけで「自分たちの業界が消費増税から助かりたいとする愚かな考え」と題して論説しました。

     新聞業界にしろ、コンビニ業界にしろ、軽減税率の導入をしたところで自分たちだけの売上が維持されると考えている時点で愚かなことです。

     もっとシンプルに考えるべきなのですが、何しろ消費税は「欧米のように高くなければならない」とか「社会保障費を維持するためには必要」とか「財政破綻しないためにも増税は必要」といった間違った論説が多く蔓延っているため、こうした動きにつながるのだと思います。

     沖縄県知事選挙で自民党が敗北したこともあり、消費増税やっても大丈夫なのか?といった声も出始めているともいわれています。今日は後半で安藤提言について触れましたが、消費増税をやるのであれば軽減税率を大幅に拡充し、財務省の意向を逆手に取った安藤提言をそのまま実行に移すことが、日本にとってデフレ脱却につながって税収増も期待できることにつながるでしょう。

     首相官邸のホームページに掲載されていますので、ぜひお時間のある方は安藤提言をご参照いただければと思います。

     

     

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       今日は「なぜ諸外国は消費税20%とか25%とかできるのか?」と題し、論説します。

       

       自民党総裁選が9/20に投票が行われ、安倍首相が再選しました。この総裁選では、消費増税が取り沙汰されました。マスコミの報道の論調として、消費増税は既定路線という論調が多く、石破前幹事長は消費税は上げるべきと語り、安倍首相もまた上げたいと述べていました。

       

       しかしながら、完全に決まったわけではありません。これまでも増税は2回延期されていますが、同じように延期される可能性は十分にあります。

       

       にもかかわらず最近のマスコミの論調をみると、既定路線という論調が強まっています。下記は日本経済新聞の記事です。

      『日本経済新聞 2018/09/20 自工会、自動車税の大幅下げ要望へ 「軽並み」視野、消費増税を懸念  

       自動車の保有者が毎年負担する自動車税について、自動車業界が引き下げの要望を強めている。2019年10月の消費税率引き上げが販売の逆風となるうえに、米国が表明した輸入自動車の関税引き上げ案が国内生産に与える影響を懸念しているためだ。日本自動車工業会は20日、税額の大幅な引き下げを求める。19年度の税制改正に向けた調整が本格化する。

       自工会は20日発表する税制改正要望で、新規で取得する自動車の自動車税を大幅に下げるよう求める。引き下げの目安として示すのは軽自動車の保有者にかかる軽自動車税。経済産業省は水面下で、地方税を所管する総務省に自動車税を「軽並み」に下げるよう求めている。

       業界が税を軽くするよう求めるのは、自動車の保有にかかる負担が重いと考えているためだ。自動車税は排気量1000cc以下の小型車でも年2万9500円かかる。軽自動車税は年1万800円。この税負担の差が、自動車の国内販売で軽に人気があつまる理由でもある。

       仮に自動車税が「軽自動車並み」になれば、排気量1000ccの小型車なら税額は1万6400円まで下がる。新車価格が120万円なら、消費税が2%上がる分の負担増を2年で取り戻すことができる。

       自動車業界は毎年のように減税を求めてきたが、今年は特に危機感が強い。業界団体は消費税率の引き上げで、国内の新車販売は30万台ほど縮小するとみている。さらに米トランプ政権が検討する自動車への追加関税が発動されれば輸出に響く。自工会は国内の雇用を守るためにも、自動車の国内需要を刺激する必要があるとの立場だ。

       財源探しは難しい。自動車関連の税から見つけるなら、軽自動車税の引き上げが視野に入る。だが、軽は公共交通機関の乏しい地方では生活の足として定着し、増税は反発を招きやすい。軽自動車の販売を冷やしかねないだけに、あるメーカー幹部も「軽自動車を財源にすることはあり得ない」と語る。

       大きな減税を穴埋めするなら、ガソリンにかかる揮発油税が候補になる。1リットルあたり1円上げれば500億円ほどの増収が見込まれるが、石油関係の業界は反発する。

       19年10月の消費増税については、政府が6月にまとめた経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に税制面での対応が明記されている。増税後に販売が冷え込む反動減対策は、消費増税時に導入される燃費課税を初年度はゼロにする案が浮上。自工会は自動車税についても購入初年度の負担をゼロにするよう要望する見通しだ。(後略)』

       

       

       上記の記事を踏まえ、下記の順に論説します。

      1.消費増税を勝手に既定路線化するマスコミども

      2.各国の消費税率比較と税金の使途について

      3.なぜ諸外国では消費税が20%とか25%という国が存在するのか?

       

       

       

      1.消費増税を勝手に既定路線化するマスコミども

       

       上述の記事は、日本自動車工業会が、2019年10月の消費税率引き上げとトランプ大統領による輸入自動車の関税引き上げに備え、自動車業界として助かりたいために、自動車税の大幅な減税を求めているというニュースです。

       

       自動車税の税率が軽自動車税の税率水準になれば、ドライバーにとっては確かに嬉しい話でしょうが、裏を返せば自動車業界が消費増税による影響の心配をしているということ。むしろ消費増税による影響を懸念しているということです。

       

       消費増税を懸念しているのであれば、本来は増税を反対すべきです。増税に対してネガティブな意見を持っているにもかかわらず、消費増税を既定路線として消費増税の延期・凍結もしくは消費善税が叶わないと考え、自分の業界だけを税金を安くして欲しいという話は、根本の解決になりません。

       

       根本の解決とは名目GDPを増やすためにデフレ脱却することと、実質賃金UPとなるような経済環境を作ることです。

       

       マスコミは消費増税は既定路線という論調が強いですが、そのマスコミの団体協会の一つ日本新聞協会は、新聞は軽減税率の対象品目とするよう働きかけ、新聞には軽減税率が適用されています。

       

       彼らの働きかけの根拠としては、ニュースや知識を得るための負担を減らすためとしています。理由は何であれ、自分たちの業界は消費増税による売上減少の懸念から助かったと思っているに違いないでしょう。

       

       ところが消費増税をすることで、増税直後は強制的に物価が引き上げられて名目GDPが上昇するものの、実質GDPは減少して、その後で名目GDPが減少します。この名目GDPが上昇して、実質GDPが減少するという現象は、強制的に物価が引き上げられても賃金がそれ以上に伸びていないために、物・サービスを買う個数・数量が減少するということです。

       

       GDPデフレータという指標がありまして、「GDPデフレータ=名目GDPの増減率÷実質GDPの増減率」で、デフレ・インフレを判断する重要な指標です。端的にいえば、GDPデフレータがプラスならばインフレ、マイナスならばデフレなのですが、消費増税UPした直後は、デフレインフレに関係なく、例外的にGDPデフレータはプラスになります。

       

       その理由は、GDPデフレータの算出式の「GDPデフレータ=名目GDPの増減率÷実質GDPの増減率」にあります。分母の実質GDPの減少率は大きく、分子の名目GDPの減少率は消費増税で強制的に物価が引き上げられるために減少率は小さくなりがちです。結果、消費増税直後はGDPデフレータはプラスになりやすいのです。

       

       少し話を戻しますが、新聞業界は自分たちが助かったと思っているかもしれませんが、消費増税直後GDPデフレータがプラスになっても、すぐにその後マイナスになります。なぜならば個数が売れなくなる状況なので、値下げ圧力がかかるからです。値下げすることで名目GDPは、やがて減少に転じ、そのままデフレが深刻化していきます。これこそ、1998年の消費増税3%→5%以降、繰り返してきたことなのです。

       

       自分たちの業界が助かったと思いきや、名目GDPが減少してデフレが深刻化すれば、実質賃金が伸び悩み、もしくは減少し、結果的に新聞だって買われなくなるのです。

       

       自動車業界も同じです。消費増税をすればデフレ脱却が遠のき、その影響は、新聞業界であろうが自動車業界であろうが、どの産業も同じです。

       

       

       

      2.各国の消費税率比較と税金の使途について

       

       下記は、各国の消費税の標準税率の比較表です。

       

      <各国の消費税の標準税率の比較>

      (出典:国税庁のホームページ)

       

       上記の通り、日本の8%は低い方で、この比較表をみると欧米のように消費税率を高くしてもいいというようなイメージを持つかもしれません。

       国税庁のホームページには、豆知識として「消費税は私たちの老後と地域を支えています。」として、年金や医療などのために使われると、実に巧妙な微妙な言い回しで解説しています。

       なぜ微妙な言い回しかといえば、こう書かれると、ほとんどの人が消費税は年金・医療のために必要なんだと思う人がほとんどだからと思うのです。別に私は消費税が年金や医療に使われることは無いということを言いたいのではありません。それは間違っています。

       とはいえ、実際は一般財源であるため、消費税は法人税・所得税などと同様に一般財源として徴収し、支出は年金・医療以外のことにも使われます。例えば自動車重量税が一般財源化されました。2009年に道路特定財源制度が廃止されたためです。

       

       道路特定財源制度が存在していた時は、自動車重量税で集められた税金は、使途が道路の補修などのインフラ整備に関連する支出に決まっていました。ところが一般財源化されたため、重量税で集められた税金は、必ずしもインフラ整備にのみ使われているわけではないのです。同様に消費税も、年金・医療財源に使途が限定されているわけではないのです。

       

       

       

      3.なぜ諸外国では消費税が20%とか25%という国が存在するのか?

       

       諸外国には、消費税が20%とか25%という国があります。なぜ、そんなことができるのでしょうか?

       

       答えは簡単です。デフレでないからです。

       

       日本もデフレでなければ、消費税率20%とか25%とか、全然あり得る話です。税率を少しずつ引き上げ、その都度デフレでなくインフレであることを確認したら、税率を引き上げるというように、これを繰り返せば、ゆっくり徐々に上げていけば、デフレにならないということはあり得ます。

       

       もとよりインフレ率が極端な話2%どころか10%などと高い状態で、バブル形成を助長するという判断があるのであれば、むしろ消費増税をした方がいいときもあります。

       

       問題は、日本はデフレ脱却しないまま、しかも緊縮財政を継続したままの状態で消費増税をしてきたことにあります。

       

       もともと消費増税すべきだ!という考え方の人々の頭の中には、デフレとかインフレということに興味がありません。そういう人々はマクロ経済をロクに理解していないため、消費税率10%の次は、15%に引き上げるべきだということになるでしょう。

       

       事実、消費増税10%は一里塚という論調が徐々に強まってきており、自民党の総裁選でも石破前幹事長は、「消費増税は10%で十分か?」とのインタビューに対して、「足りない。15%に引き上げるべき!」と将来的には、さらなる消費増税を示唆していました。

       

       自然災害対策のために公共事業に支出を増やすことで財政破綻するという論文を中央公論8月号で書いた東京大学名誉教授の吉川洋氏は、2018/09/02の読売新聞の論説で消費税は15%にすべきであり、10%は一里塚であると述べています。

       

       デフレ状況で10%に引き上げると、さらにデフレが深刻化し、さらに税収は伸び悩むことになります。日本のGDPが500兆円で20年も横ばいを続けているのは、少子高齢化で老人が増えており、消費税で需要が削減されるところを、老人の医療・介護の需要で埋め合わせているのですが、その医療・介護の需要も、医療報酬・介護報酬引き下げやジェネリック薬品の推進で、費用が抑制されてGDPが伸び悩んでいるのです。

       

       何が言いたいかといえば、このままデフレ脱却を放置した状態で10%→15%→20%とやれば、消費が落ち込み、GDPが伸び悩みます。他方で諸外国は政府支出増を継続していることからGDPを伸ばしていくことになるでしょう。

       

       日本は貧困化し、諸外国は経済成長していく、それが現実のものになるということです。私たちの将来世代に引き渡す日本の形が、デフレで貧困化してインフラがボロボロとなり、生産性向上についても相対的に他国に劣後するという状況でいいのでしょうか?

       

       

       

       というわけで「なぜ諸外国は消費税20%とか25%とかできるのか?」と題して論説しました。

       デフレ放置した状態での消費増税は断固として反対です。一方で、消費増税をした方がいい局面があります。それは想定以上にインフレになったときです。例えばインフレ率20%を1年間放置すると、1.20の12乗≒9となり、100円の缶コーヒーが1年後900円になります。これはこれで人々が生活しにくい可能性があるわけで、消費増税をして需要を削減し、インフレ率2%〜3%程度になるまで、消費増税をした方がいいのです。

       消費税率というのは、「欧米諸国と同じように〇〇%でなければいけない!」とか「〇〇%まで引き上げるべき!」という話ではありません。これは法人税や所得税などのほかの税金も同様です。国民が生活しやすいように、その時々で税制制度を変えていくということ、それが政府の役目なのです。

       

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      年収850万超増税について、「自分は関係ない」と思われる人々へのメッセージ

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         今日は、「年収850万超増税について、自分は関係ないと思われる方々へのメッセージ」と題して、年収850万円超増税について反対論を述べたいと思います。

         

         昨年の12月11日に、増税「850万超」合意というニュースが出まして、所得税改革について決着したとされました。平成30年の税制改正で実施されます。それに合わせてこの増税について、日経世論調査アーカイブでアンケートの調査結果が公表されています。

         

        <年収850万以上増税に対するアンケート調査結果>

        (出典:日経世論調査アーカイブ)

         

         上記の通り、賛成が55%、反対が30%でした。今回の所得税増税の対象者は、約230万人で給与所得者の4%といわれています。ということは、増税の対象から外れた96%の給与所得者の半数以上が増税に賛成していることになります。

         

         これは、年金や介護医療費増大で将来不安があるから増税自体には賛成だけど、自分たちが増税にならなくてよかったということなのでしょうか?

         

         まず、年金や介護医療費増大で将来不安があるから増税には賛成という時点で愚民です。自分には関係ないと思っている人、超愚民です。

         

         理由は2つあります。一つ目は、年金医療介護費増大で将来不安だから賛成という発想は、マクロ経済が全く理解できていない証左です。年金支給自体は消費にならず、年金支給されたお年寄りがお金を使って初めて消費になります。医療介護費は、それ自体が需要ですので個人が自費で払おうとすれば需要は伸びませんが、自己負担率を引き下げ、その分を税金で補てんするとなれば、誰もがサービスを利用しやすくなり、需要は伸びて実際にサービスを費消するでしょう。サービスを生産=サービスを受けるための支出=サービスを生産した主体の分配、これはGDP3面等価の原則ですので、必ずそうなります。

         

         ところが個人の給与所得から増税すると、消費できる金額が間違いなく下がりますので、消費を増やそうとする人が減ります。このケースでいえば、年収850万円超の人の中に、消費を減らそう、節約しようと考える人が必ず出てくるわけです。

         そのとき、節約してサービスを買ってもらえなくなるのは、このブログを読んでいるあなたかもしれないのです。

         

         理由の二つ目は、国民経済が繋がっているとは知らず、自分には関係ないという発想を持つ人です。富裕層を狙い撃ちした増税で自分が助かったという発想は、新聞業界の発想と似ています。新聞業界は消費増税の対象品目から除外してもらおうと考えています。一方で、記者クラブの財務省からのウソ・デタラメの「緊縮財政をしなければ・・・・」的な記事を垂れ流し、増税はやむなしと国民に刷り込みます。

         

         消費増税でいえば、ほとんどの品目が消費税UPしたとして、新聞業界だけが消費税UPを免れれば、新聞業界は消費増税UPの影響を受けないと考えるかもしれません。ところが、国民経済は繋がっています。他の品目で消費税UPとなった場合、毎月もらえる月給が増えないもしくは少ししか増えないとなれば、必ず消費を節約します。そのとき新聞を買うのを辞めるという消費者が絶対に出ないとは言い切れないのです。

         

         そもそも日本には財政問題は存在しない。さっさとデフレを脱却しなければならず、しかも方策があるのにやらない。方策があるのにやれない理由は、世論が国の借金1000兆円が将来世代にツケを残すというウソ・デタラメ情報を刷り込まれてしまっているからです。

         

         安倍政権がマクロ経済的に正しい政策を打とうとして、財政出動しようとすると、「なんで無駄遣いするんだ!」という声を上げる国民が多いのではないでしょうか?これでは、安倍政権が正しい政策を認識していたとしても、実行しようがないのです。

         

         デフレ化では増税は不要。デフレは貨幣現象ではなく、需要の不足という経済現象です。デフレ化で増税すれば、なおのこと節約する人が増え、需要は縮小します。家計や企業経営はデフレなので借金を返済してお金を貯め込むでもいいのですが、政府までもがそれをやると、いつまで経っても需要が縮小し続けることになります。これがデフレスパイラルです。デフレ脱却が明確化し、インフレ率が2%超を継続的に推移するようになるまで、政府が支出増を継続する、これしかデフレ脱却の方法はありません。

         

         もし、上述に気付かず、「年収850万以下の自分たちは助かった。年収が高い人からもっと税金を取ればいい!」と思う人がいたとすれば、私はその人を「愚民」認定したい。国民経済は繋がっているということに気付いていないのは愚かだと思うから。

         もちろん貧富の差の縮小、格差縮小の取り組みも大切ですので、所得分配の機能を強化するという意味で累進課税の強化というのは、あり得ます。とはいえ、今はデフレなわけですから、個人の所得フローから税金を取ることよりも、需要を作ることを急がなければなりません。具体的に言えば、プライオリティが高いのは政府支出増です。

         

         

         というわけで、今日は年収850万超増税について、反対論を述べさせていただきました。そうはいうものの、このままでは増税されてしまうでしょう。その場合、いずれ近い将来850万以下の人々への増税が必ず行われるでしょう。

         何しろプライマリーバランス黒字化があるから。消費が縮小して税収が伸び悩むとすれば、改めて税収を増やそうと財務省は増税政策を考えて実行に移すでしょう。だから「自分は関係ない」ではなく、間違っている政策について、正当に批判し続けなければならない。国民経済は繋がっているので、デフレ環境下での増税には反対しなければなりません。

         財政問題が日本には存在しないことを理解し、国債増刷を多くの国民が声を上げるようになったとき、マスコミどもの報道とは関係なく、政治家が正しい政策を打てるものと私は思うのです。


        インフレになっていない状況で実施された消費増税の経済へのすさまじい破壊力

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           今日は、2014年4月に実施した消費増税5%→8%の結果、どうなったか?消費税の破壊力ということでご説明したいと思います。

           

