ゆうちょ銀行の貯金限度額引き上げについて

0

    JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

     

     今日は「ゆうちょ銀行の貯金限度額引き上げについて」と題して論説します。

     

     下記はロイター通信の記事です。

    『ロイター通信 2018/12/26 ゆうちょ銀行の貯金限度額引き上げについて

    [東京 26日 ロイター] - 郵政民営化委員会は26日、ゆうちょ銀行<7182.T>の預入限度額を現在の1300万円から2600万円に倍増させる方針を盛り込んだ報告書を取りまとめた。報告書を受け、総務省と金融庁は政令改正の手続きに入る。限度額の引き上げは2016年4月以来。
     報告書では、限度額の対象を「通常貯金」と「定期性貯金」に分け、それぞれ1300万円ずつとすることとした。来年4月からの実施を目指す。
     現在のゆうちょ銀の預入限度額は、常時引き出しができる「通常貯金」、預け入れ日から6カ月間は引き出しができない「定額貯金」、預け入れ期間を指定する「定期貯金」の合計で1300万円までとなっている。
     民営化委は今年、3年に1度の郵政事業の見直し作業を進めてきた。限度額の扱いが焦点となったが、通常貯金の限度額撤廃を要望する日本郵政<6178.T>と、ゆうちょ銀への資金シフトや地域金融機関との関係悪化などを懸念する金融庁や民間金融機関との間で意見の隔たりが埋まらず、調整が長期化していた。
     報告書は、日本郵政が保有するゆうちょ銀株について、3分の2未満となるまで売却することなどを限度額引き上げの条件としている。 』

     

     

     上記記事の通り、日本郵政傘下のゆうちょ銀行の貯金の限度額について、政府は現在の1300万円→2600万円に引き上げる方針を固めました。郵政民営化法に基づく政令を改正して2019年度4月から実施する方針としています。

     

     2600万円への引き上げは、利用者の利便性向上を理由としている一方、民間金融機関にとっては巨大なゆうちょ銀行の関税民営化が見えない状況で規制緩和されれば、不公平な競争を強いられるという反発があります。

     

     私は今回の貯金限度額引き上げについて、日本経済への影響のことを考えると必ずしも適切な判断とは思っていません。

     

     なぜならばゆうちょ銀行の郵便貯金のお金というものは、全国津々浦々に郵便局があって、その郵便局全てで郵便貯金の取り扱いが可能であり、銀行がない場所であっても金融機関として金融サービスを提供するという趣旨があって全国に作られているのです。

     

    <沖縄県伊平野島の郵便局(ATMあり)>

    (出典:2017/11/24に杉っ子が現地で撮影)

     

    <東京都青ヶ島の郵便局(ATMあり)>

    (出典:2013/11/24に杉っ子が現地で撮影)

     

    <沖縄県与那国島の郵便局(ATMあり>>

    (出典:2011/11/05に杉っ子が現地で撮影)

     

    <北海道天売島の郵便局(ATMあり)>

    (出典:2016/08/11に杉っ子が撮影)

     

    <北海道焼尻島の郵便局(ATMあり)>

    (出典:2016/08/12に杉っ子が撮影)

     

    <沖縄県久高島の簡易郵便局(ATMなしだが預金取扱はあり)>

    (出典:2016/12/02に杉っ子が撮影)

     

    <沖縄県津堅島の簡易郵便局(ATMなしだが預金取扱はあり)>

    (出典:2016/12/03に杉っ子が撮影)

     

     

     どんなに辺鄙な山奥でも、島であっても、そこに住む日本国民のお金を吸い上げる力があります。このお金を今、政府系金融機関として株式を購入したり、外国債券を購入したりするなど、いろんな運用方法で政府の意向に基づいて運用されています。

     

     運用の規模がもともと大きいことから、政府系金融機関の運用資金のことを、株式市場関係者間では「クジラ」と呼ぶこともあります。運用規模が大きいがゆえに、様々な方法で運用するのですが、今回の限度額引き上げは、その運用規模をさらに拡大していく方向に働くこととなるでしょう。

     

     政府系金融機関というならば、公共性の高い分野に融資すべく、財政投融資への資金注入ということは考えられます。民間の銀行の貸し付けに該当しますが、融資する分野が公共性の高い分野で、例えば高速鉄道や高速道路や港湾整備などのインフラ整備のために主体的に活用されるというならば、何ら問題のない運用です。

     

     その公共性の高い分野に資金注入したくても、今の運用規模では不足するので財政投融資の規模を拡大したいというならば、限度額引き上げ自体は公共性が高いといえます。

     

     ところが「クジラ」と呼ばれるくらい政府系金融機関は株式市場での株式購入に使っているという批判があり、それはそれで投資家からみれば政府が株価を押し上げる分、割高に株価が形成されている可能性があって、そうした株式購入に使うために運用規模を拡大するというのは、果たして公共性が高いと言えるのか?という疑問があります。

     

     さらに民間金融機関は、デフレで物・サービスの価格を下げないと売れにくいという環境であるために資金を借りたいという需要がなく、銀行のビジネスモデルそのものが苦しい状況で、さらに競争激化となる限度額引き上げをするのは、どうなの?という疑問もあります。

     

     デフレを放置しておきながら、競争激化させるとなれば、さらにデフレが継続するだけであり、何らメリットはありません。

     

     それだけでなく日本郵政がゆうちょ銀行の株式の保有比率を3分の2未満となるよう売却させるのを条件としており、郵便事業がただでさえ赤字で苦しいところに、ゆうちょ銀行の配当利益が少なくなるという点で、郵便事業そのものの経営が苦しくなることも予想されます。

     

    <日本郵政とその子会社の郵便事業、ゆうちょ銀行、かんぽ生命との関係図>

     

     実際に、土曜日の配達をやめるとか、はがきや郵便の料金の値上がりなど、郵政民営化した結果、郵政省で公務員だったがゆえに可能だった土曜配達や年賀状配達の過剰サービスができなくなり、低廉な料金で日本全国にサービスを提供するというコンセプトは、利益追求の株主資本主義のによってできなくなりつつあるのです。

     

     郵便事業、ゆうちょ銀行、かんぽ生命のサービスが、日本全国で均一のサービスをやろうと思えば、例えば先の写真にある久高島や津堅島は銀行ATMがないので、新たにATMを新設しようと思ったとしても、過疎化している島では儲からないため、ビジネスとして成立しません。結果、ATM設置はほぼ無理でしょう。

     

     私は利益追求が悪で、公共性が善というつもりは全くありません。現実の問題として民営化された後のゆうちょ銀行が果たして久高島や津堅島にATMを新たに設置できるか?というと利益が出せないので無理だと思うのです。では、利益が出ない、お金が儲からないという理由で、久高島や津堅島の金融サービスが他の地域より劣るのを放置していいのでしょうか?それは地方の切り捨てと同じことだと私は思います。

     

     結局、自由化にしろ民営化にしろグローバル化にしろ、自由化や民営化をやっていい分野とやってはいけない分野があるということです。というより日本で民営化している分野は、ほとんど民営化すべきでない即ち公のままでなければ利益が出せない。かといって、事業を無くすことは安全保障や国民の利便性の問題から撤退できない。こうした分野ばかりを民営化しています。

     

     ゆうちょ銀行でいえば、ゆうちょ銀行が民営化されて、株式市場にお金がどんどん流れていくということが、果たして日本国民を豊かにするのでしょうか?株式を保有する人しか恩恵を受けられないどころか、株式をこれから買おうとしようにも、不適正に株価が吊り上げられて高く買ってしまうのでは?という問題もあるのです。

     

     本来ならば郵政民営化は逆戻りさせて公務員にして、利益追求しなければ久高島や津堅島にATMを設置できます。またデフレで肥大化した運用資金は、財政投融資の原資とすることをより明確化し、公共事業に投ずることこそ、インフラが整備されて日本国民の暮らしが豊かになるものと私は思います。

     

     

     というわけで今日は「ゆうちょ銀行の貯金限度額引き上げについて」について論説しました。


    公共性の高い運送事業を救う改正貨物自動車運送事業法

    0

      JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

      JUGEMテーマ:運送業界について

      JUGEMテーマ:トラック・商用車

       

       今日は昨年末の2018/12/08に参院本会議で可決成立した改正貨物自動車運送事業法について論じたいと思います。

       

       下記は産経新聞の記事です。

      『産経新聞 2018/12/08 12:40 トラック業務の環境改善 適正運賃確保へ法改正

       トラック運転手の労働環境を改善するための議員立法による改正貨物自動車運送事業法が8日未明、参院本会議で可決、成立した。荷主が不当に安い運賃で配送させるのを防ぐため、国土交通相が標準的な運賃を定めて告示できる制度を創設する。

       過労運転や過積載につながる発注をしないよう、荷主の配慮義務を規定。配慮を怠った場合は国交相が荷主に改善を要請できる仕組みも設ける。

       一方、運送会社の事業参入の許可基準として、車両を確実に点検・整備して安全を確保する能力があることや、十分な車両数や車庫の広さ、資金があることなどを明記する。

       法令に違反して事業許可を取り消された場合、再参入できない期間を現在の2年から5年に延長する。』

       

       上記記事の通り、貨物自動車運送事業法の改正法案が可決されました。この改正法案の最大のポイントは、下記の通り2つあります。

       

      ●標準的な運賃の告示の明記

      ●違反原因行為への対処 

       

       なぜこのような改正法案という議論が出てきたのでしょうか?

       

       それは規制緩和や構造改革などとして自由化論が日本中吹き荒れ、いろんなものが自由化されていく中で、トラックの運送事業も自由化されました。その結果、運送事業者の事業者数はものすごい増加しました。

       

       2003年頃の日本経済は、バブル経済崩壊の後遺症から立ち直れず、「民でできるものは民に任せる」という精神のもとで、行政改革と規制緩和をどんどん推進していました。真に効率的で世界に通用する経済社会を構築して、民間主体の創造的な経済活動を活性化することが不可欠と考えられていたのです。

       

       そうした中で運送業界も規制緩和され、事業者数が1.5倍にまで増加して事業者数ベースで63,000社を超えて以降、事業者数は横ばいで推移しています。

       

      <トラック運送事業者数の推移(単位:者)>

       

      (出典:公益社団法人全日本トラック協会の「日本のトラック輸送産業 現状と課題2018」から引用)

       

      <運送業界の規制緩和の歴史>

       

       1980年 米国で運輸業の規制緩和

       1990年 日本で運送業の規制緩和

           ●事業参入規制を免許制から認可制に緩和(新規参入の増加)

           ●事業計画上の車両台数規制を認可制から事前届出制に緩和(最低車両台数の削減により全国一律5台)

           ●運賃・料金規制を認可制から事前届出制に緩和(自由な運賃制度への変化)

           ●事業退出規制を許可制から事後届出制に緩和

       2003年 日本における運送業の更なる規制緩和

       

       

       トラック運送のマーケットは12兆円と巨大なマーケットです。なぜならば、私たちが買う製品のほとんどはトラックで輸送しており、日本経済の基本中の基本インフラといえ、いわば運送業は非常に公共性の高いビジネスといえるのです。

       

       かつては1980年代〜1990年代までは、需給バランスを見ながら、トラックの事業者を強く規制していました。具体的には事業者があまり大きく増えないように、悪質な事業者を参入させないように、運輸当局が管理をしてきたのです。

       

       ところが規制緩和をやり過ぎて、ダンピングで過剰競争となり、どんどん運賃が値下がりし、不適格な業者もたくさん参入してトラックドライバーの運賃が下がり、経営者も平均利益率がマイナスという全然儲からない状況になってしまいました。

       

       今具体的に運送業界の現場で起きていることといえば、事業者の増加の結果、サービス価格の低下、賃金水準の低下に加え、トラック事業者の経営状態が悪化し、特に業界の9割を占める「10台以下」「11〜20台」「21台〜50台」の事業者のおよそ6割が赤字企業となっている状況でした。

       

       そこで今回の改正法案となったのです。

       

       改正法案のポイントの一つ目の「標準的な運賃の告示の明記」とは、今まで運賃は届出制で、運賃を自由に設定して届け出るという制度であったため、どんどん運賃が下がっていったという経緯があるため、今後は政府が運賃に関与するということになります。

       

       また大手の荷主が大変なわがままで、例えばトラックドライバーが荷物を運んだにもかかわらず、荷主が倉庫が満杯であるため、トラックドライバーに何時間も待機させるといったことが横行しました。

       

       それでもトラック事業者は、仕事を失いたくないために、倉庫に納品できるまで何時間でも待せざるを得ませんでした。いわば大手荷主は、トラックを倉庫代わりに使っていたのです。

       

       仮にも倉庫扱いされてトラックを使ったとして、運賃がその分上乗せして払われていれば、まだましなのですが、当然荷主は運賃を払いません。

       

       となれば待機していた時間を、本来別の運送サービスで物を運べば、運送業者の売上につながるところ、そうしたこともできず倉庫代わりに使われて生産性も落ちるということで、運送事業者はひどい状況に陥っていたのです。

       

       本来ならば運送業者は荷主に対して「6時間待機した分、料金を払ってください!」と言いたいはずなのですが、自由競争であることを理由に荷主は「そんな文句あるなら、あなたの会社とは取引を打ち切るから!」として、当たり前のように料金を払いません。

       

       荷主も荷主でデフレ不況に陥っているため、取引先や消費者から安いものを求められて、そうした運賃を請求されたとしても価格に乗せられないという状況もあったでしょうが、とにかく運送事業者に多くのしわ寄せがいっていたことは間違いありません。

       

       その証拠に、ついにヤマト運輸(証券コード:9064)がアマゾンの仕事を打ち切るという衝撃ニュースがありました。運送業界のガリバーのヤマト運輸も我慢できないということだったのでしょう。

       

       それでも丸和運輸機関(証券コード:9090)という会社が、ヤマト運輸が断ったのを機に、代わりに受注するとし、丸和運輸機関の株価が上昇したということもありました。

       

       因みに直近の四季報で、ヤマト運輸と丸和運輸機関の平均年収を見ますと下記の通りです。

       

      <ヤマト運輸(証券コード:9064)>

      連結218,966名 単独「非公表」(平均38.2歳) 年収939万円

       

      <丸和運輸機関(証券コード:9090)>

      連結2,800名、単独1,289名(平均37.5歳) 年収468万円

       

       クロネコヤマトの宅急便で有名なヤマト運輸の年収939万円というのは大変立派です。それに対して丸和運輸機関は桃太郎便という宅配事業や、マツモトキヨシやイトーヨーカドーなどを大手荷主として発展し、5年ほど前に上場した後発の運送会社ですが、年収468万とヤマト運輸の半分です。

       

       丸和運輸機関は3PL(サードパーティーロジスティクス)というビジネスモデルで、自社でトラックを極力保有せず、傭車でトラックを調達し、必要な時に必要なだけ下請けの傭車業者に代金を払って運ばせるというビジネスモデルで成長した会社です。

       

       丸和運輸機関の年収が安いのも問題ですが、傭車と呼ばれる下請け業者は、さらに苦境を極めます。何しろ下請という立場は、元請より弱いため、運賃・品質の規制が弱い現況では苦しく、「文句があるなら他の業者を使うからいいよ!」ということになってしまうのです。

       

       このように、運送業者は明らかに飽和状態であり、業者が増えても賃金をちゃんと払えず、トラックドライバーの成り手がいなくなって高齢化がどんどん進み、高齢ドライバーばかりになって若い人が入って来なくなることで人手不足がものすごく激しくなっています。

       

       「神の見えざる手」などとフーバー大統領のレッセフェール(自由放任主義)や、「小さな政府を目指すべき!」などという言説を提唱してきたノーベル経済学賞のミルトン・フリードマンら、「マーケットメカニズムに委ねるのが正しいので自由化すべき!」といった論説が蔓延って自由化を進めたために、こうした状況となってしまったというのは、誰の目で見ても明らかではないでしょうか?

       

       この状況を元に戻すためには、以前のように規制を強化して免許制にしたり、需給バランスを見て新規事業の参入を拒否すればいいのですが、自由化のノリでこうした規制強化をするのは困難な状況です。多くの日本人が自由化を正しいと信じ込んでいる以上、規制強化というのが理解を得られにくくなっているのです。

       

       そこでやむを得ず議論され、運送する際に最低限必要な「ガソリン代」「最低賃金」「社会保険料」などを議論して積み重ね、その値段よりも安いのは無理であり、自由に運賃設定できないようにするというのが、今回の改正法の趣旨です。

       

       全ての工場、全ての商業において、物流は絶対に不可欠なインフラであるにもかかわらず、賃金が安いために人手不足で物流が供給できない状況になってしまったという最悪な状況になっているということを、私たちは改めて理解する必要があると思います。

       

       

       

       というわけで今日は「公共性の高い運送事業を救う改正貨物自動車運送事業法」と題して論説しました。

       私たちは運送業という事業が極めて公共性が高い事業であることを改めて認識する必要があります。平時においてはあらゆる業種で大事な物流を担うのは言うまでもありませんが、非常事態のときの物流は、なお重要です。

       3.11の東日本大震災のとき、運送業者が東北の人々を救うということで、渋滞の状況で列に並んでまでして、物資を被災地に運んだのです。どれだけお金を持っていようと、物資が被災地に運ばれなければ、飢えて死ぬ人や病気で死ぬ人が出ます。

       たとえヘリコプターなどで物資を落としたとしても、倉庫や貨物ヤードやトラックがなければ、物資を円滑に配布することは不可能です。

       そうしたことを踏まえ、運送事業者が適正な利益を確保して存続してもらうということは、日本の安全保障強化につながるものと、私は思うのです。

       

       

      〜関連ブログ〜

      運送業界各社が宅配のみならず企業間物流でも値上げ実施!

      年末配送業務のバイトの時給が高騰する運送業界

      運送業界における生産性向上と宅配BOX


      日韓請求権協定は国際協定なので憲法・主権の上に立つ!

      0

        JUGEMテーマ:韓国ニュース

        JUGEMテーマ:日韓問題

         

         今日は、日本政府が2019/01/09(水)韓国政府に対して、元徴用工の訴訟を巡り、1965年の日韓請求権経済協力協定に基づく二国間協議を申し入れたニュースを取り上げ、「日韓請求権協定は国際協定なので憲法・主権の上に立つ!」と題して論説します。

         

         下記は朝日新聞の記事です。

        『朝日新聞 2019/01/12 日本政府、日韓請求権協定に基づく協議要請 徴用工問題

         韓国大法院(最高裁)が日本企業に対し、元徴用工らへの賠償を命じた判決をめぐり、日本政府は9日、日韓請求権協定に基づく協議を韓国政府に要請した。日本政府は元徴用工らへの賠償問題は協定で「完全かつ最終的に解決」されたとしているが、韓国の裁判所が新日鉄住金の資産を差し押さえたことから、協議の要請に踏み切った。

         日韓請求権協定に基づく協議は1965年に締結されてから行われたことはない。2011年に韓国政府が慰安婦問題に関して協議を求めたことがあるが、日本政府が応じなかった。日本政府が協議を要請するのは今回が初めて。今後は韓国政府が協議に応じるかが焦点になる。

         韓国大法院は昨年10月と11月に、新日鉄住金と三菱重工業に対し、それぞれ元徴用工らへの賠償を命じる判決を出した。日本政府は「協定に明らかに反する」とし、韓国政府に対して対応を求めてきたが具体策が示されなかった。

         一方、原告側は新日鉄住金が賠償に応じていないとして、同社が韓国の鉄鋼大手ポスコと合弁で設立したリサイクル会社PNRの株式の差し押さえを裁判所に申請し、今月3日付で認められた。新日鉄住金は株式の譲渡や売却などができない状態になり、企業活動に影響を与えることになった。

         新日鉄住金によると、差し押さえに関する裁判所からの通知がPNRに9日、届いた。これを踏まえ、外務省の秋葉剛男事務次官は同日、協定の解釈に紛争があるのは明らかだとして、韓国の李洙勲(イスフン)駐日大使を呼び、協議を要請した。

         韓国大統領府は9日の幹部会議で、元徴用工判決に関する問題も協議した。文在寅(ムンジェイン)大統領は欠席した。韓国外交省は9日夜、日本政府の協議要請について、「綿密に検討する予定だ」と表明。そのうえで、「司法手続きを尊重する基本的立場のもと、被害者の精神的苦痛と傷を実質的に癒やすべきだという点と、未来志向的な韓日関係などを総合的に考慮して対応策をまとめる」とした。

         一方で、「このような状況で不必要な葛藤と反目を引き起こすことは、全く問題解決の助けにならない。冷静に慎重に状況を管理する必要がある」とも訴え、間接的に日本の対応を批判した。(竹下由佳、上地兼太郎、ソウル=牧野愛博)』

         

         上記記事の通り、徴用工問題で日本政府は韓国政府に日韓請求権協定に基づく二国間協議を申入れました。2019/01/14には時事通信など各紙が、協議申入れ文書の中で日本政府が「30日以内に」回答するよう求めたとも報じられています。

         

         この協議申入れに対して韓国政府は「熟考すべき問題に関して、期限を特定し、答弁を強要することは、相手国の主権を無視しており、外交的礼儀を欠いている」として反発しているとのことです。

         

         韓国の反論や言い分を聞けば聞くほど、大変遺憾と言わざるを得ません。もともと日本側は1965年に、根拠のある請求権について個人への直接支払いを提案したのですが、韓国側(=韓国政府)が個人を含むすべての請求権に関わる資金を韓国政府に一括して支払うことを要求し、日本側が韓国政府の要求を受け入れて無償で3億ドル韓国政府に支払いました。

         

         1965年の日韓請求権協定とは、韓国政府が「個人に支払わず、全額を国に払って欲しい!」と言ったから、日本政府は3億ドル払い、その代わりに韓国政府は請求権を全部放棄するというもの。国内の企業であれ、個人の集合体の組織であれ、請求権は全部放棄するというもの。韓国政府が日本政府と約束したのはそういうことです。

         

         というより、むしろプライベートな請求は全部放棄するから「韓国政府に払ってください!」とし、日本政府は韓国政府にお金を払いました。日本政府の立場とすれば、「3億ドルを韓国政府に払う代わりに、韓国国民は何も言わないということですね!」ということでお金を払ったのです。

         

         そのため、日本政府が韓国政府にお金を払ったとなれば、韓国国内の人々が日本を訴える権利はなく、韓国政府を訴えるのが筋です。

         

         このような状況になってしまった以上、日本政府とすれば、この日韓請求権協定の趣旨から考えれば、韓国政府に協議を申し入れするしかありません。

         

         もし日韓請求権協定が守られないとすれば、日ソ不可侵条約を破って北方領土を攻めてきたソ連と同じであり、これは無法行為と言わざるを得ないのです。

         

         韓国の文在寅大統領は、2019/01/10の記者会見で、三権分立「司法(裁判所)・立法(国会)・行政(内閣)」があるので、最高裁判決は尊重するしかないという考えを示しました。

         

         日本にも三権分立はありますが、国際法や国際協定は、こうした主権の上に優先されます。1965年の日韓請求権協定は、韓国の主権の上に立って優先されるものであり、最高裁判決を尊重するしかないというコメントは、国際協定を締結したとしても、それは守る必要がないといっているに等しいのです。

         

         TPPの議論の際、日本においても日本国憲法の上にTPPが来るため、主権を著しく制限されるという議論がありました。その言説に対して私は同じ意見を持っておりますが、善し悪しは別にして、貿易協定を含めた国際条約というのは、憲法や主権の上に立ちます。

         

         英国がEUから離脱するのはなぜか?といえば、英国がEUに加盟していることで主権が著しく制限され、英国国内で問題が発生したからです。

         

         例えば、マーストリヒト条約によって財政赤字対GDP比を3%以内に抑えるというルールがあるため、デフレに陥った際に積極的に財政赤字にすることができず、いつまで経ってもデフレ脱却すべく積極的な財政出動ができません。

         

         また英国はシュンゲン協定こそ加盟していませんが、EUに加盟することで東欧諸国からくる移民の受入を拒絶することができず、英国人の賃金上昇を抑制していました。EUから離脱することで、移民の受入を拒絶することができます。

         

         それだけではありません。EUに加盟していることで、例えばギリシャで運転免許を取得したギリシャ人が英国で車の運転をできたりします。さらにはEUに加盟していることでEUで作られる憲法を押し付けられたりもします。

         

         何が言いたいか?といえば、TPP、EUのマーストリヒト条約、シュンゲン協定は、国際条約・国際協定であり、憲法や主権の上に立つものであって、日韓請求権協定もまた同じ国際協定です。

         

         TPPの議論では「TPPを締結してしまえば、主権の上に立つ恐れがある!」という状況で反対論があったわけですが、日韓請求権協定は1965年に既に日本政府と韓国政府との間で締結してしまっているものです。

         

         だから韓国国民の主権の上に、日韓請求権協定の効力があるということであるにもかかわらず、韓国政府がその約束を反故にするとするならば、日本政府としては外交の相手にできない国家、信用できない国家ということになるのです。

         

         

         というわけで今日は「日韓請求権協定は国際協定なので憲法・主権の上に立つ!」と題して論説しました。


         関連記事〜

        韓国の司法・立法・行政へ徴用工問題の強烈なブーメラン炸裂!

        徴用工問題における最高裁判決は日本にはいっさい関係ありません!


        経団連の賃上げ数値目標削減について

        0

          JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

          JUGEMテーマ:労働問題

           

           今日は「経団連の賃上げ数値目標削減について」と題して論説します。

           

           下記はSankeiBizの記事です。

          『SankeiBiz 2018/12/21 06:18 経団連、「官製春闘」脱却へ 賃上げ数値目標削除の方針

           経団連が2019年の春闘指針で、18年は盛り込んだ賃上げの数値目標を削除する方針を固めたことが20日分かった。「賃上げの機運を維持する」との趣旨は盛り込み、賃上げを求める政府との歩調を合わせる。指針は「経営労働政策特別委員会報告」として、年明けに公表する。

           18年の春闘の指針では、安倍晋三首相が3%の賃上げを求めたことを受けて「『3%の賃金引き上げ』との社会的期待を意識しながら自社の収益に見合った前向きな検討が望まれる」としていた。数値目標の削除で、各社の経営状況に応じた交渉を進めるとの姿勢を明確にし「官製春闘」からの脱却を目指す。

           菅義偉官房長官は20日の記者会見で「来年は消費税率の引き上げが予定されている。経済の回復基調が持続するには、賃上げが大きな鍵になる」と述べ、経済界に賃上げを求めた。

           経団連の中西宏明会長は最近の春闘を「官製春闘」との言葉で表すことには「ナンセンスだ」と不快感を示していた。賃金引き上げは企業が自主的に決めるべきだとの中西会長の意向を強く反映させる。』

           

           上記記事の通り、経団連が賃上げの具体的な数値目標を削減するという方針を固めました。

           

           私は常日頃、実質GDPがプラスになっていても、GDPデフレーター(名目GDP増分÷実質GDP増分)やコアコアCPI(生鮮食品とエネルギーの価格変動を除く消費者物価指数)がプラスマイナスゼロ近辺をウロウロしていて、2%以上を継続的に達成できていない状況にある日本はデフレ脱却していないという認識を持っています。

           

           そして国防安全保障や仮想敵国中国との軍事バランスなども考慮すれば、一刻も早くデフレ脱却して経済成長を取り戻し、軍事費も十分に拡大できるようにしておかなければならないと思います。

           

           デフレ脱却という意味で賃上げは重要なものの一つと深く認識した上で、今回の目標削減方針については、全く違和感を感じません。経団連がいうように、春闘は経営側と労働側の折衝であるため、特に違和感を感じません。

           

           賃上げは、デフレが脱却して経営環境が改善していく中で、労働側がちゃんと要求すれば上がっていくものだからです。

           

           政府としては、経団連企業に対して直接賃金を上げるよう要請するよりは、むしろ経営側が自然に賃上げするようなマクロ経済環境を財政出動を中心として作り上げていくということが王道です。

           

           2018年の春闘では安倍総理がデフレ脱却に向けて3%の賃上げを求めたことを踏まえ、経団連指針で3%の賃上げとの社会的期待を意識しながら、自社の収益に見合った前向きな検討が望まれると明記していました。

           

           会社が自然に賃上げを労働側との折衝であげられるような土壌を作ることこそが政府の役割であって、政府が賃上げをどれだけ声高に要請したとして、企業は少しは賃上げを検討するかもしれませんが、ほとんどがポーズに終わり、結局安倍総理が要請しようがしなかろうが同じような結果に終わるでしょう。

           

           だから菅官房長官が経済界にどれだけ要請したところで、そんなものはクソの役にも立ちません。

           

           一方でデフレ脱却できていれば、経営者は先行きに自信を持ち、労働側からの賃上げ要請に対して普通に前向きに検討することが可能です。要はデフレ脱却さえすれば、賃金は自ずと上昇せざるを得ないのです。

           

           ましてや今、人手不足が露呈して、しかも人手不足は継続中でもあります。この人手不足が継続している限りにおいて、外国人労働者の受入さえしなければ、自ずと賃金は上昇していきます。

           

           それこそ資本主義の原則に基づいて、そうした環境をしっかりと作っていくことこそが大事であり、政府の役割であるといえるでしょう。

           

           では、そういう環境は、どうすれば作れるのでしょうか?となれば、それは「躊躇なき”国債増刷”」「積極的な”財政出動”」というポリシーミックスに加え、外国人労働者を受け入れないということです。

           

           安倍政権は誠に残念なのですが、「国債増刷せず市中の国債買取による金融緩和だけをやっている」「財政出動も積極的ではなく、民主党政権のときよりも公共事業は増えていない」「2019年4月から出入国管理法改正により外国人労働者受入拡大をやり、経済成長ができる人手不足のチャンスをつぶしている」というのが安倍政権の政策ラインナップです。

           

           経団連の対応は置いておいて、安倍政権の政策では残念ながら経済成長どころか経済衰退、日本亡国化、中国への属国化一直線としかいえません。菅官房長官にしても、賃上げ数値目標を主張されることよりも、デフレ脱却のために自分たちがやっている政策が間違っているということに気付かない限り、日本の再デフレ化、さらなるひどいデフレ化は避けられそうにもないと思うのです。

           

           

           というわけで今日は「経団連の賃上げ数値目標削減について」と題して論説しました。


          経済移民を受け入れてしまった欧米諸国の苦悩

          0

            JUGEMテーマ:グローバル化

            JUGEMテーマ:ドナルド・トランプ

             

             今日は「経済移民を受け入れてしまった欧米諸国の苦悩」と題して論説します。

             

             下記はNHKNEWSWebの記事です。

             

            『NHKNEWSWeb 2019/01/09 23:47 英議会でEU離脱協定案の審議始まる 承認得られる道筋見えず

             ことし3月に迫るイギリスのEU=ヨーロッパ連合からの離脱をめぐり、イギリス議会で、その条件を定めた協定案の審議が再開されました。メイ政権の離脱方針への反発は収まっておらず、今月15日の採決までの限られた時間で議会の同意を取り付けられるかが焦点です。

             

             上記記事は、英国議会下院で2019/01/09、欧州連合と合意したEUからの離脱案を巡る審議を再開したというニュースです。

             

             焦点となっているアイルランドとの国境問題の解決策について、未だ見つかっておらず、現状では2019/01/15(火)に採決しても、否決される可能性が高いといわれています。

             

             先行きが見通せないまま、3月末の離脱時期が近付いているということで混迷している状況にあります。

             

             一方で、トランプ大統領もメキシコの壁を巡って苦境に遭遇しています。下記は産経新聞の記事です。

            『産経新聞 2019/01/09 11:25 トランプ氏がメキシコ国境の安全に関し国民向けテレビ演説

            【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は8日夜、「メキシコ国境での人道および安全保障上の危機」に関し大統領執務室から国民向け演説を行った。メキシコ国境の壁建設費の予算計上をめぐる対立で連邦政府機関の一部閉鎖が18日目に突入する中、トランプ氏は「国境での危機は高まっている」と訴え、壁建設の必要性を強調した。

             トランプ氏は約8分間にわたる演説で、「メキシコ国境からの無秩序な不法移民の流入で全ての米国人が打撃を受けている」と指摘。人身売買、違法薬物、犯罪者の流入も絶えず、米国の安全を守るには国境に壁を建設するのが不可欠だと改めて主張した。

             トランプ氏が大統領執務室から国民向け演説を行うのは初めて。

             トランプ氏は、議会の承認手続きを経ずに壁建設予算を確保するため「国家非常事態」の宣言も検討しているとされるが、今回の演説では言及しなかった。ただ、この日の演説を受けて事態の打開が見込めないと判断した場合、数日中に非常事態を宣言するとの見方も広がっている。

             トランプ氏はまた、壁建設の費用として57億ドル(約6200億円)を予算に計上するよう改めて要求。「民主党の要請で壁の材質をコンクリート壁から鋼鉄の柵に変えた」と「譲歩」の姿勢も強調した。

             一方、野党・民主党のペロシ下院議長とシューマー上院院内総務はトランプ氏の演説を受けて反論演説を行った。

             2人は国境警備の重要性は認めつつ、「国境警備と政府機関再開の問題を分離すべきだ。政府機関の再開が先決だ」(シューマー氏)などと訴え、トランプ氏と徹底対決する姿勢を改めて打ち出した。

             トランプ氏は9日も議会民主党指導部をホワイトハウスに招き、引き続き事態の収拾策を協議する。同氏は10日にはメキシコ国境地帯を視察し、国境警備隊員らを激励する予定。』

             

             上記記事は、ねじれ国会となった米国議会で、トランプ大統領がメキシコ国境の壁建設で苦境を深め、2019/01/08に異例の国民演説に踏み切ったというニュースです。

             

             「国境警備は極めて重要だ!」ということで、無秩序な不法移民の流入が米国民に打撃を与えていると指摘しています。

             

             一方でメキシコ国境の壁建設予算を巡る対立で政府機関が一部閉鎖となり、今もなお閉鎖は続いている状況で、過去最長に近づこうとしていることに加え、与党の共和党からも造反の動きが出ているなど、トランプ大統領も苦境にあえいでいます。

             

             英国のEU離脱、米国のメキシコ国境強化、これらはどちらも過激なグローバリズム・自由貿易のみならず、人の移動の自由、過剰な移民の流入を食い止めようとする動きであり、EU離脱も国境の壁建設も同じベクトルです。

             

             移民を受け入れてきたが、国家の状況がおかしくなってきたので「移民受入をやめよう!」ということで誕生したのが、メイ首相であり、トランプ大統領です。

             

             ところが年明けのこうしたニュースを見ていますと、なかなかうまくいっていないということが理解できます。一度移民を受け入れ始め、それをしばらく続けると止められなくなるのです。

             

             何とか移民流入を止めようとメイ首相、トランプ大統領は頑張っていますが、難しい。これ、日本もこうなる可能性が濃厚です。

             

             昨年度出入国管理法が法改正され、2019年4月から外国人労働者をより多く入れることになります。今、労働力不足というだけで外国人を多く受け入れるということで、単なる短期的な目線、経営の目線だけの問題で、外国人労働者を受け入れようとしているわけですが、これをより加速化して受入を継続した場合、途中で日本が国家としておかしくなったからといって、止めようと思って英国や米国と同様に止められなくなるというのは目に見えて明らかです。

             

             日本に来るのは、ロボットや機械や部品が来るのではなく、生身の人間です。養子一人育てるのですら大変なわけですから、生身の人間を受け入れるというのは大変な責任が生じるのです。

             

             外国人労働者を受け入れた企業は、景気が悪くなれば絶対に外国人労働者を解雇するでしょう。日本人を解雇しないより外国人が先に解雇されるのであればいいのでは?と思われる人がいたら、完全思考停止です。

             

             解雇された外国人労働者はどうなるのでしょうか?失業保険を給付するのでしょうか?生活保護を受給するのでしょうか?日本人のために積み立てられて創設された社会保険制度が、目先のことしか考えない企業によってそうした外国人の食い物にされていいのでしょうか?結局税金で補てんすることにならないでしょうか?社会保障制度そのものを無くしたら、日本人ですらセーフティネットが無くなってしまうことにならないでしょうか?

