MMT理論の批判言説を評価する!

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     財務省のMMT理論のプロパガンダもさることながら、一般人の中にもMMT理論を批判する人がいます。そうした人々らに対して、改めて鉄槌を喰らわせたいという思いから、今日は「MMT理論の批判言説を評価する!」と題して論説します。

     

     MMT理論のポイントの一つに、インフレを恐れてはいけないとする考え方があり、私もこれには賛同の立場です。何しろ資本主義は、デフレでは経済成長することができず、インフレでなければならないからです。その時考えるべきは、適切なインフレ率、即ち国民が生活しやすいインフレ率は、何%なのか?ということです。

     

     例えば2%〜3%のインフレ率ならば恐れる必要は全くなく、むしろ健全といえます。私はその状態をマイルドなインフレという表現をするのですが、マイルドなインフレであれば、物価上昇よりも名目賃金の方が増えていく可能性が高くなり、実質賃金が高くなることにつながりやすくなります。雇用も増え、実質賃金が増えるとなれば、直接税が増えて、やがて財政赤字は縮小されていくことでしょう。

     

     むしろ財政黒字にすらなることもあり得ます。バブル期がそうでした。

     

    <プライマリーバランスの推移(1980年〜2017年)>

    (出典:政府財政統計より数値を引用)

     

     

     こうした統計事実があるにもかかわらず、MMT理論をネガティブに批判し、しかもその批判内容が全く批判になっていないということに気付かない有識者も多い。

     

     そのため、批判言説を例にとって徹底的に反論したいと思います。

     

     

    〜批判言説 嶌眄赤字の拡大は、インフレを招く」〜

     MMTは財政赤字を拡大すれば、インフレを招くことを認めており、全く問題のない話で、この批判言説には同意します。デフレ脱却するためにはインフレにする必要があるわけで、結果財政赤字にする必要があるという帰結になります。

     したがって「インフレを招くのはいいの?」という批判的な問いに対して、「今の日本がデフレだから問題ない」という回答になります。デフレ脱却するということは、インフレにするということなので、財政赤字の拡大が、その答えだと言っているようなもんです。

     

     

    〜批判言説◆嶌眄赤字の拡大を認めたらインフレが止まらなくなる」〜

     MMT理論の是非とは全く関係がありません。単なる事実誤認で、インフレを止める現実的な政策は、いくらでもありますし、マイルドなインフレは、むしろ健全な経済状況です。

     また、憲法83条に財政民主主義というのがあります。これは国家が財政出動する場合は、国民の代表から構成される議会の議決が必要であるとする考え方で、憲法83条がその考え方の根拠とされています。そのため財政出動そのものを否定する言説は、憲法第83条の財政民主主義を否定していることと同じです。

     

     

    〜批判言説「財政赤字の拡大は民間貯蓄の不足による金利高騰を招く」〜

     「民間の貯蓄が不足すると金利が高騰する」というのは、全くあり得ません。MMT理論は、民間の貯蓄の増減で金利が上昇・下落するというプロセスに一切関わりがありません。これもまた単なる事実誤認といえます。

     

     

    〜批判言説ぁ孱唯唯圓虜蚤腓侶念材料であるインフレをどう防ぐのか?」〜

     日本が減税や歳出増で財政を拡張しても、現時点で供給不足によるインフレに近づいている状況にありません。そもそもインフレは問題なのか?ということと、マイルドなインフレは許容すべきなのでは?と思うわけです。

     仮に3〜4%のインフレ率が続く状況があったとしても、財政支出して長期停滞から脱却した方がいいのではないでしょうか?

     日本は「失われた20年」と言われていますが、それは財政出動を一切増やさなかったことに加え、インフレを極端に恐れたことも一因です。

     

    <OECD33か国の財政支出伸び率とGDP成長率の分布(1997年〜2015年の伸び率を年換算>

    (出典:衆議院議員安藤裕と語る会で配布された資料の一部で、島倉原氏が作成したものをそのまま抜粋)

     

     上記グラフの通り、財政支出の伸び率とGDP成長率は相関関係があることがよくわかります。OECD加盟国33か国中、GDP成長率0%となっているのは、我が国だけです。

     

     

     

     というわけで今日は「MMT理論の批判言説を評価する!」と題して論説しました。

     安倍政権は残念ながら政府の中にお金を貯め込むことが日本国民の幸せになると勘違いしている最悪の緊縮財政政権です。政府の中にお金をどれだけため込んでも、GDP3面等価の原則でいう生産=支出=所得のどれにも該当しません。

     家計簿の発想で国家を考える一般人もまた、家計のようにお金を貯めることが善だという発想で、国家の財政運営を考えています。

     そうした人々らが正しい事実を理解すること、これ以外に解決策はないものと思い、MMT批判論に反論させていただきました。

     

     

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       今日は「”MMT理論よ!お願いだから、引っ込んでくれ!”と恐れる構造改革論者と緊縮財政論者」と題して、MMT理論を改めて取り上げます。

       

       本ブログの読者の皆様であればご存知のMMT理論ですが、MMTは自国通貨建ての国債のデフォルトはあり得ないことを証明した経済学説です。

       

       財務省は、MMTに対してものすごい反論をし、プロパガンダ活動をやっていますが、MMT理論についてはほとんど触れておらず、権威のある経済学者の発言をずらーと並び立て、MMT理論への批判するという手法をとっています。

       

       例えば、2008年にノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマンやジェローム・パウエルFRB議長やローレンス・サマーズ元財務相長官といった経済学で権威がある人らが発するMMTへの批判論を並べ立てているのです。

       

       以前にも紹介したことがあるかと思いますが、具体的に財務省の反論手法を知っていただきたく、一部を抜粋して原文を皆様にご紹介します。

       

      ■2019年3月15日 黒田日銀総裁会見

      MMTというのは、最近米国でいろいろ議論されているということは承知していますが、必ずしも整合的に体系化された理論ではなくて、いろいろな学者がそれに類した主張をされているということだと思います。そのうえで、それらの方が言っておられる基本的な考え方というのは、自国通貨建て政府債務はデフォルトしないため、財政政策は、財政赤字や債務残高などを考慮せずに、景気安定化に専念すべきだ、ということのようです。

       

      ■ポール・クルーグマン ニューヨーク州立大学、経済学者 2019年2月12日 ニューヨークタイムスへの寄稿

      債務については、経済の持続可能な成長率が利子率より高いか低いかに多くを左右されるだろう。もし、これまでや現在のように成長率が利子率より高いのであれば大きな問題にならないが、金利が成長率より高くなれば債務が雪だるま式に増える可能性がある債務は富全体を超えて無限に大きくなることはできず、残高が増えるほど、人々は高い利子を要求するだろう。つまり、ある時点において、債務の増加を食い止めるために十分大きなプライマリー黒字の達成を強いられるのである。

       

      ■ジェローム・パウエル FRB議長 2019年2月26日 議会証言

      自国通貨で借りられる国にとっては、赤字は問題にならないという考えは全く間違っている(just wrong)と思う。米国の債務は国内総生産(GDP)比でかなり高い水準にある。もっと需要なのは、債務がGDPよりも速いペースで増加している点だ。本当にかなり速いペースだ。歳出削減と歳入拡大が必要となるだろう。

       

      ■ローレンス・サマーズ 元財務相長官 2019年3月4日 ワシントンポストへの寄稿

      MMTには重層的な誤りがある(fallacious at multiple levels)。まず、政府は通貨発行により赤字をゼロコストで調達できるとしているが、実際は政府は利子を払っている。全体の貨幣流通量は多いが、政府によってコントロールできるものではない。第2に、償還期限が来た債務を全て貨幣創造し、デフォルトを免れることができるというのは間違っている。幾つもの途上国が経験してきたようにそうした手法はハイパーインフレを引き起こす。インフレ税を通じた歳入増には限界があり、それを超えるとハイパーインフレが発生する。第3に、MMT論者は閉鎖経済を元に論じることが典型的だが、MMTは為替レートの崩壊を招くだろう。これはインフレ率の上昇、長期金利の上昇、リスクプレミアム、資本逃避、実質賃金の低下を招くだろう。・・・保守にとってもリベラルにとっても、そんなフリーランチは存在しない。

       

      ■ウォーレン・バフェット バークシャー・ハサウェイCEO 2019年3月15日 ブルームバーグインタビュー

      MMTを支持する気にはまったくなれない(I'm not a fan of MMT − not at all)。赤字支出はインフレ急上昇につながりかねず、危険な領域に踏み込む必要もなく、そうした領域がどこにあるのか正確にはわからない。(We don't need to get into danger zones, and we don't know precisely where they are.)

       

      ■ジャネット・イエレン(前FRB議長) 2019年3月25日 クレディ・スイス主催アジア投資家会議

      現代金融理論(MMT)は支持しない(not a fan of MMT)。この提唱者は何がインフレを引き起こすのか混乱している(confused)それ(MMT)は超インフレを招くものであり、非常に誤った理論(very wrong-minded theory)だ

       

      ■クリスティーヌ・ラガルド(IMF専務理事) 2019年4月11日 記者会見

      MMTが本物の万能薬だとわれわれは思っていない。MMTが機能するようなケースは極めて限定的である。現時点でMMTが持続的にプラスの価値をもたらす状況の国があるとは想定されない。(理論の)数式は魅惑的だが、重大な注意事項がある。金利が上がり始めれば(借金が膨張して)罠にはまる。

       

       財務省連中の執念はすごい。というより自分たちのメンツがつぶれるため、彼らも必死なのです。

       

       冒頭に日銀の黒田総裁の発言をご紹介していますが、黒田日銀総裁はMMT理論については、自国通貨建ての国債はデフォルトしないという考え方に基づき、財政赤字や国債発行残高云々といっていますが、基本的には「自国通貨建ての国債はデフォルトしない」と発言されています。

       

       本来、財務省がMMTを否定するならば、黒田日銀総裁の発言の「自国通貨建ての国債はデフォルトしない」を否定しなければなりません。

       

       ところが「自国通貨建ての国債はデフォルトしない」を否定することはできません。

       

       なぜならば、2002年に財務省は外国の格付け会社に向けて、「自国通貨建ての国債はデフォルトしない」と意見書を出しています。因みに、その意見書を出したのは、現在の黒田日銀総裁が、財務官だった時に出したものです。

       

       黒田日銀総裁がどう考えているか?は別にしても、財務省がMMTを反論する資料に記載の黒田日銀総裁の発言の「自国通貨建ての国債はデフォルトしない」を否定しなければなりません。

       

       しかしながら否定できないわけで、なぜならば「自国通貨建ての国債はデフォルトしない」ということは、事実だからです。

       

       財務省がどれだけ批判しようとも「自国通貨建ての国債はデフォルトしない」が間違っているという証明はできません。そのため、権威者の発言を持ち出し、MMTについていろんな人に批判させたり、全然関係ない資料や言説を持ち出して、「日本の財政は悪化しているよ!」と主張しているのです。

       

       問題はもっとずっと簡単な話で、権威者によるMMT理論の批判など、正直なところどうでもいい話であって、「自国通貨建ての国債はデフォルトしないの?するの?」という話です。

       

       杉っ子こと、私は”デフォルトしない”という立場で論説していますが、財務省は”デフォルトする”といっており、それを証明しなければならないのですが、証明することができず権威者のネガティブ発言を並び立ているにすぎないのです。

       

       これはある意味で財務省が追い詰められているともいえます。

       

        突如として現れたMMT理論ですが、自国通貨建ての国債のデフォルトはあり得ないという単なる事実であって、新しい経済学説でも何でもありません。

       

       ところが、デフレを放置し、今もなお日本国民の多くが苦しむ中、歳出抑制や増税を唱え、「国民に不人気な政策でも消費増税はしなければならない!」などと演説してきた国会議員らが、「今さら財政危機はありませんでした。ゴメンナサイ!」とは言えません。

       

       また財政出動で簡単に経済成長して、米国のように経済成長して、人々の賃金がUPして暮らしが豊かになったら、構造改革の口実がなくなってしまいます。

       

       MMT理論でいう「預金は負債が生み出しているという事実」が信用創造の真実で基本なのですが、そんな基本を知らなかったなど、権威者(経済学者、経済評論家、国会議員、財務省職員)や、構造改革を訴えてきた人、財政危機を煽ってきた人らからみれば、「今さら言えるかよ!そんなこと。頼むからMMT理論は、お願いだから引っ込んで欲しい!」と思っているに違いありません。

       

       

       というわけで今日は「”MMT理論よ!お願いだから、引っ込んでくれ!”と恐れる構造改革論者と緊縮財政論者」と題して論説しました。

       

       

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      乗数効果について

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         今日は「乗数効果について」について論じたいと思います。

         

         私は、よくマクロ経済でいう「GDP3面等価の原則」について、例外なく一致するとしてブログでもよく取り上げさせていただいております。

         

         GDP3面等価の原則とは、生産面のGDP=支出面のGDP=分配面のGDPです。この数式からいえることは、消費を増やせばGDPが増えるということ。そしてその消費とは、個人でも政府でも企業でもよいのですが、ここでは個人消費に限定したいと思います。

         

         今みなさんが、今月から毎月の月給が10万増えるとしたら、どのようにされるでしょうか?

         

         10万のうち5万は使って5万は貯金する、あるいは8万を使って2万を貯金する、あるいは2万を使って8万を貯金するなどなど、バリエーションは無限にあるわけですが、仮に8万を使って2万を貯金するといった場合、限界消費性向=8/10と表すことができます。

         

         限界消費性向という言葉は、なかなか聞き慣れないでしょうし、聞いたことがあるという人であってもとっつきにくい概念です。一応、言葉の定義としては所得が1増加した場合に消費に回る割合のことを指します。

        端的にいえば所得が10万円増加した場合の消費の増加分を限界消費性向といいます。いわば「もっと消費したい(=お金を使いたい)」という気持ちがどのくらいあるか?という数値です。

         

         逆に10万円増加した場合に2万円を貯蓄するという状況は、限界貯蓄性向=2/10と表すことができます。限界消費性向と限界貯蓄性向の合計は必ず1となります。

         

         では標題の乗数効果とは、どういうものでしょうか?経済成長のGDPとの関係では、下記式となります。

         GDPの増分=乗数(※)×投資の増分

         ※乗数=1÷(1−限界消費性向)

         

         この数式は、例えば限界消費性向が0.8だった場合、乗数=1÷(1−0.8)=1÷0.2=1÷(2/10)=10/2=5と使います。この5という数字の意味は、1投資をした場合、5GDPが増えるということです。即ち限界消費性向が0.8であれば、投資1の増分に対して5経済成長できるということになりますが、これが乗数効果です。限界消費性向が0.8ならば、1万円が1万円の所得ではなく、1万円が5万円もの所得になるのです。

         

         それでは限界消費性向を0.95にした場合はどうでしょうか?

         

         乗数=1÷(1−0.95)≒1÷0.05=1÷(5/100)=100/5=20となります。先ほどと同様に20という数字の意味は、1投資した場合、20経済成長できるということになります。乗数効果は20倍ということになり、1万円が20万円の所得を生み出すということになります。

         

         したがって消費性向が0.80→0.95に高まれば、乗数は高くなるということがいえます。

         

         ここでもう一つ貯蓄=投資となることをご説明申し上げます。家計分野においては、消費と貯蓄という概念がありますが、企業の場合は消費ではなく投資になります。機械設備を買う場合は投資というのがイメージしやすいと思います。企業が原材料を購入する場合においても消費ではなく投資といいます。実際に内閣府のホームページのGDPの公表値は、在庫投資という表記でカテゴライズされています。

         

         所得=消費+貯蓄が家計分野だとすれば、企業分野は所得=貯蓄となります。

         

         パンが1個100円だったとして仕入原価20円とし、1個パンが売れた場合のケーススタディで考えてみましょう。

         

         企業所得=売上100円−仕入原価20円=80円

         企業投資=仕入原価▲20円(在庫が1個減るため)

         企業消費=0円

         企業貯蓄=企業所得=80円

         

         個人所得=0円

         個人投資=0円

         個人消費=100円

         個人貯蓄▲100円=個人所得0円−個人消費100円

         

         

         企業所得と個人所得を合わせると下記の通りとなります。

         

            企業所得   消費者

         所得=  80円 +  0円 = 80円

         投資= ▲20円 +  0円 =▲20円

         消費=    0円 +  100円 = 100円

         貯蓄=  80円 +▲100円 =▲20円

         

         これは個人が20消費すると、社会全体の所得が20となることを意味します。貯蓄▲20円=投資▲20円となっていることがご理解できるかと思います。

         

         貯蓄=投資となることをご理解いただいた前提で、次の図をご紹介します。

         

        <図1:貯蓄=投資で一定として、社会全体の貯蓄とGDPと限界貯蓄性向の関係を表したグラフ>

         

         上図1は、社会全体の貯蓄とGDPと限界貯蓄性向の関係を表したグラフです。貯蓄=投資という関係については先述させていただいた通りです。投資曲線が一定であれば貯蓄も一定となります。

         ところが、限界貯蓄性向を高めるとどうなるか?将来不安などでもっと貯金をしたいとする人が増えた場合、限界貯蓄性向は左へシフトします。

         

        <図2:限界貯蓄性向を左シフトした場合>

         

         上図2の通り、限界貯蓄性向を左へシフトするとGDPは減少します。即ちGDPは減少します。

         逆に貯蓄せずに、もっと消費したいという消費者が増えた場合はどうでしょうか?即ち限界貯蓄性向が右シフトした場合はどうなるでしょうか?

         

        <図3:限界貯蓄性向を右シフトした場合>

         

         

         上図3の通り、GDPは増加します。

         

         私たちは、つい倹約に努めようとします。あるサイトでオールアバウトが運営する”あるじゃん マネープランニング”見ていますと、ファイナンシャルプランナーの方が、しきりにどう貯蓄を増やしていくか?的なことを、相談者に対して指導しています。

         

         ところが消費者個人が倹約にどれだけ励んだとしても、企業が倹約して内部留保をしたとしても、社会経済全体には何の意味も持ちません。むしろ限界消費性向が高まれば投資した場合の乗数も大きい。この場合の投資は企業の投資でなくても政府支出による投資(インフラ整備、科学技術投資、災害防災投資など)でも同様です。

         

         こうしてグラフを理解し、乗数効果の意味を理解できれば、消費者個人が貯蓄に励み、企業が内部留保を積み増すということが、不況に拍車をかけることは明白に理解ができるのではないでしょうか?