           少し古い記事ですが、2016年度の国の税収が7年ぶりに前年割れしたという記事です。

          『日本経済新聞 2017/07/05 16:57 16年度の国の税収、7年ぶり前年度割れ 円高で法人税が減少

          財務省が5日発表した2016年度の一般会計決算概要によると、国の税収は前年度比1.5%減の55兆4686億円と、09年度以来7年ぶりに前年実績を下回った。円高進行による法人税収の減少が響いた。法人税は4.6%減の10兆3289億円だった。消費税は1.1%減の17兆2282億円、所得税は1.1%減の17兆6111億円と、基幹3税がそろって前年実績を下回った。(後略)』

           

           

           記事では、法人税、所得税、消費税の基幹3税が揃って減収と報じています。なぜこの年、すべて減収となってしまったのでしょうか?記事によれば、財務省の説明として、税収の大幅な減収が特殊要因によるものとしています。

           

           法人税が下がった理由について、2016年度前半に円高が進んだ影響で企業業績が落ちたとしています。英国のブレグジットなどの影響で円高となり、企業の輸出が減ったというのです。

           

           とはいえ、日本のGDP500兆円のうち、純輸出(輸出−輸入)が占める割合は、多くて15%程度。ほとんどは個人消費が占め、その割合は約60%(実額で300兆円)です。

           

           つい最近も消費支出が2014年以降3年連続で減少していることを、ブログで取り上げました。

           

          <消費支出の推移(単位:万円)>

          (出典:総務省の統計資料の消費支出データを加工)

           

           本来は、GDPの60%を占める消費の落ち込みが激しいというのが真実です。消費が大きく落ち込んでデフレから脱却できず、むしろデフレに逆戻りしてしまったのです。

           

           もともと、財務省は何が何でも増税。国民生活が破壊されようとも、とにかく政府のお金が重要という集団です。供給力が毀損しようが関係ありません。プライマリーバランス黒字化が絶対的に正しいと思い込んでいる連中です。まさに家計簿の発想、企業経営の発想を、国家の財政運営に持ち込んでいるのです。

           

           そのため、消費増税を何が何でもやりたいとすれば、2014年4月に5%→8%へ増税した結果、消費が大きく落ち込んだという事実は、国民に知らされたくない事実だといえます。

           

           そんな財務省の思惑とは別に、2017年6月の閣議決定で、「財政の骨太方針」から、「消費税」の文言が消えました。

           内閣府のホームページに、「経済財政運営と改革の基本方針2017」に添付ファイルが3通掲載されています。

           

           峽从兀眄運営と改革の基本方針2017〜」

          ◆岾詰廖

          「主なポイント」

           

           上記が添付ファイルなのですが、ぜひ「消費税」でキーワード検索してください。消費税のキーワードがあるのは、 峽从兀眄運営と改革の基本方針2017」のファイルに1か所だけです。その部分の抜粋は以下の通りです。

           

          『(3)少子化対策、子ども・子育て支援
          社会保障における世代間公平の確保を目指し、全世代型社会保障の実現に取り組む。
          そのため、待機児童解消や子供の貧困対策を含め、少子化対策・子育て支援を拡充する。
          引き続き企業主導型保育事業の活用等も図りつつ、多様な保育の受け皿を拡充し、待
          機児童の解消を目指すとともに、各自治体における状況等も踏まえて子育て安心プラン
          に基づき、安定的な財源を確保しつつ、取組を推進する。
          保育人材を確保するため、保育士21の処遇改善に加え、多様な人材の確保と人材育成、
          生産性向上を通じた労働負担の軽減、さらには安心・快適に働ける環境の整備を推進す
          るなど総合的に取り組む。また、子ども・子育て支援の更なる「質の向上」を図るため、
          消費税分以外も含め、適切に財源を確保していく。』

           

           上記の通り、消費税について触れているのはこの箇所だけです。因みに2016年骨太方針では3か所ありまして、消費増税の延期について触れています。

           

          <2016年骨太方針の抜粋>

          (出典:内閣府のホームページに記載の2016年骨太方針の資料からの抜粋)

           

           

           2016年に消費増税10%引上げの延期について触れていますが、2017年の骨太方針では消費税の文言が消えました。さらに言えば、藤井聡内閣官房参与らの働きかけにより、財政健全化とは政府の負債を削減することではなく、政府の負債対GDP比率の引き下げという世界基準と同じ基準であることを明言しました。

           これにより、1000兆円の借金が問題なのではなく、GDPを増やせば、政府の負債対GDP比率の引き下げとなるという羅針盤に変えることができたのです。

           ところが、プライマリーバランス黒字化目標が残ってしまった。だから、支出を増やすならば「増税する」か「他の支出を削減する」というのが、財務省職員が考えていることなのです。

           

           そう考える財務省職員にとって、消費増税が経済を破壊しているという事実は、なんとしても目を背けなければならず、国民に知らされては不都合なのです。

           経済担当の新聞記者も、財務省の公式発表を否定しません。財務省の機嫌を損ねてしまえば、記者クラブから落とされ、情報がもらえなくなって出世できなくなるからです。

           また10%に上がった場合に、軽減税率の対象から新聞が外されては困ると考えてもいます。

           

           新聞記者はアホです。軽減税率の対象から新聞が外されれば、消費増税が実施されても、消費増税による新聞販売の売れ行きDOWNとならず影響がなく、新聞業界は安泰だと考えているのでしょう。マクロ経済を理解していない証左です。巡り巡って自分たちの物・サービスである新聞を、買いたくても買えない人が出て、新聞を取るのを辞める人が出ます。

           実質賃金がUPしない状況で、消費増税をすれば支出を削減しようとする人は増えます。そのとき、新聞の購読を辞めるという消費者が、軽減税率の対象になれば絶対にいないとは言い切れません。

           

           消費増税による経済の破壊力を知らない無知なマスコミらが、間違った経済情報を垂れ流し、多くの国民がそれを信じる。そして、自分たちが賃金が上がりにくいからといって、既得権を持つ人を攻め、その既得権に切り込んだ政治家を、改革功労者として拍手喝采する。既得権を持つ人は、自分たちのサービスやモノを買っていただいているお客様かもしれないのに。そうとは想像できず、既得権を壊していくことこそが改革につながるとして拍手喝采する。結果、消費が落ち込み、それだけならまだしも、将来的に供給力が毀損してサービスが受けられなくなってしまうということすら想像できない。

           

           私は、この言葉をあえて使いたくありませんが、日本国内に「真実を知らない間違ったことしか知らない愚民」が増えていくということ。日本は韓国と同じようになってしまうと思うのです。歴史の史実を変えて教育を受け、反日をやっている韓国民。中国も同様です。

           同じように日本も事実・真実を知らされず、気付いたら取り返しのつかない状態を将来世代に引き継ぐことこそ、大きなツケを残すものとしてなんとしても回避したい。そんなことを思い続けています。

           

           

           というわけで、今日は消費税の経済への破壊力ということで論説しました。インフレのときであれば、消費増税UPは有効な政策ですが、デフレ環境下での消費増税は、すさまじい破壊力。V字回復するどころか、回復しないL字低迷ということも、日本のGDPが500兆円から伸び悩む状況から伺えます。100歩譲って消費増税したとして、全額を費消する、さらに財政支出増も併せて行う。要は、家計簿の発想から脱却しない限り、プライマリーバランス黒字化が正しいと思い続け、間違った政策が打たれ続けるのです。

           まず、私たち一般国民が、国家財政が家計簿や企業経営と違うということの理解を深め、プライマリーバランス黒字化破棄するということをメッセージとして発信していかなければならないと思うのです。


          消費税率1%UPで2.5兆円増収できるというウソ

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             今日は消費税をテーマとして「消費税率1%UPで2.5兆円増収できるというウソ」ということで論説します。小題目は下記の通りです。

             

            1.所得税増税や消費増税よりも政府支出増で需要を作ることが先である!

            2.消費増税1%UPで2.5兆円増収という大ウソ

            3.諸悪の根源は財務省職員であり、財務省の「財政研究会」か?

             

             

             

             まず、東洋経済オンラインに掲載された記事を紹介します。

            『2017年11月30日 野村 明弘 : 東洋経済 記者 所得税の累進課税強化では財源確保できない

            税収を検証してみると、消費税代替には不足

            消費増税ではなく、所得税の累進課税強化によって財源を確保しようという声が野党の間で根強い。立憲民主党や共産党などは消費増税の凍結・中止を主張し、「法人税の増税と所得税の累進課税強化を先にやらないといけない」(立憲民主党の枝野幸男代表=週刊東洋経済2017年11月11日号インタビュー)と訴える。

            所得税の累進強化は、格差是正を図る所得再分配機能を高めるために重要だ。また、それが消費増税の代替財源となるなら、財政再建にも有効となる。ここでは、2016年度予算の所得税関連データを活用し、所得税の累進強化によってどれだけの財源を得られるかをシミュレーションしてみよう。

            所得税は、課税所得(年収から各種所得控除を差し引いた後の個人所得)が上がるほど税率が段階的に上がり、現在、最低税率は5%、最高税率は45%の7段階の構造となっている。間違いやすいのは、最高税率の対象となる高所得者も、すべての課税所得に45%の税率が課せられるわけではないことだ。各税率区分に該当する課税所得の部分にだけ、その税率が適用される。たとえば、課税所得4000万円以上の税率は45%だが、4000万円未満の課税所得部分については、45%より下の税率がそれぞれ適用される。

            1800万円以上全額没収でも2.5兆円だけ

            では、ここで2016年度所得税関連データを見てみよう。

            所得税の累進課税を強化する際には、まずは最高税率部分へ注目が集まる。データを見ると、最高税率45%に該当する納税者は約7万人、総課税所得は約2.0兆円となっている。すでに税率45%が適用されているため、約2.0兆円×45%=約9000億円が税収となっているわけだ。

            仮に、この最高税率を45%から55%に引き上げると、税収は約2000億円増える計算だ。現在、課税所得には一律10%の住民税が課されているため、最高税率の引き上げは90%までが限界。仮に最高税率を90%にすると、増収額は約9000億円となる。

            消費税は1%の税率引き上げでざっと約2.5兆円の増収となるため、所得税の最高税率を引き上げるだけでは、残念ながら代替財源としてはまったくの力不足だ。では、2番目に高い税率区分40%の部分を50%にしたらどうなるだろうか。(後略)』

             

             

             珍しく東洋経済オンラインから引用いたしました。東洋経済といえば、四季報を4半期ごとに出している経済に強いイメージの出版社で、この記事は、所得税の累進課税強化と消費税引上げとでは、税の増収効果が前者の方が劣るとする論説です。

             

             この主張に対して、問題点を2つ指摘しておきます。

             

             

            1.所得税増税や消費増税よりも政府支出増で需要を作ることが先である!

             

             まず一つ目、所得税を大幅に増税しても社会保障費を賄えないという写真の下にあるフレーズ。

             まさに増える社会保障費を増税して賄おうとする発想。これがもとになって、消費増税か?所得税累進課税強化か?という議論になっています。そもそもそこが間違え。デフレであれば、まずやるべきことは財政出動。これによってGDPが拡大し、名目GDPの上昇によって税収が増収します。日本の企業は、ほとんどが赤字で、法人税を納めていません。大企業でさえ、連結決算・連結納税で、実効税率は40%弱を納めている企業はほとんどありません。

             即ち、税収弾性値は1よりはるかに大きい。2013年度の安倍政権は財政出動をしたことで、名目GDP1.9%の上昇で、税収は6.9%増えました。2013年度の税収弾性値は3.63です。この時の税収弾性値は、6.9%÷1.9%=3.63 で算出されます。

             要は赤字企業が多いので、政府支出増の効果が税収増に大きいことについて触れられていません。デフレであるがゆえに、儲かりにくい環境であるがゆえに、赤字企業が多く、黒字の企業であっても赤字の子会社を買って本体の黒字を相殺させたり、持ち分法適用会社の赤字企業の出資比率を引き上げて、関連会社・子会社にして本体の黒字を減らすなどとする動きをしているのです。

             

             もし、政府支出増となり、名目GDPが増えていけば、赤字企業が減少し、結果的に上述の節税対策もできなくなります。バブル期のように、大企業も中小企業も儲かりまくって、ほとんどの企業が黒字という状態になって初めて、税収弾性値は1.0に近づきます。

             

             税収弾性値が1.0に近くなった状況は、ほとんどの企業が黒字という景気がいい状況なので、政府支出増をしたとしても、デフレのときよりは税収増の効果は下がります。何しろ、税収=名目GDP×税率×税収弾性値 だから税収弾性値1.0ですと、名目GDPの伸び率分しか税収が増えないのです。

             

             所得税累進課税強化は、格差縮小・所得再分配機能といった観点から必要だと思いますが、今やるべきプライオリティが高いのは、政府支出増によって政府が仕事を作ること、需要を作ることです。景気が良くなる過程で、投資が過熱化しないようにするために、所得税累進課税強化をすればよい。物価上昇率5%以上とかなれば、消費増税もありです。今はデフレなので、消費減税や政府支出増で、需要を作ることが先です。

             

             

             

            2.消費増税1%UPで2.5兆円増収という大ウソ

             

             二つ目は「消費税率1%UPで2.5兆円の増収」というフレーズ。

             これは、まやかしです。1989年に導入された消費税は、1兆円増税すると2.5兆円税収増になるとされています。もし3%増ならば、7.5兆円増収するはずということです。

             

             実際はどうだったか?過去は以下の通り。

             

             1989年 0%→3% 54.9兆円→60.1兆円 △5.2兆円

             1997年 3%→5% 53.9兆円→49.4兆円 ▲4.5兆円

             2014年 5%→8% 54.0兆円→56.3兆円 △2.3兆円

             

            <税収の推移 1987年〜2017年>

            (出典:財務省のホームページ)

             

             消費増税1%増税すると、2.5兆円税収が増え、その増収分を社会保障費へと、よく言われていましたが、実際はうまく増収できませんでした。

             

             1989年のバブル絶頂期でさえ、3%増税でしたが、5.2兆円の増収にとどまりました。1997年の増税に至っては、バブル崩壊後だったことや金融不安などもあって、2%増税だったにもかかわらず、翌年の税収は49.4兆円と、4.5兆円も減収になりました。2014年の増税では3%増税でしたが、2.3兆円の増収にとどまりました。

             

             1997年は緊縮財政が始まった年、橋本内閣の構造改革基本法が制定され、この年からGDPが500兆円で止まり、失われた20年が始まったのです。

             

             民主党政権下でさらに経済は冷え込み、2011年3月には東日本大震災に見舞われました。2012年に「デフレ脱却」を旗印に、第二次安倍政権が誕生し、アベノミクスをスタートさせ、日銀の金融緩和と財政拡大により、2013年には6.9%(43.9兆円→47.0兆円)の税収増をもたらし、2013年の補正予算が10兆円増と大きかったことなどもあって、2014年も14.9%(47.0兆円→54.0兆円)まで増収できました。

             

             ところが、愚かなことに「税と社会保障の一体改革」として、財務省に言われて安倍政権は8%の消費増税を敢行してしまい、結果個人消費が冷え込んで再びデフレに戻ってしまったのです。

             

             そもそも2014年4月の増税は、「すべて社会保障のため」というお題目でしたが、実際は大うそで、子育て・介護・医療・年金などに使われたのは、1割程度に過ぎません。それどころか医療・介護費の削減をしているのです。

             

             

             

            3.諸悪の根源は財務省職員であり、財務省の「財政研究会」か?

             

             財務省には、「財政研究会」という記者クラブがあります。多くの官公庁には記者クラブがあり、会員は官公庁から独占的な情報提供を受けています。排他的かつ閉鎖的な組織で、フリーのジャーナリストや週刊誌や海外メディアは取材させてもらえません。そのため、メディアは官公庁の情報を垂れ流すだけの広報機関にならざるを得ないのです。

             

             新聞記者やテレビマンにとって最も恐れるのは、記者クラブから落ちてしまうことです。他社がすべて報じている内容を、自社が報じられないとなれば、その記者は間違いなく「無能」とみなされるでしょう。私は大学生の頃、アルバイトで新聞社で働いていたことがありました。産経新聞の経済部、日本経済新聞の政治部でアルバイトとして、デスクの補助という仕事をやっていたことがありました。よく記者クラブへの車を手配するなど、やっていました。

             

             各記者は、財務官僚にとって不都合なことは絶対に書けません。なぜならば、記者クラブから落ちてしまえば、財務省から情報がもらえなくなるからです。

             

             さらに財務省が発表する白書などは膨大なページ数であり、とてもではありませんが記者一人が読み込める分量ではありません。また解析する知識もありません。ご丁寧なことに、財務官僚は要点をまとめたペーパー(財務省にとって不都合なデータは記載されていない)を配布します。それをサラッと読めば新聞記事ができあがるのです。

             

             どの新聞の経済欄を見ても、財務省発信の要点をまとめたペーパーがもとになり、どの新聞も似たような記事になるのは当たり前なのです。テレビ局も同様です。「日本の財政はギリシャより悪い」と何度も何度も同じことを繰り返させています。ギリシャの負債は共通通貨のユーロ建てであり、日本は自国通貨建てなので、そもそも比較する意味がありません。自国通貨建ての日本が財政破綻する確率はゼロです。

             ギリシャのGDPは東京都のGDPよりも小さいですし、そんな国家と日本を比較することでさえ不毛です。こうした事実をいっさい説明せず、「財政破たんを回避させるために消費税増税も緊縮財政も仕方がない!」という間違った情報を繰り返して、日本国民の頭に刷り込んでいくのです。

             

             

             というわけで、今日は消費税について、1%増税すると2.5兆円増収するという東洋経済新聞の記者の指摘について反論しました。また記者クラブというマスコミの組織、財務省の「財政研究会」といった組織が、諸悪の根源であることも述べました。テレビや新聞を見ていると、間違った情報が刷り込まれます。

             朝日新聞・毎日新聞の我が国を貶める報道については言うまでもありません。憲法21条によって言論の自由が保障されているとはいえ、我が国を貶めるウソの記事の記載は、国力毀損そのものであり、言論の自由を制限すべきであると思うわけです。

             その一方で、サラリーマンが必読とされる日本経済新聞でさえも、経済政策に関する記事は、必ずしも正しいことが書かれていないということです。日本経済新聞でさえも読めば読むほどバカになると、私は思うのです。


            財務省職員の人事評価制度について(増税できた人を評価するのではなく、GDPを増やした人を評価すべき)