             

             こうした短期的な目の前のことしか考えない経営者らを批判したくなるのは、私の価値観では当然であるとして、政府にも問題があります。政府がすべきことは外国人労働者の受入を推進することではなく、日本人の一人当たりの生産性向上のために、政府が負債を増やして率先して投資し、企業が設備投資や人材投資をしやすくする環境を整備することではないでしょうか。

             

             政府がそうした環境を整備することで、デフレ脱却して経済成長して社会保障制度もおつりがくるくらいの税収増となることができるのです。

             

             ところが政府は私が考えていることと真逆のことをやろうとしています。今回取り上げた2つのニュースにある英国のメイ首相、米国のトランプ大統領らの苦境は、将来の日本を占っているといえます。

             

             欧州の場合、英国でいえば、英国国民同士でも摩擦が生じました。英国のロンドンでは45%しか英国人がおらず、55%は外国人という状況です。ドイツは既に25%がドイツ人以外の人々となっています。

             

             ドイツには「ドイツのための選択肢」という政党があり、略称はAfD(アーエフデー:Alternative fur Deutschland)です。このAfDは移民排斥なのですが、メルケルの支持率低下が続く最中、逆に支持率を伸ばしてどんどん強くなってきています。

             

             いずれドイツも英国や米国のようになっていくことと私は予想しますが、ドイツも英国や米国と同様の壁にぶち当たるとも予想しています。結局、25%も外国人がいると、移民を止めるも止めないもなくなってしまうからです。

             

             移民受入は、最初から抑制的にやらなければ、英国のメイ首相、米国のトランプ大統領のように苦境に遭遇するということは当然の帰結であるといえるでしょう。

             

             

             というわけで、今日は「経済移民を受け入れてしまった欧米諸国の苦悩」と題して論説しました。

             2019年4月から移民を大量に受け入れますが、これを価値観の多様化とか抽象的な言葉を使って許容していく風潮を醸成していくことに対しては、私は大変な警戒感をもっています。

             日本のマスコミが欧米の窮状をちゃんと報道すればいいのですが、日本のマスコミはグローバリズム礼讃で、むしろ反グローバルを毛嫌いしており、日本のマスコミを信じる日本国民は、結果的にミスリードしてしまうことでしょう。

             そうしたミスリードに陥らないようにするために、改めて英国のEU離脱、米国のメキシコ国境建設についてのマスコミの報道の在り方について、私は見守っていきたいと思っております。

             

             

            〜関連記事〜

            外国人労働者受入拡大の発想は、今後自分たちは低所得で生きていくことを宣言しているのと同じです!

            武力行使でなく民族洗浄による中国の日本に対する侵攻を助長する移民政策推進

            入管難民法改正で、移民大国へ加速化する日本とその問題点

            生徒の9割が中国人で占める日章学園九州国際高校(宮崎県えびの市)について

            EUは、このままだと解体か?

            ドイツ銀行の経営危機で、メルケル首相に強烈なブーメランが炸裂!

            ドイツで起きている2つの問題

            安倍政権の移民受入推進により、中国人らの食い物にされている国民健康保険について

            外国人フリーライド(日本の社会保険制度のタダ乗り)問題

            「規制は悪」で「自由が正しい」という人は、リビアに行きましょう!(ドイツとリビアのグローバリズム)

            メルケル首相の移民無制限受入宣言から方針転換へ!

            ドイツのメルケル首相の移民受入無制限宣言の結果、発生してしまったケルン事件

            英国メイ政権が関税同盟維持をEUに提案

            教科書で語られない16世紀の日本人奴隷(豊臣秀吉の「伴天連追放令」の理由)

            イギリスとフランスの選挙を振り返る

            フランス・韓国の大統領選挙結果と反グローバリズム

            男の子の溺死写真がきっかけで、メルケル首相が難民受け入れを推進したことによるドイツ国民の不幸

            英国がEU離脱で支払う金額7兆円!

            イギリスのメイ首相のEU離脱宣言について!


            IMFとはどういう機関なのか?

            0

              JUGEMテーマ:プライマリーバランス

               

               今日は「IMFとはどういう機関なのか?」と題し、IMFについて述べたいと思います。

               

               私は2014年の年末にニューヨークに行った際、世界銀行とIMFの建物を見に行きました。場所はワシントンでホワイトハウスからも近くにあります。

               

              <世界銀行とIMF>

               

              (出典:2014年12月31日に杉っ子が撮影)

               

               IMFというのは、国連の専門機関の一つであり、1944年のブレトンウッズ体制で創設された機関です。創設にあたっては、第二次大戦中に戦後を見据え、ジョン・メイナード・ケインズ氏も尽力したといわれています。

               

               どんな機関なのか?と申しますと、加盟国の出資によって設けた基金で、短期融資によって困った国に融資し、国家運営の円滑化を図るということで、日本も1952年に加盟しました。

               

               端的にいえば国家が傾いたときに、その国家が加盟国であるならば、IMFからお金を借りられるというものなのですが、私に言われせれば、このIMFはとんでもない国際金融機関であるといえます。

               

               韓国経済がダメになった理由の一つとして、IMFが一因であると思っています。なぜならば、お金を貸す代わりに、とんでもない条件を付けられるからです。

               

               とんでもない条件とは、お金を借りたとたんに、超緊縮財政を要求します。プライマリーバランス黒字化達成をものすごく強要されます。

               

               お金を借りる側からすれば、緊縮財政をすればするほど税収が落ち込むため、プライマリーバランス黒字化なんて棚上げか破棄したいわけですが、それを許してくれないのがIMFです。

               

               そして背に腹は代えられず、IMFの言う通り緊縮財政の条件を飲む形でお金を借ります。

               

               結果、IMFから緊縮財政を要求されているがゆえに増税してお金を返すように言われるということで、大変悪名高い国際金融機関といえます。

               

               日本の場合、プライマリーバランスどころか、IMFからお金を借りる必要がないくらいです。そもそも日本円はハードカレンシーですし、IMFから借りるお金の通貨は米ドルです。米ドルなんて日本政府に必要ありません。石油輸入や穀物など食糧輸入の決済通貨は米ドルですが、日本円そのものがハードカレンシーであるため、普通に米ドルと交換ができるためです。

               

               これが韓国の場合、韓国ウォンはハードカレンシーでなく、ローカルカレンシーであるため、米ドルとの交換が普通にできなくなることがあります。例えば外貨準備高が不足していたり、発展途上国であるために韓国ウォンと米ドルの交換レートが極端に悪くなったりするのです。

               

               ギリシャの場合は、共通通貨建て債務のユーロ債務で苦しみましたが、ギリシャはIMFやECB(欧州中央銀行)からプライマリーバランス黒字化を強要されて結果的に税収が落ち込んで財政破綻しました。

               

               韓国経済も地獄のようなことになっているわけですが、韓国の場合は1997年にアジア通貨危機が発生し、IMFからお金を借りた後、徹底的な構造改革と緊縮財政をやったことで韓国には中小企業がなくなり、大手企業しか残らなくなりました。

               

               今の韓国経済が、地獄のように陥ったのは、IMFがもたらしたものともいえると私は思っています。

               

               なぜならばIMFは経済が生き物で、お金は循環するものであるにもかかわらず、それらを理解せずに軽薄な思い込みで、新自由主義的な思い込みで、間違った政策ばかりを強要します。

               

               最近でこそ、日本に対して公共事業を増やすべきであるというまともな言説も出ていますが、未だに意味不明な劣悪なレポートを出してもいます。

               

               そもそもIMFとはどういう機関なのか?

               

               IMFに所属する人々は、世界から集まります。その人らがIMFとして日本のレポートを書かせるとすれば、誰に書かせるのでしょうか?

               

               いうまでもなく日本人です。もちろん日本人以外の他国の人にもサポートしてもらうことはあったとしても、日本人が中心になって書きます。財務省職員やらがIMFに出向してという形で日本人が書きます。

               

               そのため緊縮財政を是とする日本の財務省職員が、IMFの名を借りてレポートを書くという手口で、意味不明な劣悪レポートが出され続けるということになります。

               

               普通の経済学者、エコノミスト、アナリストやちょっと知ったかの経済通の人からみれば、国連の専門機関の一つのIMFが書いてあるだから間違いないと思いがちですが、実際は財務省職員が中心となって書いてあるものであり、財務省は省益確保のためには普通にデタラメや捏造する集団でもあります。

               

               例えばIMFによれば、日本の労働市場における外国人労働者の占める割合が2%程度と世界で最低水準であるから、労働市場の改革によって外国人労働者の割合を高めるべきなどといっていますが、むしろ外国人労働者がなくてもやって来られたというのは大変立派なことです。

               

               外国人労働者の割合が高ければいいという価値観そのものが、労働市場におけるインフレギャップ、デフレギャップや生産性向上による経済成長を無視した暴論です。

               

               むしろ外国人労働者を受け入れた米国や英国や欧州諸国がおかしくなっているという事実を踏まえて論じられるべきであり、私たちもIMFのレポートを鵜呑みにしてはいけないないのです。

               

               

               というわけで今日はIMFという機関について述べました。

               

              〜関連記事〜

              アメリカ合衆国のニューヨークへ行った時の体験談

              ムーディーズなどの格付け会社の格付けは全く信用できません!

               


              IMFレポートはフェイクニュースならぬフェイクレポートか?

              0

                JUGEMテーマ:経済成長

                JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                 

                 今日は「IMFレポートはフェイクニュースならぬフェイクレポートか?」と題して論説します。

                 

                 昨年の2018/11/28にIMFが日本の経済情報を分析する報告書を公表し、日本が人口減少によって今後40年で実質GDPが25%以上減少しかねないとする試算を示しました。このレポートについて猛烈に反論させていただきたいと思います。

                 

                 下記は時事通信のニュースです。

                『時事通信 2018/11/29 00:13 日本のGDP、今後40年で25%減=外国人材の拡大検討を−IMF

                【ワシントン時事】国際通貨基金(IMF)は28日、日本経済の年次審査報告書を発表し、高齢化による人口減少で「実質GDP(国内総生産)は今後40年で25%以上落ち込む恐れがある」と予測した。労働力を確保して成長を継続させるため、外国人労働者の受け入れ拡大などを選択肢として検討するよう提言した。

                 IMFによると、日本の労働人口に占める外国人の割合は2%程度と世界でも最低水準。適切な受け入れ規模は各国が判断すべきだとしつつ、「日本の場合は特に技能を持つ外国人(の受け入れ拡大)が役立つ」(審査担当者のポール・カシン氏)との見方を示した。
                 IMFは、日本の高齢化に言及し、早急な改革に取り組まなければ成長力が落ち込むと分析。「女性や高齢者、外国人労働者のさらなる活用は人口減(問題)を一部補う」と検討を提案し、賃上げを図る所得政策の重要性も強調した。(2018/11/29-00:13) 』

                 

                 

                 上記記事の通り、今後40年間で実質GDPが25%以上落ち込むとし、労働力確保によって経済成長を高めるため、外国人労働者受入拡大を選択肢として検討するよう提言したとしています。

                 

                 私は、IMFのホームページで、この報告書とやらを探したのですが、見当たらず。しかしながら2018年11月28日プレスリリースというのを発見しました。そこには今後40年でGDPが25%以上落ち込むという記述が見当たりませんでしたが、「2018年 対4条協議終了に当たっての記者会見」という2018年10月4日発信のページに、その数値が記載されていました。下記はその抜粋です。

                以上、背景として申し上げた上で、私から四つの要素について述べてみたいと思います。この数週間での作業を受けての結果です。

                まず、アベノミクスが始まって6年目に入り、相当な成果が上がっています。三本の矢のおかげです。第一に、デフレリスクは後退しました。第二に、財政赤字は大幅に減っています。第三に、失業率もとても低いです。第四に、かなりの女性が就業するようになっています。しかし、インフレは日銀の目標2%をまだ大幅に下回っており、公的債務もまだ持続可能なところまで戻っていません。家計の所得も低迷中です。われわれの見解によると、こういった課題はさらに肥大化するのではないかと思っています。というのは、日本は高齢化および人口減少を続けるからです。われわれの評価としては、人口と経済の規模は、向こう40年間で約25%減るのではないかと思っています。これが第1点です。

                ということは、新鮮な目でアベノミクスを見る必要があります。そのためには力強い政策が必要だと思っています。基本的なわれわれの見解によると、アベノミクスの原則は有効であると思います。でも、これをもっと拡大し、持続可能にし、加速化する必要があります。より重要なことは、三本の矢をパッケージとして総動員するということです。それができれば、お互いに強化し合うことができるからです。

                3点目、フォーカスは今後、日本のマクロ経済政策の余地を再生していくということになります。現状によると、財政政策も金融政策もぎりぎりのところまで広げてきて、ショック対応の余地が限定的になっています。短期的な財政政策は成長を守るべきです。成長志向にならなくてはなりません。この脈絡では、消費増税がその一助となります。医療、年金などの経費充当の一助となり、財政再建を後押ししてくれるからです。しかし、われわれのリコメンデーションとしては、2019年の消費税引き上げは慎重にデザインされた緩和政策とセットであるべきと思っています。短期的なリフレを守る、成長のはずみを守るためです。少なくとも向こう2年間、フィスカルスタンスは中立であるべきだと思っています。

                短期を超えるということになると、今回の引き上げに次いで、漸進的な小幅な引き上げがあるべきと思っています。中長期的には、信頼できる、具体的な財政戦略を取ることが必要かと思います。公的債務を管理するため、高齢化関連のコストに応えるためです。日銀が堅持なさっている金融緩和をわれわれは支持しています。2%のインフレ目標を達成するという日銀のイニシアティブを、金融政策を持続可能にするという点で歓迎します。

                4点目、アベノミクスを再活性化することは、第三の矢、すなわち構造改革をさらにやることができるかに多分にかかっています。構造改革はいろいろとやることができます。その中でも、労働市場改革が最重点策ではないかと思っています。そして、これによって最大限の便益が得られると思います。労働者の生産性が高まり、デマンドの刺激も、賃金および物価につながる、そしてインフレに役立つからです。これが最重点策と思っているのですが、これに加えて、製品市場の改革、コーポレートガバナンス改革、貿易の自由化も進めるということだと思います。既に日本は後者においてはリーダーです。こういった改革は法制化する必要があり、実施しなくてはいけない、深さを持たなくてはいけない、そして信頼できるものでなくてはいけません。日本および日本国民がアベノミクスのメリットを最大限享受し、それを促進するために。

                 

                 外国人労働者の受入は、上記抜粋に見当たりませんでしたが、時事通信の記事の通り、2018年11月28日発信のプレスリリースには外国人労働者受入拡大を匂わせる記述がありました。

                 

                 トランプ大統領風にいえば、CNNやニューヨークタイムズやらマスコミのことをフェイクニュースといい、日本でも朝日新聞や毎日新聞がとんでもないと思いきや、日本経済新聞でさえも経済記事はフェイクニュースといえます。その論調でいえば、このIMFレポートもまたフェイクレポートといえるでしょう。

                 

                 韓国の文在寅大統領が経済を全く理解せず、韓国経済が瀕死の状態に陥っているということをお伝えしました。(記事名:「文在寅大統領が”コンクリートから人へ!”をやって疲弊した韓国経済」)適当な思い込みで”コンクリートから人へ”を推進して経済が疲弊しているのが韓国ですが、記事の内容からIMFレポートの内容は、文在寅大統領と同等レベルの劣悪レポートです。

                 

                 まず第一に高齢化による人口減少で、40年後に実質GDPが25%減少するという指摘について、そもそも経済のGDP成長即ち国民所得がどうすれば増加するのか?という認識が全くありません。

                 

                 一人当たり賃金も消費量も40年間変わらないという前提であるならば、人口減少した場合にその分減少すると言いたいのかもしれませんが、その言説自体が全くの誤りです。

                 

                 人手不足という状況は、労働市場において「需要>供給」というインフレギャップの状態であるため、賃金が上がる状況を創出できる環境にあるということを意味します。賃金上昇を通じて、人手不足を放置すれば、賃金上昇→所得上昇となって消費が増えるというメカニズムが駆動するという意味で、人手が余るよりも人手不足の方が経済成長でき得る環境といえます。

                 

                 安易に外国人労働者を受け入れるならば、賃金上昇が抑制され、消費が伸びず経済成長ができないメカニズムがあるということは、労働市場をみれば一目瞭然な話です。

                 

                 それを全く理解せず、移民政策推進を側面支援するために、IMFは報告書を書いているのでは?という疑義が濃厚なレポートであるという点が第一です。

                 

                 第二に外国人労働者を受け入れるとなれば、彼らだって人間です。人間を入れるとなれば日本社会に溶け込む能力が低い人々がいたとしても、外国人であればある意味当たり前の話。そのため文化や言葉も知らないということで彼らが失業し、彼らの対策のためのコストを税金で補てんするということで、どう考えても余計なコストです。日本人のニートやら失業者や生活保護受給者らの職業訓練のために税金で補てんするのであれば、必要なコストといえるでしょう。自国民ファーストを是とすれば、同じお金をかけるとしても後者の方にコストをかけるべきでは?という話になるでしょう。

                 

                 「外国人が大量に入ってくる=経済成長の足枷」ということを理解していないため、外国人労働者受入が経済成長を低下させる要因になるとの認識が全く欠如しているという点を指摘できます。

                 

                 以上の2点の通り、人手不足のメリットを認識せず、外国人労働者が日本国内に大量にいることで余計なコストがかかるという点で、このIMFレポートは到底信頼に足らないフェイクレポートであると断言します。

                 

                 皆さんは、IMFといえば、世界の名だたる権威ある機関であり、レポート内容がフェイクであるなどとは、にわかに信じがたいでしょう。しかしながら、言葉尻だけではなく報告書の内容の全容を見るに、マクロ経済を理解しているフリをしているだけの中身のないレポートです。

                 

                 少なくても労働市場におけるインフレギャップ、デフレギャップというものを全く認識していないレポートです。

                 

                 

                 というわけで今日は「IMFレポートはフェイクニュースならぬフェイクレポートか?」と題して論説しました。


                乗数効果について

                0

                  JUGEMテーマ:公共事業の経済効果

                  JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                   

                   今日は「乗数効果について」について論じたいと思います。

                   

                   私は、よくマクロ経済でいう「GDP3面等価の原則」について、例外なく一致するとしてブログでもよく取り上げさせていただいております。

                   

                   GDP3面等価の原則とは、生産面のGDP=支出面のGDP=分配面のGDPです。この数式からいえることは、消費を増やせばGDPが増えるということ。そしてその消費とは、個人でも政府でも企業でもよいのですが、ここでは個人消費に限定したいと思います。

                   

                   今みなさんが、今月から毎月の月給が10万増えるとしたら、どのようにされるでしょうか?

                   

                   10万のうち5万は使って5万は貯金する、あるいは8万を使って2万を貯金する、あるいは2万を使って8万を貯金するなどなど、バリエーションは無限にあるわけですが、仮に8万を使って2万を貯金するといった場合、限界消費性向=8/10と表すことができます。

                   

                   限界消費性向という言葉は、なかなか聞き慣れないでしょうし、聞いたことがあるという人であってもとっつきにくい概念です。一応、言葉の定義としては所得が1増加した場合に消費に回る割合のことを指します。

                  端的にいえば所得が10万円増加した場合の消費の増加分を限界消費性向といいます。いわば「もっと消費したい(=お金を使いたい)」という気持ちがどのくらいあるか?という数値です。

                   

                   逆に10万円増加した場合に2万円を貯蓄するという状況は、限界貯蓄性向=2/10と表すことができます。限界消費性向と限界貯蓄性向の合計は必ず1となります。

                   

                   では標題の乗数効果とは、どういうものでしょうか?経済成長のGDPとの関係では、下記式となります。

                   GDPの増分=乗数(※)×投資の増分

                   ※乗数=1÷(1−限界消費性向)

                   

                   この数式は、例えば限界消費性向が0.8だった場合、乗数=1÷(1−0.8)=1÷0.2=1÷(2/10)=10/2=5と使います。この5という数字の意味は、1投資をした場合、5GDPが増えるということです。即ち限界消費性向が0.8であれば、投資1の増分に対して5経済成長できるということになりますが、これが乗数効果です。限界消費性向が0.8ならば、1万円が1万円の所得ではなく、1万円が5万円もの所得になるのです。

                   

                   それでは限界消費性向を0.95にした場合はどうでしょうか?

                   

                   乗数=1÷(1−0.95)≒1÷0.05=1÷(5/100)=100/5=20となります。先ほどと同様に20という数字の意味は、1投資した場合、20経済成長できるということになります。乗数効果は20倍ということになり、1万円が20万円の所得を生み出すということになります。

                   

                   したがって消費性向が0.80→0.95に高まれば、乗数は高くなるということがいえます。

                   

                   ここでもう一つ貯蓄=投資となることをご説明申し上げます。家計分野においては、消費と貯蓄という概念がありますが、企業の場合は消費ではなく投資になります。機械設備を買う場合は投資というのがイメージしやすいと思います。企業が原材料を購入する場合においても消費ではなく投資といいます。実際に内閣府のホームページのGDPの公表値は、在庫投資という表記でカテゴライズされています。

                   

                   所得=消費+貯蓄が家計分野だとすれば、企業分野は所得=貯蓄となります。

                   

                   パンが1個100円だったとして仕入原価20円とし、1個パンが売れた場合のケーススタディで考えてみましょう。

                   

                   企業所得=売上100円−仕入原価20円=80円

                   企業投資=仕入原価▲20円(在庫が1個減るため)

                   企業消費=0円

                   企業貯蓄=企業所得=80円

                   

                   個人所得=0円

                   個人投資=0円

                   個人消費=100円

                   個人貯蓄▲100円=個人所得0円−個人消費100円

                   

                   

                   企業所得と個人所得を合わせると下記の通りとなります。

                   

                      企業所得   消費者

                   所得=  80円 +  0円 = 80円

                   投資= ▲20円 +  0円 =▲20円

                   消費=    0円 +  100円 = 100円

                   貯蓄=  80円 +▲100円 =▲20円

                   

                   これは個人が20消費すると、社会全体の所得が20となることを意味します。貯蓄▲20円=投資▲20円となっていることがご理解できるかと思います。

                   

                   貯蓄=投資となることをご理解いただいた前提で、次の図をご紹介します。

                   

                  <図1:貯蓄=投資で一定として、社会全体の貯蓄とGDPと限界貯蓄性向の関係を表したグラフ>

                   

                   上図1は、社会全体の貯蓄とGDPと限界貯蓄性向の関係を表したグラフです。貯蓄=投資という関係については先述させていただいた通りです。投資曲線が一定であれば貯蓄も一定となります。

                   ところが、限界貯蓄性向を高めるとどうなるか?将来不安などでもっと貯金をしたいとする人が増えた場合、限界貯蓄性向は左へシフトします。

                   

                  <図2:限界貯蓄性向を左シフトした場合>

                   

                   上図2の通り、限界貯蓄性向を左へシフトするとGDPは減少します。即ちGDPは減少します。

                   逆に貯蓄せずに、もっと消費したいという消費者が増えた場合はどうでしょうか?即ち限界貯蓄性向が右シフトした場合はどうなるでしょうか?

                   

                  <図3:限界貯蓄性向を右シフトした場合>

                   

                   

                   上図3の通り、GDPは増加します。

                   

                   私たちは、つい倹約に努めようとします。あるサイトでオールアバウトが運営する”あるじゃん マネープランニング”見ていますと、ファイナンシャルプランナーの方が、しきりにどう貯蓄を増やしていくか?的なことを、相談者に対して指導しています。

                   

                   ところが消費者個人が倹約にどれだけ励んだとしても、企業が倹約して内部留保をしたとしても、社会経済全体には何の意味も持ちません。むしろ限界消費性向が高まれば投資した場合の乗数も大きい。この場合の投資は企業の投資でなくても政府支出による投資(インフラ整備、科学技術投資、災害防災投資など)でも同様です。

                   

                   こうしてグラフを理解し、乗数効果の意味を理解できれば、消費者個人が貯蓄に励み、企業が内部留保を積み増すということが、不況に拍車をかけることは明白に理解ができるのではないでしょうか?

                   

                   逆にみんながお金を使えば、限界貯蓄性向を右シフトすることとなり、貯蓄は減らず増えもしませんが、所得は増えることになります。

                   

                   個々一人一人、一企業一企業ではデフレ環境ということもあり、貯蓄や内部留保をすることは正しいのですが、政府までもが投資せず、消費を削減するという緊縮財政をしてしまえば、GDPは全く増えません。このように個々について正しいことを、すべての人が行うことでカタストロフィを引き起こすことを「合成の誤謬(ごびゅう)」といいます。

                   

                   デフレが続けば社会の限界貯蓄性向は高まります。デフレ脱却し、多くの人々が「貯蓄しなくて消費して問題ない!」とお金を使い始めれば、たとえ限界貯蓄性向が低くても、どんどんお金を使ってGDPを高まるため、結果的に自分の所得が増えて貯蓄増加につながるのです。

                   

                   というわけで今日は乗数効果についてご説明し、限界消費性向、限界貯蓄性向との関係について論説しました。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                              

                   

                   

                  〜関連記事〜

                  借入金の否定=資本主義の否定(信用創造機能とは何か?)

                  「合成の誤謬(ごびゅう)」を打破するのは政府しかない!

                   

                   

                   


                  日本には財政問題は存在せず、金融緩和だけでは景気が良くなるわけがありません!

                  0

                    JUGEMテーマ:公共事業の経済効果

                    JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                     

                     今日は「日本には財政問題は存在せず、金融緩和だけでは景気が良くなるわけがありません!」と題して論説します。

                     

                     日本では、残念なことに多くの人々が、「財政問題で日本は破綻するぅー!消費増税しなければ社会保障が維持できないぃー!」とする言説が多く蔓延っています。実際は、政府が抱えている負債は、100%円建ての国債であるため、いざ国債が暴落するとなれば日銀が買い取ればいいだけの話です。

                     

                     はたまた株式投資のご経験がある人であれば、株式の信用取引と同様に、外国人投資家やヘッジファンドが日本国債の格付けが低いことを理由に、空売りを仕掛けてくるなどという人もいます。

                     

                     日本には本当に財政問題が存在するのでしょうか?改めて今日はこの問題について意見します。

                     

                     下記は2018年9月末時点と2017年9月末時点における国債の所有者別シェアの速報ベースの数値比較です。

                     

                    <国債の所有者別シェア(2018年9月末速報)>

                     

                     

                    <国債の所有者別シェア(2017年9月末速報)>

                    (出典:日本銀行のホームページの資金統計循環のデータから作成)

                     

                     

                     2018年9月末速報と2017年9月末速報との比較で、注目すべき数値は下記の通りです。

                     

                    ●中央銀行(=日本銀行)

                    40.9%(2017年9月末速報)⇒43.0%(2018年9月末速報)

                    ●預金取扱期間(=商業銀行)

                    16.8%(2017年9月末速報)⇒15.2%(2018年9月末速報)

                    ●保険・年金基金

                    21.6%(2017年9月末速報)⇒21.5%(2018年9月末速報)

                    ●海外

                    11.0%(2017年9月末速報)⇒11.6%(2018年9月末速報)

                     

                     上記数値を踏まえ、下記1〜6の順に論説します。

                    1.矛盾をはらむ物価目標2%は、コアコアCPIでの2%目標に変更すべき!

                    2.金融緩和だけでインフレになるわけがない

                    3.日本のGDPが500兆円を20年間横ばい推移している理由

                    4.日本の財政が信用失墜すれば外国人投資家が国債売却して国債が暴落するのウソ

                    5.迫りくる金融緩和強制終了シナリオを回避するには「国債増刷」と「政府支出増」のミックス政策しかない

                    6.「国債増刷」と「政府支出増」のミックス政策が金融緩和強制終了を回避する唯一の方法

                     

                     

                     

                    1.矛盾をはらむ物価目標2%は、コアコアCPIでの2%目標に変更すべき!

                     

                     この数値比較でいえることは、アベノミクス第一の矢である金融緩和政策を継続していることで、銀行が保有する国債が日本銀行に買われ続けているということが明確にわかります。アベノミクス第一の矢の金融緩和は、コアCPIでの物価目標2%を達成するまで、金融緩和を継続するというものです。

                     

                     残念ながらコアCPIでの物価目標2%達成には、程遠い状況です。

                     

                    <消費者物価指数の状況>

                    (出典:総務省統計局のホームページから引用)

                     

                     2015年から2017年では、2016年にマイナスに落ち込んでいます。エネルギー価格の下落という要因がありますが、エネルギー価格の下落は、日本経済にとってはむしろプラスに働きます。なぜならば日本には資源がないからです。

                     

                     石油やLNGガスを輸入に頼る日本にとって、物価目標2%の数値は、本来であればコアコアCPI(生鮮食品及びエネルギーを除く総合)で定めるべきです。もし、ホルムズ海峡で機雷が撒かれて海上封鎖になったり、中東で戦争が勃発すれば、原油価格上昇となります。原油価格が上昇すれば、コアCPI(生鮮食品を除く総合)も上昇します。

                     

                     コアCPIがそうしたシナリオで上昇したとしても、日本のGDP増加とならず、カタールなどの原油産油国のお小遣いが増えるだけであり、コアCPIで物価目標2%達成ということ自体、そうした矛盾をはらんでいるのです。

                     

                     上表の通り、コアコアCPIは、2015年に1.4%まで上昇したものの、2016年0.6%、2017年0.1%と低迷し、2018年度も11月末時点で0.3%と、2%達成にはほど遠い状況ですが、中東戦争勃発で日銀の物価目標達成というおかしな話にならないようにするため、物価目標2%は速やかにコアコアCPIの2%に変更すべきであることを主張します。

                     

                     

                     

                    2.金融緩和だけでインフレになるわけがない

                     

                     当たり前ですが、金融緩和するだけでは、インフレになるわけがありません。金融緩和によるマネタリーベース増だけでは、物価は変動しようがないのです。物・サービスとお金の対価がない限り、日本銀行がどれだけ現金を増やそう(=マネタリーベースの増加させよう)が、物価変動しません。

                     

                     よくある論説に、マネタリーベースを増やせば、マネーストックも増加するという論説があります。これは1976年にノーベル賞を受賞したミルトン・フリードマンらが提唱する論説です。

                     

                     私はこの論説にも反対の立場です。マネタリーベース増加とは、具体的には、銀行の日銀当座預金を増やすということなのですが、日銀当座預金をどれだけ増やしたとしても、物・サービスを値下げしないと売れないデフレの環境下では、儲かりにくい環境ということで企業はお金を借りようとせず、マネーストックの増加につながりません。

                     

                     本来であれば「政府支出増」によって、内需拡大をすればいいのですが、2014年以降の安倍政権は逆のアクセルを踏んでいます。具体的には2014年の消費増税、本予算+補正予算ベースでの緊縮財政、種子法廃止や水道法改正による国家インフラの民営化によって、政府支出を削減しようとしています。

                     

                     GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出

                     ※純輸出=輸出−輸入

                     税収=名目GDP×税率×税収弾性値

                     

                     GDPの計算が上記式で算出されるため、政府支出削減はGDP減少で、経済成長どころか経済低迷・縮小となります。

                     

                     何が言いたいかといえば、金融緩和でマネタリーベースを増やす反対側で、政府支出削減や個人消費削減につながる消費増税をすれば、設備投資が冷え込んでGDPは増えないということになるため、インフレにならずコアコアCPIでのインフレ率2%達成から程遠くなることになるでしょう。

                     

                     

                     

                    3.日本のGDPが500兆円を20年間横ばい推移している理由

                     

                     ではなぜ安倍政権が緊縮財政を推進しているにもかかわらず、GDPが500兆円を維持できているのでしょうか?