         

         逆にみんながお金を使えば、限界貯蓄性向を右シフトすることとなり、貯蓄は減らず増えもしませんが、所得は増えることになります。

         

         個々一人一人、一企業一企業ではデフレ環境ということもあり、貯蓄や内部留保をすることは正しいのですが、政府までもが投資せず、消費を削減するという緊縮財政をしてしまえば、GDPは全く増えません。このように個々について正しいことを、すべての人が行うことでカタストロフィを引き起こすことを「合成の誤謬(ごびゅう)」といいます。

         

         デフレが続けば社会の限界貯蓄性向は高まります。デフレ脱却し、多くの人々が「貯蓄しなくて消費して問題ない!」とお金を使い始めれば、たとえ限界貯蓄性向が低くても、どんどんお金を使ってGDPを高まるため、結果的に自分の所得が増えて貯蓄増加につながるのです。

         

         というわけで今日は乗数効果についてご説明し、限界消費性向、限界貯蓄性向との関係について論説しました。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                              

         

         

        〜関連記事〜

        借入金の否定=資本主義の否定(信用創造機能とは何か?)

        「合成の誤謬(ごびゅう)」を打破するのは政府しかない!

         

         

         


        グローバル輸出で稼ぐというのは、自国の繁栄を他国の犠牲の上に作るエゴむき出し政策です!

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          JUGEMテーマ:経済成長

          JUGEMテーマ:グローバル化

           

           今日は「グローバル輸出で稼ぐというのは、自国の繁栄を他国の犠牲の上に作るエゴむき出し政策です!」と題して論説したく、下記の順で論説します。

           

           

          1.デフレ・インフレは需要過不足説である!

          2.総供給曲線と総需要曲線

          3.経済成長に外需を伸ばすのは重要ではない(むしろ外需を伸ばそうとすると戦争になります!)

           

           上記の順で説明し、「経済成長するためには外需を伸ばさなければ・・・!」とする論説に反対し、むしろ外需はオマケくらいに考えるのが適当であることを理解していただたく、また各国が外需主導に励むと、最終的には戦争になる可能性が高くなるということを知っていただきたいと思います。

           聞きなれない用語も出てくるかもしれませんが、なるべく平易な言葉に置き換えてご説明しますので、頑張ってついてきてください。

           

           

          1.デフレ・インフレは需要過不足説である!

           

           デフレと聞くと、皆さんはどう思うでしょうか?給料が伸び悩んでいる状況であっても、給料が伸びている状況であっても、物価が下がるのは別に悪いことではないのでは?と思われる方もいるかもしれません。何しろ、給料が伸び悩んでいる人であれば、物価が下がるというのは、それだけ家計が助かるということであって、その気持ちもわからなくはありません。給料が伸びている人の場合は、物価が下がるとなれば、その分、物を多く買ったり、サービスを多く買ったりすることができ、場合によっては貯金を殖やすこともできます。 

           

           デフレ・インフレは、物価の価格変動をいいます。学説では需要過不足説と、貨幣量説があるのですが、私は前者の立場です。

           

           そもそも企業が儲かりやすい環境とは、どんな状況でしょうか?

           

           それはインフレで物価が上がっている環境であれば、儲かりやすい状況といえます。物価が上がれば企業は儲かりやすいのです。だから物価が上がれば企業は潤い、労働者を雇用します。即ち物価水準が定まれば、必然的に雇用量が決まるということにもなります。

           

           では、物価の上げ下げを決める要素とは何でしょうか?

           

           消費者が節約して物を買わなくなることが社会全体で続くとモノの値段が下がり始めます。即ち物価とは需要と供給のバランスでき増します。もし、供給過剰というモノ余りかつ需要も冷え切っているとなれば、モノの値段が下がり続けてデフレとなります。

           

           

           

          2.総供給曲線と総需要曲線

           

           ここからはグラフを使って、総供給曲線と総需要曲線についてご説明します。

           

           下記グラフは、総供給曲線と総需要曲線のイメージと定義であり、それらを組み合わせたグラフも掲載しております。

           

           

          <総供給関数をグラフにしたもの>

           

           

           総供給曲線とは、企業がNだけ人を雇用して、Φ個モノを売ったら(Φ回サービスを売ったら)、Z売り上げるということで、社会がモノを売る力(サービスを売る力)を意味します。

           

           

           

          <総需要曲線をグラフにしたもの>

           

           総需要曲線とは、企業が労働者に給料をNまでなら払えると思い、消費者はモノにfまでなら出せるということで、社会が喜んでお金を使おうとする気分を意味します。

           

           

           総供給曲線と総需要曲線を合わせると下記のグラフになります。

           

          <総供給曲線と総需要曲線を合わせたグラフ>

           

           上記グラブの通り、総供給曲線と総需要曲線の交点で物価水準と雇用量が決定されることが導き出せます。仮に今不況だったとして失業者が多いという状況において、完全雇用を目指すとした場合、完全雇用が達成するまで雇用量Nを増加(右へシフト)させるためには、総需要曲線を上にシフトする必要があります。

           

           

          <総需要曲線を上にシフトしたシミュレーション>

           

           

           よく「セイの法則」「アダムスミスの国富論」でいわれるのは、供給が需要を生み出すとする論説です。物を作れば、それ自体が需要となるという考え方なのですが、私はこの考えは支持しません。上記のグラフの通り、需要が供給を生み出すのです。総需要曲線を上にシフトすると、労働雇用量はN1→N2と右にシフトします。それと同時に物価水準も上昇してインフレになります。この需要のことを「有効需要」というのですが、有効需要が増大すれば、失業問題が解決します。

           

           それに加え、労働規制でかつてのように正社員しか認めず、期間限定雇用である契約社員、派遣社員という制度を規制すれば、安定した正社員の雇用が増える形での完全雇用となります。

           

           今の安倍政権について、マスコミは失業率が低下しているということをアベノミクスの成果とする言説がよくみられます。とはいえ、失業率が低下しているのはアベノミクスとは関係ありません。単に日本の人口構造である高齢化社会によって生産年齢人口が減少しているという環境であることが理由であることにすぎません。

           

           いわばアベノミクスなどやらなくても失業率は低下します。雇用の数字でいえば、雇用の質が問題です。「有効需要」を増大して、労働雇用量を増やしたとしても、規制緩和で期間限定の従業員の採用を認めてしまえば、雇用が安定せず賃金も伸び悩みますし、雇用の期間打ち切りを恐れて、消費を増やすことはできず、消費は伸び悩むことになります。

           

           

           

          3.経済成長に外需を伸ばすのは重要ではない(むしろ外需を伸ばそうとすると戦争になります!)

           

           先の図では景気がいい場合、政府支出を増大させて総需要曲線を上にシフトしなくても、民間需要で総需要曲線が上にシフトします。

           

           GDPは下記で構成されます。

           

           GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出

           ※純輸出=輸出−輸入

           税収=名目GDP×税率×税収弾性値

           

           上記数式の通り、貿易も重要なGDP構成要素と思いがちです。とはいえ、貿易を各国が伸ばそうとすると、最終的には戦争になる可能性があります。

           

           経済学で平和を実現するとまでは言えませんが、戦争の原因のひとつを解消するには、各国が内需シフト(内需主導の経済へシフト)することが必要です。

           

           皆さんに少し考えていただきたいのですが、日本が海外貿易によって経済成長して繁栄を勝ち取ろうとした場合、自国のモノを外国にどんどん買ってもらうことが必要です。他国にモノをたくさん買ってもらえれば、その他国からお金がどんどん入ってきます。その結果、お金の供給量が増えて利子率が下がり、民間投資が促進され、国内の有効需要が増大して好況となります。

           

           これはいいことづくめのように見えるでしょうし、仮にも自国のモノを安い海外製品から守るために輸入を制限すれば完璧です。

           

           しかしながら逆の立場になって考えた場合、自国のモノは外国に輸出しても高関税で外国でなかなか売れず、国内には安い海外製品が出回り、お金がどんどん外国に吸い取られるとなれば、日本国内の有効需要が低下して物価も下がって不況になります。

           

           何がいいたいかと言えば、一国の貿易黒字は、他国の貿易赤字になるということです。

           

          <貿易黒字国と貿易赤字国>

           

           

           貿易黒字国の黒字額がほどほどならまだいいのですが、貿易黒字額がとてつもなく巨大となれば、それは自国の不況を海外に輸出していることと同じです。

           

           上記のグラフの通り、仮にも日本が輸出で多額の黒字を稼ごうとした場合、多額の輸出で物価水準を引き上がって好景気になった分、貿易赤字国は多額の輸入で物価水準を引き下げられて大不況になります。

           

           日本は大不況を海外に輸出するという国家でいいのでしょうか?競争の結果だから仕方がない、自己責任というのがグローバリズムの発想ですが、いわばこれは自国の繁栄を他国の犠牲の上に作るというエゴむき出しの政策であるともいえるのです。

           

           第二次世界大戦は、まさに各国が自国の市場を守るため、さらに拡大するために殺し合いました。愚かな戦争を二度と起こしてはいけないとするならば、各国は輸出を伸ばすのではなく、自国で有効需要を増大させて自国の経済を改善することに注力するべきでしょう。

           

           

           というわけで今日は「グローバル輸出で稼ぐというのは、自国の繁栄を他国の犠牲の上に作るエゴむき出し政策です!」と題して論説しました。

           本題では輸出を増やすよりも自国の需要を増大させることが大事である旨を論じたわけですが、人口減少する日本は輸出で伸ばすしか食っていけないという間違った言説があります。これは戦争になる可能性があるから間違っているというのではなく、経済成長とは人口の増減とは相関関係がないのです。

           確かに日本のGDPの6割は個人消費であるため、人口減少はGDPに影響が及ぶようにみえます。とはいえ、日本は災害大国で資源がない国であるため、防波堤防潮堤地震対策や、火山噴火予測やゲリラ豪雨予測ができるようになるための科学技術など、政府支出の需要が無限に無尽蔵にあるのです。

           仮にそうした需要を無視したとして、無駄な需要を創出したとしても、それはそれで不況の場合は、政府が仕事を創出することで雇用や賃金が改善に向かいます。エジプトのファラオがピラミッドを作ったことなども、大変な無駄だったかもしれません。ですが、エジプト文明でナイル川が増水する時期には、働くことができないため、その間、ピラミッドを作る仕事を創出したと考えることもできます。

           今回取り上げた理論は、いわゆるケインズ経済学なのですが、デフレ脱却に苦しむ今の日本を救うにはピッタリの経済理論ではないかと私は思うのです。


          「リカードの比較優位論」の欺瞞と国際貿易(池上彰の間違った解説!)

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             今日はアカデミックに、経済理論の一つである「リカードの比較優位論」について述べたいと思います。頑張って付いてきていただきたく思います。

             

             よく通商政策において、TPPや二国間協定(FTA)を締結すべきであるという論説の根拠に、経済理論の一つ「リカードの比較優位論」を持ち出す人がいます。「池上彰のやさしい経済学」においても、「リカードの比較優位論」を根拠に、TPPに参加すべきと結論付けていたため、これに対して理論的に反論したいと思うのであります。

             

             

             

            1.リカードの比較優位論とは?

             

             リカードとは人の名前です。イギリス人の経済学者、デビット・リカード氏が発見したとされる貿易の大原理です。コンセプトは自国の得意とする生産に特化して、それ以外は貿易によって供給すれば、貿易している国同士が各財について、最大の生産ができるので貿易を推進するべきだ!という考え方に基づきます。

             

             リカードはアダム・スミスの『国富論』に影響を受け、自由貿易を唱えました。2国間で貿易すると両国に非常に大きなメリットがあるということを発見したとされています。

             

             もし皆さんが、「リカードの比較優位論によれば、自由貿易は常に正しい」と言われた場合に、比較優位論を理解していない人は、全く反論することができないでしょう。

             

             「リカードの比較優位論」とは、各国が比較優位にある財・サービスの生産に特化して輸出入をすることで、労働生産性が高まり、各国国民がより多くの財・サービスを消費することが可能になるので両国にメリットがあるというものです。

             

             比較優位論を理解するためのポイントは、「比較優位」という言葉にあります。比較優位というのは「日本は中国に比べて、自動車の生産性が高い」という話ではありません。

             

             例えば損害保険業界の営業現場の仕事で考えた場合、大雑把に下記2種類の仕事があります。

            営業=保険を売るトーク・企画を含めたスキル全般

            事務=保険契約の申込書を正しく作成して計上を行うスキル全般

             

             例えば私が、営業も事務も業務プロセス全般を把握していて、営業も事務も事務職の女性よりも生産性が高い、即ち「得意」だったとしましょう。その場合、私は事務員を雇用せず、営業と事務の2つの仕事を自分でこなすべきでしょうか?

             

             そうはなりません。雇われた事務員は、事務業務をこなすことはできても、営業することは全くできません。この場合、営業という仕事を基準にすると、事務員は事務業務に対して私よりも「比較優位にある」という話になります。

             

             結果、私は営業に専念し、事務は事務員に任せた方が、全体の「仕事の生産量」が増える、即ち労働生産性が高まるということになります。これが比較優位論です。

             

             これを国の話に戻しましょう。比較優位論の際に頻繁に例として出されるのは、イギリスとポルトガルの貿易例です。イギリスは綿製品、ワインという2つの財の生産について、共にポルトガルよりも生産性が高いです。ポルトガルは綿製品よりもワインは得意分野であり、日本で初めてワインを飲んだのは織田信長なのですが、ポルトガル産のワインだったと伝えられています。

             

             この場合、綿製品を基準にしますと、ポルトガルはワインの生産についてイギリスよりも比較優位にあります。イギリスが綿製品、ポルトガルがワインの生産に特化して、互いに生産された財を輸出入し合うことで、イギリス・ポルトガルの両国民の綿製品・ワインに対する生産量=消費量が最大化されるのです。

             

             

             

            2.比較優位論をケーススタディで理解を深める

             

             比較優位論について、ケーススタディで考えてみましょう。

             

             

             上記は、日本と中国の2か国で、コメと自動車をそれぞれ生産しているということで作ったケーススタディです。

             

             上表を解説すると以下の通りです。

            ●日本はコメについて、労働者100人で1000の生産をしている。自動車については、労働者100人で500の生産をしている。

            ●中国はコメについて、労働者100人で900の生産をしている。自動車については、労働者100人で300の生産をしている。

            ●日本と中国で生産水準を比較すると、中国は自動車生産において日本の60%、コメ生産において日本の90%の水準の生産量となっている。中国はコメ生産を基準にした場合、自動車生産と比較して優位にある。

            ●中国は比較優位にあるコメ生産に労働者100人をシフトし、日本はコメ生産の労働者100人のうち80人を自動車生産にシフトする。

            ●中国は自動車生産量が300減少する一方でコメ生産量が900増加する。

            ●日本はコメ生産が800減少する一方で自動車生産が400増加する。

            ●日中両国合計でみると、コメ生産で労働者が20人増加してコメ生産量が100増加し、自動車生産で労働者が20人減少する一方で自動車生産量が100増加した。

            ●結果、生産量は、合計でそれぞれ100ずつ増加することができた。(コメ生産量:1900→2000、自動車生産量:800→900)

             

             このように比較優位論によれば、日中がお互いに比較優位にある財の生産に特化して、貿易を推進すれば、生産量も消費量も増えてハッピーになるというわけです。

             

             

             

            3.「リカードの比較優位論」の決定的な欠陥

             

             一見すると、生産量が増えて消費が増える点で素晴らしく思える「比較優位論」ですが、複数の決定的な欠陥が存在します。

             

             例えば、イギリスとポルトガルが、それぞれ比較優位にある「綿製品」「ワイン」の生産に特化します。あるいは日本と中国が、それぞれ比較優位にある「自動車」「コメ」の生産に特化します。そして互いに輸出入します。この場合、確かにイギリス・ポルトガルの両国が消費する「綿製品」「ワイン」は増え、日本・中国の両国が消費する「自動車」「コメ」は増えます。

             

             とはいえ、2国間同士の比較優位が「国民の豊かさ」に貢献するためには、複数の条件を満たす必要があるのです。

             

             一つ目はイギリス・ポルトガル、あるいは日本・中国で、「完全雇用」が成立しているということです。そもそも比較優位論は「非・自発的失業者」の存在を前提にしていません。失業者は自発的失業者だけで、完全雇用が成立しているという場合、自由貿易は比較優位論により「失業者の増加」というデメリットは生じません。とはいえ、現実の世界で完全雇用が成立している国は、どれだけあるでしょうか?

