イベント制限の緩和について

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     今日は「イベント制限の緩和について」と題して論説します。

     

     下記は日本経済新聞の記事です。

    『2020/09/17 22:15 プロスポーツ、5割入場に慎重 イベント制限19日緩和     

     政府は新型コロナウイルスの感染拡大防止で求めてきたイベントの開催制限を19日に緩和する。プロスポーツでは数万人規模の動員も可能になるなど大幅な緩和となるが、制限まで一気の引き上げには慎重な主催者や企業が目立つ。減少してきた新規感染者は最近は横ばい傾向にあり、感染を封じつつ段階的に引き上げを探ることになる。

     政府は19日から、プロ野球やJリーグ、大規模コンサートといった1万人超のイベントについては5千人の上限を撤廃し、収容人数の50%までの入場を可能とする。

     1万人以下の場合は2分類される。観客や演者が大声を出さず、集団感染が起きる可能性が低いクラシックコンサートや映画・演劇などは5千人を上限に満席も認める。大きな歓声などを伴うロックコンサートやライブハウスなどは50%までの制限が維持される。いずれも11月末までの当面の措置で、状況により見直しもありうる。

    (中略)

     満席が可能になる演劇なども動きは慎重だ。松竹は9〜10月の演劇などの公演チケットは現行の定員50%での販売を続ける。11月以降も感染状況などを踏まえ慎重に判断するという。シネマコンプレックス(複合映画館)のTOHOシネマズ(東京・千代田)も当面、座席の50%を維持する。

     エイベックス・エンタテインメント(東京・港)は12日に倖田來未さんのライブツアーを大阪城ホールで実施したが、収容は約3割の4千人に絞り、1日2公演としてライブ配信も実施した。19日以降のツアーも同様の形にする予定だ。

     東京ディズニーリゾートも入場制限を継続している。運営するオリエンタルランド幹部は「入り口やアトラクション前に並ぶ人の間隔を狭めれば感染リスクが高まる危険性もある。来場を一気に増やすのは簡単でない」と話す。

     新規感染者数は8月上旬をピークに減少していたが、最近は下げ止まりがみられる。傾向をみやすい7日移動平均では16日は536.4人で、直近10日間は横ばい傾向。依然、4月の「第1波」のピーク時と同水準にある。東京都や大阪府では、わずかながら増加傾向もみられる。

     こうした中、沖縄県は19日時点では制限を緩和せず、従来の「上限5千人」か「収容人数の50%以内」のいずれか厳しい方での開催を求める。県が独自に判断する4段階の警戒レベルで、上から2番目の「感染流行期」にあるからだ。政府は地域の感染状況に応じ、知事の判断でより厳しい制限を課すことができるとしている。

     東京医科大学の浜田篤郎教授は「緩和しながら感染が拡大しないか様子をみるにはいい時期だ。マスクや3密回避、大声を出さないといった対策で感染リスクを下げられる」とした上で「いきなり大人数になると感染者が紛れ込み集団感染のリスクが高まる。慎重な対応が必要で、徐々に緩和するのがいい」と話す。

     

     上記記事の通り、2020/09/19(土)から、新規コロナウイルス感染拡大防止策としてとられてきた参加人数制限が解除されました。

     

     厳しい制限下で運営を余儀なくされていた劇場などの関係者、ファンは歓迎する一方、感染の終息が見通せない中、戸惑いや不安の声が出ていることも報じられてます。

     

     イベント開催は緊急事態宣言が全面的に解除された2020/05/25以降に段階的に緩和されましたが、2020/09/19からは感染対策を前提に収容人数1万人を超える施設を使った大規模イベントは、現在の5000人の上限を外して収容人数の50%まで入場可能となりました。

     

     1万人以下の施設では5000人上限を維持しつつ、感染や制限が少ないと想定される劇場では満席にすること認められます。

     

     5月に専門家会議が、大いなる無駄玉といえる新しい生活様式やソーシャルディスタンス2mなるものを打ち出しました。

     

     通常、規制というものは、習慣・文化そのものであって深い意味があります。規制改革の規制とは、文化を行政的な視点から見た言葉であって、文化=規制によって得られるであろう所得が得られないというのは普通にあります。

     

     規制があるために民泊ができないというのも、旅館という文化を守るためですし、規制があるために水道事業に民間が参入できないというのも、無料で安心して飲める水というインフラを整備するためには利益追求では品質が落ち、安全な水という日本の文化が守られません。

     

     文化や安全保障を犠牲にしてまで、特定の誰かの利益になるからといって、それをトレードオフすることなど、全く釣り合いません。

     

     しかしながらソーシャルディスタンス2mの規制、新しい生活様式にある新たな規制は、いずれも無駄なことでむしろ文化を破壊するものであると私は思っていました。

     

     このような無意味な規制はさっさと撤廃すべきだというのが私の主張で、そういう意味では一歩進んだともいえますが、遅すぎたと言えるぐらいの話でもあります。

     

     先述の通り、本来は規制=文化ですが、ソーシャルディスタンスは文化を生み出すどころか、文化を否定します。

     

     だから撤廃できたのは良かったと私は思います。

     

     何が安全で、何が危険なのか?ということを、ウイルス学、免疫学の知見に基づいて組み立てなければならないのに、それらの知見を無視してきた専門家会議メンバーの尾身氏、西浦氏の対応は、本当に噴飯ものであると私は思います。

     

     時間の経過とともに、新型コロナウイルスの見えなかった部分が見えてきて、例えば感染者と陽性者は異なるとか、T細胞免疫の集団獲得のこととか、既に感染者は拡大しないことは明白になってきています。

     

     クラシックコンサート、古典芸能、演劇、落語などの催事や、遊園地、美術館、博物館、動物園、植物園、映画館など、参加者が大声を出さない環境が確保できる施設では、収容人数いっぱいまで入場が認められました。

     

     その一方で、1万人以下の施設で開かれるライブハウス、ナイトクラブのイベント、子どもらが集まるキャラクターショー、遊園地系の絶叫系アトラクションは、収容率半分までという規制が続きます。

     

     こうしてみますとずいぶんと緩和された印象がありますが、重要なのは2月〜3月、新型コロナウイルスがよくわからなかった当時は、呼気で感染拡大するか否か?がポイントでした。

     

     呼気で感染拡大すると考えれば、イベントは非常に危険という判断になりますが、その危険性が無いということがもっと早くわかっていたため、早くこうした緩和をすべきだったともいえます。

     

     これこそ無駄な規制の撤廃といえますが、菅政権の場合、やってはいけない改革、即ち文化を守ることを支える規制、安全保障を支えている規制を改革しそうなので、菅総理の言説には大変残念に思います。

     

     新型コロナウイルスは、京都大学の上久保教授の集団免疫説などもあり、普通の風邪という認識が広まりつつあります。

     

     発熱や咳の症状にしても、新型コロナウイルスのみならず、ブドウ球菌肺炎も同じ症状が出ますし、コロナとブドウ球菌肺炎とインフルエンザでは区別がつかないでしょう。

     

     にもかかわらず、厚労省はそれらで亡くなった人は全てコロナを死因として死者をカウントするよう2020/06/18に医療機関に対して指示を出しています。(下記の赤線部分を参照)

     

    <2020/06/18に発信された厚労省対策推進室の事務連絡の抜粋>

    (出典:厚労省のホームページ)

     

     この事務連絡のおかげで、陽性者が交通事故で亡くなろうと、ブドウ球菌肺炎で亡くなろうと、全てコロナで死んだということで死者数にカウントされています。

     

     こうして死者数が水増しされ、”コロナ怖し”の世論が作られていったというのが実態です。

     

     もし予防原則を主張するなら、他に規制しなければならないものはたくさんあるはずですが、中小企業を廃業させ、大企業だけが生き残れるようにしたいという意図があるとするならば、欧米のような粗利益補償をせず、自粛要請とやることで、その意図は達成できるでしょう。

     

     経世済民とは程遠いそうした発想のバイアスが効いて、日本政府が動けば、コロナを利用して中小企業を潰していくというシナリオが実現します。

     

     ゴールドマンサックス証券の元アナリストのアトキンソン氏は、中小企業を活性化させるために淘汰を進ませるなどと主張しています。

     

     そしてアトキンソンの提言を菅総理がそのまま受け入れているため、菅総理は国力とは何なのか?国益とは何なのか?を理解している総理大臣とは私には思えません。

     

     今一度規制とは何のためにあるのか?立ち返っていただき、しっかりと国益について考えた政策を打っていただきたいとイベント開催の規制緩和のニュースをみて改めて思います。

     

     

     というわけで今日は「イベント制限の緩和について」と題して論説しました。

     

    〜関連記事〜

    ゴールドマンサックス証券の伝説のアナリストのアトキンソン氏


    DNAワクチンとアンジェス社

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       今日は「DNAワクチンとアンジェス社」と題して論説します。

       

       薬害事件という言葉をご存知でしょうか?