                     

                     理由は高齢化によって医療費・介護費が増加しているからです。自己負担30%が個人消費増、健保負担70%は政府支出増ですので、GDP成長(=経済成長)につながります。ところが、財務省は高齢化という経済成長の種を、医療報酬・介護報酬の引き下げやジェネリック推進や自己負担引上げなどで潰そうとしています。

                     

                     本来、医療介護費の増加を放置しておけば、その分経済成長できたことになるのですが、増加する医療費・介護費を抑制する緊縮財政をやっているため、その分が経済成長が削がれてしまってしまい、結果的に経済成長できず20年間500兆円を横ばい推移するにとどまっているのです。

                     

                     

                     

                    4.日本の財政が信用失墜すれば外国人投資家が国債売却して国債が暴落するのウソ

                     

                     日銀の資金循環統計のグラフの通り、外国人投資家も2018年9月末速報時点で11.6%のシェアがあります。金額にして120兆円程度といったところでしょう。

                     

                     外国人投資家が日本政府の円建て国債を買う理由は、機関投資家からみた安全金融資産という見方もありますが、外貨準備高として国債を保有しているものもあります。他国政府が外貨準備高として円建て資産を保有する場合、銀行預金を選択することはあり得ません。銀行の円建て預金はペイオフ制度で1000万円しか保証されないからです。

                     

                     ところが日本国債であれば1000万円という上限はありません。日本で安全な金融資産といえば日本国債が一番安全なのです。

                     

                     仮に外国人投資家が財政の信任とやら、抽象的な理由で国債を大量売却したとして、大量の日本円を手に入れます。日本円は日本国内でしか使えないため、外国人投資家は銀行で円売りドル買いをします。円を手に入れた銀行は、設備投資借り入れや、住宅ローンなどの資金借入需要がなければ、結局日本政府の円建て国債を買う羽目になります。

                     

                     銀行にとって円建て預金は負債勘定であるためです。銀行といえば聞こえがいいですが、預金には利息を付けなければならないため、誰かに貸し出ししなければなりません。信用創造機能という預金がなくてもお金を貸し出すことができるという機能を持ったとしても、借りてくれる人がいなければ信用創造も関係ありません。

                     

                     ある意味でノンバンクの消費者金融や商工ローンと同じで、借りてくれる人がいなければ銀行は破綻します。

                     

                     デフレで儲かりにくければ、企業はお金を借りませんし、非正規雇用増加で住宅ローンも自動車ローンも伸び悩むとなれば、国債を買うしかないのです。

                     

                     

                     

                    5.迫りくる金融緩和強制終了シナリオ

                     

                     銀行は国債を買うしかないと申し上げましたが、確かに銀行は円建て国債を買っています。それは預金が負債勘定であるため、貸出資産を増やさなければならないからです。

                     

                     日本の円建て国債は収入が安定した貸出資産であり、バーゼル条約でも自国通貨建て国債は、BIS規制の計算上もリスクウェイト0%としています。だから購入しやすく銀行経営を安定化させます。

                     

                     ところがアベノミクスの金融緩和は、銀行が保有している国債を、日銀が買い取っているのです。

                     

                     アベノミクスの金融緩和は、具体的には日銀に銀行が保有する国債を買い取らせ、銀行に日銀当座預金という資産に振り替えさせます。日銀当座預金は基本的には利息が付与されません。銀行としては貸し出しをしなければいけないというプレッシャーになるのですが、デフレ環境で物・サービスの値段を下げなければ消費者が買ってくれないという状況では、企業が儲かりにくいということで資金を借りてまでビジネスをしようとはならないのです。

                     

                     どれだけ金利が下がろうと、法人税を引き下げようと、デフレ環境下では資金需要はありません。

                     

                     先述のグラフでは、預金取扱機関の所有シェアは、16.8%(2017年9月末速報)⇒15.2%(2018年9月末速報)となっていました。銀行の資産運用として、リスクウェイトゼロの国債をポートフォリオから外し、企業の融資や外債や株式投資だけで運用するということはあり得ません。そもそも銀行のビジネスモデルが崩壊している状況であることを私たちは改めて認識する必要があります。

                     

                     このデフレを放置したまま金融緩和を継続した場合、やがて預金取扱機関が保有する国債が尽きてしまうことになります。そうなれば、金融緩和強制終了となり、2015年1月15日に発生したスイスフランショック事件と同じ事件が起きます。

                     

                     急激な円高→日本株大暴落となって、日本経済は混迷を極めるどころか大打撃を受けることになるでしょう。

                     

                     

                     

                    6.「国債増刷」と「政府支出増」のミックス政策が金融緩和強制終了を回避する唯一の方法

                     

                     このシナリオを回避するには、国債増刷しかありません。借金を誰かが増やさない限り経済成長ができないという資本主義の理論を、私たち日本人は十分に理解する必要があります。

                     

                     そうすれば個人や家計はデフレであるがゆえに借金しにくいけれども、「政府はもっと借金してお金を使え!」という話になるのです。

                     

                     幸いにも日本は総人口が減少に転じたとしても、自然災害大国であるがゆえに防災減災の投資需要があります。また高齢化によって医療・介護費も増えるため、国費で賄う割合を増やすべく、自己負担額引き下げという方法もあります。少子高齢化で一人当たりの生産性向上のためのインフラ投資として高速鉄道、高速道路、港湾整備の需要もあります。

                     

                     仮想敵国中国や朝鮮半島情勢で防衛の需要も多い。米国のロッキード社から戦闘機を買うだけではGDP成長できませんが、イージス艦を日本で建造するなどすれば、政府支出増に該当してGDP成長します。

                     

                     科学技術立国の再復活のため、科学技術予算を増加させる需要もあるでしょう。応用技術が多岐にわたるとされる国際リニアコライダー事業は、日本の科学技術振興復活として普通にお金を出すべきでしょう。

                     

                     といってもリニアコライダーは国際事業であるため、金額はたったの4000億円です。この4000億円ですら、日本学術会議が資金が無駄になるおそれがあるとして反対しています。

                     

                     逆に中国はSPPC(スーパー・プロトン・プロトン・コライダー)ということで、東京の23区全域の面積に相当する土地に、加速器を建造する計画を打ち出し、日本がリニアコライダーを招致しなければ、中国が招致に名乗り出る可能性が極めて高い状況です。

                     

                     日本は資源がないという欠点を持つ国家であるため、こうした科学技術がなければ、どれだけお金を貯めたとしてもダメな国になってしまうでしょう。

                     

                     がん治療でPD1を発見した本庶佑さんらが、科学技術予算削減でノーベル賞受賞者が出なくなると危惧されていますが、私も同様の危惧をしています。

                     

                     人口の増減は経済成長と相関関係が高くなく、人口の増減に関係なく日本には需要が多い。そのため、普通に建設国債や教育国債や科学技術国債などの国債を増刷して政府支出増をすれば、金融緩和強制終了シナリオを普通に回避できます。

                     

                     

                     

                     というわけで今日は「日本には財政問題は存在せず、金融緩和だけでは景気が良くなるわけがありません!」と題して論説しました。

                     2019年度は最大のイベントである消費増税が控えています。この消費増税10%がこのまま実行される場合、リーマンショックの倍以上の経済ダメージを受け、中国の属国となる日が近づいていくことでしょう。

                     消費増税をしなくても「国債増刷」と「政府支出増」の組み合わせを継続的にやれば、日本の総人口がどれだけ減少しようとも、普通にGDPが成長(=経済成長)し、税収弾性値によって名目GDPの成長以上に税収が増えるため、社会保障を維持するどころか十分におつりがきます。

                     水道法改正の民営化や種子法廃止といった緊縮財政を直ちにやめ、外国人労働者受入もやめたうえで、政府支出増で高速鉄道高速道路港湾等インフラ整備、科学技術振興、イージス艦建造、医療費介護費拡大などすれば、設備投資が増え、デフレ脱却できます。

                     かつてジョン・メイナード・ケインズが、内需拡大の重要性を訴えたケインズ理論というものを提唱しました。ケインズ経済学を知ることで、「輸出への傾斜は国力弱体化につながる」「構造改革が日本をダメにしてきた」という事実を知ることができ、「国債増刷」「政府支出増」が正しいと理解できるものと改めて私は思うのです。

                     

                     

                    〜関連記事〜

                    財政法第4条について(公共事業の費用は国債発行して何ら問題なし!)

                    「日銀の円建て国債購入が財政法第5条による財政ファイナンスに該当する」との指摘に対する反論

                    グローバル輸出で稼ぐというのは、自国の繁栄を他国の犠牲の上に作るエゴむき出し政策です!

                    三菱UFJ銀行と三井住友銀行がATMを相互解放へ!

                    日銀が保有する国債は、地球が崩壊して滅亡するまで放置でOK!

                    借入金の否定=資本主義の否定(信用創造機能とは何か?)

                    国債は何兆円まで発行できるのか?(管理通貨制度について学ぼう!)

                    国際リニアコライダーについて

                    堤防建設という公共工事の経済効果(物語「稲むらの火」の主人公、濱口梧陵の偉業)

                    公共工事B/C(ビーバイシー)基準と宮城県釜石市の「釜石・山田道路(通称:命の道)」

                    B/Cの在り方を問う!(港湾整備の経済効果)


                    オマーンのマスカット市内とワディシャーブの視察

                    0

                      JUGEMテーマ:中東

                      JUGEMテーマ:海外旅行 総合

                      JUGEMテーマ:旅行記

                       

                       あけましておめでとうございます。

                       2018/12/29に羽田を発ち、2018/12/30にオマーン入り2019/01/02の夜に日本へ帰国して、深夜に自宅に無事到着しました。

                       

                       今日はオマーンについて、ガイドさんからお聞きしたことなどをまとめながら、撮影した写真を掲載したいと思います。

                       オマーンのマスカットの場所は、下記の通りです。

                       

                      <オマーンのマスカット(右下を参照)>

                       

                       12/29〜01/02の行程概要は下記の通りです。

                       

                      【初日:12/29(土)】

                       23:50東京羽田空港発 ⇒JL7999便⇒ 翌日06:10ドーハ・ハマド国際空港着

                       機内泊

                       

                      【2日目:12/30(日)】

                       08:45ドーハ・ハマド国際空港発 ⇒QR1138便⇒ 12:35マスカット国際空港着

                       マスカット市内視察

                       プラチナ・ホテル泊(マスカット市内)

                       

                      【3日目:12/31(月)】

                       マスカット市内散策

                       プラチナ・ホテル泊(マスカット市内)

                       

                      【4日目:01/01(火)】

                       クリヤート村の魚市場見学

                       ワディシャーブ視察

                       プラチナ・ホテル泊(マスカット市内)

                       

                      【5日目:01/02(水)】

                       04:35マスカット国際空港発 ⇒QR1149便⇒ 05:25ドーハ・ハマド国際空港着

                       07:05ドーハ・ハマド国際空港発 ⇒JL7998便⇒ 22:30東京羽田空港着

                       

                       

                       

                      1.オマーンと日本との関係

                       

                       日本と時差が4時間あるオマーンですが、私がなぜオマーンという国に興味を持ったか?その理由は、大山清子さんという日本人に興味を持ったからです。

                       

                       第二次世界大戦前のできごとですが、オマーンの国王の座を捨てたタイムール(当時47歳)というオマーン人が、兵庫県神戸市に住む大山清子さん(当時19歳)という方と結婚したという話があります。タイムール氏が大山清子さんに一目ぼれし、結婚を申し入れるも当然両親が反対。年の差も倍以上ということもあったようですが、それでもタイムール氏は大山清子さんに果敢にアプローチし、国王の座を捨てて大山清子さんと結婚しました。

                       

                       二人の間には、「節子」という女の子が生まれました。その際に国王の座を捨てて息子のサイード王に国王の座を譲ったのですが、その国王が「節子」の誕生を祝って来日してタイムール氏に会いにきたのでした。

                       

                       これまでタイムール氏は、大山清子さんに自分が国王であったことをいわず、資産家の息子ということでお付き合いしていたため、大山清子さんもサイード王が来日して突然自宅に来たためびっくりし、そのとき大山清子さんは初めてタイムール氏が国王であったこと、国王の身分を捨てて日本に永住することを決意したことを明らかにしたのだそうです。

                       

                       その幸せは長く続かず、大山清子さんは結核を患い、23歳という若さで命を落とします。大山清子さんの死後、タイムール氏は、娘の「節子」が将来、オマーンの王族の相続権を得られるよう彼女を連れてオマーンへ帰国しました。

                       

                       節子は「ブサイナ妃」と名付けられて王室の身分を得ました。タイムール氏は第二次大戦後に亡くなりますが、ブサイナ妃が1983年に来日し、大山清子さんの墓前に墓参りをしたとのことでした。

                       

                       このような物語があるため、オマーンは3.11の東日本大震災の際も、赤十字経由の義援金の金額ランキングにおいて、米国29億、台湾29億、タイ20億に次いで4位10億となっており、3.11のときにもオマーンは大変な資金援助をしていただいたという事実があるのです。

                       

                       そんなことを考えながら、旅行をしてきました。

                       

                       

                       

                      2.現地ガイドの取材

                       

                       現地のガイドのサンジェイ(sanjay)さんからはインドのジャイブール出身のインド人なのですが、オマーンについて詳しくお聞きした情報をまとめました。サンジェイさん曰く、インドは労働市場の競争が厳しく、給料を稼げないため、オマーンに住むことにして生活しているとのこと。そのサンジェイさんに取材させていただき、お聞きした情報は下記の通りです。

                       

                      (1)人口

                       ●オマーンの人口:450万人

                       ●首都マスカットの人口:150万人

                       ●450万人のうち、230万人がオマーン人で、オマーン国籍の人は、教育・医療は無償とのこと。残り220万人は移民。

                       (サンジェイさんも移民の一人)

                       

                      (2)国籍別の主な就業業種

                       ●フィリピン人、バングラディッシュ人:レストラン、スーパーマーケットの店員

                       ●パキスタン人:トラックドライバー

                       ●欧州人:企業のオフィスワーカー

                       ●オマーン人:公務員

                       

                      (3)賃金

                       ●平均賃金:1,650米ドル/1カ月

                       ●最低賃金:930米ドル/1カ月

                       

                      (4)防衛

                       ミサイル、戦車、銃は米国製。

                       戦闘機はロシア製(スホイ戦闘機、ミグ戦闘機)。

                       

                      (5)電力

                      火災発電所のみで、原子力発電所、太陽光発電はゼロ。

                       

                      (6)貿易(輸出入)と石油

                       ‘本への主な輸出品目

                        石油、ガス、香水

                       日本からの主な輸入品目

                        携帯電話 コンピュータ マシン テクノロジー

                       石油の輸出までの経緯

                        1962年に油田を発見。

                        1968年11月に初輸出し、14,000百万ドル相当を日本へ輸出。

                       だ侈の輸出方法

                        油田から港まで約700kmをパイプラインで流し、港から石油船(石油タンカー)で輸出している。

                       ダ侈の権益

                        オマーン国内で採掘される石油の権益のうち60%をオマーン政府、34%をシェル(米)、4%をトタル(仏)が保有している。

                       Ε札瓮鵐

                        オマーン国内でセメント製造を行い、ドバイ、アブダビ首長国、サウジアラビア、インドに輸出している。

                       

                      (7)自動車社会と交通規制

                      乗用車はトヨタ自動車が多い。因みに杉っ子がチャーターした専用車もトヨタ自動車の車でした。

                       ー動車の登録ナンバー

                       個人:イエローの文字・数字

                       省庁と企業:レッドの文字・数字

                       新車:グリーンの文字・数字(1か月後に色を変える)

                       高速道路における速度規制 

                       時速120kmまでが速度制限。高速道路の所々で速度規制のカメラが設置されており、時速130舛覗っていた場合は普通に捕まり、罰金35リアルオマーン(≒9,798円)取られる。

                       0貳牝

                       交差点では信号による交通規制ではなく、円形の交差点となっている。オマーンは日本と異なり、右側通行なのですが、円形交差点では、自身の右手に車両が見えた場合は、右手の車の通行を優先させるというルールがあるようです。

                       同様の円形交差点は、アジアでも見られます。杉っ子は、インドのデリーや、カンボジアのプノンペンで見かけたことがあります。

                       

                      <カンボジアのプノンペンの円形交差点の様子>

                      (出典:杉っ子が2013年9月にカンボジアのプノンペンを訪問した際に撮影したもの)

                       

                       

                      (8)鉱工業・窯業

                       ー腓聞枴

                       コバルト、アルミニウム、石灰石(白色)、石膏(クリーム色)、銅

                       鉱物の主な用途

                       ・石灰石:家の壁塗り材

                       ・石膏:家の屋根材

                       ・銅:電線

                       

                      (9)農業

                       農産物の収穫量が、消費量を賄いきれないため、輸入もしているとのこと。

                       ワディシャーブでは、アプリコット、バナナ、レモン、グアバ、ザクロの栽培をしているところを見かけました。

                       _綿

                       7月〜9月にかけて雨がない。

                       バナナ、オレンジ、レモン、パパイヤ、ココナッツ、ザクロなどが獲れる。

                       ¬邵

                       トマトやジャガイモなどを栽培している。

                       9鯤

                       コメ・小麦の炭水化物は国内で収穫ができず、すべて海外から輸入している。

                       

                      (10)税制

                       法人税と贅沢品税はかかるが、所得税はかからない。

                       大企業法人税:12.5%

                       小企業法人税:5%

                       

                      (11)その他

                       〃築物の規制

                       ●階数規制:11階以下の建物であること

                       ●色の規制:白色かクリーム色

                       教育

                       中学校、高校は別学で、大学は共学となっている。

                       

                       

                       

                      3.撮影写真

                       

                      以下、撮影写真を掲載します。

                       

                       

                       

                      【初日:12/29(土)】

                       

                      JL7999便は、QR813便とのコードシェア便です。JL7999に搭乗します。

                      DSCN0001.JPG

                       

                       

                       

                      【2日目:12/30(日)】

                       

                      日付が変わりまして、すぐに食事です。

                      エコノミークラスの和食の食事です。

                      DSCN0003.JPG

                       

                      前菜(左上):菜の花とニンジンのサラダ、さくら大根、さつまいも

                      台の物(中央下段):カンパチの照り焼き、青のり入りご飯、ホタテのボイル、ニンジン、えんどう豆

                      ざるそば(中央上)

                      デザート(右上):かぼちゃのムースケーキ

                      左下:ミネラルウォーター

                      飲み物(右):ビール(ハイネケン)

                       

                      カタール航空は何度か搭乗しているのですが、左下の写真のように、ミネラルウォーターやオレンジジュースといった液体の飲み物が、プリンやゼリーみたいな容器に入って出てきます。これは機内食の保管スペースのためなのか、理由がわかりませんが、不思議に思います。

                       

                       

                      朝食です。

                      DSCN0004.JPG

                      前菜(左上):パンとバター

                      メイン(中央下段):マッシュルームのフリッタータ、鶏胸肉のハーブ風味、ハッシュブラウンポテト、ほうれん草のソテー、チェリートマトのロースト

                      添え物(中央上・右上):フルーツヨーグルト、フルーツ(オレンジとぶどう)

                      左下:オレンジジュース

                       

                      冷たい飲み物のメニューラインナップに、オレンジジュース、リンゴジュース、パイナップルジュースがあり、食事とは別に普通に無料で注文できます。

                      ですが、朝食の左下の写真の通り、オレンジジュースが出てきまして、先述の通りプリンやゼリーのデザートの容器に入っています。

                       

                      ドーハのハマド国際空港に着陸しましたが、空港ビルのボーディングブリッジへの着陸ではないため、地上に降りてバス輸送です。

                      写真は、JR7999便の機体の先頭部分です。

                      DSCN0005.JPG

                       

                       当初の乗継便は、07:20出発のQR1128便だったのですが、06:10到着で乗り継ぎに1時間10分しかありません。しかも空港ビルのボーディングブリッジでの着陸ではないとなると、バスでどのくらい時間がかかるのか?1時間10分で次の便に無事乗り継げるのか?不安でした。

                       

                       そのためドーハ・ハマド国際空港着陸したら、すぐに飛行機から降りる準備をして、一番にバスに乗ろうとしたのですが失敗。ちょうど杉っ子の目の前でシャットされて2台目に乗るよう空港職員からの指示がありました。

                       

                       そして不安は的中。空港ビルに到着したときにはAM7時を過ぎてしまい、07:20発のQR1128便の搭乗は締め切ったとのことでした。

                       

                       だいたい飛行機が空港に着陸してからモタモタして、機内でずっと留め置かれたうえ、バスの準備も遅いし、ようやく機内の人が動き出したと思ったら、1台目のバスの乗車が締め切り。果たしてこの乗り継ぎは、物理的に可能なのでしょうか?という疑問を持ちながらも、ドーハ・ハマド国際空港の職員に事情を説明したところ、無料での振替で09:45発のQR1138便に予約を変更してもらうことができました。

                       

                       

                       

                      ドーハ・ハマド国際空港の中の写真です。

                      DSCN0008.JPG

                       

                      2017年のGWにヨルダンに行った時も、ドーハ・ハマド国際空港がトランジットだったのですが、この巨大な人形は定番です。

                      DSCN0009.JPG

                       

                       さて、09:45出発といっても、搭乗開始時間が08:45と早い。しかもマスカットで送迎を頼んでいるため、飛行機の乗り継ぎに失敗して2時間30分程度遅れることを、送迎会社に連絡する必要がありました。

                       

                       ところが連絡先が分からず、インターネットで検索してと思うのですが、Wi-Fiもどう接続したらよいかわかりません。データローミングをオンにした場合、通信料がいくらかかるか?高額請求されるリスクもあるため、ダイナースクラブでラウンジを利用させてもらおうと思いました。なぜならば、ダイナースクラブのラウンジだったらWi-Fiも難なく接続できるだろうということに加え、PCも使える可能性があると思ったからです。

                       

                       ドーハ・ハマド国際空港のラウンジを急いで探すのですが、何とかラウンジを見つけてWi-Fi接続して、送迎を手配した会社にTELしようとしましたが、スマートフォーンでインターネットのサイト検索しても、日本語デスクの電話番号が見当たらず。

                       

                       取り急ぎメール送信を終え、ラウンジ内で食事をよそっていたときに、PCが2台だけ設置してあるのを発見。PCならば日本語デスクの電話番号がわからなくても、マスカットの現地の会社の電話番号がわかると思い、すぐにPCを確保。

                       サイトの連絡の画面で連絡しようとしました。が、入力が日本語入力できないため、英語で乗り継ぎに失敗したことと、代替の便は確定していること、マスカット国際空港への到着が2時間30分程度遅れることを、メールで送信しました。

                       

                      Excuse me.
                      Now 12/30/2018 8:21AM
                      Now I am in Doha HAMAD internashonal airport.
                      Because my airplane delayed.(Flight number JL7999 )
                      I change flight number QR1138.(Depareture 09:45)
                      I will arrive at Muscat about 2hours later.
                      Please tell this actident to guide.

                       

                       上記をメールした上で、バウチャーに記載の現地の事務所にTELして、事情を説明して理解していただきました。

                       ほっとしていたら、もう搭乗手続き開始時間の08:45。慌ててラウンジを出て、搭乗ゲートのB3という場所に向かいました。

                       

                       写真は、ドーハ・ハマド国際空港から撮影したQR1183便の機体がボーディングブリッジで接続されている様子です。

                      DSCN0010.JPG

                       

                       

                      マスカット国際空港に到着しました。

                      DSCN0011.JPG

                       

                      マスカット国際空港のボーディングブリッジから撮影した空港ビルの様子です。

                      DSCN0012.JPG

                      DSCN0015.JPG

                      DSCN0018.JPG

                      DSCN0019.JPG

                      DSCN0020.JPG

                      DSCN0021.JPG

                       

                      入国審査を終え、手荷物を引き取ります。

                      DSCN0022.JPG

                      DSCN0023.JPG

                      DSCN0024.JPG

                       

                      手荷物を受け取った後、1万円だけをオマーンリエルに両替しました。1万円=260オマーンリエルです。

                       

                      HSBC銀行のATMです。

                      DSCN0025.JPG

                       

                      いよいよオマーンへ入国します。

                      DSCN0027.JPG

                      DSCN0028.JPG

                       

                      送迎人が名札をもって待っています。

                      DSCN0029.JPG

                       

                      送迎人と合流し、そのまま車の方へ向かいます。

                      DSCN0031.JPG

                      DSCN0032.JPG

                      DSCN0033.JPG

                      DSCN0034.JPG

                       

                      無事プラチナホテルに到着できました。このプラチナホテルは、四つ星ホテルなのですが、近隣にスーパーマーケットがあり、買い物に便利なうえ、内装はロビーも客室(浴室含む)も大変きれいです。

                      DSCN0037.JPG

                       

                      ロビーの様子です。

                       

                      客室の様子です。

                      DSCN0035.JPG

                      DSCN0036.JPG

                       

                      スーパーマーケットに行きます。

                      プラチナホテルの周辺の街の様子です。

                      DSCN0038.JPG

                      DSCN0039.JPG

                      DSCN0040.JPG

                      DSCN0041.JPG

                      DSCN0042.JPG

                      DSCN0043.JPG

                       

                      HSBC(香港上海銀行)のATMです。

                      DSCN0044.JPG

                       

                      マスカット銀行のテナントが入居しているビルです。

                      車はバックではなく前から駐車しています。

                      DSCN0045.JPG

                       

                      スーパーマーケットです。

                      やはり車は前から駐車しています。

                      DSCN0046.JPG

                       

                      スーパーマーケットの店内の様子です。

                      DSCN0047.JPG

                       

                      珍しいジュースがありまして、例えばストロベリージュースとか、キウイライムジュースなどがありました。

                      DSCN0048.JPG

                       

                      ポカリスエットとオルナミンCもあります。

                      DSCN0049.JPG

                       

                      キウイライムジュースとプリンを買いました。

                      キウイライムジュースは、1.7リットルで280円程度です。

                       

                       

                      さて、夜間ではありますが、マスカット市内を視察しました。

                      写真はグランドモスクの写真です。

                      DSCN0054.JPG

                       

                      DSCN0057.JPG

                       

                      DSCN0058.JPG

                       

                      DSCN0063.JPG

                       

                      DSCN0068.JPG

                       

                      モスクの中に入ります。

                      正面の写真です。

                      DSCN0074.JPG

                       

                      左側の写真です。

                      DSCN0075.JPG

                       

                      右側の写真です。

                      DSCN0076.JPG

                       

                      入り口を抜け出たところの真正面の写真です。

                      DSCN0078.JPG

                       

                      左側の写真です。

                      DSCN0079.JPG

                       

                      右側の写真です。

                      DSCN0080.JPG

                      ガイドの人によれば、グランドモスクのライトは、ドイツ製のシャンデリアだそうで、大変高価なものだそうです。

                       

                      グランドモスクの後、マトラ・スークという場所に行きます。

                      ここからは、マトラ・スークという場所です。

                      DSCN0099.JPG

                      DSCN0100.JPG

                      DSCN0101.JPG

                      DSCN0105.JPG

                      DSCN0106.JPG

                      DSCN0108.JPG

                      DSCN0110.JPG

                      DSCN0112.JPG

                      DSCN0118.JPG

                      DSCN0121.JPG

                       

                      スークの入り口です。

                      DSCN0115.JPG

                       

                      スーク内の様子です。いろんな店が並んでいます。

                      スーク内の天井は、すべてアーケードで覆われています。

                      DSCN0125.JPG

                      DSCN0126.JPG

                      DSCN0128.JPG

                      DSCN0129.JPG

                      DSCN0137.JPG

                      DSCN0138.JPG

                      DSCN0139.JPG

                      DSCN0140.JPG

                       

                      木の実でしょうか?ナツメヤシか何かわかりません。

                      DSCN0142.JPG

                      DSCN0143.JPG

                       

                      スークを出ました。

                      DSCN0147.JPG

                       

                      続いては、アラム宮殿という場所です。

                      ここにもモスクがあります。

                      DSCN0149.JPG

                       

                      アラム宮殿です。

                      DSCN0161.JPG

                       

                      アラム宮殿のちょうど真後ろに、国立博物館があります。

                      DSCN0170.JPG

                       

                      ミラ二・フォートという場所から撮った写真です。

                      右側が、アラム宮殿の裏側。左の建物はジャラリ・フォートという建物です。

                       

                      マスカットゲートと呼ばれるオールド・マスカット地区に入る入り口です。

                      DSCN0186.JPG

                       

                      リヤム・ガーデンという公園です。

                      DSCN0196.JPG

                       

                      夕食会場の「Kargeen」というレストランです。

                      DSCN0215.JPG

                       

                      レストランの中の様子です。

                      DSCN0211.JPG

                       

                      DSCN0209.JPG

                       

                      店員おすすめのレモンミントというドリンクです。

                      DSCN0202.JPG

                       

                      店員おすすめのスープです。

                      DSCN0205.JPG

                       

                      杉っ子が注文したミックスグリルです。

                      DSCN0206.JPG

                       

                      DSCN0207.JPG

                       

                      DSCN0208.JPG

                       

                      ミックスグリルの中身は下記の通り。

                      ●ひき肉をナンで挟んだもの4切れ

                      ●骨付きの牛カルビ肉

                      ●鳥の手羽

                      ●鶏肉

                      ●牛肉

                      ●ケバブ

                      全部で6種類でした。

                       

                       

                       

                      【3日目:12/31(月)】

                       

                      ホテルの朝食のバイキングです。四つ星ホテルですが、食事は悪くありません。

                      DSCN0216.JPG

                       

                      この日は、ダウ船のクルーズを予約していましたが、急遽催行中止となってしまいました。疲れていたこともあって、この後、ずっと寝ていました。午後4時以降に、ホテル周辺を散策してみることにしました。

                       

                      前の日にも撮影しましたが、HSBC銀行のATMです。

                      DSCN0217.JPG

                       

                      鳩がたくさんいます。

                      DSCN0218.JPG

                       

                      レストランなどの飲食店やお店が並んでいます。

                      DSCN0219.JPG

                       

                      広場に鳩がたくさんいます。

                      DSCN0220.JPG

                       

                      猫を発見しました。痩せているようにみえます。

                      DSCN0221.JPG

                      DSCN0226.JPG

                       

                       いつだったか、中国のニュースで、日本が動物に対して寛容であることをポジティブに記事として書かれたものを目にしたことがあります。

                       奈良や安芸の宮島では鹿が人になつき、新宿や渋谷では鳩が悠々と人と一緒に歩き、野良猫は野良であっても毛並みが良くふくよかであるとし、中国と違って日本は動物にやさしいという記事でした。

                       マスカット市内の野良猫を見ていますと、日本の野良猫と違って痩せているようにみえます。鳩は日本と比べてどうなのか?よくわかりませんでした。

                       

                       引き続き散策です。スーパーマーケットなのですが、休業で「Close」となっていました。

                      DSCN0222.JPG

                       

                      「MUSCAT BAKERY」とあります。パン屋だと思いますが、休業しています。

                      DSCN0225.JPG

                       

                      またまた鳩が集まっているところを発見。

                      DSCN0227.JPG

                       

                      道路は広々としています。

                      DSCN0229.JPG

                      DSCN0230.JPG

                      DSCN0231.JPG

                      DSCN0232.JPG

                       

                      お腹が空いてきたため、レストランで食事をすることにしました。

                      DSCN0235.JPG

                       

                      3品注文しました。

                      DSCN0234.JPG

                       

                      右上がラムチョップで4オマーンリアル。

                      左下がベジタブルピザで1.5オマーンリアル。

                      左は牛ケバブで3オマーンリアル。

                       

                      全部で8.5オマーンリアルは、日本円で2,300円です。

                      めちゃくちゃ高い。というより量も多くて食べきれず、ケバブは丸々テイクアウトすることになりました。

                       

                      食事のあと、ホテルに戻り、ひたすら寝ました。

                      次の日のワディシャーブは、アクティビティの高い場所であるため、とにかく疲れを取ろうと休みました。


                      読者の皆さま、今年もありがとうございました!