             

             二つ目は特定の財・サービスの生産に従事している労働者が、自由貿易の影響で失業したとしても、「次の瞬間」に別の職業に就業できるという前提です。労働者という「生産要素」が国内の産業間を自由に移動できて、そのための調整費用が掛からないことが前提になっています。例えばイギリスでワイン生産に従事していた労働者が、自由貿易で廃業したとしても、次の日から綿製品の工場で働き、生産力を発揮できるという仮定になっているのです。当たり前の話として、どのような職業であっても、個々の生産者が生産性を最大限に発揮するためには、ある程度の技術・ノウハウの蓄積が必要です。自動車生産にしても、コメ生産にしても同様で、「良い製品を、安く生産する」ためには、生産者各人が働き続け、自身にいろんなノウハウ・技術・技能・スキル等を蓄積する必要があります。「リカードの比較優位論」では、こうした「人材のノウハウ・技術の蓄積」というものを無視しているのです。

             

             三つ目は各国間の資本移動が「ない」というもので、イギリスの綿製品製造企業がポルトガルなどの他国に工場を移転することはなく、逆も然りで、ポルトガルのワイン製造メーカーが、他国に拠点を移転させることもないという前提になっています。資本移動の自由が規制できない今日の世界において、これは決して成立し得ません。

             

             四つ目は一番重要な欠陥なのですが、「国民の消費が増えることが正しいこと」という前提に立っていることです。GDP3面等価の原則でいえば、国民の消費が増える=国民の生産量が増える=国民の所得が増えるなのですが、それはすべて国内で賄われた場合に限定されます。一番初めに例を挙げた保険の仕事でいえば、同じ組織内であれば有効で利益追求の観点からも正しいため、ワインと綿製品もイギリス国内で、コメも自動車生産も日本国内でやれば、正しいかもしれません。しかしながら国家で考えた場合、輸入した分は、自国民の生産ではなく、自国民の所得にもなりません。GDPは輸出入は、純輸出のみカウントされます。それだけでなく、日本のように財・サービスを生産する供給能力が、需要に対して過剰になっているデフレギャップが生じている場合、重要なのは「雇用」「所得」を増やすことであって、財・サービスの生産能力を拡大することではないのです。

             

             フランス人の経済学者でジャンパティスト・セイが、市場の価格調整機能によって「生産能力」が「需要」を創出するといういわゆる「セイの法則」というものを唱えましたが、常に物が売れるという状態の「セイの法則」が成立している場合、比較優位論は正しいです。とはいえ、デフレ期にはそもそも「セイの法則」が成立していません。この世に「生産を増やすことが善にはならないデフレという時期」が存在するという現実を、自由貿易や「リカードの比較優位論」を信奉する経済学者らは、決して理解しようとしないのです。

             

             このように「リカードの比較優位論」の決定的な欠陥は、「供給能力が過剰になり、生産量増加が『善』にならないデフレ期が存在する」という事実を前提にしていない点が、最大の欠陥です。「セイの法則」が成立しない時期があるということを改めて認識する必要があるのです。

             

             

             というわけで、今日は「リカードの比較優位論」について述べました。需要<供給というデフレギャップで、需要不足に悩む国が「生産量」を増やしてしまうと、デフレが深刻化するだけです。TPP推進派の人々は、TPPのメリットについて、農産物の価格が下がることであると、口を揃えていいます。デフレ環境下にある日本が、自由貿易で農産物の価格を引き下げたら、デフレが悪化するだけです。

             ところがTPP推進派は「個別物価と一般の全体物価は異なるため、TPPで農産物の価格が下がっても、全体的な物価が下がるわけではないため、デフレ悪化することはない」と反論します。彼らは「自由貿易」で消費者が農産物を安く買ったとしても、余ったお金を必ず別のモノ・サービスの購入に回るから、自由貿易によって物価水準を引き下げることにはならず、デフレを深刻化させることはならない旨の反論をするのです。

             こうした人たちには、誠に申し訳ないのですが、この世の中には、預金や借金返済という貯蓄というものがあります。1000円のコメをTPP締結後に300円で買ったとして、余った700円で全てのモノ・サービスの購入に必ず充当されるというのであれば、全体的な物価が下がることはありません。とはいえ、700円の一部または全部を預金に回してしまうと間違いなく一般物価は下がり、デフレが悪化します。

             またTPPで外国から農産物の攻勢を受けて、国内の農業が廃業していったとして、失業した農家が次の瞬間には別の職業に就くことができるということも、現実的な話ではありません。

             安全保障という観点からも国力強化という点でも、食糧、医療、防災、エネルギーなどは他国からの輸入ではなく、自国で賄うべきでもあります。

             こうしたことから「リカードの比較優位論」を根拠に自由貿易が正しいとする論説は、徹底的に反論したくなるのです。

             

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            名目GDPと実質GDPとGDPデフレータを完全理解しよう!

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               今日は、名目GDPと実質GDPの違いについて改めてご理解をいただきたく、名目GDP、実質GDP、GDPデフレータの3つの指標について考えたいと思います。

               

               まず経済成長とは?どういうことなのでしょうか?

               実質GDPがプラスになることといって正しいのですが、日本の場合はデフレーションの進行と実質GDP成長が同時並行しています。そのため指標の見方について理解しておく必要があります。

               

               GDPとは、生産であり、支出であり、所得でもあります。「GDP3面等価の原則」により、必ずそうなります。これは例外がありません。

               

               GDPが増えているということは、生産が増えていることであり、支出(=消費)が増えていることであり、所得が増えているということを意味します。

               物・サービスを買う量が増えて、所得が増えているということであれば、確かに「豊かになっている」と皆さんも実感がわくのではないでしょうか?

               

               GDPを見る場合、名目GDPはデータが取れますが、実質GDPは計算をしないと取れません。

               

               ケーススタディとしてパンを生産するということを考えてみましょう。

               

               

              <ケーススタディ 

              【前年度第4四半期:100円のパンを100個生産した】

              100円×100個=名目GDP10,000円

              【当年度第4四半期:110円のパンを100個生産した】

              110円×100個=名目GDP11,000円

               

               このケーススタディ2つをみるとわかりやすいのですが、単にパンの価格が100円→110円と10円上昇しただけで、生産量は100個のままで増えていません。仮にケーススタディのように、名目GDPが10,000円から11,000円に増加し、10%成長しましたといわれても、本当に豊かかどうかはわかりません。何しろ数量が増えていないのですから。

               

               というわけで実質的に豊かになっているのか?をみる場合は、110円と100円の差である10円の物価上昇分、即ちインフレ分は控除しなければなりません。そしてこのケーススタディでの前期と当期でインフレ率10%となり、これがGDPデフレータ=10%となります。正の数字で10%となれば、物価上昇でインフレという状況です。

               

               インフレ率10%を差し引き、100円×100個=10,000円となりますが、これが実質GDPになります。

               

               実質GDPは計算しないとわかりません。理由は、ケーススタディのように、パンのような個数であれば統計が取れますが、サービスの場合は個数では測量できないからです。

               

               そこで実質GDPを算出するためには、まず名目GDPとインフレ率(=GDPデフレータ)の統計を取ります。名目GDPとGDPデフレータの統計がとれれば、「実質GDP=名目GDP/GDPデフレータ」で実質GDPを算出することができます。

               

               ケーススタディ,任い┐弌⊆村腺韮庁个浪宍の通り算出できます。

              ●当年度名目GDP=11,000円、

              ●GDPデフレータ=1.1(=110%=インフレ率10%)

              ですので、実質GDP=名目GDP11,000円÷GDPデフレータ1.1=10,000円

               

              こうして、

              ●名目GDP=11,000円(前年比10%増)

              ●実質GDP=10,000円(前年比0%)

              となり、名目GDP前年比△10%、実質GDP前年比±0%です。パンを買う個数が増えたわけではなく、単に10%物価上昇しただけですので、豊かさを実感できません。

               

               また実質GDPは、このように計算しないとわからないのです。もし、物・サービスの生産量(消費量)が増えていれば、実質GDPは増えます。

               

               

              <ケーススタディ◆

              【前年度第4四半期:100円のパンを100個生産した】

              100円×100個=名目GDP10,000円

              【当年度第4四半期:110円のパンを110個生産した】

              110円×110個=名目GDP12,100円

               

              このときGDPデフレータ=1.1(=110円÷100円) 実質GDP=12,100円÷1.1=11,000円

               上記の通り、実質GDP11,000円と算出できます。

               

               こうして、

              ●名目GDP=12,100円(前年比21%増)

              ●実質GDP=11,000円(前年比10%増)

               となります。

               

               この場合、名目GDP前年比△21%、実質GDP前年比△10%ですので前期と比べて給料が21%増加し、パンも10個多く買うことができたということですので、これは豊かになっているといえるのです。

               

               

               というわけで、今日は名目GDPと実質GDPについてご説明しました。実質GDPが増えるということは豊かになっているといえるのですが、最近の経済指標では困ったことに、実質GDPは増えているのに、GDPデフレータがマイナスになってしまうという事象が起きています。この事象については、また取り上げたいと思います。


              大相撲初場所で優勝した栃ノ心の母国、ジョージアという国について

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                JUGEMテーマ:大相撲

                 

                 今日は大相撲初場所で、14勝1敗で見事優勝を納めた栃ノ心の母国、ジョージアという国について論説します。

                 

                 皆さんは、ジョージアという国が、旧ソビエト連邦共和国から独立した国であることをご存知でしたでしょうか?昔のグルジア共和国なのですが、2014年10月25日に、グルジアのマルグベラシビリ大統領と首相官邸で会談し、安倍首相が共同記者発表で「大統領から国名変更の要望をいただき、日本政府としてその方向で検討していくこととした」と述べ、「グルジア」から「ジョージア」への国名表記の変更に応じたのです。以降、グルジア共和国でなく、ジョージアと表記するようになりました。

                 

                 なぜ私がジョージアという国を取り上げたか?それは、ジョージアは、世界で最も人口減少のペースが早い国であるにもかかわらず、経済成長している国だからです。

                 

                 よく評論家や識者と呼ばれるエコノミスト、アナリストらの中に「日本は人口が減少するから経済成長ができない」と論説する人がいます。こうした論説は、読者の皆様の中にも正しいと思われる方が居られるかと思います。その方に敢えて問いたいですが、ではジョージアは、なぜ経済成長できたのでしょうか?

                 

                 下表は2000年〜2015年にかけて、人口減少国をペースが早い順に左から右へ並べたものです。

                (出典:IMF)

                 

                 上記で人口減少率の高い国の上位3か国と、先進国代表のドイツ、日本の全5か国についてみてみましょう。

                 

                 人口減少ハイペース順にみますと、

                 ジョージア:人口減少率16.6% 平均経済成長率5.7%

                 ラトビア :人口減少率14.9% 平均経済成長率4.3%

                 リトアニア:人口減少率14.3% 平均経済成長率4.3%

                 ドイツ  :人口減少率0.7% 平均経済成長率1.3%

                 日本   :人口減少率0.1% 平均経済成長率0.8%

                 

                 どうでしょうか?人口減少率が最も速いスピードのジョージアですが、15年間の平均経済成長率は5.7%です。すると「それは発展途上国だから伸びしろが多いからでしょ?」という反論があるかもしれません。この人たち「知ったかさん」です。

                 

                 日本の高度経済成長期のとき、経済成長率は10%前後で推移していました。同じころ、日本以外の先進国は5%前後の経済成長でした。ところが、西ドイツの経済成長率は当初10%前後で、日本と同じくらいの経済成長だったのです。

                 

                 当時の高度経済成長期のことを、ドイツでは「経済の奇跡」、フランスでは「栄光の30年間」と呼んでいます。それでも日本の経済成長の半分の数値で、2000年〜2015年のジョージアの平均経済成長率とほぼ同じ水準の経済成長率でした。

                 

                 特に西ドイツは「経済の奇跡」の序盤は、経済成長率10%に近かったのですが、その後は低下して他の欧州諸国並みの5%前後にまで低下したのです。

                 

                 この日本と西ドイツ、他の欧州諸国との違いは、どこにあったのでしょうか?日本は戦後、何しろ本土空爆で焼け野原の状態でした。だから発展途上国と同じで伸びしろが大きかったと思われる方もいるでしょう。ところが、欧州もイギリス以外は日本並みに焼け野原状態でした。

                 日本の場合は、東京大空襲や原爆投下で都市や工場を破壊されましたが、欧州は地上戦の戦場だったのです。

                 

                 同じように焼け野原から奇跡の経済成長をする日本と欧州諸国ですが、10%前後の高い経済成長が維持できた日本と、日本の経済成長率の半分程度しか経済成長できなかった欧州諸国には、どのような違いがあったのでしょうか?

                 

                 答えは簡単で、移民を受入れたか?受け入れなかったか?です。経済成長は「需要>供給」のインフレギャップ時かつ「需要−供給」の値が大きい時、即ち需要が十分にあるとき、生産性向上のための投資をして、インフレギャップを埋めた時に経済成長します。

                 移民を受入れるなどの外国人労働者の投入は生産性向上ではありません。しかも、外国人労働者の投入は、ほとんどのケースで生産性向上の投資なんて成功するか不明だから面倒だけど、外国人労働者だったら安く雇えてすぐに供給力を増強できると考えて雇用するため、国民の賃金の伸びが抑制されるのです。

                 

                 国民の賃金の伸びが抑制されますと実質賃金の伸びも抑制し、需要が十分に膨らまないため、生産性向上が必要となる「需要ー供給」の値が大きくなりません。即ちインフレギャップの圧力が弱まります。

                 

                 要は移民受入は、経済成長を抑制するのです。高度経済成長期の日本は、米ソ冷戦の真っ最中で、地政学的にも周りが海に囲まれ、移民が入ってこない状態でした。それが幸いして、経営者は人を大事にせざるを得ない状況となり、雇用が安定化しました。結果的に1960年以降の高度経済成長期の完全失業率は1.5%に達したことがほとんどない状態だったのです。

                 

                 日本国民は生産者として企業で働き、自らの中に技術・技能・スキル・ノウハウを蓄積し、人材に育っていきました。企業は人材育成だけでなく、設備投資も積極的に行います。

                 設備投資自体が消費ですので、当然消費が増えます。生産性向上した結果、一人当たりの賃金も増えます。それがまた消費拡大に繋がります。こうして高度経済成長期が長期間にわたって継続しました。

                 

                 話を戻して、2000年以降の日本とジョージアとの差は何か?バブル崩壊を経験していないからといえます。バブル崩壊をすると、バブル崩壊前に資産を借金で購入した人々が、一斉に借金返済し始めます。借金していない人々も将来不安で貯金を増やし始めます。借金返済と貯金増加は、消費でも投資でもないため、GDPカウントされません。即ち経済成長を抑制するのです。

                 

                 ジョージアもバブル崩壊すれば、借金返済と貯金増加という環境になるでしょう。その状態でジョージア政府が緊縮財政を始めたら、「はい!”デフレ国家”の出来上がり!」です。

                 

                 

                 というわけで、今日は大相撲初場所で優勝した栃ノ心力士の出身国ジョージアという国を紹介させていただきました。2000年〜2015年の間で最も人口減少率が早いペースの国ですが、経済成長は高度経済成長期の欧州諸国と同じ5%水準を達成してきました。人口の減少と経済成長は相関関係はありません。人口が減少しても、政府や企業が投資・消費をすれば普通に経済成長します。

                 日本は成熟国だからジョージアとは異なるという意見もデタラメです。何しろ日本は災害大国であるため、災害から国民の生命・財産を守るという需要は無尽蔵にあります。地震だけでなく、火山の噴火もあります。大雪豪雪もあれば、津波や大洪水も発生する。そんな災害のオンパレード国家だからこそ、需要は無尽蔵です。北朝鮮や中国に対抗するための防衛需要もあります。人口の増減が経済成長と相関関係にあると間違った認識でいると、政策を見誤るのです。

                 

                〜関連記事〜

                「日本は成熟国だから経済成長しない!」というウソ・デタラメ論

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                ミクロ経済学の「予算制約式」について(「政府の負債は税金で返済しなければならない」のウソ)

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                   今日は、若干アカデミックな内容になりますが、ミクロ経済学の分野の理論である「予算制約式」というものを紹介します。

                   

                   本ブログでは経済理論系の話題についても多く取り上げてきました。その一つに”「価格下落は、需要の拡大をもたらす!」は、本当か?(ミクロ経済の「部分均衡分析」の問題点)”というテーマで、「部分均衡分析」を紹介しました。これは”常に”均衡する”はず”という「常に」「はず」という実際はあり得ない事象について、固定化すれば成立するという理論でした。

                   マクロ経済でいうGDP3面等価の原則は、例外なく成立する理論で万能ですが、多くの経済理論は万能ではありません。「予算制約式」でいえば、家計や企業では当てはまりますが、政府に当てはめるのは適当ではなく、”常に”成り立つ理論ではないのです。

                   

                   「予算制約式」についてウィキペディアの記事を紹介します。

                  予算制約線あるいは単に予算線(よさんせん)とは、予算制約式を、財・サービスの消費量と財価格のグラフ上に描いた直線である。 この直線が無差別曲線と接する点(主体的均衡点または最適消費点と呼ぶ)において、消費者の効用が最大化される。

                  消費者は、予算の制限がなければ効用を限りなく最大化しようとする。 しかしながら、消費者一人一人が持ちうるお金には上限が決まっている。 簡単に言えば、財布の中に入る金には限りがあり、効用も制限される。 この上限の下、消費者は自己の効用を最大化するような財・サービスの組み合わせを決定する。 このような制限を、経済学では予算制約と言い、それを式で表したものが予算制約式である。

                  たとえば、2つの財XとYを仮定し、これらの財の価格をそれぞれPx、Pyとする。また、所得をIとすると、 予算制約式は {¥displaystyle P_{x}x+P_{y}y¥leq I} となる。』

                   

                   皆さんは、「国の借金(正しくは政府の負債)は税金で返済しなければならない!」と思っていませんでしょうか?

                   

                   これは、国家の財政をミクロ経済学の予算制約式に当てはめた発想です。予算制約式の理論で、経済主体は一生涯に稼ぐ所得以上の借入はできないという考え方があります。家計分野でいえば個人には寿命があるためです。寿命がある人間が生涯所得以上の借入をすると、負債を子孫に相続することになってしまいます。ところが、よくいう「国の借金を放置すれば子孫にツケを残す」というフレーズは、全くの誤解です。

                   

                   対象が個人の場合は、予算制約式は合理性があり、当てはまります。グローバリストの人々は、予算制約式を前提にした財政均衡主義を好みます。プライマリーバランス黒字化は是であるという考え方が、まさに該当するのです。

                   

                   とはいえ、国家は永続することが前提で、しかも通貨発行権を持ちます。現実にはグローバルで、政府の負債は経済の規模に応じて増えていくものであり、基本的には借り換えされます。さらにインフレ率が低いデフレ期には、中央銀行である日銀が国債を買い取ることで、実質的な返済負担が消滅するのです。

                   

                   なぜ消滅するのか?それは日銀は、JASDAQに上場している株式会社組織であり、日銀の発行済み株式数の55%を日本政府が保有しているからです。即ち、政府と日銀は親会社・子会社の関係です。親子間の組織であれば、連結決算の際、連結貸借対照表作成時に、借入金は相殺されます。そのため、日銀が買い取った国債は、そのまま放置して問題なく、返済する必要がありません。

                   

                   政府の目的は経世済民であり、経世済民の実現の為ならば、何をやってもイイのです。なぜならば政府の目的は利益追求ではないから。国民の安全、環境、公的なサービスの品質を守るために政府が法律を制定し、規制を強化して構わなく、そのために予算を付け、財源は国債を発行するで、何ら問題ありません。

                   

                   これは経世済民という概念があるから問題がないというだけではなく、ミクロ経済学的、会計学的にも通貨発行権を持つ政府が自国通貨建ての国債の債務不履行になることはあり得ないからです。デフレで需要不足が発生しているのであれば、普通に国債を発行し、財政出動し、日本国民を貧困から守らなければならないのです。

                   

                   ところが、グローバリズムという発想が広まり、人・物・金の国境を越えた移動を自由化して、ビジネスを妨げる規制は、たとえ「安全保障」が理由といえども悪しきものとし、国民の豊かさや安全保障を犠牲にして、規制緩和が推し進められ、構造改革が進みました。その上、財政は緊縮志向となり、「国の借金で破たんする」というウソ・デタラメ論が蔓延。結果的にデフレ深刻化で貧困化が進んでいるにもかかわらず、政府は財政拡大という適切なデフレ対策が打てなくなってしまっています。

                   

                   経済が総需要の不足(デフレ)に陥っているにもかかわらず、デフレの意味を正しく理解できないグローバリズムに染まった官僚や政治家たちが、容赦なく構造改革を推進し、しかも緊縮財政をする。構造改革と緊縮財政は、どちらもインフレ対策です。デフレ環境なのにインフレ対策をやっているというのが日本の現状。

