消費増税は、リーマンショック何回分のダメージか?

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     今日は「消費増税は、リーマンショック何回分のダメージか?」と題して論説します。

     

     安倍政権は、リーマンショッククラスの事件が起きない限り、10月からの消費増税は予定通り実施するとしており、消費増税の是非は参議院選挙の争点の一つになっています。

     

     消費増税をすると、消費が鈍化するのは明白で、何しろ消費に対する罰則課税であるため、V字回復どころかL字で回復せず、物価下落を通じて、実質賃金も下落していくことになります。

     

     例えばたばこ税を引き上げた場合も、喫煙者が「これからタバコをガンガン吸うぞ!」とはなりませんし、炭素税を引き上げる場合も、企業経営者が「これから二酸化炭素をガンガン排出するぞ!」とはなりません。

     

     それと同様に消費増税した後、「消費をガンガン増やすぞ!」という人はいません。消費税が消費に対する罰則課税なので、いうまでもありません。

     

     そして経済成長というGDPでみますと、日本のGDP500兆円のうち、6割の300兆円が個人消費です。そのため、消費増税による経済成長の鈍化・抑制の影響が極めて大きいのです。

     

     特に日本の場合、バブル崩壊後に緊縮財政をやってしまったため、1997年の消費増税5%UPをやって以降、経済成長しなくなりました。下記はGDPの伸び率について世界各国と比較したグラフです。

     

    <世界主要国のGDPの伸び率>

    (出典:世界経済のネタ帳)

     

     上記の通り、日本が失われた20年といわれるのが、よく理解できるかと思います。1997年と2016年の比で、中国は13倍、韓国が2.4倍、米国2.3倍、英国1.9倍で、日本が1.0倍です。

     

     1997年の消費増税では、増税前バブル期がGDPで3%〜4%と伸びていて、バブル崩壊後でも2%以上伸びていました。2%台というのは、OECD加盟国97か国中95番目でものすごい低い数値であり、その状況で橋本政権のときに消費増税5%をやりました。その直後のGDPは0.16%にまで下がり、97か国中最下位になったのです。

     

     したがって1997年の消費増税5%をやっていなければ、バブル崩壊後も2%台で経済成長していたこととなり、もしそうだとするならばGDPの伸び率がどのくらい抑制されてしまったのか?計算することができます。

     

    <ケーススタディ>

    ●1997年のGDP500兆円

    ●1997年の消費増税5%がなかったとして消費税率3%のまま1997年〜2018年まで22年間GDPが2.0%ずつ伸びていたと想定

     

     500兆円×1.020^12(1.020の12乗)=約4,350兆円

     

     消費増税というよりも、1997年の構造改革基本法の制定がなければ、公共事業の削減もしなかったでしょうし、伸びる医療・介護費も抑制することはなかったでしょう。

     

     その結果、政府支出や個人消費が伸びたものとして2%ずつ成長していれば、実にGDPは8倍以上にもなっていたのです。逆に消費増税と公共事業削減と医療・介護費の抑制によって、約4,800兆円GDPが下がったともいえます。

     

     リーマンショックのとき、消費が落ち込みましたが、その時の被害が約90兆円で、90兆円÷1億3000万人≒692.307円で、一人当たり70万円の損失です。

     

     消費増税で約4,800兆円下がったということと、リーマンショックで約90兆円の被害があったとするならば、実にリーマンショックが50回で4,500兆円となるため、リーマンショック50回以上のダメージを受けると、今の日本経済になるということがいえます。

     

     そのため、リーマンショック級という概念自体が成立せず、経済成長率は何年も経過すると、すさまじい被害を被るということがわかります。

     

     

     

     というわけで今日は「消費増税は、リーマンショック何回分のダメージか?」と題して論説しました。

     2014年の消費増税8%から既に5年が経過しました。リーマンショック何個分か?といえば、2014年の8%増税前は、1.数%消費が伸びていましたが、それ以降は0.4%程度に落ち込みました。またバブル崩壊後2.数%経済成長していたとき、1997年の5%増税で1.数%に経済成長率が抑制されています。もし10%増税をすれば、ほとんど0.0%で全く経済成長しなくなります。

     安倍首相の判断で、既にリーマンショック級の何個分になるのか?我が国は、その被害を受けようとしているのです。

     

     

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       今日は「安倍総理の今後10年は消費税を上げないとする言説について」と題して論説します。

       

       いよいよ投開票が近くなった参議院選挙ですが、自民党は消費増を10%に引き上げるとして選挙を戦っています。その中で、安倍総理は「10月に消費税を10%に引き上げた後、10年間は消費増税の必要はない」との考えを示しました。一方で、立憲民主党の枝野氏は、消費増税10%への引上げに反対の考えを明らかにし、選挙戦を戦っています。

       

       安倍首相は、将来の社会保障費の財源として、消費増税に加えて高齢者の雇用拡大による税収増で確保できるとしています。

       

       私はかねてから消費増税に反対の立場で論説していますが、日本経済の崩壊が現実味を帯びてきたと考えます。日本の発展途上国化が現実味を帯びてきたともいえます。おそらく消費税を上げた時点で、経済はガタガタになるでしょう。

       

       今後10年間上げないからとか関係なく、デフレ下での消費増税UPで、さらにデフレが促進し、値下げ圧力で儲かりにくくなって銀行の経営はより苦しくなり、小さい個人商店の小売業は廃業が増え、大手の流通業も値下げしないと売れないということで、賃金は伸び悩みます。

       

       これが物価上昇率で5%とか6%とか7%とかなら、まだ理解しますが、そうではない以上、上述のシナリオが見えているにもかかわらず、安倍首相は3党合意で決めたことだからとして、消費税を引き上げるといっています。

       

       しかしながら3党合意の中で、民主党の流れをくむ立憲民主党の枝野代表は、3党合意について、結果的にあの判断は間違っていたといっているため、3党合意など存在していないのです。

       

       したがって、安倍首相は消費増税をする大義名分はなく、法律で決まっていたとしても、法律で消費増税を凍結したり減税したりすることもできるわけであって、それをやらず消費税を上げるというのは、もはや安倍首相自身が勝手に消費税を引き上げるという話になってしまっているのです。

       

       第2次安倍政権が誕生する前の2012年の総選挙のとき、デフレ脱却するまで消費税を引き上げないと言っていたにもかかわらず、安倍首相自身が勝手に消費税を引き上げるとなれば、そのとき主張していた「デフレ脱却するまで消費税を引き上げない」というのはウソだったということになります。

       

       今回の消費増税によって、幼児教育の無償化、高等教育の無償化に充当するといっていますが、もちろんお金に色はついていないので、確かに充当するでしょう。

       

       しかしながら増税分を充当したとして、その恩恵を受けた人らが、幼児教育費、高等教育費の無償化された分の金額を消費に使ってもらわなければ、消費に使ってもらわなかった分が経済効果がなかったということになります。デフレで先行きの見通しが悪い状況では、幼児教育費や高等教育費を無償化にしたとしても、その分月給から貯金する金額が増えるだけにならないでしょうか?

       

       ましてや老後2000万円が必要などという金融庁のレポートが出ているくらいですので、現金配布やそれに類似する無償化政策をやったとしても、毎月もらっている給料から貯金や株式投資・投資信託への投資をする金額が増えるだけです。というより金融庁の報告書は、麻生大臣が受け取らなくても、給料から消費を抑制して株式投資・投資信託への投資を増やすことを奨励しているのではなかったのでしょうか?

       

       株式や投信への投資に限らず、普通に貯金や住宅ローンの返済、自動車ローンなどの各種ローンの返済に回ることもあります。この場合、貯金も借金返済も、GDPにはカウントされません。GDP3面等価の原則でいう、誰かの生産にもなっておらず、誰かが費消したことにもなっておらず、誰かの所得も生み出しません。株式投資や投資信託への投資でいえば、投資額が丸々GDPにカウントされるわけではなく、株式売買手数料や投信販売手数料・信託報酬という投資額から微々たるものだけが証券会社や銀行などの金融機関の所得としてGDPにカウントされるだけです。

       

       また消費税で増税したお金は、一般会計に入るため、何に使っているかは不明で、その上、政府の負債を返済する原資にも充当するでしょう。

       

       デフレの状態で政府の負債を減らすとなれば、反対側で誰かの預貯金も減ります。借金だけが残ることはあり得ませんので、借金をすれば反対側で課している誰か?預金者がいるので、例外なく必ずそうなります。普通の貨幣理論でいえば、現金を償却・滅却するという話であり、デフレ圧力がますますかかることでしょう。

       

       消費増税をした後、GDPの成長率は大きく低迷し、実質賃金も落ち込むことが既に実証されていまして、下記は実質賃金指数の推移です。

       

      <2015年を100として、1990年〜2018年の期間における実質賃金指数の推移>

      (出典:厚労省のホームページの毎月勤労統計の資料の数値を引用)

       

       

       このように消費増税をすることで、景気が悪くなって給料が減り、雇用規制が緩和されているがゆえに非正規雇用が増えて結婚できない若者が増え、さらに少子化に拍車がかかることは明白です。

       そして、デフレ圧力が強まることで、虎の子の供給力が毀損され、日本が発展途上国化の道を突き進むことになると思うと、大変つらいです。

       

       

       というわけで今日は「安倍総理の今後10年は消費税を上げないとする言説について」と題して論説しました。

       

       

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      ”ダメな自民党”と”もっとダメな野党”の議論といえる対韓国輸出管理強化問題について

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         私は、かつてNHKの番組の「日曜討論」という番組が好きで、欠かさず見ていたのですが、今はほとんど見なくなりました。理由は、与野党ともに”わかっていない人”と”もっとわかっていない人”が討論しているというのがその理由です。

         

         昨日も韓国への半導体材料の特別措置を辞めたことについて取り上げましたが、7/14のNHK番組の「日曜討論」でも、この問題が取り上げられたと報じた新聞記事を見つけたため、今回も昨日に続き、韓国向けの半導体材料の輸出規制に関する問題を取り上げ、「日本の国会議員が全く仕事をしていないこと」と「米国のトランプ政権だったらどうするであろうか?」について私見を述べたく、「”ダメな自民党”と”もっとダメな野党”の議論といえる対韓国輸出管理強化問題について」と題して、昨日とは別の角度から下記の順で論説します。

         

        1.日本政府の対応は禁輸でもなければ規制強化にも該当せず!

        2.韓国との間に問題が山積しているのに何もしない日本政府と、関税を使って問題を解決する米国政府と米国議会

        3.立憲民主党、共産党、社民党の反論は論外

         

         まずは、産経新聞の記事をご紹介します。

        『産経新聞 2019/07/14 11:45 立民や共産、対韓輸出管理強化を批判 自民「正しい措置」と反論

         与野党の幹部は14日のNHK番組で、政府が半導体材料の韓国向け輸出管理を強化したことをめぐり論戦を交わした。立憲民主党の福山哲郎幹事長は「(いわゆる徴用工問題など)政治的問題に通商的な対抗措置を取ったと国際社会から見られるのは国益上マイナスだ」と政府の対応を批判した。自民党の萩生田光一幹事長代行は「直接の報復措置ではなく安全保障の問題で、政府の措置は正しい」と応戦した。

         共産党の小池晃書記局長も「政治的紛争の解決に貿易問題を使うのは禁じ手だ」と政府を批判し、社民党の吉川元(はじめ)幹事長は「ナショナリズムをあおることはやめるべきだ」と福山氏に同調した。

         一方、日本維新の会の馬場伸幸幹事長は政府の対応を評価した上で「韓国大統領の国内での立ち位置が日韓関係に影響を与えている。大統領が代わらないと改善の見込みはない」と主張。公明党の斉藤鉄夫幹事長は「安全保障上の必要な措置」と指摘しつつ「大切な隣人とはしっかりと意見交換していく」と強調した。

         萩生田氏は福山氏らの批判に対し「日韓の信頼関係が崩れているのは徴用工問題だけではなく、(元慰安婦を支援する)財団の解散を含め、日韓間で積み上げてきた約束事ができていないからだ」と反論した。

         国民民主党の平野博文幹事長は「わが国の措置は必要な措置だが、報復措置的に捉えることだけは避けるべきだ」と述べた。

         

         

        1.日本政府の対応は禁輸でもなければ規制強化にも該当せず!

         

         昨日も取り上げておりますが、この記事は、日本政府が7/1、韓国向けの半導体材料の輸出規制を強化すると発表し、日本政府は元徴用工の訴訟に関する対抗措置ではないと説明する一方、韓国政府がWTOのルールに反するとして、在韓国日本大使を呼び出して抗議するなど、強く反発している問題です。

         

         この問題に対して、韓国に対する輸出規制と日本のマスコミは、「事実上の禁輸」であるかの如く、輸出規制と勇ましく報道しています。これに対して、日経ビジネスに元経済産業省で貿易管理の責任者で、現在は中部大学特任教授の細川昌彦氏が、7/3面白い解説をしていました。

         

         その解説を要約すると下記のとおりです。

        ●この問題は、そもそも韓国に対して新たに輸出規制を発動するものではない

        ●韓国向けの半導体材料の輸出について2004年から特別な優遇措置が取られていた

        ●日本から韓国などの海外に輸出する際は、政府の許可が必要だが、その許可を取る手続きを簡素化する手続きがある

        ●韓国はその簡素化する手続きが取れる優遇措置の対象になっていた

        ●今回、韓国をその対象から外し、普通の手続きが必要という形に戻すだけのこと

         

         細川昌彦氏によれば、この簡素化した手続きは3年間有効な「包括許可」と呼ばれるものでして、包括的な許可を韓国が一回とれさえすれば、3年間は簡単に輸出がスムーズにできるようになります。

         

         本来ならば輸出の許可は、「個別許可」が必要なのですが、契約ごとに個別に許可を取るのが普通であり、今回韓国はその普通の手続きが必要になっただけの話です。

         

         包括許可の簡略化は、特別に信頼できる相手国のみ認められているものであり、そうした対象国のことをホワイト国と呼びます。

         

         韓国は2004年からホワイト国だったのですが、今回外れました。だからこれは禁輸でもなければ規制強化にも該当しません。

         

         「特別扱いをしない」は規制強化とは言いません。これは明らかに安倍政権を”ヨイショ”したいマスコミのミスリードではないでしょうか?

         

         

         

        2.韓国との間に問題が山積しているのに何もしない日本政府と、関税を使って問題を解決する米国政府と米国議会

         

         そんな中、日経ビジネスの細川義彦氏の解説は、韓国の問題になると嫌韓感情に反応するマスコミが多いのと比べて、極めて冷静な解説であるといえます。

         

         しかしそれ以上に問題なのは、韓国との間に問題が山積しているにもかかわらず、日本政府が何もしていないという不作為があることです。

         

         韓国人の元徴用工の訴訟問題では、実際に大変な問題が起きており、韓国への強硬措置を求める声も上がっています。

         

         具体的には、今回のような貿易に関して韓国に対して輸出を許可しないという方針にして事実上の禁輸措置を取るという厳しい手段もあるはずという声があります。

         

         ところが日本政府の考え方としては、日本は法治国家であるため、政治的な道具として恣意的に法律を利用するのはいかがなものか?という意見になっています。

         

         だとすれば、トランプ政権の報復関税はどう考えるべきなのでしょうか?

         

         恣意的な政治道具として法律を使っているとしか言いようがありません。ですが、トランプ政権は関税を政治的な道具として使うことによって実際に問題を解決しています。

         

         その一方で、日本は韓国との問題を解決しようと何もしておらず、もし米国だったらどうなるのか?ここに真の問題があると私は考えます。

         

         米国の議会であれば、この状況に遭遇した場合、おそらく韓国のような相手国に対して、輸出不許可にする新たな法律を作るでしょう。何しろ、中国から台湾を守るために、2018年3月16日に台湾旅行法(Taiwan Travel Act)を制定しました。それだけではなく、ウイグル問題で中国の人権侵害を阻止するため、ウイグルで顔認証システムを製造している企業を割り出し、経済制裁をかけようと、議会が法律を制定する動きもあります。議会は法律を作るのが仕事であり、米国の場合は対中国に対して、与野党の共和党・民主党を問わず、超党派で作ります。

         

         ところが日本の国会議員は法律を作るのが自分たちの仕事と思っていないのか?日本政府が動くのをただ待っているだけで、議員立法で通商政策について韓国へ厳しい措置を取るなどの法律を作ろうとする動きはありません。

         

         また米国政府は、2019/07/01に米国通商代表部のUSTRがEUに対して、エアバス社に対し、フランス政府が補助金をたくさん出していると指摘し、これがWTO違反であるとして約40億円相当の貿易について追加関税を課す可能性を発表しています。

         

         これがまさに今のトランプ政権のやり方です。フランス政府の輸出補助金を問題にしているのですが、そういう意味でWTOのルールの範囲内で、トランプ政権はEUに対して戦いを挑んでいます。

         

         政府の補助金というならば、サムスン電子に対して巨額の補助金を出している点で、韓国政府も同じです。韓国は国家を上げて国家の保護のもとで、巨大企業を作り上げてきました。

         

         その結果、日本の民間企業は多大な損害をずっと被ってきたにもかかわらず、政府は何もしません。

         

         もし米国政府だったら、すぐにWTOへ提訴していたであろうし、米国議会だったら輸出不許可の法律を作っていたことでしょうし、米国政府が補助金で韓国政府を追い詰めることもあり得たでしょう。

         

         日本も同じようなことを検討すべきではないでしょうか? 

         

         

         

        3.立憲民主党、共産党、社民党の反論は論外

         

         米国議会は与野党問わず、仕事をします。それに比べて日本の議会は全くダメだと思います。ご紹介した産経新聞の記事では色を付けさせていただきましたが、野党の反論についてみていきたいと思います。

         

        ●立憲民主党の福山哲郎幹事長

        (徴用工問題など)政治的問題に通商的な対抗措置を取ったと国際社会から見られるのは国益上マイナスだ!

        杉っ子の解説⇒国益が何なのか?理解をしていないのではないでしょうか?

         

        ●共産党の小池晃書記局長

         政治的紛争の解決に貿易問題を使うのは禁じ手だ!

        杉っ子の解説⇒「禁じ手」という語彙を使って何か日本政府が悪いことをやっているかの如く印象操作をする言説です。普通に米国は貿易問題を紛争解決手段として使って、実際に問題を解決しています。

         

        ●社民党の吉川元幹事長

         ナショナリズムを煽ることはやめるべきだ!

        杉っ子の解説⇒優遇措置を辞めただけの話が、なぜナショナリズムを煽ることになるのか?意味不明です。

         

         

         このようにNHKの日曜討論の内容は、本当にレベルが低い。ダメな奴とダメダメな奴とダメダメダメな奴らが集まって話し合っているようなもので、はっきりいって時間の無駄です。貴重な公の電波を使って、このようなレベルの低すぎる議論を報じているNHKもはっきりいってダメダメだと私は思います。

         

         

         というわけで今日は「”ダメな自民党”と”もっとダメな野党”の議論といえる対韓国輸出管理強化問題について」と題して論説しました。

         3連休のとき、JR新宿駅近辺で、参議院選挙の候補者の宣伝カーが「○○候補です。私に仕事をさせてください!」と北海道出身の維新の会から出馬している旧自民党の超ベテランの議員と遭遇しましたが、その議員が仕事をさせてあげられるくらい真剣に国益を考えているか?といわれると、超ベテラン議員といえども、私は甚だ疑問に思います。

         当選回数に関係なく、真の国益を理解し、そのために行動できる人を私たちは選ばなければ、日本は亡国に突き進むものと改めて思うのです。

         

         

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        日本政府は韓国に対して、半導体材料の輸出を規制したのではなく、特別扱いを辞めただけです!

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           今日は「日本政府は韓国に対して、半導体材料の輸出を規制したのではなく、特別扱いを辞めただけです!」と題して論説します。

           

           下記はブルームバーグの記事です。

          『2019/07/12 10:13 半導体材料の輸出規制で日韓会合、「予防的な措置」と経産省幹部

           日韓両政府は12日午後、軍事転用も可能な半導体材料を対象とした日本の韓国への輸出規制を巡り、初の事務レベル会合を都内で開いた。経済産業省幹部によると、日本側は韓国の貿易管理体制がぜい弱だと指摘し、「予防的な措置」として実施したなどと説明。韓国側から撤回を求めるとの発言はなかったという。

           経産省と韓国産業通商資源省の課長らが出席した。4時間半に及んだ会合で、日本側は半導体の製造に使用されるフッ化水素など3品目について日韓間の貿易管理上、不適切な事案があったため、輸出管理を強化したと説明。徴用工問題などを念頭に置いた対抗措置ではないとの考えも伝えた。経産省幹部は記者団に対し、韓国側には理解してもらったとの認識を示した。
           韓国側はこれまで措置撤回を求めてきたが、日本側は拒否。経産省は、今回の会合について措置の内容を事務的に説明するためであり、「輸出管理当局間の協議の場ではない」と位置付けていた。
           日本政府は韓国の輸出管理を巡り、不適切な事案があったとして4日、半導体の製造に使用されるフッ化水素など3品目について、輸出許可取得の手続きが簡素な「包括輸出許可制度」の対象から韓国を外し、個別の許可制とする措置を発動。貿易上の優遇措置が適用される「ホワイト国」から除外するための政令改正について意見募集も開始した。韓国とは輸出管理を巡り、3年以上、十分な意思疎通、意見交換が行われていないとも説明している。

           元経産省貿易管理部長の細川昌彦中部大特任教授は日本側の措置について、「当然やるべきことをやった」と指摘する。韓国に輸出管理を教え、国際的な枠組みに韓国が参加できるよう国際社会に働き掛けたのは日本であり、こうした事態は「恩をあだで返されている」と話す。日本が韓国をホワイト国としたのは「緊密に意見交換をすることを前提」としたもので、今回その前提が「裏切られた」と指摘した。細川氏は1990年代から輸出管理分野を担当し、韓国側とも協議を行ってきた。

           

          個別許可制

           

           韓国側は日本の措置は不当な輸出制限措置であると批判。文在寅大統領は10日に開いた財閥トップらとの懇談会で、日本が政治的な目的で韓国経済に打撃を与える措置を取っているとの見解を示した。

           細川氏は日本の対応は禁輸措置ではなく、「許可のスタンダードを変えたわけではない」ことから、資料提出などを円滑に行えば、韓国企業側に大きな打撃はないとの見方を示す。個別許可制は原則として審査には90日以内の時間を要するとしているが、実際には「平均で4−5週間」であり、「問題のない場合はもっと早い」とした。
           日本側は措置発動の理由とする不適切事案の具体的内容については明らかにしていない。韓国の産業通商資源省は10日、15−19年に戦略物資の違法輸出を156件摘発したが、日本から輸入されたフッ化水素が他国に不正輸出された例はないと発表した。

           細川氏は、輸出管理分野での不適切事案について「日本から韓国に輸出したものが韓国側で軍事用途に使われたか、韓国から第三国に流失したかのいずれか」であると指摘。韓国が発表した摘発数について「相場観からすると非常に多い」として、「その中に日本から輸出されたものが含まれていてもおかしくない」との認識を示した。

           

           

           上記の産経新聞の記事は、日本政府が韓国に対して、半導体材料の輸出を「包括許可」という優遇措置が受けられるホワイト国から外したとされるニュースです。

           半導体材料の3品目(フッ化水素、フッ化ポリイミド、レジスト)の輸出に際して、今まで韓国はホワイト国と日本に認定され、一定期間を定めて包括的に輸出許可をもらっていました。しかしながら、今後は出荷ごとに日本政府への申請が必要となり、個別に審査をすることとなります。

           

           一般的には、個別許可となると、審査に90日以上かかるといわれており、在庫が1カ月程度しかないとされる韓国の半導体メーカーの生産が滞る可能性があるという指摘があります。

           

           とはいえ、私はこの日本のマスコミの報道には違和感を持ちます。日本のマスコミもそうですが、このブルームバーグでも「輸出規制」という言葉が使われています。ひょっとすると多くの日本国民が輸出規制を発動したと思いかねないのですが、実際は輸出規制を発動したのではなく、これまでの優遇措置を取りやめたというだけのことであって、規制を発動したわけではなく優遇を取りやめたという話です。

           

           「優遇を取りやめた」ということについて、普通は規制を発動したとは言いません。日本語がおかしいのですが、おそらくマスコミが安倍政権を「ヨイショ!」して、規制を発動したと報じているのでしょう。

           

           なぜならば「規制をした!」と報じれば、「韓国に対して厳しい対応をした!安倍政権は、すごいな!」となるわけです。

           

           ところが実際は何もすごいことはしていません。普通の国と同じ扱いにしたというだけなので、規制しているわけではないのです。

           

           確かに韓国にとって厳しい措置であることに違いありませんが、日本にとっては単に優遇措置を辞めただけに過ぎません。

           

           韓国からは、日本政府の措置についてWTOの協定違反で訴えるとしていますが、安全保障上の重大な利益を保護するために各国は必要な措置がとれると定められており、安倍総理はWTOに反している措置ではないと主張しています。

           

           仮にWTOに反している措置とするならば、優遇措置をしていない他国のすべての国から訴えられることとなり、韓国にとっては今までの優遇措置とは何なの?ということにならないでしょうか。

           

           普通の状態がWTO違反という状況を主張すればするほど、今までの優遇措置を認めたことになるわけで、なんでこんな言い方をするのか?私には理解ができません。

           

           にもかかわらず、康京和外相は、「徴用工問題に対する不合理で常識に反する報復措置だ!」と主張しており、なぜ優遇措置を辞めたというだけでそのような言われ方をされなければならないのか?腹立たしく思います。

           

           その一方で、日本の経済界の中には貿易で影響を受ける可能性があると指摘する声があるのですが、こうした声は何が基本なのか?勘違いしているとしか言わざるを得ません。

           

           安全に貿易できるのが当たり前というのは、普通に間違っています。輸出にしても輸入にしても、国家間では何が起きるかわからないのが常であり、戦争になったり契約上でもめることなど、普通に起こり得る話です。

           

           「輸出入が普通にできるのが当たり前」という言説は、「何を甘えたこと言っているんだ!」という話であって、「普通に貿易ができる状況の方が、ありがたいと思っておけ!」ということです。

           

           

           というわけで今日は「日本政府は韓国に対して、半導体材料の輸出を規制したのではなく、特別扱いを辞めただけです!」と題して論説しました。

           例えば家族の場合、他人はどうなるのかわかりませんが、家族は仲良くしておこうとなります。何しろ何年も一緒に暮らしているわけですから、当然そうなります。そしてこれを経済で当てはめれば、外需に依存するのではなく、内需を大切にすることに他なりません。

           韓国のこの問題に対して、マスコミの報道の仕方に問題があるとは思うものの、その一方で経済界の人々らに対しても「国家間の付き合い方の認識が甘い!」と指摘したいと、私は思うのです。

           

           

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          世界中が同時不況に向かおうとする中、減税によって経済成長へ転じる親日国ウズベキスタン

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             今日は親日国ウズベキスタンについて取り上げたく、「世界中が同時不況に向かおうとする中、減税によって経済成長へ転じる親日国ウズベキスタン」と題して論説します。

             

            1.自国通貨を完全変動相場制に移行したウズベキスタンが、大減税をやって経済成長へ!