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               2019年10月に、8%→10%への消費増税が予定されています。このままですと予定通り増税となるでしょう。もちろん増税反対の声が出始めていますが、今のところ予定通り増税です。

               

               私はデフレ脱却できていない状況での消費増税は反対の立場です。本来であれば延期どころか凍結し、むしろ消費減税をしてもイイとも思います。消費増税はインフレ対策であって、社会保障の財源確保のためというのは、プライマリーバランス黒字化だったり、存在しない財政健全化というバカバカしい目標のための口実です。

               

               これを食い止めるためには、私が常に主張しているプライマリーバランス黒字化破棄に加え、財務省の人事評価制度についても変えるべきだと思っておりまして、後者について論じたいと思います。

               

               冒頭で消費増税に反対の立場と申し上げましたが、例えば実質賃金のUP率が10%と高い状態で、物価上昇率もコアコアCPIでプラス10%で、GDPデフレーターもプラス10%です、なんて状況の場合は、消費増税するのは、インフレ対策の一つであり、検討してもよいと思います。今は日本がデフレ、少なくてもデフレ脱却を標榜して誕生した安倍政権ですが、5年経過しても、コアコアCPIはプラスマイナスゼロ近辺、GDPデフレーターもプラスマイナスゼロ近辺ということで、日銀の物価上昇目標2%ですら達成できておりません。

               消費増税5%→8%とか、補正予算を毎年減らすといった緊縮財政をやっている以上、デフレ脱却するはずがないのです。

               

               しかも2017年は10/22の衆議院議員選挙で自民党が勝ってから、財務省はなりふり構わず増税メニューを繰り出しています。所得税改革、たばこ税、出国税といった具合です。選挙が終わり、自民党の支持率や安倍政権の支持率なんて関係ないとして、やりたい放題やっているのです。もちろん、選挙前に公約で、所得税改革などの増税が謳われていたら、選挙で自民党が勝つかどうかわからなかったことでしょう。とはいえ、自民党以外の政党も、民進党も立憲民主党も野党は消費増税賛成の立場です。希望の党は消費増税反対の立場でしたが、バリバリのグローバリズムで、規制緩和を推進するというこれまたデフレ化では間違った政策を訴えていました。

               

               内閣官房参与の藤井聡氏が、京都大学の行動心理学の学生に、消費増税の税率を変えて対象者に、物・サービスを買う買わないの心理への影響の調査を依頼していました。結果、消費税10%になったとき、心理負担が一番大きいとのことです。理由は計算しやすいからです。8%だと計算が暗算でしにくいですが、10%だと計算しやすいため、心理負担が大きいという結果が出たそうです。

               そして、その効果はといいますと、8%UP時よりも、1.5倍の消費縮小効果をもたらす可能性があるとのことでした。

               

               消費税率8%UPのとき、日本の消費、特に民間最終消費支出は8兆円減少しました。500兆円がGDPと考えれば1.6%、2016年12月の算出方法改定後の530兆円で考えても、1.5%の減少です。

               その1.5倍となると、実に12兆円で2%以上に達します。算出方法改定後530兆円でみた場合、2.3%の縮小となり、日本人の年収が2.3%減少するということになります。GDPは何しろ、GDP3面等価の原則により消費=生産=所得です。消費が減少すれば、所得が減るのです。

               

               残業問題についても触れておきます。電通の労災事故で残業規制が導入されます。働き方改革とか、どこでも聞きますが、残業規制すれば給料が減ります。大和総研によれば、2019年に残業規制導入で、8兆5000億円減少するとの試算が出ています。

               

               2019年は、まさに苦難の年になるでしょう。需要減少要因を整理しました。

              ●消費増税で12兆円の需要減少

              ●残業規制で8兆5000億円の需要減少

              ●東京オリンピックのインフラ整備の終了による需要縮小

              ●各種増税(社会保険料引上げ・所得税改革と称する年収850万円以上の所得乗除縮小)

               

               日本のGDPは530兆円で、税収は直近で60兆円弱程度です。需要不足は20兆円以上ありますので、建設国債や赤字国債を発行して政府支出するか、補正予算で直近税収の50%に相当する30兆円程度の補正が組まれないと、2019年から悲惨なデフレに突っ込むことは確実といえます。

               

               消費増税は最低延期し、消費が減少することがわかっているわけですから、消費増税凍結としてもいいはずです。また残業規制についても見直すべきではないでしょうか。確かに、残業で悲惨な過労死でお亡くなりになった電通の女性はかわいそうだと思います。だからといって、その事象を捉えて全部を規制する結果、8兆5000億円の需要縮小という政策は本当に正しいのでしょうか?残業規制については、見直すべきではないかと私は思います。

               

               残業規制見直しも、消費増税見直しも、プライマリーバランス黒字化目標がある限り、財務省的には、支出削減は正当化されるでしょう。だからこそ、プライマリーバランス黒字化目標の破棄は重要で、これをやらないと何も始まらないのです。

               

               具体的には、2018年6月の財政の骨太方針で、閣議決定で破棄するか、こっそり入れなかったり、骨抜きにする。もし、今年の6月の骨太方針で、プライマリーバランス黒字化目標が残ってしまった場合、2019年度の予算も縛られてしまい、消費増税の延期はできなくなります。残業規制もやらざるを得なくなるでしょう。

               

               そうすると悲しいですが20兆円の需要縮小効果をもたらす政策がそのまま実行され、日本のGDPで4%くらいのダメージとなります。皆さんの年収が4%減ると思っていただくで構いません。何しろ繰り返しますが、GDP3面等価の原則で消費=生産=所得です。GDPで4%マイナスということは、そういうことです。

               

               財務省職員は、上記を理解していません。財務省職員にとっては出世できるか否か?が重要であって、上記考察は関係ないのです。消費増税に成功すると出世し、事務次官になれます。そういう人が部下で、財政拡大を主張する人を引き上げるか?というと、そんなことはあり得ず、左遷させられるでしょう。

               だから財務省職員は出世するために次々に緊縮財政路線の政策を打ち出してくるのです。

               

               この構造を変える、即ち財務省の出世ルールを変えることは、プライマリーバランス黒字化目標を破棄することと合わせて重要なのです。

               

               通常、日本国憲法を変えるとなれば、国民投票が必要であり、敷居が高く、ハードルが高いです。ところが、

              ●財務省の出世ルールを変える

              ●プライマリーバランス黒字化目標を破棄する

              上記の2つは、どちらも閣議決定でできる話です。

               

               財務省の人事権は内閣官房が持っています。そのため、具体的には閣議決定で、財務省の出世ルールは「GDPを増やした人が出世する」と変更し、閣議決定後、法律を制定すべきだと考えます。

               法律制定する理由は、財務省職員が「安倍政権は、GDPを増やす人を出世させるなんていっているけど、次の政権になったら元に戻せばいい!」みたいな職員が多いと思われるためです。

               

               まさに日本国民の真の敵は財務省職員と言えるかもしれません。そのくらい本来頭脳明晰な財務省職員の連中とは、経世済民やら国民経済を理解していない人々の集団です。また、そうでない財政拡大すべきだなんて考えを持つ人は左遷されて既に財務省を去っているかもしれません。

               

               

               というわけで、今日は財務省の人事評価制度について触れ、解決策を述べさせていただきました。まずは今年2018年6月の財政の骨太方針に、プライマリーバランス黒字化目標が残るか?私は大変注目しています。このプライマリーバランス黒字化目標が残ってしまった場合、悲惨な貧困を伴うデフレに我が国は突っ込むことになるでしょう。

               そうならないためにも、2018年6月の財政の骨太方針で、プライマリーバランス黒字化目標が破棄されることを願っています。


              単に取るだけの増税目的の高額所得者の年金控除縮小には反対!

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                 今日は所得税改革のうち、年金以外の所得が1000万円を超える年金受給者への増税について反対の意見を述べたいと思います。

                 

                 会社員は年収850万円以上は増税するとの報道がありましたが、財務省の増税路線はそれだけにはとどまらず、年金以外の所得が1000万超の年金受給者を対象に増税すると報道されました。

                 

                 年金受給者のうち、年金収入以外で1000万円超の所得がある人は、年金控除を縮小するということなのですが、控除縮小=増税 ですので、普通に増税政策です。

                 

                 高額所得者に増税する場合、例えば累進課税を強化するなど、やること自体は有なのですが、その分を低所得者層に配分するという発想がありません。

                 

                 国民のルサンチマンを活用して、ひたすら取れるところから取り、本件は高額所得の年金受給者を対象にしていますが、必ずその後、低所得者層からも取ろうとするでしょう。

                 

                 税金には、公的サービスの支出によるすべての国民が便益を受けるというメリットに加え、所得再分配機能もあるわけなのですが、財務省や政府の税制調査会には、そういう発想はありません。政府の負債の返済をやっているのです。

                 

                 当然、増税となる高齢者から反発を招く恐れもありますが、一番怖いのは、消費を抑えてしまうことです。増税で使えるお金が減れば、消費を抑えるでしょう。増税で使えるお金が減っている状況で、お金を使いまくる人なんて、普通はあり得ません。

                 

                 よく、累進課税強化の場合、「たくさん所得を稼いでも税金を引かれるのであれば働くことを辞めてしまうのでは?」という意見があるかもしれませんが、そうした人は少ないでしょう。実際は、もっと稼ごうなる人の方が多い。とはいえ、デフレの環境でなんで増税するの?という感じです。しかも取れるところから取るだけ取って、政府の負債の返済をする。結局、財務省はお金しか頭にないのでしょうか?

                 

                 国内の供給力を保持する、危機が発生しても供給力が機能させる、そういう発想がないのです。ただプライマリーバランス黒字化目標のため、増税する。財務省の人事評価も、増税で来た人が昇進する。これでは財務省という象徴が何のために存在しているのか?経世済民ではなく、お金のために存在しているということ。はっきり言って、日本の発展途上国化を推進する組織だと断言できます。

                 

                 

                 というわけで、今日は増税目的で単に取るだけの高額所得年金受給者への年金所得控除縮小の動きについて、反対の意見を述べさせていただきました。


                いわゆる国の借金の返済のために、ただ取るだけ!財務省の緊縮財政の発想が日本を亡ぼす!

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                   今日は、「いわゆる国の借金の返済のために、ただ取るだけ!財務省の緊縮財政の発想が日本を亡ぼす!」と称し、所得税改革について取り上げます。

                   

                   下記は毎日新聞の記事です。

                  『毎日新聞 2017/12/12 所得税改革 増税対象230万人

                  自民、公明両党の税制調査会は11日、それぞれ非公式幹部会合を開き、2018年度税制改正で焦点となっている所得税改革について、増税となる年収水準を年収850万円超とすることを了承した。増税対象者は約230万人となる見込み。14日にまとめる与党税制改正大綱に盛り込み、20年1月から実施する。

                   政府・与党の試算では、増税額は年収900万円で年1・5万円、年収950万円で年3万円、年収1000万円で年4・5万円となる。(後略)』

                   

                   所得税改革について、上述の通り、自民公明両党の税制調査会が税制改正で焦点となっている所属税改革についてということで、年収水準850万円超を対象者とする方向で了承したというニュースです。

                   

                   そもそも10/22投票の選挙において、消費増税は自民党の公約に掲げられていましたが、所得税見直しやら所得税改革やら、選挙戦や選挙前に話題になっていたでしょうか?少なくても私は一度も聞いた覚えがありません。

                   

                   おそらく推測ですが、財務省職員は、選挙戦前から準備し、自民党が勝つことを想定して、総選挙後に税制調査会に資料を送って、「所得税改革待ったなし」の空気を作ったと思われます。理由は、財務省職員は、財政支出は絶対に嫌で、プライマリーバランス黒字化のために、増税はポジティブ、減税や政府支出増はネガティブだからです。消費増税は賛成ですが、それだけではプライマリーバランス黒字化が達成できない、もしくは黒字化達成の時期を早められないと考え、選挙後のタイミングで所得税改革を持ち込んだと考えられるのです。

                   

                   これは、とんでもない話です。会社員は、スーツやワイシャツなど、仕事で使います。それは領収証で申請するのではなく、所得控除という形で経費として認めます。年収にもよりますが、最低は65万円、最高は220万円です。年収1000万以上の人は、最大220万円となります。

                   

                   この220万円を経費と認めて所得控除しているわけですが、財務省はサラリーマンは、そんなに経費が掛からないと考え、その所得控除額を下げようとしているのです。

                   

                   所得控除額が下がるということは、その分課税所得が増え、税金を多く払わなければならなくなりますので、要は増税となります。逆に増税だけだと国民から批判されるため、所得税を払っている人全員が払っている基礎控除を10万円引き上げます。「増税だけではなく基礎控除10万円引上げだから減税分もあるからいいでしょ?」ということなのでしょうが、例えば基礎控除38万→48万として、低賃金の人は、基礎控除10万円UPのみで減税、もしくは基礎控除10万円UPで相殺できるという意味で、ダメージはないもしくは少ないです。

                   とはいえ、サラリーマンで中堅以上は、基礎控除の上昇分10万円を、所得控除額の減少の方が大きくなるため、これは普通に増税です。

                   

                   いまの日本にとって、高額所得者に増税して、低所得者に分配する所得再分配政策は、適切な政策と言えるかもしれません。とはいえ、財務省の発想は再分配政策はなく、ただ取るだけです。なぜならば、いわゆる国の借金の返済をしようとしているからです。

                   

                   「低所得者層の人はダメージが少ないが、金持ちの高額所得者のサラリーマンだけがダメージを受けるだけだからいいでしょ?」という発想。国民は長引くデフレでルサンチマン(妬み)が溜まっており、財務省は国民のルサンチマンを活用しようとしているように見えます。この場合、低所得者の人々にしてみれば、「もっと高額所得者から税金を取ればいい!」ということになりませんでしょうか?

                   そういう感じで、日本国民同士でいがみ合わせてナショナリズム(国民意識)を壊し、財務省はそれを利用して増税しようとしているのです

                   

                   低所得者の人々にとっては、高額所得の人から取るから自分には関係がないと思う人がいるかもしれません。しかしながら再分配政策がなく、高額所得者を増税したら、単にその分の消費を減らすだけです。GDP3面等価の原則で、消費=生産=分配となり、低所得者の人々は、さらに所得が減って貧困化します。これがマクロ経済です。

                   

                   増税すれば、増税された人々は必ず消費を減らす。たばこ税の増税にしても、税金の増収を企んでやるわけですが、増税後に毎月の給料が増えない状況において、たばこを数量多く高い値段で買える人は、わずかしかいないのです。消費増税にしても同じです。増税というのは、デフレ促進策です。インフレのときならば、景気の過熱を抑えるという意味で、増税した方がいい場面もあります。日本は20年間もデフレに悩まされているわけであり、今回の所得税改革は普通にデフレを促進するだけでしょう。

                   

                   高所得の年金受給者に対する増税も計画され、控除額を減らすという動きもあります。具体的には年金以外の所得が1000万円を超える高齢者に対し、控除額に上限を設けるという動きです。これも同じで、「所得が多い人を狙い撃ちしているのだから、大多数の国民は反対しないよね?」というように、国民のルサンチマンを利用するのが見え見えです。

                   

                   これも普通にデフレ促進します。すると高所得年金受給者以外の大多数の国民も所得を減らすこととなり、ルサンチマンが溜まって、財務省がそれを活用してまた増税、するとまたまた大多数の国民が所得を減らすこととなり、またまたルサンチマンが溜まって、財務省がそれを・・・・・・という無限ループ。

                   

                   きりがありません。日本はこんな感じになっています。例えば高所得の年金受給者といえば、アパート経営をして資産から収益を得ています。タダの年金暮らしの人からすれば「あの人たちお金をたくさんもらっているからもっと増税すればイイじゃん!」と思うかもしれません。とはいえ、増税したら消費が減り、皆さんにもダメージがあるということを認識していただきたいと思うのです。

                   

                   

                   というわけで、今日は所得税改革について取り上げました。私はデフレの日本において、所属税改革は全く不要。インフレになればやってもいいけどという立場です。このままではデフレ促進となるでしょう。

                   デフレは貧困化や発展途上国化、国力弱体化というダメージがありますが、最終的には国民を分断化する可能性があります。貧困化に苦しむルサンチマンを貯めた人は、高額所得者をターゲットにした政治に対して喝采する。高額所得者への増税を「いいぞ!もっとやれ!」となって、ナショナリズムが崩壊するのです。

                   公務員に対する批判や、既得権に対する批判も同様。私たち国民は、公務員をお客様として物・サービスを買っていただいている、既得権を持った人々がお客様として物・サービスを買っていただいている、そう思った時に、公務員批判や既得権批判を含めて、高額所得者への増税という今回の所得税改革についても、とんでもない政策であるということが理解できるのではないでしょうか。


                  自民党の公約にはない増税のラッシュ

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                     今日は、財務省が増税ラッシュを企んでいることについて意見します。

                     

                     10/22投開票の衆議院議員選挙後、突如として所得税増税の話が出てきました。なんで選挙前にいわないのでしょうか?選挙で増税をいえば、票が取れないからに決まっています。

                     自民党が勝って安倍政権が継続し、しばらく選挙はありません。だから今のうちに所得税増税とは言わんばかりに、「たばこ税」「出国税(1000円/1人)」「教育支出費用の負担を企業の社会保険給付で求める」など、増税ラッシュのメニューが目白押しになっています。

                     

                     こんなのは自民党の公約にはなく、あったのは消費増税だけです。ところが財務省職員は、こういうことを平気でやってきます。その背景は「国の借金ガー」「少しでも早く返さなけれバー」という財政問題に対する間違った認識を持っていることが原因です。

                     

                     発想として、日本国民は政府が増税をして、社会保障費に使ったり、教育費に使ったりして、その結果増税という発想があります。消費税増税は、その発想の典型例です。そして私たち日本国民は、「増税するのは私たちも分配を受けるから仕方がないね!」という発想になっています。

                     

                     こうした発想は、全く間違っているのですが、総選挙後の財務省の増税ラッシュをみますと、その発想を通り越して、増税して政府の負債を返済するだけになっている感があります。政府の負債の返済は、誰の消費にもならないため、GDP3面等価の原則でいえば、政府の負債返済分はフローとして所得を生みませんし、ストックとしては国民の資産を減らします。

                     

                     ところが20年間デフレが続き、給料が増えにくいもしくは給料が減ったという状況で、ルサンチマンが溜まっている人々は、増税に賛成しませんでしょうか?