       

       日本では、副作用死亡被害の薬害事件で有名な事件の一つで「薬害イレッサ事件」というものがあります。

       

       この事件は、日本で申請から5カ月という異例のスピードで2002年7月に承認された”肺がん治療薬イレッサ”と呼ばれる薬の副作用で大勢の患者が亡くなった事件です。

       

       イレッサという医薬品名ですが、一般名で「ゲフィチニブ」とも呼ばれていて、製造販売は英国大手製薬メーカーのアストラゼネカ社です。

       

       承認前から副作用が少ないと宣伝されていましたが、2011年9月までに公式発表だけで834人が副作用の間質性肺炎で死亡。特に初期のころに死亡者が集中して、2002年7月から半年で180人、1年で294人もの患者が亡くなりました。

       

       日本において、これほどの副作用死亡被害を出した薬害事件はありませんが、今、日本政府は同じ過ちを繰り返そうとしています。

       

       それがアンジェス社が手掛けるDNAワクチンと呼ばれるものです。

       

       アンジェス社は、大阪大学と産学連携で、DNAワクチンを開発しており、今の日本政府、安倍政権がとても期待していて、アンジェス社の研究に20億円もの予算をつけています。

       

       今年5月22日に報じられた日本経済新聞の記事をご紹介します。

      『日本経済新聞 2020/05/22 10:28 新型コロナワクチン研究、アンジェスに20億円助成

       新型コロナウイルスのワクチン開発に取り組む大阪大学発バイオ企業のアンジェスは22日、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の公募に採択され、研究開発費として20億円を受け取ることを発表した。

       AMEDが公募した「新型コロナウイルスを標的としたワクチン実用化開発研究」に採択された。アンジェスの山田英社長は「産学官が一体となり、オールジャパン体制をさらに広げて強化していきたい」と話している。

       アンジェスは体内にウイルスの遺伝情報の一部を送り込んで免疫をつける「DNAワクチン」を開発中。タカラバイオなどと組み、年間20万人分の供給体制を目指している。

       

       上記記事の通り、バイオベンチャー企業としてアンジェス社が20億円を受け取ったとするニュースです。

       

       DNAワクチンという言葉以外に、RNAワクチンというものがあり、ワクチン業界においてはRNAワクチンの方が優位性が明白でより安全であるといわれています。

       

       因みにDNAとRNAの違いは、DNA=デオキシボ核酸、RNA=リボ核酸なのですが、私にはその違いまではわからないため、言葉の違いにとどめますが、DNAワクチンの方がリスクがあると私は素人で僭越ながら認識します。

       

       従来のワクチン製造は時間がかかってプロセスが複雑である一方、RNAワクチンは容易に抗原を作り変えられて安全性が高いといわれています。DNAワクチンの場合は、細胞のゲノムに組み込まれる危険性、抗DNA抗体が産出される危険性があり、RNAワクチンの方が優位性が明白かつ安全といわれているようです。

       

       そのDNAワクチンは、RNAワクチンよりも短い工程で済むというメリットがあるため、早期にワクチンができるのでは?ということで、大阪府の吉村知事も期待を寄せていて、各種新聞マスメディアでアンジェス社のDNAワクチン開発の件が報じられています。

       

       現在、日本国内で新型コロナウイルスのワクチンを開発しているプレイヤーとしては6社があります。

       

      .▲好肇薀璽優

      ▲▲鵐献Д

      KMバイオロジクス

      け野義製薬

      ド霤通品工業

      β莪貉斡製薬

       

       日本医事新報社によれば、2020/08/07厚生労働省が管轄する「ワクチン生産体制等緊急整備事業(第一次公募)の採択結果として、組み換えタンパクワクチンを開発中のけ野義製薬に約223億円、DNAワクチンを開発中の▲▲鵐献Д垢北94億円、不活化ワクチンを開発中のKMバイオロジクスに約61億円がそれぞれ助成金として交付されることになりました。

       

       上記のニュース自体は悪いニュースではありませんし、助成金を受ける▲▲鵐献Д后↓け野義製薬、KMバイオロジクスが研究する内容について、私が甲乙つけるつもりもありませんし、知見を持ち合わせてもおりません。。

       

       ただアンジェス社と大阪府との関係について触れながら、DNAワクチンの危険性についても述べたいと思います。

       

       そもそもアンジェス社というのはどういう企業か?といえば、大阪大学出身の森下竜一氏が創業者で社長のバイオベンチャー企業です。

       

       森下竜一氏は大阪大学の医学部を卒業していますが、Wikipediaでは医学者というより政治屋、経営者と言われることがあるなどとされています。

       

       現在森下氏は、アンジェス社の中ではアドバイザーという立場になっていますが、個人で株式を保有していますので、アンジェス社と森下氏は一体化されているものと考えます。

       

       その大阪は、IRカジノやワクチンなど、スピード感を持っていろんなことが進むイメージがあります。

       

       大阪府は維新の会が強いのはご承知の通りで、大阪には野党議員がいません。野党議員がいないのが大阪市であり、維新の会が強く、関西メディア自体も維新の会を推しています。

       

       アンジェス社の森下教授と大阪府と大阪大学が共同で何かやろうとすると、スピーディーに決まります。

       

       森下氏自身が政治屋と呼ばれる通り、大阪市、大阪府の統合本部医療戦略会議の参与という肩書を持ち、国政でいえば、竹中平蔵氏に近い医療アドバイザーといえます。

       

       大阪万博の委員にもなっており、維新の会と非常に近しく仲がいいというレベル以上の存在になっています。

       

       大阪は医療ツーリズムをやろうということで、医療特区にもなっています。医療特区は国家戦略特区の一つで、大阪や東京は医療・教育特区に指定され、”一番ビジネスがしやすい環境”ということで、規制フリーでサクサクっといろんなことが決まっていくのです。

       

       それこそが国家戦略特区であり、国家戦略特別区域法で定めた規制フリーという概念が日本で定められた法律や憲法の上に来るため、規制で保護が必要なものであっても、”ビジネスがしやすい環境”という大義で規制をかけないのです。

       

       国政レベルの日本政府と竹中平蔵、都道府県レベルの大阪府と森下竜一、いかにも関係が似ていると私は思います。

       

       ここまではアンジェス社と大阪府の話でしたが、DNAワクチンの危険性についても触れておきます。

       

       DNAワクチンについて、メリデメは下記の通りです。

       

      メリット:ウイルスそのものを投与しないのでワクチン投与による発症はない

      デメリット:ウイルスそのものを投与する方法よりワクチンの制度が落ちる可能性がある

       

       DNAワクチンは、ウイルスそのものを投与するわけではないため、ウイルスに罹患することはないものの、実際のワクチンは副作用のリスクは普通に存在します。

       

       よくいわれているのは、サイトカインストーム(免疫異常暴走症状)と呼ばれるもので、突然死、細胞の遺伝子変異、想定外の疾患発症リスクがあります。

       