            2.日本とウズベキスタンの国交樹立25周年記念プロジェクト映画の公開

            3.マグニチュード5.2という大規模地震でも倒壊しなかったナヴォイ劇場

             

            上記の順で論説します。

             

             

             

            1.自国通貨を完全変動相場制に移行したウズベキスタンが、大減税をやって経済成長へ!

             

             ウズベキスタンは1992年にソ連から独立した国ですが、人口は3,200万人と中央アジアで最も多い国です。

             

             独裁政権のカリモフ大統領が2年間に亡くなり、ミルジオエフ大統領になってから、自由市場の方向へと舵を切りました。特に通貨政策について、自国通貨のスムを完全変動相場制に移行しました。あの中国ですら、人民元は完全変動相場制になっていないのですが、ミルジオエフ大統領は勇気をもって完全変動相場制へ移行し、さらに大減税を行いました。

             

             そのウズベキスタンが経済成長しつつあるということで、7/9のブルームバーグの記事をご紹介します。(日本語訳がないため、原文のまま掲載します。)

            『2019/07/09 15:25 Uzbekistan May Issue More Eurobonds This Year, Central Bank Says

             Uzbekistan may tap global debt markets with a second dollar-denominated Eurobond this year after investors lapped up a debut sale in February.

             “International investors need to be able to see a country’s credit history,” Mamarizo Nurmuratov, the nation’s central bank chief, said in an interview in St. Petersburg, Russia. “Our first one doesn’t give us a history just yet, it just created a benchmark.”

             Policy makers in Central Asia’s most populous nation view the success of the first sale as confirmation that an economic overhaul is working. After emerging from more than two decades of isolation two years ago, Uzbekistan has drawn praise from the International Monetary Fund in the past year for liberalizing its currency market and reforming taxes.

             Uzbekistan is rated three levels below investment grade at BB- at S&P Global Ratings and Fitch Ratings, the same as Brazil, North Macedonia and Georgia. The natural gas, gold and cotton exporter sold $1 billion of 10-year and five-year notes in February and would issue a similar amount in a second sale, Nurmuratov said. Commercial banks may also sell dollar bonds this year, he said.

             “We don’t need money for state spending, but we need to be present on the international market,” Nurmuratov said. “For now, it makes sense to issue bonds in dollars, because our external trade is mainly in dollars.”

             Investors bid more than $5.5 billion for Uzbekistan’s first Eurobond sale. The notes have returned 8.4% since their sale on Feb. 14, compared to 6.2% on average for emerging market dollar debt, according to Bloomberg Barclay’s indexes. 

             Uzbekistan has “successfully implemented” a first wave of reforms, and now needs to set priorities for a bigger structural overhaul, the IMF said in a March report. Economic growth in the nation of 30 million will reach 5.5% this year and 6% next, according to IMF estimates.

             “We are giving a signal to foreign investors so that they bring direct investment as well as entering our sovereign debt market,” Nurmuratov said. “Debt placements give us an evaluation of progress in our reforms.”』

             

             

             上記の記事は和訳が見当たらず、英語原文のまま掲載しました。見出しは「ウズベキスタン中央銀行は、今年さらにユーロ債を発行するかもしれない」ということで、ウズベキスタン政府が、今年2月に初めて、ドル建てのユーロ債を発行し、金融市場にデビューして、10億ドルの調達に成功したのですが、そのウズベキスタンがユーロ債を追加発行するかもしれないという趣旨の記事です。

             

             そして、IMFによれば、ウズベキスタンの経済成長率は、今年が5.5%成長で、来年度は6%台の成長になると予測。ウズベキスタンの経済成長が軌道に乗りつつあると報じています。

             

             そのユーロ債の金利は8.4%と、新興国市場の平均が6.2%よりも2.2%高く、かなり魅力的です。格付けはBB−(ダブルBマイナス)で、これは、南米のブラジルや、東欧の北マケドニア(旧ユーゴスラビア)、ジョージア(旧グルジア共和国)と同じ格付けであると報じられています。

             

             ミルジオエフ大統領は、昨年2018年5月16日にホワイトハウスで、トランプ大統領と会っているのですが、ウズベキスタンにとっては歴史的な出来事といえます。

             

             このときトランプ大統領は、ウズベキスタンの経済成長を米国として支援すると約束し、ウズベキスタンはWTOに加盟しました。

             

             またウズベキスタンは1992年のソ連から独立後、カリモフ政権による独裁が続き、宗教的自由がなく、米国は宗教的自由の迫害国家の認定をしていたのですが、ポンペオ国務長官がウズベキスタンを宗教的自由の迫害国リストから外すことにしたのです。

             

             

             

            2.日本とウズベキスタンの国交樹立25周年記念プロジェクト映画とナヴォイ劇場

             

             そして今、ウズベキスタンを舞台にしている日本映画が公開しています。

             

             「旅のおわり、世界のはじまり」という黒沢清監督の作品で、主役は元AKBの前田敦子さんが主演。さらにウズベキスタンの国民的人気俳優でアディス・ラジャボフさんという男性の方も出演しています。

             

             この映画は2017年に日本とウズベキスタンの国交樹立25周年を迎えたということと、日本人が建設に携わったウズベキスタンのナヴォイ劇場の完成70周年が重なる記念プロジェクトとして作られた映画です。

             

             以前、「ウズベキスタン共和国のナヴォイ劇場」という記事で、ナヴォイ劇場を取り上げたことがあります。私こと杉っ子は、2013年12月30日〜2014年01月04日にウズベキスタンを往訪したのです。

             

            <ナヴォイ劇場と日本人墓地>

            (出典:2013年12月31日に杉っ子が撮影)

             

             

             上記写真のナヴォイ劇場については、知っておられる読者の方がいるかもしれません。

             

             第二次世界大戦後、日本人がシベリアに抑留され、日本人捕虜がたくさん連れ去られたのですが、この中にウズベキスタンに移送された日本人がたくさんいました。そして、ウズベキスタンの首都のタシケントに連行され、劇場の工事に駆り出されたのです。

             

             日本人捕虜の人々は、どのような思いで劇場の建設に携わったのか?

             

             ソ連に評価されて早く日本に帰るために必死に工事をやったというわけではなく、世界一の劇場を完成させることで取り戻したいものがあるという思い、その思いとは「戦争で失ってしまった我々日本人の誇りである」という思いだったのです。

             

             この時の日本人はソ連の捕虜であり、冬は極寒の状況下、粗末な食事をお互いに分け合いながら厳しい工事をやっていました。その捕虜の日本人の疲労がピークに達していたころ、地元のウズベキスタンの人らが食事を分け与えてくれるようになりました。腐ったジャガイモやら、ほとんど骨ばかりの肉といった粗末な食事しか与えられない日本人捕虜に、地元の人々や子供らが差し入れをするのです。

             

             日本人捕虜は、差し入れをしてくれた子どもに対して、木で作ったおもちゃをお返しするなど、地元の人々へお礼もしていました。そしてウズベキスタン人は、必死に働いている日本人の姿を見て、「日本はナチスと同じ鬼畜と思っていたが、それは間違いだった!」と気付き、日本人を助けるようになったのです。

             

             ミルジオエフ大統領の前の2年前に亡くなったカリモフ大統領は、かつて日本人の外交関係者らを目の前にして、次のように語ったと、麻生太郎氏(現財務大臣)がいっていました。

             

            『私は小さいころ、週末になると母親に日本人捕虜が住む収容所に連れていかれ、そこで母親に毎回いわれたことがある。「せがれごらん!あの日本兵を!ソ連兵が見ていなくても働く。お前が大きくなったら、人が見ていなくても働く、そういう人間になりなさい!」と母親にいわれた。私は母親にいわれたことを守り続け、おかげで今日大統領になることができた!』

             

             こうして、2年かけてこの劇場は完成しますが、完成当時、世界最高峰のオペラハウスという風に呼ばれていました。

             

             


            3.マグニチュード5.2という大規模地震でも倒壊しなかったナヴォイ劇場

             

             捕虜だった日本人が「世界一の劇場を作る」と日本人の誇りにかけて建設したこのナヴォイ劇場。1966年にタシケントで大地震が発生したのですが、その際も無傷だったといわれています。マグニチュードは5.2ということで、1960年代までに世界で発生した地震の規模では5本の指に入る規模というくらい、大きな地震でした。

             

             そのタシケント大地震では、日干し煉瓦の住宅のほとんどが倒壊したのですが、ナヴォイ劇場は何事もなかったかのように、何一つ壊れずに残りました。

             

             これだけの大地震でも倒壊しなかったナヴォイ劇場の話は、瞬く間にウズベキスタン国内に広まり、それだけでなく隣国のキルギス、カザフスタン、トルクメニスタン、タジキスタンといった中央アジア諸国に伝わり、「このナヴォイ劇場は、日本人によって作られた」という話が伝わったのです。

             

             その後、1991年にソ連が崩壊し、ソ連から独立して自分たちで国づくりをすることになるわけですが、このとき日本をモデルとした国づくりをしようという動きにつながりました。

             

             そして、首都タシケントでは市民の要望によって日本から1000本あまりの桜が輸入され、ナヴォイ劇場や日本人墓地に植樹されました。

             

             またカリモフ大統領は、ナヴォイ劇場でプレートの作成を命じます。その際、「間違っても捕虜と書いてはいけない。日本人は友人であり恩人だ!」と命じました。

             

             そのプレートは下記のとおりです。

             

            <ナヴォイ劇場のプレート>

             

             プレートに書いてある内容は下記の通りです。

            『1945年から1946年にかけて極東から強制移送された数百名の日本国民が、このアリシェル・ナヴォイー名称劇場の建設に参加し、その完成に貢献した。』

             

             ソ連によって強制連行されてウズベキスタンのタシケントでの劇場づくりに駆り出された日本人ら、戦争によって失った日本人の誇りを取り戻すために世界一の劇場を作ろうという思い、その思いがこのような形でのちに広がったというのは、大変な感動を覚えます。

             

             

             

             というわけで今日は「世界中が同時不況に向かおうとする中、減税によって経済成長へ転じる親日国ウズベキスタン」と題して論説しました。

             今、カリモフ政権を経て、為替相場完全変動制移行と大減税によって新たな経済成長を迎えようとしているウズベキスタンですが、2年前は北朝鮮と同じ独裁政治だったのです。

             北朝鮮もまたこのように変わることを期待したいと思います。と同時に、タシケントの劇場づくりに駆り出された先人の誇りを、後世に伝えていかなくては!と改めて私は思います。

             

             

            〜関連記事〜

            ウズベキスタン共和国のナヴォイ劇場


            国際競争力を高めるために法人税を下げなければならないという言説の欺瞞

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               今日は、「国際競争力を高めるために法人税を下げなければならないという言説の欺瞞」と題して論説します。

               

               法人税引き下げるということは、どのような発想が背景にあるのでしょうか?

               

               例えば、法人税を引き下げれば、手元に残るお金が増えるので、「従業員への還元ができるようになって給料が増えるであろう!その結果、消費が増えるだろう!」とか、「設備投資をするだろう!」などとする言説を耳にする機会もあるでしょう。

               

               しかしながら、デフレが放置されている状態では、法人税がどれだけ下がろうとも、従業員に還元することは難しく、設備投資が増えるということもありません。たとえ、金利がどれだけ下がっても、デフレ環境では設備投資を増やせるはずがないのと同じです。

               

               なぜならば、デフレ環境では、モノ・サービスの値段を下げなければ、自社製品・サービスを買ってくれないため、値段を下げて売ることになります。値段を下げて売るということになれば、銀行から借り入れて設備投資をしていたとして、その借入金の返済がしにくくなるということは容易に想像できるでしょう。

               

               よくある言説で「日本の法人税は世界的に見ても高く、税率を引き下げなければ企業が海外に逃げていく」といった指摘がされることもありますが、この指摘は果たして真実なのでしょうか?

               

               私は全くウソ・デタラメだと思っています。だいたい日本企業すら「儲からない」という理由で投資を控える国で、法人税を引き下げたところで外国企業の投資が増えるはずがありません。

               

               米国ではトランプ政権になって経済が絶好調であるため、工場を移していた米国の企業が、工場を米国に戻そうとする動きが出てきています。その米国企業も、米国本土から逃げていったわけではなく、工場を他国に移転したというだけのものであって、米国の法人税が高いから取って、米国本土から逃げて行った企業はありません。

               

               何がいいたいかと言えば、経営者が考えることは、法人税率や金利よりも、まず第一に需要があるか否か?です。需要があって初めて儲かる環境ならば投資してみようか!ということになり、金利計算や税金の計算をして、手元残るお金を計算します。金利がどれだけ低かろうと、法人税がどれだけ下がろうとも、儲からない環境では投資しません。投資していたらその社長は、経営者失格といえるでしょう。

               

               もう一つ、儲かる儲からないという話とは別に、そもそも企業は法人税をちゃんと納めているのか?という議論があります。日本には租税特別措置法というのがあり、業界の事業に合わせて減税できるルールになっています。

               

               大企業には法務部など、法律に詳しい人がたくさんいる一方、中小企業にはそのような人材がいません。その結果、法律に詳しい人を抱える大企業は、租税特別措置法を活用して陳情し、どんどん減税しています。

               

               かつてトヨタ自動車が2008年〜2012年の5期で、5年間連続で税金を払っていないという実績がありました。また、その頃、主要大企業で法人税の実行税負担率が低い順に、上位4企業を並べると下記の通りです。

               

               みずほ銀行

               税引前利益(百万円) 469,327百万

               法人税等(百万円) 2,431百万円

               実行税負担率 0.5%

               

               三井物産

               税引前利益(百万円) 697,493百万

               法人税等(百万円) 38,735百万円

               実行税負担率 5.5%

               

               三菱商事

               税引前利益(百万円) 1,284,671百万

               法人税等(百万円) 75,460百万円

               実行税負担率 5.8%

               

               三井住友銀行

               税引前利益(百万円) 2,270,821百万

               法人税等(百万円) 171,865百万円

               実行税負担率 7.5%

               

               

               商社の実行税負担率が低い理由は、外国税額控除に加え、麻生政権の2009年度の税制改正で導入された外国子会社からの配当金の非課税制度の影響ではないかと思っています。当時、麻生政権の時、日本国内の投資を促すためという理由で、外国子会社の内部留保を取り崩させ、配当で日本へ還流させようとして、その際の配当金に課税されないようにするという税制改正が行われました。

               

               そこで低税率国に子会社を作り、負担率を下げる企業も増えました。その影響で、実効税率とは別に実質法人税負担率は、どんどん低下していき、さらに租税特別措置法といった制度を使って優遇され放題になっているというのが、現在の日本の現状です。

               

               その一方で、一般庶民からは2014年に消費増税8%とし、2019年10月からは消費増税10%になろうとしています。一人当たりの消費額300万円として、消費税額は30万円にもなりますが、大企業を中心に法人税をどんどん払わなくなっていって、逆に普通の国民から消費税で幅広く税金を徴収するというのは、本来の税金の意味である所得再分配機能というものを忘れてしまっているのではないか?と思うのです。

               

               例えば首都直下型地震のリスクを鑑みて、首都に人口が集中することを回避するため、地方で雇用を増やすために、本社を地方に移したら法人税を引き下げるというのは、安全保障の強化になるので、ありかもしれません。

               

               しかしながら他国との競争のために法人税率を引き下げ、他国の投資を促すといった言説は、まるで発展途上国の発想に等しいということに気付いていない愚者の言説です。

               

               発展途上国は自国の通貨が弱く、インフラ整備を自国でできません。そのため外貨で他国から技術を取り入れるということをしなければならず、他国のサービスや技術を買うには、決済通貨はドルで外貨となります。そのため外貨を貯め込むという行動に出るのは、わからないでもありません。

               

               日本は先進国であり、対外純資産が300兆円を超える世界一の金持ち大国であり、その日本が法人税を引き下げて外国の投資を促すという言説は、全くをもって正当性がないと私は思うのです。

               

               

               というわけで今日は「国際競争力を高めるために法人税を下げなければならないという言説の欺瞞」と題して論説しました。

               

               

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                 財務省のMMT理論のプロパガンダもさることながら、一般人の中にもMMT理論を批判する人がいます。そうした人々らに対して、改めて鉄槌を喰らわせたいという思いから、今日は「MMT理論の批判言説を評価する!」と題して論説します。

                 

                 MMT理論のポイントの一つに、インフレを恐れてはいけないとする考え方があり、私もこれには賛同の立場です。何しろ資本主義は、デフレでは経済成長することができず、インフレでなければならないからです。その時考えるべきは、適切なインフレ率、即ち国民が生活しやすいインフレ率は、何%なのか?ということです。

                 

                 例えば2%〜3%のインフレ率ならば恐れる必要は全くなく、むしろ健全といえます。私はその状態をマイルドなインフレという表現をするのですが、マイルドなインフレであれば、物価上昇よりも名目賃金の方が増えていく可能性が高くなり、実質賃金が高くなることにつながりやすくなります。雇用も増え、実質賃金が増えるとなれば、直接税が増えて、やがて財政赤字は縮小されていくことでしょう。

                 

                 むしろ財政黒字にすらなることもあり得ます。バブル期がそうでした。

                 

                <プライマリーバランスの推移(1980年〜2017年)>

                (出典:政府財政統計より数値を引用)

                 

                 

                 こうした統計事実があるにもかかわらず、MMT理論をネガティブに批判し、しかもその批判内容が全く批判になっていないということに気付かない有識者も多い。

                 

                 そのため、批判言説を例にとって徹底的に反論したいと思います。

                 

                 

                〜批判言説 嶌眄赤字の拡大は、インフレを招く」〜

                 MMTは財政赤字を拡大すれば、インフレを招くことを認めており、全く問題のない話で、この批判言説には同意します。デフレ脱却するためにはインフレにする必要があるわけで、結果財政赤字にする必要があるという帰結になります。

                 したがって「インフレを招くのはいいの?」という批判的な問いに対して、「今の日本がデフレだから問題ない」という回答になります。デフレ脱却するということは、インフレにするということなので、財政赤字の拡大が、その答えだと言っているようなもんです。

                 

                 

                〜批判言説◆嶌眄赤字の拡大を認めたらインフレが止まらなくなる」〜

                 MMT理論の是非とは全く関係がありません。単なる事実誤認で、インフレを止める現実的な政策は、いくらでもありますし、マイルドなインフレは、むしろ健全な経済状況です。

                 また、憲法83条に財政民主主義というのがあります。これは国家が財政出動する場合は、国民の代表から構成される議会の議決が必要であるとする考え方で、憲法83条がその考え方の根拠とされています。そのため財政出動そのものを否定する言説は、憲法第83条の財政民主主義を否定していることと同じです。

                 

                 

                〜批判言説「財政赤字の拡大は民間貯蓄の不足による金利高騰を招く」〜

                 「民間の貯蓄が不足すると金利が高騰する」というのは、全くあり得ません。MMT理論は、民間の貯蓄の増減で金利が上昇・下落するというプロセスに一切関わりがありません。これもまた単なる事実誤認といえます。

                 

                 

                〜批判言説ぁ孱唯唯圓虜蚤腓侶念材料であるインフレをどう防ぐのか?」〜

                 日本が減税や歳出増で財政を拡張しても、現時点で供給不足によるインフレに近づいている状況にありません。そもそもインフレは問題なのか?ということと、マイルドなインフレは許容すべきなのでは?と思うわけです。

                 仮に3〜4%のインフレ率が続く状況があったとしても、財政支出して長期停滞から脱却した方がいいのではないでしょうか?

                 日本は「失われた20年」と言われていますが、それは財政出動を一切増やさなかったことに加え、インフレを極端に恐れたことも一因です。

                 

                <OECD33か国の財政支出伸び率とGDP成長率の分布(1997年〜2015年の伸び率を年換算>

                (出典:衆議院議員安藤裕と語る会で配布された資料の一部で、島倉原氏が作成したものをそのまま抜粋)

                 

                 上記グラフの通り、財政支出の伸び率とGDP成長率は相関関係があることがよくわかります。OECD加盟国33か国中、GDP成長率0%となっているのは、我が国だけです。

                 

                 

                 

                 というわけで今日は「MMT理論の批判言説を評価する!」と題して論説しました。

                 安倍政権は残念ながら政府の中にお金を貯め込むことが日本国民の幸せになると勘違いしている最悪の緊縮財政政権です。政府の中にお金をどれだけため込んでも、GDP3面等価の原則でいう生産=支出=所得のどれにも該当しません。

                 家計簿の発想で国家を考える一般人もまた、家計のようにお金を貯めることが善だという発想で、国家の財政運営を考えています。

                 そうした人々らが正しい事実を理解すること、これ以外に解決策はないものと思い、MMT批判論に反論させていただきました。

                 

                 

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                ”MMT理論よ!お願いだから、引っ込んでくれ!”と恐れる構造改革論者と緊縮財政論者

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                   今日は「”MMT理論よ!お願いだから、引っ込んでくれ!”と恐れる構造改革論者と緊縮財政論者」と題して、MMT理論を改めて取り上げます。

                   

                   本ブログの読者の皆様であればご存知のMMT理論ですが、MMTは自国通貨建ての国債のデフォルトはあり得ないことを証明した経済学説です。

                   

                   財務省は、MMTに対してものすごい反論をし、プロパガンダ活動をやっていますが、MMT理論についてはほとんど触れておらず、権威のある経済学者の発言をずらーと並び立て、MMT理論への批判するという手法をとっています。

                   

                   例えば、2008年にノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマンやジェローム・パウエルFRB議長やローレンス・サマーズ元財務相長官といった経済学で権威がある人らが発するMMTへの批判論を並べ立てているのです。

                   

                   以前にも紹介したことがあるかと思いますが、具体的に財務省の反論手法を知っていただきたく、一部を抜粋して原文を皆様にご紹介します。

                   

                  ■2019年3月15日 黒田日銀総裁会見

                  MMTというのは、最近米国でいろいろ議論されているということは承知していますが、必ずしも整合的に体系化された理論ではなくて、いろいろな学者がそれに類した主張をされているということだと思います。そのうえで、それらの方が言っておられる基本的な考え方というのは、自国通貨建て政府債務はデフォルトしないため、財政政策は、財政赤字や債務残高などを考慮せずに、景気安定化に専念すべきだ、ということのようです。

                   

                  ■ポール・クルーグマン ニューヨーク州立大学、経済学者 2019年2月12日 ニューヨークタイムスへの寄稿

                  債務については、経済の持続可能な成長率が利子率より高いか低いかに多くを左右されるだろう。もし、これまでや現在のように成長率が利子率より高いのであれば大きな問題にならないが、金利が成長率より高くなれば債務が雪だるま式に増える可能性がある債務は富全体を超えて無限に大きくなることはできず、残高が増えるほど、人々は高い利子を要求するだろう。つまり、ある時点において、債務の増加を食い止めるために十分大きなプライマリー黒字の達成を強いられるのである。

                   

                  ■ジェローム・パウエル FRB議長 2019年2月26日 議会証言

                  自国通貨で借りられる国にとっては、赤字は問題にならないという考えは全く間違っている(just wrong)と思う。米国の債務は国内総生産(GDP)比でかなり高い水準にある。もっと需要なのは、債務がGDPよりも速いペースで増加している点だ。本当にかなり速いペースだ。歳出削減と歳入拡大が必要となるだろう。

                   

                  ■ローレンス・サマーズ 元財務相長官 2019年3月4日 ワシントンポストへの寄稿

                  MMTには重層的な誤りがある(fallacious at multiple levels)。まず、政府は通貨発行により赤字をゼロコストで調達できるとしているが、実際は政府は利子を払っている。全体の貨幣流通量は多いが、政府によってコントロールできるものではない。第2に、償還期限が来た債務を全て貨幣創造し、デフォルトを免れることができるというのは間違っている。幾つもの途上国が経験してきたようにそうした手法はハイパーインフレを引き起こす。インフレ税を通じた歳入増には限界があり、それを超えるとハイパーインフレが発生する。第3に、MMT論者は閉鎖経済を元に論じることが典型的だが、MMTは為替レートの崩壊を招くだろう。これはインフレ率の上昇、長期金利の上昇、リスクプレミアム、資本逃避、実質賃金の低下を招くだろう。・・・保守にとってもリベラルにとっても、そんなフリーランチは存在しない。

                   

                  ■ウォーレン・バフェット バークシャー・ハサウェイCEO 2019年3月15日 ブルームバーグインタビュー

                  MMTを支持する気にはまったくなれない(I'm not a fan of MMT − not at all)。赤字支出はインフレ急上昇につながりかねず、危険な領域に踏み込む必要もなく、そうした領域がどこにあるのか正確にはわからない。(We don't need to get into danger zones, and we don't know precisely where they are.)