                     あるいは、財政問題は横に置き、政府が教育、医療・介護、インフラ整備に大々的に支出します!となった場合、これらは全てデフレ対策なのですが、多くの国民は「政府は無駄遣いするな!」「公務員減らせ!」とならないでしょうか?

                     

                     こうした声が多い状況では政府は正しい政策はできないでしょう。逆にデフレを放置すれば税収が減収して財政悪化するため、それを理由に増税します!という財務省の方針に対して、デフレに苦しむ国民が我慢するという、するとまたまた税収が減収して財政悪化して・・・・・という無限ループにハマります。

                     

                     財務省は、ルサンチマンを利用して、日本国民のナショナリズムを壊しています。本来災害大国の日本は、困ったときはお互い様で助け合いの精神で、歴史を積み重ねてきました。日本という当たり前に育った環境が変わっていく、そんな気がします。

                     例えば災害が発生したときに、高所得者のところへ低所得者の人が略奪するとか、最悪そのような日本になってしまわないか?懸念するのです。

                     

                     

                     ということで、今日は自民党が選挙戦で公約になかった増税メニューが次から次へと出てきたことについて、背後には財務省が画策していることをお伝えしました。このままプライマリーバランス黒字化を破棄せず堅持して、増税ラッシュをおしすすめ、しかも支出削減と続けるとなれば、日本は発展途上国へまっしぐらに向かうことになるでしょう。その結果、私たちの将来世代に過酷なツケを残すことになるでしょう。そうならないためにも、多くの日本人が知見を深め、正しい政策が打たれる日が早く来る日を望んでおります。


                    2018年度の税制改正の主要テーマに取り上げられた所得税の改革について

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                       今日は「2018年度の税制改正の主要テーマに取り上げられた所得税の改革について」と称して、現在議論が行われている所得税改革について、取り上げます。

                       

                       自民党の税制調査会において、所得税の改革がテーマとして取り上げられています。下記は時事通信のニュース記事です。

                      『時事通信12/1(金) 11:36配信 高所得会社員らの増税で一致=14日に大綱策定へ―自公税調

                       自民、公明両党の税制調査会は1日、2018年度税制改正に向けた初の合同会議を開き、焦点となっている所得税改革などについて協議した。
                       高所得の会社員らの所得税や、たばこ税の増税が必要との認識で一致した。週明け以降に各党で意見調整を進め、14日の与党税制改正大綱の策定に向けた作業を加速化させる。
                       所得税改革では、働き方の多様化や格差是正を目的に年収800万円超の会社員らの「給与所得控除」を縮小する案を軸に検討している。会合では公明党が子育て世帯に加え、介護を必要とする家族を抱える世帯も増税の対象から外すように主張した。』

                       

                       税制改正の論点の一つに、突然所得税の改革というのが出て参りました。この背景、そもそも10/22投票の衆議院議員選挙において、公約に掲げられていたでしょうか?仮に政府与党自民党が、所得税改革なんてのを公約に入れていたら、選挙で負けていた可能性すらあります。

                       選挙後に、いきなり所得税改革というのを出してくること自体、違和感があります。

                       

                       今回の所得税の改革のコンセプトは、高額所得を得ながら年金を受給する高齢者の税の控除の見直しや、「働き方改革」などで働き方の多様化に則した税制の在り方を議論し、富裕層への増税を強化することが目的に見えます。

                       

                       そもそも税金には、いろんな役割があります。公共サービスの財源だけではなく、所得再分配という機能があります。また、景気の変動を抑制するビルトインスタビライザー機能装置(安定化装置)という機能もあります。

                       

                       ビルトインスタビライザー装置というのは、景気がいいときに投資を抑制し、景気の過熱を抑えるというもの。所得税の累進課税強化や法人税増税をすると、景気の過熱を抑えることができます。

                       また、景気が悪いときは、弱者に対して優しい税制となります。例えば直接税が高く、間接税が低いという税環境の社会では、「赤字企業は黒字になるまで頑張ってください!」「失業者は就業するまで頑張ってください!」という税制になるからです。

                       

                       いろんな意見があるとは思いますが、いま日本に必要だとすれば、所得再分配機能は必要と考えます。ところが、今の財務省のスタンスは、富裕層から税金をたくさん取るだけというスタンスです。

                       同時に消費税を失くすとか、低所得者層に減税するとか、所得再分配の考え方がなく、単に取るだけです。

                       

                       また、賃上げを実施した企業への法人税減税も検討課題としています。安倍政権が10月末の経済財政諮問会議で、3%の賃上げが実現することを期待し、賃上げ率が高い企業への税の優遇を検討しています。

                       仮に法人税を無条件で減税するくらいならば、賃上げを実施した企業への法人税減税の方がまだましです。

                       

                       とはいえ、賃上げを求めるのであれば、むしろ法人税増税をするべきです。なぜならば、企業は税金を払うくらいなら使ってしまえということで、支出を増やします。決算期末に車両を新車に入れ替えるなどの投資や、交際費が増えるだけでなく、賃金UPにも行き、景気が一気によくなります。

                       

                       このとき、株主から政府に文句がでるかもしれませんが、小島よしお風にいえば「そんなの関係ねー!」ってとこでしょうか?株主の声なんて無視で構わないと考えます。税引き後当期未処理分利益が、法人税増税で下がれば、一株当たり利益の減少要因になります。

                       

                       ですが、景気が良くなれば、自社の税コスト増と、売上増のタイミングは、企業や業種ごとで前後することはあっても、中長期的にみれば、景気がよくなることで、売上増の効果が大きくなっていくはずです。

                       

                       短期的な目線でしか見られない株主の意見なんて、「そんなの関係ねー!」で無視でよいかと。株式市場の売買主体の60%が外国人投資家ですし、外国人投資家が安く叩き売ってくれたところを、日本の国内勢が買えばいいだけの話。割安になれば買うニーズも出てきます。無理に日銀などの公的資金で買い支える必要もありません。債務超過にさえならなければ、一生下がり続けて株価がゼロになることはあり得えないからです。最も割安な状態で株価を買うことができれば、公的資金であっても利益が出しやすくなり、結果的に日本国民は恩恵を受けるでしょう。

                       

                       にもかかわらず、外国人投資家、あるいは日本人も含めたグローバル投資家が怒りだすから法人税減税し、賃金UPしたら法人税減税するという、財務省職員が考える緊縮財政路線と、グローバリズム路線の組み合わせで、どちらもダメダメな発想です。

                       

                       賃金を普通に上げれば、企業の純利益が下がり、株価が下がります。それが怖いので、こうした考えになるのでしょう。

                       

                       

                       というわけで、所得税の改革について取り上げました。相変わらず国家の中枢にいる人々は頭が悪い。普通に政府が需要を作り、かつ長期プロジェクトものを政府が率先垂範して需要を作り出せば、企業は内部留保を控えるだけでなく、内部留保を取り崩して投資するでしょう。投資すれば儲かるというインフレギャップの環境(需要>供給)であれば、投資した方が儲かるからです。

                       こんな簡単なことが理解できないのは、プライマリーバランス黒字化目標という家計簿発想の感覚が抜け切れていないことの証左です。国会議員だけでなく、財政諮問会議や、識者と呼ばれる人々、多くの人々が国家の運営を、企業経営や家計簿発想のように考え、緊縮思考を正しいものと思い込んでいる限り、デフレ脱却は困難でしょう。

                       これを解決するためには、私たち一般人が経済についての知見を高め、彼らの主張を咎められるようになる必要があると思うのであります。


                      地方消費税配分方法是正で都市部は税金が減収する?

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                        JUGEMテーマ:消費税

                         

                         今日は10/30に東京新聞で掲載された「”老齢・年少”比で地方消費税配分 財務省案 都市部の反発必至」という記事について取り上げます。

                         

                         記事の概要は以下の通りです。

                        『東京新聞 2017年10月30日 朝刊 「老齢・年少」比で地方消費税配分 財務省案 都市部の反発必至

                         消費税のうち各都道府県の取り分となる地方消費税の配分方法を巡り、財務省がまとめた改革案が二十九日判明した。税収の大半を消費額に基づいて割り振る現行基準を全面的に見直し、十五歳未満と六十五歳以上の「老齢・年少人口」の比率に応じて全て配分する。高齢化に配慮しつつ、都市部に偏りがちな税収を地方に手厚くし、人口一人当たりの地方消費税収が最大の東京と最小の沖縄で一・六倍ある格差を是正する。

                         三十一日の財政制度等審議会で提案する。政府、与党が年末に議論する二〇一八年度税制改正のたたき台となるが、減収となる東京など都市部の自治体の反発は必至で、激しい攻防が予想される。(後略)』

                         

                         

                         この記事は、各都道府県ごとの消費額を主な基準とする現行方式を改めて、人口を重視する新たな方式の導入を検討するという記事です。下記は地方消費税収の配分基準の見直し前と後のイメージです。

                         

                        (出典:東京新聞Web)

                         

                         

                         上図の通り、現行基準の配分は、都道府県ごとの消費額(使った額)に応じて税収の75%を配分し、人口に応じて17.5%を配分するという仕組みです。

                         

                         消費額の配分基準は、実際に住んでいるところではない場所で買い物をした消費額も含めるため、都市部と地方で税収格差が発生していました。理由は地方に住む人が大都市で買い物をする人が多く、人口一人当たりの地方消費税収について、最多の東京都と、最小の沖縄県とで、1.6倍もの格差が生じていました。

                         

                         この地方消費税の配分見直しについて、東京が圧倒的に有利なのは、インフラ整備が進んでいるからに他なりません。みんな東京で買い物をしようとします。東京だけでなく、名古屋や大阪もそうです。インフラが整っている都市部に買い物客が集中するのは当たり前です。

                         

                         インフラ整備が遅れている地方へ再分配するという考え方は、方向性としては正しいと私は思います。一方で、東京新聞の記事にある通り、東京都民の中には、損をするということで反対が起きる可能性があります。

                         

                         東京都民で反対をする人は、自分たちが地方に比べてインフラが充実しているという便利さに加え、「負け組の他県のことなど知るか!」という発想の考えと思われます。

                         

                         インフラ整備は国家が推進するものですし、インフラ整備が整っていないのは自己責任というのも変な話です。スペインのカタルーニャ州独立問題もそうですが、国家とはそういうものではなく、いざという時に助け合うということだと私は思うのです。

                         首都直下型地震の発生や、北朝鮮のミサイルが東京に打ち込まれるとか、そういうときに、東京都民だけで誰の助けも借りず復興するというのは、できないと思うからです。

                         

                         

                         というわけで、今日は地方消費税の格差是正について報じた東京新聞の記事を紹介させていただきました。この内容、都民で反対する人が必須と報じられていますが、私は方向性としては正しいものと思っております。


                        教育費用の財源は、どうあるべきなのか?(IMFよ!お前が言うな!)

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                          JUGEMテーマ:年金/財政

                          JUGEMテーマ:教育

                          JUGEMテーマ:国債

                           

                           今日は、教育財源はどうすべきか?について意見します。

                           

                           米国のワシントンにあるIMF国際通貨基金が公表した報告書の財政モニターで、世界各国の国内の所得格差が問題になっているとし、政府が税制や所得移転を通じた富の再分配を真剣に検討すべきとの見解を発表いたしました。

                           

                          <米国ワシントンのIMFの写真>

                          (2014年12月31日に杉っ子がワシントンで撮影)

                           

                           私は2014年12月31日に米国のワシントンに行き、IMF、世界銀行、ホワイトハウスを視察しています。日本は外貨建て債務もありませんし、ドル建ての資金は不要ですので、IMFのお世話になる可能性が、一番低い国家といえます。そしてIMFは今まで所得格差を拡大するワシントンコンセンサスの新自由主義を各国に押し付ける張本人でした。

                           それが手のひらを返したように、IMFが変わってしまいました。なぜならば、国内の格差拡大が現実となり、IMFは所得格差を問題視するようになったのです。

                           

                           

                          1.安定税収という一利があっても百害を与える消費増税

                           

                           自民党の安倍政権は教育にお金をつぎ込むといっていますが、その財源は消費税です。消費税の税収は何があっても横ばいで下がりもしませんが、上がりもしません。ある意味、どれだけ不景気になろうが安定した税収であるというのは間違いありません。とはいえ、不景気になれば法人税と所得税は減収し、国家全体として税収は減収するのです。

                           

                           日本の場合は少子高齢化によって、医療・介護費用が増大しており、この部分の消費(健康保険や介護保険の自己負担分の個人消費と保険適用の政府消費支出分の合計)によって、法人税と所得税の減収分を賄っているという状況です。

                           

                           2009年のリーマンショックのとき、消費税は横ばいでしたが、法人税と所得税は落ち込みました。リーマンショックのとき、赤字企業や失業者が激増しましたが、「それでも消費税は取りますよ!」という弱者には極めて厳しい逆累進課税の税金です。

                           にもかかわらず、自民党は消費税で教育財源を賄うといっており、あきれるしかありません。

                           

                           国家は言うまでもなく、企業にとっても、教育=投資 です。今この時点で教育支出しても生産性向上効果は人材が育つ将来です。企業ならば銀行借入という資金調達手段があります。政府にとっても、教育が普通に投資と考えれば、国債で何ら問題ありません。どうしても日本政府が発行する円建国債や教育国債が嫌ならば、IMFが提唱する累進課税強化をやればいい。所得の多い人からは不満が出るかもしれませんが、国家の将来を考えれば仕方がないでしょ?という話だと私は思うのです。

                           

                           ついでにいえば、安倍政権は教育無償化といっていますが、教育を供給する学校側にお金を全然使っていない状況ですと、却って教育の荒廃化がすすむだけです。プライマリーバランス黒字化目標のため、政府支出削減で教育支出も削減されています。結果、学校の先生も非正規雇用が増え、大学教授でも山中教授のIPS細胞の研究する職員が非正規雇用という悲惨な状態になっています。

                           

                           学校の先生や大学教授のみならず、学校の施設・設備にも手厚い予算配分をしなければ、質の高い教育ができません。例えば設備を増やすとか先生・教授を増やすとか、政府支出増が求められるのですが、例によりプライマリーバランス黒字化目標が残って、家計簿発想の財政運営の政治家や官僚ばかりのこの状況では、そうした発想に至らないと思うのです。

                           

                           大体、山中教授のIPS細胞の研究員スタッフのほとんどが非正規雇用とか、あり得るでしょうか?(参照ブログ記事:プライマリーバランス黒字化を続けるとノーベル賞受賞者は出なくなります! )

                           

                           こうした現状を理解したとしても、なお国家の財政運営を家計簿と同じように捉え、借金を残すことは将来世代にツケを残すとして、プライマリーバランス黒字化が正しく、支出削減に邁進すべきとする人々は、私から言わせればアホとしか言いようがありません。

                           

                           

                           

                          2.ジョセフ・スティグリッツ教授の提言

                           

                           政府の負債の約1000兆円のうち、円建国債の40%が既に日銀が保有しています。日銀が保有する国債について無期限無利子国債にしてしまえば、現金と同じ扱いになります。2017年3月に来日した米国コロンビア大学のジョセフ・スティグリッツ教授(2001年にノーベル経済学賞受賞)が提言しております。このジョセフ・スティグリッツ教授は、IMFの経済政策を批判し続けてきた人物であり、世界的な経済学の権威者です。

                           

                           そのジョセフ・スティグリッツ教授とポール・クルーグマン教授は、2017年3月に来日し、安倍首相が対談しました。その中で、両氏が消費増税に消極的な見解を示したとされています。

                           

                           実際に提言した内容の概要は下記の通りです。

                          ●格差問題によって経済の潜在成長力が鈍化した

                          ●所得格差が拡大したために構造的に消費が増えない状態になったことが長期低迷の根本原因である

                          ●富の偏在化が行き過ぎると、所得が高い人はそれ以上の消費をせず、所得が減少した人は生活が苦しくなって、物が欲しくても消費することができない

                          ●結果、全体として消費がますます減るという悪循環が発生している

                           

                           また、Airbnbなどのネットインフラについても触れ、面白い指摘もしています。

                          ●ネットインフラを使って既存のリソースを最適にシェアした場合、ビジネスに必要となる投資総額は減少する

                          ●何もしなければその分だけ需要が減少してGDPが減少する可能性がある

                          ●上記可能性が本当だとすれば、余ったリソースを新しいサービスの創造に転換する仕組みが必要である

                           

                           こうした状態にうまく対応するためには、産業構造を時代に合わせて変化させ、財政支出を維持する必要があるというのが、ジョセフ・スティグリッツの主張です。そして、消費増税に消極的な見解を安倍首相に示した理由は、消費税は総需要を喚起するものではないからと述べたとされています。

                           

                           

                           

                          3.アベノミクスの根底にある根本的な間違い

                           

                           アベノミクスの根底にある根本的な間違いは、需要不足ではなく供給能力の低下という見方です。十分なニーズがあっても、企業側が合致する製品やサービスを開発しきれていないという考え方です。日本の電機メーカーが弱体化したのは、価値観が多様化する消費者の動向をうまくつかめていなかったことが原因だという指摘で、工夫次第では消費は伸びるとする考え方です。

                           

                           この発想、政府の支出削減=需要削減であり、事実として政府が率先して需要を削減してきたために、デフレに陥ったという根本を理解していないことの証左です。政府が支出削減しても、民間に活力を与えれば、民間需要が旺盛だったら、政府支出削減して構わないということ。もちろん、インフレ状態でインフレ率が適正な水準を上回っている状況であれば、政府支出削減した方がいい場合があります。インフレ状態は、インフレギャップ状態、即ち「需要>供給」という状態ですので、供給力強化もしくは需要削減が正しい政策になります。

                           

                           今はデフレギャップ状態、即ち「需要<供給」で、率先して政府が需要削減している状態です。この状態で供給力を強化すれば、デフレギャップが大きくなり、さらに深刻なデフレ不況に陥るのです。

                           

                           そして需要とは、個人消費ではなく、政府支出や政府の投資、企業の投資も含まれます。教育=投資と考えれば、教育の需要を政府自らが率先して需要を創出する方向性は正しいと思います。そしてその財源は、円建国債で何ら問題ありません。外貨建てで借りる意味はありません。何しろマイナス金利の状態で、円建国債はめちゃくちゃ低利です。IMFのお世話になる必要もなく、日本政府が円建国債を増刷すればいいだけの話。国民一人当たりの貸付金という資産が増えるだけではなく、国債を財源に投資することでGDPが成長して経済のパイが大きくなり、税収増にも貢献するのです。