                      0

                        <オマーンのマスカット市内のホテルから撮影した街の様子>


                          一昨日の12/29の深夜に羽田空港を出発し、12/30にカタールを経由して、オマーンに来ています。


                         日本との時差は4時間ありまして、マスカットは今、15:30を過ぎたところです。


                         皆さまに支えられて続けてきた「杉っ子の独り言」ですが、難しい話題を、「誰にでも理解ができるように」を コンセプトに綴ってきました。


                         日本を取り巻く環境は厳しく、中国や韓国は、「嘘も100回いえば本当になる」として、歴史の史実をねじ曲げ、不当に我が国の領土を占拠もしくは占拠しようとしています。


                         GHQによる教育で、史実が正しく教えられず、誰もが先の戦争で、「日本は悪いことをしてきた」と教えられました。


                         中国や韓国は、そうした教育を受けた日本人の贖罪意識を巧みに利用してつけ込み、日本との外交をしてきています。


                         GHQの歴史教育はそれだけに留まらず、江戸時代の徳川幕府のことや、豊臣秀吉のキリシタン弾圧や、皇統について、日本人は真の史実を知らされていません。


                         元国交省OBの竹村公太郎氏の著書「土地の文明 地形とデータで日本の都市の謎を解く」で取り上げられている地政学、地形、食生活から見る歴史の必然を考えますと、日本の歴史教育の在り方そのものを見直していかなければ、やがて2000年以上続いてきた皇統の歴史を、私たち日本人は忘れてしまい、中国に飲み込まれていくことは、避けられないのでは?と、危惧します。


                         経済では、未だ日本はデフレを脱却できず、それどころかデフレ、インフレという言葉の正しい理解ですら、少数の人しかできていないと思われます。


                         一般人が、テレビ新聞等マスコミ、経済評論家、エコノミスト、アナリスト、経済無知の国会議員、財界人らが発する嘘デタラメな情報に騙されないようにするためには、経済指標の正しい見方・分析方法を私たちも知る必要があります。


                         かくいう私も、かつてはマスコミの情報を信じ、疑いなく受入れ、物理的にも会計学的にもあり得ない日本の財政破綻を危惧し、人口問題では少子高齢化で日本が経済成長するのは構造改革しなければ絶望的に無理であると思っていました。


                         インフラは無駄であると考え、プライマリーバランスを黒字にしなければ・・・と、デフレ促進の元凶である緊縮思考に陥り、消費税を引き上げなければ、日本が崩壊するとも、思っていました。


                         また、グローバリズムを礼賛し、輸出を増やさなければ日本は経済成長できないと信じていただけでなく、初めて中国株を2002年に、ベトナム株を2006年にと、海外の株式まで買っていたほど、日本のGDPの6割を占める内需を軽んじて、国力の正しい理解を全くしていなかったのです。


                         今後も「経済ニュースの嘘」「歴史の嘘」を中心にお伝えし、真実は何なのか?真の国益とは何なのか?グラフやデータや概念図を使って、皆さまに情報発信していきます。


                         最後に、今年は大災害が多く発生しました。罹災された読者の方の少しでも早い復興を祈念いたします。


                         それでは皆さま、よいお年をお迎えください。一年間どうもありがとうございました。









                        文在寅大統領が”コンクリートから人へ!”をやって疲弊した韓国経済

                        0

                          JUGEMテーマ:韓国

                           

                           今日は「文在寅大統領が”コンクリートから人へ!”をやって疲弊した韓国経済」と題し、韓国経済について論じます。

                           

                           下記はロイター通信のニュースです。

                           

                          『ロイター通信 2018/11/28 16:00 木枯らし吹く韓国建設業、文政権の公共事業削減が直撃

                          [ソウル 28日 ロイター] - 韓国のチョン・ミョンインさん(56)は、トラック代金を返済するために、仕事を探して毎日800キロも自分のダンプトラックで移動し、睡眠時間は3時間ほどだ。

                           それでも、燃料代も払えない他のドライバーに比べて、自分はラッキーな方だと言う。

                           アジア第4位の韓国経済で国内総生産(GDP)の5分の1近くを占める建設業にとっては、冬は閑散期にあたる。だがチョンさんやドライバー仲間は、今年はいつもより長引くのではないかと懸念している。

                           建設業の投資額(季節調整後)は第3・四半期に8.6%低下しており、1990年代の金融危機以来で最大の下落ペースとなっている。

                           投資額はさらに減少すると、エコノミストは予想する。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権がインフラ支出を削減し、社会のセーフティーネット強化に資源を振り向ける政策を推進しているためだ。

                           一部には、このような政策シフト自体が、何千人に上るチョンさんのような労働者をセーフティーネットを必要とする立場に追い込んでいるとの批判もある。

                           文大統領は2017年5月に就任して以来、より広い範囲の人々に共有され、投機に依存しない「良質」な成長をもたらすよう、議論を呼ぶさまざまな経済改革策を導入してきた。

                           だが改革の柱となる政策の一部は、逆効果を生みつつある。最低賃金の記録的な上昇によって中小事業者が打撃を受けた。これにより労働市場が過去9年間で最低の水準にまで落ち込んだと批判されている。

                           

                          <賃金減少で失業も増加>

                           チョンさんの月収は、トラックの返済とメンテナンス費用、保険料や燃料代を差し引くと、約230万ウォン(約23万円)程度だ。建設業が好況だった1年前と比べ、半分程度にまで下がったという。

                           今年1月以降、チョンさんが住む仁川の町では新たな公共事業は始まっておらず、より小規模な住宅建設プロジェクトも近く完了する。

                           「もし100万ウォンの利息を払えなかったら、トラックが競売にかけられてしまう」。チョンさんはそう言うと、2時間ほど離れた金浦にある建設現場での夜勤に出かけていった。

                           韓国建設産業研究院のLee Hong-il研究員は、建設業の減速により、9万2000人の雇用が失われ、2019年の韓国全体の経済成長を0.4ポイント下押しすると見込んでいる。

                           朴槿恵(パク・クネ)前政権による公共事業の大半が、需要を過剰に見積もったプロジェクトだったため、韓国の建設ブームは長続きするものではなかった、と多くのエコノミストは指摘する。

                           韓国道路公社のデータによると、2008─17年に開通した高速道13路線の平均利用率は58.1%にとどまっている。(後略)』

                           

                           上記はロイター通信の記事ですが、韓国は生活するには大変な国だということがよく理解できます。トラックの賃金の稼ぎだけではどうにもならず、建設現場で夜勤に出かけるなど、EUではドイツなどとインフラ格差で稼げないギリシャと同じです。

                           

                           日本も「副業元年」などとアホなことをいっている輩が多いです。副業すれば視野が広がるとか、それっぽいこといっていますが、普通にデフレ脱却すれば本業で十分に稼げるようになるため、副業なんてしなくてよくなります。デフレ脱却が一にも二にも大切であるという認識を持つ有識者らが少ないために、日本も発展途上国化して韓国などのように副業しなければ食べていけなくなるという状態になっていく可能性があるわけです。

                           

                           その韓国は、GDPが1兆4000億ドル(日本円で約150兆円)のうち、5分の1近くを建設業が占めているとのこと。およそ30兆円程度が建設業と思われるのですが、記事に記載の通り、建設業の投資額は第3四半期に8.6%も低下し、1990年代の金融危機以来の最大下落ペースといわれています。

                           

                           この理由は、文在寅大統領が経済を全く理解しないまま思い付きの対策をずっとやっていることが原因です。

                           

                           特にインフラ支出を大きく削減し、社会のセーフティネットの強化に資源を振り向けたからです。これ、かつての日本の民主党政権の「コンクリートから人へ」と同じで、日本では公共事業を削減して「子ども手当」などとやっていました。文在寅大統領は、この「コンクリートから人へ」を過激にやっています。

                           

                           「コンクリートから人へ」というスローガンは、本当におぞましいスローガン。公共事業を削減して、人への給付を手厚くするという発想は、そもそも税収がGDPと相関関係にあるということを全く理解していない発想です。

                           

                           税収=名目GDP×税率×税収弾性値

                           GDP=政府支出+個人消費+設備投資+純輸出

                           ※純輸出=輸出−輸入

                           

                           GDPが減れば、税収は減ります。人への給付を手厚くしたとして、その給付分がすべて個人消費されるとは限りません。1兆円の公共事業は、1兆円GDPとしてカウントされますし、年度内で使い切るため、1年以内に必ずGDPが増えます。

                           

                           それに比べて1兆円を人に給付した場合、1兆円すべて個人消費されるとは限らず、デフレの状況では限界消費性向(もっとお金を使いたいという気持ちを表す数値)は低く、誰の所得にもならない(経済成長に資さない)貯蓄やローン返済に回ってしまうものが必ず出てくるでしょう。つまり1兆円1年以内にGDPが増えるとは限らないということです。

                           

                           韓国は文在寅大統領就任以降、公共投資予算を14%も削減しているのですが、普通にやっていた公共投資をいきなり削減すれば、建設労働者を中心に失業者が増加し、賃金は下がり、会社が倒産するのは当たり前な話です。

                           

                           その文在寅大統領は、大統領就任前から「国民生活が第一」を公約に掲げ、雇用の拡大、賃上げ、格差解消を国民に約束してきました。バラマキや大衆迎合といった批判の中、文在寅は公約を実行し、今年の夏には最低賃金を昨年より引き上げることを決めました。ところが逆にその賃上げによって中小企業や個人事業主の経営を圧迫しているのです。

                           

                           失業者増加に加えて、物価上昇、輸出の伸び悩み、不動産価格高騰、個人負債・破産の増加、格差拡大といった問題が解消されていないところに、間違った政策で過去9年間で労働市場が過去最低水準にまで落ち込んだと指摘され、韓国経済は崩壊している状況にあります。

                           

                           よく日本においても、「最低賃金を引き上げればいいだろう!」という言説があります。最低賃金を上げられれば上げるのですが、そもそもデフレで物・サービスを価格を下げなければ売れない、価格が消費増税で値上がりして個数が売れなくなるといった状況では、売上高を増やすことができず、最低賃金を上げられないのです。韓国の場合、公約だからということで文在寅が最低賃金を引き上げた結果、いろんな会社が倒産したというのは当然の帰結です。

                           

                           景気が良ければ公共投資削減を選択肢とすることはあり得ます。しかしながら景気がよくないのに、公共投資を削減すれば、マクロ経済が冷え込み、景気をさらに悪化させたところに強制的に最低賃金を引き上げれば、それは倒産が増えるに決まっているということは、理解できるのではないでしょうか?

                           

                           最低賃金を法的に引き上げたとしても、それに見合うだけの景気浮揚政策をやらなければ、韓国のような最悪の状況になってしまうということなのですが、とどのつまりマクロ経済の状況がどうなっているのか?を理解せず経済政策をやっているとしか思えません。

                           

                           これは他人事でも何でもないことで、日本にも当てはまります。

                           

                           一番わかりやすいのは「コンクリートから人へ!」と民主党政権に似ていることをやっているということですが、緊縮財政を続けるのは、民主党政権だけではありません。

                           

                           いつだったか、かつて蓮舫議員が新橋駅前の演説で、「私たちは事業仕分けで7000億円無駄を削減した!」と主張されていました。

                           

                           大変申し訳ないのですが、小泉純一郎政権も公共事業削減を継続し、毎年7000億円削減してきたのです。だからといって小泉純一郎政権が正しかったか?といえば、公共事業を削減しなければいけないほど、高インフレ、高成長をしていたか?ということ。つまり、小泉政権が7000億円削減したためにデフレが促進したといえますし、その証拠が1997年以降、GDPが500兆円で止まっているということの証左であるともいえるのです。

                           

                           何がいいたいかといえば、小泉純一郎氏はマクロ経済を理解していない政治家、そして蓮舫議員はマクロ経済をもっと理解していない政治家、ということです。いわばわかっていない奴ともっとわかっていない奴の議論。これは聞いていて疲れます。

                           

                           そして安倍政権ですら、2014年に消費増税8%を実行し、政府支出削減をやっています。安倍政権は2013年度に限り、アベノミクス第二の矢で、国土強靭化計画で政府支出を増やしました。その結果、名目GDPは△1.9%増加し、税収は△6.9%増加しました。

                           

                           ところが2014年度以降、消費増税に加え、政府支出削減をしており、デフレから脱却できない状態が続いているのです。

                           

                           かつて1929年に発生した世界大恐慌のときに、1931年に高橋是清が「金本位制破棄で管理通貨制度移行して国債増刷」「金の保有残高の制約に関係なく政府支出増」という組み合わせ政策を実行したことによって、日本は世界でいち早く不況から脱することができました。ドイツでは1933年にヒトラー政権がヒャルマル・シャハトを閣僚につけ、アウトバーン(高速道路)や住宅建設や軍事拡大をしたことで、1932年に失業率が43%だったドイツは、ヒトラー政権誕生後の5年後には完全雇用にまで失業率が低下しました。

                           

                           一方で米国はフーバー大統領がレッセフェール(自由放任主義)で、ダイナミックな市場に委ねれば、”神の見えざる手”によってやがて景気はよくなるということで何も政策を打たなかったため、とんでもないデフレになりました。1933年にルーズベルト政権が誕生し、ニューディール政策で政府支出を増やしましたが、大不況から抜け出したということで、その後に緊縮財政に経済政策を転換してしまったため、1936年以降ルーズベルト恐慌が始まりました。

                           

                           安倍政権も2013年こそ政府支出増によって景気浮揚させたにもかかわらず、2014年以降消費増税をはじめとする緊縮財政によって、デフレに逆戻りしてしまっているのです。GDP500兆円とかろうじて横ばいにキープできているのは、高齢化で医療・介護の費用が政府支出増として景気を支えているからです。その医療・介護も財務省は報酬引き下げをしようとしています。

                           

                           韓国の文在寅大統領の経済失策は性急である一方、日本は性急ではないもののやっていることは何ら変わりありません。韓国の失政は全く笑えない話ではないでしょうか?

                           

                           

                           というわけで今日は「文在寅大統領が”コンクリートから人へ!”をやって疲弊した韓国経済」と題して論説しました。

                           ぜひ日本政府も人のふり見て我が身を正せということで、公共投資を増やしていかなければならないということを理解し、実行に移してもらいたいものです。

                           仮にも公共投資が不要という場合は、日本にあるストック資産(道路、高速道路、高速鉄道、港湾、災害対策のための防波堤・防潮堤・砂防ダムなど)が諸外国よりも十二分以上にあるとか、十分すぎるほど存在するというならば、まだ理解しますが、地方はまだまだインフラが不足しています。

                           韓国を見てぜひ日本も反省をしていただきたいものと私は思います。


                          憲法9条と安保条約と地位協定

                          0

                            JUGEMテーマ:憲法改正

                             

                             今日は憲法改正について述べたいと思います。

                             

                             下記は朝日新聞の記事です。

                            『朝日新聞 2018/12/05 21:05 自民、改憲4項目の今国会提示断念 参院選前の発議困難

                             衆院憲法審査会は5日、自民党が目指した6日の審査会開催を見送ることを決めた。同党は、安倍晋三首相が意欲を示した憲法9条への自衛隊明記を含む「改憲4項目」の今国会提示を断念する。当面、与野党対立が収まる気配はなく、来年の参院選前の改憲案発議も困難な情勢となった。

                             10日に会期末を控え、6日は衆院憲法審の最後の定例日となる。与党筆頭幹事を務める自民の新藤義孝・元総務相は5日、立憲民主党の山花郁夫・野党筆頭幹事と国会内で会談。新藤氏が6日開催を求めたのに対し、山花氏は開催できる環境にはないと拒否した。

                             自民、公明両党などの幹事らは対応を協議し、6日開催を見送ることにした。自民は今国会で「改憲4項目」の提示を目標に定め、6日の提示を模索した。だが、強硬な運営には出入国管理法改正案の会期内成立をめざす参院側や公明が反対するなどし、「今国会での提示はできない」(首相側近)との判断に傾いた。

                             来年の通常国会では、統一地方選や参院選を見据えた与野党対立が予想されるほか、公明も参院選前の改憲案発議には慎重姿勢を示している。参院選までの発議は困難な見通しだ。』

                             

                             上記の通り、自民党は今年3月にまとめた自衛隊明記など4項目の憲法改正案について、今国会の提示を断念しました。

                             

                             安倍総理が目指す2019年夏の参議院選挙までの憲法改正の国会発議は困難な情勢となり、野党からはオウンゴールだと指摘され、与野党で丁寧な合意に基づく真摯な議論ができなかったことが残念と述べています。

                             

                             そもそも「改憲4項目」の4項目とは何か?といえば、次の4つです。

                             

                            ゞ杁淹態対応

                            ∋乙脹,旅膓

                            6軌蕕僚室

                            し法9条

                             

                             憲法9条問題以外の3つに関しては、それぞれ検討していく必要があると思いますが、4つの中でも特に異質なのは、自衛隊明記を含める憲法9条問題です。

                             

                             憲法9条問題とは、そもそも何が問題なのでしょうか?

                             

                             憲法9条があるから片務性の高い日米安全保障条約があり、外国軍が日本に駐留している理由は憲法9条があるからです。憲法9条と外国軍隊が駐留することはセットであり、切り離すことはできません。

                             

                             憲法9条があり、日米安保条約があるということのセットの中で、日米地位協定があります。

                             

                             日米地位協定が治外法権的な問題があったり、1990年代の沖縄少女レイプ問題があったりします。

                             

                             日本にとっては、地位協定で最も日本が地位が低い状況となっているため、米軍のための土地を民間から借り、日本政府が普天間基地運営のために年間300億円程度、民間から借りてタダで米国に貸し出しています。

                             

                             これも日米地位協定があるため、日米地位協定の中で、日本政府は米国軍に土地を提供し、基地の施設を提供し、ダムや堤防や高速道路や新幹線などのインフラを作る代わりに、米軍基地施設を作り、米軍が住む居住地区や庭や野球場を作って差し上げ、無償で貸しています。

                             

                             ここまで不平等な地位協定というのは、日本だけではないか?といわれるくらいなのですが、地位協定自体も安保条約があるからで、安保条約があるのは憲法9条があるからということになります。

                             

                             だから日本の国家とは何なのか?独立しているとは何のか?自衛隊は何なのか?実力組織と軍隊ではどう違うのか?などなど、こうした問題が全部集約しているのが憲法9条問題であるといえます。

                             

                             私は憲法9条改正に賛成の立場ではありますが、今すぐに憲法改正するのは、少し早いと考えております。

                             

                             理由は、憲法の成り立ちの歴史など、日本国民がもっと憲法について歴史を含めて関心を持たない限り、改憲論争をしたとしても、建設的な議論にならないような気がするからです。

                             

                             最悪、イギリスのブレグジットのように、EU離脱派と反離脱派で国民が分断してしまったように、憲法改正賛成と反対で日本国民が分断されてしまうことも避けたいところで、日本国民を分断して利するのは仮想敵国の中国です。

                             

                             その隙に沖縄を日本から独立させるなど、中国を利することになるであろう日本国民の分断には絶対にあってはならないことと思うのです。

                             

                             

                             というわけで今日は「憲法9条と安保条約と地位協定」と題し、憲法9条問題について論説しました。

                             

                            〜関連記事〜

                            「ホイッ!」と作られた日本国憲法とハーグ陸戦条約第43条


                            消費増税をしなくてもリーマンショック級の経済低迷に陥る日本

                            0

                              JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                              JUGEMテーマ:消費税

                              JUGEMテーマ:経済成長

                              JUGEMテーマ:消費税増税

                               

                               今日は「消費増税をしなくてもリーマンショック級の経済低迷に陥る日本」と題して論説します。

                               

                               まずは過去最大となった一般会計101兆円について報じている時事通信の記事を紹介します。

                              『時事通信 2018/12/13 11:53 一般会計101兆円前後=過去最大、消費増税対策で膨張19年度予算案

                               政府は13日、2019年度予算案について、一般会計総額を過去最大の101兆円前後とする方向で調整に入った。19年10月の消費税増税に備えた景気対策で歳出が膨らみ、当初予算段階で初めて100兆円の大台を突破する。税収は過去最高の62兆円程度を見込むが、歳出拡大も止まらず、財政再建が進むかは不透明だ。

                               安倍晋三首相は「経済再生なくして財政健全化なし」との方針で、消費税増税に伴う景気の腰折れ対策に万全の対応を打ち出す構え。21日の閣議決定を目指す。
                               歳出総額は、過去最大だった18年度当初予算の97兆7128億円を約3兆円上回る。消費税増税に備え、2兆円規模の景気対策を実施。中小の小売店で現金を使わないキャッシュレス決済時に最大5%のポイントを還元するほか、低所得者向けに公費負担で購入額以上の買い物ができる「プレミアム付き商品券」を発行。今夏の自然災害を踏まえ、重要インフラの防災対策も強化する。
                               高齢化に伴う社会保障費(前年度32兆9732億円)の自然増は、臨時の薬価改定などを通じて1000億円程度抑制するが、5000億円弱の伸びは避けられない見通し。消費税収の一部を投じて幼児教育無償化なども盛り込む。』

                               

                               上記の記事の通り、2019年度の一般会計が101兆円となり、過去最大となりました。そのうえで、歳入では来年2019年の消費増税と、堅調な企業業績を背景に62兆円を超え、過去最高を更新するものの、歳出拡大で支出が税収を大きく上回る借金頼みの財政状況は変わらないと報じています。

                               

                               相変わらず財政再建とか歳出拡大が悪とか、その報道自体が間違っています。日本は財政問題は存在しませんし、GDPデフレーター、コアコアCPI(生鮮食品とエネルギーの価格変動を除く消費者物価指数)が2%以上を継続的に推移するようになるまでは、デフレ脱却したとは言い切れず、歳出拡大はむしろ推進するべきであって財政赤字を拡大させるのが正しい経済政策です。

                               

                               ただ”過去最大101兆円の一般会計”という報じ方は、いかにも「歳出拡大しているぞ!」ということなのですが、これにはカラクリがあります。

                               

                               一般会計という言葉は、当初予算という言い方もします。普通は毎年、当初予算は減らないというイメージがある一方、補正予算はその年によって増減し、例えば今年は補正予算を10兆円出したとしても、次年度はゼロということもあり得ます。補正予算とは異なり、一般会計は絶対減らないというイメージがあるのです。

                               

                               そして今回の一般会計には、消費増税対策の特別枠が入っています。この特別枠は、当初予算枠に入っているものの、実は完全に補正予算と同じ扱いです。

                               

                               消費増税対策期間の2年間は骨太方針に書かれているものであり、2019年度と2020年度の2か年は特別期間で、この期間は消費増税対策が必要となるため、特別枠を設けるということであって、仮に消費増税対策で2兆円増えていても、将来その分減ることが予定されています。

                               

                               一般会計101兆円といっても、少なくても消費増税対策2兆円は入れないのが正しく、時事通信のような報道内容だと「100兆円を超えた!すごい!」とミスリードさせることを通じて、日本国民に政府がお金をたくさん使っているという印象操作されているといえるでしょう。

                               

                               もちろん100兆円超えたのは事実で、過去最大といえば本当なのですが、特別枠という特別なものが入っていることは、財務省が意図的に無視して敢えて触れずに説明している可能性が高いのです。

                               

                               巷ではキャッシュレス決済時のポイント還元、自動車税、住宅の税金などなど、消費増税があたかも決まったようなニュースが氾濫していますが、今の世界情勢をみれば、消費増税をしないで経済対策をしなければいけない状況でしょう。

                               

                               大和総研の試算によれば、デフレが継続している状況の中で下記の要因を掲げ、リーマンショック級の経済低迷に陥る旨の指摘があります。

                               

                              ●中国の低迷

                              ●中東の混乱

                              ●トランプ大統領の迷走

                              ●働き方改革

                               

                               上記だけで実質GDPで▲3.6%のマイナス効果との試算としているのですが、リーマンショック時の実質GDPは▲3.7%でした。

                               

                               世界は、ブレグジット、トランプ大統領、中東混乱、米中貿易戦争等によるスロートレード、国内は働き方改革、オリンピック特需消滅等で、これらを全部合わせて▲3.6%ですから、消費増税をしなくてもリーマンショック級の経済低迷に陥ると予想されています。

                               

                               だからキャッシュレス決済時のポイント還元やら、自動車や住宅購入時の減税など、消費増税をしないまま消費税率8%のままやるくらいしなければ、ひどいデフレに陥ることは明らかです。

                               

                               海外情勢が不安定な状況であることを考慮しても、消費増税は延期しても至って普通であり、消費増税しなければならないとか、欧州のように20%近くまで引き上げるべきなどとする言説は、何の根拠もなく理論的にも間違った言説です。

                               

                               日本は2014年度の消費増税のときと比べ、輸出が15兆円増えています。外需に依存度が増えたという状況ですが、今後は輸出が増えるどころか、減る可能性も十分にあり、消費増税とかいっている状況ではないのです。

                               

                               

                               というわけで今日は「消費増税をしなくてもリーマンショック級の経済低迷に陥る日本」と題して論説しました。

                               輸出で増やそうとすることは、ある意味で不況を輸出することと同じであり、通商協議が激しくなったり、最終的には戦争になったりもします。何が言いたいかといえば、真に財政再建をしたいならば、輸出に依存せず国内需要で経済成長できるように、普通に「国債増刷」「政府支出増」のパッケージでの財政拡大をすれば、GDPの成長を通じて税収増となることは確実であるということです。

                               消費増税をしなくても財政再建ができること、そして消費増税をすれば国内需要を削減してしまう結果、GDPの6割を占める個人消費を削減することとなって税収が落ち込んでしまうということを、多くの人々に気付いていただきたいと思うのであります。

                               

                               

                              〜関連記事〜

                              2018年第3四半期のGDP速報値の前期比▲0.3%、年率換算▲1.2%をどうみるべきか?

                              消費税に関する情報戦争
                              なぜ諸外国は消費税20%とか25%とかできるのか?

                              消費増税を既成事実化しようとするマスコミ

                              世耕経産相の”カード手数料下げ要請”にみるデフレ脳と泥縄状態の消費増税対策

                              輸出戻し税について

                              「法人税」と「所得税の累進課税」が高く、「消費税」と「社会保険料負担」が低い国家とは?

                              ◆”「所得税を減税しないと富裕層が逃げていく!」は本当か?


                              韓国の司法・立法・行政へ徴用工問題の強烈なブーメラン炸裂!

                              0

                                JUGEMテーマ:韓国ニュース

                                JUGEMテーマ:日韓問題

                                 

                                 今日は「韓国の司法・立法・行政へ徴用工問題の強烈なブーメラン炸裂!」と題して論説します。

                                 

                                 下記は産経新聞の記事です。

                                『産経新聞 2018/12/20 22:59 徴用工への賠償は国内問題に 対応迫られる韓国政府

                                【ソウル=名村隆寛】戦時中に日本企業に徴用されたと主張する韓国人と遺族が、韓国政府に補償金の支払いを求めた提訴は、1965年の日韓請求権協定で日本政府から3億ドルの無償資金を受け取った韓国政府に補償責任があると主張している。

                                 日韓間での請求権問題は同協定で解決済みだ。韓国政府を訴えるのは自由で、個人への補償は韓国政府がすべきことである。韓国政府は過去、申請した一部の者に「慰労金」などとし金を支払ってもいる。

                                韓国最高裁は10月30日、請求権協定で元徴用工らの個人請求権は消滅していないとし、日本企業に賠償を命じた。日本政府は「日韓関係の法的基盤を根本から覆す」と韓国に適正な措置を求めている。しかし、以後、同様の最高裁判決2件でも日本企業は敗訴した。

                                 今回、提訴を進めた「アジア太平洋戦争犠牲者韓国遺族会」は日韓関係悪化にも触れ「韓国政府が請求権協定に対し必要な対策を発表するときが来た」とし、韓国政府に日韓合意への過程の明示を求めている。

                                 同遺族会によれば、今回の原告団に日本企業を相手取った訴訟の原告は含まれないが、韓国政府に対する訴訟に加わる意向を示す者もいるという。遺族会は日本企業を相手取った訴訟も支援している。つまり、補償が第一で、線引きはあいまいなのだ。徴用工判決が外交問題化する一方、韓国では国内問題化している。当然の事態に文在寅(ムン・ジェイン)政権は対応を迫られている。』

                                 

                                 上記産経新聞の記事は、日本企業に徴用されたと主張する韓国人と遺族が、韓国政府に補償責任があると主張したとするニュースです。

                                 

                                 徴用工問題では、韓国の最高裁判所が日本企業に対して賠償命令を出したという報道がありました。私は最高裁判所が賠償命令を出したことについては、大変な憤りを感じていました。なぜならば日本と韓国の間では、1965年に日韓請求権協定を締結しており、以降こうした請求はしないという約束が交わされていたからです。

                                 

                                 この問題について、私は3つ指摘したいことがあります。

                                 

                                 まず1つ目。この約束自体を見直すということであれば話は別ですが、現実的には1965年に国家間で日韓請求権協定を交わしており、なぜ最高裁判所の裁判官が、このような判決を出したのか?国家間の約束を守らない判決は私たち日本を舐めすぎているということで、韓国とはまともに付き合える国ではないということを改めて指摘したい。

                                 

                                 2つ目としては、徴用という言葉と合わせて、徴兵という言葉があります。徴用工はお金をもらって働くわけですが、徴兵はお金をもらう代わりに命を懸けて戦場で戦うということで、兵役に就くことを意味します。日本国籍を持つものは徴兵されましたが、徴用であれば命を懸ける必要はありません。もちろん残業代の不払いなど、賃金不払いはあったかもしれません。

                                 

                                 それはそれで日本政府は個人に対して「一人一人に対してちゃんとお支払いしますよ!」と意思表示をして、実際に働きかけをしていたのですが、それに「待った!」をかけたのは韓国政府です。韓国政府は当時、「個人に支払わず、全部国に払って欲しい!」と要望し、日本政府は3億ドルを韓国政府に直接支払ったのです。

                                 

                                 今年10月に韓国の最高裁判所が、日本企業に賠償命令判決を出し、自民党の外交部会から韓国に対して批判が出ていました。韓国側から日本側にお互いに知恵を出そうなどとは、全く腹立たしい限りで、日本の立場は「終わったこと!おたく(韓国)の国内で解決してください!日本を巻き込まないでください!」という話です。

                                 

                                 そして今回のニュースは、被害者とされる韓国人が、ようやく韓国政府に責任があると気付いたということであり、記事の通り、1965年の日韓請求権協定で3億ドルの資金を受け取った韓国政府に責任があるとしています。

                                 

                                 司法・立法では、終わった話をぶり返すように、あたかも日本にも責任がまだ残っているかのごときだった話が、被害者とされる韓国人から韓国政府に補償責任があるという主張は、まさに司法・立法・行政にブーメランとして跳ね返ってきたと言えるのではないでしょうか?珍しく韓国のニュースとしては、日本にとって筋の通ったニュースだと思うのです。

                                 

                                 最後3つ目は、歴史的事実についてです。

                                 

                                ●1910年 韓国併合:韓国併合条約により、韓国の国民は法的に日本国民になった

                                ●1938年 国家総動員法:様々なリソース(人・物・カネ)を軍事に充当していく

                                ●1939年 国民徴用令:国民の職業・年齢・性別を問わずに徴用が可能となる体制が構築(「朝鮮半島の日本国民」は1944年まで徴用されることは無かった。)

                                ●1944年 朝鮮半島の日本国民の徴用が始まる(女性は免除で男性のみが対象)

                                ●1945年8月 終戦

                                 

                                 朝鮮半島の男性を日本国民の徴用は、法律に則って実施したものであり、日本が批判される理由はありません。徴用は戦争中に日本政府が国民(統治していた国家の住民を含む)を法律に基づいて動員し、兵役を含まない一般業務に就かせるということで、兵役は免除されます。

                                 

                                 第二次世界大戦中に、国民が徴用として兵役以外の業務に従事することは、1939年の国民徴用令に基づく義務でした。また「強制」という言い方についていえば、税金を強制的に徴税しているわけではありません。徴用された朝鮮人も私たちと同じ日本国民として扱っていた以上、日本国内の税法にしたがって納税する義務があることも当然であり、強制でも何でもありません。

                                 

                                 さらにいえば1939年の徴用令が発令されても、1944年までは朝鮮半島の日本国民は徴用の対象とならず、1944年に朝鮮半島の日本国民の徴用が始まっても女性は免除されていました。その一方で日本本土の日本国民は、女性を含めて徴用の対象として一般業務に就かせていたわけで、朝鮮半島の日本国民は優遇されていたというのが歴史的事実です。

                                 

                                 そもそも”ウソも100回言えば本当になる”で平気でうそをつく韓国を相手に、友好的な着地点を見つけるという発想、仲よくしようという発想を持つ必要はありません。日本政府は、当時の朝鮮半島の日本国民が私たちと同じ扱いをする日本国民であり、日本国民である以上、法に基づいて徴用の任務に就くことは、国民の義務であったため、何ら問題はないということもちゃんと主張するべきではないでしょうか?

                                 

                                 

                                 というわけで今日は「韓国の司法・立法・行政へ徴用工問題の強烈なブーメラン炸裂!」と題して論説しました。

                                 

                                〜関連記事〜

                                徴用工問題における最高裁判決は日本にはいっさい関係ありません!


                                国土強靭化への緊急対策7兆円について

                                0

                                  JUGEMテーマ:公共事業の経済効果

                                  JUGEMテーマ:経済成長

                                  JUGEMテーマ:土木

                                  JUGEMテーマ:土木工作物

                                   

                                   今日は「国土強靭化への緊急対策7兆円について」と題して論説します。

                                   

                                   下記は産経新聞の記事です。

                                  『産経新聞 2018/12/12 19:54 国土強靱化の緊急対策に7兆円 政府、14日に閣議決定

                                   安倍晋三首相が策定を指示していた平成32(2020)年度までの3年間で集中的に実施する国土強靱(きょうじん)化のための重要インフラの緊急対策の全容が12日、分かった。総事業費は約7兆円で、河川の氾濫を防ぐための堤防強化や空港の浸水対策など緊急性の高い160項目が対象となる。土砂災害や救助など防災対策に3・6兆円、電力供給やサプライチェーンの確保など生活基盤の整備に3・4兆円を計上する。

                                   緊急対策は14日開催の国土強靱化推進本部と関係閣僚会議で提示され、政府は同日中に閣議決定する。

                                   緊急対策は、改定される国土強靱化基本計画に基づき、住宅や交通施設の倒壊による多数の死傷者発生や、被災者支援のルート途絶など計45項目の「起きてはならない最悪の事態」から緊急に取り組むべき20項目に絞った。

                                   具体的には、7月の西日本豪雨を教訓に、水位が高まった川が支流の流れをせき止める「バックウオーター現象」による被害の防止のため、国や都道府県が管理する全国約120河川の堤防強化を急ぐ。

                                   9月の台風21号で関西国際空港の滑走路やターミナルビルが浸水し空港機能がまひしたことから空港周辺の護岸のかさ上げを行う。

                                   「ブラックアウト」(大規模停電)が生じた同月の北海道地震を念頭に、企業などを対象に約55万キロワット分の自家用発電設備や蓄電システムの導入を支援することも明記された。』

                                   

                                   上記の通り、政府は防災・減災、国土強靭化に向けた2022年までの3か年緊急対策として、財政投融資を含む事業規模を7兆円程度とする方針とすることとしています。全国120の河川を対象に堤防を強化し、関西国際空港を含む7つの空港で浸水対策も念頭に入れているとも報じられています。

                                   

                                   私は7兆円という金額について、経済効果とか副次的にあるだろうということは否定しません。しかしながら、本来は危ない箇所をチェックし、危険と判定できるならば全部やるべき話であって、予算で金額がどうとか、お金のことは後で考えるべきことではないでしょうか?

                                   

                                   7兆円にするために積み上げたものではないでしょうし、7兆円以下にするために調整したわけでもないでしょう。今回の緊急点検で調整して7兆円となったと理解すべきですが、果たしてこの7兆円で十分なのか?ということを、むしろ問題視すべきです。

                                   

                                   どういうことか?といえば、例えば南海トラフ地震の発生に備えた対策費は、今回の7兆円に入っているのでしょうか?首都直下型地震が発生した場合の対策費は、今回の7兆円に入っているのでしょうか?荒川付近で550个旅濘緡未梁膠が降った場合の災害対策費は今回の7兆円に入っているのでしょうか?

                                   

                                   記事によれば、今回は特定の災害に限定されており、今年発生した災害と同じようなバックウォーター現象による被害など、それらを積み上げてチェックして7兆円になっただけであって、全然7兆円では不足しているのでは?と考えられます。

                                   

                                   また政府の方針では、重要なインフラだけを点検しているとしていますが、”重要な”ということは、どこかで線引きしている可能性も十分にあります。

                                   

                                   例えばB/Cで1.00未満の公共事業は、日本では実施されません。B/Cが1.00に満たない場合、その公共事業は本当にやらなくていいのでしょうか?

                                   

                                   同様に”重要な”という線引きをした場合、例えば100個中50個までが重要だとして、51個目は本当にやらなくていいのでしょうか?

                                   

                                   何がいいたいかと言えば、7兆円という金額の前に、政府のインフラチェックが十分なのか否か?を問うべきだということです。

                                   

                                   日本は自然災害大国であり、今年の大阪北部地震、北海道胆振地震、西日本豪雨、酷暑、台風21号、台風24号で発生した災害の再発防止策は言うまでもありませんが、今日明日、南海トラフ地震、首都直下型地震や高潮・津波といった自然災害が発生する可能性が十分にあり、そうした対策も含めて7兆円で本当に大丈夫なの?という議論がされるべきであると私は思うのです。

                                   

                                   

                                   というわけで今日は「国土強靭化への緊急対策7兆円について」と題して論説しました。相変わらず公共事業を否定したり、我が国には存在しない財政問題が論じられ、「政府支出増」という風潮が全くありません。

                                   例えばILC(国際リニアコライダー)など、中国も参加を表明しているにもかかわらず、「カネカネカネ」とお金が大事なのか、岩手県北上市の招致のための5000億の支出決定ですら、躊躇している有様です。

                                   政府支出増をしない限り、経済成長ができないばかりか、いざという時に国民を守ることもできず、最先端技術への投資を怠ることで、中国などの近隣諸国にも科学技術力で実力差を埋められ、やがては追い越されていく。

                                   緊縮財政思想や「カネカネカネ」というお金についての間違った発想が、日本を発展途上国化させることに拍車をかけているということを、多くの人々に気付いていただきたいと思うのであります。

                                   

                                   

                                  〜関連記事〜

                                  最大4兆円の国土強靭化は、真に積み上げられた金額の合計なのか?

                                  2018年度の第一次補正予算9,400億円をどう見るか?

                                  第一次補正予算(2018年度)について

                                  大規模な国債発行で国土強靭化をしよう!