                   

                  ■ジャネット・イエレン(前FRB議長) 2019年3月25日 クレディ・スイス主催アジア投資家会議

                  現代金融理論(MMT)は支持しない(not a fan of MMT)。この提唱者は何がインフレを引き起こすのか混乱している(confused)それ(MMT)は超インフレを招くものであり、非常に誤った理論(very wrong-minded theory)だ

                   

                  ■クリスティーヌ・ラガルド(IMF専務理事) 2019年4月11日 記者会見

                  MMTが本物の万能薬だとわれわれは思っていない。MMTが機能するようなケースは極めて限定的である。現時点でMMTが持続的にプラスの価値をもたらす状況の国があるとは想定されない。(理論の)数式は魅惑的だが、重大な注意事項がある。金利が上がり始めれば(借金が膨張して)罠にはまる。

                   

                   財務省連中の執念はすごい。というより自分たちのメンツがつぶれるため、彼らも必死なのです。

                   

                   冒頭に日銀の黒田総裁の発言をご紹介していますが、黒田日銀総裁はMMT理論については、自国通貨建ての国債はデフォルトしないという考え方に基づき、財政赤字や国債発行残高云々といっていますが、基本的には「自国通貨建ての国債はデフォルトしない」と発言されています。

                   

                   本来、財務省がMMTを否定するならば、黒田日銀総裁の発言の「自国通貨建ての国債はデフォルトしない」を否定しなければなりません。

                   

                   ところが「自国通貨建ての国債はデフォルトしない」を否定することはできません。

                   

                   なぜならば、2002年に財務省は外国の格付け会社に向けて、「自国通貨建ての国債はデフォルトしない」と意見書を出しています。因みに、その意見書を出したのは、現在の黒田日銀総裁が、財務官だった時に出したものです。

                   

                   黒田日銀総裁がどう考えているか?は別にしても、財務省がMMTを反論する資料に記載の黒田日銀総裁の発言の「自国通貨建ての国債はデフォルトしない」を否定しなければなりません。

                   

                   しかしながら否定できないわけで、なぜならば「自国通貨建ての国債はデフォルトしない」ということは、事実だからです。

                   

                   財務省がどれだけ批判しようとも「自国通貨建ての国債はデフォルトしない」が間違っているという証明はできません。そのため、権威者の発言を持ち出し、MMTについていろんな人に批判させたり、全然関係ない資料や言説を持ち出して、「日本の財政は悪化しているよ!」と主張しているのです。

                   

                   問題はもっとずっと簡単な話で、権威者によるMMT理論の批判など、正直なところどうでもいい話であって、「自国通貨建ての国債はデフォルトしないの?するの?」という話です。

                   

                   杉っ子こと、私は”デフォルトしない”という立場で論説していますが、財務省は”デフォルトする”といっており、それを証明しなければならないのですが、証明することができず権威者のネガティブ発言を並び立ているにすぎないのです。

                   

                   これはある意味で財務省が追い詰められているともいえます。

                   

                    突如として現れたMMT理論ですが、自国通貨建ての国債のデフォルトはあり得ないという単なる事実であって、新しい経済学説でも何でもありません。

                   

                   ところが、デフレを放置し、今もなお日本国民の多くが苦しむ中、歳出抑制や増税を唱え、「国民に不人気な政策でも消費増税はしなければならない!」などと演説してきた国会議員らが、「今さら財政危機はありませんでした。ゴメンナサイ!」とは言えません。

                   

                   また財政出動で簡単に経済成長して、米国のように経済成長して、人々の賃金がUPして暮らしが豊かになったら、構造改革の口実がなくなってしまいます。

                   

                   MMT理論でいう「預金は負債が生み出しているという事実」が信用創造の真実で基本なのですが、そんな基本を知らなかったなど、権威者(経済学者、経済評論家、国会議員、財務省職員)や、構造改革を訴えてきた人、財政危機を煽ってきた人らからみれば、「今さら言えるかよ!そんなこと。頼むからMMT理論は、お願いだから引っ込んで欲しい!」と思っているに違いありません。

                   

                   

                   というわけで今日は「”MMT理論よ!お願いだから、引っ込んでくれ!”と恐れる構造改革論者と緊縮財政論者」と題して論説しました。

                   

                   

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                  麻生財務大臣と財務省の言説の矛盾

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                    JUGEMテーマ:経済成長

                     

                     

                     今日は「麻生財務大臣と財務省の言説の矛盾」と題して論説します。

                     

                     今、世界経済が減速に向かっているわけですが、その理由として、米中貿易戦争と英国のブレグジットの2つをあげられることができるかと思います。

                     

                     トランプ大統領による米中貿易戦争は、安全保障でアメリカファーストを貫くため、保護主義に傾注しようとしている一方、英国のブレグジットは英国議会がEUとの合意案をまとめきれず、問題が長引いており、合意なき離脱になるのか否か?やきもきしているというのがこのブレグジット問題です。

                     

                     そして、上述の2つ以外に、もう一つ隠れたテーマがあるのでは?と私は思っておりまして、それが日本の消費増税です。

                     

                     消費増税は私たちの生活に関わるだけではなく、世界経済に関わる問題だと思うのですが、今のところ目立って何か起きているわけではありません。

                     

                     日本が議長国だった大阪開催のG20は終わりました。当初、財務省あるいは安倍政権の意向で「反保護主義」の文言を明記しようとしましたが、これは見送られました。

                     

                     トランプ政権は対中国の貿易赤字を減らしたい、対日の貿易赤字を減らしたいということに加え、安全保障上の脅威となるので輸出には関税をかけるという意向がある一方、日本の財務省は、対米で貿易黒字が続く方が都合がよいため、反グローバリズムの発想で「反保護主義」を明記しようとしたのだと考えられます。

                     

                     一方で日本のマスコミの論調は、米国のトランプ大統領が来年の大統領選挙の再選のためにFRBに利下げのプレッシャーをかけていると報道しています。何しろ来年の選挙の時に景気が悪いと困るからというのが日本のマスコミの見立てです。

                     

                     特に朝日新聞の論調は、ひどすぎます。トランプ大統領の行為が国際協調に逆行し、中央銀行の独立性を脅かして、世界経済の足を引っ張ろうとしているという論調だからです。その朝日新聞の記事をご紹介します。

                     

                    『朝日新聞 2019/06/16 10:21 FRB議長がトランプ氏に公然と反論「政治から独立」

                     米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は25日の講演で、「FRBは短期的な政治圧力から遮断されている」などと語り、中央銀行の独立性を説いた。FRBに対して連日、公然と大幅利下げを迫る米トランプ大統領に公の場で反論した形だ。

                     パウエル氏はニューヨーク市内での講演の冒頭、「議会がFRBに独立性を与えたのは、短期の政治的利益のために政策がねじ曲げられたときに、危害が生じてきたからだ」と指摘。世界の主な民主主義国家は、いずれも同様の独立性を得ていると述べた。

                     米中通商摩擦で世界経済に不透明感が強まっていることを受け、FRBは金融緩和の方向に転じている。パウエル氏は「成長を維持するために適切に行動する」と利下げの用意があることを引き続き示唆する一方、「いかなる個別指標や短期的な市場心理の揺れにも過剰反応すべきでない」とも指摘。7月の利下げを当然視している市場にもクギを刺した。

                     昨夏から露骨なFRB批判を繰り返してきたトランプ氏だが、最近はパウエル氏の解任までちらつかせるなど発言をエスカレートさせており、中央銀行の独立が危ぶまれている。(ニューヨーク=江渕崇)

                     

                     

                     このようにFRBのパウエル議長が、中央銀行の独立性を説いたとして、トランプ大統領の行為をネガティブに報じています。

                     

                     しかしながら、こうした論調には私は違和感を感じます。なぜならば、朝日新聞の論調で言えば、トランプ大統領がFRBに利下げを要求することが世界経済のリスクということになるからです。

                     

                     もし、今までの大統領のようにトランプ大統領がFRBに対して何も言わなかったら、FRBはどうしていたでしょうか?

                     

                     私は、間違いなくFRBは利上げをしていたと思います。ところがトランプ大統領はFRBに対して利下げを要求しています。これは異例中の異例で、それをやるのがトランプ大統領です。

                     

                     仮にもFRBが利上げしていたら、間違いなく米国経済は減速します。ただでさえ、日本中国欧州と世界中の先進国の経済が悪くなっている中で、最後に残っている好調な米国経済ですら減速するようなことになれば、世界経済全体が困ることになります。

                     

                     だからFRBが利下げを要求することが世界経済のリスクと考えている朝日新聞の論説は間違っています。

                     

                     そして麻生財務大臣は、消費増税を表明しました。麻生大臣は貿易問題について発言し、二国間交渉は間違っていて、多国間の枠組みで取り組むべきとし、TPPの内容以上の譲歩はしない旨を主張しました。

                     

                     これは誰に対して主張しているか?といえば、明らかにトランプ大統領に対する主張です。

                     

                     麻生大臣は、米国のトランプ大統領はモノの輸出の貿易収支に拘りすぎているので、貿易を経常収支で見るべきであると提案もしました。具体的には、モノだけでなく、サービスのやり取り、金融取引のやり取り、すべてを赤字か黒字か?で見るべきであると主張しています。

                     

                     例えば、モノの貿易だけで見ると、米国の対日赤字は8000億円あるのですが、金融取引で儲けているので、経常収支では4000億円の赤字にまで圧縮されます。約2000兆円の米国のGDPから見れば、4000億円は大したことがないだろうというのが、麻生大臣の主張で、だから米国は日本や中国に対して貿易収支だけをみて、赤字額を減らせ!=輸出額を減らせ!と言わないで欲しいということでもあります。

                     

                     しかしながら、この麻生大臣の考え方、貿易収支ではなく、経常収支で見るという考え方だと、経常収支が赤字の国は消費を控えて貯蓄をしてください!ということになります。

                     

                     そして経常収支の黒字国である中国、ドイツ、日本は「黒字がたっぷりあるから国内の消費を伸ばしてください!」ということになります。

                     

                     この考え方で問題がないか?といえば、大いに問題があります。今の米国が経常収支赤字国であるため、「消費が旺盛すぎるので消費を控えて貯蓄せよ!」となれば、米国の消費が止まってしまいます。そうなれば米国の旺盛な消費のおかげで米国経済が絶好調となり、何とか世界経済全体が保たれているのに、その米国の消費を止めてしまって困るのは、世界経済全体が困ることになります。

                     

                     と同時に、世界経済のリスクの中で、隠されたリスクは日本の消費増税です。日本は経常黒字国なので、経常黒字国がやるべきことは貯蓄ではなく消費です。トランプ大統領に対して「消費が旺盛すぎるので貯蓄せよ!」とはデフレを助長するだけですのでそのように主張することができるはずがありません。むしろ世界経済が復調となるまで、対米で貿易黒字を続ける方良いとする財務省にとっては「トランプさん!米国では旺盛な消費を継続もしくは、さらに拡大して欲しい!」ということになるのです。

                     

                     ところが日本は消費を減らす消費増税をやるというわけですから、こうした言説は明らかに矛盾しているのです。

                     

                     

                     というわけで今日は「麻生財務大臣と財務省の言説の矛盾」と題して論説しました。

                     麻生大臣が日本における10月の消費増税を明言しておきながら、米国に消費をするな!と主張することの矛盾に気付いているのか?私には不明です。グローバリズムで輸出を伸ばせば、人々に幸福が来るか?といえば、幸福はありません。

                     そのグローバリズムに対する怒りで、米国ではトランプ大統領が現れ、英国ではブレグジットとなりました。それだけではなくドイツやフランスでも反グローバリズム政党が台頭し、世界は反グローバリズムという流れが加速されようとしています。

                     かつて経済学者のジョンメイナードケインズは、輸出を伸ばせば戦争になるが、各国が自国で需要を創出することに注力すれば、やがて戦争はなくなると言っていました。

                     グローバリズムで輸出で稼ぐのではなく、内需拡大こそが自国民を幸せにして世界での戦争ですら無くなっていくことにつながることを、多くの人々に気付いていただきたいものと私は思うのです。

                     

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                    移民を増やす一方で難民申請は減少

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                      JUGEMテーマ:難民受け入れ

                       

                       今年4月から外国人労働者受入拡大を促す移民法改正を受け、移民は着実に増える一方ですが、難民申請については2018年度に半減しました。少し古い記事ですが、今日は朝日新聞の記事を取り上げ、「移民を増やす一方で難民申請は減少」と題して論説します。

                       

                       下記は朝日新聞の記事です。

                      『朝日新聞 2019/03/27 18:25 日本への難民申請が半減 「偽装申請」の抑制策に効果?

                       2018年に難民認定を申請した外国人は1万493人で、17年に比べて半減した。法務省が27日、発表した。申請者の減少は10年以来8年ぶり。法務省は、就労目的の「偽装申請」に厳しく対応する運用を18年1月から始めた効果が出たとみている。

                       18年の難民認定者は42人。17年の20人より増えたが、主要7カ国(G7)の他国が十数万から数千の単位で受け入れていることと比べると依然少ない。このほか、人道的な配慮を理由に40人の在留を認めた。

                       難民認定制度は10年の運用変更によって、申請から半年で一律に就労が可能になった。審査が長期化した申請者に対する経済的な配慮だったが、変更後に申請が急増。10年に1202人だった申請者は年々増え、17年は1万9629人に達した。大量の申請への対応が追いつかず、審査が長期化。真に救うべき人の迅速な救済に支障をきたす恐れが出ていたとされる。

                       法務省は18年1月から運用を改め、申請後2カ月以内に書面審査を実施。申請理由が「母国での借金」など明らかに難民に該当しない申請者や、「正当な理由」がない再申請者は就労を認めないことにした。

                       一方、全国難民弁護団連絡会議代表の渡辺彰悟弁護士は申請者の減少について、「法務省は申請濫用(らんよう)防止の成果と言うが、切迫性が高い空港や港での申請も大きく減っている」と指摘。「申請自体を受け付けてくれないという相談も寄せられており、受け付けを厳しくしているとすれば問題だ」と述べた。』

                       

                       

                       上記朝日新聞の記事の通り、2018年度に難民申請した外国人が10,493人で前年比47%減と大幅な減少となりました。法務省は2018年1月から就業目的の偽装難民申請を抑制し、申請者の就労を厳格化する新たな運用を始めて、その効果が表れたとしています。

                       

                       下記は法務省が発表した難民認定申請者数の推移のグラフですが、記事で指摘の通り、平成30年は、大幅に減少しているのがよくわかります。

                       

                      <難民認定申請者数の推移>

                      (出典:法務省の「平成30年における難民認定者数等について」から引用)

                       

                       

                       しかしながら、この4月から既に、出入国管理法緩和で外国人労働者の受入れが拡大されています。法務省は「ちゃんと対応し、ちゃんとチェックする!」という回答をしていますが、出入国管理法で入国してくる移民と、難民申請で入国してくる難民とでは、チェックする内容と質が違うため、楽観はできません。

                       

                       ただ難民申請については、不法滞在などの入管難民法違反で強制送還の手続きを取った外国人が前年比2,583人増の16,269人に上ったと発表し、このうち不法就労者は10,086人で全体の62%にも上ります。

                       

                       4年連続増加で、手口としては偽装在留カードを使うなどの方法で不法就労しているとみられています。

                       

                       出入国に対して、与野党問わず「しっかり管理せよ!」という声があるのですが、ここで一番重要なこと、それは職員の数が不足しているということです。

                       

                       消費増税や支出削減を始めとする緊縮財政の影響・弊害が、ここでも出ているのです。

                       

                       仮にも出入国管理法緩和で入国してくる外国人について、事後チェックをしっかりやるという方向へ舵を切るならば、職員の数は2〜3倍とかまで増やすべきです。

                       

                       それで一人一人の職員がチェックをしっかりやりまくって、追い出すべき人は追い出し、入国すべきではない人はちゃんとブロックするということを、ちゃんとやらなければなりません。

                       

                       口で「チェックします!」とか「しっかりやります!」と回答するのもいいですが、そのためには「公務員を増やせ!」「政府支出を増やせ!」ということになるでしょう。

                       

                       

                       

                       というわけで今日は「移民を増やす一方で難民申請は減少」と題して論説しました。

                       終盤に記載した通り「公務員を増やせ!」「政府支出を増やせ!」は、需要になるのですが、プライマリーバランス黒字化目標がある以上、そうした支出は仕方なく抑制しながら支出し、場合によっては消費税の税率をさらに引き上げてそれらを原資に公務員を増やすとかチェック体制を強化するとか、そういう話になるに決まっています。何しろ家計簿の発想で考えるプライマリーバランス黒字化目標がある以上、必ずそうなります。

                       とにかく安倍政権の緊縮財政を辞めさせなければ、移民国家へと変貌してしまうことになるものと私は思います。

                       

                       

                       

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                      国際社会は香港問題について、英国と約束した一国二制度を、中国に守らせるべき!

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                         今日は「国際社会は香港問題について、英国と約束した一国二制度を、中国に守らせるべき!」と題して論説します。

                         

                         昨日も香港のデモをテーマとして論説しました。中国共産党政府は、あらゆる手を使い、国際社会との約束を少しずつ変えて反故にしていこうと画策していることがわかります。

                         

                         5年前、2014年に発生した20万人規模で発生した雨傘運動のデモでは、デモを鎮圧して、選挙制度を変えることができました。

                         

                         しかしながら今回は、香港市民側が改めて反撃に出てきていて、キャリー・ラム氏の辞任に加え、行政長官の選挙制度を普通選挙にすることを要求しています。

                         

                         香港の市民たちは、自分たちで投票して自分たちの大統領にあたる行政長官を選出したいと思っているわけですが、日本人からみれば、既に中国の一部になっている香港で、そんなことができるわけがないと思っている人が多いのではないでしょうか?

                         

                         実は、香港の憲法にあたる香港基本法という法律があります。正式名称は「香港特別行政区基本法」で、前文と第1章〜第9章と3つの付属文書で構成されています。

                         

                         そして行政長官を選出する選挙について、付属文書一に香港特別行政区行政長官の選出方法についての記載があり、それによれば、香港の行政長官は選挙委員会によって選出されます。

                         

                         立候補するためには100名以上の選挙委員からの推薦を得て、有効投票数の過半数を得たものが当選というルールです。しかしながら立候補するためには、中国共産党政府の同意が必要となってしまっているため、投票権は親中派の団体にのみ、与えられる構造になっています。そのため、香港人が不満に思うのは至極当然であり、デモが何回も発生しているのは当然のことと言えるでしょう。

                         

                         また行政長官だけでなく、日本の国会議員にあたる立法会議員というのがあるのですが、これは普通選挙と各種団体を通じた間接選挙で選ばれる2種類の議員がいます。英国から香港が返還された1997年、香港基本法では、2007年以降(実際には2008年実施予定の第4回立法会議員の選挙から)に普通選挙に移行できる可能性を示していたのですが、中国の全国人民代表大会が「2007年以降」というのを必ずしも2007年に普通選挙に移行する必要はないと解釈し、それ以降もずっと普通選挙に移行してきませんでした。

                         

                         このように香港行政長官の選挙、立法会議員の選挙、いずれも普通選挙に移行することを示しておきながら、中国共産党政府が一向に移行しないことについても、香港市民のデモが起きている大きな理由の一つです。

                         

                         そして中国共産党政府は、この香港基本法の明記されている「2007年以降は普通選挙にする」というのを守らなければならず、抵抗することはできません。中国共産党政府は、普通選挙にすることを最も恐れ、解釈で2007年からずっと先送りにしてきました。

                         

                         そのため、普通選挙に移行する前に、行政長官を選ぶ選挙で、自分たちの都合のいいように変えたのが2014年の雨傘運動が起きたきっかけです。

                         

                         中国共産党政府と香港市民との戦いで何が起きているか?といえば、香港基本法で明記されている香港行政長官選挙、立法会議員選挙を普通選挙に実現することができるか?という戦いを争っているのです。

                         

                         香港市民がそれを実現するためには、香港市民単独の力では困難であり、米国や欧州などの国際社会の力が必要であると、香港市民らは認識していて、実際にそうしようとしています。

                         

                         香港市民は国際社会の力を欲しており、日本の力も欲しいと思っていることでしょう。

                         

                         日本がアジアの責任を持つ立場として、日本が何らかの形で共に香港を守る姿勢を強く打ちだしたら、香港の人たちにとってはとても心強いと思うでしょう。そういう姿勢を日本が香港に対して示せば、台湾の人々らも心強く思うはずです。

                          

                         なぜならば台湾も香港と同じような状況だからです。

                         

                         ところが日本政府は香港問題に積極的ではありません。

                         

                         前回、香港市民のデモの真の目的は、香港行政長官選挙と立法会議員選挙を普通選挙にすることと申し上げましたが、これが実現することこそ、香港が真の意味で一国二制度の完成といえるでしょう。

                         

                         英国から香港が中国に返還されたとき、一国二制度は約束されていたものであり、香港基本法に明記されています。ところが中国共産党政府は、その約束を履行していません。一国二制度が完成するのは、香港行政長官選挙の普通選挙と、立法会議員選挙の完全普通選挙への移行であり、中国は約束していることになっています。

                         

                         今こそ、国際社会は中国に約束を履行するよう香港市民の側に立つべきではないか?と私は思うのです。

                         

                         

                         というわけで今日は「国際社会は香港問題について、英国と約束した一国二制度を、中国に守らせるべき!」と題して論説しました。

                         

                         

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                        血税3,500億円を突っ込んだジャパンディスプレイ社を800億円で中国企業に売ろうとしている日本の官民ファンド

                         

                         

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                        香港で起きているデモの本当の狙いとは?

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                           今日は「香港で起きているデモの本当の狙いとは?」と題して論説します。

                           

                           まずはAFP通信とブルームバーグの記事をご紹介します。

                           

                           最初はAFP通信の記事です。

                          『AFP通信 2017/07/02 13:09 香港行政長官、デモ隊の「暴力行使」批判 議会突入で

                          【7月2日 AFP】中国・香港行政トップで親中派の林鄭月娥(キャリー・ラム、Carrie Lam)行政長官は2日、立法会(議会)に突入した覆面のデモ隊による「過度な暴力行使」を厳しく非難した。

                           香港では、中国本土への容疑者引き渡しを可能とする「逃亡犯条例」に反対する大規模なデモが、過去3週間にわたって続けられてきた。

                           そうした中、英国による中国への香港返還から22年を迎えた1日には、民主派による大規模なデモが実施され、参加者らが林鄭長官の辞任を平和的に要求した。しかし同日夜になり、デモ隊の中でも若者が多い強硬派が怒りを爆発させ、立法会議事堂に突入。市章にスプレーで落書きをしたり、英統治時代の香港旗を掲げて「香港は中国ではない」と殴り書きしたりしたが、2日未明、警察当局によって強制排除された。

                           デモ隊による議会突入は、一連の抗議デモの対処を林鄭長官に任せてきた中国の習近平(Xi Jinping)国家主席に対し、前代未聞の挑戦を突きつける格好となった。

                           林鄭長官は2日未明、香港警察トップの盧偉聡(Stephen Lo)警務処処長と共に行った記者会見で、破壊された現場について「悲しく、がくぜんとするような」光景だったと話し、「われわれは真剣にこの行為を非難しなければならない。なぜなら香港で何よりも順守すべきは法の支配だからだ」と続けた。また盧処長は「デモ参加者の暴力行為は、平和的な要求表現の一線をはるかに越えている」と述べた。

                           2日、立法会は閉鎖され、警察が内部の損傷を検証した。建物の外では、片付けのために集まった作業員が捜査が終わるのを待っていた。

                           一方、米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は1日、香港のデモの参加者らは「民主主義を求めている」と発言。新条例反対派を支持する姿勢を示し、「残念なことに、民主主義を望んでいない政府もある」と、中国を皮肉った。

                           また英国のジェレミー・ハント(Jeremy Hunt)外相は、英政府は香港とその「揺るぎない自由」を支持すると表明。同時にデモの参加者らに自制を求めた。

                           

                           

                           次にブルームバーグの記事です。

                          『ブルームバーグ 2017/07/06 00:16 香港の学生、行政長官との会合拒否−混乱収拾めど立たず

                           香港の学生らは林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官と会合を持つことを拒否した。大規模な抗議デモの再発を避けたい香港当局が、またもつまずいた形だ。

                           香港科技大学の学生リーダーらは、林鄭行政長官との非公開会合への参加を要請されたが拒否したことを明らかにした。非公開での会合に関心はなく、同長官が自分たちの要求に応じるまで話し合いの席には着かないとしている。この学生らは最近のデモに関わった他の複数のグループと同様に、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案の完全撤回、および行政長官を直接選挙で選べるよう制度改革を要求している。
                           林鄭行政長官側は「多様なバックグラウンドを持った若者たち」との会合を模索していたことを認め、学生らに決定の再考を促した。同長官側はブルームバーグに対し、こうした会合は「小規模かつ非公開で行われる」だろうと電子メールで回答した。』
                           上記の2つの記事、AFP通信とブルームバーグの記事をご紹介しました。
                           香港のデモについては、テレビやインターネットを通じ、大変なことが起きていると思われている日本人の方も多いと存じます。しかしながら香港の人々の本当の想いと、日本人の私たちが理解できるレベルでは、大きな温度差があると思ったため、この話題をテーマに取り上げました。
                           この香港のデモについて、Jimmy Lai(以下「ジミー・ライ」)氏という香港の有名な企業家でかつ民主運動の中心的支援者がいるのですが、ニューヨークタイムズの論説で次のように論説しています。
                           その論説によれば、中国共産党政府は、香港のデモを単なる市民デモでなく、中国共産党政府に対する市民の一斉射撃であるとみているとのこと。一斉射撃で使っている武器とは何か?といえば、Moralforceといっておりまして、和訳すれば「精神の力」「道徳の力」などとなるかと。そして中国共産党政府は、「精神の力」を最も恐れているとのこと。
                           中国共産党政府はローマ法王やダライ・ラマを正式に招待することがないのが、その証左であるとし、そのような宗教的指導者が中国共産党の隣に立つと、自分たちが比較されてモラルがないことがばれてしまうからだと述べています。そして「精神の力」がないことが中国共産党の最大の弱点であるとも、ジミー・ライ氏は述べています。
                           香港で発生している激しいデモは、いったい何が目的で起きているのでしょうか?
                           表面的には「逃亡犯条例改正案の関税撤回」というのが目立っていますが、本当の目的は、香港の行政長官のキャリー・ラム氏を変えるです。
                           キャリー・ラム氏の前は、Leung Chun-ying(以下「リョウ・シンエイ」)という方なのですが、現在の行政長官と比較した場合、キャリー・ラム氏の邪悪さが際立つとしています。
                           なぜならば、キャリー・ラムが香港の行政長官になった選挙は、中国共産党政府によって新しく変えられた選挙制度で選ばれた初の行政長官であり、キャリー・ラムが選ばれた選挙から、選挙制度が変わったのです。
                           キャリー・ラムはブルームバーグの記事に記載の通り、デモ活動の中心的な大学生らに対して、対話をしようと声をかけ続けてきましたが、大学生グループはキャリー・ラム氏との非公開協議を拒否しました。
                           大学生グループが要求しているのは、逃亡犯防止条例の完全なる撤回とキャリー・ラム氏の辞任です。彼らもジミー・ライ氏と同様にキャリー・ラム氏が邪悪な人物に見えているのです。
                           なぜなのか?一体香港の何が問題なのでしょうか?
                           それは行政長官を選ぶ選挙制度が問題なのです。
                           5年前にも20万人規模のデモ運動の雨傘運動で香港の学生たちが立ち上がりました。それは香港の行政長官を選ぶ選挙制度が北京政府に捻じ曲げられるような改正案が出てきたからです。
                           それまでは曲がりなりにも、香港市民の意向が入る形での選挙が行われましたが、ちょうど5年前に、中国共産党政府によって香港政府が出してきた行政長官選挙制度改正案というのが出てきて、行政長官に立候補できるのは、北京政府に許可を得た人しか立候補ができないという形になってしまったのです。
                           そのため、候補者の段階で、香港のためを考えている人は立候補できず、中国共産党政府の意向を受けた人しか立候補ができなくなってしまいました。
                           それに反対して抵抗したのが、香港の当時の学生たちが行った20万人規模のデモ運動である雨傘運動。ところが雨傘運動は敗れ去り、香港の選挙制度が変えられてしまい、その選挙制度で選ばれたのが、初の女性行政長官のキャリー・ラム氏です。
                           いわば中国共産党政府によって作られた傀儡政権であるといえるのです。
                           そこで逃亡犯条例改正をきっかけとして、今回、香港市民が要求しているのは、キャリー・ラム氏の辞任であり、行政長官を選ぶ選挙を普通の選挙制度にするということ、即ち普通選挙の実現を目指してデモをやっているのです。
                           というわけで今日は「香港で起きているデモの本当の狙いとは?」と題して論説しました。

                           

                           

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                             皆さんの中には、株式投資をされておられる方もおられると思います。そんな中、自動車株が割安になっておりまして、なぜ割安なのか?私見を述べたく、今日は「米国にとってトヨタ自動車は中国・北朝鮮・ロシア・アルカイダと同じ扱い」と題して、

                             