       ワクチンを入れると免疫ができますが、その免疫が暴走するという症状が稀に発生します。

       

       となれば突然死や細胞の遺伝子が急変したり、想定外の疾患リスクなど、いろんなリスクが存在するのです。

       

       国民の生命の安全を考えて、予防原則も視野に入れつつ、安全な医薬品が開発されるべきだと思うのですが、医療特区はビジネスをしやすくするということなので、そうした安全のための規制があってはビジネスには邪魔だ!ということで、安全性がなおざりにされてしまうリスクがあります。

       

       確かにコロナウイルスのワクチンは、第二波、第三波が来ると考えれば、早急な開発が望まれるでしょう。

       

       だからといって、いつもの安全ステップのプロセスを短縮してよいか?といわれれば、いいはずがありません。

       

       政府が安心の医療提供のための規制を、コストがかかるからとか、金儲けの利幅が減るからなどというお金儲けのために規制を緩和して医薬品承認のための安全ステップのプロセスを短縮化するなど、許してはいけないに決まっています。

       

       仮にも、安全ステップのプロセスを短縮化したことが原因で予期しないリスクで薬害の副作用が多発してしまっては、安全な医療とは程遠いことになってしまい、逆に医療安全保障という国益を損ねてしまうものと私は思うからです。

       

       

       というわけで今日は「DNAワクチンとアンジェス社」と題して論説しました。

       

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         今日は「ハイジャック・電波ジャックならぬ法律ジャック!それがスーパーシティ法です!」と題して論説します。

         

         下記は日本経済新聞の記事です。

        『日本経済新聞 2020/05/27 12:22 スーパーシティ法が成立 まちづくりに先端技術活用

         人工知能(AI)やビッグデータなど先端技術を活用した都市「スーパーシティ」構想を実現する改正国家戦略特区法が27日の参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。車の自動運転や遠隔医療などを取り入れたまちづくりを通じ高齢化社会や人手不足の解決につなげる。

         スーパーシティ構想は物流、医療、教育などあらゆる分野の先端技術を組み合わせ、その相乗効果で住みやすいまちをめざす。自動運転やキャッシュレス決済、ドローンの自動配送、遠隔診療などのサービス提供を想定する。

         改正法で複数の規制改革事項を一括して進めることができる。例えば先端技術を活用した高度な医療機関の設置や通院予約、通院のためのタクシーの配車予約を連動させることなども可能だ。

         特区の指定を受けた自治体は国や民間企業と区域会議を設け、必要な規制緩和を含む事業計画書を作成する。住民の同意を得た上で国に申請すると、首相が担当省庁に規制緩和の特例を求める。新たな手続きの導入で迅速な改革を進める。

         政府は今夏にもスーパーシティ構想を進めたい自治体などを公募し、早ければ年内に選定する予定だ。すでに大阪府・大阪市は2025年国際博覧会(大阪・関西万博)の会場となる区域で空飛ぶ車やドローンなどの活用を検討する。

         多様なデータを集めて利用するため、個人情報の扱いなどに懸念の声もある。政府は昨年の通常国会で成立をめざしていたが実質的な審議が行われず廃案となっていた。』

         

         上記記事の通り、先々月2020/05/27に参議院本会議で「スーパーシティ法」が可決・成立しました。この法律は、コロナ禍の中でどさくさ紛れに通した法案で、日本人の多くは知っている人は少ないのではないでしょうか?

         

         私はこの法律は、日本国民の主権を歪める問題のある法律であると思っておりまして、大変憂慮しています。なぜならば種苗法改正と並び、日本国民の主権を脅かす法律だからです。

         

         そもそもこの法案が審議されているとき、マスメディアは石田純一がコロナウイルスに罹患したニュースで持ちきりでした。そうやって国民の関心が他に向いているときこそ、スピード可決のチャンスということで、火事場泥棒的に通した法案が、スーパーシティ法ともいえます。

         

         一つのニュースがマスコミで大々的に報じられて関心がそのニュースに一色に向いているときに、裏で重要な法案が審議に十分な時間を費やすことなく、スピード可決させるという状況。まさに新型コロナウイルスの影で、改正種苗法によってゲノム食品が日本の食卓に乗る道を開いたという記事を書いたこともありました。(◆コロナ騒動の裏で通そうとしている種苗法改正で、日本国民はゲノム編集食品の実験台になります!

         

         2020/04/16、人気俳優の石田純一さんがラジオ番組で、新型コロナウイルスに感染したことを発表しましたが、芸能ニュースは最もオーソドックスな火事場泥棒的に法案を通す癖玉といえます。

         

         テレビもラジオもスポーツ紙も一斉にこの問題を取り上げ、フェイスブック、ツイッターなどもこの話題で持ちきりで、その間に衆議院会議では、この法案の審議がたったの5時間でスピード可決されたといわれています。

         

         もともとこの法案は2018年に提出されてから、3回にわたって審議入りすらせず取り下げられた法案です。

         

         いったいこの法案はいつから出たのでしょうか?

         

         2013年12月に、国による言論弾圧の恐れがあるとして、特定秘密保護法という法案が可決したのを覚えているでしょうか?

         

         あのときマスコミが特定秘密保護法案を一色に報じ、その裏で静かに通過したのが国家戦略特別区法案です。

         

         日本を世界一ビジネスにしやすい国にするために、国内の指定地域内を規制のフリーゾーンとして、特定の企業や外資が参入しやすくするのが国家戦略特別区法案でした。

         

         スーパーシティ法は、この国家戦略特区法のバージョンアップ版で、2018年に片山さつき地方創生大臣と、竹中平蔵座長が率いる7人の有識者懇談会の席で提案されたものです。

         

         竹中平蔵氏によれば、国と自治体と企業で構成するミニ独立政府を作り、全ての規制の権限を見に独立政府に与えます。

         

         ただしインフラは国民の税金で国が作ります。これはもう企業にとっていいとこ取りの未来型デジタル管理都市といえるでしょう。

         

         海外では、中国の広州市がデジタル管理都市として有名です。

         

         広州市ではアリババと連携して開発したAIと交通管理システムを導入したおかげで、渋滞がなくなり、車の流れが15%早くなったと言われています。すべてはAIが管理することで、デジタルに管理することが可能になったのです。

         

         片山さつき氏は、2019年1月に中国を視察し、2019/08/31には中国政府との間で、スーパーシティ構想に関して、中国と強力に情報を共有していく旨の覚書を交わしています。

         

         例えば、その地域でドローンによる配達や、自動運転車両を開始したいというビジネス計画が出てきた場合、実施する企業と首長と関係者が計画を立て、総理大臣がOKすれば、住民の安全を守るための道路運送法の許可が無くても、ドローン配達や自動運転車両の開始がOKとなります。

         

         企業が新しいビジネスモデルを構築するとしても、国や法律の規制がネックになっている場合、スーパーシティ法があれば、法律をジャックして自由に早くビジネスができるようになるのです。

         

         しかしここで問題なのは、住民の合意や賛同はどうやって得たのでしょうか?ということです。

         

         ビジネスを行うその区域で、4種類のメンバーからなる区域会議というものが作られるのですが、そのメンバーは下記の通りです。

         

        <4種類のメンバー>

        々餡叛鑪特区担当大臣

        ⊆治体の首長

        事業を実行する企業

        ぅ咼献優垢某爾ご愀犬ある人

         

         上記 銑い涼罎如⊇嗣韻旅膂佞鬚匹Δ笋辰討箸襪里?ということを自由に決めることができます。

         

         例えば市役所や区役所の外に計画を貼り出しておき、3週間反対が出なければ住民合意完了などとすることができてしまうのです。

         

         これはもうプライバシーはどうなるのか?も含め、住民自治もあったものではありません。

         

         2017年10月、カナダのトロントでグーグルの親会社のアルファベット社が、5000万ドルを投資し、ヒトモノカネのすべての動きをグーグルのセンサーで管理するというデジタル都市計画が始まりました。