                                  ”公共事業が無駄だ”と嫌うマスコミが報じない「大阪湾の防潮堤投資の功績」

                                  冷房が効いた部屋で血眼になって経費削減にまい進する想像力が欠如した緊縮財政主義者!

                                  国際リニアコライダーについて

                                  堤防建設という公共工事の経済効果(物語「稲むらの火」の主人公、濱口梧陵の偉業)

                                  公共工事B/C(ビーバイシー)基準と宮城県釜石市の「釜石・山田道路(通称:命の道)」

                                  B/Cの在り方を問う!(港湾整備の経済効果)

                                  お金の本質を理解していた江戸時代の勘定奉行”荻原重秀”


                                  ソフトバンク(証券コード:9434)について

                                  0

                                    JUGEMテーマ:経営

                                     

                                     株式市場は、ついにリーマンショック級の下落となりつつあり、大変不安定な状況となっています。そんな中、先週ソフトバンクが上場しましたが、今日はソフトバンク株の上場について取り上げたいと思います。

                                     

                                     下記は産経新聞の記事です。

                                    『産経新聞 2018/12/19 11:42 ソフトバンク上場 初値1463円で公開価格割れ

                                     ソフトバンクグループの携帯電話子会社ソフトバンクが19日、東京証券取引所第1部に上場した。初値は1株1463円で公開価格(1500円)を2・5%下回った。初値ベースの時価総額は7兆35億円で、7兆3395億円だった日本郵政に次ぐ約3年ぶりの大型上場となったが、上場前のトラブルも影響し、前途多難な船出となった。

                                     午前終値は1360円で、時価総額は6兆5105億円となった。上場直前に大規模な通信障害が発生したほか、通信機器が政府調達から事実上排除される華為技術(ファーウェイ)の基地局設備を使っていることなどが売り材料となった。この日は取引開始直後の午前9時に初めての売買が成立したが、一時は1350円割れまで値を下げた。

                                     ソフトバンクはソフトバンクグループの中核子会社で、ソフトバンクグループは保有株の3分の1超の約17億6400万株を売却するが、上場後も63・14%の出資比率で連結子会社を維持する「親子上場」。資金調達額は初値ベースで約2兆6千億円と政府が昭和62年のNTT上場時に調達した額を上回り過去最大で、ソフトバンクグループは調達資金を先端企業などへの投資に振り向ける。

                                     歴代上場案件における初値ベースの時価総額は、NTTが24兆9600億円でトップ。平成10年のNTTドコモが約8兆8099億円で、今年は新興市場マザーズに6月上場したフリーマーケットアプリ運営のメルカリが6766億円で最大だった。』

                                     

                                     上記記事の通り、ソフトバンクグループの携帯電話子会社のソフトバンクが12/19に上場しました。

                                     

                                     公募価格1,500円に対して2.5%下回り、ザラ場では一時1,350円を割って、終値でも公募価格比で14.5%も安い1,282円ということで、規模こそ大型上場だったものの、完全に失敗のクソ株上場という結果になりました。

                                     

                                     上場当日、私は通勤電車に乗りながら、証券会社のサイトでソフトバンク株の初値の状況をスマートフォーンでみていましたが、AM08:45時点で、成り行きの売り注文が、成り行きの買い注文よりも、けた違いに多く、公募割れが想定されました。

                                     

                                     不思議なことに、1,463円に大量の指値の買値注文があったのですが、これは証券会社のグリーンシューオプションと思われ、推移を見守っていました。AM09:00には値が付かず特別売り気配となった何分か経って、1,463円で値が付いたと記憶しています。

                                     

                                     その後も売り注文が相次いで急降下していったん回復した後、再び下落基調。後場も振るわずさらに株価は下落し続けて、終値は1,282円という状況でした。

                                     

                                     その翌日12/20も売り気配で1,176円の最安値を付けた後、少し戻して12/21の終値は1,316円ですが、以前公募価格を10%以上下回る価格帯で株価は推移しています。

                                     

                                     今後の株価の行方がどうなるか?気になるところですが、ホルダーの方々の検討をお祈りします。

                                     

                                     そもそもなぜこのような株式上場となってしまったのか?といえば、上場前の12/6n大規模な通信障害が発生し、1万件〜2万件の解約が発生したと言われているのが1つ目。

                                     

                                     2つ目は、ソフトバンクはHuaweiの通信設備を使っており、政府がHuaweiやZTE(中興通訊)を排除する方向であるため、通信設備を変えるのに多額の費用が掛かるのでは?という憶測も悪材料として捉えられたと思われます。

                                     

                                     孫正義が率いる親会社のソフトバンクグループは、巨額な資金を得て事業を多角化することに加え、投資会社化を強めていくことも想定できます。

                                     

                                     とはいえ、コアとなる携帯電話事業は、政府からの値下げ圧力や、楽天電話参入の激動期に晒されるなど、携帯電話業界の先行き不透明感も、ソフトバンク株の上場後の株価の推移が思わしくない原因の一つであると考えられます。

                                     

                                     今月初旬に発生した通信障害では、3〜4時間程度通信ができなくなったとされ、困った人も多かったのではないでしょうか?

                                     

                                     私は実はソフトバンクの孫正義が好きではないため、携帯電話はAUで2回線、タブレットでNTTドコモの1回線を契約しています。AUやNTTドコモでは、そうした大きな通信トラブルは発生していませんが、政府はソフトバンクの通信障害を重くとらえ、再発しないよう緊急事態である旨の声明を出しましたが、これは当然といえます。

                                     

                                     なぜならば、携帯電話事業は公共性がある事業だからです。既に社会的インフラになっており、重要インフラになっているといえるでしょう。

                                     

                                     携帯電話でコンビニやスーパーで買い物をしたり、新幹線に乗車したり、飛行機に搭乗したりと、いろんなものに使われている点で、いわば産業の下部構造を構成する業種といえます。

                                     

                                    <国家(国民生活・経済活動)を支える5階層>

                                     

                                     上表では、国土を除けば携帯電話事業は、下から2番目の3階層を構成するサービスであって、大変重要なインフラ産業であることが理解できるかと思います。

                                     

                                     こうした下部構造を構成する業種、上表の2階層、3階層の業種は、単に自由市場に任せればいいというわけにはいきません。通信業は電源とかなり近い重要な業種で、社会にとって必要不可欠だからです。

                                     

                                     古典派経済学を信奉する経済学者や、米国のフーバー大統領的なレッセフェール(自由放任主義)や、ダイナミックな自由市場に委ねるというのではなく、公共性を鑑みたうえで事業を展開していただくというのが極めて重要であると考えます。

                                     

                                     今年2018年8月に、菅官房長官が携帯電話料金について4割値下げする余地があるという発言があり、私は批判したことがあります。それはデフレ脱却ができていないのに、なぜデフレ促進させる値下げをわざわざ政府が注文を付けるのか?という点に尽きます。

                                     

                                     公共性が高いので、場合によっては公定価格があったとしても、正当化されるという考え方もあるため、一概に政府の口出しが完全にダメというものではありません。

                                     

                                     電話料金や携帯端末の料金値段設定の話は、今はデフレなので微妙ですが、業者の審査を厳しくするとか指導を強化していくなどは、公共性が高いがゆえに普通にあってしかるべきだと私は思います。

                                     

                                     そう考えた場合、政府が通信会社に対して、特にソフトバンクにHuawei・ZTEの部品を使わないよう指導するのは全然あり得ることです。

                                     

                                     今回のソフトバンクで問題があるとすれば、証券会社のフィディシャリーデューティーについても指摘したいです。特に個人投資家に対して、年間配当利回りが5%を超えることを売りにして配分していた点について問題があると言わざるを得ません。

                                     

                                     ここでも「カネカネカネ」という発想が、こうした事象を引き起こしているといえます。

                                     

                                     配当金の額は将来約束されているわけではないということや、会社の判断で減配する可能性も十分にあることに加え、多額の配当金を社外流出させるのは、かえってソフトバンクの株式価値を下げることにつながるからです。

                                     

                                     ソフトバンクのサービスの品質向上にはコストをかけなければならないのに、そうしたコストにお金をかけず”株主還元”と高配当を謳うのは欺瞞以外の何物でもありません。

                                     

                                     加えて日本政府による携帯電話料金4割値下げ指導と、Huawei・ZTE問題に対する費用、そして直近の通信障害と、ソフトバンク株を高配当だからといって買えるか?といわれれば、先行き不安材料が多く見通しは厳しいと言わざるを得ません。

                                     

                                     ところが、ソフトバンクは海外事業を展開して資金調達の金額も大きく証券会社のお得意先でもあります。だからといって証券会社がソフトバンクの孫正義の意向で、個人投資家を蔑ろにして高配当を宣伝文句に嵌め込むというのは、いかがなものか?と思うのです。

                                     

                                    <ソフトバンクの決算の推移>

                                    (出典:IPO初値予想から引用)

                                     

                                     

                                     今回の公募株数は、1,603,693,700株ですが、新株発行はなく全株ソフトバンクグループジャパンの売出であるため、株数は増えません。一株当たり利益(EPS)は、2018年3月期の決算で、92.75円です。配当利回り5%だとすれば、1,500円×5%=75円となり、配当性向は80%超となります。(92.75円÷75.00円≒80.86%)

                                     

                                     2017年3月期で見ても、一株当たり利益は96.47円ですから、配当性向は極めて高いということになります。

                                     

                                     そもそも80円以上の配当ができるレベルですか?ということと、80円配当するくらいであれば、ちゃんと通信設備のメンテナンスにお金をかけるべきでは?ということです。

                                     

                                     通信設備にコストをかけずに利益を出して高配当するなど、公共性の高い事業者として全くふさわしくないというのが、ソフトバンクに対する私の感想です。

                                     

                                     

                                     というわけで今日は、ソフトバンク(証券コード:9434)株式の上場について述べました。


                                    日中通貨スワップは誰のため?

                                    0

                                      JUGEMテーマ:中国ニュース

                                      JUGEMテーマ:日中関係

                                      JUGEMテーマ:中国関連

                                       

                                       今日は日中間で2018年10月26日に締結された日中通貨スワップについて取り上げます。

                                       

                                       まず、SankeiBizの記事を紹介させていただき、下記の順で論説いたします。

                                       

                                      1.通貨スワップとは?

                                      2.日中通貨スワップを締結した目的とは?

                                      3.人民元相場下落で外貨準備高を取り崩す中国共産党

                                      4.中国にはメリットがあるが、日本はリスクだけ

                                       

                                       

                                       下記はSankeiBizの記事です。

                                      『SankeiBiz 2018/10/27 06:13 日中首脳会談 通貨スワップ、第三国インフラ共同開発 経済協力へ環境整備は前進

                                       安倍晋三、李克強両首相は26日の首脳会談で、通貨スワップ(交換)協定再開や第三国でのインフラ共同開発で合意した。少子化で日本の国内市場が縮小する中、日系企業にとり、地理的にも近い中国経済の成長を取り込むことは喫緊の課題だ。安全保障面で中国を警戒する日本政府も、経済協力に向けての環境整備は進めざるをえない。

                                       「競争から協調へ、日中関係を新たな時代へ押し上げたい」。安倍首相は会談冒頭、こう述べた。

                                       日本銀行と中国人民銀行(中央銀行)が円と人民元を融通しあう通貨スワップ協定は、上限が3兆4000億円と、失効前の約10倍まで引き上げられた。

                                       今回の協定は、中国に進出している日系企業がシステム障害などで元決済ができなくなった場合、人民銀から日銀を通じて元を提供するという「日系企業の支援を目的としたもの」(財務省幹部)となっている。

                                       一方、インフラ開発での協力は日系企業の商機を広げる狙いがある。これまで日中は、海外でのインフラ開発をめぐり、激しい受注競争と値引き合戦を繰り広げてきた。協力が進めば無駄な競争がなくなり、値引き合戦がもたらす企業収益の悪化も避けられるようになる。

                                       中国の経済成長率は6%台に達し、日本の1%台を大きく上回る。日系企業にとって、中国市場の取り込みは不可欠となっている。

                                       財務省幹部は、すでに日中経済は「一体化している」と指摘する。貿易統計によると、2017年度の対中輸出額が15兆1873億円で、輸出総額の19.2%を占め国別で首位だった。中国に進出している日系企業の拠点数は3万超。中国の景気が日本の企業業績に直結する状況となっている。

                                       もっとも、中国経済に頼りすぎるリスクは大きい。中国では民間企業や家計の債務が拡大する一方、不動産価格が上昇しバブルが懸念されている。バブルがはじければ、一気に景気が冷え込む恐れがある。中国側の“企業文化”にも懸念は強く、中国企業と合弁を組む日系企業は、技術を手放すよう強要されるといった問題点が指摘されている。

                                       制度上も「中国から簡単に撤退できず、より生産コストの低い東南アジアなどへ拠点を移すことが難しい」(農林中金総合研究所の南武志主席研究員)。協力強化には細心の注意が求められそうだ。(山口暢彦)』

                                       

                                       

                                       

                                      1.通貨スワップとは?

                                       

                                       記事に記載の通り、2018/10/26に安倍首相は李克強首相と日中通貨スワップ協定を締結しました。”通貨スワップ”という言葉は聞きなれない言葉かもしれません。通貨スワップの”スワップ”は、交換を意味し、通貨スワップとは異なる通貨を一定の価格で交換する取り決めです。

                                       

                                       金融機関に勤務されている方であれば、デリバティブという言葉をご存知でしょう。スワップ取引はデリバティブ取引の一種で、銀行で金利スワップといえば、固定金利と変動金利を交換するスワップです。

                                       

                                       また銀行の融資先で企業のファイナンス手法に、デットエクイティスワップあるいはデットデットスワップという手法があります。デットエクイティスワップは、銀行借入などの負債を株式に交換するファイナンス手法をいい、デットデットスワップは銀行借入などの負債を劣後ローンや劣後債など広義の自己資本に該当するファイナンスに交換するファイナンス手法をいいます。

                                       

                                       通貨スワップは、異なる通貨間のキャッシュフローを交換します。例えば米ドルで支払うためにドル建て社債を発行した企業が、ドル円の為替リスクの変動を固定化させるために、ドル円の通貨スワップを実施することで、通貨スワップ実施後の米ドルの金利支払いと米ドルの社債元本償還が、円貨で確定させることができます。

                                       

                                       記事にある「通貨スワップ協定」は、企業のファイナンス手法ではなく国家間の中央銀行、即ち日本の場合は日本銀行、中国の場合は中国人民銀行との間で締結したものであり、万一人民元で通貨危機が発生した場合、日本の通貨をあらかじめ定めた円人民元レートで交換するという協定です。

                                       

                                       日中通貨スワップ協定によって、中国で通貨危機が発生した場合は、日本銀行はあらかじめ定めたレートで日本円と人民元を交換し、人民元の通貨を安定化させることが可能になります。スワップ規模は3兆4000億円と報じられていますが、3兆4000億円を上限に、日本銀行は人民元を買って日本円を売るというオペレーションを実行するのです。

                                       

                                       日中通貨スワップ協定によって何が起きるか?といえば、日本銀行のバランスシートが毀損するリスクが発生します。日本の国富が失われます。

                                       

                                       

                                       

                                      2.日中通貨スワップを締結した目的とは?

                                       

                                       では、なぜ日中通貨スワップを日本政府は締結したのでしょうか?何を目的に国富を流出させてまでして、こんなことをするのでしょうか?

                                       

                                       一つには日本企業を助けるためという論説があります。実際に麻生太郎財務大臣は「人民元を安定的に供給できることは、日本の企業の活動を支えるという意味で意義がある」と述べています。

                                       

                                       2018年1月12日にみずほ銀行が日本で初めて「パンダ債」という債権を5億人民元(当時の人民元日本円レートで約86億円相当)発行しました。その後、2018年1月15日に三菱UFJ銀行も「パンダ債」を10億人民元(同約172億円相当)発行しています。

                                       

                                       「パンダ債」というのは、中国国外の企業が中国本土で発行する人民元建ての債券なのですが、中国本土は香港と違って資本市場を海外に開放していないため、通貨危機などの事件が発生した際に、資金調達できなくなるリスクが極めて高いため、「パンダ債」を発行するということ自体が、極めてハイリスクな取引といえるでしょう。

                                       

                                       そのような「パンダ債」をみずほ銀行、三菱UFJ銀行が発行し、日本企業が買っています。もし中国の債券市場に混乱が生じた場合、こうした邦銀や日本企業が損失を被る可能性があるため、企業の活動を支えるという側面があるのは事実でしょう。

                                       

                                      <日中通貨スワップによって日本銀行が邦銀や日本企業に人民元を供給する仕組み>

                                       

                                       

                                       

                                      3.人民元相場下落で外貨準備高を取り崩す中国共産党

                                       

                                       中国では2015年に株式バブルが崩壊し、経済を立て直すために輸出を増やそうとして人民元安への誘導を図りました。それまでは人民元は強いということで、人民元は右肩上がりで他通貨よりも高く推移していたのですが、内需国ではなく外需に依存する中国にとって、人民元高は痛手です。

                                       

                                       そこで中国は他通貨を買って人民元を売却するという露骨な為替介入によって人民元高とならないよう為替レートを操作していました。海外の投資家の中には、中国は人口増大と経済成長を伴って需要が増え続けて高い経済成長を維持するという見立てから、人民元を買っていた投資家も多かったのです。

                                       

                                       ところが中国は輸出を伸ばそうとして2015年秋口以降、人民元安に誘導しました。その結果、人民元安となって投資家らが慌て売り始め、キャピタルフライト(資産逃避)が発生し始めたのです。

                                       

                                       このキャピタルフライトが止まらず、中国は外貨準備高を取り崩し、米ドルを売って人民元を買うという対応を取り始めました。以来、人民元が下げ止まらず、中国は外貨準備高の取り崩しを継続し、ついには爆買い規制にまで発展したのです。

                                       

                                       中国の人民元安対応は、爆買い規制に留まりません。送金規制も始めています。日本企業が中国で稼いだ人民元を、日本円に換金しようとすると、難癖をつけるなどして送金を規制しています。これも人民元安を食い止めるためにやっていることです。中国にとっては幸いにも爆買い規制、送金規制、外貨準備高取り崩しによる為替介入が功を奏し、2016/12/16に1ドル=6.9615人民元という安値から、人民元高に反転。2018/04/13に1ドル=6.2750人民元まで人民元高となったのですが、米中貿易戦争が表面化して再び人民元安のトレンドに転換しました。直近では下表のチャートの通り、2018/12/21時点で1ドル=6.9065人民元まで人民元安が進行しています。

                                       

                                      <人民元と米ドルのチャート>

                                      (出典:ブルームバーグ)

                                       

                                       そうした中、中国がチャイナグローバリズム(不平等なグローバリズム)を続け、発展途上国に高金利でお金を貸し込んでインフラを整備し、お金が返せなくなると領土を占有するという事件が、スリランカのハンバントタ港、ギリシャのピリウス港で発生。トランプ大統領に2017/01/20、ホワイトハウス国家通商会議ディレクターに指名されたピーターナヴァロ氏は、中国の「中国製造2025」「一帯一路」といった政策に対して、米国のピーターナヴァロ氏は軍事拡大が目的だとする論文を掲載。米中貿易戦争が本格化しました。

                                       

                                       米中貿易戦争は今年4月以降に激化し、ZTE問題に加え、直近ではHuawei排除という事件にまで発生しています。このような米中貿易戦争の激化によって、巨額な人民元売りとキャピタルフライトが継続する中、人民元暴落となって金利の高騰と悪性インフレが発生する土壌が醸成され、外貨準備高を取り崩して人民元を買い支えしているものの、人民元下落を止めるにまでは至っていない状況です。

                                       

                                       

                                       

                                      4.中国にはメリットがあるが、日本はリスクだけ

                                       

                                       この状況で2018/10/26に日本政府が中国共産党と日中通貨スワップを締結したということは、中国にとっては通貨暴落による最大3兆4000億円相当の損失を回避できる一方、日本は最大3兆4000億円相当の損失を被ります。

                                       

                                      <日中通貨スワップによる日本銀行と中国人民銀行のバランスシートイメージ図>

                                       

                                       もし日中通貨スワップが締結された今、人民元が10%値下がりした場合、どうなるでしょうか?

                                       

                                       中国は3兆4000億円の10%相当の3400億円を得する一方で、日本は3400億円損をします。日本銀行のバランスシートが3400億円毀損する=3400億円もの国富の喪失です。

                                       

                                       人民元は対他通貨で値下がりしていることは、先ほど述べました。1ドル=7.0000元のラインを割らないように為替介入を実施。具体的には中国共産党は外貨準備高取り崩しを継続しています。

                                       

                                       日本にとって「パンダ債」を発行したみずほ銀行や三菱UFJ銀行やら、それを購入した企業が、人民元安による債券相場下落から守るために日中通貨スワップと締結するというのは、国家として国益としてどうなのでしょうか?私は日中通貨スワップ締結はネガティブに考えざるを得ません。

                                       

                                       一部の民間企業の利益確保のために外交で譲歩する国が、世界で他にあるのか?と考えると、今回の日中通貨スワップ締結は大変憤りを感じざるを得ないからです。

                                       

                                       仮に「パンダ債」の下落ではなく、邦銀や日本企業が中国国内でビジネスチャンスだとして、麻生太郎財務大臣が指摘する人民元が安定供給されないリスクを懸念して日中通貨スワップを締結したのだとすれば、これまたおかしな話です。

                                       

                                       ローカルカレンシーである人民元を、ハードカレンシーである米ドルや日本円に交換できないというならば、まだ理解できるのですが、人民元が安定供給されないから・・・というならば、本来日本政府は中国から日本企業に撤退を促すべきではないでしょうか?

                                       

                                       通貨がまともに供給されないような国でビジネスを行うのは危険であるとして、中国から撤退を促すのが日本政府の役割であると私は思うのです。

                                       

                                       端的にいえば、日中通貨スワップは、中国にメリットがある一方、日本はほんのちっぽけな一部の企業の利益を守るために、最大で3兆4000億円もの国富を流出します。そうしたリスクを抱えるだけにとどまらず、トランプ大統領が日中通貨スワップの真意を知ったら、どうなるか?という点も指摘せざるを得ません。

                                       

                                       米中貿易戦争をやっている最中、日本が金融面で支援してるとなれば、日米FTA(二国間貿易協定)において、トランプ大統領は、高圧的な交渉を仕掛けてくる可能性があります。

                                       

                                       具体的には、アベノミクスの金融緩和策が為替誘導条項に認定されたり、通商問題ではコメなどの関税をゼロにしろとか、日本の市場を強硬に開放を迫る可能性が極めて高いと想定できます。

                                       

                                       

                                       というわけで今日は、日中通貨スワップについて取り上げました。

                                       2018/09/27に日米共同宣言で中国の不公正なグローバリズムに日米欧で対抗しようと宣言したにもかかわらず、1か月後の2018/10/26に日中通貨スワップを締結するというのは、あまりにも矛盾しているのではないでしょうか?

                                       この矛盾を野党の国会議員らは、ちゃんと指摘するべきなのですが、彼らもまた中国寄りで中国と仲良くするべきという浅はかな思想で指摘することができないのです。

                                       日本は終わっている!と思うのは私だけでしょうか?私は諦めません。こうした言論活動を通じて少しでも日本をよりいい方向にしていきたいからです。ぜひ皆様におかれましても日中通貨スワップがどれだけ国益を損ねるか?知っていただきたいと私は思います。

                                       

                                       

                                      〜関連記事〜

                                      米国債残高1位の中国は米国債売却で反撃するという言説について

                                      中国の外貨準備高3兆ドル割れ

                                      打つ手なしの中国経済(爆買い規制と供給力過剰問題)

                                      中国の爆買い規制と400兆円の外貨準備高の中身について

                                      中国の一帯一路の被害国を増やすことに手を貸す日本企業と、中国とのプロジェクトを決別宣言したマレーシア

                                      中国の公平でないグローバリズムに強硬な姿勢をとる米国と、製造2025をビジネスチャンスと考えるアホな国

                                      中国のAIIBと一帯一路に手を貸す銀行・企業は、中国の侵略に手を貸すのと同じです!

                                      中国人民銀行が人民元の海外流出額を制限!


                                      覇権挑戦国に伸し上がろうとする中国をつぶそうとしている米国

                                      0

                                        JUGEMテーマ:国防・軍事

                                        JUGEMテーマ:通商政策

                                        JUGEMテーマ:中国ニュース

                                         

                                         

                                         今日は「覇権挑戦国に伸し上がろうとする中国をつぶそうとしている米国」と題して論説します。

                                         

                                         2018年3月に、トランプ政権が米国に輸入される鉄鋼に一律25%、アルミニウムに一律10%の関税を課すという輸入制限を発動させてから、米中貿易戦争が一気に注目を集めるようになりました。

                                         

                                         この段階では、日本製品を含めて一律に関税を課すということでしたが、4/16には中国通信機器大手のZTEがイラン、北朝鮮へ通信機器を違法に輸出していたとして、米国企業による製品販売を7年間禁止すると発表し、明らかに中国を狙い撃ちした経済制裁が始まって、貿易戦争が一気に加速しました。

                                         

                                         日本のマスコミも「米中貿易戦争」と題して、こうした米中激突の状況を経済戦争と捉えて連日報道しています。

                                         

                                         そうした報道の中で、中国に勝ち目があるか否か?あるいは米国の貿易戦争は意味がないであるなど、様々な論説が飛び交っていますが、米国がやろうとしていることは、そうした単なる貿易問題の話ではなく、もっと大きなパラダイムシフトが起きようとしていると考えるべきです。

                                         

                                         いわば第二次世界大戦が終わり、米ソ間で鉄のカーテンが轢かれて冷戦が始まった時点であるとか、東西ドイツのベルリンの壁崩壊であるとか、1991年末のソビエト連邦崩壊であるなど、そのくらいのインパクトのパラダイムシフトが起きようとしていると考えられるのです。

                                         

                                         そうした意味では、貿易の問題だけではないため、「米中貿易戦争」という表現は、誤解を招くといえます。

                                         

                                         今年の10月に米国のミサイル駆逐艦「ディケーター」が南シナ海を航行中、中国の軍艦が接近するという事件も発生しております。

                                         

                                         ブルームバーグの記事をご紹介します。

                                        『ブルームバーグ 2018/10/02 13:59 中国、南シナ海航行の米駆逐艦追い出す−米中の緊張浮き彫りに

                                         中国が南シナ海で実効支配する人工島に接近した米駆逐艦を中国側が追い出した。中国国防省が2日発表した。貿易摩擦が激しさを増す中で、米中両国の緊張が浮き彫りとなっている。

                                         同省は声明で「米海軍のミサイル駆逐艦『ディケーター』が南シナ海の人工礁近くの海域に入ってきた」と説明。警告を発した上で、米駆逐艦を追い出したという。

                                         米太平洋艦隊のティム・ゴーマン報道官は電子メールで、ディケーターが9月30日午前に南シナ海のガベン礁の近くを航行中に、中国の駆逐艦が「危険かつプロフェッショナルではない操縦で接近してきた」ことを明らかにした。

                                         中国の駆逐艦はディケーターに海域から出るよう警告するたびに操縦が攻撃的になったと同報道官は説明。「ディケーターの艦首まで45ヤード(約41メートル)以内まで近づいてきたため、ディケーターは衝突を避けるための行動を取った」と記した。

                                         中国政府は先月、米軍艦の香港寄港要請を拒否。中国の海軍幹部も米国側とのハイレベル協議を取りやめていた。』

                                         

                                        <米国のミサイル駆逐艦”ディケーター”>

                                        (出典:ブルームバーグ紙)

                                         

                                         米国には国是としてFON(Free of navigeter:航行の自由)という極めて重要な概念があります。

                                         

                                         このブルームバーグの記事は、南シナ海で勝手に基地を作り、航行の自由を妨げる中国に対して、FONをかざす米国が駆逐艦で就航しているところ、中国の艦船が急接近したという事件です。

                                         

                                         こうした記事をみても理解できると思いますが、米国は中国との間で、事実上の戦争が始まっている状態と認識していることの証左といえるでしょう。

                                         

                                         南シナ海で中国が埋め立てた上に基地を作ったいわゆるスプラットリー諸島問題は、そもそも国連海洋法条約121条1項に定められる島の定義に該当しません。日本の沖ノ鳥島は国際法上の島の定義に該当しますが、スプラットリー諸島は島ではありません。そのためEEZ(排他的経済水域)ですら、中国は主張することができません。

                                         

                                         米国のFONは国是であるため、今後はこうした艦船の接近事件という白黒ではなくグレーな事件は多発するかもしれません。そして、方向的にはグレーが白に戻ることはなく、必ず黒に向かっていくのが過去の歴史です。

                                         

                                         この背景には2つ理由があると考えられます。

                                         

                                         一つ目は1992年にソ連が崩壊して以降、米国が覇権国として主導してきたグローバリズムによって、覇権国に対する挑戦国を新たに生み出すという歴史です。

                                         

                                         第一次グローバリズムは英国が覇権国で、英国が自由貿易を推進する反対側で、自国市場は保護して技術開発・設備投資を行って経済力を強化し、急激に経済力が伸びて英国の挑戦国になったのがドイツです。経済力が拮抗もしくはドイツが経済力を上回った瞬間に1914年の第一次世界大戦が勃発しました。

                                         

                                         これを米中に照らし合わせてみるとどうでしょうか?

                                         

                                         米国が自由貿易を推進する反対側で、中国は自国市場を保護して技術供与を強要し、中国人労働者を受け入れろ!とやる一方で中国は労働者を受け入れず、中国人に日本や米国の土地を買わせろ!とやる一方で、中国の土地は日本や米国には買わせないという保護主義を取りながら経済成長して伸し上がってきました。いわば中国が米国の覇権国になったこということが1点目です。

                                         

                                         二つ目として、世界には2種類の国しかないということです。

                                        <封建領主国(封建制度を経験している国)>

                                         封建制度を経験し、議会制民主主義と資本主義を発展させた西洋と日本とその後継国が該当します。米国は英国の後継国であり、カナダもオーストラリアも同様です。西側先進諸国は100%封建制度を経験しています。

                                         米国は封建制度の経験はありませんが、英国内で進化した議会制民主主義を受け入れた人々が米国に渡りました。そういう意味で米国は英国の後継国といえます。

                                         欧州では中世において封建制度を経験しています。

                                         

                                        <独裁帝国(封建制度を経験していない国)>

                                         言論統制し、多民族、多言語、多宗教国家であることが特徴的です。それを皇帝という絶対権力者がいて、その皇帝が独裁政治をやります。

                                         そうしないと国家としてまとめられないからなのですが、そうした歴史を積み重ねてきた国が独裁帝国です。

                                         

                                         前者の封建領主国とは、封建制度を経験して議会制民主主義と資本主義を発展させた西洋と日本とその後継国が該当します。米国は封建制度を経験していませんが、英国の進化した議会制民主主義を受け入れた人々が米国に渡ったため、英国の後継国といえます。

                                         

                                         後者の独裁帝国は、言論統制し、多民族・多言語・多宗教国家で、そこに皇帝という絶対権力者が存在し、その皇帝が独裁政治を行うというのが独裁帝国です。良くも悪くも独裁国家とは皇帝がいないと国がまとまりません。

                                         

                                         中国VS米国&欧州&日本という独裁帝国VS民主国家という構図であり、これは数年で終わるはずがありません。貿易戦争というのは、そうした意味で矮小し過ぎといえます。

                                         

                                         そして中国という国の最大の問題は、今まで民主主義を経験できなかったことに尽きます。

                                         

                                         なぜ中国が民主主義を経験できなかったか?理由は、封建制度で権力が分散しますと国王が持っていた絶対権力が各封建領主国に分散してしまい、国家としてまとまらなくなってしまうからです。

                                         

                                         第一次世界大戦の構図の英国VSドイツでは、ドイツについてナチスのことを独裁国家と呼ぶことが多いです。とはいえナチスドイツはドイツ民族とナチス党が一体化しており、ナチスが一党独裁であっても、中国のように国家の上に中国共産党が存在するという形ではなく、あくまでもナチスは同一民族の一体化という位置づけでした。

                                         

                                         中国共産党は中華人民共和国の上に立つため、一帯一路政策などを通じて他国を中国共産党の支配下に置くことができてしまうのです。

                                         

                                         そうした意味で、これまでの覇権国VS覇権挑戦国という構図でも、民主国家VS独裁帝国という新しい構図で激突しているという点で、大きなパラダイムシフトが起きようとしていると捉えることができるでしょう。

                                         

                                         

                                         というわけで今日は「覇権挑戦国に伸し上がろうとする中国をつぶそうとしている米国」と題して論説しました。

                                         

                                         

                                        〜関連記事〜

                                        「中国は経済成長すれば、やがて中国人民が豊かになって民主化する」という言説と「沖縄はもともと中国の領土だ」という言説の真偽

                                        中国Huawei・ZTE問題と、国家安全保障にかかわる次世代通信システム5Gサービスについて

                                        米国による同盟国への中国ファーウェイ製品の使用中止要請について

                                        中国の一帯一路の被害国を増やすことに手を貸す日本企業と、中国とのプロジェクトを決別宣言したマレーシア

                                        中国の公平でないグローバリズムに強硬な姿勢をとる米国と、製造2025をビジネスチャンスと考えるアホな国

                                        中国のAIIBと一帯一路に手を貸す銀行・企業は、中国の侵略に手を貸すのと同じです! 