                            1.トヨタ株について

                            2.日本の自動車業界が安全保障上の脅威に位置付け

                            3.日本欧州の自動車メーカーよりも米国の自動車メーカーを守る方針を明確に打ち出すトランプ大統領

                             

                            の順で論説します。

                             

                             

                             

                            1.トヨタ株について

                             

                             トヨタ自動車の7/5(金)の終値は、下記の通り6,889円となっております。

                             

                            <トヨタ自動車の株価とチャート>

                            (出典:ヤフーファイナンス)

                             

                             

                             直近の国際情勢を考えますと、G20が終わり、日米貿易交渉が本番になるものと推察いたします。その争点として自動車が大きな争点の一つとなることは必須です。トランプ大統領が日本の自動車に関税をかけるのか否か?私は注目しています。

                             

                             7/2(火)、トヨタ自動車は北米の2019年1月〜6月の上期の販売実績を発表しています。その発表によれば、前年の2018年1月〜6月に比べて3.5%減となり、上期として10年ぶりに前年同期比でマイナスとなりました。

                             

                             とはいえ、2019年3月決算では日本の上場企業として初めて売上高が30兆円を超え、営業利益は2兆4,675億円(前期比2.8%増益)と、ライバル会社の欧米の自動車メーカーが軒並み大幅減益になっている中で、素晴らしい業績を出しています。

                             

                             にもかかわらず、トヨタ自動車株は割安なのです。

                             

                             下表は、自動車大手各社の指標で、トヨタ自動車とホンダと日産自動車について、注視していただきたい指標をピックアップして並べたものです。

                            銘柄

                            証券

                            コード

                            株価

                            7/5終値

                            売上高 営業利益

                            予想

                            PER

                            PBR

                            1株

                            当たり

                            配当

                            配当

                            利回り

                            トヨタ自動車 7203 6,889円 30兆円 2.5兆円 8.67倍 1.01倍 220 3.19%
                            ホンダ 7267 2,836.5円 15.9兆円 0.8兆円 7.51倍 0.60倍 112 3.95%
                            日産自動車 7201 773.4円 11.3兆円 0.2兆円 17.80倍 0.57倍 40 5.17%
                            三菱自動車 7211 523円 3.7兆円 0.1兆円 11.98倍 0.89倍 20 3.82%

                            (出典:ヤフーファイナンス、日興コーディアル証券)

                             

                             

                             株価の割高割安を示すPER(株価収益率)は、8.67倍と10倍を割れており、PBR(株価純資産倍率)は1.01倍と1倍をかろうじて超えているという状況で、トヨタ自動車の株価は、素晴らしい業績に対してとんでもなく安く、配当利回りは220円配当として3.19%です。

                             

                             同じくホンダはPERが7.51倍、PBRは0.60倍で、配当利回りは、なんと3.95%です。日産自動車や三菱自動車は、ゴーン逮捕の影響で営業利益が大きく落ち込むため、PERは10倍超となっていますが、それでもPBRは日産自動車で0.57倍、三菱自動車で0.89倍と1倍を大きく下回ります。

                             

                             この割安さは、リーマンショックの時にトヨタ自動車もホンダも赤字になり、その時はPBRは1倍を割り込みました。PBRが1倍を割り込むとはどういうことかというと、会社を解散したら、その株価以上に財産分配を受けられるということを意味し、会社を解散すれば、その差額が儲かるという状況です。実際は会社の資産に含み損益がそれぞれあったり、雇用を生んでいるということもあって、PBRが1倍割れたからといって「ハイ!会社を解散しましょう!」とはなりません。

                             

                             しかしながらトヨタ自動車でいえば、売上高が史上初の30兆円を達しているのに、リーマンショックで転落したときに近い評価しかされていないといえます。

                             

                             なぜトヨタ自動車やホンダの株式の買い手がいないのか?それは、日本の自動車メーカーの将来が暗いと思っているからに他なりません。

                             

                             

                             

                            2.日本の自動車業界が安全保障上の脅威に位置付け

                             

                             下記は、5月に報じられた時事通信の記事です。

                            『時事通信 2019/05/18 11:48 日欧に「半年合意」迫る=車輸入制限、判断は延期−トランプ米大統領

                            【ワシントン時事】トランプ米大統領は17日、安全保障を理由とした自動車・同部品の輸入制限措置について、追加関税の是非を判断する今月18日の期限を最長6カ月延長すると発表した。期間内に日本や欧州連合(EU)などと具体的な対応策で合意できなければ「追加の行動」を検討する。日米首脳会談を27日に控え、貿易交渉の期限を区切って歩み寄りを迫る姿勢を示した。
                             トランプ大統領は声明で、自動車の輸入増加が「米国の安全保障上の脅威」と訴えた。具体的な要求には言及していないが、関税・非関税障壁への対処、貿易量に上限を設ける「数量規制」が取り沙汰されている。日米両国は21日にワシントンで事務レベル協議、27日に東京で首脳会談を行う予定で、議題に上るとみられる。
                             米ブルームバーグ通信は、日欧への「数量規制」を視野に入れた大統領令が検討されていると報じていた。日本政府は米通商代表部(USTR)に「自由で公正な貿易をゆがめる措置だ」として反対の意向を改めて伝え、理解が得られたと説明している。
                             輸入車への追加関税は最大25%とも言われているが、米産業界や議会は追加関税自体に反発している。トランプ大統領は声明で、昨年改定した北米自由貿易協定(NAFTA)と米韓自由貿易協定(FTA)は「脅威に対処するのに役立つ」と指摘した。米国はNAFTA新協定で「数量規制」をのませた実績があり、カナダ、メキシコに対しては関税の適用を条件付きで免除する見通し。
                             自動車の輸入制限をめぐっては、商務省が通商拡大法232条(国防条項)に基づく影響調査書を2月17日に提出。大統領は原則90日以内に措置を決める規定だが、最長6カ月延ばせる。』

                             

                             上記時事通信の記事の通り、トランプ大統領の貿易戦争のターゲットになると思われているため、自動車株全体が割安になっているといえます。もし、貿易戦争のターゲットになれば、自動車関税の引上げと円高が待ち受けていることでしょう。そうなれば外需に頼る自動車業界の業績は将来悪化する可能性があります。

                             

                             日本の株式市場全体では、銀行株と自動車株が安く、買い手がいない状況となっています。

                             

                             銀行業界はマイナス金利が続いて、デフレが放置されていることもあってお金を借りてまでビジネスをしようとする人は極めて少なく、業績が悪いのでやむを得ませんが、自動車業界は業績が悪いわけではないのに株価は割安になっているのは、上述の貿易戦争のターゲットになるのでは?という思惑がその理由であると思われます。

                             

                             そして、ここに今、目の前にある日米貿易交渉の難しさが浮き彫りになっているといえます。

                             

                             米国のウォールストリートジャーナルの記事に、次のような記事が掲載されていました。

                            『ウォールストリートジャーナル 2019/05/21 16:47

                            中国、キューバ、ロシア、アルカイダ、イスラム国(IS)、トヨタ自動車、北朝鮮、ヒズボラ、イスラム革命防衛隊。この中で、米国の国家安全保障上の脅威と位置づけられていないのはどれか。 「トヨタ」と答えた人は、トランプ政権で働いてはいけない。同政権は先週、「米国資本」の自動車や自動車部品以外は国家安全保障の脅威になると宣言した。ホワイトハウスが声明の中で、日欧との貿易交渉中は自動車への追加関税を180日間猶予すると発表したことを受け、金融市場は安堵(あんど)感に包まれた。』

                             

                             

                             上記の記事の通り、トランプ政権にとってトヨタ自動車は、中国・北朝鮮・ロシア・アルカイダと同じ扱いで国家安全保障上の脅威と位置付けられています。トランプ政権は、米国資本の自動車会社以外は、国家安全保障上の脅威になると宣言しているのです。

                             

                             しかしながらなぜトヨタ自動車が中国・北朝鮮・ロシア・アルカイダと同じ扱いになるのでしょうか?

                             

                             その理由は、米国の基幹産業である自動車メーカーが日本や欧州の自動車メーカーとの競争に負けた場合、技術開発が弱くなって、米国全体の技術のイノベーションが弱体化します。その結果、国家安全保障が損なわれます。だから日本や欧州からの輸入車を減らすというのがトランプ政権の方針です。

                             

                             この理論でいけば、トヨタ自動車のみならず、ホンダもフォルクスワーゲンもメルセデスベンツも米国にとっては脅威と位置付けられることになるでしょう。

                             

                             

                             

                            3.日本欧州の自動車メーカーよりも米国の自動車メーカーを守る方針を明確に打ち出すトランプ大統領

                             

                             一方、日本欧州の大手自動車メーカーは、米国国内に工場をたくさん作り、多くの米国人を雇用しています。

                             

                             トランプ大統領は米国人の雇用や賃金を大事にしようとします。そのため、日本欧州の大手自動車メーカーに対して、メキシコに工場を作って米国に逆輸入することは許さないということで、米国国内に工場を作ることは容認しているものと思いがちですが、そうではありませんでした。

                             

                             トランプ大統領は、たとえ日本欧州の大手自動車メーカーが米国国内に工場をたくさん作って、多くの米国人を雇用したとしても、米国の自動車メーカーのフォード、GM、テスラを守るということで、アメリカファーストを貫き、米国の会社を守るという方針をはっきりと打ち出しているのです。

                             

                             こうしたことから、トヨタ株を含め、日本の自動車業界の株価が割安水準に放置していると考えられます。

                             

                             

                             というわけで今日は「米国にとってトヨタ自動車は中国・北朝鮮・ロシア・アルカイダと同じ扱い」と題して論説しました。

                             トランプ大統領は自国の安全保障のためなら、なんだってやります。米国国民を守るという意思が強く見えます。それに比べて我が国はどうでしょうか?自由競争で関税を引き下げ、負けたら自己責任ということで、政府が関与せず、自由競争こそ日本国民が幸せになれるという勘違いも甚だしい政策が打たれ続けています。特に安倍政権は日本のインフラや日本人のために蓄積された技術・ノウハウや資本を、外国に売ることを推奨し、国家として日本国民が幸せになるためにお金を使うこともせず、競争に晒させて負けたら「自己責任で死ぬなりなんなりしてください!」と言わんばかりであって、日本国民が貧乏になっていくのを加速化させる政策が多く打たれているのが現状です。

                             米国のように自国民ファーストを考えられない政治家は、日本国民の迷惑になるので、与野党を問わず国会議員の職を辞していただきたいと私は思います。

                             

                             

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                            参議院選挙の争点に”改憲議論を進めることの是非”

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                               今日は「参議院選挙の争点に”改憲議論を進めることの是非”」と題して論説します。

                               

                               7/4公示、7/21投開票の参議院選挙の争点に、”改憲議論を進めることの是非”が挙げられています。しかしながら、私の目から見れば、多くの国民が消費増税を本当にやるの?ということで、”消費増税の是非”も、本来ならば争点になるべきです。何しろ与党は増税する方針で今回の参議院選挙を戦います。しかしながら野党も多くが消費増税反対ではないため、正直なところ、投票したい党がないというのが私の感想です。

                               

                               表題の”改憲議論を進めることの是非”でいえば、自民党は「緊急事態」「参院選”合区”解消」「教育の充実」「自衛隊の根拠規定の明記」という4つの論点を掲げています。

                               

                               憲法第9条3項の追記については、加憲する(憲法を加える)方針としていまして、これに対しては私は大反対です。

                               

                               その憲法第9条第1項、第2項は下記のとおりです。

                              第九条【戦争放棄、軍備及び交戦権の否認】
                              1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、 国権の発動たる戦争と、
                              武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
                              2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。
                              国の交戦権は、これを認めない。

                               

                               憲法9条第2項には、「陸海空軍その他の戦力を保持しない」とあるため、憲法9条第3項で「自衛隊を持つ」と明記された場合、自衛隊は戦力ではないとなってしまいます。となれば、「彼ら自衛隊は一体何なの?」と混迷を深めるだけではないでしょうか?

                               

                               英語では明らかに「Force」と訳され、軍隊と呼ばれていますし、護衛艦「いずも」「かが」にしても英語でも「aircraft carrier」で空母と呼ばれています。

                               

                               結局、最も大事な国防の問題に対して、ダブルスタンダードの2枚舌を使い続けることを確定させるという意味で、この加憲には大反対というのが私の立場です。

                               

                               同じような2枚舌は、移民も同じです。国連の人口部による「移民の定義」は、「出生あるいは市民権のある国の外に12か月以上いる人」です。「高度な能力や資質を有する外国人を受け入れる」などとして、外国人技能実習生を受け入れるのは、国連の人口部の定義に照らせば、移民以外の何者でもありません。

                               

                               経済についても同様です。2019年1月〜3月の実質GDP△2.1%(名目GDP△3.3%)だからとか、ヒストリカルDI9つの指標のうち7つがマイナスなのに8つがマイナスになっていないからという理由で”いざなぎ越え”で好景気とか、本当はデフレなのに経済についても2枚舌を使っています。

                               

                               移民やデフレでの2枚舌は、とんでもない話ですが、自衛隊に対してそのようなダブルスタンダードにすることは言語道断といえます。

                               

                               例えば、憲法9条第2項を削除するとか、憲法9条第2項の文言を調整するとか、やり方はあるはずですし、自民党は第1項の外交を解決するための軍隊は持たないが、自衛のための軍隊は保持するという趣旨になるように憲法9条第2項を変えるべきであることを、言い続けてきました。にもかかわらず自民党の国会議員が黙って口を噤むのは、まことに許せない話であると私は思うのです。

                               

                               

                               というわけで今日は「参議院選挙の争点に”改憲議論を進めることの是非”」と題して論説しました。

                               今、イランとの緊張があって、ホルムズ海峡の問題があります。日本にとってシーレーンの8割、9割の原油がここを通過します。自衛隊はシーレーンの防衛も国土の防衛と同じくらいに重要な任務です。

                               憲法9条第2項の問題は、憲法9条の加憲ではなく、自民党が主張を続けてきた第2項を調整する方向でやっていただきたいと改めて思います。

                               

                               

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                              韓国の文在寅大統領のWTO提訴の警告について

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                                 今日は「韓国の文在寅大統領のWTO提訴の警告について」と題して論説します。

                                 

                                 下記は時事通信の記事です。

                                『時事通信 2019/07/01 18:48 半導体輸出規制、撤回を=韓国「WTO提訴」と警告

                                 【ソウル時事】韓国の趙世暎・外務第1次官は1日、長嶺安政駐韓大使を呼び、日本政府が発表した半導体材料輸出管理強化措置の撤回を求めた。また、成允模・産業通商資源相は声明を出し、「今後、世界貿易機関(WTO)提訴を含め、必要な措置を取る」と警告した。

                                 成氏は声明で、日本企業に元徴用工らへの賠償を命じた韓国最高裁判決を理由とした「経済的報復措置だ」と断定。「三権分立の民主主義原則に照らし、常識に反する」と批判し、「深い遺憾」を表明した。
                                 その上で、輸出規制はWTO協定で原則的に禁止されていると指摘。日本が議長国を務めた20カ国・地域首脳会議(Gト)の首脳宣言が「自由で公正かつ無差別な貿易・投資環境の実現と、開かれた市場の維持に努める」とうたっている点を挙げ、「(サミットで合意した)精神とも相いれない」と主張した。』

                                 

                                 

                                 上記記事は、日本政府が半導体材料の韓国への輸出の管理を強化するという措置を打ち出したことに対して、韓国の通商資源相が日本企業に元徴用工らへの賠償を命じた韓国最高裁判決を理由とした「経済的報復措置」に該当するとして、WTOへの提訴を含めた対抗措置を取る旨を警告したとするニュースです。

                                 

                                 日本が輸出規制を強化するのはフッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素の3品目で、特に韓国が輸入する日本製のレジスト、フッ化水素への依存度は全て90%に上ります。そのため、韓国としては日本製の代替品を探すのが難しく、規制が長期化すれば、韓国の半導体産業と韓国経済に悪影響を及ぼすことになるでしょう。

                                 

                                 この記事から言いたいことは2つあります。

                                 

                                 一つ目はWTOでも何でもいいですが、そもそも韓国は我が国の領土である竹島を不当に占拠し、現在進行形で安全保障を脅かしています。安全保障を理由に貿易を制限することはWTOルールでも認められています。

                                 

                                 何がいいたいかと言えば、竹島を不当に占拠しておいて、その上1965年に日韓請求権協定締結という国際法で解決した元徴用工問題を持ち出して、日本企業の韓国国内にある財産を不当に没収したり、追加で賠償金を要求するのを韓国政府が放置しておきながら、日本の輸出規制をWTO違反で提訴とは、「お前が言うな!」というレベルでムカつく話だということ。

                                 

                                 私はWTOルールに基づいて、日本政府が取った措置は正当性があると考えます。竹島を不当に占拠する韓国に、WTO違反と言われる筋合いはありません。

                                 

                                 二つ目は、半導体のDRAM(記憶保持動作が必要な随時読出し書込みメモリー)とNAND(電気的一括消去が可能なメモリー)で、サムスン電子が世界的に高シェアなのですが、韓国が工業燃料を日本からの輸入に頼っているという実態を改めて認識できたということです。

                                 

                                 どういうことか?といいますと、DRAMやNANDを作る工程で、スマホやタブレットの画面に使う「フッ化ポリイミド」、半導体の製造に使う「フォトレジスト」、半導体の洗浄に使う「フッ化水素(エッチングガス)」が必要となるのですが、これら工業燃料・材料は、韓国国内で製造する技術がない、即ち韓国の需要を韓国国内の供給だけで対応することができないということ。日本と比べて国力が低いということです。

                                 

                                 国力の強弱とは、国民の需要を自国でどれだけ賄うことができるか?ということなのですが、日本は資源こそ、自国の供給のみで満たすことができないものの、資源以外のほとんどが日本国内で供給することができます。

                                 

                                 例えば、イージス艦を製造するとなれば、日本は造船技術のみならず、鉄鋼や半導体や電子部品、それら製造に必要な工業燃料など、すべて日本国内で製造することができる一方、韓国がイージス艦を製造するとなれば、自国で工業燃料や電子部品などの資本財を製造できず日本からの輸入がなければ製造ができないのです。

                                 

                                 したがって「イージス艦を製造する」という事業をやる場合、日本の方が韓国より多くの雇用を生み、より多くの所得を得ることができます。日本の方が国力があるというのは、そういうことです。

                                 

                                 GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出

                                 ※純輸出=輸出−輸入

                                 税収=名目GDP×税率×税収弾性値

                                 

                                 上記はGDPと税収の算出式ですが、数式をご覧いただければ一目瞭然ですが、輸入はマイナスです。他国の所得になるから当たり前です。

                                 

                                 韓国はイージス艦を組み立てることはできても、組み立てる部品・部材を製造するのに、自国の供給力だけでは賄えず、例えばイージス艦を大量製造するとなれば、工業燃料・半導体材料などの資本財を大量に日本から輸入する必要があり、その場合は日本の所得が増えることになります。

                                 

                                 一方で日本がイージス艦を作るとなれば、石油や天然ガスやレアアース、レアメタルといった資源は輸入しなければなりませんが、資本財はほとんど日本国内で供給することが可能であるということで国力が強い=先進国といえるのです。

                                 

                                 

                                 というわけで今日は「韓国の文在寅大統領のWTO提訴の警告について」と題して論説しました。

                                 半導体業界は、CPUの場合は米国のインテル社、アドバンスマイクロデバイス社(AMD社)の2社でほとんどのシェアを占める一方、DRAMとNANDは、サムスン電子の世界トップシェアというイメージを持たれる方もおられるかと思います。

                                 今回のニュースでDRAMやNANDの製造に、日本企業が支えていたという事実を多くの日本人が知り、このような国力の差が外交のカードとして日本に有利な状態であることを知らずして不当に竹島を占拠する韓国の愚かさを、韓国に知らしめることができるということを日本人が知ることができたという意味で、外交とは何なのか?国力は何なのか?など、通商政策や安全保障について日本人の理解が深まる良いきっかけになればと私は思います。

                                 

                                 

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                                  JUGEMテーマ:高速道路

                                   

                                   先々月の5月、東名高速が全面開通から50周年を迎えました。そこで今日は「全線開通から50年を経過した東名高速道路の経済効果」と題して論説します。

                                   

                                   神奈川県の大井松田インターチェンジと静岡県の御殿場インターチェンジの間が開通し、東京都と愛知県の全長347舛魴襪崚賁捷眤道路が全線開通したのは、1969年の出来事です。

                                   

                                   名神高速道路とともに、東京、名古屋、大阪の3大都市圏を結ぶ日本の大動脈として、経済を支えた東名高速の経済効果を見ると、全国60兆円にも上るという試算結果があると言われているほど、経済効果は大きい。荷物を迅速に決められた時間に届けられるようになる高速道路は、消費の在り方を変えたインターネット通販の成長にも大きく貢献しているといえます。

                                   

                                   

                                  <東名高速道路と第二東名高速道路>

                                  (出典:中日本高速道路のホームページ)

                                   

                                   日本経済における東名高速道路の貢献は極めて大きく、60兆円という数字は、計算できる範囲で計算しているだけで、もっと綿密に計算すれば、その程度の水準とは全く違う水準です。

                                   

                                   日本が高度経済成長した理由の大きな一つとして、東名高速道路をはじめとする高速道路整備が挙げられると、いつも私は思っているわけですが、東名高速道路がなければ、経済成長の形が全然違う形になっていたというより、高度経済成長していなかったとすらいえるかもしれないのです。

                                   

                                   なぜならば、大動脈の物流で、高速道路の土地利用は圧倒的に変わり、周辺の商業や小売業の売上高は、何倍にもなったことでしょうし、土地利用も抜本的に変わっています。

                                   

                                   東名高速道路がなければ、あるいは東名高速道路が高度成長を支える道路ネットワークでなかったとするならば、60兆円程度では済まないくらいの貢献をしていたといえるのではないでしょうか。

                                   

                                   もともと名古屋と東京の間が9時間程度かかっていたのが、4時間で行けるようになり、半分で行けるようになりました。

                                   

                                   もし9時間かかっていたとして、今の倍の時間がかかっていたとするならば、物流コストは倍の費用がかかっていたということになります。

                                   

                                   モノの値段のすべてに物流コストは、かかります。GDP3面等価の原則で、物流コストは商業・小売業のGDPからは控除され、運送会社のGDPとしてカウントされるものです。

                                   

                                   そのため、多くの国民が「公共事業は無駄だ!」とか「道路は無駄だ!」と誤解しているのですが、交通を便利にするというのは、消費減税と同じくらいの効果があるといえます。なぜならば物流コストがすべての物品に乗っかるからであり、「物流コストが下がる=物品コストが下がる」ともいえるのです。

                                   

                                   そういう意味で、もし高速道路整備をやっていなければ増税していたことと同じとみることもできます。そのため、交通というのは経済成長に極めて重大な意味を持つので軽視できず、ましてや「道路は不要!」などという言説は、自らもその恩恵を受けていることに気付かない白痴で無責任な言説といえるでしょう。

                                   

                                   並行する新東名高速道路は、8割以上が開通していて、2020年度の全線開通が予定されています。

                                   

                                   この新東名高速道路の開通によって、東名高速道路で慢性的に発生していた渋滞が大幅に減少し、災害時の迂回路や自動運転技術の活用にも役割を期待されています。

                                   

                                   したがって、東名高速道路と新東名国側道路のWネットワークは、いいことだらけといえるでしょう。

                                   

                                   例えば、京都と大阪間では名神高速道路がありますが、この高速道路の天王山という場所は、第二京阪高速道路ができる20年以上前は、いつもすごい渋滞が発生していたといわれています。Wネットワークにすることによって、交通量の一部が第二京阪高速道路にいくこととなり、渋滞が緩和されました。

                                   

                                   このように高速道路のWネットワークは、すさまじい経済効果があるといえ、新東名高速道路が全線開通すれば、全区間でその効果が発生することになって、渋滞が抜本的に解消されるのです。

                                   

                                   さらに防災面でのメリットも大きく、大きな事故が発生して高速道路が使えなくなってしまえば、その動脈は止まってしまいます。事故だけでなく自然災害で、例えば地震で崩れるとか大雪で片方が使えなくなるとか、由比ガ浜付近が津波被害で使えないとか、いろんなパターンが無限に想定されますが、Wネットワークであれば、動脈が止まることもありません。

                                   

                                   そうした事象も経済効果として定量数字に組み込めば、たかだか高速道路が一本できるだけで、60兆円程度の経済効果ではなく、何百兆円もの効果があるものと、私たちは認識する必要があるものと思います。

                                   

                                   一方で東名高速道路が全線開通してから50年余りが経過し、道路・トンネルの老朽化も一つの課題です。全線で補修が3兆円必要といわれています。

                                   

                                   この補修費用は、費用なのでコストといえばコストですが、支出=生産=分配で、経済成長することができる需要でもあります。3兆円という費用は決して高いものはなく、仮にもカネカネカネとやってケチって補修しなければ、やがてその道路は使えなくなってしまいます。道路が全く使えなくなるとなれば、何百兆円もの経済効果がなくなって、何百兆円の損害を受けるともいえるのです。

                                   

                                   

                                   というわけで今日は「全線開通から50年を経過した東名高速道路の経済効果」と題して論説しました。

                                   今の日本政府はカネカネカネとやって、公共事業を増やしていません。しかもプライマリーバランス黒字化というバカバカしい縛りがあるため、家計簿や企業経営の発想で財政運営しているので、高速道路補修費を増やすならば、その分教育費を削減するとか、消費増税するなどとやって、経済成長が抑制され、発展途上国に逆戻りしているのが今の日本です。

                                   超重要インフラの老朽化対策をしっかりやっていくことこそ、日本経済を支え、私たち日本国民の所得を守り、賃金UPの原資を生み出すものであると私たちは認識し、デフレ脱却のためにも財政出動を声を大にしてあげるべきであると私は思います。


                                  中国ウイグル自治区の再教育キャンプで行われているウイグル人への拷問

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                                     皆さんはウイグルという地名をご存知でしょうか?

                                     

                                     かつては東トルキスタンといわれていましたが、中国共産党によって新疆ウイグル自治区と勝手に属国化されて、民族洗浄(エスニック・クレンジング)が行われています。

                                     もともとは豊かな文化を持つ国・土地だったのですが、漢民族が大量に流入し、ウイグル人は強制収容所に送られています。

                                     

                                     そこで今日は中国政府によるウイグル人のジェノサイド問題を取り上げ、「中国ウイグル自治区の再教育キャンプで行われているウイグル人への拷問」と題して論説します。

                                     

                                     まずはRFA(RadioFreeAsia)というサイトの記事をご紹介し、中国の再教育キャンプの実態について以下の順でご説明します。

                                     

                                    1.記事の概要について

                                    2.中国政府の苦しい説明

                                    3.ウイグルで顔認証システムを製造している企業の割り出そうとしている米国議会

                                     

                                     

                                     以下、英語で書かれている原文をそのまま紹介します。

                                     

                                    『RadioFreeAsia 2019/06/24 Young Uyghur Tour Director Dies Under Questioning by Xinjiang Authorities: Mother

                                     

                                     A young Uyghur woman who worked as the deputy director of a tourist agency in northwest China’s Xinjiang Uyghur Autonomous Region (XUAR) has died while being questioned in official custody, according to a recording of her mother that was secreted out of the country by members of the Uyghur exile community.