                   

                   その背景には、ミクロ経済学の予算制約式を家計と同じように国家の財政運営にも当てはめているのが原因です。いわゆる家計簿の発想を国家の財政運営に当てはめているというやつです。

                   

                   また、政府の負債は税金で返済する必要はありません。医療崩壊とか年金崩壊とか言う人もいますが、基本的には財源は通貨発行して政府支出を増やせばよいわけです。

                   

                   最も効果的なGDP成長につながる政府支出は公共事業です。年金はお年寄りに配分されますが、すべて所得になるか不明だから。公共事業は予算が付けられれば事業年度内に必ず費消され、GDPにカウントされます。

                   

                   

                   というわけで、今日はミクロ経済学の予算制約式という理論を紹介し、「政府の負債は税金で返済しなければならない」という発想が間違っていること、そしてその根源が予算制約式であることをご説明しました。家計簿発想で国家の財政運営を考える必要は全くなく、それが誤解の大元です。政府には予算制約式を当てはめる必要がないのです。


                  「GDPと税収の関係」と「GDPデフレーターの特徴」について

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                    JUGEMテーマ:経済全般

                     

                     今日はGDPと税収の関係と合わせ、GDPデフレーターの特徴について述べ、分析の方法と経世済民を目的とした場合の正しい経済政策について意見したいと思います。

                     

                     1.税金は数量で払えず金額で払うから、税収は名目GDPと相関する

                     2.名目GDPと実質GDPとGDPデフレーターの指標の見方

                     3.正しい経済指標の見方とそれに対する正しい経済政策

                     

                    上記の順で「GDPと税収の関係」「GDPデフレーターの特徴」を説明します。

                     

                     

                    1.税金は数量で払えず金額で払うから、税収は名目GDPと相関する

                     

                     私たちは、税金を金額で支払います。数量で払うことはありません。例えば、床屋さんでいえば、床屋さんがサービスをした回数で税金を納めることはできません。床屋さんがサービスした消費者から、代金をいただき、その代金を所得として、稼いだ所得から一定割合を政府に税金として納めます。

                     

                     金額としてみた所得の総合計が名目GDPです。この名目GDPが拡大すれば、政府の租税収入は減税しない限り、何もしなくても増えます。即ち政府の租税収入は名目GDPと相関関係があるのです。

                     

                     端的にいえば名目GDPが減少すると税収が落ち込み、名目GDPが拡大すれば税収は増えます。また金額面がいくら増えて名目GDPが拡大しても、個数・数量が少なく買われてしまえば、即ち実質GDPが縮小してしまえば、税収は減ります。

                     

                     税収を増やすためにはどうしたらいいか?それは実質GDPが拡大することを大前提として、GDPデフレーターがプラスを続け、実質GDPの上昇以上のペースで、名目GDPが拡大していくということが、「正しい経済成長」といえるのです。

                     

                     

                     

                    2.名目GDPと実質GDPとGDPデフレーターの指標の見方

                     

                     GDPデフレーターは下記算式で算出されます。

                     

                     GDPデフレーター=名目GDP÷実質GDP

                     

                     上記算式で算出されるGDPデフレーターは、一般的にはプラスになっていればインフレ状態。マイナスになればデフレ状態です。一般的にと申したのは、例外があるためです。

                     

                     1997年の橋本政権が緊縮財政を開始して以降、日本は支出削減に邁進しました。社会保障の伸びが予想されるとして、伸び率を抑制するために医療・介護報酬を引き下げ、健康保険の自己負担額は30%に引き上がりました。その上、公共事業を削減しまくったのです。

                     過去20年で、マクロ経済的に正しい政策をしていた内閣は、小渕恵三内閣と麻生太郎内閣の2つだけです。小渕政権、麻生政権に共通するのは、財政出動をやっていたからです。

                     

                     小渕政権(1998年7月30日〜1999年1月14日)は、バブル崩壊後、橋本政権が緊縮財政開始後に、公共事業を増額しています。麻生政権もリーマンショックによる景気後退を最小限にしようとして、三段ロケットと称し、財政出動を切れ目なく増やすということで公共事業を増やしました。麻生政権のときに自民党が選挙で敗れ、民主党政権の開始早々に実質GDP、名目GDPが双方1%を超えるプラスになりましたが、これは麻生太郎政権の三段ロケットのおかげです。その後、事業仕分けという需要削減をしたため、再び実質GDP、名目GDPは減少に転じ、2011年にはマイナスに沈んでいます。

                     

                     GDPデフレーターがプラスになる例外の話題に戻します。なぜ、例外が発生するのか?といえば、消費増税が例外を引き起こすのです。

                     なぜならば物価は強制的に引き上げられるため、名目GDPの見た目は拡大します。インフレ時で毎月の月給が増え続けている状態での消費増税であれば、実質GDPの減少幅が小さく、GDPデフレーターはプラスにならないかもしれません。デフレ時で毎月の月給が増えにくいもしくは減少している状態での消費増税の場合は、物・サービスの値段が安く買われることが名目GDP減少要因となりますが、消費増税で見た目の値段は上昇要因となるため、名目GDP減少幅が大きくなることが抑制されます。

                     一方で実質GDPについては、毎月の月給が増えにくいもしくは減少している状態での消費増税の場合、普通は今まで以上に個数・サービスの回数を多く買おうとする人は少なく、数量を減らす人の方が増える結果、実質GDPは基本的には大きく下落します。

                     

                     

                     このとき、

                    ●名目GDPと実質GDPがともにマイナス

                    ●名目GDPの減少率>実質GDPの減少率

                    ●名目GDP減少率の絶対値<実質GDP減少率の絶対値(名目GDPの減少幅<実質GDPの減少幅)

                    となると、GDPデフレーターはプラスになります。

                     

                     

                     このように消費増税しますと、物価を強制的に引き上げますので、名目GDPの減少幅が、実質GDPの減少幅よりも抑制され、GDPデフレーターはプラス化するのです。

                     

                     

                    2013年第4四半期〜2017年第2四半期でみた前年同期比の名目GDP、実質GDP、GDPデフレーターです。

                     2013年は、安倍政権は国土強靭化と称して財政出動しました。名目GDP、実質GDPはプラスになったりマイナスになったり、GDPデフレーターはプラス化していましたがプラスの数値が小さく、景気は踊り場だったといえます。

                     というより、民主党政権が激しく支出削減を行い、東日本大震災後の復興税という増税政策を実行したためにGDPデフレーターはマイナスが続いていました。そのため、安倍政権の2013年はデフレを食い止める点で、財政出動を行ったのは正解でした。

                     せっかく踊り場まで来てデフレ脱却しようとするときに、安倍政権は消費増税というインフレ対策をやってしまいました。その上、一般財源+補正予算について、前年比を下回るという緊縮財政を始めました。消費増税も支出削減もどちらも需要削減のインフレ対策です。デフレ対策ではありません。

                     

                     消費増税は具体的には2014年4月に消費増税5%→8%をしますが、このとき名目0%、実質GDP▲2%で、GDPデフレーターは2.20の大幅プラスです。

                     これは消費増税で名目の金額が増えたところ、増税直後に個数・サービスを買う数量を減らしたことで、実質GDPは大きくマイナスする一方で、価格下落幅が消費増税によって名目の金額が増えることで抑制され、GDPデフレーターが大幅にプラスしたのです。何しろ、GDPデフレーター=名目GDP÷実質GDP で算出されるため、そうなるのです。

                     

                     

                     1996年第1四半期〜1998年第4四半期でみた前年同期比の名目GDP、実質GDP、GDPデフレーターです。

                     消費増税3%→5%を実施したのは、1997年4月です。上記表でいえば、1997年第2四半期です。

                     このとき、名目GDP0%、実質GDP▲1.1%、GDPデフレーター0.80とプラスになっています。1年後、名目GDPも実質GDPもマイナスとなってGDPデフレーターもマイナスに沈みました。

                     

                     

                     2008年第1四半期〜2009年第4四半期でみた前年同期比の名目GDP、実質GDP、GDPデフレーターです。

                     2008年第4四半期〜2009年第1四半期に、GDPデフレーターがプラス化しているのは、リーマンショックにより、世界的に不景気になったことが原因です。

                     GDP=個人消費+設備投資+政府支出+純輸出となります。この式の純輸出の項は、純輸出=輸出−輸入で計算されます。世界的に不況になると貿易量が減り、具体的にいえば輸入も減ります。何しろ海外から買いたくても不景気だから買うのを控えます。このとき、輸入は控除項目であるため、輸出の減少幅以上に輸入が大きく減少しますと、純輸出が増加します。結果、輸入激減という事態が、GDPを押し上げてしまうのです。

                     確かにGDPデフレーターはプラスですが、リーマンショックのときに、景気が良かったなんて人は極めて少なかったはずです。

                     

                     

                     

                    3.正しい経済指標の見方とそれに対する正しい経済政策

                     

                     経済成長を定義する場合、実質GDPの拡大で間違いありません。実質GDPが拡大しているということは、数量が多く買われている状態であるためです。

                     

                     もし名目GDPが拡大しただけで、実質GDPが成長しない場合、単に所得も増えたが、物価も同じ程度上昇したので、数量が多く買えないという状態です。そのため、名目GDPが拡大して、実質GDPが成長しない場合は、単に物価の目盛り幅が変わったに過ぎず、経済的に豊かになったとはいえません。

                     ですが、税収は名目GDPが拡大しなければ増えません。企業の売上高も、従業員の給料も名目GDPの拡大があれば増え、税収増につながります。

                     

                     では、名目GDPが減少し、実質GDPが成長している状態というのはどうでしょうか?この場合は、値段を下げなければ売れない一方で、個数は売れているという状況です。従業員は忙しいのに、売上は伸び悩み、給料は増えにくいもしくは減ることとなります。名目GDPが拡大するということは、給料の額面が増えていることを意味し、名目GDPが縮小するということは、給料の額面が減少することを意味します。そのため、実質GDPが増加して、名目GDPが減少している状態が、豊かか?といわれれば、忙しくて給料が減っているという状態で、税収も減りますので、健全とはいえません。

                     

                     名目GDPの拡大は税収が拡大することを意味し、実質GDPの拡大は豊かさが拡大することを意味するという整理になります。そして、一番望ましいのは、実質GDPが上昇し、それ以上のペースで名目GDPが上昇しているという状態で、GDPデフレーターがプラスになっている状態が、一番望ましく、景気がいい状態となります。

                     

                     仮に名目GDP△7%、実質GDP△7%、GDPデフレーター△7.0という状況にでもなったとしましょう。この数値の水準を10年間継続しますと、名目GDP・実質GDPいずれも2倍になります。物価も2倍になり、数量も2倍買うことができるようになったという状況です。

                     このときGDPの伸び率を抑制して、物価上昇率を抑えようとするのであれば、それこそ無駄削減・緊縮財政が必要です。消費増税もありですし、公共事業削減もありです。

                     

                     ただし超好景気になったからといって公共事業削減するとはいえ、安全保障にかかわる防衛や災害対策や食料自給率UPの取り組みなどの分野は、たとえ超好景気でインフレ率が高いからという理由で、単純に削減するわけにはいきません。民間の需要を冷やすという意味では、消費増税は一番効果がある政策かもしれないといえるのです。

                     

                     デフレ脱却を急ぎたい日本にとって、消費増税は全く逆効果でむしろデフレをより深刻化させます。将来の社会保障の財源云々をいうのであれば、名目GDPの拡大によって税収を増やすしかないのです。社会保障の財源、子どもへの教育投資の財源云々で、消費増税したとしても、デフレ化においては実質GDPを押し下げ、結果的に税収も落ち込みます。特に法人税と所得税の直接税の落ち込みが大きくなり、税収全体では増収できないのです。

                     

                     日本は少子高齢化で、医療・介護サービスの需要が大きい。社会保障の伸び率に応じて、赤字国債を発行して需要を支えれば、名目GDP、実質GDPの増加に貢献し、税収も増えることになります。

                     にもかかわらず、財務省は医療・介護報酬引き下げを目論んでいます。医療・介護報酬引き下げは、緊縮財政ですので、医師・看護師の給料が下がり、介護の現場は、更に地獄と化すでしょう。

                     

                     自分たちが給料が増えにくいもしくは減少している環境で節約に努めているからといって、「無駄削減が正しい!」「医師の給料は高すぎるし薬はまだまだ高いから医療報酬引き下げすべきだ!」「将来の社会保障財源のために介護報酬引き下げすべきだ!」という発想は、愚民の発想としかいえません。医療機関で働く人々の給料が高いからといって「あいつら、ざまぁ!」と考える人は、巡り巡って自分が生産者となったときに、物が安く買われ、数量を少なく買われ、自らの所得も伸びにくくなるもしくは減少していくというブーメランを受けることに気付いていません。こうした人々を愚民といわずして何と呼べばいいでしょうか?

                     結局税収は増えず、税収が不足するから無駄削減・緊縮財政というばかばかしいスパイラルが継続していくことになるわけです。

                     

                     

                     というわけで、GDPと税収の関係と合わせ、GDPデフレーターの特徴について述べました。GDPでいえば、実質GDPも名目GDPもどちらも大切な指標です。またGDPデフレーターは例外があることを述べました。

                     TV新聞記者らも、こうした指標について正しく定義し、理解している人は少ない。というよりも、経済学者や政治家やアナリスト・エコノミストでさえ正しく理解していない人がいます。

                     また、ニッセイ基礎研究所、SMBC信託銀行、MUFJフィナンシャルグループ、こうした一流の金融機関に籍を置くアナリストでさえも、「日本が財政破綻する」とか間違ったことを論説し、金利が急上昇する可能性について論説しています。

                     こうした論説に惑わされず、私たち国民が真実を知り、経済についての知見を高めない場合、このまま日本は衰退して本当に滅びてしまうのだろうと私は危惧しています。

                     一刻もデフレ脱却を果たすべく、正しい経済指標の見方を少しでも多くの人々に知っていただきたいと思うのであります。


                    名目GDPは税収に影響し、経済成長の実感は実質GDPで見る!

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                      JUGEMテーマ:経済全般

                       

                       11/22〜11/25で、沖縄県の伊平屋島という離島を往訪していまして、11/24と11/25と記事書けませんでした。今日は掲題の通り、GDPについて述べ、GDPには名目と実質の2種類あることと、指標の捉え方をお伝えしたいと思います。

                       

                       GDPには名目GDPと実質GDPの2つがありますが、どちらも大切な指標です。端的に指標の捉え方をいえば下記の通り。

                       

                      <名目GDPの特徴>

                      ●金額面で見たGDPであり、物・サービスの値段の上下で、名目GDPは変動する

                      ●収入に直結する

                      ●税収に影響する

                       

                       税収=名目GDP×税率

                       名目GDP=個人消費+設備投資+政府支出+純輸出

                       ※純輸出=輸出−輸入

                       

                       

                      <実質GDPの特徴>

                      ●物価上昇率(=インフレ率)を控除したGDPであり、インフレ率が0%のときは、物が買われる個数、サービスが買われる回数の上下で、実質GDPは変動する

                      ●雇用に直結する

                      ●豊かさの指標と考えてよい指標

                       

                       もう一つ、GDPデフレーターという指標がありますが、GDPデフレーター=名目GDP÷実質GDP で算出されます。GDPデフレーターは、デフレか?インフレか?を判断することができる重要な指標です。

                       

                       経済成長という言葉を定義する場合、実質GDPの拡大で間違いないとみることができます。名目GDPが拡大しても、実質GDPが拡大していない、もしくは実質GDPがマイナスになっている場合、物・サービスの買われる回数が減少しているにもかかわらず、物価が上昇しているという状態になるため、経済成長しているとはいえません。わかりやすくいえば、パンを買う個数が減っている、床屋に行く回数が減っている、でもパン1個当たりの値段が高くなっている、床屋で一回散髪する料金が高くなっている、ということだからです。

                       ただし、税収は、「(物・サービスの価格)×税率」で算出されます。そのため、物・サービスが買われる数量・回数が変動しないという前提で、名目GDPが上昇すれば、税収は増えます。

                       

                       現在、政府は消費増税やたばこ税引上げなどで、増税しようとしていますが、税収増には結びつかないでしょう。なぜならば、たばこ税で例えれば、喫煙者はたばこ税引き上げ後、買う個数を減らすでしょう。毎月もらっている給料が増える、もしくは将来にわたって増え続けるという確信が持てない限り、買う個数は減らすに決まっています。これは消費増税にしても同じです。

                       またたばこ税引上げや消費増税の結果、物・サービスが買われる個数・回数が減少した場合、販売数量の減少で、企業の売上も伸び悩むことになります。結果、法人税や所得税が減収するということになるわけです。

                       

                       GDPが1997年以降、500兆円付近(2016年12月のGDP数値の改定前)で伸びが留まっていますが、この理由は少子高齢化の高齢化が原因です。高齢者は医療・介護というサービス需要が多い。この伸び率が異常に高く、財務省は医療・介護費を抑制しようとしていますが、もし抑制した場合、抑制する=経済成長を抑制する=GDP拡大を抑制する、ということにつながります。

                       だから私は医療・介護費の抑制につながる医療報酬引き下げ、介護報酬引き下げに反対しています。デフレ脱却を急がな帰ればならないのに、需要削減するというデフレ脱却に逆行することになるからです。

                       

                       少し話を戻しまして、なぜ実質GDPの成長が経済的な豊かさの実感につながるか?といえば、実質GDPは物・サービスが買われた個数・回数で変動しやすいです。物を多く買うことができ、サービスを受ける回数が多くなれば、例えばパンを多く買うことができるようになった、床屋で散髪のみだけじゃなくシャンプーのサービスも買うようになって2か月1回のところ1か月に1回行くようになった、という状況ですので豊かになっているといえるわけです。

                       

                       また実質GDPは雇用に影響を与えます。なぜならば、パンが多く買われる、散髪サービスが多く買われるという状況は、工場の稼働率を引き上げ、散髪する人は忙しくなります。個数が多く買われる、サービス回数が多く買われるというのは、そういうことです。

                       

                       一方で名目GDPは税収に直結すると述べましたが、給料の額面にも直結します。パンの値段が高く買われ、散髪サービスが高く買われるということは、パン製造の売上高が増えますし、散髪サービスが高く買われれば床屋の売上高が増えます。

                       

                       

                       上述の状況を、名目GDP、実質GDPがプラスマイナスの組み合わせで、どんなイメージになるのか?を整理してみました。

                       

                       上記の表は、名目GDPと実質GDPのプラスマイナスで、パターンを 銑に分けたものです。

                       