         

         街のあらゆる場所に隅々までセンサーを入れ、車両交通の流れや大気汚染や街の騒音や、人々がどこからどこに移動して、いつどこで何を買い、どんな病気に罹患してどこの病院で治療を受けて、どのくらいエネルギーを使ってどんなごみを出すのか?すべてグーグルが管理するというのが、カナダのトロントで始まりました。

         

         住民に正しい情報が入って反対派の声が広がり、スーパーシティ構想はプライバシーを侵害することがわかって、グーグルは撤退させられました。

         

         日本ではどうか?といえば、日本共産党の田村智子議員が、新型コロナウイルスで大変な状況なのに、こんな法案を審議するのはいかがなものか?と批判しましたが、内閣府特命担当の北村大臣は「新型コロナウイルスで大変な今だからこそ、スーパーシティ法案をやるべきなんです。」と答弁。この答弁はある意味で正しいです。

         

         なぜならば多くの国民の関心が他に向いているときこそ、スピード可決のチャンスだからです。

         

         大阪では2019年12月から、大阪メトロで顔認証を使った改札機の実験が始まりました。

         

         法案が決まるのは永田町だったとしても、実行される舞台は私たちが住む地域なのです。

         

         そのとき声を上げるのは、市町村の首長で、自分たちの住む地域で今どんな計画が進められているのか?チェックしておかなければ、知らぬ間に規制の網を潜り抜けて、プライバシーが侵害されるようなビジネスモデルが導入されてしまうということが起こります。

         

         

         というわけで今日は「ハイジャック・電波ジャックならぬ法律ジャック!それがスーパーシティ法です!」と題して論説しました。

         いつでもどこでも必要な移動・物流が可能で、キャッシュレスで現金も不要。行政手続きは電子化されて最速となり、個人情報が企業に提供されて医療や介護は在宅サービスがスムーズにできるようになり、子どもは世界最先端のオンライン教育を受け、電気ガス水道も区域内では企業によって管理されるというのが、未来都市の形です。

         一見すると便利に見えますが、その代わりに失うもの、それはプライバシーや主権です。気が付かないうちに法律がジャックされて、規制が緩和され、大事なものを失う危険性があるスーパーシティ法について、多くの人が動向を見守り、注視すべきであると私は改めて思うのです。

         

         

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        兵庫県の行方不明女性の遺体が見つかったヤミ民泊(民泊の問題点とは?)

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          JUGEMテーマ:国内ホテル

           

           今日は、兵庫県三田市の女性会社員が行方不明となり、この女性とみられる切断遺体が見つかった事件について取り上げ、民泊の問題点を指摘し、規制すべきである旨を論じたいと思います。

           

           下記は日本経済新聞の記事です。

          『毎日新聞 2018/02/25 大阪・女性監禁 ヤミ民泊 名簿不要 不明女性は英語堪能

           兵庫県三田市の女性会社員(27)が行方不明になり、大阪市東成区の民泊の部屋に監禁されたとされる事件の捜査で、大阪市内の別の宿泊施設にあったスーツケースから人の頭部が発見された。女性の安否は確認されておらず、むごたらしい遺体の発見状況に、住民や知人らは不安を募らせた。

           頭部が見つかったのは、東成区の民泊マンションから南西に約5キロ離れた西成区の宿泊施設の室内。近所の人によると元々、生活保護受給者らが暮らし、最近になって民泊施設を始めたとみられるという。周辺には同じような宿泊施設が建ち並び、キャリーバッグや大きな荷物を背負った外国人旅行者が多く行き交う。

           インターンシップのために米国イリノイ州から来日し、この施設に2泊する予定で24日夜に到着した男性(23)によると、室内は畳のワンルームで洗面台がある。男性は「仲介サイトで空室を見つけ、1泊1500円と安かったので予約した」と話し「いったい何が起きたのか。ここは危険な場所なのか」と表情を曇らせた。 

           近くに住む建築作業員の男性(63)は「キャリーバッグを持って歩く外国人旅行者は多く、不自然に思ったことはない。怖い」と話した。近くに住むアルバイトの女性(26)は、「この辺りは治安が悪いと聞いていたが、私と同じ女性が遺体で見つかったと聞き怖い」とおびえた様子で話した。

           東成区の監禁現場とみられる部屋は、オーナーの親族が空き室を1室だけ改修し、旅行客を泊める民泊として使われていた。大阪市によると、このマンションは国家戦略特区を活用した民泊制度の認定や旅館業法の許可を受けていなかった。西成区の施設も1月末段階で特区の認定を受けていなかった。合法な民泊では、宿泊者名簿の作成やパスポートの確認が義務付けられているが「ヤミ民泊」なら不要のため、トラブルが懸念されていた。

           行方不明の女性会社員は、2年ほど前に三田市内の勤め先に転職してきた。友人の女性は「年下にも気さくに接してくれた」と安否を心配している。

           友人によると、女性は海外旅行に出かけるなど英語が堪能だったため、会社幹部の秘書をしたり、通訳をしたりしていた。勤務態度は真面目で性格は気さく。友人は「1人でよく海外旅行に行っていた。今回もそうであってほしい」と祈るようにつぶやいた。

           一方、女性の両親が住む兵庫県姫路市内の自宅は、明かりが消え、ひっそりしていた。近くに住む男性(67)は「女性の幼い頃を知っているが、目立たない子だった。こんな事件に遭遇していたとしたら恐ろしい。ご両親は気さくにあいさつしてくれる人だっただけに、容疑が本当であれば犯人を厳罰に処してほしい」と話した。【粟飯原浩、藤河匠、高嶋将之、田畑知之】』

           

           

           上記の通り、行方不明となっていた兵庫県の女性とみられる遺体が見つかった事件で、容疑者の米国人男性は、大阪市東成区、西成区の民泊など複数予約していたと報じられました。

           女性が監禁されたとされる大阪市の民泊部屋、人の頭部が見つかったとされるもう一つの民泊部屋、いずれも無許可・無認可の営業だったとのこと。民泊が日本で解禁されて以来、行政の監督の目が届かない闇民泊というのが各地に広がっているのですが、実体が把握できていないとのことです。

           

           この事件で私たち日本人が考えるべきことは、民泊を認めるか否か?ということで、これは白タクを認めるか否か?という話とも関係します。

           

           民泊でいえば、こうした事件が普通に起こることは予想されていました。合法的な民泊は宿泊者名簿の作成を義務付けていますが、「ヤミ民泊」は不要であるため、こうしたトラブルは予想できていたことだったのです。

           

           ところが規制緩和を推進する規制緩和推進会議では、必ずしもトラブルが起きるわけではないとか、これからはインバウンドが増えるから仕方がないとして、推進してきました。その結果、予想されていたトラブルが発生した、そういわれても仕方がない状況です。

           

           普通の旅館やホテルしかなかった場合、この米国人男性は旅館・ホテルしかありませんでした。他にはマンションを借りるとかあったとして、そもそも借りるのは困難でしょう。

           

           もちろん民泊解禁がなければ、犯罪が抑止できていたか?は、断定できません。他の場所、例えば公園で犯罪を犯していたかもしれませんし、それはわかりません。一つ言えることは、民泊なら楽に予約できる、1泊1500円で安く予約できるということで、犯罪の場所が選ばれてしまったという事実があることです。

           

           これは海外では当然ながらよく起きていたことです。2015年11月13日に発生したパリ同時テロ多発事件は、皆さんの記憶にありますでしょうか?その主犯格が潜伏先として民泊を利用していたと明言しています。

           

           民泊を日本国内で認めるということは、犯罪が起きやすくなるということは最初からわかっていたことです。もちろん、ヤミ民泊と普通の民泊は違うという意見はあるかもしれません。とはいえ、民泊を認めていなければヤミ民泊が実態把握不可能なほど広がることはなかったでしょう。

           