                                     Aytursun Eli, 35, had studied tourism and Japanese before accepting a position at the Hua An Tourism Company in the XUAR’s Kashgar (in Chinese, Kashi) city and being promoted to deputy director, her mother, Patigul Yasin, said in a purported recording of an interview with the official Autonomous Regional Women’s Federation that was obtained by Washington-based International Uyghur Human Rights & Democracy Foundation (IUHRDF).

                                     Authorities in the region had targeted the young woman after she returned from a work trip to Dubai, a country blacklisted by authorities for travel by Uyghurs due to the perceived threat of religious extremism, her mother said.

                                     “It was on June 4, 2018, when she was called … to go to the police station,” Yasin explains in the recording, which was only recently smuggled out of the XUAR by a “Uyghur exile through various channels” before being passed to the Washington-based World Uyghur Congress, and published on IUHRDF’s website.

                                     “We didn’t really pay much attention to it at the time … But on June 9, at around 11:00 a.m., two men came to our home.”

                                     Yasin said the men asked her and her husband, Eli Ghopur, about what Eli did for a living and whether she ever showed signs of being medically unfit.

                                     “If my daughter was unwell, how could she manage to help carry elderly tourists’ luggage, and assist them in climbing mountains and visiting various places,” Yasin said she told the men.

                                     When she inquired whether Eli had fallen ill, the men told her, “Yes, a little bit,” and asked whether she would like to see her daughter.

                                     “We were taken to the Yuandong Hospital [in Kashgar], but when they saw my husband’s face and the state that he was in, they told him to sit down and not to go in, and took me inside on my own,” she said.

                                     Yasin said that on arriving at the hospital, several people who she believed were plainclothes officers surrounded her and told her “not to shout out or cry.”

                                     “Two men grabbed me by my arms and dragged me into the hospital … where I was made to sit at [a desk] with people standing on either side of me,” she said.

                                     “A man arrived to sit opposite me and said, ‘We are going open up your daughter’s body … to carry out an autopsy. Should we proceed?’”

                                     “I said, ‘Why would you do that? Did you kill her [in custody] and now you want to open her up here at the hospital?’”

                                     According to Yasin, the two men grabbed her again and informed her that if she refrained from crying, they would allow her to receive Eli’s body at her home before they buried her.

                                     “They dragged me into a room where my daughter’s body was—she was lying there like a beautiful statue and I began to caress her while screaming, ‘My child,’” she said.

                                     “At that point, they pulled my hands very roughly away from her face, dragging me out of the room. I only had a chance to touch my daughter’s face, and was unable to see any other parts of her body.”

                                     Yasin said the authorities claimed her daughter had a medical condition, and because she was so weak, she was “unable to cope with being questioned.”

                                     But she rejected their explanation, saying that Eli would have been unable to perform her duties and receive promotions with the tourist agency if she was unwell.

                                     “They forcibly took my hand and made me sign some documents,” she said, adding that she was also made to provide fingerprints before receiving a death certificate from the hospital.

                                     Despite Eli’s achievements in her studies, the certificate said that she was a “farmer” who “had never been to school,” and claimed she suffered from four different heart conditions, including arrhythmia and cardiomyopathy, Yasin said.

                                     

                                    Burial

                                     Eli’s body was brought to her home, but her parents were not allowed to see her, Yasin said, and she was taken away for burial about an hour later.

                                     “During that time, I asked to see her, but they fiercely refused my pleas,” she said.

                                     “They washed her and took her away for burial while we were locked up in a room and prevented from entering the courtyard. The cadres and police controlled everything. I learned later that they didn’t allow people to enter the house ... They only allowed three or four people to attend the burial, while the rest were officials.”

                                     Yasin said Eli’s colleagues at the tourist agency asked authorities why she had been arrested, but were told to “mind their own business,” lest they end up in an internment camp, where up to 1.5 million Uyghurs and other Muslim ethnic minorities accused of harboring “strong religious views” and “politically incorrect” ideas have been held since April 2017.

                                     While Eli had been told she would have to enter an internment camp, authorities never confirmed whether she had died while being questioned in a camp or in custody at a local police station.

                                     Police handed Yasin 49,000 yuan (U.S. $7,125) following the burial, which she said included Eli’s pension contributions and a “death payment.”

                                     After obtaining a copy of Yasin’s recording, RFA’s Uyghur Service contacted the Autonomous Regional Women’s Federation to confirm Eli’s death, but was told by staff members that they had no knowledge of the case.

                                     The staff members told RFA that they had not conducted any interviews related to the death of a young woman who worked with a tourist agency, despite being told of the purported recording.

                                     When asked whether Eli had worked for Hua An Tourist Company, a representative of the firm confirmed that she had and told RFA that she died “around this time last year.”

                                     A second staff member at the tourist agency said they knew Eli had passed away, but were unable to speak to the state of her health or the circumstances under which she died.(後略)』

                                     

                                    <ウイグル自治区にある再教育キャンプという名の強制収容所の写真>

                                    (出典:RadioFreeAsiaから引用)

                                     

                                     

                                    1.記事の概要について

                                     

                                     内容的には、ウイグル人の35歳の女性でアイトルサン・エリー(Aytursun Eli)さんという方(以下「エリーさん」)が、ウイグル自治区にある再教育キャンプで、ひどい拷問を受けて死亡したのでは?という疑義があると母親が証言しているというものです。

                                     

                                     エリーさんは、ご主人も子供もいる女性で、職業はツアーコンダクターであり、新疆ウイグル自治区にある旅行代理店に勤めていました。彼女は観光業を勉強し、なんと日本語も勉強していたということで、日本人向けのツアーガイドもできる人だったと言われています。

                                     

                                     彼女は今からちょうど1年ほど前に、中東のドバイにツアーコンダクターとして行ったのですが、ドバイから帰ってきたときに警察に呼ばれ、再教育キャンプに収容されました。

                                     

                                     その後、数日後にエリーさんの母親に、警察から連絡があり、「娘さんがどんな仕事をやっているのか?」と聞かれて母親は説明したのですが、警察から「病気とか体が悪いところがなかったか?」とも聞かれました。

                                     

                                     母親は当然、「病気などあるわけがなく、病気だったら海外のドバイに行ったりできるわけがない!」と説明。しかしながら警察は「どこか体が悪いところがあったはずだ!再教育キャンプで病気で亡くなった!」と言われ、「病院に死体があるから病院に行きましょう!」と言われました。

                                     

                                     そして警察は母親に対して、その病院で娘の死体の解剖の許可を求めたのです。

                                     

                                     ご両親は病院に駆け付け、エリーさんの遺体がある部屋に入り、エリーさんの遺体を確認して「我が娘よ!」と泣き叫んで、頬を撫でていました。

                                     

                                     そしたら警察官が娘の方を撫でている手を引っ張り、遺体がある部屋から外に出されました。その後、遺体を見ることが許されず、遺体の解剖に持っていかれて火葬されました。

                                     

                                     エリーさんの葬式は、新疆ウイグル自治区の当局が勝手に行ったため、ご両親は葬式に出ることすらできませんでした。

                                     

                                     上述の内容について、エリーさんの母親が新疆ウイグル自治区にある教会で、この証言を行い、それがテープに録音され、その証言テープが何人かの人にわたって、海外の反中国政府運動をやっている亡命ウイグル人の組織に渡り、最終的に米国の連邦議会の予算で運営されているFreeRadioAmericaというラジオ番組をやっている組織の手に渡りました。

                                     

                                     エリーさんは35歳という若い女性ですが、日本語も英語もできるツアーコンダクターということでインテリでした。そしてツアーコンダクターとしてドバイに行ったのです。

                                     

                                     ドバイといえば中東です。私はドバイこそ行ったことありませんが、ヨルダンとオマーンをカタール経由で往訪しています。中東といえばアラビア語となりますが、イスラム教の過激派・テロリストというリスクがある地域でもあります。

                                     

                                     エリーさんは中東のドバイに行ったというだけで、そうした中東のイスラム教の過激派・テロリストと接触したかもしれないという疑いがかけられ、再教育キャンプ施設に収容されてしまったのです。

                                     

                                     警察からは病気で死んだと言われていますが、実際は再教育キャンプで大変な拷問にかけられて亡くなっていると思われます。にもかかわらず、拷問で亡くなったのではなく、もともと病気で、その病気が原因で亡くなったとされているのです。

                                     

                                     葬儀の後、ご両親にはエリーさんの年金のお金が返され、死亡証明書が一緒に送られています。

                                     

                                     これが今、中国の新疆ウイグル自治区の再教育キャンプで行われている実態です。

                                     

                                     

                                     

                                    2.中国政府の苦しい説明

                                     

                                     この再教育キャンプは、2017年4月から稼働し、既に2年以上が経過しています。先週の2019/06/25には、国連のジュネーブ本部の人権理事会で、中国政府のウイグル自治区再教育キャンプの問題の審議が行われました。

                                     

                                     昨年から国連のジュネーブ本部では、何回もウイグル自治区の再教育キャンプのことが取り上げられ、2018年8月には難民高等弁務官事務所での委員会でも、この問題が取り上げられました。

                                     

                                     今回、人権理事会の場で、新疆ウイグル自治区の副知事が証言しています。

                                     

                                     その証言の内容ですが、世界で悪く言われている再教育キャンプの実態は異なるとし、あくまでも職業訓練所であると証言しています。

                                     

                                     さらに副知事は、反政府の思想を持った人は、放っておけばテロリストになる人間になる可能性があるため、再教育キャンプに収容して職業を教え、職業の技能を身につけさせて社会に返すということをやっていると証言しています。

                                     

                                     

                                     

                                    3.ウイグルで顔認証システムを製造している企業の割り出そうとしている米国議会

                                     

                                     先週G20で習近平が来日する中、日本でも反中国のデモ運動が大阪で行われました。

                                     

                                     米国では米国議会の上院議員のマルコ・ルビオ氏が中心となり、中国に対して厳しい態度をとって、このウイグル問題について取り組んでいます。

                                     

                                     今特に力を入れて取り組んでいるのは、ウイグルで顔認証システムを作っている企業への制裁です。

                                     

                                     AIやIoTの技術を使うなどして顔認証システムを使うことで、中国共産党政府が反中国政府組織の人々や反政府の思想を持った人を捕らえ、再教育キャンプに収容して拷問したり、臓器狩り目的で殺すことを、米国議会は知っているのです。

                                     

                                     そのため、マルコ・ルビオ氏は、顔認証システムを製造する中国企業を何とか割り出し、その企業に対して経済制裁を科すという法案を何とか通そうと努力しています。

                                     

                                     それに比べて日本の国会議員は与野党とも何もしていません。国会会期中に議論すらされませんでした。

                                     

                                     

                                     というわけで今日は「中国ウイグル自治区の再教育キャンプで行われているウイグル人への拷問」と題して論説しました。

                                     米国議会は中国の人権弾圧の事実を知っており、厳しい態度で臨んでいます。にもかかわらず、相変わらず日本のマスコミは、「トランプ大統領が過激で・・・」という報道ばかり目につくのですが、少なくてもファーウェイの疑惑は10年以上前から問題視されており、議論を尽くしたうえで始まっていることです。そのため米国の対中国政策は、トランプ大統領よりも米国議会の方が教鞭で、親中イメージが強い民主党ですら「トランプ大統領は甘い」と責め立てているのが現状です。

                                     日本のテレビ・新聞は、どんなにウソを報道しても、あるいは真実を捻じ曲げて報道したとしても、憲法21条の言論の自由、表現の自由、報道の自由で、処罰されることはないのですが、中国共産党政府に遠慮して、中国の実態を報道しないという態度は、許されるべきことではありません。

                                     今回ご紹介した中国によるウイグルの弾圧を米国は許さないという態度で臨んでいる一方、日本の国会議員らはメディアリテラシーが低すぎて、こうした問題について認識がないということが大変残念なことと私は思います。

                                     

                                    〜関連記事(エスニッククレンジング関連)〜

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                                    「高度な能力や資質を有する外国人を受け入れる」の欺瞞と「中国による洗国(せんこく)」の恐怖

                                    外国人労働者を送り込み、国際法違反行為の民族洗国(エスニッククレンジング)によって「日本の抹殺」を企てる中国!

                                    発展途上国化する日本!その日本の軍事予算の20倍を使う中国共産党に対して、我が国は如何にして立ち向かえるか?

                                     

                                    〜関連記事(その他、中国の人権弾圧、米国のファーウェイ排除など)〜

                                    中国共産党によって人権と民主主義が脅かされている香港を支援する米国と何もしない日本

                                    ”逃亡犯条例改正案”に反対している香港のデモ活動は日本人にとって他人事ではない!

                                    日中通貨スワップは誰のため?

                                    米国債残高1位の中国は米国債売却で反撃するという言説について

                                    中国の一帯一路の被害国を増やすことに手を貸す日本企業と、中国とのプロジェクトを決別宣言したマレーシア

                                    中国の公平でないグローバリズムに強硬な姿勢をとる米国と、製造2025をビジネスチャンスと考えるアホな国

                                    中国のAIIBと一帯一路に手を貸す銀行・企業は、中国の侵略に手を貸すのと同じです!

                                     

                                    ファーウェイつぶしの目的は5G技術の覇権を取らせないためか?

                                    「日本人が中国人を安い賃金で雇う」ではなく「中国人が日本人を安い賃金で雇う」時代へ!

                                    日本はトランプ大統領の関税カードの使い方を学ぶべきです!

                                    トランプ大統領の中国製品の関税25%引き上げの真の狙いは何か?

                                    米国債残高1位の中国は米国債売却で反撃するという言説について

                                    米中貿易戦争で中国は勝てません!

                                    中国Huawei・ZTE問題と、国家安全保障にかかわる次世代通信システム5Gサービスについて

                                    覇権挑戦国に伸し上がろうとする中国をつぶそうとしている米国


                                    年金への根強い不信を露呈した老後2000万円不足問題

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                                       今日は、老後2000万円不足問題について取り上げ、「年金への根強い不信を露呈した老後2000万円不足問題」と題して論説します。

                                       

                                       この問題は、夫婦の老後年金とし年金以外に2000万円の蓄えが必要とした金融庁の報告書について、麻生太郎大臣が正式な報告書として受取を拒否したという問題で、夏の参議院選挙のダメージを回避するため、麻生大臣が報告書を事実上撤回することで、沈静化を図ったのでは?と報じられている問題です。野党側は、消えた報告書などとして安倍政権への批判を強めています。

                                       

                                       金融庁が金融審議会でまとめた報告書によれば、夫が65歳以上、妻が60歳以上の無職世帯が年金に頼って暮らす場合、毎年5万円の赤字が出ると試算し、その後30年生きるには2000万円が不足すると試算しました。

                                       

                                       あくまでも2000万円は平均値としていますが、普通の人が「2000万円貯金をしていなければ老後は生きていけないということなの?」と思っても仕方がない話です。

                                       

                                       男性95歳、女性は90歳という試算ですが、国家が100年安心年金制度といっておきながら、実は制度が不十分で日本政府は2000万円支払えません!という話でもあります。

                                       

                                       100歳生きても大丈夫という話が、60歳以上は生きることはできませんと言いたいのでしょうか?

                                       

                                       この報告書を麻生大臣が受け取らなかったとしても、多くの国民は、「本当は60歳以上は生きていけないんでしょ?」と誰もが思うでしょう。

                                       

                                       なぜこんな試算が出たのか?私の推測ですが、財務省が増税したいための論理として、この報告書を作成したのではないでしょうか?なぜならば金融庁は財務省の傘下の組織です。

                                       

                                       毎月5万円不足する状況だから、消費増税で国民から広く安定的に集めて補填すれば、社会保障が充実して国民が生きていけるというシナリオがあり、それを財務省の職員が情宣したいためだったのでは?と私は疑っています。

                                       

                                       要は、消費増税をやらなければ2000万円を自分で貯めなければならないが、消費増税をすれば2000万円自分で貯める必要はなくなるということでしょう。

                                       

                                       この事件で多くの日本人が、「もっと貯金しなくては!」とか「もっと投資するために毎月の給料から投資信託を買うお金を捻出するために節約しなくては!」となって、貯金や節約をした分、消費減少=生産減少=所得減少となって、経済成長を抑制します。即ちデフレが促進されることになるでしょう。

                                       

                                       もちろん金融庁は「貯金から証券へ!」と株式や投資信託の購入を促すため、資産運用を早めにした方がよいというメッセージでもあるという声もあります。

                                       

                                       私こと、杉っ子は株式投資を長年やっていますが、国民が株式投資をしなければならないというのは、全くおかしな話です。普通に働き、働いたお金をちゃんと稼いで老後も安心して暮らせるというのが普通の社会です。何が言いたいかといえば、「年金が不足するから自助努力で資産運用してください!」というのは、全くをもって無責任なこと。

                                       

                                       しかも消費増税をやるとなれば、GDPの伸びは抑制され、株式市場にも悪影響が出る可能性は大きいのです。既にトランプ政権が積極財政をやって米国の経済は絶好調であり、地に足が付いて株価が上昇する一方、日本の株式市場は残念ながら日経平均で23000円を超えることができずにいます。

                                       

                                       GDPは会計学的には粗利益に相当するものであり、GDPが成長しない以上、株価が上昇したとしても、それは別の要因で一時的な要因での上昇といえます。

                                       

                                       実際に東京の株式市場の売買の主体は、日銀が買い支えているにすぎず、買い手は不在の状況です。

                                       

                                       この状況で日本株や投資信託に投資をしたとしても、運用はうまくいかないことが多いでしょう。仮に米国株などの外国株を買うにしても、消費増税と緊縮財政によって、超円高になるシナリオがあります。円高となれば外貨建て資産は価値が目減りします。

                                       

                                       既に円高基調になっているにもかかわらず、負債を増やす国債増刷をやらないため、日銀が金融緩和をできなくなるXデーも近づいているのです。

                                       

                                       負債を増やす国債増刷さえやれば、金融緩和が継続できるので、円高を回避できます。しかしながら負債を増やせば「将来世代にツケを残すのか?」と多くの国民が反対するでしょう。

                                       

                                       結局国債増刷ができるのに国債増刷をせず、金融緩和ができなくなって円高になっているのを日銀がただ見守っている状況となる可能性が高く、消費増税で消費が減り、米中貿易戦争でスロートレードが加速する以上、株価が下落・暴落するシナリオこそあれど、上昇するシナリオは全くないというのが私の見解です。

                                       

                                       

                                       というわけで今日は「年金への根強い不信を露呈した老後2000万円不足問題」と題して論説しました。

                                       

                                       

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                                         今日は「安定電源に全く役にも立たない再生可能エネルギーが買取から入札へ!」と題して論説します。

                                         

                                         日本経済新聞の記事を紹介します。

                                        『日本経済新聞 2019/06/13 太陽光や風力発電、買い取りから入札へ   事業者に競争促す 弱い送電網、普及に壁

                                         経済産業省は太陽光や風力発電の事業者がつくった電気を大手電力があらかじめ決めた価格で買い取る制度を終了する。買い取り費用の増加で消費者の負担が高まっており、新たな競争入札制度を導入してコスト低減を進める。2020年にも関連法を改正する。政府は再生可能エネルギーを今後の主力電源として拡大する方針だが、遅れが目立つ送電網の整備などまだ課題も多い。

                                         経産省は12年に固定価格買い取り制度を導入した。再生エネの電気を国が決めた固定価格ですべて買い取る仕組みだ。費用は電気料金に上乗せされる。

                                         買い取り費用は19年度で約3.6兆円にのぼる。うち家庭や企業に転嫁する分は約2.4兆円まで膨らみ、見直しの必要性が指摘されていた。経産省は対策として、ドイツなど欧州各国がFITの替わりに導入を進めている方式を取り入れる。

                                         50〜100キロワット超の中・大規模の太陽光や風力の事業者には、自ら販売先を見つけたり、電力卸市場で売ったりすることを求める。価格は取引先との交渉や市場の状況で変わることになる。

                                         固定買い取りのメリットをなくす替わりに、卸市場で電力価格が急落し基準価格を下回った場合は国がその分を補填する。この措置を受けられる事業者は基準価格に関する競争入札で選ぶ。

                                         入札に参加する事業者は自社の発電コストを考慮しながら基準価格の候補を出し、経産省はその価格が低い順に一定数の事業者を認定する。基準価格は落札した事業者ごとに違う価格になる見通しだ。入札は数カ月ごとなど定期的に実施する。

                                         落札した事業者は市場価格の急落時でも損失が膨らむリスクを回避でき、中長期的に投資を進めやすくなる。一方、高く売れる取引先を見つけるといった経営努力が必要なため、事業者間の競争が進んで電気料金が下がる効果が見込める。

                                         小規模の事業用太陽光や家庭用の太陽光では買い取り制度自体は残すが、買い取りは全量でなく自家消費で余った分だけにする。買い取りにかかっていたコストは大幅に削減できる見込みだ。

                                         月内に経産省の有識者会議で案を示し早ければ20年の通常国会に関連法の改正案を提出する。

                                        政府は再生エネの構成比を17年度の16%から30年度に22〜24%に高める目標を掲げる。ただ普及拡大には買い取り制度以外にも課題は多い。

                                         特に大きな障害は送電線の能力不足だ。九州地方では送電網や本州との連系線が足りず、発電の抑制を求められる事態が頻発する。東北地方では稼働していない原子力発電所用に送電線が確保され再生エネ事業者が使えない問題もある。電力を確実に届けるインフラの整備を急ぐ必要がある。』

                                         

                                         上記記事の通り、経産省は太陽光や風力発電事業者が作った電気を、大手電力があらかじめ決めた価格で買い取る制度を終了し、入札制度に移行すると報じています。理由は買取費用の増加で、消費者の負担が高まっているためで、新たな競争入札制度を導入してコストの低減を進めるとしています。

                                         

                                         この再生可能エネルギー固定価格買取制度の抜本的な見直しに至った背景は、国民負担を抑制しながら再生可能エネルギーを主力電力・電源に育てるためとしています。一方で記事にもありますが、地域を超えて電力を届ける送電網等の整備が欠かせないという課題も指摘されています。

                                         

                                         私は、この再生可能エネルギー固定価格買取制度は、もともと不条理な制度であると認識しています。誰でもいいから再生可能エネルギーを始めたら電力会社が買い取る義務があるという制度で、電力会社としては買取るが、そのコスト上昇分は利用者に補填させるという点が、極めて不条理です。政府が介在していないので税金ではないものの、一般消費者や企業にとっては電力税のようなものになっていたため、デフレ圧力にもなっていたといえます。

                                         その上、電力サービスの付加価値は安定電源であるため、天気や気候で安定的に電源を供給できず、しかも電気を作りすぎるとブラックアウト(停電)さえ引き起こすということで、安定電源に全く役に立たないエネルギー安全保障の弱体化に拍車をかける制度であると私は思っています。

                                         

                                         今回、入札になるとなれば、電力会社が買わなくなる可能性があります。関西電力や東京電力などが高いという理由で買わなかったとしても、それは仕方がない話です。そこに乗っかって甘い汁を吸っていた業者を切り捨てるという話でもあります。

                                         

                                         ただ財務省が認めたのか?真意が不明ですが、関西電力や東京電力が安く買い取ったとして、基準価格を下回った場合、その差額を政府が税金で補填をするということになっています。

                                         

                                         例えば100円で買っていた電力が、入札制度で80円で買うことになったとして、基準価格が90円だったら、その差額10円を政府が持ち出して補填する仕組みです。なので、利用者負担ではなく税金を使って再生可能エネルギーを普及するようにしたとみることもできます。

                                         

                                         とはいえ、プライマリーバランス黒字化目標があるので、そこに税金を使うとなれば、他の予算を削減することになるでしょう。

                                         

                                         再生可能エネルギーの普及のために税金を使うということ自体がバカバカしい話で、大容量の蓄電技術の開発を続ける日本ガイシ(証券コード:5333)などの投資を後押しするとか、科学技術支援に税金を使った方がいいのでは?と私は思います。

                                         

                                         何しろ大容量蓄電技術が確立されていない今、再生可能エネルギーを推進すればするほど、電力サービスが不安定になるということでエネルギー安全保障の弱体化が進むからです。

                                         

                                         

                                         というわけで今日は「安定電源に全く役にも立たない再生可能エネルギーが買取から入札へ!」と題して論説しました。

                                         

                                         

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                                        トランプ大統領による米韓FTAとNAFTAの見直し

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                                          JUGEMテーマ:通商政策

                                           

                                           今日は「トランプ大統領による米韓FTAとNAFTAの見直し」と題して論説します。

                                           

                                           日米FTAとは、日本と米国の二国間自由貿易協定なのですが、現時点で日本は日米FTAを締結していません。しかしながら、韓国は一足先に早くから、米国と二国間自由貿易協定、通商「米韓FTA」を締結しています。時期は今からちょうど12年前の2007年6月30日に署名し、2012年3月15日に発効となっています。

                                           

                                           しかしながらトランプ大統領になってから米韓FTAは見直され、新米韓FTAとして既に発効され直しています。

                                           

                                           古い記事ですが、ブルームバーグの記事をご紹介します。

                                          『ブルームバーグ 2018/09/25 07:44 米韓首脳がFTA見直し案に調印−国連総会に合わせ

                                           トランプ米大統領と韓国の文在寅大統領は24日、見直し交渉後に合意していた米韓自由貿易協定(FTA)に調印した。国連総会に合わせ、トランプ大統領にとって就任後初の大型貿易協定の調印がニューヨークで行われた。

                                           貿易アナリストらによれば、米韓FTAの改定は化粧品分野が中心だった。議会承認が必要になる米通商法の発動をトランプ大統領が拒否し、再交渉分野を制限したためだ。3月にホワイトハウスが公表した新協定内容では、関税と自動車輸出枠が修正されていた。

                                           トランプ大統領は24日、米韓FTAは内容を若干修正したものというより「全く新しい協定」だと述べた。一方、文大統領は通訳を介して、米韓両国はFTAを「改定」したと語った。

                                           トランプ大統領は、「われわれは韓国への製品輸出を開始する」とした上で、「最も素晴らしい米国製自動車や革新的医薬品、農作物の韓国市場へのアクセスは大幅に拡大する」と指摘した。

                                           改定FTAにより、米自動車メーカー各社は従来の2倍の5万台まで、韓国国内の安全基準を満たさなくても輸出が可能になる。しかし現在、韓国国内での販売台数が年間1万台を大幅に上回る米メーカーはない。

                                           韓国はまた、韓国製トラックへの25%の米関税について失効期限を従来予定の2021年から41年に先延ばしすることに同意。また韓国製鉄鋼の輸出枠設定も受け入れた。

                                           韓国はFTA見直し案の来年1月1日発効を見込む。文大統領は、「米韓両国企業は、より安定的な環境の下でビジネスを行えるようになるだろう」と述べた。

                                           ただ韓国の議員らは、米国が韓国製自動車に追加関税を発動させた場合はFTA見直し案を承認しないと述べている。米韓FTA見直し案の批准には韓国議会の承認が必要。』

                                           