                       大分類1が、一番いい状態です。目指す姿は、このパターンです。何しろ、豊かになっているうえに、売上高・給料も増えて、税収が増えている状態ですので、社会も安定化します。

                       大分類2は、実質GDPがマイナスですので、貧困化している状態です。売上高・税収は増えていますが、物・サービスを買う数量が減少していますので、貧困化しているといえます。

                       大分類3は、実質GDPがプラスですが、名目GDPがマイナスですので、働いても働いても売上高・給料が伸び悩む状態。「働いても働いても収入が増えない」「稼働率多く忙しく沢山働いているのに収入が増えない」という意味では、ブラック企業状態といえます。

                       大分類4は、最悪な状態です。物価は下落し、物・サービスの数量が少なく買われるというひどいデフレ状況です。大分類4は正にデフレギャップ(需要<供給)の極みで、雇用環境は悪く、売上高・給料は伸び悩むもしくは下落し、税収も減って社会が不安定化します。

                       

                       

                       というわけで、今日は名目GDPと実質GDPの違いについて述べました。

                       

                      〜関連ブログ記事〜

                      「国民が豊かになる=実質GDPが成長すること」です。


                      カジノの入場料の議論と経済効果について

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                         今日は2016年12月に法案が制定したカジノ法案について意見します。

                         私はカジノに反対の立場です。既に成立して施設を作るということであれば、仕事が少ない地方で作るべきだと考えております。雇用対策になるからです。

                         

                         ですが、日本人が付加価値を生まないゲーミングにお金を投じるのは、お金の問題もそうですが時間ももったいない。入場料は高めに設定し、日本人が入場できないような価格設定をお願いしたいと、やや感情的ですが、そう思います。

                         

                         カジノ法案賛成派の意見として、「観光先進国」というキーワードがあります。

                         「観光先進国」といえば聞こえがいいですが、観光収入にたよる国家運営というのは発展途上国の発想です。そもそも来日する外国人は、カジノがあるから日本に来るのでしょうか?日本の歴史や文化に触れたくて来日してくるような気がします。仮に日本にカジノがあったとして、カジノ目的で日本に来るなんてのは、中国人が大半じゃないでしょうか?
                         また、ギャンブル依存症などの反対論は、それはそれでいいのですが、そもそも経済成長の目玉と報じられることに違和感があります。なぜならばマクロ経済的にゲーミング事業は経済効果がないのです。

                         

                         下記は宝くじにおけるGDP3面等価の積み上げイメージです。



                         宝くじをカジノのポーカーやスロットに置き換えたとしても、考え方は一緒です。

                         カジノ事業自体は、付加価値を生み出しません。Aさん、Bさん、Cさんの3人から100円ずつ集めたとして、ディーラーやる従業員(ポーカーでカード配る人、ルーレットで玉を入れる人)に300円以上の給料を払うことはできません。
                         仮にディーラーをやる従業員に100円の給料を払ったとして、残りの200円はどうなるか?
                         単なる所得移転です。ゲームに勝った人が所得を得ます。
                         ディーラーをやる従業員は、カジノを運営するサービスを提供し、そのサービスによる生産金額は100円、支出金額も100円(Aさん、Bさん、Cさんから33.3円ずつ負担)、分配金額(=所得)も100円です。これはGDP3面等価の原則によって、必ず生産=支出=分配となります。
                         200円は残念ながら単なる所得移転ですので、生産でもなければ支出でもなければ分配にもなりません。その証拠に、カジノで勝った人が得た200円に対して、税金はかかりません。なぜならば所得じゃないから。
                         これは宝くじや競馬やギャンブルすべてに共通することです。
                         ギャンブルは、マクロ経済的にいえば、単なる所得の移転に過ぎず、課税所得にならない以上、税収増にも貢献しないのです。
                         GDPとは物・サービスがお金と交換されたときに初めてカウントされます。GDPは会計学的にいえば、粗利益に近似しており、課税対象所得にも近似しています。
                         だから所得移転分はGDPにカウントされない以上、課税対象所得が増えるわけではありませんので、所得移転分は税収増にも貢献しません。

                         

                         

                         というわけで、今日はカジノの入場料が議論されている中、経済効果はほとんどないということをマクロ経済学的にご説明しました。
                         カジノ施設を作るよりも、政府がお金を使うならば、防衛安全保障、災害安全保障、生産性向上のためのインフラ整備、既設インフラの強化など、お金を使うべきプライオリティの高いものはたくさんあります。「政府がたくさんのお金を使う=たくさんのお金で物・サービスの交換」ですので、GDP成長つまり経済成長に貢献します。GDP成長すれば税収も増えます。民間の投資を誘発するという点では、カジノ施設についても、ホテルとか作られる点で同じです。
                         とはいえ、安全保障の強化や将来の生産性向上のためのインフラ整備の方が、はるかにプライオリティが高いと思うのです。


                        「国民が豊かになる=実質GDPが成長すること」です。

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                          JUGEMテーマ:経済全般

                           

                           今日は改めて「経済成長とは?」ということについて述べたいと思います。まず豊かさの言葉の定義について触れます。次に実質GDPが成長することが、なぜ豊かになるとイコールになるのか?を述べさせていただき、私見をお伝えいたします。

                           

                           概要は次の通りです。

                          1.「豊かになる」の言葉の定義

                          2.GDPとは?(GDP3面等価の原則)

                          3.なぜ「実質GDPの成長=国民が豊かになっている」といえるか?(実質GDPと名目GDPの違い)

                           

                           

                           

                          1.「豊かになる」の言葉の定義

                           

                           言葉の定義は大変重要です。そもそも「経済成長」という言葉の意味を理解せず、地方創生とか地方経済活性化を述べるのは、無理があります。

                           私は、経済成長率とは、実質GDP成長率とイコールであると考えます。なぜならば、実質GDPが成長したとなれば、物を買う個数が増えた、サービスを受ける回数が増えた、ということと同じだからです。もっと身近にいえば、パンを買う個数が増えた、医療サービスを受ける回数が増えた、ともいえます。

                           

                           パンを買う個数が増えている状態であれば、飢餓に苦しむ人は少なくなるでしょう。また医療サービスを受ける回数が増えたとなれば、例えば救急車を何回も使った人は、何回も命を失いかけたがその都度命が救われたということになるでしょう。

                           

                           かつての日本の高度経済成長期は、マクロ経済的にいえば、「日本国民が過去と比べて相対的に早いスピードで豊かになっていた」時期ということになります。

                           

                           読者の皆さんの中には、「いや、経済成長率が高まったからといって豊かになっているとは限らない」などと反論される方もおられるかもしれません。

                           

                           もし、「豊かになる」という定義を、

                          ●心が平穏でいられる状態になる

                          ●家族と平穏な毎日を送る

                          ●戦争が勃発せず平和な状態でいられる

                          などと、抽象的に語られてしまうと、私は反論できません。高度経済成長期の中にあっても、心が平穏でいられない状態の人もいたでしょうし、がむしゃらに仕事に熱中して、家族と平穏な毎日が送れない人もいたでしょう。

                           ついでにいえば、世界に真の意味で「平和」が訪れたことなどないと思いますし、これからも「平和」は訪れることはないと、私は思います。

                           このように言葉の定義が曖昧だと、政策議論が進まず、間違った政策が打たれてしまうことがあると考えられます。

                           

                           掲題のテーマである「国民が豊かになる」という議論をする場合、あくまでも私は「実質GDPが成長すること」であると考えます。求めるのは、心の豊かさでも精神的な豊かさでも平和もありません。あくまでも「実質GDPが成長すること」です。

                           

                           

                           

                          2.GDPとは?(GDP3面等価の原則)

                           

                           実質GDPが成長すると、なぜ日本国民がマクロ経済的に豊かになっているといえるか?について考えます。本ブログでもGDPをテーマとした記事を多く書いておりますが、そもそもGDPとはなんでしょうか?

                           

                           私たちは、会社で働くか自営業や農業などで事業を行って働いています。もちろん老人の方は働けない人が多い。とはいえ、日本全体から見れば、働いている人の方が圧倒的に多いと思います。

                           働くとは、物を生産する、サービスを生産する、ということです。具体的にいえば、下記の通りです。

                          ●製造業=製品の製造

                          ●農業=農作物の生産

                          ●学校の先生や大学教授=教育サービスの提供

                          ●スーパーマーケット・コンビニ=小売りサービスの提供

                          ●運送業=運送サービスの提供

                          ●建設業=建築物を組み立てるサービスの提供

                          ●土木業=土木サービスの提供

                          ●公務員=行政サービスの提供

                          ●漫才師=「お笑い」サービスの提供

                          などなどです。

                           

                           もし、上記について、物を製造するだけ、サービスを提供するだけ、では全く生活が成り立ちません。製造した製品、提供するサービスについて、家計や企業や政府や海外の顧客に買ってもらわなければ、単なるボランティアになってしまいます。

                           誰もがみな生産者として、製品やサービスを生産し、お客様に消費してもらう、もしくは投資として買ってもらうことで、生産者は所得を得ることができます。生産者がいくら生産したところで、所得を得られませんし、ボランティアで無償提供したとしても、所得を得られません。所得を得て初めて生業が成立するのです。

                           所得を得られない人は、究極的には飢えて死にます。所得を得ることが、働くことの一義的な目的になるのは、飢えて死なないようにするためだからです。

                           

                           「豊かになる」という言葉の定義は、「所得が増えること」と捉えることもできます。とはいえ、単に所得が増えただけでは、豊かになったといえません。なぜならば、所得を得た生産者は、今度は消費者となって別の生産者が生産した製品やサービスを必ず買います。いくら所得をたくさん稼いだからといって、農作物や水を買わなければ人間は生きていけません。

                           

                           食べ物や水以外にも、家電製品や自動車や、交通サービスや土木・建築、通信、金融、保険、運送、卸売り・小売り、医療・介護、電力・水道・ガス、教育といったサービスに加え、防衛といった国家が提供する安全保障サービスなどなど、人間が生きていく上で必要な製品・サービスは無限にあります。いわば、需要は無限です。

                           

                           実は、GDPとは何なのか?といえば、上述の製品・サービスが生産された合計なのです。GDPとは何なのか?と聞かれた場合、「国内総生産ですよね!」という答えがあったとしても、その答え自体は間違ってないのですが、GDPの概念を理解したことになりません。

                           

                           ですが、「国内総生産」という日本語に、”生産”という言葉が入っています。つまり日本国内で生産されたものの総合計なのです。だから、製品・サービスが生産された合計といえるのです。

                           

                           内閣府は、生産面のGDP、支出面のGDP、分配面(所得の)GDPの3つの統計を発表しています。どれを見ても、GDPの総額は同一になります。このことを「GDP3面等価の原則」といいます。

                           「GDP3面等価の原則」のイメージは下記の通りです。

                           

                           

                           上記の図では、下記の通り300円で一致します。

                           生産面のGDP=畜産物の生産100円+と殺サービスの生産100円+小売サービスの生産100円

                           支出面のGDP=個人消費300円

                           分配面のGDP=酪農家の所得100円+と殺業者の所得100円+小売業者の所得100円

                           

                           以下、図はありませんが、具体的に例を書きます。

                           

                           理容店(個人事業主)のサービスが100円だとすれば、

                           生産面のGDP=理容店が散髪するサービス100円

                           支出面のGDP=個人消費100円

                           分配面のGDP=床屋の事業所得100円

                           

                           防犯サービスが100円だとすれば、

                           生産面のGDP=警察が提供している防犯サービス100円

                           支出面のGDP=政府支出100円

                           分配面のGDP=警察官の給与所得100円

                           

                           防衛サービスが100円だとすれば、

                           生産面のGDP=自衛隊が提供する防衛サービス100円

                           支出面のGDP=政府支出100円

                           分配面のGDP=自衛隊員の給与所得100円

                           

                           教育サービスが100円で生産され、政府の補助金が50円だとすれば、

                           生産面のGDP=学校の先生が提供している教育サービス100円

                           支出面のGDP=政府支出50円+個人消費50円

                           分配面のGDP=学校の先生の給与所得100円

                           

                           スーパー堤防が100円で生産され、全額政府が支出して、土木業者が使用人に50円の給料を払うとすれば、

                           生産面のGDP=土木業者が提供する堤防を作るサービス100円

                           支出面のGDP=政府支出100円

                           分配面のGDP=土木業者の経営者の役員報酬50円+使用人の給与所得50円

                           

                           医療サービスが100円で生産され、自己負担額30%で、医療法人が、医師に30円、看護師に20円の給料を払うとすれば

                           生産面のGDP=病院が提供する医療サービス100円

                           支出面のGDP=政府支出70円+個人消費30円

                           分配面のGDP=医療法人の経営者の役員報酬50円+医師の給与所得30円+看護師の給与所得20円

                           

                           どうでしょうか?

                           「GDP3面等価の原則」とは、こういうことなのです。

                           そして上記の例を合計したものが、まさに国内総生産=GDPです。

                           

                           このGDPが拡大すれば、つまり経済成長すれば、飢えて死ぬ人が少なくなりますし、製品を数多く種類も多く買うこともできますし、サービスをたくさん受けることができ、災害から命が守られやすくなって、より快適な生活を送ることができるわけであり、国民が豊かになっているといえるのです。

                           

                           

                           

                          3.なぜ「実質GDPの成長=国民が豊かになっている」といえるか?(実質GDPと名目GDPの違い)

                           

                           GDPには2種類あります。名目GDPとは、金額面でみたGDPを意味します。この名目GDPとは金額で換算するため、物価変動の影響をまともに受けます。

                           例えば、今後1年間で、物価が全て1.5倍になってしまった場合、GDPはどうなるでしょうか?

                           物価が1.5倍になったということは、物価上昇率50%です。生産の「量」、つまり製造する製品の個数、提供するサービスの回数は変わりませんが、単に物価が1.5倍になったという話になります。

                           

                           この場合、「単に物価が上がっただけで、本当に国民が豊かになったとは言えないのでは?」という疑問を持つ読者の方もおられるかと思います。この疑問は、当然の疑問です。何しろ、生産される生産量が変わっていないということは、消費や投資をされる製品・サービスの量が変わらないということになるからです。ついでにいえば、実質的な所得の規模も1年前と同じです。

                           

                           具体的にいえば、「1年前はパンを年間に10個買い、今年も10個買いました。だたし物価が1.5倍になったので、支払った金額も1.5倍でした。」ということになるわけです。

                           日本国民の需要が満たされるという意味で「国民が豊かになる」ということは、支払った金額が多かった(増えた)ということで、豊かになることではないわけです。

                           金額ではなく、買った量で決まります。仮に物価が2倍や3倍や10倍になったとして、飢えて死なないようにするためにパンを多く食べたいという需要を満たすという意味で考えた場合、支払った金額が2倍、3倍、10倍になったとしても意味がないわけです。

                           もちろん、GDP3面等価の原則で考えれば、所得も2倍、3倍、10倍になります。とはいえ、物・サービスの価格が2倍、3倍、10倍になってしまったとなれば、実質的な所得は変わらないことになってしまうのです。

                           

                           そこで、名目GDPから物価変動の影響を排除した実質GDPこそ、実質GDPの成長こそ、日本国民が豊かになったといえるのです。

                           

                           もし、実質GDPが50%成長したとなった場合、GDP3面等価の原則により、

                          ●生産者が生産する製品・サービスを提供する量・回数が50%増えた

                          ●消費者が買った製品の個数、サービスを受ける回数が50%増えた

                          ●所得が実質的に50%増えた

                          となります。実質的な所得が50%増えたとなり、この状況は国民が豊かになったといえます。

                           なぜならば「パンを15個買える国民は、パンを10個しか買えない国民に比べて豊かです!」と考えることができるからです。

                           

                           このように豊かさとは、物・サービスを購入する際に支払う金額の大きさではなく、物・サービスを買える量で決まるといえるのです。

                           

                           

                           というわけで、今日は経済成長とは?という言葉の定義と、実質GDP・名目GDPの違いについて述べさせていただき、経済成長するとは、実質GDPが成長することであり、それは国民が豊かになったということを意味するという私見を述べさせていただきました。

                           


                          「価格下落は、需要の拡大をもたらす!」は、本当か?(ミクロ経済の「部分均衡分析」の問題点)

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                            JUGEMテーマ:経済全般

                             

                             今日は表題にある「価格下落は、需要の拡大をもたらす」というフレーズについて、考えます。 

                             少しアカデミックな内容になりますが、ミクロ経済学の「部分均衡分析」を取り上げ、経済学者らが陥っている誤解、「経済は”常に”均衡する」の”常に”均衡しないことがあり得ることを取り上げ、「価格下落が需要の拡大をもたらさない」事象についてご説明します。

                             

                             

                             

                            1.「物価が下落すると、需要は拡大する」という考え方の根源の部分均衡分析について

                             

                             この考え方の根源は、ミクロ経済学の部分均衡分析と呼ばれる理論からきています。部分均衡分析の概要は下記の通りです。

                             

                             

                             

                             上記は、ミクロ経済の部分均衡分析による市場の価格調整のメカニズムです。

                             「供給曲線Sが供給曲線S’へ右シフトする」とは、価格が下落することを意味します。このとき、物価が下落すると需要が拡大する”はず”という仮説のもと、数量が増えて均衡するというのが、部分均衡分析です。グラフのように、供給曲線がS→S’へ移行すると、均衡点X(1,000 1,000)→均衡点X’(1,200 800)へと移行します。

                             

                             需要といえば、数量だけでなく、価格もまた需要です。なぜならば、数量=実質需要、価格=名目需要だからです。この均衡分析の問題点は、”実質需要が常に存在する”という点です。わかりやすい言葉に置き換えれば、”常に物が売れる”ということ。これは、ジャン・バティストセイ(1767年のフランス人経済学者)の”セイの法則”においても前提になっています。即ち、”需要不足”を認めていないのです。

                             結果、需要不足(≒「需要<供給」のデフレギャップ)が発生していたとしても、やがて需要が増加して「需要=供給」となるという誤解が生じるのです。

                             

                             

                             

                            2.身近な生活に置き換えて考える!

                             

                             上記の通り、需要が”常に”存在するというのは、あり得ません。ミクロ経済学の部分均衡分析は「”常に”物が売れる」「需要が常に存在する”はず”」というのが前提です。

                             とはいえ、実際は”需要不足”は存在します。”常に”物が売れるということはあり得ません。この事象を皆さんの身近な生活に置き換えて考えてみましょう。

                             

                            <ケーススタディ 

                            ●パン小売店の付加価値100円/1個

                            ・仕入価格100円/1個

                            ・販売価格200円/1個 ※消費税0%

                            ・パン1個当たりの付加価値:200円−100円=100円

                            ●販売数量30個/1日

                            ・顧客数5人

                            ・顧客1人につき、朝・昼・晩とパンを2個ずつ1日に”常に”6個買う

                             

                             

                             この場合、パン小売店の1日当たりの収入(個人事業主の場合は収入、法人の場合は売上高)は、どうなるでしょうか?