           このヤミ民泊を経営している人も、民泊が許されているから「私もやってみよう!」となった話であり、「民泊は白タクと同じで許されない」という空気があれば、こんなことやっていない可能性の方がずっと高い。そういう意味で、規制緩和の弊害と言わざるを得ません。

           

           民泊は民家・マンションに旅行客を泊める事業ですが、インバウンド増加で来日外国人の増加を予想し、オリンピックに向けて増えていくだろうとして、政府も拡大を推進してきました。特に国家戦略特区を作り、これを活用して民泊を解禁した結果、羽田空港を抱える大田区や、大阪市などの一部の自治体は先行して民泊を認めています。2017年6月に民泊新法という法律が成立し、2018年6月にこの新法により全国で民泊が解禁します。

           

           とはいえ、そもそも外国人観光客が増えているのは、デフレだからです。デフレになると日本の物価は相対的に安くなります。外国人の所得に対して日本の物価が相対的に安くなります。米国人も中国人も欧州人も日本は物価が安いからということで、訪日外国人が増えてきているのであって、これはデフレの弊害、発展途上国化といえます。これで外需が増えてよかったと喜んでいること自体、頭悪くありませんか?と思うのです。

           

           100歩譲ってインバウンドで外国人観光客が増えてきたとして、これに対応するとすれば、通常はホテルや旅館への宿泊を推進すればいいのですが、デフレで増床の投資しようとする人は誰もいないため、仕方なく民泊を推進というシナリオになっています。これはまさにデフレを前提として政策が打たれており、デフレ脱却しようとするベクトルと逆方向です。発展途上国化が促進され、加速しているとしかいいようがありません。

           

           今回の6月の民泊新法では、年間180日以内の営業可能日数や届出・登録を義務付け、規制している面もあります。ただしそれはズルズルとやっては弊害が出るから縛っているというだけの話です。今までやっていないことをやるとなれば、緩和という方向性であることに変わりありません。しかも生産性が向上するのではなく、安価な宿泊所を増やして、既存の旅館業者・ホテル業者の収益を脅かすだけでしかない、悪い規制緩和です。

           

           

           

           

           というわけで、今日は民泊について論説しました。この問題は旅館業・ホテル業が圧倒的デフレ圧力に晒されます。本来デフレ脱却を標榜して誕生した安倍政権が、デフレを促進する規制緩和を行うという真逆なことをやっているのです。大阪市は民泊がものすごい増え、普通の旅館・ホテル業の従業員の賃金がとんでもなく下がっていくしかないでしょう。

           私はイデオロギー的に規制緩和を反対するつもりはありません。例えば、生産性向上のため、AIで1台のトラックが2台以上連結して走行する隊列走行ができるようになるための道路交通法改正だったり、送電網を点検するためにドローンを飛ばすための電波法改正だったり、供給不足を一人当たり生産性の向上につながる規制緩和には賛成です。良い規制緩和の場合は、「需要>供給」が「需要=供給」となった場合には、GDPが拡大しますので賃金UPします。GDP三面等価の原則で生産=支出=分配ですので、生産が増えて賃金UPする、即ち経済成長を促します。

           民泊の場合は、生産性が向上する規制緩和ではなく、単なる競争激化であるため、「需要>供給」が「需要=供給」となった場合に、値下げ競争となるため、GDPが伸び悩み、経済成長を抑制します。イメージ図�を見れば、既存の供給業者の儲けが少なくなるというイメージができるかと思います。

           ホテル業・旅館業は24時間警備などが必要ですが、これを例えばドローンを使ってできるようにするため、電波法を改正するとなれば、従来警備員を何人も手配していたのが、ドローンを活用することで一人当たりの生産性向上ができるようになります。こうした規制緩和であれば、人手不足の解消につながって価格競争もなく、賃金UPに繋がっていくことでしょう。

           規制緩和推進会議で出てくる規制緩和は、ほとんどと言っていいほど、悪い規制緩和が多い。そういう規制緩和は却ってデフレを促進させるだけであることを、多くの日本人に知っていただきたいと思うのであります。

           

          〜関連ブログ〜

          典型的なレントシーキング “マスコミが報じない「民泊の不都合な真実」”


          「規制は悪」で「自由が正しい」という人は、リビアに行きましょう!(ドイツとリビアのグローバリズム)

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            JUGEMテーマ:グローバル化

            JUGEMテーマ:移民

             

             規制緩和や規制強化について、皆さんはどのように思うでしょうか?読者の皆さんは、規制緩和について私が反対論者なのでは?と思われる方がいるかもしれません。私は規制緩和についてイデオロギー的に反対することはありません。生産年齢人口減少を解決するために生産性向上の技術開発を実用する際に遭遇する規制については、緩和は賛成です。逆に単に自由貿易を促進させ、値段を下げるだけの方向に働く規制緩和についてはデフレ環境では反対です。インフレ環境の場合は賛成することもあり得ます。

             私のように、規制緩和や規制強化というテーマ一つとっても、なぜ私がこのような意見を持っているか?といえば、経済=経世済民であり、政府は国民が生活しやすくなるのであれば何をやってもイイという考え方の立場だからです。

             この発想には、財政黒字化のために増税するとかプライマリーバランス黒字化のために支出削減するとか造成するとかいう発想は存在しないのです。

             

             前置き長くなりましたが、今日は規制緩和をテーマとして、ドイツとリビアについて取り上げたく思います。

             

             

             9月に実施されたドイツの総選挙ですが、その後、連立政権の交渉が決裂し、長期政権を築いたメルケル首相が窮地に陥っています。連立政権が組めないとなると、緑の党と組んで少数与党で政権運営する、もしくは再選挙しかありません。

             どちらにしても、安定的な政権運営の維持ができる可能性はゼロに近い状況です。

             

             9月の総選挙でAfd(ドイツのための選択肢)が94議席を獲得して大躍進し、いきなり第3党になりました。代わりに与党のCDU(キリスト教民主同盟)、CSU(キリスト教社会同盟)が議席を減らしてしまったため、自由民主党と緑の党との連立交渉をしたのです。

             自由民主党と緑の党は水と油の関係で、連立を組むことはあり得ません。自由民主党は規制緩和・民営化の企業寄りの政党で、緑の党は真逆の左翼系。日本でいえば、自民党と共産党が連立を組むようなもんです。

             特に移民問題について、緑の党は移民に対して寛容な姿勢である一方、自由民主党は逆の発想なのです。結果的にCDUCSU、自由民主党、緑の党という連立は最初から無理があったのでした。

             

             メルケル首相は、本当ならば社民党を連立に加えたいと考えておりますが、社民党自体が連立に参加しないという方針です。シュタイマイヤーという大統領が、新政権形成の努力をして欲しい旨を表明しましたが、メルケル首相としては、少数与党でいくのか?再選挙するのか?という選択肢しかない状況です。

             

             ドイツの移民問題と少し地理的に離れますが、北アフリカのリビアは無政府状態となっています。このリビアという国は、ある意味で、究極のグローバリズムといえます。政府の規制が一切なくなってしまっています。なぜならば、リビア国内で内戦が起き、政府が秩序維持のために、規制を強化する、新たに規制するといった行動がとれない状況だからです。

             

             結果的にリビアで何が起きているか?アフリカ人が続々とリビアに北上し、自由に密航ブローカーと交渉して続々と地中海を航行してイタリアに渡るというビジネスが勃興しているのです。政府が規制なしで人の移動の自由を認めるというのは、グローバリズムが描く理想の一つです。その結果、リビアでは奴隷交易が行われているのが実態です。アフリカ人が捕まり、奴隷としてアフリカ人に売られるという状況になっているのです。自由なので何でもありな結果といえます。

             

             政府の規制緩和推進について、冒頭で申し上げた通り、私はイデオロギー的に反対するつもりはありません。とはいえ、規制緩和を究極に進めていくと、今のリビアと同じ状況になります。人間の人権が守られず、全部お金、ビジネスの商品として人間が扱われます。

             