                           

                           国債を増刷したら、国債の格付けが下がるのでは?と思われる方、心配無用です。無視しましょう。

                           そもそも世界的にみれば、、日本は先進国で国力が強い部類に入りますので、ドル建てなどの外貨の資金調達需要は不要です。民間の場合は、例えばトヨタ自動車が米国に工場を出すとすれば、外貨建ての資金調達需要が発生しますが、日本という国家としてみた場合は、マイナス金利で円の資金需要がなく、円が余って預金されている状況です。その預金で銀行が国債を買っているわけですから、外貨建ての資金は、はるかに需要が乏しい。だから米国の格付け会社のムーディーズやスタンダードプアーズらが日本の国債の格付けを引き下げたとして、「だから何?」という状況。あの格付けはドル建て資金を調達するときには、調達金利に影響する可能性がありますが、日本としてドル建て資金調達の需要に乏しいので、日本経済に全く影響しません。

                           

                           

                           というわけで、今日は教育費用の財源について、どうあるべきか?について、IMFの提言、2001年ノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ教授の提言をご紹介し、私見を述べさせていただきました。


                          「法人税が高いと企業が海外に流出してしまう!」というウソ

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                            JUGEMテーマ:経済全般

                            JUGEMテーマ:消費税

                            JUGEMテーマ:年金/財政

                            JUGEMテーマ:消費税増税

                             

                             今日は、「法人税が高いと企業が海外に流出してしまう!」という論説について述べたいと思います。

                             

                             かつて景気を良くしたいのなら、富裕層の所得税を減税すべきという「トリクルダウン」理論というのがありました。また、今でも蔓延っていますが、金融緩和で雇用情勢が回復したという意見もあります。有効求人倍率の上昇と失業率の低下について、金融緩和の影響が全くないと言うつもりはありませんが、金融緩和だけやっていればインフレになると主張される人も含め、雇用情勢の回復、インフレになる波及過程を説明している人は少ないです。

                             

                             

                             

                            1.所得税の累進課税緩和は不要、金融緩和のみでは需要増につながらず

                             

                             私が初めてブログで書いた記事の題名は、”「所得税を減税しないと富裕層が逃げていく!」は本当か?”ということで、所得税減税の必要性がないことを書いたのが初めての記事です。その後、銀行のビジネスモデルを焦点に当て、”金利が下がれば設備投資が増えるは本当か?(魚の仲買人さんのビジネスモデル)”という記事も書きました。

                             

                             どちらの記事も、よく巷で言われることがある「所得税を減税すべき!」「金利を下げれば設備投資が増える!」について否定しています。

                             

                             改めて、次の俗説2つについて反論させていただきます。

                             

                             

                            【俗説 Ы蠧誓任慮裟任垢譴弌特に累進課税の緩和をすることで富裕層がお金を使って景気が良くなる】

                            反論

                            所得税を減税しても富裕層が必ずお金を使うとは限りません。所得税が増税されたとしても、需要(※)が多ければ景気はよくなります。所得税減税分について、まったく経済効果がないとはいえないものの、政府支出と決定的に異なるのは、いつ?という時間軸、いくら?という金額、いずれもコントロールできません。政府支出は、いつ?という時間軸が予算化された時点で1年以内に消化され、金額も予算が付けば必ず執行されます。一方で減税の恩恵を受けた富裕層の消費を政府がコントロールすることは不可能です。わかりやすくいえば、富裕層がお金を使うのは、いつでもいいわけです。だから、例えば所得税減税後、5年経過したら豪邸を作るという富裕層がいるとすれば、4年間は経済効果が出ません。その間に普通に一般人も生活しているわけで、仮に4年間、所得を得られず、生きていくことができない人々が出てきます。また、政府支出増をした場合、GDPが増えます。GDP増加となれば、「支出増(=政府支出増)」=「生産増」=「分配増」のいわゆるGDP3面等価の原則により、必ず分配が増加します。このとき、法人税と所得税の税収(労働分配率によって法人税と所得税の割合が変わる)も必ず増えることになります。

                             

                             

                            【俗説◆Ф睛がさがれば経営者は設備投資を増やす(金融緩和をやれば設備投資が増える)】

                            反論

                            金利が下がったとしても設備投資が増えるとは限らず、需要が不足していれば、企業は設備投資を控え、内部留保を増やします。高金利だったとしても、需要(※)が多ければ、企業は設備投資をすることはあり得ます。逆に需要がなければ、金利がどれだけ下がったとしても、設備投資をする企業経営者はいません。金利が安いからという理由だけで、需要がないのに設備投資をしたら、経営者失格です。2013年に安倍政権が誕生し、アベノミクス第一の矢で、黒田日銀総裁が金融緩和政策を実施、現在も継続しています。具体的には市中の国債(メガバンク、地銀、信金信組が保有する国債)を買い取り、日銀当座預金という勘定科目を増やす形で通貨発行しています。ところが、物価目標2%どころか、インフレにすらなっておりません。設備投資が増えるどころか、内部留保が増えている有様です。(下方の<非金融法人の現預金額の推移>を参照)2014年頃まで、内部留保額は170兆〜200兆円を推移していましたが、2014年頃から200兆円を超え始め、2016年に入ってからは250兆円を突破しています。金融緩和のみでは設備投資を増やすことはできません。企業が設備投資をするためには、需要>供給のインフレギャップ状態のときです。今は需要が不足しているデフレ状態ですので、どれだけ金融緩和をしたとしても、経営者は設備投資をしようとは思わないのです。

                             

                            ※需要:ここでいう需要とは、個人消費以外にも政府支出、企業設備投資、純輸出(輸出−輸入)ですが、貿易は自国の主権だけで需要の増減をコントロールできないため、政府支出と企業設備投資を指すと理解していただいても構いません。

                             

                            <非金融法人の現預金額の推移>

                            (出典:日銀の資金統計循環)

                             

                             

                             先述の”金利が下がれば設備投資が増えるは本当か?(魚の仲買人さんのビジネスモデル)”の記事は、運転資金という短期借入資金について書いたものでした。

                             仮に超長期プロジェクトを政府が実施するとして、期間が長く需要が十分にあって、値段を下げなくても物・サービスが売れる状態で、むしろ物・サービスの値段が値上げしても売れる状態だとすれば、固定金利7%とかで長期借入金で設備投資をしたとしても、十分にペイできます。

                             

                            ●政府が実施する=期間が長く続く=需要が長期に渡って継続する

                            ●値段を下げなくても売れる≒値上げをしても売れる=名目需要が十分にある

                             この2つの状態は、物・サービスが売れるインフレ状態です。時間軸も先行きに見通しが長く続くと思えば、経営者は投資がしやすくなります。

                             

                             

                             

                            2.法人税が高いと企業が海外に流出してしまうというのは、本当か?

                             

                             慶應義塾大学の土井丈朗氏が、成長戦略の一環として、法人実効税率の引き下げを主張していました。この土居丈朗氏は、財政破綻論者の一人でして、グローバリズム支持者の一人でもあり、私が主張する意見とは逆の立場の識者です。

                             安倍政権もまた、経済成長に欠かせないのは「民間の活力」であるとし、企業に元気を与える政策として企業減税を実施しています。

                             企業減税にもいくつか種類がありますが、「設備投資減税」と「法人税減税」で比較した場合、前者の方が経済効果が大きく、後者はデフレ環境下にある日本においては効果がほとんどありません。

                             

                             前者の「設備投資減税」とは、国内に工場や設備を作った場合、その費用の一部を課税対象から除外するというもの。国内で投資した場合のみ減税しますので、企業の投資意欲を高める効果が期待できます。半面、設備投資を行うのは主に製造業なので恩恵を受ける企業は全体の約25%程度に過ぎないという意見があります。日本のGDPの大部分を支えるのが小売業やサービス業であり、そういった企業にも減税の恩恵が行き渡らないと、成長戦略としての効果は見込めないというのです。

                             

                            <法人実効税率の国際比較>

                             

                            (出典:財務省のホームページ)

                             

                             上図を見てもわかるように、日本の法人実行税率(法人税と地方税の合計税率)は、米国に次いで2番目に高くなっています。このままだと、企業が税金の安い海外に逃げ出してしまうのではないか?あるいは海外企業の日本への直接投資が減ってしまうのではないか?という声があり、法人税減税はぜひとも必要だというのです。

                             

                             私は断言しますが、法人税減税は意味がないということです。法人税とは正確には「法人所得税」であり、黒字決算の企業だけに課税されます。現在、国内企業の70%は赤字であるため、もともと法人税は支払っていません。法人税減税で恩恵を受けるのは儲かっている企業だけなのです。

                             

                             しかも企業は現在250兆円以上の現金を内部留保して貯め込んでおります。投資や雇用を増やそうを思えば、お金は十分にある状態です。にもかかわらず、国内で投資を行ってもデフレ環境下では、物・サービスの値段を下げないと売れない、個数・回数を少なく買われるという儲かりにくい環境であると判断しているのです。そうした企業に法人税減税したとしても、減税分が内部留保か海外投資に回ってしまうことになるでしょう。

                             

                             では、土井丈朗教授が危惧するような、税金が高いと本当に企業の海外流出は増えるのでしょうか?実はこれもあり得ません。日本の内需を支える小売業やサービス業は、分厚い中間層の国民が多い日本を経営基盤として活躍の場にしています。製造業のように工場だけを海外に出すことは、そもそもできません。そのため製造業に国内投資を促すという点に目的を絞るのであれば、「設備投資減税」で十分といえるのです。

                             

                             

                             

                            3.米国のトランプ政権の法人税減税は、日本と異なるのか?

                             

                             トランプ大統領は、税制改革案で、法人税20%に下げる意向を示しました。

                             下記はロイター通信の記事です。

                            『ロイター通信 2017年9月28日 / 07:01 トランプ税制改革案、法人税20%に下げ 「歴史的な減税」強調

                            [ワシントン 27日 ロイター] - トランプ米大統領は27日、レーガン政権下の1986年以来、約30年ぶりとなる抜本的な税制改革案を発表した。焦点となる連邦法人税率は現行の35%から20%に引き下げる。

                            個人所得税は現在7段階に分かれている税率を12、25、35%の3段階に簡素化するほか、最高税率を39.6%から35%に引き下げる。

                            また、個人事業主やパートナーシップなど、いわゆるパススルー企業に課す税率を25%に設定する。

                            インディアナ州で演説したトランプ大統領は、税制改革案は米国史上で最大の減税であり、「米国民にとって歴史的な減税となる」と強調。税制改革を通じ、「成長促進、雇用創出、労働者と家族の支援を目指す」と述べた。

                            大統領は記者団に対し、改革案を実現しても富裕層への恩恵はほとんどないと語った。また法人税率の20%への引き下げについては、当初15%への引き下げを要求しており、20%の水準について交渉するつもりはないと述べ、これ以上譲歩しない考えを示した。(後略)』

                             

                             

                             グローバリズムが蔓延した社会では、法人税は減税されます。一つ目は「法人税率が高いままだと企業が外国に資本を移しちゃいますよ!」というレトリックが通用しやすくなります。実際は、法人税率ごときで外国に資本を移すことはありません。

                             

                             もともとトランプ大統領は労働者階級から支持を受け、米国国民の所得を増やすというスローガンで勝ち上がってきた大統領というイメージがあると思いますが、米国の法人税減税は、どう理解すべきなのか?

                             

                             米国の場合は必ずしも間違っているとは言い難いのです。なぜならば、法人税減税をすることで設備投資を増やす可能性はあります。なぜならば、1兆ドルのインフラ投資をやるという宣言をしています。これは政府が需要を1兆ドル(≒110兆円)創出することを宣言したことになります。

                             1兆ドル規模の政府支出増という需要が見込めるのであれば、企業が設備投資をする動機は十分にあり、法人税減税はむしろ設備投資の後押しにつながる可能性があるのです。

                             

                             日本の場合は、米国とは真逆で、政府が緊縮財政をやっています。しかもデフレを長期間放置してきて、物・サービスが値下げをしないと売れないという儲かりにくい環境ですので、法人税をゼロにしたとしても、需要がなければ投資に前向きになろうとする経営者はいないでしょう。

                             

                             

                             というわけで、今日は「法人税が高いと企業が海外に流出してしまう!」というフレーズに対して反論させていただきました。よく巷で言われる「法人税を引き下げないと企業が海外に流出する」なんてのは、一部の製造業だけです。サービス業ではあり得ません。先の「所得税の累進課税を緩和しなければ富裕層が流出する」とか、「金利を下げれば企業の設備投資が増える」とか、「法人税を引き下げれば企業の設備投資が増える」とか、こうしたフレーズは、そもそも需要の有無を全く考慮していない、会社経営をやったことがない人の発想です。

                             こうしたレトリックに騙されないようにするためには、私たちが「銀行のビジネスモデル」や「デフレインフレは需要の過不足説であること」など、経済や経営に関する知見を高めていくしかないのです。


                            社会保障費増加は普通に国債発行でOK!増税して借金を返済する必要もありません!

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                              JUGEMテーマ:経済全般

                              JUGEMテーマ:消費税増税

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                               安倍政権は公約で消費増税を行い、幼児無償化などの財源とするといっております。消費税の話題となると、よくあるのが社会保障の安定化というキーワードです。今日はこのことについて触れ、消費増税が今は不要である旨を意見します。

                               

                               みなさんは、5%→8%の消費増税が、社会保障安定化のために使われておらず、政府の負債の返済に使われたという事実を知っているでしょうか?

                               野田総理大臣と谷垣自民党総裁と公明党の山口代表ら、3党合意の時点で借金返済に使うということが決まっていました。このこと、マスコミは報道していません。

                               だから、ほとんどの人々は、消費増税して社会保障に使っていると思っているはずです。もちろん社会保障に全く回さないということではないため、全くのウソではありませんが、3党合意では、消費増税のほとんどを借金返済に使うということが決まっていたのです。

                               

                               落ち着いて考えていただきたいのですが、政府がお金を使えば、必ず誰かの所得になります。皆さんがお金を使った場合も所得になりますが、政府がお金を使った場合も所得になるのです。一方で誰の所得にもならないのが借金返済です。

                               

                               消費増税により、消費が減少し、実質で2014年度で実額8兆円程度減少しました。政府が8兆円支出を増やせば、経済への悪影響はなかったかもしれませんが、実際は政府支出は増やしておらず、むしろ緊縮財政をしています。政府支出は医療・介護費は増加しているものの、増加幅を抑制し、公的固定資本形成を減らしています。結果、インフラはボロボロ、橋が架けられず通行止めとなっている地方の道路や、トンネル修繕したくても予算が付かないために放置されて通行止めになっている道路が、多数増えている状況です。(参照ブログ「生産年齢人口減少のスピードが早い我が国こそ、インフラ投資が必要である!」)

                               

                               消費増税して需要を削減して、しかも政府支出を増やしていないのですから、GDPは増えることはありません。500兆円から530兆円になったのは、研究開発費をカウントしていなかったものを、カウントするようになったという統計方法が変わっただけの話。実質的には経済成長していません。

                               

                               インフレになっていない状況での消費税増税は間違っています。とはいえ、もし消費増税をやるのであれば、個人消費の減少を十分にカバーして減少幅を遥かに凌ぐほどの政府支出増をやる必要があります。そうすれば、経済成長できます。

                               例えば、消費増税で5兆円増収見込みとするならば、政府支出増10兆円ずつ増やすことを毎年続けるのならば、経済成長できるでしょう。

                               

                               読者の皆様の中には、国の財政状況を考えると「国の借金を返済した方がいいのでは?」と思う人もいるかもしれません。

                              「国の借金」という言葉は存在しませんし、勘定科目ですら存在しません。

                               仮に存在するとすれば、それは家計分野、企業、金融機関、政府部門のすべての資産と負債を合算したもので見る必要があり、その場合は日本は320兆円強純資産という世界一の純資産大国の金持ち大国です。

                               しかも政府部門の負債の1000兆円は、100%円建てで、日銀が買い取ることが可能です。既に安倍政権が誕生してアベノミクス第一の矢の金融緩和政策で、日銀が国債を買いまくり、実質的に200兆円近くの借金が返済されています。

                               

                               私は安倍政権を全く評価していません。ですが、あえて一つだけ功績があるとすれば、日銀に国債を買い取らせて政府の実質的な借金が減っているということを見せたことは功績です。

                               なぜならば、日銀に国債を買い取らせて日銀当座預金という勘定科目を増やす形で通貨発行をしています。もし、通貨発行するなどといえば、以前ならばハイパーインフレ(13000%)になるという人が大勢いました。

                               

                               

                               上記は、2017年3月末での国債の所有シェアですが、グラフの青い部分で日銀のシェアは40%で、金額では短期証券41兆円、国債・財投債は387兆円にも上ります。

                               このように、既に300兆円以上の国債を日銀が買い取っているにもかかわらず、残念なことにハイパーインフレどころか、GDPデフレータはマイナスとなっており、ハイパーインフレになると主張していた経済学者さんやアナリスト、エコノミストは口を噤んでいるわけです。

                               極論を言って政府の負債が消えていることを認めず、消費増税が必要だ!借金を返済しなければ将来世代にツケを残す!という人々が多数派だったわけです。

                               このような状況下では、正しい政策が打たれるわけがなく、私たち国民が正しく理解しなければならない限り、デフレ脱却はできないと私は思います。

                               

                               

                               というわけで、今日は消費増税が不要であることを改めてお伝えしました。100%円建ての負債で、日銀が国債を買い取って通貨発行しており、猛烈な勢いでシェア40%を日銀が国債を保有している状況です。どうやって財政破綻するのでしょうか?国際的信用やら、国債の信認やら、抽象的な言葉でしか語れない人たちは、偉そうなそれっぽいことを言わないでいただきたい。というよりウソ・デタラメを言わないでいただきたい。日本が財政破綻することはありません。「可能性が限りなく低い」ではなく「0(ゼロ)」なのです。

                               「借金返済のために消費増税すべき!」とか、「社会保障安定化のために消費増税すべき!」といった論説は、すべてデタラメ・ウソで、経済のこと何一つわかっていない「”知ったか”さん」であるといえるでしょう。

                               こうした人たちに私たちが騙されないように、日本国民の多くが知見を高めていくしかないと私は思うのであります。


                              消費税増税した場合、個人消費は一時的に落ち込んでも、翌年以降V字回復するというのはウソです!