                                        米国債残高1位の中国は米国債売却で反撃するという言説について

                                        0

                                          JUGEMテーマ:国防・軍事

                                          JUGEMテーマ:通商政策

                                          JUGEMテーマ:中国ニュース

                                           

                                           米中貿易戦争について、有識者と呼ばれる人の中には、米国が中国に勝てるわけがないと主張する人がいます。なぜならば、いざとなれば米国債残高の保有が1位の中国が、大量の米国債を売ってくるからだと。

                                           この言説は本当でしょうか?というよりも明らかに馬鹿げた話であることをご説明したく、今日は「米国債残高1位の中国は米国債売却で反撃するという言説について」と題し、金融面から米中貿易戦争を論じたいと思います。

                                           

                                           下記は今年秋口の2018/09/19のロイター通信の記事です。

                                          『ロイター通信 2018/09/19 10:42 中国の米国債売却はあるか、貿易摩擦激化で再び注目

                                           [ロンドン 18日 ロイター] - 米中両国が過去15年間築いてきた経済・金融関係において確固として変わらなかった要素が1つある。それは中国が保有する膨大な米国債を決して売らないという想定だ。

                                           米国債の売却は、両国にとって金銭的な打撃をもたらし、金融面以外でも非常に深刻な影響を受けるとみられるため、単純に発生しないという理屈になる。これを無視すれば、冷戦期の軍事理論「相互確証破壊(核戦争をすれば共倒れになること)」に経済的な超大国同士が踏み込んでしまう。

                                           だが米中の貿易摩擦が激化していることから、全く現実味がないとは言い切れないのではないか。

                                           近年、とりわけ中国経済の落ち込みが国際金融市場を動揺させ、結局人民元の約2.5%切り下げにつながった2015年8月以降は、中国による米国債売却は一度な米国でグーグルのニュース検索における「中国 米国債」というワード、あるいはウェブ検索での「中国 売却 米国債」というワードは今や、15年8月以降で順位が最も高くなっている。 らず市場に浮上してきたシナリオだ。

                                           米国でグーグルのニュース検索における「中国 米国債」というワード、あるいはウェブ検索での「中国 売却 米国債」というワードは今や、15年8月以降で順位が最も高くなっている。

                                           少なくとも米国の一般社会では、中国の米国債売却が再び視野に入ってきている。そしてもし貿易摩擦がさらにエスカレートすれば、米国債市場のレーダーに投影される日も遠くないだろう。

                                           トランプ政権は24日から、新たに2000億ドル相当の中国製品に10%の追加関税をかけると表明。中国もすぐに600億ドルの米製品に報復関税を課した。

                                           しかし中国側が標的にできる米製品の範囲は相対的に小さい。だから為替レートを対抗手段として利用し、3月以降で10%下がってきた人民元の対ドル相場がさらに大きく下落するのを容認するかもしれない。

                                           もっとも人民元安が進んだのは米中が関税をかけ合う前で、中国政府はその後、貿易面の痛手を相殺するために通貨切り下げはしないと約束している。つまり中国が今後人民元の下げ圧力に抵抗したいと望むなら、ともかく保有米国債の一部を売らざるを得ないだろう。

                                           そこで登場するのは3兆1100億ドルに上る外貨準備資産で、このうち1兆1800億ドルを米国債が占める。中国とすれば、米国債の購入を縮小ないし停止するか、一層踏み込んで売り切ることができる。 』

                                           

                                           米国が仕掛ける貿易戦争に対して、中国が米国債を大量に売り込んでくるリスクについてロイター通信が報じています。日本のマスメディアもそうですが、海外のマスメディアでさえ、この程度のレベルと言わざるを得ません。

                                           

                                           そもそも米国債を大量に売却してきたら、FRBが買い取ればいいだけの話です。これは日本における政府の借金問題と同じです。

                                           

                                           日本の国債の場合、1000兆円のうち数%を海外の投資家が保有しています。とはいえ、海外投資家が保有する国債は100%円建てであるため、何ら問題ありません。

                                           

                                           仮に海外の投資家が日本国債を売却したとして、日本円は日本国内でしか使えないため、ドルやユーロなどの他のハードカレンシーに交換します。その交換する先は銀行です。邦銀あるいは日本で免許を持つ銀行が投資家が日本の円建て国債売却代金の日本円を例えば米ドルに交換したとしましょう。

                                           

                                           邦銀や日本で免許を持つ銀行は円を手に入れることになります。円は日本国内でしか使えないため、インフレで企業の設備投資需要があれば貸付金になるでしょうが、デフレで資金需要が乏しい場合は、結局日本の円建て国債を買わざるを得ません。なぜならば銀行にとって預金は負債勘定だからです。日本円を借りてくれる人がいないから、民間の資金需要がないから、銀行は日本国債を買わざるを得ず、債券価格は上昇し、金利はゼロに限りなく近づくという状況が発生します。

                                           

                                           もしインフレになって資金需要が増え、銀行が国債売却して国債価格が下落して金利が上昇した場合は、日銀が買い取れば国債暴落・金利急騰は防げるため、日本国債については大量売却とか、大量の空売りとか、何ら心配は不要です。

                                           

                                           では米国債を中国が大量に売ってくるというのは、どう考えるべきでしょうか?

                                           

                                           米国債も同様で、中国が大量に売ってくることがあれば、FRBが買い取ればいいだけの話。それだけにと止まらず米国政府は2つの権利を持っています。

                                           

                                           一つはIEEPAと呼ばれる法律で「INTERNATIONAL EMERGENCY ECONOMIC POWERS ACT」の略です。この法律は、国際緊急経済権限法といって、安全保障上、重大な脅威がある場合、大統領の権限で金融制裁できるという法律です。

                                           

                                           二つ目は「USA Patriot Act」と呼ばれる法律で、米国愛国者法と呼ばれ、2001年10月26日に制定されました。2015年に「USA Freedom Act」に名称変更されましたが、この法律は、安全保障上の脅威に対して、資産を凍結・没収できるという法律で米国債も対象になります。

                                           

                                           米国には、この2つの法律があるため、ボタンを押すだけで中国が保有する米国債を没収することができます。米国債は券面で交付しているのではなく、電子登録でデジタルに米国が管理しているだけですので、一瞬にして簡単に没収することができるのです。

                                           

                                           日本には、国債保有者が安全保障上の脅威という理由で日本政府や日本銀行などが帳消しにするという法律は存在しませんが、米国には上述の法律が存在します。

                                           

                                           もし米国がこれを行使すれば、中国の信用は一気になくなり、中国経済は崩壊するでしょう。

                                           

                                           仮に米国の2つの権利が行使されなかったとしても、米国債の大量売却で、FRBが買い取らずそのまま価格が下落したとして、大量の評価損を抱えることになる米国債を保有している中国は大損します。

                                           

                                           結局、中国が大量に米国債を売却すれば、損するのは中国です。

                                           

                                           米中貿易戦争では、中国側に金融面で報復する武器があり得るようにみえます。米国債残高を大量保有する中国が有利に見えます。何しろ大量に米国に貸しつけているのと同じだからということなわけですが、そもそも米国には「IEEPA」と「USA Freedom Act」という法律があることを、そうした言説を放言する人らは知らないのでしょうか?

                                           

                                           はっきり申し上げますが、端から中国には勝ち目がないのです。

                                           

                                           ではなぜ「中国は大量に国債売却してくる!」という言説が出てくるのでしょうか?

                                           

                                           私が思うところ「中国は経済大国日本をあっという間に抜くほどの大国である!」と持ち上げたい人が、「中国は大国だから米国も手こずるに違いない!米国が関税を引き上げても無駄だ!」という結論があり、その結論を後押しするために米国債大量保有の話を持ち出しているのではないか?ということです。

                                           

                                           こういう明らかに間違っている結論に対して、間違いと気付かずその結論の後押しとなることを付け加えて正当化しようとするのは、心理学でいう認知的不協和と呼ばれるものなのですが、歯に衣を着せずにいえば、頭が悪いとしか言いようがありません。

                                           

                                           認知的不協和に陥った中国礼讃の間抜けな有識者が、こうしたばかばかしいシナリオをテレビなどで論じているのです。

                                           

                                           

                                           というわけで今日は「米国債残高1位の中国は米国債売却で反撃するという言説について」と題して論説しました。 


                                          米中貿易戦争で中国は勝てません!

                                          0

                                            JUGEMテーマ:国防・軍事

                                            JUGEMテーマ:ケータイ

                                            JUGEMテーマ:通商政策

                                            JUGEMテーマ:中国ニュース

                                             

                                             今日は日本政府が通信機器で中国製品(Huawei・ZTEなど)の排除を要請したニュースを取り上げ、米中貿易戦争について論じたいと思います。

                                             

                                            1.日本政府が締め出しの対象とした14分野について

                                            2.安全保障上の問題と米国が仕掛けた覇権挑戦国中国つぶし

                                            3.圧倒的な内需国の米国と輸出依存国中国

                                             

                                             日本経済新聞の記事を取り上げた後、上記の順で論説します。

                                             

                                             

                                             まずは日本経済新聞の記事を紹介します。 

                                            『日本経済新聞 2018/12/13 通信機器調達、情報漏洩防止へ14分野に要請 政府、ファーウェイなど排除念頭  

                                             政府は情報漏洩や機能停止の懸念がある情報通信機器を調達しないよう重要インフラを担う民間企業・団体に要請する。電力や水道、金融、情報通信、鉄道など14分野が対象。悪意のあるプログラムで社会機能が麻痺(まひ)するなど安全保障上の懸念があるためだ。米国が取引を禁じる中国通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)などが念頭にある。

                                             政府は既に中央省庁の情報通信機器の調達に関して指針をまとめている。通信回線装置やサーバー、端末など9項目が対象。価格をもとに選んでいた調達先に関し、安全保障上の危険性を一段と考慮し、2019年4月以降の調達に適用する。これを踏まえ、19年1月から民間事業者にも調達しないよう求める。

                                             ファーウェイのほか、中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)の通信機器などが事実上、排除される見通しだ。

                                            米政府はファーウェイ製品などを経由して軍事情報が盗み出されていると分析し、8月に成立した19年度国防権限法(NDAA2019)で政府機関での製品使用などを禁じる方針。日本側が新指針を策定したのも、こうした米国の動きを踏まえたものだ。

                                             今回、政府がこうした通信機器のリスク排除を民間にも広げるのは重要インフラ業者のシステムが脅威にさらされたときの被害規模が大きいため。電力会社のシステムが悪意のあるプログラムにより停止すれば電力供給が滞り経済活動が止まりかねない。鉄道や航空といった交通網や医療機関が混乱すれば国民生活に甚大な影響を与える。

                                             政府は来年1月にサイバーセキュリティ戦略本部(本部長・菅義偉官房長官)のもとで民間の重要インフラ業者らを集めた「重要インフラ専門調査会」を開く。電気事業連合会や日本水道協会、銀行、証券、保険各業界などの代表者に新指針の内容を説明し、安保上の危険性がある通信機器を調達しないよう求める。

                                             ただ、政府が民間企業の調達先を指示したりすれば、過剰な民間介入と指摘されかねない。政府は重要インフラに対してあくまでも協力の要請や注意喚起という形式をとることで、取引停止などを強制するものではないとの立場をとる。

                                             企業側も動き出している。ファーウェイなど中国製をサービスや業務で利用している日本企業は他社製品への交換を検討し始めた。

                                             ソフトバンクは現行の通信規格「4G」の基地局にファーウェイとZTEを採用している。17年度に調達したファーウェイの基地局は6割近いものの、次世代規格「5G」の基地局には中国製を採用しない方針だ。顧客離れを防ぐため4Gについても抜本的な見直しを迫られる可能性がある。

                                             ある物流企業では外勤の営業職などにファーウェイとZTEのモバイルルーターを貸与している。他社製品への切り替えも視野に入れ、レンタル元の大手通信キャリアと議論を始めた。

                                             大手化学メーカーもファーウェイ製のモバイルルーターを使っている。ファーウェイ幹部の逮捕(その後、保釈)を受け、供給元であるプロバイダーの担当者から安全対策上の問題がないとの説明があったという。

                                             重要インフラ業者にはより高水準の安全対策が必要だ。電力卸売大手のJパワーは発電所の運用状況をやりとりする通信設備を備えるが、ファーウェイやZTEの製品・サービスは使用していないという。』

                                             

                                             

                                             

                                            1.日本政府が締め出しの対象とした14分野について

                                             

                                             上記の記事の通り、日本政府がついにHuaweiとZTEの締め出しに動き出しました。日本政府が掲げた14分野と対象のシステム例は下表の通りです。

                                             

                                            <重要インフラ14分野の対象のシステム例>

                                            情報通信 ネットワーク、編成・運行
                                            金融 勘定系システム、資金証券系システム、国際系システム
                                            航空 運行、予約・搭乗、整備
                                            空港 警戒警備・監視
                                            鉄道 列車運行管理、電力管理
                                            電力 電力制御、スマートメーター
                                            ガス プラント制御、遠隔監視・制御
                                            行政 地方自治体の情報
                                            医療 診療記録などの管理
                                            水道 水道施設や水道水の監視
                                            物流 集配管理、貨物追跡、倉庫管理
                                            化学 プラント制御
                                            クレジット クレジットカード決済
                                            石油 受発注、生産管理、生産出荷

                                             

                                             政府は上記14分野の重要インフラを担う民間企業・団体に対して、情報漏洩や機能停止懸念がある情報通信機器を調達しないよう要請しました。

                                             

                                             悪意あるプログラムで社会機能がマヒするなど、安全保障上の懸念があるため、米国が取引を禁ずる通信機器大手のHuaweiが念頭にあるほか、ZTE(中興通訊)も事実上排除されることになります。

                                             

                                             記事にもありますが、政府が民間企業に調達先を指示すれば、過剰な民間介入と指摘されかねないという見方を報じています。米国ではHuaweiとZTEの排除の動きを、同盟国中心に世界的に広げてきました。

                                             

                                             今回の中国製品排除について、Huaweiが中国共産党と結びつきが強い点からも、日本政府の対応は適切であると考えます。疑わしきは罰せずというのならば、排除には議論の余地があるかもしれません。とはいえ、今の状況は目の前の饅頭の中に毒が入っているかもしれないというやつを食べる奴はバカという話であり、同様にHuaweiの機器を使わなければならない必然的な理由がなければ、危ないものは使わない方が得策であるに決まっています。

                                             

                                             以前、韓国のサムスン電子製のギャラクシーノートPCのリコール問題で、国交省が機内持ち込み全面禁止としていますが、これも米国運輸省に追随する形で禁止しました。

                                             

                                             危ないものは、どれだけ安くても使わないのは当たり前です。安い部品を調達したい動機があるとすれば、原価を抑えて低価格にすることで、高価格製品と価格競争力でシェアを奪っていくというだけの話。そうした業者は当然規制すべきであり、規制をしないで自由市場に任せれば淘汰される的な、いわばレッセフェール(自由放任主義)を礼讃するような言説は、咎められるべきです。

                                             

                                             私からみれば「見えざる手」でダイナミックな自由市場に任せれば、自然淘汰されていくなどというのは寝言に等しいです。デフレ脱却ができずにいるのは、こうしたコピー紛いの粗悪な製品を安く輸入することを放置しているからです。

                                             

                                             

                                             

                                            2.安全保障上の問題と米国が仕掛けた覇権挑戦国中国つぶし

                                             

                                             マクロ経済への影響もさることながら、安全保障面においても、今回の政府の対応はポジティブに考えるべきです。何しろHuawei自身は中国共産党と資本関係があります。にもかかわらず、原価を安くすれば自社が儲かるからという理由で、日本製の電子部品を使わず、HuaweiやZTEが製造する通信機器を唯々諾々と使い続けるのは、国家として問題があるといえます。

                                             

                                             100%黒であることを証明しなければ規制すべきでないという意見もあるかもしれません。しかしながら中国が製造2025を打ち出し、半導体製造など中国国内で国産化するために不当に技術移転を行い、軍事力を増強しつつ経済で金融も含めて発展途上国を中心に高利でお金を貸し込んで返せなくなると長期間租借の契約を締結するという由々しき事件を引き起こしています。

                                             

                                             スリランカのハンバントタ港にしろ、ギリシャのピリウス港にしろ、港を整備するのに中国がスリランカやギリシャにお金を高利で貸し込み、返せなくなると長期間租借契約して中国軍が拠点にするなど、軍事目的・軍事拡大を狙って、その一環で通信機器を世界中に販売しているのです。

                                             

                                             米国のピーターナヴァロ氏がこれを指摘し、トランプ大統領も賛同して中国製品排除の動きに乗り出しました。

                                             

                                             これをマスコミは米中貿易戦争といってますが、上述の安全保障上の問題のみならず、覇権国米国の挑戦国として伸し上がろうとする中国つぶしの動きともいえます。米中貿易戦争とやらは、単なる貿易問題ではなく、大きなパラダイムシフトが起きている中での一つの事件とみるべきです。

                                             

                                             

                                             

                                            3.圧倒的な内需国の米国と輸出依存国中国

                                             

                                             一部の評論家の間では、米国は中国に勝てないなどと論説する人がいますが、果たしてそうでしょうか?

                                             

                                            <米中間における貿易構造(2017年)>

                                            (出典:三井住友銀行のアナリストレポートの中国国家統計局から作成した資料を引用) 

                                             

                                             

                                             上記は、米中間の貿易構造を示した資料なのですが、米国側から見た場合、米国から中国への輸出額は1,304億ドルであるのに対し、米国の中国からの輸入額は5,056億ドルです。

                                             

                                             米国が中国から輸入する品目上位には、電気機器や機械類関連といった品目がありますが、これらは別に中国の部品を使わなければならないというわけではありません。おそらく企業がコストの安い中国製品(HuaweiやZTEなど)を単に輸入しているだけです。上位品目は‥典さヾ1,470億ドル、機械類1,096億ドルと、両品目それぞれで米国→中国の輸出額1,304億ドル近くに匹敵します。

                                             

                                             関税を引き上げ合う貿易戦争となった場合、外需依存国は弱い一方、内需国は関税引き上げがあっても影響が小さい。こうしたグラフをみれば、米国は相対的に中国の需要に依存しておらず、中国は米国の需要に依存しているということは明らかです。

                                             

                                             米国が中国から輸入している品目上位についていえば、‥典さヽ1,470億ドルも、機械類1,096億ドルも、コストが安いということで米国企業が調達先を中国にしているだけです。中国製品でなければいけないという理由は、ほとんどないでしょう。何しろ米国は先進国です。いざとなれば自分たちで作ることは可能でしょう。

                                             

                                             こうした資料をみれば、輸出依存・外需依存国がいかにみじめなことになるか?ご理解いただけるのではないでしょうか?米国は完全に中国をつぶしにきたといえます。米国の同盟国の日本でさえ、中国へ輸出ができなくなったというわけです。

                                             

                                             よく日本では、国内が経済成長できないからこそ海外で稼がなければ・・・という言説があるわけですが、海外輸出に依存するということは、その輸出先の国の主権一つで需要がシャットされてしまうリスクがあるということが、反面教師で理解できるのではないでしょうか?

                                             

                                             

                                             というわけで今日は「米中貿易戦争で中国は勝てません!」と題して論説しました。

                                             米国の同盟国以外のイランなどに輸出を続ければ、米国はさらなる制裁を強めることでしょう。米中貿易戦争の勝ち負けは目に見えて明らかで、中国が苦しくなるわけですが、そこで日本に擦り寄ってきたところに、経団連を中心とする日本企業は「ビジネスチャンス!」といって飛びついているわけで、空気が読めていないことの証左です。

                                             私はアンフェアなチャイナグローバリズムは認めることができませんし、何しろ中国共産党が利する状況は日本の国益にならないだけでなく、他の発展途上国が中国に騙されて掠め取られる被害を回避する意味でも、今回の日本政府の中国製品排除は大いに評価したいと思うのであります。

                                             

                                             

                                            〜関連記事〜

                                            中国Huawei・ZTE問題と、国家安全保障にかかわる次世代通信システム5Gサービスについて

                                            米国による同盟国への中国ファーウェイ製品の使用中止要請について

                                            「日本人が中国人を安い賃金で雇う」ではなく「中国人が日本人を安い賃金で雇う」時代へ!

                                            中国の一帯一路の被害国を増やすことに手を貸す日本企業と、中国とのプロジェクトを決別宣言したマレーシア

                                            中国の公平でないグローバリズムに強硬な姿勢をとる米国と、製造2025をビジネスチャンスと考えるアホな国

                                            中国のAIIBと一帯一路に手を貸す銀行・企業は、中国の侵略に手を貸すのと同じです!

                                            「リカードの比較優位論」の欺瞞と国際貿易(池上彰の間違った解説!)


                                            フランスで発生しているデモ活動について

                                            0

                                              JUGEMテーマ:グローバル化

                                               

                                               今日はフランスで発生しているデモ活動について論じたいと思います。

                                               

                                               下記はロイター通信の記事です。

                                              『ロイター通信 2018/12/11 09:53 マクロン仏大統領、賞与非課税など新たな歳出策発表−抗議デモに対応

                                               フランスのマクロン大統領は10日夜、1カ月にわたる「黄色いベスト運動」と呼ばれる政権への抗議デモに区切りを付けることを目指し、国民の懸念への配慮が欠けていたと認め、新たな歳出策を約束した。

                                               マクロン大統領は同国のテレビ・ラジオを通じた演説で、企業に年末ボーナスの支給を呼び掛け、残業代などとともに非課税にすることを約束。最低賃金を1カ月当たり100ユーロ(約1万2850円)引き上げるための対策や、年金が月額2000ユーロを下回る年金生活者向けの物議を醸している税金の廃止を打ち出した。

                                               同大統領は1週間余りぶりの公式発言で「黄色いベスト運動の怒りは妥当だと私は多くの点で感じている」と述べ、フランスは「社会・経済的な緊急事態」に直面していると付け加えた。

                                               大統領演説を受けた活動家の最初の反応は、政府による一連の取り組みでも抗議デモが継続する見通しを示唆している。黄色いベスト運動幹部のジェレミー・クレマン氏は大統領の発表内容が「前向きで、大きな前進だ」と述べた上で、必要とされる一層の改革に取り組むものではないと指摘した。ストラスブールやトゥールーズ、オルレアン周辺道路を封鎖しているデモ隊は仏メディアの記者団に対し、封鎖を解かない考えを示した。

                                               マクロン大統領は対策の総額に言及しなかったが、最低賃金の引き上げ対象は160万人に達する。残業代の非課税措置とともに来年早々実施されるが、1月1日とは限らない。フランスの来年の財政赤字は燃料税引き上げ計画の撤回前の時点で既に、国内総生産(GDP)比2.8%に到達すると予想されていた。欧州連合(EU)当局者がイタリアに対しGDP比2%未満に財政赤字を抑制させようとしている状況下で、フランスが歳出拡大に動けば厄介な状況になりかねない。

                                               

                                               上記の通り、燃料税引き上げへの反発から始まったフランスの抗議デモについて、マクロン大統領はテレビ演説で、ボーナスと残業代の非課税に加え、最低賃金の引き上げや低年金生活者向けの税金廃止を打ち出しました。

                                               

                                               黄色いベスト運動とも呼ばれる今回のフランスのデモは、車の燃料税増税に反対するトラック運転手らが、ドライバーの安全確保用の黄色いベストを着て抗議したことをきっかけに全土に広がりました。

                                               

                                               このデモはこれまでのデモと違う点があります。それは庶民がグローバリストのマクロンに抗議しているという点です。

                                               

                                               フランスは共和主義国であり、デモは一般的であり、日本ではデモ参加といえば普通でないイメージがありますが、フランスでは普通のことです。何がこれまでと違うか?といえば、左派や右派といった政策論争による闘争ではなく、階級闘争に似ています。高額所得者の税金を減らす一方で、庶民の課税はガソリン税・燃料税を引き上げるといっていました。

                                               

                                               そうした新自由主義・グローバリズム的な政策をずっと推進してきたのがマクロン大統領です。燃料税引上げ表明をきっかけに庶民が多国籍企業、大企業優遇政治に対してマクロン大統領に抗議するというデモが全国に広がったのです。

                                               

                                               ちょうど日本で消費増税をやっている政府、法人税減税をやっている政府、高額所得者の累進課税を緩和している政府、まさに日本とも重なる部分があります。安倍内閣のみならず民主党もTPP参加表明や復興税創設もグローバリズムです。

                                               

                                               政府がお金を使うのではなく、被災地からも幅広く集めて復興を助けるなどというのは、復興という目的を掲げておきながら、被災地からも容赦なく税金を徴収するという点で、欺瞞としか言いようがありません。要は庶民からも取ったほうがいいだろう!という話です。

                                               

                                               この復興税を創設したのは菅直人政権ですが、3.11の東日本大震災の発生がきっかけで、罹災した東北地方からも税金を取るという考えられないことを日本は普通にやってきました。復興税は明らかに増税でインフレ対策です。

                                               

                                               普通に「建設国債増刷」で公共事業強化の「政府支出増」で復興すればいいのに、なぜか庶民からも税金を徴収するということを今もなお続けています。被災地からも容赦なく税金を掠め取ります。

                                               

                                               カネカネカネという考えがいかに間違っているか?虎の子の供給力を維持強化して国力増強を図ることこそ、国益につながります。お金をどれだけ政府が貯めたところで、政府の黒字=民間企業の赤字となり、供給力の毀損で国力は弱体化することに気付いていないのです。東北地方の供給力の維持強化に努めるために東北地方は非課税にするという政治家は日本には存在しないのでしょうか?

                                               

                                               フランスのマクロン大統領の場合は、グローバリズム礼讃でありかつEUに残留してEUにすり寄ることが国益になると考えておられる人です。そのEUではマーストリヒト条約によって、政府の負債対GDP比率で103%以下となるよう定めがあり、デフレ脱却のために大胆な財政支出をしたくても、マーストリヒト条約によってそれができません。

                                               

                                               イタリアもそれで苦労しましたし、英国の場合はEU離脱にまで発展しようとしています。

                                               

                                               ブルームバーグの記事では、フランスの政府の負債対GDP比率が102.8%と報じていますが、これが何か問題なのでしょうか?イタリアは102%以内抑制しようとしているとしてポジティブな言い回しをして、フランスの102.8%はネガティブに報じています。

                                               

                                               だからイタリアもフランスも景気が良くならないのです。景気が悪くデフレから抜け出せないときは、デフレ脱却できるようになるまで政府が負債を増やさなければなりません。

                                               

                                               たとえマクロン大統領が、庶民デモ活動者の懐柔を狙って低所得者の年金やらボーナスやら非課税にしたところで、財政出動しない限り、経済成長は低迷することとなり、豊かになることはできないでしょう。お金持ちの資産家の人々らだけが、グローバリズムで低賃金の外国人労働者を使って稼ぐという状況を改善することにはならないでしょう。

                                               

                                               マクロン大統領は、もともと過半数の得票を得て当選した大統領ではありません。フランスではグローバリズムに疲れたフランス国民が溢れる一方、親庶民で排他的なマリーヌ・ルペンと、親庶民で多様化主義のジャンリュック・メランションという政治家らが台頭しました。ルペンは右派的で過激、メランションは左派的で過激などと、日本のマスコミでも報じられていました。

                                               

                                               ルペンもメランションも過激でも何でもありません。日本のマスコミのこうした報道に私は違和感を覚えます。むしろフランスのデモがこれまでと違う点を、きちんと正しく論じていただきたいものと私は思うのです。

                                               

                                               

                                               というわけで今日は「フランスで発生しているデモ活動について」と題して論説しました。

                                               日本では法人税が引き下げられ、その分消費税が増税されて続けてきました。3%→5%、5%→8%と2019年10月の10%消費増税もすべて社会保障のためなどとの名目で消費増税を受け入れてきました。その結果、社会保障費を捻出できたのでしょうか?残念ながらGDPが500兆円で増えていないということですので、社会保障費を捻出できたとは言えません。消費税は一般会計であり、社会保障費に充当するというのも全くのウソです。

                                               こうしたウソがまかり通っていることに、私たち日本人も早く気付き、声を上げていかなければ、やがて日本は中国の属国となる日が来ることになるでしょう。

                                               そうならないためにも、海外のこうしたニュースについて、現在の日本と照らし合わせ、私たちはどうすべきなのか?考えなければならないと思うのです。

                                               

                                               

                                              〜関連記事〜

                                              「自国で通貨発行・政府支出ができる日本」と「EUに加盟しているためにできないフランス」どっちが愚かなのか?

                                              フランス大統領選挙で垣間見る「フランス国民の分裂」と「欧州経済」

                                              グローバリズムは終焉へ!(北朝鮮情勢とフランス大統領選挙)

                                              フランス大統領選挙!ルペン氏は極右なのか?

                                              フランスのマクロン大統領、徴兵制の導入公約、大幅な後退!

                                              財政赤字を増やそうとしたイタリア政府

                                              緊縮財政ではなく積極財政の方向に進む米国とカナダ


                                              ”ちゃんとEUから離脱しろ!”との与党保守党の声とメイ首相の苦悩

                                              0

                                                JUGEMテーマ:グローバル化

                                                JUGEMテーマ:ヨーロッパ

                                                JUGEMテーマ:イギリス

                                                 

                                                 今日は「”ちゃんとEUから離脱しろ!”との与党保守党の声とメイ首相の苦悩」と題して論説します。

                                                 

                                                 下記はブルームバーグの記事です。

                                                『ブルームバーグ 2018/12/13 06:06 メイ英首相続投へ、与党信任−党首として次期総選挙は戦わず

                                                 英与党保守党が12日夜実施した下院議員による信任投票の結果、メイ党首(首相)が信任された。勝利したとはいえ、かなりの数の議員が不信任を表明しており、欧州連合(EU)離脱を控えた重大局面で、首相の立場への打撃は避けられない。

                                                 無記名で行われた信任投票ではメイ首相への支持が200票、不支持は117票だった。首相が今回勝利したことで、反対派は少なくとも今後1年は信任投票によってメイ氏の追い落としを目指すことができなくなる。だが同時に3分の1を上回る議員が、メイ氏に首相であってほしくないと考えている状況が浮き彫りになった。ポンド相場は投票を控えて上昇していたが、予想よりも不支持の票数が大きかったと受け止められたことで、上げ幅を縮小した。

                                                 信任投票の実施に伴い、メイ首相もかなりの犠牲を強いられた。首相は自分に批判的な保守党メンバーとの内々の会合で、2022年までに行われる次期総選挙に党首として臨まないと明言したと同席した複数の関係者が明らかにした。このような譲歩は、EU離脱が実現する過程で、メイ氏が引き続き英国のかじ取りを担うことを目指すものといえる。

                                                 メイ首相は首相官邸の前でテレビカメラに向かい、「支持を感謝するが、かなりの数の同僚が私に不信任票を投じた。彼らの主張に私は耳を傾けている」と述べた。

                                                 ハンコック保健・社会福祉相はスカイニューズとのインタビューで、「本心では次期総選挙を戦いたいと望んでいるが、それができないことは承知していると首相は話した。それについて彼女はかなり感情的だった」と発言。メイ政権がいつまでも続かないと批判勢力を安心させるためには必要な譲歩だったと別の閣僚も匿名を条件に語った。

                                                 一方、メイ首相が当面どうなるかという問題が決着したとしても、一時的な猶予で終わる可能性が高い。EUが決定した英国との離脱合意案は議会の厳しい反対に直面し、EUからより良い条件を引き出す試みもこれまでのところ成功していない。

                                                 保守党で離脱推進派のマーカス・フィッシュ下院議員は「首相が勝っても大きな違いはない」と主張。メイ政権を閣外協力で支える北アイルランドのプロテスタント強硬派、民主統一党(DUP)に言及し、「彼女はDUPを制御できず、それは政権に対する信任投票や近い将来の総選挙につながる。われわれは首相の離脱案を支持するつもりはなく、実際問題として彼女は続けることができない」との見方を示した。

                                                 最大野党・労働党は、メイ政権の信任投票を議会で求め、解散・総選挙に追い込むことを目指すかどうか検討しているもようだ。与党保守党内の批判勢力に首相が勝利したことで、逆に野党の攻勢にさらされやすくなるとすれば、皮肉な結果といえよう。』

                                                 

                                                 

                                                 上記の通り、ブレグジット関連の記事なのですが、英国がEUからちゃんと離脱できるのか?注目されている状況下での信任投票でした。

                                                 信任投票は日本時間の午前03:00から投票が始まり、過半数の200票となって続投が決まりましたが、投票前にメイ首相は、英国の将来にリスクと不安定を招く党首選となれば、国益のために離脱に向けて仕事をやり遂げると強気の発言をしていました。そうした中での続投結果ということになります。

                                                 

                                                 ただ今後の流れは、メイ首相がEUと打開策を協議し、2019年1月21日までにイギリス議会でEU離脱を採決しなければならず、その後に、3/29離脱というスケジュールですが、それまでどうなるか?まだ予断を許しません。

                                                 

                                                 なぜメイ首相が不信任といわれているのか?

                                                 

                                                 メイ首相は与党保守党のリーダーであり、普通に考えれば日本でいえば内閣総理大臣が不信任案で否決されるのと同じです。にもかかわらず、不信任が成立するかもしれないという状況になっているという理由は、与党の保守党の中でもメイ首相が間違っているのでは?と思っている人が多いということに他なりません。

                                                 

                                                 その間違いとは、EU離脱することが間違いということではなく「ちゃんと離脱しろ!中途半端な離脱には反対!」という指摘です。

                                                 

                                                 北アイルランドとアイルランドの国境問題が、EUのちゃんとした離脱を困難にしている一番の象徴なのですが、EU離脱という体裁はとったとしても、関税については実質的には現状と変わらない状況になろうとしています。

                                                 

                                                 関税の仕組みは今のままとなるであろうという案をメイ首相は主張しているのですが、それに対して「ちゃんと離脱して、EU諸国からの輸入について英国として関税がかけれるようにしろ!中途半端なEU離脱ではダメだ!」というのが不信任の理由です。

                                                 

                                                 なかなか解決策が難しいのですが、どう難しいのか?

                                                 

                                                 共同体が3つあります。EUという共同体、ユナイテッドキングダム(英国)という共同体、アイルランドという共同体です。

                                                 

                                                 解決策が困難なのは、この3つの共同体のうち、どれを絶てるか?ということであるため、これはメイ首相にとって超難問といえます。

                                                 

                                                 アイルランドと北アイルランドの国境は、普通につながっています。

                                                 

                                                <アイルランドとイギリスの北アイルランドの位置>

                                                (出典:ヤフーの地図から)

                                                 

                                                 

                                                 

                                                 アイルランドと英国の北アイルランドとの間は、国境線はなく往来は自由であるといわれています。これはコモントラベルエリア(CTA)と呼ばれていて、英国とアイルランドの移動では出入国審査を行わないとしているからです。いわば、アイルランドと英国の北アイルランド間の移動は、日本でいえば東京都と神奈川県を移動するのと同じといえるでしょう。

                                                 

                                                 ユナイテッドキングダムとしてはEUからちゃんと離脱するための方策として考えられるのは、アイルランドを分断することです。即ち上記地図上のアイルランドと北アイルランドに国境線を引くということです。

                                                 

                                                 これをアイルランドの人が許すか?という問題がありますが、ユナイテッドキングダムとしては、北アイルランドのみを特別な地区にするなどの工夫が必要です。

                                                 

                                                 

                                                 というわけで今日は「”ちゃんとEUから離脱しろ!”との与党保守党の声とメイ首相の苦悩」と題して論説しました。

                                                 アイルランドといえば、ユーロ加盟国であるために通貨はユーロですが、英国はユーロ加盟国ではないので通貨はポンドです。かつてはサブプライムローンショックで財政破綻もしました。そのため、英国の北アイルランドとアイルランドの間で国境線を引けるのか?具体的には現在実施していない出入国審査を行うようにするというのが可能なのか?大変難しい問題です。日本でも東京都と神奈川県とで国境線を引くとなれば、簡単なことではありません。

                                                 とはいえ、EUに加盟していれば、自分たちで規制したい法律を制定することはできず、EUで作られた法律は押し付けられ、自主権がないという状況が続きます。

                                                 困難かもしれませんが、英国がEUからの独立をちゃんと保つためには、北アイルランドとアイルランドの間に、国境線を引く以外に方法はないものと、私は思うのです。

                                                 

                                                 

                                                〜関連記事〜

                                                イギリスのEU離脱交渉の合意案の正式決定で、反グローバルが加速するか?