             日本では人権があるかのようにみえますが、派遣法改正という規制緩和により、非正規雇用の労働者が増えています。正社員は人件費ですが、派遣社員は物件費であり、まさに人をビジネスの商品として扱っているのです。

             

             リビアは完全な自由な国で、何をやっても自由ですが、結果はすべて自己責任です。リビアの密航ブローカーは、移民難民を一人当たり日本円で20万円を受け取って、イタリアに送り出しています。20万円といえば、アフリカ人にとって、かなり高い金額です。

             

             とはいえ、ゴムボートで沈んでも生命の補償はありません。なぜならば、自己責任だから。かつて西アフリカからアフリカ人が大量に米国大陸に奴隷として売られた歴史がありましたが、それと同じなのが今のリビアといえます。

             

             

             というわけで、今日は規制緩和について取り上げ、ドイツとリビアで起きている事象を紹介しました。グローバリズムが素晴らしいという識者、例えば竹中平蔵がその筆頭と思いますが、行き過ぎたグローバリズムは問題があると私は考えます。すべて規制する、すべて自由にするという両極端な話ではなく、日本国民が暮らしやすい環境となるようにするため、規制と自由のどのあたりに位置を置くのがベター・ベストなのか?という議論を、政治家らがしていただきたいと思うのです。

             私は、規制緩和は正しく、規制強化が悪ということを言いたいわけではありません。そうした極論を論説で、自由が素晴らしいというのであれば、一度リビアにでも行ってみてはいかがでしょうか?と言いたくなるのです。


            刑務所の民営化は、正しいのか?

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              JUGEMテーマ:経済全般

              JUGEMテーマ:郵政民営化について

               

               皆さんは、刑務所がPFI(プライベート・フィナンシャル・イニシアチブ)を活用して既に民営化されているという事実をご存知でしょうか?三井物産などの商社などが刑務所の運営権を持って運営しているという事実をご存知でしょうか?

               実は刑務所は既に民営化されています。今日は「刑務所の民営化は正しいのか?」と題し、日本国内における犯罪検挙率が低下しているという事実と合わせ、私見を述べさせていただきたいと思います。

               

               

               下記は警察庁のホームページに記載の平成28年度警察白書の統計資料のエクセルファイルを、私が編集したもので、日本国内における平成23年〜平成27年までの間の、犯罪認知件数・検挙件数・検挙率をグラフ化したものです。

               

              (出典:警察庁のホームページ「平成28年警察白書」より)

               

               

               この資料を見て、皆さんいかがでしょうか?棒グラフを見れば一目瞭然ですが、日本は犯罪認知件数が毎年減少していまして、治安は改善されているのです。これは社会的にみて大変すばらしいこと。なぜならば犯罪が減少し、犯罪者も減っているということだからです。

               

               一方で言論の世界では、こうした事件がありますと、ワイドショーテレビ番組などで、「いや日本では、凶悪化が進んでいる!」「少年犯罪が増えている!」などと論じる識者と呼ばれる人々がテレビに登場します。こうした人たちは、何を根拠に主張されているのでしょうか?

               下表は、平成19年〜平成28年までの少年犯罪の検挙人員数の推移です。

              (出典:警察庁ホームページ「犯罪情勢」より)

               

               この表を見れば、これまた一目瞭然で、14〜19歳にしても、20歳以上にしても、検挙人数は減少し、人口当たりの割合も減少しています。

               こうした統計数値を見る限りにおいて、日本は犯罪が減少している国といえます。ワイドショーで出てくる識者と呼ばれる人々は、データも見ないでウソ・デタラメを並べ立てる評論家です。

               

               ところで、こうした統計数値をみた読者のみなさんは、犯罪が減って、犯罪者が減るとなると、刑務所の刑務官(公務員)が暇になるということが理解できるでしょうか?なぜならば、収監者が少なくなって仕事が減るからです。公務員が暇になるとなったとき、読者のみなさんはどう思われるでしょうか?

               

               おそらく「刑務所で働く刑務官が暇になっているなんて、なんて素晴らしい国なんだ!」と思う人と、「刑務所で働く刑務官が暇になっているなんて許せない。給料泥棒だ!」と憤る人と、二つに分かれるような気がします。

               

               そして、前者は公共サービスを理解している人であり、後者は公共サービスを理解していない人です。公共サービスを理解しない人は、刑務所を「PFIにすべきだ!」「株式会社にすべきだ!」と主張されるでしょう。またその主張は「善意」に基づいて、「それこそが日本のためだ!」と思われていると考えます。

               

               この場合、刑務所を民営化することで、利益を得る誰かが必ず存在します。そして民営化をすることでビジネスとなって儲かるがゆえに、参入障壁を低くすべく規制緩和を働きかけるという動き、これをレントシーキングといいます。レントシーキングが問題なのは、安全保障上利益追求してはいけないものまでもが、利益追求することになってしまうことで、安全保障の弱体化につながるということです。

               

               例えば、刑務所を株式会社化した場合、株式会社は利益追求します。

               刑務所株式会社は、当然ですが、

              ●売上を拡大するために刑務所の稼働率を高めたい

              ●刑務所の収監者を、超低賃金で派遣労働に出したい

              となります。この場合、予算の源である税金を払う国民が損をします。逆に国民が損しないようにするためには犯罪者が減ることなのですが、その場合は刑務所の稼働率が低くなって刑務所株式会社が損します。また、他の民間派遣会社と刑務所株式会社とで派遣会社の料金競争が発生し、他の派遣会社が損をします。

               

               本来、犯罪が減って刑務官が暇になるということは、社会的に素晴らしいことなのです。ところが刑務所株式会社となれば、雇用が安定した公務員ではなく、刑務所株式会社の従業員となり、賃金も公務員より減少する可能性があるわけです。もし、売上が増えて従業員の賃金が増加するということは、犯罪者が増加することとなります。

               

               もし、刑務所株式会社が儲けるために稼働率を引き上げるインセンティブ(移民が入ってきた方が犯罪者が増えて稼働率が上がるのでよいなどのインセンティブ)が働くとしたら、国家としては極めて異常と言わざるを得ません。

               

               

               というわけで、今日は規制緩和に関連して、刑務所の民営化をテーマに意見しました。既に日本では刑務所が民営化されてしまっています。刑務所の刑務官が公務員である方がいいですし、その公務員が暇なことは、大変すばらしいことだと思います。逆に刑務所組織までもが民営化して利益追求となると、変なインセンティブが働く危険性もあるわけです。例えば、移民受入して、言葉が受け入れられず、犯罪を犯して収監者が増える方が望ましいなんて考え方もあるわけです。もちろん私は賛同できませんが。

               また、警察庁の数字やデータをみますと、(自称)評論家と呼ばれる人々が言うほど、日本の治安が悪くなっているわけでなく、むしろ犯罪は減少しているという事実も理解できるかと思います。日本の警察は極めて優秀だといえるのではないでしょうか。

               そして「日本は輸出立国である!」「中国とうまくやらないと経済が立ち行かない」「韓国とは経済的につながりが深い!」といったウゾ・デタラメ論を吐く人は、数値やデータを見ていないのです。こうした論説に騙されないよう、今後も様々なテーマを取り上げ、皆さんに数値やデータをご紹介したいと思います。


              レントシーキングについて!(格差を作る方法とは?)