                              0

                                JUGEMテーマ:消費税

                                JUGEMテーマ:年金/財政

                                JUGEMテーマ:経済全般

                                JUGEMテーマ:消費税増税

                                 

                                 安倍政権は消費増税10%に意欲を示し、財源の使途について国民に信を問いたいとして、衆議院議員の解散に踏み切りました。今日はこの問題について触れたく、GDPデフレータについて考えます。

                                 

                                 消費増税5%→8%実施後、実質GDPで民間最終消費支出は激減しました。

                                 

                                2014年第1Q( 1月〜 3月):前期比△2.5%(★)

                                2014年第2Q( 4月〜 6月):前期比▲5.0%(★)

                                2014年第3Q( 7月〜 9月):前期比△0.3%

                                2014年第4Q(10月〜12月):前期比△0.6%

                                2015年第1Q( 1月〜 3月):前期比△0.5%

                                2015年第2Q( 4月〜 6月):前期比▲0.4%

                                2015年第3Q( 7月〜 9月):前期比△0.6%

                                2015年第4Q(10月〜12月):前期比▲0.6%

                                 

                                下記は、実質GDPの推移について、2013年第4Qを100とした場合、前期比を指数化したグラフです。

                                 

                                 2014年第1Qは、駆け込み需要で前期比を大きく上回って△2.5%となったわけですが、第2Qは▲5.0%と大幅減です。

                                実質GDPの前期比の推移ですので、2013年12月に1000個パンを買っていたが、消費税増税直後とその後のパンを買った個数は次の通りになったといえます。

                                 

                                ●2014年1月〜3月は1025個

                                ●2014年4月〜6月は974個

                                ●2014年7月〜9月は978個

                                ●2014年10月〜12月は984個

                                ●2015年1月〜3月は988個

                                ●2015年4月〜6月は984個

                                ●2015年7月〜9月は988個

                                ●2015年10月〜12月は981個

                                (以下同様)

                                ●2017年1月〜3月は993個

                                 

                                 つまりV字回復はできていないのです。実質GDPは前年同期比でなく、前期比でみれば明らかにV字回復できておらず、L字に近い推移です。

                                 このように、消費増税をしたとしても、消費の落ち込みは一時的でV字回復するなどと言っていた学者たちは、安倍政権を騙したともいえます。

                                 

                                 私は何が何でも消費増税が反対であるとは言いません。物価上昇率が、GDPデフレータベースで2%超を安定的に推移している状況であれば問題ないのですが、GDPデフレータベースで4%〜5%とでもなれば、「需要>供給」のインフレギャップが大きく健全でないと考え、需要を削減するために消費増税や無駄削減することは正しいと思っています。

                                 

                                 とはいえ、実際のGDPデフレータの推移は下記の通り、プラスになったのは、リーマンショックと消費増税5%→8%実施したときだけです。

                                 

                                 リーマンショックのときにプラスになる理由は、世界的に不景気になって物を買わなくなるため、輸入が激減することでGDPデフレータはプラスになります。何しろ、GDPデフレータ=名目GDP÷実質GDPであり、輸入はGDPの控除項目です。世界的に不景気となれば、誰も物を買わない即ち輸入金額(名目GDP)ではなく輸入数量(実質GDP)の減少が顕著となることから、実質GDPの減少幅>名目GDPの減少幅となることで、GDPデフレータはプラスになってしまうのです。

                                 

                                 消費増税のときにプラスになる理由は、名目GDPを強制的に引き上がることで物価が上昇する一方で、物の購入数量、サービスを受ける稼働回数を減らすという実質GDPの減少によって、GDPデフレータがプラスになります。

                                 

                                 GDPデフレータがプラスになったからといって、景気回復したとならないのは、GDPデフレータの算出の仕組みが、GDPデフレータ=名目GDP÷実質GDPだからです。

                                 

                                 

                                 というわけで、消費増税しても消費が落ち込むのは一時的であるという主張に反対したく、GDPデフレータを中心に説明しました。安倍政権は現在の状況は、デフレから脱却できたと思っているのでしょうか?そもそもインフレ、デフレについて正しい認識を持っていなければ、正しく判断することはできません。またGDPデフレータという指標のクセを知らないと、これまた正しい判断ができなくなってしまうわけです。

                                 私は消費増税が常に反対であるとは思いません。健全なインフレ率を超える経済状況であれば、例えばインフレ率が4%とか5%とかという状況であれば、消費増税してもいいと思いますし、無駄削減で政府支出減をすることも有効な経済政策になるからです。

                                 とはいえ、まだ物価上昇率2%に程遠く、GDPデフレータがプラスマイナス0をへばり付いている以上、消費増税は実質消費を減少させてデフレ脱却から遠のくことにつながるため、反対しています。

                                 皆さんも、こうした経済指標について読みこなせるようにしていただき、誰が正しいことを言っているのか?見極められるようになるべきです。

                                 残念ながら、現時点で正しい分析ができている政治家は、ほとんどいないと思います。ですが、論戦で正しいことを言い始める政治家が現れるかもしれません。そのときは、その候補者を応援したいと私は思います。


                                税収を増やすためには、名目GDPの成長が必要です!

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                                  JUGEMテーマ:年金/財政

                                  JUGEMテーマ:消費税増税

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                                   今日は「税収を増やすためには、名目GDPの成長が必要である」と題して意見します。

                                   

                                   財務省や政治家や経済評論家らの論説に、将来の不安を解消するために、社会保険制度を安定させるために、税収確保のために消費税増税は避けられないという論説があります。

                                   1997年の橋本内閣で施行された財政構造改革法により、将来伸び続けようとする社会保険を抑制して、消費税を中心とした間接税で伸び続ける社会保険制度を支えるという考え方が、踏襲されてきました。

                                   この安定財源の消費税を増税すれば、社会保険制度の財源となって社会保険制度が安定するというのは、本当でしょうか?

                                   

                                   下記は、日本がインフレかデフレか?を判断できるGDPデフレータの推移です。

                                  (出典:内閣府のホームページ)

                                   

                                   

                                   GDPデフレータが、対前年同期比で2008年1Q以降、プラスに浮上しているのは、下記の期間です。

                                  ●リーマンショックで輸入が激減したとき(2008年4Q〜2009年1Q)

                                  ●安倍政権誕生で国土強靭化計画により政府支出増に転じた2013年4Qから消費増税(5%→8%)を挟んで2016年2Qまで

                                   

                                   またグラフの掲載をしていませんが、GDPデフレータが対前期比で2008年1Q(1月〜3月)以降、プラスになったのは、2回です。

                                  ●リーマンショックで輸入が激減した2008年4Q(10月〜12月)のプラス1.2

                                  ●消費増税(5%→8%)以降の2014年2Q(4月〜6月)のプラス2.0

                                   

                                   

                                   GDPデフレータ=名目GDP÷実質GDP で算出されますので、消費増税後、対前期比でGDPデフレータがプラスになるのは、当たり前です。なぜならば、名目GDPを強制的に引き上げるからです。実質GDPの伸びが名目GDPの伸びよりも小さいのは、消費増税をした後に消費を手控えるからです。

                                   

                                   つまり日本はデフレが継続しているのです。名目GDPとは、国民の所得の「金額」です。実質GDPがどれだけ上昇しても、GDPデフレータがマイナスを維持し、名目GDPが拡大しなければ、私たちは「所得の拡大」を目で見て確認することはできません。

                                   

                                   さらに重要なのは、政府の税収は、名目GDPから徴収されるという点です。

                                   

                                   税収=名目GDP×税率×税収弾性値

                                   GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出

                                   ※純輸出=輸出−輸入

                                   

                                    上記式を見れば、一目で理解できると思いますが、税収は粗利益、税引き前利益、給与所得などの「金額」的な所得が伸びなければ、即ち名目GDPが伸びなければ、税収は増えません。

                                   

                                   生産量(=実質GDP)が増えても、金額的な所得(=名目GDP)が伸びなければ税収は増えません。「生産量が増えても、政府の税収が伸びない もしくは 税収が減る」という不思議な現象が発生するのは、デフレだからです。

                                   

                                   税収を増やして、財政を健全化させたいならば、名目GDPが堅調に成長していく環境を作らなければならないのです。

                                   そのためには、どにかくデフレ脱却する。具体的にはGDPデフレータを安定的にプラス2%程度にさせる必要があります。

                                   

                                   もちろん、消費税増税により強制的に名目GDPを引き上げて一時的にGDPデフレータをプラス化するのでは、まったく意味がありません。デフレ下の増税で経済がデフレに舞い戻れば、すぐにGDPデフレータのマイナスに突っ込んでしまいます。

                                   

                                   

                                   というわけで、今日は改めて税収を増やすためには、名目GDPを継続的に増やせる環境が必要であることを述べました。

                                   識者と呼ばれる人々が間違った情報発信をしていることに、私たち国民が気付くためには、GDPデフレータや、実質GDP、名目GDPといった経済指標に対する知見を高める必要があります。

                                   さもなければ、正しい政策が打たれず、他国と相対的に国力が弱体化するだけでなく、デフレ継続によって供給力が削がれて絶対的にも国力は弱体化します。

                                   災害大国の日本にとって、供給力低下は、大規模災害時には国民の生命が危険に晒されます。既に安全保障問題でいえば、北朝鮮のミサイル問題だけでなく、韓国の竹島占有、中国の尖閣諸島問題、ロシアの北方領土問題と、国益を失い続けているのです。

                                   さっさとデフレを脱却すれば、税収増となって軍事費に使えるお金も増やせます。というより、軍事費にお金を使うということ自体、政府支出増ですので、これまたデフレ脱却に資するのです。

                                   こうした考え方を国家中枢の人たちが持っておらず、理解していないと、日本は小国化、発展途上国化、中国の属国となってしまうでしょう。

                                   それこそ、将来世代にツケを残すことになるものと、私は思うのであります。


                                  消費税増税はインフレ対策です!

                                  0

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                                    JUGEMテーマ:経済全般

                                     

                                     昨日まで、中国の武漢を往訪し、武漢から特急で4時間弱乗車して、そこから乗用車とバスに乗り継ぎまして、武当山という山に登っておりました。なので、久しぶりに記事を書きます。

                                     

                                     安倍政権は、2019年10月の消費増税を行い、増税分を福祉や教育に充当するとして、衆議院を解散するというニュースがありました。

                                     

                                     私は、本ブログで消費増税をやる必要はないと主張を繰り返し続けています。理由は日本が長期にわたり、世界でも稀な20年も経済成長できておらず、デフレが継続しているからです。

                                     

                                     とはいえ、何が何でも消費増税に反対ということではありません。高インフレになった場合は、消費増税や無駄削減は有効です。そもそも、財源確保のために消費増税とはいいますが、税収全体では増収しません。理由は直接税の法人税と所得税が落ち込むからです。

                                     

                                     家計簿の発想で、安定税収(いわば歩合給ではなく固定給)があれば、社会保障サービスが安定するというのは全くのウソ・デタラメ。GDPデフレーターがマイナスを継続している以上、日本はデフレなのです。デフレが続けば経済成長せず、税収も増えません。

                                     

                                     他の政党でいえば、大阪維新の会の松井大阪府知事は、消費増税凍結を主張していますが、徹底的な身を切る改革といっています。これもまた需要削減でデフレを促進させます。デフレは貨幣現象ではなく、需要不足である以上、政府が無駄というくらい仕事を作り、物・サービスを買う必要があります。そうすれば、デフレ脱却して税収も増えるのです。

                                     

                                     民進党も論外。なぜならば、前原代表は消費増税は必要との立場で、家計簿発想をお持ちの方です。しかも前原氏は、アベノミクスの金融緩和政策について、財政法第5条に抵触し、財政ファイナンスであると批判しています。これは、まったくの的外れな批判です。安倍政権の金融緩和政策は、財政法第5条とは全く関係ありません。

                                     

                                     北朝鮮問題でいえば、安倍政権はニュースで、「万全を期す!」を繰り返し宣言します。とはいえ、真に「万全を期す!」のであれば、憲法9条を改正しなくても、敵基地先制攻撃能力保持が、憲法9条の交戦権に該当しないと閣議決定して、政府が法律を作ればいいだけの話。憲法の成り立ちや歴史を日本国民が知らず、国益とは何か?について、日本国民が理解しないまま憲法改正の議論をしたとしても、イギリスのBrexitのように、国民が真っ二つに割れ、建設的な意見交換や議論にならないと予想します。

                                     

                                     加計問題や森友問題を批判する野党の批判も的外れです。加計問題でいえば、法律違反しておらず、安倍政権に落ち度はありません。落ち度がなくても、米国のロビーストと同じように、仲良くなれば自分たちのビジネスになる法案改正をして規制緩和をするということ自体が、価値観としてどうなのか?という問題です。国家戦略特区とは、もともと憲法や法律を無視できる制度。グローバリズムの発想でいえば、自由が正しく規制緩和は正しい。ビジネスで利益が出るのであれば、国益に関係なく規制緩和するというものです。ところが、そうした問題点を指摘するわけでもなく、チープな批判ばかりであります。

                                     

                                     

                                     というわけで、4日間空けてしまいましたが、久しぶりに記事を書きました。表題の他に、北朝鮮問題、国家戦略特区の問題についても触れました。相変わらず、経済について無知な人が多いため、正しい政策が打たれない。それどころか家計簿の発想が抜けきれない人々が多い。このままでは、日本はエンゲル係数が上昇し、文化を維持するための消費が削減され、衰退していくことになるでしょう。そうなってしまうことこそが、将来世代へのツケを残すということを知っていただきたく、この言論活動を続けていきたいと改めて思った次第です。


                                    交際費減税を2年間延長へ!

                                    0

                                      JUGEMテーマ:経済全般

                                       

                                       今日は、2017/8/23の産経新聞の記事「政府、交際費課税の特例措置2年延長へ 経済活性化のための消費拡大を狙う」と2017/8/22の日本経済新聞の記事「社員教育拡充で法人税減税 経産・財務省が調整」をご紹介します。

                                       

                                       記事の概要は以下の通りです。

                                      『産経新聞 2017.8.23 07:03 政府、交際費課税の特例措置2年延長へ 経済活性化のための消費拡大を狙う

                                      政府は22日、取引先との接待や懇談などで使う交際費の一部を経費(損金)として認めて税負担を減らす特例措置について、平成29年度末までだった適用期限を、31年度末まで2年間延長する方向で検討に入った。引き続き企業に飲食店などでの接待を促し、消費の拡大を通じて経済活性化を図る方針だ。厚生労働省の30年度税制改正要望に盛り込む。(中略)

                                      損金は法人税を計算する際に収益からコストとして差し引けるため、損金に算入できる範囲が広がると課税対象となる所得が減り、税負担が軽くなる。交際費に関する企業の税負担を減らすことで、飲食店での接待需要を促すことを狙っている。(後略)』

                                       

                                      『日本経済新聞 2017/8/22 18:56 社員教育拡充で法人税減税 経産・財務省が調整

                                      経済産業省と財務省は2018年度税制改正で、社員教育を拡充した企業の法人税を減税する仕組みを設ける調整に入る。社員の留学や資格取得にかかった費用の一部を、法人税額から控除できるようにする。政府は生産性の向上に向け、人材育成が必要と考えており、税制面で後押しする。

                                       経産省は17年度で期限が切れる所得拡大促進税制を延長したうえで、社員教育の費用を税額控除の対象に加えることを、税制改正で要望する。(後略)』

                                       

                                       

                                       産経新聞の記事は、取引先との接待における交際費についての税負担を減らすというものです。また日本経済新聞の記事は、社員教育を拡充して能力開発費などについての税負担を減らすというもの。

                                       

                                       どちらも、方向性としては景気刺激策になりますので正しいです。とはいえ、交際費でいえばコンプライアンスを盾に接待を減らす傾向にある大企業もあるでしょう。公官庁の役職員と接待をすれば、確かに問題かもしれませんが、民間対民間でやる分には問題ありません。だから、無制限でもいいのでは?と思うくらいです。

                                       

                                       もし、飲食店が潤えば、GDP拡大に寄与し、経済成長します。同様に、社員の留学や資格取得にかかった費用についても減税するとなれば、企業は積極的に社員の能力開発にお金をかけることでしょう。

                                       

                                       少なくても、無条件の法人税減税に比べれば、方向性は正しいです。なぜならば、無条件の法人税減税では、内部留保しかしません。

                                       

                                       ですが、景気浮揚させるのに一番効果がある政策、デフレ脱却するために一番いい政策は、消費税減税です。なぜならば個人消費という需要が増えるから。消費税減税で強制的に物価を下げれば、生産者は価格を下げることなく、消費者は物を買う数量、サービスを受ける回数が多く消費できます。生産者が価格を下げず、消費者が買ってくれれば、生産者が消費者に回ったときに、同じように物を買う数量、サービスを受ける回数を多くできます。

                                       

                                       ついでに、政府が財政出動をして、長期プロジェクト(新幹線整備やリニア新幹線の早期開通や港湾整備などの仕事)をやることを発表すれば、企業は長期投資がしやすくなります。

                                       生産年齢人口減少という環境があっても、投資しやすい環境となれば、サイバーダインなどの企業も最新の技術開発がやりやすくなり、ボトルネックを解消していくことになりましょう。

                                       

                                       

                                       というわけで、2つの記事を取り上げ、方向性は正しい旨を述べましたが、はっきりと効果があるのは、消費税減税です。何しろ、需要が増えていけば、赤字企業は黒字にならざるを得なくなり、法人税を納め始めます。今、失業している人々も、就業しやすくなって、所得税を納め始めます。

                                       そうした赤字企業が黒字になる、失業者が所得税を納め始める、という現象は、GDPの伸び率以上に税収増に貢献します。このことを税収弾性値といいますが、日本の税収弾性値は最低でも3程度はあるといわれています。

                                       実際、2013年安倍政権が誕生して、国土強靭化で政府支出増を実施したことで、名目GDPは1.9%上昇し、税収は6.9%上昇しました。2013年度の税収弾性値は、3.63です。

                                       2014年4月に消費増税をせず、政府支出増を継続していれば、普通にデフレ脱却して名目GDPの伸び以上に税収が増え、社会保障の増加分を払ってもなお、おつりがくるくらいの状態になっていたことでしょう。

                                       政府の中枢におられる方は、早くこのことに気付いていただきたいと思うのであります。

                                       


                                      「法人税」と「所得税の累進課税」が高く、「消費税」と「社会保険料負担」が低い国家とは?