                                                「プライマリーバランスの黒字化」を破棄せよ!(アイスランドのデフォルトについて)

                                                憲法改正で財政規律条項を入れる動きに反対!

                                                イギリスのメイ首相のEU離脱宣言について!

                                                英国がEU離脱で支払う金額7兆円!


                                                ”真珠湾攻撃で活躍したゼロ戦1万機”と”マレー沖海戦で活躍した隼5千機”を製造した日本の航空技術力

                                                0

                                                  JUGEMテーマ:第2次世界大戦

                                                  JUGEMテーマ:大東亜戦争について

                                                  JUGEMテーマ:航空機

                                                  JUGEMテーマ:国防・軍事

                                                   

                                                   今日は「”真珠湾攻撃で活躍したゼロ戦1万機”と”マレー沖海戦で活躍した隼5千機”を製造した日本の航空技術力」と題して論説します。

                                                   

                                                   私たち日本人は第二次世界大戦について、どんなイメージを持つでしょうか?

                                                   

                                                   「無謀な戦争だった」「日本が侵略戦争をけしかけた」とか、現代史におけるマスコミの報道も、そんな印象で報道をすることが多いと思われます。というより日本の高校の歴史の授業で、「日本が強かった!」という事実を教わることはありません。

                                                   

                                                   「大国米国に無謀な戦争をしかけた!」と習うため、なぜ日本が米国と戦争するに至ったのか?という本質的な問題やプロセスについては、ほとんど教えられていません。

                                                   

                                                   日本人は食生活・食文化を含め、世界ではものすごい潜在能力を持つにもかかわらず、日本を貶め、自分たち先祖は悪いことをしたなどと自虐史観に浸り、中国・韓国からウソの歴史を言われても、事実は違うと思っている日本人は明らかに少数派です。

                                                   

                                                   先日は現代兵器でF22の性能について取り上げましたが、第二次世界大戦でいえば、当時日本が製造したゼロ戦は、現代のF22に匹敵する戦闘機だったといえるでしょう。何しろ、米国空軍部隊はゼロに遭遇した場合は、命令に反して逃げてもいいという指示を出ていたのです。

                                                   

                                                   それほど恐れられたゼロ戦ですが、開発の背景には様々な説があります。現代もそうですが、1900年代初頭でも、航空業界の技術開発が日進月歩で、どれだけ優秀な戦闘機であっても、すぐ時代遅れになるという背景がありました。

                                                   

                                                   日本は1937年に日中間で発生した盧溝橋事件をきっかけに「支那事変」に突入しましたが、泥沼化します。理由は、特に奥地での戦闘が非常に困難を極め、飛べる時間が短い戦闘機しかなかったことで護衛の戦闘機なしで爆撃任務につくことが多かったからです。

                                                   

                                                   当然の結果として撃墜されることが多くなり、被害は増加の一途を辿りました。

                                                   

                                                   こうした状況の中で日本海軍が、三菱に新しい戦闘機の開発を要請したのですが、その時に要求したスペックが、当時世界中を見回しても実現不可能と思われるほどのスペックでした。具体的には格闘戦に強いこと、強力な武装ができること、日本から離陸して中国大陸の奥地まで爆撃機の護衛任務を遂行し、帰還できる航続距離や旋回性のなどなど、常識はずれな運動性能を要求しました。まさに現代でいえば、F22のような戦闘機といえるでしょう。

                                                   

                                                   当時の日本では、この要求に応え、完成させたのが三菱が製造した「ゼロ戦(零銭)」で、「三菱零式艦上戦闘機」と呼ばれるものです。

                                                   

                                                   ゼロ戦は期待を極限まで軽くした分、敵戦闘機を一撃必殺できる強力な重武装も搭載できるようになり、機動力を極限まで高めた当時では文句なく世界最強の戦闘機でした。

                                                   

                                                   そのゼロ戦の初陣は華々しく、中国大陸上空を飛行していたゼロ戦13機に、中国軍のソ連製戦闘機33機が襲い掛かったのですが、倍以上の戦闘機に対して、次々とソ連製戦闘機を撃墜し、敵戦闘機の被害が27機に対して、ゼロ戦の被害は、その名の通り「ゼロ」でした。

                                                   

                                                   当時の世界の常識では、あまりにも信じがたいゼロ戦の戦果に対して、欧米諸国は一切信用せず、日本にそのような戦闘機を作れるわけがないと思われていたのです。

                                                   

                                                   1941年12月8日に連合軍を相手に開戦した日本の真珠湾攻撃は、米国海軍の戦艦部隊を壊滅させましたが、ゼロ戦のあまりにも長い航続距離という性能を想定できず、日本の空母機動部隊の位置を見誤ったのです。

                                                   

                                                   真珠湾攻撃の2日後の1941年12月10日に、マレー沖海戦が始まります。当時、世界最強艦隊といわれていたイギリス戦艦プリンス・オブ・ウェールズとレパレスという戦艦を撃沈しました。

                                                   

                                                   マレー沖海戦における航空機だけで戦艦撃沈という事実は、これまた当時の世界では常識を覆す話で、なぜならば世界最強といわれていた戦艦を戦闘機だけで撃沈するというのは世界初だったからです。

                                                   

                                                   何しろこれまでの海軍業界の常識として、航空機は敵ではないとされていました。制海権は航空機で脅かされることはないというのが当時の常識だったわけです。ところがマレー沖海戦によって、制空権を取らなければ制海権はないというのが、一般常識になりました。このマレー沖海戦で活躍したのは、日本陸軍が中島飛行機に作らせた「隼(はやぶさ)」という戦闘機です。

                                                   

                                                   ゼロ戦は日本海軍が製造し、隼は日本陸軍が製造したわけですが、こうした世界の常識を覆した戦闘機を製造できるほど、日本は先進的な技術を持っていたというのは、動かぬ歴史の事実といえるでしょう。

                                                   

                                                   

                                                   というわけで今日は「”真珠湾攻撃で活躍したゼロ戦1万機”と”マレー沖海戦で活躍した隼5千機”を製造した日本の航空技術力」と題して、ゼロ戦と隼という戦闘機についてお話ししました。

                                                   現代では米国軍のF22、ロシアのスホイ57、NATOのユーロファイター、中国のJ20といった戦闘機が各国の最新鋭戦闘機とされています。ゼロ戦と隼の戦闘機の性能や戦果をみれば、1900年代初頭において、第二次大戦でGHQが日本に航空機製造ができなくなるようにされるまでの日本の航空機製造技術は、世界一だったといえるのではないでしょうか?

                                                   しかしながら、真珠湾攻撃で活躍したゼロ戦はいうまでもなく、マレー沖海戦で動く戦艦かつ反撃もしてくる戦艦を、当時の常識では考えられなかった戦闘機のみの攻撃での撃沈という事実は、私たちは歴史の授業で教わることはありません。なぜならばGHQが、過去の日本を美化するような史実を教えることを禁じたからです。

                                                   私は経済についてのウソも問題と思うのですが、過去の日本を貶め真実の史実を教えない歴史教育についても、大変問題だと考えております。賛否両論があると思いますが、この2つの問題が、日本を滅ぼしかねないと思うからです。

                                                   日本は戦前も経済大国で先進国であったということを、ぜひ皆様にも知っていただきたいのと同時に、私たちが後世に技術力・国力を引継ぐことが、現代に生ける人の先祖に対する責務であると私は思います。

                                                   

                                                  〜関連記事〜

                                                  F35戦闘機よりもF22戦闘機の性能は優れているのか?


                                                  F35戦闘機よりもF22戦闘機の性能は優れているのか?

                                                  0

                                                    JUGEMテーマ:国防・軍事

                                                     

                                                     今日は米軍のF22戦闘機について論説します。

                                                     

                                                     日本はこの度、米国からF35を100機、1兆円で購入することになりました。

                                                     下記は日本経済新聞の記事です。

                                                    『日本経済新聞 2018/11/27 11:22 F35戦闘機 最大100機追加取得へ 1兆円、政府検討     

                                                     政府は最新鋭ステルス戦闘機「F35」を米国から最大100機追加取得する検討に入った。取得額は1機100億円超で計1兆円以上になる。現在導入予定の42機と合わせて将来的に140機体制に増える見込み。現在のF15の一部を置き換える。中国の軍備増強に対抗するとともに、米国装備品の購入拡大を迫るトランプ米大統領に配慮を示す狙いもある。

                                                     12月中旬の防衛計画の大綱(防衛大綱)の閣議決定に合わせて、F35の取得計画を見直し、閣議で了解する。2019〜23年度の中期防衛力整備計画(中期防)には追加分として40機程度を盛り込む調整を進める。現在はF4戦闘機の後継機として、F35Aを24年度までに42機導入する計画で順次配備している。

                                                    F35は最新鋭の第5世代機と位置づけられ、現在日本が導入しているA型と短い滑走で離陸し垂直着陸できるB型がある。政府は今後、A型を中心にB型も含め最大100機の取得を検討する。現在約200機あるF15のうち改修が難しい100機を置き換える。防衛省はF15について半分の約100機は改修して使い続けることを決めているが、残りの100機について扱いを検討してきた。

                                                     F35Bについては、海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」を戦闘機が離着陸できるよう改修し搭載する方針を防衛大綱に盛り込む方向で調整している。

                                                     政府は30年ごろから退役するF2戦闘機の後継となる次期戦闘機の選定も進めている。中期防に今後の方向性を書き込む方針だが、開発方法など詳細な決定は19年度以降となる方向だ。現状では、日本企業の参画を認める米防衛大手ロッキード・マーチン社の提案と、三菱重工業など日本企業連合が主体となる案がある。

                                                     F35の追加取得には、トランプ氏が米国装備品の購入拡大を繰り返し迫っていることも背景にある。高額の戦闘機を買い増し、トランプ氏が問題視する対日貿易赤字の削減圧力をかわす思惑もある。安倍晋三首相は9月にトランプ氏との会談で「米国装備品を含め、高性能な装備品を導入することが日本の防衛力強化に重要だ」と伝えていた。

                                                     日米両政府は年明けにも物品貿易協定(TAG)交渉を本格化させる。年内に決める防衛大綱や中期防で装備品の購入増を打ち出すことで、交渉を有利に運ぶ思惑もありそうだ。

                                                     政府は次期中期防で、外国機の監視にあたる最新の早期警戒機「E2D」を米国から最大9機追加取得すると明記する方向だ。総額は9機で3000億円超の見込みだ。こうした米国製の追加調達で防衛費は今後、増加するのが確実だ。

                                                     周辺国は最先端の戦闘機の導入を進めている。中国は独自開発の最新鋭ステルス戦闘機「J20」を2月に実戦配備。30年までに第5世代機を250機超導入するとの見方がある。ロシアも第5世代の「スホイ57」を19年にも配備するとみられる。最新鋭機の大幅追加でこうした軍備増強に対応する。』

                                                     

                                                     上記記事の通り、日本はF35を100機1兆円で買うことになりました。米国から輸入することで、米国のトランプ大統領への通商政策にも有効との判断があるとのことで、これには私も賛同します。

                                                     

                                                     しかしながら、日本は本当はF22を買いたかったのでは?と私は思っていまして、F22の方がF35よりも戦闘能力が勝っていると思える点があるからです。F35はマルチロール機といって、F22にはない優れた点も持つのですが、航空戦においてF22が現時点では最強であると思っております。そこで今日はF22戦闘機の性能について述べたいと思います。

                                                     

                                                     F22は米国が開発構想のコンセプトとして、航空戦で無敵の戦闘機を作りたく、費用は惜しまないということで手掛けられてきました。

                                                     

                                                    <図 F22戦闘機と他の戦闘機との比較(最大速度)>

                                                     

                                                    <図◆F22戦闘機と他の戦闘機との比較(実用上昇限度)>

                                                     

                                                    <図:F22戦闘機と他の戦闘機との比較(推定推力重量比)>

                                                     

                                                     F22の特徴は、ステルス性、超音速巡行能力、推力偏向機能付きエンジン、データリンク、最先端のセンサー融合電子機器を持つことが特徴です。

                                                     

                                                     前任のF15と同様にロッキードマーチンF22は、大型の戦闘機で大量の燃料を搭載でき、十分な航続力を持つと言われています。図,猟未蝓∈蚤臑度こそ前任のF15や、ロシア軍のミグ29、スホイ27に劣りますが、図◆図の通り、実用上昇限度や推定推力重力比では、ダントツの性能となっています。

                                                     

                                                     機動性においても運動性においても、F22より優れる機種はないといえるでしょう。なぜならば、特に卓越しているのが超音速巡行能力です。

                                                     

                                                     NATO軍のユーロファイター・タイフーンなども同じ能力戦闘機は存在しますが。とはいえ、他の機種が高マッハ水域で飛行するためには、大量の燃料を短時間で費消するアフターバーナーを使う必要があります。一方で超音速巡行能力を持つF22は、アフターバーナーを使わずに長時間航続することが可能です。

                                                     

                                                     そのため、F22の特徴の一つであるステルス性が仮になかったとしても、超音速で飛び続けるF22を撃墜するのは困難であると言えるでしょう。

                                                     

                                                     機動性でいえば、F22は低高速飛行でもマッハ1.4で飛行できるうえ、高度18,000メートル〜高度19,800メートルの上空を戦闘飛行できます。ここまで上昇できる戦闘機は、ロシア軍の最新戦闘機のスホイ57くらいでしょうか?

                                                     

                                                     少なくても前世代のミグ29やスホイ27、NATO軍のユーロファイター・タイフーンや、フランス軍のラファールなどでは、この空域まで上昇することができません。上昇限度の優劣は、兵器の射程距離を長くすることができることを意味し、重要な能力です。

                                                     

                                                     またF22は長距離戦闘で覇者となることを目標としたコンセプトになっているため、高い機動性も持っています。交戦規定で指定外距離の戦いが認められていない状況で戦闘になることを想定し、短距離での交戦でも勝利する能力が求められました。

                                                     

                                                     特に低速度域で超機動性を発揮できるカギは、図にある推定推力重量比にある通り、F22が1.4:1という高い重量比であることです。先進の飛行操縦システムに加え、推力偏向装置と強力な操縦翼面の組み合わせによって、広い飛行領域で良好な操縦性を発揮します。さらに強力なエンジンと滑らかな機体フレームにより、激しい角度や大迎角で、例えばプラス60度の迎角、マイナス40度の迎角であっても、安定した飛行が可能ということで、機動性は他の戦闘機を圧倒的に上回るといえるでしょう。

                                                     

                                                     こうした高速での高い運動性・機動性と長い航続力は、ステルス性を除外してもF22を空中戦で無敵のものにしているといえます。

                                                     

                                                     攻撃面では、M61A2機関砲という目視で撃つ20丱丱襯ン砲が装備されています。この20丱丱襯ン砲は米国戦闘機のほとんどに装備されているそうです。

                                                     

                                                     それ以外に、ミサイルの搭載する場所は2か所あります。サイドワインダーと呼ばれる機体の横に装着された部分で左右2か所と、下方の兵器倉と呼ばれる部分で左右2か所です。

                                                     サイドワインダーは、画像赤外線シーカーを備えて、尾部に推力偏向機能を持つアムラームミサイル(AIM-9X)が搭載することができます。

                                                     兵器倉には、アムラームミサイル(AIM-120C)で3発ずつ6発を装着できます。

                                                     

                                                    <サイドワインダーでアムラームミサイル(AIM-9X)が装備されている様子>

                                                     

                                                     サイドワインダーやアムラームミサイルは航空機撃墜のためのミサイルですが、F22は対地ミサイルも搭載が可能です。具体的には「GBU-32」JDAM爆弾、「GBU-39」SDB爆弾を搭載できます。

                                                     

                                                     「GBU-39」は250ポンド爆弾とも呼ばれ、スマートラックを取り付けることで、左右の兵器倉に各4発ずつ8発を装着し、さらにアムラームミサイルを1発ずつ合計2発を装備することも可能です。

                                                     

                                                     

                                                     というわけでF22戦闘機についてご紹介しました。

                                                     石破茂氏が防衛大臣だった際、F22戦闘機を買おうとしていたというのを聞いたことがあります。ところがイージス艦の機密漏洩事件があり、米国の議会がF22を日本に輸出することを許さなかったとのこと。そうした経験を踏まえ、日本では機密情報を漏洩することが無いよう、特定秘密保護法という法律を制定しました。それでも米国はF22を輸出することはありませんでした。

                                                     F22は敵戦闘機を発見したときは、先制発見、先制攻撃が可能であるため、通常の戦闘機はF22に相当接近しない限り、応戦は難しい。F22のパイロットは、このおかげで完全に安全な距離でアムラームミサイルを撃つか、敵戦闘機にさらに近づくか?の選択が可能になります。F22のコンセプトが、先に発見し、先にミサイルを発射し、先にミサイルを命中できるということから、敵戦闘機がF2の存在に気付いたときにはF22が放ったミサイルが命中するという状況になるのです。

                                                     日本もかつてはゼロ戦がそうでした。通商政策があるために米国から戦闘機を買うのは致し方ないかもしれませんが、国防国債などの国債を発行して、それを財源に国力増強のために日本国内で戦闘機が作れるようにすれば、安全保障強化・国力増強に加え、デフレ脱却にも資することになるものと私は思います。

                                                     

                                                    〜関連記事〜

                                                    敵味方識別装置と韓国軍の戦闘機

                                                    サイバー攻撃への反撃は、通常兵器などによる物理的攻撃を受けた場合に限るそうです!


                                                    人手不足だから公共事業は増やさなくてよいというのは完全な間違い

                                                    0

                                                       

                                                       今日は「人手不足だから公共事業は増やさなくてよいというのは完全な間違い」と題して論説します。

                                                       

                                                       下記はロイター通信の記事です。

                                                      『ロイター通信 2018/11/12 12:12 社会資本整備遅れるとチャンス失う=諮問会議で安倍首相

                                                      [東京 12日 ロイター] - 内閣府幹部によると、12日の経済財政諮問会議後では石井啓一国土交通相が、首都圏で年間約100万回の発着容量を実現する重要性を強調。これらを受けて安倍晋三首相が、財源を考えることも重要ではあるが、生産性向上のための社会資本整備が遅れると日本としてチャンスを失うとコメントしたという。

                                                       茂木敏充経済再生相も、訪日外国人の拡大に備えて空港整備が重要と会見で説明した。』

                                                       

                                                       この記事は、2018/11/12(月)の経済財政諮問会議の後、石井国交相が年間100万回の発着容量を実現する空港整備の重要性を強調したというニュースです。

                                                       

                                                       実際に石井国交相が発言したのは、空港だけではなく、新幹線や高速道路や港も重要であると仰っており、安倍総理もそうしたものは全て大事であると仰いました。

                                                       

                                                       これは極めて重要な発言です。

                                                       

                                                       この発言はロイター通信で報道されている一方、日本経済新聞は、安倍総理の発言の以前に、財政諮問会議の民間議員らが、社会資本整備や国土強靭化や防災対策は大事だが、お金を使いすぎるのはいけないとし、財源問題があるのでお金を使う使うという発想はいかがなものか?という発言が山ほどありました。

                                                       

                                                       経済財政諮問会議は、国会議員だけでなく民間議員も構成員になっています。民間議員がお金を使いすぎるのはいかがなものか?と言い、その発言に対しての安倍総理のメッセージであるから重要な発言です。

                                                       

                                                       生産性向上を怠れば、社会保障整備が遅れるだけでなく、お金をケチることでお金儲けもできなくなって結果的に損をする。そのため、しっかり必要なものにインフラを作ればビジネス上も儲かって財政も豊かになるという趣旨のことを安倍総理はメッセージとして述べられたのです。

                                                       

                                                       なぜ民間人はそう思わないのか?財務省職員らは、そう考えないのか?安物買いの銭失いという言葉がありますが、投資というのは未来に回収するために投資するのであり、資本主義とは投資して資本を形成して回収するというものです。そうした態度がないとなれば、これはもうずっと縄文時代のようなもので、発展途上国へ逆戻りしてしまいます。

                                                       

                                                       資本主義で経済成長するためには、お金を使って短期的に赤字を拡大し、長期的に黒字を得ていくということで、これが王道です。投資の拡大は許さない、赤字は許さないとなれば、その社会は経済成長できません。

                                                       

                                                       プライマリーバランス黒字化が正義だといっている人は、頭が悪いアホです。社会は投資があって成り立つものだからです。

                                                       

                                                       それでは、社会資本整備はどうやって進めていくべきでしょうか?

                                                       

                                                       安倍総理が仰っていることは、道路をたくさん作れば工場がたくさんでき、生産性向上によって物流コストが下げられます。さらに新幹線も同じ効果があるのと同時に、国土強靭化をやれば、次年度以降襲来するであろう自然災害で、どこかで人が亡くなる、工場が破損するなど、生産基盤を毀損して、法人が法人税を払えなくなるという状況を回避できます。

                                                       

                                                       だから財務省職員は、税収を全体的に上げようとするのであれば、一定程度の防災投資・国土強靭化投資をしておく方が、結果的に生産性向上に加えて景気浮揚につながり、財政が黒字になるという話です。

                                                       

                                                       また、そうした投資をしないとチャンスを失うこととなるため、防災だけでなく前向きな道路整備・新幹線整備も含めて大事なことであると安倍総理は仰ったのでしょう。

                                                       

                                                       単年度ごとに目先の財政収支を考えるのではなく、5年、10年、20年、100年という時間をみて、国家とは投資して社会資本を整備したほうが、整備しないよりも国は豊かになって、財政も豊かになるというのが、安倍総理が言いたかったメッセージではないでしょうか?

                                                       

                                                       いま国土強靭化で、例えば公共投資をしようとすれば、推進するには人手が必要で、建設現場では人手不足という問題が目の前にあります。

                                                       

                                                      <建設業における投資額、許認可数、就業者数の推移(平成2年〜平成28年)>

                                                      (出典:国土交通省が作成した資料から引用)

                                                       

                                                       

                                                       上記は棒グラフが建設業従事者数で、黄緑色の折れ線グラフは公共投資の金額の推移です。

                                                       

                                                       平成9年(1997年)の685万人をピークに、就業者数は減少に転じました。1997年以降、緊縮財政が始まりましたが、それ以降も緊縮財政で公共事業を削減し続け、平成21年(2009年)の517万人を底に緩やかな上昇に転じています。

                                                       

                                                       一方で公共投資のピークは、平成8年(1996年)の34.6兆円です。2002年以降、小泉政権下において、猛烈に公共投資を削減してきたことがわかります。「コンクリートより人へ」を標榜した民主党政権以上に、公共投資を削減してきたのが小泉純一郎政権です。

                                                       

                                                       公共投資を削減すれば建設業事業者数は減少し、公共投資を増やせば建設業従事者は増加します。これは外国人労働者を受け入れようと受け入れなかろうと、そうなります。

                                                       

                                                       そのため人手不足だったとしても公共投資を継続的に増加させていく体制を整えれば、そしてそれを2年、3年、4年と続ければ、100%公共事業で働く人は増えてくるでしょう。

                                                       

                                                       2017年の台風の水害対策もできていないところに、2018年は西日本豪雨、台風21号、台風24号が来て、災害の上塗りになり、しかも復興事業が一向に進まないのは、建設業の働き手がいないからです。

                                                       

                                                       それは予算が付かないからというのもあるでしょうし、働き手がいないからという理由もあるでしょうが、予算が潤沢に付けられれば、高いお金で入札をかけられるため、絶対に落札する人が出てくるはずです。

                                                       

                                                       昨年被害にあったものが1年間何もされず放置されているのは、要するに財政問題なんか存在しないのに、お金がないからと考えているからです。普通に建設国債を増やせばいいだけの話なのに、それに気づかないのは本当に愚かしい話です。

                                                       

                                                       前向きな投資は道路も作り、新幹線も作り、港湾整備も行い、かつ後ろ向きな投資というと失礼ではありますが、復旧は1日も早く直さないとそこでの人々の生業も産業も廃れ、税金を払うことでさえもできなくなります。

                                                       

                                                       私たち日本人は、中長期的にそうしたことを見据えて物事を考えるようにならないと、自然災害でインフラがどんどん蝕まれ、前向きなチャンスをどんどん失って、このままだとやがて韓国やインドにも経済成長で抜かれてしまうことになることは当然の帰結といえるでしょう。

                                                       

                                                       

                                                       というわけで今日は「人手不足だから公共事業は増やさなくてよいというのは完全な間違い」と題して論説しました。

                                                       人手不足が発生するのは、公共工事の場合は単価の問題です。例えば1キロの道路を作る上での単価、1か所の土砂災害を復旧するための単価、過剰に安いということをマーケットがメッセージとして発しているということであり、人手不足があるから公共事業を増やさなくていいというのは、完全な間違いです。

                                                       公共事業費を増やせば人手不足は解消する、賃金を十分に引き上げるだけの介護報酬を引き上げれば人手不足は解消する、こうした当たり前のことを皆様にもご理解いただきたいものと私は思うのです。


                                                      外国人労働者受入で、介護業界従事者は低賃金が決定的か?

                                                      0

                                                        JUGEMテーマ:介護

                                                        JUGEMテーマ:介護福祉転職情報

                                                        JUGEMテーマ:介護

                                                        JUGEMテーマ:グローバル化

                                                        JUGEMテーマ:外国人労働者問題

                                                        JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                                                        JUGEMテーマ:経済成長

                                                         

                                                         今日は「外国人労働者受入で、介護業界従事者は低賃金が決定的か?」と題して論説します。

                                                         

                                                         下記は毎日新聞の記事です。

                                                        『朝日新聞 2018/12/08 19:51 改正入管法 「介護分野で最大6万人」 政府の期待に冷ややかな見方

                                                         8日成立した改正入管法で新設される在留資格「特定技能」によって、「介護分野に5年間で最大6万人」とする政府の受け入れ見込み数に対し、事業者から冷ややかな見方が出ている。既存の在留資格で受け入れた外国人介護職は10年で5000人にも満たない。背景には言葉の壁に加え、国際的な人材獲得競争の激化もある。

                                                         5年後には約30万人もの人手不足が見込まれる介護業界。政府は特定技能による受け入れ見込み数を「5万〜6万人」としている。施設側の需要に基づいてはじき出した数字だが、「実際に集められるかどうかまでは考えていない」(厚生労働省幹部)。

                                                         介護職場で働く目的で日本国内に滞在するには、2国間の経済連携協定(EPA)、技能実習制度、在留資格「介護」の三つがある。EPAが介護分野への門戸を開いた2008年以降、今年度までに受け入れたのはわずか4302人。17年に始まった介護分野の技能実習は247人、在留資格「介護」は177人にとどまる。

                                                         人手不足が深刻であるにもかかわらず、外国人介護職の受け入れが進まない理由について、ある大手介護会社の担当者は日本語の壁を挙げる。介護では利用者や他の職員との円滑な意思疎通が求められるため、一定の日本語能力が要件として課されている。この担当者は「日本語の習得は難しい。重労働の割に待遇のよくない介護職に就くためにわざわざ勉強するモチベーションがわきにくい」と話す。

                                                         「世界的な人材獲得競争に負けている」とみるのは神奈川県内の社会福祉法人幹部だ。「日本の賃金水準は欧州より低い。EPAでも年々、人が集めにくくなっている」と嘆く。

                                                         政府は年度内に特定技能で求める日本語能力や介護技能の基準を定める。人をたくさん集めるにはハードルは低い方がいいが、それでは介護の質を維持できない。介護事業者団体の幹部は「特定技能では焼け石に水だ」との見通しを示す。【原田啓之】』

                                                         

                                                         上記の通り、改正出入国管理法が2018/12/08に成立したのを受け、特に新たに新設される在留資格「特定技能」で、「介護分野に5年間で最大6万人」とする政府の受入見込み数に対して、事業者から冷ややかな見方が出ているというニュースです。

                                                         

                                                         当初は、外国人受け入れ拡大に向け、受入見込み人数を政府が公表したのですが、最も多いのが今回の報道でも取り上げられている介護が5年間で最大6万人、外食産業が5年間で最大53000人、建設業で最大4万人、農業で36,500人としていました。これらは事実上の政府が示した受入の上限です。

                                                         

                                                         介護事業は今後5年間で6万人の外国人を受け入れるということで、介護事業の労働市場における需給バランスにおいて、需要が増えることとなるため、労働市場の価格が上昇する圧力は低下することは間違いありません。

                                                         

                                                         端的にいえば介護事業は、賃金が上がらなくなるということです。

                                                         

                                                         外国人労働者が入ってくるのと、入って来ないのとで、賃金が同じということはあり得ません。ということは、今働いている介護事業従事者の人たちの賃金は上がらなくなります。

                                                         

                                                         そうなればその人たちは貧困のまま消費を減らさざるを得ず、個人消費という需要が縮小してデフレが続くというシナリオになるわけですが、このシナリオを否定する理由があれば、ぜひ聞いてみたいものです。

                                                         

                                                         何で人手が足りないか?といえば、賃金が安いからです。古典派経済学では、非自発的失業者という存在を認めません。失業者は全員自発的に失業しているというのが古典派経済学です。

                                                         

                                                         例えば「空き缶拾い」という仕事があったとして、その仕事が年収100万円と提示されたとして、今失業している人がその仕事に従事するでしょうか?20代〜60代の生産年齢人口の世代で、年収100万円の仕事を選ぶというのは、ほとんど皆無に等しいでしょう。

                                                         

                                                         仮に「空き缶拾い」が、地方公務員として年収500万円と提示したらどうでしょうか?公共事業費が増えますが、安定した雇用を得た「空き缶拾い」の従事者は、年収100万円のときよりも消費を増やすことができるでしょう。

                                                         

                                                         介護事業は一般の産業に比べて収入が少ないといわれています。

                                                         下表は、介護職員の平均給与額の内訳(月給・常勤者)です。

                                                         

                                                        <介護職員の平均給与額の内訳(月給・常勤の者)>

                                                        (出典:厚生労働省の平成29年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要)

                                                         

                                                         上表の通り、平成29年9月と平成28年9月の対比で、基本給も手当ても一時金も増加しています。

                                                         

                                                         この表の一時金は4〜9月に支給された1/6との表記がありますので、賞与を1か月あたりに割った数値と考えれば、年俸制で30万弱という月給といえるでしょう。

                                                         

                                                         30万×12か月となれば360万円となり、日本人の一人当たりGDPは4万5000ドル程度であることを踏まえれば、平均値よりも低いということがいえます。

                                                         

                                                         上表では平成29年度に賃金が増えてきて介護従事者の処遇が改善に向かっているともいえます。他業種の増幅と比べてどうか?という議論もあるわけですが、この状況下で外国人労働者を大量に受け入れるとなれば、今後はこの伸び幅は抑制されます。

                                                         

                                                         なぜ人手が足らないのか?といえば、賃金が安いからと理由を申し上げましたが、かといって法律で強制的に賃金を引き上げた場合、つぶれる介護事業者が出てくるでしょう。そうした賃金引上げをする場合でも、公共事業費を増やし、介護報酬の引き上げ改定しなければ、業者が賃金引き上げに耐えられないのは明白です。

                                                         

                                                         これは介護事業だけでなく、建設業も農業も外食産業も同様です。賃金が安いから人が就業せず、非自発的失業者となってニートや生活保護を受けたりする人が存在し、彼らは就業せず労働市場に参入しないのです。

                                                         

                                                         しかしながら農業であれば、作った農作物を政府が高く買い入れる、建設業では高く受注できるように最低入札額を高くして談合を認める、介護報酬を引き上げるなど、補助金を出したり政府支出増によって名目需要を引き上げれば、賃金は上昇せざるを得なくなり、結果、確実に働こうとする人は増えます。

                                                         

                                                         4割近くが非正規社員かつ女性や高齢者などの潜在的な労働者、あるいは就職氷河期に就職活動した人ら、賃金が高ければ働こうとなるに決まっています。

                                                         

                                                         さらにいえば、失業率がまだ下がる余地があるということを考えれば、賃金を高くすることで、そこに流れてくる人は一人や二人ではないでしょう。

                                                         

                                                         

                                                         というわけで今日は「外国人労働者受入で、介護業界従事者は低賃金が決定的か?」と題して論説しました。

                                                         安倍政権の正体は、移民推進政権であるということがよく理解できたかと思います。補助金を出そうという発想があってもできないのは、財務省の緊縮財政が原因ですが、もう一つ経団連などからの要請、地方自治体の首長からの要請などで、外国人労働者の受入を望む人らも多い。

                                                         特に残念なのは、地方自治体の首長からの要請です。民間人出身の首長で移民受入を切望した代表的な人物として、2018年11月に市長選挙に3選した大船渡市長の戸田公明氏がいます。

                                                         戸田市長は「外国人を受け入れて欲しい!」と要望するのではなく、「国は資金援助をして欲しい!」と要望するのが本来の正しい働きかけです。大船渡市に外国人を大量に受け入れるというのは、大船渡市民は「低所得の町」「外国人の町」という環境を受け入れたことに等しい。同じように介護事業に外国人労働者を受け入れるということは、介護事業従事者に対して「低賃金でいろ!」と言っているようなものと同じなのです。

                                                         

                                                        〜関連記事〜

                                                        外国人労働者受入拡大の発想は、今後自分たちは低所得で生きていくことを宣言しているのと同じです!


                                                        中国Huawei・ZTE問題と、国家安全保障にかかわる次世代通信システム5Gサービスについて

                                                        0

                                                          JUGEMテーマ:ケータイ

                                                          JUGEMテーマ:通商政策

                                                          JUGEMテーマ:中国ニュース

                                                           

                                                           皆様はHuawei(華為=ファーウェイ:以下「ファーウェイ」)という会社をご存知でしょうか?