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                JUGEMテーマ:経済全般

                JUGEMテーマ:レントシーキング

                 

                 皆さんは、「レントシーキング」という言葉をご存知でしょうか?今日は「レントシーキング」について触れ、格差の作り方をご説明したいと思います。

                 

                 私は2013年5月23日〜2013年5月27日にミャンマーのヤンゴン市に行きました。

                 

                <ヤンゴン市内の様子 

                (写真:杉っ子が撮影)

                 

                <ヤンゴン市内の様子◆

                (写真:杉っ子が撮影)

                 

                 ミャンマーといえばアウンサンスーチーさん(1991年ノーベル平和賞受賞)が有名です。そして親日国でイギリスの植民地でした。ヤンゴン市内ではアウンサンスーチーの父親のアウンサン将軍が、日本の軍服姿を着て馬に乗っている像をあちらこちらで見ることができます。

                 

                 ヤンゴン市内を車で移動すると、朽ち果てたマンションが密集する貧困地帯と、道路一つ挟んだところに「大豪邸」が建っているという景色を頻繁に見ることができます。日本ではあり得ない規模の大豪邸です。米国のビバリーヒルズの場合は、富豪やハイウッドスターなどの豪邸が集まっているのですが、ミャンマーのヤンゴン市内の場合は、貧困層と富裕層が隣り合わせで住んでいます。

                 

                 ミャンマーの極端な所得格差をもたらした原因、それは政商という存在です。米国ではロビーストといいます。日本でいえば、産業競争力会議のメンバーや規制改革推進委員らといったところでしょうか?政商とは、政治家と結びついた企業家や投資家のことをいいます。法律や認可で既得権益を新たに保有して、独占的・寡占的に巨額の所得を稼ぐ人々を意味します。

                 

                 ポイントは政治と結びついて既得権益を新たに保有するという部分です。例えばミャンマーでは、海外からの輸入は認可制でした。一般のミャンマー国民が勝手に海外から製品を輸入することはできず、政府(当時は軍政府)の許可が必要でした。軍政府の関係者に「賄賂」を使って取り入り、ミャンマーへ製品輸入の権利を獲得した一部の政商が、独占的に輸入業を営むことで、巨万の富を築き上げることができたのでした。何しろ、政府の認可がなければ輸入業ができないため、政商は軍政府の関係者とうまくやることで、過剰利潤を獲得し放題にできたのでした。もちろん認可を出した軍政府の関係者も大いに個人としての富を増やすことができました。

                 

                 例として中古車輸入ビジネスがあるのですが、私がヤンゴン市内でみたのは、多くの日本の中古車でした。ミャンマーの道路は右側通行なのですが、日本の中古バスのドアは左側です。左側のドアを壊して開けたままの状態で、中古バスがヤンゴン市内のあちこちで走っていたのを見かけました。もちろん新品の韓国の現代自動車製のバスも走っていますが、数としては圧倒的に日本の中古車の方が多かったです。

                 

                 日本製品は壊れにくい。現代自動車の乗用車は新車であっても雨漏れするという話があったりしますが、もともと日本製品は海外では中古でも欲しがられるほど需要があるようで、親日国のミャンマーも例外ではないと思いました。

                 

                 そして日本の中古車に対する需要が大きいミャンマーで、中古車輸入を独占することができれば、これはもう間違いなく巨万の富を築くことができます。

                 

                 例えば軍政府の関係者と結びついたミャンマーの政商が、1万円(1万JPY≒12万MMK(ミャンマーチャット))の中古車を輸入し、国内市場で3万円(36万チャット)で販売したとします。ミャンマーチャットで通貨を考えた場合、12万チャットで輸入した中古車を36万チャットで消費者に販売したとすれば、政商には24万チャットの利益が転がり込みます。ビジネスを独占して競争がなければ、輸入価格の2倍の租特を稼ぐことができるのです。

                 

                 ミャンマー国内に日本製の中古車の需要がある限り、ミャンマー国民は政商に暴利を献上し続けなければなりません。なぜならば、ミャンマー国民に別の販売者から日本製の中古車を購入する選択肢がないからです。

                 

                 この選択肢がないという状況こそ、政商側に圧倒的な利益をもたらすのです。もし、政商の過剰利益獲得を防止したい場合、政府が打つべき政策は「規制緩和」になります。

                 日本製の中古車の輸入ビジネスを自由化して、市場競争を激化させることで、政商の過剰利益が減少し、国民が得することができるのです。

                 

                 表題のレントシーキングとは、正に上述の「企業が独占利益や超過利益を獲得するためのロビー活動」という定義になります。特に米国では公共サービスが民営化され、消費者側に選択肢がない状況でサービス価格引き上げを容易にし、一般消費者から公共サービスに投資した企業や投資家への所得移転が拡大しました。結果的に米国では所得格差が広がりました。

                 

                 厄介なのは、公共サービスの民営化によるレントシーキングを企てる投資家や企業家は、「市場競争」や「規制緩和」をお題目として掲げることです。「市場競争こそ重要だ!」という口車に乗って、政府が公共サービスの民営化を推進すると、一部の投資家や企業家が独占的に所得を稼ぐ「市場競争がない環境」が逆に作り上げられてしまうのです。

                 

                 公共サービスに対するレントシーキングは、日本でも既に推進されています。例として挙げれば、電力サービスにおける発送電分離、農協改革などです。この手の改革は、果たして誰のための改革なのか?市場競争が正しかったとしても、国家としては安全保障が崩壊して間違った政策になっているということが起こり得るのです。

                 

                 

                 というわけで、今日はレントシーキングというものを取り上げました。発送電分離でいえば、ビジネス参入を狙っていた企業家らは得した半面、発電施設を保有する電力会社は損し、送電網などの設備にかける費用が抑制されたり、自然エネルギーを高価格で買い取る一方で安定稼働する火力発電所が低稼働になるという形で、電力供給が不安定になります。電力供給が不安定になるということは、今後、日本でも停電が頻繁に発生し得るという状況になります。エネルギー安全保障の弱体化=日本国民の損失です。

                 イデオロギー的に規制緩和が悪と決めつけるつもりはありませんが、レントシーキングに対しては、デフレインフレという経済環境と、安全保障の弱体化につながらないか?をよく議論し、規制緩和を行うべきだと思うのです。国益が損なわれるとするならば、規制緩和ではなくむしろ規制を強化した方がいい場合もあるわけです。

                 ところが、「自由競争が常に正しい」という考え方でいきますと、こうした発想にならず、規制緩和を進めた結果、むしろ国力は弱体化します。そこに気付いたのが、米国のトランプ大統領であり、イギリスのメイ首相であり、オーストラリアのターンブル首相であり、フランスのマリーヌルペンといった政治家です。

                 日本の政治家の中で、彼らのような発想を持っている政治家の存在を私は知りません。そして、そうした政治家が不在である状況が、日本を発展途上国化させるという不幸な状況を作り上げていると、私は思うのであります。


                規制改革推進会議から出てくるデフレ推進の法律

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                  JUGEMテーマ:経済全般

                   

                   今日は、規制改革推進会議についての話題を取り上げます。

                   まずは日本経済新聞の次の記事です。

                   

                  『2017/5/23 21:03 読売新聞 客室数の下限規制撤廃を答申…規制改革推進会議

                  政府の「規制改革推進会議」(議長・大田弘子政策研究大学院大教授)は23日、観光や長時間労働是正などに関する規制緩和策141項目をまとめた答申を安倍首相に提出した。

                   観光分野では、2020年東京五輪・パラリンピックに向けた訪日観光客の増加に対応するため、旅館業法施行令で旅館は5室以上、ホテルは10室以上とする客室数の下限規制の撤廃を盛り込んだ。

                   答申は旅館業法について「過剰な規制は事業者の創意工夫を阻む」と指摘。和室は布団、洋室はベッドと定める寝具規制や、「受付台は1・8メートル以上」などとする玄関帳場の数値規制なども撤廃を促した。

                  後略)』

                   

                   上記の通り、規制改革推進会議で、5/23に141項目をまとめた答申を安倍総理に提出しました。

                   その中で社会保障改革、働き方改革などが取り上げられていますが、大玉が少なく、成長の底上げには力不足であることは否めないと報じされています。

                   

                   例えば、介護保険と保険外サービスを組み合わせるとか、限定正社員制度を導入するなど、経済成長のための底上げには不十分というわけです。当たり前ですね。デフレ脱却に、そして経済成長に一番つながるのは、政府支出を増やすことなわけですから。

                   こんな基本も知らず、むしろデフレ下で供給力を増やす方向の規制改革をすれば、更にデフレが進んでいくことになる。

                   需要が不足しているのに、供給力を増やす規制緩和をしてどうするのでしょうか?