                             200円×(5人×6個)=200円×30個=6000円で、6000円がパン小売店の収入です。

                             粗利益(≒GDP)=100円×30個=3000円で、3000円が課税所得です。

                             

                            <ケーススタディ◆

                            ●パン小売店の付加価値50円/1個

                            ・仕入価格100円/1個

                            ・販売価格150円/1個 ※消費税0%

                            ・パン1個当たりの付加価値:150円−100円=50円

                            ●販売数量30個/1日

                            ・顧客数5人

                            ・顧客1人につき、朝・昼・晩とパンを2個ずつ1日に”常に”6個買う

                             

                             この場合は、150円×(5人×6個)=150円×30個=4500円で、4500円がパン小売店の収入です。

                             粗利益(≒GDP)=50円×30個=1500円で、1500円が課税所得です。

                             

                             販売価格は25%減少(名目需要25%減少)しているからといって、1人が3個買う人がいるかもしれないし、居ないかもしれない。そもそも大前提の”常に”6個買うことでさえ、6個買うかもしれないし、買わないかもしれない。

                             

                             お分かりになりますでしょうか?

                            「”常に”6個買う」「販売価格を25%引き下げれば、6個以上買う人が5人のうち誰か必ず存在する」とは限りません。価格が下がれば、必ず数量が増加して、30個以上売れるとは言い切れないのです。

                             

                             例えば、

                            「顧客数5人のうち一人が失業してしまい、失業手当で収入が減ったから6個買えなくなった」

                            「6個買っていたけど、給料が増えず将来の先行き不透明なので貯金を増やすために節約して5個買うようになった」

                            「給料は増えたけど、将来の先行き不透明なので貯金を増したいから6個のままにしよう」

                            というように、理由はいろいろ考えられると思いますが、「価格が下落した→数量が増加する」が常に成立するとは言えず、一人当たりのパンの購入数量が必ず増加するとは限りません。

                             

                             価格が下落(名目需要の減少)した場合、顧客数5人は購入数量は6個のままであれば、即ち販売数量(顧客数5人、購入数量6個)が変わらなければ、パン小売店だけが収入が減ります。当然、税収も減ります。この場合、顧客数5人は、貧乏な思いをしないでしょう。何しろパンの購入個数は変わらないのです。パン小売店だけが貧乏になって、パン小売店の人は、顧客数5人が勤務する会社の製品・サービスの購入について、購入個数・サービスを受ける回数を減らす(実質需要の減少)か、キャンペーンの値下げのときに買うようにする(名目需要の減少)となるでしょう。

                             

                             

                             

                            3.デフレを放置すると貧乏になる人が増えていく

                             

                             先ほどのケース、顧客数5人がすべて「給料は増えたけど、将来の先行き不透明なので貯金を増したいから6個のままにしよう」であれば、パン小売店の収入は減少しますが、顧客数5人の購入数量は変わらないため、貧乏になったという感覚はないわけです。

                             

                            <ケーススタディ>

                            ●仕入価格250円/1個

                            ●パン小売店の付加価値50円/1個

                            ・仕入価格100円/1個

                            ・販売価格250円/1個 ※250円のうち50円は消費税25%で、税抜き販売価格は200円

                            ・パン1個当たりの付加価値:250円−50円−100円=100円

                             

                             もし、消費税増税25%して、販売価格が250円になった場合、”販売数量30個/1日”を常に維持できるでしょうか?

                             パン小売店の人が、キャンペーンの値下げでしか物を買わない、サービスを受けない。あるいは、製品の購入個数を減らす、サービスを受ける回数を減らす。結果的に、顧客5人のうち、給料が減る人が出るかもしれません。給料が増えた人も先行き不透明で貯金を増やすこととなり、1日6個買っていたパンを5個に減らすという消費行動もあり得ます。

                             

                             消費増税しても常に顧客数5人が6個買ってくれるのであれば、販売数量30個で変わらないため、

                             200円×(5人×6個)=6000円で、パン小売店の収入は6000円です。

                             粗利益(≒GDP)=100円×30個=3000円で、3000円が課税所得です。

                             

                             仮に顧客数5人が5個になった場合、200円×(5人×5個)=5000円で、パン小売店の収入は5000円です。

                             粗利益(≒GDP)=100円×25個=2500円で、2500円が課税所得です。

                             

                             この場合は、パン小売店だけでなく、顧客数も6個→5個になっているため、全員が貧乏になったと言えます。何しろ買うことができるパンの個数が減っているからです。

                             

                             このように、「物価が下がれば需要が拡大する!」ということは、必ずしも言えません。物価の下落という現象を放置してデフレスパイラルになると、貧乏人が増えます。

                             GDP3面等価の原則でいえば、消費=生産=所得だからです。だれかが消費しなければ供給者の所得が減り、所得が減った供給者は消費者サイドになった場合に支出を削減します。支出削減することで、他の供給者の所得が減ります。このとき、物価が下落するだけならば、貧乏になりません。買う数量が変わっていなければ、貧困が進んだとはいえないでしょう。

                             とはいえ、物価が下落するのみならず、数量が減ったとなれば、貧困が進んだといえます。ここで取り上げたケーススタディでいえば、食べ物を買う数量が減るということだからです。

                             デフレを放置すると、究極的には貯金を取り崩して買う数量を維持するか、貯蓄や資産がない場合は生活保護を受けるしかありません。そうした場合、購買力は増えるわけがありませんので、経済は低迷を続けることになるのです。

                             

                             デフレを放置したとして、「物価が下落してもミクロ経済学の部分均衡分析の理論により数量が増える」というのは、「”常に”需要がある」という現実的離れした前提条件がもとになっています。しかも、無駄な公共事業、増え続ける社会保障費を削減ということを政府がやれば、その政策自体が名目需要の削減となり、実質需要の削減につながる可能性が高いわけです。

                             

                             実質需要の削減とは、製品の買う個数の減少、サービスを受ける回数の減少です。

                             社会保障費を削減して自己負担額を増やした場合、病院に行く回数を減らそうとする人が出るでしょう。そうすれば医療法人や医師・看護師の所得が減ります。医薬品製造会社や医療機器製造会社や医療機器のメンテナンスサービスを提供する会社など、所得が減ります。

                             

                             

                             というわけで、今日はミクロ経済学の「部分均衡分析」を取り上げ、問題点を指摘しました。また、身近な生活で考えた場合、消費増税した場合をシミュレーションにして、貧乏になっているのか?そうでないのか?といったご説明をいたしました。

                             価格下落しても数量が必ず増えるとは言い切れません。ましてや消費増税なんてしたら、購入数量が維持できるどころか、購入数量が減ることも普通にあり得るのです。

                             にもかかわらず、経済学者や多くの人々は、「価格下落は、需要の拡大をもたらす”はず”」「価格下落すれば、販売数量が増える”はず”」という、「”常に”需要が存在する」という誤解をしています。

                             名目需要の減少(価格の下落=より安いお店で物を買う・値引きキャンペーンのときに買う)、実質需要の減少(個数・回数の減少=購入製品の個数を減らす・受けるサービスの回数を減らす)という事象は、自分が意図しなくても他人が行動することで普通に起こり得えます。

                             また、規制緩和をして価格下落をする、他国と貿易協定で関税をゼロにして安い輸入品を増やす、こうした政策そのものは、意図的な名目需要の削減であり、結果的に実質需要を押し下げます。

                             そして、それらの政策は、供給者の売上減少、収入減少となって、供給者が消費者サイドになったときに、さらに安いものを求め、購入個数・サービスを受ける回数を減らすという悪循環が発生します。これがデフレスパイラルです。

                             ミクロ経済学の「部分均衡分析」というのもまた、政策を間違わせる原因なのでは?と私は思っています。経済学は万能ではありません。

                            「部分均衡分析」に基づいた論説を振りかざす人がいましたら、今回取り上げたケーススタディを持ち出して、「”常に需要がある”なんてことはあり得ないでしょう!”セイの法則”は成り立っていないでしょう!」と、ぜひ反論しましょう。


                            カジノの経済効果について(宝くじとGDP3面等価の原則を考える!)

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                               今日は、掲題の通り、カジノの経済効果について述べたいと思います。

                               

                               カジノについては、マスコミ報道で賛否両論の論説が取り上げられます。私はカジノは不要である立場です。

                               ところが、カジノ不要論の論説内容は、はっきり言って稚拙だと思っています。なぜならば、カジノ事業事態に付加価値を生むわけではないということを論じている人がほとんど見受けられないからです。

                               よくあるカジノ反対論で言えば、「ギャンブルにハマる人が出てくる」「海外ではカジノ産業が衰退している」というのがよくある反論です。

                               それらはそれらで、私は否定しません。ですが、もっと根本的な理由で私は反対の立場を取っています。

                               

                               そこで、東洋経済オンラインで2016/12/17に「日本版カジノは大きな成功が約束されている」という特集記事を掲載しておりまして、次の論説について考察したいと思います。

                               

                              【反対論】

                              カジノの収益は、消費行動における所得(購買力)の移転でしかない。カジノの収益の増大は、顧客の他の消費支出減少というカニバリゼーション(共食い)をもたらすはずだ

                              →回答 カジノ収益は、顧客に射幸性、サービスを提供した対価。コトの消費である点において、(モノの消費ではなく)、他のサービス産業と同じ。カジノ収益は、富裕層のレジャー支出等を通じ、消費全体のパイを拡大する。なお、少数管理されたカジノを含む統合型リゾート(IR)は、国内外の富裕層を主な対象とし、固定化している富裕層の資金を循環させる役割を持っている

                               

                              上述は、原文をそのまま引用しておりますが、私がカジノ導入に反対する理由は、上記の【反対論】のフレーズに集約されます。この”【反対論】の回答”について、再反論したいと思います。

                               

                               

                               

                              1.GDP3面等価の原則を考える

                               

                               GDPとは、生産面のGDP=支出面のGDP=分配面のGDPです。カジノ自体で、何か付加価値が付くかといわれれば、何も付きません。

                               下記は「GDP3面等価の原則」でいう付加価値の積み上げです。

                               

                              ●酪農家が黒毛和牛の育てる

                              ”黒毛和牛を育てる”について、生産面のGDP100円=支出面のGDP100円=分配面のGDP100円

                               

                              ●と殺業者が黒毛和牛を”と殺”してカットする

                              ”黒毛和牛をと殺してカットする”について、生産面のGDP100円=支出面のGDP100円=分配面のGDP100円

                               

                              ●肉屋さんが冷蔵保存して小売りする

                              ”冷蔵保存して小売りする”について、生産面のGDP100円=支出面のGDP100円=分配面のGDP100円

                               

                              この場合、それぞれのGDPの集約は次の通りです。

                              【生産面のGDP=300円】

                              黒毛和牛を育てる仕事の付加価値100円+と殺してカットする仕事の付加価値100円+冷蔵して小売りする仕事の付加価値100円

                              【支出面のGDP=300円】

                              個人消費300円

                              【分配面のGDP=300円】

                              酪農家の所得100円+と殺業者の所得100円+小売業者の所得100円

                               

                               

                               

                              2.宝くじはどうなるか?

                               

                              下記は、宝くじでの「GDP3面等価の原則」のイメージです。

                               

                               宝くじ自体は、付加価値を生み出しません。上図の通り、Aさん、Bさん、Cさんから、100円ずつ集め、100円の対価としてくじ渡します。くじ自体は生産しませんが、くじを販売するという仕事は付加価値に該当します。

                               上述で言えば、総額300円に対して、くじ販売員の所得100円だとすれば、100円のくじにつき、くじを販売する付加価値は約33.3円となります。

                               残りの66.7円×3(くじ本数)が200円になりますが、これをAさんが当選金としてもらいます。

                               宝くじの当選金は非課税です。何しろ、くじ自体が何も生産していないから当たり前です。

                               

                              ●くじ販売業者がくじを企画して販売する

                              ”くじを企画して販売”について、生産面のGDP100円=支出面のGDP100円=分配面のGDP100円

                               

                               上述でGDPを集約すると以下の通りです。

                              【生産面のGDP=100円】

                              くじを販売する付加価値100円

                              【支出面のGDP=100円】

                              個人消費100円(≒Aさん33.3円+Bさん33.3円+Cさん33.3円)

                              【分配面のGDP=100円】

                              くじ販売業者の所得100円

                               

                               この通り、このくじ引きにおいて、掛金300円のお金集まりますが、掛金300円のすべてが経済効果があるわけではなく、経済効果は100円になります。実際に宝くじの当選金は非課税です。だから上図のケースにおいても200円は非課税。単なる所得移転であるため、GDPにカウントされない以上、税収増にすら貢献しません。

                               GDPは物・サービスとお金を対価として交換されるときにカウントされます。とはいえ、当選金はサービスではなく、あくまでも所得の移転であるため、生産を生み出すわけでもなければ、所得を生み出すわけでもなければ、雇用を生み出すわけでもないのです。

                               

                               上述は宝くじでご説明しましたが、カジノにおけるポーカーやらルーレットも同じです。ポーカーのトランプをさばくディーラーや、ルーレットに球を入れる従業員ら、彼らの所得は、カジノの掛金合計の一部から支払われます。決して彼らの所得合計がカジノの掛金合計を上回ることはあり得ません。掛金合計を上回って、所得を払う場合は、国が補助するとか、できなくないかもしれません。あるいは、国営でカジノをやるとか・・・。とはいえ、同じ政府支出増をするのであれば、カジノのゲーム事業への補助よりも、もっと優先度の高い、災害の備えるためのインフラや、将来の生産性向上のためのインフラへの投資の方が、より優先すべきであることは明々白々です。

                               

                               

                               

                              3.「固定化されている富裕層の資金の循環させる役割」という意味不明な論説

                               

                               東洋経済の特集記事では「固定化されている富裕層の資金を循環させる役割」があると述べています。

                              それはそれで否定しません。確かに富裕層が1億とかお金使ってくれれば、そういう役割もあるでしょう。

                               

                               とはいえ、カジノの掛金の大部分は所得移転に使われます。1億円富裕層が使ったところで、GDPにカウントされるのは、1億円ではないのです。また、所得移転された金額は、カジノで勝った人が受け取りますが、それらは所得ではなく、税金を取ることもできません。当たり前ですが、所得移転された金額が、何か付加価値を生み出しているわけではないからです。

                               

                               富裕層の資金を循環させて、他の国民に分配させるということであれば、普通に所得税の累進課税強化や、相続税・贈与税の課税強化でいいわけです。(消費増税は、あり得ません。「所得税を減税しないと富裕層が逃げていく!」は本当か? )

                               

                               所得税の累進課税強化、相続・贈与税の課税強化であれば、政府の意思決定のもと、他の国民に分配できます。カジノで勝った人だけが分配されるというのは、社会弱者を救済するわけでもなければ、安全保障として利益が出ないけど必要な分野にお金を充当できるわけでもないため、何ら国益と直結もしなければ、国民が豊かになるわけでも何でもないのです。

                               国民が豊かになる=GDPの成長=経済成長ですが、当選金がカジノの勝者への単なる移転なので、経済成長と関係がないのです。

                               

                               100歩譲り、資金循環させる役割を主張するのであれば、当選金やカジノで勝った人が受け取る権利の相当額を、チケット(金券)で配布し、しかも有効期限を1両日中にするとなれば、くじで当選した人も、カジノで勝った人も、当選金を1両日中に「モノ・サービス」の購入に充当しなければなりませんから、これは、新たな消費を生み出すことになるでしょう。

                               ですが、「1両日中に物品と購入しなければならないチケット(金券)が当たります!」なんてことをしたとして、富裕層がそのようなカジノに1億円もお金を投じるとは到底思えません。

                               掛金合計以下しか経済効果がないことを考えれば、掛金が小さければ、さらに経済効果は小さくなるわけです。

                               

                               株価が上がれば資産効果があると思われている方、実は株価上昇における資産効果も同じです。売却益を1両日中に物品に交換しなければならないとすれば、資産効果は絶大です。

                               ですが実際は、株価の売却益で、他の銘柄を買ってみたり貯金したり、待機資金で証券会社のMRFにプールしておくというのでは、物品の交換に該当せず、株価上昇が直接GDPの成長=経済成長にはならないわけです。

                               

                               こうしたカジノの経済効果やら、株式市場の資産効果やら、決定的に欠けているのは、経済効果がどのくらいあるか?ということが時間軸が不明でかつ金額で測れないことも、重大な欠陥です。

                               

                               例えば、トランプ大統領が「100兆円のインフラ投資をする」といえば、最低100兆円は経済成長できます。そこに時間軸も加わり、「5年で100兆円のインフラ投資をする」といえば、5年で100兆円の経済成長が最低となり、今後5年間で年間平均20兆円は経済成長できると計算できるわけです。もちろん、乗数効果まで考慮すれば「100兆円のインフラ投資」は5年で100兆円以上の経済効果があります。

                               

                               カジノの経済効果も株式市場の資産効果も、残念ながら時間軸も金額も不明確。当たり前ですが、個人の消費行動を「〇〇円物品やサービスと交換しなさい!」と管理することは現実的に不可能ですので、そうならざるを得ないわけです。

                               

                               

                               というわけで、今日はカジノの経済効果について述べました。

                              マカオや米国のラスベガスや韓国のソウルやら、海外の事例を並べ、国際会議場やホテルが建築されるので、そうしたゲーム事業以外の経済効果があるはすだという意見をお持ちの方もおられると思います。

                               私はそれも否定しません。それは確かに経済効果と言えます。GDP成長にも寄与することでしょう。

                               とはいえ、政府が力を入れるべきは、もっと優先度の高い分野があるはずです。それがインフラだと思うわけです。災害から国民を守るためのインフラ投資、将来の生産性向上のためのインフラ投資、いずれも国力強化と直結し、海外との競争力強化に繋がります。

                               そうしたことを考えますと、カジノが経済成長の切り札であって優先すべきであるとは、私には到底思えないのです。


                              お金の正体(「1万円札=1万円の所得」ではありません!)

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                                JUGEMテーマ:経済全般

                                 

                                今日はお金の正体について、国力・経済力とイコールなのか?を意見したいと思います。

                                 

                                1.お金の正体とは?