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                                        JUGEMテーマ:消費税増税

                                        JUGEMテーマ:経済全般

                                         

                                         今日は、「法人税が高く、消費税がない社会」という表題にしておりますが、「法人税・所得税が高く、消費税がない社会」と「法人税・所得税が低く、消費税が高い社会」を比較して、税制について意見したいと思います。

                                         

                                         よくあるスローガンに、「直間比率是正」というキーワード、お聞きになったことありますでしょうか?

                                         この「直間比率是正」とは、直接税よりも間接税の方が安定税収なので、直接税による収入の税率を低くし、間接税による収入の税率を高くすれば、国家の税収は安定するという主張で、よく使われます。

                                         

                                         実際に、直間比率是正というコンセプトの下、消費税は導入されました。高齢化社会に備えて、安定的な税収を確保することこそ、高齢者向けサービスを安定的に供給できるという考え方です。

                                         

                                         この発想そのものが、支出は税収で賄わなければならないものとする家計簿の発想で誤りです。「直接税よりも間接税の方が安定税収なので、直接税による収入の税率を低くし、間接税による収入の税率を高くすれば、国家の税収は安定する」というフレーズもまた、もっともらしいですが、間違っているのです。

                                         

                                         

                                         

                                        1.消費増税はインフレ対策(消費減税はデフレ対策)

                                         

                                         消費税が日本で導入されたのは、1989年で竹下内閣のときです。

                                         何しろ、消費税増税はインフレ対策の経済政策です。人間だれしも、将来不安を抱えた状態、具体的には毎月の月給が消費増税率以上に増えるという確信がない状況で、消費を増やすという人は、ほとんどいません。とはいえ、1989年はバブル真っ最中で、日経平均は3万8,915円の市場最高値を付けた年です。

                                         

                                         バブルとは、物価上昇率が高い状況が継続して、借金をして実需を伴う投資(設備投資・在庫投資)をする以外に、投機目的で土地や株式が買われる状況です。このことを投資の過熱化というわけです。

                                         土地も株価も上昇するという確信がある以上、借金をしてでも土地や株を買って取得価額以上に売却できれば、売却益を手に入れられます。

                                         ですが、この状況健全ではありません。投資の過熱を放置すれば、中国のように鉄鋼生産の供給力が需要の4倍以上という、供給力過剰となって、その後の経済に悪影響を及ぼします。例えば、過剰供給力を削減するということになれば、事業所閉鎖、人員解雇という、いわゆるリストラということですので、雇用や経済に悪影響を与えるのです。

                                         

                                         物価上昇率が高い状況とは、需要>供給というインフレギャップが生じている状況で、かつ需要過多の大きさがより大きいということですから、この需要を冷やすという意味において言えば、1989年に竹下内閣が消費税導入をしたというのは、直間比率是正というコンセプトに関係なく、正しい政策だったとする見方はあるかもしれません。

                                         

                                         そして1992年、宮沢内閣は土地の総量規制を行い、これもまた土地の価格上昇というインフレギャップを解消するためのインフレ対策を行いました。このころからGDPの伸び率は低くなりましたが、1998年まではGDPは上昇していました。私は1998年までのGDP上昇は、適度な上昇率だったと思います。

                                         

                                         GDP上昇率がほどよい上昇率になったにもかかわらず、1997年11月、橋本内閣が財政構造改革法を施行し、1998年4月に消費税3%→5%というインフレ対策を行いました。

                                         

                                         バブル崩壊後は、家計分野も企業も借金返済という需要創出(消費創出=分配創出)ではない行動が盛んでした。バブル崩壊後の家計分野や企業によるこうした行動は合理的です。

                                         何しろ土地や株式やゴルフ会員券を、値上がりの投機目的で購入していたとすれば、値下がりは借金返済に窮するリスクがあるため、放置すれば致命的になるからです。

                                         その結果、需要とりわけ個人消費、設備投資は縮小するというトレンドが続きます。

                                         

                                         もし、そうした需要が縮小に向かう中において、高齢者の介護・医療サービスという需要拡大を迎え、それを費用削減ではなく国債発行により費用を拡充して、政府支出増で対応していれば、日本は1998年の消費増税後も、GDPが成長していた可能性はあります。

                                         

                                         ですが、橋本内閣は財政構造改革法を1997年11月に施行して、医療介護費削減、公共事業を削減、しかもこれらは長期的に削減する。そして消費税を3%→5%へ増税する。インフレ対策のオンパレードの結果、日本がデフレに本格的に突入し始めたのです。

                                         その後、小渕内閣がかろうじて公共工事増額にしたものの、その後の内閣は、すべて公共事業削減。小渕内閣以外は、需要削減のインフレ対策だけが行われてきているのですから、経済成長するはずがなく、GDPが成長するわけがありません。

                                         

                                         

                                         

                                        2.消費税が安定税収であるという欺瞞

                                         

                                         よく「消費税は安定税収です!」というフレーズ、皆さんは耳にしたことあるでしょうか?

                                         これ、まったくのデタラメです。

                                         

                                         消費税が上がった結果、消費行動が次のように変わるということは普通に想像できる話ではないでしょうか?

                                         

                                        (1)実需の減少(実質GDPの減少につながる)

                                        ●今までパンを100個買っていたものを90個にする(購入個数の実需減少)

                                        ●美容院に行く回数を毎月1回行っていたものを、2か月1回にする(サービス回数の実需減少)

                                        ●床屋に行く回数を毎月1回行っていたものを、2か月1回にする(サービス回数の実需減少)

                                        ●風邪をひいたら、すぐ病院に行っていたのを改め、風位の症状だったら病院に行くのを控える(サービス回数の実需減少)

                                        ●乗用車の買い替えサイクルを3年1回程度にしていたものを5年1回程度に控える(消費の先延ばしによる実需減少)

                                        ●家電(冷蔵庫や洗濯機)の買い替えサイクルを3年1回程度にしていたものを5年1回程度に控える(消費の先延ばしによる実需減少)

                                         

                                        (2)名目需要の減少(名目GDPの減少につながる)

                                        ●パンを特売のときに買う(製造単価、販売単価の減少)

                                        ●パンを今までの高いスーパーではなくディスカウント店で買う(製造単価、販売単価の減少)

                                        ●床屋でシャンプーセットの総髪サービスを受けていたが、1000円カットに行くようになる

                                        (シャンプーサービスを辞める=シャンプー販売量の減少、1000円カットに行く=サービス単価の減少)

                                        ●会社の労働組合で1泊2日温泉旅行を行っていたが、単価の安い1日のオリエンテーションに変える(サービス単価の減少)

                                         

                                        (3)実需と名目需要の双方減少(実質GDP、名目GDPの双方減少につながる)

                                        ●風邪をひいたら、医者から処方箋をもらって調剤薬をもらっていたが、病院に行かず、市販薬を買うようにする

                                        (病院に行かない=医療サービスの回数の減少、調剤薬よりも安い薬を購入する=製造単価・販売単価の減少)

                                         

                                         ざっとこんなイメージです。そして、こうした行動により、消費税率を引き上げたとしても、税収が増えるとは限りません。

                                         なぜならば、消費税の税収は、下記の算出式だからです。

                                         

                                        製品製造販売の場合:消費税の税収=販売価格(もしくは製造単価)×販売数量×税率

                                        サービス業の場合:消費税の税収=サービス提供価格×サービス稼働回数×税率

                                         

                                         名目需要の減少は価格下落ですし、実需減少は、販売数量・サービス稼働回数の減少です。

                                         

                                         例えば、消費税を5%→10%へと5%増税するとして、毎月もらえる給料が5%以上、例えば10%以上毎月もらえる給料が増え、かつ将来にわたってそれが見込まれるとなれば、消費税を5%増税しても、実需も名目需要も落ち込まないかもしれず、この場合は、消費税による税収は増えます。

                                         

                                         ところが、健康保険料の自己負担増、年金保険料の自己負担増、岩盤規制を壊すなどして雇用規制を緩和して社員を解雇しやすくするということになれば、毎月消費に使える額が減少し、高価な消費財購入を先送りし、食品はディスカウント店で購入したり、購入数量を減らしてみたりする。さらに、雇用不安定で将来収入が途絶える可能性があるともなれば、誰もが家計分野は貯金をしますし、住宅ローン返済など、借金返済に励みます。これは非難できませんし、デフレ下においては、極めて合理的な経済行動です。

                                         一方で、貯金と借金返済は、他の誰かの所得になりません。消費ではないため、需要増にまったく貢献せず、経済成長(GDP成長)を止めてしますのです。

                                         

                                         消費税が安定税収というフレーズは、こうした消費者の行動やGDP3面等価の原則を全く理解していない、ウソデタラメのフレーズといえます。

                                         

                                         

                                         

                                        3.「法人税」と「所得税の累進課税」が高く、「消費税」と「社会保険料負担」が低い国家とは?

                                         

                                         法人税が高いと、日本企業が海外に出ていくというフレーズも耳にしたことあるかと思います。また、所得税の累進課税が高い場合は、富裕層が日本から海外に出ていくというフレーズも耳にしたことあるかと思います。

                                         これらのフレーズ、まったくウソ・デタラメです。日本は、中間所得の分厚い層が大多数を占めているからこそ、需要(名目需要・実需)が多いのです。

                                         

                                         アメリカのトランプ大統領は法人税減税をしようとしていますが、この政策は私は反対の立場です。何しろ、法人税をどれだけ減税したとしても、需要がなければ企業は投資しません。

                                         ここでいう需要は、物・サービスの価格を安くしなくても売れるという名目需要も十分にあるということも含みます。

                                         何しろ、デフレ環境のために、物・サービスの価格を安くしないと売れないという名目需要が減少している状況では、働けども働けども稼げないという状況になってしまいます。いくら、実需が見込まれて個数が多く売れるとしても、値段を下げないと売れないという状況では、働く割には稼ぎが少ないということになります。即ちブラック企業的な事業(稼働率は高いが、売上が伸びず給料は高く払えない)になる可能性が高くなるのです。

                                         

                                         所得税の累進課税が高いと富裕層が逃げていくということについては、”「所得税を減税しないと富裕層が逃げていく!」は本当か?”をご参照いただきたく思います。

                                         

                                         そもそも「法人税」と「所得税の累進課税」が高いということは、決して悪いことではありません。一番のメリットは投資の過熱を抑制するという機能です。一方で、「消費税」と「社会保険料負担」が低ければ、「赤字企業は黒字になるまで頑張って!」ということですし、「失業者は次の仕事が見つかるまで頑張って!」ということですので、虎の子の供給力を維持することができるのです。

                                         苦しい環境からやがて好景気となれば、赤字企業は黒字にならざるを得ず、失業者は就業者として所得税を納める側に回ります。その時は、GDPの伸び率以上に、税収が増えることになります。

                                         需要がさらに拡大して、物価上昇率が高く5%程度が継続しますと、投資が過熱化して、借金をして株や不動産を購入するというバブルを発生させてしまう可能性があります。もちろん、法人税が高く、所得税の累進課税が高ければ、投資抑制効果が働きます。その投資抑制効果以上に需要が拡大して、バブルが発生する危険がある場合、初めてインフレ対策として消費増税は効果があるといえるのです。

                                         

                                         逆に、デフレ期やバブル崩壊直後のように需要が縮小している中で、消費増税や医療介護費削減等公共事業削減の需要削減政策を続けますと、黒字企業は赤字に転落し、所得税を納めていた就業者は失業者となって所得税が納められなくなり、所得がないことで消費を減らしますので、税収全体としては、減収になります。

                                         しかも、GDPの縮小率以上に、税収は減少します。なぜならば、黒字企業が赤字企業にならなければ、税収の減少率は、GDPの減少率とほぼ一致するのですが、赤字になれば法人税が納められなくなるから。結果、GDPの縮小以上に税収は減少するのです。

                                         

                                         こうした一連のプロセスを、スタビライザー機能といいます。このスタビライザー機能を持つことで、景気が過熱を防いで景気を自動的に安定させるという働きを持つことになるのです。

                                         

                                         

                                         というわけで、今日は”「法人税」と「所得税の累進課税」が高く、「消費税」と「社会保険料負担」が低い国家とは?”と題し、私見を述べさせていただきました。


                                        こども保険の創設について(資本主義を否定する小泉進次郎)

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                                          JUGEMテーマ:年金/財政

                                           

                                           今日は、小泉進次郎が提唱しているこども保険について述べたいと思います。

                                           

                                           私は、こども保険には反対です。なぜならば、普通に増税だからです。ですが、私は子どもへの教育などの支出を反対しているわけではありません。デフレなのに増税してどうするの?ということです。将来世代にツケを残さず、子どもを育てるとか、別に普通に赤字国債でいいわけです。教育国債としなくても、赤字国債で全く問題ありません。

                                           財源を社会保険として、国民から徴収するというやり方は、普通に増税です。インフレで税収がガポガポ入ってくるならまだしも、デフレで苦しむ我が国において、なぜ増税という発想になるのでしょうか?

                                           結局、小泉進次郎氏は、国家の財政を家計簿として捉えている財務省やマスコミの発想と同じとしか、私には思えません。

                                           

                                           

                                           

                                          1.資本主義を否定している小泉進次郎

                                           

                                           下記は東洋経済新聞社で掲載された特集記事です。

                                          『2017年05月01日 野村 明弘 :東洋経済 記者 小泉進次郎氏が「こども保険」を強く推す理由 教育無償化はどのように実現するべきか

                                          ――財源に社会保険を活用するとしていますが、どのような議論があったのですか。

                                          小泉進次郎(以下、小泉):社会保険、消費税などの税、国債と議論したが、まず国債は除外した。教育は未来への投資だから国債で資金調達してもよいと一部の方は言っている。教育が未来への投資であるのは同感だが、その理屈を言い出すと、何だって未来への投資になる。

                                          私は農林部会長だからいつも言っているが、農業だって未来への投資だ。そうしたら農業国債、林業だって林業国債、科学技術も科学技術国債となってしまう。こんなことが通ってしまったら、すべてが(国債で資金調達しろと)くるだろう。そして未来への投資と言いながら、そのツケは未来の世代に回すことになる。

                                          ――消費増税の選択肢を排除したのはなぜですか。

                                          小泉:よく「消費税から逃げるな」と言われるが、同時に消費税へ逃げてもいけない。消費税率が8%から10%へ予定どおりに上がるとしても、それまであと2年半ある。また、増税の2%分を何に使うかもすでに決まっている。新たに教育無償化の財源として使うなら、税率10%以上の議論が必要だ。では、それは何年後になるのか。国立社会保障・人口問題研究所の人口推計では、日本の人口は2065年に8808万人と1億人を大きく割り込んでしまう。少子化対策は待ったなしだ。その中で社会保険が有効だという結論に達した。(後略)』

                                           

                                           

                                           小泉進次郎氏の答えにある「ツケは未来の世代に回す」というこの回答に象徴されるのが、借金=悪とする発想です。もちろん、家計や企業経営は、デフレ環境の中においては借金=悪で、借金返済に励めばよいわけです。

                                           とはいえ、資本主義というのは、借金をして信用創造によって経済のパイが大きくなる、即ち経済成長していくということになるわけです。

                                           政府が借金をした場合も、信用創造の効果は発生します。政府が借金をしたとして、政府は現金で持ったままというわけではありません。

                                           インフラであれば建設国債を財源として公的個性資本形成を増やし、スーパーコンピュータなどの科学技術の後押しであれば赤字国債を財源としてスーパーコンピュータへ投資する、少子高齢化で医療・介護の需要が増えるので赤字国債を財源として政府最終消費支出に充当する、で何ら問題がないわけです。

                                           借金=悪という発想は、資本主義の否定そのものですし、家計や企業がデフレ下で投資できない以上、破綻することがない政府が一番お金を使える存在であるということを、小泉進次郎氏は理解していないのでしょう。

                                           

                                           このように「ある財源を確保するために、税収で賄う」という発想は消費税増税の論説者も同じ発想です。例えば赤字国債による政府最終消費支出の額を減らすには、医療・介護費の削減をすれば減らすことができるでしょう。医療・介護費の自己負担増ということになります。

                                           

                                           無論、こうした政策は、実質賃金が安定して伸び続けるという環境かつ「需要>供給」となっているインフレギャップでは正しいです。何しろ、「需要>供給」で、需要より供給が圧倒して大きい場合は、放置すればどんどん物価上昇していき、投資が過熱化します。「需要>供給」は儲かる環境ですので、投資が減らず、設備投資が活発化していくわけです。

                                           この場合、物価の上昇幅も大きくなりますので、その結果高インフレとなるため、需要を下げるために、増税という選択肢があるわけです。この場合の増税は、消費の需要を削るという意味で消費増税でもいいですし、無駄削減で公的固定資本形成について一般競争入札するなどして名目の需要を引き下げる、案件を選別して(無駄を削減して)実質の需要を引き下げるのが、適した政策になります。

                                           

                                           とはいえ、実質消費が伸び悩み、民間では投資がなかなかしにくい環境において自己負担増となれば、より一層実質消費の減少に拍車がかかります。

                                           

                                           本来は増税や減税は、インフレかデフレか?で弾力的に行われるべきです。具体的に言えば、インフレの時は消費増税は正しく、デフレの時は消費減税が正しい。また、借金=悪とするのも資本主義の否定であり、物価が上昇していけば、借金の元金は相対的に小さくなります。結果、借入しての投資がしやすくなる。自己資本や自社株買いでの投資ではなく、借入を起こしても、物価が上昇していれば、製品を売却しても値段が高く売れるので、借入金の返済がしやすくなるわけです。

                                           だから、消費税で考えれば、インフレであれば消費税増税、デフレでいえば消費税減税が正しいのです。

                                           

                                           もしかしたら、小泉進次郎氏は、安倍政権になって株価が上昇しているから、インフレになっていると思っているのでしょうか?おそらく小泉進次郎氏のこども保険の発想の根幹の「ある財源を確保するために増税する」という発想は、次のことを理解していないと考えられます。

                                           

                                          ●資本主義を知らない(信用創造の意味を理解していない)

                                          ●借金=悪と考えている

                                          ●プライマリーバランスは黒字でなければならない

                                          ●日本が財政破綻すると思っている(内国建て債務で、国家が破綻する確率はゼロであることを知らない)

                                          ●デフレ・インフレという物価の変動現象について需要の過不足説であることを理解していない

                                          ●税収=名目GDP×税率 であり、名目GDP=個人消費+設備投資+政府支出+純輸出 という算出式を知らない

                                           

                                           

                                           

                                          2.多くの日本国民もまた政府部門の借金を悪と考えているか?