                   この程度のことも知らないで、太田弘子だか何だか知りませんが、政策研究大学大学院教授が務まるのですから、ダメなのだと思うわけであります。

                   

                   

                   観光分野で、2020年の東京オリンピックに外国人観光客の宿泊需要に対応するため、旅館は5室以上、ホテルは10室以上という客室数の下限規制の撤廃を盛り込んでいます。

                   

                   デフレだから値段を下げないと稼働率が減ってしまうという状況で、需要が増えることはイイこと。

                   客室数の下限規制の撤廃という旅館業法の修正は、新規参入したいけど「5室以上なんて規制は嫌だ!」という人のための法律改正です。既存の旅館ホテル業者が儲かる規制改革ならともかく、既存の業者のライバルを増やせば、必ず価格競争することとなり、デフレ圧力が高まるわけです。

                   せっかくデフレギャップが埋まろうとしているのに、あえて供給能力を増やす規制緩和をしてデフレギャップを作りに行くというのは、アホか?と言いたくなります。

                   

                   だいたい規制改革推進会議から出てくる法律は、ほとんどが胡散臭いです。どうせ誰かのビジネスになるための法律だからです。

                  民泊の問題が典型ですが、トラブルが発生したとき、だれが責任を取るのでしょうか?民泊のあっせん会社は絶対に責任取りません。

                   

                   マンションにお住いの人、それも分譲マンションに住んでいる方、いつ何時空き家だったのに知らない人がいっぱい入ってきてという状態が発生するかもしれません。そしてトラブルが起きた時、責任問題は不明瞭なままの状態なのです。

                   

                   

                   というわけで、今日は規制改革推進会議が安倍総理に答申を提出したニュースを取り上げました。特に民泊は問題があり、日本の街並みを壊していく可能性があって、民泊の解禁には慎重になるべきであると思います。(参照ブログ:典型的なレントシーキング “マスコミが報じない「民泊の不都合な真実」”

                   しかもオリンピック開催による需要増でインフレギャップが発生しようとするところに、なぜデフレの今の状態で、デフレギャップを作りに行くのか?という問題点を指摘いたしました。

                   既存のホテル・旅館業者の投資を促すために交通インフラを整備するとかやれば、デフレ脱却しますが、新規参入で供給力を増やす形での規制緩和を推進するのでは、デフレ脱却が遠のくということも改めて申し添えます。


                  典型的なレントシーキング “マスコミが報じない「民泊の不都合な真実」”

                  0

                    今回は「レントシーキング」について意見します。

                    【1】「レントシーキング」の定義
                     付加価値が増えるわけでもないのに、既存の業者のパイ(マーケット)を価格競争により新規参入させる動きをレントシーキングと言います。我が国では、再生可能エネルギー法による電力販売会社、薬事法改正によりインターネットで薬が販売できるようにするといった動き、PFI・コンセッション方式によるインフラ事業への民間会社参入(例えば空港運営会社や刑務所運営会社などの民営化)されていますが、これらも典型的なレントシーキング。

                     フランスの失敗例を見れば、民泊推進は慎重な議論が必要と考えます。私はイデオロギー的に規制緩和を反対するつもりはありませんが、デフレに苦しむ我が国において、価格競争を強いる規制緩和を推進すれば、既存のホテル・旅館業者らが、価格競争でサービス価格引下(名目GDP減少)となり、稼働率低下(実質GDP減少)となります。

                     宿泊先は客が選ぶものですが、民泊はほとんど経費やイニシャルコストがかからず、多くの脱税を生み、業界の雇用を奪い、必要な人が普通に住む環境を不当な競争によって破壊する可能性があります。
                     フランスのホテル職業産業連合の試算によれば、規制なし・監査なしの安全面放置(警察用登録シート無、警備体制の盲点)、24時間管理体制の不在、消費者保護の為ホテルに課される義務が民泊には不在。ホテル事業者の粗利益が売上の5%10%程度なのに対し、民泊の場合は60%70%となるとのこと。

                     これだけ粗利率が違えば、既存のホテル・旅館業から見れば、脅威であることに違いません。このように付加価値が増えるわけでもないのに、既存の業者のパイ(マーケット)を価格競争により新規参入させる動きをレントシーキングと言います。

                    【2】民泊推進はデフレ促進策
                     貸す側の賃料を得られるメリット=消費者が安く宿泊できるメリットとはいえ、各種法規制の対象外で、規制なし・監査なしの安全面放置、24時間管理体制の不在。ホテル・旅館業という免許により管理という規制があって警備会社の警備、フロントの人の雇用もしくはそれらの人に代わるロボットの設備投資(ロボットのメンテナンス投資)が生まれますが、民泊の場合は雇用や設備投資につながりにくい。民泊参入者に雇用や設備投資に求めれば利益が減るので、参入予定者側からすれば反対するでしょう。

                     こうした観点で雇用や設備投資増につながらず、付加価値の増加につながらず、既存のパイを脅かすだけの規制緩和には、デフレに苦しむ我が国において急ぐ必要が全くないものです。GDP的には、新規参入者のGDPが増えても、既存ホテル・旅館業者とホテル・旅館業の規制に関連する業者のGDPが減り、行って来いになるだけ。しかも既存業者は一人当たりGDPを減らすことになります。

                     例えば人手不足を補うために、「測量技術やインフラ点検の打音検査でドローンを活用」となると、ドローンを遠隔操作するために無線法の規制を緩和することが必要になります。上記のドローン活用のための規制緩和は、物・サービスが安く買われるといった価格競争に影響しません。むしろ測量作業について一人で5人分、10人分の仕事ができるようになり、一人当たりGDP向上となり、GDP3面等価の原則で賃金UPいたします。生産年齢人口減少の我が国にとって有益な規制緩和です。

                     ホテル・旅館業においても、新幹線延伸エリアを中心に新築開発してロボットによる受付、ドローンを使った警備などで、24時間管理体制などの規制をクリアしていけば、安心と安全で快適な宿泊施設の供給と、そこに携わる業者のみんながWINWINになります。私は上述と比べれば民泊推進は有益な規制緩和ではないと思うのです。

                    【3】フランスでの失敗事例
                    以下はHARBOR BUSINESS Online から引用です。

                    世界一観光立国からの「警鐘」
                    2016317日、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の招聘で、フランスのホテル&レストラン関連業界団体を招き「基調講演 テーマ:民泊の不都合な真実 〜世界最大の観光大国フランスで起こっていること」と題した緊急フォーラムが東京都内で開催された。フランスからは、ホテルGNI会長のディディエ・シェネ氏らが参加した。
                    「もうフランスはAirbnbにやられてしまった。日本はまだ間に合う、フランスと同じ轍を踏まないでほしい」
                    世界一の観光立国であるフランスから、なぜこのような悲痛の声が上がったか?
                    「フランスで民泊と言えば、Airbnbを指して差し支えない状況ですが、現在フランスでは1日に1軒のホテルが廃業か倒産に追い込まれているのです。」(シェネ氏)

                    パリを襲ったホテル廃業と住宅難の渦
                    問題はホテル業者だけでない。
                    「アパートなどの所有者がより利益の上がる民泊営業に物件を回したため、パリ市内の家賃相場は数年で急上昇。民泊物件へ回すために賃貸契約の約25%が契約更新されず、住民は住居を失い高額な物件を探してやむなく賃貸し直すか郊外へ引っ越しを余儀なくされた。特に観光客が多い地域では、住民が減り学級閉鎖に陥る学校も出ています。」(シェネ氏)

                     民泊は既存業者を脅かすだけでなく、我が国の街づくりにも影響を与えます。自由貿易(米韓FTANAFTA等)やユーロ通貨統一など、世界の失敗に学ぶものは数多くあるのですが、民泊もまた世界の失敗事例に学ぶものの一つであると思います。


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