                                 

                                私は、このブログの場で、安倍政権だけでなく、政治家やアナリストエコノミストらを批判することが多い。理由は経済理論を正しく理解していないから。とりわけ、お金についての理解が間違っているから批判をします。とはいえ、政治家やアナリストエコノミストだけではなく、多くの国民もまた同じ間違った認識をしています。そして信じられないことに、ノーベル経済学賞受賞者でさえ、お金について間違った認識を持っている人が受賞してしまうのです。

                                 

                                まず「お金=物」と考えている人が多い。お金自体が何なのか?を知らないために豊かになれる政策が打たれず、国民が貧乏になっていく政策が打たれ続けています。経済学ですら、お金=物という前提の理論であるため、多くの人々が誤解するのです。

                                 

                                銀行預金って何でしょう?銀行預金は物品サービスの売買に使えますし、借金の返済をすることも可能です。

                                 

                                例えば、3000万円のローンを借りるとき、皆さんは3000万円の札束をもらうでしょうか?

                                銀行振込にするに決まっていますよね?なぜならば現金3000万円札束でもらったら危ないから。

                                 

                                それでは、その振り込まれた3000万円はどこから来るのでしょうか?

                                銀行が他から調達してきたものを貸し出すのでしょうか?

                                それも異なります。銀行は通帳に記帳さえすれば、いくらでも貸し付けることができるのです。

                                 

                                「えっ!そんなことないのでは?お金がないのにどうしていくらでも貸し付けることができるって・・・・」と思われる方、「お金=物」と思っているからそうした誤解が生まれます。真面目な話で銀行は、通帳に記録することでお金を生み出すことができるのです。これを信用創造といいます。

                                 

                                お金とは債権債務の記録であり、「お金=物」は間違いなのです。

                                 

                                例えば、

                                ・100円玉=100円の銀と同じ価値を持つ

                                ・10万円金貨=10万円の金を同じ価値を持つ

                                と思っていませんでしょうか?

                                溶かして売れば、100円なり10万円なりと換金できると思っていないでしょうか?

                                金や銀は、価格変動しています。それなのに確固たる価値を持つと、なぜ言えるのでしょうか?

                                 

                                ここで所得創出のプロセスについて考えたいと思います。

                                 

                                付加価値=物・サービスなのですが、医療サービス、小売サービスなど様々な業種がありますが、誰も買ってくれなければ所得を得ることはできません。物・サービスを、個人でも企業でも政府でも誰かが買ってくれれば、我々は所得を得ることができるのです。

                                この買ってくれた物・サービスの生産活動のことこそ、GDP(国内総生産)と言います。

                                 

                                GDPが増えるとはどういうことでしょうか?「生産面のGDP=支出面のGDP=分配面のGDP」というGDP3面等価の原則から言えば、物・サービスの生産性の合計であると同時に、消費額の合計でもあり、所得の合計でもあります。即ちGDPが増えるということは、所得が増えることを意味しますので、生活が豊かになっているということができるのです。

                                 

                                今、財布の中にあなたが1万円札を持っているとします。その1万円札についていえば、1万円札=1万円の所得ではありません。

                                例えば、AさんとBさんの間で、次のようなサービスの売買がなされたとします。

                                ・AさんがBさんの家を掃除するサービスを1万円で提供する

                                ・Aさんはもらった1万円でBさんにAさんの家を掃除するサービスを提供してもらう

                                このプロセスで、1万円札はBさん→Aさん→Bさんとなりますが、清掃サービスが2回行われています。つまり1万円の所得が2回で2万円の所得が発生しているのです。(厳密に言えば、Aさん、Bさんは所得申告して税金を納める必要があります。)

                                 

                                1万円札が100回、物・サービスの売買に使われれば、所得は100万円になります。

                                またお金を借りる、お金を返済するは、所得にならないため、GDPにカウントされません。

                                このように1万円札≠1万円の所得なのです。

                                 

                                 

                                 

                                2.お金の種類

                                 

                                お金には下図の通り種類があります。

                                 

                                主な特徴を述べたいと思います。

                                (1)銀行預金は、支払いにおいて現金支払いよりも利便性が高い

                                 例えば16,666円の買い物を現金支払いでする場合、1万円札と千円札と細かい硬貨が必要ですが、銀行預金で支払う場合は、デジタルで「16,666」を入力するだけなので、現金支払いよりも簡単です。

                                (2)銀行預金は誰もが使えるわけではない

                                 三橋貴明氏によれば、ミャンマーで仕事をする場合、100万円を振り込むということができないとのこと。日本人で銀行口座を持っていない人は、ほとんどいないと思いますが、ミャンマーでは銀行口座持っていない人の方がほとんどだそうです。日本人でももし支払相手が口座を持っていない場合は、銀行預金で支払ができません。

                                (3)日銀当座預金は誰でも使えるわけではない

                                 日銀当座預金は、政府と日銀と銀行しか使えません。安倍黒田金融緩和、いわゆるアベノミクス第一の矢で、金融緩和政策が行われ、マイナス金利の導入もしました。一部の人が「日銀当座預金を日本国民に貸し出せばよい!」という意見を言う人がいますが、日銀当座預金は、一般国民は使えず、銀行しか使えません。つまり日本国民は日銀当座預金を持つことはできないのです。

                                (4)小切手は利便性が低い

                                 皆さんもお金を発行ができることを知っていますでしょうか?一万円札を印刷すれば違法ですが、小切手を出すことは合法です。

                                 とはいえ、小切手は当座預金がなければ発行できず、当座預金以上の額を発行することができません。米国は銀行間の振込手数料が高いので、小切手を使う人が多いようです。

                                 また、約束手形の場合は、小切手と異なり、換金するには裏書譲渡が必要です。小切手・手形法上で言えば、裏書譲渡人は手形を割り引いて現金を得る一方で「裏書譲渡」が連帯保証する意味を持ちます。譲渡先で不渡りなどが発生した場合は、手形保持者から直接支払い請求を受けることがあります。

                                 さらに類似のものとして、トラベラーズチェックというのがあります。どちらかと言えば小切手に近いですが、当座預金ではなく銀聯カードみたいに預託が必要。メリットは盗まれてもサインがなければ使えないという点です。

                                (5)政府小切手は利便性が低く政府しか発行できない

                                 政府小切手は、公共投資を行う場合に政府が発行する小切手です。利便性は低く、政府しか発行できません。

                                 

                                 

                                 

                                3.お金の正体とは債権債務の記録であり、国力や経済力そのものではない!

                                 

                                 上記のお金の種類でご説明した通り、お金にはたくさん種類があります。小切手や手形などは債権債務の記録であることが理解いただけると思います。1万円札も、日本銀行券で日銀の債務であります。もし、日本銀行券の1万円札を持って銀行に行き、1万円札をもって1万円払って欲しいと言えば、新しい1万円札をもらえます。(そんなことする人いませんが・・・・)

                                 

                                 「お金=物」と考えることで大きな誤解、それが経済力や国力とは関係がないということを気付きにくくしてしまっているのです。お金は単なる債権債務の記録。例えば周りが砂漠でインフラが整っておらず、そんなところに何億とお金を抱きかかえて住んでいたとして、その人は生活ができるでしょうか?

                                 

                                 日本で言えば、コンビニが近くにあって24時間営業しており、駅近くまで行けばスーパーでさえ夜遅くまで営業していることもあります。国力や経済力とは、欲しいものがすぐに物が手に入れられるという環境、それはそうしたサービスを供給することができる力そのものであり、お金をどれだけ集めても、国力経済力とは本来関係がありません。

                                 

                                 確かに日本は純資産残高が世界一でお金をたくさん持っている。でも日本が国力や経済力があるのは、純資産残高とか外貨準備高が巨額だからということではありません。物・サービスを供給できる力が大きい。それは深夜でさえも欲しいものがすぐに手に入るというその環境こそ、国力であり経済力なのです。

                                 

                                 

                                今日はお金の正体とは何なのか?ということで、お金の種類を具体的に上げさせていただき、メリットデメリットを申し上げるとともに、国力や経済力とは直接関係がないということをお伝えしたく、意見させていただきました。


                                GDP3面等価の原則について(「スマートフォン製造」のシミュレーション)

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                                  JUGEMテーマ:経済全般

                                   

                                  以前「付加価値の積み上げ」をお肉屋さんでやりましたが、今日はGDP3面等価の原則の完全理解を目指していただくため、少し複雑にしてスマートフォンを製造したシミュレーションでやってみようと思います。お肉屋さんで説明したときのブログ記事の表題「トランプ誕生の経緯とトランプリスクに備えて日本がすべきことは?」です。

                                   

                                   

                                   

                                  ◆GDP3面等価の原則をスマートフォン製造でシミュレーションしてみる!

                                   

                                  まず言葉の定義からですが、下記の通りとします。

                                   \納=名目GDP×税率×税収弾性値

                                   ■韮P=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出
                                    純輸出=輸出−輸入

                                   

                                  【ケーススタディ(資源を海外から輸入して、あとは全て日本国内で製造した場合の日本のGDP)】

                                   

                                   

                                  スマートフォンという最終生産財3000円について、消費者は3000円支払いますが、輸入分はGDPから控除されるため、消費者は200円分輸入して2800円消費支出したということになります。即ち最終生産財3000円=輸入200円+消費支出2800円です。

                                  (もし、資源を輸入せず、日本で資源が取れていれば、最終生産財3000円=消費支出3000円になります。)

                                   

                                  付加価値の積み上げイメージは下記の通り。

                                   

                                  上記付加価値の積み上げの通り、

                                  生産面のGDP2800円=支出面のGDP2800円=分配面のGDP2800円

                                  となります。

                                   

                                  生産面のGDP2800円=日本国内で生産された付加価値の合計

                                  支出面のGDP2800円=日本国内での消費支出額の合計

                                  分配面のGDP2800円=日本国内での所得額の合計

                                   

                                   最終生産財3000円輸入200円+消費支出額2800円 

                                   

                                   GDP2800円=A社400円+B社400円+C社200円+D社200円+E社600円+F社300円+G社700円 

                                   

                                  もし、赤い部分が日本でできれば、つまり国内で資源が取れれば最終生産財3000円のすべてがGDPカウントされます。

                                   

                                   

                                   

                                  ◆「韓国に学べ!サムスン電子に学べ!」というアホな論説

                                   

                                  過去、日本国内のアナリストらの間では、韓国のサムスン電子に学べ!といった論説が流行ったことがありました。例えばジャーナリストの財部誠一氏らが、サムスン電子のマーケティング力ということで、日本企業はサムスンに学べ!と。

                                  サムスン電子は確かに半導体でDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しできるメモリー)やNAND(電気的一括消去が可能なメモリー)で世界トップシェアであります。とはいえ、高純度のレアーガスや、セラミックやチップやコンデンサーやシリコンウウェハーなどの精密機器や電子部品・電子部材は日本から輸入します。下記は日韓貿易の内訳です。

                                   

                                   

                                  つまり韓国は、国力としてみれば日本より格段に弱い。サムスン電子のスマートフォンは、電子部品から全部を作ることができず、日本からの輸入に依存しているのです。結果、サムスン電子のスマートフォンが売れれば売れるほど、日本のGDPが増えることになります。

                                   

                                  韓国は大企業の財閥企業優遇政策を進めてきた結果、部品製造などのすそ野産業の成長がなされず、国力強化がされない状態で今日まで来ました。その点、我が国は資源こそ海外からの輸入に頼るものの、電子部品やら精密機械やら、ほとんど日本国内で生産ができます。スマートフォンを製造するにしても、自動車を製造するにしても、日本は裾野の企業がたくさんあり、経済効果が大きい。韓国と比べればGDP成長がしやすい国力が高い国であると言えるのです。このことを潜在GDPが高い、即ち供給力が高い=国力が強いということを意味します。

                                   

                                  もし安い人件費の中国でスマートフォンを作らせて逆輸入するとなれば、中国のGDPが増え、日本のGDPが減ります。上述のシミュレーションで、中国から安い粗悪な半導体メモリーとディスプレイを輸入してスマートフォンを作ったらどうなるか?

                                   

                                   

                                  上記付加価値の積み上げの通り、

                                  生産面のGDP1600円=支出面のGDP1600円=分配面のGDP1600円

                                  となります。

                                   

                                  生産面のGDP1600円=日本国内で生産された付加価値の合計

                                  支出面のGDP1600円=日本国内での消費支出額の合計

                                  分配面のGDP1600円=日本国内での所得額の合計

                                   

                                   最終生産財2200円輸入600円+消費支出額1600円 

                                   

                                   GDP1600円=E社600円+F社300円+G社700円 

                                   

                                  つまり安い電子部品で、最終生産財は2200円となって消費者や安いものを買っていますが、最初のシミュレーションと比べ、A社、B社、C社、D社で働く人々は、所得を得られません。なんとシミュレーション上では、GDPが2800円→1600円になってしまいました。安いものを輸入するということは、こういうことなのです。

                                   

                                  これが、まさにトランプ大統領が指摘するメキシコの逆輸入問題の姿です。メキシコに工場を作って安い製品を逆輸入をすれば、メキシコのGDPが増えて米国のGDPが減る。米国のGDPが減るということは米国民の貧困化を意味しますので、トランプは逆輸入こそ米国民を貧困化に貶める問題であるとして、それを改善すべく保護貿易という政策に舵を切ったのです。

                                   

                                  GDP3面等価の原則を完全理解しますと、マクロ経済が見えてきます。そんなわけで、今日は改めてGDP3面等価の原則を取り上げてみました。

                                   

                                   

                                   


                                  「合成の誤謬(ごびゅう)」を打破するのは政府しかない!

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                                    JUGEMテーマ:経済全般

                                     

                                    新年が明けましたが、私の母が、本日早朝に逝去いたしました。

                                    私の母は、私たち兄弟(私の妹と弟)を含め、父のために大変な苦労をいたしました。

                                    いつかこの日が来ると思っていたものの、ついに来てしまったとということで、大変悲しい思いでいっぱいです。

                                    この言論活動については、母は支えてくれた人の1人でした。

                                     

                                    母の事情を知って居られる読者の皆様には、多くの励ましの言葉をいただき、大変ありがとうございました。

                                    母の逝去を受け止め、支えてくれた母の為にも、言論活動を続けていき、多くの皆様にマスコミが報じない我が国の事実というものを知っていただくことを広めたいと思います。

                                     

                                    しばらくの間、母の側に居たため、記事の投稿を中止しておりましたが、決意新たに今日の元旦を機に、再開いたします。

                                     

                                    さて、本日のテーマは「合成の誤謬(ごびゅう)」についてです。

                                     

                                     一見、経済合理的があるように見えても、それをみんなが行うことでカタストロフィを引き起こすこと、そのことを「合成の誤謬」と言います。

                                     バブル崩壊を経験する我が国は、消費・投資を減らして借金返済を急ぎました。そこに政府までもが緊縮財政を行ったことで、「合成の誤謬」が生じ、今もなお緊縮財政を続けているために「合成の誤謬」の状態が続いているのです。

                                     

                                     

                                     

                                    1.バブル崩壊とは、どういうことなのか?

                                     

                                     バブル崩壊について、端的に言えば、借金をして投資・投機を続けた結果、借金残高が増え、何かをきっかけに投資商品が紙くずになったり大幅な価格下落を生じた事象と考えております。

                                     自己資金を投じて株式を購入する、不動産を購入するは、バブルではありません。あくまでも借金をして株式を購入する、不動産を購入するということがポイントです。

                                     もし、バブルが崩壊するとどうなるか?借金をして購入した株式、不動産が高く売れて借金を全部返済できれば良いのですが、なかなかうまくいかず、購入した株式、不動産の値下がりが激しく購入簿価よりも下がってしまって、結果的に借金が残ります。そうなると、借金残高が減るまで、毎月の給料から借金を返済することになります。

                                     

                                     仮に、上述を大多数の国民が、多額の借金をして株式・不動産を購入したが、何かをきっかけに購入した株式・不動産が値下がりし、借金が残ってしまったら、大多数の国民はどうするでしょう?ほとんどの国民が借金返済することになるのです。

                                     

                                     さらに景気が悪くなれば、借金返済を加速化、将来不安のために預金を増やします。

                                    「財政が破たんする〜」「年金が破たんする〜」はウソですが、こうしたウソのプロパガンダまでもが流され続ければ、ただでさえ給料が伸び悩んで雇用が不安定になれば、預金を増やさざるを得ません。

                                     

                                     

                                     

                                    2.GDPがカウントされない「借金返済」と「預金増加(家計の預貯金増加と企業の内部留保増加)」

                                     

                                     この「借金返済」と「預金増加」「内部留保増加」は、デフレの環境では、家計や企業経営にとっては経済的に合理的です。しかしながら家計と企業経営だけでなく、政府までもが借金返済や緊縮財政をしたらどうなるでしょう?

                                     

                                     税収=名目GDP×税率×税収弾性値

                                     GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出

                                     ※純輸出=輸出−輸入

                                     

                                    (1)家計が個人消費減少するプロセス

                                     「借金返済」「預金増加」は、GDPの算出項目である「個人消費」「政府支出」「設備投資」「純輸出」のいずれにも該当しません。GDP3面等価の原則で解説した通り、GDPは物・サービスがお金と対価で交換されることであり、借金返済はGDPにカウントされず、「買っていた物の買う個数を減らす・買っていたサービス回数を減らす」「安い物を買う・安いサービスを買う」をして、浮いた分を「借金返済」「預金増加」すれば、間違いなくGDPは実質GDPも名目GDPも減ります。

                                     

                                    (2)企業が設備投資減少のプロセス

                                     家計と同様、企業もまた投資・投機をして借金残高が大きくなり、フローに影響を与えるようになれば、経営破たんするため、「借金返済」いたします。さらに言えば、物・サービスの値段を下げないと売れない環境になることで、ますます設備投資を控えたり、銀行の格付けを気にして自己資本比率引上げのために借金返済いたします。「設備投資を控える」「借金返済する」「内部留保を増やす(=預金増加)」をすれば、間違いなく実質GDP、名目GDPは減ります。

                                     

                                    (3)政府支出減少のプロセス

                                     我が国は1998年に消費増税(3%→5%)を実施し、公共工事を削減するという緊縮財政を、小渕政権・麻生政権を除き、1997年の橋本内閣の時から行い続けてまいりました。小泉政権ですら毎年7000億円の公共工事を削減。民主党政権になっても無駄削減とばかりに事業仕分けなどと行ってきました。マスコミは決してデータや数値で語らないのですが、安倍政権は民主党政権以上に緊縮財政をしています。

                                     

                                     

                                     

                                    3.「合成の誤謬」を打破できるのは通貨発行権を持ち、利益追求する必要のない政府のみ!