                                                           

                                                           日本でも新宿東口のビックロ(ビックカメラとユニクロの融合店)などでは、エスカレーターにファーウェイの広告があったり、タブレットでいえば、富士通のArrowsなど日本勢よりもはるかに価格で格安なタブレットを販売。長期にわたってデフレが放置されていることもあって、消費者が安いものを求めて中国製のファーウェイを買うという日本の縮図が、そこにはあります。

                                                           

                                                           そのファーウェイのCFO(最高財務責任者)兼副会長の孟晩舟(モンワンジョウ)が、カナダで逮捕されました。今日はこのニュースについて論説します。

                                                           

                                                           下記はブルームバーグの記事です。

                                                          『ブルームバーグ 2018/12/06 16:34 華為CFOをカナダで逮捕、米国が引き渡し求める−中国は抗議

                                                           中国のスマートフォンメーカー、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)の孟晩舟最高財務責任者(CFO)兼副会長が米国の対イラン制裁に違反した疑いでカナダで逮捕された。中国側は激しく反発しており、重要な局面に入ったばかりの米中通商協議が一段と複雑になる可能性がある。

                                                           華為創業者の娘である孟CFOは12月1日にバンクーバーで逮捕され、米国から身柄の引き渡しを求められている。カナダ司法省のイアン・マクラウド報道官が5日の声明で発表した。米司法省は4月、対イラン輸出に対する米国の制裁にもかかわらず、華為がイランに製品を販売したかどうかについて捜査に着手していた。

                                                           孟CFOの逮捕後、在カナダ中国大使館は直ちに抗議し、米国とカナダが「不正行為を是正」し、同CFOを釈放するよう求めた。米中は数日前に貿易戦争の「休戦」で合意したばかりで、今回の逮捕は両国間の緊張を高める公算が大きい。同CFOの逮捕についてはカナダ紙グローブ・アンド・メールが先に報じていた。

                                                           米司法省は逮捕についてコメントを控えた。カナダ政府へも問い合わせたが、トルドー首相の報道官は同国司法省に質問をするよう求めた。

                                                           華為は文書で、逮捕は米国の要請に基づくもので孟CFOは米国に送還され「詳細不明」の罪状で訴追される可能性があると説明。その上で、孟CFOの容疑に関してほとんど情報を提供されておらず、同CFOによる不正行為を認識していないとし、華為は「カナダと米国の法律制度が最終的に正しい結論に達すると考えている」と主張した。

                                                           米商務省は今年、イランと北朝鮮への不正輸出を巡る以前の制裁措置に絡んだ合意条件に違反したとし、中国の中興通訊(ZTE)に制裁を発動。罰金支払いや経営陣刷新などの米国が示した条件をZTEが受け入れ制裁は解除されたが、同社は事業停止の瀬戸際に追い込まれた。

                                                           米上院のクリス・バンホーレン議員(民主、メリーランド州)は5日夜、華為とZTEは「米国の国家安全保障に対する根本的なリスクとなり得る中国の通信機器会社という同じコインの裏表」だとの声明を発表。「今回のニュースは商務省がZTEに焦点を絞っている間、華為も米国の法律に抵触していたことを裏付けている」とコメントした。』

                                                           

                                                           なぜファーウェイの幹部の孟CFOが逮捕されたか?理由はイラン制裁違反といわれています。イランはオバマ政権時の2015年に米国政府が欧州・ロシア、中国とともにまとめた核合意を締結していました。

                                                           

                                                           米国は核開発だけでなく、弾道ミサイル開発の中止を含む合意をイランに受け入れようとして、トランプ大統領は今年11月にイラン核合意から離脱し、経済制裁を全面再開しました。この制裁の内容は、原油や金融取引を制限する厳しい内容なのですが、当時の核合意だけでは、弾道ミサイル開発を黙認しているということで、トランプ大統領は合意破棄に至ったとされています。

                                                           

                                                           ファーウェイの話に戻しまして、孟容疑者はどんな人なのか?といえば、ファーウェイの創業者の娘で、ファーウェイの創業者の任正非(レンツェンフェイ)は中国人民軍の出身です。

                                                           

                                                           任正非は、中国人民軍からお金を集めてファーウェイを設立したといわれており、ファーウェイは中国人民軍に実質的に支配され、イランへの製品供給を指揮していたのでは?という疑義があるのです。

                                                           

                                                           米下院の情報特別会員は2012年10月8日、中国通信大手のファーウェイ、ZTE(中興通訊)の通信インフラ向け機器やサービスは、安全保障上のリスクがあるとして、米国政府に対して両製品を排除するよう求める報告書を提出しました。このときの報告書では、米国政府だけでなく米国企業に対しても、両社製品を使わないよう推奨し、両社による米国企業の合併・買収を阻止するよう求めていました。

                                                           

                                                           米国企業から企業秘密などの極秘データを積極的に盗むことで知られる米国政府と密接な関係にある企業の製品で通信ネットワークを構築することは、スパイ活動や米国の通信ネットワークの破壊の恐れを高めるとし、徹底した排除を求めたのです。

                                                           

                                                           米国の商務省は2016年、シリアやイランや北朝鮮などの国々に米国の技術を流していないか?情報提供を求める行政召喚状というものを送付していました。

                                                           

                                                           こうした状況下で、2018年4月にZTEに対して、イランに通信機器を売っていたということで、イラン制裁破りを理由に強い規制をかけました。

                                                           

                                                           その規制の内容は、米国企業が作る製品・技術をZTEに売ってはいけないという規制で、この規制によってZTEは生産が2カ月以上も止まり、当時は米中貿易戦争の一環としてマスコミでも大きく報道されました。

                                                           

                                                           2018年7月に習近平国家主席とトランプ大統領で合意がなされ、ZTEへの制裁は解除されたのですが、解除の条件は相当に厳しい条件でした。

                                                           

                                                           その条件とは、取締役全員を解雇して入れ替えたうえで、リスク管理責任者をZTE社内に置き、10億ドルの罰金支払いと、4億ドルのエスクロー(預託金)を払うことで制裁解除するというものだったのです。

                                                           

                                                           この状況下にありながらの今回のファーウェイ幹部の孟CFOの逮捕ということで、2016年以降イランに対して技術流出をしないよう要請していたにもかかわらず、2018年4月以降もこうした行為が継続していたことが米国政府に認定されれば、ファーウェイに対して米国はさらに厳しい措置を下す可能性があるでしょう。

                                                           

                                                           

                                                           ここでもう一つ朝日新聞の記事を紹介します。

                                                          『朝日新聞 2018/08/14 12:59 トランプ氏、国防権限法に署名 対中国強硬姿勢を鮮明に

                                                           トランプ米大統領は13日、2019会計年度(18年10月〜19年9月)の国防予算の枠組みを決める総額約7160億ドル(約80兆円)の国防権限法に署名し、同法が成立した。同法は、米政府機関とその取引企業に対し、中国情報通信大手の華為技術(ファーウェイ)や中興通訊(ZTE)の機器を使うことを禁止するなど、対中強硬姿勢を鮮明にした。

                                                           トランプ氏は13日、訪問先の米ニューヨーク州で演説し、「(オバマ前政権では)ひどい削減が続いたが、我々は今こそ米軍を再建する」と述べた。トランプ政権下の国防費は18会計年度の約7千億ドルに続き、増額となった。

                                                           トランプ政権は17年12月に中国を「競争国」と規定する国家安全保障戦略を策定しており、今回の国防権限法でも貿易問題や南シナ海問題で中国への厳しい姿勢を際立たせた。中国情報通信大手の機器使用を禁じたほか、中国などへの技術流出を食い止めるため、海外企業の投資を審査する「対米外国投資委員会」(CFIUS)の権限を強める規定も盛り込んだ。多国間軍事演習である「環太平洋合同演習」(リムパック)については、中国が南シナ海の軍事拠点化をやめない限り、参加を禁じると明記した。

                                                           一方、中国と対照的に、台湾との防衛協力を強化する方針を打ち出し、軍事演習の促進を盛り込んだ。3月に成立した台湾旅行法に基づき、米・台湾防衛当局者の相互訪問も明記した。

                                                           中国外務省の陸慷報道局長は14日、国防権限法に「強烈な不満」を表明、「冷戦思考とゼロサムゲームの理念を捨て、正確かつ客観的に両国関係を扱うよう米国側に促す」とコメントを発表した。

                                                           同法は中国と同じ「競争国」であるロシアにも厳しい姿勢を示した。16年の米大統領選干渉を念頭に、ロシアの「悪意のある作戦」への対抗戦略を構築する方針を明記した。また、トルコに対してはロシアから地対空ミサイル「S400」を輸入することを理由に、最新鋭戦闘機F35の納入を停止することを盛り込んだ。(ワシントン=園田耕司、青山直篤、北京=西村大輔)』

                                                           

                                                           上記記事にもあるように、今年2018年8月に、国防権限法という法律にトランプ大統領が署名しています。

                                                           

                                                           マスコミ報道では、トランプ大統領への言説が、批判的で米中貿易戦争も単なる貿易の話だけでないのですが、ことさら貿易の話だけを強調し、事実が歪曲されている感があります。とりわけ朝日新聞の記事の国防権限法とは、米上院のマルコルビオ氏ら無党派議員連合が作った法律とされています。

                                                           

                                                           即ちトランプ大統領のZTEへの米国企業への供給規制解除に対して、上院の無党派議員連合はもっと強固な対応をすべきと反対したわけです。

                                                           

                                                           さらに時事通信が2018/11/23に報じたのを本ブログでも取り上げておりますが、米国の同盟国に対して、ファーウェイとZTEを使用しないよう強く要請していました。今回の逮捕劇は、そのような状況下での逮捕です。

                                                           

                                                           同盟国でいえば、英国も秘密情報部のアレックス・ヤンガー長官が、次世代通信システムの5G導入にあたり、ファーウェイの参入は排除すべきであるとの考えを表明しています。

                                                           

                                                           ファーウェイはオーストラリアでも使用禁止になっており、ファーウェイの包囲網は米国の同盟国を中心に着実に進んでいるという状況です。

                                                           

                                                           同盟国らは次世代携帯電話規格の5Gに関して、携帯端末というより、通信機器の設備部分(基地局など)では、ファーウェイ、ZTEの製品は使わないと決めています。

                                                           

                                                           日本でも公的入札では、ファーウェイ、ZTE製品の排除をすることにしていますが、入札以外の部分で導入を予定している企業があり、今後そのことが大きな問題につながる可能性があります。

                                                           

                                                           現時点では、NTTドコモ、AUの2社は、ファーウェイ、ZTE以外のメーカーで、2019年から5Gサービスが開始できるよう実証実験を始めています。その一方でソフトバンクは、ファーウェイ、ZTEの端末で実証実験を行っており、2社のサービスを使わないと2019年に5Gサービスの開始が間に合わないとされています。

                                                           

                                                           

                                                           というわけで今日は「中国Huawei・ZTE問題と、国家安全保障にかかわる次世代通信システム5Gサービスについて」と題し、ファーウェイの孟CFO兼副会長がカナダで逮捕されたニュースを紹介し、論説しました。

                                                           ファーウェイ・ZTE包囲網は、トランプ大統領が暴走しているという日本のマスコミの論調が多いと思われるのですが、国防安全保障上の問題で、技術流出を企む中国に対する警告であり、米国の議会が率先してやっていることを私たちは理解する必要があります。

                                                           仮に上述の背景を知らずに、ファーウェイ、ZTEの製品を使った携帯電話端末、タブレットを日本国内でビックカメラなどの量販店が販売していたとすれば、米国から厳しく通商問題で指摘されるかもしれません。

                                                           仮想敵国の中国から部品供給をしなくてもいいようにするためには、日本製の電子部品会社から継続供給できるようにすればいいだけの話。そのためには日本の電子部品会社が存続しやすいようにデフレ脱却が急務。そしてそのデフレ脱却の手法は、輸出を増やすのではなく、国内需要シフトで十二分にできることであることを、改めて私たちは知る必要があるものと思うのです。

                                                           

                                                           

                                                          〜関連記事〜

                                                          米国による同盟国への中国ファーウェイ製品の使用中止要請について

                                                          「日本人が中国人を安い賃金で雇う」ではなく「中国人が日本人を安い賃金で雇う」時代へ!

                                                          中国の一帯一路の被害国を増やすことに手を貸す日本企業と、中国とのプロジェクトを決別宣言したマレーシア

                                                          中国の公平でないグローバリズムに強硬な姿勢をとる米国と、製造2025をビジネスチャンスと考えるアホな国

                                                          中国のAIIBと一帯一路に手を貸す銀行・企業は、中国の侵略に手を貸すのと同じです!

                                                          「リカードの比較優位論」の欺瞞と国際貿易(池上彰の間違った解説!)


                                                          日産自動車ゴーン容疑者問題は、「永遠の旅行者」「永遠の旅人」らの”租税回避・税逃れ”の手口問題です!

                                                          0

                                                            JUGEMテーマ:フランスに関するニュース

                                                            JUGEMテーマ:通商政策

                                                            JUGEMテーマ:グローバル化

                                                            JUGEMテーマ:経済全般

                                                             

                                                             皆さんは、「永遠の旅行者」「永遠の旅人」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

                                                             この言葉、日産自動車のカルロス・ゴーンの有価証券報告書虚偽記載事件に関連します。カルロス・ゴーン氏の処遇はどうなるのか?今後の見通しなどを含め、今日は日産自動車のカルロス・ゴーン事件について下記の順に論じたいと思います。

                                                             

                                                            1.パーマネントトラベラーの租税回避・税逃れの手口

                                                            2.ルノーの報酬額と日産自動車の報酬額の比較

                                                            3.ゴーン容疑者の今後はどうなるのか?

                                                             

                                                             

                                                            下記は日本経済新聞の記事です。

                                                            『日本経済新聞 2018/11/21 ゴーン会長、開示義務化後に不正   高給批判を意識か 企業統治不全も露呈  

                                                             逮捕された日産自動車会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)に対する一連の不正支出は、役員報酬の個別開示が2010年に義務化された後に始まっていた。背景には、ゴーン会長が開示を機に高まった高額報酬への批判をかわす狙いと、トップの「お手盛り」を許す脆弱な企業統治(コーポレートガバナンス)体制が浮かび上がる。

                                                             逮捕容疑となった有価証券報告書への役員報酬の過少記載が始まったのは、11年。その後5年間で約49億8700万円としていた報酬は、実際は約99億9800万円に上り、50億円も「圧縮」されていた。虚偽記載での立件は異例だが、検察幹部は「新機軸の手法だが、経営トップの重要情報に関する虚偽は見過ごせない」と強調する。

                                                             なぜゴーン会長は過少記載に手を染めたのか。個別開示の開始で、突出した高給ぶりに集まる批判を恐れた可能性が高い。

                                                             それまで複数の役員合算額しか分からなかった報酬額が、10年3月期を境に年1億円以上の役員の氏名と報酬額を有価証券報告書に記載するよう義務付けられた。

                                                             この期の日産の役員報酬総額は17億円弱と前の期より9億円も減った。にもかかわらず、明らかになったゴーン会長の報酬額は8億9100万円と国内最高額。開示後の株主総会で株主が「報酬を減らせば雇用を守れたのでは」と、ゴーン会長に詰め寄る場面もあった。

                                                             

                                                            仏政府が問題視

                                                             

                                                             これとは別にルノー会長としての高額報酬も批判にさらされた。ルノーの筆頭株主である仏政府は度々問題視し、16年4月のルノーの株主総会ではゴーン会長の報酬案に反対。反対票は全体の54%に上った。

                                                             だが、ルノーの社内規定では採決は株主の意見表明との位置づけだ。報酬に関する総会採決が参考意見にとどまることは欧米企業では珍しくない。法的拘束力はなく、取締役会は総会直後にゴーン会長の高額報酬の維持を発表した。

                                                             その後もやまない批判を受け、18年6月のルノーの株主総会ではゴーン会長が報酬の3割減額に応じることと引き換えに仏政府がCEO続投を認めた経緯がある。

                                                             暴走を許した日産のガバナンス体制には以前から指摘が多かった。

                                                             トップの選任・解任を決める「指名委員会」や役員報酬を決める「報酬委員会」はなく、双方を提案したり決めたりするのは「取締役会議長」とされていた。日産における取締役会議長はゴーン会長本人だ。今回不記載が明らかになった株価連動型インセンティブ受領権についても、ゴーン会長が実質的に決定権を握っていたとみられる。

                                                             これまでは欧米に比べ日本全体の役員報酬レベルが低く抑えられていたために、株主からの厳しい視線にさらされず、報酬の決め方に厳格さを欠いた面もある。だが、役員報酬の水準が徐々に世界標準に近づく中、決め方についても透明性を高めようとする企業が増え、ゴーン会長に権限が集中する日産の「異形」ぶりが突出し始めた。

                                                             取締役会の監督機能を強めるはずの社外取締役についても、18年にようやく3人に増員されたが、17年までは1人。社外取締役が2人未満の企業は当時の日経平均株価採用225社の中で日産ただ1社だった。

                                                             株主も問題視しており17年の株主総会でのゴーン会長の取締役再任に対する賛成比率は75%と低かった。ガバナンス・フォー・オーナーズ・ジャパンの小口俊朗代表は「強力な権限を持った経営者に対しガバナンスが機能不全だった」と語る。

                                                             今後の捜査の焦点は、私的な目的での投資金支出と、会社経費の不正使用という2つの行為の解明だ。

                                                             

                                                            次々と高級住宅

                                                             

                                                             1つは、4カ国4物件に上るとみられる自宅の無償提供だ。オランダに設立した子会社を通じブラジル・リオデジャネイロの高級マンションやレバノン・ベイルートの高級住宅を次々に取得。購入費など総額20億円超を日産側が負担する一方、ゴーン会長は賃料を支払わず事実上の自宅の無償提供を受けていた。

                                                             会社のカネを不正流用した場合、会社法の特別背任罪や横領罪の適用が一般的とされる。特別背任罪の適用には会社に損害を与える意図があったことを立証する必要があり、立件のハードルは高い。

                                                             今回の不正の舞台はオランダなど海外数カ国に及び、司法権の及ばない海外での捜査は難航も予想される。ゴーン会長は海外で税務申告しているとされ、今後海外の税務当局が調査を進める可能性もある。

                                                             長年にわたり世界の自動車業界をけん引してきたカリスマ経営者の逮捕は世界に衝撃を与え、国際的な関心も高い。検察当局には、国境をまたぐ企業グループ内で続いてきた巨額の裏報酬や不正流用の実態解明が期待されている。』

                                                             

                                                             

                                                             既にご承知の通り、上記はカルロス・ゴーン氏が2009年から受け取った年間10億円前後の報酬を巡る記事ですが、今回の事件が明るみになって以降、いろんな論説・言説が出ています。

                                                             その中の一つとして「高報酬批判をかわすために(虚偽記載した)」という言説があり、日本経済新聞の記事でも「なぜゴーン会長は過少記載に手を染めたのか。個別開示の開始で、突出した高給ぶりに集まる批判を恐れた可能性が高い」との見立てを述べています。

                                                             

                                                             しかしながら私は”高額報酬の世間批判をかわすため”というだけでは解明できないものと考えております。

                                                             高額報酬の世間批判をかわすために、これだけの違法行為(金融商品取引法、特別背任罪、横領罪)をする必要があるのでしょうか?

                                                             あくまでも私見ですが、カルロス・ゴーン問題は、「永遠の旅人」「永遠の旅行者」という問題が背景にあるものとみています。

                                                             その理由を述べ、、仮に私見が事実だとすれば、カルロス・ゴーン氏の今回の事件が絶対に許されない悪質な事件であることを改めてご認識していただきたく、順を追ってご説明いたします。

                                                             

                                                             

                                                             

                                                            1.パーマネントトラベラーの租税回避・税逃れの手口

                                                             

                                                             「永遠の旅人」「永遠の旅行者」は、「パーマネントトラベラー」ともいわれ、2016年4月3日にパナマ文書という機密の金融取引文書の公開で問題になった租税回避・税逃れの手口を使う富裕層らを指します。

                                                             

                                                             その手口についてご説明する前に、税金で課税対象を判断する方法について述べます。具体的には属人主義、属地主義の2種類です。両者の違いは、法令の効力がどのような範囲で及ぶか?その範囲の違いにあります。

                                                             

                                                             一つ目の属人主義は米国で採用されている方法です。これは人に着目して法令の効力を判断する方法であり、国であれば、その国籍を有する者、自治体であれば、その住民を対象とするという考え方です。

                                                             

                                                             米国では、アメリカ人や米国の永住権を持っている人、アメリカで90日以上の短期の観光以外のビザで入国した人など、これらの人々へは米国で納税する義務を与えるという考え方になります。

                                                             

                                                             そして海外、例えば日本に住んでいて米国に永住権を持つ人は、日本で適正な税金を払っていれば、米国では基本的にほとんど払わなくてOKとなります。

                                                             

                                                             もしあまりにも高額な場合は、差額納税といって差額を米国に払わなければならない可能性もあるのですが、ほとんどのケースでは、その国で払っていれば米国で払う必要がないとする考え方が、米国で採用されている属人主義です。

                                                             

                                                             法令の効力が人に属するため、その人が世界中どこに住んでいても、米国の納税義務者である限り、米国に納税してくださいというのが基本で、海外で納税した場合も申告だけはしてくださいということで申告を義務付けています。この方法だと、ほとんど税逃れはできないでしょう。ある意味、課税方法として属人主義をとることは正しいかもしれません。

                                                             

                                                             二つ目の属地主義は欧州や日本で採用されている方法で、住んでいる国に税金を払いなさいというのが属地主義、居住地主義というものです。

                                                             

                                                             どこに住んでいるのか?住んでいる国に税金を払ってくださいというのが属地主義で、住んでいる国に税金を払えばいいのですが、ここに租税回避・税逃れの手口の抜け穴があります。

                                                             

                                                             例えば、2つの国に住んでいる人がいたとして、2つの国に税金を払わなければならないとなった場合、2つの国に税金を払わなければならないのでしょうか?

                                                             

                                                             この場合は、租税条約で片方の国に税金を払えばいいという整理になっており、2つの国に税金を納める必要はありません。

                                                             

                                                             欧州の場合、属地主義を採り入れている他に、183日ルールというものがあります。これは183日超滞在した国に税金を払ってくださいというルールで、逆に183日以下の場合は税金を払わなくてよいというルールです。

                                                             

                                                             パーマネントトラベラーと呼ばれる人々は、この制度を悪用します。具体的には、いくつもの国に家を持ち、それらの家を点々と回るのです。

                                                             

                                                             特に欧州はシュンゲン協定締結国間では、国境を自由にまたいで移動することが可能です。日本でいえば、東京都内の人が埼玉県、栃木県、福島県と県境を越えることができるのと同じように、シュンゲン協定締結国間では国境を自由に超えることができるのです。

                                                             

                                                             こうしたパーマネントトラベラーの税逃れを防ぐためには、米国の属人主義をとらない限り捕捉することは困難であるといえるでしょう。

                                                             

                                                             そして日本には183日ルールがなく、国税庁が居住実態に即して総合的に判断します。国税庁の判断基準となる居住実態というのは、主たる活動拠点があること、主たる住居等があること、これが日本をメインとしていると判断できる場合は、日本での納税義務を持つとされています。

                                                             

                                                             

                                                             

                                                            2.ルノーの報酬額と日産自動車の報酬額の比較

                                                             

                                                             ゴーン容疑者の場合、ルノーの報酬は2015年度で約700万ユーロ(約9億円)、2018年6月には約740万ユーロ(約9億5000万円)の報酬が株主総会で承認されました。

                                                             

                                                             

                                                            <2016年度決算資料におけるカルロス・ゴーン氏の役員報酬>

                                                            (出典:2016年度の日産自動車の有価証券報告書から引用)

                                                             

                                                             

                                                            <2017年度決算資料におけるカルロス・ゴーン氏の役員報酬>

                                                            (出典:2017年度の日産自動車の有価証券報告書から引用)

                                                             

                                                             

                                                             上記は日産自動車の有価証券報告書から引用したものですが、2016年度(2017年の株主総会)10億9800万円、2017年度(2018年の株主総会)7億3800万円となっています。

                                                             

                                                             もし、これが本当は2016年度20億円、2017年度15億円が正しい報酬だったとなれば、どうなるでしょうか?

                                                             皆様もご理解の通り、ルノーの報酬額よりも日産自動車の報酬額の方が多くなります。

                                                             

                                                             ところが有価証券報告書に、実際にもらっている報酬ではなく、半額の10憶9800万円、7億3800万円と虚偽の記載をすることで、ルノーの報酬の方が多くなり、主たる所得はルノーからもらっているという主張(=言い訳)ができるようになるのです。

                                                             

                                                             また不動産について、日産自動車は訴訟する方針である旨が報じられていますが、ゴーン容疑者は自分で自己資金で住居を購入せず、日産自動車に住居を購入させて無償で使っていたとされています。

                                                             

                                                             国税庁の判断基準の主たる居住地の判断について、日本に不動産を保有していること、日本国内で賃貸借契約を締結して居住実態が確認できることというのが要件の一つになっているのですが、日産自動車に住居を購入させて無料で借りている限り、ゴーン容疑者の不動産保有でもなければ賃貸借契約の当事者にも該当せず、居住実態の判断基準に該当しない可能性があるのです。

                                                             

                                                             

                                                             

                                                            3.ゴーン容疑者の今後はどうなるのか?

                                                             

                                                             上述はあくまでも私見ではありますが、合理的に考えた場合、「所得はフランスの方が多い」「住まいは日本にはない」というのが建前となれば、短期居住者扱いとなって、日本に納税義務はないと判断されていた可能性は高いでしょう。

                                                             

                                                             実際に2011年3月期〜2015年3月期(2011年〜2015年の株主総会での承認額)の約49億8700万円でなく、50億を加算して正しく有価証券報告書に記載した場合、ゴーン容疑者の所得は、フランスよりも日本の方が多いということとなって、主たる生活、主たる所得の源泉は、日本であると判断される可能性が高いでしょう。

                                                             

                                                             仮に有価証券報告書の虚偽記載を目をつぶったとしても、ゴーン容疑者が自己資金で日本国内で住居を購入していたり、不動産の賃貸借契約をしていた場合も、日本に居住実態があると判断された可能性が高いでしょう。

                                                             

                                                             これまで報道された内容から考えられるところ、ゴーン容疑者は日本に全く税金を払っていなかった可能性も無きにしも非ずであるといえます。

                                                             

                                                             もし、ゴーン容疑者がパーマネントトラベラーをやっていて、日本に1円も払っていなかった場合、どうなるでしょうか?

                                                             

                                                             まず所得総額の約50%相当に対して、過去7年間遡って所得税がかかります。そこに最大35%の特別重加算税がかかります。特別重加算税とは、過少申告に至った手法などが悪質と判断された場合に加算されるのですが、ゴーン容疑者の場合は課される可能性が指摘されています。

                                                             

                                                             さらに、その所得税の脱税行為であるパーマネントトラベラーをいつからやっていたか?という判断の年限によりますが、税の延滞税として14.6%が加算されます。

                                                             

                                                             その他にも、日産自動車から世界4か国で借りた不動産、ブラジルのリオのヨットクラブの会員権600万円相当、姉に払っていた年間1,130万円のコンサルティング料、母親の住居費、こうしたものを民事で損害賠償請求されて敗訴した場合、ゴーン容疑者は財産をすべて失うかもしれません。

                                                             

                                                             

                                                             

                                                             というわけで今日は日産自動車のカルロス・ゴーン事件について取り上げました。

                                                             ゴーン容疑者が何のために役員報酬を虚偽記載をしたのか?あくまでも私見とはいえ、十分に考えられる動機があることは理解できたのではないでしょうか?

                                                             グローバリストと呼ばれる人たちの正体は、ゴーン容疑者のような人たちです。各国の法律の都合がいいところをとって搾取するわけですが、日本だけでなくレバノンなどの他国に住居を日産自動車に購入させ、183日ルールを悪用して国を転々としていくという手法で税逃れをするというのは、絶対に許されるべきことではないです。

                                                             と同時に自動車分野で高技術を持つ日本企業を代表する日産自動車をここまで食い物にしてきて、コストカッターということで従業員の処遇の低下、取引先に対する厳しいコストダウン指示をしてきたゴーン氏に対しては、厳しく処罰していただきたいと思います。

                                                             

                                                             

                                                            〜関連記事〜

                                                            日産自動車のカルロス・ゴーン問題の先にあるものとは?


                                                            自民党の税制調査会長の野田毅最高顧問の「消費税は20%が上限」という発言について

                                                            0

                                                              JUGEMテーマ:経済成長

                                                              JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                                                              JUGEMテーマ:経済全般

                                                              JUGEMテーマ:消費税増税

                                                              JUGEMテーマ:消費税

                                                               

                                                               消費増税については、既成事実化させる報道が相次いでいますが、あくまで予定であり、決定されたものではありません。そんな中、2018/11/19の産経新聞で、自民党の税制調査会長の野田毅最高顧問が「消費税は20%が上限」と日本記者クラブで講演しましたと報じられています。今日はこの記事を取り上げ、論説したいと思います。

                                                               

                                                               下記は産経新聞の記事です。

                                                              『産経新聞 2018/11/19 19:50 「消費税率は20%が上限」自民税調の野田最高顧問

                                                               自民党税制調査会の野田毅最高顧問は19日、日本記者クラブで講演し、財政健全化に向けた中長期的な消費税率の水準について「20%が上限だと思う。今のままなら3割(30%)だという話もあるが、いくら何でもどうかと思う」との考えを示した。

                                                               来年10月の消費税率10%引き上げに伴い、飲食料品など生活必需品の税率を8%に据え置く軽減税率の導入については、「今は法律で決まっており、あえて持論を強く主張して変えろというつもりはない」とし、予定通りの導入を求めた。』

                                                               

                                                               上述の通り、野田氏は講演の中で財政健全化に向けた中長期的な消費税率の水準について「20%が上限」と持論を語られました。2014年4月の消費増税3%引き上げでも大変だったわけですが、2%引き上げるだけでも日本経済をどれだけ破壊するか?大変な話であるにもかかわらず「上限20%」という数字を口にされました。

                                                               

                                                               消費税率が何%が適切か?ということでいえば、30%でも50%でもあり得るのかもしれません。問題は、消費増税することで日本経済が安定的に成長することが可能か否か?と問うべきです。

                                                               

                                                               欧州のEUにおけるマーストリヒト条約で定める財政赤字対GDP比率を3%にしなければならないとするルールの「3%」という数字でいえば、EUに加盟している国が不況になって苦しんでいる状況であっても「3%」が適切か否か?という話と同じです。

                                                               

                                                               だいたいマーストリヒト条約の財政規律ルールの「3%」という数値に、学術的な根拠はありません。EU諸国に所属するある国家、例えばギリシャが不況に苦しんでいる、イタリアが不況に苦しんでいる、ということになれば、財政赤字額は好況になるまで、安定した経済成長が可能になるまで、赤字額に上限を定める必要はありません。

                                                               

                                                               同様に消費税の税率についても、日本経済が安定して成長できるか否か?だけを考えれば、10%でも30%でも50%でもいいですし、5%や3%に減税したり、0%で廃止してもいいのです。

                                                               

                                                               産経新聞の記事にある野田氏の発言において、20%が大丈夫というのは何をもって大丈夫なのか?が一切語られていません。「いくら何でもどうか?」の基準は、一体何なのでしょうか?

                                                               

                                                               本来ならば、日本国民の経済がどうなるか否か?経済に対する影響、所得に対する影響、消費水準、企業のビジネスに対する影響がどうなるか?ということが基準にされて発言されるべきです。

                                                               

                                                               「20%だったらOK!」で、「30%というのはちょっとどうかな?」というのは、あまりにも日本国民を愚弄した発言です。

                                                               

                                                              <図1:各国の直間比率の比較>

                                                              (出典:財務省のホームページ)

                                                               

                                                               

                                                              <図2:各国の消費税の標準税率の比較>

                                                              (出典:国税庁のホームページ)

                                                               

                                                               消費税導入時、あるいは引き上げの際、直接税と間接税の比率を間接税にシフトしていくとする直間比率是正を大義名分とする言説があります。とはいえ総税収に対する消費税収の割合でいえば、<図1>の通り日本の直間比率は既に欧州諸国よりも高い水準です。<図2>では確かに日本の消費税率は8%と欧州諸国との比較では低いのですが、そもそも国際比較では税率が重要なのではなく、総税収に対する消費税収の割合こそが問題であり、日本では十分に高くなっています。

                                                               

                                                               そのため、海外の平均が20%、高福祉のスウェーデンが25%、だから日本も20%くらいが上限なのでは?する発言は、学術的な根拠がない適当な発言としか言いようがありません。

                                                               

                                                               野田氏は与党の税制の最高顧問という立場の方が、こうした適当な発言をすることについて、日本国民はもっと怒らなければならないと思います。

                                                               

                                                               

                                                               というわけで今日は野田氏の消費税率「20%が上限」という発言について問題ありとする旨を述べさせていただきました。

                                                               

                                                              〜関連記事〜

                                                              なぜ諸外国は消費税20%とか25%とかできるのか?

                                                              消費税に関する情報戦争

                                                              ◆”「所得税を減税しないと富裕層が逃げていく!」は本当か?

                                                              「法人税」と「所得税の累進課税」が高く、「消費税」と「社会保険料負担」が低い国家とは?

                                                              消費増税を既成事実化しようとするマスコミ

                                                              世耕経産相の”カード手数料下げ要請”にみるデフレ脳と泥縄状態の消費増税対策

                                                              輸出戻し税について


                                                              | 1/20PAGES | >>

                                                              calendar

                                                              S M T W T F S
                                                                12345
                                                              6789101112
                                                              13141516171819
                                                              20212223242526
                                                              2728293031  
                                                              << January 2019 >>

                                                              スポンサーリンク

                                                              ブログ村

                                                              ブログランキング・にほんブログ村へ
                                                              にほんブログ村

                                                              selected entries

                                                              recent comment

                                                              • 英語教育について(トランプ大統領の演説を誤訳したNHK)
                                                                永井津記夫 (12/07)
                                                              • ハロウィーンは日本のお祭りとは違います!
                                                                ユーロン (11/12)
                                                              • オプジーボが医療財政の大きな負担であるため保険の適用外にしたいと思っている財務省
                                                                SSST. (10/13)
                                                              • サムスン電子について
                                                                故人凍死家 (09/26)
                                                              • 財務省の役人は、なぜ緊縮財政なのか?
                                                                吉住公洋 (09/26)
                                                              • 生乳流通改革という欺瞞と、イギリスのミルク・マーケティング・ボード
                                                                富山の大学生 (06/05)
                                                              • オランダ人の物理学者、ヘイケ・カメルリング・オネス
                                                                師子乃 (10/02)
                                                              • オランダ人の物理学者、ヘイケ・カメルリング・オネス
                                                                mikky (12/01)

                                                              profile

                                                              search this site.

                                                              mobile

                                                              qrcode

                                                              powered

                                                              無料ブログ作成サービス JUGEM