                                           トランプ大統領は、この新米韓FTAが素晴らしい貿易協定になったとして、満足の意を表しています。

                                           

                                           もともと韓国の貿易は、厳しい状況となっていました。下記グラフの通り、米韓FTA発効後、2015年をピークに貿易黒字は減少傾向となっています。

                                           

                                          <韓国の対米輸出入・貿易収支の推移>

                                          (出典:ジェトロのホームページから)

                                           

                                           

                                           2018年1月発効の新米韓FTAのポイントは、自動車とISDS条項です。

                                           

                                           まず自動車については、米国が輸入する韓国製のピックアップトラックの関税25%の撤廃時期を20年延期して2041年からとした他、米国車を韓国が輸入するのに関して、米国の自動車メーカー別に年間5万台(現行は25,000台)まで、米国の安全基準を満たした車両を韓国の安全基準を満たしたものとみなすなど、米国が韓国に自動車を輸出するのに有利な改定になっています。

                                           

                                           米国の自動車メーカーのフォードやクライスラーといった企業にとっては、ありがたい話だといえるでしょうし、韓国のピックアップトラックを製造するメーカーにとっても、ありがたい話といえます。

                                           

                                           自動車の輸出入について、新米韓FTAは米韓が共にWIN−WINとなるような内容になっています。

                                           

                                           2つ目はISDS条項の乱訴に歯止めをかけるというもの。このISDS条項というのは、日本でもTPPへの加盟の是非の議論でよく取り上げられました。

                                           

                                           当時のTPPの議論では、TPPに加盟するとグローバル企業が海外に投資をするようになり、その投資先の国家が規制をしたことで企業が損失を被ったならば、その国家を訴えることができ、しかもグローバル企業に有利な判決が出るため、国家の主権が侵されるということで問題だという議論がありました。

                                           

                                           まさに、グローバル企業と国家間で発生した紛争を処理するルールを定めているのがISDS条項なのです。

                                           

                                           そしてそのISDS条項があるがゆえに、グローバル企業は安心して投資ができるのです。

                                           

                                           しかしながら、このISDS条項は、先述の通り企業に有利な判決が出やすいのです。企業の立場が国家よりも強いということで、グローバル企業による国家に対する訴訟が乱発され、国家主権がどんどん制限されていくという問題がありました。

                                           

                                           ISDS条項が問題だと思うのは、そもそも裁判所がどこの裁判所なのか?ということに尽きます。米国国内では、世界銀行のグループの一つ、国際投資紛争解決センターというグローバル組織です。そのため、グローバル裁判所であることから、グローバリズム有利で反国家の判例が出やすく、国家に対して厳しめの判決が出やすいのです。

                                           

                                           このようなISDS訴訟が乱発されると、国家主権が危うくなるというわけで、反グローバリズムからみれば、ISDS条項は大きな問題です。

                                           

                                           米国は、もともとISDS条項が入っていることを推進し、日本も推進していたため、日米共にTPPでISDS条項は、入っていた方がよいという論調でした。

                                           

                                           ところがトランプ大統領が登場してから米国は変わりました。トランプ大統領は、もともと反グローバリストであるため、ISDS条項を問題視していたのです。

                                           

                                           その証拠にトランプ氏は大統領になってからすぐにTPP加盟交渉から離脱。理由はISDS条項を問題視していたからで、すでに加盟していた旧米韓FTAやNAFTAでもISDS条項が入っていました。

                                           

                                           どちらかといえば、米国のグローバル企業にとっては、ISDS条項が入っていた方が有利だと考えられるのですが、トランプ大統領はISDS条項を問題視し、NAFTAからもISDS条項を外しています。

                                           

                                           こうした新米韓FTAを2018年1月から発効させた韓国ですが、先述のグラフの通り、韓国からみれば2017年と比べて2018年度は貿易黒字は減少しているものの、輸出も輸入も伸びているのです。

                                           

                                           

                                           というわけで今日は「トランプ大統領による米韓FTAとNAFTAの見直し」について取り上げました。

                                           G20が終わり、今後トランプ大統領はTPPではなく、日米FTAの締結を迫ろうとするでしょう。その際、日本の政治家が安易に農産品の関税を引き下げるといったことがないようにしていただきたいと私は思います。

                                           そもそもトランプ大統領が、米国民ファーストのためにふっかけてくることは明らかです。日本もグローバル企業の保護ではなく、食料安全保障の強化の意味からも、農産品の関税引き下げについては断固として阻止することを意思表示し、かわりに消費減税をすることで米国製品が輸入しやすくなるような環境を作るというのが、一番ベターな話ではないかとも私は思っています。

                                           しかしながら与党自民党は消費増税をする方向で参議院選挙を戦うということなので、今後米国との通商協議は大変厳しいものになっていくだろうと私は思います。

                                           

                                           

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                                            JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                                             

                                             今日は為替相場と金相場の上昇について意見します。

                                             

                                             まずは米国債10年物利回りのチャートと金相場のチャートをご覧ください。

                                             

                                            <米国債10年物利回りのチャート>

                                            (出典:三井住友銀行)

                                             

                                             

                                            <金相場のチャート>

                                            (出典:楽天証券)

                                             

                                             先週から金融市場、特に米国債の長期金利で大変なことになりました。上記チャートの通り米国債10年物の金利が2%を切り、金相場が上昇しました。

                                             

                                             その理由は、世界の中央銀行が同時に金融緩和に入ったというのが原因です。

                                             

                                             次にブルームバーグの記事と日本経済新聞の記事をご紹介します。

                                            『ブルームバーグ 2019/06/18 20:03 ドラギ総裁:ECB追加緩和が必要−インフレ圧力低いままなら

                                             欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は追加金融緩和に近づいていることを鮮明にした。リスクが高まり、行動をとるべき根拠が増している様子だ。

                                             ドラギ総裁はポルトガルのシントラで開催のECB年次フォーラム冒頭演説で、見通しが改善せずインフレ圧力が強まらない場合は「追加の刺激策が必要になるだろう」と述べた。ECBはフォワードガイダンスの修正が可能であるとともに、利下げは政策手段の一部であり資産購入も選択肢だと語った。

                                             総裁の発言を受けてユーロは一時ドルに対して0.3%安となり、10年物ドイツ国債利回りは過去最低のマイナス0.3%を付けた。短期金融市場は12月までにECBが0.1ポイントの利下げをするとの見通しを織り込んだ。

                                             ドラギ総裁は、地政学的要因と保護主義、新興市場の脆弱(ぜいじゃく)性によるリスクは消えておらず、特に製造業の重しとなっていると分析。物価安定へのリスクに対して取り得る手段を政策委員会が今後数週間に検討すると述べ、政策行動に関する議論がECB内でより正式なものになりつつあることを示唆した。

                                             「危機が何かを私たちに教えたとすれば、責務を遂行するために責務の範囲内でできる限りの柔軟性を生かすということだ。将来的に物価安定で課題が生じる際には、その対応として再びそうする」と総裁は語った。』

                                             

                                            『日本経済新聞 2019/06/20 03:02 FRB、早期利下げも 声明で「成長持続へ行動」

                                            【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策の現状維持を決め、政策金利を据え置いた。ただ、声明文には「先行きの不確実性が増しており、成長持続へ適切な行動をとる」と明記。参加者17人のうち半数近い8人が2019年中の利下げを予測し、景気減速リスクが強まれば年内に金融緩和に転じる可能性を示唆した。

                                             19日の会合では、短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を、年2.25〜2.50%のまま据え置いた。投票メンバー10人のうち9人が賛成したが、セントルイス連銀のブラード総裁は0.25%の利下げを求めて反対票を投じた。FOMCは15年末に利上げを再開したが、利下げを求める反対票が出たのは初めてだ。

                                             会合後に公表した声明文では、景気動向について「経済活動は拡大が続くとみているが、先行きは不確実性が増大している」と指摘した。金融政策も「不確実性や物価停滞という観点から、今後の経済情報を注視し、経済成長や2%の物価上昇率を持続するため、適切な行動をとるだろう」と明記した。

                                             5月の前回会合時の声明文は「先行きの政策金利の調整は、様子見が適切だろう」としていたが、大幅に修正した。パウエル議長は19日の記者会見で「前回会合以降、逆風が再び強まった」と指摘し、貿易戦争による輸出入の減退や企業心理の悪化を景気の懸念材料として挙げた。(中略)

                                             先物市場はFRBの年内の利下げをほぼ100%の確率で織り込んでおり、投資家が注視するのは金融緩和への転換時期だ。パウエル議長は記者会見で「今後の経済データを注意深く精査する」と述べるにとどめ、具体的な時期を示唆するのは避けた。6月末の米中首脳会談では貿易問題が主題となる見込みで、関税合戦の景気への影響を見極めたい考えがある。

                                             もっとも先物市場では、7月末に開く次回会合で利下げに踏み切るとの予測が8割を超える。20年の再選を目指すトランプ大統領も「1%程度の利下げ」を公然と要求し始めた。市場と政権の利下げ圧力は日に日に強まっており、FRBは利下げ転換の是非を早晩迫られることになる。

                                             

                                             

                                             上記ロイター通信の記事の通り、欧州中央銀行のECBは、追加の金融緩和のスタンスを鮮明にしました。一方で米国の中央銀行のFRBもまたFOMC(連邦公開公開市場委員会)が開かれ、利下げのスタンスを打ち出しています。

                                             

                                             一方で日銀は現状維持です。そのため、日銀は打つ手がない状態であることを新たに示したことになります。なぜならば、マイナス金利になっているにもかかわらず、デフレを放置しているため、資金需要がありません。そのため、どれだけ金利が下がろうとも、お金を借りてまでしてビジネスをしようとする人は極めて少ないのです。デフレは値段を下げないとモノ・サービスが買われない状況ですので、儲かりにくい環境であるがゆえに、企業は金利がどれだけ下げようとも銀行からお金を借りないのです。

                                             

                                             そもそも財政出動をせず、金融緩和だけやったとしても、デフレ脱却できるはずがありません。そして金融緩和だけやるということは、民間銀行の収益が悪化します。既に地銀は、2019年3月期決算で、全体の7割が純利益で減益となる状況であり、一部の沖縄銀行などを除き、地銀の経営は悪化する一方です。

                                             

                                             この状況で米国のFRBが利下げを行えば、米国の金利は下がり、金利差が縮まってドル円相場は円高に向かうことになると私は予測します。

                                             

                                             欧州ECBが追加金融緩和に向かおうとしていることに対して、トランプ大統領が批判しています。トランプ大統領は2019/06/18にツイッターで次のように述べています。

                                            「ドラギ総裁が追加の景気刺激策を発表したとたんユーロがドルに対して下落し、ユーロ圏が米国との競争で不当に有利になった。ユーロ圏は中国やその他の国とともに長年このやり方で米国から儲けてきた。」

                                            と批判しました。

                                             

                                             米国は、EUと日本に対する貿易赤字の問題を抱えています。特にトランプ大統領は、EUと日本の自動車の輸入による貿易赤字を、自国の自動車産業とその雇用を守るという観点から問題視しているのです。そのため、EUと日本が金融緩和をすれば、ユーロ安・円安となって米国が著しく不利になるというのを辞めさせたいという意向があります。だからトランプ大統領はツイッターでECBの金融政策に対してツイッターで介入してきたといえるでしょう。

                                             

                                             米国の大統領が他国の金融政策に介入するというのは異例中の異例で、内政干渉といえます。しかしながら米国民ファーストを阻むものがあれば、異例中の異例のことをやってでもそれを行動に移すのがトランプ大統領です。

                                             

                                             トランプ大統領のツイッターでいえること、それは日本に対しても「円安に誘導するような金融緩和をするなよ!」というメッセージであることを、私たち日本人は認識する必要があります。

                                             

                                             米国の長期金利が2%を割るというのは、米国の経済が絶好調な状況からみれば、考えられなかったことです。

                                             

                                             トランプ大統領の1兆ドルインフラ投資や大減税を中心とした経済政策が功を奏して、米国の景気はめちゃくちゃよくなりました。失業率は3.8%で過去50年間で最低水準にまで低下しており、実質賃金は年率2.8%上昇という成果を出しています。

                                             

                                             このように経済が好調なのを受けて、FRBはインフレになるとして4回も利上げをしました。今年も利上げは続くと大方の市場関係者は予測していたと思われますが、現実は全く逆の状態になっているというのが、日本経済新聞の記事からも読み取れます。

                                             

                                             この2%割れは、どう見るべきか?といえば、利下げを催促しているとしか言いようがありません。要は米国経済は依然いいかもしれませんが、世界経済が悪すぎるということです。

                                             

                                             日本経済も中国も欧州も悪いことに加え、米中貿易戦争が長引きそうであるため、今後悪影響が出ることを見越して、FRBに対して早めに利下げをして欲しいと催促しているとみるべきです。

                                             

                                             もう1つ注目すべきは先ほど紹介したチャートの通り、金相場が上昇しています。通常は金相場が上昇するのはインフレの時です。ところが今、世界的に景気が悪いデフレであるにもかかわらず、金相場が上昇しています。これは世界がデフレに向かっているからこそ、通貨全体の信用・価値が落ちて、代わりに金が上昇しているということかもしれません。

                                             

                                             さて、ここで重要なのは日本経済がどうなるか?ですが、私はドル円相場が今後、円高に向かう可能性があるものとみています。

                                             

                                             理由は世界が金融緩和に入ったとなれば、ドル安、ユーロ安となります。FRBが利下げをするなど、米国の金利は本格的に下がっていくことになるでしょう。

                                             

                                             となればドル円の為替相場は、105円とか100円くらいにまで円が上昇することもあるかもしれません。なぜならば金融緩和をやるのはいいですが、国債の増刷をしていないため、国債不足で金融緩和ができず、円高になるのをただただ日銀は傍観するしかない状況だからです。

                                             

                                             このように世界経済が異変の中にある状況で、大阪でG20が行われます。

                                             

                                             G20で取り上げるテーマは、言うまでもなく世界経済であり、議長国は日本です。

                                             

                                             にもかかわらず、議長国の日本は消費増税をするという自らデフレに向かおうとする政策を実行しようとしています。

                                             

                                             米国の経済がトランプ大統領の政策で絶好調になっているにもかかわらず、米国は利下げです。

                                             

                                             そのくらい世界経済が厳しい状態、難しい状態になっています。

                                             

                                             そのような何十年に1回、100年に1回あるかないか?という厳しい経済状況であるにもかかわらず、予定通り消費増税をするという日本政府は、あまりにも現実が見えていないとしか言いようがありません。

                                             

                                             本来消費税は、景気によって利率を下げたり上げたりするものであり、欧米が20%台だから、日本も20%台まで引き上げなければならないなどということは、全くあり得ません。少なくても今の日本の状況は消費税の減税を検討すべき状況です。

                                             

                                             にもかかわらず消費税を上げるというのは、この国の経済政策が間違っているということを、アホな国会議員以外の日本人が認識し、政治家に訴えていく必要があるものと思うのです。

                                             

                                             

                                             というわけで今日は「いよいよ円高を傍観するしかなくなる日本銀行」と題して論説しました。

                                             消費増税をした場合、日米FTAでも米国が強く米国製品を買わせるコミットメントを強要する可能性があります。なぜならば消費税は消費に対する罰則課税であり、米国製品を買うにしても消費増税によって価格が上がってしまうからです。価格を下げないと売れないとなれば、米国製品を製造する側から見れば、儲けが少なくなります。結局、日本の消費増税は、米国からみれば、関税を引き上げるのと似た効果があるといえます。

                                             となれば、米国は「最低限米国製の自動車を○○台買え!」とか「最低限米国産の農産物を○○だけ買え!」とか「農産品に対する関税を引き下げろ!」などという圧力をかけてくる可能性が十分に予想できます。いずれも日本の雇用を奪い、賃金が下がる内容であり、簡単に受け入れることはできない内容です。

                                             日米FTAなどの通商政策を考えても、消費減税をすることが日本経済を復活させ、米国製品を買うほど消費が旺盛になるとなれば、それこそがトランプ大統領に対するプレゼントになるものではないかと、私は思うのです。

                                             

                                             

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                                            消費税は消費に対する罰則課税です!

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                                              JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                                               

                                               今日は「消費税は消費に対する罰則課税です!」と題して論説します。

                                               

                                               下記は東京新聞の記事です。

                                              『東京新聞 2019/06/09 消費増税、反対60% 全国世論調査 景気対策も反対61%

                                               安倍政権が十月に予定する消費税増税に反対する人が60%に上ることが、本社加盟の日本世論調査会が一、二日に実施した全国面接世論調査で分かった。負担増や景気への悪影響に懸念が根強い。キャッシュレス決済へのポイント還元など、景気の腰折れを防ぐための経済対策にも61%が反対し、十分な理解を得られていない実態が浮き彫りになった。

                                               米中貿易摩擦などで世界経済の減速懸念が強まっている。景気の現状を悪化傾向とみる人は57%に上り、改善は39%にとどまった。改善が51%で悪化が44%だった昨年六月の調査から逆転した。

                                               増税反対の理由は、低所得者の負担が重くなる逆進性の問題を挙げる人が最多の33%で、税金の負担増が大変だと考える人と、景気への悪影響を懸念する人がいずれも23%で続いた。賛成する人では、年金や医療、子育て支援など社会保障の充実に必要との理由が40%と最も多かった。

                                               クレジットカードなどキャッシュレス決済の利用者を優遇するなどの景気対策は、年齢層が上がるほど反対が増え、高年層(六十代以上)では70%に達した。現金志向が強い高齢世代にはメリットだと捉えられていない。軽減税率導入は反対が49%、賛成が48%で拮抗(きっこう)した。

                                               景気を悪化傾向とみる理由を聞くと、給料やボーナスなど収入が増えていないとしたのが28%で、消費の伸び悩みを挙げる人も18%いた。景気を良くなっていると判断する人では「雇用情勢が改善している」との理由が最多だった。

                                               安倍政権の経済政策「アベノミクス」には「期待しない」「あまり期待しない」との回答が計50%で、「ある程度」を含めて期待するとした48%をわずかに上回った。

                                               米グーグルなど巨大IT企業に対する規制強化の是非は「どちらともいえない」と判断を留保する人が45%に上った。賛成は39%だった。』

                                               

                                               上記の東京新聞の記事は、日本世論調査会が実施した世論調査によれば、消費増税に反対する人が60%に上ることが分かったとのニュースです。政府はキャッシュレス決済へのポイント還元など、景気の腰折れを防ぐための経済対策を講じようとしていますが、その経済対策に対しても61%が反対していて、十分な理解を得られていないと報じています。

                                               

                                               過去の世論調査で、消費増税の賛否について、2年ほど前は、反対割合は5割越えになったことはないものと、私は記憶しています。おそらく、先のことなのでよくわからないということで、最近になってあと4ヶ月、あと3か月と、2019年10月に近づいてきたため、反対が増えてきたというところでしょう。

                                               

                                               増税の反対理由として、逆進性の問題を上げたり、景気への悪影響を懸念するという理由がありますが、反対理由の人の中でも気付いていないと思われることは、そもそも消費増税の目的が財政健全化のためであるということです。

                                               

                                               そして、大変残念なことに、消費増税をやれば却って財政健全化は遠のきます。私は消費増税に反対の立場で論説することが多いのですが、最大の理由は財政が悪化するという点です。

                                               

                                               景気の悪影響という理由は、まさに財政が悪化するということに他なりません。なぜならば、消費税は消費に対する罰則課税です。

                                               

                                               例えば炭素税が増税されたとして、ある企業が「よっしゃぁー!炭素税がUPしたから今後はどんどん二酸化炭素を排出するぞぉー!」なんて企業はありません。

                                               

                                               またたばこ税が増税されたとして、喫煙者が「よっしゃぁー!たばこ税がUPしたから今後もっとたばこを吸うぞぉー!」という人はいません。

                                               

                                               同じように消費税が増税されたとして「よっしゃぁー!消費税がUPしたから私は今後もっと消費を増やすぞぉー!」とか、「よっしゃぁー!消費税がUPしたから我が社は今後もっとたくさん設備投資や経費を増やすぞぉー!」とはなりません。

                                               

                                               そもそも、GDP3面等価の原則で、消費(支出)=生産=所得(分配)です。日本のGDPに占める割合が6割も占める個人消費が必ず減ります。消費を抑制する=生産を抑制する=所得を抑制する となります。

                                               

                                               ところが景気が絶好調の時であれば別です。よくヨーロッパ諸国の消費税率が20%台であることを引き合いに出し、日本も20%台にするべきという言説がありますが、ヨーロッパ諸国はケチケチのドイツですら、公共事業は1996年比で30%増で、米国でさえトランプ大統領登場前で2.3倍に増やしています。日本は公共事業を削減しまくっているわけで、欧州は物価が上昇しているのと比べて、日本は物価が下落もしくは横ばいで、少なくとも欧州のように上昇はしていません。

                                               

                                               景気が好調だった1980年代後半は、景気が良すぎてプライマリーバランスが黒字化していたときがありました。消費税が0%→3%、即ち消費税が初めて日本で導入されたのは1989年4月ですが、この頃はバブルでした。1985年〜1992年の間、日本はプライマリーバランス黒字だったのです。

                                               

                                              <プライマリーバランスの推移(1980年〜2017年)>

                                              (出典:政府財政統計より数値を引用)

                                               

                                               上記のグラフの通り、バブル期1985年〜バブル崩壊時1992年は、プライマリーバランスは黒字でした。1989年に消費税を導入したときは、財政黒字だったので、むしろ消費税の導入は景気の過熱を抑制するという点で考えれば、正しい政策だったと私は思います。

                                               

                                               しかしながらバブル崩壊後に1997年に消費税率3%→5%のときは、既に財政が赤字になっており、バブル崩壊後で景気が悪かったところに、消費増税をしたため、プライマリーバランスの赤字幅が拡大しました。

                                               

                                               2008年にはリーマンショックが発生し、このときは世界で誰も物を買わなくなったため、景気が悪くなり、プライマリーバランスの赤字額が拡大しています。

                                               

                                               2014年4月の消費増税5%→8%では、プライマリーバランス赤字額の悪化というのは見られませんが、景気の指標を示す数値でいえば、直近の実質GDPは△2.2%とはいえ、大きな輸入の減少がなかりせば、マイナスに沈んでいます。GDPデフレーターもゼロ近辺を推移しており、景気が良いとはいえません。

                                               

                                               消費税を上げるべきというのは、景気が良くて、景気の過熱を抑制するためというならば、政策として選択し得ます。1989年のバブル真っただ中であり、3%の増税がそれほど問題も起こさなかったのです。

                                               

                                               消費税が消費に対する罰則課税であることを考えれば、例えばGDPが△10%が2年〜3年続いたら、さすがに景気が良すぎるということで、景気の過熱を抑制するため、消費税を20%とかもあり得るかもしれません。この場合、20%がいいのか?10%なのか?5%なのか?議論の余地はあります。

                                               

                                               とはいえ、今は景気が悪いので、消費増税をやれば、デフレがさらに深刻化し、資金を借りる需要がさらに減って銀行の決算悪化が進行するでしょうし、消費が落ち込んで、GDPやコアコアCPIやGDPデフレータなどの指標も間違いなく悪化するでしょう。

                                               

                                               何しろ消費税は消費に対する罰則課税であり、消費=生産=所得 なので生産に対する罰則ともいえますし、所得も減るという話になります。

                                               

                                               

                                               というわけで今日は「消費税は消費に対する罰則課税です!」と題して論説しました。

                                               自民党の女性議員で片山さつきという議員がいますが、彼女は財務省出身の国会議員です。かつて朝まで生TVだったか?何かの討論番組で、1997年の消費増税5%で経済が悪化したことについて、アジア通貨危機があったからであって消費増税は景気悪化とは関係がないというような発言をしていた記憶があります。

                                               もしかすると、消費税を上げたい輩からすれば、米中貿易戦争やブレグジットなどを、消費増税10%による景気悪化の理由とすり替えるかもしれません。というより世界の経済情勢ですり替えることが可能と考えれば、今こそ消費増税10%のチャンスと考える財務官僚や国会議員らがいるのでは?という疑義を持ちます。

                                               しかしながらそうした外的要因以前に、消費税は消費に対する罰則課税であり、GDP3面等価の原則で、消費減少=生産減少=所得減少となるということを、まず私たちは理解する必要があるものと考えます。

                                               その上で、さらに外的要因でリーマンショックのようなことが発生すれば、消費増税による影響に加算されてさらに景気が悪くなることを理解し、増税派らの景気悪化のすり替えを許さないようにするべきであると、私は思うのです。

                                               

                                               

                                               

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                                                 新潟地震で被害にあわれた皆様におかれましては、お見舞い申し上げます。まだ余震も続いているようですので、くれぐれも安全にお気を付けていただきたく思います。

                                                 

                                                 今日は「”コンクリートから人へ”の象徴的存在で工事中断となった八ッ場ダムの経済的利益について」と題して論説します。

                                                 

                                                 毎日新聞の記事をご紹介します。

                                                『毎日新聞 2019/06/12 11:08 八ッ場ダム「打設」完了 来春完成へ節目

                                                 群馬県長野原町に国が建設している多目的ダム「八ッ場(やんば)ダム」の本体部分にコンクリートを流し込む「打設(だせつ)」が終了し、建設現場で12日午前、「打設完了式」が行われた。建設計画から67年。地元住民の激しい反対運動や、民主党政権による建設中止など、複雑な経過をたどったダム建設は、来春の完成に向けて大きな節目を迎えた。

                                                 完了式には、地元住民や大沢正明県知事ら自治体関係者、地元の国会議員などが出席した。

                                                 八ッ場ダムは、旧建設省が1952年に現地調査に着手した。地元住民が反対運動を繰り広げたが、生活再建を前提に85年、建設を受け入れた。民主党は2009年の衆院選で建設中止を掲げ、政権交代直後に前原誠司国土交通相(当時)が建設中止を表明。しかし、地元自治体などの反発を受け、国交省がダムの必要性の有無を検証し、11年11月、「継続が妥当」との結論をまとめ、工事が再開された。【西銘研志郎】』

                                                 

                                                 

                                                 群馬県長野原市の多目的ダム、八ッ場ダムの本体部門にコンクリートを流し込む作業が終了し、建設現場で打設完了式が行われたというニュースです。

                                                 

                                                 記事にもありますが、建設計画から67年が経過し、地元住民の激しい反対運動や、民主党政権による建設中止など、2020年春の完成に向けて大きな節目を迎えました。

                                                 

                                                 八ッ場ダムは、明らかに治水効果があります。ところが当時の民主党政権が、公共事業は無駄であり、それよりも人へのお金の配布ということで、子ども手当の財源に振り替えるということで、八ッ場ダムの工事を中止にしてしまいました。

                                                 