                                           

                                           小泉進次郎氏は、マクロ経済を理解していないと思われるわけですが、その小泉進次郎氏をサポートするブログも見つけました。

                                           下記は、NPO法人キッズドアの代表で女性の方です。

                                          『小泉進次郎衆議院議員が、自民党の「人生100年時代の制度設計特命委員会」の事務局長に就任された。

                                          小泉氏は将来の社会保障制度について、「高齢者偏重を是正し、真の全世代型にする」と述べている。

                                          小泉氏の一押しは『こども保険』だ。

                                          こども保険とは、社会保険料率を0.1%上乗せすることで3400億円を確保し、未就学児に1人当たり月額5000円を支給。将来的には上乗せ分を0.5%に引き上げて1兆7000億円を確保し、保育・幼児教育を実質無償化する制度だ。(参照:時事ドットコム)

                                          私は常々、現状の日本では幼児教育無償化よりも、高校生世代への支援(児童手当の18歳までの延長)や高等教育(大学や専門学校)の給付型奨学金充実や教育無償化が必要と訴えている。

                                          しかし、それでもなお、こども保険大賛成だ。こども・若者にお金を使ってくれるなら、幼児教育無償化でもなんでもいい。妊婦から30代のフリーターまで、とにかく資金を投入して「安心してこどもを産み、育てられる国」にしなければならない。

                                          「そうだよね、このままだと将来大変だよね。」と思いがちだが、将来の話ではない。間違いなく「今」の問題だ。

                                          少子化では出生率が話題になるが、実は出生数が重要である。出生率が多少増えても、母数となるこどもを産める世代の数が縮小していくので、こどもの数は激減する。15歳未満の年少の人口は12.4%、75歳以上の後期高齢者が13.3%と完全に逆転した。高齢者は増え続け、年少者は減り続ける現実から、すべての国民が目をそらしてはいけないのだ。

                                          ■こども保険に反対する人は、頭が悪いとしか思えない。

                                          こども保険には反対意見も多いそうだ。
                                          「子どもがいない人からも保険料を取るのは不公平」
                                          「子どもはいるが保険料を払わない人にも給付するのか?」

                                          バカじゃないかと思う。

                                          今の現役世代はもちろん、子どもや若者は、絶対自分が払った分は取り戻せない年金を納めることを強いられる。

                                          国の財政支出の3分の1を占める社会保障費のうちの44%は年金と介護で完全に高齢者のためのものであり、さらに30%を占める医療費の大部分は高齢者の医療費だ。

                                          社会保障に占める高齢者向け支出は7割とも8割とも言われる。バッシングされる生活保護費は社会保障費全般の9%しかなく、しかもその半分は65歳以上の高齢者である。

                                          自分の親がいない児童擁護出身の孤児も、すでに両親がいない若者も、見ず知らずの高齢者のために多額の年金と税金を納めているのだ。

                                          「子どもがいない人から保険料を取るのは不公平」なら「親がいない現役世代から年金や税金を全額取るのは不公平。7割引にするべき。」となる。

                                          高齢者は自立できないから社会で支えなければならないのなら、少なくとも18歳以下の子どもだって自立できない。社会で支えなければならない。これは当たり前のことで、日本以外の世界中の多くの国が、子ども手当を充実させて、教育の無償化を実現している。

                                          日本だけが「好きで子どもを産んだのだから、自分で育てるべき。」と自己責任論が未だに大手を振って歩いている。だから、子どもを産めないのだ。

                                          2015年度補正予算で低所得の年金生活者に1人3万円の臨時給付金を配った。財源は3400億円。私たちをはじめ多くの関係者がたくさんの署名を集めやっと実現した給付型奨学金は、年間たった210億円だ。全国民から集めた税金を高齢者には気前よく3400億円を配るかたわら、次の世代を担う子どもには、こども保険のわずか0.1%も払いたくない。

                                          狂っているとか言いようがない。
                                          日本人とはそのような国民なのか?(中略)

                                          =お願い=
                                          私が運営するNPO法人キッズドアでは、低所得世帯の子どもたちへの無料学習支援を行なっています。(中略)

                                          「日本のこどもを支援したい」という多くの大学生や社会人のボランティアが、1000人以上の子どもたちの学びを支えています。また、活動は皆様のご寄付に支えられています。新年度が始まり、まだまだボランティアも寄付も足りません。ぜひ、ご協力ください。』

                                           

                                           私はボランティアを否定するつもりはありません。とはいえ、ボランティアでは、物・サービス(ここでは教育サービス)とお金の対価とならないため、GDPに寄与しないのです。端的に言えば、経済成長に貢献しません。また、GDPに寄与しない以上、NPO法人もそうですが、税収を納めなくてよいことになっています。このことは、本ブログの読者であれば「GDP3面等価の原則」を思い出していただければ、すぐに理解できるでしょう。

                                           誤解なきように申し添えますと、GDPに貢献しないからNPO法人は不要と言いたいわけではありませんので。あくまでもマクロ経済理論の話です。

                                           

                                           日本のインフラを使っておきながら、NPO法人を盾に、法人税法で定義する「収益事業」以外は、税金を納める必要がありません。無論彼女自身は、給料報酬から所得税を払いますが、NPO法人としては、ボランティアなので「収益事業」以外は、法人税を納める必要がありません。もちろん合法ですので、それはそれで問題ありません。

                                           仮に極論で、学習塾という民間の株式会社組織がなくなり、すべてNPO法人で学校の勉強のサポートをするとなった場合、寄付の場合は税金がとれませんから、株式会社組織の学習塾(例えば「早稲田アカデミー」「明光ネットワークジャパン」「学究社」「秀英予備校」などのような株式会社組織の学習塾)があったときと、学校の勉強のサポートを株式会社組織の学習塾に変わってすべてボランティアが所属するNPO法人が担うことになった後とでは、大きく税収が減収することになります。

                                           

                                           そして、彼女が反対意見として取り上げている「子どもがいない人からも保険料を取るのは不公平」「子どもはいるが保険料を払わない人にも給付するのか?」という論説も、マクロ経済を理解していない証左といえます。反対論を言う人も、マクロ経済を理解していない可能性が高いです。

                                           

                                           現在の日本がデフレかインフレか?

                                           デフレの日本において増税につながる政策は、却ってデフレを深刻化させるということなのですが、反論にもなっていない反対意見を取り上げ、小泉進次郎が正しいとしているわけです。

                                           おそらく彼女の頭の中にも、借金=悪という考えがあり、資本主義の根幹である借金をして投資をすることで信用創造によって経済が成長する、その結果、GDPが増えて税収も増えていく、そしてその税収はGDPの伸び以上に税収は増えるということを知らないのでしょう。

                                           

                                           

                                           

                                          3.税収弾性値について

                                           

                                           GDPが増えれば、税収弾性値により税収はそれ以上に増えます。事実、安倍政権発足時、国土強靭化で財政支出を増やしました。その結果、2013年度は名目GDPで1.9%上昇し、税収は6.9%増えました。

                                           

                                           GDPを増やせば税収はGDPの伸び率以上に増えますが、GDPが減れば、税収はそれ以上に減ります。だから経済のパイが増えない状況で、物価が下落するデフレ環境において、こども保険という大義であれ、他の財源確保のための医療介護費自己負担増といった社会保険料UPという経済政策は、実質消費を削減することになるため、GDPが減ってしまうのです。

                                           

                                           GDPの伸び率以上に税収が増えること、下落率以上に税収が減ること、このことを税収の弾性といい、税収÷名目GDP=税収弾性値といいいます。日本の場合、税収弾性値は3以上といわれています。

                                           

                                           税収弾性値が3以上ということは、GDPが減ると、GDPの減少率以上に税収が落ち込みます。なぜなら、名目GDPの減少によって、黒字だった企業が赤字に転落する企業が発生し、そうした企業が法人税を納めなくなるから。また、名目GDPの減少によって、売上が減少して不採算部門閉鎖などで解雇すれば、所得税を納めていた人が納められなくなるから。結果、また増税するか社会保険料を引き上げるか、社会保険サービスを削減するか?→消費が落ち込んでGDPが減少して税収が減少する・・・・という、この悪循環から抜けられないわけです。

                                           

                                           いい加減に、家計簿的な発想を、私たち国民が否定しない限り、このような論説が蔓延り、賛同する国民も多い状況では、いつまで経ってもデフレから脱却できないという状況が続くでしょう。

                                           だいたい企業経営において言えば、会社が銀行融資を受けて工場を建設し、それで生産して所得を得る、その融資について将来世代にツケを残すなんて人はイナイはずです。

                                           デフレを放置して、儲かりにくい環境を継続させ、工場閉鎖や自主廃業を通じて、虎の子の供給力を毀損してしまい、いざという時にサービスが受けられなくなる、技術が継承されなくなって自国でできなくなる、そのような発展途上国化こそ、将来世代にツケを残すことになるのではないでしょうか?

                                           

                                           

                                           というわけで、今日は小泉進次郎氏の逓減する「こども保険」について反対の論説を述べさせていただきました。理由は社会保険料増は、デフレの日本にとって、更にデフレを継続させる可能性があるからです。

                                           デフレであるがゆえに、政府支出による需要増という意味で、普通に赤字国債を発行して、子どもの教育を無償化するでいいと考えます。

                                           ですが、一方で教育現場が荒廃しているとも言われております。理由は教育現場の予算が削減され、教師の数を削減・設備削減をしているからです。そのため教育無償化のためには、教員の数を増やす、設備投資をするという需要創出のための政府支出増もまた必要ですし、デフレ脱却のサポートにもなります。

                                           そのサポートをせず、子どもの教育無償化をした場合、教育現場が混乱する可能性があります。その混乱をきたさないためにも、積極的な財政出動による教員数増加・設備投資増も必要であると考えます。


                                          御用学者ならぬ御用財界人

                                          0

                                            JUGEMテーマ:消費税増税

                                             

                                             以前、御用学者を批判した下記記事を掲載しました。

                                            財政諮問委員会メンバーから御用学者を外すべき!

                                            安倍政権が犯した最悪の間違い!=デフレに関する認識の誤り

                                             今日は「御用学者ならぬ御用財界人」と称し、財界人に物申したく意見します。

                                             

                                             

                                             先月7/13から2日間にわたり、経済同友会のセミナーが開催されました。そこで提言がまとめられ、提言の中で、安倍政権は知りいつの変動を恐れず財政健全化に取り組むべきとし、予定通り消費増税を実行することなどを求めています。

                                             経済同友会の主なメンバーの発言として、お二方の発言を取り上げます。

                                             

                                            ●商船三井(証券コード:9104)の武藤会長

                                            「GDPが増やせれば、借金をしてもイイという極めて姑息な一時しのぎの指標。」

                                             

                                            財政の骨太方針に、藤井聡氏の働きかけによって「政府の負債対GDP比率の低下」が入ったことを受けての発言です。

                                             

                                            <我が国の政府の負債の推移(1872年〜2002年)単位「10億円」>

                                             

                                            上記は、明治5年からの政府の負債の推移です。即ち「”いわゆる”国の借金」です。

                                            本ブログで何度も取り上げている通り、「国の借金」は間違い。政府の負債(Government Debt)です。

                                            日本政府の負債は、1872年(明治5年)から見れば、3000万倍以上です。

                                            商船三井の武藤会長の「GDPが増やせれば借金を増やしてもイイという姑息な・・・」というのは、明らかに間違い。

                                            GDPが増やせれば、借金を増やして全く問題ありません。

                                            明治5年から3000万倍になっている事実について、ぜひとも商船三井の武藤会長にご説明をお伺いしたいです。

                                             

                                             

                                            ●東京海上ホールディングス(証券コード:8766)の隅会長

                                            「社会保障を調整するか?消費税で賄うしかないということは、みんなわかっている」

                                             

                                             この時点で、隅会長は全くご理解されていません。政府で使うお金は、増税で賄うべきという発想、この家計簿的な発想こそが間違いで諸悪の根源。

                                             通貨発行権を持つ日本政府がデフレで困っているわけであり、通貨発行の余地がそれだけ大きいということ。だから、普通に建設国債でも赤字国債でも何でもいいので、通貨発行して政府支出すればいいです。

                                             ところが、家計簿的な発想から頭が離れないために、政府支出で負債を増やすという発想が持てないのでしょう。

                                             

                                             さらに、「国民にどんな危機が来るか?」と発言をされておりまして、こちらも「具体的にどんな危機が来るの?」とお聞きしたいものです。

                                             

                                             おそらく日本が財政破綻する可能性が高いと信じ込んでいるわけです。日本には存在しない財政破たん問題を、勝手に信じ込んで間違った発想・発言が飛び出ているわけです。

                                             円建て100%の国債で、日銀が金融緩和で国債を買い取っていて、実質的に返済しなければならない借金が、どんどん消えているという現実を知らないのでしょうか?知っていて目を反らしているのでしょうか?

                                             

                                             私は、こういう人々に、経済同友会を名乗って欲しくありません。「経済」同友会というくらいなので、経済についてアカデミックな議論がされるのかと思いきや、レベルの低いダメダメ集団。御用学者ならぬ御用財界人集団と言えます。

                                             

                                             そもそも、商船三井の武藤会長が「GDPが増やせれば借金を増やしてもイイ=きわめて姑息な一時しのぎ」と発言されていますが、財政健全化のルールは、政府の負債の絶対額を定めているわけではなく、政府の負債対GDP比率の引き下げです。

                                             「政府の負債対GDP比率の引き下げ」が”グローバルの定義”であるため、GDPが増えれば、借金が増えて何ら問題ないのです。

                                             

                                             

                                             というわけで、今日は7/13から2日間にわたって開催された経済同友会セミナーで、主要財界人の発言について取り上げ、御用学者ならぬ御用財界人と称して、批判の論説を述べさせていただきました。政府の負債問題については、財界人であろうと、学歴・職歴・資格に関係なく、知っている人は知っていて、知らない人は知らない。

                                             現実は知らない人がほとんどです。それがゆえに、いつまで経っても正しい政策が打たれず、デフレから脱却できず、我が国の虎の子の供給力を毀損して国益を損ね続けているという事実を、多くの人々に気付いていただきたいと、改めて思うのであります。


                                            「所得税を減税しないと富裕層が逃げていく!」は本当か?

                                            0

                                               

                                              アベノミクスと直接関係ありませんが、
                                              ・富裕層の所得税を減税させる
                                              ・株価を上げる政策を推進する
                                              そうすれば富裕層が消費を増やして景気が良くなる=いわゆるトリクルダウン理論は嘘です。

                                              「所得税を増やしたら富裕層が逃げていく」なんてのは、ほっておけばよい。「私は富裕層なので海外に逃げる」という人には、「どうぞどうぞお逃げください。」とでも言ってやればよいです。

                                               たとえ海外に居住しても、日本に源泉のある所得(日本で稼いだ所得)であれば日本で課税されます。日本に税金を払わなくてよいのは、日本人が海外に居住し、海外に源泉のある所得を得た場合(海外に居住し海外で稼いだ場合)だけです。

                                               個人が逃げるというのは、個人が海外に移住することを意味すると考えますが、考えるほど容易ではないです。所得税は住所が日本になくても所得の源泉が日本にあれば課税されます。住所を移すことは可能であったとしても、所得の源泉を日本国外に移すのは容易ではありません。

                                               企業役員や弁護士、会計士などのプロフェッショナル、個人投資家、不動産所有者は、所得の源泉を移転することはほぼ不可能です。所得移転しようとしてもすぐ目立つのでばれます。
                                               実際に逃げることができるのは、学者やスポーツ選手(それもごく一部の超一流選手)くらい。超一流学者は日本では活躍できず、彼らが流出しても日本に損害はありません。スポーツ選手が流出しても、彼らが外国人になるわけではなく、日本に戻ってくるので外貨を稼ぎに行っただけで日本に損害はありません。
                                               所得税が高かろうが逃げる人などほとんどいませんから、日本政府がビクビクするような話ではないです。

                                               ただ租税回避や脱税に必死になるでしょうから、租税回避や脱税ができないような法制度の研究する必要はあります。

                                               租税回避と脱税は紙一重で、税理士や弁護士に聞いてもほとんどの一般人は理解できていません。脱税にならないスキームを構築できるのは、税理士や弁護士の内のほんのごく一部の人だけです。さらにややこしいのは税金を安くしますと言ってくる税理士はたいてい偽物で、言うとおりにやって脱税で捕まるケースも多い。租税の素人が脱税回避のプロを探すことは容易ではなく、海外に逃げるのは簡単ではありません。失敗したら大損、下手すれば犯罪者。それほどの覚悟で海外に逃げる人がどれだけいるのでしょうか?

                                               日本は貧富の差がなく、治安もよい。そして食べ物もおいしく安全です。
                                              他国と比べて、日本ではどんなに辺鄙なところで生まれ育とうが、住民登録されて義務教育を受けられます。日本で当たり前のことが海外では当たり前ではないです。(日本ではどこで生まれても平均的な日本人になれます。)

                                               百歩譲り、ご家族全員が外国語に堪能で外国の法律に詳しく、外国暮らしが苦にならないのであれば移住するのも一つの選択肢です。ただ、日本国籍を捨てない限り相続税から逃れられません。誰でも日本人ではなければならない義務などないですから、自由に国籍を選べばよいのです。

                                               税金を支払いたくないという理由で国籍まで変更する人は極めて少数です。そういったマイノリティを取り込むために税率を下げるよりも、マイノリティの存在を無視した方が国家財政にとっては有益です。

                                              「所得税が高いから嫌だ!」
                                              「国の借金を、大切な我が子、将来の孫にツケを残されるのはゴメン!」
                                              「だから、日本を捨てて海外に逃げます!」なんていう人には、「どうぞどうぞ日本国籍をお捨てになって海外にお逃げください!」とでも言ってやりましょう!

                                              「所得税や法人税などの直接税を下げなければ、富裕層や企業が逃げる!」などというウソを言ってはいけません。

                                              所得税や法人税は不安定財源なので、安定財源である消費税を増税すべきというフレーズに騙されてはいけません。

                                               

                                               

                                               

                                               

                                               

                                               

                                               

                                               

                                               


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