                                     

                                     家計と企業経営に加え、国家までもが緊縮財政を行えば、GDPが増えるわけがありません。輸出を増やすことを考えても良いですが、我が国は輸出依存率が極めて低い。GDP500兆円のうち、純輸出は60兆〜80兆円(12%〜16%)です。(参考までに、日米は輸出依存度低いですが、韓国やスイスやドイツは輸出国で、純輸出がGDPの50%超で輸出依存度が高い国です。)また日本→他国の輸出は、他国のGDPから見れば、減少要因となります。もちろん発展途上国で十分な供給力や技術を持たない国であれば、日本の援助は有益ですので、輸出を増やすことそのものを否定するつもりはありません。とはいえ、我が国は元々内需国で、金利もマイナス金利。金利の安い今、普通に国債を増刷して政府支出を増やせば、デフレ脱却ができるのです。

                                     家計にとって、景気が悪い「給料が増えない」「雇用形態が不安定」な状況では借金返済は極めて合理的です。企業経営にとっても、景気が悪い「物・サービスを買われる個数が減少する」「物・サービスが値段を下げないと買ってくれない」状況では、設備投資しても儲かりにくいので、「設備投資を控える」「借金を返済する」は、やはり合理的です。

                                     政府は利益を出す組織ではない国家国民のための非営利法人、即ちNPO法人ですので、景気が悪いときこそ、「仕事の案件を増やす(実質GDPの増加)」「仕事を高い値段で発注する(名目GDPの増加)」必要があるのです。企業経営も家計もわざわざ高い値段で物・サービスを購入することができない以上、政府がそれをやるべきなのに、政府までもが緊縮する。

                                     一見、家計や企業経営など個々で考えれば「借金返済」「預金増加」という合理的なことを、政府を含めたみんなが行うとどうなるか?カタストロフィを引き起こすのです。

                                     

                                    GDP減少→税収減→緊縮財政の実施→家計が消費減少→企業が設備投資を控える→ますますGDPの減少→ますます税収減少→さらなる緊縮財政→家計がますます消費減少→企業がますます設備投資を控える・・・・・・

                                     

                                     このプロセス、アホらしいと思いませんでしょうか?この状態のことを「合成の誤謬」と言います。

                                     そして 「合成の誤謬」に陥ったこの状況を打破できるのは、通貨発行権を持つ政府だけなのです。今こそ、「合成の誤謬」を打破するために、通貨発行権を持つ政府が国債を発行して政府支出増をとにかく急ぐべきなのです。


                                    「GDP3面等価の原則」を完全攻略しよう!

                                    0

                                       

                                      GDPというものについて、統計方法を含め、改めて言葉の定義の整理をします。

                                       

                                      1.言葉の定義のいろいろ(実質GDPと名目GDPの違いなど)

                                       

                                      (1)言葉の定義の整理

                                       \納=名目GDP×税率×税収弾性値

                                       ■韮P=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出
                                       純輸出=輸出−輸入

                                       

                                        GDPには実質GDPと名目GDPが存在します。

                                        実質GDP=物の個数が多く売れる・少なく売れる、サービスの稼働率が上がる・下がる⇒雇用に影響

                                        ぬ礁棕韮庁弌畸傭覆高く売れる・安く売れる⇒給料の額面に影響

                                       

                                       実質GDP、名目GDPどちらも大事な指標ですが、あえて言えば、デフレの場合は名目GDPに着目し、インフレの場合は実質GDPに着目するべきと考えております。理由は、例えば名目GDPがマイナス20%となった場合、同じ仕事をしていても給料が20%減るということになり、消費を冷え込ませる一因となってデフレ脱却の目的が達成できません。そして名目GDPが減れば、税収も減るのです。デフレの場合は、税収を増加させるためにも名目GDPを増やす政策の優先度を高くする必要があるのです。

                                       

                                       

                                      (2)実質GDPのイメージ(事例 ∋例△裡欧弔了例でのイメージ)

                                      〜事例 嵎・サービスが従来よりも個数が多く(サービス回数が多く)買われ続けた場合、物・サービスを十分に供給するための手段と、その手段を講じた後の可能性」〜

                                       

                                      ●雇用を増やす(人を採用する)⇒雇用に好影響

                                      ●工場を新設する・設備投資を新たに購入する⇒雇用に好影響

                                      ●既存社員を能力開発し一人当たりの生産性向上させる⇒一人当たり賃金が増える⇒給料額面に好影響

                                      ●機械設備を更新投資して一人当たりの生産性向上させる⇒一人当たり賃金が増える⇒給料額面に好影響

                                       

                                      〜事例◆嵎・サービスが従来よりも個数が少なく(サービス回数が少なく)買われ続けた場合、物・サービスの供給を調整するための手段と、その手段を講じた後の可能性」〜

                                      ●雇用を減らす(人を解雇する)、設備を廃棄する、工場を閉鎖する⇒給料額面、雇用に悪影響

                                       

                                       

                                      (3)名目GDPのイメージ(事例、事例い裡欧弔了例でのイメージ)

                                      〜事例「物・サービスを従来よりも高い値段で買われ続ける場合」〜

                                      ●従来と同じ仕事をして給料が増える可能性がある⇒給料額面に好影響

                                       

                                      〜事例ぁ嵎・サービスが従来よりも安い値段で買われ続ける場合」〜

                                      ●従来と同じ仕事をしても給料が下がる可能性がある⇒給料額面に悪影響

                                       

                                       

                                       

                                      2.「GDP3面等価の原則」の完全攻略

                                       

                                      GDPは、物・サービスがお金と対価で交換された場合にカウントします。

                                       

                                      ●●事例設定A:4人コミュニティ●●

                                      一郎:みかんを作る

                                      二郎:リンゴを作る

                                      三郎:講演をする

                                      四郎;牛丼を作る

                                      みずほ銀行が一郎に1000円貸し付ける

                                       

                                      <ケーススタディ В韮庁弌瓧亜 岼貎妖たりGDP0円×4人=0円」>

                                      上記4人コミュニティで、4人は一文無し。物々交換をした場合、

                                      ・一郎が作ったみかんを二郎に無料であげる

                                      ・二郎が作ったリンゴを三郎に無料であげる

                                      ・三郎の講演サービスを四郎に無料で聞かせてあげる

                                      ・四郎の牛丼を一郎に無料であげる

                                      GDPは物・サービスがお金を対価として買われた場合にカウントされます。

                                      そのため、お金が対価とされていない物々交換のケーススタディ,任蓮■韮庁弌瓧阿任后

                                       

                                      <ケーススタディ◆В韮庁弌瓧苅娃娃葦漾 岼貎妖たりGDP1000円×4人=4000円」>

                                      上記4人コミュニティの中で、

                                      ・一郎がみずほ銀行から借りた1000円で、四郎の牛丼を買い =GDP1000円

                                      ・四郎が牛丼を売って得た1000円で、  三郎の講演を聞き =GDP1000円

                                      ・三郎が講演サービスして得た1000円で、二郎のリンゴを買い=GDP1000円

                                      ・二郎がリンゴを売って得た1000円で、一郎からみかんを買い=GDP1000円

                                      ・一郎はみかんを売って得た1000円を、みずほ銀行に返済する=GDP   0円

                                       

                                      この場合、四郎の牛丼を作る仕事に対して、

                                       四郎の生産面のGDP=1000円の付加価値

                                       一郎の支出面のGDP=1000円の消費

                                       四郎の分配面のGDP=1000円の報酬

                                      となります。

                                       

                                      生産面のGDP=支出面のGDP=分配面のGDPとなることをGDP3面等価の原則といい、このケースではGDP1000円とカウントされます。

                                       

                                      同様に、一郎のみかんを作る、二郎のリンゴを作る、三郎の講演サービスを提供する、もすべてGDP1000円となります。最後、一郎は1000円をみずほ銀行に返済していますが、「GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出」ですので借金返済(一郎→みずほ銀行への1000円の返済)はGDPが増えません。

                                       

                                      生産面のGDP合計4000円=支出面のGDP合計4000円=分配面のGDP合計4000円となり、GDP=4000円となります。

                                       

                                       

                                      ●●事例設定B:3人コミュニティ●●

                                      一郎:死亡

                                      二郎:リンゴを作る

                                      三郎:講演をする

                                      四郎;牛丼を作る

                                      みずほ銀行が二郎に1000円貸し付ける

                                       

                                      <ケーススタディ:GDP=3000円 「一人当たりGDP1000円×3人=3000円」>

                                      ・二郎がみずほ銀行から借りた1000円で、四郎の牛丼を買い=GDP1000円

                                      ・四郎が牛丼を売って得た1000円で、三郎の講演を聞き=GDP1000円

                                      ・三郎が講演サービスして得た1000円で、二郎のリンゴを買い=GDP1000円

                                      ・二郎はリンゴを売って得た1000円を、みずほ銀行に返済する=GDP0円

                                      ケーススタディ△汎瑛佑法∋溶困竜輟Г鮑遒觧纏に対して、

                                      四郎の生産面のGDP=1000円の付加価値

                                       二郎の支出面のGDP=1000円の消費

                                       四郎の分配面のGDP=1000円の報酬

                                      となり、生産面のGDP=支出面のGDP=分配面のGDPとなって、GDP1000円がカウントされます。

                                      以下、二郎のリンゴを作る、三郎の講演サービスを提供する、もすべてGDP1000円となります。

                                      生産面のGDP合計3000円=支出面のGDP合計3000円=分配面のGDP3000円となって、GDP3000円となります。

                                       

                                      ●●事例設定C:3人コミュニティ●●

                                      一郎:死亡

                                      二郎:AKBのサインが入ったリンゴを作る

                                      三郎:コーヒーを提供しながら講演をする

                                      四郎;牛丼の品質を向上し、A5ランクの牛を素材にした牛丼を作る

                                      みずほ銀行が二郎に2000円貸し付ける

                                       

                                      <ケーススタディぁВ韮庁弌瓧僑娃娃葦漾 岼貎妖たりGDP2000円×3人=3000円」>

                                      ・二郎がみずほ銀行から借りた2000円で、四郎のA5ランク牛丼を買い=GDP2000円

                                      ・四郎が牛丼を売って得た2000円で、三郎のコーヒー付き講演を聞き=GDP2000円

                                      ・三郎が講演サービスして得た1000円で、二郎のAKBサイン入りのリンゴを買い=GDP2000円

                                      ・二郎はAKBサイン入りリンゴを売って得た2000円を、みずほ銀行に返済する=GDP0円

                                      四郎のA5ランクの牛丼を作る仕事に対して、

                                      四郎の生産面のGDP=2000円の付加価値

                                       二郎の支出面のGDP=2000円の消費

                                       四郎の分配面のGDP=2000円の報酬

                                      となり、生産面のGDP=支出面のGDP=分配面のGDPとなって、GDP2000円がカウントされます。

                                      以下、二郎のAKBサイン入りリンゴを作る、三郎のコーヒー付き講演サービスを提供する、もすべてGDP2000円となります。

                                      生産面のGDP合計6000円=支出面のGDP合計6000円=分配面のGDP6000円となって、GDP6000円となります。

                                       

                                       

                                       

                                      3.「GDP3面等価の原則」からわかる人口問題の誤解

                                       

                                       ケーススタディ△肇院璽好好織妊い傍載の通り、人口が4人→3人に減った場合でも、1人が別の作業もできるようになった場合は一人当たりGDPが増えて、6000円となり、4人のときよりもGDPが増えます。(経済成長します。)

                                       また、別の作業をしなくても、各々が稼働率を2倍に引き上げる(リンゴ2個、講演別テーマ2回、牛丼2杯)の場合でも、一人当たりGDPが増えて6000円となり、やはり4人のときよりもGDPが増えます。(経済成長します。)

                                       言葉の定義「経済成長」=「GDPの成長」です。人口が減少しても一人当たり生産性向上により別の作業ができるようになる、2倍の仕事ができるようになる、が実現できれば、経済成長(GDPの成長)ができるのです。

                                       

                                       

                                       

                                      4.10兆円公共事業をするか?個人に配布すべきか?

                                       

                                       「GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出」の項目のうち、単年度・長期の期間を問わず、着実にコントロールできるのは政府支出のみです。乗数効果以前に、いつ?(予算が付けば1年以内)いくら?(額が決まればその額)が着実で、具体的には、今年10兆円政府支出すれば、GDPは10兆円増えます。

                                       

                                       単年度でいえば、「10兆円公共事業を増やす」「10兆円個人に現金配布」で、どちらの経済効果が勝るか?明確ではないでしょうか?いうまでもなく前者です。個人に10兆円現金配布したところで、配布した10兆円は、いつまでに?(1年後、2年後・・・10年後?)いくら?(半分5兆円?1兆円?10兆円全部?)誰も予測できません。

                                       

                                       いつ?いくら?の予測がつけば、政府支出の恩恵を受ける企業は投資がしやすくなります。特に長期間にわたるプロジェクト(新幹線整備や高速道路整備や日本海側の港湾整備)であれば、ゼネコン・マリコンは人材採用や設備投資にも前向きになることでしょう。

                                       

                                       例えば、小売業に恩恵をうけさせるために個人に商品券10万円を配布したところで、毎月の給料から10万円追加で貯金されてしまっては、現金10万で払うところを商品券10万で払ったということで、個人消費が増えることにはならないです。個人が商品券10万の他に毎月の給料からまったくお金を使うことがないと断定はできませんが、いつ?いくら?商品券以外に現金を使ってくれて消費額を増やしてくれるか?誰も予測でません。

                                       すべての業種で均等に政府支出の恩恵を受けるべきで、ゼネコンマリコン医療介護だけがなぜ優遇されるのか?不平等ではないのでは?という意見もあるかもしれません。とはいえ、「10兆円公共事業を増やす」「10兆円個人に現金配布」でいえば、デフレで苦しんでいる場合は、GDPが単年度で着実に10兆円増加できる前者の方が、はるかに効果が大きい政策であり、優先されるべきなのです。

                                       

                                       

                                       

                                      5.政府が「道路を掘って埋める」を発注した場合どうなるか?

                                       

                                       「道路を掘って埋める」がボランティアでなされれば、GDPはカウント不可

                                       「道路を掘って埋める」がお金と対価で行われれば、GDPはカウントされる

                                       

                                       例えば、政府支出で「道路を掘って埋める」を企業Aに発注し、100支出すれば、道路を掘って埋める仕事に対して、

                                      企業Aの生産面のGDP=100付加価値

                                      政府 の支出面のGDP=100消費

                                      企業Aの分配面のGDP=100報酬

                                      で生産面のGDP100=支出面のGDP100=分配面のGDP100となってGDP100になります。

                                       

                                       また、企業Bの支出で「企業Bの敷地内の駐車場を掘って埋める」で企業Bが企業Aへ100支出すれば、

                                      企業Aの生産面のGDP=100付加価値

                                      企業Bの支出面のGDP=100消費

                                      企業Aの分配面のGDP=100報酬

                                      で生産面のGDP100=支出面のGDP100=分配面のGDP100となってこれまたGDP100です。

                                       

                                       さらに、個人Cの支出で「個人Cの私道を掘って埋める」で個人Cが企業Aへ100支出した場合は、

                                      企業Aの生産面のGDP=100付加価値

                                      個人Cの支出面のGDP=100消費

                                      企業Aの分配面のGDP=100報酬

                                      で生産面のGDP100=支出面のGDP100=分配面のGDP100となってこれまたGDP100です。

                                       

                                       「道路を掘って埋める」に付加価値などあるのか?というご指摘もあるかもしれませんが、GDPとは物・サービスとお金の対価がなされればカウントされるものですので、上記の考え方になります。

                                       インフラ的には、道路は一回作れば終わりではなく、メンテナンスが必要。そのメンテナンス費用自体が、雇用を生み、GDPの維持=道路をメンテナンスする生産面のGDPの維持=支出面のGDPの維持=分配面のGDPの維持につながっているのです。

                                       

                                       

                                       

                                      6.政府支出についての考察(1997年比での18年間の考察)

                                       

                                       政府支出といった場合、内閣府が公表しているGDP速報(1次速報、2次速報)、GDP確報について、

                                      ●政府最終消費支出

                                      ●公的固定資本形成

                                      という2つの項目があります。端的に言えば以下の通り。

                                       

                                      (1)政府最終消費支出の例

                                      ・医療報酬、介護費用報酬

                                      ・公務員給料(国会議員の給料も含む)

                                      ・年金への支出

                                       

                                      (2)公的固定資本形成の例

                                      ・インフラストラクチャー

                                       

                                      (3)2016/8/15発表の内閣府のホームページ掲載の4月〜6月GDP速報のデータから見た統括

                                      1997年と2015年で比較した場合は、以下の通り。

                                      (四半期季節調整後ではなく、各四半期実質原系列の合計数字)

                                       

                                      政府最終消費支出:1997年75兆円→2015年102兆(△27兆円)

                                      公的固定資本形成:1997年39兆円→2015年20兆(▲19兆円)

                                       

                                       上記の統括は以下の通り。

                                      ・政府最終消費支出は1997年から2015年で、右肩上がりに上昇し続け、直近では我が国のGDP500兆円とした場合、2015年数値比で約5%(27兆円)増加し、500兆円のうち20%を占めるようになった

                                      ・公的固定資本形成は1997年から2015円で、右肩下がりに下落し続け、直近では我が国のGDP500兆円とした場合、2015年数値比で約4%(19兆円)減少し、500兆円のうち4%まで占有率が下がった

                                       

                                      (4)統括の補足

                                       医療報酬介護費用報酬年金への支出が増えて、政府最終消費支出が増えている傾向にあるが、GDP算出の上では政府支出と物・サービスの交換でGDPとしてカウントされる。端的に言えば医療法人、社会福祉法人、医薬品メーカー、医療器械製造メーカーを中心にGDPが増えた(経済成長できた)と言えます。

                                       一方で公的資本形成は減少をし続けており、「インフラは作っても無駄」として緊縮財政をしてきた結果、19兆円GDPが減った。端的に言えばゼネコン・マリコンを中心とした公的固定資本に関わる業種の企業を中心にGDPを減らした(経済成長できず、経済が縮小してしまった)と言えます。

                                       即ち、公共工事を削減してGDPが減少した分を、医療費・介護費の政府支出増加で補ってGDP500兆円を維持してきたというのが1998年以降のGDP推移の統括であり、今も続いているトレンドなのです。

                                       

                                       

                                      以上GDPとは何ぞや!ということについて、言葉の定義をはじめ、GDP3面等価の原則について解説いたしました。ご理解は深まったでしょうか?ご質問があれば、コメントいただければ幸いです。

                                       


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