                                                 まさに「コンクリートから人へ!」の象徴的な民主党公約の一つとして工事を中止にしましたが、その後、やっぱりよくよく調べたら、無駄ではなかったということで、民主党政権も「無駄ではなかったことに気付いた!」というより、無駄でないことを認めざるを得なくなったのです。

                                                 

                                                 そこで2011年、やっぱり八ッ場ダムは必要ということになって工事を再開し始めたのです。

                                                 

                                                 これはまさに、東京都知事の小池百合子氏の豊洲市場問題と同じです。

                                                 

                                                 豊洲移転は反対ということで人気を得る為政者側の手口の犠牲となった漁業関係者と同じく、八ッ場ダムもまた、公共事業を辞めるということで人気を得るという為政者側の手口の犠牲になっていたといえます。

                                                 

                                                 豊洲の問題では市場の人が被害を受けました。八ッ場ダムの場合は、下流側の流域の住民の生命と財産が危険に晒され続けているということです。

                                                 

                                                 その八ッ場ダムについて、治水効果があるということは、特定の雨が降れば、このダムが完成されていれば止められたが、八ッ場ダムがなければ、洪水が発生して大勢の人が死んでいたかもしれないというリスクに晒されているということでもあります。

                                                 

                                                 このダムの完成は来年2020年春ですが、今でも下流側の住民の生命と財産が危険に晒され続けています。

                                                 

                                                 ひょっとしたら今年の夏に、大雨によって下流側の流域で洪水が発生し、八ッ場ダムさえ完成されていれば、死ぬ人がいなかったかもしれないということが起こり得るかもしれません。

                                                 

                                                 それは八ッ場ダムの工事を止めたやつに殺されたのと同じであり、作為の殺人か?不作為の殺人か?という問題はあるにせよ、殺人であることに変わらず、八ッ場ダムの工事と止める=殺人級の問題であるということを、私たちは認識する必要があると思うのです。

                                                 

                                                 記事にもありますが、八ッ場ダムは、旧建設省が1952年に現地調査に着手されました。地元の住民が反対運動を繰り広げましたが、生活再建を前提として1985年に建設を受け入れました。

                                                 

                                                 ところが2009年に民主党政権が衆議院選挙で八ッ場ダム建設中止を公約に掲げ、政権交代直後に当時国交省大臣だった前原氏が建設中止を表明しました。

                                                 

                                                 この決定に対して地元自治体などが反発して、国交省がダムの必要性の有無を再検証した結果、2011年に工事継続が妥当と結論を出して工事が再開されたという経緯があります。

                                                 

                                                 この八ッ場ダムが完成すれば、治水だけでなく、一都4県の利水(=水の利用)に加え、水力発電も合わせた多目的ダムとしての運用も始まります。

                                                 

                                                 これだけいろいろな用途に活用できて、大きな経済的利益がある八ッ場ダムなのに、「コンクリートから人へ!」で子ども手当ての財源として、工事を中止にしたというのは、あまりにもバカバカしい話としか言いようがありません。

                                                 

                                                 

                                                 

                                                 というわけで今日は「”コンクリートから人へ”の象徴的存在で工事中断となった八ッ場ダムの経済的利益について」と題して論説しました。

                                                 2009年の衆議院選挙では、「こんなダム作っても無駄だ!それよりも子ども手当だ!八ッ場ダムは中止だ!」と掲げたものの、よくよく調べたら「やっぱり八ッ場ダムは必要だった!」というあほらしい話です。こんなに国民をバカにした話はありません。

                                                 しかしながら当時は日本国民の中にも民主党を支持して八ッ場ダムの工事継続を反対した人も多かったはずです。公共事業は悪とする偏向報道に乗っかって当時公共事業に反対した日本国民、あるいは今も公共事業は無駄だと思っている日本国民は、昨年度西日本豪雨で川の堤防が決壊して、多くの人が命を落としたという事実を受け止め、責任を感じていただきたいと私は思います。

                                                 

                                                 

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                                                  JUGEMテーマ:通商政策

                                                   

                                                   新潟県で震度6強の地震が発生しました。被災地の皆様におかれましては、お見舞い申し上げます。まだ余震も続いているようですので、くれぐれも安全にお気を付けていただきたく思います。

                                                   

                                                   さて、今日は通商問題について取り上げたく、「韓国の水産物の検査強化について」と題して論説します。

                                                   

                                                   下記は産経新聞の記事です。

                                                  『産経新聞 2019/05/30 11:28 厚労省が韓国産ヒラメなど水産物輸入規制強化を発表 輸入規制に対抗

                                                   厚生労働省は30日、6月1日から韓国産のヒラメと、韓国など複数の国から輸入される生食用冷蔵むき身アカガイ、タイラギガイ、トリガイ、ウニについて、全国の検疫所で検査体制を強化すると発表した。韓国産ヒラメについては、検査量を全輸入量の20%から40%に引き上げる。他の貝類などについては10%から20%に引き上げる。

                                                   厚労省によると、昨年度はアカガイ、タイラギガイ、トリガイは全量を韓国のみから輸入し、ウニは米国や中国、韓国など計10カ国から輸入している。輸入実績を踏まえると、検査強化対象の大半は韓国産となる見通しだ。韓国は東京電力福島第1原発事故を受け福島など8県産水産物の輸入を禁止しているが、検査強化は科学的根拠に基づいた日本政府による対抗措置の意味合いが強い。

                                                   菅義偉官房長官は記者会見で、検査強化について「近年、対象の輸入水産物を原因とした食中毒が発生しており、食中毒が増加する夏場を控え国民の健康を守るという観点から行う」と説明した。

                                                   韓国による日本産水産物の輸入禁止をめぐっては、貿易紛争を処理する世界貿易機関(WTO)の上級委員会が4月、輸入禁止を不当とした1審の判断を破棄し、事実上、日本が逆転敗訴した。日本政府はWTOに異議を唱えるとともに、韓国政府に規制の解除を求めてきたが、韓国は「上級委の決定を尊重する」(康京和(カン・ギョンファ)外相)として応じていない。』

                                                   

                                                   

                                                   上記記事の通り、今月1日から、韓国から輸入するヒラメなどの水産物へのモニタリング調査を強化するというニュースです。

                                                   

                                                   特定国の水産物の輸入を規制強化するのは極めて異例で、韓国が福島第一原発事故後、福島県などの8つの県の水産物の輸入規制を続けていることを受けた事実上の対抗措置と言われています。

                                                   

                                                   検査を強化する輸入水産物は、韓国産ヒラメのほか、生食用のむき身の赤貝、とり貝、うになどで、特に韓国産ヒラメについては全量モニタリング検査を、現在の20%→40%に引き上げるとしています。

                                                   

                                                   記事では韓国が福島など8つの県の水産物の輸入規制への対抗措置といわれていますが、食中毒になるのは普通に回避されなければならないものであり、対抗措置とか関係なく普通にやればいいだけの話です。

                                                   

                                                   そもそも食中毒特有の症状である嘔吐や下痢をもたらす寄生虫がいるかもしれないというリスクを抱えて韓国から水産物を輸入していたことの方が間違っています。

                                                   

                                                   記事では対抗という意図があると報じられているものの、普通に日本の主権の範囲内でやっていることであり、韓国からとやかくいわれる筋合いもなければ、福島原発事故による輸入規制の仕返しでも何でもありません。

                                                   

                                                   韓国は日本産の水産物の輸入規制を巡って、貿易紛争を処理するWTOの上位委員会で、韓国の輸入規制を不当とした一審の判断を破棄して事実上日本が逆転敗訴しました。しかしながら11の国と機関は、WTOに異議を唱えた日本の支持を表明したともいわれています。

                                                   

                                                   仮にWTOが公正な貿易をやろうとしているので、韓国の振る舞いが不公正だとしても、WTOのルールから考えれば、韓国の立ち回りはダメという可能性もあったり、上級委員会が逆転敗訴と判断したように韓国の立ち回りはOKとなったり、いろいろです。

                                                   

                                                   福島県の漁業関係者にとっては、WTO逆転敗訴は、確かに残念でしょうし、腹立たしいという気持ちが理解できないことでもありません。

                                                   

                                                   しかしながら、韓国にとっては日本の水産物が嫌なら嫌で輸入しなかったとしても、韓国の主権の範囲内であれば、全然OKなのでは?と思います。

                                                   

                                                   そもそも主権の範囲で、査証発給や発給停止で人が来るのを拒むこともできます。同様にモノが入ってくるのを拒むのもOKと考えることもできるはずです。

                                                   

                                                   そう考えれば、貿易を自由にしなければならないと思い込む発想の方が誤っているのでは?と私は思います。

                                                   

                                                   

                                                   というわけで今日は「韓国の水産物の検査強化について」と題して論説しました。

                                                   経済発展とは、本当ならば、輸出に頼らないでやるということが王道です。確かに韓国がやっていることは腹立たしい限りですが、だからと言って韓国の立ち回りを非難したとしても、あくまで彼らの主権の範囲でやっていることであり、我が国はどうしようもできません。

                                                   輸出に頼らずとも、日本は自国で内需拡大ができる国です。資源こそありませんが、資源以外は川下から川上まで、日本国内でできる者が多く、水産業も韓国に輸出せずとも、日本国内で費消できるよう、実質賃金の上昇を通じて値上げしても売れる環境を作ってあげること、それが漁業関係者にとっても望ましいのでは?と私は思うのです。

                                                   

                                                   

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                                                  中国共産党によって人権と民主主義が脅かされている香港を支援する米国と何もしない日本

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                                                     今日は「中国共産党によって人権と民主主義が脅かされている香港を支援する米国と何もしない日本」と題して論説します。

                                                     

                                                     下記は時事通信のニュースです。

                                                    『時事通信 2019/06/16 「完全撤回」求め再びデモ=逃亡犯条例改正、規模は縮小−香港

                                                    【香港時事】香港で身柄を拘束した容疑者の中国本土への移送を可能にする「逃例」改正に関して、反対派の民主派団体が16日、香港で大規模デモを行った。香港政府は改正の無期限延期を決めたが、デモではあくまで「完全撤回」を主張。参加者数は未発表だが、9日の100万人デモからは大幅に縮小したとみられる。
                                                     午後3時(日本時間同4時)に始まったデモでは、香港島中心部の公園から立法会(議会)前までの約4キロを「延期ではなく撤廃を」などと叫びながら行進。香港政府トップの林鄭月娥行政長官の辞任と、12日の大規模な抗議行動で警察が催涙弾などの武力を行使したことへの憤りも併せて訴えた。
                                                     参加者の多くが黒い服を着用し、政府や警察への「怒り」を表現。友人と参加した女子学生(17)は「同じ学生に暴力を振るった警察が許せない。改正案も、完全撤廃されるまではまたいつ審議が始まるか分からず、今の状態では納得できない」と話した。』

                                                     

                                                     

                                                     上記の記事は、前回も取り上げた”逃亡犯条例改正案”についての続報です。中国寄りの香港政府が、無期限延期としたものを、完全撤回を求めて再びデモが発生したと報じています。

                                                     

                                                     前回のデモでは103万人もの人が参加したと報じられましたが、今回は規模が縮小したとのこと。この”逃亡犯条例改正案”を起案した人は、林鄭月娥(キャリー・ラム)氏という方で、香港初の女性の行政長官です。林鄭月娥氏は、中国政府の後押しを受けて当選し、行政長官に就任しました。因みに今年2019年4月8日には、安倍総理とも表敬訪問で来日しています。

                                                     

                                                     この”逃亡犯条例改正案”のきっかけとして、香港人の男性が、恋人だった台湾人女性を殺害し、犯人の香港人男性が香港に逃げてしまった事件がきっかけであることを、前回ご説明させていただきました。そして、犯人引き渡し条例が香港と台湾で締結されていないため、台湾警察が逃げてしまった香港人男性を逮捕したくてもできないという状況になっていたということもお話しさせていただきました。

                                                     

                                                     林鄭月娥氏は「このままでは香港が世界の犯罪者の逃げ場になってしまう!香港をそんな街にしたくない!」と言い張って、103万人の反対デモがあっても関係なく”逃亡犯条例改正案”の成立をやり抜くと言っていました。

                                                     

                                                     しかしながら、デモ活動によって”逃亡犯条例改正案”の審議は、無期限延期となりました。

                                                     

                                                     ところが、香港の人々は無期限延期では納得せず、完全撤回を求めて再びデモ活動を再開したというのが今回のニュースです。

                                                     

                                                     この香港の状況に対して他国の反応はといえば、米国のポンペオ米国務長官は民主派リーダーと会談して条例改正に懸念を表明し、英国とカナダ政府は共同声明で反対を表明しました。EUも林鄭月娥氏に対して、懸念を申し入れしています。

                                                     

                                                     一方で日本はどうか?といえば、何もしていません。

                                                     

                                                     米国は香港に対して一番激しく動いているにとどまらず、台湾に対しても動いています。

                                                     

                                                     具体的には、香港の民主主義と言論の自由を守るため、そして台湾の独立を守るため、2019年3月25日に米国議会は、超党派で中国を監視する「危機委員会」というものを設立しました。

                                                     

                                                     米国では、浸透国策を行う中国共産党政権の戦略に対して、より強力な外交、防衛、経済措置を取らないと米国の存在の根幹を脅かすと宣言してしまうほど、米国の対中国に対する嫌悪感は増しているものと思われます。

                                                     

                                                     そして、この委員会では、次のような発言がなされています。

                                                     

                                                    一、通信機器大手・ファーウェイ(HUAWEI)による5G通信技術の拡大を通じた中国によるインターネットの占拠を見逃してはいけない。

                                                    一、米国の国防省や大学、ハイテク企業は、中国政府の代理人による何らかの浸透工作を受けている。例えば、中国から派遣された研究員は、米国の技術を入手することに注力している。

                                                    一、中国共産党は、すでに冷戦を始めている。号砲などはない。すでに(冷戦は)始まっており、米国社会に工作は浸透している。米国は立ち上がって戦わなければならない。

                                                    一、中国共産党による実際的な脅威は、最終的に、全世界を支配する野心的な計画の一つだ。

                                                    一、過去のソビエト連邦と同様に、共産主義の中国は、米国と自由主義に対するイデオロギーの脅威がある。我々は、最終的に共産主義体制の性格から生じるこれらの問題に対処しなければならない。

                                                    一、中国は、古代中国の戦略家・孫子の理論に基づいて、大きな紛争を発生させることなく、米国を敗北させようとしている。

                                                    一、中国の核兵器は、新型ミサイル、爆撃機、潜水艦など急速に最新化している。中国の核兵器は「地下の万里の長城」と呼ばれる長さ3万6000キロのトンネル複合施設に建設され、保管されている。実際の兵器庫内の弾頭数はわかっていない。

                                                     

                                                     

                                                     以上の発言から、この委員会は、中国の脅威を政府の政策策定者と米国国民に認識させることを目的とし、中国を監視・調査しているのです。

                                                     

                                                     また、2015年には香港にある書店の「銅鑼湾書店(どらわんしょてん)」の店主が何者かに誘拐されたという事件が発生しました。この書店は、習近平に批判的な本が置かれていたため、反政府分子として中国の特殊部隊によって誘拐されたとされる事件です。

                                                     

                                                     この店主は林栄基氏という方ですが、中国当局に身柄を拘束された後、釈放されました。

                                                     

                                                     釈放された林栄基氏氏は、もし「逃亡犯条例」が香港議会で成立してしまえば、再び中国に送還される恐れがあるとして、2019/04/25に台湾に亡命しています。

                                                     

                                                     この事件で米国は、自由と民主主義が守られているはずの一国二制度で、中国と違って香港は自由で民主主義のはずなのに、どうもそうでなくなってきていると考え、米国政府、特に米国議会が動き、中国を監視するための委員会を作って、香港の自由と民主主義が中国共産党政府によって奪われていないだろうか?という調査をしています。

                                                     

                                                     さらに委員会は、香港人権民主主義法という法律まで作ろうとしています。

                                                     

                                                     この法律の趣旨は、香港において香港の人権と民主主義が守られていること自体が香港・米国両国の国益に叶うとして、米国が香港のためにもっと強力にコミットしろ!というものです。

                                                     

                                                     そこまでして香港の人権と民主主義を守ろうと激しく動く米国に比べ、日本はどうかといえば、日本は何もしていません。

                                                     

                                                     私は、香港のために日本は米国よりも激しく動くべきでは?と思います。なぜならば香港には外資系企業がたくさんありますが、一番数が多いのは日系企業で、次に多いのは米国企業であって、一番多いのは日系企業なのです。

                                                     

                                                    <在香港外国企業数(国・類別、2017年)>

                                                    (出典:みずほ銀行 香港特別行政区投資環境資料 2018年9月 より)

                                                     

                                                     

                                                     上記の通り、在香港海外企業数は日本が一番多い。そのため、香港には日本人関係者がたくさんいます。

                                                     

                                                     香港在留の日本人、ビジネスマン、ジャーナリスト、観光客、出張している人など、このような日本人が香港に数多くいる一方で、仮にも”逃亡犯改正条例案”がいつの日か可決されるとなれば、そうした日本人の身の安全が危うくなります。

                                                     

                                                     本来ならば、日本も米国と同じことができるはずなのに、日本の国会は何もしていないというのが現状です。

                                                     

                                                     

                                                     というわけで今日は「中国共産党によって人権と民主主義が脅かされている香港を支援する米国と何もしない日本」と題して論説しました。

                                                     米国の議会は委員会を作り、香港の人権民主主義法という法律を作って香港のために米国が動くということを法律で表明している一方、日本は何もしていません。

                                                     台湾に対しても、台湾旅行法を成立させ、台湾を国家として認めた米国ですが、日本は台湾に対しても中国から守ろうという動きを全くしていません。

                                                     日本はアジアの中で何をしているのか?と、経済分野だけでなく国家の安全保障に対しても、その存在価値を問われるようになってしまうものとと、私は現況を憂うばかりです。

                                                     日本の国会議員も、中国に毒されていない議員らが超党派で立法するなどして、香港と台湾を中国から守って欲しいと、私は強く思います。

                                                     

                                                     

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                                                    悔しいですが、あまりにも正しすぎる中国の鉄道建設を中心とした内需拡大政策


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                                                       今日は安倍首相のイラン訪問について意見したいと思います。

                                                       

                                                       下記は日本経済新聞の記事です。

                                                      『日本経済新聞 2019/06/14 23:37 首相、タンカー攻撃「断固非難」 日米首脳が電話   トランプ氏、イラン訪問に謝意

                                                       安倍晋三首相は14日夜、トランプ米大統領と約30分間電話した。トランプ氏は首相のイラン訪問について謝意を伝えた。中東ホルムズ海峡近くで日本などのタンカー2隻が攻撃を受けた事件に関して話し合った。首相は協議後、「いかなる者が攻撃したにせよ、船舶を危険にさらす行動に日本として断固非難する」と強調した。

                                                       両首脳は中東地域の安定へ日米で連携する方針を申し合わせた。首相は「すべての関係国が緊張を高める行為は厳に慎むべきだ」と訴えた。「地域の平和と安定、世界の繁栄のために今後とも国際社会と緊密に連携しながら努力を重ねたい」と述べた。

                                                       首相は12〜14日にイランを訪れ、最高指導者ハメネイ師やロウハニ大統領と会談した。「軍事衝突は誰も望んでおらず、現在の緊張の高まりを懸念している」として米国との対話を促した。ハメネイ師は「核兵器の製造も保有も使用もしない。その意図はないし、すべきではない」と語った。

                                                       トランプ氏はイランとの話し合いに消極的だ。13日にはツイッターで「個人的には(イランと)取引するのは時期尚早だ」と記した。

                                                       タンカー攻撃を巡ってポンペオ米国務長官は記者会見で「イランに責任がある」と語った。収集した情報や使用された武器を総合的に検証した結果と説明した。日本政府は証拠を示すよう米政府に求めた。イランは事件の関与を否定している。

                                                       電話協議に先立ち首相は都内の会合で、イラン訪問について「緊張緩和に向けてできる限りのことをしたいとの思いで訪問した」と説明した。「様々な困難が伴うが、絶対に武力衝突があってはならない」と強調した。』

                                                       

                                                       

                                                       上記は日本経済新聞の記事です。安倍首相は日本時間で6/12(水)にテヘランでロウハニ大統領と会談しました。その後、翌日の6/13(木)朝にオマーン湾で、日本の国華産業(株)が保有する石油タンカーと、台湾の台湾中油が保有する石油タンカーが攻撃を受けました。未だ犯人は特定できていませんが、日本の安倍首相、米国のトランプ大統領がともに非難したというニュースです。

                                                       

                                                       タンカー攻撃の前に、そもそも安倍首相のイラン訪問について意味があったのか?と私は思います。安倍首相がイランを訪問した理由は、米国とイランが対立しており、仲介役として今回イランを訪問したということになっています。

                                                       

                                                       もともと米国とイランがなぜ対立して緊張が高まってしまったのか?イランによれば、その理由は、米国がイランに仕掛けた経済戦争が原因であると主張しています。イランは、米国側がこの経済戦争をやめれば、地域と世界に前向きな進展が訪れるだろうと述べており、さらにイランとしては相手国が米国だろうがどこの国であろうと、いかなる戦争も始める側にはならないが、もし戦争を仕掛けられれば、断固たる措置を取るとして、米国をけん制していました。

                                                       

                                                       もちろんロウハニ大統領は米国との戦争は望んでいません。今回の会談でロウハニ大統領は、米国のトランプ政権に対して、特に原油禁輸制裁の停止を要求していることについて、安倍政権に対してトランプ大統領に伝達することを依頼したとされています。

                                                       

                                                       なぜ米国がイランに経済戦争を仕掛けたか?というと、2015年7月にオバマ政権のときに米国はイランと核合意をしました。ところがトランプ大統領は、オバマ政権が合意した内容が手ぬるいということで2018年5月に一方的に破棄しました。特にイランが悪いことをしたわけではなく、イランからみれば米国政府と2015年7月に合意した内容を守っているにもかかわらず、トランプ大統領が一方的に勝手に破棄したという状況であるため、どちらかといえばイランの主張の方に正当性があるものと私は思います。

                                                       

                                                       一方、日本とイラクの関係でいえば、『海賊と呼ばれた男』という小説にもなった物語にある通り、第二次大戦直後に、出光さんという人の日章丸というタンカーで、英米石油資本を敵に回したイランから、日本が石油を輸入したときから、日本とイラクの友好関係が始まっています。

                                                       

                                                       第二次大戦後、民主主義の高まりにより、イランが自国の石油は自国の裁量で売らせて欲しいと主張したところ、英国が激怒しました。そして英国はイランを封鎖して、イランから原油を出すタンカーは撃沈すると宣言しました。

                                                       

                                                       このように世界の石油資本を敵に回して四面楚歌だったイランを、日本の出光さんが日章丸というタンカーをイランに派遣し、イギリス海軍に撃沈されるかもしれないというリスクを背負って、原油の輸入に成功し、イランの原油輸出を助けたのです。

                                                       

                                                       その後、イラン革命が起きて、パフラディ―国王を米国がかくまったために米国とイランは戦争状態となり、イランは米国と仲が悪くなりましたが、日本だけは上述のような歴史的な経緯があって仲が良いのです。

                                                       

                                                       そこで今回、米国とイランの緊張が高まった状況を緩和するための仲介役を買って出たとされています。もちろん、これでうまく緊張が緩和できるような成果が出れば、大きな手柄になったといえるでしょう。

                                                       

                                                       実際は、今回の外交はどうだったか?といえば、成果は乏しいものだったのではないでしょうか?

                                                       

                                                       そもそも核合意を巡って対立を深めていた米国とイランですが、日本にとっては核合意は関係のない話です。そのため、安倍首相は米国から聞いた話をロウハニ大統領に伝言しただけに過ぎず、一方でイランからは米国に対して経済戦争を辞めるように伝えて欲しいと言われただけです。正直なところ「安倍首相のイラン訪問=”ガキ”の使い」と言われても仕方がないのでは?といえます。

                                                       

                                                       2015年7月に米国とイランで合意された核合意とは、オバマ政権が働きかけて歴史的にイランと和解し、イランのみならず国際社会で外交を良好に進めるということでイランも承諾して合意したものです。

                                                       

                                                       ところがトランプ大統領が勝手に反故にしました。一方で欧州各国は核合意を守っていると思って核合意に沿った対応をしているため、「なぜ急に反故にするのか?」というのがイラン側にあるのも無理はありません。

                                                       

                                                       トランプ大統領が勝手に反故にしたのも、トランプ大統領が嫌悪している前大統領のオバマ政権が決めたことだからというだけがその理由です。

                                                       

                                                       万一、この程度の安倍首相の外交でうまくいくとするならば、トランプ大統領が「ちょっとカッとなって冷静さを失ってしまった!ロウハニ大統領さん、申し訳ない!」と謝ることぐらいしかありえず、果たしてそんな話になるのか?といえば、案の定、そうはならなかったというのが今回のイラン外交だったと私は思うのです。

                                                       

                                                       

                                                       というわけで今日は「安倍首相のイラン訪問の成果について」と題して論説しました。

                                                       経済では、目立った成果が出ていない安倍首相が、外交で得点を稼ぎに行ったのでは?と思われても仕方がないかもしれません。

                                                       米国とイランの緊張の高まりは、米国とイランの核合意の件の対立の問題であったため、イラン訪問で日本に何ができたのか?非常に不明だったといえます。

                                                       例えば米国が「ロウハニ大統領さん、ゴメン!オバマ政権の合意でいいや!」となれば対立となる障害はなくなるものの、米国は「核開発を辞めろ!許さない!」といっているわけで、トランプ大統領が「ごめん!前のオバマ政権の合意のままでいいよ!」というはずがないのは、事前にわかっていたと考えれます。

                                                       となれば、今回のイラン訪問に何か意味があったのか?私にはまったく理解できません。経済で成果を出せない安倍首相が得点稼ぎをしようと思ったものの、外交でも得点を稼げなかった。これが事実なのだろうと私は思います。


                                                      ”逃亡犯条例改正案”に反対している香港のデモ活動は日本人にとって他人事ではない!

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                                                         今日は香港で発生のデモについて取り上げたく、「”逃亡犯条例改正案”に反対している香港のデモ活動は日本人にとって他人事ではない!」と題して論説します。

                                                         

                                                         下記は産経新聞の記事です。

                                                        『産経新聞 2019/06/15 22:16 香港、リーダーなき反政府デモの「勝利」 テレグラム利用で情報共有

                                                        【香港=藤本欣也】中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」の改正案をめぐり、多くの香港市民が参加して繰り広げた反対運動はひとまず、立法会(議会)審議の無期限延期という譲歩を当局から勝ち取った。一連のデモは「リーダーなき反対運動の勝利」だったとの見方が広がっている。

                                                         香港では、2003年に国家分裂行為などを禁じる「国家安全条例」案が撤回に追い込まれている。この際は民主派グループが50万人規模のデモを組織した。14年に民主的な行政長官選の実現を目指したものの失敗に終わった「雨傘運動」では、学生組織が20万人規模のデモを行った。

                                                         民主派の区諾軒・立法会議員は今回の改正反対運動について「これまでのデモとの違いは、リーダーが存在しないことだ」と指摘する。地元ジャーナリストも「香港政府は今回、誰と交渉したらいいのか分からなかった」という。

                                                         区氏によると、改正反対運動で多くの参加者が利用したのが、携帯電話用の通信アプリ「テレグラム」だ。ロシア人が創設したアプリで、最大20万人のグループを作ることができるという。メッセージが暗号化されて送られるため、保秘性が高いことでも知られる。

                                                         実際、改正反対運動に関するグループの一つには約2万9千人が参加していた。こうしたグループが多数存在し、反対デモに関する情報を共有していた。あるグループでは「犬に注意」などの隠語を使って、警察などの治安部隊がどこにどれだけ配置されているか−といった情報を知らせるものもあった。

                                                         地元ジャーナリストによると、こうしたアプリを通じて情報を得た多くの学生らは今回、当局の追跡をかわすため共通の対策をとっていたという。

                                                         マスクやヘルメット、ゴーグルを多用し、いつも以上に身元を特定しにくくしていたのもその一つ。また、地下鉄やバスを利用してデモに参加する際、当局による追跡が容易なICカードではなく、現金を使っていたようだ。

                                                         9日のデモには主催者発表で103万人が参加し、反対運動に弾みがついた。こうした中、テレグラムは12日、大量のデータを送りつける「DDoS(ディードス)攻撃」を受けていると公表。運営会社は13日、攻撃の大半は中国からだったと明らかにしている。

                                                         

                                                         

                                                         上記の通り、香港で発生のデモについてのニュースですが、産経新聞はデモ側の勝利を伝えています。

                                                         

                                                         そもそもこの香港のデモについて、なぜこのようなデモが発生したのか?を振り返ります。

                                                         

                                                         産経新聞の記事にもありますが、香港のデモについて時系列に並べますと下記の通りです。

                                                         

                                                         2003年:”国家安全条例に反対”で50万人規模のデモ

                                                         2014年:民主的な行政長官選実現を目指した学生規模20万人の雨傘運動

                                                         2019年:”逃亡犯条例改正案”に反対する103万人規模のデモ

                                                         

                                                         今回の”逃亡犯条例改正案”に反対するデモのの規模は、実に103万人という数字は、ものすごい規模といえます。

                                                         

                                                         いったいなぜこんなことが起きたのか?といいますと、ロイター通信やウォールストリートジャーナルやBBC等の海外メディアのみならず、日本のメディアでも報じられていますが、きっかけは台湾で発生したある殺人事件が発端です。

                                                         

                                                         この殺人事件は、2018年2月、香港人男性が恋人だった台湾人の妊婦を台湾で殺害したというものです。

                                                         

                                                         そしてこの事件自体が台湾で発生した事件であるため、本来ならば台湾の警察当局は捜査のために、この香港人男性を逮捕しなければならないのですが、犯人の男性は香港に逃げ帰ってしまったのです。

                                                         

                                                         ここで困ったことが生じました。実は香港と台湾の間で、容疑者を引き渡す枠組みがなかったのです。通常であれば、この香港の警察が香港人男性を逮捕して台湾に引き渡すということが行われるのですが、香港と台湾との間で容疑者逃亡犯を引き渡す協定が結ばれていませんでした。

                                                         

                                                         そこで香港政府は、この事件をきっかけとして”逃亡犯条例改正案”を作り、香港と台湾との間で容疑者を引き渡すと言い始めました。現実には香港政府は容疑者を関係した相手国に引き渡すという協定を英国や米国など20か国と締結しています。

                                                         

                                                         因みに日本の場合、「犯罪人引き渡し条約」というのを締結している国は、米国と韓国の2か国だけです。死刑制度が残っていることが要因であるという言説もあるようなのですが、現時点では2か国のみである一方、香港政府は英国や米国など20か国と締結しているのです。

                                                         

                                                         しかしながら香港政府との締結国20か国の中に、台湾のみならず中国とも締結していませんでした。

                                                         

                                                         そこで今、中国よりになっている香港政府が、台湾で発生した殺人事件をきっかけとして、”逃亡犯条例改正案”を通じて、中国とも犯罪人の引き渡し協定を締結しようとしているのです。

                                                         

                                                         即ち、”逃亡犯条例改正案”の目的は、香港政府が台湾と中国の両方の国に対して、容疑者を引き渡すことを可能にするというものです。

                                                         

                                                         この香港政府が打ち出した”逃亡犯条例改正案”について、台湾政府は反対を表明しています。なぜならば、台湾が香港政府とそのような条約を締結するとすれば、中国とも締結することになるからです。

                                                         

                                                         仮に香港政府が台湾と中国の両方の国に対して容疑者を引き渡すことが可能になった場合、香港にいる台湾人が何らかの関係で香港で逮捕され、中国政府が「その容疑者の身柄を引き渡して欲しい!」といえば、中国政府に身柄を引き渡されてしまうことになります。端的にいえば、香港にいる台湾人が中国本土に移送されるというリスクが高くなるのです。

                                                         

                                                         皆様もご承知の通り、香港は英国の統治下にあり、透明性が高い司法制度を持っていまして、香港が中国に返還された後も、「一国二制度」が保障されていました。

                                                         

                                                         透明性が高い司法制度を持ち、「一国二制度」が補償されているからこそ、欧米系企業による投資が集まり、国際金融都市の地位を確立し、日系企業もまた香港への投資をしています。

                                                         

                                                        <在香港外国企業数(国・類別、2017年)>

                                                        (出典:みずほ銀行 香港特別行政区投資環境資料 2018年9月 より)

                                                         

                                                         

                                                         このように英国、米国のみならず、日本もまた統括事務所、地域事務所、香港事務所で1,378もの企業が投資をしています。

                                                         

                                                         仮に”逃亡犯条例改正案”が通ってしまえば、中国政府に最初に狙われるのが香港の民主活動家だったとしても、当然ながら香港人だけではなく、米国人、英国人、日本人だったとしても、香港政府が容疑者だといってでっち上げられて逮捕され、中国政府が身柄引き渡しを要求すれば、中国に身柄を引き渡されてしまうことになるでしょう。

                                                         

                                                         例えば日本のマスコミや、You-tuberやブロガーなど、中国に対して徹底的に反中国の発信をしている人だったとして、その人が香港ならば安全だと思い、香港にやってきたとして、香港で事件をでっちあげられて香港で逮捕されるというシナリオも普通にあり得ます。

                                                         

                                                         もし、でっち上げられた事件で逮捕されて、中国に引き渡されたとなれば、中国の裁判にかけられることになります。そして裁判にかけられる前に、拷問にかけられることになるでしょう。最悪、政治犯として裁判で有罪になった場合、死刑判決を言い渡され、臓器のドナーとして”生きたまま臓器を摘出されて殺されてしまう”ということもあり得るのです。

                                                         

                                                         結果は、デモ活動が功を奏し、”逃亡犯条例改正案”は無期限で延期となりましたが、いつかまた”逃亡犯条例改正案”が出てくるかもしれず、全く油断はできないものと私は思います。

                                                         

                                                         

                                                         というわけで今日は「”逃亡犯条例改正案”に反対している香港のデモ活動は日本人にとって他人事ではない!」と題して論説しました。

                                                         ご承知の通り、この「杉っ子の独り言」は、「反グローバル」「反緊縮財政」「反構造改革」を中心に論じていますが、「反中国・反韓国」の論調でも報じています。

                                                         もし皆様が中国を往訪する際には、くれぐれも「杉っ子の独り言」のブログの閲覧を控えていただきたく思います。

                                                         何しろ、ファーウェイやZTE(中興通訊)の電子部品が入った携帯端末で「杉っ子の独り言」をアクセスすると、反中国のブログを読んでいるということで、いわれなき罪をでっちあげられ、逮捕されることがあるかもしれないと、私はリアルに感じています。(今はそんなことないかもしれませんが、いずれそういう日が来るかもしれません。)

                                                         かつて学生の頃、中国武術の南拳を習い、大学時代に第二外国語で中国語を学び、2002年には楽天証券を通じて香港株を初めて買って今もなお保有を継続する私ですが、40代になって中国に対する見方は全く変わりました。

                                                         日本の民主主義や言論の自由が、財政破綻問題などで仇となっている日本ですが、だからといって中国の属国になってしまえば、反民主主義となって言論の自由がなくなり、中国共産党政府の意向に沿わない人々は、みんな政治犯で逮捕され、中国共産党の外貨獲得目的のため、あるいは中国人の富裕層らのための臓器ドナーの餌食となってしまうなんて日がくるかもしれないのです。

                                                         今回の事件を通じて、中国の危険な実態というものを皆様に知っていただきたいものと改めて私は思います。

                                                         

                                                         

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                                                        悔しいですが、あまりにも正しすぎる中国の鉄道建設を中心とした内需拡大政策


                                                        政府の機能・役割を小さくするとは、政府が国民を守らなくなることを意味する!

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                                                           今日は「政府の機能・役割を小さくするとは、政府が国民を守らなくなることを意味する!」と題して論説します。

                                                           

                                                           皆さんは、”小さな政府”というキーワードをお聞きしたことがあるかもしれません。

                                                           

                                                           この”小さな政府”という語彙について、どのようにお感じになるでしょうか?

                                                           

                                                           少子高齢化だから公務員は少なくなった方がいい!とか、これからは規制を取っ払うためにも政府は小さい方がよい!とか、ポジティブ思われている方、相当数居られるかと思います。

                                                           

                                                           一方で私は、もともと「反緊縮財政」「反グローバル」「反構造改革」の論調で、記事を書いております。

                                                           

                                                           「反緊縮財政」についていえば、ただでさえ年々国家予算が増えており、国債を増刷して政府が中心となって負債を増やしていかなければならないのに、なぜ政府が負債を増やさず、消費増税10%で国民から徴収しようとしているのか?と聞きたいくらいです。

                                                           

                                                           百歩譲って消費税の税収全額が公共事業に使われているならまだしも、一部は誰の所得にもならない「”いわゆる”国の借金」と呼ばれている政府の負債の返済に回しているというのが実態です。

                                                           

                                                           全体的な予算は増えていても、私たちのモノ・サービスを政府が買うお金、即ち家計に支払われるお金は減っています。

                                                           

                                                           財務省が2025年までにプライマリーバランス黒字化という目標を掲げている以上、政府の予算が増えたとしても、他の予算を削減しするなどして、実際に私たちに支払われるお金は減り、日本国民の貧困化政策は続いていると言えるのです。

                                                           

                                                           特に国家の財政を語るとき、国債(政府の負債)の償還・利払いは、予算と分けるべきです。

                                                           

                                                           なぜならば、国債の償還資金は、誰の所得にもならないからです。その一方で日本国民の所得になるものを容赦なく削減し、例えば地方交付税交付金や、教育費、防衛費、防災・減災費用など、特に中国が経済成長して防衛費を伸ばしている状況下で、日本は防衛費を減らしています。さらに公共事業を削減し、医療介護費用といった社会保障費については法律があるために支出を増やさざるを得ないもののそれすら抑制しています。

                                                           

                                                           平成から令和に年号が変わっても、こうした緊縮財政が続いているという現実を改めて知っていただきたいと私は思います。

                                                           

                                                           また「反構造改革」でいえば、竹中平蔵氏に象徴されるように、一部の投資家・企業だけが儲かり、他の国民を貧困化させるような構造改革については、国民は反対すべきです。

                                                           

                                                           例えば郵政民営化、電力自由化、種子法廃止、水道法改正など、20年以上も、こうした一部の投資家・企業だけが儲かり、他の国民が損をするという流れがずっと続いています。

                                                           

                                                           「緊縮財政」「グローバリズム」「構造改革」は3点セットで語られることが多く、いずれも政府の機能・役割を小さくするという話です。

                                                           

                                                           政府の機能・役割を小さくするというと聞こえはいいかもしれませんが、政府の機能・役割を圧縮して小さくすれば、政府のコストが下がるという意味で、政府が国民を守らなくなっていくということを意味します。

                                                           

                                                           安全の基準を緩和して、今まで守ってきたものを、もう守りませんということでもあります。

                                                           

                                                           例えば、種子法廃止でいえば、国民の種は政府が守るということで、国と地方自治体とで圃場を管理するための予算がついていたのですが、種子法廃止によって予算が付かなくなりました。これは食糧の種を政府は守らないということ。国民の食糧安全保障については、国家として国民を守る努力をしないということであり、その代わり国民は自己責任で・・・という発想こそ、「緊縮財政」「グローバリズム」「構造改革」の3点セットです。

                                                           

                                                           私たち日本国民は、「政府の役割は小さいほうがいい」という言説に、ずっと騙され続けてきたのだと思います。

                                                           

                                                           

                                                           というわけで今日は「政府の機能・役割を小さくするとは、政府が国民を守らなくなることを意味する!」と題して論説しました。

                                                           

                                                           

                                                           


                                                          就職氷河期世代の就労促進について

                                                          0

                                                            JUGEMテーマ:雇用不安

                                                             

                                                             今日は「就職氷河期世代の就労促進について」と題して論説します。

                                                             

                                                             まずは朝日新聞の記事を紹介します。

                                                            『朝日新聞 2019/06/11 20:01 就職氷河期世代、3年で正規雇用30万人増へ 骨太原案

                                                             政府は11日の経済財政諮問会議(議長=安倍晋三首相)で、今年の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」の原案を公表した。30代半ばから40代半ばとされる就職氷河期世代について、今後3年間で正規雇用者を30万人増やす数値目標を含めた支援プログラムを設けることが目玉だ。骨太の方針は、今月下旬にも閣議決定する。
                                                             最低賃金(時給)については、毎年3%程度引き上げ、全国平均で1千円にする安倍政権の目標について「より早期に」実現するとした。成長戦略にも盛り込む70歳以上の高齢者雇用の促進など、労働関連の施策が目立った。人手不足が深刻化する中で働き手を増やすなどして、生産性を上げる狙いだ。
                                                             就職氷河期世代への支援プログラムの主な対象となるのは、1993〜2004年に大学や高校などを卒業した人のうち、非正規雇用や引きこもり状態にある100万人。就職相談体制や人材育成プログラムを整備。正規雇用した企業への助成金も見直して、企業側へのインセンティブ(動機づけ)も強化する。
                                                             経済政策については、10月の消費税10%への引き上げを明記した上で、来年度予算で景気の落ち込みを食い止める新たな臨時・特別措置を検討するとした。また、米中貿易摩擦などで今後、景気悪化のリスクが顕在化したときには「機動的なマクロ経済政策をちゅうちょなく実行する」と掲げた。
                                                             新たな在留資格「特定技能」がスタートした外国人材については、偽造在留カードを発見しやすくするなどの不法滞在者対策を強化するとした。また、厚生労働省の「毎月勤労統計」などの不正問題を受け、政府統計については「事案の再発防止にとどまらない抜本改善を行う」として、人材育成を行うことを挙げた。(北見英城)』

                                                             

                                                             上記の通り、バブル崩壊後の不況期に就職活動した就職氷河期世代を対象とする就労支援プログラムについて報じたニュースです。非正規雇用などで安定した収入を得られない人も多いことから、正規社員として雇用してもらえるよう能力向上を後押しし、職場定着を手助けする内容になっています。

                                                             

                                                             就職氷河期世代とは、1993年〜2004年頃に高校大学を卒業した現在の30代半ば〜40代半ばの世代のことをいいます。

                                                             

                                                             私は、こうした就労支援の方向性について異を唱えるつもりはありません。とはいえ、やっていることがすっとんきょな話だと指摘しておきたいです。

                                                             

                                                             なぜならば、就労支援をしたいのならば、まず「デフレを終わらせろ!」ということであって、やっていることが「何やってんの?」という話です。

                                                             

                                                             消費増税10%引き上げすればデフレ脱却がますます遠のくだけの話。機動的なマクロ経済政策って具体的に何なの?といえます。このような抽象的な表現、しかも消費増税の悪影響は、ずっと続くものなのに、対策は臨時・特別措置ということなので、恒久的な財政出動をすることになりません。

                                                             

                                                             キャッシュレス払いのポイント還元は期間限定である一方、消費増税10%は期間限定ではなく、消費減税されるまでずっと続きます。それどころか家計簿発想の経済財政諮問会議の連中は、お金がどうやって生み出されるのか?を知らない。資本主義は誰かが借金しないと経済成長しないことを知らない。国家の財政運営を家計簿や企業経営と同じ発想でモノを考え、選挙で選ばれているわけでもないのに、勝手に政策提言し、しかもそれが経世済民とは真逆の日本を発展途上国に陥れる政策であるという、最悪の集団です。だから2019年10月に消費増税した後、今度は「消費税率は15%でなければだめだ!」「欧米諸国並みの水準にしなければだめだ!」などと意味不明なことをいって、また消費税率を引き上げにかかります。

                                                             

                                                             欧米諸国は、インフレで賃金も上昇しているので消費税率を20%とかにできるだけの話なのに、そうしたことを知らずして10%引き上げたら、すぐ「15%にすべき!」となるでしょう。はっきり言って頭が悪い連中です。マクロ経済を何も知らないど素人です。

                                                             

                                                             消費増税しておきながら就労支援とは、泥縄もいいところと言いたい。

                                                             

                                                             企業側にインセンティブを働かせるために助成金を見直すとして、具体的には35歳以上の就労困難者を受け入れた企業に支給される特定求職者雇用開発助成金の対象要件を緩和するとしていますが、こうした政策は、いわばバンドエードと同じです。

                                                             

                                                             リンチしてボコボコにして骨折させるくらいの乱暴な政策をやっておきながら、バンドエードを渡して「はい!おしまい!」という話です。

                                                             

                                                             バンドエードは、あった方がないより”まし”ではあるものの、その前に乱暴な政策を辞めようよ!と私は思います。

                                                             

                                                             

                                                             というわけで今日は「就職氷河期世代の就労促進について」と題して論説しました。


                                                            コンビニ各社24時間営業見直し問題と運輸業・建設業・介護事業の人手不足問題

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                                                              JUGEMテーマ:コンビニ

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                                                               今日はコンビニ各社24時間営業見直し問題と合わせ、運輸業・建設業・介護事業の人手不足問題について意見したいと思います。

                                                               

                                                               下記は時事通信の記事です。

                                                              『時事通信 2019/05/23 18:28 セブン経営陣、板挟みに=「加盟店」か「株主」か−総会

                                                               セブン&アイ・ホールディングスは23日、東京都内の本社で定時株主総会を開いた。井阪隆一社長は、傘下のコンビニエンスストア最大手セブン−イレブン・ジャパンで起きた24時間営業をめぐる加盟店とのトラブルについて、「大変申し訳ない。反省している」と陳謝し、加盟店への支援を強化する考えを示した。ただ、店への配慮よりも高収益の維持や株価上昇に期待する株主は多く、経営陣は板挟み状態の中で難しいかじ取りを強いられている。

                                                               セブン−イレブンをめぐっては2月、大阪府の加盟店が無許可で24時間営業を中止した問題をきっかけに、店のオーナーの苦境ぶりが表面化。企業イメージやビジネスモデルを揺るがす事態に発展し、株価は約3割も下落している。
                                                               井阪氏は株主に対し「人手不足や売上高の伸びの鈍化などでオーナーの将来不安が増していることも問題の発端だ」と説明し、短期で解決するのは難しいと理解を求めた。その上で「新しい考え方、価値観に変えていくチャンスだ。最適な解を見つけたい」と強調し、深夜に店を閉める実証実験に加え、省力化投資や新規出店の抑制などを通じて加盟店の不満を抑える方針を示した。
                                                              ただ、店の設備投資には多額の費用が必要。時短営業に関しても、多くの店舗に認めれば本部の収益減を招く恐れがある。さらに、オーナーの要求に押されてロイヤルティー(経営指導料)の減額にまで踏み込む事態になれば、グループを支える高い収益力は維持できなくなる。
                                                               株価下落の背景には、こうした収益面の先行き不安があり、総会では株主から「どうしても株価には上昇してもらいたい」と悲痛な声が上がった。
                                                               取締役選任など5議案はいずれも賛成多数で可決された。所要時間は1時間45分(前年は1時間55分)。出席した株主は596人(同619人)だった。』

                                                               

                                                               

                                                               上述の記事の通り、セブン&アイ・ホールディングスの株主総会の記事です。セブン−イレブン・ジャパンで起きている24時間営業を巡る問題で、株価が下落。株主総会で株主から「株価上昇を!」という声が出たと報じています。

                                                               

                                                               深夜に店を閉める実証実験と、小売サービス業という供給力を削減する実証事件の一方で、省力化投資と新規出店の抑制をやると報じています。

                                                               

                                                               省力化投資とは、ローソンで取り組んでいるような、レジロボやRFID電子タグや塗布半導体を活用した自動レジの投資を指しているものと思われます。

                                                               

                                                               新規出店の抑制は、セブン&アイ・ホールディングスとしての供給力の補強を抑制するということで、1店舗当たりの売上高・粗利益を向上させるという取り組みです。

                                                               

                                                               省力化投資と新規出店の抑制は、コンビニオーナーの生産性向上と1店舗当たりの売上高・粗利益向上につながる話であり、歓迎されるべきです。

                                                               

                                                               では、深夜に店を閉めるというのはどう考えるべきでしょうか?

                                                               

                                                               私はかつて学生時代、セブンイレブンで深夜シフトでアルバイトをしていたことがありました。東京都杉並区の高円寺駅近くで、環状7号線沿いだったこともあり、深夜でもお客さんは絶えることはなかったと記憶しています。もちろん日中に比べれば少ないものの、スキーシーズンになりますとリフト券とか夜に車で途中で買うお客様も多かったです。

                                                               

                                                               しかしながら私がバイトしていたころのセブンイレブンは、20年以上前の話であって、今は人手不足に悩むという相次ぐ報道をみて、「大変な状況になっている!」と感じておりました。

                                                               

                                                               実際、人手不足による倒産というのは、昨今ではマスコミが頻繁に報道するものの、過去にもあった話です。というより人手不足による倒産というか、低賃金労働者不足倒産といってもよいです。

                                                               

                                                               安い労働者しか雇用できない企業が倒産するという話であり、高い給料を払える企業は人手を確保できて倒産しません。いうなれば、「時給700円しか払えなくて。それ以上高い給料を払うと倒産してしまう。というかそれくらいしか儲けがない。」という会社が倒産していっているといえるでしょう。

                                                               

                                                               この状況は賃金が上昇していくプロセスともいえるのです。

                                                               

                                                               そのため、人手不足だから安い外国人労働者の受け入れを拡大しよう!というのは、せっかくのデフレ脱却の芽を摘む愚策としかいいようがありません。

                                                               

                                                               また、日本の人手不足は、局地的な現象ともいえます。例えば建設業や、宿泊業、飲食サービス業、医療福祉業、運輸業など、人手不足産業と、そうではない産業とで大きな格差があります。

                                                               

                                                               人手不足の原因の特徴としては、下記がその特徴です。

                                                               

                                                              ●運輸業は労働者の時間が長くて給与水準が低い

                                                              ●建設業は休日が少ない

                                                              ●介護事業は賃金が安い

                                                               

                                                               このような分析があります。

                                                               

                                                               普通の人が考えれば、労働時間が長くて給与水準が安いとか、誰も行きたくないに決まっています。

                                                               

                                                               経営者の方の中には、「いやぁー!そうは言っても、うちは給料上げたんだけどそれでも人が来ないんだよね!」という経営者の方もおられるかもしれません。それははっきり言えば、給料を上げたというその上げ幅が不足している、ただそれだけのことです。

                                                               

                                                               では、こうした業界はどうしたら人手不足を解消できるでしょうか?

                                                               

                                                               業界で給料を引き上げることに加え、休暇が取りやすい環境を作ることです。休暇が取りやすいというのは、周りの雰囲気とかそういうことではなく、単位当たり労働コストを引き下げる生産性向上のための投資を行い、一人当たりの生産性を向上させることで時間を創出し、休暇が取りやすくさせるということです。

                                                               

                                                               そして政府の役割とは、日本の労働力を必要な業界へ投入していくような構造に変えていくということです。確かに3Kと呼ばれるキツイ・キタナイ・キケンというような過酷な労働だったとしても、賃金が高ければ人が集まります。

                                                               

                                                               かつては建設業でとび職という職業があり、バブル崩壊までは普通に年収1000万とか稼げたのですが、今は500万〜600万も稼げるかどうか?ということで、若い人はとび職をやりません。

                                                               

                                                               もしとび職が1000万とか2000万とか稼げて、技術が身に就けば安全なしごともできるようになって給料がちゃんと稼げる職業になっていたことでしょう。

                                                               

                                                               また運輸業も同じです。昔、菅原文太という俳優が主役の映画で「トラック野郎」という作品がありました。最低運賃規制を取っ払った規制緩和に加え、免許制から許可制に代わって運輸業に参入しやすくしたことから、運賃がものすごく下落し、それに伴ってドライバーの賃金も下がりました。

                                                               

                                                               今では大卒でトラックドライバーをやる人など、ほとんどいないでしょう。何しろ運賃自由化と規制緩和で、ドライバーの労働時間は長いのに賃金が安いわけですから、そんなところで働きたいという人は、少ないに決まっています。

                                                               

                                                               介護事業も同様で、キツイ・給料が超安いという状況では、良い人材が来るのは極めてレアなケースです。パワーアシストスーツの投資ができるようになれば、一人が2人分、3人分、4人分の仕事ができるようになり、賃金UPの原資が生み出されますが、介護報酬を引き上げるどころか、介護報酬を引き下げるという抑制につながる緊縮財政をやっているため、賃金を上げにくい状況となっていて、結果、介護事業も人手不足で嘆くというおかしなことになっています。

                                                               

                                                               しかしながら、運送業でいえば昔のように平均賃金よりも高い給料水準だったら、介護事業でいえば業種平均並みに賃金がもらえるならば、必ず今よりも人手を確保することができて、倒産しなくても済みます。

                                                               

                                                               したがって賃金を上げていくのが一番大事だといえ、その原資を生み出すために規制を強化したり、政府が発注する仕事は単価を高く発注する、介護報酬を引き上げるなどの政策が必要です。

                                                               

                                                               

                                                               というわけで今日は「コンビニ各社24時間営業見直し問題と運輸業・建設業・介護事業の人手不足問題」と題して論説しました。

                                                               そもそも人手不足がなぜ起きるか?というと、キツイ仕事なのに給料が安いということに尽きるでしょう。それは労働力に見合わないということでもあります。

                                                               労働力に見合わないというのは、コンビニの場合、24時間という夜間に働かせるにもかかわらず、なんでこんなに給料が安いの?ということであり、夜中コンビニで働かせたいならば、時給を2000円とか2500円とか払うしかありません。ただしそれだけ時給を払えば、人手は確保できて倒産しなくても済むのです。

                                                               コンビニで時給を2000円とか2500円とか払うためには、外国人労働者を安く雇用するというのではなく、RFIDタグや完全自動精算のレジロボを導入するなど、一人当たり生産性の向上のための投資が必要であることを、コンビニの経営層の方々には改めて認識していただきたいと私は思うのです。

                                                               

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